特許第5700655号(P5700655)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5700655
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】静電容量型加速度センサ
(51)【国際特許分類】
   G01P 15/125 20060101AFI20150326BHJP
   G01P 15/08 20060101ALI20150326BHJP
   H01L 29/84 20060101ALI20150326BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20150326BHJP
【FI】
   G01P15/125 Z
   G01P15/08 101A
   H01L29/84 Z
   B81B3/00
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-64480(P2011-64480)
(22)【出願日】2011年3月23日
(65)【公開番号】特開2012-202696(P2012-202696A)
(43)【公開日】2012年10月22日
【審査請求日】2014年1月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松下 浩二
【審査官】 岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−118826(JP,A)
【文献】 特開平9−211022(JP,A)
【文献】 特開平8−75782(JP,A)
【文献】 特開平7−333078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01P15/00−15/18
B81B 3/00
H01L29/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に弾性部材を介して設けられた重錘体に一体的に構成された櫛歯状の可動電極と、該可動電極と対向配置された櫛歯状の固定電極とを備えた静電容量型加速度センサにおいて、
前記重錘体の一側に設けられた一対の可動電極と、該一対の可動電極の外側に各々配置された一対の外側固定電極と、前記一対の可動電極間に各々配置された一対の内側固定電極とで構成された一側電極セルと、
前記重錘体の他側に設けられた一対の可動電極と、該一対の可動電極の外側に各々配置された一対の外側固定電極と、前記一対の可動電極間に各々配置された一対の内側固定電極とで構成された他側電極セルとを備え、
前記一側電極セルと前記他側電極セルとで電極セル構造を構成し
前記一対の可動電極が、前記重錘体の長手方向に対して垂直方向に配置されており、
前記一側電極セルの前記一対の可動電極が、前記重錘体の一側に設けられた第1の可動電極と第2の可動電極とからなり、前記一対の外側固定電極が、前記一対の可動電極の外側に各々配置された第1の外側固定電極と第2の外側固定電極とからなり、前記一対の内側固定電極が、前記一対の可動電極間に各々配置された第2の内側固定電極と第1の内側固定電極とから構成され、
前記他側電極セルの前記一対の可動電極が、前記重錘体の他側に設けられた第1の可動電極と第2の可動電極とからなり、前記一対の外側固定電極が、前記一対の可動電極の外側に各々配置された第1の外側固定電極と第2の外側固定電極とからなり、前記一対の内側固定電極が、前記一対の可動電極間に各々配置された第2の内側固定電極と第1の内側固定電極とから構成され、
前記一側における前記第1の外側固定電極と前記第1の内側固定電極とが接続されているとともに、前記第2の外側固定電極と前記第2の内側固定電極とが接続され、
前記他側における前記第1の外側固定電極と前記第1の内側固定電極とが接続されているとともに、前記第2の外側固定電極と前記第2の内側固定電極とが接続され、
前記第1の外側固定電極と前記第2の内側固定電極とが、前記第1の可動電極を介して対向配置され、前記第2の外側固定電極と前記第1の内側固定電極とが、前記第2の可動電極を介して対向配置され、
前記一側における前記第2の内側固定電極は、前記一側に設けられた前記第1の可動電極の前記重錘体側でない端部を覆うように形成され、さらに、前記一側における前記第1の外側固定電極は、この第2の内側固定電極の端部を覆うように形成され、
前記他側における前記第2の内側固定電極は、前記他側に設けられた前記第1の可動電極の前記重錘体側でない端部を覆うように形成され、さらに、前記他側における前記第1の外側固定電極は、この第2の内側固定電極の端部を覆うように形成され、
