(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
測定すべき対象流体が流れる内部流路を有したボディユニットと、前記内部流路を分断するとともに分断された上流側内部流路及び下流側内部流路を連通する抵抗流路を有した流体抵抗部材と、前記ボディユニットに取り付けられて前記上流側内部流路又は下流側内部流路の少なくとも一方の圧力を検知する圧力センサとを具備し、前記圧力センサが検知した流体圧力に基づいて前記流体の流量を算出可能に構成したものであって、
前記内部流路が前記ボディユニットの一端部から他端部に向かって延びており、その内部流路の流れ方向に平行な面に部品取付面を設定したものであり、前記部品取付面に前記圧力センサを、その感圧面が前記部品取付面に略垂直でなおかつ前記流れ方向に略平行となるように取り付けていることを特徴とする流量測定機構。
請求項1記載の流量測定機構と、前記ボディユニットに取り付けた流量調整弁と、前記流量測定機構による測定流量が予め定めた目標流量になるように前記流量調整弁を制御する制御回路とを具備したことを特徴とするマスフローコントローラ。
前記本体部材を扁平な形状とし、その扁平面に対して垂直な一面を前記取付面とするとともに、前記扁平面と略平行に前記感圧面を設けていることを特徴とする請求項3記載の圧力センサ。
測定すべき対象流体を導入するための圧力導入口と、前記流体が充填される流体充填室と、前記流体充填室及び圧力導入口を連通する流体導入路とを有する本体部材を具備し、前記流体充填室の一面を圧力検知のための感圧面に設定したものであって、
前記流体導入路の、流体充填室に対する開口部位が、感圧面に対して略垂直な側面部位に設定されていることを特徴とする圧力センサ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のマスフローコントローラでは、圧力センサを、その感圧面がボディの部品取付面に対して平行となるように配置しているので、全体の幅方向の寸法をさらに小さくしようとすると、感圧面の面積が小さくなって感度低下を招く恐れがある。そしてこのことが、小型化、特に幅方向の縮小化へのボトルネックとなっている。
本発明は上記のような問題点を鑑みてなされたものであって、圧力測定感度の低下を招くことなく、幅方向寸法を従来に比べて飛躍的に低減できる圧力センサや流量測定機構、あるいはマスフローコントローラを提供すべく図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明に係る流量測定機構は、測定すべき対象流体が流れる内部流路を有したボディユニットと、前記内部流路を分断するとともに分断された上流側内部流路及び下流側内部流路を連通する抵抗流路を有した流体抵抗部材と、前記ボディユニットに取り付けられて前記上流側内部流路又は下流側内部流路の少なくとも一方の圧力を検知する圧力センサとを具備し、前記抵抗流路の抵抗値及び前記圧力センサが検知した流体圧力に基づいて前記流体の流量を算出可能に構成したものにおいて、
前記内部流路が前記ボディユニットの一端部から他端部に向かって延びており、その内部流路の流れ方向に平行な面に部品取付面を設定したものであり、前記部品取付面に前記圧力センサを、その感圧面が前記部品取付面に略垂直でなおかつ前記
流れ方向に略平行となるように取り付けていることを特徴とする。
【0007】
このようなものであれば、圧力センサの感圧面を大きくして圧力感度特性を向上させながら、幅方向寸法、すなわち長手方向に直交しなおかつ部品取付面に平行な寸法を飛躍的に小さくすることができる。そして、このことによって複数の流量測定機構をコンパクトに並列させることが可能になる。
【0008】
また、前記流体抵抗部材に連通路を貫通形成するとともに、前記ボディユニットと圧力センサとの間に前記流体抵抗部材が配設されるように構成しておき、この配設状態において前記上流側内部流路と前記圧力センサに設けられた圧力導入口とが、前記連通路を介して連通されるように構成したものであれば、圧力センサが流体抵抗部材上に積層配置されることから、ボディユニットが無用に長くなることも防止できる。さらにこのようなものであれば、圧力センサと流体抵抗部材とがボディユニットの同じ側に積層的に配置されるので、その間の内部流路長を可及的に短くできる。したがって、流量センシングの応答性を向上させることが可能になる。
【0009】
前記ボディユニットに圧力センサを取り付けることによってこれらに挟まれて前記流体抵抗部材が保持されるように構成したものであれば、圧力センサがそのまま流体抵抗部材のボディユニットに対する取付具としての役割を果たすため、部品の削減を図れる。
