【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、優れたGPR54アゴニスト活性を有し、血清中で分解を受けにくい化合物、ならびに該化合物を含有する医薬組成物を提供することができる。
【0021】
本明細書に記載されるペプチドは、ペプチド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)である。
【0022】
1.GPR54アゴニスト活性を有する化合物
本発明の化合物は、下記一般式(I)によって表される。
【0023】
【化5】
【0024】
Z1〜Z6に関して
Z
1、Z
3およびZ
5はそれぞれ同一または異なって水素原子またはC
1−3アルキルを、Z
2、Z
4およびZ
6はそれぞれ同一または異なって水素原子、OまたはSを示す。「C
1−3アルキル」としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルが用いられる。Z
1〜Z
6の組合せとしては、Z
1が水素原子で、Z
3が水素原子で、Z
5が水素原子またはC
1−3アルキルで、Z
2、Z
4およびZ
6がそれぞれOまたはSである場合が好ましい。Z
1〜Z
6のより好ましい組合せとしては、(a)Z
1が水素原子、Z
3が水素原子、Z
5が水素原子、Z
2がO、Z
4がO、Z
6がOである場合、(b)Z
1が水素原子、Z
3が水素原子、Z
5が水素原子、Z
2がO、Z
4がO、Z
6がSである場合、(c)Z
1が水素原子、Z
3が水素原子、Z
5がメチル、Z
2がO、Z
4がO、Z
6がOである場合等が挙げられる。なかでも(a)と(b)の場合が好ましい。
【0025】
Z
2が水素原子であるとは、
【0026】
【化6】
【0027】
が−CH
2−であることを意図する。同様に、Z
4が水素原子であるとは、
【0028】
【化7】
【0029】
が−CH
2−であることを意図し、Z
6が水素原子であるとは、
【0030】
【化8】
【0031】
が−CH
2−であることを意図する。
【0032】
R1に関して
R
1は、(1)置換されていてもよいC
6-12芳香族炭化水素基、
(2)置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基、
(3)置換されていてもよいC
8-14芳香族縮合環基、
(4)置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基、
(5)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基、および
(6)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基、
から成る群から選ばれる置換基で置換されていてもよいC
1-4アルキルを示す。
【0033】
「C
1-4アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等が用いられる。
「C
6-12芳香族炭化水素基」としては、例えば、フェニル、シクロオクタテトラエニル等の単環式のC
6-12芳香族炭化水素基等が用いられる。
「1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基」としては、例えば、1ないし7個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員、好ましくは5ないし10員、より好ましくは5または6員の単環式の芳香族複素環基が用いられる。具体的には、例えばチエニル(例、2−チエニル、3−チエニル)、フリル(例、2−フリル、3−フリル)、ピリジル(例、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、チアゾリル(例、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、オキサゾリル(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル)、ピラジニル、ピリミジニル(例、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル)、ピロリル(例、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、イミダゾリル(例、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、ピリダジニル(例、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、イソチアゾリル(例、3−イソチアゾリル)、イソオキサゾリル(例、3−イソオキサゾリル)等が用いられる。
「C
8-14芳香族縮合環基」としては、例えば、ナフチル(例、1−ナフチル、2−ナフチル)、アンスリル(例、2−アンスリル、9−アンスリル)等が用いられる。
「3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基」としては、例えば、3ないし11個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の2環または3環式の芳香族複素環基、または炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の7ないし10員芳香族複素架橋環から任意の1個の水素原子を除いてできる1価の基が用いられる。具体的には、例えばキノリル(例、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、8−キノリル)、イソキノリル(例、1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル)、インドリル(例、1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル)、2−ベンゾチアゾリル、ベンゾ[b]チエニル、(例、2−ベンゾ[b]チエニル、3−ベンゾ[b]チエニル)、ベンゾ[b]フラニル(例、2−ベンゾ[b]フラニル、3−ベンゾ[b]フラニル)等が用いられる。
「炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC
3-7シクロアルキル基等が用いられる。
「炭素数7以下の非芳香族性複素環基」としては、ピロリジニル(例、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル)、オキサゾリジニル(例、2−オキサゾリジニル)、イミダゾリニル(例、1−イミダゾリニル、2−イミダゾリニル、4−イミダゾリニル)、ピペリジニル(例、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル)、ピペラジニル(例、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル)、モルホリノ、チオモルホリノ等の1ないし7個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の非芳香族性複素環基等が用いられる。
【0034】
これら「C
6-12芳香族炭化水素基」、「1ないし7個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基」、「C
8-14芳香族縮合環基」、「3ないし11個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基」、「炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基」および「炭素数7以下の非芳香族性複素環基」の置換基としては、例えば、
(1)オキソ、
(2)ハロゲン原子(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、
(3)C
1-3アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ等)、
(4)ニトロ、
(5)シアノ、
(6)置換されていてもよいC
1-6アルキル、
(7)置換されていてもよいC
2-6アルケニル、
(8)置換されていてもよいC
2-6アルキニル、
(9)置換されていてもよいC
3-8シクロアルキル、
(10)置換されていてもよいC
6-14アリール、
(11)置換されていてもよいC
7-16アラルキル、
(12)置換されていてもよいC
1-6アルコキシ、
(13)ヒドロキシ、
(14)置換されていてもよいC
6-14アリールオキシ、
(15)置換されていてもよいC
7-16アラルキルオキシ、
(16)メルカプト、
(17)置換されていてもよいC
1-6アルキルチオ、
(18)置換されていてもよいC
6-14アリールチオ、
(19)置換されていてもよいC
7-16アラルキルチオ、
(20)置換されていてもよいアミノ[アミノ、置換されていてもよいモノまたはジ−C
1-6アルキル−アミノ(例、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ等)、置換されていてもよいモノまたはジ−C
2-6アルケニル−アミノ(例、ビニルアミノ、プロペニルアミノ、イソプロペニルアミノ)、置換されていてもよいC
2-6アルキニル−アミノ(例、2−ブチン−1−イル−アミノ、4−ペンチン−1−イル−アミノ、5−へキシン−1−イル−アミノ)、置換されていてもよいモノまたはジ−C
3-8シクロアルキル−アミノ(例、シクロプロピルアミノ、シクロヘキシルアミノ)、置換されていてもよいC
6-14アリール−アミノ(例、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ナフチルアミノ)、置換されていてもよいC
1-6アルコキシ−アミノ(例、メトキシアミノ、エトキシアミノ、プロポキシアミノ、イソプロポキシアミノ)、ホルミルアミノ、置換されていてもよいC
1-6アルキル−カルボニルアミノ(例、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ピバロイルアミノ等)、置換されていてもよいC
3-8シクロアルキル−カルボニルアミノ(例、シクロプロピルカルボニルアミノ、シクロペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ等)、置換されていてもよいC
6-14アリール−カルボニルアミノ(例、ベンゾイルアミノ、ナフトイルアミノ等)、置換されていてもよいC
1-6アルコキシ−カルボニルアミノ(例、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、プロポキシカルボニルアミノ、ブトキシカルボニルアミノ等)、置換されていてもよいC
1-6アルキルスルホニルアミノ(例、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ等)、置換されていてもよいC
6-14アリールスルホニルアミノ(例、フェニルスルホニルアミノ、2−ナフチルスルホニルアミノ、1−ナフチルスルホニルアミノ等)]、
(21)ホルミル、
(22)カルボキシ、
(23)置換されていてもよいC
1-6アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピオニル、ピバロイル等)、
(24)置換されていてもよいC
3-8シクロアルキル−カルボニル(例、シクロプロピルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、1−メチル−シクロヘキシル−カルボニル等)、
(25)置換されていてもよいC
6-14アリール−カルボニル(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル等)、
(26)置換されていてもよいC
7-16アラルキル−カルボニル(例、フェニルアセチル、3−フェニルプロピオニル等)、
(27)置換されていてもよい、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし7員複素環カルボニル(例、ニコチノイル、イソニコチノイル、テノイル、フロイル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル、ピペラジン−1−イルカルボニル、ピロリジン−1−イルカルボニル等)、
(28)エステル化されていてもよいカルボキシル、
(29)置換されていてもよいカルバモイル、
(30)置換されていてもよいC
1-6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル等)、
(31)置換されていてもよいC
1-6アルキルスルフィニル(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル等)、
(32)置換されていてもよいC
6-14アリールスルホニル(例、フェニルスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニル等)、
(33)置換されていてもよいC
6-14アリールスルフィニル(例、フェニルスルフィニル、1−ナフチルスルフィニル、2−ナフチルスルフィニル等)、
(34)置換されていてもよいC
1-6アルキル−カルボニルオキシ(例、アセトキシ、プロピオニルオキシ等)、
(35)置換されていてもよいC
6-14アリール−カルボニルオキシ(例、ベンゾイルオキシ、ナフチルカルボニルオキシ等)、
(36)置換されていてもよいC
1-6アルコキシ−カルボニルオキシ(例、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、プロポキシカルボニルオキシ、ブトキシカルボニルオキシ等)、
(37)置換されていてもよいモノ−C
1-6アルキルカルバモイルオキシ(例、メチルカルバモイルオキシ、エチルカルバモイルオキシ等)、
(38)置換されていてもよいジ−C
1-6アルキルカルバモイルオキシ(例、ジメチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ等)、
(39)置換されていてもよいモノ−またはジ−C
6-14アリールカルバモイルオキシ(例、フェニルカルバモイルオキシ、ナフチルカルバモイルオキシ等)、
(40)置換されていてもよい複素環基、
(41)スルホ、
(42)スルファモイル、
(43)スルフィナモイル、
(44)スルフェナモイル、
(45)またはこれらの置換基が2個以上(例、2〜3個)結合した基等から選ばれる置換基(本明細書中、置換基A群とも称する。本明細書の各基の定義は特に断りのない限り置換基A群の各置換基について言及されたもの(前述および後述)と同義である。)
が用いられる。置換基の数は特に限定されないが、置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
【0035】
置換基A群の「エステル化されていてもよいカルボキシル」としては、例えば置換されていてもよいC
1-6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル等)、置換されていてもよいC
6-14アリールオキシ−カルボニル(例、フェノキシカルボニル等)、置換されていてもよいC
7-16アラルキルオキシ−カルボニル(例、ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル等)等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC
1-6アルキル」の「C
1-6アルキル」としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC
2-6アルケニル」の「C
2-6アルケニル」としては、例えばビニル、プロペニル、イソプロペニル、2−ブテン−1−イル、4−ペンテン−1−イル、5−へキセン−1−イル等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC
2-6アルキニル」の「C
2-6アルキニル」としては、例えば2−ブチン−1−イル、4−ペンチン−1−イル、5−へキシン−1−イル等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC
3-8シクロアルキル」の「C
3-8シクロアルキル」としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC
6-14アリール」の「C
6-14アリール」としては、例えばフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、2−ビフェニリル、3−ビフェニリル、4−ビフェニリル、2−アンスリル等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC
