【課題を解決するための手段】
【0020】
この発明の実施態様は、式(I):
【化3】
〔式中、
R
1は、H、OH又はNH
2であり;
R
3は、H、ハロゲン、CN、(C
1−C
6)アルキル、OH、NH
2、又はNHR’であり;
R
4は、H、ハロゲン、ヒドロキシ、CN、(C
1−C
6)アルキル、R’、又は(C
1−C
6)アルキレン−R’であり;
R
5は、H、ハロゲン、CN、(C
1−C
6)アルキル、又はR’であり;
R
7は、H、ハロゲン、CN、(C
1−C
6)アルキル、O−(C
1−C
6)アルキル、R’、又はSO
2−NH
2であり;
R
8は、H、ハロゲン又は(C
1−C
6)アルキルであり;
R
6は、シクロアルキル環に結合する1個の(C
1−C
4)アルキレン[ここで、(C
1−C
4)アルキレンは、シクロアルキル環の異なる炭素原子と第二の結合を形成して、二環式環系を形成する]であり、
上記において、二環式環系では、1個又は2個の炭素原子はO、N−R
13、S、SO又はSO
2から独立して選択される基によって置き換えられているか;
又は、
m及びsが2である場合、mが3であり、そしてsが1である場合、又はmが4であり、そしてsが0である場合は、
R
6は、CH
2−CH−(CH
2)
2[このCH
2−CH−(CH
2)
2は、一つのCH
2はシクロアルキル環に結合しており、そして二つの他のCH
2は、シクロアルキル環の異なる炭素原子に結合している]であり、
【0021】
そして、mが3であり、そしてsが3である場合は、
R
6は、シクロアルキル環の異なる炭素原子に結合している二つのメチレン基であり、
上記において、メチレン基又はCH
2−CH−(CH
2)
2基は、シクロアルキル環の炭素原子に結合し、そして式
【化4】
(式中、Lは、任意の第二級又は第三級炭素原子に結合することができる)のアダマンタン系を形成し;
又は、
R
6は、R
11及びN原子と一緒になって、(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル[これは、シクロアルキル残基に、縮合するか、又は、スピロ環式環系として結合して、
式:
【化5】
の残基を形成する]を形成し、
上記において、二環式環系又はアダマンタン系又は(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキルを含む環系は、非置換であるか、又は場合によりR
9によって置換されていることもあり;
【0022】
R
9は、
R’、
OH、
ハロゲン、
(C
1−C
6)アルキル、
O−(C
1−C
6)アルキル、
(C
1−C
6)アルキレン−R’、
(C
2−C
6)アルケニル、
(C
2−C
6)アルキニル、
(C
1−C
6)アルキレン−O−R’、
(C
1−C
6)アルキレンCH[R’]
2、
(C
1−C
6)アルキレン−C(O)−R’、
(C
1−C
6)アルキレン−C(O)NH
2、
(C
1−C
6)アルキレン−C(O)NH−R’、
(C
1−C
6)アルキレン−C(O)NH−(C
1−C
6)アルキル、
(C
1−C
6)アルキレン−C(O)N[(C
1−C
6)アルキル]
2、
(C
1−C
6)アルキレン−C(O)N[R’]
2、
(C
1−C
6)アルキレン−C(O)O−(C
1−C
6)アルキル、
COOH、
C(O)O−(C
1−C
6)アルキル、
C(O)OR’、
C(O)(C
1−C
6)アルキル、
C(O)R’、
CONH
2、
C(O)−NH−(C
2−C
6)アルケニル、
C(O)−NH−(C
2−C
6)アルキニル、
C(O)NH−(C
1−C
6)アルキル、
C(O)NHR’、
C(O)−NH(C
1−C
6)アルキレン−R’、
C(O)N[(C
1−C
6)アルキル]R’、
C(O)N[(C
1−C
6)アルキル]
2、
C(O)−(C
1−C
6)アルキレン−R’、又は
C(O)O(C
1−C
6)アルキレン−R’であり;
【0023】
R
11及びR
12は、互いに独立して、
H、
R’、
(C
1−C
6)アルキル、
(C
1−C
6)アルキレン−R’、
(C
1−C
6)アルキレン−O−(C
1−C
6)アルキル、
(C
1−C
6)アルキレン−O−R’、
(C
1−C
6)アルキレン−CH[R’]
2、
(C
1−C
6)アルキレン−C(O)−R’、
(C
1−C
6)アルキレン−C(O)NH
2、
(C
1−C
6)アルキレン−C(O)NH−R’、
(C
1−C
6)アルキレン−C(O)NH−(C
1−C
6)アルキル、
(C
1−C
6)アルキレン−C(O)N[(C
1−C
6)アルキル]
2、
(C
1−C
6)アルキレン−C(O)N[R’]
2、
(C
1−C
6)アルキレン−C(O)O−(C
1−C
6)アルキル、
C(O)O−(C
1−C
6)アルキル、
C(O)OR’、
C(O)(C
1−C
6)アルキル、
C(O)R’、
C(O)NH−(C
1−C
6)アルキル、
C(O)NHR’、
C(O)N[(C
1−C
6)アルキル]R’
C(O)N[(C
1−C
6)アルキル]
2、
C(O)−(C
1−C
6)アルキレン−R’、
C(O)O(C
1−C
6)アルキレン−R’、
又は
R
11及びR
12は、それらが結合しているN原子と一緒になって(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキルを形成し;
【0024】
R
13は、H又は(C
1−C
6)アルキルであり;
nは、0、1、2、3又は4であり;
mは、1、2、3又は4であり;
sは、0、1、2、又は3であり;
Lは、O(CH
2)
p、S(CH
2)
p、S(O)(CH
2)
p、SO
2(CH
2)
p、NH(CH
2)
p、N(C
1−C
6)アルキル−(CH
2)
p、N(C
3−C
6)シクロアルキル−(CH
2)
p、又はN[(C
1−C
3)アルキレン−R’]−(CH
2)
pであり;
pは、0、1、2、3又は4であり;
R’は、
(C
3−C
8)シクロアルキル、
(C
5−C
10)ヘテロアリール、
(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル、
(C
6−C
10)アリールであり;
上記において、残基R
3〜R
13中、アルキル又はアルキレンは、非置換であるか、又は場合により、OH、OCH
3、C(O)OH、C(O)OCH
3、NH
2、NHCH
3、N(CH
3)
2、C(O)NH
2、C(O)NHCH
3又はC(O)N(CH
3)
2によって、1回又は複数回、置換されていることもあり;
上記において残基R
3〜R
13中、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルは、非置換であるか、又は場合により、(C
1−C
6)アルキル、ハロゲン、OH、OCH
3、C(O)OH、C(O)OCH
3、NH
2、NHCH
3、N(CH
3)
2、C(O)NH
2、C(O)NHCH
3又はC(O)N(CH
3)
2によって、1回又は複数回、置換されていることもあり;
上記において、残基R
3〜R
13中、アルキル又はアルキレンは、非置換であるか、又は場合により、ハロゲンによって、1回又は複数回、置換されていることもあり;
【0025】
上記において、残基R
3〜R
13中、(C
6−C
10)アリール及び(C
5−C
10)ヘテロアリールは、非置換であるか、又は場合により、ハロゲン、OH、NO
2、N
3、CN、C(O)(C
1−C
6)アルキル、C(O)−(C
6−C
10)アリール、C(O)OH、C(O)O(C
1−C
6)アルキル、C(O)NH
2、C(O)NH(C
1−C
6)アルキル、C(O)N[(C
1−C
6)アルキル]
2、(C
3−C
8)シクロアルキル、(C
1−C
6)アルキル、(C
1−C
6)アルキレン−NH(C
1−C
6)アルキル、(C
1−C
6)アルキレン−N[(C
1−C
6)アルキル]
2、(C
2−C
6)アルケニル、(C
2−C
6)アルキニル、O−(C
1−C
6)アルキル、O−C(O)−(C
1−C
6)アルキル、PO
3H
2、SO
3H、SO
2−NH
2、SO
2NH(C
1−C
6)アルキル、SO
2N[(C
1−C
6)アルキル]
2、S−(C
1−C
6)アルキル、SO−(C
1−C
6)アルキル、SO
2−(C
1−C
6)アルキル、SO
2−N=CH−N[(C
1−C
6)アルキル]
2、SF
5、C(NH)(NH
2)、NH
2、NH−(C
1−C
6)アルキル、N[(C
1−C
6)アルキル]
2、NH−C(O)−(C
1−C
6)アルキル、NH−C(O)O−(C
1−C
6)アルキル、NH−SO
2−(C
1−C
6)アルキル、NH−SO
2−(C
6−C
10)アリール、NH−SO
2−(C
5−C
10)ヘテロアリール、NH−SO
2−(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル、N(C
1−C
6)アルキル−C(O)−(C
1−C
6)アルキル、N(C
1−C
6)アルキル−C(O)O−(C
1−C
6)アルキル、N(C
1−C
6)アルキル−C(O)−NH−(C
1−C
6)アルキル]、(C
6−C
10)アリール、(C
1−C
6)アルキレン(C
6−C
10)アリール、O−(C
6−C
10)アリール、O(C
1−C
6)アルキレン−(C
6−C
10)アリール、(C
5−C
10)ヘテロアリール、(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル、(C
1−C
6)アルキレン−(C
5−C
10)ヘテロアリール、(C
1−C
6)アルキレン−(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル、O−(C
1−C
6)アルキレン−(C
5−C
10)ヘテロアリール、O−(C
1−C
6)アルキレン−(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル
{上記において、この(C
6−C
10)アリール、(C
5−C
10)ヘテロアリール、(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル、又は(C
3−C
8)シクロアルキルは、ハロゲン、OH、N
O
2、CN、O−(C
1−C
6)アルキル、(C
1−C
6)アルキル、NH
2、NH(C
1−C
6)アルキル、N[(C
