特許第5702139号(P5702139)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5702139
(24)【登録日】2015年2月27日
(45)【発行日】2015年4月15日
(54)【発明の名称】液体原料気化装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/448 20060101AFI20150326BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20150326BHJP
【FI】
   C23C16/448
   H01L21/205
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-515300(P2010-515300)
(86)(22)【出願日】2010年4月19日
(86)【国際出願番号】JP2010056908
(87)【国際公開番号】WO2010122972
(87)【国際公開日】20101028
【審査請求日】2013年1月30日
(31)【優先権主張番号】特願2009-103228(P2009-103228)
(32)【優先日】2009年4月21日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000127961
【氏名又は名称】株式会社堀場エステック
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100113468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】家城 孝之
(72)【発明者】
【氏名】林 達也
【審査官】 今井 淳一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−317374(JP,A)
【文献】 特表2005−533179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/448
H01L 21/205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体原料が貯留される液体原料容器と、
前記液体原料容器の少なくとも側壁に設けられて、貯留された液体原料を加熱するための第1のヒータと、
前記液体原料容器の内部に設けられて、貯留された液体原料を加熱するための第2のヒータと、
貯留された液体原料中に浸漬されるとともに、前記第2のヒータ及び前記側壁との間に設けられ、前記液体原料中にキャリアガスを放出してバブリングするための複数の気泡発生器と、
前記気泡発生器にキャリアガスを供給するガス供給管と、を備え
前記複数の気泡発生器により生じる気泡が、前記側壁内面の近傍及び前記第2のヒータの近傍を通過するように、前記複数の気泡発生器が、鉛直投影において前記側壁及び前記第2のヒータと重ならないように、前記第2のヒータの近傍から前記液体原料容器の側壁の近傍に亘って設けられている液体原料気化装置。
【請求項2】
前記複数の気泡発生器が、前記液体原料容器の中心軸を中心として放射状に且つ等間隔に設けられている請求項1記載の液体原料気化装置。
【請求項3】
前記複数の気泡発生器が同一の構成のものであり、前記ガス供給管が、前記複数の気泡発生器に一定流量のキャリアガスを供給するための定流量器を備える請求項1記載の液体原料気化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリアガスを用いたバブリング法により液体原料を気化させる液体原料気化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の液体原料気化装置としては、例えば特許文献1に示すように、液体原料を貯留する液体原料容器と、当該液体原料容器内に貯留された液体原料をキャリアガスによってバブリングするためのキャリアガス導入管と、液体原料容器の上部空間(気相)に接続され、バブリング後のガスを液体原料容器外に供給するためのバブリングガス出力管とを備えるものがある。そして、キャリアガス導入管の先端部は液体原料に浸漬され、その先端部には、複数の細管で構成されるバブリングノズルが接続されている。このバブリングノズルにより生じた気泡が液体原料中を浮き上がっていく過程で、気泡中に液体原料を気化させることによって、キャリアガスとともに気体になった原料が外部に供給される。また、液体原料容器の外面には、貯留する液体原料を一定温度に加熱するためのヒータが設けられ、液体原料を均一な温度分布にすべく構成されている。
【0003】
しかしながら、バブリングノズルにより生じた気泡は、液体原料容器内面又はその容器内の構成部品に付着してしまい、これによって気泡同士が再結合し、気泡が肥大化してしまうという問題がある。このように気泡が肥大化してしまうと、液体原料が気泡中に気化する割合が小さくなってしまい、気泡中に液体原料を飽和させることができず、気化効率が低下してしまう。
【0004】
