特許第5705887号(P5705887)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5705887
(24)【登録日】2015年3月6日
(45)【発行日】2015年4月22日
(54)【発明の名称】光操作装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/35 20060101AFI20150402BHJP
   G02B 26/08 20060101ALI20150402BHJP
   G02B 3/06 20060101ALI20150402BHJP
   G02B 13/18 20060101ALI20150402BHJP
【FI】
   G02B6/35
   G02B26/08 E
   G02B3/06
   G02B13/18
【請求項の数】9
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-6629(P2013-6629)
(22)【出願日】2013年1月17日
(65)【公開番号】特開2014-137505(P2014-137505A)
(43)【公開日】2014年7月28日
【審査請求日】2014年9月26日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成24年度、独立行政法人情報通信研究機構「高度通信・放送研究開発委託研究/エラスティック光アグリゲーションネットワークの研究開発」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100142712
【弁理士】
【氏名又は名称】田代 至男
(72)【発明者】
【氏名】小栗 淳司
(72)【発明者】
【氏名】加木 信行
(72)【発明者】
【氏名】岩間 真木
【審査官】 山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−133203(JP,A)
【文献】 特開2009−276747(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0021952(US,A1)
【文献】 特開2007−183370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 3/06,6/293,6/35,
13/18,26/00−26/08
G02F 1/13,1/29
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から光が入力される、または外部に光を出力する少なくとも一つのポートを有する光入出力ポートと、
前記光入出力ポートのポートに対応して設けられたコリメータレンズを有するコリメータレンズと、
前記光入出力ポートのいずれかのポートから入力した光を反射して前記光入出力ポートのいずれかのポートに向けて出力する光操作素子と、
前記光入出力ポートと前記光操作素子との間に配置され、前記光入出力ポートと前記光操作素子とを光学的に結合させる集光レンズ系と、
前記光入出力ポートと前記集光レンズ系との間に配置され、前記光入出力ポート側から入力された光のビーム径をビーム径拡大方向に拡大するアナモルフィック光学系と、
を備え、前記集光レンズ系は、前記ビーム径拡大方向における第1焦点距離と前記ビーム径拡大方向に対して垂直な方向における第2焦点距離とが互いに異なり、
前記コリメータレンズによるビームウエストは、前記ビーム径拡大方向に対して垂直な方向における前記集光レンズ系の結像位置に形成されることを特徴とする光操作装置。
【請求項2】
前記第2焦点距離は前記第1焦点距離よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の光操作装置。
【請求項3】
前記光操作素子は、前記ビーム径拡大方向における前記集光レンズ系の結像位置に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光操作装置。
【請求項4】
前記光操作素子は、前記ビーム径拡大方向に対して垂直な方向における前記集光レンズ系の結像位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の光操作装置。
【請求項5】
前記アナモルフィック光学系と前記集光レンズ系との間に設けられた光分散素子を備え、波長選択光スイッチとして機能することを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の光操作装置。
【請求項6】
前記コリメータレンズによるビームウエストは、前記光分散素子よりも該コリメータレンズ側に位置することを特徴とする請求項に記載の光操作装置。
【請求項7】
前記光分散素子は、前記ビーム径拡大方向における前記集光レンズ系の結像位置に配置されていることを特徴とする請求項またはに記載の光操作装置。
【請求項8】
