(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0019】
<自立性袋>
本発明の自立性袋は、二軸延伸ナイロンフィルムから構成される基材層と、環状オレフィン系樹脂層と直鎖状低密度ポリエチレンとを含む層を有する熱可塑性樹脂フィルムから構成されるシーラント層と、を備える。本発明の自立性袋について、スタンディングパウチを例に説明する。
【0020】
図1(a)は本発明の自立性袋の一例を模式的に示す斜視図である。
図1(b)は
図1のAA断面の模式図である。
図1(b)に示すように、本発明の自立性袋1は、基材層10、シーラント層11を備える。
【0021】
[基材層]
基材層10は、二軸延伸ナイロンフィルムから構成される。二軸延伸ナイロンフィルムとしては、一般的なもの(例えば、ナイロン6のフィルム)を使用することができる。二軸延伸ナイロンフィルムは、従来公知の方法で製造してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、出光石油化学(株)のユニロン、ユニチカ(株)のエンブレム、興人(株)のボニール、東洋紡績(株)のバーデン、三菱化成ポリテック(株)のサントニール等の商標で販売されているものが挙げられる。
【0022】
また、その他のナイロンや2種類以上のナイロンのブレンド物のフィルムでも良い。例えば、ナイロン6と特殊ナイロンのブレンドフィルムでもある出光石油化学(株)のユニアスロンフィルムが挙げられる。
【0023】
また、目的に応じて、二軸延伸ナイロンフィルムのフィルム表面に、ポリ塩化ビニリデンのコーティングを施してもよく、酸化珪素やアルミナ等を蒸着させてもよい。
【0024】
なお、二軸延伸ナイロンフィルムには、本発明の効果を害さない範囲で、ナイロン以外の成分を含んでもよい。
【0025】
基材層10の厚みは、特に限定されないが、例えば、10μm以上30μm以下であることが好ましい。自立性袋の形状、用途等にもよるが上記の厚みの二軸延伸ナイロンフィルムが使用される。
【0026】
[シーラント層]
シーラント層11は、熱可塑性樹脂フィルムから構成され、熱可塑性樹脂フィルムは、環状オレフィン系樹脂と直鎖状低密度ポリエチレンとを含む層(以下「ブレンド層」という場合がある)を有する。先ず、環状オレフィン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレンについて説明する。
【0027】
環状オレフィン系樹脂は、環状オレフィン成分を共重合成分として含むものであり、環状オレフィン成分を主鎖に含むポリオレフィン系樹脂であれば、特に限定されるものではない。例えば、環状オレフィンの付加重合体又はその水素添加物、環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物等を挙げることができる。
【0028】
また、環状オレフィン系樹脂としては、上記重合体に、さらに極性基を有する不飽和化合物をグラフト及び/又は共重合したものも含む。
【0029】
極性基としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、エポキシ基、アミド基、エステル基、ヒドロキシル基等を挙げることができ、極性基を有する不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、マレイン酸アルキル(炭素数1〜10)エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル等を挙げることができる。
【0030】
環状オレフィン系樹脂としては、環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体又はその水素添加物が好ましい。
【0031】
また、本発明に用いられる環状オレフィン成分を共重合成分として含む環状オレフィン系樹脂としては、市販の樹脂を用いることも可能である。市販されている環状オレフィン系樹脂としては、例えば、TOPAS(登録商標)(Topas Advanced Polymers社製)、アペル(登録商標)(三井化学社製)、ゼオネックス(登録商標)(日本ゼオン社製)、ゼオノア(登録商標)(日本ゼオン社製)、アートン(登録商標)(JSR社製)等を挙げることができる。
【0032】
環状オレフィンとα−オレフィンの付加共重合体として、特に好ましい例としては、〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィン成分と、〔2〕下記一般式(I)で示される環状オレフィン成分と、を含む共重合体を挙げることができる。
【化1】
(式中、R
1〜R
12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものであり、
R
9とR
10、R
11とR
12は、一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、
R
9又はR
10と、R
11又はR
12とは、互いに環を形成していてもよい。
また、nは、0又は正の整数を示し、
nが2以上の場合には、R
5〜R
