(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の空間パターンを介した光経路によって生じる前記第1の構造光の光成分と、前記第2の空間パターンを介した光経路によって生じる前記第2の構造光の光成分との間の前記所定の位置合わせは、検査下の前記サンプルからの光の正反射を遮るように選定され、前記検出面に対するその伝搬を妨げる請求項1に記載の方法。
前記検査面に対する照明チャネル及び収集チャネルの角度方向は、照明チャネル及び収集チャネルの共通の結像光学系を介して光を透過することを含む通常の入射モードを定義する、請求項1に記載の方法。
前記照明マスクの光透過領域及び光遮断領域によって形成される前記第1の空間パターンは、少なくとも1つの楕円状の透過領域を定義するように選択される請求項1に記載の方法。
前記照明マスクの光透過領域及び光遮断領域によって形成される前記第1の空間パターンは、前記楕円状の透過領域の一次元アレイ又は二次元アレイを定義するように選択される請求項1に記載の方法。
前記選択するステップは、少なくとも照明の波長を含む所定の照明パラメータの照明に対して検査下の前記サンプルの前記回折応答を示す既知のデータを利用することを含む請求項1に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェハ内のパターン化された特徴部のサイズを小さくすることは、光学検査システムの分解能限界に挑むことである。電子ユニットに対応するパターンの特徴部の典型的なサイズは、半導体ウェハの設計ルール(DR)によって定められる。
【0003】
半導体ウェハの設計ルールを縮小させると、ウェハの光学検査において新たな課題が生まれる。通常、パターン検査技術では、いわゆる明視野(BF)検査モードを利用する。
【0004】
ウェハ上のパターンの解像に基づく従来の明視野検査システムは、撮像システム内の光学系の回折限界に起因して空間分解能が制限される。深紫外線(DUV)スペクトル域などの短波長を使用して、撮像システムの開口数(NA)を増加させると、回折限界のスポットサイズが減少することによって一般に明視野撮像を改善することができる。しかしながら、パターンの特徴部の典型的寸法が90nmを下回ると、ウェハ上の(特にアレイ領域内の)特徴部の大半は、好適な明視野撮像技術によって解像することができない。
【0005】
一方、DRを縮小させると、ウェハ上のパターンからの回折効果が顕著になる。回折次数は大きく広がり、主要回折ローブは、パターンの正反射、すなわちゼロ次回折から高角度で分離する。このような回折次数の空間分離を、回折ローブの空間フィルタリングに利用することができる。これを利用して、パターンの大ピッチ部品に対応する回折ローブを遮断し、主に全方向に光散乱を引き起こす欠陥として検出可能な欠陥が無いかどうかを検査することができる。この技術により、暗視野(DF)検査/撮像が可能になり、暗い背景上の輝点として現れるパターン内の欠陥が検出される。暗視野検査は、主パターンからの光の正反射を遮断することなどにより、主に散乱光を収集することによって行うことができる。
【0006】
暗視野検査モードでの検出効率は、信号対雑音比の増加に基づく。明視野検査技術と同様に、暗視野モードで動作するシステムの開口数を増加させると、光をより効率的に収集できるようになり、従って検出効率が上がる。また、回折次数の光成分をフィルタ処理してより暗い背景を実現することにより信号対雑音比も上昇し、従って欠陥の検出が簡素化される。
【0007】
システム性能を高める目的で、様々な暗視野撮像技術が開発されてきた。
【0008】
例えば、米国特許第6,686,602号には、空間フィルタリングのための装置が記載されており、この装置は、ある地点から放出された放射線を収集し、この収集した放射線をレンズのフーリエ面内で空間成分に分離するようになっているフーリエレンズと、このフーリエレンズに位置するプログラム可能な空間フィルタとを含む。フーリエ面内で収集された放射線の空間成分がフィルタ上に入射している間にこの空間成分の像を捕捉するための撮像素子が光学的に結合される。撮像素子が捕捉した像を受け取って分析し、これに応答して1又はそれ以上の空間成分を遮断するように空間フィルタを制御するためのフィルタコントローラが結合される。
【0009】
米国特許第7,130,039号には、コンパクトかつ多用途のマルチスポット検査撮像システムが記載されており、この検査撮像システムは、一連の放射ビームを表面に集束させるための対物レンズと、一連の被照明スポットからの散乱放射線を収集するための大開口数の第2の反射又は屈折対物レンズとを採用する。各被照明スポットからの散乱放射線は、対応する光ファイバチャネルに集束されて、処理用の遠隔検出器アレイ内の対応する検出器に散乱に関する情報を伝達できるようになる。パターン化表面検査では、この表面とともに十字フィルタを回転させて、マンハッタン幾何による回折の影響を減少させる。また、表面上のアレイなどのパターンからの散乱を減少させるために、環状開口の形状の空間フィルタを採用することもできる。別の実施形態では、同じ対物レンズの異なる部分を使用して、照明ビームを表面上に集束させると同時に被照明スポットからの散乱放射線を収集することができる。別の実施形態では、一次配列の照明ビームを表面に対して斜めの角度に向け、一連の被照明スポットを入射面に対してある角度を成して照明する。これらのスポットから散乱された放射線が、スポットの線と垂直な方向に沿って、又は二重暗視野構成で収集される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
パターン化サンプルの検出を容易にする技術では、サンプル内の欠陥を検出することが必要とされる。これらの欠陥は、サンプルの表面上の(塵埃などの)異物などの、パターン自体に関連する以外の種類の場合もある。また、検出される欠陥は、比較的小さな(使用する光学系の回折限界よりも小さな)特徴部、すなわち検査システムの光学分解能限界よりも高い空間周波数(パターン周期性)を有するパターンに関連する場合もある。さらに、パターンの周期性がx軸及びy軸に沿って異なる場合もある。
【0012】