前記集光レンズ系は、前記第1焦点距離を有する第1シリンドリカルレンズと前記第2焦点距離を有する第2シリンドリカルレンズとを有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の光操作装置。
【請求項9】
前記集光レンズ系は、前記第2焦点距離を有する点対称レンズおよび前記点対称レンズとの合成焦点距離が前記第1焦点距離である焦点距離を有するシリンドリカルレンズ、または、前記第1焦点距離を有する点対称レンズおよび前記点対称レンズとの合成焦点距離が前記第2焦点距離である焦点距離を有するシリンドリカルレンズ、を有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の光操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光操作装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の光通信システムは、その形態がpoint−to−point型から、リング型またはメッシュ型のネットワークへと発展しつつある。このような形態のネットワークのノードには、任意の信号光を任意のポートに入出力させて、信号光の経路を任意に変更するための光スイッチ装置が必要とされる。
【0003】
特に、互いに異なる波長の信号光が波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing)されたWDM信号光を用いる場合は、任意の波長の信号光に対して任意に経路を変更できる波長選択光スイッチ装置が必要とされる。
【0004】
特許文献1に記載の波長選択光スイッチ装置では、信号光が入力される入力ポートと回折格子との間にアナモルフィックプリズムが配置されている。このアナモルフィックプリズムは、回折格子に到達する前での信号光のビーム径を、回折格子が光を分散する方向(分散方向)に拡大し、分散方向を長径方向とする楕円形とする。すなわち、分散方向と、アナモルフィックプリズムがビーム径を拡大する方向は略同一である。その後、分散された信号光は、集光レンズによって反射素子に集光される。その際、集光レンズに入射する光のビーム径が大きいと集光された光のビーム径は小さく、集光レンズに入射する光のビーム径が小さいと集光された光のビーム径は大きくなる。従って、集光された信号光のビーム径は、光の分散方向と垂直の方向(光スイッチ方向)を長径方向とする楕円形となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第8,243,372号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図8、9は、光スイッチ装置における素子の配置の設計の一例を示す図である。図8は、光スイッチ装置1000を、光分散方向(アナモルフィックプリズムペアのビーム径拡大方向、方向D1001で示す)と垂直の方向から見た図である。図9は、光スイッチ装置1000を、光スイッチ方向(方向D1002で示す)と垂直の方向から見た図である。
【0007】
光スイッチ装置1000は、光スイッチ方向に沿って光ファイバポートが配列した光入出力ポート1010と、コリメータレンズアレイ1020と、アナモルフィックプリズムペア1030と、回折格子1040と、集光レンズ1050と、光スイッチ素子1060とがこの順番に配置されて構成されている。
【0008】
なお、実際には回折格子1040において光路は曲げられるので、アナモルフィックプリズムペア1030から光スイッチ素子1060までの各素子は回折格子1040の前後で角度を持って配置される。また、アナモルフィックプリズムペア1030において光路が方向D1001の方向にシフトすることがあるが、図8、9においては、説明の簡略化のために各素子を直列に配置して示している。
【0009】
また、図9では、コリメータレンズアレイ1020としては、光入出力ポート1010を構成する光ファイバポート1011に対応するコリメータレンズ1021だけ図示してあるが、コリメータレンズアレイ1020の各コリメータレンズは、光入出力ポート1010を構成する各光ファイバポート1011に対応して設けられている。
【0010】
また、後述する、信号光L1000、L1002はガウシアンビームであるとする。図8図9では信号光L1000、L1002のガウシアンビームのスポットサイズ(光強度が1/eとなるビーム半径)の軌跡を模式的矢線で示している。
【0011】
光スイッチ装置1000の動作を説明する。まず、光ファイバポート1011が、外部から入力された或る波長の信号光L1000を出力すると、コリメータレンズアレイ1002のうちの対応するコリメータレンズ1021が、入力された信号光L1000を、ビーム形状が略円形の略平行光にする。アナモルフィックプリズムペア1030は、略平行光にされた信号光L1000のビーム形状をビーム径拡大方向に拡大し、楕円形にする。回折格子1040は、楕円形にされた信号光L1000をその波長に応じた所定の回折角で回折する。集光レンズ1050は、回折された信号光L1000を光スイッチ素子1060に集光させる。光スイッチ素子1060は、たとえば反射素子であり、回転角度が調整されて、集光された信号光L1000を所定の反射角で反射させ、信号光L2000とする。なお、図8、9では、説明の簡略化のために反射角は0度としている。集光レンズ1050は、反射された信号光L2000を略平行光にする。回折格子1040は、信号光L2000を所定の回折角で回折する。