1−C
6)アルキル]
2、SO
2CH
3、C(O)OH、C(O)O−(C
1−C
6)アルキル、C(O)NH
2、(C
1−C
6)アルキレン−O−(C
1−C
6)アルキル、(C
1−C
6)アルキレン−O−(C
6−C
10)アリール、又はO−(C
1−C
6)アルキレン−(C
6−C
10)アリールから独立して選択される基によって、1〜3回置換されていてもよい}から独立して選択される基によって、1回又は複数回、置換されていることもあり;
又は
上記において、(C
6−C
10)アリールは、O−(C
1−C
4)アルキレン−O基によって隣接して置換され[このことによって5〜8員の環が、酸素原子が結合している炭素原子と一緒になって形成される];
そして
上記において、(C
6−C
10)アリール、(C
5−C
10)ヘテロアリール、(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル基及び(C
3−C
8)シクロアルキルのアリール置換基は、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル又はシクロアルキルからなる基によって更に置換されることはない〕
の化合物、それらの立体異性体及び/又は互変異性体形態及び/又はそれらの製薬学的に許容される塩である。
【0026】
別の実施態様では、この発明はまた、医薬として使用する式(I)の化合物及び/又はその製薬学的に許容される塩に関する。これはまた、高血圧症、肺高血圧症、高眼圧症、網膜症、緑内障、末梢循環障害、末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)、冠動脈性心疾患、狭心症、心肥大、心不全、虚血性疾患、虚血性臓器不全(末端臓器障害(end organ damage))、肺線維症、肝線維症、肝不全、腎症、腎不全、腎線維症、腎糸球体硬化症、臓器肥大、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、成人呼吸窮迫症候群、血栓疾患、脳卒中、脳血管痙攣、脳虚血、疼痛、神経変性、脊髄損傷、アルツハイマー病、早産、勃起機能不全、内分泌機能異常、動脈硬化症、前立腺肥大、糖尿病及び糖尿病合併症、代謝症候群、血管再狭窄、アテローム性動脈硬化症、炎症、自己免疫疾患、AIDS、骨疾患(osteopathy)、細菌による消化管感染症、敗血症、又はがん発生及び進行などのRho−キナーゼ介在性疾患の処置及び/又は予防のための少なくとも一つの式(I)の化合物及び/又はその製薬学的に許容される塩の使用に関する。本発明は更に、有効な量の少なくとも一つの式(I)の化合物及び/又はその製薬学的に許容される塩を含んでなる医薬に関する。この発明の別の目的は、式(I)の化合物を製造する方法である。
【0027】
(C
1−C
2)アルキル、(C
1−C
4)アルキル、又は(C
1−C
6)アルキル及びその対応するアルキレン置換基中で使用されているアルキルという用語は、直線、すなわち、直鎖状、又は分枝鎖状の鎖であることができ、そして、それぞれ1、2、3、4、5、又は6個の炭素原子を有している炭化水素残基であると理解される。このことはまた、アルキル基が、別の基、例えば、アルコキシ基(O−アルキル)、S−アルキル又は−O(C
1−C
6)アルキレン−O−、アルコキシカルボニル基又はアリールアルキル基中での置換基として出現する場合にも適用される。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル又はヘキシルがあり、すべてのこうした基のn−異性体(n-isomers)には、イソプロピル、イソブチル、1−メチルブチル、イソペンチル、ネオペンチル、2,2−ジメチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、イソヘキシル、sec−ブチル、tert−ブチル又はtert−ペンチルがある。アルキル又はアルキレン基は、場合により、1回又は複数回ハロゲン化されていてもよく、例えば、アルキル基は、フッ素化、例えば、全フッ素置換(perfluorinated)されていてもよい。ハロゲン化アルキル基の例には、CH
2F、CHF
2、CF
3及びCH
2CF
3、OCF
3、SCF
3、又は−O−(CF
2)
2−O−がある。
【0028】
(C
2−C
6)−アルケニルという用語は、その炭素鎖が直鎖状、又は分枝鎖状の鎖であり、そして2〜6個の炭素原子を含み、そして鎖の長さに左右されるが、1、2又は3個の二重結合を有する、炭化水素残基を意味し、例えば、ビニル、1−プロペニル、2−プロペニル(=アリル)、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、5−ヘキセニル又は1,3−ペンタジエニルがある。この二重結合は、可能な場合には、E又はZ配座(orientation)を有していてもよい。この二重結合は、内部及び末端の双方に存在することができる。
【0029】
(C
2−C
6)−アルキニル基は、その炭素鎖が直鎖状、又は分枝鎖状の鎖であり、2〜6個の炭素原子を含み、そして鎖の長さに左右されるが、1又は2個の三重結合を有する、炭化水素残基であり、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル(=プロパルギル)又は2−ブチニルがある。この三重結合は、内部及び末端の双方に存在することができる。
【0030】
ハロゲンは、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)又はヨード(I)を意味する。
【0031】
(C
1−C
8)ヘテロアルキル又はその対応する(C
1−C
8)ヘテロアルキレン置換基という用語は、少なくとも一つの炭素原子、好ましくは一つ又は二つの炭素原子、より好ましくは、一つの炭素原子が、O、NH、又はSから選択される基によって置き換えられており、そしてこの窒素及び硫黄原子は、場合により酸化されていてもよい、(C
1−C
8)アルキル又は(C
1−C
8)アルキレン基であると理解される。このヘテロ原子は、アルキル又はアルキレン基の任意の位置に置かれていてもよい。(C
1−C
8)ヘテロアルキル基の例には、−CH
2−O−CH
3、−CH
2−CH
2−O−CH
2−CH
3、−CH
2−NH−CH
2−CH
3、−CH
2−N(CH
2−CH
3)
2−CH
2−CH
2−CH
2−O−CH
3、−CH
2−CH
2−CH
2−S−CH
3、−CH
2−O−CH(CH
3)
2、−CH
2−O−CH
2−CH
2−O−CH
3又はO−CH
2−CH
3が含まれる。
【0032】
(C
3−C
8)シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル又はシクロオクチルのような3、4、5、6、7又は8個の環炭素原子を含む環状アルキル基であり、これはまた、置換されていてもよ
い。
【0033】
(C
6−C
10)アリール基は、一つの芳香族環か、あるいは、縮合しているか、さもなければ連結している二つの芳香族環から構成されるか、又は二つの芳香族から構成され、そのうちの一つの環は飽和しているか、若しくは部分的に飽和している(すなわち、一つの環が少なくとも一つのC−C単結合を含んでいる)二つの芳香族環から構成される環系を意味し、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、テトラヒドロナフチル、α−又はβ−テトラロン−、インダニル−又はインダン−1−オン−イル(indan-1-on-イル)基がある。好ましい(C
6−C
10)アリール基は、フェニルである。
【0034】
(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル基は、3、4、5、6、7又は8個の環原子を含んでいる飽和(二重結合を含まない)の単環式炭素
環を意味し、この環中で、一つ又はそれより多い炭素原子が、例えば、1、2又は3個の窒素原子、1又は2個の酸素原子、1
又は2個の硫黄原子あるいは、異なったヘテロ原子の組み合わせなどの、一つ又はそれより多いヘテロ原子によって置き換えられていてもよい。このヘテロシクロアルキル残基は、任意の位置で、例えば、1−位、2−位、3−位、4−位、5−位、6−位、7−位又は8−位で結合することができる。また、
前記ヘテロ原子は、対応するN−オキシド、スルホキシド又はスルホン
として存在してもよい。
【0035】
(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル基の例には、オキシラニル、オキセタニル、アジリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ジオキソラニル[例えば、1,3−ジオキソラニル]、ジオキサニル[例えば、1,4−ジオキサニル]、ピペリジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、トリアゾリジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ピペラジニル、トリアジナニル[例えば、1,3,5−トリアジナニル、1,2,3−トリアジナニル又は1,2,4−トリアジナニル]、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロ−チオピラニル、ジチオラニル[例えば、1,3−ジチオラニル]、ジチアニル、チアゾリジニル、オキサゾリジニル、オキサチオラニル[例えば、1,3−オキサチオラニル]、モルホリニル又はチオモルホリニル、ジアゼパニル[例えば、1,4−ジアゼパニル]がある。
【0036】
好ましい(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル基は、モルホリニル、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、オキセタニル又はテトラヒドロピラニルである。
【0037】
(C
5−C
10)ヘテロアリールは、単又は二環式
環において、一つ又はそれより多い
炭素原子が、例えば、1、2、3又は4個の窒素原子、1又は2個の酸素原子、1又は2個の硫黄原子あるいは、異なったヘテロ原子の組み合わせなどの、一つ又はそれより多いヘテロ原子によって置き換えられることができる単又は二環式
環を意味する。このヘテロアリール残基は、例えば、1−位、2−位、3−位、4−位、5−位、6−位、7−位又は8−位である任意の位置で結合することができる。(C
