(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明により、端子付光ファイバケーブルを容易に、高精度に調芯して光接続できる光接続構造及び光コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、光ファイバ芯線を有する光ファイバケーブルの先端に、フェルールを有する光ファイバ端子が装着された端子付光ファイバケーブルを光接続する光接続構造であって、前記光ファイバ端子が接続される接続対象部材に形成された被嵌着部に、互いの対向面が対向するように嵌着するとともに、前記光ファイバケーブルの先端より露出した前記光ファイバ芯線の先端面である芯線先端面が前記対向面から露出する嵌着部を前記フェルールの先端側に備え、
前記嵌着部が前記被嵌着部に挿入可能に構成するとともに、前記嵌着部及び前記被嵌着部
の両側面
を挿入方向に交差する方向のテーパ角度を有するテーパ面で構成し
、前記被嵌着部のテーパ面の前記テーパ角度を、前記嵌着部のテーパ面の前記テーパ角度より大きな角度で構成し、前記嵌着部を前記挿入方向に沿った凸状の円錐台形状で形成し、前記被嵌着部を前記挿入方向に沿った凹状の円錐台形状で形成し、前記嵌着部の対向面を、前記被嵌着部の対向面より大きな径で形成した円形面で構成した構成したことを特徴とする。
【0010】
上記接続対象部材は、別の端子付光ファイバケーブルや、FOT等の送受光に関する装置とすることができる。なお、FOT等の送受光に関する装置との光接続構造の場合、端子付光ファイバケーブルにおける芯線先端面と送受光に関する装置との間にレンズや光ファイバが介在した光接続であってもよく、直接接続であってもよい。
【0011】
上記
両側面が挿入方向に交差する方向のテーパ角度は、挿入方向に対する角度を意味しており、上述の挿入方向に交差する方向のテーパ角度を有するテーパ面は、嵌着部や被嵌着部の中心を通る断面におけるテーパ面部分が挿入方向に対してテーパ角度を有する面であることを意味している。
【0012】
上述の前記嵌着部及び前記被嵌着部のうち一方が他方に挿入可能に構成する前記嵌着部及び前記被嵌着部は、他方に挿入する一方を凸状とするとともに他方を凹状とする態様、あるいは他方に挿入する凸状の一方にも、凹状に形成された凸状部分の挿入を許容する凹状部分を有する態様であってもよい。
【0013】
この発明により、端子付光ファイバケーブルの嵌着部と、接続対象部材に形成された被嵌着部と嵌着するだけで、容易に高精度に調芯して、端子付光ファイバケーブルと接続対象部材とを光接続できる。
【0014】
詳しくは、前記光ファイバケーブルの先端より露出した前記光ファイバ芯線の先端面である芯線先端面が前記対向面から露出する嵌着部を前記フェルールの先端側に備え、互いの対向面が対向するように、接続対象部材に形成された被嵌着部及び前記嵌着部のうち一方を他方に挿入して嵌着することによって、容易に光接続することができる。
【0015】
しかも、前記嵌着部及び前記被嵌着部の
両側面を挿入方向に交差する方向のテーパ角度を有するテーパ面で構成し、前記被嵌着部のテーパ面の前記テーパ角度を、前記嵌着部のテーパ面の前記テーパ角度より大きな角度で構成したことによって、前記嵌着部
を前記被嵌着
部に挿入するだけで、テーパ面によって挿入方向に交差する方向に案内され、容易に、高精度に調芯することができる。
【0016】
さらに、前記嵌着部
を前記被嵌着
部に挿入して光接続する際に、テーパ面によって挿入方向に交差する方向に案内され、容易に、高精度に調芯することができるため、例えば、固定スリーブのように調芯するための別部材を組み付ける必要がなく、部品点数を低減できるとともに、生産効率を向上することができる。
【0017】
さらにまた、前記嵌着部
を前記被嵌着
部に挿入する挿入方向に交差して挿入した場合であっても、前記挿入方向に沿った凹状の円錐台形状のテーパ面に、凸状の円錐台形状の先端側の対向面における周縁部が当接しながら挿入することで、正確な挿入方向で凸状の円錐台形状の挿入を、正しい挿入方向に案内し、容易に、高精度に調芯することができる。
【0018】
例えば、製造公差によって、嵌着部の対向面の周縁部が被嵌着部のテーパ面に当接せず、被嵌着部に対して嵌着部が調芯できないおそれがあるが、この発明により、前記被嵌着部の対向面
より大きな径で形成した円形面で構成する前記嵌着部の対向面は、必ず被嵌着部のテーパ面に当接するため、確実に高精度で調芯することができる。
【0019】
なお、前記嵌着部及び前記被嵌着部の
両側面が挿入方向に交差する方向のテーパ角度を有するテーパ面で構成することは、例えば、前記嵌着部及び前記被嵌着部のうち他方に挿入する側を凸部、他方の挿入を許容する側を凹部で形成した場合に、柱形状の凹部と錐台状の凸部、錐台形状の凹部と柱状の凸部、錐台形状の凹部と錐台形状の凸部などの組み合わせとすることができる。さらに、上記錐台形状は、円錐台形状や多角錐台形状を含み、また、柱形状は円柱形状や多角柱形状を含む概念である。
【0020】