8は、それぞれの繰り返し単位の中で、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
【0033】
〔〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィン成分〕
炭素数2〜20のα−オレフィンは、特に限定されるものではない。例えば、特開2007−302722と同様のものを挙げることができる。また、これらのα−オレフィン成分は、1種単独でも2種以上を同時に使用してもよい。これらの中では、エチレンの単独使用が最も好ましい。
【0034】
〔〔2〕一般式(I)で示される環状オレフィン成分〕
一般式(I)で示される環状オレフィン成分について説明する。
【0035】
一般式(I)におけるR
1〜R
12は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、及び、炭化水素基からなる群より選ばれるものである。
【0036】
R
1〜R
8の具体例としては、例えば、水素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級アルキル基等を挙げることができ、これらはそれぞれ異なっていてもよく、部分的に異なっていてもよく、また、全部が同一であってもよい。
【0037】
また、R
9〜R
12の具体例としては、例えば、水素原子;フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、ステアリル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、エチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ナフチル基、アントリル基等の置換又は無置換の芳香族炭化水素基;ベンジル基、フェネチル基、その他アルキル基にアリール基が置換したアラルキル基等を挙げることができ、これらはそれぞれ異なっていてもよく、部分的に異なっていてもよく、また、全部が同一であってもよい。
【0038】
R
9とR
10、又はR
11とR
12とが一体化して2価の炭化水素基を形成する場合の具体例としては、例えば、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基等のアルキリデン基等を挙げることができる。
【0039】
R
9又はR
10と、R
11又はR
12とが、互いに環を形成する場合には、形成される環は単環でも多環であってもよく、架橋を有する多環であってもよく、二重結合を有する環であってもよく、またこれらの環の組み合わせからなる環であってもよい。また、これらの環はメチル基等の置換基を有していてもよい。
【0040】
一般式(I)で示される環状オレフィン成分の具体例としては、特開2007−302722と同様のものを挙げることができる。
【0041】
これらの環状オレフィン成分は、1種単独でも、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中では、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(慣用名:ノルボルネン)を単独使用することが好ましい。特に、環状オレフィン系樹脂として、ノルボルネンとエチレンとの共重合体を使用すれば、腰砕けの問題が起こり難くなるため好ましい。
【0042】
〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィン成分と〔2〕一般式(I)で表される環状オレフィン成分との重合方法及び得られた重合体の水素添加方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法に従って行うことができる。ランダム共重合であっても、ブロック共重合であってもよいが、ランダム共重合であることが好ましい。
【0043】
また、用いられる重合触媒についても特に限定されるものではなく、チーグラー・ナッタ系、メタセシス系、メタロセン系触媒等の従来周知の触媒を用いて周知の方法により環状オレフィン系樹脂(B)を得ることができる。
【0044】
〔その他共重合成分〕
環状オレフィン系樹脂(A)は、上記の〔1〕炭素数2〜20のα−オレフィン成分と、〔2〕一般式(I)で示される環状オレフィン成分以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体成分を含有していてもよい。
【0045】
任意に共重合されていてもよい不飽和単量体としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素−炭素二重結合を1分子内に2個以上含む炭化水素系単量体等を挙げることができる。炭素−炭素二重結合を1分子内に2個以上含む炭化水素系単量体の具体例としては、特開2007−302722と同様のものを挙げることができる。
【0046】