7-16アラルキル」の「C
7-16アラルキル」としては、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、2−ビフェニリルメチル、3−ビフェニリルメチル、4−ビフェニリルメチル)等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC
1-6アルコキシ」の「C
1-6アルコキシ」としては、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC
6-14アリールオキシ」の「C
6-14アリールオキシ」としては、例えば、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC
7-16アラルキルオキシ」の「C
7-16アラルキルオキシ」としては、例えば、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC
1-6アルキルチオ」の「C
1-6アルキルチオ」としては、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、sec-ブチルチオ、tert-ブチルチオ等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC
6-14アリールチオ」の「C
6-14アリールチオ」としては、例えばフェニルチオ、1−ナフチルチオ、2−ナフチルチオ等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいC
7-16アラルキルチオ」の「C
7-16アラルキルチオ」としては、例えばベンジルチオ、フェネチルチオ等が用いられる。
【0036】
置換基A群の「C
1-6アルコキシ−カルボニル」、「C
1-6アルキル基」、「C
2-6アルケニル」、「C
2-6アルキニル」、「C
1-6アルコキシ」、「C
1-6アルキルチオ」、「C
1-6アルキル−アミノ」、「C
2-6アルケニル−アミノ」、「C
2-6アルキニル−アミノ」、「C
1-6アルコキシ−アミノ」、「C
1-6アルキル−カルボニル」、「C
1-6アルキルスルホニル」、「C
1-6アルキルスルフィニル」、「C
1-6アルキル−カルボニルアミノ」、「C
1-6アルコキシ−カルボニルアミノ」、「C
1-6アルキルスルホニルアミノ」、「C
1-6アルキル−カルボニルオキシ」、「C
1-6アルコキシ−カルボニルオキシ」、「モノ−C
1-6アルキルカルバモイルオキシ」、「ジ−C
1-6アルキルカルバモイルオキシ」の置換基としては、例えばハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノ、モノ−またはジ−C
1-6アルキルアミノ、モノ−またはジ−C
6-14アリールアミノ、C
3-8シクロアルキル、C
1-6アルコキシ、C
1-6アルコキシ−カルボニル、C
1-6アルキルチオ、C
1-6アルキルスルフィニル、C
1-6アルキルスルホニル、上記したエステル化されていてもよいカルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル、モノ−C
1-6アルキルカルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル等)、ジ−C
1-6アルキルカルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイル等)、モノ−またはジ−C
6-14アリールカルバモイル(例、フェニルカルバモイル、1−ナフチルカルバモイル、2−ナフチルカルバモイル等)、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ−またはジ−5ないし7員複素環カルバモイル(例、2−ピリジルカルバモイル、3−ピリジルカルバモイル、4−ピリジルカルバモイル、2−チエニルカルバモイル、3−チエニルカルバモイル等)等から選ばれる1ないし5個の置換基が用いられる。
【0037】
置換基A群の「C
6-14アリールオキシ−カルボニル」、「C
7-16アラルキルオキシ−カルボニル」、「C
3-8シクロアルキル」、「C
6-14アリール」、「C
7-16アラルキル」、「C
6-14アリールオキシ」、「C
7-16アラルキルオキシ」、「C
6-14アリールチオ」、「C
7-16アラルキルチオ」、「C
3-8シクロアルキル−アミノ」、「C
6-14アリール−アミノ」、「C
3-8シクロアルキル−カルボニル」、「C
6-14アリール−カルボニル」、「C
7-16アラルキル−カルボニル」、「炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし7員複素環カルボニル」、「C
6-14アリールスルホニル」、「C
6-14アリールスルフィニル」、「C
3-8シクロアルキル−カルボニルアミノ」、「C
6-14アリール−カルボニルアミノ」、「C
6-14アリールスルホニルアミノ」、「C
6-14アリール−カルボニルオキシ」、「モノ−またはジ−C
6-14アリールカルバモイルオキシ」の置換基としては、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、上記した置換されていてもよいC
1-6アルキル、上記した置換されていてもよいC
2-6アルケニル、上記した置換されていてもよいC
2-6アルキニル、上記した置換されていてもよいC
3-8シクロアルキル、上記した置換されていてもよいC
1-6アルコキシ、上記した置換されていてもよいC
1-6アルキルチオ、上記した置換されていてもよいC
1-6アルキルスルフィニル、上記した置換されていてもよいC
1-6アルキルスルホニル、上記したエステル化されていてもよいカルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル、モノ−C
1-6アルキルカルバモイル、ジ−C
1-6アルキルカルバモイル、モノ−またはジ−C
6-14アリールカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ−またはジ−5ないし7員複素環カルバモイル等から選ばれる1ないし5個の置換基が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよい複素環基」としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ、カルボキシ、ニトロ、シアノ、上記した置換されていてもよいC
1-6アルキル、上記した置換されていてもよいC
2-6アルケニル、上記した置換されていてもよいC
2-6アルキニル、上記した置換されていてもよいC
3-8シクロアルキル、上記した置換されていてもよいC
6-14アリール、上記した置換されていてもよいC
1-6アルコキシ、上記した置換されていてもよいC
1-6アルキルチオ、上記した置換されていてもよいC
6-14アリールチオ、上記した置換されていてもよいC
7-16アラルキルチオ、上記した置換されていてもよいC
1-6アルキルスルフィニル、上記した置換されていてもよいC
6-14アリールスルフィニル、上記した置換されていてもよいC
1-6アルキルスルホニル、上記した置換されていてもよいC
6-14アリールスルホニル、上記したエステル化されていてもよいカルボキシル、カルバモイル、チオカルバモイル、モノ−C
1-6アルキルカルバモイル、ジ−低級アルキルカルバモイル、モノ−またはジ−C
6-14アリールカルバモイル、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ−またはジ−5ないし7員複素環カルバモイル等で置換されていてもよい、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員(単環、2環または3環式)複素環基、好ましくは(i)5ないし14員(好ましくは5ないし10員)芳香族複素環基、(ii)5ないし10員非芳香族複素環基または(iii)7ないし10員複素架橋環から任意の1個の水素原子を除いてできる1価の基等が用いられ、なかでも5員芳香族複素環基が好ましく用いられる。具体的には、例えばチエニル(例、2−チエニル、3−チエニル)、フリル(例、2−フリル、3−フリル)、ピリジル(例、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、チアゾリル(例、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、オキサゾリル(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル)、キノリル(例、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、8−キノリル)、イソキノリル(例、1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル)、ピラジニル、ピリミジニル(例、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル)、ピロリル(例、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、イミダゾリル(例、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、ピリダジニル(例、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、イソチアゾリル(例、3−イソチアゾリル)、イソオキサゾリル(例、3−イソオキサゾリル)、インドリル(例、1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル)、2−ベンゾチアゾリル、ベンゾ[b]チエニル、(例、2−ベンゾ[b]チエニル、3−ベンゾ[b]チエニル)、ベンゾ[b]フラニル(例、2−ベンゾ[b]フラニル、3−ベンゾ[b]フラニル)等の芳香族複素環基、例えばピロリジニル(例、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル)、オキサゾリジニル(例、2−オキサゾリジニル)、イミダゾリニル(例、1−イミダゾリニル、2−イミダゾリニル、4−イミダゾリニル)、ピペリジニル(例、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル)、ピペラジニル(例、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル)、モルホリノ、チオモルホリノ等の非芳香族複素環基等が用いられる。
【0038】
置換基A群の「置換されていてもよいカルバモイル」としては、上記した置換されていてもよいC
1-6アルキル、置換されていてもよいC
2-6アルケニル、置換されていてもよいC
2-6アルキニル、置換されていてもよいC
3-8シクロアルキル、置換されていてもよいC
6-14アリール、置換されていてもよい複素環基等で置換されていてもよいカルバモイルが用いられる。具体的には、例えばカルバモイル、チオカルバモイル、モノ−C
1-6アルキルカルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル等)、ジ−C
1-6アルキルカルバモイル(例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、エチルメチルカルバモイル等)、C
1-6アルキル(C
1-6アルコキシ)カルバモイル(例、メチル(メトキシ)カルバモイル、エチル(メトキシ)カルバモイル)、モノ−またはジ−C
6-14アリールカルバモイル(例、フェニルカルバモイル、1−ナフチルカルバモイル、2−ナフチルカルバモイル等)、炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ−またはジ−5ないし7員複素環カルバモイル(例、2−ピリジルカルバモイル、3−ピリジルカルバモイル、4−ピリジルカルバモイル、2−チエニルカルバモイル、3−チエニルカルバモイル等)、5ないし7員の環状カルバモイル(例、1−ピロリジニルカルボニル、1−ピペリジニルカルボニル、ヘキサメチレンイミノカルボニル)等が用いられる。
置換基A群の「置換されていてもよいアミノ」としては、上記した置換されていてもよいC
1-6アルキル、上記した置換されていてもよいC
2-6アルケニル、上記した置換されていてもよいC
2-6アルキニル、上記した置換されていてもよいC
3-8シクロアルキル、上記した置換されていてもよいC
6-14アリール、上記した置換されていてもよいC
1-6アルコキシ、ホルミル、上記した置換されていてもよいC
1-6アルキル−カルボニル、上記した置換されていてもよいC
3-8シクロアルキル−カルボニル、上記した置換されていてもよいC
6-14アリール−カルボニル、上記した置換されていてもよいC
1-6アルコキシ−カルボニル、上記した置換されていてもよいC
1-6アルキルスルホニル、置換されていてもよいC
6-14アリールスルホニル)等から選ばれる1または2個の基で置換されていてもよいアミノが用いられる。
より好ましくは、「C
6-12芳香族炭化水素基」、「1ないし7個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基」、「C
8-14芳香族縮合環基」、「3ないし11個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基」、「炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基」および「炭素数7以下の非芳香族性複素環基」の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ、C
1-6アルコキシ、ハロゲン化されていてもよいC
1-6アルキル、ハロゲン化されていてもよいC
1-6アルコキシ、アミノ、ニトロ、シアノ等が好ましい。
【0039】
R
1としては
(1)ベンジル、2−フルオロベンジル、3−フルオロベンジル、4−フルオロベンジル、4−クロロベンジル、3,4−ジフルオロベンジル、3,4−ジクロロベンジル、ペンタフルオロベンジル、4−ヒドロキシベンジル、4−メトキシベンジル、4−トリフルオロメチルベンジル、4−アミノベンジル、4−ニトロベンジル、4−シアノベンジル、フェネチル等の「置換されていてもよいC
6-12芳香族炭化水素基を有しているC
1-4アルキル」、
(2)2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル、2−チエニルメチル、3−チエニルメチル、4−チアゾリルメチル等の「置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基を有しているC
1-4アルキル」、
(3)1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、インデン−2−イルメチル等の「置換されていてもよいC
8-14芳香族縮合環基を有しているC
1-4アルキル」、
(4)3−インドールメチル、1−ホルミルインドール−3−イルメチル、3−ベンゾ[b]チエニルメチル、2−キノリルメチル等の「置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基を有するC
1-4アルキル」、
(5)シクロヘキシルメチル、シクロペンチルメチル、インダン−2−イルメチル等の「置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基を有するC
1-4アルキル」、
(6)4−ピペリジニルメチル、テトラヒドロフルフリル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロピラン−3−イル、インドリン−3−イル等の「置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基を有するC
1-4アルキル」等が用いられ、なかでもシクロヘキシルメチル、ベンジル、4−フルオロベンジル、4−ヒドロキシベンジル、ペンタフルオロベンジル、2−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル等が好ましく、特にベンジル、4−フルオロベンジル、シクロヘキシルメチル等が好ましい。
【0040】
R2に関して
R
2は、(1)置換されていてもよい塩基性基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいC
1-8アルキル、
