(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0023]かなり多数の基板処理技術のために処理チャンバを洗浄する方法及び装置が提供される。チャンバは、真空を破壊せずに基板表面の加熱と冷却の双方を必要とするプラズマ援助ドライエッチングプロセスを行うのに特に有効である。例えば、本明細書に記載される処理チャンバは、酸化物及び他の汚染物質を基板表面から取り除くためにラインのフロントエンド(FEOL)洗浄チャンバに最も適していることが予想される。
【0012】
[0024]本明細書に用いられる“基板表面”は、処理が行われるあらゆる基板表面を意味する。例えば、基板表面は、シリコン、酸化シリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、ガラス、サファイア、他のあらゆる材料、例えば、金属、窒化金属、金属合金、又は他の導電材料を含むことができ、適用に左右される。基板表面は、また、誘電材料、例えば、二酸化シリコン、有機ケイ酸塩、又は炭素ドープされた酸化シリコンを含むことができる。基板自体は、いかなる具体的なサイズ又は形にも制限されない。一態様においては、“基板”という用語は、直径が200mm又は直径が300mmの円形ウエハを意味する。他の態様においては、“基板”という用語は、任意の多角形、四角形、矩形、曲がった、さもなければ非円形加工物、例えば、平坦なパネルディスプレイの製造において用いられるガラス基板を意味する。
【0013】
[0025]
図1Aは、処理チャンバ100を示す部分断面図である。一実施形態においては、処理チャンバ100は、チャンバ本体112と、リッドアセンブリ200と、支持アセンブリ300とを含む。リッドアセンブリ200はチャンバ本体112の上端に配置され、支持アセンブリ300はチャンバ本体112内に少なくとも部分的に配置されている。処理チャンバ100と関連づけられたハードウェアは、1以上のプロセスに適合性のある物質、例えば、アルミニウム、陽極処理されたアルミニウム、ニッケルめっきしたアルミニウム、ニッケルめっきしたアルミニウム6061‐T6、ステンレス鋼、又はそれらの組合せもしくは合金から形成されることが好ましい。
【0014】
[0026]チャンバ本体112は、処理チャンバ100の内部への出入りを設けるためにその側壁に形成されたスリットバルブ開口部160を含む。スリットバルブ開口部160は、ウエハ処理ロボット(図示せず)によってチャンバ本体112の内部への出入りを可能にするために選択的に開閉される。ウエハ処理ロボットは、当業者に周知であり、適したいかなるロボットも用いることができる。例えば、例示的なロボット搬送アセンブリは、1990年8月28日に発行された“マルチチャンバ集積処理システム”と称する共同譲渡された米国特許第4,951,601号に記載されており、この全ての開示内容は本明細書に援用されている。一実施形態においては、ウエハを処理チャンバ100内で、また、処理チャンバ100からスリットバルブ開口部160を通って隣接した搬送チャンバ及び/又はロードロックチャンバ、又は他のクラスタツール内のチャンバへ搬送することができる。処理チャンバ100に結合することができるタイプのクラスタツールは、1993年2月16日に発行された“段階的真空ウエハ処理システム及び方法”と称する共同譲渡された米国特許第5,186,718号に記載されており、本明細書に援用されている。
【0015】
[0027]一つ以上の実施形態においては、チャンバ本体112は、それを通って熱伝達流体を流すためにその中に形成されるチャネル113を含む。熱伝達流体は、加熱流体又は冷却剤であり、処理と基板搬送の間、チャンバ本体112の温度を制御するために用いられる。チャンバ本体112の温度は、ガスの望ましくない凝結又はチャンバ壁上の副生成物を防止するために重要である。例示的な熱伝達流体は、水、エチレングリコール、又はその混合物を含む。例示的な熱伝達流体は窒素ガスを含むこともできる。
【0016】
[0028]チャンバ本体112は、更に、支持アセンブリ300を囲むライナ133を含むことができる。ライナ133は、点検や洗浄のために取り外し可能であることが好ましい。ライナ133は、アルミニウム、又はセラミック材料のような金属から製造し得る。しかしながら、ライナ133は、あらゆるプロセス互換性のある材料であり得る。ライナ133は、その上に堆積されたあらゆる物質の接着を高めるためにビードブラスト処理され、よって処理チャンバ100の汚染を生じる物質のフレーキングが防止される。一つ以上の実施形態においては、ライナ133は、1以上のアパーチャ135とその中に形成される、真空システムと流体で連通しているポンプチャネル129を含む。アパーチャ135によって、ポンプチャネル129へのガスの流路が設けられ、処理チャンバ100内にガスの出口が設けられる。
【0017】
[0029]真空システムは、真空ポンプ125と、処理チャンバ100を通るガスの流量を調節するスロットルバルブ127を含むことができる。真空ポンプ125は、チャンバ本体112上に配置された真空ポート131と結合され、それ故、ライナ133内に形成されたポンプチャネル129と流体で連通している。“1つのガス”や“複数のガス”という用語は、特に断らない限り同じ意味で用いられ、1以上の前駆物質、反応種、触媒、キャリア、パージ、洗浄、その組合せ、チャンバ本体112へ導入される他のあらゆる流体を意味する。
【0018】
[0030]より詳細にライナ133を検討すると、
図1Bはライナ133の一実施形態を示す拡大概略図である。この実施形態においては、ライナ133は、上の部分133Aと下の部133Bを含む。チャンバ本体112の側壁上に配置されたスリットバルブ開口部160に整列しているアパーチャ133Cは、基板をチャンバ本体112に入れたり、チャンバ本体から出すためにライナ133内に形成される。典型的には、ポンプチャネル129は、上の部分133A内に形成される。上の部分133Aは、また、ポンプチャネル129へのガスの通路又は流路を設けるために、そこを通って形成された1以上のアパーチャ135を含む。
【0019】
[0031]
図1Aと
図1Bを参照すると、アパーチャ135によって、ポンプチャネル129がチャンバ本体112内の処理ゾーン140と流体で連通していることが可能である。処理ゾーン140は、リッドアセンブリ200の下面と支持アセンブリ300の上面によって画成され、ライナ133に囲まれている。アパーチャ135は均一なサイズをし、ライナ133の周りに一様に隔置されている。しかしながら、アパーチャのいかなる数、位置、サイズ又は形も用いることができ、設計パラメータの各々は下で更に詳細に述べられるように基板を受け取る表面を横切ってガスの所望されるフローパターンに依存して変動させることができる。更に、アパーチャ135のサイズ、数、位置は、処理チャンバ100から出るガスの一様なフローを得るように形成される。更に、アパーチャサイズや位置は、チャンバ100からガスの急速な排気を促進させるために急速な又は高容量ポンピングを与えるように形成することができる。例えば、真空ポート131に密接に接近したアパーチャ135の数とサイズは、真空ポート131から離れて位置するアパーチャ135のサイズより小さくてもよい。
【0020】
[0032]なお
図1Aと
図1Bを参照すると、ライナ133の下の部分133Bは、その中に配置された流路又は真空チャネル129Aを含む。真空チャネル129Aは、上記真空システムと流体で連通している。真空チャネル129Aは、また、ライナ133の外径内に形成された溝又はポート129Bを経てポンプチャネル129と流体で連通している。一般的には、二つのガスポート129B(この図には1つだけ示されている)は、上の部分133Aと下の部分133B間のライナ133の外径内に形成されている。ガスポート129Bは、ポンプチャネル129と真空チャネル129A間の流路を与える。各ポート129Bのサイズと位置は、設計の問題であり、所望される膜の化学量論、形成されるデバイスの形、処理チャンバ100の容積容量、それと結合した真空システムの能力によって求められる。典型的には、ポート129Bは相互に対向して又はライナ133の外径の周りに180度離して配置される。
【0021】
[0033]動作中、処理チャンバ100から出る1以上のガスは、ポンプチャネル129へライナ133の上の部分133Aを通って形成されたアパーチャ135に流れ込む。その後、ガスはポンプチャネル129内でポート129Bを通って真空チャネル129Aへ流れる。ガスは、真空チャネル129Aから真空ポート131を通って真空ポンプ125へ出る。
【0022】
[0034]より詳細にリッドアセンブリ200を検討すると、
図2Aは
図1Aに示されるチャンバ本体112の上端に配置され得るリッドアセンブリ200を示す拡大された断面図である。
図1Aと2Aを参照すると、リッドアセンブリ200は、
図1Aに示されるように、相互に上面に積み重ねられた多くの要素を含む。一つ以上の実施形態においては、リッドアセンブリ200は、リッドリム210と、ガス分配アセンブリ220と、最上部プレート250とを含む。ガス分配アセンブリ220は、リッドリム210の上面に結合され、最小限熱接触にするように配置されている。リッドアセンブリ200の要素は、熱導電性が高く且つと熱抵抗が低い物質、例えば、高度に仕上げられた表面を持ったアルミニウム合金から構成されることが好ましい。好ましくは、要素の熱抵抗は5×10
-4m
2K/W未満である。リッドリム210は、リッドアセンブリ200を作る要素の重量を保つように設計され、ヒンジアセンブリ(この図に示されていない)を経てチャンバ本体112の上面と結合して、例えば、支持アセンブリ300のような内部チャンバ要素への出入りが設けられる。
【0023】
[0035]
図2Bと
図2Cを参照すると、ガス分配アセンブリ220は、分配プレート又はシャワーヘッド225を含むことができる。
図2Bは、ガス分配プレート225を示す一実施形態である拡大概略図であり、
図2Cは、部分断面図である。一つ以上の実施形態においては、分配プレート225はほぼ円板形であり、ガスの流れを全体に分布させるための複数のアパーチャ225A又は通路を含み、これにより、基板表面にわたりガスの一様な分布を与える。
【0024】
[0036]
図2A、
図2B、
図2Cを参照すると、分配プレート225は、周辺に形成される環状取付フランジ222を更に含み、それはリッドリム210上に置かれるような大きさである。従って、分配プレート225は、リッドアセンブリ200との接触を最小限にする。好ましくは、弾性OリングのようなOリング型のシール224は、リッドリム210との流体密封の接触を確実にするために環状取付けフランジ222内に少なくとも一部が配置される。
【0025】
[0037]ガス分配アセンブリ220は、更に、分配プレート225に隣接して配置されたブロッカーアセンブリ230を含むことができる。ブロッカーアセンブリ230は、分配プレート225の裏側にガスを一様に分布させる。好ましくは、ブロッカーアセンブリ230はアルミニウム合金で作られ、取外し可能に分配プレート225に結合して良好な熱接触を確実にする。例えば、ブロッカーアセンブリ230は、ボルト221又は類似した留め具を用いて分配プレート225に結合し得る。好ましくは、ブロッカーアセンブリ230は、