前記一側における前記第1の内側固定電極は、前記一側に設けられた前記第2の可動電極の前記重錘体側でない端部を覆うように形成され、さらに、前記一側における前記第2の外側固定電極は、この第1の内側固定電極の端部を覆うように形成され、
前記他側における前記第1の内側固定電極は、前記他側に設けられた前記第2の可動電極の前記重錘体側でない端部を覆うように形成され、さらに、前記他側における前記第2の外側固定電極は、この第1の内側固定電極の端部を覆うように形成されていることを特徴とする静電容量型加速度センサ。
【請求項2】
前記一側における前記第1の可動電極、前記第2の内側固定電極、および前記第1の外側固定電極の構成と、前記一側における前記第2の可動電極、前記第1の内側固定電極、および前記第2の外側固定電極の構成とは、前記重錘体の長手方向に垂直な軸を中心に軸対称であり、
前記他側における前記第1の可動電極、前記第2の内側固定電極、および前記第1の外側固定電極の構成と、前記他側における前記第2の可動電極、前記第1の内側固定電極、および前記第2の外側固定電極の構成とは、前記重錘体の長手方向に垂直な軸を中心に軸対称であることを特徴とする請求項1に記載の静電容量型加速度センサ。
【請求項3】
前記一側電極セルと前記他側電極セルとが、前記重錘体の長手方向に対して軸対称に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電容量型加速度センサ。
【請求項4】
前記電極セル構造が、前記重錘体の長手方向に沿って複数連続的に配列されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の静電容量型加速度センサ。
【請求項5】
前記重錘体の長手方向が、X軸方向又はY軸方向に配置されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の静電容量型加速度センサ。
【請求項6】
基板上に弾性部材を介して設けられた重錘体に一体的に構成された櫛歯状の可動電極と、該可動電極と対向配置された櫛歯状の固定電極とを備えた静電容量型加速度センサにおいて、
前記重錘体の一側に設けられた可動電極と、該可動電極を挟むように配置された一方の第1の固定電極と、前記可動電極を挟むように配置された他方の第2の固定電極とで構成された一側電極セルと、
前記重錘体の他側に設けられた可動電極と、該可動電極を挟むように配置された一方の第1の固定電極と、前記可動電極を挟むように配置された他方の第2の固定電極とで構成された他側電極セルと、
前記一側電極セルと前記他側電極セルとで電極セル構造を構成し
前記可動電極が、前記重錘体の長手方向に対して垂直方向に配置されており、
前記一側電極セルの前記第1の固定電極は、前記一側電極セルの前記可動電極の前記重錘体側でない端部の一部を覆うように形成され、
前記一側電極セルの前記第2の固定電極は、前記一側電極セルの前記可動電極に対して前記一側電極セルの前記第1の固定電極と対称となるように形成され、
前記他側電極セルの前記第1の固定電極は、前記他側電極セルの前記可動電極の前記重錘体側でない端部の一部を覆うように形成され、
前記他側電極セルの前記第2の固定電極は、前記他側電極セルの前記可動電極に対して前記他側電極セルの前記第1の固定電極と対称となるように形成されていることを特徴とする静電容量型加速度センサ。
【請求項7】
前記一側電極セルと前記他側電極セルとが、前記重錘体の長手方向に対して軸対称に配置されていることを特徴とする請求項に記載の静電容量型加速度センサ。
【請求項8】
前記第1の固定電極と前記第2の固定電極とが、前記可動電極を介して対向配置されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の静電容量型加速度センサ。
【請求項9】
前記電極セル構造が、前記重錘体の長手方向に沿って複数連続的に配列されていることを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の静電容量型加速度センサ。
【請求項10】
前記重錘体の長手方向をX軸又はY軸に配置されていることを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の静電容量型加速度センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量型加速度センサに関し、より詳細には、可動電極に対向する固定電極の容量が、検出軸に垂直な方向に加速度がかかった際に、容量変化を起こさない電極配置パターン構造を有し、表面MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)における差動式の静電容量型加速度センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の静電容量型加速度センサとしては、例えば、特許文献1に開示されているような、櫛歯状電極を用いた静電容量型加速度センサが知られている。また、実質的に櫛歯状の電極を備えた差動式静電容量型加速度センサは、例えば、特許文献2に開示されている。
