(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記共通電子ビーム光学要素は、前記複数の電子ビームのうちの少なくとも2つが入り込むための、又は前記複数の電子ビームが入り込むための1つの開口を有し、更に/又は、前記共通ビームセパレータは、電子ビームのうちの前記複数の少なくとも2つが入り込むための、又は前記複数の電子ビームが入り込むための1つの開口を有する、請求項1に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
前記色消しビームセパレータが、分離のために前記複数の電子ビーム及び/又は前記複数の信号ビームの交差を有することなく前記複数の電子ビームと前記複数の信号ビームとを分離するように構成される、請求項1又は2に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
前記色消しビームセパレータが、前記色消しビームセパレータの内側で、分離のために前記複数の電子ビーム及び/又は前記複数の信号ビームの交差を有することなく前記複数の電子ビームと前記複数の信号ビームとを分離するように構成される、請求項1又は2に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
前記色消しビームセパレータに重ね合わせ、軸外れ電子ビームの偏向角を補正するための四重極場を発生するように構成される四重極発生要素を更に備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
隣接するビーム間の前記試料上の前記ビーム間隔が、0.5mmから5mmの範囲である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
前記マルチビームエミッタと前記対物レンズとの間で前記複数の電子ビームを2keVから20keVに加速するための手段、及び前記試料に衝突する前に前記複数の電子ビームを減速させるための手段が設けられる、請求項1〜10のいずれか一項に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
マルチビームエミッタが、前記複数の電子ビームの各々ごとに個別エミッタを有するスポットグリッドアレイである、請求項1〜11のいずれか一項に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0014]次に、それらの1つ又は複数の実施例が図に示される、本発明の様々な実施形態を詳細に参照する。各実施例は本発明の説明として提供され、本発明を限定するものではない。例えば、一実施形態の一部として図示又は説明された特徴は、他の実施形態で又は他の実施形態と共に使用して更なる実施形態をもたらすことができる。本発明はそのような変形及び変更を含むものとする。
【0016】
[0015]本出願の保護の範囲を限定することなく、以下では、荷電粒子ビームデバイス又はそれの構成要素は、例示的には、二次電子の検出を含む荷電粒子ビームデバイスと呼ばれる。本発明は、更に、試料画像を得るために二次及び/又は後方散乱荷電粒子などの微粒子を電子若しくはイオン、光子、X線、又は他の信号の形態で検出する装置及び構成要素に適用することができる。
【0017】
[0016]一般に、微粒子を参照するとき、微粒子が光子である場合には光信号として、並びに微粒子がイオン、原子、電子、又は他の粒子である場合には粒子として理解されるべきである。
【0018】
[0017]図の以下の説明において、同じ参照番号は同じ構成要素を指す。全般的に、個々の実施形態に関する差異だけを説明する。
【0019】
[0018]本明細書で参照されるような「試料」には、限定はしないが、半導体ウェハ、半導体加工物、及びメモリディスクなどの他の加工物が含まれる。本発明の実施形態は、その上に材料が堆積されるか、検査されるか、又は構造化される任意の加工物に適用することができる。試料は、構造化されるか又は層が堆積される表面、縁部、及び典型的には斜面を含む。
【0020】
[0019]参照しやすくするために、本明細書で使用される「共通」という用語は、全般的に、マルチビームシステムにおいて2つ以上のビーム、例えば全てのビームに共通に作用する要素を指すものとして理解される。本明細書で使用される「個別の」という用語は、全般的に、独立に個別のビームを制御し、それを変形し、それに作用することなどができるように個別のビームだけに作用する要素を指すものとして理解される。
【0021】
[0020]本明細書で説明する実施形態によれば、同じダイ又は隣接するダイの同時検査を可能にするために、更なる制限なしに二次ビーム(信号ビーム)間の分離を可能にし、個別ビーム補正並びに共通ビーム補正、偏向、調整及び/又は集束を可能にし、更に/又はビームアレイのサイズが少数のダイ、例えば1つ、2つ、又は3つのダイよりも大きくならないようにするビーム間隔を持つマルチビームシステムが提供される。それに関して、典型的な実施形態によれば、特に、高スループットマルチビームCD−SEMツールを提供することができる。
【0022】
[0021]マルチビーム走査式電子顕微鏡はマルチビームエミッタ110を含む。
図1に示されるように、マルチビームエミッタ110のエミッタ先端部102は破線によって示されるような電子ビームを放出する。マルチ電子エミッタ106の絞り板106は電子ビーム12、13、及び14をそれぞれ発生する。本明細書で説明する実施形態は3つの電子ビームのラインに限定されない。更なる実施形態によれば、2本から10本若しくは更に20本まで又はそれ以上の電子ビームのライン、並びにアレイの1次元に2本から10本若しくは更に20本まで又はそれ以上の電子ビームを有するアレイを実現することができる。
【0023】
[0022]マルチビーム走査式電子ビームデバイス100は共通電子ビーム光学系120を含む。共通電子ビーム光学要素は、1つを超える電子ビーム、例えば全ての電子ビーム(例えば
図1の電子ビーム12、13、及び14)に同時に作動する。共通電子ビーム光学系は、コンデンサレンズ(例えば
図1の120を参照)、アライメント偏向器、界非点補正装置(field stigmator)、及び走査偏向器からなる群から選択することができる。更なる例として、共通電子ビーム光学系は、電子ビームのライン又はアレイを回転させるための回転レンズとすることができる。それによって、典型的な実施例として、2つ以上の電子ビームが、共通電子ビーム光学要素の同じ開口、例えばマルチビームエミッタ110に示されるコンデンサレンズ120にビームを入り込ませるための同じ開口を通過することができる。
【0024】
[0023]更に、マルチビーム走査式電子ビームデバイス100は個別ビーム光学系140を含み、個別ビーム光学系140は、走査偏向器、非点補正装置、及び電子ビームの個別の焦点を調整するための個別の焦点調整ユニット又は個別の集束ユニットからなる群から選択することができる。
【0025】
[0024]追加又は代替の実施例によれば、個別電子ビーム光学系は、個別のビームアライメント、ビーム走査、レンズアライメント、非点補正、及び個別集束の調整のためのプレレンズ八重極システムとすることができる。
【0026】
[0025]本明細書で説明する実施形態によれば、マルチビーム走査式電子ビームデバイス100には、対物レンズであり、電子ビームのライン又はアレイを同時に集束する共通レンズアセンブリ150が更に含まれる。共通対物レンズアセンブリ150は、静電式、磁気式、又は静電−磁気式の組合せとすることができる。
【0027】
[0026]対物レンズアセンブリの更なる追加又は代替の実施例によれば、アレイレンズは、一般に加速モードの静電レンズアレイ、磁気レンズアレイ、又は組合せ静電−磁気レンズアレイとすることができる。本明細書で説明する他の実施形態と組み合わせることができる更なる実施形態によれば、少なくとも走査要素が対物レンズアセンブリの前方焦点面の近くにある場合、テレセントリシティを改善することができる。
【0028】
[0027]しかし、更に、マルチビーム走査式電子ビームデバイスは、個別のビームごとに対応する検出要素を持つ検出アセンブリ170を含む。したがって、
図1に示されるように、それぞれ電子ビーム12、13、及び14の各々について二次及び/又は後方散乱粒子を検出するための1つの検出要素がある。
【0029】
[0028]
図1は、マルチビーム高スループットツールの実施例を示す。マルチビーム走査式電子ビームデバイス100の特徴には、高電流高解像度SEM、分離されたビームの観点から電子−電子相互作用が無いこと、個別の走査、個別のビームに対する精密な焦点及び非点補正、焦点面の前のスキャナの位置の観点からの高いテレセントリシティ、例えば、接地電位のエレクトロニクス及び検出器、ビームごとの別個の検出要素、例えば後続の電子増倍管を持つシンチレータファイバ検出、及び4×4アレイから始めて10×10アレイ以上までの拡張性を含めることができる。
【0030】
[0029]従来、著しい制限を有することなく二次ビーム間を分離できるようにするビーム間隔を有し、同時に、アレイが同じダイ又は隣接するダイの同時検査のために1つ、2つ又は3つのダイよりも大きくならないようなビーム間隔を有するシステムは強調されてこなかった。本明細書で説明する実施形態によれば、マルチビーム走査式電子ビームデバイスは、ビームのライン又はビームのアレイの2つの隣接するビーム間の典型的な距離を0.5mmから5mm、典型的には1.5mmから3.5mm、例えば2mmから3mmの範囲に設けて有することができる。したがって、本明細書で説明する実施形態は、共通電子ビーム光学系、個別電子ビーム光学系、共通対物レンズシステム、及び個別の検出を含むことができ、例えば、更に、検出されるべきビーム間の分離を改善された方法で行うことができる。