図2Aに示されるようにリッドリム210と熱接触しない。
【0026】
[0038]一つ以上の実施形態においては、ブロッカーアセンブリ230は、第二ブロッカープレート235に取り付けられた第一ブロッカーアセンブリ233を含む。第二ブロッカープレート235は、貫通して形成された通路259を含む。好ましくは、通路259は第二ブロッカープレート235の中央に位置し、通路259は最上部プレート250の下面と第二ブロッカープレート235の上面によって画成された第一空洞又は容積261と流体で連通している。通路259は、また、第二ブロッカー235の下面と第一ブロッカープレート233の上面によって画成された第二空洞又は容積262と流体で連通している。通路259は、また、第一ブロッカープレート233の下面と分配プレート225の上面によって画成された第三空洞又は容積263と流体で連通している。通路259はガス流入口223に結合される。ガス流入口223は、その第一端で最上部プレート250に結合されている。図示されていないが、ガス流入口223は第二端で1以上の上流ガス供給源及び/又は他のガス分配要素、例えば、ガスミキサに結合されている。
【0027】
[0039]第一ブロッカープレート233は、通路259からガス分配プレート225に流れるガスを分散させるように適合されたその中に形成された複数の通路233Aを含む。通路233Aは円形又は丸いように示されているが、通路233Aは正方形、矩形、又は他のいかなる形でもよい。通路233Aは、基板の表面全体に制御された一様な流量分布を与えるためにブロッカープレート233の周りに位置する。上記のように、第一ブロッカープレート233は、洗浄又はそれら要素の取替えを容易にするために第二ブロッカープレート235と分配プレート225から簡単に取り出すことができる。
【0028】
[0040]使用中、1以上のプロセスガスはガス流入口223を経てガス分配アセンブリ220へ導入される。プロセスガスは第一容積261へ、また、第二ブロッカープレート235の通路259を通って第二容積262へ流れる。その後、プロセスガスは、第一ブロッカープレート233のホール233Aを通って第三容量263へ分布され、ガスがチャンバ本体112内に配置された露出した基板表面に触れるまで、分配プレート225のホール225Aを通って更に分布される。
【0029】
[0041]ガス供給パネル(図示せず)は、典型的には、1以上のガスを処理チャンバ100に供給するために用いられる。用いられる具体的な1つ又は複数のガスは、チャンバ100内で行われるべき1つのプロセス又は複数のプロセスに左右される。例示的ガスは、1以上の前駆物質、還元剤、触媒、キャリア、パージ、洗浄、又はそのあらゆる混合物又は組合せを含むことができるがこれらに限定されない。典型的には、処理チャンバ100に導入された1以上のガスは、流入口223を通ってリッドアセンブリ200へ、次にガス分配アセンブリ220を通ってチャンバ本体112へ流れる。電子的に作動するバルブ及び/又はフローコントロールメカニズム(図示せず)は、ガス供給源から処理チャンバ100へガス流量を制御するために用いることができる。プロセスによっては、いかなるガスも処理チャンバ100に分配することができ、処理チャンバ100中か又はガスが処理チャンバ、例えば、ガス混合物(図示せず)内のように処理チャンバ100に分配される前に混合することができる。
【0030】
[0042]なお
図1Aと
図2Aを参照すると、リッドアセンブリ200は、リッドアセンブリ200内で反応性化学種のプラズマを生成する電極240を更に含むことができる。一実施形態においては、電極240は、最上部プレート250上に支持され、電気的にそこから絶縁される。例えば、イソレータフィルターリング241は、
図2Aに示されるように最上部プレート250から電極240を分離した電極240の下の部分近くに配置することができる。環状イソレータ242は、イソレータフィルターリング241の外面近くに配置することもできる。その後、環状絶縁体243は、電極240の上の部分近くに配置することができ、電極240は最上部プレート250とリッドアセンブリ200の他の全ての要素から電気的に絶縁される。これらリング241、242、243の各々は、酸化アルミニウム又は他のあらゆるプロセス互換性のある絶縁物質から作ることができる。
【0031】
[0043]一つ以上の実施形態においては、電極240は電源(図示せず)と結合され、ガス分配アセンブリ220は接地するために接続される(即ち、ガス分配アセンブリ220は電極として働く)。従って、1以上のプロセスガスのプラズマは、電極240(“第一電極”)とガス分配アセンブリ220(“第二電極”)間に容積261、262及び/又は263で生成され得る。例えば、プラズマは、電極240とブロッカーアセンブリ230間で衝突し含有することができる。或いは、プラズマは、ブロッカーアセンブリ230が存在しないときに電極240と分配プレート225との間で衝突し含有することができる。いずれの実施形態においても、プラズマはリッドアセンブリ200内にうまく閉じ込められ又は含有する。従って、活性プラズマがチャンバ本体112内に配置された基板と直接接触しないので、プラズマは“リモートプラズマ”である。結果として、プラズマは十分に基板表面から離れていることから、基板に対するプラズマ損傷が避けられる。
【0032】
[0044]ガスを反応性化学種へ活性化させるとともに反応性化学種のプラズマを維持することができるいかなる電源も用いることができる。例えば、放電技術に基づいた高周波(RF)、直流(DC)、又はマイクロ波(MW)を用いることができる。活性化は、また、熱に基づく技術、ガス分解技術、高密度光源(例えばUVエネルギー)、又はX線源に対する暴露によって起こすことができる。或いは、リモート活性化源、例えば、リモートプラズマ発生器を反応化学種のプラズマを生成させ、次にチャンバ100へ分配するために用いることができる。例示的なリモートプラズマ発生器は、MKSインスツルメント社やアドバンスドエナジーインダストリー社のようなベンダーから入手できる。好ましくは、RF電源は電極240に結合される。
【0033】
[0045]
図2Aを参照すると、ガス分配アセンブリ220は、プロセスガスと処理チャンバ100内で行われる動作によっては加熱することができる。一実施形態においては、加熱素子270、例えば、抵抗ヒータは、分配プレート225に結合することができる。一実施形態においては、加熱素子270は管状部材であり、
図2Bと
図2Cに詳細に示されるように分配プレート225の上面へ押圧される。
【0034】
[0046]
図2Bと
図2Cを参照すると、発熱体270は締まりばめを用いて溝の中に保持されるので、分配プレート225の上面は、幅が加熱素子270の外径よりわずかに小さいグルーブ又は溝のチャネルを含む。分配プレート225とブロッカーアセンブリ230を含む分配アセンブリ220の要素が相互に各々導電的に結合されるので、加熱素子270はガス分配アセンブリ220の温度を調節する。温度の調整は、分配プレート225に結合された熱電対272によって容易に行うことができる。熱電対272は、電源から加熱素子270に印加された電流を制御するためにフィードバックループで用いることができ、ガス分配アセンブリ220の温度は所望される温度で又は所望される温度範囲内で維持又は制御し得る。上記のように、ガス分配アセンブリ220がリッドアセンブリ200の他の要素と最小限に熱接触させ、それだけで熱導電性が制限されることから、ガス分配アセンブリ220温度の制御は容易に行われる。
【0035】
[0047]一つ以上の実施形態において、リッドアセンブリ200は、ガス分配アセンブリ220の温度制御を与える熱伝達媒体を流すためにその中に形成された一つ以上の流体チャネル202を含むことができる。一実施形態においては、流体チャネル202は、
図2Aに示されるようにリッドリム210内に形成することができる。或いは、ガス分配アセンブリ220に一様な熱伝達を与えるためにリッドアセンブリ200のあらゆる要素内に流体チャネル202を形成することができる。流体チャネル202は、チャンバ100内のプロセス要求によっては、ガス分配アセンブリ220の温度を制御するために加熱媒体か又は冷却媒体を含むことができる。あらゆる熱伝達媒体は、例えば、窒素、水、エチレングリコール、又はその混合物を用いることができる。
【0036】
[0048]一つ以上の実施形態においては、ガス分配アセンブリ220は、1以上の加熱ランプ(図示せず)を用いて加熱することができる。典型的には、加熱ランプは、放射によって分配プレート225を加熱するために分配プレート225の上面の近くに配置される。
【0037】
[0049]
図3Aは、支持アセンブリ300を示す部分断面図である。支持アセンブリ300は、チャンバ本体112内に少なくとも一部配置されることができる。支持アセンブリ300は、チャンバ本体112内で処理するために、基板(この図には示されていない)を支持するために支持部材310を含むことができる。支持部材310は、チャンバ本体112の底面に形成された中央に位置した開口部114を通って伸びるシャフト314によってリフトメカニズム330に結合可能である。リフトメカニズム330は、シャフト314の周りからの真空漏出を防止するベローズ333によってチャンバ本体112を可撓性に密封することができる。リフトメカニズム330は、支持部材310をチャンバ本体112内のプロセス位置と下の搬送位置との間を垂直に移動させることができる。搬送位置は、チャンバ本体112の側壁に形成されたスリットバルブ160の開口部のわずかに下ある。
【0038】
[0050]
図3Bは、
図3Aに示された支持アセンブリ300を示す拡大部分断面図である。一つ以上の実施形態においては、支持部材310は、その上で処理されるべき基板を支持するための平坦で円形の表面又はほぼ平坦で円形の表面を持っている。支持部材310は、アルミニウムで構成されることが好ましい。支持部材310は、基板の裏面汚染を減少させるために、例えば、シリコン又はセラミック材料のような幾つかの他の物質で作られた取り外し可能な最上部プレート311を含むことができる。
【0039】
[0051]一つ以上の実施形態においては、支持部材310又は最上部プレート311は、上面上に配置された複数の拡張部又はディンプル311Aを含むことができる。
図3Bにおいては、ディンプル311Aは最上部プレート311の上面上に示されている。ディンプル311Aは、最上部プレート311が所望されない場合には支持部材310の上面上に配置し得ることが予想可能である。ディンプル311Aは、基板の下面と支持アセンブリ300の支持表面(即ち、支持部材310か又は最上部プレート311)間の接触を最少にする。
【0040】
[0052]一つ以上の実施形態においては、真空チャックを用いて支持アセンブリ300に基板(図示せず)を固定することができる。最上部プレート311は、支持部材310に形成された1以上のグルーブ316と流体で連通している複数のホール312を含むことができる。グルーブ316は、シャフト314と支持部材310内に配置された真空コンジット313を経て真空ポンプ(図示せず)と流体で連通している。ある条件下、真空基板が支持部材310上に配置されないときの堆積を防ぐために、支持部材310の表面にパージガスを供給するためにコンジット313を用いることができる。真空コンジット313は、反応性ガス又は副生成物が基板の裏面に接触することを防止するために処理の間、パージガスを送ることもできる。