またこの発明の態様として、接続状態における対向面同士の離間距離を、所定の光伝送ロス率に基づいて設定するとともに、設定された前記離間距離に基づいて、前
記嵌着部の対向面に対する前記
被嵌着部の対向面の縮径率、及び前記テーパ角度の少なくとも一方を設定することができる。
【0021】
上述したように、嵌着部の対向面の周縁部を被嵌着部のテーパ面に当接させて、高精度に調芯するために、嵌着部の対向面を、被嵌着部の対向面以上の径の円形面で構成することにより、嵌着された光接続状態において、嵌着部と被嵌着部の対向面同士の間にクリアランスが生じる。
【0022】
このクリアランスによる対向面同士の離間距離が大きくなると伝送される光情報信号の光伝送ロスが大きくなるが、光接続において許容される伝送ロス率は、光伝送路に設けられる電装品の仕様や目的によって異なる。
【0023】
これに対し、この発明の構成により、所定の光伝送ロス率に基づいて設定された前記離間距離に基づいて、前
記嵌着部の対向面に対する前記
被嵌着部の対向面の縮径率、及び前記テーパ角度の少なくとも一方を設定するため、所定の光伝送ロス率を満足しながら、挿入による容易な調芯を実現することができる。
【0024】
またこの発明は、上述の光接続構造における前記端子付光ファイバケーブルと、前記光ファイバ端子を挿着するコネクタハウジングとで構成する光コネクタであって、前記光ファイバケーブルを、前記光ファイバ芯線の外周を長手方向に沿って覆う芯線被覆部及び前記光ファイバ芯線で構成する光ファイバ素線、該光ファイバ素線の外周に長手方向に沿って配置する抗張力体、並びに抗張力体の外側を長手方向に沿って覆うケーブル外被覆部で構成し、前記フェルールの後側に、前記抗張力体の前記光ファイバケーブルの先端より露出する露出側端部の載置を許容する筒状の抗張力体台座部と、該抗張力体台座部の後側に、ケーブル外被覆部内部に挿入可能な筒状の挿入台座部とを備え、前記抗張力体台座部に載置した前記抗張力体の該露出側端部と前記抗張力体台座部とをカシメて固定するとともに、ケーブル外被覆部内部に挿入した挿入台座部と、ケーブル外被覆部とを固定する端子固定部材を備えたことを特徴とする。
【0025】
上述の抗張力体は、例えばケブラー(登録商標)等のアラミド樹脂繊維等で構成され、光ファイバケーブルの引張に対する耐力の向上させるものである。
また、端子固定部材は、抗張力体を抗張力体台座部に対して固定するとともに、ケーブル外被覆部内部に挿入した挿入台座部と、ケーブル外被覆部とを固定することが可能であれば、例えばカシメリングや、筒状のバネ、割溝付きの筒状部材、接着剤等で固定してもよい。
【0026】
この発明により、光ファイバケーブルの端部に光ファイバ端子を確実に固定でき、外力が作用しても、光ファイバ端子が光ファイバケーブルから抜けて外れることを防止できる。
【0027】
詳しくは、光ファイバ端子のフェルールを光ファイバケーブルの先端に装着した際、光ファイバケーブルの先端より露出した抗張力体の露出側端部をフェルールの抗張力体台座部上に載置するとともに、挿入台座部をケーブル外被覆部内部に挿入し、端子固定部材で、前記抗張力体台座部に載置した前記抗張力体の該露出側端部と前記抗張力体台座部とをカシメて固定するとともに、ケーブル外被覆部内部に挿入した挿入台座部と、ケーブル外被覆部とを固定するため、光ファイバ端子が光ファイバケーブルから抜けて外れることを防止できる。
【0028】
この発明の態様として、前記抗張力体台座部及び挿入台座部の少なくとも一方の外周面に、環状の凸部を長手方向に複数配置することができる。
この発明により、光ファイバケーブルを光ファイバ端子に対して確実かつ強固に固定することができる。
【0029】
詳述すると、端子固定部材で、前記抗張力体台座部に載置した前記抗張力体の該露出側端部と前記抗張力体台座部とをカシメて固定するとともに、ケーブル外被覆部内部に挿入した挿入台座部と、ケーブル外被覆部とを固定する固定状態において、前記抗張力体台座部及び挿入台座部の少なくとも一方の外周面において、長手方向に複数配置された環状の凸部によって、摩擦抵抗が増大し、より堅固に固定することができる。
【0030】
またこの発明の態様として、前記光ファイバケーブルにおける前記コネクタハウジング側の部位を被覆する保護ブーツを備え、前記保護ブーツの先端側部分に、前記コネクタハウジング内に保持される被保持部が形成され、被保持部の外周に、前記コネクタハウジング内に配置した状態で変形して止水する止水手段を備えることができる。
この発明により、確実な光伝送を行うとともに、水分の侵入による不具合の発生を防止することができる。
【発明の効果】
【0031】
この発明により、端子付光ファイバケーブルを容易に、高精度に調芯して光接続できる。
【発明を実施するための形態】
【0033】
この発明の一実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
図1及び
図2はワイヤー光接続Aについての斜視図による説明図を示し、
図3はワイヤー光接続Aについての断面図による説明図を示している。
詳しくは、
図1(a)及び
