(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
車両に配索されるワイヤハーネスは、車両に搭載されている各種の電子機器や、他のワイヤハーネスに対してコネクタを介して接続されており、このようなコネクタを例えば、車体パネル等の被取付け箇所に対して位置決め状態で保持するコネクタホルダが用いられている。
【0003】
また、車両には、上述したように、モータ類などの多種多様な電子機器が搭載されているが、例えば、ヘッドランプ及びテールランプなどのランプ類や、電動ミラーなどは、通常、車両の左右両側に搭載される。このため、コネクタホルダは、このような電子機器に向けて配索されるワイヤハーネスに接続するコネクタを保持するために、例えば、車両の左右各側のパネル等の被取付け箇所に取り付けられ、車両の左側と右側との一対で用いられることが多い。
【0004】
すなわち、コネクタホルダは、車両の左右各側で部品の共通化を図るために、車両の左右いずれの側でも対応して取り付け可能に対称形状で形成している場合が多い。
特許文献1のコネクタホルダもその一つである。
特許文献1のコネクタホルダは、コネクタを収容可能な内部空間を有するとともに、その内部空間を包囲する内壁面に前記コネクタを装着可能なコネクタ被装着部を有し、かつ被取付け箇所(被取付部)に固定可能な取付部を外面に有するホルダ本体を備えた構成であり、ホルダ本体の長手方向の中間部分に対して一方側と他方側とを対称形状で形成している。
【0005】
ここで、特許文献1のコネクタホルダを、例えば、車両の左右両側に有するパネル等の被取付け箇所のそれぞれに、コネクタホルダの取付部を、ホルダ本体の長手方向を上下方向に沿って配置した状態で取り付けることを想定した場合、コネクタホルダを、車両右側の被取付け箇所と車両左側の被取付け箇所とで上下反転した状態で取り付けることで、コネクタ被装着部に対するコネクタの装着方向は、車両右側の被取付け箇所と車両左側の被取付け箇所とで同じ方向になるように左右鏡面対称の状態で配置することができる。
すなわち、特許文献1のコネクタホルダは、ホルダ本体の長手方向の中間部分に対して一方側と他方側とを対称形状に形成することで、車両の左右各側で部品の共通化を図ることができる。
【0006】
ところで、近年の車両に搭載する電気機器の高機能化、複雑化、コンパクト化に伴って多数のワイヤハーネスがより高密度で複雑に配索する必要性が生じており、このような事態に対応すべく、コネクタホルダには、例えば、コネクタを装着するコネクタ被装着部に加えて、ワイヤハーネス自体を装着するハーネス装着部など、他の部材を保持する機能も一つの部品に兼ね備えたタイプのもの存在する。
【0007】
しかし、コネクタホルダは、このように、例えば、コネクタ被装着部に加えて、ハーネス装着部を備えるなどして、部品形状が複雑化した場合、全体の形状を対称形状で形成することが困難となり、例えば、車両の左右各側で部品の共通化を図ることができないという事態が生じていた。
【0008】
具体的には、例えば、ホルダ本体の長手方向の一方側にのみハーネス取付部を備えたコネクタホルダの場合、ホルダ本体の長手方向の中間部分に対して一方側と他方側とで対称形状とならない部品形状となる。
【0009】
このため、このようなコネクタホルダを、例えば、車両の左右両側の車体パネル等の被取付け箇所に取り付ける場合を想定すると、車両の左右各側において、上述したように、ホルダ本体の長手方向の一方側と他方側とで上下反転して被取付け箇所に取り付けようとしても、車両の左側の被取付け箇所と右側の被取付け箇所との間で左右鏡面対称の状態で取り付けることができないとう事態が生じていた。
これにより、車両の左右各側で部品の形態を共通化できないため、部品点数が多くなり、コストが多くなるという課題が生じていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこでこの発明は、例えば、コネクタを装着する被装着手段以外にもハーネスを装着する被装着手段等の他の被装着手段を備えるなどしてコネクタホルダ本体が非対称形状となる場合であっても、互いに対称な一対の取付け箇所のいずれの側においても被装着手段に対するコネクタの装着方向が同じ取り付け方向となるように、一対の被取付け箇所の間で部品の共通化を図ることができ、部品点数の削減を図ることができるコネクタホルダの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、コネクタの着脱を許容するコネクタ被装着部を備えたコネクタホルダであって、前記コネクタ被装着部を配置する被装着部配置面をコネクタホルダ本体に形成するとともに、前記コネクタ被装着部を、第1装着方向に沿って前記コネクタの装着を許容する第1方向コネクタ被装着部と、第2装着方向に沿って前記コネクタの装着を許容する第2方向コネクタ被装着部とで構成し、前記被装着部配置面における所定の仮想基準ラインに対して、該被装着部配置面内において直交する方向を面内直交方向とし、前記被装着部配置面に対して直交する方向を面外直交方向とし、前記コネクタホルダ本体を、前記仮想基準ラインに対して直交する所定直交断面において、前記面内直交方向、及び前記面外直交方向のうち、少なくとも一方向を基準として対称形状でない非対称形状で形成し、前記第1方向コネクタ被装着部、及び前記第2方向コネクタ被装着部を、前記仮想基準ラインに沿う方向に沿って配置するとともに、互いに反対方向となるように配置したことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、例えば、コネクタ装着手段以外にもハーネス装着手段等の他の手段を備えるなどして前記コネクタホルダ本体が非対称形状となる場合であっても、互いに対称な一対の被取付け箇所のいずれの側においてもコネクタの装着方向が同じ取り付け方向となるように取り付けることができる。
