(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の第1のラインと、前記複数の第1のラインと絶縁層を介して交差するように配置される複数の第2のラインと、を備えるタッチパネルを含むタッチセンサの信号処理回路であって、
第1の駆動端子および第2の駆動端子と、第1の検出端子および第2の検出端子と、出力端子とを有し、前記第1の駆動端子および前記第1の検出端子の間に接続された第1の静電容量と、前記第2の駆動端子および前記第1の検出端子の間に接続された第2の静電容量との差を第1の容量差として求め、前記第1の駆動端子および前記第2の検出端子の間に接続された第3の静電容量と、前記第2の駆動端子および前記第2の検出端子の間に接続された第4の静電容量との差を第2の容量差として求め、前記第1の容量差と第2の容量差との差を所定の信号に変換して出力する容量測定回路と、
前記複数の第1のラインの中から、1つ以上のラインを第1の駆動ライン群として選択し、前記第1の駆動ライン群とは異なる1つ以上のラインを第2の駆動ライン群として選択し、前記第1の駆動ライン群を前記第1の駆動端子に接続し、前記第2の駆動ライン群を前記第2の駆動端子に接続し、かつ、前記複数の第2のラインの中から、1つ以上のラインを第1の検出ライン群として選択するかまたは第1の検出ライン群は選択せず、前記第1の検出ライン群とは異なる1つ以上のラインを第2の検出ライン群として選択し、1つ以上の前記第1の検出ライン群を選択した場合には当該第1の検出ライン群を前記第1の検出端子に接続する一方で前記第1の検出ライン群を選択しなかった場合には基準電圧を前記第1の検出端子に接続し、前記第2の検出ライン群を前記第2の検出端子に接続する選択回路と、
を備えることを特徴とするタッチセンサの信号処理回路。
複数の第1のラインと、前記複数の第1のラインと絶縁層を介して交差するように配置される複数の第2のラインと、を備えるタッチパネルを含むタッチセンサの信号処理回路であって、
第1の駆動端子および第2の駆動端子と、第1の検出端子および第2の検出端子と、出力端子とを有し、前記第1の駆動端子および前記第1の検出端子の間に接続された第1の静電容量と、前記第2の駆動端子および前記第1の検出端子の間に接続された第2の静電容量との差を第1の容量差として求め、前記第1の駆動端子および前記第2の検出端子の間に接続された第3の静電容量と、前記第2の駆動端子および前記第2の検出端子の間に接続された第4の静電容量との差を第2の容量差として求め、前記第1の容量差と第2の容量差との差を所定の信号に変換して出力する容量測定回路と、
前記複数の第1のラインの中から、1つ以上のラインを第1の駆動ライン群として選択し、前記第1の駆動ライン群を前記第1の駆動端子に接続し、前記第2の駆動端子と前記第2の検出端子との間に予め定めた静電容量値を有するオフセット調整コンデンサを接続し、かつ、前記複数の第2のラインの中から、1つ以上のラインを第1の検出ライン群として選択するかまたは第1の検出ライン群は選択せず、前記第1の検出ライン群とは異なる1つ以上のラインを第2の検出ライン群として選択し、1つ以上の前記第1の検出ライン群を選択した場合には当該第1の検出ライン群を前記第1の検出端子に接続するとともに前記第2の駆動端子と前記第1の検出端子との間に予め定めた静電容量値を有するオフセット調整コンデンサを接続する一方で前記第1の検出ライン群を選択しなかった場合には基準電圧を前記第1の検出端子に接続し、前記第2の検出ライン群を前記第2の検出端子に接続する選択回路と、
を備えることを特徴とするタッチセンサの信号処理回路。
前記アダマール変換行列が、第1の方向にm行×m列(m=2、4の倍数)、第2の方向にn行×n列(n=2、4の倍数)の場合には、前記駆動パターンおよび前記検出パターンの組み合わせは(m×n)個となり、各駆動パターンおよび検出パターンに応じて、前記選択される第1と第2の駆動ライン群に属する全ライン数はm個、前記選択される第1と第2の検出ライン群に属する全ライン数はn個であることを特徴とする請求項13に記載のタッチセンサの信号処理回路。
複数の第1のラインと、前記複数の第1のラインと絶縁層を介して交差するように配置される複数の第2のラインと、を備えるタッチパネルを含むタッチセンサの信号処理回路であって、
第1の駆動端子および第2の駆動端子と、検出端子と、出力端子とを有し、前記第1の駆動端子および前記検出端子の間に接続された第1の静電容量と、前記第2の駆動端子および前記検出端子の間に接続された第2の静電容量との差を所定の信号に変換して出力する容量測定回路と、
予め決めてある変換行列に応じて定められた複数の駆動パターンのうちの1つの駆動パターンが選択されるたびに、当該選択される駆動パターンに応じて、前記複数の第1のラインの中から、1つ以上のラインを第1の駆動ライン群として選択し、前記第1の駆動ライン群とは異なる1つ以上のラインを第2の駆動ライン群として選択し、前記第1の駆動ライン群を前記第1の駆動端子に接続し、前記第2の駆動ライン群を前記第2の駆動端子に接続し、かつ、前記複数の第2のラインの中から、1つ以上のラインを検出ライン群として選択し、前記検出ライン群を前記検出端子に接続する選択回路と、
前記容量測定回路が検出した各所定の信号と前記変換行列とを基に演算を行い、前記選択された駆動ラインと前記選択された各検出ラインとの各交差部における静電容量をそれぞれ算出する容量算出回路と、
を備えることを特徴とするタッチセンサの信号処理回路。
複数の第1のラインと、前記複数の第1のラインと絶縁層を介して交差するように配置される複数の第2のラインと、を備えるタッチパネルを含むタッチセンサの信号処理回路であって、
第1の駆動端子および第2の駆動端子と、検出端子と、出力端子とを有し、前記第1の駆動端子および前記検出端子の間に接続された第1の静電容量と、前記第2の駆動端子および前記検出端子の間に接続された第2の静電容量との差を所定の信号に変換して出力する容量測定回路と、
予め決めてある変換行列に応じて定められた複数の駆動パターンのうちの1つの駆動パターンが選択されるたびに、当該選択される駆動パターンに応じて、前記複数の第1のラインの中から、1つ以上のラインを第1の駆動ライン群として選択し、前記第1の駆動ライン群を前記第1の駆動端子に接続し、前記第2の駆動端子と前記検出端子との間に予め定めた静電容量値を有するオフセット調整コンデンサを接続し、かつ、前記複数の第2のラインの中から、1つ以上のラインを検出ライン群として選択し、前記検出ライン群を前記検出端子に接続する選択回路と、
前記容量測定回路が検出した各所定の信号と前記変換行列とを基に演算を行い、前記選択された駆動ラインと前記選択された各検出ラインとの各交差部における静電容量をそれぞれ算出する容量算出回路と、
を備えることを特徴とするタッチセンサの信号処理回路。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の発明によれば、寄生容量をキャンセルして、小さな電極間容量を検出することが可能となり、電極数が多い高分解能のタッチセンサを実現することが可能となる。しかし、タッチパネルに指を触れるときに発生するノイズを軽減(抑圧)することができない。
これに対して、特許文献2に記載の発明によれば、電荷増幅器で差動増幅を行うので、タッチパネルに指を触れるときに発生するノイズを軽減することができる。しかし、指などの被検出物体が2つの電極のちょうど中間に来た場合に出力が出ず、非タッチ時と区別できないという問題点がある。
【0008】
このような背景の下において、タッチセンサの信号処理に関し、新たな信号処理を採用するようにしたタッチセンサの信号処理回路の新たな出現が望まれる。
さらに、タッチセンサの信号処理回路の新たな出現に際しては、タッチパネルに指を触れるときに発生するノイズを軽減することができる上に、S/Nの向上を図ることが望まれる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、タッチセンサの信号処理に関し、新たな信号処理を採用するようにしたタッチセンサの信号処理回路を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、タッチセンサの信号処理に関し、タッチパネルに指を触れるときに発生するノイズを軽減することができる上に、S/Nの向上を図ることができるようにしたタッチセンサの信号処理回路などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、複数の第1のラインと、前記複数の第1のラインと絶縁層を介して交差するように配置される複数の第2のラインと、を備えるタッチパネルを含むタッチセンサの信号処理回路であって、第1の駆動端子および第2の駆動端子と、第1の検出端子および第2の検出端子と、出力端子とを有し、前記第1の駆動端子および前記第1の検出端子の間に接続された第1の静電容量と、前記第2の駆動端子および前記第1の検出端子の間に接続された第2の静電容量との差を第1の容量差として求め、前記第1の駆動端子および前記第2の検出端子の間に接続された第3の静電容量と、前記第2の駆動端子および前記第2の検出端子の間に接続された第4の静電容量との差を第2の容量差として求め、前記第1の容量差と第2の容量差との差を所定の信号に変換して出力する容量測定回路と、前記複数の第1のラインの中から、1つ以上のラインを第1の駆動ライン群として選択し
、前記第1の駆動ライン群とは異なる
1つ以上のラインを第2の駆動ライン群として選択し、前記第1の駆動ライン群を前記第1の駆動端子に接続し、前記第2の駆動ライン群を前記第2の駆動端子に接続し、かつ、前記複数の第2のラインの中から、
1つ以上のラインを第1の検出ライン群として選択
するかまたは第1の検出ライン群は選択せず、前記第1の検出ライン群とは異なる1つ以上のラインを第2の検出ライン群として選択し、
1つ以上の前記第1の検出ライン群を
選択した場合には当該第1の検出ライン群を前記第1の検出端子に接続
する一方で前記第1の検出ライン群を選択しなかった場合には基準電圧を前記第1の検出端子に接続し、前記第2の検出ライン群を前記第2の検出端子に接続する選択回路と、を備えることを特徴とするタッチセンサの信号処理回路である。
本発明の他の態様は、複数の第1のラインと、前記複数の第1のラインと絶縁層を介して交差するように配置される複数の第2のラインと、を備えるタッチパネルを含むタッチセンサの信号処理回路であって、第1の駆動端子および第2の駆動端子と、第1の検出端子および第2の検出端子と、出力端子とを有し、前記第1の駆動端子および前記第1の検出端子の間に接続された第1の静電容量と、前記第2の駆動端子および前記第1の検出端子の間に接続された第2の静電容量との差を第1の容量差として求め、前記第1の駆動端子および前記第2の検出端子の間に接続された第3の静電容量と、前記第2の駆動端子および前記第2の検出端子の間に接続された第4の静電容量との差を第2の容量差として求め、前記第1の容量差と第2の容量差との差を所定の信号に変換して出力する容量測定回路と、前記複数の第1のラインの中から、1つ以上のラインを第1の駆動ライン群として選択し、前記第1の駆動ライン群を前記第1の駆動端子に接続し、前記第2の駆動端子と前記第2の検出端子との間に予め定めた静電容量値を有するオフセット調整コンデンサを接続し、かつ、前記複数の第2のラインの中から、1つ以上のラインを第1の検出ライン群として選択するかまたは第1の検出ライン群は選択せず、前記第1の検出ライン群とは異なる1つ以上のラインを第2の検出ライン群として選択し、1つ以上の前記第1の検出ライン群を選択した場合には当該第1の検出ライン群を前記第1の検出端子に接続するとともに前記第2の駆動端子と前記第1の検出端子との間に予め定めた静電容量値を有するオフセット調整コンデンサを接続する一方で前記第1の検出ライン群を選択しなかった場合には基準電圧を前記第1の検出端子に接続し、前記第2の検出ライン群を前記第2の検出端子に接続する選択回路と、を備えることを特徴とするタッチセンサの信号処理回路である。