図2(a)は雄型光コネクタケーブル10と雌型光コネクタケーブル100とを接続した接続状態のワイヤー光接続Aの斜視図を示し、
図1(b)及び
図2(b)は雄型光コネクタケーブル10と雌型光コネクタケーブル100とを接続するために配置した状態の斜視図を示している。
【0034】
また、
図3(a)は上記接続状態のワイヤー光接続Aの断面図を示し、
図3(b)は上記配置した状態のワイヤー光接続Aの断面図を示し、
図3(c)は
図3(a)におけるa部の拡大図を示し、
図3(d)は
図3(b)におけるb部の拡大図を示している。さらに、
図3(e)は
図3(a)におけるa−a線断面図を示し、
図3(f)は
図3(a)におけるb−b線断面図を示している。
【0035】
また、
図4は防水ブーツ200についての説明図を示し、
図5は凹状フェルール300aについての説明図を示し、
図6は凸状フェルール300bについての説明図を示している。詳しくは、
図4(a)は防水ブーツ200の断面図を示し、
図4(b)は防水ブーツ200の斜視図を示し、
図5(a)は凹状フェルール300aの断面図を示し、
図5(b)はフェルール本体310の斜視図を示し、
図5(c)は凹状フェルール300aの斜視図を示している。また、
図6(a)は凸状フェルール300bの断面図を示し、
図6(b)はフェルール本体310の斜視図を示し、
図6(c)は凸状フェルール300bの斜視図を示している。なお、
図5(b),
図6(b)では、フェルール本体310の挿入台座部313が挿入されるケーブル外被覆部403を破線で示し、
図5(c),
図6(c)では、フェルール本体310を破線で示している。さらに、
図5(c)では、カップフェルール320の周方向の一部を透過状態で図示している。
【0036】
ワイヤー光接続Aは、
図1,2に示すように、雄型光コネクタケーブル10の雄型光コネクタ20と、雌型光コネクタケーブル100の雌型光コネクタ120とを嵌合させて構成している。
【0037】
詳しくは、雄型光コネクタケーブル10は、雄側端子付光ファイバケーブル30の凹状フェルール300aを雄型光コネクタ20に装着して構成し、雌型光コネクタケーブル100は、雌側端子付光ファイバケーブル130の凸状フェルール300bを雌型光コネクタ120に装着して構成している。
【0038】
雄側端子付光ファイバケーブル30は、光ファイバケーブル40の先端に凹状フェルール300aを装着して構成し、雌側端子付光ファイバケーブル130は、光ファイバケーブル40の先端に凸状フェルール300bを装着して構成している。
【0039】
光ファイバケーブル40は、光ファイバ素線401と、光ファイバ素線401の外周に長手方向に沿って複数本配置した例えばケブラー(登録商標)等のアラミド樹脂繊維製の抗張力体402と、抗張力体402の外側を長手方向に沿って覆うケーブル外被覆部403とで構成している(
図3参照)。
【0040】
光ファイバ素線401は、ガラス製のファイバである光ファイバ芯線404と、光ファイバ芯線404の外周を長手方向に沿って覆うポリアミド樹脂製の芯線被覆部405とで構成している。
光ファイバ芯線404としては、石英系ガラスからなるコア407と、コア407の外側を被覆するクラッドとで構成するマルチモード(MMF)光ファイバである。なお、MMF光ファイバのみならず、例えば、石英系ガラスからなるコア407と、コア407よりも屈折率が低い硬質プラスチックのクラッドで構成する、いわゆるHCS(Hard Clad Silica)光ファイバを用いてもよい。
【0041】
雄型光コネクタ20及び雌型光コネクタ120の後端側に配置される防水ブーツ200は、
図4に示すように、先端側から、止水部201、スリーブ装着部202、屈曲部203及び先細円筒部204で構成したゴム製の円筒状体である。
【0042】
止水部201は、スリーブ装着部202よりひとまわり径小の円筒状であり、外周面に、雄型光コネクタ20や雌型光コネクタ120に装着された状態において、変形して止水性を確保する環状襞201aを、軸方向に所定間隔を隔てて複数備えている。
【0043】
スリーブ装着部202は、光ファイバケーブル40のケーブル外被覆部403の外嵌する固定スリーブ240(
図3参照)の内在を許容する円筒状部分である。
屈曲部203及び先細円筒部204は、光ファイバケーブル40のケーブル外被覆部403の外形と一致する内部空間を有する円筒状体であり、スリーブ装着部202よりひとまわり径小な環状部分203aを軸方向に所定間隔を隔てて備えている。
【0044】
光ファイバケーブル40の先端に装着され、雄側端子付光ファイバケーブル30を構成する凹状フェルール300aは、
図5に示すように、フェルール本体310と、フェルール本体310の先端側に装着するカップフェルール320とで構成している。
【0045】
光ファイバケーブル40の先端に装着され雌側端子付光ファイバケーブル130を構成する凸状フェルール300bは、フェルール本体310と、フェルール本体310の先端側に装着するコーンフェルール330とで構成している。
【0046】