5−C
10)ヘテロアリール基
は、(1)芳香族単環式又は二環式
環、又は(2)一つの環が芳香族であり、そして第二の環が少なくとも部分的に飽和している二環式
環であることができる。また、
前記ヘテロ原子は、対応するN−オキシド、スルホキシド又はスルホン
として存在してもよい。
【0038】
適切な(C
5−C
10)ヘテロアリール基は、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、アザインドリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、カルボリニル、シンノリニル、クロマニル、クロメニル、ナフチリジニル、フタラジニル、ピリドイミダゾリル、プテリジニル、プリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、フリル、フラザニル、チエニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、1H−インダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、トリアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリニル、ピロリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、テトラゾリルである。
【0039】
ピリジルは、2−、3−及び4−ピリジルの双方を表す。チエニルは、2−及び3−チエニルの双方を表す。フリルは、2−及び3−フリルの双方を表す。また、こうした化合物の対応するN−オキシド、例えば、1−オキシ−2−、3−又は4−ピリジルも含まれる。
【0040】
(C
5−C
10)ヘテロアリール残基中の置換は、遊離の炭素原子又は窒素原子上で起こりうる。
【0041】
好ましい(C
5−C
10)ヘテロアリール残基の例には、ベンゾフリル、キノリニル、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル及びテトラゾリルがある。
【0042】
好ましい(C
5−C
10)ヘテロアリールは、(C
5−C
6)ヘテロアリール基である。好ましい(C
5−C
6)ヘテロアリール残基は、フリル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、ピラジニル、ピリミジニル、及びピリダジニルである。好ましい(C
5−C
6)ヘテロアリール残基の例には、2−又は3−チエニル、2−又は3−フリル、1−、2−又は3−ピロリル、1−、2−、4−又は5−イミダゾリル、1−、3−、4−又は5−ピラゾリル、1,2,3−トリアゾール−1−、−4−又は−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−又は−5−イル、2−、4−又は5−オキサゾリル、3−、4−又は5−イソオキサゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−又は−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−又は−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−又は−5−イル、2−、4−又は5−チアゾリル、3−、4−又は5−イソチアゾリル、2−、3−又は4−ピリジル、2,4−、5−又は6−ピリミジニル、3−又は4−ピリダジニル、又はピラジニルがある。
【0043】
残基R
3〜R
13では、(C
6−C
10)アリール及び(C
5−C
10)ヘテロアリール残基は、別途明記しない限り、非置換であるか、又は、場合により、ハロゲン、OH、NO
2、N
3、CN、C(O)−(C
1−C
6)アルキル、C(O)−(C
6−C
10)アリール、C(O)OH、C(O)O(C
1−C
6)アルキル、C(O)NH
2、C(O)NH(C
1−C
6)アルキル、C(O)N[(C
1−C
6)アルキル]
2、(C
3−C
8)シクロアルキル、(C
1−C
6)アルキル、(C
1−C
6)アルキレン−NH(C
1−C
6)アルキル、(C
1−C
6)アルキレン−N[(C
1−C
6)アルキル]
2、(C
2−C
6)アルケニル、(C
2−C
6)アルキニル、O−(C
1−C
6)アルキル、O−C(O)−(C
1−C
6)アルキル、PO
3H
2、SO
3H、SO
2−NH
2、SO
2NH(C
1−C
6)アルキル、SO
2N[(C
1−C
6)アルキル]
2、S−(C
1−C
6)アルキル、SO−(C
1−C
6)アルキル、SO
2−(C
1−C
6)アルキル、SO
2−N=CH−N[(C
1−C
6)アルキル]
2、SF
5、C(NH)(NH
2)、NH
2、NH−(C
1−C
6)アルキル、N[(C
1−C
6)アルキル]
2、NH−C(O)−(C
1−C
6)アルキル、NH−C(O)O−(C
1−C
6)アルキル、NH−SO
2−(C
1−C
6)アルキル、NH−SO
2−(C
6−C
10)アリール、NH−SO
2−(C
5−C
10)ヘテロアリール、NH−SO
2−(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル、N(C
1−C
6)アルキル−C(O)−(C
1−C
6)アルキル、N(C
1−C
6)アルキル−C(O)O−(C
1−C
6)アルキル、N(C
1−C
6)アルキル−C(O)−NH−(C
1−C
6)アルキル]、(C
6−C
10)アリール、(C
1−C
6)アルキレン−(C
6−C
10)アリール、O−(C
6−C
10)アリール、O−(C
1−C
6)アルキレン−(C
6−C
10)アリール、(C
5−C
10)ヘテロアリール、(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル、(C
1−C
6)アルキレン−(C
5−C
10)ヘテロアリール、(C
1−C
6)アルキレン−(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル、O−(C
1−C
6)アルキレン−(C
5−C
10)ヘテロアリール、O−(C
1−C
6)アルキレン−(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル{上記において、前記の(C
6−C
10)アリール又は(C
5−C
10)ヘテロアリール又は(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル又は(C
3−C
8)シクロアルキルは、ハロゲン、OH、NO
2、CN、O(C
1−C
6)アルキル、(C
1−C
6)アルキル、NH
2、NH(C
1−C
6)アルキル、N[(C
1−C
6)アルキル]
2、SO
2CH
3、C(O)OH、C(O)O−(C
1−C
6)アルキル、C(O)NH
2、(C
1−C
6)アルキレン−O−(C
1−C
6)アルキル、(C
1−C
6)アルキレン−O−(C
6−C
10)アリール、又はO−(C
1−C
6)アルキレン−(C
6−C
10)アリールから、独立して選択される基によって1〜3回置換されていてもよい}から、独立して選択される基によって、1回又は複数回、好ましくは1〜3回置換されていることもあり;
又は、上記において、(C
6−C
10)アリールは、O−(C
1−C
4)アルキレン−O基によって隣接して置換され、それによって酸素原子が結合している炭素原子と一緒になっ
て5〜8員の環が形成され;
そして、上記において、(C
6−C
10)アリール、(C
5−C
10)ヘテロアリール、(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル基又は(C
3−C
8)シクロアルキルのアリール置換基は、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル又はシクロアルキルからなる基によって更に置換されることはない。
【0044】
(C
6−C
10)アリール及び(C
5−C
10)ヘテロアリール基の好ましい置換基は、OH、(C
1−C
4)アルキル、O−(C
1−C
4)アルキル、O−フェニル、フェニル、C(O)O−(C
1−C
6)アルキル、C(O)OH、C(O)−(C
1−C
4)アルキル、ハロゲン、NO
2、SO
2NH
2、CN、SO
2−(C
1−C
4)アルキル、SO
2−N=CH−N[(C
1−C
6)アルキル]
2、NH−SO
2−(C
1−C
4)アルキル、NH
2、NH−C(O)−(C
1−C
4)アルキル、(C
3−C
8)シクロアルキル、(C
1−C
4)アルキル−OH、C(O)N[(C
1−C
4)アルキル]
2、C(O)NH(C
1−C
6)アルキル、C(O)NH
2、N[(C
1−C
4)アルキル]
2、(C
1−C
4)アルキレン−N[(C
1−C
4)アルキル]
2、(C
1−C
4)アルキレン−O−(C
1−C
4)アルキル、(C
5−C
6)ヘテロアリール、(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル、(C
1−C
4)アルキレン−(C
6−C
10)アリール[上記において、(C
6−C
10)アリールは、ハロゲン、(C
1−C
4)アルキル、O−(C
1−C
4)アルキル、(C
1−C
4)アルキレン−O−(C
1−C
6)アルキル、(C
6−C
10)アリール、O−(C
1−C
6)アルキレン−(C
6−C
10)アリールによって、更に1〜3回、好ましくは1回、置換されていてもよい]であるか、又は、O−(C
1−C
4)アルキレン−O基によって隣接して置換されていてもよく、それによって酸素原子が結合している炭素原子と一緒になって5〜8員の環が形成されている。
【0045】
(C
6−C
10)アリール及び(C
5−C
10)ヘテロアリールのより好ましい置換基は、OH、ハロゲン、CN、フェニル、O−フェニル、NH−C(O)−(C
1−C
4)アルキル、C(O)−(C
1−C
4)アルキル、C(O)−O(C
1−C
4)アルキル、(C
1−C
4)アルキル、O−(C
1−C
4)アルキル、CONH
2、SO
2−NH
2、SO
2−(C
1−C
4)アルキル又はSO
2−N=CH−N[(C
1−C
4)アルキル]
2、(C
1−C
4)アルキレン−フェニル、(C