【0011】
上記の構成において、前記選択回路は、予め決めてある変換行列に応じて定められた複数の検出パターンのうちの1つの検出パターンが選択されるたびに、当該選択される検出パターンに応じて、前記複数の第2のラインの中から、少なくとも1つのライン
を前記第2の
検出ライン群として選択するものであってよい。
【0014】
上記の構成において、前記選択回路は、予め決めてある変換行列に応じて定められた複数の検出パターンのうちの1つの検出パターンが選択されるたびに、当該選択される検出パターンに応じて、前記複数の第2のラインの中から、1つ以上のラインを前記第2の検出ライン群として選択し、前記容量測定回路の出力信号と前記変換行列とを基に演算を行い、前記選択された駆動ラインと前記選択された各検出ラインとの各交差部における静電容量をそれぞれ算出する容量算出回路を、備えていてよい。
また、上記の構成において、前記選択回路は、予め決めてある変換行列に応じて定められた複数の駆動パターンのうちの1つの駆動パターンが選択されるたびに、当該選択される駆動パターンに応じて、前記複数の第1のラインの中から少なくとも前記第1の駆動ライン群を選択し、前記駆動パターンは、前記複数の第1のラインの中から、前記第1の駆動ライン群を選択すると共に、前記第1の駆動ライン群とは異なる1つ以上のラインを第2の駆動ライン群として選択する駆動パターンを含み、前記選択回路は、前記第2の駆動ライン群を選択するときには、前記第2の駆動端子と前記第1の検出端子との間及び前記第2の駆動端子と前記第2の検出端子との間それぞれに前記オフセット調整コンデンサを接続せずに、前記第1の駆動ライン群を前記第1の駆動端子に接続すると共に、前記第2の駆動ライン群を前記第2の駆動端子に接続し、かつ、前記複数の第2のラインの中から、1つ以上のラインを第1の検出ライン群として選択するかまたは第1の検出ライン群は選択せず、前記第1の検出ライン群とは異なる1つ以上のラインを第2の検出ライン群として選択し、1つ以上の前記第1の検出ライン群を選択した場合には当該第1の検出ライン群を前記第1の検出端子に接続する一方で前記第1の検出ライン群を選択しなかった場合には基準電圧を前記第1の検出端子に接続し、前記第2の検出ライン群を前記第2の検出端子に接続するものであってよい。
また、前記選択回路は、予め決めてある変換行列に応じて定められた複数の検出パターンのうちの1つの検出パターンが選択されるたびに、当該選択される検出パターンに応じて、前記複数の第2のラインの中から、前記第1の検出ライン群及び前記第2の検出ライン群を選択し、前記容量測定回路の出力信号と前記変換行列とを基に演算を行い、前記選択された第1の駆動ライン群と前記選択された第1と第2の各検出ライン群との各交差部における静電容量と、これに対応する、前記選択された第2の駆動ライン群と前記選択された第1と第2の各検出ライン群との各交差部における静電容量との差の静電容量をそれぞれ算出する容量算出回路を、備えていてよい。
上記の構成において、前記変換行列は、アダマール変換行列であってよい。
さらに、
前記変換行列はアダマール変換行列であり、前記アダマール変換行列はn行×n列からなり(n=2、4の倍数)、前記複数の検出パターンはn個の検出パターンであり、前記選択される第1と第2の検出ライン群に属する全ライン数はn個であってよい。
【0015】
上記の構成において、前記選択回路は、予め決めてある変換行列に応じて定められた複数の駆動パターンのうちの1つの駆動パターンが選択されるたびに、当該選択される駆動パターンに応じて、前記複数の第1のラインの中から
前記第1の駆動ライン群及び前記第2の駆動ライン群を選択し、予め決めてある前記変換行列に応じて定められた複数の検出パターンのうちの1つの検出パターンが選択されるたびに、当該選択される検出パターンに応じて、前記複数の第2のラインの中から
前記第2の検出ライン群のみ、または前記第1の検出ライン群及び前記第2の検出ライン群を選択するものであってよい。
上記の構成において、前記選択回路は、予め決めてある変換行列に応じて定められた複数の駆動パターンのうちの1つの駆動パターンが選択されるたびに、当該選択される駆動パターンに応じて、前記複数の第1のラインの中から前記第1の駆動ライン群を選択し、予め決めてある前記変換行列に応じて定められた複数の検出パターンのうちの1つの検出パターンが選択されるたびに、当該選択される検出パターンに応じて、前記複数の第2のラインの中から前記第2の検出ライン群のみ、または前記第1の検出ライン群及び前記第2の検出ライン群を選択するものであってよい。
さらに、前記駆動パターンは、前記複数の第1のラインの中から、前記第1の駆動ライン群を選択すると共に、前記第1の駆動ライン群とは異なる1つ以上のラインを第2の駆動ライン群として選択する駆動パターンを含み、前記選択回路は、前記選択される駆動パターンに応じて、前記複数の第1のラインの中から前記第1の駆動ライン群のみ、または前記第1の駆動ライン群及び前記第2の駆動ライン群を選択するものであってよい。
【0016】
さらに、前記容量測定回路の出力信号と前記変換行列とを基に演算を行い、前記複数の第1のラインと前記複数の第2
のラインとの交差部に形成される容量マトリクスのそれぞれの静電容量を算出する容量算出回路を、さらに備えていてよい。
上記の構成において、前記変換行列は、アダマール変換行列であってよい。
【0017】
さらに、前記アダマール変換行列が、第1の方向にm行×m列(m=2、4の倍数)、第2の方向にn行×n列(n=2、4の倍数)の場合には、前記駆動パターンおよび前記検出パターンの組み合わせは(m×n)個となり、各駆動パターンおよび検出パターンに応じて、前記選択される第1と第2の駆動ライン群に属する全ライン数はm個、前記選択される第1と第2の検出ライン
群に属する全ライン数はn個であってよい。
【0019】
上記の構成において、前記選択回路は、
前記駆動パターン及び前記検出パターンが所定のパターンのときには、前記第1の駆動端子に接続するラインとして選択したラインの前記第1の駆動端子への接続を前記第
2の検出端子への接続に変更し、前記第2の駆動端子に接続するラインとして選択したラインの前記第2の駆動端子への接続を前記第
1の検出端子への接続に変更し
、前記第1の検出端子に接続するラインとして選択したラインの前記第1の検出端子への接続を前記第
2の駆動端子への接続に変更し、前記第2の検出端子に接続するラインとして選択したラインの前記第2の検出端子への接続を第
1の駆動端子への接続に変更するものであってよい。
【0020】
上記の構成において、前記変換行列は、第1の変換行列と第2の変換行列とを使用し且つ、前記第1の変換行列および第2の変換行列の
少なくともいずれか一方は、前記複数の第1のラインの個数以上のサイズの第1の変換行列であるかまたは前記複数の第2のラインの個数以上のサイズの第2の変換行列であって、前記複数の検出パターンは、前記第1の変換行列と前記第2の変換行列とを基に予め定め、且つ前記第1の変換行列のサイズが前記複数の第1のラインの個数以上のサイズである場合には、前記第1の変換行列の行ベクトルまたは列ベクトルの一部を除いた第3の変換行列を前記第1の変換行列として用い、前記第2の変換行列のサイズが前記複数の第2のラインの個数以上のサイズである場合には、前記第2の変換行列の行ベクトルまたは列ベクトルの一部を除いた第4の変換行列を前記第2の変換行列として用いて予め定め、前記容量算出
回路は、前記第1の変換行列および前記第2の変換行列の各転置行列またはそれらの各一般化逆行列を使用するものであってよい。
【0021】
上記の構成において、前記容量算出回路で算出した各静電容量に基づいて前記タッチパネル上のタッチ位置を検出するタッチ位置検出回路を、さらに備えていてよい。
上記の構成において、前記変換行列は、前記複数の第1のラインまたは前記複数の第2のラインの個数以上のサイズの変換行列を使用し、前記複数の検出パターンは、前記変換行列の行ベクトルまたは列ベクトルの一部を除いて行数または列数を前記複数の第1のラインまたは前記複数の第2のラインの個数に一致させた行列を基に予め定め、前記容量算出回路は、前記行列の転置行列または一般化逆行列を使用するものであってよい。
【0022】
上記の構成において、前記容量算出回路は、前記複数の検出パターンのうち所定の検出パターンのときには、前記容量測定回路の出力信号を0として処理するものであってよい。
上記の構成において、前記容量算出回路は、前記複数の検出パターンおよび駆動パターンのうち所定の検出パターンおよび駆動パターンのときには、前記容量測定回路の出力信号を0として処理するものであってよい。
【0023】
本発明の他の態様は、複数の第1のラインと、前記複数の第1のラインと絶縁層を介して交差するように配置される複数の第2のラインと、を備えるタッチパネルを含むタッチセンサの信号処理回路であって、第1の駆動端子および第2の駆動端子と、検出端子と、出力端子とを有し、前記第1の駆動端子および前記検出端子の間に接続された第1の静電容量と、前記第2の駆動端子および前記検出端子の間に接続された第2の静電容量との差を所定の信号に変換して出力する容量測定回路と、予め決めてある変換行列に応じて定められた複数の駆動パターンのうちの1つの駆動パターンが選択されるたびに、当該選択される駆動パターンに応じて、前記複数の第1のラインの中から、1つ以上のラインを第1の駆動ライン群として選択し
、前記第1の駆動ライン群とは異なる
1つ以上のラインを第2の駆動ライン群として選択し、前記第1の駆動ライン群を前記第1の駆動端子に接続し、前記第2の駆動ライン群を前記第2の駆動端子に接続し、かつ、前記複数の第2のラインの中から、1つ以上のラインを検出ライン群として選択し、前記検出ライン群を前記検出端子に接続する選択回路と、前記容量測定回路が検出した各所定の信号と前記変換行列とを基に演算を行い、前記選択された駆動ラインと前記選択された各検出ラインとの各交差部における静電容量をそれぞれ算出する容量算出回路と、を備えることを特徴とするタッチセンサの信号処理回路である。
本発明の他の態様は、複数の第1のラインと、前記複数の第1のラインと絶縁層を介して交差するように配置される複数の第2のラインと、を備えるタッチパネルを含むタッチセンサの信号処理回路であって、第1の駆動端子および第2の駆動端子と、検出端子と、出力端子とを有し、前記第1の駆動端子および前記検出端子の間に接続された第1の静電容量と、前記第2の駆動端子および前記検出端子の間に接続された第2の静電容量との差を所定の信号に変換して出力する容量測定回路と、予め決めてある変換行列に応じて定められた複数の駆動パターンのうちの1つの駆動パターンが選択されるたびに、当該選択される駆動パターンに応じて、前記複数の第1のラインの中から、1つ以上のラインを第1の駆動ライン群として選択し、前記第1の駆動ライン群を前記第1の駆動端子に接続し、前記第2の駆動端子と前記検出端子との間に予め定めた静電容量値を有するオフセット調整コンデンサを接続し、かつ、前記複数の第2のラインの中から、1つ以上のラインを検出ライン群として選択し、前記検出ライン群を前記検出端子に接続する選択回路と、前記容量測定回路が検出した各所定の信号と前記変換行列とを基に演算を行い、前記選択された駆動ラインと前記選択された各検出ラインとの各交差部における静電容量をそれぞれ算出する容量算出回路と、を備えることを特徴とするタッチセンサの信号処理回路である。
上記の構成において、前記駆動パターンは、前記複数の第1のラインの中から、前記第1の駆動ライン群を選択すると共に、前記第1の駆動ライン群とは異なる1つ以上のラインを第2の駆動ライン群として選択する駆動パターンを含み、前記選択回路は、前記第2の駆動ライン群を選択するときには、前記第2の駆動端子と前記検出端子との間に前記オフセット調整コンデンサを接続せずに、前記第1の駆動ライン群を前記第1の駆動端子に接続すると共に、前記第2の駆動ライン群を前記第2の駆動端子に接続し、かつ、前記複数の第2のラインの中から、1つ以上のラインを検出ライン群として選択し、前記検出ライン群を前記検出端子に接続するものであってよい。