凹状フェルール300a及び凸状フェルール300bの両方において共通するフェルール本体310は、先端側から順に、筒状本体部311、ケブラー台座部312及び、ケブラー台座部312より径小な挿入台座部313とで構成している。
【0047】
筒状本体部311は、光ファイバケーブル40のケーブル外被覆部403と同程度の径の円筒体である。
筒状本体部311の後端側に配置されたケブラー台座部312は筒状本体部311よりひとまわり径小の円筒体であり、その外周面に、環状の環状凸部312aを前後方向に所定間隔を隔てて配置している。なお、環状凸部312aは、筒状本体部311と同程度の径で形成している。
【0048】
ケブラー台座部312の後端側に配置された挿入台座部313はケブラー台座部312よりひとまわり径小の円筒体であり、その外周面に、環状の環状凸部313aを前後方向に所定間隔を隔てて配置している。なお、環状凸部313aは、環状凸部312aに対してケーブル外被覆部403の厚み分小径に形成し、環状凸部313aは、ケーブル外被覆部403の内径と同程度に形成している。
【0049】
このように構成したフェルール本体310の中心には、軸方向、つまり挿入方向Xに貫通する貫通孔314を形成している。
貫通孔314について詳述すると、貫通孔314は、先端から順に、カップフェルール320及びコーンフェルール330における挿入軸部321,331の挿入を許容する挿入孔部314a、光ファイバ芯線404の挿通を許容する芯線挿通孔部314b、及び、光ファイバ素線401の挿通を許容する素線挿通孔部314cがこの順で連通して構成している。
【0050】
なお、挿入孔部314aは、筒状本体部311の先端側から筒状本体部311の半分程度の長さで形成され、芯線挿通孔部314bは、挿入孔部314aの後端から筒状本体部311の後端までの長さで形成され、素線挿通孔部314cは、ケブラー台座部312から挿入台座部313まで連続して形成されている。
【0051】
フェルール本体310の先端側に装着して凹状フェルール300aを構成するカップフェルール320は、後端側から順に、フェルール本体310の挿入孔部314aに挿入する挿入軸部321と、フェルール本体310と同程度の径で形成された中空のカップ本体322とで構成している。
【0052】
このように構成したカップフェルール320の中心には、軸方向に貫通する貫通孔324を形成している。
貫通孔324について詳述すると、貫通孔324は、後端から順に、光ファイバ芯線404の挿通を許容する芯線挿通孔部324a、コア407の挿通を許容するコア挿通孔部324b、後述するコーンフェルール330のコーン本体333の先端コーン部333aの挿入を許容するテーパ孔部324c、及び、コーン本体333の挿入を許容するコーン本体挿通孔部324dがこの順で連通して構成している。テーパ孔部324cは、対向面324caを有する円錐台形状であり、対向面324caの中央にコア挿通孔部324bが開口し、コア挿通孔部324bからコア407の端面が露出している。
【0053】
なお、挿入軸部321をフェルール本体310の挿入孔部314aに挿入して凹状フェルール300aを構成した状態では、フェルール本体310の芯線挿通孔部314bと、カップフェルール320の芯線挿通孔部324aとは連続する態様となる。また、挿入軸部321をフェルール本体310の挿入孔部314aに挿入してフェルール本体310とカップフェルール320とで凹状フェルール300aを構成した状態では、挿入孔部314aに対して挿入軸部321は軸方向にスライド可能に挿入されており、フェルール本体310の先端側端面310aと、カップフェルール320のカップ本体322の後端側端面との間に、フェルール本体310に対してカップフェルール320を離間する方向に付勢する板バネ340を備えている。
【0054】
光ファイバケーブル40の先端に装着され雌側端子付光ファイバケーブル130を構成する凸状フェルール300bは、上述したフェルール本体310と、フェルール本体310の先端側に装着するコーンフェルール330とで構成している。
【0055】
フェルール本体310の先端側に装着して凸状フェルール300bを構成するコーンフェルール330は、後端側から順に、フェルール本体310の挿入孔部314aに挿入する挿入軸部331と、フェルール本体310と同程度の径で形成されたフランジ部332と、カップフェルール320におけるカップ本体322の貫通孔324に挿入するコーン本体333で構成している。
【0056】
なお、コーン本体333の先端には、貫通孔324のテーパ孔部324cに対応する先端コーン部333aを備え、先端コーン部333aは、先端面に対向面333bを有する円錐台状に形成し、対向面333bの中央に後述するコア挿通孔部334bが開口し、コア挿通孔部334bからコア407の端面が露出している。
【0057】
このように構成したコーンフェルール330の中心には、軸方向に貫通する貫通孔334を形成している。
貫通孔334について詳述すると、貫通孔334は、後端から順に、光ファイバ芯線404の挿通を許容する芯線挿通孔部334a、及びコア407の挿通を許容するコア挿通孔部334bがこの順で連通して構成している。
