(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
最近、対象波長より小さい所定の構造を周期的に配置したEBG(Electromagnetic Band Gap)構造を用いて、対象電波の伝搬を制御する研究開発が進められている。
たとえばEBG構造を用いて、アンテナにおける不要放射を抑制することや、電波の伝搬抑制が可能である(特許文献1参照)。
EBGとは、半導体工学のエネルギ・バンド理論をマイクロ波やミリ波といった電磁波領域に適用したもので、対象とする電磁波の波長よりも小さい周期構造を、例えば金属材料で形成したものである。
マイクロ波やミリ波は、対象とされる電磁波の波長よりも小さい周期構造を金属材料で形成したEBG構造により、周波数に応じてその構造の中に存在できなくなったり、存在できたりする。したがって、EBG構造を用いて、電波を伝搬抑制したり透過させたりすることができ、EBG構造をアンテナ等に利用することにより、不要放射の抑制や伝搬抑制が可能となる。
基板上に導体パターンとして配置されるEBGには、特許文献1に見られるようなスルーホールを用いた構造(以下、3D構造)と平面構造の2つのタイプがあり、本願発明は平面構造のEBGに関するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
平面構造のEBGでは3D構造で使用されるようなスルーホールが必要とされないため、3D構造のEBGに比べてコストや製法等の面においてメリットがある。その反面、平面構造のEBGは3D構造のEBGに比べて、EBG素子1個当たりの大きさが大きく、同じ形状のEBG素子を周期的に配列するには比較的大きなスペースを必要とするというデメリットがある。
【0005】
EBG構造による伝搬抑制では、同じEBG素子列を所定数繰り返すことにより所望の抑制特性を得ることが可能となるため、十分な列数を繰り返し配列することが望ましい。
しかし、実際の製品化に当たっては、限られたスペースに種々の部品を配置する必要がある。そのため、所望の機能を得るために必要なEBGの周期構造を形成するのに必要な十分なスペースを確保することが難しい場合も多い。このように周期配列のためのスペースが不足した場合には、周期構造の繰り返し数が少ないため伝搬抑制特性を低下せざるを得ない場合もある。
【0006】
一方、周期配列を原則とするEBG構造では、平面構造のEBG素子の1個分には満たない空間が、未使用状態のスペースとして残されている場合もある。このように、従来は、EBG構造においては一素子分の大きさに満たないこの中途半端な残余スペースは、従来では利用不能スペースとして、EBG構造には活用できないデッドスペースと考えられていた。
【0007】
本願発明は、以上のような状況に鑑みてなされたもので、EBGを配置するスペースが狭く、EBG素子の繰り返し配置列数(周期構造)を比較的少なくせざるを得ない設計環境下において、より効率的に電波伝搬抑制効果を高めることのできる平面EBG構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はこれらの従来技術の課題に鑑みなされたもので、周期構造配列のEBG素子を、一素子の途中で切断した形状とすることにより、上記課題を解決するものである。
【0009】
本発明の第1の態様に係る平面EBG構造は、複数の平面EBG素子を配列した平面EBG構造であって、少なくともいずれか一方の端列の平面EBG素子列が、所定の位置で切断されていることを特徴とする平面EBG構造。
この態様によると、基板上に平面EBG素子を周期配列するスペースが十分で無く、かつ平面EBG素子1個分よりも小さいスペースが余っている場合に、平面EBG素子列の形状を平面EBG素子を途中から切断し、端列のスペースに配置可能な形状とした平面EBG素子を配列することにより、平面EBG素子列を一個少なくするよりも電波の伝搬抑制効率を向上させることが可能となる。
【0010】