【0024】
上記の構成において、前記変換行列は、アダマール変換行列であってよい。
さらに、前記アダマール変換行列はn行×n列からなり(n=2、4の倍数)、前記複数の
駆動パターンはn個の駆動パターンであり、前記選択される第1と第2の駆動ライン群に属する全ライン数はn個であってよい。
上記の構成において、前記容量算出回路で算出した各静電容量に基づいて前記タッチパネル上のタッチ位置を検出するタッチ位置検出回路を、さらに備えていてよい。
【0025】
上記の構成において、前記変換行列は、前記複数の第1のラインまたは前記複数の第2のラインの個数以上のサイズの変換行列を使用し、前記複数の
駆動パターンは、前記変換行列の行ベクトルまたは列ベクトルの一部を除いて行数または列数を前記複数の第1のラインまたは前記複数の第2のラインの個数に一致させた行列を基に予め定め、前記容量算出回路は、前記行列の転置行列または一般化逆行列を使用するものであってよい。
【0026】
上記の構成において、前記容量算出回路は、前記複数の駆動パターンのうち所定の駆動パターンのときには、前記容量測定回路の出力信号を0として処理するものであってよい。
本発明の他の態様は、上記態様のいずれかに記載のタッチセンサの信号処理回路を備えることを特徴とするタッチセンサである。
【0027】
本発明の他の態様は、複数の第1のライン及び前記複数の第1のラインと絶縁層を介して交差するように配置される複数の第2のラインを備えるタッチパネルと、駆動電圧を出力する第1の出力端子及び第2の出力端子を有する駆動回路と、第1の入力端子の入力電圧に応じた第1の電圧と第2の入力端子の入力電圧に応じた第2の電圧との差分電圧を検出する電圧検出回路と、前記複数の第1のラインと前記駆動回路の第1の出力端子または第2の出力端子との間の選択的な接続と、前記複数の第2のラインと前記電圧検出回路の第1の入力端子または第2の入力端子との間の選択的な接続を行う選択回路と、を含むタッチセンサの信号処理方法であって、コンピュータが、予め決めてある変換行列に応じて定められた複数のパターンのうちの1つのパターンを選択し、当該選択されたパターンに応じて、前記複数の第1のラインの中から、1つ以上のラインを第1の駆動ライン群として選択し
、前記第1の駆動ライン群とは異なる
1つ以上のラインを第2の駆動ライン群として選択し、前記第1の駆動ライン群を前記駆動回路の第1の出力端子に接続し、前記第2の駆動ライン群を前記駆動回路の第2の出力端子に接続するように、前記選択回路の動作を制御する第1ステップと、前記複数の第2のラインの中から、1つ以上のラインを第1の検出ライン群として選択
するかまたは第1の検出ライン群は選択せず、第2の検出ライン群として1つ以上のラインを選択し、
1つ以上の前記第1の検出ライン群を選択した場合には当該第1の検出ライン群を前記電圧検出回路の第1の入力端子に接続
する一方で前記第1の検出ライン群を選択しなかった場合には基準電圧を前記第1の入力端子に接続し、前記第2の検出ライン群を前記電圧検出回路の第2の入力端子に接続するように、前記選択回路の動作を制御する第2ステップと、前記駆動回路が所定の駆動電圧を出力するように前記駆動回路の動作を制御し、前記電圧検出回路が前記差分電圧を検出するように前記電圧検出回路の動作を制御する第3ステップと、前記電圧検出回路の出力信号と前記変換行列とを基に演算を行い、前記選択された駆動ラインと前記選択された各検出ラインとの各交差部における静電容量をそれぞれ算出する第4ステップと、を実行することを特徴とするタッチセンサの信号処理方法である。
本発明の他の態様は、複数の第1のライン及び前記複数の第1のラインと絶縁層を介して交差するように配置される複数の第2のラインを備えるタッチパネルと、駆動電圧を出力する第1の出力端子及び第2の出力端子を有する駆動回路と、第1の入力端子の入力電圧に応じた第1の電圧と第2の入力端子の入力電圧に応じた第2の電圧との差分電圧を検出する電圧検出回路と、前記複数の第1のラインと前記駆動回路の第1の出力端子または第2の出力端子との間の選択的な接続と、前記複数の第2のラインと前記電圧検出回路の第1の入力端子または第2の入力端子との間の選択的な接続を行う選択回路と、を含むタッチセンサの信号処理方法であって、コンピュータが、予め決めてある変換行列に応じて定められた複数のパターンのうちの1つのパターンを選択し、当該選択されたパターンに応じて、前記複数の第1のラインの中から、1つ以上のラインを第1の駆動ライン群として選択し、前記第1の駆動ライン群を前記駆動回路の第1の出力端子に接続し、前記第2の入力端子と前記駆動回路の第2の出力端子との間に予め定めた静電容量値を有するオフセット調整コンデンサを接続するように、前記選択回路の動作を制御する第1ステップと、前記複数の第2のラインの中から、1つ以上のラインを第1の検出ライン群として選択するかまたは第1の検出ライン群は選択せず、第2の検出ライン群として1つ以上のラインを選択し、1つ以上の前記第1の検出ライン群を選択した場合には当該第1の検出ライン群を前記電圧検出回路の第1の入力端子に接続するとともに前記第2の出力端子と前記第1の入力端子との間に予め定めた静電容量値を有するオフセット調整コンデンサを接続する一方で前記第1の検出ライン群を選択しなかった場合には基準電圧を前記第1の入力端子に接続し、前記第2の検出ライン群を前記電圧検出回路の第2の入力端子に接続するように、前記選択回路の動作を制御する第2ステップと、前記駆動回路が所定の駆動電圧を出力するように前記駆動回路の動作を制御し、前記電圧検出回路が前記差分電圧を検出するように前記電圧検出回路の動作を制御する第3ステップと、前記電圧検出回路の出力信号と前記変換行列とを基に演算を行い、前記選択された駆動ラインと前記選択された各検出ラインとの各交差部における静電容量をそれぞれ算出する第4ステップと、を実行することを特徴とするタッチセンサの信号処理方法である。
上記の構成において、前記コンピュータが、予め決めてある変換行列に応じて定められた複数のパターンのうちの1つのパターンを選択し、当該選択されたパターンに応じて、前記複数の第1のラインの中から、1つ以上のラインを第1の駆動ライン群として選択し、前記第1の駆動ライン群とは異なる1つ以上のラインを第2の駆動ライン群として選択し、前記第1の駆動ライン群を前記駆動回路の第1の出力端子に接続し、前記第2の駆動ライン群を前記駆動回路の第2の出力端子に接続するように、前記選択回路の動作を制御する第5ステップと、前記複数の第2のラインの中から、1つ以上のラインを第1の検出ライン群として選択するかまたは第1の検出ライン群は選択せず、第2の検出ライン群として1つ以上のラインを選択し、1つ以上の前記第1の検出ライン群を選択した場合には当該第1の検出ライン群を前記電圧検出回路の第1の入力端子に接続する一方で前記第1の検出ライン群を選択しなかった場合には基準電圧を前記第1の入力端子に接続し、前記第2の検出ライン群を前記電圧検出回路の第2の入力端子に接続するように、前記選択回路の動作を制御する第6ステップと、を実行可能となっており、前記選択されたパターンが前記第2の駆動ライン群を選択するパターンの場合には、前記第1ステップに代えて前記第5ステップを実行し、前記第2ステップに代えて前記第6ステップを実行するものであってよい。
【0029】
上記の構成において、前記複数のパターンのうちの所定のパターンのときには、前記第1ステップでは、前記選択した第1の駆動ライン群の前記駆動回路の第1の出力端子への接続を前記電圧検出回路の第
2の入力端子への接続に変更し、前記選択した第2の駆動ライン群の前記駆動回路の第2の出力端子への接続を前記電圧検出回路の第
1の入力端子への接続に変更し、前記第2ステップでは、前記選択した第1の検出ライン群の前記電圧検出回路の第1の入力端子への接続を前記駆動回路の第
2の出力端子への接続に変更し、前記選択した第2の検出ライン群の前記電圧検出回路の第2の入力端子への接続を前記駆動回路の第
1の出力端子への接続に変更するものであってよい。
【0030】
さらに、前記複数のパターンのうち所定のパターンのときには、前記第1ステップから前記第3ステップまでの各処理を省略し、前記第4ステップにおいて前記電圧検出回路の出力信号を0として処理するものであってよい。
上記の構成において、前記変換行列は、前記複数の第1のラインまたは前記複数の第2のラインの個数以上のサイズの変換行列を使用し、前記複数のパターンは、前記変換行列の行ベクトルまたは列ベクトルの一部を除いて行数または列数を前記複数の第1のラインまたは前記複数の第2のラインの個数に一致させた行列を基に予め定め、前記第1ステップと前記第2ステップの各処理では、前記定められている複数の検出パターンを使用し、前記第4ステップの処理では、前記行列の転置行列または一般化逆行列を使用してよい。
【0031】
上記の構成において、前記変換行列は、第1の変換行列と第2の変換行列とを使用し且つ、前記第1の変換行列および第2の変換行列の
少なくともいずれか一方は、前記複数の第1のラインの個数以上のサイズの第1の変換行列であるかまたは前記複数の第2のラインの個数以上のサイズの第2の変換行列であって、前記複数のパターンは、前記第1の変換行列と前記第2の変換行列とを基に予め定め、且つ前記第1の変換行列のサイズが前記複数の第1のラインの個数以上のサイズである場合には、前記第1の変換行列の行ベクトルまたは列ベクトルの一部を除いた第3の変換行列を前記第1の変換行列として用い、前記第2の変換行列のサイズが前記複数の第2のラインの個数以上のサイズである場合には、前記第2の変換行列の行ベクトルまたは列ベクトルの一部を除いた第4の変換行列を前記第2の変換行列として用いて予め定め、前記第1ステップと前記第2ステップの各処理
、または前記第5ステップと前記第6ステップの各処理では、前記第1の変換行列および第2の変換行列によって定められている複数のパターンを使用し、前記第4ステップの処理では、前記第1の変換行列および前記第2の変換行列の各転置行列またはそれらの各一般化逆行列を使用してよい。
【0032】
上記の構成において、前記変換行列は、アダマール変換行列であってよい。
本発明の他の態様は、上記態様に記載のタッチセンサの信号処理方法における各ステップを、コンピュータに実行させることを特徴とするタッチセンサの信号処理プログラムである。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、タッチセンサの信号処理に関し、新たな信号処理を採用するようにしたタッチセンサの信号処理回路を提供することにある。
また、本発明によれば、タッチパネルの信号処理に関し、タッチパネルに指を触れるときに発生するノイズを軽減することができる上に、S/Nの向上を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態の構成)
図1は、本発明の第1実施形態が適用されるタッチセンサの構成を示すブロック図である。
第1実施形態が適用されるタッチセンサは、
図1に示すように、タッチパネル1と、選択回路2と、駆動回路3と、電圧検出回路4と、A/D変換回路5と、容量算出回路6と、タッチ位置検出回路7と、制御回路8と、アドレス生成回路9と、メモリ10と、ラッチ11と、を備えている。
【0036】
タッチパネル1は、ガラスなどからなる基板(図示せず)で形成され、その基板上に、例えば8本のXラインX1〜X8がX方向に所定の間隔で配置される。また、その基板上に、XラインX1〜X8と絶縁層を介して交差するように、例えば8本のYラインY1〜Y8がY方向に所定の間隔で配置される。このため、XラインX1〜X8とYラインY1〜Y8とは絶縁層を介して互いに絶縁され、かつ容量結合している。