【0010】
よりコンパクト化が可能で、なおかつシール等も好適に施せる具体的態様としては、側面又は底面に前記上流側内部流路及び下流側内部流路が開口する凹部を前記ボディユニットの外表面に開口させておき、この凹部内に前記流体抵抗部材を収容して、前記圧力センサをボディユニットに取り付けることにより、該圧力センサの取付面が凹部の開口を封止して流体抵抗部材を保持するようにしたものを挙げることができる。
【0011】
この流量測定機構を利用してマスフローコントローラを形成するには、前記ボディユニットに取り付けた流量調整弁と、前記流量測定機構による測定流量が予め定めた目標流量になるように前記流量調整弁を制御する制御回路とを設ければよい。
【0012】
圧力センサとしては、所定の一面を取付面に設定した本体部材を具備し、その本体部材内に測定すべき流体の圧力を検知する感圧面が形成されたものであって、
前記取付面が、長手方向を有する面であり、前記感圧面を前記取付面に対して略垂直
でなおかつ前記長手方向に略平行となるように構成しているものを挙げることができる。
【0013】
より具体的には、前記本体部材を扁平な形状とし、その扁平面に対して垂直な一面を前記取付面とするとともに、前記扁平面と略平行に前記感圧面を設けているものが好ましい。
また、測定すべき対象流体を導入するための圧力導入口と、前記流体が充填される流体充填室と、前記流体充填室及び圧力導入口を連通する
直線状の流体導入路とを有する本体部材を具備し、前記流体充填室の一面を圧力検知のための感圧面に設定したものであって、前記流体導入路の流体充填室に対する開口部位が、感圧面に対して略垂直な側面部位に設定されているものや、前記感圧面に対し、前記流体導入路が平行乃至斜めに形成されているものも本発明の課題を好適に解決できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、圧力センサの感圧面を大きくして圧力感度特性を向上させながら、幅方向寸法、すなわち長手方向に直交しなおかつ部品取付面に平行な寸法を飛躍的に小さくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るマスフローコントローラ100は、例えばガスパネルに搭載されて半導体製造装置の材料供給ラインの一部を構成するもので、
図1に流体回路図、
図2に全体斜視図を示すように、流量制御対象である流体が流れる内部流路1aを有するボディユニット1と、前記内部流路1a上に設けられた流量調整弁4と、この流量調整弁4よりも下流側に設けられ、当該内部流路1aを流れる流体の質量流量を測定する流量測定機構10と、この流量測定機構10による測定流量が予め定めた目標流量になるように前記流量調整弁4を制御する制御回路6(
図1には示していない)とから構成されている。以下に各部を詳述する。
【0018】
ボディユニット1は、
図1に示すように、長細い直方体形状をなすものである。このボディユニット1における長手方向と平行な1つの面は、部品取付面1cとして設定してあり、この部品取付面1cのみに、前記流量調整弁4や圧力センサ21、22などの部品が取り付けられるように構成してある。また、この取付面1cの反対側の面を、当該ボディユニット1をパネルなどに固定するための固定面としている。さらに、長手方向と平行な他の2面(以下、側面と言う)には何も取り付けないようにして、複数のボディユニット1の側面同士を密着乃至近接させて配置できるように構成してある。
【0019】
内部流路1aは、ボディユニット1の長手方向における一端部から他端部に向かって延びるもので、より具体的には、
図3に示すように、その流体導入口1d及び流体導出口1eが、前記ボディユニット1の長手方向に直交する両端面にそれぞれ開口するように構成してある。そして、前記部品取付面1cと直交する方向から視たときに(以下、平面視とも言う)、流体が長手方向と略平行に流れていくように構成してある。
【0020】
流量調整弁4は、
図3、
図6、
図7に示すように、弁座部材42と弁体部材41とからなる柱状をなすものであり、前記部品取付面1cにおける流体導入口1d側の一端部に鉛直に取り付けられている。この流量調整弁4の最大幅寸法は、前記部品取付面1cの幅寸法(長手方向と直交する方向の寸法)よりも小さいか又は同一に設定してあり、
図4に示すように、この流量調整弁4をボディユニット1に取り付けた状態で、流量調整弁4がボディユニット1よりも幅方向に突出しないように構成してある。
【0021】
この流量調整弁4を構成する部材のうち、前記弁座部材42は、
図6、