【0003】
図1は、特許文献2に開示されている従来の差動式静電容量型加速度センサを説明するための構成図である。この従来の差動式静電容量型加速度センサの電極の各々は、各コンデンサが複数の並列に接続されたより小さなキャパシタンスの「セル」から構成されている複数のセグメントから形成され、シリコン基板22上に、懸下されたポリシリコンビーム24が形成されている。このビーム24は、アンカ26A乃至26Dの上の基板の表面の上に載置されている。ビーム24は全体的にH形であり、2本の延びた細い足28及び32、並びにそれらの間に懸下されている横断中心部材34を有している。この中心部材34から一対のビームフィンガ36及び38が並列配向に、ビームの軸を横断するように垂れ下がっている。フィンガ36は静止部材42をその対向電極、すなわち、板として有している並列板コンデンサの一方の電極を形成している。同様に、フィンガ38は静止部材44をその対向板として有している第2並列板コンデンサの一方の電極を形成している。
【0004】
また、上述した特許文献以外に、上下又は左右対称の櫛歯を有する静電容量型加速度センサとしては、例えば、特許文献3乃至5に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−248016号公報
【特許文献2】特公平6−44008号公報
【特許文献3】特開2000−22171号公報
【特許文献4】特開2005−172543号公報
【特許文献5】特開2000−131075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図2(a)乃至(c)は、図1の差動容量検出型加速度センサにおける可動電極及び固定電極間の静電容量の関係を説明するための図で、図2(a)は上面図、図2(b)は図2(a)のA−A’線断面図、図2(c)は図2(a)のB−B’線断面図である。
【0007】
図中符号31は複数組ある可動電極と固定電極の1組(1Cell)、37は上部可動電極、36は下部可動電極、43は上部固定電極(L側)、46は上部固定電極(R側)、42は下部固定電極(L側)、47は下部固定電極(R側)、CL1〜CL4は、上部可動電極37及び下部可動電極36と上部固定電極(L側)43及び下部固定電極(L側)42との間に形成される容量、CR1〜CR4は、上部可動電極37及び下部可動電極36と上部固定電極(R側)46及び下部固定電極(R側)47との間に形成される容量を示している。
【0008】
ここで、加速度の検出軸方向に対する可動電極と固定電極との間の容量、すなわち図2のCL1,CL2,CR1,CR2は検出軸方向の重力加速度に対して大きく容量変化を起こす容量(主感度容量部と定義する)で、検出軸と垂直方向の容量、すなわち図2のCL3,CL4,CR3,CR4は検出軸方向と垂直な重力加速度に対し変化を起こす場所(副感度容量部と定義する)を示す。副感度容量部は重力加速度がかかっていない時(G=0)では、(CL1+CL2+CL3+CL4)−(CR1+CR2+CR3+CR4)=0となり、差動容量検出型の加速度センサにおいては、容量の差分が0であるため、G=0で出力が0、すなわち、オフセットが0である。一方、検出軸方向に垂直な加速度が加わった場合(G≠0)、CL1,CL2,CR1,CR2においては容量変化を起こさないので、(CL1+CL2)−(CR1+CR2)=0だが、CL3,CL4,CR3,CR4においては(CL3+CL4)−(CR3+CR4)≠0となり、本来、検出されないはずの出力が出る。これの意味する所は、検出軸と垂直方向に力が加わった際に容量変化を起こし、他軸感度として加速度の誤検出を起こすという問題があるということである。なお、ここで言う容量変化とは、L側の容量とR側の容量に容量差が起こる事を意味している。この問題は、可動電極に対向する固定電極の櫛の数や長さが互いに異なるために起こる。