従来の明視野(BF)検査システムでは、欠陥検出感度が、システムの光学分解能及びパターンコントラストに依存し、これがさらに照明波長λと光学系の開口数NAとの間の関係に相関する。ウェハ上の光学スポットサイズ(回折限界スポット又は光学分解能)よりもはるかに小さなピッチサイズのパターン(特徴部)を取り扱う場合、BF検査はその限界に達し、従来のBF検査システムでは一部の欠陥を検出することができない。
【0013】
散乱光検出、すなわち暗視野(DF)モードでは、立体角の照明、すなわち正反射の外側の散乱光の収集を伴い、光学系の分解能によって影響を受けるパターンコントラストによってではなく信号対雑音比(SNR)によって検出が判定されるので、解像度の限界を克服することができる。未解決の暗視野シナリオは、特定の場所において明確な回折ローブが形成される反復的濃密配列に特有のものである。DF検出モードを可能にするためには、このような回折ローブを空間フィルタリング(空間マスク)によって遮断すべきである。
【0014】
多くの場合、パターン化サンプルの検査は、明視野モードと暗視野モードの両方で行う必要があり、これらの2つの検査モードを選択的に切り換える必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、照明/正反射の方位角及び仰角に対する光収集チャネルの実際の位置に関係なく暗視野検査モードを最適に実行できるようにする新規の光学検査技術を提供する。この目的のために、本発明は、照明及び収集マスクの適切な配置(マスクの調節及びパターン)を利用して、所望の高分解能、すなわち望ましく小さな照明スポットで(所与の光収集チャネルのための)十分に大きな収集領域を可能にしながら光収集を最適化する。なお、マスク(照明及び/又は収集パターン)は、静的パターンを有することもでき、或いは電子空間符号化によって構成することもでき、この場合パターンは動的なものとすることができる。いずれにせよ、本発明の技術は、1つのマスクを異なる静的パターンの別のマスクに置き換えるための切り換え機構を使用することなどによってマスクパターンを適当に変更すること、又は電子ユニット(空間光調整器)のコードを適当に変更することを実現する。
【0016】
なお、明視野検査モードは、パターン自体を検査することを目的とする。明視野検査モードでは、撮像システムが、サンプルから反射された光を収集し、この光は、システムの光学限界によるできるだけ多くの検査パターンの空間詳細を示す情報を提供する、(パターンの周期性に起因する)回折次数に関連する光成分を含む。一方で、暗視野検査モードは、サンプル上のパターンから直接反射された光の収集を遮断又は大幅に抑えながら散乱光の収集を利用する。
【0017】
上述したように、暗視野検査モードは、考えられる欠陥からの散乱光の収集を含む。欠陥は暗い背景上の輝点として識別される。散乱光の収集は、光収集チャネルをサンプルからの正反射の伝搬の方位角及び仰角の外へ向け従って実質的な散乱光(信号)及び比較的強度が低い高次回折成分(ノイズ)を収集することによって行うことができる。他の構成では、暗視野撮像技術が、光収集チャネルの角度方向を正反射経路の方向又はその近くを通過するようにした光収集を利用することができる。収集マスクを利用して、回折次数に関連する光成分を遮断し、これにより信号対雑音比SNRを高め、欠陥検査の効率が向上させることができる。
【0018】
本発明は、パターンの周期性に起因する回折次数の角位置は、照明チャネルと検査中のサンプル上のパターンとの関係によって定まるとの理解に基づく。実際に、回折次数を遮断すると、暗視野検査モードになる。
【0019】
本発明によれば、適切に設計された照明マスクを利用することにより、望ましく小さな照明スポットを維持しながら(信号対雑音比の意味において)暗視野検査モードが最適化される。照明マスクは、楕円状又は多角形状などの1又はそれ以上の非円形の細長い幾何形状の(単複の)開口、又は一般に縦軸に沿った長さと横軸に沿った長さが異なる開口によって形成することができる。これとは別に又はこれに加えて、一連の(一般に少なくとも2つの)(円形の又は幾何形状でない)開口によって照明マスクを形成することもできる。いずれにせよ、照明マスクの(単複の)開口は、収集マスクの光遮断領域の配置に従って配置される。開口は、いわゆる「ソフト照明」、すなわち開口を横切る一定の透過勾配を提供するように構成することができる。
【0020】
最も単純な例である、照明チャネルと収集チャネルが一致する「通常検査モード」では、照明マスクの開口が、光収集マスクの遮断領域の少なくとも一部内に形成され、又はこれと位置合わせされる。照明チャネルと光収集チャネルが一致しても又は一致しなくてもよい(傾斜照明)一般的な例では、照明マスク及び収集マスクが、サンプル面に対する対応するスペクトル面に位置する。なお、これらの対応する面は、通常はサンプルに対するフーリエ面であり、又は互いの共役面(すなわち、「瞳」面及び「像」面、又はこの逆)と呼ぶこともできる。この場合、照明マスクの開口の配置及び収集マスクの遮断領域の配置は、有効収集領域を最適化(最大化)するように選択される。照明マスクを通過してサンプルのパターンから戻ってくる光は、各々が照明マスクの像である回折ローブを形成する。従って、回折ローブの形状を変更する(すなわち照明マスクを適切に設計する)ことにより、散乱光の収集領域を増加させることができる。
【0021】
なお、本発明の技術は、サンプルの2つの軸に沿って一定の非対称性を有する(異なる軸に沿ってパターンの周期性が異なる)パターン化サンプルの検査に特に有用である。後述するように、(サンプルの表面に沿ったx軸又はy軸として定義される)一定の軸に沿ったパターンの典型的ピッチサイズにより、同じ軸に沿った回折ローブの中心間の距離が決まる。パターンの典型的ピッチサイズがx軸及びy軸に沿って異なれば、回折ローブの配置も異なる。x軸に沿ったピッチサイズの方が大きな実質的に矩形の光学ユニットセルを有する(表面にわたるパターンを再現する)パターン化サンプルを仮定すると、x軸に沿った回折ローブの中心間の距離は、y軸方向に沿ったそれよりも短い。本発明の技術は、パターンの非対称性を利用して、照明瞳、従って回折ローブを適切に成形することによって収集領域を最適化し、一方の軸に沿った回折ローブを狭く保ったまま、他の軸に沿った回折ローブを引き延ばす。より具体的には、パターンのx軸に沿ったピッチサイズの方が大きい場合、照明瞳はx軸に沿って広くなり、相対的にy軸に沿って狭くなる。さらに、中心間の距離を回折ローブパターンの中心間の距離と同じ関係で配置した複数の照明開口を使用することにより、パターン化表面に達する照明量が増加し、従って検査効率が高くなる。一連の開口を使用することにより、サンプル上の照明スポットを小さくすることができる。照明スポットが小さければ、検査の精度及び感度が高くなる。