図7等に示すように、その頂面中央部に円環状の座面42aを突出形成した概略柱状をなすものである。また、前記弁座部材42には、一端が該弁座部材42の頂面中央部(具体的には弁座面42aの内側)に開口するとともに他端が該弁座部材42の底面中央部に開口する流体導入路42bと、一端が該弁座部材42の頂面周縁部(より具体的には弁座面42aよりも外側)に開口するとともに他端が該弁座部材42の底面周縁部に開口する流体導出路42cとが貫通させてある。
【0022】
この弁座部材42は、前記部品取付面1cの一端部に開口させた有底凹部1fに嵌め込まれる。この有底凹部1fは、前記内部流路1aを分断する位置に設けてある。具体的には、該有底凹部1fの底面中央部に、分断された内部流路1aのうちの上流側内部流路1a(1)の終端が開口させてあり、該有底凹部1fの底部側周面には、下流側内部流路1a(2)の始端が開口させてある。
【0023】
しかして、この構成により、有底凹部1fに弁座部材42を嵌め込んだ状態において、前記流体導入路42bの他端が、有底凹部1fの中央に開口する上流側内部流路1a(1)の終端にシール部材SL2を介して連通し、また、前記流体導出路42cの他端が、弁座部材42の底面周縁部から側周面底部にかけて有底凹部1fの内周面との間に隙間があることから、前記下流側内部流路1a(2)の始端に連通するようにしてある。
【0024】
一方、前記弁体部材41は、
図3、
図7、
図8に示すように、内部が気密状態となるように構成した筐体411と、この筐体411の内部に収容した柱状をなす積層圧電素子412とを具備している。
【0025】
筐体411は、長尺筒状をなすハウジング411aと、このハウジング411aの一端面を気密に閉塞する弾性変形可能な薄肉板状のダイヤフラム部材411bと、前記ハウジング411aの他端面を気密に閉塞する閉塞部材411cとを具備したものである。
【0026】
ハウジング411aは、前記有底凹部1f上を覆うように部品取付面1cに取り付けられる円筒状の一端側要素411a.1と、この一端側要素411a.1に連結されるブロック体状の他端側要素411a.2とからなるものである。
【0027】
ダイヤフラム部材411bは、
図7に示すように、内側に向かって突出する突起411b.1を中央に有した弾性変形可能な薄板であり、前記一端側要素411a.1と一体に成形されている。
【0028】
閉塞部材411cは、
図8に示すように、ハウジング411aの他端面を閉塞するように取り付けた円板状をなす部材本体411c.1と、この部材本体411c.1の中央に貫通させた雌ねじ孔に螺合する進退桿たる調整ネジ411c.2と、その螺合部分を取り囲むように部材本体411c.1の内面に取り付けた気密保持部材411c.3とを具備したものである。なお、前記部材本体411c.1には、圧電素子駆動用の端子Tが気密に貫通させてあり、いわゆるハーメチック構造となっている。前記気密保持部材411c.3は、軸方向に弾性伸縮する筒状のベローズ部411c.31と、このベローズ部411c.31の底部分に気密に接合された柱状部材411c.32とからなる。
【0029】
前記柱状部材411c.32は、調整ネジ411c.2と積層圧電素子412の間に介在するものであり、調整ネジ411c.2を螺進退させることによって、柱状部材411c.32を介して積層圧電素子412の軸方向の位置を調整することができるように構成してある。なお、柱状部材411c.32の先端面と積層圧電素子412の基端面とは接着してある。
【0030】
そして、前記ハウジング411aの一端面をボディユニット1の部品取付面1cにシール部材SL1を介して取り付けることにより、ボディユニット1に形成した前記有底凹部1fの開口を該一端面で封止するとともに、弁座面42aにダイヤフラム部材411bを対向させ、前記圧電素子412の伸縮によってダイヤフラム部材411bと弁座面42aとの離間距離が変わって、このダイヤフラム部材411bが弁体41aとして機能するようにしてある。
【0031】
流量測定機構10は、流体回路的に言えば、
図1に示すように、内部流路1a上に設けた抵抗流路3aと、該抵抗流路3aの上流側及び下流側における内部流路1a内の流体圧力を計測する一対の圧力センサ21、22とからなるものである。そして、圧力センサ21、22による圧力計測値と抵抗流路3aの抵抗値とに基づいて、内部流路1aを流れる流体の流量を測定可能に構成してある。
【0032】
前記抵抗流路3aは、
図6、
図9に示すように、複数の矩形状薄板31〜35を積層させた直方体状の流体抵抗部材3に形成したものである。すなわち、