(2)置換されていてもよい塩基性基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいアラルキル、
(3)置換されていてもよい塩基性基を有している炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいC
1-4アルキル、または
(4)置換されていてもよい塩基性基を有している炭素数7以下の非芳香族性複素環基を有し、さらに他の置換基を有していてもよいC
1-4アルキルを示す。
【0041】
「置換されていてもよい塩基性基」としては、例えば、(1)1または2個のC
1-6アルキル、C
1-6アシル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、アセチル、プロピオニル等)等を有していてもよいグアニジノ、(2)1ないし3個のC
1-6アルキル、C
1-6アシル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、アセチル、プロピオニル等)等を有していてもよいアミノ、(3)1または2個のC
1-6アルキル、C
1-6アシル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、アセチル、プロピオニル等)等を有していてもよいグアニジノで置換されていてもよいC
1-6アルキルカルボニル−アミノ(例、アセトアミド)、(4)1ないし3個のC
1-6アルキル、C
1-6アシル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、アセチル、プロピオニル等)等を有していてもよいアミノで置換されていてもよいC
1-6アルキルカルボニル−アミノ(例、アセトアミド)等が用いられる。なかでも、グアニジノ、N−メチルグアニジノ、N,N−ジメチルグアニジノ、N,N’−ジメチルグアニジノ、N−エチルグアニジノ、N−アセチルグアニジノ、アミノ、N−メチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、アミノアセタミド、グアニジノアセタミド、アミジノ等が好ましい。
「置換されていてもよい塩基性基」以外の他の「他の置換基」としては、置換基A群から選ばれる置換基が用いられる。
「C
1-8アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等が用いられる。
「アラルキル」としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル、2−ビフェニリルメチル、3−ビフェニリルメチル、4−ビフェニリルメチル等のC
7-16アラルキル等が用いられる。
「炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC
3-7シクロアルキル等が用いられる。
「炭素数7以下の非芳香族性複素環基」としては、例えば、1ないし7個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員非芳香族性複素環基等が用いられる。具体的には、例えばピロリジニル(例、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル)、オキサゾリジニル(例、2−オキサゾリジニル)、イミダゾリニル(例、1−イミダゾリニル、2−イミダゾリニル、4−イミダゾリニル)、ピペリジニル(例、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル)、ピペラジニル(例、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル)、モルホリノ、チオモルホリノ等が用いられる。
「C
1-4アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等が用いられる。
【0042】
R
2としては、例えば、(1)3−グアニジノプロピル、3−(N−メチルグアニジノ)プロピル、3−(N,N−ジメチルグアニジノ)プロピル、3−(N,N’−ジメチルグアニジノ)プロピル、3−(N−エチルグアニジノ)プロピル、3−(N−プロピルグアニジノ)プロピル、3−(N−アセチルグアニジノ)プロピル、4−グアニジノブチル、4−(N−メチルグアニジノ)ブチル、2−グアニジノエチル、2−(N−メチルグアニジノ)エチル、4−アミノブチル、4−(N−メチルアミノ)ブチル、4−(N,N−ジメチルアミノ)ブチル、3−アミノプロピル、2−アミノエチル、アミノメチル、アミノアセタミドメチル、グアニジノアセタミドメチル、2−(グアニジノカルボニル)エチル、(2)4−グアニジノベンジル、4−アミノベンジル、(3)4−グアニジノシクロヘキシルメチル、4−アミノシクロヘキシルメチル、(4)1−アミジノピペリジン−4−イルメチル等が用いられる。なかでも3−グアニジノプロピル、3−(N−メチルグアニジノ)プロピル、3−(N,N−ジメチルグアニジノ)プロピル、3−(N,N’−ジメチルグアニジノ)プロピル、3−(N−エチルグアニジノ)プロピル、3−(N−プロピルグアニジノ)プロピル、3−(N−アセチルグアニジノ)プロピル、4−グアニジノブチル、4−(N−メチルグアニジノ)ブチル、2−グアニジノエチル、2−(N−メチルグアニジノ)エチル、4−アミノブチル、4−(N−メチルアミノ)ブチル、4−(N,N−ジメチルアミノ)ブチル、3−アミノプロピル、2−アミノエチル、アミノアセタミドメチル、グアニジノアセタミドメチル、4−アミノベンジル等が好ましく、特に、3−グアニジノプロピル、3−(N−メチルグアニジノ)プロピル、3−(N,N−ジメチルグアニジノ)プロピル、3−(N,N’−ジメチルグアニジノ)プロピル、3−(N−エチルグアニジノ)プロピル、3−(N−アセチルグアニジノ)プロピル、4−グアニジノブチル、4−(N−メチルグアニジノ)ブチル、2−グアニジノエチル、4−アミノブチル等が好ましい。
【0043】
R3に関して
R
3は、(1)置換されていてもよいC
6-12芳香族炭化水素基、
(2)置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基、
(3)置換されていてもよいC
8-14芳香族縮合環基、
(4)置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基、
(5)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基、および
(6)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基、
から成る群から選ばれる置換基で置換されていてもよいC
1-4アルキルを示す。
なかでも
(1)置換されていてもよいC
6-12芳香族炭化水素基、
(2)置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基、
(3)置換されていてもよいC
8-14芳香族縮合環基、
(4)置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基、
(5)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基、および
(6)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基、
から成る群から選ばれる置換基で置換されているC
1-4アルキルが好ましい。
【0044】
「C
1-4アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等が用いられる。
「C
6-12芳香族炭化水素基」としては、例えば、フェニル、シクロオクタテトラエニル等の単環式のC
6-12芳香族炭化水素基等が用いられる。
「1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基」としては、例えば、1ないし7個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員、好ましくは5ないし10員、より好ましくは5または6員の単環式の芳香族複素環基が用いられる。具体的には、例えばチエニル(例、2−チエニル、3−チエニル)、フリル(例、2−フリル、3−フリル)、ピリジル(例、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、チアゾリル(例、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、オキサゾリル(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル)、ピラジニル、ピリミジニル(例、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル)、ピロリル(例、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、イミダゾリル(例、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、ピリダジニル(例、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、イソチアゾリル(例、3−イソチアゾリル)、イソオキサゾリル(例、3−イソオキサゾリル)等が用いられる。
「C
8-14芳香族縮合環基」としては、例えば、ナフチル(例、1−ナフチル、2−ナフチル)、アンスリル(例、2−アンスリル、9−アンスリル)等が用いられる。
「3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基」としては、例えば、3ないし11個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の2環または3環式の芳香族複素環基、または炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の芳香族複素架橋環から任意の1個の水素原子を除いてできる1価の基が用いられる。具体的には、例えばキノリル(例、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、8−キノリル)、イソキノリル(例、1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル)、インドリル(例、1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル)、2−ベンゾチアゾリル、ベンゾ[b]チエニル(例、2−ベンゾ[b]チエニル、3−ベンゾ[b]チエニル)、ベンゾ[b]フラニル(例、2−ベンゾ[b]フラニル、3−ベンゾ[b]フラニル)等が用いられる。
「炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基」としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC
3-7シクロアルキル等が用いられる。
「炭素数7以下の非芳香族性複素環基」としては、ピロリジニル(例、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル)、オキサゾリジニル(例、2−オキサゾリジニル)、イミダゾリニル(例、1−イミダゾリニル、2−イミダゾリニル、4−イミダゾリニル)、ピペリジニル(例、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル)、ピペラジニル(例、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル)、モルホリノ、チオモルホリノ等の1ないし7個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の非芳香族性複素環基等が用いられる。
【0045】
これら「C
6-12芳香族炭化水素基」、「1ないし7個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基」、「C
8-14芳香族縮合環基」、「3ないし11個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基」、「炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基」および「炭素数7以下の非芳香族性複素環基」の置換基としては、前述の置換基A群と同様なものが挙げられる。置換基の数は特に限定されないが、置換可能な位置に1ないし5個、好ましくは1ないし3個有していてもよく、置換基数が2個以上の場合、各置換基は同一または異なっていてもよい。
【0046】
R
3は例えば、
(1)ベンジル、2−フルオロベンジル、3−フルオロベンジル、4−フルオロベンジル、4−クロロベンジル、3,4−ジフルオロベンジル、3,4−ジクロロベンジル、ペンタフルオロベンジル、4−ヒドロキシベンジル、4−メトキシベンジル、3−トリフルオロメチルベンジル、4−アミノベンジル、4−ニトロベンジル、4−シアノベンジル、フェネチル等の「置換されていてもよいC
6-12芳香族炭化水素基を有しているC
1-4アルキル」、
(2)2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル、2−チエニルメチル、3−チエニルメチル、4−チアゾリルメチル等の「置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基を有しているC
1-4アルキル」、
(3)1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、インデン−2−イルメチル等の「置換されていてもよいC
8-14芳香族縮合環基を有しているC
1-4アルキル」、
(4)1−インドールメチル、2−インドールメチル、3−インドールメチル、1−ホルミルインドール−3−イルメチル、3−ベンゾ[b]チエニルメチル、2−キノリルメチル等の「置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基を有するC
1-4アルキル」、
(5)シクロヘキシルメチル、シクロペンチルメチル、インダン−2−イルメチル等の「置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基を有するC
1-4アルキル」、
(6)4−ピペリジニルメチル、テトラヒドロフルフリル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロピラン−3−イル、インドリン−3−イル等の「置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基を有するC
1-4アルキル」等が用いられ、なかでもベンジル、2−フルオロベンジル、3−フルオロベンジル、4−フルオロベンジル、4−ヒドロキシベンジル、4−アミノベンジル、4−ニトロベンジル、4−クロロベンジル、4−メトキシベンジル、4−シアノベンジル、3−トリフルオロメチルベンジル、3,4−ジクロロベンジル、3,4−ジフルオロベンジル、ペンタフルオロベンジル、3−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル、3−インドールメチル、1−ホルミルインドール−3−イルメチル、3−ベンゾ[b]チエニルメチル、2−キノリルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、シクロヘキシルメチル、フェネチル等が好ましく、特にベンジル、2−フルオロベンジル、3−フルオロベンジル、4−フルオロベンジル、4−ヒドロキシベンジル、4−アミノベンジル、4−ニトロベンジル、4−クロロベンジル、4−メトキシベンジル、4−シアノベンジル、3−トリフルオロメチルベンジル、3,4−ジクロロベンジル、3,4−ジフルオロベンジル、ペンタフルオロベンジル、3−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル、3−インドールメチル、3−ベンゾ[b]チエニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、シクロヘキシルメチル等が好ましい。
【0047】
Pに関して
Pは(1)水素原子、
(2)配列番号:67で表わされるアミノ酸配列(ヒトメタスチンの54アミノ酸残基)の第1〜49番目のアミノ酸配列のC末端側から任意の連続したまたは不連続に結合したアミノ酸残基、
(3)式J
1−J
2−C(J
3)(Q
3)Y
1C(J
4)(Q
4)Y
2C(J
5)(Q
5)Y
3C(J
6)(Q
6)C(=Z
10)−