本発明の第2の態様に係る平面EBG構造は、前記平面EBG構造は、前記切断した形状の平面EBG素子列のEBG導体をグランドに接続したことを特徴とする。この態様により、伝搬抑制効果をより向上させることが可能となる。
【0011】
本発明の第3の態様にかかる平面EBG構造は、少なくともいずれか一方の端列において、前記平面EBG素子が、該平面EBG素子の幅の3/4以上を残して切断された形状を備えることを特徴とする。
平面EBG素子幅を1/4より大きく切り落とした場合に比べて、何らの追加処理を必要とすることなく、高い電波伝搬抑制効率を得ることできる。
【0012】
本発明の第4の態様に係る平面EBG構造は、少なくともいずれか一方の端列において、前記平面EBG素子が、該平面EBG素子の幅の1/4未満残して中途切断された形状を備え、該切断された形状の各平面EBG素子がグランドに接続されていることを特徴とする。
この態様によると、切断した端列の平面EBG素子をグランドに接続することにより、平面EBG素子を素子幅の1/4より大きく切り落としても、繰り返し周期配列を1個減らすよりも高い電波伝搬抑制効果を得ることができる。
【0013】
本発明の第5の態様に係る前記端列の平面EBG素子は、平面EBG構造は、前記切断した形状の平面EBG素子列の各平面EBG素子を、スルーホールを介してグランドに接続することを特徴とする。スルーホールにより、場所をとらずに確実に各平面EBG素子をグランドに落とすことができる。
【0014】
本発明の第1の態様に係るアンテナは、アンテナ素子と、前記アンテナ素子を両側から挟むように配列された平面EBG構造とを備えるアンテナであって、前記平面EBG構造の少なくとも一方は、上記第1乃至第5の態様のいずれか1つの平面EBG構造を備えることを特徴とする。
本発明にかかる平面EBG構造を用いることにより、不要放射の抑制及び表面波を伝搬抑制することができ、所望の放射特性を有しかつ小さいスペースに配置可能なアンテナを提供することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、端列のEBG素子列を1素子幅以下とすることが可能となるので、基板の実装スペースが少なく十分な周期配列が困難な場合に、1素子の幅よりも少ない空きスペースがある場合に、その空きスペースを有効に活用して電波伝搬抑制効率を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明にかかる平面EBG構造の端列に使用するEBG素子の一例を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態にかかる平面EBG構造(n=2.83)を示す平面図である。
【
図3】端列の平面EBG素子の一部を切り取った場合の平面EBG構造体(n=1.83〜n=3)の電波伝搬抑制効果をシミュレーションした結果を示すグラフである。
【
図4】
図3のグラフに示す測定結果に基づき、各繰り返し配列数n=1.5〜3ごとの電界強度の最小値、規定周波数における電界強度をプロットしたグラフである。
【
図5】(a)は、本発明の他の実施形態を示す平面図であり、(b)、(c)は、その特性を示すデータである。
【
図6】本発明のさらに他の実施形態に係る平面EBG構造を示す平面図である。
【
図7】本発明に係る平面EBG構造をアンテナに適用した例を示す斜視図である。(a)は全体構造を示す斜視図であり、(b)はその一部拡大図である。
【
図8】一般的な平面EBG素子の一例を示す斜視図である。
【
図9】繰り返し配列数n=11及びn=3の従来の平面EBG構造の一例を示す平面図である。
【
図10】
図9に示すような繰り返し周期で配列された平面EBG構造において、繰り返し配列数(n)をn=2,3,5,11と代えて、伝搬抑制効率をシミュレーションした結果を示すグラフである。
【
図11】平面EBG構造における平面EBG素子の繰り返し配列数と、その電界強度の最小値、規定周波数における電界強度を示すグラフである。
【
図12】平面EBG列を繰り返し配列するスペースが3列分には足りないために2列の配列とせざるを得ない状況をイメージとして示す平面図と、2列配列の場合と3列配列の場合の電波伝搬抑制効果の差を比較して示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