【0058】
なお、挿入軸部331をフェルール本体310の挿入孔部314aに挿入してフェルール本体310とコーンフェルール330とで凸状フェルール300bを構成した状態では、挿入孔部314aに対して挿入軸部331は軸方向にスライド可能に挿入されており、フェルール本体310の先端側端面310aと、コーンフェルール330のフランジ部332の後端側端面332aとの間に、フェルール本体310に対してコーンフェルール330を離間する方向に付勢する板バネ340を備えている。
【0059】
次に、貫通孔324のテーパ孔部324c、及びコーンフェルール330の先端コーン部333aについて詳述する。
貫通孔324のテーパ孔部324cのテーパ角度θ1は、コーンフェルール330の先端コーン部333aのテーパ角度θ2より、挿入方向Xに対する角度が大きくなる。
また、先端コーン部333aの対向面333bは、貫通孔324の対向面324caより径大な円形形状で形成している。
【0060】
そのため、
図3に示すように、光接続状態において、先端コーン部333aの対向面333b、及び貫通孔324の対向面324caとの間にクリアランスKが生じる。
クリアランスKによる許容された光伝送ロス率は、ワイヤー光接続Aを用いるシステム環境によって大きく変わるため、一概にクリアランスKの値を決定することはできない。
【0061】
そこで、許容された光伝送ロス率に応じてクリアランスKを設定し、設定されたクリアランスKを満足するため、貫通孔324のテーパ孔部324cのテーパ角度θ1や、コーンフェルール330の先端コーン部333aのテーパ角度θ2、並びに、先端コーン部333aの対向面333bや貫通孔324の対向面324caのサイズを変更し、所定のクリアランスK以上とならない様にしている。
【0062】
続いて、このように構成した雄型光コネクタケーブル10の凹状フェルール300aを配置する雄型光コネクタ20、雌型光コネクタケーブル100の凸状フェルール300bを配置する雌型光コネクタ120について説明する。
雄型光コネクタ20は、雌型光コネクタ120に挿入して嵌合する嵌合凸部21、雄側端子付光ファイバケーブル30を嵌合凸部21へ案内する案内部22とで構成し、嵌合凸部21から案内部22までの間で、雄側端子付光ファイバケーブル30の装着を許容するケーブル装着孔23を2本有している。また、嵌合凸部21の外周面には、ゴム製のOリング21aを装着している。
【0063】
雌型光コネクタ120は、雄型光コネクタ20の挿入を許容して嵌合する嵌合凹部121、雄側端子付光ファイバケーブル30を嵌合凹部121へ案内する案内部122とで構成し、嵌合凹部121から案内部122までの間で、雄側端子付光ファイバケーブル30の装着を許容するケーブル装着孔123を2本有している。
【0064】
このように構成された雄型光コネクタ20を用いて雄型光コネクタケーブル10を構成するためには、雄側端子付光ファイバケーブル30の凹状フェルール300aが嵌合凸部21の端面から露出するようにケーブル装着孔23に挿着する。このとき、防水ブーツ200の先端側も案内部22内部となるように装着される。そして、防水ブーツ200のスリーブ装着部202で、フェルール本体310と光ファイバケーブル40とを固定する固定スリーブ240を保持する。このとき、防水ブーツ200の止水部201の外周面に形成した環状襞201aは、ケーブル装着孔23の内周面によって押しつぶされ、防水性を実現している。
【0065】
また、上述のような雌型光コネクタ120を用いて雌型光コネクタケーブル100を構成するためには、雌側端子付光ファイバケーブル130の凸状フェルール300bが嵌合凹部121の内側端面から突出するようにケーブル装着孔123に挿着する。このとき、防水ブーツ200の先端側も案内部122内部となるように装着される。そして、防水ブーツ200のスリーブ装着部202で、フェルール本体310と光ファイバケーブル40とを固定する固定スリーブ240を保持する。このとき、防水ブーツ200の止水部201の外周面に形成した環状襞201aは、ケーブル装着孔23の内周面によって押しつぶされ、防水性を実現している。
【0066】
なお、固定スリーブ240は、光ファイバケーブル40において、ケーブル外被覆部403内部に挿入された挿入台座部313とケーブル外被覆部403、及び、光ファイバケーブル40の先端側に延びる抗張力体402をケブラー台座部312に載置して抗張力体402とケブラー台座部312とを、両方を跨ぐ態様でカシメて固定している。
【0067】
このようにして、雄側端子付光ファイバケーブル30と雄型光コネクタ20とで構成する雄型光コネクタケーブル10と、雌側端子付光ファイバケーブル130と雌型光コネクタ120とで構成する雌型光コネクタケーブル100を接続するためには、雄型光コネクタケーブル10の雄型光コネクタ20における嵌合凸部21を、雌型光コネクタケーブル100の雌型光コネクタ120における嵌合凹部121に挿入する。このとき、嵌合凹部121の内部に突出する凸状フェルール300bのコーンフェルール330のコーン本体333が、嵌合凸部21の端面に露出するカップフェルール320の貫通孔324に挿入される。そして、コーン本体333の先端コーン部333aは、テーパ孔部324cによって、調芯される。