(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表わされる基、
(4)式J
1−J
2−C(J
7)(Q
7)Y
2C(J
8)(Q
8)Y
3C(J
9)(Q
9)C(=Z
10)−
(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表わされる基、
(5)式J
1−J
2−C(J
10)(Q
10)Y
3C(J
11)(Q
11)C(=Z
10)−
(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表わされる基、
(6)式J
1−J
2−C(J
12)(Q
12)C(=Z
10)−
(式中、各記号は前記と同意義を示す)で表わされる基、または
(7)式J
1−(J
1は前記と同意義を示す)で表わされる基を示す。
【0048】
「配列番号:67で表わされるアミノ酸配列の第1〜49番目のアミノ酸配列のC末端側から任意の連続したまたは不連続に結合したアミノ酸残基」としては、具体的には、
(1)Ser-、
(2)Asn Ser-、
(3)Trp Asn Ser-、
(4)Asn Trp Asn Ser-、(配列番号1)
(5)Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号2)、
(6)Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号3)、
(7)Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号4)、
(8)Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号5)、
(9)Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号6)、
(10)Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号7)、
(11)Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号8)、
(12)Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号9)、
(13)Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号10)、
(14)Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号11)、
(15)Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号12)、
(16)Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号13)、
(17)Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号14)、
(18)Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号15)、
(19)Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号16)、
(20)Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号17)、
(21)Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号18)、
(22)Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号19)、
(23)Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号20)、
(24)Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号21)、
(25)Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号22)、
(26)Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号23)、
(27)His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号24)、
(28)Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号25)、
(29)Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号26)、
(30)Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号27)、
(31)Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号28)、
(32)Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号29)、
(33)Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号30)、
(34)Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号31)、
(35)Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号32)、
(36)Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号33)、
(37)Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号34)、
(38)Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号35)、
(39)Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号36)、
(40)Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号37)、
(41)Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号38)、
(42)Pro Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号39)、
(43)Pro Pro Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号40)、
(44)Pro Pro Pro Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号41)、
(45)Ser Pro Pro Pro Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号42)、
(46)Leu Ser Pro Pro Pro Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号43)、
(47)Ser Leu Ser Pro Pro Pro Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号44)、
(48)Thr Ser Leu Ser Pro Pro Pro Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号45)、
(49)Gly Thr Ser Leu Ser Pro Pro Pro Glu Ser Ser Gly Ser Arg Gln Gln Pro Gly Leu Ser Ala Pro His Ser Arg Gln Ile Pro Ala Pro Gln Gly Ala Val Leu Val Gln Arg Glu Lys Asp Leu Pro Asn Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号46)
等が用いられる。
【0049】
J
1は、(a)水素原子または(b)置換基を有していてもよい環基を含む置換基で置換されていてもよい、(i)C
1-15アシル、(ii)C
1-15アルキル、(iii)C
6-14アリール、(iv)カルバモイル、(v)カルボキシル、(vi)スルフィノ、(vii)アミジノ、または(viii)グリオキシロイルを示す。
「環基」としては、例えば、「置換されていてもよい芳香族炭化水素基」、「置換されていてもよい芳香族複素環基」、「置換されていてもよい芳香族縮合環基」、「置換されていてもよい芳香族縮合複素環基」、「置換されていてもよい非芳香族性環状炭化水素基」、「置換されていてもよい非芳香族性複素環基」等が用いられ、「芳香族炭化水素基」、「芳香族複素環基」、「芳香族縮合環基」、「芳香族縮合複素環基」としては、前記と同様のものが用いられる。
「非芳香族性環状炭化水素基」としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC
3-8シクロアルキル等が用いられる。
「非芳香族性複素環基」としては、ピロリジニル(例、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル)、オキサゾリジニル(例、2−オキサゾリジニル)、イミダゾリニル(例、1−イミダゾリニル、2−イミダゾリニル、4−イミダゾリニル)、ピペリジニル(例、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル)、ピペラジニル(例、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル)、モルホリノ、チオモルホリノ等の1ないし7個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし10員の非芳香族性複素環基等が用いられる。
「環基」が有していてもよい置換基としては、前記した置換基A群の置換基と同様のものが用いられる。
「C
1-15アシル」としては、例えば、ホルミル、C
1-14アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピオニル、ピバロイル等のC
1-6アルキル−カルボニル)等が用いられる。
「C
1-15アルキル」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノナニル、デカニル等が用いられる。
「C
6-14アリール」としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ビフェニル等が用いられる。
【0050】
(1)環基を含む置換基で置換されていてもよいC
1-15アシルとしては、(i)ホルミル、(ii)C
1-14アルキル−カルボニル(例、アセチル、プロピオニル、ピバロイル等のC
1-6アルキル−カルボニル)、(iii)C
3-8シクロアルキル−カルボニル(例、シクロプロピルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、1−メチルシクロヘキシルカルボニル等)、(iv)C
3-8シクロアルキル−C
1-6アルキル−カルボニル(例、シクロプロピルアセチル、シクロペンチルアセチル、シクロヘキシルアセチル等)(v)C
6-14アリール−カルボニル(例、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル等)、C
6-14アラルキル−カルボニル(例、フェニルアセチル、3−フェニルプロピオニル等)、(vi)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし7員の単環式複素環カルボニル(例、ニコチノイル、イソニコチノイル、テノイル、フロイル、モルホリノカルボニル、チオモルホリノカルボニル、ピペラジン−1−イルカルボニル、ピロリジン−1−イルカルボニル等)、(vii)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし7員の単環式複素環−C
1-6アルキルカルボニル(例、3−ピリジルアセチル、4−ピリジルアセチル、2−チエニルアセチル、2−フリルアセチル、モルホリノアセチル、チオモルホリノアセチル、ピペリジン−2−アセチル、ピロリジン−2−イルアセチル等)、(viii)3ないし11個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の2環または3環式の芳香族複素環カルボニル(例、2−インドールカルボニル、3−インドールカルボニル、2−キノリルカルボニル、1−イソキノリルカルボニル、2−ベンゾ[b]チエニルカルボニル、2−ベンゾ[b]フラニルカルボニル等)、(ix)3ないし11個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の2環または3環式の芳香族複素環−C
1-6アルキルカルボニル(例、2−インドールアセチル、3−インドールアセチル、2−キノリルアセチル、1−イソキノリルアセチル、2−ベンゾ[b]チエニルアセチル、2−ベンゾ[b]フラニルアセチル等)等が用いられ、なかでもアセチル、2−インドールカルボニル、3−インドールカルボニル、3−インドールアセチル、3−インドールプロピオニル、2−インドリンカルボニル、3−フェニルプロピオニル、ジフェニルアセチル、2−ピリジンカルボニル、3−ピリジンカルボニル、4−ピリジンカルボニル、1−ピリジニオアセチル、2−ピリジンアセチル、3−ピリジンアセチル、4−ピリジンアセチル、3−(1−ピリジニオ)プロピオニル、3−(ピリジン−2−イル)プロピオニル、3−(ピリジン−3−イル)プロピオニル、3−(ピリジン−4−イル)プロピオニル、4−イミダゾールアセチル、シクロヘキサンカルボニル、1−ピペリジンアセチル、1−メチル−1−ピペリジニオアセチル、4−ピペリジンカルボニル、2−ピリミジンカルボニル、4−ピリミジンカルボニル、5−ピリミジンカルボニル、2−ピリミジンアセチル、4−ピリミジンアセチル、5−ピリミジンアセチル、3−(ピリミジン−2−イル)プロピオニル、3−(ピリミジン−4−イル)プロピオニル、3−(ピリミジン−5−イル)プロピオニル、ブタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、D−グルクロニル、アミノ−(4−ヒドロキシフェニル)アセチル)等が好ましく用いられる。
(2)環基を含む置換基で置換されていてもよいC
1-15アルキルとしては、例えば、(i)モノ−またはジ−C
1-15アルキル(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノナニル、デカニル)、(ii)モノ−またはジ−C
3-8シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロペンチル等)、(iii)モノ−またはジ−C
3-8シクロアルキル−C
1-7アルキル(例、シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルエチル等)、(iv)モノ−またはジ−C
7-15アラルキル(例、ベンジル、フェネチル等)、(v)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ−またはジ−5ないし7員の単環式複素環−C
1-6アルキル(例、3−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル、2−チエニルメチル、フルフリル等)、(vi)3ないし11個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ−またはジ−5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の2環または3環式の芳香族複素環−C
1-6アルキル(例、2−インドールメチル、3−インドールメチル、3−(インドール−3−イル)プロピル、2−キノリルメチル、1−イソキノリルメチル、2−ベンゾ[b]チエニルメチル、2−ベンゾ[b]フラニルメチル等)等が用いられ、なかでもメチル、エチル、ベンジル、3−(インドール−3−イル)プロピル等が好ましく用いられる。
(3)環基を含む置換基で置換されていてもよいC
6-14アリールとしては、例えば、(i)C