【0031】
[0030]本明細書で説明する幾つかの実施形態によれば、例えば
図1に示されるように、マルチビーム走査式電子ビームデバイス100は、単一のエミッタ先端部102、電子ビームを抽出、加速及び/又は整形するための1つ又は複数の要素、及び個別の電子ビームを発生するためのグリッド絞り106を含むマルチビームエミッタ110を有することができる。それによって、マルチビームエミッタのエミッタ先端部102は1つのビームを放出し、1つのビームはマルチビームエミッタ110の絞り106によって複数のビームに分離される。他の実施形態によれば、電子ビームごとに個別エミッタを持つエミッタアレイを使用することができる。更なる他の実施形態によれば、1つのエミッタ先端部の放出が整形及び形成されて、平行に及び補正されたビームとして出て行くスポットグリッドアレイを使用することもできる。それによって、ビームを整形及び/又は集束するために、1つのグリッド絞りアレイ又は2つ以上のグリッド絞りアレイを1つ又は複数の電位で使用することができる。したがって、1つのエミッタの放出はカラム内で複数の供給源となることができる。このようにして、後続の光学要素によって、又は後続の光学要素と組み合わせて、試料における複数のビームが複数の供給源によって発生されたように見える。一方では、上記に照らして、複数のビームを発生するのに2つ以上のエミッタを使用することができる。他方では、1つのエミッタを使用することができる。それによって、1つの供給源又は2つ以上の供給源を1つのエミッタによって設けることができる。
【0032】
[0031]更なる実施形態によれば、マルチビームエミッタ、すなわち銃コンデンサ区域を以下のように設けることができる。一実施形態によれば、単一のエミッタ電子銃、典型的にはTFE供給源を使用することができる。マルチビームを発生するための絞りアレイは、できるだけ早く個別の電子ビームを発生するためにカラムの上部に含むことができる。それによって、全ビーム電流をできるだけ早く低減して、電子−電子相互作用を回避することができる。したがって、電流全体が、共通ビームからビームレットを発生することによってカラム内で可能な限り早く低減される。更なる実施形態によれば、仮想供給源のz位置(zは光軸を示す)の調整及び/又は絞りアレイの対物レンズアレイとの整合のためのコンデンサを含むことができる。更なる代替又は追加の変形例によれば、個別ビーム発生のための絞りを対物レンズアレイに位置合わせするために、絞りアレイ用のX−Yステージを設けることができる。典型的には、例えば、電磁気アライメントを有することが可能である。更なる追加又は代替の変形例によれば、機械式絞りステージを回転することができ、又は絞りを対物レンズアレイに回転調整するための軸方向磁界を設けることができる。
【0033】
[0032]本明細書で説明する実施形態のいずれとも組み合わせることができる更なる他の実施形態によれば、静電偏向要素132及び磁気偏向要素134を有する共通色消し偏向器130又は共通色消しビームセパレータ130を設けることができる。
図1において、磁気偏向要素を示すために磁界だけが示されている。色消し偏向器130は、以下の
図2A及び
図2Bに関してより詳細に説明される。色消し偏向器130は、それぞれ一次電子ビーム12、13、及び14(
図1における)を偏向し、一次電子ビーム12、13、及び14を二次電子ビーム、すなわち信号ビーム12’、13’、及び14’から分離する。二重集束ベンダ160は更なるビーム分離を行う。二重集束ベンダに関連する更なる実施形態の詳細は以下の
図4に関して説明される。
【0034】
[0033]
図2Aは、色消しセパレータの拡大図を示す。最新技術の電子ビームデバイスは、ほとんどの場合、一次ビームと二次ビームとをビーム分離するために磁気偏向器又はウィーンフィルタを使用する。それによって、z軸(光軸)に垂直である、実質的に垂直な静電界及び磁界が使用される。電子に作用する力は、クーロン力の
F
e=q・E (1)
[0034]及びローレンツ力の
F
m=q・(v×B) (2)
によって与えられる。
【0035】
[0035]共に長さlの電界及び磁界中での電子の偏向角は以下の式で記述することができる。
【0036】
θ=ql(vB−E)/(mv
2) (3)
[0036]
図2Aは、色消しベンダ又は色消しビームスプリッタ130の一実施形態を示す。図中に、コイル巻線163及び板形状の電極165が示されている。コイル163は磁界31を発生する。磁界は電子ビーム170に対して磁気力32を発生する。磁気力は式(2)に従って発生される。磁界31に対して実質的に垂直に、電界が電極165間で発生される。その結果、電気力33が発生され、それは磁気力と実質的に反対方向である。
【0037】
[0037]
図2Aに示された実施形態は垂直で均一な磁界及び電界を発生する。
図2Aにおいて、電子が色消し偏向器に入ると、電子ビーム経路170は軸142に対してわずかに傾けられる。電子は色消し偏向器内で偏向され、色消し偏向器に入り込んだ後、本質的に軸144に沿って移動する。これは、式(3)の微分を考慮に入れて理解することができ、すなわち
dθ/dv=−(qlB/mv
2)(1−2E/vB) (4)
である。
【0038】
[0038]磁気力が電気力の2倍に等しいという条件が満たされる場合、偏向角は電子の速度に無関係である。
図2Aにおいて、これは、矢印32及び33を示す力の長さによって示される。
【0039】
[0039]本明細書で説明する実施形態では、色消し偏向器162は少なくとも以下の機構のうちの1つによって説明することができる。一実施形態によれば、20から80アンペアターン(Aturn)、例えば、40Aturnを設けることができる。更なる実施形態によれば、約10から400のコイル巻線を設けることができる。しかし、別の実施形態によれば、50から500のコイル巻線を設けることができる。それにもかかわらず、更により多くのコイル巻線、例えば数千までを設けることが可能である場合がある。
【0040】
[0040]更なる実施形態によれば、色消し偏向角は0.3°と7°との間とすることができる。別の更なる実施形態によれば、偏向角は1°と3°との間である。
【0041】
[0041]
図2Aに示された色消しビーム偏向器又はビームスプリッタは本発明に従って使用することができる。それに関して、上述のように、静電偏向は、
【0047】
[0043]上述のように、磁気偏向が静電偏向の−2倍に等しい場合、色収差(分散)なしの偏向を実現することができる。
【0048】
[0044]
図2Bに関して示される本明細書で説明する幾つかの実施形態によれば、実質的に純粋な二重極場(dipole field)を含むシステムを使用することができる。
図2Bは、8個の電極及び磁極片を有するシステムを示す。コア564は絶縁体563を介してハウジング566に接続される。コアを励磁し、それによって磁極片を励磁するためのコイルがコア564のまわりに巻きつけられる。コアの他端には、電極−磁極片567/8が設けられる。例えば、
図2Aに示されるような偏向ユニットを使用する実施形態によれば、磁界と電界がほぼ同じになるように漏れ界を設けることができ、非常に純粋な二重極場を発生することができる。しかし、8個のコイル及び8個の電極を含むシステムはより多くの電流源及び電圧源を必要とし、それにより、コストが増大する。その結果、各々2つの極を有する最適化したシステム(電気及び磁気)を本明細書で説明する実施形態で一般に使用することができる。
【0049】
[0045]全般的に、本明細書で説明する実施形態は、高スループット、高解像度の画像化システムに関する。画像化システム(マルチビーム走査式電子ビームデバイス)は、低い球面収差及び色収差を持つ高性能対物レンズアレイを備えたマルチビームシステムと、一次電子ビームと二次電子ビームとを分離するための低収差ビームセパレータと、マルチチャネル信号検出とを含むことができる。
【0050】
[0046]
図2Cに示されるように、幾つかの実施形態によれば、電子ビームが互いに平行に共通色消しビームセパレータに入らない場合、上述の色消し条件が全ての電子ビームに対して満たされないことがある。
図2Cは、静電偏向要素132及び磁気偏向要素134を有する色消しビームセパレータ130に入る3つの電子ビームを示す。それに関して、中央ビームは上述の色消し条件を満たすように示されている。しかし、他の2つの電子ビームは、中央の電子ビームと異なり、対物レンズアセンブリ150の光軸2、並びにそれぞれ傾斜した軸4及び4’に関して示される傾斜角を有する。したがって、非平行の電子ビームについては、色消しビームセパレータは電子ビームの全てに対して完全には色消しでないので、低い収差ビームセパレータとして示されることがある。
【0051】
[0047]幾つかの実施形態によれば、
図2Cに示されるように、個別電子ビーム光学系140は四重極要素などの形態で設けることができる。それによって、色消しで偏向された中央の電子ビームと平行ではないそれぞれ左側の電子ビーム及び右側の電子ビームの軸4及び4’によって示されたビーム傾斜は、個別電子ビーム光学系140に導入することができる。それによって、対物レンズへの垂直ランディング(vertical landing)とアライメントのために導入されるビーム傾斜−α
tilt及びα
tiltを導入することができる。したがって、個別の電子ビームは、軸外れ電子ビームを補償した後で平行に対物レンズアセンブリ150を通過する。