1−C
4)アルキレン−O−(C
1−C
4)アルキル又は(C
5−C
6)ヘテロアリール[上記において、フェニルは、非置換であるか、又は、場合により、OH、ハロゲン、(C
1−C
4)アルキル又はO−(C
1−C
4)アルキルによって、1〜3回、好ましくは、1回、置換されていることもある]である。
【0046】
(C
6−C
10)アリール及び(C
5−C
10)ヘテロアリールの更により好ましい置換基は、OH、ハロゲン、CN、フェニル、O−フェニル、NH−C(O)−(C
1−C
4)アルキル[殊に、NH−C(O)−CH
3]、C(O)−(C
1−C
4)アルキル[殊に、C(O)−CH
3]、C(O)−O(C
1−C
4)アルキル[殊に、C(O)−OCH
3]、(C
1−C
4)アルキル[殊にCH
3又はCF
3]、O−(C
1−C
4)アルキル[殊に、O−CH
3]、CONH
2、SO
2−NH
2、SO
2−(C
1−C
4)アルキル[殊に、SO
2−CH
3又はSO
2−CF
3];又はSO
2−N=CH−N[(C
1−C
4)アルキル]
2[殊に、SO
2−N=CH−N[(CH
3)
2]{上記において、フェニルは、非置換であるか、又は、場合により、OH、ハロゲン、(C
1−C
4)アルキル又はO−(C
1−C
4)アルキルによって、1〜3回、好ましくは、1回置換されていることもある}である。
【0047】
(C
6−C
10)アリール及び(C
5−C
10)ヘテロアリール基のより殊に好ましい置換基は、OH、CN、(C
1−C
4)アルキル[殊に、CH
3又はCF
3]、O(C
1−C
4)アルキル[殊に、O−CH
3]、ハロゲン又はフェニル{上記において、フェニルは、OH、ハロゲン、(C
1−C
4)アルキル[殊に、CH
3又はCF
3]、又はO−(C
1−C
4)アルキル[殊に、O−CH
3]によって、1〜3回、好ましくは、1回、更に置換されていてもよい}である。
【0048】
(C
6−C
10)アリール及び(C
5−C
10)ヘテロアリール基の最も好ましい置換基は、OH、CN、ハロゲン、(C
1−C
4)アルキル[殊に、CH
3又はCF
3]、O(C
1−C
4)アルキル[殊に、O−CH
3]、又はハロゲンである。
【0049】
一置換フェニル基では、置換基は、2−位、3−位又は4−位に位置することができ、3−位及び4−位が好ましい。フェニル基が、二つの置換基を持っている場合は、それらは、2,3−位、2,4−位、2,5−位、2,6−位、3,4−位又は3,5−位に位置することができる。三つの置換基を持っているフェニル基では、2,3,4−位、2,3,5−位、2,3,6−位、2,4,5−位、2,4,6−位、又は3,4,5−位に位置することができる。
【0050】
フェニル基に関する上記の陳述は、フェニル基から誘導される二価の基、すなわち、非置換であるか、又は置換1,2−フェニレン、1,3−フェニレン又は1,4−フェニレンであってもよい、フェニレンにも同様に適用される。この上記の陳述はまた、アリールアルキレン基中のアリールサブグループ(aryl subgroup)にも同様に適用される。アリールサブグループ及びアルキレンサブグループ中、非置換でありうるか、又は置換されうるアリールアルキレン基の例には、ベンジル、1−フェニルエチレン、2−フェニルエチレン、3−フェニルプロピレン、4−フェニルブチレン、1−メチル−3−フェニル−プロピレンがある。
【0051】
残基R
3〜R
13では、アルキル又はアルキレンは、非置換であるか、又は、別途明記しない限り、場合により、ハロゲンによって、1回又は複数回置換されていることもある。アルキル又はアルキレンは、置換される場合は、好ましくは、クロロ又はブロモから選択されるハロゲンによって、1〜3回置換されるが、1回または複数回、フルオロによって[例えば、全フッ素置換される]置換されていてもよい。好ましくは、ハロゲンはフルオロである。アルキレンはハロゲン化されないのが好ましい。アルキル又はアルキレンは、ハロゲン化されないのがより好ましい。
【0052】
残基R
3〜R
13では、アルキル又はアルキレンは、非置換であるか、又は、別途明記しない限り、場合により、OH、OCH
3、COOH、COOCH
3、NH
2、NHCH
3、N(CH
3)
2、CONH
2、CONHCH
3又はCON(CH
3)
2から独立して選択される基によって1回又は複数回、置換されていることもある。置換される場合は、置換基の数は、好ましくは1、2、3又は4の間であり、より好ましくは、1又は2であり、更により好ましくは1である。アルキレンは、好ましくはこうした基の一つによって置換されない。R
3、R
4、R
5、R
7及びR
8中のアルキル又はアルキレンは、置換されないのが好ましい。更なる実施態様では、R
4、R
7及びR
8〜R
14中のアルキル又はアルキレンは、こうした基の一つによって置換されない。
【0053】
残基R
3〜R
13では、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルは、非置換であるか、又は、別途明記しない限り、場合により、(C
1−C
6)アルキル、ハロゲン、OH、OCH
3、COOH、COOCH
3、NH
2、NHCH
3、N(CH
3)
2、CONH
2、CONHCH
3又はCON(CH
3)
2によって1回又は複数回置換されていることもある。
【0054】
置換されている場合は、置換基の数は、好ましくは、1、2、3又は4の間であり、より好ましくは1又は2、更により好ましくは1である。R
3、R
4、R
5、R
7及びR
9中のシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルは、好ましくは、置換されていない。更なる実施態様では、R
3〜R
13中のシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルは、置換されていない。好ましい実施態様では、ヘテロシクロアルキルは置換されていない。別の実施態様ではシクロアルキルは置換されていない。
【0055】
前記に定義された(C
6−C
10)アリール、(C
5−C
10)ヘテロアリール、(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル及び(C
3−C
8)シクロアルキル基の一般的でかつ好ましい置換基は、式(I)の化合物の次の実施態様中に述べられているR
1、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
11、R
12、R
13、n、s、m、p及びLの一般的でかつ好ましい定義と組み合わせることができる。
【0056】
式(I)の化合物の次の実施態様は、更にこの発明の一部を特徴づけ、そしてこの発明の一部である。
【0057】
式(I)の化合物の一つの実施態様では、R
1はHであり、そしてこの化合物は式(II):
【化6】
によって特徴付けられる。
【0058】
この発明の別の実施態様では、R
1はOHであり、そしてこの化合物は、式(IIIa):
【化7】
によって特徴付けられる。
【0059】
R
1がOHである式(I)のイソキノリン誘導体は、式(IIIb):
【化8】
によって特徴付けられる対応する互変異性体の1−イソキノロン誘導体を含む。
【0060】
この互変異性体形態もまた、この発明の実施態様である。
【0061】
更なる実施態様では、R
1は、NH
2であり、そしてこの化合物は式(IV):
【化9】
によって特徴付けられる。
【0062】
次の更なる実施態様は、式(I)、(II)、(IIIa)、(IIIb)及び(IV)の化合物を同等に意味する。
【0063】
好ましい実施態様では、R
1は、H又はOHであり;より好ましくは、R
1はOHである。
【0064】
一つの実施態様では、R
3は、好ましくはH、ハロゲン、(C
1−C
6)アルキル、又はNH−R’である。別のより好ましい実施態様では、R
3は、H、ハロゲン、非置換若しくは置換NH−(C
5−C
6)ヘテロアリール、非置換若しくは置換NH−(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル又は非置換若しくは置換NH−フェニルである。更により好ましい実施態様では、R
3は、一つ又はそれより多いN原子を含んでいる非置換若しくは置換NH−(C
5−C
6)ヘテロアリールであるか、又は非置換若しくは置換NH−フェニルである。最も好ましい実施態様では、R
3は、Hである。
【0065】
R
3におけるNHR’置換基の例は、下記の通りである。
【化10】
アステリスク(
*)は、結合が環のC−原子に連結する場所を示す。
【0066】
好ましい実施態様では、R
4は、H、ハロゲン、(C
1−C
6)アルキル、又は(C
1−C
2)−フェニルである。より好ましい実施態様では、R
4は、H、ハロゲンであるか、又は非置換若しくは置換(C
1−C
4)アルキル又は(C
1−C
2)−フェニルであり、好ましくは非置換(C
1−C
4)アルキル又は(C
1−C
2)−フェニルである。最も好ましいR
4は、Hである。
【0067】
好ましい実施態様では、R
5は、H、CN、ハロゲン、非置換若しくは置換(C
1−C
6)アルキル、非置換若しくは置換(C
6−C
10)アリール、又は非置換若しくは置換(C
5−C
10)ヘテロアリールである。R
5の例には、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メチル、エチル、フェニル、チエニル又はピリジル、ニトリル、(p−メトキシ)−フェニル、N−アニリン、シクロプロピル、テトラゾール、4−メトキシ−アニリンがある。より好ましい実施態様では、(C
1−C
6)アルキル、(C
6−C
10)アリール又は(C
5−C
10)ヘテロアリールは、非置換である。更により好ましい実施態様では、R
5は、H、ハロゲン、メチル、エチル、フェニル、チエニル、又はピリジルであり、より具体的には、H、ハロゲン、メチル、又はエチルである。最も好ましいR
5は、Hである。
【0068】
好ましい実施態様では、R
7は、H、ハロゲン、ニトリル、非置換若しくは置換(C
1−C
6)アルキル、非置換若しくは置換O−(C
1−C
6)アルキル、又は非置換若しくは置換R’である。より好ましい実施態様では、R
7は、H、ハロゲン、ニトリル、非置換若しくは置換(C
1−C
4)アルキル、非置換若しくは置換O−(C
1−C
4)アルキル、非置換若しくは置換フェニル、非置換若しくは置換(C
5−C