【0041】
[0053]一つ以上の実施形態においては、基板(図示せず)は、静電チャックを用いて支持部材310に固定することができる。一つ以上の実施形態においては、基板を従来のクランプリングのようなメカニカルクランプ(図示せず)によって支持部材310上の定位置に保持することができる。
【0042】
[0054]静電チャックは、典型的には、電極(図示せず)を囲む誘電材料を少なくとも含み、支持部材310の上面に位置するか又は支持部材310の不可欠な部分として形成することができる。チャックの誘電部分は、基板から、また、支持アセンブリ300の残りの部分からチャック電極を電気的に絶縁させる。
【0043】
[0055]一つ以上の実施形態においては、チャック誘電体は基板の周囲よりわずかに小さくすることができる。言い換えれば、基板がチャック上に置かれるときに中心からずれたとしてもチャック誘電体が基板で完全に覆われたままであるように、基板はチャック誘電体の周囲をわずかに突き出る。基板が完全に覆われていると想定すると、チャック誘電体は、基板がチャンバ本体112内の基板を潜在的に腐食に晒されること又は損傷を与えることからチャックを保護することを確実にする。
【0044】
[0056]静電チャックを作動させるための電圧は、別個の“チャック”電源(図示せず)によって供給することができる。チャック電源の一出力端子は、チャック電極に接続されている。他の出力端子は、典型的には、電気的接地に接続されるが、代わりに支持アセンブリ300の金属本体部分に接続することもできる。動作中、基板は絶縁部分と接触して配置され、支持部材310の上面上に基板を付着させる静電引力又はバイアスを作り出すために電極上に直流電圧がかけられる。
【0045】
[0057]なお
図3Aと
図3Bを参照すると、支持部材310は、リフトピン325を収容するために形成された1以上のボア323を含むことができる。各リフトピン325は、典型的には,セラミック又はセラミック含有物質から構成され、基板処理と搬送のために用いられる。各リフトピン325は、ボア323内にスライドできるように取り付けられている。一態様においては、ボア323は、リフトピン325を自由にスライドさせるためにセラミックスリーブで裏打ちされる。リフトピン325は、チャンバ本体112内に配置された環状リフトリング320と噛み合わせることによりそれぞれのボア323内で移動できる。リフトリング320が上の位置にある時、リフトピン325の上面は支持部材310の基板支持表面上に位置することができるようにリフトリング320は移動することができる。反対に、リフトリング320が下の位置にある時、リフトピン325の上面は支持部材310の基板支持表面の下にある。従って、各リフトピン325の部分は、リフトリング320が下の位置か上の位置から移動する時、支持部材310のそれぞれのボア323を通過する。
【0046】
[0058]活性化される場合、リフトピン325は基板の下面に対して押され、基板を支持部材310から持ち上げる。反対に、リフトピン325は基板を下げるように脱活性化することができ、よって支持部材310上に基板が置かれる。リフトピン325は、ピン325が支持部材310から落ちることを防止するために引き伸ばされた上端又は円錐形ヘッドを含むことができる。他のピン設計も用いることができ、当業者に周知である。
【0047】
[0059]一実施形態においては、1以上のリフトピン325は、その上で支持された時に基板がスライドすることを防止するために滑り止め又は高摩擦材料でできたその上に配置されるコーティング又はアタッチメントを含む。好ましい材料は、処理チャンバ100内で汚染物質を生成する基板の裏面を引っ掻かないさもなければ損傷させない高温高分子材料である。好ましくは、コーティング又はアタッチメントは、デュポン社から入手できるKALREZ
TMコーティングである。
【0048】
[0060]リフトリング320を駆動させるために、従来の空気圧シリンダー又はステッパモータ(図示せず)のようなアクチュエータが通常用いられる。ステッパモータ又はシリンダーは、上下位置にリフトリング320を駆動させ、基板を上下にさせるリフトピン325を駆動させる。個々の実施形態においては、基板(示されていない)は、約120度間隔で配置するとともにリフトリング320から突き出した三つのリフトピン325(この図では示されていない)によって支持部材310上で支持される。
【0049】
[0061]
図3Aを再び参照すると、支持アセンブリ300は支持部材310の周りに配置されるエッジリング305を含むことができる。エッジリング305は、特にセラミック、水晶、アルミニウム、鋼のような様々な物質で作ることができる。一つ以上の実施形態においては、エッジリング305は、支持部材310の外周を覆うとともに堆積から支持部材310を保護するように適合されている環状部材である。エッジリング305は、支持部材310の外径とエッジリング305の内径の間に環状パージガスチャネル334を形成するために支持部材上又は支持部材310に隣接して位置し得る。環状パージガスチャネル334は、支持部材310とシャフト314を通って形成されるパージガスコンジット335と流体で連通し得る。好ましくは、パージガスコンジット335は、パージガスをパージガスチャネル334に供給するパージガス供給源(図示せず)と流体で連通している。窒素、アルゴン、又はヘリウムのような、あらゆる適したパージガスを単独又は組み合わせて用いることができる。動作中、パージガスはコンジット335を通ってパージガスチャネル334へ、また、支持部材310上に配置された基板のエッジの周りに流れる。従って、エッジリング305と共に作用するパージガスは、基板のエッジ及び/又は裏面の堆積を防止する。
【0050】
[0062]再び
図3Aと
図3Bを参照すると、支持アセンブリ300の温度は、支持部材310の本体に埋め込まれた流体チャネル360を通って循環した流体によって制御される。一つ以上の実施形態においては、流体チャネル360は、支持アセンブリ300のシャフト314を通って配置された熱伝達コンジット361と流体で連通している。好ましくは、流体チャネル360は支持部材310の周りに配置されて支持部材310の基板受容面に一様な熱伝達を供給する。流体チャネル360と熱伝達コンジット361は、支持部材310を加熱又は冷却するために熱伝達流体を流すことができる。更に、流体チャネル360通って循環する流体フローは、流体の冷却を防止するように制限し、よって最上部プレート311が熱を保持するように促進することができる。この熱保持は、洗浄プロセスにとって望ましい。あらゆる適した熱伝達流体、例えば、水、窒素、エチレングリコール又はその混合物を用いることができる。支持アセンブリ300は、支持部材310の支持表面の温度を監視するための埋め込み熱電対(図示せず)を更に含むことができる。例えば、熱電対からの信号は、流体チャネル360を通って循環した流体の温度又は流量を制御するためにフィードバックループにおいて用いることができる。
【0051】
[0063]
図3Aに戻ると、支持部材310は、支持部材310とリッドアセンブリ200間の距離を制御し得るようにチャンバ本体112内を垂直に移動し得る。センサー(図示せず)は、チャンバ100内の支持部材310の位置に関する情報を与えることができる。支持部材310のリフトメカニズムの例は、Selyutinらの“自動整列リフトメカニズム”と称する1999年9月14日発行の米国特許第5,951,776号に詳述されており、この開示内容は本明細書に全体で援用されている。
【0052】
[0064]動作中、処理される基板の温度を制御するためにリッドアセンブリ200に密接に接近して支持部材310を上げることができる。そういうものとして、加熱素子270によって制御される分配プレート225から放出される放射によって基板を加熱することができる。或いは、基板はリフトリング320によって活性化されるリフトピン325を用いて、加熱されたリッドアセンブリ200に密接に接近して支持部材310を持ち上げることができる。
【0053】
[0065]使用期間の延長後又は予定されたメンテナンスの指定時間に、上記のものを含む処理チャンバ100のある種の要素は、定期的に検査され、取り替えられ又は洗浄することができる。これらの要素は、典型的には、集団的に“プロセスキット”として知られる部品である。プロセスキットの例示的要素は、例えばシャワーヘッド225、最上部プレート311、エッジリング305、ライナ133、リフトピン325を含むがこれらに限定されない。これらの要素のいずれか1つ以上は、典型的には、チャンバ100から取り除かれ、一定間隔又は必要に応じて洗浄又は取り替えられる。
【0054】
[0066]
図4Aは、他のリッドアセンブリ400を示す部分断面図である。リッドアセンブリ400は、その間でプラズマ容積又は空洞を形成するように構成される少なくとも二つの積み重ね要素を含む。一つ以上の実施形態においては、リッドアセンブリ400は、その間のプラズマ容積又は空洞425を閉じ込めている第二電極450(“下部電極”)上に垂直に配置された第一電極410(“上部電極”)を含む。第一電極410は、RF電源のような電源415に接続され、第二電極450は接地に接続され、二つの電極410、450間にキャパシタンスを形成する。
【0055】
[0067]一つ以上の実施形態においては、リッドアセンブリ400は、第一電極410の上の部分内に少なくとも一部形成される、1以上のガス流入口412(1つだけ図示されている)を含む。1以上のプロセスガスは、1以上のガス流入口412を経てリッドアセンブリ400に入る。1以上のガス注入口412は、第一端でプラズマキャビティ425と流体で連通し、第二端で1以上の上流ガス供給源及び/又は他のガス分配要素、例えば、ガスミキサに結合される。1以上のガス流入口412の第一端は、
図4Aに示されるように拡張部分420の内径430の最上限でプラズマキャビティ425へ開放し得る。同様に、1以上のガス流入口412の第一端は、拡張部分420の内径430に沿って任意の高さの間隔でプラズマキャビティ425へ開放し得る。図示されていないが、プラズマキャビティ425内でガスの混合を援助する拡張部分420へ渦流パターン又は“渦巻”流を作るために二つのガス注入口412が拡張部分420の反対側に配置されてもよい。そのようなフローパターンとガス注入口配置の詳細な説明は、2001年12月21日出願の米国特許出願第20030079686号に示され、この開示内容は本明細書に援用されている。
【0056】
[0068]一つ以上の実施形態においては、第一電極410はプラズマキャビティ425を入れる拡張部分420を持っている。
図4Aに示されるように、拡張部分420は上記のようにガス注入口412と流体で連通している。一つ以上の実施形態においては、拡張部分420は、上の部分420Aから下の部分420Bまで徐々に増大する内部表面又は直径430を持つ環状部材である。そのようなものとして、第一電極410と第二電極450の間の距離は可変である。その種々の距離は、プラズマキャビティ425内に生成されたプラズマの形成と安定性の制御を援助する。