環状オレフィン系樹脂のガラス転移点は60℃以上90℃以下であることが好ましい。環状オレフィン系樹脂のガラス転移点が60℃以上であれば、通常使用温度で特性を維持するという理由で好ましい。ガラス転移点が90℃以下であれば、一般シーラントのシール温度範囲でシールできるという理由で好ましい。なお、環状オレフィン系樹脂のガラス転移点の調整は、主鎖の環状オレフィン骨格の含有量を調整することで行うことができる。また、ガラス転移点(Tg)は、DSC法(JIS K7121記載の方法)によって昇温速度10℃/分の条件で測定した値を採用する。
【0047】
熱可塑性樹脂フィルム中に含まれる環状オレフィン系樹脂の含有量は、10質量%以上40質量%以下であることが好ましい。10質量%以上であれば、有意な弾性率の向上が見られ、自立性を改善するという理由で好ましく、40質量%以下であれば環状オレフィンを含まないポリオレフィンの特性を有した柔軟なシーラントが製造できるという理由で好ましい。
【0048】
次いで、直鎖状低密度ポリエチレンについて説明する。本発明では、環状オレフィン系樹脂と直鎖状低密度ポリエチレンとを組み合わせることで、減容化しても腰砕け等の問題が生じない自立性袋になる。例えば、直鎖状低密度ポリエチレンに代えて低密度ポリエチレンを使用すると、ヒートシール性が著しく低下し、自立性袋にならない。
【0049】
本発明に用いられる直鎖状低密度ポリエチレン樹脂は、炭素数が3以上のα−オレフィンとエチレンとの共重合体であり、例えば、密度が0.890〜0.945g/cm
3程度のものを指す。共重合成分のα−オレフィンの炭素数は、一般的に3〜20程度である。具体的には、プロピレン、ブテン−1、メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等を挙げることができる。
【0050】
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の密度は、およそ上記の範囲内であるが、本発明においては、密度が0.90g/cm
3以上0.94g/cm
3以下程度の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を用いることが好ましい。直鎖状低密度ポリエチレン樹脂の密度が0.90g/cm
3以上であれば、環状オレフィンを含む自立性袋に要求される適度な弾性率を有するという理由で好ましく、密度が0.94g/cm
3以下であれば袋としての適度な柔軟性と透明性を有するという理由で好ましい。
【0051】
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂としては、従来公知の一般的な触媒を用いて、従来公知の一般的な製造方法で製造したものを使用することができる。従来公知の触媒としては、チーグラ系触媒、メタロセン系触媒、バナジウム系触媒等を挙げることができる。従来公知の製造方法としては、気相重合法、溶液重合法、スラリー重合法、高圧イオン重合法等の製造方法を挙げることができる。本発明においては、後述する通り、環状オレフィン系樹脂の製造に使用する触媒と同じ種類の触媒を使用することが好ましい。
【0052】
熱可塑性樹脂フィルム中の直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、60質量%以上90質量%以下であることが好ましい。60質量%以上であれば、ポリエチレンがマトリックスを形成して柔軟な自立袋を形成するという理由で好ましく、90質量%以下であれば有効な自立性を発現するという理由で好ましい。
【0053】
次いで、熱可塑性樹脂フィルムについて説明する。熱可塑性樹脂フィルムには、上記の環状オレフィン系樹脂と直鎖状低密度ポリエチレンとを含む層(ブレンド層)を有する。このように、環状オレフィン系樹脂と直鎖状低密度ポリエチレンのブレンド材料を成形してなるブレンド層を有する熱可塑性樹脂フィルムを使用することで、腰砕けによる形状不安定の問題が生じ難くなる。例えば、環状オレフィン系樹脂層と直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層とを有するシーラント層にしても、立体形状を充分に安定させることができない。
【0054】
本発明においては、ブレンド層を含むものであれば、単層であっても、多層であってもよい。熱可塑性樹脂フィルムは、ブレンド層よりさらに内側(袋内部側)に、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層等の他の層を有してもよい。他の層としてはエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体、アイオノマー等のヒートシール性を有する層を使用可能である。また、他の層がブレンド層よりも外側の場合には、上記のヒートシール性を考慮することなく様々な樹脂層を使用することができる。
【0055】
本発明によれば、上記の通り、自立性袋の立体形状を安定させやすくなるため、熱可塑性樹脂フィルムの厚みを従来のものよりも薄くすることができる。従来、130μmの熱可塑性樹脂フィルムの使用が一般的であるが、本発明によれば130μm未満95μm以上の範囲でも、従来と同等以上の自立性袋の立体安定性を実現することができる。
【0056】
熱可塑性樹脂フィルムの製造方法は特に限定されず、例えば、従来公知の押出成形法により製造することができる。また、熱可塑性樹脂フィルムが多層の場合には、例えば、従来公知のTダイ多層共押出し法により製造することができる。