6-14炭素環基(例、シクロアルキル、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等)、(ii)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし7員の単環式複素環基(例、3−ピリジル、2−チエニル等)、(iii)3ないし11個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含む5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の2環または3環式の芳香族複素環基(例、2−インドリル、3−インドリル、2−キノリル、1−イソキノリル、2−ベンゾ[b]チエニル、2−ベンゾ[b]フラニル等)等で置換されていてもよいC
6-14アリール(例、フェニル、ナフチル、ビフェニル)等が用いられる。
(4)環基を含む置換基で置換されていてもよいカルバモイルとしては、(i)カルバモイル、(ii)モノ−またはジ−C
1-15アルキルカルバモイル(例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル)、(iii)モノ−またはジ−C
3-8シクロアルキル−カルバモイル(例、シクロプロピルカルバモイル、シクロペンチルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル等)、(iv)モノ−またはジ−C
3-8シクロアルキル−C
1-6アルキル−カルバモイル(例、シクロプロピルメチルカルバモイル、シクロペンチルメチルカルバモイル、2−シクロヘキシルエチルカルバモイル等)、(v)モノ−またはジ−C
6-14アリール−カルバモイル(例、フェニルカルバモイル等)、モノ−またはジ−C
6-14アラルキル−カルバモイル(例、ベンジルカルバモイル、フェネチルカルバモイル等)、(vi)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ−またはジ−5ないし7員の単環式複素環カルバモイル(例、3−ピリジンカルバモイル、2−チオフェンカルバモイル、ピペリジン−3−イルカルバモイル等)、(vii)炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ−またはジ−5ないし7員の単環式複素環−C
1-6アルキルカルバモル(例、3−ピリジルメチルカルバモイル、2−(ピリジン−2−イル)エチルカルバモイル、2−(ピペリジン−1−イル)エチルカルバモイル等)、(viii)3ないし11個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ−またはジ−5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の2環または3環式の芳香族複素環カルバモイル(例、4−インドールカルバモイル、5−インドールカルバモイル、3−キノリルカルバモイル、5−キノリルカルバモイル等)、(ix)3ないし11個の炭素原子以外に窒素原子、硫黄原子および酸素原子から選ばれる1または2種、1ないし4個のヘテロ原子を含むモノ−またはジ−5ないし14員(好ましくは5ないし10員)の2環または3環式の芳香族複素環−C
1-6アルキルカルボニル(例、ベンズイミダゾール−2−イルメチルカルバモイル、2−(インドール−3−イル)エチルカルバモイル等)、(x)5ないし7員の環状カルバモイル(例、1−ピロリジニルカルボニル、1−ピペリジニルカルボニル、ヘキサメチレンイミノカルボニル等)、(xi)C
1-15アシルカルバモイル(ここで言うC
1-15アシルは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC
1-15アシル」の「C
1-15アシル」と同意義を示す)、(xii)C
1-15アルキルアミノカルバモイル(ここで言うC
1-15アルキルは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC
1-15アルキル」の「C
1-15アルキル」と同意義を示す)、(xiii)C
6-14アリールアミノカルバモイル(ここで言うC
6-14アリールは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC
6-14アリール」の「C
6-14アリール」と同意義を示す)等が用いられ、なかでも2−(インドール−3−イル)エチルカルバモイル等が好ましく用いられる。
(5)環基を含む置換基で置換されていてもよいカルボキシルとしては、(i)C
1-15アルキルオキシカルボニル(ここで言うC
1-15アルキルは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC
1-15アルキル」の「C
1-15アルキル」と同意義を示す。例、tert-ブチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル)、(ii)C
6-14アリールオキシカルボニル(ここで言うC
6-14アリールは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC
6-14アリール」の「C
6-14アリール」と同意義を示す。例、フェノキシカルボニル)、等が用いられる。
(6)環基を含む置換基で置換されていてもよいスルフィノとしては、(i)C
1-15アルキルスルホニル(ここで言うC
1-15アルキルは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC
1-15アルキル」の「C
1-15アルキル」と同意義を示す。例、ベンジルスルホニル)、(ii)C
6-14アリールスルホニル(ここで言うC
6-14アリールは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC
6-14アリール」の「C
6-14アリール」と同意義を示す。例、トシル)等が用いられる。
(7)環を含む置換基基で置換されていてもよいアミジノとしては、(i)アミジノ、(ii)C
1-15アルキルアミジノ(ここで言うC
1-15アルキルは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC
1-15アルキル」の「C
1-15アルキル」と同意義を示す。例、N−メチルアミジノ)、(iii)C
1-15アシルアミジノ(ここで言うC
1-15アシルは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC
1-15アシル」の「C
1-15アシル」と同意義を示す。例、N−アセチルアミジノ)等が用いられる。
(8)環基を含む置換基で置換されていてもよいグリオキシロイルとしては、(i)C
1-15アルキルオキザリル(ここで言うC
1-15アルキルは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC
1-15アルキル」の「C
1-15アルキル」と同意義を示す。例、エチルオキザリル)、(ii)C
6-14アリールオキザリル(ここで言うC
6-14アリールは「環基を含む置換基で置換されていてもよいC
6-14アリール」の「C
6-14アリール」と同意義を示す。例、フェニルオキザリル)等が用いられる。
上記した中でも、J
1としては、水素原子、アセチル、4−フルオロベンゾイル、3−インドールカルボニル、3−(インドール−3−イル)プロピオニル、3−フェニルプロピオニル、ジフェニルアセチル、3−(ピリジン−3−イル)プロピオニル、4−イミダゾールアセチル、シクロヘキサンカルボニル、1−ピペリジンアセチル、1−メチル−1−ピペリジニオアセチル、4−ピペリジンカルボニル、ヘキサノイル、アミノ−(4−ヒドロキシフェニル)アセチル、D−グルクロニル、2−(インドール−3−イル)エチルカルバモイル、tert-ブチルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、アミジノ、フルオロベンゾイル、4−(アミノメチル)ベンゾイル等が好ましく用いられる。なかでも水素原子、アセチル、4−フルオロベンゾイル、3−インドールカルボニル、3−(インドール−3−イル)プロピオニル、3−フェニルプロピオニル、3−(ピリジン−3−イル)プロピオニル、4−イミダゾールアセチル、シクロヘキサンカルボニル、ヘキサノイル、アミノ−(4−ヒドロキシフェニル)アセチル、2−(インドール−3−イル)エチルカルバモイル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、アミジノ等が好ましい。
【0051】
J
2は(1)C
1-6アルキルで置換されていてもよいNH、(2)C
1-6アルキルで置換されていてもよいCH
2、(3)Oまたは(4)Sを示す。
「C
1-6アルキル」としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等が用いられる。
J
2としては、NHが好ましい。
J
3〜J
12はそれぞれ水素原子またはC
1-3アルキルを示す。
「C
1-3アルキル」としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルが用いられる。
J
3としては、水素原子が好ましい。
J
4としては、水素原子が好ましい。
J
5としては、水素原子が好ましい。
J
6としては、水素原子が好ましい。
J
7としては、水素原子が好ましい。
J
8としては、水素原子が好ましい。
J
9としては、水素原子が好ましい。
J
10としては、水素原子が好ましい。
J
11としては、水素原子が好ましい。
J
12としては、水素原子が好ましい。
【0052】
Q
3〜Q
12はそれぞれ、
(1)置換されていてもよいC
6-12芳香族炭化水素基、
(2)置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基、
(3)置換されていてもよいC
8-14芳香族縮合環基、
(4)置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基、
(5)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基、
(6)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基、
(7)置換されていてもよいアミノ、
(8)置換されていてもよいグアニジノ、
(9)置換されていてもよいヒドロキシ、
(10)置換されていてもよいカルボキシル、
(11)置換されていてもよいカルバモイル、および
(12)置換されていてもよいスルフヒドリル
から成る群から選ばれる置換基を有していてもよいC
1-4アルキルを示す。
特に、Q
3〜Q
6としては、
(1)置換されていてもよいC
6-12芳香族炭化水素基、
(2)置換されていてもよい、1ないし7個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基、
(3)置換されていてもよいC
8-14芳香族縮合環基、
(4)置換されていてもよい、3ないし11個の炭素原子と、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基、
(5)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基、
(6)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基、
(7)置換されていてもよいアミノ、
(8)置換されていてもよいグアニジノ、
(9)置換されていてもよいヒドロキシ、
(10)置換されていてもよいカルボキシル、
(11)置換されていてもよいカルバモイル、および
(12)置換されていてもよいスルフヒドリル
から成る群から選ばれる置換基を有するC
1-4アルキルまたは水素原子が好ましい。
「置換されていてもよいC
6-12芳香族炭化水素基」、「置換されていてもよい1ないし7個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基」、「置換されていてもよいC
8-14芳香族縮合環基」、「置換されていてもよい3ないし11個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基」、「置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基」および「置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基」としては、前記と同様のものが用いられる。
【0053】
(1)置換されていてもよいC
6-12芳香族炭化水素基を有しているC
1-4アルキルとしては、例えばベンジル、4−ヒドロキシベンジル、2−クロロベンジル、3−クロロベンジル、4−クロロベンジル、4−アミノベンジル等が用いられる。
(2)置換されていてもよい1ないし7個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族複素環基を有しているC
1-4アルキルとしては、例えば、2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル、4−イミダゾールメチル等が用いられる。
(3)置換されていてもよいC
8-14芳香族縮合環基を有しているC
1-4アルキルとしては、例えば、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル等が用いられる。
(4)置換されていてもよい3ないし11個の炭素原子と窒素原子、酸素原子および硫黄原子から成る群から選ばれるヘテロ原子とからなる5ないし14員芳香族縮合複素環基を有しているC
1-4アルキルとしては、例えば、3−インドールメチル、1−ホルミルインドール−3−イルメチル、2−キノリルメチル等が用いられる。
(5)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性環状炭化水素基を有しているC
1-4アルキルとしては、例えば、シクロヘキシルメチル等が用いられる。
(6)置換されていてもよい炭素数7以下の非芳香族性複素環基を有しているC
1-4アルキルとしては、例えば、ピペリジン−1−イルメチル等が用いられる。
(7)置換されていてもよいアミノを有しているC
1-4アルキルとしては、例えば、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、4−アミノブチル、4−アセタミドブチル等が用いられる。
(8)置換されていてもよいグアニジノを有しているC
1-4アルキルとしては、例えば、3−グアニジノプロピル、3−(N−トシル)グアニジノプロピル等が用いられる。
(9)置換されていてもよいヒドロキシを有しているC
1-4アルキルとしては、例えば、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、ベンジルオキシメチル等が用いられる。
(10)置換されていてもよいカルボキシルを有しているC
1-4アルキルとしては、例えば、カルボキシルメチル、2−カルボキシルエチル、ベンジルオキシカルボニルメチル等が用いられる。
(11)置換されていてもよいカルバモイルを有しているC
1-4アルキルとしては、例えば、カルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル、キサンチルカルバモイル等が用いられる。
(12)置換されてもよいスルフヒドリルを有しているC
1-4アルキルとしては、例えば、スルフヒドリルメチル、2−(メチルスルフヒドリル)エチル等が用いられる。
(13)無置換のC
1-4アルキルとしては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等が用いられる。
【0054】
Q
3としては、4−ヒドロキシベンジル、3−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル、メチル、イソブチル、ヒドロキシメチル、カルボキシメチル、4−アミノブチル等が好ましく用いられ、特に、4−ヒドロキシベンジル、3−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル等が好ましく用いられる。
Q
4としては、カルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル、4−ヒドロキシベンジル、4−イミダゾールメチル、イソブチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、カルボキシメチル、4−アミノブチル等が好ましく用いられ、特に、カルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル、4−ヒドロキシベンジル等が好ましく用いられる。
Q