まず、
図9に従来の繰り返し周期で配列される平面EBG構造に使用される平面EBG素子を示し、
図9に、従来の平面EBG構造の例として、
図8の平面EBG素子を縦に並べた素子列が繰り返し周期で11列配列されている場合と、3列配列されている場合を示す。このように、従来の平面EBG構造では、すべて同じ形状一の平面EBG素子が、繰り返し配列されている。
【0018】
EBG構造による電波伝搬抑制効果についてシミュレーション結果を用いて説明する。
図10は、繰り返し配列数(n)ごとの周波数と電波伝搬抑制効果の関係を示すグラフである。グラフは、電界強度が低くなるほど電波伝搬抑制効果が高いことを示している。
図9に示すような平面EBG構造において、繰り返し配列数をnとしたとき、n=2、3、5、11の繰り返し周期構造を有する場合の周波数ごとの電界強度(電波伝搬抑制効果)を示すもので、横軸に周波数を示し、縦軸は電界強度を示している。
【0019】
構成例を示す。EBG構造は規定周波数f
0=25.4GHz、波長λ
0=約11.8mmとし、基板の厚み約0.08λ
0、EBG素子サイズ約1/4λ
0、EBG導体パターンサイズ約0.23λ
0である。繰り返し配列数は、n=2、3、5、11、基板の幅は繰り返し配列数により異なる。基板誘電率は4.4である。
この平面EBG構造体に対して、TMモード伝搬を励起する平面波を側面より入射し、基板端から横方向に約0.38λ
0進み、EBG導体パターンの上約0.09λ
0の定点での電界強度を観測した。
【0020】
図10から分かるように、繰り返し配列数(n)の数により、電界強度のピーク値が異なっている。繰り返し周期n=11のときには、約25.4GHzで電界強度が下限のピーク(電波伝搬抑制効果が最大)を示しており、規定周波数とする。規定周波数は、平面EBG素子の形状や大きさ等により制御可能であり、これについては本発明では特に問題としていない。
繰り返し周期n=5でもn=11とほぼ同様の変化を示している。しかし、繰り返し周期n=2、3では、それぞれ約23.8GHz、及び約24.8GHz近辺で電界強度は下限のピーク(電波伝搬抑制効果が最大)を示している。
【0021】
このグラフから、繰り返し配列数nが多いほど、安定した電波伝搬抑制効果があり、n=5以上では同じような特性の電波伝搬抑制効果が得られることがわかる。ここでは、繰り返し配列数が少なくなることにより、電波伝搬抑制効果が小さくなることが(電界強度の下限ピーク値が高くなる)問題となる。
すなわち、
図10のグラフによると、繰り返し配列数n=2,3では電界強度の最大下限ピーク値がそれぞれ−4.8dB,−3dBとなり、繰り返し配列数n=5の場合と比較して電波伝搬抑制効果が大幅にダウンすることがわかる。
【0022】
図11は、
図10のデータを基にして作成されたもので、繰り返し配列数nの平面EBG構造の電界強度の最小値(下限ピーク値)と、規定周波数f
0=25.4GHzの電界強度の値を示している。例えば、
図10からわかるように、繰り返し配列数n=5のときの電界強度の最小値(下限ピーク値)−7dB(周波数約25.3GHz)、規定周波数25.4GHzの電界強度約−6.8dBが
図11においてプロットされている。この下限ピーク値と規定周波数の電界強度はほとんど変わらない。
【0023】
これに対して、繰り返し配列数が少なくなるほど下限ピーク周波数が低下する現象により、例えば
図10からわかるように、繰り返し配列数n=3では、電界強度の最小値が約−4.9dB(周波数約24.8GHz)に対して、規定周波数f
0=25.4GHzでは電界強度が約−3dBである。
図11でプロットされているとおり、両者は大きく乖離している。電波伝搬抑制の観点からは、電界強度はできるだけ低いことが好ましい。また、周波数の合わせこみ等の実設計においては両者があまり乖離しない方が好ましい。
【0024】