【0068】
さらには、凹状フェルール300aにおけるカップフェルール320、及び凸状フェルール300bにおけるコーンフェルール330は、フェルール本体310を反力として板バネ340により、カップフェルール320とコーンフェルール330とが近づく方向に付勢されているため、挿入方向Xに対してテーパ角度θを有する先端コーン部333aとテーパ孔部324cとによる調芯状態を維持することができる。
【0069】
このように、光ファイバ芯線404を有する光ファイバケーブル40の先端に、コーンフェルール330を有する凸状フェルール300bが装着された雌側端子付光ファイバケーブル130を光接続するワイヤー光接続Aにおいて、凸状フェルール300bが接続される雄側端子付光ファイバケーブル30に形成されたカップフェルール320に、貫通孔324の対向面324ca及び先端コーン部333aの対向面333bが対向するように嵌着するとともに、光ファイバケーブル40の先端より露出した光ファイバ芯線404の先端面であるコア407の端面が対向面333bから露出するコーン本体333をコーンフェルール330の先端側に備え、コーン本体333がカップフェルール320に挿入可能に構成するとともに、コーン本体333及びカップフェルール320に挿入方向Xに交差する方向のテーパ角度θを有する先端コーン部333a及びテーパ孔部324cを形成したことにより、雌側端子付光ファイバケーブル130のコーン本体333と、雄側端子付光ファイバケーブル30に形成されたカップフェルール320と嵌着するだけで、容易に高精度に調芯して、雌側端子付光ファイバケーブル130と雄側端子付光ファイバケーブル30とを光接続できる。
【0070】
詳しくは、光ファイバケーブル40の先端より露出した光ファイバ芯線404の先端面であるコア407の端面が対向面333bから露出するコーン本体333をコーンフェルール330の先端側に備え、テーパ孔部324cの対向面324ca及び先端コーン部333aの対向面333bが対向するように、雄側端子付光ファイバケーブル30に形成されたカップフェルール320にコーン本体333を挿入して嵌着することによって、容易に光接続することができる。
【0071】
また、コーン本体333及びカップフェルール320に先端コーン部333a及びテーパ孔部324cを形成したことによって、コーン本体333をカップフェルール320に挿入するだけで、テーパ孔部324c及び先端コーン部333aによって挿入方向Xに交差する方向に案内され、容易に、高精度に調芯することができる。
【0072】
さらには、凹状フェルール300aにおけるカップフェルール320、及び凸状フェルール300bにおけるコーンフェルール330は、フェルール本体310を反力として板バネ340により、カップフェルール320とコーンフェルール330とが近づく方向に付勢されているため、挿入方向Xに対してテーパ角度θを有する先端コーン部333aとテーパ孔部324cとによる調芯状態を維持することができる。
【0073】
さらにまた、コーン本体333及びカップフェルール320のうち一方を他方に挿入して光接続する際に、テーパ孔部324c及び先端コーン部333aによって挿入方向Xに交差する方向に案内され、容易に、高精度に調芯することができるため、例えば、固定スリーブのように調芯するための別部材を組み付ける必要がなく、部品点数を低減できるとともに、生産効率を向上することができる。
【0074】
また、先端コーン部333aのテーパ角度θ2を、テーパ孔部324cのテーパ角度θ1以下の角度で設定しているため、コーン本体333をカップフェルール320に容易に挿入し、挿入されたカップフェルール320のテーパ孔部324cの傾斜する側周面に、挿入するコーン本体333の先端コーン部333aの対向面333bの周縁部が当接することで、容易に、高精度に調芯することができる。
【0075】
また、先端コーン部333a及びテーパ孔部324cを円錐台形状で形成したことより、コーン本体333をカップフェルール320に挿入する挿入方向X、つまり軸方向に交差して挿入した場合であっても、挿入方向Xに沿った凹状の円錐台形状のテーパ孔部324cの側周面に、凸状の円錐台形状の先端コーン部333aの対向面333bにおける周縁部が当接しながら挿入することで、正確な挿入方向Xでコーン本体333の挿入を、正しい挿入方向Xに案内し、容易に、高精度に調芯することができる。
【0076】
また、先端コーン部333aの対向面333bを、テーパ孔部324cの対向面324ca以上の径で形成した円形面で形成したことによって、確実に高精度に調芯することができる。
【0077】