【0052】
[0048]更なる実施形態によれば、
図2Dに示されるように、静電偏向要素132’及び磁気偏向要素134’を有する色消しビームセパレータ130’は、中心軸上で色消しビームセパレータ130’を通過しない電子ビームの色消しビーム偏向を調整する四重極要素によって設けられる重畳四重極場によって補償することができる。
図2Bに関して示されたように、色消しビーム偏向器は八重極要素によって実現することができる。この八重極要素は、軸から外れて色消しビームセパレータを通過する電子ビームに対してビーム偏向を調整することができる。それによって、
図2Dに示されるように、電子ビームは色消しビームセパレータを平行に出て行き、要素140などのビーム傾斜偏向器の分散を回避することができる。
【0053】
[0049]幾つかの実施形態によれば、マルチビーム走査式電子顕微鏡は共通ビームベンダ(例えば
図1の160を参照)を有することができ、共通ビームベンダはそれを通して入り込む幾つかの電子ビームを有するように構成される。一次ビームが試料上に集束された後、一次荷電粒子のビームは試料と異なる相互作用を受けて二次粒子をもたらすが、「二次粒子」という用語は試料から出てくる全ての粒子を含むものと理解されるべきである。偏向器130を通り抜け、例えば偏向器130の方に加速される二次粒子ビーム(例えば
図1の12’、13’、及び14’を参照)はビームベンダ160の方に偏向される。
【0054】
[0050]一般に、本明細書で開示する実施形態と組み合わせることができる曲げセクタなどのビームベンダは、静電式、磁気式、又は静電−磁気式の組合せとすることができる。静電曲げセクタで必要とされる空間は、磁気部品を含むセクタで必要とされる空間よりも小さいので、一般に、静電セクタが使用される。静電曲げセクタは、円形に整形される2つの電極とすることができる。このセクタは、電子ビームを曲げるために機能する負に帯電する電極と正に帯電する電極とを有することができる。それによって、電子ビームは1次元で集束され、その上、高エネルギーで保持されて、高速検出に影響を及ぼすことがある飛行時間効果が避けられる。2次元での集束は、四重極要素内で、静電側板又はシリンダレンズによって行うことができる。それによって、二重集束ベンダを、例えば二重集束セクタユニットの形態で設けることができる。
【0055】
[0051]それによって、二次荷電粒子のビームは一次荷電粒子のビームに対して約90°だけ偏向することができる。しかしながら、30°と110°との間、典型的には45°と95°との間、又は60°と85°との間の他の値も可能である。偏向に加えて、既に上述したように、ビームは集束もされる。曲げセクタを適用する1つの利点は、二次荷電粒子のビームが、一次荷電粒子ビームの直ぐ近くから離れた所に誘導されることである。したがって、一次荷電粒子ビームの近くの限定された空間に解析ツールを備えつける必要がなく、更に、一次荷電粒子ビームとの望ましくない相互作用をもたらすことなく、解析ツールを荷電粒子ビームデバイスに適用することができる。
【0056】
[0052]追加の側板を随意に設けることができる電極の代わりに、曲げセクタは半球セクタとすることができる。半球セクタはビームの2次元集束を可能にする。したがって、追加の集束ユニットを二重集束セクタユニットでは必要とされない。一般に、静電ビーム曲げセクタは円筒又は半球とすることができる。円筒タイプには、ビームが曲げられるとき二次電子が一方の面には集束されるが他方の面には集束されないという難点がある。半球曲げセクタは両方の面に二次ビームを集束する。バイアスされた側板と共に円筒セクタを使用して横断面への集束を達成し、半球セクタと同様の集束特性をもたらすことができる。
【0057】
[0053]本明細書で説明する他の実施形態と組み合わせることが可能な実施形態として使用することもできる色消しビーム分離又はビーム偏向器は以下のように説明することができる。36mmの内径及び2mm×2mmのX断面、並びに40アンペアターンを有するサドルコイルは、約30mmの長さを更に有することができる。60°の角度のサドルコイルは六重極成分を縮小するか回避することができる。更に、代替として、42°及び78°の角度のコイルを組み合わせると六重極成分及び十重極成分を縮小するか回避することができる。静電偏向器、すなわち
図2Bに示された電極は、16mmの内径及び30mmの長さの光学的幾何形状を有することができる。更に、カラム電圧上にフロートする±500Vの偏向電圧(静的な)を供給することができる。
図2Bに関して説明したように、x,y,=0.7071・X,Y,である場合、六重極成分及び十重極成分を縮小するか回避することができる。このモデルでは、カラム電圧は9.5keVで与えられ、この電圧は、カラム内でビームブーストを行うために増大した電位(例えば5倍、10倍、又は20倍にも増大)に設定することができ、ランディングエネルギーはそれぞれ500eV又は1keVである。
【0058】
[0054]
図3Aは、ビームセパレータのシミュレーション結果を示す。偏向は若干の非点収差を引き起こしている。しかしながら、非点収差は十分に小さいので補正できる。補正された非点収差が
図3Bに示される。それによって、スポット直径は
図3Aの24nmから
図3Bの約1nmまで減少することができる。
図3C及び
図3Dは、上述した色消しビームセパレータ又は色消しビーム偏向器が付加的な色収差を導入しないことを更に示している。それによって、
図3Cはビームセパレータがない場合のスポットを示し、
図3Dはビームセパレータがある場合のスポットを示す。
図3C及び
図3Dでは、実質的な差異は分からない。
図3Eは、大きいビームX断面を示し、60°サドルコイルを備えるビームセパレータの更なるシミュレーションを示す。
図3Eで分かるように、著しい付加的収差、例えば「六重極」コマは導入されていない。したがって、大きい直径を持つ60°サドルコイルは、本明細書で説明したような色消し又は低い収差のビームセパレータの実施形態には十分であると考えることができる。
【0059】
[0055]シミュレーションによって示すことができるように、色消しビーム偏向器は、更に、試料上へのランディングエネルギーのエネルギー変化にさほど敏感でない。したがって、エネルギーの変化に対する許容範囲は、偏向が小さいほど緩和することができる。偏向器は、小さいエネルギー変化の場合、再調整する必要はない。
【0060】
[0056]次に、例えば分光計を含むことができる検出に関する更なる代替又は追加の実施例を説明する。それによって、
図4が部分的に参照される。一般に、色消しビームセパレータは、一次電子ビームに対して色消しであると見なすことができるが、二次信号ビームに対して分散を導入することがある。より容易に理解できるように、
図4は1つの一次ビーム及び1つの信号ビームだけを示す。しかしながら、同じ原理を複数の信号ビームに使用することができる。
【0061】
[0057]色消しビーム偏向器は一次ビームから信号ビームを分離し、3つの異なるビームによって示されるような分散を導入する。ビームベンダに入り込んだ後、例えば、セクタの形態において、分散は、参照番号474によって示された分散画像の平面で見られる。レンズ472は、異なる信号ビームエネルギーに対応する異なる仮想画像をサブ検出要素471上に画像化する。それによって、エネルギーフィルタ処理を実現することができる。
【0062】
[0058]中央ビームのビーム光線が
図4に示される。見て分かるように、曲げセクタ160の直後に交差がある。一般に、他の実施形態によれば、サブ検出要素は、ベンダ160の直後、典型的には異なる信号エネルギーを有する異なる信号ビームの焦点に位置決めすることもできる。しかしながら、レンズ472はエネルギー広がりの画像化及び拡大を可能にする。したがって、異なるΔEチャネルの速くて並列の検出を実現することができる。例えば、これは、例えばドーパントプロファイル用の元素マッピング又は電位マッピングに使用することができる。
【0063】
[0059]マルチビームシステムが使用される場合、
図4に示されたサブ検出要素471に隣接して更なるサブ検出要素アレイを設けることができる。
【0064】
[0060]他の実施形態によれば、本明細書で説明する実施形態によるマルチビーム走査式電子システム、及びマルチビーム走査式電子システムを走査する方法が提供される。一般に、走査電子ビームの2Dアレイが供給されるので、典型的には、各電子ビームは単一ビームデバイス、例えばCD−SEMと同様の解像度性能を有する。アレイでは、各ビームは数平方ミクロンを走査し、全スループットは、単一ビームスループットにビームの数を乗じたものである。
【0065】
[0061]一般に、検査されるべきウェハはツール内でXYステージ上に位置決めされる。本明細書で説明する他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形によれば、走査はステップアンドスキャン方式で行われる。それによって、走査中にステージは移動されず、電流フレーム走査が完了するまで待機する。フレームの走査が終了すると、ステージは次のフレーム場所に進む。
【0066】
[0062]マルチビーム走査式電子ビームデバイスの1つの主要な問題はそのような高スループットシステム内のビームオーバーラップであるが、それは、表面の重要部分が2つのビーム内に存在することがあるからである。それによって、2つの隣接するビームの走査区域のオーバーラップが設けられる。特に、このオーバーラップ領域の走査が短期間内に行われる場合、オーバーラップ領域は、異なる帯電領域を起こすので、このオーバーラップは電子ビーム画像化にとって一般に問題である。