【0009】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、可動電極に対向する固定電極の容量を、検出軸に垂直な方向に加速度がかかった際に、容量変化を起こさない電極配置パターン構造を有する静電容量型加速度センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、このような目的を達成するためになされたもので、本発明の一態様は、基板上に弾性部材を介して設けられた重錘体に一体的に構成された櫛歯状の可動電極と、該可動電極と対向配置された櫛歯状の固定電極とを備えた静電容量型加速度センサにおいて、前記重錘体の一側に設けられた一対の可動電極と、該一対の可動電極の外側に各々配置された一対の外側固定電極と、前記一対の可動電極間に各々配置された一対の内側固定電極とで構成された一側電極セルと、前記重錘体の他側に設けられた一対の可動電極と、該一対の可動電極の外側に各々配置された一対の外側固定電極と、前記一対の可動電極間に各々配置された一対の内側固定電極とで構成された他側電極セルとを備え、前記一側電極セルと前記他側電極セルとで電極セル構造を構成し、前記一対の可動電極が、前記重錘体の長手方向に対して垂直方向に配置されており、前記一側電極セルの前記一対の可動電極が、前記重錘体の一側に設けられた第1の可動電極と第2の可動電極とからなり、前記一対の外側固定電極が、前記一対の可動電極の外側に各々配置された第1の外側固定電極と第2の外側固定電極とからなり、前記一対の内側固定電極が、前記一対の可動電極間に各々配置された第2の内側固定電極と第1の内側固定電極とから構成され、前記他側電極セルの前記一対の可動電極が、前記重錘体の他側に設けられた第1の可動電極と第2の可動電極とからなり、前記一対の外側固定電極が、前記一対の可動電極の外側に各々配置された第1の外側固定電極と第2の外側固定電極とからなり、前記一対の内側固定電極が、前記一対の可動電極間に各々配置された第2の内側固定電極と第1の内側固定電極とから構成され、前記一側における前記第1の外側固定電極と前記第1の内側固定電極とが接続されているとともに、前記第2の外側固定電極と前記第2の内側固定電極とが接続され、前記他側における前記第1の外側固定電極と前記第1の内側固定電極とが接続されているとともに、前記第2の外側固定電極と前記第2の内側固定電極とが接続され、前記第1の外側固定電極と前記第2の内側固定電極とが、前記第1の可動電極を介して対向配置され、前記第2の外側固定電極と前記第1の内側固定電極とが、前記第2の可動電極を介して対向配置され、前記一側における前記第2の内側固定電極は、前記一側に設けられた前記第1の可動電極の前記重錘体側でない端部を覆うように形成され、さらに、前記一側における前記第1の外側固定電極は、この第2の内側固定電極の端部を覆うように形成され、前記他側における前記第2の内側固定電極は、前記他側に設けられた前記第1の可動電極の前記重錘体側でない端部を覆うように形成され、さらに、前記他側における前記第1の外側固定電極は、この第2の内側固定電極の端部を覆うように形成され、前記一側における前記第1の内側固定電極は、前記一側に設けられた前記第2の可動電極の前記重錘体側でない端部を覆うように形成され、さらに、前記一側における前記第2の外側固定電極は、この第1の内側固定電極の端部を覆うように形成され、前記他側における前記第1の内側固定電極は、前記他側に設けられた前記第2の可動電極の前記重錘体側でない端部を覆うように形成され、さらに、前記他側における前記第2の外側固定電極は、この第1の内側固定電極の端部を覆うように形成されていることを特徴とする
【0011】
また、本発明の他の態様は、上述の静電容量型加速度センサにおいて、前記一側における前記第1の可動電極、前記第2の内側固定電極、および前記第1の外側固定電極の構成と、前記一側における前記第2の可動電極、前記第1の内側固定電極、および前記第2の外側固定電極の構成とは、前記重錘体の長手方向に垂直な軸を中心に軸対称であり、前記他側における前記第1の可動電極、前記第2の内側固定電極、および前記第1の外側固定電極の構成と、前記他側における前記第2の可動電極、前記第1の内側固定電極、および前記第2の外側固定電極の構成とは、前記重錘体の長手方向に垂直な軸を中心に軸対称であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の他の態様は、上述の静電容量型加速度センサにおいて、前記一側電極セルと前記他側電極セルとが、前記重錘体の長手方向に対して軸対称に配置されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の他の態様は、上述の静電容量型加速度センサにおいて、前記電極セル構造が、前記重錘体の長手方向に沿って複数連続的に配列されていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の他の態様は、上述の静電容量型加速度センサにおいて、前記重錘体の長手方向が、X軸方向又はY軸方向に配置されていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の他の態様は、基板上に弾性部材を介して設けられた重錘体に一体的に