6)ヘテロアリール、又は非置換若しくは置換(C
3−C
6)シクロアルキルである。好ましくは、(C
1−C
6)アルキル、フェニル又は(C
5−C
6)ヘテロアリールは、非置換である。
【0069】
更により好ましい実施態様では、R
7は、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、メトキシ、フェニル、ニトリル、シクロプロピル、又はチエニルである。より好ましくは、R
7は、H、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル又はメトキシ、特にH又はクロロである。最も好ましいR
7は、クロロである。
【0070】
好ましい実施態様では、R
8は、H、Cl、F、メチル又はエチルである。より好ましい実施態様では、R
8は、Hである。
【0071】
好ましい実施態様では、R
9は、R’、OH、ハロゲン、(C
1−C
6)アルキル、(C
1−C
6)アルキレン−R’、(C
2−C
6)アルケニル、(C
1−C
6)アルキレン−C(O)NH−R’、(C
1−C
6)アルキレン−C(O)NH−(C
1−C
6)アルキル、COO
H、CONH
2、C(O)NH−(C
1−C
6)アルキル、C(O)NHR’、C(O)−NH−(C
1−C
6)アルキニル、C(O)−NH(C
1−C
6)アルキレン−R’、又はC(O)N[(C
1−C
6)アルキル]
2であり;上記において、アルキル、アルキレン及びR’は、非置換であるか又は置換されている。
【0072】
より好ましい実施態様では、R
9は、OH、ハロゲン、(C
1−C
6)アルキル、R’、(C
1−C
6)アルキレン−R’、(C
2−C
6)アルケニル、COOH、CONH
2、C(O)NH−(C
1−C
6)アルキル、C(O)NHR’、又はC(O)N[(C
1−C
6)アルキル]
2[上記においてアルキル、アルキレン及びR’は、非置換であるか、又は置換されている]である。
【0073】
より好ましくは、R
9は、OH、ハロゲン、(C
1−C
6)アルキル、(C
2−C
6)アルケニル、COOH、CONH
2、O−CH
3、フェニル、(C
5−C
6)ヘテロアリール、(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル、(C
1−C
2)アルキレン−フェニル、(C
3−C
8)シクロアルキル[上記において、アルキル、フェニル、(C
3−C
8)シクロアルキル、(C
5−C
6)ヘテロアリール又は(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキルは、非置換であるか、又は置換されている]である。更により好ましいR
9は、OH、ハロゲン、(C
1−C
6)アルキル、COOH、CONH
2、O−CH
3、フェニル、(C
1−C
2)アルキレン−フェニル、(C
3−C
8)シクロアルキル[上記においてアルキル、フェニル又は(C
3−C
8)シクロアルキルは、非置換であるか、又は置換されている]である。
【0074】
最も好ましくは、R
9は、アリル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロプロピルメチレン、イソプロピルオキシメチレン、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、フェニル又はベンジルである。
【0075】
R
9は、リンカー基Lが結合する位置を含む環の任意の炭素原子に結合することができる。
【0076】
こうした実施態様の例としては、R
9は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、
【化11】
である。
アステリスク(
*)は、結合が環のC−原子に連結する場所を示す。
【0077】
式(I)の化合物の一つの実施態様では、R
11及びR
12は、互いに独立して、
H、
R’、
(C
1−C
6)アルキル、
(C
1−C
6)アルキレン−R’、
(C
1−C
6)アルキレン−O−(C
1−C
6)アルキル、
(C
1−C
6)アルキレン−O−R’、
C(O)NH−(C
1−C
6)アルキル、
C(O)NHR’、
C(O)N[(C
1−C
6)アルキル]
2
であり、上記においてR’、(C
1−C
6)アルキル及び(C
1−C
6)アルキレンは、非置換であるか、又は置換されている。
【0078】
式(I)の化合物の好ましい実施態様では、R
11及びR
12は、互いに独立して、
H、
(C
1−C
6)アルキル、
(C
3−C
8)シクロアルキル、
(C
1−C
4)アルキレン−(C
3−C
8)シクロアルキル、
(C
1−C
4)アルキレン−(C
5−C
10)ヘテロアリール、
(C
1−C
4)アルキレン−(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル、
(C
1−C
4)アルキレン−(C
6−C
10)アリール、
(C
1−C
4)アルキレン−O−(C
1−C
6)アルキル、
C(O)NH−(C
1−C
6)アルキルであるか、又は
R
11及びR
12は、それらが結合しているN原子と一緒になって(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル基を形成し、
上記において、(C
1−C
6)アルキル、(C
3−C
8)シクロアルキル、(C
1−C
4)アルキレン、(C
5−C
10)ヘテロアリール、(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル、(C
6−C
10)アリールは、非置換であるか、又は置換されている。
【0079】
好ましくは、R
11及びR
12中において、この形成されたヘテロシクリル基は、モルホリニル、ピペリジニル、ピロリジニル又はピペラジニルである。より好ましくは、このヘテロシクリル基は、モルホリニル又はピペラジニルである。
【0080】
式(I)の化合物のより好ましい実施態様では、R
11は、H、(C
1−C
6)アルキル、(C
3−C
8)シクロアルキル、又は(C
1−C
4)アルキレン−(C
3−C
8)シクロアルキルであり;
そして
R
12は、
H、
(C
1−C
6)アルキル、
(C
3−C
8)シクロアルキル、
(C
1−C
4)アルキレン−(C
3−C
8)シクロアルキル、
(C
1−C
4)アルキレン−(C
5−C
10)ヘテロアリール、
(C
1−C
4)アルキレン−(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル、
(C
1−C
4)アルキレン−(C
6−C
10)アリール、
(C
1−C
4)アルキレン−O−(C
1−C
6)アルキル、又は
C(O)NH−(C
1−C
6)アルキルであり、
上記において、(C
1−C
6)アルキル、(C
3−C
8)シクロアルキル、(C
1−C
4)アルキレン、(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル、(C
6−C
10)アリールは、非置換であるか、又は置換されている。
【0081】
式(I)の化合物の更により好ましい実施態様では、R
11は、H又は(C
1−C
6)アルキルであり;
そして
R
12は、
H、
(C
1−C
6)アルキル、
(C
3−C
8)シクロアルキル、
(C
1−C
4)アルキレン−(C
3−C
8)シクロアルキル、
(C
1−C
4)アルキレン−(C
5−C
10)ヘテロアリール、
(C
1−C
4)アルキレン−(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル、
(C
1−C
4)アルキレン−(C
6−C
10)アリール、又は
(C
1−C
4)アルキレン−O−(C
1−C
6)アルキルであり、
上記において(C
1−C
6)アルキル、(C
3−C
8)シクロアルキル、(C
1−C
4)アルキレン、(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル、(C
6−C
10)アリールは、非置換であるか、又は置換されている。
【0082】
より好ましくは、R
11は、H、(C
1−C
6)アルキルであり、そして
R
12は、H、(C
1−C
6)アルキル又は(C
3−C
8)シクロアルキルであり、
上記において(C
1−C
6)アルキル又は(C
3−C
8)シクロアルキルは、非置換であるか、又は置換されており、好ましくは非置換である。
【0083】
更なる実施態様では、R
11は、Hであり、そしてR
12は、H、(C
1−C
6)アルキル又は(C
3−C
8)シクロアルキルであり、ここで(C
1−C
6)アルキル又は(C
3−C
8)シクロアルキルは、非置換である。
【0084】
最も好ましいR
11及びR
12はHである。
【0085】
先に言及した実施態様の例としては、R
11又はR
12は、互いに独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、3−メチル−ブチル、2−メチル−プロピル、ブチル、ペンチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、又は
【化12】
から成る群から選択される置換基である。アステリスク(
*)は、結合がアミンのN−原子に連結する場所を示す。
【0086】
一つの実施態様では、R
13は、H又は(C
1−C
6)アルキル[これは非置換であるか、又は場合により、置換されていることもある]であり、より好ましくは、R
13は、H又は(C
1−C
4)アルキルであり、最も好ましくはHである。好ましくは、アルキルは、非置換である。
【0087】
式(I)の化合物の一つの実施態様では、R
6で形成される二環式環(bicyclus)は、
【化13】
[上記は、非置換であるか、場合によりR
9によって置換されていることもある]の群から選択される。(Nに随伴している点線は、NR
11R
12残基の位置を示している)。
【0088】
式(I)の化合物の別の実施態様では、R
6で形成されるアダマンタンは、
【化14】
の基から選択され、これは非置換であるか、又は場合により残基R
9によって置換されていることもある。
【0089】
好ましくは、この二環式環又はアダマンタンは非置換である(nは0である)。
【0090】
一つの実施態様では、形成されるアダマンタンは、次の構造
【化15】
[上記は、非置換であるか、場合により残基R