【0067】
[0063]互いに組み合わせることができる異なる実施形態によれば、改善された走査が提供される。一つの代替例によれば、組み合わせられた走査を提供することができる。一般に、製造性考慮設計(DFM)のダイからデータベースへの走査では、系統的な欠陥が検出されるべきである。したがって、本明細書で説明する幾つかの実施形態によれば、仮想ダイ画像から検査結果を推定することが可能である。それによって、仮想ダイ画像は幾つかの物理的ダイの一部を含むことができる。仮想ダイ画像は、アレイ上でのビーム間のオーバーラップを必要としない方法で、特に、前もって電荷を低下させるのに十分である時間内になくても、構築することができる。第1のオプションは矩形走査スキームであり、4つの異なるダイの一部を走査して1つの仮想ダイ画像を発生する。
図5Aに示されるように、部分1、2、3、及び4の各々は、2つ以上(4つまで)の物理的ダイの一部である。これらの画像を組み合わせて、検査目的に使用される仮想ダイ504画像を形成する。
【0068】
[0064]
図5Bは六角形走査スキームを示し、それは、検査目的に使用することができる仮想ダイ画像を形成するために異なるダイの3つの異なる部分502の走査を含む。
図5Bに示されたオーバーラップ503は悪影響を及ぼさないが、それは、それぞれの試料領域の電荷が十分に消滅した後で、物理的に隣接する領域の走査を行うことができるからである。
【0069】
[0065]別の実施形態によれば、
図6に示すように、台形の電流プロファイルを個別の電子ビームのビーム電流に使用することができる。それによって、更に、単一のダイを走査することができる。オーバーラップしない領域602の電流密度と等しいオーバーラップ領域604の全電流密度を保証することになる走査方式によってビームオーバーレイ効果を著しく弱めることができると考えられる。例として、ビームが規則的な矩形グリッドに配置され、散乱振幅がグリッドの周期性よりも大きい場合、オーバーラップが生成される。
【0070】
[0066]本明細書で説明する他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態によれば、オーバーラップ領域604は以下のように走査される。X方向として示される走査方向では、電流プロファイルは台形であり、台形の頂上(602)は単一ビーム領域602に対応し、それぞれの電子ビームのビーム電流はオーバーラップ領域604に沿って直線的に減少する。それによって、単一ビームだけが使用される場合、オーバーラップ領域604の全電流は台形の頂上領域の電流に等しい。
【0071】
[0067]更に、Y軸について、X方向に走査されたラインは、同様の方法で変調されるライン電流を有することになる。オーバーラップ画像信号は、オーバーラップを発生する2つの電子ビームに対応する2つのビーム検出器上で並列に検出することができる。
【0072】
[0068]オプションの実施例によれば、例えば補間に基づくことができる画像処理技法が2つの画像を再結合するために適用されるであろう。それによって、結合画像の画像品質は単一ビーム領域の画像品質と同様か又はそれに近いものとすることができる。
【0073】
[0069]例えば
図7に示すように、本明細書で説明する他の実施形態と組み合わせることができる更なる実施形態によれば、マルチビーム走査式電子ビームデバイスを以下のように提供することができる。
図7において、ビーム発生は示されていない。ビームは、例えば個別エミッタのアレイ又は単一エミッタで発生することができる。代替として、それらはグリッド絞りアレイ、グリッドレンズアレイ、それらの組合せ及び/又はグリッド絞りアレイとレンズによって発生することができる。したがって、例えば
図1に示したような本明細書で説明する幾つかの実施形態によれば、マルチビーム走査式電子ビームデバイス100は、単一のエミッタ先端部102と、電子ビームの引き出し、加速及び/又は整形を行うための1つ又は複数の要素と、個別の電子ビームを発生するためのグリッド絞り106とを含むマルチビームエミッタ110を有することができる。他の実施形態によれば、電子ビームごとに個別エミッタを持つエミッタアレイを使用することができる。更なる他の実施形態によれば、スポットグリッドアレイを使用することもでき、1つのエミッタ先端部の放出が整形及び形成されて平行に補正済みビームとして出て行く。それによって、ビームの整形及び/又は集束を行うために、1つのグリッド絞りアレイ又は2つ以上のグリッド絞りアレイを1つ又は複数の電位で使用することができる。したがって、1つのエミッタの放出はカラム内で複数の供給源となることができる。このようにして、後続の光学要素によって、又は後続の光学要素と組み合わせて、試料における複数のビームは複数の供給源によって発生されたように見える。一方では、上記に照らして、複数のビームを発生するのに2つ以上のエミッタを使用することができる。他方では、1つのエミッタを使用することができる。それによって、1つの供給源又は2つ以上の供給源を1つのエミッタによって設けることができる。
【0074】
[0070]ビーム12、13、及び14は、それぞれ、例えばレンズ、多重極などを含むことができる個別電子ビーム光学系140を最初に通過する。電子ビームカラム内の、この位置では、個別の電子ビームは互いに対して比較的大きい距離を有する。互いに対する個別のビームの距離は、幾つかの実施形態によれば、第1のレンズ725及び第2のレンズ727を有する適応光学系によって縮小することができる。
図7に示すように、縮小用適応光学系を設けることができる。それによって、互いに対する電子ビームの距離を縮小することができる。その後、本明細書で説明する他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態によれば、隣接するビーム間の距離は1.5〜3.5mm、典型的には2〜3mmの範囲とすることができる。複数の電子ビームは、ビーム補正器722及び共通偏向システム724などの共通電子ビーム光学系120によって更に作用を受ける。共通対物レンズアレイは複数の電子ビームを試料20上に集束する。それによって、磁気対物レンズ構成要素752、及び1つ又は複数の電極板を有する静電レンズ構成要素754を使用することができる。したがって、共通対物レンズアセンブリ150が設けられる。
【0075】
[0071]したがって、本明細書で説明する幾つかの実施形態において、互いに対する電子ビーム間の距離を適応させるための拡大又は縮小用適応光学系を設けることができる。しかしながら、それに関して、個別の電子ビームで交差が発生することがあり、それが電−子電子相互作用を増大させる。
【0076】
[0072]一般に、1つのシステムにおいて、大きいビーム間隔を持つ個別のカラムの利点と小さいビーム間隔を持つビームアレイの利点とを、適応光学系を設けることによって組み合わせることが望ましいことがある。それに関して、本明細書で説明する幾つかの実施形態によれば、個別ビーム制御のために要素を一体化するのに十分な間隔を持つ電子又は荷電粒子エミッタのアレイを設けることができる。これらの個別電子ビーム光学系は偏向器、レンズ、非点補正装置などとすることができる。それに関して、本明細書で説明する他の実施形態と組み合わせることができる異なる実施形態によれば、電子エミッタは、1つ又は複数の従来の熱エミッタ、電界エミッタ、又は熱−電界(ショットキー)の組合せエミッタに基づくことができる。それは光エミッタのアレイとすることもできる。
【0077】
[0073]更に、マルチビームアレイは、例えば、グリッド絞り又はスポットグリッドアレイを使用することによって、1つのエミッタ先端部からの1つのビームを複数のビームレットに分離することによって形成することができる。その結果、互いに対する電子ビームの間隔によって、個別電子ビーム光学系は電子ビームを個別に制御することが可能になる。更に、本明細書で説明する幾つかの実施形態によれば、
図7に示されるように、光学縮小システムを設けることができる。それによって、ビームアレイの間隔は、1つのダイ又は少数の隣接するダイ、例えば2つ又は3つのダイを同時に検査するための最終要件のために縮小される。代表例として、二重レンズのような最小化された(補償済みの)軸外れ収差を持つ光学システムを適応光学系に設けることができる。それによって、本明細書で説明する他の実施形態と組み合わせることができる更なる実施形態において、レンズシステムは磁気式、静電式、又は静電−磁気式の組合せとすることができ、2つ以上のレンズを含むことができる。
【0078】
[0074]更に、
図7に例示的に示されるように、包括的ビームアレイ操作用の共通電子ビーム光学系が設けられる。異なる実施形態によれば、共通電子ビーム光学系は、アライメント及び/又は走査用偏向システム、ビームアレイの集束調整用のレンズシステム、補正用レンズシステム、包括的非点補正装置などを含むことができる。
【0079】
[0075]更に、共通対物レンズのアレイ、すなわち共通対物レンズアセンブリを設けることができる。それによって、対物レンズアセンブリは、ビームごとに個別の開口を有することができる。しかしながら、共通対物レンズアセンブリは共通励磁によって設けられ、共通励磁は個別の電子ビームを同時に集束する。
【0080】
[0076]共通対物レンズの更なる例には、共通磁極片と共に共通励磁コイルを有する磁気レンズ及び個別の穴(開口)のアレイ、又は単一の電位にある共通のレンズ板に個別の穴(開口)を有する共通静電レンズを含めることができる。それによって、本明細書で説明する他の実施形態と組み合わせることができる異なる実施形態によれば、共通対物レンズアセンブリの静電レンズ又は静電レンズ構成要素は、加速モードで又は減速静電レンズとして使用することができる。