5としては、ベンジル、2−クロロベンジル、3−クロロベンジル、4−クロロベンジル、4−アミノベンジル、2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、3−インドールメチル、1−ホルミルインドール−3−イルメチル、2−キノリルメチル、シクロヘキシルメチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、メチル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、カルボキシメチル、4−アミノブチル等が好ましく用いられ、特に、ベンジル、2−クロロベンジル、3−クロロベンジル、4−クロロベンジル、4−アミノベンジル、2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、3−インドールメチル、2−キノリルメチル、シクロヘキシルメチル、1−ヒドロキシエチル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル等が好ましく用いられる。
Q
6としては、メチル、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、カルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル等が好ましく用いられ、特に、カルバモイルメチル等が好ましく用いられる。
Q
7としては、4−ヒドロキシベンジル、カルバモイルメチル、3−ピリジルメチル等が好ましく用いられ、特に、4−ヒドロキシベンジル等が好ましく用いられる。
Q
8としては、ベンジル、4−ピリジルメチル、2−ナフチルメチル、3−インドールメチル、ヒドロキシメチル、シクロヘキシルメチル、sec-ブチル、1−ヒドロキシエチル等が好ましく用いられ、特に、4−ピリジルメチル、3−インドールメチル、sec-ブチル等が好ましく用いられる。
Q
9としては、カルバモイルメチル等が好ましく用いられる。
Q
10としては、4−ヒドロキシベンジル、3−インドールメチル、メチル、1−ヒドロキシエチル、3−グアニジノプロピル等が好ましく用いられ、特に、3−インドールメチル等が好ましく用いられる。
Q
11としては、カルバモイルメチル等が好ましく用いられる。
Q
12としては、カルバモイルメチル等が好ましく用いられる。
【0055】
Y
1〜Y
3はそれぞれ式−CON(J
13)−、−CSN(J
13)−、−C(J
14)N(J
13)−または−N(J
13)CO−(J
13およびJ
14はそれぞれ水素原子またはC
1-3アルキルを示す)で示される基を示す。
J
13およびJ
14で示されるC
1-3アルキルとしては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルが用いられる。
J
13としては、水素原子が好ましい。
J
14としては、水素原子が好ましい。
Y
1としては、式−CONH−、または−CH
2NH−で示される基等が好ましい。
Y
2としては、式−CONH−、または−CH
2NH−で示される基等が好ましい。
Y
3としては、式−CONH−で示される基等が好ましい。
【0056】
J
3とQ
3、J
4とQ
4、J
5とQ
5、J
6とQ
6、J
7とQ
7、J
8とQ
8、J
9とQ
9、J
10とQ
10、J
11とQ
11、J
12とQ
12が結合することで環を形成してもよい。この場合、C(J
3)(Q
3)、C(J
4)(Q
4)、C(J
5)(Q
5)、C(J
6)(Q
6)、C(J
7)(Q
7)、C(J
8)(Q
8)、C(J
9)(Q
9)、C(J
10)(Q
10)、C(J
11)(Q
11)またはC(J
12)(Q
12)で、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、ピペリジン等を形成する。
J
2とQ
3、Y
1とQ
4、Y
2とQ
5、Y
3とQ
6、J
2とQ
7、Y
2とQ
8、Y
3とQ
9、J
2とQ
10、Y
3とQ
11、J
2とQ
12が結合することで環を形成してもよい。
J
2とQ
3、J
2とQ
7、J
2とQ
10、J
2とQ
12が結合して環を形成する場合、J
2−C(J
3)(Q
3)、J
2−C(J
7)(Q
7)、J
2−C(J
10)(Q
10)、J
2−C(J
12)(Q
12)で、例えば、ピロリジン、ピペリジン、チアゾリジンを形成する。
Y
1とQ
4、Y
2とQ
5、Y
3とQ
6、Y
2とQ
8、Y
3とQ
9、Y
3とQ
11が結合して環を形成する場合、Y
1C(J
4)(Q
4)、Y
2C(J
5)(Q
5)、Y
3C(J
6)(Q
6)、Y
2C(J
8)(Q
8)、Y
3C(J
9)(Q
9)、Y
3C(J
11)(Q
11)で、例えば、ピロリジン−2−カルボニル、ピペリジン−2−カルボニル、チアゾリジン−4−カルボニルを形成する。
【0057】
式J
1−J
2−C(J
3)(Q
3)Y
1C(J
4)(Q
4)Y
2C(J
5)(Q
5)Y
3C(J
6)(Q
6)C(=Z
10)−で表わされる基としては、例えば、
Tyr Asn Trp Asn Ser-(配列番号47)、
Tyr Asn Trp D-Asn Ser-、
Tyr Asn D-Trp Asn Ser-、
Tyr D-Asn Trp Asn Ser-、
D-Tyr Asn Trp Asn Ser-、
Tyr Lys Trp Asn Ser-(配列番号48)、
Tyr Asp Trp Asn Ser-(配列番号49)、
Tyr Tyr Trp Asn Ser-(配列番号50)、
Tyr Leu Trp Asn Ser-(配列番号51)、
Tyr Asn Ala Asn Ser-(配列番号52)、
Tyr Asn Leu Asn Ser-(配列番号53)、
Tyr Asn Ser Asn Ser-(配列番号54)、
Tyr Asn Asp Asn Ser-(配列番号55)、
Tyr Asn Lys Asn Ser-(配列番号56)、
Ala Asn Trp Asn Ser-(配列番号57)、
Leu Asn Trp Asn Ser-(配列番号58)、
Ser Asn Trp Asn Ser-(配列番号59)、
Asp Asn Trp Asn Ser-(配列番号60)、
Lys Asn Trp Asn Ser-(配列番号61)、
Tyr Asn Trp(For) Asn Ser-(配列番号62)、
D-Tyr Asn D-Trp Asn Ser-、
D-Tyr Asn Ala Asn Ser-、
D-Tyr Asn Ser Asn Ser-、
D-Tyr Asn Cha Asn Ser-、
D-Tyr Asn Thr Asn Ser-、
D-Tyr Asn Ile Asn Ser-、
D-Tyr Gln Trp Asn Ser-、
D-Tyr Thr Trp Asn Ser-、
D-Tyr Asn Val Asn Ser-、
D-Tyr D-Asn Trp Asn Ser-、
D-Tyr D-Asn D-Trp Asn Ser-、
D-Tyr Asn Phe Asn Ser-、
D-Tyr Asn Nal(1) Asn Ser-、
D-Tyr Asn Nal(2) Asn Ser-、
D-Tyr Asn Phe(2Cl) Asn Ser-、
D-Tyr Asn Phe(3Cl) Asn Ser-、
D-Tyr Asn Phe(4Cl) Asn Ser-、
D-Tyr Asn Phe(4NH
2) Asn Ser-、
D-Tyr Asn Pya(3) Asn Ser-、
D-Tyr D-Asn Phe Asn Ser-、
D-Tyr D-Asn Cha Asn Ser-、
D-Tyr D-Asn Thr Asn Ser-、
D-Tyr Asn Pya(2) Asn Ser-、
D-Tyr Asn Pya(4) Asn Ser-、
D-Tyr D-Ser Trp Asn Ser-、
D-Tyr D-His Trp Asn Ser-、
D-Pya(3) D-Asn Cha Asn Ser-、
D-Pya(3) D-Tyr Cha Asn Ser-、
TyrΨ(CH
2NH)Asn Trp Asn Ser-(配列番号63)、
D-Tyr AsnΨ(CH
2NH)Trp Asn Ser-、
TyrΨ(CH
2NH)Asn D-Trp Asn Ser-、
D-Tyr Asn Ala(2-Qui) Asn Ser-、
D-Tyr Asn D-Pya(4) Asn Ser-、
D-Tyr D-Asn Pya(4) Asn Ser-、
Tyr D-Asn Cha Asn Ser-、
D-Tyr D-Asn Thr Asn Ser-、
D-Tyr D-Asn Pya(4) Asn Ser-等が好ましい。
【0058】
式J
1−J
2−C(J
7)(Q
7)Y
2C(J
8)(Q
8)Y
3C(J
9)(Q
9)C(=Z
10)−で表わされる基としては、例えば、
Fmoc Asn Trp Asn Ser-(配列番号64)、
D-Asn Trp Asn Ser-、
D-Tyr Trp Asn Ser-、
D-Tyr D-Trp Asn Ser-、
D-Tyr Ser Asn Ser-、
D-Tyr Thr Asn Ser-、
D-Tyr Ile Asn Ser-、
D-Tyr Phe Asn Ser-、
D-Tyr Nal(2) Asn Ser-、
D-Pya(3) Phe Asn Ser-、
D-Pya(3) Trp Asn Ser-、
D-Tyr D-Pya(4) Asn Ser-、
D-Asn Cha Asn Ser-等が好ましい。
式J
1−J
2−C(J
10)(Q
10)Y
3C(J
11)(Q
11)C(=Z
10)−で表わされる基としては、例えば、
Fmoc Trp Asn Ser-、
Boc Tyr Asn Ser-、
Tyr Asn Ser-、
D-Trp Asn Ser-、
Ac Trp Asn Ser-、
Amidino Trp Asn Ser-、
Ac Ala Asn Ser-、
Ac Arg Asn Ser-、
Ac Thr Asn Ser-等が好ましい。
式J
1−J
2−C(J
12)(Q
12)C(=Z
10)−で表わされる基としては、
Fmoc Asn Ser-、
3-(Indol-3-yl)propionyl Asn Ser-、
3-Indolecarbonyl Asn Ser-、
3-Indoleacetyl Asn Ser-、
4-(Indol-3-yl)butyryl Asn Ser-、
Diphenylacetyl Asn Ser-、
Hexanoyl Asn Ser-、
Cyclohexanecabonyl Asn Ser-、
2-(Indol-3-yl)ethylcabamoyl Asn Ser-、
3-Pyridylpropionyl Asn Ser-、
4-Imidzoleacetyl Asn Ser-、
Piperidinecarbonyl Asn Ser-、
1-Piperidineacetyl Asn Ser-、
1-Methyl-1-piperidinioacetyl Asn Ser-、
1-Pyridinioacetyl Asn Ser-、
D-Glucronyl Asn Ser-等が好ましい。
Pとして好ましくはJ
1−で表わされる基であり、例えば、置換基(例、ハロゲン等)を有していてもよい環基を含む置換基(例、ベンゾイル)等が好ましい。
【0059】
本発明のGPR54アゴニスト活性を有する化合物は、アミド(−CONH
2)、カルボキシル(−COOH)、カルボキシレート(−COO
-)、アルキルアミド(−CONHR)またはエステル(−COOR)であってもよいが、特にアミド(−CONH
2)が好ましい。エステルまたはアルキルアミドのRとしては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチル等のC
1-6アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のC
3-8シクロアルキル、フェニル、α−ナフチル等のC
6-12アリール、ベンジル、フェネチル、ベンズヒドリル等のフェニル−C
1-2アルキル、もしくはα−ナフチルメチル等のα−ナフチル−C
1-2アルキル等のC
7-14アラルキルのほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル等が挙げられる。
【0060】
Xに関して
本発明において、X部分には、アミド結合は含まれない。X部分は、基本的には、ジペプチドの全長を模倣するための主鎖部分と、Leuのイソブチル基に相当するアルキル側鎖が必要である。主鎖部分の原子数は5〜7個である。
【0061】
Xは、具体的には下記一般式(II)で表される。
【0062】
【化9】
【0063】
式中、
na〜ndは同一または異なって0〜2の整数であり(但しna、nb、ncおよびndの合計は0〜2である)、X
1a〜X
1dおよびX
2a〜X
2dは同一または異なって水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン原子、置換されていても良い低級アルキル基を表す。Z
7は、水素原子、置換されていてもよい炭化水素基を表す。置換されていてもよい炭化水素基とは、上記した置換されていてもよいC
1−6アルキル、上記した置換されていてもよいC
2−6アルケニル、上記した置換されていてもよいC
2−6アルキニル、上記した置換されていてもよいC
1−6アルコキシ、ホルミル、上記した置換されていてもよいC
1−6アルキル−カルボニル、上記した置換されていてもよいC
3−8シクロアルキル−カルボニル、上記した置換されていてもよいC
1−6アルコキシ−カルボニル、上記した置換されていてもよいC
1−6アルキルスルホニルを表す。R
4〜R
11は同一または異なって、水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン原子、置換されていても良い低級アルキルを表す。置換されていても良い低級アルキルとは、具体的には、メチル、ハロメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルとこれらの分岐型アルキルを表す。さらに具体的には、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチルであることが好ましい。また、R
7とR
8が一緒になって結合を形成しても良く、R
9とR
10が一緒になって結合を形成しても良い。好ましくは、Xは、下記構造式(III):
【0064】
【化10】
【0065】
で表される部分である。式中、R
4〜R
11は同一または異なって、水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン原子、置換されていても良い低級アルキルを表す。また、R
7とR
8が一緒になって結合を形成しても良く、R
9とR
10が一緒になって結合を形成しても良い。
【0066】
なかでも好ましくは、Xは、下記構造式群(IV)から選ばれる部分である。
【0067】
【化11】
【0068】
本発明において優れたGPR54アゴニスト活性を発揮し得る好ましい化合物としては、例えば、下記一般式(V)の化合物が挙げられる。
【0069】
【化12】
【0070】
(式中、R
1’は、2−ピロリル、4−メトキシフェニル、4−クロロフェニル、4−フルオロフェニルを表し、Xは上記と同義である。)
【0071】
上記のようにして得られる本発明の化合物は、GPR54アゴニスト活性を有する。本発明においてアゴニスト活性とは、フルアゴニストおよびパーシャルアゴニストの両方の活性を含むものである。
【0072】
また、上記一般式(I)で示される本発明の化合物には、幾何異性体、立体異性体、光学異性体等の異性体も包含される。
【0073】
2.医薬組成物
本発明は、上記の方法によって得られる化合物および/またはその薬学的に許容される塩を有効成分とし、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む医薬組成物をも提供する。
【0074】
本発明のメタスチン誘導体(I)の塩としては、例えば金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。金属塩の好適な例としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
このうち、薬学的に許容し得る塩が好ましい。例えば、化合物内に酸性官能基を有する場合にはアルカリ金属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例、カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等)等の無機塩、アンモニウム塩等が、また、化合物内に塩基性官能基を有する場合には、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等無機酸との塩、または酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩が好ましい。