【0014】
従って、一対の被取付け箇所の間で部品を共通化することができ、部品点数の削減を図ることができる。
【0015】
詳しくは、上述した構成によれば、前記第1方向コネクタ被装着部、及び前記第2方向コネクタ被装着部のそれぞれを、前記第1装着方向と前記第2装着方向とが前記仮想基準ライン上において反対方向となるように配置したため、車両における互いに対称な一対の被取付け箇所のうち、一方の被取付け箇所に取り付けた際には、前記コネクタを、前記第1方向コネクタ被装着部によって、第1装着方向に沿って装着することができるとともに、他方の被取付け箇所に取り付けた際には、前記コネクタを、前記第2方向コネクタ被装着部によって、第2装着方向に沿って装着することができる。
【0016】
このように、前記コネクタホルダ本体を、前記仮想基準ラインに対して直交する所定直交断面において、前記面内直交方向、及び前記面外直交方向のうち、少なくとも一方向を基準として対称形状でない非対称形状で形成した場合であっても、車両における互いに対称となる一対の被取付け箇所のいずれの側においてもコネクタの装着方向が同じ取り付け方向となるように、コネクタをコネクタ被装着部に対して装着することができる。
従って、車両における互いに対称となる一対の被取付け箇所において部品の共通化を図ることができ、部品点数の削減を図ることができる。
【0017】
この発明の態様として、前記第1方向コネクタ被装着部を、所定の前記面内直交方向に対して一方側に配置するとともに、前記第2方向コネクタ被装着部を、所定の前記面内直交方向に対して他方側に配置し、前記第1方向コネクタ被装着部と前記第2方向コネクタ被装着部とを、所定の前記面内直交方向を基準として互いに対称に配置するとともに、対称形状で形成することができる。
【0018】
上述した構成によれば、前記第1方向コネクタ被装着部と前記第2方向コネクタ被装着部とを、所定の前記面内直交方向を基準として互いに対称に配置するとともに、対称形状で形成したため、前記コネクタホルダ本体が、前記仮想基準ラインに対して直交する所定直交断面において、前記面内直交方向、及び前記面外直交方向のうち、少なくとも一方向を基準として対称形状でない非対称形状であっても、上述したように、互いに対称となる一対の被取付け箇所のいずれにおいてもコネクタの装着方向が同じ取り付け方向となるようにコネクタを被装着部に対して装着することができる。
従って、車両における互いに対称となる一対の被取付け箇所において部品の共通化を図ることができ、部品点数の削減を図ることができる。
【0019】
しかも、前記第1方向コネクタ被装着部と前記第2方向コネクタ被装着部とを、所定の前記面内直交方向を基準として互いに対称に配置するとともに、対称形状で形成することで、互いに対称となる一対の被取付け箇所のうち、いずれの側の被取付け箇所に取り付けた場合においても、コネクタを、一対の被取付け箇所の一方側と他方側とにおいて、完全に同じ条件で被装着部に対して装着することができる。
またこの発明の態様として、前記第1方向コネクタ被装着部を、前記被装着部配置面において、前記コネクタホルダ本体に対して一体に形成した固定コネクタ被装着部で構成し、前記第2方向コネクタ被装着部を、前記仮想基準ラインに沿った投影形状が前記面外直交方向において前記固定コネクタ被装着部と重なり合わず、前記被装着部配置面から離間する移動コネクタ被装着部で構成し、前記コネクタホルダ本体と前記移動コネクタ被装着部とを、該移動コネクタ被装着部を非重合位置まで離間した状態から前記被装着部配置面の所定位置まで移動可能に連結する連結手段を備え、前記固定コネクタ被装着部、前記連結手段、及び前記移動コネクタ被装着部を一体に形成することができる。
【0020】
上述した構成によれば、第1装着方向に沿ってコネクタを装着する際に、被係合部を係合凹部に対して係合させることができるとともに、第2装着方向に沿ってコネクタを装着する際に、被係合部を係合凹部に対して係合させることができる。
【0021】
よって、コネクタを、第1方向コネクタ被装着部、及び第2方向コネクタ被装着部のうち少なくとも一方に対してしっかりと、且つ容易に装着することができる。
【0022】
ここで前記コネクタ被装着部には、被係合部として係合凹部を備えるとともに、前記コネクタの装着手段には、係合部として係合爪を備えて構成したが、この構成に限らず、前記コネクタ被装着部には、係合部として係合爪を備えるとともに、前記コネクタの装着手段には、被係合部として係合凹部を備えて構成してもよい。