図11から、繰り返し配列数n=11及びn=5では、電界強度の最小値が低く、最小値と規定周波数の電界強度がほとんど変わらないが、n=3、n=2では、電界強度の最小値が高くなり、最小値と規定周波数の電界強度も乖離していることがわかる。すなわち、繰り返し配列数nがn=5以下になると、電波伝搬抑制効果の劣化が顕著であることがわかる。
【0025】
図12の左の図は、現実に平面EBG構造を実装する場合の配置スペースの例をイメージ的に表した図である。現実の実装においては、基板の大きさには制限があり、EBG構造の実装スペースにも制限がある。したがって、所望の数のEBG素子列を配置できるスペースが不足することが多い。また、少ないスペースで最大限の数のEBG素子の列を配列しようとした場合に、1個の素子幅に満たない中途半端な残余のスペースが生じることも多い。
図12では、繰り返し配列数3(n=3)にするには残余スペース53が足りず、平面EBG素子列を2列しか配列できない(n=2)ことを示している。この場合、残余スペース53は、EBG構造上はデッドスペースとなっていた。
【0026】
図12の右側に示すグラフは、繰り返し配列数nが、n=2の場合とn=3の場合の電界強度を示している。このグラフからわかるように、n=2の場合とn=3の場合では、最小値も規定周波数の場合も電波伝搬抑制効果が大きく異なることがわかる。そのため、この残余スペース53を有効に活用することが求められる。
本願発明は、この残余空間を有効に活用できる平面EBG構造を得るべく検討した結果、端部列のEBG素子を途中で切断した場合に、切断位置、切断端の条件に応じて、単純に同じ構造の列を設けるよりもより優れた電波伝搬抑制効果を得ることができることを見出したものである。
【0027】
図1乃至
図4を用いてより詳細に説明する。
本願発明は、デッドスペースとなる残余スペース53に、有効なEBG素子を配列するため、端列のEBG素子として、通常のEBG素子を途中で切断した形状のEBG素子列を残余スペース53に配置した。
図1は、途中で切断した形状のEBG素子11を示し、
図2は、本発明の一実施形態に係る平面EBG構造10を示し、端列に途中で切断した形状の平面EBG素子11を並べたものである。
【0028】
図1に示すように、平面EBG素子11は、EBG導体12を途中から切断した構造となっている。
図2では、通常の平面EBG素子50が2列設けられ、
図1に示すような平面EBG素子11が破線で示す15のように端列として配置され、計3列の平面EBG素子列が設けられている。誘電体となる基板14(
図1参照)の下側にはグランド20が設けられている。
なお、ここで示すのは例であり、平面構造のEBG素子形状、配列の仕方は
図1や
図2に限られるものではない。
【0029】
図3は、端列となる平面EBG素子11の幅を変化させた場合の特性を示し、各切断位置に応じた電波伝搬抑制効果と周波数の関係を示すグラフである。
計算条件は、基板の幅n=3配列程度において繰り返し配列数n=2または3として、端列の平面EBG素子11の幅を変化させたこと以外は、
図10の測定条件と同じである。凡例の数字は繰り返し配列数を表し、少数点以下は端数列の幅を表している。すなわち、1.83は、繰り返し配列数n=2で、端列の平面EBG素子11の幅は通常の平面EBG素子50の0.83倍であることを表している。また、2.67は、繰り返し配列数n=3で、端列の平面EBG素子11の幅は通常の平面EBG素子50の0.67倍であることを示している。これにより、繰り返し配列数n=2または3の場合における端列の平面EBG素子11の幅が変化したときの特性変化を知ることができる。
【0030】
図4は、
図3に基づいて作成されたグラフであり、
図11と同じように、各切断位置に応じた電波伝搬抑制効果の下限ピーク値(最小値)と規定周波数f0における電界強度を示す図である。
これによると、列数2と列数3のEBG構造の場合に、n=2.83のときに、n=3よりも電波伝搬抑制効果が良く、n=1.83のときもn=2よりも電波伝搬抑制効果が高いことがわかる。一方n=2.67〜n=2では、電波伝搬抑制効果が上がらないこともわかる。
【0031】