【0022】
従って、本発明の1つの広範な態様によれば、検査面を定め、この検査面上に位置するパターン化サンプルを検査する光学検査システムが提供される。このシステムは、検査面に対する一定の角度方向の照明経路を定める照明ユニットと、検査面に対する一定の角度方向の収集経路を定める光収集ユニットとを備える。照明ユニットは、検査面に対する第1のスペクトル面内に位置する照明マスクを備え、この照明マスクは、一連の光透過領域の第1の所定の不連続パターンを有する。光収集ユニットは、第1のスペクトル面と共役の、検査面に対する第2のスペクトル面内に位置する収集マスクを備え、この収集マスクは、第2の所定のパターンの間隔を空けた光遮断領域を有する。第1及び第2のパターンの特徴部の配置は、照明チャネル及び収集チャネルの角度方向により定められる収集チャネルに沿ったパターン化サンプルからの回折応答に従って、第1のパターンの光透過領域が第2パターンの遮断領域と所定の位置合わせ状態になるように選択される。
【0023】
なお、光が照明マスクを通過することにより、実際に第1の空間パターンの構造光が生成され、光が収集マスクを通過することにより、第2の空間パターンの構造光が生成される。
【0024】
第1及び第2のスペクトル面は、検査面に対するフーリエ面である。このような第1及び第2のスペクトル面は、実質的に一致する面(通常入射モード)であってもよく、又は検査面に対して異なる角度方向(傾斜入射モード)を有していてもよい。光収集チャネルは、照明チャネルにより、照明スポットから正反射された光の伝搬に沿って配向することもでき(明視野配向)、又は正反射伝搬経路の外に配向することもできる(暗視野方位)。
【0025】
照明マスクの第1のパターンは、間隔を空けた関係で配置された一連の透過領域を含み、各透過領域は実質的に円形の幾何形状を有することが好ましい。光透過領域は、開口を横切る透過勾配を有する開口として構成することができる。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、照明マスク及び収集マスクの少なくとも一方が、電子符号化ユニットを含み、他のいくつかの実施形態では、照明マスク及び収集マスクの少なくとも一方が、物理的要素としてのパターン化構造を含む。いずれにせよ、システムは、マスクを置き換えること又は電子符号化ユニットのパターンを変更することによって照明パターン及び収集パターンの少なくとも一方を置き換えるための切り換えユニットを備える。
【0027】
本発明の他の広範な態様によれば、検査面を定めてこの検査面内に位置するパターン化サンプルを検査する光学検査システムが提供され、このシステムは、検査面に対する一定の角度方向の照明経路を定める照明ユニットと、検査面に対する位亭の角度方向の収集経路を定める収集ユニットとを備え、照明ユニットは、サンプル面に対する第1のスペクトル面内に位置する照明マスクを備え、この照明マスクは、各々が実質的に円形の幾何形状を有する間隔を空けた一連の光透過領域を定める第1のパターンを有し、光収集ユニットは、第1のスペクトル面と共役の、サンプル面に対する第2のスペクトル面内に位置する収集マスクを備え、この収集マスクは、間隔を空けた光遮断領域の第2の所定のパターンを有し、第1及び第2のパターンの特徴部の配置は、照明チャネル及び収集チャネルの角度方向によって定められる収集チャネルに沿った前記パターン化サンプルからの回折応答に従って、第1のパターンの間隔を空けた実質的に円形の前記一連の光透過領域が、第2のパターンの遮断領域と整列するように選択される。
【0028】
本発明のさらに別の広範な態様によれば、検査面を定めてこの検査面内に位置するパターン化サンプルを検査する光学検査システムが提供され、このシステムは、検査面に対する一定の角度方向の照明経路を定める照明ユニットと、検査面に対する一定の角度方向の収集経路を定める収集ユニットとを備える。照明ユニット及び収集ユニットの各々は、サンプル平面に対するスペクトル面内に位置する空間マスクを備える。マスクの一方は、光遮断領域によって隔てられた第1の一連の間隔を空けた光透過領域を定める第1のパターンを有し、マスクの他方は、光遮断領域によって隔てられた第2の一連の間隔を空けた光透過領域を定める第2のパターンを有する。第1及び第2パターンの領域の配置は、収集経路に沿った前記パターン化サンプルからの回折応答に従って、第1のパターンの光透過領域が第2パターンの遮断領域と所定の位置合わせ状態になるように選択される。
【0029】
本発明のさらなる広範な態様によれば、パターン化サンプルの光学検査で使用する方法が提供される。この方法は、所定の開口数及び検査面に対する所定の角度方向を有する照明チャネルに沿って伝搬する光でサンプルを照明し、これによりサンプル上に照明スポットを生じてサンプルからの回折応答を引き起こす照明ステップと、検査面に対する所定の角度方向の収集チャネルに沿ってサンプルから戻ってくる光を収集する収集ステップとを含む。照明ステップは、検査面に対する第1のスペクトル面内の第1の空間パターンの第1の構造光を生成するステップを含み、光収集ステップは、検査面に対する第2のスペクトル面内の第2の空間パターンの第2の構造光を生成するステップを含む。第1及び第2の空間パターンの特徴部は、収集チャネルに沿って伝搬する回折応答に従って、第1の構造光の光成分が、第2の構造光の光成分間の間隔と所定の位置合わせ状態になり、これにより第2の構造光の光成分によって定められる収集領域と照明スポットの寸法との間に望ましい関係をもたらすように選択される。
【0030】
以下、本発明を把握し、これを実際にどのように実施できるかを理解ために、添付図面を参照しながらほんの非限定的な例として実施形態について説明する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1A〜