【0023】
またこの発明の態様として、前記第1方向コネクタ被装着部を、前記被装着部配置面において、前記コネクタホルダ本体に対して一体に形成した固定コネクタ被装着部で構成し、前記第2方向コネクタ被装着部を、前記仮想基準ラインに沿った投影形状が前記面外直交方向において前記固定コネクタ被装着部と重なり合わず、前記被装着部配置面から離間する移動コネクタ被装着部で構成し、前記コネクタホルダ本体と前記移動コネクタ被装着部とを、該移動コネクタ被装着部を非重合位置まで離間した状態から前記被装着部配置面の所定位置まで移動可能に連結する連結手段を備え、前記固定コネクタ被装着部、前記連結手段、及び前記移動コネクタ被装着部を一体に形成することができる。
【0024】
上述した構成によれば、前記仮想基準ラインに沿ってコネクタホルダの成形前の部材に対して各側に成形型のうち一方側と他方側とのそれぞれを対向配置した状態からコネクタホルダを樹脂成形しようとした場合であっても、前記固定コネクタ被装着部と前記移動コネクタ被装着部とが、前記仮想基準ライン上に直列に配置されることがないため、互いの形状の影響を受けることなく前記固定コネクタ被装着部と前記移動コネクタ被装着部とのそれぞれを所望の形状に成形することができる。
【0025】
詳しくは、例えば、コネクタホルダを成形により形成する場合において、前記第1方向コネクタ被装着部と前記第2方向コネクタ被装着部とが前記仮想基準ラインに沿って配設されている場合には、それぞれの仮想基準ラインに沿った投影形状が前記面外直交方向において重なり合うことになる。
【0026】
そうすると、コネクタホルダに対して前記仮想基準ラインに沿って各側に、成形型の一方側と他方側とのそれぞれを対向配置した状態でコネクタホルダを成形しようとした場合には、成形型の成形面が接触しない奥張った部分が生じるため、単に、一方側の型と他方側の型とをラインに沿って組み合わせるだけでは成形できず、例えば、ライン方向に対して交差する方向に移動させる別の型が必要となり、工程も型も多くなるという課題が生じていた。
【0027】
これに対して、上述したように、前記固定コネクタ被装着部と前記移動コネクタ被装着部とを、前記仮想基準ラインに沿った投影形状が前記面外直交方向において互いに重なり合わない非重合位置まで離間した状態に構成することにより、前記固定コネクタ被装着部と前記移動コネクタ被装着部とのそれぞれの前記仮想基準ライン上に沿った投影形状が互いに重なりあうことがない。
【0028】
従って、前記仮想基準ラインに沿ってコネクタホルダに対して各側に、成形型の一方側と他方側とのを対向配置した状態でコネクタホルダを成形しようとした場合であっても、前記固定コネクタ被装着部と前記移動コネクタ被装着部とのそれぞれを所望の形状に成形することができる。
【0029】
ここで、前記移動コネクタ被装着部は、前記コネクタホルダ本体に対して一体に形成した固定コネクタ被装着部を介して前記連結手段によって連結してもよい。また、前記移動コネクタ被装着部は、前記コネクタホルダ本体に対して固定コネクタ被装着部を介さずに前記連結手段によって連結してもよい。
【0030】
またこの発明の態様として、前記移動コネクタ被装着部を前記コネクタホルダ本体における前記所定位置に固定する固定手段を備えることができる。
【0031】
上述した構成によれば、前記固定手段によって、前記非重合位置まで離間した状態から前記被装着部配置面の所定位置まで移動した前記移動コネクタ被装着部を前記所定位置に確実に固定しておくことができる。
よって、前記移動コネクタ被装着部は、前記固定コネクタ被装着部と同様に前記コネクタホルダ本体との一体性を確保することができ、コネクタを確実に装着しておくことができる。
【0032】
またこの発明の態様として、前記コネクタホルダ本体と前記移動コネクタ被装着部とを連結する連結手段を備え、前記連結手段を、前記固定コネクタ被装着部の前記仮想基準方向、及び前記面外直交方向における前記移動コネクタ被装着部と対向する対向端部と、前記移動コネクタ被装着部の前記仮想基準方向、及び前記面外直交方向における前記固定コネクタ被装着部と対向する対向端部とを連結する連結片で形成することができる。
【0033】
前記連結手段を上述した連結片で連結することで、コネクタホルダを成形する際に、連結片、及びその周辺部分に相当する部分が成形型が入り込むことができない逆テーパ形状になることなく正確に所望の形状に成形することができる。すなわち、連結片を、前記非重合位置まで離間した状態から前記被装着部配置面の所定位置まで前記移動コネクタ被装着部を移動させ易いように過剰に肉厚となることなく、且つ、断線しない程度の適度な肉厚で形成することができる。
【0034】
またこの発明の態様として、前記連結片を、前記固定コネクタ被装着部と前記移動コネクタ被装着部とのそれぞれにおける前記対向端部において前記面内直交方向における両側に形成することができる。
【0035】