以上を総合的に判断すると、概ね、端部のEBG素子をEBG素子の略3/4以上、1未満の幅とすることにより、電波伝搬抑制効果のピーク時及び規定周波数のいずれの電界強度においても、列数2または列数3のときよりも電界抑制効果が高いことが判明した。
平面EBG素子の幅の1/4未満切り取った(3/4以上残す)場合に効果があり、繰り返し周期nをちょうど3とするよりも、むしろn=2.83とする方が電波伝搬抑制効果が顕著である。
したがって、繰り返し配列の数を多くとれない平面EBG構造においては、平面EBG素子においては、端部列におけるEBG素子の幅を1個のEBG素子の幅の3/4〜1倍未満とする構造が望ましい。
【0032】
以上の背景を以下技術的に説明する。一般的に平面構造のEBGはEBG素子間で形成されるL成分・C成分による並列共振、高インピダンス化の結果、伝搬抑制効果が得られるとされている。一方本発明はEBG素子間のL成分・C成分ではなく、端列EBG素子の端部が伝搬抑制に寄与していることを明らかにしたものである。EBG素子は素子間だけでなく、グランドとの間に存在するC成分も含めて共振している。端列EBG素子の端部は、周囲にEBG素子がない開放境界時、グランドとの間のみにC成分が存在し、端部を含む共振はEBG素子間との共振と条件が異なる。周波数をあわせる等、条件を合わせることで、強い共振、効果的な伝搬抑制効果が得られる。本発明においては、端列素子の大きさをEBG素子よりある程度小さくすることが、有効であることを示している。
【0033】
一方、端列EBG素子の端部を、グランドに落とす短絡とした場合、EBG素子間における並列共振とは別の効果を付与することができる。グランドとの短絡により、電気壁が形成され一部鏡像効果が得られると考えられる。その際EBG素子の中央近辺での短絡はEBG素子間で形成される並列共振の構成に影響を与えない。さらに端部の短絡は、回路解釈上、前述の開放境界と真逆の条件を与えることができる。開放条件で特性が劣化する領域において、短絡条件を与えることで、全領域で最適な電波抑制特性を得ることも可能である。端列EBG素子サイズによって、開放か短絡のうちどちらが好適であるか、以下にその条件の例をしめす。
【0034】
図5(a)は、本発明の他の実施形態を示す平面図である。この実施形態では、端列の平面EBG素子の切断面側に、EBG導体11をグランド20に接続するグランド接続面17を設けている。
図5(b)、(c)は、グランド接続以外は、
図3及び
図4と同じ条件で取得したデータである。但し、
図5(c)は、GND接続がある場合とGND接続が無い場合の最小値のみをプロットした値である。GND接続が無い場合のデータは、
図4に示す最小値を使用した。
【0035】
図5(c)から分かるように、端列の平面EBG素子を1/4より大きく切断した場合であっても、EBG導体11をGND接続することにより、n=2(切断した端列を設けない)の状態よりもEBG素子電波伝搬抑制効果があることがわかる。したがって、端列のEBG素子を1/4より大きく切断する場合には、端列のEBG導体12をGND20に落とすことが望ましい。
端列のEBG導体11をGND20に落とす構成としては、
図6に示すように、EBG導体11から誘電体(基板)14を突き抜けてGND20に接続するようなスルーホール21を設ける構成とすることもできる。
【0036】
図7に本発明に係るEBG構造を用いたアンテナの例を示す。
図7(a)はアンテナ40の全体構造(外観)を示す斜視図であり、
図7(b)はその一部拡大図である。アンテナ40には、複数のアンテナ素子41が設けられており、アンテナの両サイドは複数の平面EBG構造で挟まれている。右端列は、平面EBG素子列が切断され、スルーホール21を介してEBG素子11のEBG導体がGNDに接続されている。
図7中の例では、誘電体14の下にGNDを介し誘電体16及びシールドケース19が設けられている。また左端列も同様である。
このように、端列のスペースを無駄にすることなく平面EBG素子50、11を配列することにより、所望の放射特性を有しかつ小さいスペースに配置可能なアンテナを提供することが可能となる。