図1D及び
図2A〜
図2Dに、パターン化サンプルの明視野検査及び暗視野検査の一般的原理を示す。理解を容易にするために、全ての例において、共通する要素の識別には同じ参照番号を使用している。
【0033】
なお、一般的に、サンプル表面上のパターンは、
図1A〜
図1Dに示すように表面レリーフの形であってもよく、及び/又は所与の照明に対して光学特性が異なる領域、すなわち反射特性、吸収特性及び伝達特性が異なる領域によって定められるものであってもよい。
【0034】
図1Aでは、ある空間周波数の周期パターンを表面10A上に有するサンプル10が、サンプル10の表面上に照明スポットを形成する(紫外線及び/又は赤外線照明などを含む)一定波長λの光学ビーム40によって照明されている。光は、複数の回折次数に従ってパターン10Aから異なる方向に反射する。ゼロ次回折成分50は、正反射角の回折成分であり、その他の回折次数55は、とりわけ波長λ及びパターン10Aの周期性によって決まる異なる角度方向に反射する。サンプルから戻ってくるこれらの光成分(50及び55)は、一定の開口数(NA)を有するとともにパターン化表面の像30を像面(検出器面)上に形成する(1又はそれ以上のレンズを含む)レンズユニット20により収集される。
【0035】
より細かな設計ルール(DR)のパターン、すなわち空間周波数が高くパターン化特徴部が小さなパターンは、所与の照明(すなわち、スポットサイズ及び波長)に対して、回折ローブ(回折次数)が大きく広がりゼロ次回折の周囲で大きな角度を成して応答する。実際に、
図1Bでは、パターン10BのDR寸法(すなわち周期性)の方が
図10Aのそれよりも小さいが、それでもなお収集レンズユニット20の分解能限界の範囲内にあり、少なくとも最初の回折次数の光成分55は、レンズユニット20の開口数により収集される。
図1Bから分かるように、結果として得られる像30は、
図1Aのものよりもコントラストが低いが、パターンの検出(視覚化)は可能である。しかしながら、
図1Cに示すように、パターン10Cの特徴部が小さくて収集レンズユニット20の分解能限度を超えている場合、最初の回折次数の光成分55であってもレンズユニット20によって収集することができず、従って像面30内にパターンを解像することができない。
【0036】
より細かなDR(すなわち、より高い周波数)で表面パターンを結像できるようにするために、レンズユニット20の開口数を増大させることができる。これを
図1Dに示す。より高い開口数を収集に使用すると、より高い回折次数からの光成分を収集できるようになり、パターン化表面の像30がより良く解像され、コントラストが高くなる。
【0037】
パターンの特徴部がより小さくなる半導体ウェハ検査などの場合、パターンの結像に使用できる開口数には実用限界がある。このため、このような小さな特徴部のパターン化表面内の欠陥を、表面からの散乱光を収集することよって検出するための暗視野検査技術が使用されることがある。
【0038】
上述したように、暗視野撮像は、ゼロ次回折から離れた(単複の)経路に沿って伝搬される散乱光の収集に基づき、従って収集光のパターンから生じる回折次数に関連する光成分の影響(ノイズ)を低減することができる。これとは別に又はこれに加えて、暗視野撮像は、回折ローブの角度に近い角度で伝搬する戻ってくる光(すなわち散乱光)を収集する一方で、サンプルから戻ってくる正反射又は回折次数(ゼロ次又はより高次)のいずれかの回折ローブを遮断することに基づくこともできる。
【0039】
図2A〜
図2Dに、半導体ウェハなどのパターン化サンプルの暗視野検査の原理を示す。
図2A及び
図2Cには、サンプルのパターン化領域内に欠陥が存在しない場合を示しており、
図2B及び
図2Dには、サンプル上の欠陥(埃粒子など)が検出された場合を示している。
【0040】
図2Aでは、光ビーム40がサンプル表面上のパターン10Cを照明しており、被照明スポットから戻ってくる光は、正反射成分(ゼロ次回折)50、及びパターン10Cの周期性に関連するより高い回折次数55を含む。戻ってくる光の少なくとも一部は、レンズユニット20及び収集マスク25を含む収集システムにより収集される。収集マスク25は、正反射50の方向に伝搬する光成分を遮断して、その他の方向に伝搬する光成分を透過するように構成される。周期性パターンに欠陥が存在しない場合、
図2A及び
図2Cに示すように、戻ってくる光の適当な部分を遮断すると像が暗くなる。
【0041】
図2Bには、欠陥15を有するパターン化サンプルを示している。この欠陥は、周期性パターンの回折次数の方向だけではなく多くの方向に光を散乱させる。従って、戻ってくる光は、回折次数の成分50及び55の角度とは異なる(単複の)角度で収集システムの方へ伝搬する(単複の)光成分60を含む。これらの散乱光成分60は、レンズユニット20により収集され、(マスク25によって)像面30へと通過されて、暗い背景上の輝点31の形の欠陥の像が生じる。
【0042】
図2C及び
図2Dには、パターン化領域内に欠陥が存在する場合及び存在しない場合の、パターンの空間周波数がより低い(DRがより大きい)サンプルの光伝搬方式を示している。これらの図には、収集レンズユニットの開口数が大きいことに起因して、及び/又はパターンの空間周波数が低いことに起因して、収集ユニットによっていくつかのより高い回折次数が収集される例を示している。この場合、収集ユニットは、ゼロ次数だけでなくこれらのより高い回折次数も遮断するように構成された収集マスク25を含む。
【0043】
発明者らは、光収集の有効範囲/領域と光照明の有効範囲/領域の組み合わせを最大化することにより、欠陥検査の感度を増大できることを発見した。有効収集領域は、収集マスクの透過領域(開口)の寸法によって定まり、有効照明領域はシステムの照明開口/瞳の寸法によって定まる。しかしながら、より大きな照明瞳を使用すると回折ローブも大きくなって遮断されるようになるので、有効収集領域のサイズが減少し、又はローブが完全に重なる場合には有効収集領域が完全に無くなる。発明者らは、照明瞳のサイズ及び形状を適切に選択することにより、望ましく大きな有効収集領域が得られるように回折ローブの形状に影響を与え、従って欠陥検出の感度を増大できることを発見した。(パターンから戻ってくる回折ローブを遮断するための)収集マスクの設計とともに、この設計に従って照明瞳を正しく設計することにより、信号対雑音比(SNR)の向上及び解像度の改善がいずれも可能になり、従ってより小さな欠陥を効果的に検査できるようになる。