例えば、製造公差によって、テーパ孔部324cが交差の範囲内で大きく形成され、先端コーン部333aが交差の範囲内で小さく形成された場合などにおいては、先端コーン部333aの対向面333bの周縁部がカップフェルール320のテーパ孔部324cの側周面に当接せず、カップフェルール320に対してコーン本体333が調芯できないおそれがある。このような問題に対しても、テーパ孔部324cの対向面324ca以上の径で形成した円形面で構成する先端コーン部333aの対向面333bは、必ずカップフェルール320のテーパ孔部324cの側周面に当接するため、確実に高精度で調芯することができる。
【0078】
また、接続状態における対向面同士のクリアランスKの距離tを、所定の光伝送ロス率に基づいて設定するとともに、設定されたクリアランスKの距離tに基づいて、テーパ孔部324cの対向面324caに対する先端コーン部333aの対向面333bの縮径率、及びテーパ角度θ(θ1,θ2)を設定するため、所定の光伝送ロス率を満足しながら、挿入による容易な調芯を実現することができる。
【0079】
詳述すると、先端コーン部333aの対向面333bの周縁部をテーパ孔部324cの側周面に当接させて、高精度に調芯するために、先端コーン部333aの対向面333bを、テーパ孔部324cの対向面324ca以上の径の円形面で構成することにより、嵌着された光接続状態において、コーン本体333とテーパ孔部324cの対向面333b,324ca同士の間にクリアランスKが生じる。
【0080】
対向面333b,324ca同士のクリアランスKの距離tが大きくなると伝送される光情報信号の光伝送ロスが大きくなるが、光接続において許容される伝送ロス率は、光伝送路に設けられる電装品の仕様や目的によって異なる。
【0081】
これに対し、所定の光伝送ロス率に基づいて設定されたクリアランスKの距離tに基づいて、テーパ孔部324cの対向面324caに対する先端コーン部333aの対向面333bの縮径率、及びテーパ角度θ(θ1,θ2)を設定するため、所定の光伝送ロス率を満足しながら、挿入による容易な調芯を実現することができる。
【0082】
また、上述のワイヤー光接続Aにおける雌側端子付光ファイバケーブル130と、凸状フェルール300bを挿着する雌型光コネクタ120とで構成する雌型光コネクタケーブル100における光ファイバケーブル40を、光ファイバ芯線404の外周を長手方向に沿って覆う芯線被覆部405及び光ファイバ芯線404で構成する光ファイバ素線401、光ファイバ素線401の外周に長手方向に沿って配置する抗張力体402、並びに抗張力体402の外側を長手方向に沿って覆うケーブル外被覆部403で構成し、コーンフェルール330の後側に、抗張力体402の光ファイバケーブル40の先端より露出する露出側端部の載置を許容する筒状のケブラー台座部312と、ケブラー台座部312の後側に、ケーブル外被覆部403内部に挿入可能な筒状の挿入台座部313とを備え、固定スリーブ240によって、ケブラー台座部312に載置した抗張力体402の露出側端部とケブラー台座部312とをカシメて固定するとともに、ケーブル外被覆部403内部に挿入した挿入台座部313と、ケーブル外被覆部403とを固定することにより、光ファイバケーブル40の端部に凸状フェルール300bを確実に固定でき、外力が作用しても、凸状フェルール300bが光ファイバケーブル40から抜けて外れることを防止できる。
【0083】
詳しくは、フェルール300(300a、300b)のフェルール本体310を光ファイバケーブル40の先端に装着した際、光ファイバケーブル40の先端より露出した抗張力体402の露出側端部をフェルール本体310のケブラー台座部312上に載置するとともに、挿入台座部313をケーブル外被覆部403内部に挿入し、
図3(e),(f)に示すように、固定スリーブ240で、ケブラー台座部312に載置した抗張力体402の露出側端部とケブラー台座部312とをカシメて固定するとともに(
図3(e)参照)、ケーブル外被覆部403内部に挿入した挿入台座部313と、ケーブル外被覆部403とを固定するため(
図3(f)参照)、フェルール300(300a,300b)のフェルール本体310が光ファイバケーブル40から抜けて外れることを防止できる。
【0084】
また、ケブラー台座部312及び挿入台座部313の外周面に、環状凸部312a,313aを長手方向、つまり挿入方向Xに複数配置しているため、光ファイバケーブル40を凸状フェルール300bに対して確実かつ強固に固定することができる。
【0085】
詳述すると、固定スリーブ240で、ケブラー台座部312に載置した抗張力体402の露出側端部とケブラー台座部312とをカシメて固定するとともに、ケーブル外被覆部403内部に挿入した挿入台座部313と、ケーブル外被覆部403とを固定する固定状態において、ケブラー台座部312及び挿入台座部313の外周面において、長手方向(挿入方向X)に複数の環状凸部312a,313aを配置しているため、摩擦抵抗が増大し、より堅固に固定することができる。
【0086】
また、光ファイバケーブル40の屈曲を防止する防水ブーツ200を雌型光コネクタ120(雄型光コネクタ20)の基端側に配置し、防水ブーツ200の先端側部分に、雌型光コネクタ120(雄型光コネクタ20)内に配置した状態で変形して止水する環状襞201aを外周面に形成した止水部201を備えたことにより、確実な光伝送を行うとともに、水分の侵入による不具合の発生を防止することができる。