【0037】
選択回路2は、例えば、タッチパネル1のYラインY1〜Y8のうちの2つを駆動ラインとして選択し、この選択した2つの駆動ラインを駆動回路3と接続する。また、選択回路2は、タッチパネル1のXラインX1〜X8のうちの少なくとも2つを検出ラインとして選択し、その一部を電圧検出回路4の一方の入力端子(検出端子)と接続し、その残りを電圧検出回路4の他方の入力端子(検出端子)と接続する。
【0038】
駆動回路3は、後述のように電圧値(振幅)が変化する電圧を生成し、この生成した電圧を、選択回路2で駆動ラインとして選択された2つのラインに、駆動電圧として供給する。
電圧検出回路4は、選択回路2がXラインX1〜X8のうちの少なくとも2つを検出ラインとして選択し、この選択した検出ラインが2つの入力端子に接続されたときに、その接続に応じた電圧を出力電圧として出力する。
【0039】
A/D変換回路5は、電圧検出回路4の出力電圧をA/D変換し、このA/D変換した電圧を容量算出回路6に出力する。
容量算出回路6は、後述のように、A/D変換回路5でA/D変換された電圧検出回路4の各出力電圧と、所定の変換行列とを基に演算を行う。そして、選択回路2で選択された一方の駆動ラインと選択回路2で選択された各検出ラインとの各交差部における静電容量と、選択回路2で選択された他方の駆動ラインと選択回路2で選択された各検出ラインとの各交差部における静電容量との差の静電容量をそれぞれ算出する。
【0040】
タッチ位置検出回路7は、容量算出回路6が算出した各静電容量に基づいて、タッチパネル1のタッチ位置を検出する。
制御回路8は、タッチパネル1のタッチ位置を検出するときに、駆動回路3、電圧検出回路4、アドレス生成回路9、およびラッチ11を後述のようにそれぞれ制御する。
アドレス生成回路9は、制御回路8からの指示に基づき、メモリ10に格納される選択回路2の動作を制御するための設定データを読み出すためのアドレスを生成する。
メモリ10には、タッチパネル1のタッチ位置を検出するときに、その検出手順に応じて選択回路2の後述のスイッチをオンオフ制御するデータが、予め格納されている。
ラッチ11は、選択回路2の後述のスイッチをオンオフ制御する場合に、メモリ10から読み出される設定データを一時的に格納する。
【0041】
次に、
図1の選択回路2の具体的な構成について、
図2を参照して説明する。
選択回路2は、スイッチ部21−1〜21−8と、スイッチ部22−1〜22−8と、デコーダ23−1〜23−8と、デコーダ24−1〜24−8と、接続ライン25〜29と、を備えている。ただし、
図2では、スイッチ部21−5〜21−8、スイッチ部22−5〜22−8、デコーダ23−5〜23−8、およびデコーダ24−5〜24−8は省略されている。
【0042】
スイッチ部21−1〜21−8は、XラインX1〜X8と、電圧検出回路4、駆動回路3、およびグランド電圧VSSのうちのいずれかとの接続を、接続ライン25〜29を介して行うものである。スイッチ部22−1〜22−8は、YラインY1〜Y8と、電圧検出回路4、駆動回路3、およびグランド電圧VSSのうちのいずれかとの接続を、接続ライン25〜29を介して行うものである。
【0043】
このため、スイッチ部21−1〜21−8およびスイッチ部22−1〜22−8のそれぞれは、5つのスイッチSW11〜SW15を備えている。ただし、
図2では、スイッチ部22−4のスイッチSW11〜SW15のみ符号が付され、他のスイッチ部についてはそれらの符号は省略されている。
スイッチSW11は、電圧検出回路4の入力端子44とXラインX1〜X8およびYラインY1〜Y8のうちの1つのラインとの接続のために使用する。スイッチSW12は、電圧検出回路4の入力端子45とXラインX1〜X8およびYラインY1〜Y8のうちの1つのラインとの接続のために使用する。
【0044】
スイッチSW13は、駆動回路3の出力端子33とXラインX1〜X8およびYラインY1〜Y8のうちの1つのラインとの接続のために使用する。スイッチSW14は、駆動回路3の出力端子34とXラインX1〜X8およびYラインY1〜Y8のうちの1つのラインとの接続のために使用する。スイッチSW15は、XラインX1〜X8およびYラインY1〜Y8のうちの1つのラインをグランド電圧VSSに接続するために使用する。
【0045】
デコーダ23−1〜23−8は、ラッチ11からの出力データに応じて、スイッチ部21−1〜21−8のそれぞれが備えるスイッチSW11〜SW15のオンオフ制御を行う。デコーダ24−1〜24−8は、ラッチ11から出力データに応じて、スイッチ部22−1〜22−8のそれぞれが備えるスイッチSW11〜SW15のオンオフ制御を行う。
【0046】
次に、
図1の駆動回路3の具体的な構成について、
図3を参照して説明する。
駆動回路3は、
図3に示すように、第1駆動回路31と、第2駆動回路32と、2つの出力端子33、34とを備えている。
第1駆動回路31は、スイッチSW1とスイッチSW2を直列に接続し、スイッチSW1の一端に高電位の電源電圧VDD(例えば3.3V)を印加し、スイッチSW2の一端に低電位の電源電圧であるグランド電圧VSS(例えば0V)を印加している。そして、スイッチSW1、SW2をオンオフ制御することにより、電源電圧VDDと電源電圧VSSとを出力端子33から選択的に出力する。
【0047】
第2駆動回路32は、スイッチSW3とスイッチSW4を直列に接続し、スイッチSW3の一端に電源電圧VDDを印加し、スイッチSW4の一端に電源電圧VSSを印加している。そして、スイッチSW3、SW4をオンオフ制御することにより、電源電圧VDDと電源電圧VSSとを出力端子34から選択的に出力する。
【0048】
次に、
図1の電圧検出回路4の具体的な構成について、
図4を参照して説明する。
電圧検出回路4は、
図4に示すように、後述の入力電圧を積分する積分回路41と、後述の入力電圧を積分する積分回路42と、積分回路41の出力電圧と積分回路42の出力電圧との差分を求める演算をする減算回路43と、2つの入力端子44、45と、を備えている。
積分回路41は、
図4に示すように、オペアンプOP1と、積分コンデンサCfと、スイッチSW6と、を備えている。
【0049】
オペアンプOP1の反転入力端子(−)には入力電圧が入力され、オペアンプOP1の非反転入力端子(+)には電圧VCOM(VDD/2)が印加される。また、オペアンプOP1の反転入力端子と出力端子との間には、積分コンデンサCfとスイッチSW6との並列回路が接続されている。
積分回路42は、
図4に示すように、オペアンプOP2と、積分コンデンサCfと、スイッチSW5と、を備えている。
【0050】
オペアンプOP2の反転入力端子には入力電圧が入力され、オペアンプOP2の非反転入力端子には電圧VCOM(VDD/2)が印加される。また、オペアンプOP2の反転入力端子と出力端子との間には、積分コンデンサCfとスイッチSW5との並列回路が接続されている。
減算回路43は、
図4に示すように、オペアンプOP3と、4つの抵抗R1〜R4と、を備えている。
【0051】
オペアンプOP3の反転入力端子には、積分回路42の出力が抵抗R2を介して供給され、オペアンプOP3の非反転入力端子には、積分回路41の出力が抵抗R1を介して供給される。また、オペアンプOP3の非反転入力端子は、抵抗R3を介して電圧VCOM(VDD/2)に接続されている。そして、オペアンプOP3の反転入力端子と出力端子との間には、帰還抵抗として抵抗R4が接続されている。
【0052】
次に、駆動回路3および電圧検出回路4の動作について、
図5および
図6を参照して説明する。駆動回路3および電圧検出回路4で容量測定回路を構成する。
駆動回路3および電圧検出回路4は、
図5に示すように、「状態1」の動作(充電動作)と「状態2」の動作(電荷−電圧変換動作)を一つの動作とし、これを繰り返す。
「状態1」では、駆動回路3のスイッチSW1、SW4がオン、SW2、SW3がオフとなり、電圧検出回路4のスイッチSW5、SW6がオンになる。「状態2」では、駆動回路3のスイッチSW1、SW4がオフ、SW2、SW3がオンとなり、電圧検出回路4のスイッチSW5、SW6がオフとなる。
【0053】
また、駆動回路3および電圧検出回路4は、
図6に示すように、「状態1」〜「状態4」の動作を一つの動作とし、これを繰り返すようにしても良い。
図6の場合は、「状態1」および「状態2」では、スイッチSW1〜SW6は第1の動作と同様にオンオフ動作する。そして、「状態3」では、駆動回路3のスイッチSW1、SW4がオフ、SW2、SW3がオンとなり、電圧検出回路4のスイッチSW5、SW6がオンになる。「状態4」では、駆動回路3のスイッチSW1、SW4がオン、SW2、SW3がオフとなり、電圧検出回路4のスイッチSW5、SW6がオフになる。
【0054】
このような「状態1」〜「状態4」の動作と、これに対応するスイッチSW1〜SW6のオンオフ状態をまとめると、
図7のようになる。
図6に示す動作の場合には、状態1、2と状態3、4では、駆動回路3が同一の駆動ラインに極性の異なる電圧を印加することができ、電圧検出回路4は2回の測定を行うことができる(
図8参照)。前記2回の測定の差をとることにより、低周波ノイズを除去する効果がある。
【0055】
(第1実施形態の動作)
次に、第1実施形態の動作について、図面を参照して説明する。
まず、駆動回路3および電圧検出回路4の動作について、
図8を参照して説明する。
図8は、タッチパネル1のYラインY1、Y2が駆動回路3に接続され、タッチパネル1のXラインX1、X2が電圧検出回路4に接続された場合であり、XラインX1、X2とYラインY1、Y2の各交差部に形成される静電容量をC1〜C4とする。
そして、駆動回路3および電圧検出回路4は、
図5に示すような「状態1」と「状態2」の動作を行う。
【0056】
「状態1」の動作では、駆動回路3のスイッチSW1、SW4がオン、SW2、SW3がオフとなり、電圧検出回路4のスイッチSW5、SW6がオンになり、スイッチSW1〜SW6のオンオフ状態は
図8に示すようになる。
このため、駆動回路3により、YラインY2には高電位の電源電圧VDD(例えば3.3V)が印加され、YラインY1には低電位の電源電圧VSS(例えば0V)が印加される。またスイッチSW5、SW6がオンになることにより、オペアンプOP1、OP2はボルテージフォロワとなり、XラインX1、X2は電圧VCOMに駆動される。これにより、静電容量C1、C2が充電されるとともに静電容量C3、C4が充電される。
【0057】
その後、「状態2」の動作では、駆動回路3のスイッチSW1、SW4がオフ、SW2、SW3がオンとなり、電圧検出回路4のスイッチSW5、SW6がオフとなる。このため、静電容量C1、C2、C3、C4に充電された電荷の一部が積分回路41、42の積分コンデンサCfに移動し、オペアンプOP1の出力端子には、以下の(1A)式のような出力電圧Vout1が現れ、オペアンプOP2の出力端子には、以下の(1B)式のような出力電圧Vout2が現れる。
Vout1=VCOM+{(C1−C2)/Cf}×VDD
・・・(1A)
Vout2=VCOM+{(C3−C4)/Cf}×VDD
・・・(1B)
【0058】
オペアンプOP3では、オペアンプOP1の出力電圧とオペアンプOP2の出力電圧の差を求める演算が行われる。この結果、電圧検出回路4の出力電圧Voutは、以下の(1C)式のようになる。
Vout=VCOM+{(C1−C2−C3+C4)/Cf}×VDD
・・・(1C)
電圧検出回路4の出力電圧Voutは、
図5に示すように、「状態2」の期間内の所定のタイミングでA/D変換される。
【0059】
次に、第1実施形態において、タッチパネル1のタッチ位置を検出する場合の動作について、
図1、
図2などを参照して説明する。