9によって置換されていることもある]を
有する。
【0091】
R
6で形成されるアダマンタンの好ましい実施態様は、式
【化16】
を有する残基である。
【0092】
この残基の特別な実施態様は、式
【化17】
に属する。
【0093】
例えば、構造の中でアダマンタン残基のシス及びトランス異性体には、
【化18】
が含まれる。
【0094】
別の実施態様では、R
6は、R
11又はR
12、及びN原子と一緒になって、(C
3−C
8)ヘテロシクロアルキル[これは、シクロアルキル残基に縮合するか、又は、スピロ環式環系として結合して、式:
【化19】
の残基を形成する]を形成する[前記環系は、非置換であるか、場合により残基R
9によって置換されていることもある]。
【0095】
R
6及びR
11によって形成される残基の例には、
【化20】
がある。
【0096】
一つの実施態様では、mは2であり、そしてsは2である。別の実施態様では、mは3であり、そしてsは1である。
【0097】
更なる実施態様では、mは2であり、そしてsは1である。更に別の実施態様では、mは3であり、そしてsは0である。
【0098】
更に別の実施態様では、mは4であり、そしてsは0である。
【0099】
式(I)の化合物の一つの実施態様では、nは、0、1、又は2である。より好ましくは、nは、0又は1である。最も好ましくは、nは0である。
【0100】
別の実施態様では、Lは、O(CH
2)
pである。更なる実施態様では、Lは、S(CH
2)
p、S(O)(CH
2)
p又はSO
2(CH
2)
pである。別の実施態様では、Lは、NH(CH
2)
p、N[(C
1−C
6)アルキル](CH
2)
p、N[(C
3−C
6)シクロアルキル](CH
2)
p、N[(C
1−C
3)アルキレン−アリール](CH
2)
p又はN[(C
1−C
3)アルキレン−(C
5−C
6)ヘテロアリール](CH
2)
pであり、NH(CH
2)
p、N(C
1−C
6)アルキル−(CH
2)
pがより好ましい。好ましいN(C
1−C
6)アルキルは、N(C
1−C
4)アルキルであり、より好ましくは、NCH
3又はNCH
2CH
3であり、NCH
3がより好ましい。好ましい実施態様では、Lは、O(CH
2)
pである。別の好ましい実施態様では、LはS(CH
2)
pである。更なる実施態様では、LはNH(CH
2)
pである。最も好ましいLは、O、S又はNHであり、Oが特に好ましい。
【0101】
好ましくは、pは、0、1、2、又は3であり、より好ましくは、0又は1であり、0が最も好ましい。
【0102】
より好ましくは、Lは、O、S又はNHであり、好ましくは、LはOである。
【0103】
更なる実施態様では、この発明は、
6−(4−アミノ−アダマンタン−1−イルオキシ)−7−クロロ−2H−イソキノリン−1−オン、
6−(4−アリル−4−アミノ−アダマンタン−1−イルオキシ)−7−クロロ−2H−イソキノリン−1−オン、
6−(4−アミノ−4−プロピル−アダマンタン−1−イルオキシ)−7−クロロ−2H−イソキノリン−1−オン、
6−(4−アミノ−4−メチル−アダマンタン−1−イルオキシ)−7−クロロ−2H−イソキノリン−1−オン、
6−(4−アミノ−4−フェニル−アダマンタン−1−イルオキシ)−7−クロロ−2H−イソキノリン−1−オン、
6−(4−アミノ−4−シクロプロピル−アダマンタン−1−イルオキシ)−7−クロロ−2H−イソキノリン−1−オン、
6−(4−ベンジルアミノ−アダマンタン−1−イルオキシ)−7−クロロ−2H−イソキノリン−1−オン、
6−(3−アミノ−アダマンタン−1−イルオキシ)−7−クロロ−2H−イソキノリン−1−オン、
6−(5−アミノ−アダマンタン−2−イルオキシ)−7−クロロ−2H−イソキノリン−1−オン、
6−(5−アミノ−アダマンタン−2−イルオキシ)−7−メチル−2H−イソキノリン−1−オン、
6−{[(7−アミノ−3−オキサビシクロ[3.3.1]ノナ−9−イル]オキシ}−7−クロロイソキノリン−1(2H)−オン、
6−{[(−7−アミノ−3−チアビシクロ[3.3.1]ノナ−9−イル]オキシ}−7−クロロイソキノリン−1(2H)−オン
6−{[(7−アミノ−3−(ジオキソ−チア)ビシクロ[3.3.1]ノナ−9−イル]オキシ}−7−クロロイソキノリン−1(2H)−オン 3、3−ジオキシド、又は
6−(1−アザ−スピロ[4.5]デカ−8−イルオキシ)−7−クロロ−2H−イソキノリン−1−オン、
から成る群より選択される式(I)の化合物、それらの立体異性体及び/又は互変異性体形態及び/又はそれらの製薬学的に許容されるその塩に関する。
【0104】
更なる実施態様では、式(I)の化合物は、
シス−6−(5−アミノ−アダマンタン−2−イルオキシ)−7−クロロ−2H−イソキノリン−1−オン、
トランス−6−(5−アミノ−アダマンタン−2−イルオキシ)−7−クロロ−2H−イソキノリン−1−オン、
6−{[(7−エンド(endo),9−アンチ(anti))−7−アミノ−3−オキサビシクロ[3.3.1]ノナ−9−イル]オキシ}−7−クロロイソキノリン−1(2H)−オン、
6−{[(7−エンド,9−シン(syn))−7−アミノ−3−オキサビシクロ[3.3.1]ノナ−9−イル]オキシ}−7−クロロイソキノリン−1(2H)−オン、
6−{[(7−エンド,9−アンチ)−7−アミノ−3−チアビシクロ[3.3.1]ノナ−9−イル]オキシ}−7−クロロイソキノリン−1(2H)−オン、
6−{[(7−エンド,9−シン)−7−アミノ−3−チアビシクロ[3.3.1]ノナ−9−イル]オキシ}−7−クロロイソキノリン−1(2H)−オン、及び
6−{[(7−エンド,9−アンチ)−7−アミノ−3−(ジオキソ−チア)ビシクロ[3.3.1]ノナ−9−イル]オキシ}−7−クロロイソキノリン−1(2H)−オン 3,3−ジオキシド、
それらの立体異性体及び/又は互変異性体形態及び/又はそれらの製薬学的に許容されるその塩から成る群より選択される。
【0105】
この発明のあらゆる実施態様では、式(I)の化合物に含まれている一つ又はそれより多い又はすべての基は互いに独立して、上記に明記されている、あらゆる好ましい、より好ましい又は最も好ましい基の定義、又は基の定義によって構成され、そして上記に明記されている任意の一つ又はいくつかの具体的な明示、この発明の対象である好ましい定義、より好ましい又は最も好ましい及び/又は具体的な明示のすべての組み合わせを有しうる。また、すべての好ましい実施態様に関して、本発明は、すべての立体異性体形態及びあらゆる比率の立体異性体形態の混合物、及びそれらの製薬学的に許容される塩を包含して、式(I)の化合物を含む。
【0106】
イソキノリン置換様式は、IUPAC規則にしたがってナンバリングされる:
【化21】
【0107】
イソキノロン及びイソキノリノンという用語は、同意語として使用される。
【0108】
本明細書において“式(I)の化合物”の言及は、すべて、先に述べられている式(I)、(II)(IIIa)、(IIIb)及び(IV)の化合物、及びそれらの製薬学的に許容される塩、及び/又はそれらの立体異性体形態、多形体及び溶媒和物を指している。本明細書中で述べられている生理学的に機能できる誘導体も含まれる。
【0109】
式(I)の化合物の製薬学的に許容される塩は、Remington’s Pharmaceutical Sciences (17th edition, page 1418 (1985))中に記載されているそれらの有機及び無機塩の双方を意味する。物理的及び化学的安定性及び溶解性のため、酸性基の場合は、とりわけ、ナトリウム、カリウム、カルシウム及びアンモニウム塩が好ましく;塩基性基の場合は、とりわけ、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、メチルスルホン酸、塩酸、硫酸、リン酸、又はカルボン酸又はスルホン酸の塩、例えば、塩酸塩、臭化水素塩、リン酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、グルコン酸塩、そしてアミノ酸の塩、天然塩基又はカルボン酸の塩などが好ましい。それらの立体異性体形態を含む、塩形成が可能な式(I)の化合物からの製薬学的に許容される塩の製造は、それ自体公知の方法で行われる。式(I)の化合物は、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、アルコラート及びアンモニア又は有機塩基、例えば、トリメチル−又はトリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン又はトリエタノールアミン、トロメタモール、又はそのほかの塩基性アミノ酸、例えば、リシン、オルニチン又はアルギニンなどの塩基性反応物との安定なアルカリ金属、アルカリ土類金属、又は場合により、置換されていることもあるアンモニウム塩を形成する。式(I)の化合物が塩基性基を有する場合は、強酸を用いて安定な酸付加塩もまた製造することができる。好適な本発明化合物の製薬学的に許容される酸付加塩は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸及び硫酸などの無機酸、及び例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、コハク酸、p−トルエンスルホン酸及び酒石酸などの有機酸の塩である。塩酸塩が好ましい塩である。
【0110】
製薬学的に許容されないアニオンとの塩、例えば、トリフルオロ酢酸塩は、製薬学的に許容される塩を製造するか、又は精製するための有用な中間体として、及び/又は非治療的、例えば、インビトロの応用における使用のために本発明の枠内に同様に属する。
【0111】
この発明はまた、式(I)の化合物の生理学的に機能できる誘導体を含む。本明細書中で使用される生理学的に機能できる誘導体は、例えば、ヒトなどの哺乳類に投与すると、式(I)の化合物を(直接的又は間接的に)、又はその活性代謝物を形成することができる本発明の式(I)の化合物のあらゆる生理学的に許容される誘導体、例えば、N−オキシドを指している。
【0112】
生理学的に機能できる誘導体には、例えば、H. Okada et al., Chem. Pharm. Bull. 1994, 42, 57-61中に記載されているように本発明の化合物のプロドラッグが含まれる。そうしたプロドラッグは、インビボで代謝されて、本発明の化合物に成ることができる。こうしたプロドラッグは、それ自身では活性であっても、活性でなくてもよい。