【0044】
(1又はそれ以上の照明開口により形成される)照明瞳の形状は、サンプル表面上のパターンから戻ってくる光に関連する回折ローブの形状及びサイズに影響する。
図3A及び
図3Bに、照明スポットサイズと回折ローブパラメータの関係を概略的に示す。
【0045】
一定のピッチサイズ18によるパターン、及びこのパターン内の照明スポット15を有するウェハ(サンプル)10の表面/面を示している。また、これらの図には瞳面も示しており、この瞳面上に、潜在的収集領域22(すなわち、所与の開口数で光を収集できる瞳面内の領域)及び照明瞳44を投影している。図示のように、収集領域22と交わる経路に沿って伝搬する回折ローブ55はほとんどない。従って、有効収集範囲/領域22は、暗視野検査におけるノイズを低減するために遮断すべきこれらの回折ローブ55によって制限される。通常、照明スポット15と照明瞳44はフーリエ変換対であり、同様に照明スポット15と回折ローブ55もフーリエ変換対である。従って、(
図3Aに示すように)スポットサイズ15が大きくなると回折ローブ55は小さくなり、(
図3Bに示すように)スポットサイズが小さくなると回折ローブは大きくなる。さらに、回折ローブ55は実質的に照明瞳44の像である。
【0046】
典型的な暗視野撮像システムは、散乱光のみを検出できるようにするために、回折ローブを遮断するように構成された収集マスクを利用する。部分的に遮断を行う収集マスクを使用すると、有効収集範囲と、遮断する回折ローブのサイズに影響するサンプル表面上の照明スポットのサイズとの間に設計上のトレードオフが生じる。なお、回折ローブの中心間の間隔は、サンプル(ウェハ)表面上のパターンの周期性によって決まり、例えばフーリエ面では、回折ローブ間の間隔は次式により与えられる。
D=λ/P 数式1
式中、Dは回折ローブ55の中心間の間隔であり、Pはサンプル上のパターンのピッチサイズ18であり、λはシステムで使用される波長である。
【0047】
照明スポット領域15を減少させると、利用可能な照度(通常はレーザ出力)がより狭い範囲に集中することによって感度が上昇し、従って応答強度が高くなる。さらに、照明スポットサイズ15を小さくすると、ウェハ表面10の粗度によって生じる誤警告が減少するとともに、検出される欠陥の場所をより良く特定できるようになる。一方で、大きな照明瞳44(
図3B)によって小さな照明スポット15が生成された場合にも、ウェハ10の表面から戻ってくる回折ローブ55は大きくなる。回折ローブが大きいと、暗視野撮像に利用できる有効範囲/領域が減少する。
図3Bから分かるように、回折ローブ55を遮断するように構成された収集マスクを利用すると、実際に散乱光の収集に使用できる残りの範囲は大きく制限され、又はローブが完全に重なる場合には完全に無くなる。
【0048】
本発明は、結像瞳のサイズと有効収集領域の間のバランスを最適化する一方で、収集した光を効果的に空間フィルタリング(すなわち回折ローブを遮断)することにより、検出を最適化することを目的とする。
【0049】
パターン化サンプル10を検査するための本発明のシステム100における光伝搬方式の例を概略的に示す
図4を参照する。システム100は、検査するサンプル10へ向けて伝搬する照明光ビーム40をビーム成形するように構成された照明マスク42を含む(詳細には示していない照明ユニットに関連する)照明チャネルを利用する。また、通常、この照明チャネルは、詳細には示していない少なくとも集束光学系を含む様々な光学部品も含む。照明マスク42は、所定のパターン44の間隔を空けた光遮断及び透過領域を有し、この透過領域(開口)は、システムの照明瞳44を定める。従って、サンプル10の表面上の照明スポットは、複数の光成分によって形成される。通常、パターン化表面から戻ってくる光は回折パターンを含み、すなわち光成分は、正反射50(ゼロ次回折)及びゼロ次回折ローブの周囲の複数の回折次数55の回折パターンを含む異なる回折ローブの組に含まれて伝搬する。照明スポット内に欠陥が存在することによってサンプルのパターンの周期性が壊れた/損われた場合、少なくとも一部の光は欠陥からランダムな方向に散乱してランダム散乱光60を生じる。照明スポットから戻ってくる(散乱光を含む)光は、収集チャネルに沿って、収集マスク25を含む収集ユニットへ向けて伝搬する。
【0050】
なお、詳細には示していないが、通常、収集ユニットは、ここには示していない結像光学系を少なくとも含む。収集マスク25は、この上に入射する光を部分的に透過するように構成される。暗視野検査では、収集マスクは、回折ローブに関連する光成分を遮断し、散乱光のみを透過するように構成される。これは、サンプル内の欠陥を検査するためである。
【0051】
一般に、システム100は、収集マスク42、照明マスク25、又は所定のパターンを検査するように特別に設計された(後述するようなドーナツミラーなどの)その他の光学要素のいずれか1つを切り換えて、これにより異なるサンプル(異なるパターン)の検査を可能にするとともに、様々な検査技術を可能にするように構成された切り換えユニットを含むことができる。切り換えユニットには、検査するサンプルセットに合わせて設計された所定の光学要素の組、又は一般的には空間符号器を予め組み込み、この切り換えユニットを、操作者/コンピュータからの所定のコマンドに応答して異なる符号器間の切り換えを行うように構成することができる。従って、切り換えユニットを、物理的要素間の機械的切り換えを行うように、又は空間コード設計を変更するように構成することができる。例えば、光学マスク(照明マスク又は収集マスク)として(LCパネルなどの)SLMユニットを使用することができ、適切なコマンドに従ってこのパターンを変更することができる。
【0052】