まず、選択回路2は、予め定めてある駆動パターンに応じて、タッチパネル1のYラインY1〜Y8のうち、予め定めてある2つのラインを駆動ラインとして選択する。この例では、駆動ラインとしてYラインY1、Y2を選択し、この選択したYラインY1、Y2を駆動回路3と接続する。
【0060】
また、選択回路2は、所定の変換行列に応じて予め定めてある8つの検出パターンのうちの1つが選択されたときに、その選択された検出パターンに応じて、タッチパネル1のXラインX1〜X8のうちの一部を電圧検出回路4の一方の入力端子と接続し、XラインX1〜X8のうちの残りを電圧検出回路4の他方の入力端子と接続する。
【0061】
図9(A)〜(D)および
図10(E)〜(H)は、アダマール変換行列に応じて定めた8つの検出パターン1〜8と、これらの検出パターンに応じたXラインX1〜X8と電圧検出回路4との接続状態を示している。
例えば、
図9(A)に示す検出パターン1の場合には、XラインX1〜X8が電圧検出回路4の一方の入力端子に接続され、電圧検出回路4の他方の入力端子はVCOMに接続される。また、
図9(B)に示す検出パターン2の場合には、XラインX1、X3、X5、X7が電圧検出回路4の一方の入力端子に接続され、XラインX2、X4、X6、X8が電圧検出回路4の他方の入力端子に接続される。
【0062】
なお、
図9および
図10における符号C1〜C8は、YラインY2と、XラインX1〜X8との各交差部に形成される静電容量であり、符号C9〜C16は、YラインY1と、XラインX1〜X8との各交差部に形成される静電容量である。
図9(A)に示す検出パターン1の場合には、電圧検出回路4の出力電圧D1は次のようになる。
D1=VCOM+{(C1+C2+C3+C4+C5+C6+C7+C8−C9
−C10−C11−C12−C13−C14−C15−C16)/Cf}×VDD
図9、
図10で示した検出パターンによる出力電圧Dnは、次の(1D)式で表すことができる。
【0064】
また、
図9および
図10における符号「+」と「−」は、「+」がsk=+1であることを意味し、「−」がsk=−1であることを意味する。
次に、上記の検出パターン1〜8ごとに、駆動回路3および電圧検出回路4は、
図5に示す「状態1」と「状態2」の動作を行い、電圧検出回路4はその検出パターンに応じた電位差を検出し、この検出電圧を出力電圧として出力する。
電圧検出回路4が、上記の検出パターン1〜8に応じて8つの電位差をそれぞれ検出する演算処理は、次の(2)式で表すことができる。なお、(1D)式のVCOMとVDD/Cfは静電容量算出およびタッチ座標検出に関係しないため、簡略化のため省略する。
【0066】
(2)式において、D1〜D8は、8つの検出パターン1〜8に応じて得られる電圧検出回路4の出力電圧(検出電圧)である。右辺の変換行列は、アダマール変換行列である。C1〜C8は、YラインY2とXラインX1〜X8との間の容量である。C9〜C16は、YラインY1とXラインX1〜X8との間の静電容量である。
アダマール変換行列の8つの各行は、上記の8つの検出パターン1〜8に相当する。また、各行の1、−1とは、各検出パターンのXラインX1〜X8と電圧検出回路4の接続状態に対応する。
【0067】
電圧検出回路4の出力電圧D1〜D8は、
図5の「状態2」の動作の所定のタイミングにおいて、A/D変換回路5でそれぞれA/D変換される。このA/D変換された各出力電圧D1〜D8は、容量算出回路6に順次記憶される。そして、出力電圧D1〜D8の記憶が完了すると、容量算出回路6は、記憶した出力電圧D1〜D8と変換行列であるアダマール変換行列とに基づき、静電容量差(C1−C9)、(C2−C10)・・・(C8−C16)をそれぞれ算出する演算を行う。
この容量算出回路6が行う演算処理は、次の(3)式で表すことができる。
【0069】
タッチ位置検出回路7は、容量算出回路6が算出した静電容量値(C1−C9)、(C2−C10)・・・(C8−C16)に基づいて、タッチパネル1の位置を検出する。
以上の動作は、タッチパネル1上のタッチ位置を1次元的な動作により検出する例であるが、タッチパネル1上のタッチ位置を2次元的な動作により検出する場合には、上記の動作を繰り返すことになる。
この場合には、駆動パターンに応じて選択回路2がYラインY1〜Y8と駆動回路3との接続を順次変更し、この変更ごとに、電圧検出回路4が、上記の検出パターン1〜8に応じて8つの電圧を検出する演算処理を行う。
【0070】
次に、選択回路2の選択、接続の動作の具体例について、
図1および
図2を参照して説明する。
この第1実施形態では、選択回路2の選択、接続の動作に係るデータは、予め定めてある駆動パターンおよび検出パターンごとに、メモリ10に予め格納されている。すなわち、メモリ10には、予め定めてある駆動パターンおよび検出パターン1〜8ごとに、選択回路2のスイッチ部21−1〜21−8およびスイッチ部22−1〜22−8のそれぞれのスイッチSW11〜SW15をオンオフ制御するためのデータが格納されている。
【0071】
そして、制御回路8は、予め定めてある駆動パターンおよび検出パターン1〜8ごとに、そのデータを読み出すためのアドレスの生成をアドレス生成回路9に指示し、その生成アドレスにより必要なデータをラッチ11に読み出す。
ラッチ11に読み出されたデータは、デコーダ23−1〜23−8およびデコーダ24−1〜24−8に転送される。これにより、デコーダ23−1〜23−8は、スイッチ部21−1〜21−8のスイッチSW11〜SW15をオンオフ制御する。また、デコーダ24−1〜24−8は、スイッチ部22−1〜22−8のスイッチSW11〜SW15をオンオフ制御する。
【0072】
例えば、駆動パターンに応じて、YラインY1、Y2を駆動ラインとして選択し、この選択したYラインY1、Y2を駆動回路3と接続する場合には、デコーダ24−1がスイッチ部22−1のスイッチSW13をオンとし、デコーダ24−2がスイッチ部22−2のスイッチSW14をオンとする。
【0073】
また、検出パターンに応じて、タッチパネル1のXラインX1〜X8のうち、XラインX1〜X4を第1の検出ラインとし、XラインX5〜X8を第2の検出ラインとしてそれぞれ選択し、その選択したXラインX1〜X4とXラインX5〜X8とを電圧検出回路4にそれぞれ接続する場合には、以下のようになる。
すなわち、デコーダ23−1〜23−4のそれぞれが、スイッチ部21−1〜21−4のスイッチSW11をオンとする。また、デコーダ23−5〜23−8のそれぞれが、スイッチ部21−5〜21−8のスイッチSW12をオンとする。
【0074】
以上のように、第1実施形態では、電圧検出回路4が、第1〜第8の検出パターンに応じた演算処理を行なって出力電圧D1〜D8をそれぞれ得るようにし、その各出力電圧D1〜D8を得るときに差動増幅を行うようにした。このため、その出力電圧D1〜D8を得るときにノイズを軽減できる上に、S/Nの向上を図ることができる。
【0075】
また、第1実施形態では、電圧検出回路4が出力電圧D1〜D8を得るために、タッチパネル1のライン間に形成される静電容量をオフセット調整用のコンデンサとして使用するようにしたので、かかるコンデンサを特に設ける必要がない。
なお、第1実施形態では、(2)式に示すように、8行×8列のアダマール変換行列を使用するようにした。しかし、4行×4列、16行×16列などのアダマール変換行列を使用することもできる。
【0076】
このため、n行×n列(n=2、4の倍数)のアダマール変換行列を使用する場合には、上記の検出パターンはn個となり、この各検出パターンに応じて電圧検出回路4に使用される検出用ラインはn個となる。上記の例では、検出パターンは
図9および
図10に示すように8つとなり、この8つの検出パターンに応じて電圧検出回路4に使用される検出用ラインは8つとなる。
【0077】
(第1実施形態の変形例1)
この変形例1は、タッチパネルのライン数(電極数)が4の倍数でない場合であり、例えばX軸方向で7個の場合である。
この変形例1は、基本構成は
図1と同一であり、タッチパネル1のサイズだけが異なっている。また、その動作も第1実施形態と同様である。以下、第1実施形態と異なる部分だけを説明する。
【0078】
アダマール変換行列の大きさを電極数以上の4の倍数で選ぶ。ここではX軸方向の電極数は7であるので7以上の最小の4の倍数として8、すなわち8行×8列のアダマール変換行列を使用する。
検出パターンは選択したサイズのアダマール変換行列に従い、8種類の検出パターンを使用する。すなわち、
図9、
図10の電極X8を省略した形になっている。
電圧検出回路4が、前述の8種類の検出パターンに応じて8種類の電位差をそれぞれ検出する演算処理は次の(4)式で表すことができる。
【0080】
(4)式の係数行列は(2)式の係数行列である8行×8列のアダマール変換行列の第8列目(一番右の列)を削除して列数をX軸方向の電極数に一致させたものである。なお、削除する列の位置はどこでもよく、列を削除した結果列数がX軸方向の電極数に一致していれば良い。
電圧検出回路4から出力される8個の出力電圧は、
図5の「状態2」の動作の所定の夕イミングにおいて、A/D変換回路5でそれぞれA/D変換される。このA/D変換された各出力電圧は容量算出回路6に順次記憶される。そして、出力電圧D1〜D8の記憶が完了すると、容量算出回路6は、記憶した出力電圧D1〜D8と変換行列であるアダマール変換行列とに基づき、静電容量差(C1−C9)、(C2−C10)・・・(C7−C15)をそれぞれ算出する演算を行う。
この容量算出回路6が行う演算処理は、次の(5)式で表すことができる。
【0082】
但し、(5)式に現れる係数行列は(4)式の係数行列の転置行列かつムーア・ペンローズの一般化逆行列(のスカラー倍)の関係になっている。
電圧検出回路4から出力される出力電圧は8個と電極数7個よりも多いが、(5)式の係数行列は(4)式の係数行列の一般化逆行列であるため、得られた(C1−C9)、(C2−C10)・・・(C7−C15)は(4)式を満たす最小二乗解になっている。そのため電圧検出回路4の出力電圧の個数が多ければ多いほどS/Nも改善される。
この変形例1は(4)式に現れる係数行列がアダマール変換の一部の列を削除したもの以外にも係数行列が直交行列および直交行列をスカラー倍したものの一部の列を削除したものでも適用可能である。
なお、この変形例1については、後述の第2、第3の各実施形態に適用することができる。
【0083】
(第1実施形態の変形例2)
第1実施形態は
図9、
図10の(A)〜(H)に示すように、Y1を駆動回路3の−端子34、Y2を駆動回路3の+端子33に接続し、X1〜X8は予め定められたパターンに従って電圧検出回路4の+側端子44、あるいは−側端子45に接続するよう構成されているが、駆動回路3と電圧検出回路4は交換することができる。すなわち、Y1を電圧検出回路4の−端子45、Y2を電圧検出回路4の+端子に接続し、X1〜X8は予め定められたパターンに従って駆動回路3の+側端子33、あるいは−側端子34に接続するよう構成することもできる。この構成でも電圧検出回路の出力は第1実施形態と全く同じであり、従って
図1のメモリ10に格納される駆動・検出パターンを変更するだけで
図1と全く同一の構成を使用することができる。また、この場合は
図9の(A)のパターンを含め、全パターンが差動の構成で電圧検出されるため、コモンモードノイズヘの耐性が改善する。
なお、この変形例2は第1実施例の変形例1に適用することができる。
【0084】
(第2実施形態の構成)
図11は、本発明の第2実施形態が適用されるタッチセンサの概略構成を示すブロック図である。
第2実施形態が適用されるタッチセンサは、
図11に示すように、タッチパネル1と、選択回路2と、駆動回路3と、電圧検出回路4と、A/D変換回路5と、容量算出回路6Aと、タッチ位置検出回路7Aと、制御回路8Aと、アドレス生成回路9と、メモリ10と、ラッチ11と、オフセット調整用の静電容量回路12と、を備えている。
【0085】
このように、第2実施形態は、