構成された櫛歯状の可動電極と、該可動電極と対向配置された櫛歯状の固定電極とを備えた静電容量型加速度センサにおいて、前記重錘体の一側に設けられた可動電極と、該可動電極を挟むように配置された一方の第1の固定電極と、前記可動電極を挟むように配置された他方の第2の固定電極とで構成された一側電極セルと、前記重錘体の他側に設けられた可動電極と、該可動電極を挟むように配置された一方の第1の固定電極と、前記可動電極を挟むように配置された他方の第2の固定電極とで構成された他側電極セルと、前記一側電極セルと前記他側電極セルとで電極セル構造を構成し、前記可動電極が、前記重錘体の長手方向に対して垂直方向に配置されており、前記一側電極セルの前記第1の固定電極は、前記一側電極セルの前記可動電極の前記重錘体側でない端部の一部を覆うように形成され、前記一側電極セルの前記第2の固定電極は、前記一側電極セルの前記可動電極に対して前記一側電極セルの前記第1の固定電極と対称となるように形成され、前記他側電極セルの前記第1の固定電極は、前記他側電極セルの前記可動電極の前記重錘体側でない端部の一部を覆うように形成され、前記他側電極セルの前記第2の固定電極は、前記他側電極セルの前記可動電極に対して前記他側電極セルの前記第1の固定電極と対称となるように形成されていることを特徴とする
【0020】
また、本発明の他の態様は、上述の静電容量型加速度センサにおいて、前記一側電極セルと前記他側電極セルとが、前記重錘体の長手方向に対して軸対称に配置されていることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の他の態様は、上述の静電容量型加速度センサにおいて、前記第1の固定電極と前記第2の固定電極とが、前記可動電極を介して対向配置されていることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の他の態様は、上述の静電容量型加速度センサにおいて、前記電極セル構造が、前記重錘体の長手方向に沿って複数連続的に配列されていることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の他の態様は、上述の静電容量型加速度センサにおいて、前記重錘体の長手方向をX軸又はY軸に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、従来技術の構造に対して可動電極と固定電極の容量が、検出軸に垂直な方向に加速度がかかった際に容量変化を起こさない容量を提供する。これにより従来構造に対して他軸感度が小さくできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】特許文献2に開示されている従来の静電容量型加速度センサを説明するための構成図である。
図2図1に示した静電容量型加速度センサにおける可動電極及び固定電極間の静電容量の関係を説明するための図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’線断面図、(c)は(a)のB−B’線断面図である。
図3】本発明に係る静電容量型加速度センサの前提となる構成図で、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A’線断面図である。
図4図2に示した静電容量型加速度センサにおける信号検出ブロック図である。
図5】本発明に係る静電容量型加速度センサの実施例1を説明するための構成図である。
図6図5に示した実施例1における可動電極及び固定電極間の静電容量の関係を説明するための図で、(a)は上面図、(b)は(a)のC−C’線断面図、(c)は(a)のD−D’線断面図である。
図7】本発明の実施例1に係る静電容量型加速度センサを用いた静電容量型加速度装置を説明するためのブロック図である。
図8】本発明に係る静電容量型加速度センサの実施例2を説明するための構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の各実施例を説明する前に、本発明に係る静電容量型加速度センサの前提となる構成について以下に説明する。
図3(a),(b)は、本発明に係る静電容量型加速度センサの前提となる構成図で、図3(a)は上面図、図3(b)は図3(a)のA−A’線断面図である。図中符号80は静電容量型加速度センサ、81は基板、82は重錘体(おもり)、83は弾性部材(バネ)、84はアンカ(支柱部材)、85は可動電極、86は固定電極を示している。
【0027】
静電容量型加速度センサ80は、基板81上に離間状態で配置された変位可能な重錘体(おもり)82と、この重錘体82に設けられた可動電極85と、この可動電極85を挟み込むようにして対向して配置された一対の固定電極86,86とを備え、可動電極と固定電極間の静電容量の変化を重錘体82の変位に基づいて検出するものである。