【0087】
また、雄型光コネクタ20の嵌合凸部21の外周面に、雌型光コネクタ120の嵌合凹部121の内周面との間で介在するOリング21aを備えているため、雄型光コネクタ200における雄型光コネクタ201の雄型光コネクタ201aとの相乗効果でより確実に、水分の侵入による不具合の発生を防止することができる。
【0088】
この発明の構成と、前記実施形態との対応において、
この発明のフェルールは、コーンフェルール330に対応し、
以下同様に、
光ファイバ端子は、凹状フェルール300aに対応し、
端子付光ファイバケーブルは、雌側端子付光ファイバケーブル130に対応し、
光接続構造は、ワイヤー光接続A、後述するFOT光接続Bに対応し、
接続対象部材は、雄側端子付光ファイバケーブル30に対応し、
被嵌着部は、カップフェルール320に対応し、
互いの対向面は、貫通孔324の対向面324ca及び先端コーン部333aの対向面333bに対応し、
芯線先端面は、コア407の端面に対応し、
嵌着部は、コーン本体333に対応し、
テーパ面は、テーパ孔部324c及び先端コーン部333aに対応し、
嵌着部のテーパ角度は、テーパ角度θ2に対応し、
被嵌着部のテーパ角度は、テーパ角度θ1に対応し、
離間距離は、クリアランスKの距離tに対応し、
コネクタハウジングは、雌型光コネクタ120に対応し、
光コネクタは、雌型光コネクタケーブル100に対応し、
抗張力体台座部は、ケブラー台座部312に対応し、
端子固定部材は、固定スリーブ240に対応し、
環状の凸部は、環状凸部312a,313aに対応し、
保護ブーツは、防水ブーツ200に対応し、
被保持部は、止水部201に対応し、
止水手段は、環状襞201aに対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。もちろん凹状フェルール300aを備えた雄型光コネクタケーブル10と凸状フェルール300bを備えた雌型光コネクタケーブル100とは入れ替わってもよく、どちらを主体としてもよい。
【0089】
例えば、上述のワイヤー光接続Aでは、雄型光コネクタケーブル10と雌型光コネクタケーブル100とを接続するいわゆるwire to wire接続であったが、
図7乃至
図9に示すように、雄型光コネクタケーブル10とFOTコネクタ400とを接続するFOT光接続Bであってもよい。FOT光接続Bについて、
図7乃至
図8とともに説明する。以下のFOT光接続B説明では、雄型光コネクタケーブル10については、上述のワイヤー光接続Aの説明における雄型光コネクタケーブル10と同一であるため詳細な説明を省略する。
【0090】
なお、
図7及び
図8はFOT光接続Bについての斜視図による説明図を示し、
図9はFOT光接続Bについての断面図による説明図を示している。
詳しくは、
図7(a)及び
図8(a)は雄型光コネクタケーブル10とFOTコネクタ400とを接続した接続状態のFOT光接続Bの斜視図を示し、
図7(b)及び
図8(b)は雄型光コネクタケーブル10とFOTコネクタ400とを接続するために配置した状態の斜視図を示し、
図9(a)は上記接続状態のFOT光接続Bの断面図を示し、
図9(b)は上記配置した状態のFOT光接続Bの断面図を示している。
【0091】
FOTコネクタ400は、コネクタハウジング410の内部にFOT(図支承略)を配置し、図示省略する基板上に固定されるコネクタであり、コネクタハウジング410に上述の雌型光コネクタケーブル100における雌型光コネクタ120の嵌合凹部121に対応する嵌合凹部411を備え、嵌合凹部411の内部に、雌型光コネクタケーブル100におけるコーンフェルール330のコーン本体333に対応するコーン本体412(
図9参照)が突出している。コーン本体412もコーンフェルール330のコーン本体333と同様に、先端に先端コーン部412aを備えている。その他の構成についても、雌型光コネクタケーブル100の凸状フェルール300bと同様であるため、説明を省略する。
【0092】
このように構成されたFOT光接続Bも、上述のワイヤー光接続Aと同様に、雄型光コネクタケーブル10における雄型光コネクタ20の嵌合凸部21を、FOTコネクタ400の嵌合凹部411に挿入することで、嵌合凸部21の端面に露出する貫通孔324にコーン本体412が挿入され、貫通孔324のテーパ孔部324cによって、コーン本体412の先端コーン部412aが案内され調芯される。このように、FOT光接続Bであってもワイヤー光接続Aと同様に、上述の効果を奏することができる。
【0093】
なお、上述の説明では、テーパ面を有する円錐台状のテーパ孔部324cと先端コーン部333aとを当接させて調芯したが、円錐台形状のみならず多角錐台形状で形成してもよい。さらには、テーパ孔部324cのみテーパ面を有する錐台形状に形成し、先端コーン部333aを有さない円柱状のコーン本体333とを嵌合させて調芯してもよい。