図1に示す第1実施形態の構成を基本とし、
図1の容量算出回路6、タッチ位置検出回路7、および制御回路8を、
図11に示すように、容量算出回路6A、タッチ位置検出回路7A、および制御回路8Aに置き換え、かつ静電容量回路12を追加したものである。
【0086】
ここで、第2実施形態は、第1実施形態の構成要素と共通する部分があり、この共通の構成要素には同一符号を付してその説明はできるだけ省略する。
静電容量回路12は、
図12に示すように、それぞれが予め定めた静電容量値を有するオフセット調整用のコンデンサCR1、CR2と、スイッチSW7〜SW9とを備えている。
【0087】
コンデンサCR1の一端側は電圧検出回路4の入力端子44に接続され、コンデンサCR1の他端側はスイッチSW7を介して駆動回路3の出力端子34に接続されている。また、コンデンサCR2の一端側は電圧検出回路4の入力端子45に接続され、コンデンサCR2の他端側はスイッチSW8を介して駆動回路3の出力端子34に接続されている。さらに、スイッチSW9の一端側は電圧検出回路4の入力端子45に接続され、スイッチSW9の他端側はVCOMに接続されている。
制御回路8Aは、タッチパネル1のタッチ位置を検出するときに、駆動回路3、電圧検出回路4、アドレス生成回路9、ラッチ11、静電容量回路12を後述のようにそれぞれ制御する。
【0088】
(第2実施形態の動作)
次に、第2実施形態において、タッチパネル1のタッチ位置を検出する場合について、
図11〜
図14を参照して説明する。
まず、選択回路2は、予め定めてある駆動パターンに応じて、タッチパネル1のYラインY1〜Y8のうち、予め定めてある1つのラインを駆動ラインとして選択する。この例では、駆動ラインとしてYラインY1を選択し、この選択したYラインY1を駆動回路3の出力端子33と接続する(
図13および
図14参照)。
【0089】
また、選択回路2は、所定の変換行列に応じて予め定めてある8つの検出パターンのうちの1つが選択されたときに、その選択された検出パターンに応じて、タッチパネル1のXラインX1〜X8のうちの一部を電圧検出回路4の入力端子44と接続し、XラインX1〜X8のうちの残りを電圧検出回路4の入力端子45と接続する。
【0090】
図13(A)〜(D)および
図14(E)〜(H)は、アダマール変換行列に応じて定めた検出パターン1〜8と、これらの検出パターン1〜8に応じたXラインX1〜X8と電圧検出回路4との接続状態を示している。
例えば、
図13(A)に示す検出パターン1の場合には、XラインX1〜X8が電圧検出回路4の入力端子44に接続される。また、
図13(B)に示す第2の検出パターンの場合には、XラインX1、X3、X5、X7が電圧検出回路4の入力端子44に接続され、XラインX2、X4、X6、X8が電圧検出回路4の入力端子45に接続される。
【0091】
なお、
図13および
図14における符号C1〜C8は、YラインY1と、XラインX1〜X8との間で形成されるそれぞれ静電容量(キャパシタ)である。
次に、上記の検出パターン1〜8ごとに、駆動回路3および電圧検出回路4は、
図5に示す「状態1」と「状態2」の動作を行い、電圧検出回路4はその検出パターン1〜8に応じた電位差を検出する。
【0092】
なお、
図13および
図14に示すように、検出パターン1の場合には、
図12に示すスイッチSW7、SW9がオンとなる。このため、コンデンサCR1が駆動回路3の出力端子34と電圧検出回路4の入力端子44との間に接続され、電圧検出回路4の入力端子45はVCOMに接続される。
また、検出パターン2〜8の場合には、
図12に示すスイッチSW7、SW8がオンとなる。このため、コンデンサCR1が駆動回路3の出力端子34と電圧検出回路4の入力端子44との間に接続され、コンデンサCR2が駆動回路3の出力端子34と電圧検出回路4の入力端子45との間に接続される。
ここで、電圧検出回路4が、上記の検出パターン1〜8に応じて8つの電位差を検出する演算処理は、次の(6)式で表すことができる。
【0094】
(6)式において、D1〜D8は、8つの検出パターン1〜8に応じて得られる電圧検出回路4の出力電圧(検出電圧)である。右辺の変換行列は、アダマール変換行列である。C1〜C8は、YラインY1とXラインX1〜X8との間の静電容量である。
ここで、アダマール変換行列の8つの各行は、上記の8つの検出パターン1〜8に相当する。また、各行の1、−1とは、各検出パターンのXラインX1〜X8と電圧検出回路4の接続状態に対応する。
【0095】
電圧検出回路4から出力される出力電圧D1〜D8は、
図5の「状態2」の動作の所定のタイミングにおいて、A/D変換回路5でそれぞれA/D変換される。このA/D変換された各出力電圧D1〜D8は、容量算出回路6Aに順次記憶される。そして、出力電圧D1〜D8の記憶が完了すると、容量算出回路6Aは、記憶した出力電圧D1〜D8と変換行列であるアダマール変換行列とに基づき、静電容量C1〜C8をそれぞれ算出する演算を行う。
この容量算出回路6Aが行う演算処理は、次の(7)式で表すことができる。
【0097】
タッチ位置検出回路7Aは、容量算出回路6Aが算出した静電容量C1〜C8に基づいて、タッチパネル1のタッチ位置を検出する。
以上の動作は、タッチパネル1上のタッチ位置を1次元的な動作により検出する例であるが、タッチパネル1上のタッチ位置を2次元的な動作により検出する場合には、上記の動作を繰り返すことになる。
この場合には、駆動パターンに応じてYラインY1〜Y8と駆動回路3との接続を順次変更し、この変更ごとに、電圧検出回路4が、上記の検出パターン1〜8に応じて8つの電圧を検出する演算処理を行う。
【0098】
以上のように、第2実施形態では、電圧検出回路4が、8つの検出パターンに応じた演算処理を行なって出力電圧D1〜D8をそれぞれ得るようにし、その各出力電圧D1〜D8を得るときに差動増幅を行うようにした。このため、その出力電圧D1〜D8を得るときにノイズを軽減できる上に、S/Nの向上を図ることができる。
なお、第2実施形態では、(6)式に示すように、8行×8列のアダマール変換行列を使用するようにした。しかし、4行×4列、16行×16列などのアダマール変換行列を使用することもできる。
【0099】
このため、n行×n列(n=2、4の倍数)のアダマール変換行列を使用する場合には、上記の検出パターンはn個となり、この各検出パターンに応じて電圧検出回路4に使用される検出用ラインはn個となる。上記の例では、検出パターンは
図13および
図14に示すように8つとなり、この8つの検出パターンに応じて電圧検出回路4に使用される検出用ラインは8つとなる。
【0100】
(第2実施形態の変形例1)
次に、第2実施形態において、タッチパネル1に指が接触していないが、タッチパネル1上に接近した場合にその位置を特定する、ホバリングの検出例について、
図15を参照して説明する。
この例は、
図14(E)の検出パターン5と
図14(G)の検出パターン7とを組み合わせることにより、ホバリング検出を行うものである。
図15(A)(B)は、いずれも検出パターン5での検出状態を示す。(A)は指100が静電容量C1〜C4の近傍にある場合であり、電圧検出回路4の出力電圧D5は、D5<0となる。(B)は指100が静電容量C5〜C8の近傍にある場合であり、電圧検出回路4の出力電圧D5は、D5>0となる。
【0101】
また、
図15(C)(D)は、いずれも検出パターン7での検出状態を示す。(C)は指100が静電容量C3〜C6の近傍にある場合であり、電圧検出回路4の出力電圧D7は、D7>0となる。(D)は指100が静電容量C1、C2あるいは静電容量C7、C8の近傍にある場合であり、電圧検出回路4の出力電圧D7は、D7<0となる。
このため、電圧検出回路4の出力電圧D5、D7を基に、指の位置が静電容量C1、C2、静電容量C3、C4、静電容量C5、C6、あるいは静電容量C7、C8のいずれの近傍にあるかを判定できる。
【0102】
(第2実施形態の変形例2)
多点タッチ検出が不要な場合、第2実施例の動作の代わりに次のような動作を行うことによりタッチ位置のX,Y座標を検出することができる。なお、ここでいう多点タッチとは、タッチパネル上の異なる2以上のポイントが所定時間内にタッチされることをいう。
まず、選択回路2は、予め定めてある駆動パターンに応じて、タッチパネル1のYラインY1〜Y8のうち、予め定めてある1つのラインを駆動ラインとして選択する代わりに全ラインを選択する。それ以外は全て第2実施形態の動作の説明と同様である。これによりタッチ位置のX座標が検出できる。次に前述の動作をXラインとYラインを交換して再度行う。これによりタッチ位置のY座標が検出できる。
【0103】
(第3実施形態の構成)
図16は、本発明の第3実施形態が適用されるタッチセンサの概略構成を示すブロック図である。
第3実施形態が適用されるタッチセンサは、
図16に示すように、タッチパネル1と、選択回路2と、駆動回路3と、電圧検出回路4Aと、A/D変換回路5と、容量算出回路6Aと、タッチ位置検出回路7Aと、制御回路8Bと、アドレス生成回路9と、メモリ10と、ラッチ11と、オフセット調整用の静電容量回路12Aと、を備えている。
このように、第3実施形態は、
図11に示す第2実施形態の構成を基本とし、
図11の差動増幅型の電圧検出回路4、制御回路8A、および静電容量回路12を、
図16に示すように、シングル型の電圧検出回路4A、制御回路8B、および静電容量回路12Aに置き換えたものである。
【0104】
ここで、第3実施形態は、第2実施形態の構成要素と共通する部分があり、この共通の構成要素には同一符号を付してその説明はできるだけ省略する。
電圧検出回路4Aは、
図17に示すように、オペアンプOP4と、積分コンデンサCfと、スイッチSW10と、を備えている。
オペアンプOP4の反転入力端子(−)には入力電圧が入力され、オペアンプOP4の非反転入力端子(+)はVCOMに接続されている。また、オペアンプOP4の反転入力端子と出力端子との間には、積分コンデンサCfとスイッチSW10との並列回路が接続されている。
【0105】
静電容量回路12Aは、
図17に示すように、予め定めた静電容量値を有するオフセット調整用のコンデンサCR3と、スイッチSW20とを備えている。コンデンサCR3の一端側は電圧検出回路4Aの入力端子に接続され、コンデンサCR3の他端側はスイッチSW20を介して駆動回路3の出力端子34に接続されている。
制御回路8Bは、タッチパネル1のタッチ位置を検出するときに、駆動回路3、電圧検出回路4A、アドレス生成回路9、ラッチ11、および静電容量回路12Aをそれぞれ制御する。
【0106】
(第3実施形態の動作)
次に、第3実施形態において、タッチパネル1のタッチ位置を検出する場合について、
図16〜
図19を参照して説明する。
まず、選択回路2は、予め定めてある検出パターンに応じて、タッチパネル1のYラインY1〜Y8のうち、予め定めてある1つのラインを検出ラインとして選択する。この例では、検出ラインとしてYラインY1を選択し、この選択したYラインY1を電圧検出回路4の入力端子と接続する(
図18および
図19参照)。
【0107】
また、選択回路2は、所定の変換行列に応じて予め定めてある8つの駆動パターンのうちの1つが選択されたときに、その選択された駆動パターンに応じて、タッチパネル1のXラインX1〜X8のうちの一部を駆動回路3の出力端子33と接続し、XラインX1〜X8のうちの残りを駆動回路3の出力端子34と接続する。
【0108】
図18(A)〜(D)および
図19(E)〜(H)は、アダマール変換行列に応じて定めた駆動パターン1〜8と、これらの駆動パターン1〜8に応じたXラインX1〜X8と駆動回路との接続状態を示している。
例えば、
図18(A)に示す駆動パターン1の場合には、XラインX1〜X8が駆動回路3の出力端子33に接続される。また、