【0012】
つぎに、アナモルフィックプリズムペア1030は、その光相反性によって、信号光L2000のビーム形状をビーム拡大方向に縮小して略円形に戻す。その後、信号光L2000はコリメータレンズアレイ1020のうち、光スイッチ素子1006の反射角に対応するコリメータレンズ(ここではコリメータレンズ1021)に入力する。コリメータレンズ1021は、信号光L2000を集光し、光ファイバポート1011に結合させる。光ファイバポート1011は結合された光を外部に出力する。
【0013】
また、光ファイバポート1011から入力された信号光の経路を他の光ファイバポート1012、1013、1014、1015にそれぞれ切り換える場合には、光スイッチ装置1000は上記の動作において、光スイッチ素子1060がその回転角度が調整されて、信号光L1000をファイバ1012、1013、1014、1015のいずれかに結合するように反射させることによって、所望の経路の切り換えを実現することができる。
【0014】
ここで、一般的な設計としては、コリメータレンズ1021から出力される信号光L1000のビームウエストW1001の位置に回折格子1040を配置し、回折格子1040および光スイッチ素子1060は、集光レンズ1050の焦点距離F1001の位置に配置する設計とすることが好ましい。これによって、集光レンズ1050を通過した信号光L1000のビームウエストW1002の位置が光スイッチ素子1060の位置となり、光分散方向と垂直方向(方向D1002)から見たときに、回折格子1040により分散された信号光L1000が光スイッチ素子1060に垂直に入射し、かつ、光入出力ポート1010の各光ファイバポートの端面に信号光L2000が集光する。ここで、ガウシアンビームのビームウエストとは、ガウシアンビームの波面がフラットになり、ビーム径が最も小さくなる場所である。
【0015】
しかしながら、光スイッチ装置1000のように、コリメータレンズアレイ1020と回折格子1040の間にアナモルフィックプリズムペア1030を配置する構成の場合は、アナモルフィックプリズムペア1030を配置するための空間が必要となるため、コリメータレンズ1021から出力される信号光L1000のビームウエストW1001の位置に回折格子1040を配置することが困難になる。その結果、集光レンズ1050を通過した信号光L1000のビームウエストW1002の位置が光スイッチ素子1060の位置からずれる場合がある。
【0016】
アナモルフィックプリズムペア1030によってビーム径拡大方向D1001に拡大された光はビーム径が大きい。そのため、集光レンズ1050に入射する光のビームウエスト位置(回折格子1040よりもコリメータレンズアレイ1020側)から集光レンズ1050までの距離と、集光レンズ1050の焦点距離F1001とのずれに対するトレランスが大きい。その結果、ずれがあっても、凡そ集光レンズ1050から焦点距離F1001離れた焦点位置W1002で集光する。従って、反射された信号光である信号光L2000の、コリメータレンズ1021による集光位置も、光ファイバポート1011の端面と一致する。図8において信号光L1000と信号光L2000とでスポットサイズの軌跡を示す矢線を一致させて示しているのは、信号光L1000と信号光L2000とでスポットサイズの軌跡が略一致することを意味している。
【0017】
一方、光スイッチ方向D1002では、ビームウエストW1001が小さいままである。そのため、ビームウエストW1001から集光レンズ1050までの距離と、集光レンズ1050の焦点距離とのずれに対するトレランスが小さい。そのため、図9に示すように、ビームウエストW1003の位置の、光スイッチ素子1060の位置からのずれが顕著になり、ビームウエストは光スイッチ素子1060よりも遠方の位置に形成される。その結果、反射された信号光である信号光L2000の、コリメータレンズ1021による集光位置も、光ファイバポート1011の端面からずれてしまう。これによって、信号光L2000と光ファイバポート1011との結合効率が低下し、光損失が発生する。
【0018】
このように、アナモルフィック光学系を備えた光スイッチ装置では、アナモルフィック光学系に起因する光学特性の低下が発生する場合があるので、より光学設計の自由度を高めることが好ましい。