また、液体原料容器が大型のものであれば、バブリングノズルによって生じた気泡の移動領域が一部に限定されてしまうため、気泡による液体原料の攪拌効果が得られず、液体原料の温度分布を均一に保つことが難しくなるという問題がある。なお、液体原料容器が大型化すれば、ヒータを液体原料容器の外面に設けるだけでは、液体原料の温度分布を均一にするように加熱することが難しくなるという問題もある。ここで、バブリングノズルを気泡が液体原料容器の内面に当たるように設け、液体原料を攪拌させることも考えられるが、上述したように液体原料内面に気泡が付着し、これによって気泡同士が再結合し、気泡が肥大化してしまうという問題が生じてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平06−267852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決するためになされたものであり、気泡の再結合を防止して気泡の肥大化を抑制するとともに、貯留された液体原料の温度分布を均一にすることをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係る液体原料気化装置は、液体原料が貯留される液体原料容器と、前記液体原料容器の少なくとも側壁に設けられて、貯留された液体原料を加熱するための第1のヒータと、前記液体原料容器の内部に設けられて、貯留された液体原料を加熱するための第2のヒータと、貯留された液体原料中に浸漬されるとともに、前記第2のヒータ及び前記側壁との間に設けられ、前記液体原料中にキャリアガスを放出してバブリングするための複数の気泡発生器と、前記気泡発生器にキャリアガスを供給するガス供給管と、を備え、前記複数の気泡発生器により生じる気泡が、前記液体原料容器の側壁内面の近傍及び前記第2のヒータの近傍を通過するように、前記複数の気泡発生器が、前記第2のヒータの近傍から前記液体原料容器の側壁の近傍に亘って設けられていることを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、液体原料容器の側壁及び内部中央部に第1のヒータ及び第2のヒータを設けているので、液体原料容器内に貯留された液体原料の温度分布の均一化を容易にすることができる。また、気泡発生器を第2のヒータ及び側壁内面の間に設けているので、第2のヒータ及び側壁内面に気泡を接触しにくくすることができ、それらに気泡が付着することによる気泡の肥大化を防ぐことができる。また、液体原料容器内に対流を形成することもでき、液体原料の攪拌を行うことができる。さらに、複数の気泡発生器を設けることによって、液体原料容器が大型のものであっても、各気泡発生器により生じた気泡により液体原料の攪拌効果を十分に発揮することができ、貯留された液体原料の温度分布の均一化を容易にすることができる。
【0009】
前記複数の気泡発生器により生じる気泡が、前記液体原料容器の側壁内面の近傍及び前記第2のヒータの近傍を通過するように、前記複数の気泡発生器が、前記第2のヒータの近傍から前記液体原料容器の側壁の近傍に亘って設けられていることによって、気泡を液体原料容器の側壁内面及び第2のヒータに付着しにくくしながらも、気泡発生器により生じた気泡により液体原料の温度分布を一層均一化させることができる。第2のヒータの近傍とは、第2のヒータと液体原料との間に生じる温度勾配領域内であって、且つ、気泡が生じている状態において、第2のヒータへの気泡の付着による影響が実質的に無視できる程度の位置である。側壁内面の近傍とは、側壁内面と液体原料との間に生じる温度勾配領域内であって、且つ、気泡が生じている状態において、側壁内面への気泡の付着による気化効率などの影響が実質的に無視できる程度の位置である。
【0010】
また、液体原料の温度分布をより一層均一化させるためには、前記複数の気泡発生器が前記液体原料容器の中心軸を中心として放射状に且つ等間隔に設けられていることが望ましい。
【0011】
各気泡発生器から生じる気泡を一定にすることによって、液体原料の温度分布を精度良く均一にするためには、前記複数の気泡発生器が同一の構成のものであり、前記ガス供給管が、前記複数の気泡発生器に一定流量のキャリアガスを供給するための定流量器を備えることが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
このように構成した本発明によれば、気泡の再結合を防止して気泡の肥大化を抑制するとともに、液体原料容器に貯留された液体原料の温度を均一にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る液体原料気化装置の全体構成図である。
図2】同実施形態の気泡発生器の配置態様を示す模式図である。
図3】側壁内面及び第2ヒータの間の液体原料の温度分布を示す図である。
図4】同実施形態の分岐管及び気泡発生器の管継手を示す断面図である。
図5】変形実施形態に係る液体原料気化装置を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0014】
100・・・液体原料気化装置
2 ・・・液体原料容器
3 ・・・第1のヒータ
4 ・・・第2のヒータ
5 ・・・気泡発生器
6 ・・・ガス供給管
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明に係る液体原料気化装置の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