【0075】
本発明のメタスチン誘導体(I)は、自体公知のペプチドの合成法に従って製造することができる。ペプチドの合成法としては、例えば固相合成法、液相合成法のいずれによっても良い。すなわち、本発明のペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製造することができる。公知の縮合方法や保護基の脱離法としては例えば、以下の(1)〜(5)に記載された方法が挙げられる。
(1)M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド シンセシス (Peptide Synthesis),Interscience Publishers, New York (1966年)
(2)SchroederおよびLuebke、ザ ペプチド(The Peptide), Academic Press, New York (1965年)
(3)泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株) (1975年)
(4)矢島治明および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タンパク質の化学IV、 205、(1977年)
(5)矢島治明監修、続医薬品の開発 第14巻 ペプチド合成 広川書店
また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー・再結晶等を組み合わせて本発明のペプチドを精製単離することができる。上記方法で得られるペプチドが遊離体である場合は公知の方法によって適当な塩に変換することができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法によって遊離体に変換することができる。
【0076】
保護されたアミノ酸またはペプチドの縮合に関しては、ペプチド合成に使用できる各種活性化試薬を用いることができるが、特に、トリスフォスフォニウム塩類、テトラメチルウロニウム塩類、カルボジイミド類等がよい。トリスフォスフォニウム塩類としてはベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)フォスフォニウムヘキサフルオロフォスフェイト(PyBOP)、ブロモトリス(ピロリジノ)フォスフォニウムヘキサフルオロフォスフェイト(PyBroP)、7−アザベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)フォスフォニウムヘキサフルオロフォスフェイト(PyAOP)、テトラメチルウロニウム塩類としては2−(1H−ベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3ヘキサフルオロフォスフェイト(HBTU)、2−(7−アザベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3ヘキサフルオロフォスフェイト(HATU)、2−(1H−ベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレイト(TBTU)、2−(5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレイト(TNTU)、O−(N−スクシミジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレイト(TSTU)、カルボジイミド類としてはDCC、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIPCDI)、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDCI・HCl)等が挙げられる。これらによる縮合にはラセミ化抑制剤(例えば、HONB,HOBt,HOAt,HOOBt等)の添加が好ましい。縮合に用いられる溶媒としては、ペプチド縮合反応に使用し得ることが知られている溶媒から適宜選択され得る。例えば無水または含水のN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の酸アミド類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、トリフルオロエタノール、フェノール等のアルコール類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ピリジン等の三級アミン類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類あるいはこれらの適宜の混合物等が用いられる。反応温度はペプチド結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜選択され、通常約−20〜50℃の範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.5〜6倍過剰で用いられる。固相合成の場合にはニンヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行うことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行うことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾール等を用いて未反応アミノ酸をアシル化して、後の反応に影響を及ぼさないようにすることができる。
【0077】
原料アミノ酸のアミノ基の保護基としては、例えば、Z、Boc、tert−ペンチルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノチオイル、Fmoc等が挙げられる。カルボキシル基の保護基としては、例えばRとして上記したC
1-6アルキル、C
3-8シクロアルキル、C
7-14アラルキルの他、アリル、2−アダマンチル、4−ニトロベンジル、4−メトキシベンジル、4−クロロベンジル、フェナシル基およびベンジルオキシカルボニルヒドラジド、tert−ブトキシカルボニルヒドラジド、トリチルヒドラジド等が挙げられる。
セリンおよびスレオニンの水酸基は、例えばエステル化またはエーテル化によって保護することができる。このエステル化に適する基としては例えばアセチル等の低級(C
2-4)アルカノイル、ベンゾイル等のアロイル基等の有機酸から誘導される基等が挙げられる。また、エーテル化に適する基としては、例えばベンジル、テトラヒドロピラニル、tert−ブチル、トリチル(Trt)等である。
チロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、例えばBzl、2,6−ジクロルベンジル、2−ニトロベンジル、Br−Z、tert−ブチル等が挙げられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、Tos、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル(Mtr)、DNP、Bom、Bum、Boc、Trt、Fmoc等が挙げられる。
アルギニンのグアニジノ基の保護基としてはTos、Z、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルフォニル(Mtr)、p−メトキシベンゼンスルフォニル(MBS)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルフォニル(Pmc)、メシチレン−2−スルフォニル(Mts)、2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル(Pbf)、Boc、Z、NO
2等が挙げられる。
リジンの側鎖アミノ基の保護基としてはZ、Cl−Z、トリフルオロアセチル、Boc、Fmoc、Trt、Mtr、4,4−ジメチル−2,6−ジオキソサイクロヘキシリデンエイル(Dde)等が挙げられる。
トリプトファンのインドリル保護基としてはフォルミル(For)、Z、Boc、Mts、Mtr等が挙げられる。
アスパラギン、グルタミンの保護基としてはTrt、キサンチル(Xan)、4,4’−ジメトキシベンズヒドリル(Mbh)、2,4,6−トリメトキシベンジル(Tmob)等が挙げられる。
原料のカルボキシル基の活性化されたものとしては、例えば対応する酸無水物、アジド、活性エステル[アルコール(例、ペンタクロロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)とのエステル]等が挙げられる。原料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば対応する亜リン酸アミドが挙げられる。
【0078】
保護基の除去(脱離)方法としては、例えばPd黒あるいはPd炭素等の触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、臭化トリメシルシラン(TMSBr)、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホネート、テトラフルオロホウ酸、トリス(トリフルオロ)ホウ素、三臭化ホウ素あるいはこれらの混合液等による酸処理や、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジン等による塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによる還元等も挙げられる。上記酸処理による脱離反応は一般に−20〜40℃の温度で行われるが、酸処理においてはアニソール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾールのようなカチオン捕捉剤や、ジメチルスルフィド、1,4−ブタンジチオール、1,2−エタンジチオール等の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられる2,4−ジニトロフェニル基はチオフェノール処理により除去され、トリプトファンのインドール保護基として用いられるホルミル基は上記の1,2−エタンジチオール、1,4−ブタンジチオール等の存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウム、希アンモニア等によるアルカリ処理によっても除去される。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護および保護基、ならびにその保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化等は公知の保護基あるいは公知の手段から適宜選択し得る。
【0079】
ペプチドのアミド体を得る方法としては、アミド体合成用樹脂を用いて固相合成するかまたはC末端アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化した後、アミノ基側にペプチド鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみを除いたペプチドとC末端のカルボキシル基の保護基のみを除いたペプチド(またはアミノ酸)とを製造し、この両ペプチドを上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同様である。縮合により得られた保護ペプチドを精製した後、上記方法により全ての保護基を除去し、所望の粗ポリペプチドを得ることができる。この粗ペプチドは既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望のペプチドのアミド体を得ることができる。
【0080】
本発明のメタスチン誘導体(I)が、コンフィギュレーショナル アイソマー(配置異性体)、ジアステレオマー、コンフォーマー等として存在する場合には、所望により、前記の分離、精製手段によりそれぞれを単離することができる。また、本発明の化合物がラセミ体である場合には、通常の光学分割手段によりS体およびR体に分離することができる。
本発明のメタスチン誘導体(I)に立体異性体が存在する場合には、この異性体が単独の場合およびそれらの混合物の場合も本発明に含まれる。
また、本発明のメタスチン誘導体(I)は、水和物または非水和物であってもよい。
本発明のメタスチン誘導体(I)は同位元素(例、
3H、
14C、
35S)等で標識されていてもよい。
【0081】
本発明のメタスチン誘導体(I)またはその塩(以下、本発明のメタスチン誘導体(I)と略記する)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により本発明のメタスチン誘導体(I)に変換するメタスチン誘導体、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして本発明のメタスチン誘導体に変化するメタスチン誘導体、胃酸等により加水分解等を起こして本発明のメタスチン誘導体(I)に変化するメタスチン誘導体をいう。
本発明のメタスチン誘導体(I)のプロドラッグとしては、本発明のメタスチン誘導体(I)のアミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化されたメタスチン誘導体(例えば、本発明のメタスチン誘導体(I)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert−ブチル化されたメタスチン誘導体等);本発明のメタスチン誘導体(I)の水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化されたメタスチン誘導体(例えば、本発明のメタスチン誘導体(I)の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、スクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化されたメタスチン誘導体等);本発明のメタスチン誘導体(I)のカルボキシ基がエステル化、アミド化されたメタスチン誘導体(例えば、本発明のメタスチン誘導体(I)のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化されたメタスチン誘導体等);等が挙げられる。これらのメタスチン誘導体は自体公知の方法によって本発明のメタスチン誘導体(I)から製造することができる。
また、本発明のメタスチン誘導体(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような生理的条件で本発明のメタスチン誘導体(I)に変化するものであってもよい。
【0082】
本発明のメタスチン誘導体(I)またはその塩のプロドラッグ(以下、本発明の化合物と略記する場合がある)は癌転移抑制活性または癌増殖抑制活性を有するため、癌転移抑制剤または癌増殖抑制剤として、あらゆる癌(例えば、肺癌、胃癌、肝癌、膵癌、大腸癌、直腸癌、結腸癌、前立腺癌、卵巣癌、子宮頚癌、乳癌等)の予防・治療剤等の医薬組成物として有用である。
さらに、本発明の化合物は膵臓機能調節作用を有するため、膵臓機能調節剤として、種々の膵臓疾患(例えば、急性または慢性膵炎、膵癌等)の予防・治療剤として有用である。
また、本発明の化合物は胎盤機能調節作用を有するため、胎盤機能調節剤として、例えば、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発の予防・治療剤等の医薬組成物として有用である。
さらに、本発明の化合物は血糖上昇作用、膵グルカゴン分泌促進作用、尿生成促進作用を有しているので、血糖上昇剤、膵グルカゴン分泌促進剤、尿生成促進剤として、例えば、肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、糖尿病神経障害、糖尿病腎症、糖尿病網膜症、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患または脂肪毒性の予防・治療剤等の医薬組成物として有用である。
さらに、本発明の化合物は、性腺刺激ホルモン(例、FSH、LH等)分泌促進作用、性ホルモン〔例、アンドロゲン(例、テストステロン、アンドロステンジオン等)、エストロゲン(例、エストラジオール、エストロン等)、プロゲステロン等〕分泌促進作用、性腺機能改善作用、排卵誘発または促進作用、性成熟作用等を有しているので、例えば、性腺機能改善剤、排卵誘発または促進剤、性腺刺激ホルモン分泌促進剤または性ホルモン分泌促進剤、ホルモン依存性癌〔例、前立腺癌、乳癌等〕、不妊症〔例、月経不順、月経困難症、無月経症、体重減少性無月経症、続発性無月経症、無排卵症、卵巣機能低下症、性腺機能低下症、精子形成障害、性機能低下症(例、インポテンス等)、性器萎縮症、精巣萎縮症、精巣機能障害、無精子症、低アンドロゲン血症等〕、子宮内膜症、子宮筋腫等の予防・治療剤として使用することができる。