【0019】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、光学設計の自由度を高めた光操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る光操作装置は、外部から光が入力される、または外部に光を出力する少なくとも一つのポートを有する光入出力ポートと、前記光入出力ポートのポートに対応して設けられたコリメータレンズを有するコリメータレンズと、前記光入出力ポートのいずれかのポートから入力した光を反射して前記光入出力ポートのいずれかのポートに向けて出力する光操作素子と、前記光入出力ポートと前記光操作素子との間に配置され、前記光入出力ポートと前記光操作素子とを光学的に結合させる集光レンズ系と、前記光入出力ポートと前記集光レンズ系との間に配置され、前記光入出力ポート側から入力された光のビーム径をビーム径拡大方向に拡大するアナモルフィック光学系と、を備え、前記集光レンズ系は、前記ビーム径拡大方向における第1焦点距離と前記ビーム径拡大方向に対して垂直な方向における第2焦点距離とが互いに異なることを特徴とする。
【0021】
本発明に係る光操作装置は、上記発明において、前記第2焦点距離は前記第1焦点距離よりも長いことを特徴とする。
【0022】
本発明に係る光操作装置は、上記発明において、前記光操作素子は、前記ビーム径拡大方向における前記集光レンズ系の結像位置に配置されていることを特徴とする。
【0023】
本発明に係る光操作装置は、上記発明において、前記光操作素子は、前記ビーム径拡大方向に対して垂直な方向における前記集光レンズ系の結像位置に配置されていることを特徴とする。
【0024】
本発明に係る光操作装置は、上記発明において、前記コリメータレンズによるビームウエストは、前記ビーム径拡大方向に対して垂直な方向における前記集光レンズ系の結像位置に形成されることを特徴とする。
【0025】
本発明に係る光操作装置は、上記発明において、前記アナモルフィック光学系と前記集光レンズ系との間に設けられた光分散素子を備え、波長選択光スイッチとして機能することを特徴とする。
【0026】
本発明に係る光操作装置は、上記発明において、前記コリメータレンズによるビームウエストは、前記光分散素子よりも該コリメータレンズ側に位置することを特徴とする。
【0027】
本発明に係る光操作装置は、上記発明において、前記光分散素子は、前記ビーム径拡大方向における前記集光レンズ系の結像位置に配置されていることを特徴とする。
【0028】
本発明に係る光操作装置は、上記発明において、前記集光レンズ系は、前記第1焦点距離を有する第1シリンドリカルレンズと前記第2焦点距離を有する第2シリンドリカルレンズとを有することを特徴とする。
【0029】
本発明に係る光操作装置は、上記発明において、前記集光レンズ系は、前記第2焦点距離を有する点対称レンズおよび前記点対称レンズとの合成焦点距離が前記第1焦点距離である焦点距離を有するシリンドリカルレンズ、または、前記第1焦点距離を有する点対称レンズおよび前記点対称レンズとの合成焦点距離が前記第2焦点距離である焦点距離を有するシリンドリカルレンズ、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、光損失の発生が抑制された光操作装置を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、実施の形態に係る光スイッチ装置の模式的な構成図である。
図2図2は、実施の形態に係る光スイッチ装置の模式的な構成図である。
図3図3は、実施の形態に係る光スイッチ装置の模式的な構成図である。
図4図4は、実施の形態に係る光スイッチ装置の模式的な構成図である。
図5図5は、集光レンズ系の構成の別の態様を示す図である。
図6図6は、集光レンズ系の構成の別の態様を示す図である。
図7図7は、波長ブロッカーと光サーキュレータとを組み合わせた構成を示す図である。
図8図8は、光スイッチ装置における素子の配置の設計の一例を示す図である。
図9図9は、光スイッチ装置における素子の配置の設計の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、図面を参照して本発明に係る光操作装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、各図面において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付している。さらに、図面は模式的なものであり、各層の厚みと幅との関係、各層の比率などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0033】
(実施の形態)
図1〜4は、実施の形態に係る光スイッチ装置の模式的な構成図である。この光スイッチング装置100は、光の経路をスイッチング操作する光操作装置である。図1、3は、光スイッチ装置100を、光分散方向(アナモルフィックプリズムペアのビーム径拡大方向、方向D1で示す)と垂直の方向から見た図である。図2、4は、光スイッチ装置100を、光スイッチ方向(方向D2で示す)と垂直の方向から見た図である。また、図1、2は、入力される光を光線で示した図であり、図3、4は、入力される光をガウシアンビームのスポットサイズの軌跡で示した図である。