【0057】
[0069]一つ以上の実施形態においては、拡張部分420は、
図4Aと
図4Bに示されるように円錐又は“漏斗”に似ている。
図4Bは、
図4Aの上部電極を示す拡大された概略部分断面図である。一つ以上の実施形態においては、拡張部分420の内面430は、拡張部分420の上の部分420Aから下の部分420Bに徐々に傾斜している。内径430の傾斜又は角度は、プロセスの要求及び/又はプロセスの制限によっては変化させることができる。拡張部分420の長さ又は高さは、また、個々の処理要求及び/又は制限によっては変化させることができる。一つ以上の実施形態においては、内径430の傾斜、拡張部分420の高さ、又はその両方は、処理に必要とされるプラズマ容積によっては変化させることができる。例えば、内径430の傾斜は少なくとも1:1、又は少なくとも1.5:1、又は少なくとも2:1又は少なくとも3:1又は少なくとも4;1又は少なくとも5:1又は少なくとも10:1でもよい。一つ以上の実施形態においては、内径430の傾斜は、低い2:1から高い20:1の範囲にあればよい。
【0058】
[0070]一つ以上の実施形態においては、拡張部分420は、図面に示されていないが湾曲状又は弧状でもよい。例えば、拡張部分420の内面430は、凸状か又は凹状であるように湾曲状又は弧状でもよい。一つ以上の実施形態においては、拡張部分420の内面430は、各々傾斜、先細、凹状、又は凸状である複数の部分を持つことができる。
【0059】
[0071]上記のように、第一電極410の拡張部分420は、第一電極410の内面430が徐々に徐々に大きくなることから第一電極410と第二電極450間の縦の距離が変化する。その可変距離は、プラズマキャビティ425内の電力レベルに直接関係している。理論で縛られることを望まないが、二つの電極410、450間の距離の変化により、プラズマキャビティ425全体ではない場合にはプラズマキャビティ425のある部分内でプラズマ自体を維持するのに必要な電力レベルが分かる。それ故、プラズマキャビティ425内のプラズマは圧力にほとんど左右されず、プラズマはより広い作動窓内で生成され維持されることができる。そのようなものとして、より再現性や信頼性のあるプラズマをリッドアセンブリ400内で形成することができる。
【0060】
[0072]第一電極410は、プロセス互換性のあるあらゆる物質、例えば、アルミニウム、陽極処理されたアルミニウム、ニッケルめっきアルミニウム、ニッケルめっきアルミニウム6061−T6、ステンレス鋼、又はそれらの組合せもしくは合金から構成することができる。一つ以上の実施形態においては、第一電極410又はその一部は、望ましくないパーティクル形成を減少させるためにニッケルコーティングされる。好ましくは、少なくとも拡張部分420の内面430は、ニッケルコーティングされる。
【0061】
[0073]第二電極450は、1以上の積み重ねられたプレートを含むことができる。二つ以上のプレートが所望される場合、プレートは相互に電気的に連通しているべきである。プレートの各々は、プラズマキャビティ425からの1以上のガスを流すことができる複数のアパーチャ又はガス通路を含むべきである。
【0062】
[0074]
図4Bを参照すると、リッドアセンブリ400は、第二電極450から第一電極410を電気的に絶縁させるイソレータリング440を更に含むことができる。イソレータリング440は、酸化アルミニウム又はあらゆる処理互換性のある絶縁物質から作ることができる。好ましくは、イソレータリング440は
図4Bに示されるように少なくとも拡張部分420を包囲又はほぼ包囲している。
【0063】
[0075]再び
図4Aに示される個々の実施形態を参照すると、第二電極450は、最上部プレート450と、分配プレート470と、ブロッカープレート480とを含む。最上部プレート460、分配プレート470、ブロッカープレート480は、
図4Bに示されるようにチャンバ本体112に接続されるリッドリム490上に積み重ねられ配置される。当該技術分野において既知であるように、ヒンジアセンブリ(示されていない)は、リッドリム490をチャンバ本体112に結合するように用いることができる。リッドリム490は、熱伝達媒体を収容するために埋め込まれたチャネル又は通路492を含むことができる。熱伝達媒体は、プロセスの要求によっては、加熱、冷却、又はその双方で用いることができる。例示的熱伝達媒体は上で挙げられている。
【0064】
[0076]一つ以上の実施形態においては、最上部プレート460は、ガスをプラズマキャビティ425から全体に流すために、プラズマキャビティ425の下に形成される複数のガス通路又はアパーチャ465を含む。一つ以上の実施形態においては、最上部プレート460は、第一電極410の少なくとも一部を収容するように適合されている溝部分462を含むことができる。一つ以上の実施形態においては、アパーチャ465は溝部分462の下の最上部プレート460の交差部分を通っている。最上部プレート460の溝部分462は、
図4Aに示されるように、その間に良好に密封適合されるように階段状にすることができる。更に、最上部プレート460の外径は、
図4Aに示されるように分配プレート470の外径上に取り付け又は置かれるように設計することができる。Oリング型シール、例えば、弾性Oリング463は、第一電極410との流体密封の接触を確実にするために最上部プレート460の溝部分462内に少なくとも一部配置することができる。同様に、Oリング型シール466を、最上部プレート460の外径と分配プレート470間の流体密封の接触を与えるように用いることができる。
【0065】
[0077]一つ以上の実施形態においては、分配プレート470は、
図2A−
図2Cによって示され説明された分配プレート225と同一のものである。特に、分配プレート470は、ほぼ円形であり、ガスフローを分布させる複数のアパーチャ475又は通路を含む。アパーチャ475は、処理すべき基板が位置しているチャンバ本体112に制御された一様な流量分布を与える大きさで且つ分配プレート470の周りに配置することができる。
【0066】
[0078]分配プレート470は、また、その外径に形成された環状取り付けフランジ472を含むことができる。取り付けフランジ472は、リッドリム490の上面上に置くことができる大きさである。Oリング型シール、例えば、弾性Oリングは、リッドリム490との流体密封接触を確実にするために環状取り付けフランジ472内に少なくとも一部配置することができる。
【0067】
[0079]一つ以上の実施形態においては、分配プレート470は、リッドアセンブリ400の温度制御を与えるためにヒータ又は加熱流体を収容するための1以上の埋め込まれたチャネル又は通路474を含む。上記のリッドアセンブリ300と同様に、分配プレート470を加熱するために抵抗加熱素子を通路474内に挿入することができる。熱電対は、その温度を調節するために分配プレート470に接続することができる。熱電対は、上記のように、加熱素子に印加された電流を制御するためにフィードバックループにおいて用いることができる。
【0068】
[0080]或いは、熱伝達媒体は通路474を通過することができる。1以上の通路474は、必要であれば、チャンバ本体112内のプロセス要求によっては分配プレート470の温度をより良好に制御する冷却媒体を含むことができる。上記のように、あらゆる熱伝達媒体、例えば、窒素、水、エチレングリコール、又はその混合物を用いることができる。
【0069】
[0081]一つ以上の実施形態においては、リッドアセンブリ400は、1以上の加熱ランプ(示されていない)を用いて加熱することができる。典型的には、加熱ランプは、分配プレート470の上面の近くに配置されて放射による分配プレート470を含むリッドアセンブリ400の要素を加熱する。
【0070】
[0082]ブロッカープレート480は任意であり、最上部プレート460と分配プレート470間に配置される。好ましくは、ブロッカープレート480は、最上部プレート460の下面に取り外し可能に取り付けられる。ブロッカープレート480は、最上部プレート460と良好に熱接触と電気接触しなければならない。一つ以上の実施形態においては、ブロッカープレート480は、ボルト又は類似した留め具を用いて最上部プレート460に結合することができる。ブロッカープレート480は、また、最上部プレート460の外径にねじで締め付けることができる。
【0071】
[0083]ブロッカープレート480は、最上部プレート460から分配プレート470に複数のガス通路を設けるために複数のアパーチャ485を含む。アパーチャ485は、制御された一様な流量分布を分配プレート470に与える大きさで且つブロッカープレート480の近くに配置することができる。
【0072】
[0084]
図4Cは、リッドアセンブリ400がその上に配置されたチャンバ本体112を示す部分断面図である。好ましくは、拡張部分420は、
図4Cに示されるように支持アセンブリ300上に中心がある。プラズマキャビティ425内のプラズマの閉じ込めと閉じ込められたプラズマの中心位置は、チャンバ本体112へ解離ガスの一様で反復性の分布を可能にする。特に、プラズマ容積425を出るガスは、最上部プレート460のアパーチャ465からブロッカープレート480の上面を通って流れる。ブロッカープレート480のアパーチャ485は分配プレート470の裏面にガスを分布させ、チャンバ本体112内の基板(図示せず)と接触する前にガスを分配プレート470のアパーチャ475を通って更に分布させる。
【0073】
[0085]中央に位置したプラズマキャビティ425内のプラズマの閉じ込めと第一電極410と第二電極450間の可変距離によって、リッドアセンブリ400内に安定で信頼できるプラズマを生成すると考えられる。
【0074】
[0086]説明を簡単に且つ容易にするために、処理チャンバ100内で行われるアンモニア(NH
3)と三フッ化窒素(NF
3)ガス混合物を用いて酸化シリコンを除去するための例示的ドライエッチングプロセスをここに記載する。処理チャンバ100は、アニールプロセスを含むすべて単一処理環境内で基板の加熱と冷却双方に加えてプラズマ処理から有益であるあらゆるドライエッチングプロセスに有利であると考えられる。
【0075】
[0087]
図1を参照すると、ドライエッチングプロセスは、基板(図示せず)、例えば、半導体基板を処理チャンバ100へ入れることにより開始する。基板は、典型的には、スリットバルブ開口部160を通ってチャンバ本体112へ入り、支持部材310の上面上に配置される。基板は支持部材310の上面にチャックされ、エッジパージがチャネル334を通過する。好ましくは、コンジット313を経て真空ポンプと流体が連通しているホール312とグルーブ316を通って真空を引くことにより基板が支持部材310の上面にチャックされる。その後、処理位置に既にない場合には、支持部材310はチャンバ本体112内の処理位置に持ち上げられる。チャンバ本体112は、好ましくは50℃〜80℃、より好ましくは約65℃の温度で維持される。チャンバ本体112の、この温度は、熱伝達媒体を流体チャネル113に通過させることにより維持される。