図6に示すように、各薄板又は一部の薄板に、積層させたときに重なり合って積層方向に貫通する連通路3cとなる貫通孔3bと、前記連通路3cに内方端が連通し外方端が長手方向と直交する側面に開口するスリット3dとを設け、前記薄板31〜35を積層させたときに、スリット3dによって抵抗流路3aが形成されるようにしたものである。なお、スリット3dの形状や本数を異ならせることによって流路抵抗を調整することができる。
【0033】
一方、ボディユニット1の部品取付面1cにおける長手方向中央部には、
図3、
図5、
図6、
図9に示すように、内部流路1aを分断するように矩形状の凹部1hが設けてある。そして、この凹部1hに、前記流体抵抗部材3が、幅方向には隙間無く、ボディユニット1の長手方向には隙間を有して嵌り込むように設計されている。また、この凹部1hの底面中央には、この凹部1hで分断された内部流路1aのうちの上流側内部流路1a(2)の終端が開口する一方、有底凹部1fにおける長手方向の底面縁部には、下流側内部流路1a(3)の始端が開口するように構成してある。
【0034】
この流体抵抗部材3が凹部1hに嵌まり込んだ状態では、前記連通路3cの底側の一端が上流側内部流路1a(2)の終端にシール部材SL3を介して接続され、抵抗流路3aの外方端が下流側内部流路1a(3)の始端に連通する。つまり、上流側内部流路1a(2)は、連通路3c及び抵抗流路3aを介して、下流側内部流路1a(3)に接続される。
【0035】
圧力センサ21、22は、
図2〜
図6等に示すように、扁平な形状をなす本体部材2Aと、その本体部材2A内に内蔵した圧力検知素子2Bとを具備するものである。そして、この扁平な本体部材2Aを、その面板部(扁平面)が部品取付面1cに垂直でなおかつボディユニット1の長手方向と略平行、すなわち平面視、流体の流れ方向と略平行となるように、該部品取付面1cに取り付けてある。また、圧力センサ21、22の厚み寸法は、
図4等に示すように、部品取付面1cの幅方向寸法よりも小さいか又は同一に設定してあり、取付状態で圧力センサ21、22がボディユニット1よりも幅方向に突出しないように構成してある。
【0036】
前記本体部材2A内には、
図5に示すように、前記面板部と平行な一面2b1を弾性変形するダイヤフラム璧2A1で形成した薄い円板状をなす流体充填室2bと、この流体充填室2b及び圧力導入口2a1を連通する流体導入路2cとが形成してある。前記圧力導入口2a1は、ボディユニット1に対する取付面2aに開口させてある。流体導入路2cは、流体充填室2bの側面、すなわち前記一面2b1に垂直な面に開口しており、かつ流体導入路2cの延伸方向は、前記一面2b1に対して平行又は若干斜めに設定してある。
【0037】
前記圧力検知素子2Bは、例えば圧電素子であり、前記ダイヤフラム壁2A1の裏面に接触させてある。そして、感圧面である前記一面2b1が流体圧力を受圧して変位すると、その量を該圧力検知素子2Bが検知し圧力信号として出力するように構成してある。なお、圧力検知素子として、例えばダイヤフラム壁の変化に伴う空間の容量変化を電気的な容量変化として検知するようなものでも構わない。
【0038】
そして、かかる一対の圧力センサ21、22のうちの上流側の圧力センサ21を、ボディユニット1の部品取付面1cにおける長手方向中央部に取り付けるとともに、下流側の圧力センサ22を、前記部品取付面1cにおける長手方向他端部に取り付けるようにしている。
【0039】
特に前記上流側圧力センサ21は、ボディユニット1に取り付けることによって、その取付面2aが前記凹部1hの開口を環状シール部材SL4を介して気密に封止するとともに、凹部1h内の流体抵抗部材3を、凹部1hの底面との間で押圧挟持するように構成してある。このことにより、流体抵抗部材3を専用の蓋等でシールする必要がなくなり、部品点数の削減や組み立ての簡単化を促進して低コスト化を図ることができる。
【0040】
また、この状態において、流体抵抗部材3における連通路3cが上流側圧力センサ21の圧力導入口2a1に接続され、抵抗流路3aよりも上流側の内部流路1a(2)が前記連通路3cを介して上流側圧力センサ21に連通されるように構成してある。
【0041】
一方、抵抗流路3aよりも下流側の内部流路1a(3)は、ボディユニット1の長手方向に沿って延伸し流体導出口1eに至るとともに、その途中で分岐した分岐流路1iによって、下流側圧力センサ22に圧力導入口2a1に接続されるようにしてある。
【0042】