照明マスク42及び収集マスク25はいずれも、互いに共役な面内に、好ましくはサンプル面に対するフーリエ面内に配置される。収集マスク25上の遮断及び透過領域の配置は、検査サンプルのパターン及び照明瞳44に従って予め決められる。照明マスク42及び収集マスク25上の遮断及び透過領域の配置は、ともに望ましく大きな照明瞳(望ましく小さな照明スポット)を維持しながら、散乱光成分を収集するための有効収集領域を最適化(最大化)するように選択される。
【0053】
なお、マスク(照明マスク42及び/又は収集マスク25)は、光透過領域の少なくとも1つが一定の不連続性、例えば複数の不連続領域を有するという意味で、不連続パターンとして構成される。例えば、マスクは、透過領域に囲まれた遮断領域を含むことができ、この場合透過領域は、中心が不連続になった閉ループ形状を有する。
【0054】
サンプル10を暗視野検査するためのシステム110の他の一例を
図5に示す。システム110は、照明チャネル120と、検出ユニット74及び80をそれぞれが利用する明視野撮像及び暗視野撮像のための2つの部分的に重なる2つの収集チャネル130及び140とを含む。システム110は、高出力の深紫外線(DUV)レーザ70を含む光源ユニットを利用する。照明チャネル及び収集チャネルは、これらのチャネルの重複部分を定める、対物レンズ78を含む共通の集束/結像光学系を利用する。暗視野撮像チャネルは、ドーナツミラー76(ビームスプリッタ)によって共通経路から分離される。照明チャネルは照明マスク42を含み、少なくとも暗視野収集チャネルは収集マスク25を含む。システム110のいくつかの構成では、チャネル130も、暗視野撮像を行うための収集マスク26を利用する。なお、このようなシステムは、収集チャネル130及び140の一方のみを使用して構成してもよい。
【0055】
光源70によって入射光ビーム40が生成され、上述したようにこの光を適当にビーム成形する照明マスク42を通じてサンプル上に向けられる。成形されたビームはドーナツミラー76を通過し、対物レンズ78により、サンプル10の表面上に望ましく小さなサイズの照明スポットで集束する。光を望ましく小さな光スポットでサンプル上に集束できるようにするために、照明マスク42は、サンプル(対象面)に対してフーリエ面の後ろに配置されることが好ましい。サンプルから戻ってくる光は、対物レンズ78によって収集され、この一部は、ドーナツミラーの中心領域に衝突し、従って明視野収集チャネル130へ向けて透過され、一方で収集された光の他の部分は、ドーナツミラー76の周辺部に衝突し、暗視野チャネル140へ向けて反射される。暗視野チャネル内には収集マスク25が配置され、回折ローブをフィルタ除去する一方で、回折ローブの方向とは異なる方向に散乱する光の通過を可能にするように動作する。照明マスク42及び収集マスク25は、上述したように設計される。収集チャネル130を、暗視野撮像を行うように構成する場合、上述したように設計することもできる収集マスク26を利用することができる。
【0056】
なお、撮像チャネル130は、明視野撮像チャネルとして動作することも、又は暗視野撮像チャネルとして動作することもできる。これは、上述の検討事項に従って正反射及び回折次数を遮断するように構成された収集マスク26を使用して行うことができる。照明マスク42(照明瞳)及び収集マスク26は、異なるパターン化サンプルについて暗視野検査及び/又は明視野検査を調整できるように除去及び/又は置換可能とすることができる。
【0057】
また、いくつかの実施形態によれば、ドーナツミラー76の透過領域及び反射領域が、照明瞳(照明マスク42)及び収集マスク25のいずれとしても動作するようにミラー76の形状を変更することが有益である。この構成は、マスク設計が複数の透過領域及び遮断領域を含む場合であっても使用することができる。この構成では、ドーナツミラー72を、空間フィルタマスク25、26及び42と同様に、システムの瞳面に配置すべきである。ドーナツミラー72の(単複の)透過領域((単複の)孔)は、照明マスク42の光透過領域に対応できるのに対し、反射領域は、収集マスク25又は26の光透過領域に対応することができる(或いは、ミラーの透過領域が収集マスクの透過領域に対応できるのに対し、ミラーの反射領域は照明マスクの透過領域に対応することができる)。いくつかの実施形態では、検査するサンプルに従って素早くミラーを取り替えることができるように、それぞれが異なるパターンを最適に検査するように設計された複数のドーナツミラー要素の組を取り替え/切り換えユニット上に取り付けることができる。
【0058】
上述したように、本発明によれば、照明マスク及び収集マスクの適切な設計は、有効収集領域の最適化を目的としており、第1のマスクのパターン(照明など)は、検査するサンプルのパターンによって決まり、第2のマスクのパターン(収集)は、第1のマスクによって決まり、その逆も同様である。ここで、照明マスクのパターンと収集マスクのパターンの関係について説明する。
【0059】
図6A〜
図6Cに、サンプルの表面に沿った周期的構造(パターン)の例(
図6A)、及び表面から反射された光によって生じる回折ローブ(
図6B及び
図6C)を示す。
図6Aに示すように、ウェハ上のパターンは4つのSRAMユニットセル14を有し、これらはその対称性によって単一の光学ユニットセル12を形成する。
図6Bには、フーリエ面で見られる回折ローブ55のパターンを示している。構成の理解を高めるために、照明瞳44を回折ローブのパターンと重ねて示している。
図6Cには、サンプルの正反射応答のみを遮断するように構成された収集マスクを使用して収集した回折ローブの像を示している。
【0060】
図6Aに示す光学ユニットセル12は、垂直ピッチP
y及び水平ピッチP
xを有する矩形ユニットである。この例に示すように、このパターンはx軸及びy軸に沿って異なる周期性(ピッチ)を有する。
図6Bに示すように、光学ユニットセル12から戻ってくる光によって生じる回折ローブパターンは、回折ローブ55の中心間の垂直間隔Dy及び水平間隔Dxを有する。フーリエ面内では、回折ローブ55間の間隔は上記の数式1に従う。
図6Bに示すように、円形の照明瞳44を与えると、暗視野撮像に使用できる潜在的収集範囲は非常に限られる。
【0061】
上述したように、照明瞳のサイズ及び形状によって回折ローブのサイズが決まり、検査パターンの周期性によって回折ローブの中心間の間隔が決まる。