上述した構成によれば、前記連結片によって、前記移動コネクタ被装着部の前記面内直交方向における両側部分をしっかりと前記固定コネクタ被装着部に対して連結することができるため、前記移動コネクタ被装着部を、前記非重合位置まで離間した状態から前記被装着部配置面の所定位置まで移動させる際に、該移動コネクタ被装着部が傾くことがなくバランスよく移動させることができるため、スムーズ、且つ、しっかりと所定位置に固定することができる。
【発明の効果】
【0036】
この発明によれば、例えば、コネクタを装着する被装着手段以外にもハーネスを装着する被装着手段等の他の被装着手段を備えるなどしてコネクタホルダ本体が非対称形状となる場合であっても、互いに対称な一対の取付け箇所のいずれの側においても被装着手段に対するコネクタの装着方向が同じ取り付け方向となるように、一対の被取付け箇所の間で部品の共通化を図ることができ、部品点数の削減を図ることができるコネクタホルダを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は移動コネクタ被装着部200mを移動側被装着部配置面300mに配置した状態のコネクタホルダ1の斜視図であり、
図2は移動コネクタ被装着部200mを移動側被装着部配置面300mから離間した状態のコネクタホルダ1の斜視図である。
図3(a)はコネクタホルダ1の正面図であり、
図3(b)は
図3(a)中の領域Z1の拡大図である。
図4(a)はコネクタホルダ1の左側面図であり、
図4(b)はコネクタホルダ1の右側面図である。
図5(a)はコネクタホルダ1の平面図であり、
図5(b)はコネクタホルダ1の底面図である。
図6はコネクタホルダ1の背面図であり、
図7は
図3中のA−A線断面図であり、
図8は
図3中のB−B線断面図である。
図9(a)は
図4(a)中のC−C線断面図であり、
図9(b)は
図4(a)中のD−D線断面図である。
図10(a)は
図4(a)中のE−E線断面図であり、
図10(b)は
図4(a)中のF−F線断面図である。
【0039】
図11(a1)は
図4(b)中の領域Z21の拡大図であり、
図11(a2)は
図7中の領域Z22の拡大図であり、
図11(b1)は
図4(b)中の領域Z31の拡大図であり、
図11(b2)は
図7中の領域Z32の拡大図であり、
図11(c1)は
図4(b)中の領域Z41の拡大図であり、
図11(c2)は
図7中の領域Z42の拡大図である。
【0040】
図1乃至
図11に示すように、本実施形態のコネクタホルダ1は、自動車用ワイヤハーネスWのコネクタCを装着して保持するための部材であり、一方向に沿って長い縦長をした板状の基板部50と、該基板部50の長手方向の中間部分に対して一方側に偏移した位置に、該基板部50に対して厚み方向の一方側へ門型に立設した門型立設部分70とを有して樹脂成形により一体に構成している。
また、門型立設部分70の内部空間70Aには、該内部空間70Aを長手方向において2つの空間に仕切る仕切り壁74を長手方向に対して直交する直交面状に形成している。
【0041】
ここで、門型立設部分70は、
図1の紙面において該門型立設部分70の上側部分、すなわち、門型立設部分70の厚み方向における基板部50と反対側の部分を、立設部分上壁部71に設定するとともに、
図1の紙面において門型立設部分70の左右両側部分、すなわち、門型立設部分70の長手方向の両側部分を立設部分側壁部72に設定する。さらに、基板部50における門型立設部分70の底部に相当する部分、すなわち、基板部50における立設部分上壁部71との対向部分を立設部分底部73に設定する。
【0042】
また、基板部50は、門型立設部分70に対して長手方向の両側が突出した形状となるが、長手方向の一方側を他方側よりも突出して形成している。ここで、長手方向の一方側を長尺突片部11に設定するとともに、長手方向の他方側を短尺突片部12に設定する。
【0043】
上述したコネクタホルダ1の構成について換言すると、コネクタホルダ1は、コネクタCの着脱を許容するコネクタ被装着手段20とワイヤハーネスWの着脱を許容するハーネス被装着手段40を備えるとともに、車両のパネル等の被取付け箇所に取り付ける取付け手段10を備えて構成している。
【0044】
以下、取付け手段10、ハーネス被装着手段40、及びコネクタ被装着手段20の構成について説明するが、以下の説明においてコネクタホルダ1の長手方向をX方向に設定し、コネクタホルダ1の幅方向をW方向に設定し、コネクタホルダ1の厚み方向をZ方向に設定する。特に、W方向において、
図3中の紙面右側から左側方向、すなわち、後述する移動側コネクタ被装部200mに対してコネクタCを装着する装着方向をW1方向に設定するとともに、左側から右側方向、すなわち、後述する固定側コネクタ被装部200fに対してコネクタCを装着する装着方向をW2方向に設定する。
【0045】
取付け手段10は、上述した長尺突片部11と短尺突片部12とで構成し、車輌のパネル等の取付け箇所に螺子留めするボルトBの挿通を許容するボルト挿通孔13を形成している。
【0046】
長尺突片部11と短尺突片部12とのそれぞれの先端部分は半円弧状に形成し、その中心部分に前記ボルト挿通孔13を形成している。
なお、短尺突片部12に形成したボルト挿通孔13Lは、X方向に沿って長孔形状で形成している。