【0034】
光スイッチ装置100は、光入出力ポート110と、コリメータレンズアレイ120と、アナモルフィック光学系であるアナモルフィックプリズムペア130と、光分散素子である回折格子140と、集光レンズ系150と、光スイッチ素子160とがこの順番に配置されて構成されている。
【0035】
なお、実際には回折格子140において光路は曲げられるので、アナモルフィックプリズムペア130から光スイッチ素子160までの各素子は回折格子140の前後で角度を持って配置される。また、アナモルフィックプリズムペア130において光路が方向D1の方向にシフトすることがあるが、図1〜4においては、説明の簡略化のために各素子を直列に配置して示している。
【0036】
光入出力ポート110は、光ファイバからなる光ファイバポート111、112、113、114、115を備えている。光ファイバポート111〜115は、所定の配列方向(光スイッチ方向である方向D2)に沿って、略等間隔でアレイ状に配列されている。光ファイバポート111〜115は、外部から光が入力される、または外部に光を出力するものである。なお、光スイッチ装置100に入力または出力される光は特に限定されないが、たとえば波長1520〜1620nmの光通信用の信号光である。
【0037】
コリメータレンズアレイ120は、複数のコリメータレンズからなる。図2、4では、コリメータレンズアレイ120としては、光入出力ポート110を構成する光ファイバポート111、112に対応するコリメータレンズ121、122だけ図示してあるが、コリメータレンズアレイ120の各コリメータレンズは、光入出力ポート110を構成する各光ファイバポート111に対応して設けられている。コリメータレンズアレイ120は、各光ファイバポート111〜115から出力した光を平行光にする、または、入力された平行光を各光ファイバポート111〜115に集光して結合させる機能を有する。
【0038】
光スイッチ素子160は、反射素子161、162、163がそれぞれ方向D1に平行な各回転軸の周りに所定の角度だけ回転するように構成されている。光スイッチ素子160は、光入出力ポート110のいずれかの光ファイバポートから入力した光を反射して光路を切り換え、光入出力ポート110の他のいずれかの光ファイバポートに向けて出力する機能を有する。光スイッチ素子160としてはたとえばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いたものを利用できる。
【0039】
集光レンズ系150は、光入出力ポート110と光スイッチ素子160との間に配置されている。この集光レンズ系150は、光入出力ポート110と光スイッチ素子160とを光学的に結合するものである。
【0040】
集光レンズ系150は、ビーム径拡大方向である方向D1において第1焦点距離を有し、光スイッチ方向である方向D2においては焦点を有さないシリンドリカルレンズ151と、方向D2において第2焦点距離を有し、方向D1においては焦点を有さないシリンドリカルレンズ152とで構成されている。ここで、第1焦点距離と第2焦点距離とは互いに異なる。
【0041】
アナモルフィックプリズムペア130は、2つのプリズム131、132から構成されており、光入出力ポート110と集光レンズ系150との間に配置されている。アナモルフィックプリズムペア130は、光入出力ポート110側から入力された光のビーム形状をビーム径拡大方向である方向D1に拡大する機能を有する。また、アナモルフィックプリズムペア130は、光相反性を有するため、光スイッチ素子160側から入力された光のビーム形状を方向D1に縮小する機能を有する。なお、アナモルフィックプリズムペア130は、たとえばシリンドリカルレンズ系などの他のアナモルフィック光学系に置き換えてもよい。また、ビーム径を拡大する方法としてアナモルフィックプリズムペアとしたが、本発明はこれに限らず、アナモルフィックプリズムを用いても良い。
【0042】
この光スイッチ装置100では、集光レンズ系150の光軸と一致するように配置された光ファイバポート111が、外部から光が入力される共通の光ファイバポート(Comポート)として設定されており、その他の4つの光ファイバポート112、113、114、115が、外部に光を出力する光ファイバポートとして設定されている。すなわち、この光スイッチ装置100は1×4の光スイッチとして機能する。
【0043】
つぎに、この光スイッチ装置100の動作について、図1、2を用いて説明する。まず、光ファイバポート111に、外部から或る信号光L1が入力される。信号光L1はWDM信号光であり、互いに異なる波長を有する信号光L1a、L1b、L1cを含むとする。
【0044】
光ファイバポート111は、入力された信号光L1をコリメータレンズ121へ出力する。コリメータレンズ121は、信号光L1を、ビーム形状が略円形の略平行光にする。アナモルフィックプリズムペア130は、略平行光にされた信号光L1のビーム形状を方向D1に拡大し、楕円形にする。回折格子1040は、楕円形にされた信号光L1をその波長に応じた所定の回折角で回折する。その結果、信号光L1は、信号光L1a、L1b、L1cに分離する。