【0081】
[0077]本明細書で説明する他の実施形態と組み合わせることができる更なる実施形態によれば、例えば
図7に示されるようなマルチビーム走査式電子ビームデバイスは、検出器のアレイが設けられる検出システムを含む。それによって、各電子ビームに対応する検出器が設けられる。静電レンズ構成要素754が減速静電レンズとして設けられる場合、二次電子ビームは加速され、対物レンズを通して移送され、例えば検出器772上で検出することができる。検出器772は対物レンズ上の環状電子検出器のアレイとすることができる。二次電子ビーム、すなわち信号ビームは、更に、光学適応システムに移送することができ、光学適応システムは、
図7において、一次ビームが縮小システムであり、したがって二次ビームが拡大システムである。それによって、個別のビーム間の分離は増大され、磁気システムの場合、二次電子ビームは二次電子ビームのラモア回転によって一次ビームから分離される。したがって、検出器774の設計の更なる簡易化を実現することができる。
【0082】
[0078]更なる実施形態によれば、検出は、一次及び二次ビームアレイの更なる分離によって改善することもできる。この場合、磁界又は組合せ静電−磁界に基づいたビームセパレータが、二次ビームアレイを一次ビームアレイの経路から分離することができる。本明細書で説明する幾つかの実施形態によれば、例えば
図2A〜
図2Dに関して説明したような色消しビームセパレータを使用することができる。「完全な」分離は検出器の設計を簡単化し、例えばエネルギーフィルタ及び分光計などのエネルギー及び/又は環状識別用の要素、及び/又は環状マルチパースペクティブ検出用の要素をより容易に一体化できるようにする。更なる追加又は代替の実施例によれば、検出システムは、セクタ場ベースの分光計、減速場分光計、環状制御用のレンズ、アライメント及び選択用の偏向器などを含むことができる。それによって、本明細書で説明する典型的な実施形態によれば、共通分離、フィルタ処理、アライメント、環状制御が行われる。更に、各ビームを個別に検出するための検出器のアレイ又は個別の検出器が設けられる。
【0083】
[0079]本明細書で説明する他の実施形態と組み合わせることができる更なる実施形態が
図8に関して説明される。それによって、単一のエミッタ先端部102が設けられる。例えば、単一のエミッタ先端部102の放出角が比較的に小さい場合、グリッド絞りアレイ又はスポットグリッドアレイによって与えられる分離は比較的小さくなる可能性がある。したがって、個別のビーム制御に十分な間隔を有する電子エミッタアレイの代わりに、小さいビーム分離を有するエミッタアレイが設けられる。したがって、幾つかの実施形態では、ビーム間隔の拡大が望ましい場合がある。
図8に示されるように、レンズ727及び725を有する拡大システムが設けられる。
図7に関して説明したように、幾つかの実施形態は適応光学系に使用することができる。典型的には、二重レンズのような最小化された(補償済みの)軸外れ収差を持つ光システムを設けることができる。ビーム分離の、この増大の後に、個別電子光学要素140を設けることができ、その結果、各電子ビーム12、13、及び14は個別に制御することができる。
【0084】
[0080]共通対物レンズアレイは複数の電子ビームを試料20上に集束する。それによって、磁気対物レンズ構成要素752、及び1つ又は複数の電極板を有する静電レンズ構成要素754を使用することができる。したがって、共通対物レンズアセンブリが設けられる。それによって、対物レンズアセンブリは、ビームごとに個別の開口を有することができる。しかしながら、共通対物レンズアセンブリは共通励磁によって設けられ、共通励磁は個別の電子ビームを同時に集束する。共通対物レンズの更なる例には、共通磁極片と共に共通励磁コイルを有する磁気レンズ及び個別の穴(開口)のアレイ、又は単一の電位にある共通のレンズ板に個別の穴(開口)を有する共通静電レンズを含めることができる。それによって、本明細書で説明する他の実施形態と組み合わせることができる異なる実施形態によれば、共通対物レンズアセンブリの静電レンズ又は静電レンズ構成要素は、加速モードで又は減速静電レンズとして使用することができる。
【0085】
[0081]更なる実施形態によれば、レンズ、及び収差補償、偏向、及び/又は非点補正制御用の多重極要素などの個別光学要素140並びに共通電子ビーム光学系120を可能にするビーム距離を持つ電子ビームアレイを設けることが可能であろう。共通電子ビーム光学系120は、共通走査偏向器724と、アライメント偏向器、非点補正装置などのような共通ビーム制御要素722とを含むことができる。
図9に示すように、共通磁気レンズアセンブリ752及び共通静電レンズアセンブリ754を使用して、一次電子ビームを試料20上に集束することができる。検出は、それぞれ個別のビームに対応する検出ユニットを有する検出アレイ772で実現することができる。それによって、
図9に示された要素は、本明細書において、特に、
図7に関して説明した実施形態に従って変更することができる。
【0086】
[0082]
図10は、
図7に関して説明した実施形態と
図1に関して説明した実施形態との組合せを示す。マルチビームエミッタ110が設けられる。例として、
図10に示すように、個別エミッタのアレイが設けられる。電子ビームは、個別電子ビーム光学系140を設けることができるように互いに対して一定間隔を有する。これは、例えば個別のレンズ又は個別の多重極とすることができる。ビーム間隔適応光学系はレンズ725及び727によって設けられる。その後、電子ビームアレイは共通色消しビーム偏向器を通過し、ビーム偏向器は一次ビームのビームアレイを偏向させ、一次ビームアレイと二次ビームアレイとを更に分離する。更に、共通電子ビーム光学系120が設けられ、電子ビームアレイは共通磁気レンズアセンブリ752及び共通静電レンズアセンブリ754によって試料20上に集束される。二次ビームアレイ、すなわち複数の信号ビームは共通色消しビームセパレータによって一次ビームアレイから分離され、個別の二次ビームは、参照番号170によって示される検出ユニットのアレイ又は個別の検出器によって検出される。
【0087】
[0083]
図11A〜
図11Cは、本明細書で説明する高スループットツールで使用することができる実施形態による電子ビームアレイ発生の異なる実施形態を示す。
図11Aは、単一エミッタ1102、並びに個別のビームレットを発生するための絞りグリッドアレイ、レンズ、及び/又はレンズアレイを有するマルチビームエミッタ1110Aを示す。それによって、エミッタ1102は小さい放出角を有し、それがビームレットの分離を制限する。
図11Bに示される更なる実施形態によれば、単一エミッタ1102はより大きい放出角を有することができ、その結果、レンズを使用して電子ビームを絞りアレイの方に誘導することができる。更なる他の実施形態によれば、個別エミッタ1104を設けることができ、その結果、エミッタ1110Cを設けることができる。それによって、更に、個別電子ビーム光学系140のために十分な間隔を設けることができる。
【0088】
[0084]上述のように、マルチビームアレイを発生する異なるオプションは、個別の電子ビーム間の異なる距離をもたらすことができる。したがって、マルチビームシステムにおける光学要素の構成はマルチビームエミッタのタイプによって決めることができる。特に、アレイ中のエミッタ間隔は更なる光学系の構成に影響を及ぼすことがある。したがって、異なる実施形態を提供することができる。一実施形態によれば、マルチビーム走査式電子ビームデバイスなどのマルチビーム高スループットツールは、単一のエミッタ先端部によって形成されたマルチビームエミッタと、単一ビームから個別のビームレットを形成する絞りアレイ及び/又はグリッドレンズアレイのような分離デバイスとを含むことができる。更に、レンズや多重極などの個別電子ビーム光学系は、アレイに配置することができる。マルチビーム高スループットツールは、包括的アライメント及び走査のための偏向器などの共通電子ビーム光学系と、共通非点補正装置と、本明細書で説明した他の要素とを更に含む。個別のビームを試料上に集束するための共通磁気、静電、又は静電−磁気の組合せグリッドレンズアレイが設けられる。マルチビーム高スループットツールは、共通ビームセパレータのようなビーム分離手段、又はラモア回転を導入するための共通レンズを更に含む。更に、二次ビーム用の個別検出を含む検出要素が設けられ、例えば、エネルギー及び/又は環状識別能を含むことができる。
【0089】
[0085]別の実施形態によれば、上述の実施形態は、放出ビームの間隔を対物レンズアレイ間隔に合わせるためにエミッタアレイ間隔用のビーム間隔適応光学系(拡大又は縮小)とした場合がある。それによって、典型的に、最小化された軸外れ収差を持つ光学システムを使用することができる。代替実施形態によれば、このシステムは2つの適応システムを更に含むことができる。1つは、個別のビーム制御構成要素をより容易に一体化できるようにするために間隔を拡大するものであり、更なるシステムは、対物レンズに基づく要求に適応するためにビーム間隔を縮小するものである。
【0090】
[0086]上述の実施形態と組み合わせることができる代替実施形態によれば、本明細書で説明する異なる実施形態に応じて異なる種類のマルチビームエミッタを使用することができる。更なる他の変形例によれば、1つ又は複数のグリッド絞りアレイによって更に分離することができる複数の個別エミッタを使用して、マルチビームアレイを発生することができる。
【0091】