【0113】
本発明は、ラセミ体、鏡像異性的に濃縮された混合物、純粋なエナンチオマー及びジアステレオマー及びその任意の比率の混合物を含むそれらの立体異性体形態の形の式(I)の化合物に関する。
【0114】
本発明の化合物はまた、例えば、アモルファス及び結晶多形形態として様々な多形形態の形で存在することができる。本発明化合物の多形形態は、すべて、本発明の枠内に属し、そして本発明の更なる局面である。
【0115】
ラジカル又は置換基が式(I)の化合物中で1回より多く存在する場合は、それらは、すべて、互いに独立して、表示された意味を有することができ、そして同一であっても又は相異なっていてもよい。
【0116】
この発明はまた、医薬(又は薬剤)として使用するための式(I)の化合物及び/又はそれらの製薬学的に許容される塩、Rho−キナーゼ及び/又はミオシン軽鎖ホスファターゼのRho−キナーゼ介在性リン酸化に関連する疾患を処置し、及び/又は予防する、すなわち、高血圧症、肺高血圧症、高眼圧症、網膜症、及び緑内障、末梢循環障害、末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)、冠動脈性心疾患、狭心症、心肥大、心不全、虚血性疾患、虚血性臓器不全(末端器官障害)、肺線維症、肝線維症、肝不全、高血圧誘発性、非高血圧誘発性及び糖尿病性腎症を含む腎症、腎不全、腎線維症、腎糸球体硬化症、臓器肥大、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、成人呼吸窮迫症候群、血栓疾患、脳卒中、脳血管痙攣、脳虚血、疼痛、例えば神経障害性疼痛、神経変性、脊髄損傷、アルツハイマー病、早産、勃起機能不全、内分泌機能異常、動脈硬化症、前立腺肥大、糖尿病及び糖尿病合併症、代謝症候群、血管再狭窄、アテローム性動脈硬化症、炎症、自己免疫疾患、AIDS、骨そしょう症などの骨疾患、細菌による消化管感染症、敗血症、がん発生及び進行、例えば乳房、結腸、前立腺、卵巣、脳及び肺のがん並びにそれらの転移を処置し及び/又は予防する、医薬の製造のための式(I)の化合物及び/又はそれらの製薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0117】
更なる実施態様では、本発明はまた、高血圧症、肺高血圧症、肝線維症、肝不全、腎症、腎不全、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、脳血管痙攣、疼痛、脊髄損傷、勃起機能不全、血管再狭窄、又はがんの発生及び進行の処置及び/又は予防のための式(I)の化合物及び/又はその製薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0118】
更に、この発明は、有効な量の少なくとも一つの式(I)の化合物及び/又はその製薬学的に許容される塩と、製薬学的に許容される担体、すなわち、一つ又はそれより多い製薬学的に許容される担体物質(又はビヒクル)及び/又は添加剤(又は賦形剤)を含む医薬製剤(又は医薬組成物)に関する。
【0119】
この医薬は、経口的に、例えば、ピル、錠剤、ラッカー錠剤(lacquered tablets)、被覆錠、顆粒剤、ハード及びソフトゼラチンカプセル剤、液剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤又はエアゾール混合物の形で投与することができる。しかしながら、投与はまた、直腸経由で、例えば坐剤の形で、又は非経口的に、例えば静脈内、筋肉内若しくは皮下的に、注射用液剤若しくは注入用液剤、マイクロカプセル剤、インプラント剤若しくはロッド剤の形で、又は経皮的若しくは局所的に、例えば軟膏剤、液剤若しくはチンキ剤の形で、又は他の方法で、例えばエアゾール剤若しくは鼻スプレー剤の形で行うことができる。
【0120】
本発明による医薬製剤は、それ自体公知で当技術分野の当業者によく知られた方法で製造され、製薬学的に許容される不活性な無機及び/又は有機担体物質及び/又は添加物が式(I)の化合物及び/又はその(それらの)製薬学的に許容される塩及び/又はその(それらの)プロドラッグに加えて使用される。ピル、錠剤、被覆錠及びハードゼラチンカプセルを製造する場合は、例えば乳糖、コーンスターチ又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩などを使用することが可能である。ソフトゼラチンカプセル及び坐剤の担体物質には、例えば脂肪、ワックス、半固体及び液体ポリオール、天然又は硬化油などがある。液剤、例えば注射用液剤、又は乳剤若しくはシロップ剤を製造する場合の好適な担体物質は、例えば水、生理食塩水、アルコール、グリセリン、ポリオール、ショ糖、転化糖、ブドウ糖、植物油などである。マイクロカプセル、インプラント剤又はロッド剤に好適な担体物質には、例えばグリコール酸と乳酸との共重合体がある。医薬製剤は、通常約0.5〜約90(質量)%の式(I)の化合物及び/又はそれらの製薬学的に許容される塩及び/又はそれらのプロドラッグを含む。医薬製剤中の式(I)の活性成分及び/又はその製薬学的に許容される塩及び/又はそのプロドラッグの量は、通常約0.5〜約1000mg、好ましくは約1〜約500mgである。
【0121】
式(I)の活性成分及び/又はそれらの製薬学的に許容される塩並びに担体物質に加えて、医薬製剤は、例えば増量剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、湿潤剤、安定剤、乳化剤、保存剤、甘味剤、着色剤、着香剤、芳香剤、増粘剤、希釈剤、緩衝物質、溶剤、可溶化剤、デポー効果を達成する物質、浸透圧を変化させる塩、コーティング剤又は抗酸化剤などの1つ又はそれより多い添加物を含むことができる。それらはまた、2つ又はそれより多い式(I)の化合物及び/又はそれらの製薬学的に許容される塩を含むこともできる。医薬製剤が2つ又はそれより多い式(I)の化合物を含む場合には、個々の化合物の選択は医薬製剤の特定の全体の薬理学的プロファイルを目的とすることができる。例えば、より短時間作用型の高度に効果のある化合物は、より低い効果の長時間作用型化合物と組み合わせることができる。式(I)の化合物における置換基の選択に関して許容される適応性によって、化合物の生物学的及び物理化学的特性に対して多くの制御が可能となり、すなわち、こうした所望の化合物の選択が可能となる。更に、少なくとも1つの式(I)の化合物及び/又はその製薬学的に許容される塩に加えて、この医薬製剤はまた、1つ又はそれより多い他の治療的又は予防的に活性を持つ成分を含むこともできる。
【0122】
式(I)の化合物を使用する場合は、用量は広い範囲内で変動可能であり、そして通例となっており、そして医師に知られているように、それぞれの個体の場合に個体の状態に適しているものでなければならない。それは、例えば、使用される具体的な化合物、処置するべき疾患の性質と重症度、投与様式と投与計画、又は急性若しくは慢性状態を処置するのか、あるいは予防を行なうのか否かに左右される。適切な投与量は、医学分野でよく知られている臨床手法を用いて確立することが可能である。一般的に、約75kgの体重の成人で所望の結果を達成するための1日用量は、約0.01〜約100mg/kgであり、好ましくは約0.1〜約50mg/kg、特に約0.1〜約10mg/kgである(各場合、体重1kg当りのmg)。1日用量は分割することができ、特に比較的大量投与の場合では、幾つかの、例えば2、3又は4回の部分投与に分割可能である。通常の通り、個体の反応次第であるが、指示された一日投与量から上方又は下方に逸脱することは必要でありうる。
【0123】
更に、式(I)の化合物は、例えば、置換基を導入すること又は官能基を修飾することによって式(I)の化合物から得られうる他の化合物、特に他の医薬活性を持つ成分の製造の場合の合成中間体として使用することができる。
【0124】
式(I)の化合物は、次の方法で製造することができる:
【0125】
一般式(I)の化合物は、適切に置換されたイソキノリンモイエティ及び適切に置換されたシクロアルキルアミンモイエティから製造することができる。
【0126】
6−位にカップリングのための有用な残基を持っている、(i)又は(ii)のようなイソキノリン及びイソキノロンは、例えば、Alvarez et al. Science of Synthesis 2005, 15, 661-838及び839-906中及び本明細書中で引用されている引例中で概説されている広範囲の様々な方法によって得ることができる。イソキノリンはまた、適切なイソキノリンを、過酸化水素又はメタクロロ過安息香酸のような酸化剤を加え、対応するN−オキシドに変換し、次にオキシ塩化リンのような塩素化剤によって対応する1−クロロ誘導体に変換させ、引き続いてメタノール中のナトリウムメトキシドのような塩基性条件下で塩素をアルコールに置換するか、又は、例えば、高温で酢酸中の酢酸アンモニウムで処理することによって対応する2H−イソキノロンに変換するように、文献、例えば、WO 2007/012421又はWO 2007/012422中に記載されている方法によってイソキノロンに変換することもできる。(ii)の6−位のヒドロキシル基は、合成の適切な段階で[例えば、対応する6−メトキシ誘導体を、塩化アルミニウム又は三臭化ホウ素のようなルイス酸で処理することから]遊離させることができるということが理解される。更に、2H−イソキノロンは、様々な方法によって[例えば、トルエン又はTHFのような適切な溶媒中、炭酸銀又はトリエチルアミンのような適切な塩基の存在下で、対応する2H−イソキノロンを臭化ベンジル又はヨウ化メチルのようなアルキル化剤と処理するか、あるいは、前記の2H−イソキノロンを、オキシ塩化リンのような塩素化剤と処理することによって1−クロロ誘導体に変換し、引き続いて、例えば、メタノール中のナトリウムメトキシドのような塩基性条件下で、塩素をアルコールに置換することによって]適切に保護された1−アルコキシイソキノロンに変換することができるということが理解される。残基R
3、R
4、R
5、R
7、及び/又はR
8は、それぞれのイソキノリンまたはイソキノロンの合成の場合の出発物質中に組み込むこともできるし、又は適切なその後のステージで導入[例えば、臭素化または塩素化のようなハロゲン化、引き続いて、例えば、適切な触媒及びボロン酸、アミン又はアニリンのようなカップリング・パートナーを用い、鈴木(Suzuki)又は Hartwig Buchwaldカップリングのような文献中に十分先例のある方法によって前記ハロゲンを置換することによって]することもできる。