【0045】
集光レンズ系150は、回折された信号光L1a、L1b、L1cを光スイッチ素子160の対応する反射素子161、162、163に集光させる。光スイッチ素子1060は、反射素子161、162、163のそれぞれが別個に回転角度を調整されて、集光された各信号光L1b、L1a、L1cを、各信号光の波長に応じた所定の反射角で反射させる。
【0046】
以下、反射された信号光のうち、信号光L1aの反射光を代表して信号光L2として説明する。集光レンズ系150は、反射された信号光L2を略平行光にする。
【0047】
アナモルフィックプリズムペア130は、光相反性によって、信号光L2のビーム形状を方向D1の方向に縮小して略円形に戻す。その後、信号光L2は光ファイバポート112に対応するコリメータレンズ122に入力する。コリメータレンズ122は、信号光L2を集光し、光ファイバポート111に結合させる。光ファイバポート112は結合された光を外部に出力する。以上のようにして、この光スイッチ装置100は、Comポートである光ファイバポート111から入力された信号光の経路を光ファイバポート112に切り換えることができる。
【0048】
また、他の波長の信号光L1b、L1cについては、反射素子161、163の回転角度が調整されて、その経路が、光ファイバポート112以外の光ファイバポート、たとえば光ファイバポート113,114にそれぞれ切り換られる。これによって、信号光の波長毎の所望の経路の切り換えを実現することができる。
【0049】
つぎに、光スイッチ装置100について、図3、4を用いて、図8、9と対比させて説明する。
【0050】
光スイッチ装置100においても、図8、9の場合と同様に、コリメータレンズアレイ120と回折格子140との間にアナモルフィックプリズムペア130を配置する構成である。そのため、コリメータレンズ121から出力される信号光L1のビームウエストW1の位置に回折格子140を配置することが困難である。
【0051】
しかしながら、この光スイッチ装置100では、集光レンズ系150は、方向D1において第1焦点距離を有し、方向D2においては、第1焦点距離とは異なる第2焦点距離を有する。その結果、集光レンズ系150を通過した信号光L1のビームウエストW2の位置を、方向D1、方向Dのいずれにおいても、光スイッチ素子1060に対して適切な位置とすることができる。
【0052】
各素子の配置の具体例を説明する。図3に示すように、回折格子140とシリンドリカルレンズ151とをシリンドリカルレンズ151の焦点距離F1(第1焦点距離)だけ離して配置する設計が好ましい。これによって、図1に示すように、光分散方向と垂直方向(方向D2)から見たときに、回折格子140により分散された信号光L1a〜L1cが光スイッチ素子160に垂直に入射する。そのため、光スイッチ素子160を方向D2に平行な各回転軸の周りに回転する必要がなくなる。また、シリンドリカルレンズ151と光スイッチ素子160をシリンドリカルレンズ151の焦点距離F1(第1焦点距離)離して配置する設計とすることが好ましい。これによって、方向D1において、集光レンズ系150を通過した信号光L1のビームウエストW2の位置が、光スイッチ素子160の位置となり、かつ、方向D1において、光入出力ポート110の各光ファイバポートの端面に信号光L2が集光する。
【0053】
また、同時に、光スイッチ素子160の位置、および、コリメータレンズ121から出力される信号光L1のビームウエストW1の位置を、シリンドリカルレンズ152の焦点距離F2(第2焦点距離)の位置に配置する設計とすることが好ましい。これによって、方向D2においても、集光レンズ系150を通過した信号光L1のビームウエストW2の位置が光スイッチ素子160の位置となり、かつ、光入出力ポート110の各光ファイバポートの端面に信号光L2が集光する。
【0054】
図3、4のいずれにおいても信号光L1と信号光L2とでスポットサイズを示す矢線を一致させて示しているのは、方向D1、D2のいずれにおいても信号光L1と信号光L2とでスポットサイズの軌跡が略一致することを意味している。
【0055】
したがって、方向D1、D2のいずれにおいても、信号光L2と光ファイバポート111との結合効率の低下が抑制されるので、光損失の発生も抑制される。
【0056】
集光レンズ系150の第1焦点距離と第2焦点距離の値をf1、f2とすると、その組み合わせについては、たとえば(f1、f2)=(80mm、100mm)、(100mm、120mm)、または(200mm、220mm)とすることができる。このように、第2焦点距離は第1焦点距離よりも長い、すなわちf2>f1であることが好ましい。
【0057】