図18(B)に示す第2の駆動パターンの場合には、XラインX1、X3、X5、X7が駆動回路3の出力端子33に接続され、XラインX2、X4、X6、X8が駆動回路3の出力端子34に接続される。
【0109】
次に、上記の駆動パターン1〜8ごとに、駆動回路3および電圧検出回路4Aは、
図5に示す「状態1」と「状態2」に相当する動作として第1動作と第2動作と行い、電圧検出回路4Aはその駆動パターン1〜8に応じた電圧を検出する。
第1動作では、駆動回路3のスイッチSW1、SW4がオン、SW2、SW3がオフとなり、電圧検出回路4AのスイッチSW10がオンになる。第2動作では、駆動回路3のスイッチSW1、SW4がオフ、SW2、SW3がオンとなり、電圧検出回路4AのスイッチSW10がオフとなる。
【0110】
なお、
図18および
図19に示すように、駆動パターン1の場合には、
図17に示すスイッチSW20がオンとなる。このため、コンデンサCR3が駆動回路3の出力端子34と電圧検出回路4Aの入力端子44との間に接続される。
ここで、電圧検出回路4Aが、上記の駆動パターン1〜8に応じて8つの電圧を検出する演算処理は、上記の(6)式で表すことができる。
【0111】
アダマール変換行列の8つの各行は、上記の8つの駆動パターン1〜8に相当する。また、各行の1、−1とは、各駆動パターンのXラインX1〜X8と駆動回路3の接続状態に対応する。
電圧検出回路4Aから出力される出力電圧D1〜D8は、A/D変換回路5でそれぞれA/D変換される。このA/D変換された各出力電圧D1〜D8は、容量算出回路6Aに順次記憶される。
【0112】
そして、出力電圧D1〜D8の記憶が完了すると、容量算出回路6Aは、記憶した出力電圧D1〜D8と変換行列であるアダマール変換行列とに基づき、静電容量C1〜C8をそれぞれ算出する演算を行う。この容量算出回路6Aが行う演算処理は、上記の(7)式で表すことができる。
タッチ位置検出回路7Aは、容量算出回路6Aが算出した静電容量C1〜C8に基づいて、タッチパネル1のタッチ位置を検出する。
【0113】
以上の動作は、タッチパネル1上のタッチ位置を1次元的な動作により検出する例であるが、タッチパネル1上のタッチ位置を2次元的な動作により検出する場合には、上記の動作を繰り返すことになる。
この場合には、YラインY1〜Y8と電圧検出回路4Aとの接続を順次変更し、この変更ごとに、電圧検出回路4Aが、上記の駆動パターン1〜8に応じて8つの電圧を検出する演算処理を行う。
【0114】
以上のように、第3実施形態では、電圧検出回路4Aを
図17に示すようにシングル型で構成するようにしたので、その構成が簡易となる。
また、第3実施形態では、
図17に示すコンデンサCR3およびスイッチSW20を省略するようにしても良い。この場合には、
図18(A)の場合の検出を省略して測定値として例えば0などの固定値を使用する。
【0115】
なお、第3実施形態では、(6)式に示すように、8行×8列のアダマール変換行列を使用するようにした。しかし、4行×4列、16行×16列などのアダマール変換行列を使用することもできる。
このため、n行×n列(n=2、4の倍数)のアダマール変換行列を使用する場合には、上記の駆動パターンはn個となり、この各駆動パターンに応じて駆動回路3に接続される駆動ラインはn個となる。上記の例では、駆動パターンは
図18および
図19に示すように8つとなり、この8つの駆動パターンに応じて駆動回路3に接続される駆動ラインは8つとなる。
【0116】
(第3実施形態の動作の変形例)
多点タッチ検出が不要な場合、第2実施形態の動作の代わりに次のような動作を行うことによりタッチ位置のX,Y座標を検出することができる。
まず、選択回路2は、予め定めてある検出パターンに応じて、タッチパネル1のYラインY1〜Y8のうち、予め定めてある1つのラインを検出ラインとして選択する代わりに全てのYラインを選択する。それ以外は全て第3実施形態の動作の説明と同様である。これによりタッチ位置のX座標が検出できる。次に前述の動作をXラインとYラインを交換して再度行う。これによりタッチ位置のY座標が検出できる。
【0117】
(第4実施形態の構成)
図20は、本発明の第4実施形態が適用されるタッチセンサの概略構成を示すブロック図である。
第4実施形態が適用されるタッチセンサは、
図20に示すように、タッチパネル1と、選択回路2と、駆動回路3と、電圧検出回路4と、A/D変換回路5と、容量算出回路6Bと、タッチ位置検出回路7Bと、制御回路8Cと、アドレス生成回路9と、メモリ10と、ラッチ11と、オフセット調整用の静電容量回路12と、を備えている。
すなわち、第4実施形態は、
図11に示す第2実施形態の構成を基本とし、
図20に示すように、
図11の容量算出回路6A、タッチ位置検出回路7A、および制御回路8Aを、容量算出回路6B、タッチ位置検出回路7B、および制御回路8Cに置き換えたものである。
【0118】
ここで、第4実施形態は、第2実施形態の構成要素と共通する部分があり、この共通の構成要素には同一符号を付してその説明はできるだけ省略する。
制御回路8Cは、タッチパネル1のタッチ位置を検出するときに、駆動回路3、電圧検出回路4、アドレス生成回路9、ラッチ11、および静電容量回路12をそれぞれ制御する。
【0119】
(第4実施形態の動作)
次に、第4実施形態において、タッチパネル1のタッチ位置を検出する場合について、
図20〜
図36を参照して説明する。
まず、選択回路2は、所定の変換行列に応じて予め定めてある64個の変換パターン(駆動パターンと検出パターンの組み合わせ)のうちの1つが選択されたときに、その選択された変換パターンに応じて、タッチパネル1のYラインY1〜Y8のうちの一部を駆動回路3の出力端子33と接続し、YラインY1〜Y8のうちの残りを駆動回路3の出力端子34と接続する。
【0120】
また、選択回路2は、上記の変換パターンが選択されたときに、その選択された変換パターンに応じて、タッチパネル1のXラインX1〜X8のうちの一部を電圧検出回路4の入力端子44と接続し、XラインX1〜X8のうちの残りを電圧検出回路4の入力端子45と接続する。
図21〜
図36は、アダマール変換行列に応じて定めた64個の変換パターンと、これら64個の変換パターンに応じた、YラインY1〜Y8と駆動回路3の接続状態、およびXラインX1〜X8と電圧検出回路4との接続状態を示している。
【0121】
ここで、
図21および
図22は、パターン1と8つのパターン1〜8とを組み合わせた8つの変換パターンを示す。
図23および
図24は、パターン2と8つのパターン1〜8とを組み合わせた8つの変換パターンを示す。
図25および
図26は、パターン3と8つのパターン1〜8とを組み合わせた8つの変換パターンを示す。
図27および
図28は、パターン4と8つのパターン1〜8とを組み合わせた8つの変換パターンを示す。
【0122】
また、
図29および
図30は、パターン5と8つのパターン1〜8とを組み合わせた8つの変換パターンを示す。
図31および
図32は、パターン6と8つのパターン1〜8とを組み合わせた8つの変換パターンを示す。
図33および
図34は、パターン7と8つのパターン1〜8とを組み合わせた8つの変換パターンを示す。
図35および
図36は、パターン8と8つのパターン1〜8とを組み合わせた8つの変換パターンを示す。
【0123】
図21〜
図36の例ではY軸を駆動回路3、X軸を電圧検出回路4に接続する構成をとっているが、逆にX軸を駆動回路3、Y軸を電圧検出回路4に接続する構成にしてもよい。また、パターンごとに駆動回路3、電圧検出回路4をX軸に接続するかY軸に接続するか変えても良い。
図21、
図22の例では電圧検出回路4がシングルエンドの構成になっている。この場合、
図21(A)の場合を除き、駆動回路3の+端子と電圧検出回路4の+端子を入れ替え、駆動回路3の−端子と電圧検出回路4の−端子を入れ替えることによって電圧検出回路4を差動の構成に変形することにより、
図21(A)のパターンを除く全てのパターンで差動の構成の電圧検出回路4を利用することになり、S/Nをさらに向上させることができる。また、駆動回路3の+端子と電圧検出回路4の+端子、および駆動回路3の−端子と電圧検出回路4の−端子を入れ替えても容量算出回路6Bの動作は同一で良い。さらに
図21(A)の測定を省略して測定値を0と扱うことにより、シングルエンド構成の電圧検出回路を全く用いないよう変換パターンを構成しても良く、さらにS/Nを向上させることができる。
軸Xiと軸Yjの間に形成される静電容量をCijとすると、電圧検出回路4の出力Dmnに現れる値との関係は次の(7A)式のようになる。
【0125】
なお、
図21〜
図36において、図中の符号「+」はs
mis
nj=+1であり、符号「−」はs
mis
nj=−1である。s
mi,s
njはそれぞれ後述の(9)式で表されるアダマール変換行列の(m,i)成分、(n,j)成分である。
次に、上記の64個の変換パターンごとに、駆動回路3および電圧検出回路4は、
図5に示す「状態1」と「状態2」の動作を行い、電圧検出回路4はその64個の変換パターンに応じた電位差を検出する。
ここで、電圧検出回路4が、上記の64個の変換パターンに応じてそれぞれ電位差に応じた電圧を検出する演算処理は、次の(8)式で表すことができる。なお、(7A)式のVCOMとVDD/Cfの項は静電容量算出およびタッチ位置検出に無関係なため、簡略化のため省略した。
【0127】
(8)式において、Dは上記の64個の変換パターンに応じて得られる電圧検出回路4の64個の出力電圧(検出電圧)であり、8×8の行列である。(8)式の右辺のHは、(9)式に示すアダマール変換行列である。
また、(8)式において、Cは、タッチパネル1のXラインX1〜X8とYラインY1〜Y8との各交差部における64個の静電容量であり、8×8の行列である。さらに、(8)式の右辺のHであって右肩に添字Tが付いたものは、(9)式のアダマール変換行列の行と列を入れ換えたものである。
【0129】
電圧検出回路4から出力される64個の出力電圧は、
図5の「状態2」の動作の所定のタイミングにおいて、A/D変換回路5でそれぞれA/D変換される。このA/D変換された各出力電圧は、容量算出回路6Bに順次記憶される。そして、その出力電圧の記憶が完了すると、容量算出回路6Bは、記憶した出力電圧と変換行列であるアダマール変換行列とに基づき、タッチパネル1のXラインX1〜X8とYラインY1〜Y8との各交差部における64個の静電容量をそれぞれ算出する演算を行う。
この容量算出回路6Bが行う演算処理は、次の(10)式で表すことができる。
【0131】
タッチ位置検出回路7Bは、容量算出回路6Bが算出した64個の静電容量に基づいて、タッチパネル1のタッチ位置を検出する。
以上のように、第4実施形態では、電圧検出回路4が、64個の変換パターンに応じた演算処理を行なって64個の出力電圧をそれぞれ得るようにし、その各出力電圧を得るときに差動増幅を行うようにした。このため、その各出力電圧を得るときにノイズを軽減できる上に、S/Nの向上を図ることができる。
なお、第4実施形態では、(8)(9)式に示すように、8行×8列のアダマール変換行列を使用するようにした。しかし、2行×2列、4行×4列、16行×16列などのアダマール変換行列を使用することもできる。
【0132】
さらに、X軸方向にm行×m列(m=2、4の倍数)、Y軸方向にn行×n列(n=2、4の倍数)のアダマール変換行列を使用する場合には、上記の変換パターンは(m×n)個となり、各変換パターンに応じて、駆動回路3に接続される駆動ラインはm個となるとともに、電圧検出回路4に接続される検出ラインはn個となる。
上記の例では、変換パターンは
図21〜
図36に示すように64個となり、駆動回路3に接続される駆動ラインは8個、電圧検出回路4に接続される検出ラインは8個となる。
【0133】
(第4実施形態の変形例1)
第4実施形態の変形例1の構成、動作は、第4実施形態と基本的に同一である。以下、第4実施形態と異なる部分について説明する。