[0087]更なる代替実施例によれば、共通対物レンズアセンブリは、アレイ中の個別のビームの数よりも少ない数の開口を有することができる。それによって、2つ以上のビームが、共通対物レンズアレイの1つの開口を共有することができる。しかしながら、共通対物レンズアセンブリに少なくとも2つの開口が設けられることが好ましい。
【0092】
[0088]更なる代替又は追加の実施例によれば、曲げセクタ、典型的には球状静電セクタ構成などの二重集束曲げ要素が設けられる。典型的には、個別のビームレット検出器は、個別のビーム間のクロストークを回避するためにセクタの焦点の近くに位置決めすることができる。間隔要件を改善するために、光電子増倍管(PMT)を持つシンチレーション検出器と、例えばその間にある光ガイドとがビームごとに設けられる。それによって、PMTアレイのための十分な間隔を実現することができる。本明細書で説明する他の実施形態と組み合わせることができる更なる実施形態によれば、個別の二次電子ビームレットの個別の検出器チャネル上への機械的及び/又は電磁気アライメントを設けることができる。複数のビームレットの並列検出の観点から、チャネルごとに個別の検出エレクトロニクスを有することも可能である。
【0093】
[0089]本明細書で説明する他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態によれば、高スループットツールを設けるためのシステムは、典型的には、低電圧システムとすることができ、すなわち、試料上で低ビームエネルギーを有することができる。このエネルギーは、例えば、100eVから5keVの範囲とすることができる。典型的には、低電圧ビームエネルギーの場合、カラム内において電子を高ビームエネルギー、例えば8〜10keV、又は7〜15keVで移動させることが可能である。このビームブーストの原理は、より短い飛行の観点からカラム内の1つのビームレットにおける電子−電子相互作用を低下させることができる。更なる代替又は追加の実施例によれば、カラム構成要素は接地電位とすることができ、一方、エミッタ及びウェハは高電位である。それによって、走査モジュール、ビームセパレータ、及びベンダは接地電位とすることができる。これは、特に、共通電子ビーム光学要素を簡素化する。
【0094】
[0090]マルチビーム走査式電子ビームシステムの更なる実施形態を
図12に関して説明する。それによって、スポットグリッドアレイ1210はマルチビームを発生するために設けられる。銃コンデンサ区域内で、複数のビームレットがスポットグリッドアレイによって発生される。これは、個別のビームが互いに平行に放出されるという観点から有益であると考えることができる。したがって、
図2Cに関して説明したようなビーム傾斜及び/又は
図2Dに関して説明したような色消しセパレータの補償は、垂直対物レンズランディングのために省略することができる。その結果、対応する色収差を更に低減することができる。
【0095】
[0091]
図12において、1つ又は複数の共通非点補正装置などの共通電子ビーム光学要素120、1つ又は複数の共通ビームアライメント要素、又はマルチビームアレイを回転させるための1つ又は複数の共通ビーム回転要素を設けることができる。それによって、これらの構成要素は、典型的には、2つ以上の電子ビームが入り込むための1つの開口を有することができる。更に、これらの共有要素は、個別のビームに同時に作用するための共通制御を有する。
【0096】
[0092]
図12は、更に、共通色消しビームセパレータ130、個別電子ビーム光学要素140、及び共通対物レンズアセンブリ150を示す。
図12において、二次電子ビームアレイのビーム経路及び対応する要素は示されていない。しかしながら、これらの要素は、例えば
図1及び/又は
図4に関して本明細書で説明した実施形態のいずれかに従って設けることができることが理解されよう。
【0097】
[0093]本明細書で説明する実施形態によれば、マルチビーム電子ビーム検査デバイスは製造性考慮設計(DFM)用途で使用することができる。更なる実施形態によれば、このシステムは、一次ビームアレイのビームレットを信号ビームのビームレット、すなわち二次ビームアレイから分割するための色消し一次ビームセパレータを含む。上述のように、二次ビームアレイは、試料への一次ビームの衝突に際して解放される二次粒子、後方散乱粒子、及び他の荷電粒子を含む場合がある。典型的には、幾つかの実施形態では、ビームブーストをビームレット構成に使用することができる。すなわち、カラムの内側に高ビームエネルギーが供給され、電子は対物レンズアレイ内の最終ビームエネルギーまで減速される。上述のように、電子−電子相互作用は、ビームブーストを設けることによって、すなわちカラム内のビームエネルギーを増大させることによって低減することができる。
【0098】
[0094]典型的には、可能であれば、個別のビームは異なるビーム経路で移動するべきであり、ビーム間の電子−電子相互作用を最小化するために交差は避けられるべきである。これは、並列の画像化の観点から一般に使用される高い全ビーム電流では特に関連性がある。このシステムは対物レンズのアレイを更に含む。典型的な具体例によれば、これは、例えば加速モードの静電アレイとすることができる。この構成は小さい機械寸法を可能にする。したがって、複数のビームによる並列画像化は簡単化される。しかしながら、マルチビームアレイを同時に集束するための磁気レンズ又は静電−磁気の組合せのレンズを使用することもできる。
【0099】
[0095]本明細書で説明する実施形態によれば、2つ以上のビームレット、典型的には全てのビームレットに作用するための共通電子ビーム光学要素が存在する。これらの共有要素は、例えば、システム拡大、全電流、及び/又は対物レンズアレイに入るビームレットの発散角を設定するためのコンデンサレンズなどのコンデンサレンズ、共通アライメント及び非点補正の構成要素、及び/又は共通走査構成要素(必要に応じて)とすることができる。更に、共通電子ビーム光学要素は、随意に、例えば軸方向の磁界中でビームレットアレイを回転させるための回転手段とすることができる。
【0100】
[0096]このシステムは、ビームレットアレイの各要素に個別に作用するための個別電子光学要素を更に含む。例えば、個別電子光学要素は、集束、非点補正、対物レンズアライメント、及び/又はビーム走査用の要素とすることができる。個別電子光学要素は、典型的に、横断する静電界、磁界、又は静電−磁界の組合せを発生する。これらのフィールドは、例えば、要求に応じて二重極、四重極、八重極、又はより高次の要素などの磁気要素、静電要素、又は組合せ静電−磁気多重極要素によって発生することができる。典型的には、幾つかの実施形態では、個別作用要素を対物レンズの近くに配置することができる。それによって、更なる代替又は追加の実施例として、単一ステージ又はマルチステージ構成が可能である。例えば、個別ビーム走査用の走査要素は、単一ステージ走査要素又は2ステージ走査要素の形で設けることができる。
【0101】
[0097]例として、個別の単一ステージ走査偏向器は、対物レンズの各開口の穴の前に配置するか、又はそれの中に一体化することができる。個別の二重ステージ走査偏向器は、レンズの内側にピボットポイントを設けて動作及びテレセントリシティを改善するために対物レンズアレイの前に配置することができる。それによって、垂直ランディング角度又は垂直に近いランディング角度を与えることができる。
【0102】
[0098]本明細書で説明する他の実施形態と組み合わせることができる幾つかの実施形態によれば、大きい角度放出を持つ高輝度エミッタを使用して、ビームレット内並びに全システム内で高電流を実現することができる。例えば、大きいエミッタ曲率半径(例えば0.5μm以上、又は更に1μm以上)を持つTFEなどの熱電界放出カソードを使用することができる。他の実施形態によれば、CFE、ショットキーエミッタなどを使用することができる。
【0103】
[0099]更なる代替実施例によれば、追加又は代替として、二次電子、すなわち解放電子用の抽出場を制御するために、サンプルと対物レンズとの間に制御電極を設けることができる。それによって、一例として、制御電極は一次及び二次ビームレット用の開口を有する。典型例として、この電極は対物レンズアレイに一体化することができる。更なる典型例として、静電レンズでは、制御電圧は試料に最も接近しているレンズ電極の電圧に付加することができる。
【0104】
[00100]本明細書で説明するマルチ電子走査式電子ビームシステムは、一次ビームアレイによって生成される単一信号ビームごとに個別検出を持つ信号経路を更に含むことができる。それによって、信号ビームレットは個別の軌跡で色消しビームセパレータに入り込むことが更に可能である。個別の検出器、又はビームごとに個別の検出区域を持つアレイがビームセパレータの後ろに配置される。これは、例えば、後続の信号処理を有するシンチレータ−光電子増倍管構成とすることができる。典型的には、信号処理はビームレットごとに個別に行うこともできる。
【0105】
[00101]本明細書で説明する実施形態と組み合わせることができる更なる実施例によれば、一次ビームアレイと二次ビームアレイとの間の分離の角度を増大するために、追加のビーム偏向要素をビームセパレータの後ろに配置することができる。それによって、検出器の機械的構成を更に簡単化することができる。更に、追加のビーム分離が行われる場合、信号ビームレットの各々を対応する検出器上に集束する手段を設けることがより容易になる。本明細書で説明する実施形態に関して実施することができる例として、集束手段は追加の偏向手段の前に、その後ろに、又はその中に配置することができる。典型的には、上述のように、球状セクタ要素のような二重集束追加要素を設けることができる。この要素は静電式、磁気式、静電−磁気式の組合せとすることができる。