【0047】
また、ハーネス被装着手段40は、門型立設部分70に対して長尺突片部11を有する側の外側部分に、ワイヤハーネスWを装着可能に構成している。
具体的には、ハーネス被装着手段40は、長尺突片部11の基部とハーネス保持片401と、これらを結ぶ立設部分側壁部72とで凹状に構成し、これらによって構成される凹状の内部空間は、ワイヤハーネスWの長手方向の所定部分を収容可能なハーネス収容空間40Aとして構成している。
【0048】
ハーネス保持片401は、該長尺突片部11に対してZ方向においてワイヤハーネスWを保持可能な間隔を隔てて、長尺突片部11側の立設部分側壁部72から長尺突片部11の突出方向に向けて突出し、ハーネス収容空間40Aに収容したワイヤハーネスWを挟み込んだ状態で保持する。
さらに、凹状のハーネス被装着手段40の開口縁部であって、ハーネス保持片401と長尺突片部11とのZ方向における対向部分のそれぞれには、ワイヤハーネスWをハーネス収容空間40Aに収容した状態に係合する係合突起402a,402bが形成されている。
【0049】
また、コネクタ被装着手段20は、前記門型立設部分70と立設部分底部73とで、基板部50に沿って長い直方体形状に形成するとともに、W方向に沿って内部が貫通した内部空間70Aを有する直方体形状に形成している。
【0050】
さらに、コネクタ被装着手段20には、コネクタCを装着するコネクタ被装着部200を複数備えるとともに、コネクタ被装着部200を配置する被装着部配置面300を形成している。被装着部配置面300は、門型立設部分70を構成する各面の箇所に応じて、上部外側被装着部配置面311と、側部内側被装着部配置面312と、底部内側被装着部配置面313とで構成している。
【0051】
詳しくは、上部外側被装着部配置面311は、立設部分上壁部71の外面側に形成し、側部内側被装着部配置面312は、X方向の両側の立設部分側壁部72のうち、短尺突片部12側の立設部分側壁部72の内面に形成し、底部内側被装着部配置面313は、立設部分底部73の内面側に形成している。すなわち、上部外側被装着部配置面311と底部内側被装着部配置面313とは、いずれも、Z方向に直交する直交面であり、X方向、及びY方向を面内に有している。側部内側被装着部配置面312は、X方向に直交する直交面であり、Y方向、及びZ方向を面内に有している。
【0052】
ここで、W方向に沿った仮想ラインを仮想基準ラインD1とし、仮想基準ラインD1に対して、該被装着部配置面300内において直交する方向を面内直交方向D2に設定するとともに、前記被装着部配置面300に対して直交する方向を面外直交方向D3に設定する。
【0053】
すなわち、
図11(a1),(a2)に示すように、上部外側被装着部配置面311における面内直交方向D2はX方向であるとともに、面外直交方向D3はZ方向である。同様に、
図11(b1),(b2)に示すように、底部内側被装着部配置面313における面内直交方向D2はX方向であるとともに、面外直交方向D3はZ方向である。一方、
図11(c1),(c2)に示すように、側部内側被装着部配置面312における面内直交方向D2はZ方向であるとともに、面外直交方向D3はX方向である。
【0054】
図8に示すように、コネクタ被装着部200は、被装着部配置面300に配置するコネクタ被装着基底部211と前記コネクタCの装着部C10に形成した係合爪C100(
図13(b)、
図14(b)参照)に対して係合するコネクタ被係合部215を備えて構成している。
コネクタ被係合部215は、
図8、及び
図9(a),(b)に示すように、一対の突出片216,216と被係合凹部217とで形成している。
【0055】
突出片216は、コネクタ被装着基底部211の面内直交方向D2の中間部分を除いた両側であって、装着部配置面のW方向の中間部分側の端部から立設されている。これら一対の突出片216,216のそれぞれは、
図9(b)に示すように、該突出片216の基端部が被装着部配置面300のW方向の外側へ向けて屈曲するとともに、該突出片216の基端部から先端部にかけて被装着部配置面300のW方向の外側へ向けて直線状に突出する突出形状で形成している。
【0056】
図3、
図8、及び
図9(a)に示すように、被係合凹部217は、W方向においてコネクタCの係合爪C100と係合可能に、一対の突出片216,216の先端部同士を面内直交方向D2に連結して該一対の突出片216,216の先端部間を横架するように、該一対の突出片216,216と一体に形成している。
【0057】
コネクタ被装着部200は、該コネクタ被装着部200のコネクタ被装着基底部211を被装着部配置面300に対して一体に形成した固定コネクタ被装着部200fと、該被装着部配置面300に対して離間した状態から当接した状態に移動可能に形成した移動コネクタ被装着部200mとで構成している。
【0058】
図1乃至
図3に示すように、固定コネクタ被装着部200fと移動コネクタ被装着部200mとは、それぞれ仮想基準ラインD1に沿うように配置するとともに、それぞれのコネクタCの装着方向が前記仮想基準ラインD1上において互いに反対方向となるように被装着部配置面300に配置している。