さらに、本発明の化合物は、アルツハイマー病、軽度認知障害等の予防・治療剤等として有用である。
さらに、本発明の化合物は、天然型メタスチン、例えばメタスチン54(1−54)やメタスチン10(45−54)に比べて、優れた血中安定性を有している。
【0083】
本発明の化合物を含有してなる医薬組成物は、特開2004−217651号公報に記載の方法により製造されることができ、投与量や投与経路等も特開2004−217651号公報の記載から当業者が適宜決定することができる。
【0084】
さらに、本発明の化合物は、本発明の化合物以外の薬物と併用して使用することができる。
本発明の化合物と併用し得る薬物(以下、併用薬物と略記する場合がある)としては、例えば、癌治療のための化学療法剤、ホルモン療法剤、免疫療法剤等を挙げることができる。
該「化学療法剤」としては、例えばアルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物由来抗癌剤等が挙げられる。
「アルキル化剤」としては、例えば、ナイトロジェンマスタード、塩酸ナイトロジェンマスタード−N−オキシド、クロラムブチル、シクロフォスファミド、イホスファミド、チオテパ、カルボコン、トシル酸インプロスルファン、ブスルファン、塩酸ニムスチン、ミトブロニトール、メルファラン、ダカルバジン、ラニムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、トリエチレンメラミン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ピポブロマン、エトグルシド、カルボプラチン、シスプラチン、ミボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、アルトレタミン、アンバムスチン、塩酸ジブロスピジウム、フォテムスチン、プレドニムスチン、プミテパ、リボムスチン、テモゾロミド、トレオスルファン、トロフォスファミド、ジノスタチンスチマラマー、カルボコン、アドゼレシン、システムスチン、ビゼレシン等が挙げられる。
「代謝拮抗剤」としては、例えば、メルカプトプリン、6−メルカプトプリンリボシド、チオイノシン、メトトレキサート、エノシタビン、シタラビン、シタラビンオクフォスファート、塩酸アンシタビン、5−FU系薬剤(例、フルオロウラシル、テガフール、UFT、ドキシフルリジン、カルモフール、ガロシタビン、エミテフール等)、アミノプテリン、ロイコボリンカルシウム、タブロイド、ブトシン、フォリネイトカルシウム、レボフォリネイトカルシウム、クラドリビン、エミテフール、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、ピリトレキシム、イドキシウリジン、ミトグアゾン、チアゾフリン、アンバムスチン等が挙げられる。
「抗癌性抗生物質」としては、例えば、アクチノマイシンD、アクチノマイシンC、マイトマイシンC、クロモマイシンA3、塩酸ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ピラルビシン、塩酸エピルビシン、ネオカルチノスタチン、ミスラマイシン、ザルコマイシン、カルチノフィリン、ミトタン、塩酸ゾルビシン、塩酸ミトキサントロン、塩酸イダルビシン等が挙げられる。
「植物由来抗癌剤」としては、例えば、エトポシド、リン酸エトポシド、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、テニポシド、パクリタキセル、ドセタクセル、ビノレルビン等が挙げられる。
該「ホルモン療法剤」としては、例えば、ホスフェストロール、ジエチルスチルベストロール、クロロトリアニセリン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、酢酸クロルマジノン、酢酸シプロテロン、ダナゾール、アリルエストレノール、ゲストリノン、メパルトリシン、ラロキシフェン、オルメロキフェン、レボルメロキシフェン、抗エストロゲン(例、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン等)、ピル製剤、メピチオスタン、テストロラクトン、アミノグルテチイミド、LH−RHアゴニスト(例、酢酸ゴセレリン、ブセレリン、リュープロレリン等)、ドロロキシフェン、エピチオスタノール、スルホン酸エチニルエストラジオール、アロマターゼ阻害薬(例、塩酸ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン、ボロゾール、フォルメスタン等)、抗アンドロゲン(例、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド等)、5α−レダクターゼ阻害薬(例、フィナステリド、エプリステリド等)、副腎皮質ホルモン系薬剤(例、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、トリアムシノロン等)、アンドロゲン合成阻害薬(例、アビラテロン等)、レチノイドおよびレチノイドの代謝を遅らせる薬剤(例、リアロゾール等)等が挙げられ、なかでもLH−RHアゴニスト(例、酢酸ゴセレリン、ブセレリン、リュープロレリン等)が好ましい。
該「免疫療法剤(BRM)」としては、例えば、ピシバニール、クレスチン、シゾフィラン、レンチナン、ウベニメクス、インターフェロン、インターロイキン、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポイエチン、リンホトキシン、BCGワクチン、コリネバクテリウムパルブム、レバミゾール、ポリサッカライドK、プロコダゾール等が挙げられる。
【0085】
本発明の化合物と併用薬物とを組み合わせることにより、
(1)本発明の化合物または併用薬物を単独で投与する場合に比べて、その投与量を軽減することができる、
(2)患者の症状(軽症、重症等)に応じて、本発明の化合物と併用薬物を選択することができる、
(3)本発明の化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療期間を長く設定することができる、
(4)本発明の化合物と作用機序が異なる併用薬物を選択することにより、治療効果の持続を図ることができる、
(5)本発明の化合物と併用薬物とを併用することにより、相乗効果が得られる、等の優れた効果を得ることができる。
以下、本発明の化合物と併用薬物を併用して使用することを「本発明の併用剤」と称する。
本発明の併用剤の使用に際しては、本発明の化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明の化合物またはその医薬組成物と併用薬物またはその医薬組成物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
本発明の併用剤の投与形態は、特に限定されず、投与時に、本発明の化合物と併用薬物とが組み合わされていればよい。このような投与形態としては、例えば、(1)本発明の化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の投与の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明の化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明の化合物;併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)等が挙げられる。
【0086】
本発明の併用剤は、特開2004−217651号公報に記載のようにして製造することができ、投与経路、投与方法、投与形態、投与量等も特開2004−217651号公報の記載により当業者が適宜決定することができる。
【0087】
3.適用
本発明の化合物は、7回膜貫通型受容体であるGPR54に特異的に結合して受容体を活性化し、その内因性リガンドであるメタスチン(別名:キスペプチン)の作用を増強し得る。したがって、本発明の化合物は、GPR54の活性化およびそれに伴うメタスチンの作用増強が、その予防または治療(症状の改善、緩和または治癒を目的とする処置を含む)に有効な疾患に好適に用いることができる。具体的には以下のような疾患が例示される。
【0088】
メタスチンは、癌転移、性機能の制御等に関わる内因性リガンドである。
メタスチンが、肺移行性GPR54発現黒色腫細胞の転移(metastasis)を有意に阻害すること、膵癌細胞の移動を抑制し得ること等が報告されている。したがって、本発明の化合物を含有する医薬組成物は、黒色腫、膵臓癌等の癌の転移抑制剤として使用できる。
【0089】
さらに、本発明の化合物は、性機能低下抑制作用を有することから、性ホルモンまたは性腺刺激ホルモンの分泌調節異常を改善することも可能である。また、本発明の限定的解釈を望むものではないが、例えば、本発明の化合物がGPR54アゴニストとして作用することにより、細胞の遊走能が抑制され、受精卵の着床が促されることによって、不妊治療剤としての効果も期待される。
【0090】
また、Jean-Marc Navenot et al., Cancer Res. 2004; 65:22. November 15, 2005により、KiSS−1遺伝子産物由来のkisspeptin−10(kp−10)がGPR54を活性化し、CXCR4のはたらきを抑制することが明らかとなった。CXCR4は、G蛋白質共役型レセプター蛋白質の一つとしてCXCR4遺伝子によってコードされるヒト型レセプター蛋白質であり、癌転移・増殖、慢性関節リューマチ、肺線維症、慢性リンパ性B細胞白血病、HIV感染等の様々な疾患に関与していることが知られている。
【0091】
したがって、本発明の化合物を含有する医薬組成物は、CXCR4が関与する疾患に抑制的に働くと予想される。CXCR4が関与する疾患としては、エイズ、慢性リンパ性B細胞白血病、CXCR4を発現している癌種、例えば、口腔癌、咽頭癌、口唇癌、舌癌、歯肉癌、鼻咽頭癌、食道癌、胃癌、小腸癌、結腸癌を含む大腸癌、肝臓癌、胆のう癌、膵臓癌、鼻腔癌、肺癌、骨肉腫、軟部組織癌、皮膚癌、黒色腫、乳癌、子宮癌、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、陰茎癌、膀胱癌、腎臓癌、脳腫瘍、甲状腺癌、リンパ腫、白血病、慢性関節リューマチ等が挙げられる。また、火傷等の外傷においてもCXCR4の関与が示唆されていることから、火傷等の治癒を目的として本発明の化合物を含む医薬組成物を適用することができると考えられる。
【0092】
したがって、本発明のメタスチン誘導体(I)またはその塩あるいはそれらのプロドラッグは、例えば、血糖上昇剤、膵グルカゴン分泌促進剤、尿生成促進剤として有用である。さらには、メタスチン受容体アゴニストは、例えば、肥満、高脂血症、2型糖尿病、低血糖症、高血圧、糖尿病神経障害、糖尿病腎症、糖尿病網膜症、浮腫、排尿困難症、インスリン抵抗性、不安定糖尿病、脂肪萎縮、インスリンアレルギー、インスリノーマ、動脈硬化、血栓性疾患または脂肪毒性の予防・治療剤として有用である。
本発明のメタスチン誘導体(I)またはその塩あるいはそれらのプロドラッグはまた、血糖低下剤、膵グルカゴン分泌抑制剤、尿生成抑制剤として有用である。さらには、メタスチン受容体アンタゴニストは、例えば、糖尿病、耐糖能障害、ケトーシス、アシドーシス、糖尿病神経障害、糖尿病腎症、糖尿病網膜症、頻尿、夜尿症、高脂血症、性機能障害、皮膚疾患、関節症、骨減少症、動脈硬化、血栓性疾患、消化不良または記憶学習障害の予防・治療剤として使用することができる。
本発明のメタスチン誘導体(I)またはその塩あるいはそれらのプロドラッグは塩を形成していてもよく、例えば、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸等)や塩基(例、アルカリ金属等)等との塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸等)との塩、あるいは有機酸(例、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等)との塩等が用いられる。
本発明のメタスチン誘導体(I)またはその塩あるいはそれらのプロドラッグを上述の予防・治療剤として使用する場合、常套手段に従って実施することができる。例えば、前記したメタスチンを含有する医薬組成物と同様にして、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤等とすることができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジー等)に対して投与することができる。
該物質の投与量は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ルート等により差異はあるが、例えば、メタスチン受容体アゴニストを経口投与する場合、一般的に成人(体重60kg当たり)においては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1〜50mg、より好ましくは約1〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該物質の1回投与量は投与対象、対象疾患等によっても異なるが、例えば、メタスチン受容体アゴニストを注射剤の形で通常成人(体重60kg当たり)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、体重60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0093】
本発明は、更に以下の実施例、製剤例および試験例によって詳しく説明されるが、これらの例は単なる実施であって、本発明を限定するものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
以下の実施例中の「室温」は通常約10〜35℃を示す。%は、収率はmol/mol%を、クロマトグラフィーで用いられる溶媒は体積%を、その他は重量%を示す。プロトンNMRスペクトルで、OHやNHプロトン等ブロードで確認できないものについてはデータに記載していない。「擬ペンタペプチド」は、Phe−Gly−Leu−Arg−Trp(配列番号65)で表されるアミノ酸配列において、Gly−Leuの間のアミド結合を改変した構造を含むペンタペプチドを意味する。
その他の本文中で用いられている略号は下記の意味を示す。
【0094】
略名 和名
Ac:アセチル
Boc:tert-ブトキシカルボニル
Cha:シクロヘキシルアラニン
Fmoc:9-フルオレニルメトキシカルボニル
HONB:N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド
Nal(1):1-ナフチルアラニン
Nal(2):2-ナフチルアラニン
Phe(2Cl):2-クロロフェニルアラニン
Phe(3Cl):3-クロロフェニルアラニン
Phe(4Cl):4-クロロフェニルアラニン
Phe(4NH
2):4-アミノフェニルアラニン
Pya(2):2-ピリジルアラニン
Pya(3):3-ピリジルアラニン
Pya(4):4-ピリジルアラニン
Trp(For):N
in-ホルミルトリプトファン
TyrΨ(CH
2NH)Asn:TyrとAsnとの間の-CONH-結合が-CH
2NH-結合に置換されていることを示す。
Me:メチル基
Mts:メシチレンスルホニル基
t-Bu:tert-ブチル基
Ph:フェニル基
THF:テトラヒドロフラン
DBU:ジアザビシクロウンデセン
Et:エチル基
i-Bu:イソブチル基
DMF:ジメチルホルムアミド
TMS:トリメチルシリル基
TFA:トリフルオロ酢酸
Fmoc-OSu:N−(9−フルオレニルメチルオキシカルボニルオキシ)スクシンイミド
TES:トリエチルシリル基
m-CPBA:メタクロロ過安息香酸
DIC:ジイソプロピルカルボジイミド
【0095】
本明細書および図面において、塩基やアミノ酸等を略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commision on Biochemical Nomenclature による略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。
【0096】
Gly:グリシン
Ala:アラニン
Val:バリン
Leu:ロイシン
Ile:イソロイシン
Ser:セリン
Thr:スレオニン
Glu:グルタミン酸
Asp:アスパラギン酸
Lys:リジン
Arg:アルギニン
His:ヒスチジン
Phe:フェニルアラニン
Tyr:チロシン
Trp:トリプトファン
Pro:プロリン
Asn:アスパラギン
Gln:グルタミン