図7A〜
図7Cに、照明瞳と、回折ローブのサイズ及び形状と、有効収集領域との関係を示す。これらの図には、収集マスク25Aの異なる構成、回折ローブの位置、収集マスク25B上に投影された(異なるサイズ及び形状の)照明瞳44、並びにこの照明チャネル及び収集チャネルの構成で得ることができる像25Cを示している。
【0062】
図7Aは、実質的に円形で比較的小さな照明瞳44に対応し、従って収集マスク25Aは、透過領域62によって定められる適度な有効収集領域を含むことができる。
【0063】
図7Bは、サンプルの表面上により小さな照明スポットを提供するために、より大きな照明瞳44に対応する。しかしながら、このような構成では、暗視野撮像チャネル内の収集マスクは実質的に透過領域を有していない。
【0064】
図7Cには、本発明のいくつかの実施形態で使用するのに適した照明マスク及び収集マスクの構成を示している。
図7Cでは、照明瞳44が、非円形又は細長い形状の開口を構成する楕円状の形状を有し、すなわち一方の軸に沿う寸法の方が、直交する軸に沿う寸法よりも長い。この例では、楕円状の照明瞳44が、
図6Aに示す光学ユニットセル上のピッチサイズが長い方の軸と平行に延びる長い主軸を有する。照明瞳を楕円状構成にすることにより、より小さな照明スポットが得られると同時に回折ローブが楕円状になり、従って収集マスク25内に透過領域62のための空間が開き、比較的大きな収集領域が可能になる。
【0065】
なお、
図7A〜
図7Cには、照明瞳と、回折ローブと、収集マスクとの関係を容易に理解できるようにするために、これらを同じ平面上に示している。しかしながら、照明瞳及び収集マスクは、必ずしも空間的に重なっているわけではなく、通常は、検査システムの対応する光学的平面(共役面)内に位置する。
【0066】
発明者らは、照明瞳又は照明マスクの形状を修正すること、及びこれに応じて収集マスクの形状を修正することにより、サンプル上の比較的小さな照明スポットを維持しながら有効収集領域を最適化できることを発見した。
図8A〜
図8Cに、照明スポットサイズを減少させて有効収集領域を最適化するように構成された1又はそれ以上の光透過領域(開口)を有する照明マスクを利用する本発明の実施形態のいくつかの態様を示す。
【0067】
図8A〜
図8Cに示す例は、
図6Aに例示した矩形セルユニットを有するサンプル構造に従って構成されたものである。これらの図には、3つの間隔を空けた遮断領域を含むように設計された収集マスク25を示しており、これらの遮断領域は、回折ローブを望ましく遮断しながら十分な収集領域をともに定める4つの透過領域62と垂直に交互に配置されている。この特定の例では、透過領域及び遮断領域がストライプ形状であるが、透過領域及び遮断領域の配置及び形状は、サンプルの空間パターンによって生じる回折パターンによって決まる。
【0068】
図8Aでは、照明マスクが、サンプル表面上に照明スポット15Aを生成する楕円状の開口を有する照明瞳44Aを含む。
図8Bに示す照明瞳44Bは、短軸は実質的に同じであるが離心率が大きく(すなわち伸長した楕円状に)なるように構成される。この照明瞳によって生じる照明スポット15Bは、少なくとも水平軸に沿って小さくなるが、依然として実質的に同一又は同様の収集領域62が実現可能である。
【0069】
図8Cでは、照明マスクが、3つの間隔を空けた透過領域(開口)44Cの形の照明瞳を定める。この複数領域の照明瞳44Cは、(照明瞳の像である)回折ローブの形状及びサイズが収集マスク25の遮断領域と一致するように構成される。上述したように、有効領域がより大きな照明瞳を使用すると、照明スポット15Cのサイズを縮小させることができ、従って検査サンプルに沿った欠陥検査の分解能を高めることができる。なお、照明瞳の範囲とサンプル表面上の照明スポットのサイズ/範囲との関係は、通常はフーリエ対として相互に関連性があり、従ってこれにより照明スポットの形状も決まる。
【0070】
図9に、
図8A〜
図8Cに示す3つの照明マスクを用いて行った信号対雑音比(SNR)測定を示す。この図では、グラフG1、G2及びG3が、それぞれ照明マスク44A、44B及び44Cの使用に対応する。テストサンプル上の番号を付けた全ての欠陥に関して、照明瞳が大きく照明スポットが小さな照明マスク44CでのSNR値が高くなっていることが分かる。
【0071】
パターン化サンプル及びその応答の他の一例を示す
図10A〜
図10Dを参照する。
図10Aには、ウェハ/サンプルの表面上の六角形周期パターンを示しており、
図10Bには、回折ローブ55を含むとともに
図10Aのパターンに関連する照明瞳44を示す回折応答を示しており、
図10Cには、本発明の1つの実施形態に関連する回折応答を示しており、
図10Dには、本発明の他の1つの実施形態に関連する回折応答を示している。
【0072】
図10Bで分かるように、従来のDF撮像技術は、回折ローブ55の重複が明らかであるため、このようなパターン化サンプルで使用することができない。回折ローブ55が重複すると、DF撮像技術を実施するための散乱光の収集を行う空間がなくなる。回折ローブ55の各々は(共役面内の)照明瞳のコピーであり、ローブの中心により生成されるパターンは、(逆格子、すなわちパターンのフーリエ変換である)パターンの形状によって一意に定められる。照明開口44のサイズを減少させることにより、回折ローブが分離して散乱光の収集が可能となる。しかしながら、本発明の技術は、回折ローブを分離するためのより巧みな方法を提供する。
【0073】
図10Cには、本発明の実施形態によるシステムを使用して六角形のパターン化サンプルを検査する際に生じる回折ローブを示している。この実施形態によれば、照明瞳44は、照明瞳の一方の軸に沿ったサイズを減少させ、照明瞳の他方の軸に沿ったサイズ(
図10Cで確認できる水平軸及び垂直軸)を維持した楕円形状を有するように構成される。照明瞳44の像である回折ローブ55は、しかるべき軸に沿って小さくなり、従ってこれらの重複は減少する。これにより、回折ローブのパターンに従って構成された収集マスク25を使用して、回折ローブに関連する光成分を遮断する一方で、サンプルからの散乱光に関連する少なくとも一部の光成分を透過させることが可能になる。収集マスク25は、回折ローブ55を遮断して、パターンの欠陥に起因する散乱光成分の信号を収集するための透過領域62(範囲)を開いたままにするように構成される。しかしながら、照明瞳のサイズを縮小すると、サンプル表面上の照明スポットサイズが拡大し、散乱光の収集と潜在的な欠陥の位置を特定する精度との間にトレードオフが生じる。