【0059】
固定コネクタ被装着部200fは、所定の面内直交方向D2aに対して、W方向の一方側に配置するとともに、前記移動コネクタ被装着部200mを、所定の面内直交方向D2aに対して、W方向の他方側に配置している(
図3参照)。
ここで前記所定の面内直交方向D2aとは、
図3に示すように、被装着部配置面300のW方向の中間部分に沿ったX方向を示す。
【0060】
換言すると、固定コネクタ被装着部200fは、被装着部配置面300のW方向における一方の片側半分に配置するとともに、移動コネクタ被装着部200mは、被装着部配置面300のW方向における他方の片側半分に配置している。
ここで、被装着部配置面300のW方向における一方の片側半分を、固定側被装着部配置面300fに設定するとともに、被装着部配置面300のW方向における他方の片側半分を、移動側被装着部配置面300mに設定する。
【0061】
固定コネクタ被装着部200fと移動コネクタ被装着部200mとは、上部外側被装着部配置面311においては、X方向に沿って3つずつ配置し、側部内側被装着部配置面312においては、1つずつ配置し、底部内側被装着部配置面313においては、X方向に沿って2つずつ配置している。
【0062】
なお、底部内側被装着部配置面313において、X方向に沿って2つずつ配置したコネクタ被装着部200(固定コネクタ被装着部200fと移動コネクタ被装着部200m)のうち、一方のコネクタ被装着部200は、仕切り壁74に対して一方側の内部空間70Aに配置するとともに、他方のコネクタ被装着部200は、仕切り壁74に対して他方側の内部空間70Aに配置している。
【0063】
さらに、固定コネクタ被装着部200fと移動コネクタ被装着部200mとは、所定の前記面内直交方向D2aを基準として互いに対称に配置するとともに、対称形状で形成している。
すなわち、移動コネクタ被装着部200mは、W1方向に沿ってコネクタCを装着する方向に配置するとともに、固定コネクタ被装着部200fは、W2方向に沿ってコネクタCを装着する方向に配置している。
【0064】
また、
図8、及び
図9(a),(b)に示すように、被装着部配置面300のうち、移動側被装着部配置面300mにおける、移動コネクタ被装着部200mを配置する箇所に相当する部分には、他の部分と比較して、移動コネクタ被装着部200mを嵌め込んだ状態で載置可能に凹状に形成した凹状配置面331mを構成している。
【0065】
そして、移動コネクタ被装着部200mは、上述したように、被装着部配置面300に対して離間可能に構成しているが、仮想基準ラインD1に沿った投影形状が前記面外直交方向D3において固定コネクタ被装着部200fと重なり合わない非重合位置Pnまで離間した状態からコネクタ被装着部200を配置する凹状配置面331mまで移動可能に連結片250によって固定コネクタ被装着部200fに対して連結している(
図4(b)、
図9(b)参照)。
【0066】
前記連結片250は、固定コネクタ被装着部200fと、非重合位置Pnに配置した状態の移動コネクタ被装着部200mとが、W方向、及び面外直交方向D3において対向する、それぞれの対向端部200pf,200pm同士とを連結するように可撓性を有する薄肉状に形成している(
図9(a),(b)参照)。
【0067】
さらに、連結片250は、固定コネクタ被装着部200fと移動コネクタ被装着部200mとのそれぞれにおける前記対向端部200pf,200pmにおいて前記面内直交方向D2の中間部分を除いた両側にそれぞれ一対形成している(
図11参照)。
【0068】
また、
図8に示すように、コネクタホルダ1には、凹状配置面331mに嵌合した状態に配置した移動コネクタ被装着部200mを該凹状配置面331mに固定する固定手段80を備えている。
【0069】
固定手段80は、移動コネクタ被装着部200mに形成した被装着側固定部281と、移動コネクタ被装着部200m配置面側に形成した本体側固定部381とで構成している。
【0070】
被装着側固定部281は、被装着側ガイド固定部282と被装着側係合固定部283とで構成している。
【0071】
被装着側ガイド固定部282は、コネクタ被装着基底部211の面内直交方向D2の両端部から面外直交方向D3へ突状に形成し、面内直交方向D2において移動側被装着部配置面300mにおける凹状配置面331mの両縁部分に対して外側部分が当接した状態でガイド可能に形成している。
【0072】
被装着側係合固定部283は、被装着側ガイド固定部282のW2方向の端部において面内直交方向D2の両外側へ突出して形成している。
【0073】
一方、本体側固定部381は、鍔状係合固定部382とW方向係合固定部383とで構成している。
鍔状係合固定部382は、
図8、及び
図9(a),(b)に示すように、凹状配置面331mの面内直交方向D2の両縁部において、コネクタ被装着部200を凹状配置面331mに嵌め込んだ状態から浮き上がらないように被装着側係合固定部283を面外直交方向D3において係合可能な鍔状に形成している。
【0074】