本実施形態に係る液体原料気化装置100は、CVD法などを用いた成膜装置にその成膜原料となる液体原料をバブリング法により気化して供給するものであり、図1に示すように、テトラエトキシシラン(TEOS)等の液体原料が貯留される液体原料容器2と、液体原料容器2の側壁、上壁、下壁に設けられて、貯留された液体原料を所定温度に加熱するための第1のヒータ3と、液体原料容器2の内部中央部に設けられて、貯留された液体原料を所定温度に加熱するための第2のヒータ4と、貯留された液体原料中に浸漬されるとともに、第2のヒータ4及び側壁との間に設けられ、前記液体原料中にキャリアガスを放出してバブリングするための複数の気泡発生器5と、気泡発生器5に窒素又はアルゴン等のキャリアガスを供給するガス供給管6と、を備える。
【0017】
液体原料容器2は、概略回転体形状をなすステンレス製の密閉容器であり、液体原料が貯留された状態において形成される上部空間(気相)には、バブリング後の気化した液体原料をキャリアガスとともに成膜装置(不図示)に供給するためのガス導出管7が接続されている。なお、図1においてガス導出管7が液体原料容器2の上壁に接続されている図を示している。
【0018】
第1のヒータ3は、液体原料容器2の側壁、上壁及び下壁の外表面全体に接触又は近接して設けられている。また、第2のヒータ4は、液体原料容器2の内部中央部に上下方向に延びるように、上壁に支持されて設けられている。なお、第1のヒータ3及び第2のヒータ4は、液体原料を所定温度(例えば50℃)に加熱するために、図示しない制御部により同一の温度(例えば50℃)に昇温されている。
【0019】
気泡発生器5は、液体原料中にキャリアガスを放出して所定径を有する多数の気泡を形成させるものであり、各気泡発生器5の構成は同一である。気泡の径は、浮上距離及び気泡中に液体原料が気化して飽和する程度のものであり、例えば1mm程度である。また、気泡発生器5に供給されるキャリアガスの流量は、後述するマスフローコントローラ(MFC)8及び定流量器により決定される。
【0020】
また、気泡発生器5は、液体原料容器2の底部近傍に設けられており、具体的には、第2のヒータ4の下側において、第2のヒータ4の径方向外側に位置するように設けられている。より詳細には、気泡発生器5により生じる気泡が、液体原料容器2の側壁内面の近傍及び第2のヒータ4の近傍を通過するように、気泡発生器5が設けられている。本実施形態では、気泡発生器5は、図2に示すように、第2のヒータ4及び容器2の側壁との間において、第2のヒータ4の近傍から容器2の側壁の近傍に亘って設けられている。つまり、鉛直投影において、第2のヒータ4及び容器2側壁と気泡発生器5とが互いに重ならないように設けられている。さらに、気泡発生器5は、図2に示すように、液体原料容器2の中心軸Cを中心として放射状に且つ等間隔に設けられている。
【0021】
ここで、第2のヒータ4の近傍とは、図3に示すように、第2のヒータ4と液体原料との間に生じる温度勾配領域(図3の「第2ヒータ側の温度勾配領域」)内であって、且つ、気泡が生じている状態において、第2のヒータ4への気泡の付着による影響が実質的に無視できる程度の位置である。側壁内面の近傍とは、側壁内面と液体原料との間に生じる温度勾配領域(図3の「側壁側の温度勾配領域」)内であって、且つ、気泡が生じている状態において、側壁内面への気泡の付着による気化効率などの影響が実質的に無視できる程度の位置である。温度勾配領域とは、液体原料の液面又は所定の深さにおいてヒータ3、4から水平方向に離れるに連れて液体原料の温度が変化する領域である。なお、図3は、所定の深さXにおける液体原料の温度分布及びその温度勾配領域を示している。
【0022】
第2のヒータ4と液体原料との間に生じる温度勾配領域は、第2のヒータ4の運転開始時(加熱開始時)と加熱安定時とで異なり、運転開始時における温度勾配領域よりも加熱安定時の温度勾配領域の方が狭い。したがって、気泡発生器5を第2のヒータ4に可及的に近づけるためには、加熱安定時における側壁内面と液体原料との間に生じる温度勾配領域内に設けられることが好ましい。また、側壁内面と液体原料との間に生じる温度勾配領域は、第1のヒータ3の運転開始時(加熱開始時)と加熱安定時とで異なり、運転開始時における温度勾配領域よりも加熱安定時の温度勾配領域の方が狭い。したがって、気泡発生器5を側壁内面に可及的に近づけるためには、加熱安定時における側壁内面と液体原料との間に生じる温度勾配領域内に設けられることが好ましい。
【0023】
ガス供給管6は、液体原料容器2の上壁から内部に挿入して設けられており、本実施形態では第2のヒータ4に沿って設けられている。具体的にガス供給管6は、液体原料容器2の上壁から内部に挿入して設けられ、第2のヒータ4に沿ってその下端下方まで延びる1本の主管61と、当該主管61の下端において分岐し、液体原料容器2の径方向に延びる複数の分岐管62とからなる。
【0024】
主管61は、その管軸が液体原料容器2の中心軸Cと略平行となるように設けられており、分岐管62は、主管61の管軸と略直交する方向に放射状に、且つ径方向において等間隔となるように分岐している。そして、分岐管62の先端に気泡発生器5が接続されている。つまり、ガス供給管6は、第2のヒータ4の下端下側において分岐している構成としている。なお、主管61にはキャリアガスの流量を制御するためのマスフローコントローラ(MFC)8及びキャリアガスを予熱するための予熱器9が設けられている。