【0057】
なお、ブレンド層には、本発明の効果を害さない範囲で、環状オレフィン系樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン以外の成分を含んでもよい。また、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層にも、本発明の効果を害さない範囲で、他の成分を含んでもよい。
【0058】
次いで、自立性袋の製造方法を説明する。先ず、基材層とシーラント層とを有する多層フィルムを製造する。多層フィルムの製造方法は特に限定されないが、例えば、押出しコーティング法、ホットラミネーション法、ドライラミネーション法等の公知ラミネート方法を適用することができる。
【0059】
多層フィルムは、基材層、シーラント層以外に、蒸着層等のその他の層を含んでもよい。その他の層は、本発明の効果を害さない範囲で従来公知のものを適用することができる。
【0060】
次いで、多層フィルムを用いて自立性袋を製造する。多層フィルムから自立性袋を製造する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。例えば、従来のスタンディングパウチ用の製袋機(1列製袋用製袋機でも2列突き合わせ製袋用製袋機でもよい)を利用して、上面フィルムの供給装置、及び上部のガセット部の前後のひだ状部に延設される突出部、注出口部、或いは延長シール部等のヒートシール装置やトリミング装置、また、延長シール部に設ける横方向の切目線の加工装置、即ち、スリッター装置又は打ち抜き装置等を適宜付加することにより、容易に製袋することができる。
【0061】
<自立性袋を減容化する方法>
最後に、本発明の自立性袋を減容化する方法について説明する。上記の自立性袋の説明と重複する部分については適宜説明を省略する場合がある。
【0062】
本発明の方法は直鎖状低密度ポリエチレンを含むシーラント層を備える自立性袋に採用することができる。上述の通り、シーラント層が直鎖状低密度ポリエチレンと環状オレフィン系樹脂とを含む層を有することで、シーラント層の厚みを薄くしても、腰砕け等の問題が起こり難く、立体形状が安定した、自立性袋になる。
【0063】
シーラント層が上記のものであれば、他の層(例えば基材層)は、どのような種類のフィルムからなるものであってもよい。例えば、基材層には、二軸延伸ナイロンフィルム以外に、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルム等を使用することができる。
【実施例】
【0064】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0065】
<材料>
二軸延伸ナイロンフィルム:株式会社 興人社製(「ボニールRX」)、厚み15μm
環状オレフィン系樹脂:エチレンとノルボルネンとの共重合体、Topas Advanced Polymers社製(「TOPAS8007F−500」)、ガラス転移点78℃
直鎖状低密度ポリエチレン1(LLDPE1):株式会社プライムポリマー製、「エボリューSP2320」、密度0.920g/cm
3
直鎖状低密度ポリエチレン2(LLDPE2):日本ポリエチレン社製、「カーネルKC570S」、密度0.906g/cm
3
直鎖状低密度ポリエチレン3(LLDPE3):日本ポリエチレン社製、「ハーモレックスNH745N」、密度0.913g/cm
3
低密度ポリエチレン(LDPE):日本ポリエチレン社製、「ノバテックLC607K」、密度0.919g/cm
3。
【0066】
<評価1>
下記の評価1−1から評価1−5のインフレーションフィルム(厚み100μm)を作製し、JIS K7129(A法)に基づき、Lyssy製L80シリーズ 水蒸気透過度計を用いて40℃、相対湿度90%で水蒸気透過度を測定した。測定結果を
図2(a)に示した。
(評価1−1)LLDPE1のみからなるインフレーションフィルム、
(評価1−2)環状オレフィン系樹脂を10質量%、LLDPE1を90質量%含むインフレーションフィルム
(評価1−3)環状オレフィン系樹脂を30質量%、LLDPE1を70質量%含むインフレーションフィルム
(評価1−4)環状オレフィン系樹脂を70質量%、LLDPE1を30質量%含むインフレーションフィルム
(評価1−5)環状オレフィン系樹脂のみからなるインフレーションフィルム
【0067】
図2(a)の結果から明らかなように、環状オレフィン系樹脂を含むことで、インフレーションフィルムの水蒸気バリア性は向上する。したがって、シーラント層の厚みを従来よりも薄くしても、従来と同等以上の水蒸気バリア性を達成できる。
【0068】
<評価2>
下記の評価2−1から評価2−4のインフレーションフィルム(厚み50μm)を作製し、ヘイズガードII((株)東洋精機製作所製)を用いてヘイズ値を測定した。測定結果を
図2(b)に示した。
(評価2−1)LLDPE1のみからなるインフレーションフィルム、
(評価2−2)環状オレフィン系樹脂を10質量%、LLDPE1を90質量%含むインフレーションフィルム
(評価2−3)環状オレフィン系樹脂を20質量%、LLDPE1を80質量%含むインフレーションフィルム