【0028】
また、可動電極85は、複数の薄板状の櫛歯状の可動電極で、この櫛歯状の可動電極を挟むようにして配置された一対の固定電極86,86は、複数の薄板状の櫛歯状の固定電極である。また、これらの櫛歯状の可動電極は、重錘体82の変位方向であるX軸方向に対してY軸方向の両側に設けられているとともに、一対の櫛歯状の固定電極は、櫛歯状の可動電極に対向して配置されている。
【0029】
また、重錘体82は、基板81上に設けられたアンカ(支柱部材)84に梁部材(弾性部材)83を介して取り付けられている。この梁部材83の一方は、支柱部材84に結合されており、梁部材83の他方は、重錘体82に結合されている。そして、この梁部材83は、重錘体82の水平方向の変位に対して弾性力を持って変位するばね部材である。
【0030】
このような構成により、重錘体82が変位した際に、可動電極85と固定電極86,86間に生じる容量変化を検出することができる。
【0031】
なお、図3では、X軸方向の加速度を検出する場合について説明したが、Y軸方向の加速度を検出する場合には、図3に示した静電容量型加速度センサ80を90度回転したものを使用すれば、Y軸方向の加速度出力が得られる。
【0032】
図4は、図3に示した静電容量型加速度センサにおける信号検出ブロック図である。図4に示されている静電容量型加速度センサは、図3において説明したような静電容量型加速度センサ80と同じ構造を有している。また、説明の都合上、固定電極86は、左側固定電極86Lと右側固定電極86Rとし、可動電極85と左固定電極86L間の容量をC、可動電極85と右固定電極86R間の容量をCとしている。
【0033】
ドライブ回路91は、CV変換回路92a,92bへCL、CRにチャージされた電荷Qを渡すためのもので、可動電極85に接続されている。このQの変化をCV変換回路92a,92bは電圧変換する。X軸方向に加速度が印加され、CLとCRに容量変化が起きた時、CV変換回路92a,92bを通して、CLとCRの容量差を差動増幅器93で出力として取り出す。この出力がX軸方向の加速度出力となる。
【0034】
以下、図面を参照して本発明の各実施例について説明する。
【実施例1】
【0035】
図5は、本発明に係る静電容量型加速度センサの実施例1を説明するための構成図で、図中符号100は本実施例1に係る静電容量型加速度センサで、この静電容量型加速度センサ100は、一側電極セルA1と他側電極セルA2とからなる電極セル構造Aを、重錘体101の長手方向に沿って複数連続的に配列した構造を備えている。
【0036】
一側電極セルA1は、基板110上に弾性部材103を介して設けられた重錘体101に一体的に構成された櫛歯状の可動電極101a,101bと、この可動電極101a,101bと対向配置された櫛歯状の固定電極111a,111b,112a,112bとを備えている。
【0037】
つまり、一側電極セルA1は、重錘体101の一側に設けられた一対の可動電極101a,101bと、この一対の可動電極101a,101bの外側に各々配置された一対の外側固定電極111a,112aと、この一対の可動電極101a,101b間に各々配置された一対の内側固定電極111b,112bとで構成されている。
【0038】
そして、一側電極セルA1の一対の可動電極101a,101bは、重錘体101の一側に設けられた第1の可動電極101aと第2の可動電極101bとからなり、一対の外側固定電極111a,112aは、この一対の可動電極101a,101bの外側に各々配置された第1の外側固定電極111aと第2の外側固定電極112aとからなり、一対の内側固定電極111b,112bは、一対の可動電極101a,101b間に各々配置された第2の内側固定電極112bと第1の内側固定電極111bとから構成されている。
【0039】
また、他側電極セルA2は、基板110上に弾性部材103を介して設けられた重錘体101に一体的に構成された櫛歯状の可動電極102a,102bと、この可動電極102a,102bと対向配置された櫛歯状の固定電極121a,121b,122a,122bとを備えている。
【0040】
つまり、他側電極セルA2は、重錘体101の他側に設けられた一対の可動電極102a,102bと、この一対の可動電極102a,102bの外側に各々配置された一対の外側固定電極121a,122aと、一対の可動電極102a,102b間に各々配置された一対の内側固定電極121b,122bとで構成されている。
【0041】