【0025】
このように気泡発生器5の上部には主管61のみの配管が存在する構成となり、気泡発生器5の上部の配管構成を簡単化することができ、気泡発生器5から生じる気泡が配管に接触することを可及的に抑制することができる。
【0026】
また、分岐管62と気泡発生器5とは、図4に示すように、例えばVCR継手等の管継手10により接続されている。そして、この管継手10の内部に設けられる円環状の金属製のシール材(ガスケット)11の開口径を小さくすることによって、定流量器としてのオリフィスを構成している。各分岐路62と各気泡発生器5との管継手10は同一の構成であり、さらにその内部のシール材11も同一の構成である。これにより、各気泡発生器5に供給されるキャリアガスの供給流量が同一となるように構成している。
【0027】
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態に係る液体原料気化装置100によれば、液体原料容器2の側壁及び内部中央部に第1のヒータ3及び第2のヒータ4を設けているので、液体原料容器2内に貯留された液体原料の温度分布の均一化を容易にすることができる。また、気泡発生器5を第2のヒータ4及び側壁内面の間に設けているので、第2のヒータ4及び側壁内面に気泡を接触しにくくすることができ、それらに気泡が付着することによる気泡の肥大化を防ぐことができる。また、複数の気泡発生器5を設けることによって、液体原料容器2が大型のものであっても、各気泡発生器5により生じた気泡により液体原料の攪拌効果を十分に発揮することができ、貯留された液体原料の温度分布の均一化を容易にすることができる。
【0028】
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0029】
例えば、前記実施形態では、キャリアガス供給管が1つの主管と複数の分岐管とから成るものであったが、キャリアガス供給管を分岐させることなく、各気泡発生器に1つのキャリアガス供給管を設けるようにしても良い。また、複数個の気泡発生器を群として、その群毎に前記実施形態と同様のキャリアガス供給管を設けるようにしても良い。
【0030】
また、キャリアガス供給管の接続位置としては、液体原料容器の上壁に限られず、側壁又は下壁であっても良い。
【0031】
さらに、前記実施形態では、キャリアガス供給管の分岐管に設ける定流量器をVCR継手内部に設けられるシール材を用いて構成しているが、別途分岐管上に定流量器を設けるようにしても良い。
【0032】
加えて、図5に示すように、複数個の気泡発生器を群として、各群毎にキャリアガス供給管6A、6Bを設け、各供給管6A、6Bに切替弁Vを設けることにより、供給管6A、6Bを切り替えて液体原料を気化させるように構成しても良い。この場合、各供給管6A、6B内の圧力を測定する圧力センサPを設け、使用している一方の供給管内の圧力が所定値以上に昇圧した場合に、気泡発生器5が詰まっている等の不具合があるとして、他方の供給管に切り替えることによって気泡を発生させるようにする。なお、図5においては、各キャリアガス供給管6A、6Bは上流側で合流しており、当該合流点に圧力センサPを設けて圧力を測定する構成を示している。これならば、一方のキャリアガス供給管に設けられた気泡発生器が詰まる等の不具合が生じた場合に、他方のキャリアガス供給管に切り替えることによって長期間の運転が可能となる。
【0033】
前記実施形態の液体材料気化装置は、複数の気泡発生器を用いて構成されているが、その他、環状(例えば円環状)をなす1つの気泡発生器を用いて第2のヒータを取り囲むように構成しても良い。
【0034】
その上、前記実施形態では、4つの気泡発生器を有するものであったが、キャリアガスの流量又は液体原料容器のサイズ、形状等の構成によって気泡発生器の個数は適宜変更可能である。
【0035】
さらに加えて、前記実施形態では、気泡発生器を放射状に等間隔に設けるようにしているが、気泡発生器の配置態様は、液体原料容器内の構成により適宜変更可能である。
【0036】
また、前記実施形態の液体原料気化装置が第2のヒータを有さないものであっても液体原料を気化することができるが、液体原料容器が大型化すると気化効率が低下してしまう。一方で、液体原料容器が小型のものであれば、第1のヒータのみで液体原料を充分に気化することができる。つまり、液体原料容器が小型のものであれば、液体原料気化装置は、液体原料が貯留される液体原料容器と、前記液体原料容器の少なくとも側壁に設けられて、貯留された液体原料を加熱するためのヒータと、貯留された液体原料中に浸漬されるとともに、前記液体原料中にキャリアガスを放出してバブリングするための複数の気泡発生器と、前記気泡発生器にキャリアガスを供給するガス供給管と、を備え、複数の気泡発生器により生じる気泡が前記液体原料容器の側壁内面の近傍通過するように、複数の気泡発生器が設けられていることが望ましい。
【0037】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明により、気泡の再結合を防止して気泡の肥大化を抑制するとともに、液体原料容器に貯留された液体原料の温度を均一にすることができる。
図1
図2
図3
図4
図5