【0127】
シクロアルキルアミン置換イソキノリノン(v)の一つの可能な合成は、下記に例示的に述べられているが、この発明を限定するものではない。このシクロアルキルアミン置換イソキノリノン(例えば、化合物v)は、様々な方法によって合成することができる。次の一般的なスキーム1は、イソキノリノンにアクセスするいくつかの可能な方法を図解しているが、この発明を限定するものではない。
【0128】
【化22】
【0129】
例えば、例として、互いに独立して、水素、アルキル、アルコキシ又はハライド(halide)のような他の置換基である、R
3、R
4、R
5、R
7、及び/又はR
8によって置換されている6−フルオロ−イソキノロン(i)は、適切なR
11/R
12によって置換されているアミノアルコール[上記において、R
11/R
12は、互いに独立して、例えば、水素、アルキル又は、例えば、Boc又はCbzのような保護基である]と、周囲〜100℃の範囲である温度でDBU、炭酸セシウムまたは水素化ナトリウムなどの塩基の存在下で反応させると、対応する誘導体(iv)を得ることができる。場合により、この変換は、合成の初期のステージでそれ以前に行なうことができる(例えば、適切な中間体を反応させることによって)。これは、塩基の存在下で適切に保護されたアルキル又はベンジルハロゲン化物との反応のように、適切な方法によってイソキノロンモイエティの窒素又は酸素上でイソキノロン保護が未保護である場合に必要となる可能性があるということが理解される。
【0130】
あるいは、このアミノアルコールは、テトラヒドロフラン又はトルエンのような適切な溶媒中、トリフェニルホスフィン及び、ジエチルアゾジカルボキシラート又はジイソプロピルアゾジカルボキシラートのようなジアルキルアゾジカルボキシラートを用いる光延反応(Mitsunobu reaction)を介して、適切な保護基Qで保護されているか、又は未保護である、(iii)のような化合物の中心炭素(carbon center)を持っているヒドロキシルを反転させて、(ii)のような6−ヒドロキシ−イソキノロンと結合することができる。
【0131】
次いでこうした方法を介して得られる(iv)のような生成物は、遊離されて、タイプ(v)の化合物が得られうるか、又は、適切なアミノ官能基(functionality)が存在す
る場合は、適切な溶媒中、そして分子篩のような水分吸着剤(water withdrawing agent)又は適切なオルトエステルの存在下、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド、水素化ホウ素ナトリウム又はシアノ水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤の存在下で適切なアルデヒド又はケトンと反応させることができる。このアミノ基は、例えば、Boc−基を酸性で除去するように、初期の工程で遊離する必要がありうる。更にアミノ基は、それをトリエチルアミン又はヒューニッヒ塩基のような塩基の存在下で、適切な酸塩化物と反応させることによるか、又はそれをトリエチルアミン又はヒューニッヒ塩基のような塩基及びEDC、PyBOP又はTOTUのようなカップリング剤の存在下で適切なカルボン酸と反応させることによってアシル化してもよい。
【0132】
保護されたイソキノロンを使用する場合は、使用される保護基の開裂が所望のイソキノロン(v)を遊離させるのに必要である。しかしながら、この遊離は、使用されるアルデヒド/ケトン及び使用される保護基の性質に依存するが、還元的アミノ化工程の前又は後に行なうことができる。
【0133】
(v)のようなイソキノロン誘導体は、遊離の塩基として、又は例えば、塩酸塩、臭化水素塩、リン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、硫酸塩又はフマル酸塩のような様々な塩として得ることができる。得られるこの塩は、それらをイオン交換クロマトグラフィーに付すか、又は例えば、アルカリ水溶液処理、引き続いて例えば、メチルtert−ブチルエーテル、クロロホルム、酢酸エチル若しくはイソプロパノール/ジクロロメタン混合物のような適切な有機溶媒で抽出し、そして次に蒸発・乾固することにより、対応する遊離の塩基に変換することができる。
【0134】
例えば、(iii)のようなシクロアルキルアミンモイエティは、様々な方法を介して合成することができる。次の一般的なスキームによって、アミンにアクセスするいくつかの可能な方法が図解されているが、この発明を限定するものではない。このスキーム中に示されている例示的な化合物及びこのテキストに与えられている例示的試薬を適切な代替化合物又は試薬によって置き換えること、又は適宜、合成工程を削除するか若しくは加えることは、当技術分野の当業者の能力の範囲内である。
【0135】
シクロアルキルアミノアルコール(iii)の合成は、スキーム2中に例示的に述べられているが、この発明の置換基の範囲を限定することはない。
【0136】
シクロアルキルアミンモイエティ(iii)は、例えば、適切なジケトンからアクセスすることができ、このジケトンは、p−トルエンスルホン酸のような酸の存在下、エチレングリコールのような適切なジオールで処理することによってモノケタール化され、化合物(vi)が得られる。(vi)はまた、例えば、対応するジケタールを単一脱保護するか、又は適切なアルコール前駆体を対応するケトンに酸化[例えば、マンガン(mangane)若しくはクロム試薬又は超原子価ヨウ素試薬のような適切な酸化剤と反応させることによって]することによって得ることができるということが理解される。次いで(iv)は、例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウム又は水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤の存在下、場合によりルイス酸の存在下で、アンモニア、ベンジルアミン又はエチルアミンのようなアミンと反応させることによって、タイプ(vii)のアミンに変換することができる。ケトン(viii)は、例えば、高温でアセトンと塩酸または酢酸水溶液のような酸性条件のもとで(vii)を処理することによって得ることができる。次いで、このケトンは、メタノール、エタノール又はTHFのような適切な溶媒中で水素化ホウ素ナトリウムのような適切な還元剤を用いて反応させることによって、アルコール(iii)に変換することができる。
【0137】
【化23】
【0138】
例えば、化合物(iii)のヒドロキシ官能基は、チオアセタートを用いて光延反応、引き続いて適切な塩基を用いて塩基性開裂を介してチオールに変換し、タイプ(x)のアミノモイエティに到達させることができる。次いでこうしたチオールは−有用な反応条件[例えば、(iii)のカップリングの場合、スキーム1中の上記に述べられているのと同様な方法]のもとで、適切なイソキノリノンにカップリングした後−リンカーユニットL=S−を有する式(I)の化合物を得るのに使用されるか、又は場合により、当技術分野の当業者に知られている方法を介して酸化されることもあり、この結果対応するスルホキシド及びスルホン(リンカーユニットL=SO及びSO
2を有する式(I)の化合物を得る場合)になる。
【0139】
対応するアミンには、分子篩のような水分吸着剤又は適切なオルトエステルの存在下、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド、水素化ホウ素ナトリウム又はシアノ水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤の存在下で、適切なアミンを用い、化合物(viii)のようなケトンから出発して還元的アミノ化工程を介して到達することができる。
【0140】
【化24】
【0141】
このアミンのα−位に残基R
9を導入する一つの選択は、(vi)のような適切に保護されたケトンを、適切な溶媒中でアンモニアのようなアミン源とアリルボランのような適切な有機金属試薬と反応させることである。別の選択は、保護されたアルコール(xii)を、2−メチル−2−プロパンスルフィンアミドのような試薬と反応させ、対応するスルフィミン(xiii)にし、これは更に、アリールリチウム又はグリニャール試薬のような適切な有機金属試薬と反応させると、タイプ(xiv)のアミンが得られ、次いでこれは更に誘導体化することができる。
【0142】
別の選択は、クルチウス(Curtius)反応によって、(xv)のようなケトモイエティ又は保護されたケトモイエティを含む二環又は多環の炭素環式の酸誘導体を構築することであり、例えば、まず、酸を、塩化スルフリル又は塩化チオニルのような塩素化剤での処理、次いで適切な溶媒中でアジ化ナトリウムのようなアジ化源との反応、引き続いて高温で前記の酸クロリドの反応によって、アシルアジドに変換すると、対応するイソシアネートが得られ、これをベンジルアルコールのような適切なアルコールで捕捉すると、対応するカルバマートによって保護されたアミンを得ることができる。化合物(xvi)は、その後更に変換することができる。
【0143】
【化25】
【0144】
一般的には、カップリング反応中で得られる生成物中に依然として存在しうる保護基は、次いで標準的な手順によって取り除くことができる。例えば、tert−ブチル保護基、特にアミノ基の保護形態であるtert−ブトキシカルボニル基は、脱保護することができ、すなわち、トリフルオロ酢酸との処理によってアミノ基に変換することができる。すでに説明したように、カップリング反応の後でもまた、官能基は、適切な前駆体基から生ぜしめることができる。加えて、式(I)の化合物の製薬学的に許容される塩又はプロドラッグへの変換は、その後でも、公知のプロセスによって行なうことができる。
【0145】
一般的には、式(I)の最終化合物又は中間体を含む反応混合物は、後処理され、そして生成物は所望により、当技術分野の当業者に知られている慣習的なプロセスによって精製される。例えば、合成された化合物は、結晶化、クロマトグラフィー又は逆相−高性能液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)又は、例えば、化合物の大きさ、帯電又は疎水性をベースとした分離の他の方法などのよく知られている方法を用いて精製することができる。同様に、本発明の化合物をキャラクタライズするために、NMR、IR及び質量分析法(MS)などのよく知られている方法を用いることができる。