【0076】
[0088]基板は、熱伝達媒体又は冷却剤を支持アセンブリ300内に形成された流体チャネル360に通過させることにより65℃より低い15℃〜50℃に冷却される。一実施形態においては、基板は室温より低い温度に維持される。他の実施形態においては、基板は22℃〜40℃の温度に維持される。典型的には、支持部材は、上記で指定された所望される基板温度に達するように約22℃より低い温度に維持される。支持部材310を冷却するために、冷却剤を流体チャネル360に通過させる。支持部材310の温度をより良く制御するために冷却剤の連続した流れが好ましい。冷却液は、好ましくは50容量%のエチレングリコールと50容量%の水である。もちろん、水とエチレングリコールのあらゆる比率が所望される基板の温度が維持される限り使用し得ることは当然のことである。
【0077】
[0089]次に、アンモニア及び三フッ化窒素ガスをチャンバ100へ導入して洗浄ガス混合物を形成する。チャンバへ導入された各ガス量は、例えば、除去すべき酸化物層の厚さ、洗浄される基板の形、プラズマの容積容量、チャンバ本体112の容積容量、チャンバ本体112に結合された真空システムの能力を適合させるために調整することができる。一態様においては、アンモニアと三フッ化窒素のモル比が少なくとも1:1であるガス混合物を供給するようにガスが添加される。他の態様においては、ガス混合物のモル比は、少なくとも約3:1(アンモニア:三フッ化窒素)である。好ましくは、ガスは、モル比5:1(アンモニア:三フッ化窒素)〜30:1でチャンバ100に導入される。より好ましくは、ガス混合物のモル比は約5:1(アンモニア:三フッ化窒素)〜約10:1のモル比である。ガス混合物のモル比は、また、約10:1(アンモニア:三フッ化窒素)〜約20:1の間に包含することができる。
【0078】
[0090]パージガス又はキャリアガスも、ガス混合物に添加することができる。あらゆる適切なパージ/キャリアガス、例えば、アルゴン、ヘリウム、水素、窒素、又はその混合物を用いることができる。典型的には、全体のガス混合物は、約0.05容積%〜約20容積%のアンモニアと三フッ化窒素である。残りはキャリアガスである。一実施形態においては、チャンバ本体112内の圧力を安定させるために反応性ガスの前にパージ又はキャリアガスが最初にチャンバ本体112へ導入される。
【0079】
[0091]チャンバ本体112内の作動圧力は可変でもよい。典型的には、圧力は約500mトール〜約30トールで維持される。好ましくは、圧力は約1トール〜約10トールに維持される。より好ましくは、チャンバ本体112内の作動圧力は約3トール〜約6トールに維持される。
【0080】
[0092]約5〜約600ワットのRF電力を電極240に印加してガス分配アセンブリ330に含有した容積261、262,263内のガス混合物のプラズマを発火させる。好ましくは、RF電力は100ワット未満である。電力が印加される周波数が非常に低い、例えば、100kHz未満であることが更に好ましい。好ましくは、周波数は約50kHz〜約90kHzの範囲である。
【0081】
[0093]プラズマエネルギーは、アンモニアと三フッ化窒素ガスを混合している反応化学種へ解離させてガス相において高反応性フッ化アンモニア(NH
4F)化合物及び/又はフッ化水素アンモニウム(NH
4F・HF)を形成する。その後、これらの分子が分配プレート225のホール225Aを経てガス分配アセンブリ220に流れ込み洗浄すべき基板表面と反応する。一実施形態においては、キャリアガスが最初にチャンバ100へ導入され、キャリアガスのプラズマが生成され、その後反応ガス、アンモニア、三フッ化窒素がプラズマに添加される。
【0082】
[0094]理論で縛られることを望まないが、NH
4F及び/又はNH
4F・HFのエッチングガスが酸化シリコン表面と反応してヘキサフルオロケイ酸アンモニウム(NH
4)
2SiF
6、NH
3、H
2O生成物を形成すると考えられる。NH
3とH
2Oは、処理条件で蒸発し、真空ポンプ125でチャンバ100から除去される。特に、揮発性ガスは、ガスが真空ポンプ125へ真空ポート131を通ってチャンバ100を出る前にポンプチャネル129へライナ133に形成されたアパーチャ135に流れ込む。(NH
4)
2SiF
6の薄膜は基板表面上に残留する。この反応機構は次のように纏めることができる。
【0083】
[0095]NF
3+NH
3 → NH
4F+NH
4F・HF+N
2
[0096]6NH
4F+SiO
2 → (NH
4)
2SiF
6+H
2O
[0097](NH
4)
2SiF
6+熱 → NH
3+HF+SiF
4
[0098]基板表面上に薄膜が形成された後、その上に基板が支持された支持部材310を加熱された分配プレート225の密接に近接してアニール位置に上げられる。分配プレート225から放射された熱は、(NH
4)
2SiF
6の薄膜を揮発性SiF
4、NH
3、HF生成物へ十分に解離又は昇華させるのに十分でなければならない。その後、これらの揮発性生成物は、上記のように真空ポンプ125によってチャンバ100から除去される。典型的には、75℃以上の温度を用いて効果的に昇華させるとともに基板から薄膜を除去する。好ましくは、100℃以上の温度、例えば、約115℃〜約200℃が用いられる。
【0084】
[0099](NH
4)
2SiF
6の薄膜をその揮発性要素へ解離させる熱エネルギーは、分配プレート225によって対流又は放射される。上記のように、加熱素子270は直接分配プレート225に結合され、分配プレート225と要素を約75℃〜250℃の温度に熱接触させて加熱するように活性化する。一態様においては、分配プレート225は、100℃〜150℃、例えば、120℃の温度に加熱される。
【0085】
[00100]この上昇変化は、様々な方法で行うことができる。例えば、リフトメカニズム330は、分配プレート225の下面に向かって支持部材310を上昇させることができる。このリフトステップの間、基板は上記真空チャック又は静電チャックのような支持部材310に固定される。或いは、基板は、支持部材310から上げられ、リフトリング320を経てリフトピン325を上昇させることによって加熱された分配プレート225に密接に接近して配置され得る。
【0086】
[00101]薄膜を持つ基板の上面と分配プレート225の間の距離は重要ではなく、通常実験の問題である。当業者は、下にある基板に損傷を与えることなく薄膜を能率よく効果的に揮発させるのに必要とした間隔を容易に求めることができる。しかしながら、約0.254mm(10ミル)〜5.08(200ミル)の間隔が効果的であると考えられる。
【0087】
[00102]基板から膜が除去されるとすぐに、チャンバがパージされ、排気される。その後、洗浄された基板は、搬送位置に基板を下げ、基板を脱チャックさせ、スリットバルブ開口部160を通って基板を搬送することによってチャンバ本体112から取り出される。
【0088】
[00103]約1000基板を処理した後毎に、チャンバ本体を洗浄する必要がある。洗浄チャンバ本体112は、上昇位置に支持部材310を上昇させることによって行うことができる。この上昇した位置の支持部材310と分配プレートとの間の距離は、約0.100インチ以下である。支持部材310は、分配プレート225から放射される加熱で又は電気抵抗的に支持部材を加熱することによって又は支持部材310における流体チャネルに加熱流体を供給することによって加熱することができる。好ましくは、冷却流体チャネルへの流体注入口を遮断する。
【0089】
[00104]水素とヘリウムとアルゴンの混合物のような高熱伝導率を有するガスは、ガス分配プレート225を通って導入される。支持部材310の加熱は、水とフルオロケイ酸アンモニウム(NH
4)
2SiF
6の薄膜を揮発性のSiF
4とNH
3とHFの生成物に解離するか又は昇華させることを援助する。その後、これらの揮発性生成物は、上記のように真空ポンプ125によってチャンバ100から除去される。更に、プラズマは、更に洗浄を促進するように生成されてもよい。プラズマは、蒸発した堆積物が排気システムに流れ込むので酸化ケイ素のような副生成物の再結合を防止することができる。
【0090】
[00l05]典型的には、100℃以上の温度がチャンバ内の堆積物を効果的に昇華させ除去するために用いられる。約100℃の温度が約1時間以内で達することができ、約140℃の温度が約3時間以内で達することができる。好ましくは、100℃以上の温度、例えば、約115℃〜200℃が用いられる。洗浄プロセスが遮断された流体注入口を開放することによってシステムへ冷却流体を導入することによって完了する場合、約35℃の支持部材310温度へ戻ることは約半時間で達成される。
【0091】
[00106]支持部材310への流体注入口を遮断すると支持部材310の上の部分と支持部材のベースとの間に温度勾配が生じる。ガス分配プレートに最も近い支持部材310の温度は約140℃に達することができ、支持部材310のベースはほぼ周囲温度で相対的に安定なままであることができる。
【0092】
[00107]薄膜を持つ基板の上面と分配プレート225の間の距離は、下にある基板に損傷を与えずに効率的且つ効果的に薄膜を蒸発させるように選ばれる。プロセス条件によっては、約0.254mm(10ミル)〜5.08(200ミル)の間隔が選ばれる。
【0093】
[00108]システムコントローラ(図示せず)は、処理チャンバ100の動作を調節するために用いることができる。システムコントローラは、コンピュータのハードディスクドライブに記憶されたコンピュータプログラムの制御下で動作させ得る。模範的には、コンピュータプログラムは、プロセスシーケンスとタイミング、ガスの混合、チャンバ圧、RF電力レベル、サセプタの位置、スリットバルブの開閉、ウエハ冷却、具体的なプロセスの他のパラメータを決定し得る。ユーザとシステムコントローラ間のインターフェースは、CRTモニタとライトペン(図示せず)によって行うことができる。好適実施形態においては、二つのモニタが用いられ、一方のモニタはオペレータのためにクリーンルームの壁に取り付けられ、もう一方のモニタは保守技術者のために壁の後ろ側に取り付けられる。また、双方のモニターは同じ情報を同時に表示することが好ましいが、1のライトペンだけが可能である。ライトペンは、ペンの先端の光センサによりCRTディスプレイで放出された光を検出する。具体的なスクリーン又は機能を選択するために、オペレータはディスプレイスクリーンの示された領域をタッチするとともにペンでボタンを押すことができる。ディスプレイスクリーンは、通常は、ライトペンとタッチ領域間の通信を外観、即ち、ハイライト又は色を変えることにより、又は新しいメニュー又はスクリーンを表示することにより確認する。
【0094】