さらに、鍔状係合固定部382は、該鍔状係合固定部382の先端部分が被装着側ガイド固定部282に当接して移動コネクタ被装着部200mを面内直交方向D2においてガイド可能にW方向に沿って形成している。
【0075】
また、W方向係合固定部383は、
図8、及び
図9(a),(b)に示すように、移動コネクタ被装着部200mを凹状配置面331mに嵌め込んだ状態から凹状配置面331mに対してW1方向へ位置ずれしないように、W方向において被装着側係合固定部283と係合可能に凹状配置面331mの面内直交方向D2の両縁部であって、W1方向の端部側に形成している。
【0076】
続いて、上述したコネクタホルダ1の一実施例を
図12、
図13、及び
図14を用いて説明する。
なお、
図12はコネクタホルダ1を車両右側の被取り付け箇所TRに取り付けた状態における使用状態を示す斜視図である。
図13(a)はコネクタホルダ1を車両右側の被取り付け箇所TRに取り付けた状態における使用状態を示す正面図であり、
図13(b)は
図13(a)中のF−F線断面図である。
図14(a)はコネクタホルダ1を車両左側の被取り付け箇所TLに取り付けた状態における使用状態を示す正面図であり、
図14(b)は
図14(a)中のG−G線断面図である。また、
図12乃至
図14中において、コネクタCに接続しているワイヤハーネスWは省略している。
【0077】
コネクタホルダ1の一実施例としては、
図12、及び
図13(a),(b)に示すように、車輌の右側のボディの右側被取付け箇所TRと、
図14に示すように、左側のボディの左側被取付け箇所TLとの左右対称の被取付け箇所のそれぞれにコネクタホルダ1を取り付ける取り付け作業について説明する。
【0078】
ここで上述したように、コネクタホルダ1は、固定コネクタ被装着部200fへの装着方向(W2)と移動コネクタ被装着部200mへの装着方向(W1)とが仮想基準ラインD1上において反対方向の配置となるように構成している。
【0079】
これにより、その際に、コネクタホルダ1を右側被取付け箇所TRに取り付ける場合と左側被取付け箇所TLに取り付ける場合とのいずれの場合においても、コネクタCを装着可能な方向にコネクタ被装着部200を配置することができる。
【0080】
具体的には、
図12、及び
図13(a),(b)に示すように、コネクタホルダ1を右側被取付け箇所TRに取り付ける場合には、固定コネクタ被装着部200fを、被装着部配置面300における所定の面内直交方向D2aに対してコネクタCを装着可能な側において装着可能な方向(W1)へ向けて配置することができる。
【0081】
一方で、
図14(a),(b)に示すように、コネクタホルダ1を左側被取付け箇所TLに取り付ける場合にも、移動コネクタ被装着部200mを、被装着部配置面300における所定の面内直交方向D2aに対してコネクタCを装着可能な側において装着可能な方向(W1)に向けて配置することができる。
【0082】
よって、
図13(b),
図14(b)に示すように、コネクタホルダ1を右側被取付け箇所TRと左側被取付け箇所TLとのいずれの側に取り付ける場合であっても、車輌の左右各側において、コネクタ被装着部200に対してコネクタCを同じ装着方向(W2)へ向けて装着することができる。
【0083】
さらに、その際に、コネクタホルダ1を右側被取付け箇所TRに取り付ける場合と左側被取付け箇所TLに取り付ける場合とで、それぞれの被取付け箇所に対するコネクタホルダ1の取り付け姿勢が同じ取り付け姿勢となるように取り付けることができる。
【0084】
すなわち、コネクタホルダ1を、右側被取付け箇所TRと左側被取付け箇所TLとのいずれの場合においても、例えば、
図13(a)、
図14(a)に示すように、上下方向にX方向を一致させた状態で、ハーネス被装着手段40がコネクタ被装着手段20に対して上方に位置するような取り付け姿勢となるよう取り付けることができる。
【0085】
詳しくは、コネクタホルダ1を右側被取付け箇所TRと左側被取付け箇所TLとのいずれの側に取り付ける場合において、例えば、車輌の左右各側において、コネクタ被装着部200に対してコネクタCを同じ方向(例えばW2方向)へ装着するために、車輌の左右各側において、ハーネス被装着手段40がコネクタ被装着手段20に対して上下逆方向になるといったことがなく、車輌の左右各側において、コネクタ被装着部200に対するコネクタCの装着方向,及びワイヤハーネスWの装着高さが同じとなるように、コネクタホルダ1を被取付け箇所に取り付けることができる。
【0086】
よって、上述したように、コネクタホルダ1を、右側被取付け箇所TRと左側被取付け箇所TLとのいずれの側に取り付ける場合において、右側被取付け箇所TRと左側被取付け箇所TLとの間で上下反転させることなく左右鏡面対称の状態で被取付け箇所に取り付けることができる。
【0087】
このため、例えば、コネクタ被装着手段20以外にもハーネス被装着手段40等の他の手段を備えるなどしてコネクタホルダ1の全体形状が、X方向に直交する直交断面、及びZ方向に直交する直交断面に対して一方側と他方側とが非対称形状となる場合であっても、互いに対称な一対の被取付け箇所TR,TLのいずれの側においてもコネクタ被装着部200に対するコネクタCの装着方向,及びワイヤハーネスWの装着高さが同じとなるように、コネクタホルダ1を被取付け箇所に取り付けることができる。