そして、他側電極セルA2の一対の可動電極102a,102bは、重錘体101の他側に設けられた第1の可動電極102aと第2の可動電極102bとからなり、一対の外側固定電極121a,122aは、この一対の可動電極102a,102bの外側に各々配置された第1の外側固定電極121aと第2の外側固定電極122aとからなり、一対の内側固定電極121b,122bは、一対の可動電極102a,102b間に各々配置された第2の内側固定電極122bと第1の内側固定電極121bとから構成されている。
【0042】
また、一側の一対の可動電極101a,101b及び他側の一対の可動電極102a,102bは、重錘体101の長手方向に対して垂直方向に配置されている。また、一側電極セルA1と他側電極セルA2とは、重錘体101の長手方向に対して軸対称に配置されている。
【0043】
また、一側における第1の外側固定電極111aと第1の内側固定電極111bとが接続されているとともに、第2の外側固定電極112aと第2の内側固定電極112bとが接続され、他側における前記第1の外側固定電極121aと第1の内側固定電極121bとが接続されているとともに、第2の外側固定電極122aと第2の内側固定電極122bとが接続されている。
【0044】
また、一側における第1の外側固定電極111aと第2の内側固定電極112bとが、第1の可動電極101aを介して対向配置され、第2の外側固定電極112aと第1の内側固定電極111bとが、第2の可動電極101bを介して対向配置されている。
【0045】
さらに、他側における第1の外側固定電極121aと第2の内側固定電極122bとが、第1の可動電極102aを介して対向配置され、第2の外側固定電極122aと第1の内側固定電極121bとが、第2の可動電極102bを介して対向配置されている。
【0046】
なお、上述した実施例1においては、X軸方向の加速度を検出するために、重錘体の長手方向がX軸方向に配置されている場合について説明したが、重錘体の長手方向をY軸方向に配置すれば、Y軸方向の加速度が検出できることは明らかである。
【0047】
図6(a)乃至(c)は、図5に示した実施例1における可動電極及び固定電極間の静電容量の関係を説明するための図で、図6(a)は上面図、図6(b)は図6(a)のC−C’線断面図、図6(c)は図6(a)のD−D’線断面図である。
【0048】
図中符号CL1,CL2,CL5,CL6は、可動電極101a及び可動電極102aと外側固定電極111a及び外側固定電極121aとの間に形成される容量、CL3,CL4,CL7,CL8は、可動電極101b及び可動電極102bと内側固定電極111b及び内側固定電極121bとの間に形成される容量、CR1,CR2,CR5,CR6は、可動電極101a及び可動電極102aと内側固定電極112b及び内側固定電極122bとの間に形成される容量、CR3,CR4,CR7,CR8は、可動電極101b及び可動電極102bと外側固定電極112a及び外側固定電極122aとの間に形成される容量を示している。
【0049】
加速度がかかっていない時(G=0)は、(CL1+CL2+・・・・+CL8)−(CR1+CR2+・・・・+CR8)=0となり、オフセットに対しマッチングが取れ、かつ、検出軸に垂直な方向に加速度がかかった時(G≠0)は、CL1,CL2,CL3,CL4,CR1,CR2,CR3,CR4においては検出軸と垂直な加速度に対しては不感であり、CL5=CR7,CR5=CL7,CL6=CR8,CR6=CL8であるから(CL5+CL6+・・・・+CL8)−(CR5+CR6+・・・・+CR8)=0となり、この構成は他軸感度に対して有効であることが分かる。
【0050】
上述したように、実施例1の静電容量型加速度センサにおいて、固定電極の配置を最適にすることで、可動電極に対向する固定電極の容量が、検出軸に垂直な方向に加速度がかかった際に、容量変化を起こさない電極配置パターン構造を提供することができる。この構造において、他軸感度が小さくするようにした静電容量型加速度センサ及びそれを用いた静電容量型加速度装置を提供することができる。
【0051】
図7は、本発明の実施例1に係る静電容量型加速度センサを用いた静電容量型加速度装置を説明するためのブロック図である。図7に示されている静電容量型加速度センサは、図6において説明したような静電容量型加速度センサ100と同じ構造を有している。
【0052】
ドライブ回路91は、CV変換回路92aへCL1,CL2,CL5,CL6及びCL3,CL4,CL7,CL8にチャージされた電荷Qを渡し、また、CV変換回路92bへCR1,CR2,CR5,CR6及びCR3,CR4,CR7,CR8にチャージされた電荷Qを渡すためのもので、可動電極101に接続されている。このQの変化をCV変換回路92a,92bは電圧変換する。X軸方向に加速度が印加され、CL1,CL2,CL5,CL6及びCL3,CL4,CL7,CL8と、CR1,CR2,CR5,CR6及びCR3,CR4,CR7,CR8に容量変化が起きた時、CV変換回路92a,92bを通して、CL1,CL2,CL5,CL6及びCL3,CL4,CL7,CL8と、CR1,CR2,CR5,CR6及びCR3,CR4,CR7,CR8の容量差を差動増幅器93で出力として取り出す。この出力がX軸方向の加速度出力となる。