[00109]多様なプロセスが、例えば、システムコントローラについて行うコンピュータプログラム製品を用いて実行することができる。コンピュータプログラムのコードは、例えば、68000アセンブリ言語、C、C++、又はパスカルのような、あらゆる慣用のコンピュータ読み取り可能なプログラミング言語で書き込むことができる。適したプログラムコードは、慣用のテキストエディタを用いて単一のファイル、又は複数のファイルへ入力され、且つコンピュータユーザブルメディウム、例えば、コンピュータのメモリシステムに記憶又はコンピュータ使用可能媒体に記憶又は表現することができる。入力されたコードテキストが高い水準の言語である場合には、コードはコンパイルされ、次に、得られたコンパイラコードがプレコンパイルされたライブラリルーチンのオブジェクトコードとリンクする。リンクされたコンパイルオブジェクトコードを実行するために、システムユーザは、オブジェクトコードを呼び出し、コンピュータシステムがメモリのコードをロードさせ、CPUがプログラムで識別されたタスクを行うためにコードを読み込み実行させる。
【0095】
[00110]
図5A-
図5Hは、本明細書に記載されるドライエッチングプロセスと処理チャンバ100を用いて、MOSFET構造500のような例示的な能動電子デバイスを形成するための例示的な製造シーケンスの概略断面図である。
図5A-
図5Hを参照すると、例示的なMOSFET構造は、半導体材料、例えば、シリコン又はガリウムヒ素基板525上に形成することができる。好ましくは、基板525は、結晶配向が<100>、直径が150mm(6インチ)、200mm(8インチ)又は300mm(12インチ)であるシリコンウエハである。典型的には、MOSFET構造は、次の組合せ、(i)誘電層、例えば、酸化シリコン、有機ケイ酸塩、炭素ドープされた酸化シリコン、リンケイ酸塩ガラス(PSG)、ホウリンケイ酸塩ガラス(BPSG)、窒化シリコン、又はその組合せ;(ii)半導体層、例えば、ドープされたポリシリコン、n型又はp型ドープされた単結晶シリコン;(iii)金属又は金属シリサイド層から形成された電気的接触部や相互接続部、例えば、タングステン、タングステンシリサイド、チタン、チタンシリサイド、コバルトシリサイド、ニッケルシリサイド、又はその組合せを含む。
【0096】
[00111]
図5Aを参照すると、能動電子デバイスの製造は、能動電子デバイスを他のデバイスから電気的に絶縁させる電気的絶縁構造を形成することにより開始する。S.M.Sze,McGraw-Hill出版社(1988)からVLSI技術、第二版、11章に一般的に記載されているように幾つかのタイプの電気的絶縁構造があり、この開示内容は本明細書に援用されている。一変形例においては、厚さが約2,000オングストロームであるフィールド酸化物層(図示せず)が、最初に基板525全体に成長し、酸化物層の一部が除去されてフィールド酸化物バリヤ545A、Bを形成し、それがデバイスの電気的に活性な素子が形成される露出した領域を囲んでいる。露出した領域を熱的に酸化して厚さが約50〜300オングストロームであるゲート酸化物薄層550を形成する。その後、ポリシリコン層が堆積され、パターン形成され、エッチングしてゲート電極555を作成する。ポリシリコンゲート電極555の表面は、絶縁誘電体層560を形成するために再酸化することができ、
図5Aに示されるような構造が得られる。
【0097】
[00112]
図5Bを参照すると、次に適切なドーパント原子で適切な領域をドープすることによりソースとドレイン570A、Bが形成される。例えば、p型基板525ついては、ヒ素又はリンを含むn型ドーパント化学種が用いられる。典型的には、ドーピングはイオンインプランタによって行われ、例えば、リン(
31P)を濃度が約10
13原子/cm
2、エネルギーレベルが約30〜80KeVで、又はヒ素(
75As)を用量が約10
15〜10
17原子/cm
2、エネルギーが10〜100KeVで含むことができる。注入プロセスの後、ドーパントは、例えば、急速熱処理(RTP)装置で基板を加熱することにより基板525へ動かされる。その後、ソースとドレイン領域570A、Bを覆う酸化物層550は、酸化物層に捕捉される注入プロセスに起因するあらゆる不純物を除去する従来の除去プロセスで取り除かれ、
図8Bに示される構造が得られる。
【0098】
[00113]
図5Cと
図5Dを参照すると、窒化シリコン層575は、SiH
2、Cl
2、NH
3のガス混合物を用いて低圧化学気相堆積(LPCVD)によってゲート電極555と基板525上の表面上に堆積される。その後、窒化シリコン層575は、
図5Dに示されるように、ゲート電極555の側壁上に窒化物スペーサ580を形成するために反応性イオンエッチング(RIE)技術を用いてエッチングされる。スペーサ580は、ソース570Aとドレイン570B上に堆積した他のシリサイド層からゲート555の上面上に形成されたシリサイド層を電気的に絶縁する。電気的絶縁側壁スペーサ580と上の層は、酸化シリコンのような他の物質から製造することができることは留意すべきである。側壁スペーサ580を形成するために用いられる酸化シリコン層は、典型的には、テトラエトキシシラン(TEOS)のフィードガスからCVD又はPECVDによって約600℃〜約1,000℃の範囲の温度で堆積される。
【0099】
[00114]
図5Eを参照すると、未変性酸化シリコン層585は、プロセス前後に大気に晒されることにより露出したシリコン表面上に形成される。未変性酸化シリコン層585は、形成された金属シリサイドの合金反応や導電性を改善するためにゲート555、ソース570A、ドレイン570B上に導電性金属シリサイドコンタクトを形成する前に除去されなければならない。未変性酸化シリコン層585は、半導体材料の電気抵抗を増大させ、且つ続いて堆積されるシリコンと金属層のシリサイド化反応に悪影響を及ぼすことがある。それ故、能動電子デバイスに相互接続するための金属シリサイドコンタクト又はコンダクタを形成する前に、記載されたドライエッチングプロセスを用いてこの未変性二酸化シリコン層585を除去することが必要である。ドライエッチングプロセスは、
図5Fに示されるようにソース570A、ドレイン570B、ゲート電極555の上面を露出させるために未変性酸化シリコン層585を除去する。
【0100】
[00115]その後、
図5Gに示されるように、金属590の層を堆積させるためにPVDスパッタプロセスが用いられる。その後、従来の炉アニーリングを用いて金属とシリコン層をアニールして金属層590がシリコンと接触している領域に金属シリサイドを形成する。アニールは、典型的には、別個の処理システムで行われる。従って、金属590上に保護キャップ層(図示せず)を堆積することができる。キャップ層は、典型的には、窒化物質であり、窒化チタン、窒化タングステン、窒化タンタル、窒化ハフニウム、及び窒化シリコンからなる群より選ばれた1以上の物質を含むことができる。キャップ層は、あらゆる堆積プロセス、好ましくはPVDで堆積させることができる。
【0101】
[00116]次に、
図5Iに示すようにバルク充填物535としてバルク金属が堆積される。バルク金属は、タングステン又はある他の金属であることができる。
【0102】
[00117]アニーリングは、典型的には、基板500を窒素雰囲気中で600℃〜800℃の温度に約30分間加熱することを含む。或いは、金属シリサイド595は、基板500を約1000℃に約30秒間高速熱アニールプロセスを用いて形成することができる。適切な導電性金属には、コバルト、チタン、ニッケル、タングステン、プラチナ、接触抵抗が低く且つポリシリコンと単結晶シリコン上に信頼できる金属シリサイドコンタクトを形成することができるあらゆる他の物質が含まれる。
【0103】
[00118]金属層590の未反応部分は、金属シリサイド595、スペーサ580、又はフィールド酸化物545A、Bを侵食せずに金属を除去する王水(HClやHNO
3)を用いてウェットエッチングによって除去することができるので、
図5Hに示されるように、ゲート555、ソース570A、ドレイン570B上に自己整列金属シリサイドコンタクト595が残る。その後、例えば、酸化シリコン、BPSG、又はPSGを含む絶縁カバー層が、電極構造上に堆積される。絶縁カバー層は、物質が低圧又は大気圧でフィードガスにより凝縮するCVDチャンバ内で化学気相堆積によって堆積させる。これは、例えば、1996年4月19日発行の共同譲渡された米国特許第5,500,249号に記載されており、この開示内容は本明細書に援用されている。その後、構造500をガラス転移温度でアニールして平滑な平坦化表面を形成する。
【0104】
[00119]一つ以上の実施形態においては、処理チャンバ100は、マルチ処理プラットフォーム、カリフォルニア州サンタクララにあるアプライドマテリアルズ社から入手できるEndura
TMプラットフォームへ集積することができる。そのような処理プラットフォームは、真空を破壊せずに幾つかの処理動作を行うことができる。Endura
TMプラットフォームの詳細は、1999年11月30日出願の“集積モジュラ処理プラットフォーム”と称する共同譲渡された米国特許出願第09/451,628号に記載されており、この開示内容は本明細書に援用されている。
【0105】
[00120]
図6は、マルチチャンバ処理システム600を示す概略平面図である。システム600は、システム600へ、また、システム600から基板の搬送する1以上のロードロックチャンバ602、604を含むことができる。典型的には、システム600は減圧下であるので、ロードロックチャンバ602、604はシステム600へ導入される基板を“ポンプダウン”させることができる。第一ロボット610は、ロードロックチャンバ602、604と1以上の基板処理チャンバ612、614、616、618(四つは示されている)の第一セット間の基板を搬送させることができる。各処理チャンバ612、614、616、618は、周期的層堆積(CLD)、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、エッチング、予備洗浄、脱ガス、配向、多野基板処理に加えて本明細書に記載されるドライエッチングプロセスを含む多くの基板処理動作を行うために供給することができる。
【0106】
[00121]第一ロボット610は、また、1以上の搬送チャンバ622、624へ/から基板を搬送させることができる。搬送チャンバ622、624は、基板をシステム600内に搬送させつつ超高真空条件を維持するために使用されてもよい。第二ロボット630は、搬送チャンバ622、624と1以上の処理チャンバ632、634、636、638の第二セット間に基板を搬送させることができる。処理チャンバ612、614、616、618と同様に、処理チャンバ632、634、636、638は、例えば、周期的層堆積(CLD)、原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、エッチング、予備洗浄、脱ガス、配向、多野基板処理に加えて本明細書に記載されるドライエッチングプロセスを含む多くの基板処理動作を行うために供給することができる。基板処理チャンバ612、614、616、618、632、634、636、638のいずれも、システム600によって行われるべき具体的なプロセスに必要がない場合には、システム600から除去することができる。
【0107】
[00122]
図5A-
図5HのMOSFET構造を形成するための例示的マルチ処理システム600は、上記の2つの処理チャンバと、金属500を堆積する2つの物理気相堆積チャンバと、任意のキャップ層(図示せず)を堆積させる2つの物理気相堆積チャンバとを含むことができる。