(評価2−4)環状オレフィン系樹脂を30質量%、LLDPE1を70質量%含むインフレーションフィルム
【0069】
図2(b)の結果から明らかなように、環状オレフィン系樹脂を含むことで、ヘイズ値は上昇する。しかし、本発明によれば、シーラント層の厚みを薄くすることができるので、本発明の自立性袋の透明性は従来と同程度であると評価できる。
【0070】
<評価3>
下記の評価3−1から評価3−6のTダイフィルム(厚み80μm)を、Tダイ法で作製し、後述する方法で同材どうしをヒートシールして、ヒートシール強度を測定した。測定結果を
図3に示した。
(評価3−1)LLDPE2を100質量%含むTダイフィルム
(評価3−2)環状オレフィン系樹脂を20質量%、LLDPE2を80質量%含むTダイフィルム
(評価3−3)LLDPE3を100質量%含むTダイフィルム
(評価3−4)環状オレフィン系樹脂を20質量%、LLDPE3を80質量%含むTダイフィルム
(評価3−5)LDPEを100質量%含むTダイフィルム
(評価3−6)環状オレフィン系樹脂を20質量%、LDPEを80質量%含むTダイフィルム
【0071】
TP−701ヒートシールテスター(テスター産業株式会社製)、上部10mm巾×300m長のヒートシールバーを用い、2枚のTダイフィルムのヒートシール面を合わせ、シール時間1秒、シール圧力0.1MPa、ヒートシール温度120℃でシールした。シールしたフィルムから巾15mmのサンプルを切り出し、シールしたフィルムの両端を300mm/分で引っ張る180度剥離試験を、テンシロンRTM―100(株)オリエンテック製試験機を用いて行なった。
【0072】
図3の結果から、LLDPEと環状オレフィン系樹脂との組み合わせであれば、高いヒートシール強度を示すが、LDPEと環状オレフィン系樹脂との組み合わせでは、ヒートシール強度が著しく低下することが確認された。
【0073】
<実施例1>
環状オレフィン系樹脂を10質量%、LLDPE1を90質量%含むインフレーションフィルム(厚み100μm)と、二軸延伸ナイロンフィルムとをドライラミネーションで一体化し多層フィルムを製造した。この多層フィルムをヒートシール加工、打ち抜き加工して実施例1の容量500mlのスタンディングパウチを製造した。なお、二軸延伸ナイロンフィルム側が容器の外側になるように製造した。
【0074】
<実施例2>
環状オレフィン系樹脂を15質量%、LLDPE1を85質量%含むインフレーションフィルムを用いた以外は実施例1と同様の方法で、実施例2のスタンディングパウチを製造した。
【0075】
<実施例3>
LLDPE1からなる層と、環状オレフィン系樹脂が20質量%とLLDPE1が80質量%との混合物からなる層と、LLDPE1からなる層とがこの順で積層した2種3層の多層体(厚み100μm)を共押出法で製造した。この多層体と二軸延伸ナイロンフィルムとを実施例1と同様の方法で一体化し多層フィルムを製造した。この多層フィルムを用いて実施例1と同様の方法でスタンディングパウチを製造した。
【0076】
<実施例4>
多層体を製造する際に、環状オレフィン系樹脂が30質量%とLLDPE1が70質量%との混合物を用いた以外は、実施例3と同様の方法でスタンディングパウチを製造した。
【0077】
<比較例1>
LLDPE1から構成され、フィルム厚みが130μmのインフレーションフィルムと、実施例1と同様の方法で二軸延伸ナイロンフィルムと一体化し多層フィルムを製造した。この多層フィルムを用いて実施例1と同様の方法でスタンディングパウチを製造した。
【0078】
<評価4>
実施例1〜4、比較例1で使用したそれぞれの多層フィルムについて、ヒートシール強度を評価3と同様の方法で測定した。なお、ヒートシール温度の条件が100℃、110℃、120℃、130℃の場合についても同様に測定を行った。測定結果を
図4に示した。
【0079】
<評価5>
実施例1〜4、比較例1のスタンディングパウチのスタンディング性について、500mlの水を充填した状態で、目視による評価を行なった。
【0080】
いずれも形状が安定していることが確認された。比較例1は従来公知のスタンディングパウチであるが、本発明によればシーラント層の厚みを抑えても、スタンディングパウチの安定性に問題が無いことが確認された。
【0081】
<評価6>
実施例1〜4、比較例1のスタンディングパウチについて、落下試験1〜3を行なった。
【0082】
落下試験1は、袋底面部を下に向けて、スタンディングパウチを高さ2m落下させる方法で行った。各スタンディングパウチを5個ずつ試験した。いずれのスタンディングパウチにも破れは生じなかった。
【0083】
落下試験2は、袋平面部を下に向けて、スタンディングパウチを高さ2m落下させる方法で行った。各スタンディングパウチを5個ずつ試験した。いずれのスタンディングパウチにも破れは生じなかった。
【0084】
落下試験3は、袋上部を下に向けて、スタンディングパウチを高さ2m落下させる方法で行った。各スタンディングパウチを5個ずつ試験した。いずれのスタンディングパウチにも破れは生じなかった。
【0085】
以上の落下試験の結果から、本発明のスタンディングパウチは、従来のものと同等以上の強度を有することが確認された。