図1に示す制御回路6は、ボディユニット1とは別体又は付帯させて設けたものであり、CPU、メモリ、I/Oチャネル、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、その他のアナログ乃至デジタル電気回路で構成されている。そして、メモリに格納したプログラムにしたがってCPUやその他周辺機器が協働することによって、この制御回路6が、前記流量調整弁4を制御し、内部流路1aの流体流量を、外部から指示した設定流量となるように調整する。以下にその動作の概要を、本マスフローコントローラの動作説明も兼ねて簡単に説明する。
【0043】
この制御回路6は、各圧力センサ21、22からの出力信号値を受信すると、それら出力信号値から、オフセットや係数などを考慮した所定の変換式に基づいて、前記抵抗流路3aの上流側及び下流側における流体の圧力を算出する。そしてそれら圧力と予め測定してある抵抗流路3aでの流体抵抗値(抵抗係数)や流体粘性等に基づいて、抵抗流路3aを流れる流体の流量を算出する。
【0044】
一方、オペレータや外部の他の機器から設定流量が与えられると、この制御回路6はその設定流量と前記算出流量との偏差を算出し、その偏差に基づいて、前記算出流量が設定流量に近づくように、流量調整弁4に対して前記積層圧電素子412を伸縮させる指令信号を出力する。このようにして、弁座面42aと弁体41aとの離間距離を変動させ、この流量調整弁4を流れる流体、つまりこの内部流路1aを流れる流体の流量を調整する。
【0045】
しかして、このように構成した本実施形態によれば、圧力センサ21、22を、その感圧面2b1がその取付面2aに対して垂直に起立するように構成するととともに、これら圧力センサ21、22を、平面視、流体の流れ方向と感圧面2b1とが平行となるように、部品取付面1cに直列させて取り付けているので、感圧面2b1を大面積にして高感度を維持しながらも幅方向の寸法を小さくし、平面視、細長い形状にできる。
【0046】
さらに、流体抵抗部材3と圧力センサ21とを、シール部材が介在するものの、実質的に直接積層配置しているので、ボディユニット1が長手方向に長くなることを可及的に抑制でき、この点でも、コンパクト化を促進できる。
【0047】
なお、その他の付随的な効果としては、流量調整弁4と流体抵抗部材3とが、ボディユニット1における前記部品取付面1cに並んで設けられているので、その間を接続する内部流路1aの容積を可及的に低減できることが挙げられる。したがって、流量の検知と流量の制御との時間ずれを低減でき、マスフローコントローラ100の制御応答性を大幅に改善することが可能になる。
【0048】
また、流量調整弁4に関して言えば、ダイヤフラム部材411bが、圧電素子412をハウジング411aに気密に封止するための封止部材と流量を調整する弁体としての機能を兼備するため、部品点数を削減でき、小型化や省スペース化を図ることが可能になる。また、ハウジング411aの一端面にダイヤフラム部材411bを一体に成形するとともに、他端面には気密保持部材411c.3を設けているのでハウジング内の気密性を確実に保つことができる。さらにこの気密保持部材411c.3を介して調整ネジ411c.2により圧電素子412を押引できるように構成しているので、ハウジング内の気密性を保ちながら、圧電素子412の位置をも調整できる。
【0049】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。例えば、感圧面を正確に長手方向に平行かつ部品取付面に垂直にする必要はなく、若干傾いていても、従来に比べて幅方向寸法を低減するという効果を得ることができる。
【0050】
また、理論的には、流量調整弁を圧力センサより下流側に設けることも可能であるし、このマスフローコントローラの下流側圧力や上流側圧力が一定状態の場合は、圧力センサを必ずしも一対設ける必要はなく、いずれか一方のみにしても構わない。マスフローコントローラのみならず、流量調整弁とその上流又は下流に設けた圧力センサとによって圧力コントローラを構成することも可能である。
【0051】
さらに言えば、複数のボディユニットをそれらの側面(長手方向に平行な面)同士が密着乃至近接するように配置して、複数の流路が並列するようにしてもかまわない。また、このように複数の流路を並設する場合には、各ボディユニットを物理的に分離することなく、
図11に示すように、一体形成したボディユニット結合体にしても構わない。なお、発明の趣旨から言えば、この場合でも、1つの流路毎にボディユニットが存在していると考えるべきであり、該ボディユニットの長手方向は、平面視流体の流れ方向と平行な方向であることは言うまでもない。
【0052】
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。