図6に示される基板処理チャンバ612、614、616、618、632、634、636、638のいずれか1つは、PVDチャンバ及び/又は処理チャンバ100である。
【0108】
[00123]上記のプロセスシーケンスはMOSFETデバイス製造に関して説明してきたが、本明細書に記載されるドライエッチングプロセスも、他の金属シリサイド層、例えば、タングステン、タンタル、モリブデンのシリサイドを持つ他の半導体構造及びデバイスを形成するため用いることができる。洗浄プロセスは、例えば、アルミニウム、銅、コバルト、ニッケル、シリコン、チタン、パラジウム、ハフニウム、ボロン、タングステン、タンタル、又はその混合物を含む異なる金属の層を堆積する前に用いることもできる。
【0109】
[00124]
図7は、処理チャンバの一実施形態を示す部分断面図である。本実施形態においては、処理チャンバ700は、チャンバ本体712の上端に配置されるリッドアセンブリ700と、チャンバ本体712の範囲内に少なくとも部分的に配置される支持アセンブリ700を含む。処理チャンバは、また、
図8で更に記載されるようにU型断面を持つリモート電極を有するリモートプラズマ発生器740を含む。チャンバ700と関連するハードウェアは、好ましくは、1以上のプロセス適合性材料、例えば、アルミニウム、陽極酸化アルミニウム、ニッケルめっきされたアルミニウム、ニッケルめっきされたアルミニウム6061-T6、ステンレス鋼、又はそれらの組合せもしくは合金から形成される。
【0110】
[00125]支持アセンブリ710は、チャンバ本体712の範囲内で部分的に配置される。支持アセンブリ710は、ベローズ733によって封入されるシャフト(図示せず)によって上下する。チャンバ本体712は、チャンバ700の内部に接近するためにその側壁に形成されるスリットバルブ760を含む。スリットバルブ760は、ウエハ処理ロボット(図示せず)によってチャンバ本体712の内部への接近することができるように選択的に開閉される。ウエハ処理ロボットは当業者に周知であり、あらゆる適切なロボットを用いることができる。一実施形態においては、ウエハは、プロセスチャンバ700内で、また、プロセスチャンバ700からスリットバルブ開口部760を通って隣接のトランスファチャンバ及び/又はロードロックチャンバ(図示せず)、又はクラスタツールの範囲内の他のチャンバへ運搬することができる。図示するクラスタツールとしては、サンタクララ、カリフォルニア州のアプライドマテリアルズ社から入手できるPRODUCERTM、CENTURATM、ENDURATM、ENDURASLTMのプラットフォームが挙げられるがこれに限定されない。
【0111】
[00126]チャンバ本体は、また、それを通して熱伝達流体を流すためにその中に形成されるチャネル(図示せず)を含む。熱伝達流体は、加熱流体又は冷却剤であることができ、処理と基板搬送の間のチャンバ本体712の温度を制御するために用いられる。チャンバ本体7l2の温度は、ガスの不必要な凝縮又はチャンバ壁上の副生成物を防止するために重要である。例示的な熱伝達流体としては、水、エチレングリコール、又はそれらの混合物が挙げられる。例示的な熱伝達流体としては、窒素ガスが挙げられてもよい。
【0112】
[00127]チャンバ本体712は、支持アセンブリ700を取り囲むライナ733を更に含み、使用と洗浄のために着脱可能である。ライナ733は、好ましくは金属、例えば、アルミニウム、又はセラミック材料からできている。しかしながら、あらゆるプロセス適合性材料を用いることができる。ライナ733は、その上に堆積するあらゆる材料の接着を増大するためにビードブラストすることができ、それによって、チャンバ700の汚染を生じる材料のフレーキングを防止する。ライナ733は、典型的には、1以上のアパーチャ735と真空システムと流体で連通しているその中に形成されたポンプチャネル729とを含む。アパーチャは、ポンプチャネル729へのガスの流路を与え、ポンプチャネルは、ライナ733を通る流路を設けるのでガスがチャンバ700を出ることができる。
【0113】
[00l28]真空システムは、真空ポンプ(図示せず)とチャンバ700内のガスのフローを調節するスロットルバルブ(図示せず)とを含む。真空ポンプは、チャンバ本体712に配置される真空ポート(図示せず)に結合され、ライナ733内に形成されるポンプチャネル729と流体で連通している。真空ポンプとチャンバ本体712は、スロットルバルブが選択的に分離して、チャンバ700内のガスのフローを調節する。1つ又は複数の“ガス”という用語は、特に断らない限り同じ意味に用いられ、1以上の前駆物質、反応種、触媒、担体、パージ、洗浄、それらの組み合わせ、また、チャンバ本体に712を導入される他のあらゆる流体を意味する。
【0114】
[00129]リッドアセンブリ700は、互いの上に積み重ねられる多くの要素を含む。例えば、リッドアセンブリ700は、リッドリム710と、ガス分配アセンブリ720と、最上部プレート750とを含む。リッドリム710は、リッドアセンブリ700を作る要素の重量を保持するように設計され、ヒンジ体(ここからは図示されない)を経てチャンバ本体712の上面に結合されて、内部チャンバ要素に到達する。ガス分配アセンブリ720は、リッドリム710の上面に結合され、それとともに最小熱接触するように配置される。リッドアセンブリ700の構成要素は、好ましくは、高熱伝導率と低熱抵抗を有する材料、例えば、高度に仕上げられた表面を有するアルミニウム合金から構成される。好ましくは、要素の耐熱性は約5×10
-4 m
2K/W未満である。
【0115】
[00130]ガス分配アセンブリ720を更に詳細に検討すると、ガス分配アセンブリ720は、ガス分配プレート又はシャワーヘッドを含む。ガス供給パネル(図示せず)は、典型的には、1以上のガスをチャンバ700に供給するために用いられる。用いられる1つ又は複数の具体的なガスは、チャンバ700内で行われる方法に左右される。例えば、典型的なガスとしては、1以上の前駆物質、還元物質、触媒、担体、パージ、洗浄、又はそれらのあらゆる混合物又は組合せが挙げられる。典型的には、1以上のガスが、リッドアセンブリ700へ、次に、ガス分配アセンブリ720を通ってチャンバ本体712へチャンバ700に導入される。電子的に作動されたバルブ及び/又は流量制御機構(図示せず)は、ガス供給源からチャンバ700へガスフローを制御するために用いることができる。
【0116】
[00131]一態様においては、ガスは、ガスボックス(図示せず)からチャンバ700まで分配され、ガスラインが、上記のようにチャンバ本体712にガスを供給する2つの別々のガスラインになっている。プロセスによっては、多くのガスをこのように送達することができ、チャンバ700においてか又はチャンバ700に送達される前に混合することができる。
【0117】
[00132]なお
図7を参照すると、リッドアセンブリは、リッドアセンブリ700の範囲内で反応種のプラズマを生成する電極740を更に含むことができる。本実施形態においては、電極740は、最上部プレート750上に支持され、そこから電気的に絶縁される。イソレータフィラーリング(図示せず)は、最上部プレート750から電極740を分離する電極740の下の部分の周りに配置される。環状イソレータ(図示せず)は、イソレータフィラーリングの上の部分の周りに配置され、
図1に示されるように最上部プレート750の上面に置かれる。その後、RFプレート740がリッドアセンブリ710のもう一方の要素から電気的に絶縁されるように環状絶縁体(図示せず)は電極740の上部分の周りに配置される。これらのリング、イソレータフィラー、環状イソレータの各々は、酸化アルミニウム又は絶縁性のプロセス適合性材料から製造されてもよい。
【0118】
[00133]電極740は、電源(図示せず)に結合され、ガス分配アセンブリ720は底に接続される。従って、1以上のプロセスガスのプラズマは、電極740とガス分配アセンブリ720との間に形成される容積に当たる。プラズマは、また、遮断プレートによって形成される容積内に含有することができる。遮断プレートアセンブリがない場合、プラズマは、電極740とガス分配アセンブリ720との間に当たり含まれる。いずれの実施形態においても、プラズマは、リッドアセンブリ710の範囲内に十分に取り込められるか又は含有される。
【0119】
[00134]反応種にガスを活性化し且つ反応種のプラズマを維持することができるあらゆる電源を用いることができる。例えば、高周波(RF)、直流(DC)、交流(AC)、又はマイクロ波(MW)ベースの電力放出技術を用いることができる。活性化は、また、熱ベース技術、気体破壊技術、高強度光源(例えば、UVエネルギー)、又はX線供給源に対する曝露によって生成することができる。或はまた、反応種のプラズマを生成し、その後、チャンバ700に分配するために、リモート活性化供給源、例えば、リモートプラズマ発生器を用いることができる。例示的なリモートプラズマ発生器は、MKSInstruments社、Advanced Energy Industries社のような販売業者から入手できる。好ましくは、RF電源は電極740に結合される。
【0120】
[00135]ガス分配アセンブリ720は、チャンバ700内で行われるプロセスガスと動作によっては加熱してもよい。一実施態様においては、加熱素子770、例えば、抵抗ヒータは、ガス分配アセンブリ720に結合される。一実施態様においては、加熱素子770は、管状部材であり、ガス分配アセンブリ720の上面に押圧する。ガス分配アセンブリ720の上面は、加熱素子770が締まりばめを用いてグルーブ内保持されるように加熱素子770の外径よりわずかに小さい幅を有するグルーブ又は溝チャネルを含む。
【0121】
[00136]ガス分配アセンブリ720と遮断アセンブリを含む送達アセンブリ720の要素が各々互いに導電的に結合されるので、加熱素子770がガス分配アセンブリ720の温度を調節する。処理チャンバの更なる詳細は、2005年2月22日出願の米国特許出願第11/063645号に見ることができ、この開示内容は本明細書に援用されている。
【0122】
[00137]
図8は、リモートプラズマ発生器840の要素を示す。注入口841は、発生器840にガスを供給する。絶縁体842は、電極843を接地844から遮断する。チャンバ845は、プラズマが発火しバルブ846の方へ流れる領域を与える。バルブは、追加のガス供給源848に接続される混合領域と流体で連通している。プラズマとガスは、バルブ846からリッドアセンブリまで流すことができる。U型電極843とチャンバ845は、割合で定義することができる幾何学的特性を有する。例えば、電極の表面積とチャンバの容積との比は、電極とチャンバの高さと幅のような匹敵する寸法を持つ円筒形又は矩形のチャンバに収容される従来の円筒形、球状、又は矩形の電極より大きい。また、電極の表面積とチャンバの壁の表面積との比は、電極とチャンバの高さと幅のような匹敵する寸法を持つ円筒形又は矩形のチャンバに収容される従来の円筒形、球状、又は矩形の電極の場合よりU型電極の場合の方が大きい。
【0123】