【0074】
本発明の他の1つの実施形態を、一連の開口44を含む照明マスクの使用を示す
図10Dに示している。
図10Dでは、収集マスク25が、ウェハパターンによって決まるローブの中心形状に従って構成されているが、収集マスク25のネガとして構成された一連の開口44の形の照明瞳を使用すると、有効スポットサイズが減少する。なお、パターン化サンプルのこのような照明によって生じる回折ローブは照明開口の位置と重複し、従ってこの図では見えない。このような照明マスクを利用すると、散乱光を収集するために回折ローブ間を比較的大きく分離したままで、サンプル表面上に望ましく小さな照明スポットを形成できるようになる。
【0075】
パターン化サンプルの欠陥検出の実験結果を示す
図11A及び
図11Bに、改善したSNRをさらに示している。
図11Aには、散乱光の検査結果、すなわちパターンから戻ってくる回折ローブを遮断することなく欠陥検出のための散乱光を収集したことに基づく暗視野モードを示している。上述したように、散乱光検査技術は、パターンの特徴部が検査システムの光学分解能よりも小さい寸法の場合に使用される。パターンの小さな特徴部は、像内では十分に解像されないが、欠陥からの散乱光によって欠陥検査が可能となる。
図11Aに示す結果では、15.8の信号対雑音比が得られた。
【0076】
図11Bには、本発明のシステムを使用して、
図8Aに示す照明瞳44Aと同様の照明瞳を有する照明マスクを利用した検査の結果を示している。パターンから戻ってくる回折ローブを遮断して、サンプル表面の望ましく小さな照明スポットを維持しながら十分な光強度をもたらすように照明瞳を適当に調整することにより、この検査では48.1の信号対雑音比を得ることができる。このような信号対雑音比により、正確な欠陥検査が可能になり、誤検出又は欠陥を見逃す回数が減少する。
【0077】
これに関連して、
図12及び
図13A〜
図13Bを参照する。
図12は、
図6Aに示すパターンを有するサンプルの検査に異なる検査技術を使用して異なる幾何分解能を利用した欠陥検査の効率を比較したものである。一般に、このようなパターン化サンプルには、(
図13Aに示す)パターンが欠けた欠陥、(
図13Bに示す)ブリッジによる欠陥、及び異物に関連する欠陥、すなわちパターン化サンプル上に存在する埃粒子などの外部粒子に関連する欠陥(具体的に図示せず)という主に3種類の欠陥が生じる可能性がある。
【0078】
図12には、典型的なDFモードにおける散乱光(T1)、100nmのピクセルサイズ(T2)及び70nmのピクセルサイズ(T3)の幾何分解能におけるBF、140nmのピクセルサイズ(T4)及び190nmのピクセルサイズ(T5)の幾何分解能を有する本発明の技術を使用して得られた検査結果を示している。これらの図面から分かるように、典型的なDF(散乱光)及び明視野検査技術を使用した場合、パターンに関連する欠陥の検出が非常に限られたものしか得られなかった。この理由は、パターンの特徴部が検査システムの光学分解能よりも小さく、従って十分に解像することができないからである。本発明の技術では、サンプル上の異物の検出率は典型的なDFモード及びBFモードと同様であるが、欠けたパターン及びパターンの特徴部にわたるブリッジなどの、パターンに関連する欠陥の検出率が上昇する。パターンに関連する欠陥の検出は、パターン化サンプルの製造の歩留まりを高めるために重要である。
【0079】
なお、本発明の技術は、システム内の収集領域及び(単複の)照明瞳の有効サイズを最適化することにより、暗視野撮像システムにおける光収集を最適化することを目的としている。また、照明チャネルと収集チャネルは互いに交換可能であり、従って照明マスクと収集マスクも交換可能である。照明マスク及び収集マスクのそれぞれの総透過範囲が大きくなるほど、得られるSNRも高くなる。この範囲は、照明チャネル、収集チャネル、又は好ましくは両方のチャネルで拡大することができる。このような構成は、例えば従来の光学顕微鏡に基づいて、非コーヒレントな(又は部分的にコーヒレントな)DF撮像で実施することができる。このような非コーヒレントなDF撮像システムでは、サンプルを照明するための光源を使用する一方で、収集マスクを利用する光学系を介して光を収集する。上述したように、照明マスクと収集マスクは互いに交換可能であり、これにより本発明の技術による非コーヒレントなDF撮像が可能となる。
【0080】
上述したように、暗視野撮像は、照明経路に対して異なる配向の散乱光収集を利用することができる。ゼロ次回折の伝搬外の、正反射の角度方向の周囲の散乱光を収集することができる。収集マスクの使用は、回折ローブを遮断するためにあらゆる収集角度にとって好ましく、これにより欠陥検査のSNRが上昇する。本発明による適切な照明マスクの設計は、サンプル上の周期パターンから回折される光成分を効果的に遮断しながら有効収集範囲/領域を最適化することを目的としている。
【0081】
上記によれば、本発明は、パターンの回折応答に関連する光成分を遮断するための一連の遮断領域を含む収集マスク、及び(単複の)照明開口が収集マスクの遮断領域と正しい配置/関係にあることを条件に円形又は楕円状などのあらゆる好適な形状の照明瞳を利用する。本発明の技術は、照明スポットサイズと有効収集範囲/領域の関係を最適化し、従って高効率な暗視野検査(より高いSNR及び解像度)を可能にする。さらに、本発明の照明マスク及び収集マスクは、様々なパターン化サンプルの検査を可能にするために取り外し及び交換が可能である。本発明によるパターン化サンプル検査システムは、暗視野検査モードで動作することができ、また少なくとも収集マスクを取り外すことによって明視野検査モードでも動作する。
【0082】
当業者であれば、添付の特許請求に範囲に定義する本発明の範囲から逸脱することなく、以上説明した本発明の実施形態に様々な修正及び変更を適用できることを容易に認識するであろう。