【0053】
このように、上述した実施例1における静電容量型加速度センサを用いて、センサの出力信号から信号処理回路を介して加速度を検出する静電容量型加速度装置を実現することができる。
【実施例2】
【0054】
図8は、本発明に係る静電容量型加速度センサの実施例2を説明するための構成図で、図中符号200は、本実施例2に係る静電容量型加速度センサ、この静電容量型加速度センサ200は、一側電極セルB1と他側電極セルB2とからなる電極セル構造Bを、重錘体201の長手方向に沿って複数連続的に配列した構造を備えている。
【0055】
一側電極セルB1は、基板210上に弾性部材(図示せず)を介して設けられた重錘体201に一体的に構成された櫛歯状の可動電極201aと、この可動電極201aと対向配置された櫛歯状の固定電極211,212とを備えている。
【0056】
つまり、一側電極セルB1は、重錘体201の一側に設けられた可動電極201aと、この可動電極201aを挟むように配置された一方の第1の固定電極(L)211と、可動電極201aを挟むように配置された他方の第2の固定電極(R)212とで構成されている。
【0057】
また、他側電極セルB2は、基板210上に弾性部材(図示せず)を介して設けられた重錘体201に一体的に構成された櫛歯状の可動電極202aと、この可動電極202aと対向配置された櫛歯状の固定電極221,222とを備えている。
【0058】
つまり、他側電極セルB2は、重錘体201の他側に設けられた可動電極202aと、この可動電極202aを挟むように配置された一方の第1の固定電極(L)221と、可動電極202aを挟むように配置された他方の第2の固定電極(R)222とで構成されている。
【0059】
また、一側の可動電極201a及び他側の可動電極202aは、重錘体201の長手方向に対して垂直方向に配置され、一側電極セルB1と他側電極セルB2とは、重錘体201の長手方向に対して軸対称に配置されている。
【0060】
また、一側における第1の固定電極211と第2の固定電極212とは、可動電極201aを介して対向配置され、他側における第1の固定電極221と第2の固定電極222とは、可動電極202aを介して対向配置されている。
【0061】
なお、上述した実施例2においては、X軸方向の加速度を検出するために、重錘体の長手方向がX軸方向に配置されている場合について説明したが、重錘体の長手方向をY軸方向に配置すれば、Y軸方向の加速度が検出できることは明らかである。
【0062】
上述した実施例2における静電容量型加速度センサを用いて、センサの出力信号から信号処理回路を介して加速度を検出する静電容量型加速度装置を実現することができる。
【0063】
上述したように、実施例2の静電容量型加速度センサにおいて、固定電極の配置を最適にすることで、上述したように、実施例1の静電容量型加速度センサにおいて、固定電極の配置を最適にすることで、可動電極に対向する固定電極の容量が、検出軸に垂直な方向に加速度がかかった際に、容量変化を起こさない電極配置パターン構造を提供することができる。この構造において、他軸感度が小さくするようにした静電容量型加速度センサ及びそれを用いた静電容量型加速度装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0064】
22 シリコン基板
24 ポリシリコンビーム
26A乃至26D アンカ
28,32 細い足
34 横断中心部材
36,38 ビームフィンガ
42,44 静止部材
62A乃至62D セル
80 静電容量型加速度センサ
81 基板
82 重錘体(おもり)
83 弾性部材(バネ)
84 アンカ(支柱部材)
85 可動電極
86 固定電極
91 ドライブ回路
92a,92b CV変換回路
93 差動増幅器
100,200 静電容量型加速度センサ
101,201 重錘体
103 弾性部材
110,210 基板
101a,101b,201a 一側の可動電極
111a,111b,112a,112b,211,212 一側の固定電極
102a,102b,202a 他側の可動電極
121a,121b,122a,122b,221,222 他側の固定電極
A1,B1 一側電極セル
A2,B2 他側電極セル
A,B 電極セル構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8