【0088】
従って、車輌の左右各側に限らず、前後各側、上下各側等の一対の被取付け箇所の間で部品を共通化することができ、部品点数の削減を図ることができる。
【0089】
さらに、コネクタホルダ1によれば、固定コネクタ被装着部200fと移動コネクタ被装着部200mとを、所定の面内直交方向D2を基準として互いに対称に配置するとともに、対称形状で形成することで、互いに対称となる一対の被取付け箇所のうち、いずれの側の被取付け箇所(TR,TL)に取り付けた場合においても、コネクタCを、一対の被取付け箇所の一方側と他方側とにおいて、完全に同じ条件で被装着部に対して装着することができる。
【0090】
さらに上述したコネクタホルダ1は、以下のような作用効果を奏することができる。
コネクタホルダ1は、
図8、及び
図9(a),(b)に示すように、移動コネクタ被装着部200mを、仮想基準ラインD1に沿った投影形状が面外直交方向D3において固定コネクタ被装着部200fと重なり合わない非重合位置Pnまで移動側被装着部配置面300に対して離間した状態で配置可能な構成としている。
【0091】
このため、樹脂製のコネクタホルダ1を、該コネクタホルダ1の成形前の部材に対して仮想基準ラインD1に沿った各側に、一対の成形型のうち一方の成形型と他方の成形型とのそれぞれを対向配置した状態から射出成形等によって一体成形しようとした場合であっても、固定コネクタ被装着部200fと移動コネクタ被装着部200mとが、仮想基準ラインD1に沿った投影形状が面外直交方向D3において固定コネクタ被装着部200fと重なり合あった位置に配置されることがない。
【0092】
すなわち、固定コネクタ被装着部200fと移動コネクタ被装着部200mとの一対のコネクタ被装着部200f,200mのうち一方のコネクタ被装着部200が他方のコネクタ被装着部200によってW方向において遮られることなく配置できる。
【0093】
従って、コネクタホルダ1は、固定コネクタ被装着部200fと移動コネクタ被装着部200mとが、互いの形状の影響を受けることなく固定コネクタ被装着部200fと移動コネクタ被装着部200mとのそれぞれを所望の形状に成形することができる。
【0094】
また、コネクタホルダ1は、上述したように、移動コネクタ被装着部200mを凹状配置面331mに固定する固定手段80を備えることにより、固定手段80によって、非重合位置Pnまで離間した状態から移動側被装着部配置面300mの凹状配置面331mまで移動して該凹状配置面331mに接置した状態で確実に固定しておくことができる。
【0095】
よって、移動コネクタ被装着部200mは、固定コネクタ被装着部200fと同様にコネクタホルダ1本体との一体性を確保することができ、コネクタCを確実に装着しておくことができる。
【0096】
また、コネクタホルダ1は、上述したように連結片250を備え、連結片250は、
図9(b)に示すように、固定コネクタ被装着部200fの仮想基準方向D1(仮想基準ラインD1の延伸方向)、及び面外直交方向D3における移動コネクタ被装着部200mと対向する対向端部200pfと、移動コネクタ被装着部200mの仮想基準方向D1、及び面外直交方向D3における固定コネクタ被装着部200fと対向する対向端部200pmとを連結したため、コネクタホルダ1を成形する際に、連結片250、及びその周辺部分に相当する部分が、成形型が入り込むことができない奥張った形状になることなく正確に所望の形状に成形することができる。
【0097】
すなわち、連結片250を、非重合位置Pnまで離間した状態から移動コネクタ被装着部200mの凹状配置面331mまで移動コネクタ被装着部200mを移動させ易いように過剰に肉厚となることなく、且つ、断線しない程度の適度な肉厚で形成することができる。
【0098】
また、コネクタホルダ1は、上述したように連結片250を、
図11に示すように、固定コネクタ被装着部200fと移動コネクタ被装着部200mとのそれぞれにおける対向端部200pf,200pmにおいて面内直交方向D2における両側に形成したため、移動コネクタ被装着部200mの面内直交方向D2における両側部分をしっかりと固定コネクタ被装着部200fに対して連結することができる。
【0099】
これにより、移動コネクタ被装着部200mを、非重合位置Pnまで離間した状態から移動コネクタ被装着部200mの凹状配置面331mまで移動させる際に、該移動コネクタ被装着部200mが傾くことがなくバランスよく移動させることができるため、スムーズ、且つ、しっかりと所定位置に固定することができる。
【0100】
この発明の構成と、実施形態との対応において、
この発明の被装着手段配置面の所定位置は、凹状配置面331mに対応し、
以下同様に、
第1装着方向は、W2方向に対応し、
第2装着方向は、W1方向に対応し、
コネクタホルダ1本体は、基板部50、及び門型立設部分70に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。