このとき、回折格子140とビームウエストW1との距離D3の値をd3とすると、2×(f2−f1)≒d3=40mmである。また、コリメータレンズ121とビームウエストW1との距離D4の値d4が11mmのように短いコリメータレンズ121を用いても、d3+d4=51mmとなり、アナモルフィックプリズムペア等の光学系を配置するための距離を確保することができる。この場合、ビームウエストW1は、回折格子140よりもコリメータレンズ121側に位置することとなるが、光損失の発生は抑制される。
【0058】
なお、たとえば、コリメータレンズ121の焦点距離が1.5mmのとき、ガウシアンビームのビームウエストが最も遠くになるように設計したときの距離は22mm程度であるから、コリメータレンズ121としては1.5mm以下の短焦点距離のものを使用することができる。他のコリメータレンズについても同様である。
【0059】
また、光スイッチ装置100では、アナモルフィックプリズムペア130の光伝搬方向における長さが、コリメータレンズ121とビームウエストW2との距離D4よりも長い場合でも、上記光損失の発生は抑制される。したがって、アナモルフィックプリズムペア130の大きさの設計の自由度も高くなる。
【0060】
この光スイッチ装置100では、ビームウエストW1を、回折格子140よりもコリメータレンズ121側に位置させてもよいので、コリメータレンズ121を含め、コリメータレンズアレイ120を構成するコリメータレンズとして、焦点距離が短いレンズを使用することができる。これによって、コリメータレンズアレイ120と光入出力ポート110との距離、および光ファイバポート111、112、113、114、115間の間隔を小さくすることができる。その結果、光スイッチ装置100での信号光の経路切り換え角度を小さくすることができるので、経路切り換えに伴う負荷(たとえば、光スイッチ素子160を回転させるために印加する電力)が軽減される。
【0061】
なお、光スイッチ素子160は、方向D1、D2におけるそれぞれの集光レンズ系150の焦点距離F1、F2の位置にあることが好ましいが、集光レンズ系150によって光(たとえば信号光L1)が結像する位置であれば、焦点距離F1、F2から許容範囲内でずれた位置にあってもよい。同様に、コリメータレンズアレイ120の各コリメータレンズによるビームウエスト(たとえばビームウエストW1)は、方向D2における集光レンズ系150の焦点位置F2の位置にあることが好ましいが、集光レンズ系150によって光(たとえば信号光L2)が結像する位置であれば、焦点距離F2から許容範囲内でずれた位置にあってもよい。ここで許容範囲は、たとえばビームウエスト径に依存する結像のトレランスに応じて設定される値である。
【0062】
上記実施の形態では、集光レンズ系150は、2つのシリンドリカルレンズから構成されているが、使用される集光レンズ系の構成としては、ビーム径拡大方向と光スイッチ方向とで、互いに異なる第1焦点距離と第2焦点距離とを有するものであれば、特に限定はされない。
【0063】
図5図6は、集光レンズ系の構成の別の態様を示す図である。図5は、集光レンズ系250を光スイッチ方向である方向D2と垂直の方向から見た図であり、図6は、集光レンズ系250をビーム径拡大方向である方向D1と垂直の方向から見た図である。
【0064】
集光レンズ系250は、点対称レンズ251と、シリンドリカルレンズ252とを有する。点対称レンズ251は第2焦点距離を有する。一方、シリンドリカルレンズ252は、方向D1において、点対称レンズ251との合成焦点距離が第1焦点距離となるような焦点距離を有する。これによって、集光レンズ系250は、方向D1において第1焦点距離を有し、方向D2において第2焦点距離を有するものとなる。
【0065】
また、集光レンズ系としては、第1焦点距離を有する点対称レンズおよび点対称レンズとの合成焦点距離が第2焦点距離である焦点距離を有するシリンドリカルレンズを有する構成としてもよい。また、集光レンズ系は単レンズで構成されてもよい。
【0066】
また、上記実施の形態では回折格子を透過型としたが、本発明はこれに限らず、反射型の回折格子を用いても良い。また、回折格子の代わりにたとえば分散プリズムなどの他の光分散素子を用いても良い。また、本発明に係る光スイッチ装置は、光分散素子を用いずに、非波長選択型の光スイッチ装置として構成してもよい。また、光スイッチ素子としてSLM(Spatial Light Modulator)等の他の光スイッチ素子を使用してもよい。SLMは1次元もしく2次元的に並んだ多数の画素から構成され、その各画素の位相を制御することで光を操作するデバイスである。代表的なものとしてLCOS(Liquid Crystal On Silicon)がある。
【0067】
一般的に、LCOSは偏波依存性を持つ。そのため、光スイッチ素子としてLCOSを用いる場合、LCOSの位相変化を受ける偏波方向に偏波を揃える必要がある。例えば、ウォーラストンプリズムやサバール板、PBS(Polarization Beam Splitter)等で2つの直交する偏波に分離する。そして、2つの直交する偏波のうちの一方の偏波を、例えばλ/2波長板で90度回転させ、2つの偏波をLCOSの位相変化を受ける偏波に揃えることが可能である。ここで、偏波を分離する素子やλ/2波長板を、コリメータレンズアレイ120と回折格子140の間に配置してもよいし、光スイッチ素子160の直前に配置してもよい。