XラインX1〜X8のうち、X1、X2をXライングループ1、X3,X4をXライングループ2、X5,X6をXライングループ3、X7,X8をXライングループ4にグループ分けする。すなわち、XラインX1〜X8は4つのグループに分けられる。
一方、YラインY1〜Y8のうち、Y1,Y2,Y3,Y4をYライングループ1、Y5,Y6,Y7,Y8をYライングループ2にグループ分けする。すなわち、YラインY1〜Y8は2つのグループに分けられる。
【0134】
前述のグループ分けにより東ねられた電極を1本の電極とみなすと、Xラインは4本、Yラインは2本のパネルと見ることができる。後は第4実施形態と同様、Xラインは4行×4列のアダマール変換、Yラインは2行×2列のアダマール変換を適用した駆動・検出パターンを作成することができる。パターンの全ての組み合わせを
図37、
図38に示す。XラインとYラインのグループ分けを符号「{ 」で示す。
【0135】
図37、
図38で示される駆動・検出パタ−ンをメモリ10に格納し、選択回路2、駆動回路3、電圧検出回路4、A/D変換回路5を第4実施形態と同様に動作させてA/D変換した値を取得する。その後は、容量算出回路6BにおいてXラインは4グル−プであるので4行×4列のアダマール変換、Yラインは2グル−プであるので2行×2列のアダマール変換を使用して第4実施形態と同様の処理を行う。
【0136】
これにより、XラインX1,X2とYラインY1,Y2,Y3,Y4の交差部に形成される静電容量の合計、XラインX1,X2とYラインY5,Y6,Y7,Y8の交差部に形成される静電容量の合計、XラインX3,X4とYラインY1,Y2,Y3,Y4の交差部に形成される静電容量の合計、XラインX3,X4とYラインY5,Y6,Y7,Y8の交差部に形成される静電容量の合計がそれぞれ求められる。さらに、XラインX5,X6とYラインY1,Y2,Y3,Y4の交差部に形成される静電容量の合計、XラインX5,X6とYラインY5,Y6,Y7,Y8の交差部に形成される静電容量の合計、XラインX7,X8とYラインY1,Y2,Y3,Y4の交差部に形成される静電容量の合計、XラインX7,X8とYラインY5,Y6,Y7,Y8の交差部に形成される静電容量の合計がそれぞれ求められる。以上のように、第4実施形態の変形例1は第4実施形態に比べて測定点数が少ないため、低消費電カモ−ドでの動作に都合が良い。また、空間解像度が落ちた分、グル−プごとの容量変化が大きくとれるので特にホバリングの検出に都合が良い。
【0137】
(第4実施形態の変形例2)
この変形例2は、タッチパネルのライン数(電極数)が4の倍数でない場合であり、例えばX軸方向で7個、Y軸方向で9個の場合である。
この変形例2は、基本構成は
図20と同一であり、タッチパネル1のサイズだけが異なっている。また、その動作も第4実施形態と同様である。以下、第4実施形態と異なる部分だけを説明する。
【0138】
X軸、Y軸それぞれの方向でアダマール変換行列の大きさを電極数以上の4の倍数で選ぶ。ここではX軸方向の電極数は7であるのでX軸方向には7以上の最小の4の倍数として8、すなわち8行×8列のアダマール変換行列を使用する。Y軸方向の電極数は9であるのでY軸方向には9以上の最小の4の倍数として12、すなわち12行×12列のアダマール変換行列を使用する。
【0139】
変換パタ−ンは選択したサイズのアダマール変換行列に従い、X軸方向に8種類、Y軸方向に12種類、これらの全ての組み合わせである8×12=96種類の変換パタ−ンを使用する。
軸X
iと軸Y
jの間に形成される静電容量をCijとすると、電圧検出回路4の出力Dmnに現れる値との関係は(11)式のようになる。
【0141】
但し、m=1,2,…,8、n=1,2,…,12である。
s
miは前述の8行×8列のアダマール変換行列の(m,i)成分であり、s
nj’は前述の12行×12列のアダマール変換行列の(n,j)成分である。但し、i=1,2,…,7、j=1,2,…,9であるのでアダマール変換行列の一部の成分は使用されない。
【0142】
次に上記の96個の変換パターンごとに、駆動回路3と電圧検出回路4は、
図5に示す「状態1」と「状態2」の動作を行い、電圧検出回路4はその96個の変換パターンに応じた電位差を検出する。
ここで電圧検出回路4が、上記の96個の変換パターンに応じてそれぞれ電位差に応じた電圧を検出する演算処理は、次の(12)式で表すことができる。なお、(11)式のVCOMとVDD/Cfの項は静電容量算出およびタッチ位置検出には無関係なため、簡略化のため省略した。
【0144】
この容量算出回路6Bが行う演算処理は、次の(14)式で表すことができる。
【0146】
但し、H
xは(13A)式で表されるように8行×8列のアダマール変換行列の第8列目(一番右の列)を削除して列数をX軸方向の電極数に一致させたもので、(11)式のs
miの行列表現である。なお、削除する列の位置はどこでもよく、列を削除した結果列数がX軸方向の電極数に一致していれば良い。この転置行列H
xTとH
xは互いにムーア・ペンローズの一般化逆行列(のスカラー倍)の関係になっている。また、H
yは(13B)式で表されるように12行×12列のアダマール変換行列の第10〜12列目(一番右側の3列)を削除して列数をY軸方向の電極数に一致させたもので、(11)式のs
nj’の行列表現である。なお、削除する列の位置はどこでも良く、列を削除した結果列数がY軸方向の電極数に一致していれば良い。また削除する列が隣り合っていなくても良い。この転置行列H
yTとH
yは互いにムーア・ペンローズの一般化逆行列(のスカラー倍)の関係になっている。
【0147】
電圧検出回路4から出力される出力電圧は96個と電極数63個よりも多いが、(14)式のH
xT,H
yはそれぞれ(12)式のH
x,H
yTの一般化逆行列であるため、得られたC
ijは(11)式を満たす最小二乗解になっている。そのため電圧検出回路4の出力電圧の個数が多ければ多いほどS/Nも改善される。
なお、変形例2ではH
x,H
yはアダマール変換行列の一部の行を削除したものを使用しているが、アダマール変換行列のみならず、直交変換行列および直交変換行列のスカラー倍の一部の列を削除した行列もその転置行列が元の行列と互いにムーア・ペンローズの一般化逆行列(のスカラー倍)の関係になるので、本変形例が適用可能である。
【0148】
タッチ位置検出回路7Bは、容量算出回路6Bが算出した63個の静電容量に基づいて、タッチパネル1のタッチ位置を検出する。
なお、本変形例は第4実施例の変形例1でグループ分けによる電極グループ数が2、または4の倍数でない場合においても適用可能である。
【0149】
(第5実施形態)
第5実施形態は、
図1に示すように、タッチパネル1、選択回路2、駆動回路3、電圧検出回路4、A/D変換回路5、容量算出回路6、タッチ位置検出回路7、制御回路8、アドレス生成回路9、メモリ10、およびラッチ11を備えている。しかし、容量算出回路6、タッチ位置検出回路7、制御回路8などは、コンピュータに置き換えることが可能である。
【0150】
そこで、この第5実施形態は、
図1に示す容量算出回路6、タッチ位置検出回路7、制御回路8などの機能をコンピュータ(図示せず)に置き換え、コンピュータが、選択回路2、駆動回路3、電圧検出回路4などの動作の制御を行うとともに、容量算出回路6やタッチ位置検出回路7の演算処理を行うようにした。
このため、この第5実施形態では、図
39に示すように、予め定めた各種の制御や演算などの各処理の手順(プログラム)が例えば
図1のメモリ10に予め格納され、その手順によって、コンピュータが各種の制御や演算などの処理を行うようにした。
【0151】
次に、
図1および図
39を参照して、第5実施形態のコンピュータによる各部の制御や演算の各処理について説明する。
ここで、
図1のメモリ10の複数の各アドレスには、予め定めてある駆動パターンおよび予め定めてある変換行列(例えばアダマール変換行列)に応じて定められた検出パターンごとに、選択回路2、駆動回路3、および電圧検出回路4の動作を制御する制御データが予め格納されているものとする。
【0152】
ステップS1では、メモリ10に格納される駆動パターンおよび検出パターンに応じた制御データを読み出すために、メモリ10のアドレスを開始アドレスにセットする。
ステップS2では、そのセットされたメモリ10の開始アドレスに格納される駆動および検出のパターンに応じた制御データを読み出す。
ステップS3では、その制御データを基に、選択回路2のスイッチ部21−1〜21−8のスイッチSW11〜SW15がオンオフ制御されて、その選択回路2のスイッチが設定される。
【0153】
この結果、タッチパネル1のYラインY1〜Y8のうち、予め定めてあるラインが駆動ラインとして選択され、駆動回路3の出力端子と接続される。また、タッチパネル1のXラインのX1〜X8のうち、その一部が電圧検出回路4の一方の入力端子と接続され、その残りが電圧検出回路4の他方の入力端子と接続される。
ステップS4では、メモリ10の開始アドレスに格納される制御データを基に、駆動回路3と電圧検出回路4の動作を「状態1」になるように設定する(
図5参照)。この設定は、駆動回路3のスイッチSW1〜SW4および電圧検出回路4のスイッチSW5、SW6を制御することにより行う。
【0154】
その設定後、ステップS5では一定時間待機し、この待機が終了すると次のステップS6に進む。
ステップS6では、メモリ10の開始アドレスに格納される制御データを基に、駆動回路3と電圧検出回路4の動作を「状態2」になるように設定する(
図5参照)。この設定後、ステップS7では一定時間待機し、この待機が終了する。
【0155】
上記の設定により、電圧検出回路4は、自己の2つの入力端子に入力される入力電圧の差分の電圧を検出し、この検出電圧をA/変換回路5に出力する。
ステップS8では、A/D変換回路5から出力されるA/D変換値を取得する。
ステップS9では、取得されたA/D変換値を記憶する。
ステップS10では、メモリ10の現在のアドレスが終了アドレスか否かを判定する。この判定の結果、終了アドレスでない場合には(NO)、アドレスをインクリメントして(ステップS11)ステップS2に戻り、ステップS2〜S10の一連の処理を行う。一方、終了アドレスの場合には(YES)、ステップS12に進む。
【0156】
ステップS12では、ステップS9で記憶されたA/D変換値を基に、アダマール逆変換を行うことにより、静電容量差の算出を行う。この算出は、
図1の容量算出回路6の機能に相当する。
ステップS13では、ステップS12で算出した静電容量差に基づいてタッチ位置の検出を行う。この検出は、
図1のタッチ位置検出回路7の機能に相当する。
【0157】
ステップS14では、ステップS13で検出したタッチ位置の座標を出力する。
以上のように、第5実施形態は、
図1に示す容量算出回路6、タッチ位置検出回路7、制御回路8などの機能をコンピュータに置き換えたものである。
しかし、
図11の第2実施形態
において、容量算出回路6A、タッチ位置検出回路7A、制御回路8Aなどの機能をコンピュータに置き換えても良い。
また、
図16の第3実施形態において、容量算出回路6A、タッチ位置検出回路7A、制御回路8Bなどの機能をコンピュータに置き換えても良い。さらに、
図20の第4実施形態について、容量算出回路6B、タッチ位置検出回路7B、制御回路88Cなどの機能をコンピュータに置き換えても良い。
【0158】
このようにコンピュータに置き換えた場合に、第2〜第4の各実施形態のコンピュータによる各部の制御や演算の各処理は、図
39に示すフローチャートと同様の手順で実現できる。
しかし、第2〜第4の各実施形態では、
図11、
図16または
図20に示すように、静電容量回路12、12Aを含む。このため、図
39のフローチャートにおいて、ステップS3とステップS4との間に、静電容量回路のスイッチと容量値の設定を行う処理が追加される。