[00138]長期使用期間の後、又は定期保守のための指定された時間に、上記チャンバ700のある要素が、定期的に検査され、取り替えられ、又は洗浄される。これらの要素は、典型的には、“プロセスキット”として集合的に知られる部分である。より具体的には、プロセスキットの要素としては、例えば、ガス分配アセンブリ720、最上部プレート(図示せず)、エッジリング(図示せず)、ライナ733、リフトピン(図示せず)が挙げられるがこれらに限定されない。これらの成分のいずれか1つ以上を、典型的には、定期的な間隔で又は必要に応じた根拠に従って、チャンバ700から取り出し、洗浄されるか又は取り替えられる。
【0124】
[00l39]更にまた、処理チャンバ700は、多重処理プラットフォーム、例えば、サンタクララ、カリフォルニア州にあるアプライドマテリアルズ社から入手できるEndura
TMプラットフォームに組み込むことができる。このような処理プラットフォームは、真空を砕壊せずに幾つかの処理動作を行うことができる。Endura
TMプラットフォームの詳細は、共同譲渡された米国特許第6,558,509号に記載され、この開示内容は本明細書に援用されている。
【0125】
[00140]説明を簡単に且つ容易にするために、処理チャンバ700内で行われるアンモニア(NH
3)と三フッ化窒素(NF
3)ガス混合物を用いて酸化シリコンを除去するための別の例示的ドライエッチングプロセスをここに記載する。処理チャンバ700は、アニールプロセスを含むすべて単一処理環境内で基板の加熱と冷却双方に加えてプラズマ処理から有益であるあらゆるドライエッチングプロセスに有利であると考えられる。
【0126】
[00141]
図7を参照すると、ドライエッチングプロセスは、基板(図示せず)、例えば、半導体基板を処理チャンバ700へ入れることにより開始する。基板は、典型的には、スリットバルブ開口部760を通ってチャンバ本体712へ入り、支持部材710の上面上に配置される。基板は支持部材710の上面にチャックされる。好ましくは、真空ポンプと流体が連通しているホールとグルーブを通って真空を引くことにより基板が支持部材の上面にチャックされる。その後、処理位置に既にない場合には、支持部材710はチャンバ本体712内の処理位置に持ち上げられる。チャンバ本体712は、好ましくは50℃〜80℃、より好ましくは約65℃の温度で維持される。チャンバ本体712のこの温度は、熱伝達媒体をチャンバ本体712の壁を通過させることにより維持される。
【0127】
[00142]基板は、熱伝達媒体又は冷却剤を支持アセンブリ700内に形成された流体チャネル(図示せず)に通過させることにより65℃より低い15℃〜50℃に冷却される。一実施形態においては、基板は室温より低い温度に維持される。他の実施形態においては、基板は22℃〜40℃の温度に維持される。典型的には、支持部材710は、上記で指定された所望される基板温度に達するように約22℃より低い温度に維持される。支持部材710を冷却するために、冷却剤を流体チャネルに通過させる。支持部材710の温度をより良く制御するために冷却剤の連続した流れが好ましい。冷却液は、好ましくは50容量%のエチレングリコールと50容量%の水である。もちろん、水とエチレングリコールのあらゆる比率が所望される基板の温度が維持される限り使用し得ることは当然のことである。
【0128】
[00143]次に、アンモニア及び三フッ化窒素ガスをチャンバ700へ導入して洗浄ガス混合物を形成する。チャンバへ導入された各ガス量は、例えば、除去すべき酸化物層の厚さ、洗浄される基板の形、プラズマの容積容量、チャンバ本体712の容積容量、チャンバ本体112に結合された真空システムの能力を適合させるために調整することができる。一態様においては、アンモニアと三フッ化窒素のモル比が少なくとも1:1であるガス混合物を供給するようにガスが添加される。他の態様においては、ガス混合物のモル比は、少なくとも約3:1(アンモニア:三フッ化窒素)である。好ましくは、ガスは、モル比5:1(アンモニア:三フッ化窒素)〜30:1でチャンバ700に導入される。より好ましくは、ガス混合物のモル比は約5:1(アンモニア:三フッ化窒素)〜約10:1のモル比である。ガス混合物のモル比は、また、約10:1(アンモニア:三フッ化窒素)〜約20:1の間に包含することができる。
【0129】
[00144]パージガス又はキャリアガスも、ガス混合物に添加することができる。あらゆる適切なパージ/キャリアガス、例えば、アルゴン、ヘリウム、水素、窒素、又はその混合物を用いることができる。典型的には、全体のガス混合物は、約0.05容積%〜約20容積%のアンモニアと三フッ化窒素である。残りはキャリアガスである。一実施形態においては、チャンバ本体712内の圧力を安定させるために反応性ガスの前にパージ又はキャリアガスが最初にチャンバ本体712へ導入される。
【0130】
[00145]チャンバ本体712内の作動圧力は可変でもよい。典型的には、圧力は約100ミリトール〜約30トールで維持される。好ましくは、圧力は約200ミリトール〜約5トールに維持される。
【0131】
[00146]約5〜約600ワットのRF電力を電極840に印加してガス分配アセンブリ720に含有した容積内のガス混合物のプラズマを発火させる。好ましくは、RF電力は100ワット未満である。電力が印加される周波数が非常に低い、例えば、200kHz未満であることがより好ましい。
【0132】
[00147]プラズマエネルギーは、アンモニアと三フッ化窒素ガスを混合している反応化学種へ解離させてガス相において高反応性フッ化アンモニア(NH
4F)化合物及び/又はフッ化水素アンモニウム(NH
4F・HF)を形成する。その後、これらの分子が分配プレート225のホール(図示せず)を経てガス分配アセンブリ220に流れ込み洗浄すべき基板表面と反応する。一実施形態においては、キャリアガスが最初にチャンバ700へ導入され、キャリアガスのプラズマが生成され、その後反応ガス、アンモニア、三フッ化窒素がプラズマに添加される。
【0133】
[00148]理論で縛られることを望まないが、NH
4F及び/又はNH
4F・HFのエッチングガスが酸化シリコン表面と反応してヘキサフルオロケイ酸アンモニウム(NH
4)
2SiF
6、NH
3、H
2O生成物を形成すると考えられる。NH
3とH
2Oは、処理条件で蒸発し、真空ポンプでチャンバ700から除去される。特に、揮発性ガスは、ガスが真空ポンプへ真空ポート(図示せず)を通ってチャンバ700を出る前にポンプチャネル729へライナ733に形成されたアパーチャ735に流れ込む。(NH
4)
2SiF
6の薄膜は基板表面上に残留する。この反応機構は次のように纏めることができる。
【0134】
[00149]NF
3+NH
3 → NH
4F+NH
4F・HF+N
2
[00150]6NH
4F+SiO
2 → (NH
4)
2SiF
6+H
2O
[00151](NH
4)
2SiF
6+熱 → NH
3+HF+SiF
4
[00152]基板表面上に薄膜が形成された後、その上に基板が支持された支持部材710を加熱されたガス分配アセンブリ720に密接に近接してアニール位置に上げられる。ガス分配アセンブリ720から放射された熱は、(NH
4)
2SiF
6の薄膜を揮発性SiF
4、NH
3、HF生成物へ十分に解離又は昇華させるのに十分でなければならない。その後、これらの揮発性生成物は、上記のように真空ポンプによってチャンバ700から除去される。
【0135】
[00153](NH
4)
2SiF
6の薄膜をその揮発性成分へ解離させる熱エネルギーは、ガス分配アセンブリ720によって対流又は放射される。薄膜を持つ基板の上面とガス分配アセンブリ720の間の距離は重要ではなく、通常実験の問題である。当業者は、下にある基板に損傷を与えることなく薄膜を能率よく効果的に揮発させるのに必要とした間隔を容易に求めることができる。しかしながら、約0.254mm(10ミル)〜5.08(200ミル)の間隔が効果的であると考えられる。
【0136】
[00154]基板から膜が除去されるとすぐに、チャンバがパージされ、排気される。その後、洗浄された基板は、搬送位置に基板を下げ、基板を脱チャックさせ、スリットバルブ開口部160を通って基板を搬送することによってチャンバから取り出される。
【0137】
[00155]コントローラ(図示せず)は、チャンバの動作を調節する。システムコントローラは、コンピュータのハードディスクドライブに記憶されたコンピュータプログラムの制御下で作動する。コンピュータプログラムは、プロセスシーケンスとタイミング、ガスの混合、チャンバ圧、RF電力レベル、サセプタの位置、スリットバルブの開閉、ウエハ冷却、具体的なプロセスの他のパラメータを決定する。ユーザとシステムコントローラ間のインターフェースは、好ましくはCRTモニタとライトペン(図示せず)によって行うことができる。好適実施形態においては、二つのモニタが用いられ、一方のモニタはオペレータのためにクリーンルームの壁に取り付けられ、もう一方のモニタは保守技術者のために壁の後ろ側に取り付けられる。
【0138】
[00156]前述の考察をより良く理解するために、次に限定しない実施例を示す。実施例は個々の実施形態に関するものであるが、実施例はある個々の点で本発明を制限するものとして解釈されるべきでない。
【0139】
実施例:
[00158]エッチング中、2sccmのNF
3、10sccmのNH
3、2,500sccmのアルゴンのガス混合物をチャンバへ導入した。ガス混合物のプラズマを100ワットの電力を用いて点火した。底面のパージは1,500sccmのアルゴン、エッジのパージは50sccmのアルゴンであった。チャンバ圧を約6トールで維持し、基板温度は約22℃であった。基板を120秒間エッチングした。
【0140】
[00159]次のアニール処理中、間隔は750ミルであり、リッド温度は120℃であった。基板を約60秒間アニールした。約50オングストロームの物質を基板表面から除去した。アニール効果は観察されなかった。エッチング速度は、約0.46オングストローム/秒(28オングストローム/分)であった。観察されたエッチングの均一性は、50オングストロームエッチングに対して約5%であった。
【0141】
[00160]洗浄法の利点には、追加の処理装置を必要としないことと湿式洗浄のためにチャンバを開放する必要がないことが含まれる。プロセスには、一定のモニタリング又は湿式洗浄と関連する労働集約的時間のずれを必要としない。即ち、遮断された冷却流体注入口を有する上昇したペデスタルを用いる洗浄のための時間は、ペデスタル冷却流体を加熱する洗浄システムに必要とされる2〜3日間に比較して、約5時間である。
【0142】
[00161]特に断らない限り、明細書と特許請求の範囲に用いられる成分、性質、反応条件などの量を表す数字は全て近似値として理解されるべきである。これらの近似値は、本発明によって得られるよう探求された所望の性質と、測定誤差に基づき、少なくとも報告された有効数字の数や通常の丸める手法を適用することにより解釈されなければならない。更に、温度、圧力、間隔、モル比、流量などを含む本明細書に表された量のいずれもが、所望されるエッチング選択性とパーティクル性能を達成させるために更に最適化され得る。
【0143】
[00162]前述は本発明の実施形態に関するが、本発明の更に多くの実施形態を基本的な範囲から逸脱することなく講じることができ、本発明の範囲は、添付された特許請求の範囲によって決定される。