【0106】
[00102]本明細書で説明する他の実施形態と組み合わせることができる更なる実施形態によれば、システム仕様は、10pAから10nA、例えば100pAから1nAの範囲のビームレットの電流を含むことができる。更に、本明細書で説明するシステムで使用されるスポット直径は、1nmから50nm、典型的には1nmから20nmの範囲とすることができる。
【0107】
[00103]更に、本明細書で説明するシステムのオプションには、例えば
図2Bに示した八重極要素で発生することができる重畳電磁気四重極を持つ色消しビームセパレータを含めることができる。この四重極は、全てのビームレットが垂直投射で対物レンズアレイを出て行くことになるように軸外れ一次ビームレットに(1つの方向で)作用することができる。それによって、
図2Dに関して説明したように、非平行のビームレットが色消しビームセパレータで使用される場合、個別のビーム傾斜は必要とされないであろう。それによって、ビームの色収差を低減することができ、したがって、スポットサイズ、それ故に軸外れビームレットの解像度を改善することができる。
【0108】
[00104]本明細書で説明したシステムへの更なるオプションとして、個別の供給源、すなわちサンプル上で個別の供給源として現れる個別の整形されたビームレットを発生するためのスポットグリッドアレイをシステムで使用することができる。個別の供給源をスポットグリッドアレイに設けることができるという観点から、軸外れビームレットが対物レンズを垂直に通過するようにさせるための個別のビーム傾斜を省略することもできる。更なる代替として、個別のエミッタアレイを個別の供給源として適用することができる。例えば、マイクロ電界エミッタアレイ、TFEアレイ、又はフォトカソードを使用することができる。それによって、上述のように、一般に、本明細書で説明したようなマルチエミッタでは、1つのエミッタが光学システム用の2つ以上の光学供給源を発生することができる。
【0109】
[00105]本明細書で説明する実施形態は、絞りアレイを放出の発散部分に配置することによって共通エミッタからマルチビームアレイを発生する方法を更に含む。更に、各ビームが、発散角、電流、システム全体の光軸に対する傾斜角、仮想ツアーサイズ、及び対物レンズアレイに対するビーム位置に関して特定の性能を有するようにビームレットに作用する方法が提供される。これらの方法は、放出パラメータ、コンデンサレンズ励磁、ビーム作用手段、すなわち共通電子光学要素、個別ビーム作用手段、すなわち個別ビーム光学要素、及び/又は色消しビームセパレータ、典型的には共通色消しビームセパレータの動作条件によって制御される。
【0110】
[00106]更なる実施形態は、対物レンズの前又はその中に設けられる個別電子光学要素を使用して、各個別のビームレットを対応する対物レンズ位置(開口)に位置合わせすることに関連する。更に、これらの方法は、1つ又は複数の非点補正要素によって制御される非点補正を目的とすることができる。これらの方法は、例えば、各信号チャネルの信号を使用するスポットサイズ測定又は解像度測定によって最良の焦点を決定することも目的とすることができる。更なる実施形態は、各ビームによって生み出された信号を検出する方法を目的とする。それによって、対物レンズに入る信号電子は収集され、電子は高エネルギー、例えば5〜20keVまで加速され、信号電子ビームレットは色消しビームセパレータ内で一次電子ビームから分離され、信号電子ビームレットは後続の信号チャネルで個別の検出器に誘導される。そのような実施例の典型的な実施形態は個別のビームレットを個別の検出器上に集束することを含む。それによって、信号損失、及びビーム間の交差を低減するか又は回避することができる。
【0111】
[00107]更なる実施形態によれば、静電−磁気四重極を色消しビームセパレータ(静電−磁気二重極)に重畳する方法が提供される。四重極はシステム光軸全体に位置合わせすることができ、それによって軸外れビームレットは対物レンズアレイへの垂直入射のために(一方向に)傾斜されることになる。
【0112】
[00108]上述のように、実施形態は、カラムを有するマルチビーム走査式電子ビームデバイスを目的とすることができる。デバイスは、複数の電子ビームを放出するためのマルチビームエミッタと、複数の電子ビームのうちの少なくとも2つのための共通開口を有し、複数の電子ビームのうちの少なくとも2つに共通に作用するように構成される少なくとも1つの共通電子ビーム光学要素と、複数の電子ビームに個別に作用するための少なくとも1つの個別電子ビーム光学要素と、複数の電子ビームのうちの少なくとも2つを集束するための共通励磁を有し、複数の信号ビームを発生させるために試料上に複数の電子ビームを集束するように構成される複数の電子ビームを集束するための共通対物レンズアセンブリであり、共通対物レンズは、複数の電子ビームが入り込むための少なくとも2つの開口と、各信号ビームを対応する検出要素上で個別に検出するための検出アセンブリとを有する。更なる代替又は追加の実施例として、少なくとも1つの共通電子ビーム光学要素は、複数の電子ビームから複数の信号ビームのうちの少なくとも2つを分離するための共通制御による共通ビームセパレータとすることができ、共通電子ビーム光学要素は、複数の電子ビームのうちの少なくとも2つが入り込むための、又は複数の電子ビームが入り込むための1つの開口を有することができ、共通ビームセパレータは、複数の電子ビームのうちの少なくとも2つが入り込むための、又は複数の電子ビームが入り込むための1つの開口を有することができ、共通ビームセパレータは色消しビームセパレータとすることができ、更に/又は色消しビームセパレータは、分離のために複数の電子ビーム及び/又は複数の信号ビームの交差を発生することなく、複数の電子ビームと複数の信号ビームとを分離するように構成することができる。
【0113】
[00109]更なる他の追加又は代替の具体例によれば、デバイスは、色消しビームセパレータに重ね合わせ、軸外れ電子ビームの偏向角を補正するための四重極場を発生するように構成される四重極発生要素と、例えば複数のビームが入り込むための1つの開口を有することができる二重集束ビームベンダ、特に半球セクタ及び/又は縮小若しくは拡大用ビーム間隔適応光学系とを含むことができる。
【0114】
[00110]更なる追加又は代替の実施例によれば、共通電子ビーム光学要素は、アライメント要素、非点補正器、走査要素、及び複数の電子ビームを回転させるための回転要素からなる群から選択することができ、更に/又は個別電子ビーム光学要素は、集束要素、非点補正器、アライメント要素、ビーム傾斜導入要素、及び走査要素からなる群から選択することができる。更に、本明細書で説明する実施形態のいずれとも組み合わせることができる他の実施形態によれば、隣接するビーム間の試料上のビーム間隔は、0.5mmから5mm、詳細には1.5mmから3.5mm、より詳細には2mmから3mmの範囲とすることができ、個別電子ビーム光学要素は、共通対物レンズアセンブリに隣接して、又はその中に位置決めすることができ、更に/又はマルチビームエミッタと対物レンズとの間で複数の電子ビームを高エネルギーに、特に2keVから20keVに加速するための手段、及び試料に衝突する前に複数の電子ビームを減速させるための手段を設けることができる。
【0115】
[00111]更なる他の代替又は追加の実施例によれば、デバイスは、複数の信号ビームの各々を対応する検出要素上に集束するための集束手段を含むことができ、マルチビームエミッタは複数の電子ビームの各々ごとに個別エミッタを有するスポットグリッドアレイとすることができ、デバイスはカラム内での交差を回避するように構成することができ、更に/又は共通対物レンズアセンブリは特に加速モードの静電レンズアセンブリとすることができる。
【0116】
[00112]他の実施形態によれば、2つ以上のダイを含むウェハの画像を発生するためにマルチビーム走査式電子ビームデバイスを動作させる方法が提供される。この方法は、2つ以上のダイのうちの第1のダイの第1の領域を走査して第1の領域の画像を発生するステップと、2つ以上のダイのうちの第2のダイの第2の領域を走査して第2の領域の画像を発生するステップと、第1の領域の画像と第2の領域の画像とを仮想ダイの画像に組み合わせるステップとを含む。それによって、1つのオプションの具体例として、仮想ダイは2つ以上のダイのうち3つ又は4つのダイの領域の画像によって組み合わせることができる。
【0117】
[00113]更なる他の実施形態によれば、少なくとも1つのダイを含むウェハの画像を発生するために少なくとも第1及び第2の電子ビームを有するマルチビーム走査式電子ビームデバイスを動作させる方法が提供される。この方法は、第1の電子ビームの第1の電子ビーム電流でダイの非オーバーラップの第1の領域を走査して第1の領域の画像を発生するステップと、第2の電子ビームの第2の電子ビーム電流でダイの非オーバーラップの第2の領域を走査して第1の領域の画像を発生するステップと、第1の電子ビームの走査区域と第2の電子ビームの走査区域との間のオーバーラップ領域を走査するステップであり、第1のビームが第1の電子ビーム電流よりも小さい電子ビーム電流を有する第1のオーバーラップ依存性ビーム電流関数を有し、第2のビームが第2の電子ビーム電流よりも小さい電子ビーム電流を有する第2のオーバーラップ依存性ビーム電流関数を有するステップと、を含む。追加の具体例によれば、第1の電流及び第2の電流は類似とすることができ、第1のオーバーラップ依存性ビーム電流関数及び第2のオーバーラップ依存性ビーム電流関数は類似しており、更に/又は第1及び第2のオーバーラップ依存性ビーム電流関数は線形関数とすることができる。