【0068】
また、上記実施の形態では、光スイッチ装置100は1×4光スイッチであるが、本発明では光が入出力するポートの数は特に限定されず、N×M光スイッチ(N、Mは任意の整数)であればよい。また、たとえば光スイッチ装置100の構成において、光ファイバポート112、113、114、115のいずれかから信号光を入力させて、Comポートである光ファイバポート111から出力させるように光スイッチ装置100を動作させてもよい。これによって、光スイッチ装置100を4×1光スイッチとして使用することができる。
【0069】
また、上記実施の形態では、光スイッチ装置として説明してきたが、光操作素子としての光スイッチ素子を他の光操作機能を有する光操作素子に置き換えることで、例えば波長ブロッカーや波形整形器等の光操作装置としても利用することができる。
【0070】
波長ブロッカーは、入力されたWDM信号光のなかの特定の波長成分を有する信号光のみを出力し、その他の波長成分を有する信号光を遮断する機能を持つ光操作装置である。波長ブロッカーは、光スイッチ装置100の光スイッチ素子160を、光操作素子を有する波長ブロック部に置き換えることで実現できる。波長ブロック部はたとえばSLMで構成できる。したがって、波長ブロッカーは、光入力ポートと光出力ポートと、コリメータレンズアレイと、アナモルフィック光学系であるアナモルフィックプリズムペアと、光分散素子である回折格子と、集光レンズ系と、波長ブロック部とがこの順番に配置されて構成されることができる。波長ブロッカーの機能は、光入力ポートから入力されたWDM信号光が回折格子によって分光され、波長ブロック部に集光された信号光のうち、出力したい波長成分を有する信号光のみを光出力ポートに結合するようにスイッチし、その他の波長成分を有する信号光を光出力ポートに結合しないように制御することで実現される。上記光入力ポートと光出力ポートは必ずしも、別のポートである必要はなく、1つの光入出力ポートで光入力ポートと光出力ポートを兼ねてもよい。その場合は、図7に示すように、波長ブロッカー200の1つの光入出力ポート210の手前に光サーキュレータ220を配置する構成とすることが好ましい。この構成によって、光サーキュレータ220を介して、WDM信号光L1を波長ブロッカー200の1つの光入出力ポート210に入力して、出力したい信号光L1aを取り出すことができる。
【0071】
波形整形器は、入力された光の各波長成分の強度や位相を制御することでスペクトルの形状や光パルスの時間波形を制御する機能を持つ光操作装置である。波形整形器は、光スイッチ装置100の光スイッチ素子160を、光操作素子を有する波形整形部に置き換えることで実現できる。波形整形部はたとえば光操作素子としてのSLMで構成できる。したがって、波形整形器は、光入力ポートと光出力ポートと、コリメータレンズアレイと、アナモルフィック光学系であるアナモルフィックプリズムペアと、光分散素子である回折格子と、集光レンズ系と、波形整形部とがこの順番に配置されて構成されることができる。波形整形器の機能は、光入力ポートから入力された光が回折格子によって分光され、波形整形部に集光された各波長成分の光のうち、出力したい波長成分の光のみを光出力ポートに結合するようにスイッチし、その他の波長成分の光を出力ポートに結合しないように制御することで実現され、これによってたとえばスペクトルの形状を制御することが可能である。更に、波形整形器において、各波長に該当するSLMの画素の位相のオフセット量を制御することで、各波長の位相も制御することが可能である。波形整形器の場合も、波長ブロッカーと同様に、上記光入力ポートと光出力ポートは必ずしも、別のポートである必要はなく、1つの光入出力ポートで光入力ポートと光出力ポートを兼ねてもよい。その場合は、図7と同様に、光入出力ポートの手前に光サーキュレータを配置することで出力光を取り出すことができる。
【0072】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0073】
100 光スイッチ装置
110,210 光入出力ポート
111,112,113,114,115 光ファイバポート
120 コリメータレンズアレイ
121,122 コリメータレンズ
130 アナモルフィックプリズムペア
131 プリズム
140 回折格子
150 集光レンズ系
151,152,252 シリンドリカルレンズ
160 光スイッチ素子
161,162,163 反射素子
200 波長ブロッカー
220 光サーキュレータ
250 集光レンズ系
251 点対称レンズ
D1,D2 方向
D3、D4 距離
F1,F2 焦点距離
L1,L1a,L1b,L1c,L2 信号光
W1,W2 ビームウエスト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9