【0118】
[00114]更なる他の実施形態によれば、荷電粒子ビーム用の色消しビーム偏向器を動作させる方法を提供することができる。色消しビーム偏向器は光軸を有する。この方法は、偏向静電二重極場を設けるステップと、偏向磁気二重極場を設けるステップと、四重極場を磁気二重極場及び静電二重極場に重畳するステップとを含み、静電二重極場及び磁気二重極場を互いに対して調整して色消しビーム偏向を行い、四重極場を調整して軸外れ荷電粒子ビームのビーム傾斜を補正する。典型的な具体例によれば、荷電粒子ビームは0.3°と7°との間の角度で偏向することができ、四重極場は色消しビーム偏向器の光軸に位置合わせすることができ、マルチビームアレイの軸外れビームは補正することができ、更に/又は補正は1つの方向に沿って行うことができる。
また、さらに以下の実施形態が考えられる。
(1)
カラムを有するマルチビーム走査式電子ビームデバイスであって、
複数の電子ビームを放出するためのマルチビームエミッタと、
前記複数の電子ビームのうちの少なくとも2つのための共通開口を有し、前記複数の電子ビームのうちの少なくとも2つに共通に作用するように構成される少なくとも1つの共通電子ビーム光学要素と、
前記複数の電子ビームに個別に作用するための少なくとも1つの個別電子ビーム光学要素と、
前記複数の電子ビームのうちの少なくとも2つを集束するための共通励磁を有し、複数の信号ビームを発生させるために試料上に前記複数の電子ビームを集束するように構成される前記複数の電子ビームを集束するための共通対物レンズアセンブリであり、前記複数の電子ビームが入り込むための少なくとも2つの開口を前記共通対物レンズが有する共通対物レンズアセンブリと、
各信号ビームを対応する検出要素上で個別に検出するための検出アセンブリと
を備えるマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
(2)
前記少なくとも1つの共通電子ビーム光学要素が、前記複数の電子ビームから前記複数の信号ビームのうちの少なくとも2つを分離するための共通制御を持つ共通ビームセパレータである、(1)に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
(3)
前記共通電子ビーム光学要素は、前記複数の電子ビームのうちの少なくとも2つが入り込むための、又は前記複数の電子ビームが入り込むための1つの開口を有する、
(1)又は(2)に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
(4)
前記共通ビームセパレータは、前記複数の電子ビームのうちの少なくとも2つが入り込むための、又は前記複数の電子ビームが入り込むための1つの開口を有する、(2)又は(3)に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
(5)
前記共通ビームセパレータが色消しビームセパレータである、(2)〜(4)のいずれか一項に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
(6)
前記色消しビームセパレータが、特に前記色消しビームセパレータの内側で、分離のために前記複数の電子ビーム及び/又は前記複数の信号ビームの交差を有することなく前記複数の電子ビームと前記複数の信号ビームとを分離するように構成される、(2)〜(5)のいずれか一項に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
(7)
前記色消しビームセパレータに重ね合わせ、軸外れ電子ビームの偏向角を補正するための四重極場を発生するように構成される四重極発生要素を更に備える、(2)〜(6)のいずれか一項に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
(8)
二重集束ビームベンダ、特に半球セクタを更に備える、(1)〜(7)のいずれか一項に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
(9)
前記二重集束ビームベンダは、前記複数のビームが入り込むための1つの開口を有する、(8)に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
(10)
縮小又は拡大用ビーム間隔適応光学系を更に備える、(1)〜(9)のいずれか一項に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
(11)
前記共通電子ビーム光学要素が、アライメント要素、非点補正器、走査要素、及び前記複数の電子ビームを回転させるための回転要素からなる群から選択される、(1)〜(10)のいずれか一項に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
(12)
前記個別電子ビーム光学要素が、集束要素、非点補正器、アライメント要素、ビーム傾斜導入要素、及び走査要素からなる群から選択される、(1)〜(11)のいずれか一項に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
(13)
隣接するビーム間の前記試料上の前記ビーム間隔が、0.5mmから5mm、詳細には1.5mmから3.5mm、より詳細には2mmから3mmの範囲である、(1)〜(12)のいずれか一項に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
(14)
前記個別電子ビーム光学要素が、前記共通対物レンズアセンブリに隣接して、又はその中に位置決めされる、(1)〜(13)のいずれか一項に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
(15)
前記マルチビームエミッタと前記対物レンズとの間で前記複数の電子ビームを高エネルギーに、特に2keVから20keVに加速するための手段、及び前記試料に衝突する前に前記複数の電子ビームを減速させるための手段が設けられる、(1)〜(14)のいずれか一項に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
(16)
前記複数の信号ビームの各々を前記対応する検出要素上に集束するための集束手段を更に備える、(1)〜(15)のいずれか一項に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
(17)
マルチビームエミッタが、前記複数の電子ビームの各々ごとに個別エミッタを有するスポットグリッドアレイである、(1)〜(16)のいずれか一項に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
(18)
前記カラム内での交差を回避するように構成される、(1)〜(17)のいずれか一項に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
(19)
共通対物レンズアセンブリが、特に加速モードの静電レンズアセンブリである、(1)〜(18)のいずれか一項に記載のマルチビーム走査式電子ビームデバイス。
(20)
2つ以上のダイを含むウェハの画像を発生するためのマルチビーム走査式電子ビームデバイスを動作させる方法であって、
前記2つ以上のダイのうちの第1のダイの第1の領域を走査して前記第1の領域の画像を発生するステップと、
前記2つ以上のダイのうちの第2のダイの第2の領域を走査して前記第2の領域の画像を発生するステップと、
前記第1の領域の前記画像と前記第2の領域の前記画像とを仮想ダイの画像に組み合わせるステップと
を含む方法。
(21)
前記仮想ダイが、前記2つ以上のダイのうち3つ又は4つのダイの領域の画像によって組み合わされる、(20)に記載の方法。
(22)
少なくとも1つのダイを含むウェハの画像を発生するために少なくとも第1及び第2の電子ビームを有するマルチビーム走査式電子ビームデバイスを動作させる方法であって、 前記第1の電子ビームの第1の電子ビーム電流で前記ダイの非オーバーラップの第1の領域を走査して前記第1の領域の画像を発生するステップと、
前記第2の電子ビームの第2の電子ビーム電流で前記ダイの非オーバーラップの第2の領域を走査して前記第1の領域の画像を発生するステップと、
前記第1の電子ビームの走査区域と前記第2の電子ビームの走査区域との間のオーバーラップ領域を走査するステップであり、前記第1のビームが前記第1の電子ビーム電流よりも小さい電子ビーム電流を有する第1のオーバーラップ依存性ビーム電流関数を有し、前記第2のビームが前記第2の電子ビーム電流よりも小さい電子ビーム電流を有する第2のオーバーラップ依存性ビーム電流関数を有するステップと
を含む方法。
(23)
前記第1の電流及び前記第2の電流が類似しており、前記第1のオーバーラップ依存性ビーム電流関数及び前記第2のオーバーラップ依存性ビーム電流関数が類似している、(22)に記載の方法。
(24)
前記第1のオーバーラップ依存性ビーム電流関数及び前記第2のオーバーラップ依存性ビーム電流関数が線形関数である、(22)又は(23)に記載の方法。
【0119】
[00115]前述のものは本発明の実施形態を対象としているが、本発明の他の実施形態及び更なる実施形態はその基本的な範囲から逸脱することなく考案することができ、その範囲は添付の特許請求の範囲によって決定される。