特許第5716943号(P5716943)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5716943重合体、レジスト組成物、及びパターンが形成された基板の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5716943
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】重合体、レジスト組成物、及びパターンが形成された基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 2/00 20060101AFI20150423BHJP
   G03F 7/039 20060101ALI20150423BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   C08F2/00
   G03F7/039 601
   H01L21/30 502R
【請求項の数】3
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2009-136168(P2009-136168)
(22)【出願日】2009年6月5日
(65)【公開番号】特開2010-159393(P2010-159393A)
(43)【公開日】2010年7月22日
【審査請求日】2012年5月18日
(31)【優先権主張番号】特願2008-312236(P2008-312236)
(32)【優先日】2008年12月8日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱レイヨン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】安田 敦
【審査官】 武貞 亜弓
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−038118(JP,A)
【文献】 特開2010−168434(JP,A)
【文献】 特開2001−323003(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 6/00− 246/00
C08F 2/00− 2/60
G03F 7/004− 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
滴下重合によるラジカル重合において、使用する重合開始剤の全量の20質量%〜80質量%を、重合開始から1時間以内に重合系内に供給することにより重合体(P)を得るレジスト材料の製造方法であって、該重合体をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した際に、下記式(1)を満足することを特徴とするレジスト材料の製造方法。
P[α]/P[α]≦0.7 …(1)
(式(1)において、P[α]は重合体(P)をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによって測定した際のポリマーピーク全面積に対するピークスタート分子量からピークトップ分子量までのピーク面積比を表し、P[α]は重合体(P)をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによって測定した際のポリマーピーク全面積に対するピークトップ分子量からピークエンド分子量までのピーク面積比を表す。)
【請求項2】
滴下重合によるラジカル重合において、使用する重合開始剤の全量の20質量%〜80質量%を、重合開始から1時間以内に重合系内に供給することにより請求項1に記載の重合体(P)を得る工程と、当該得られた重合体(P)と、光酸発生剤とを混合する工程を有するレジスト組成物の製造方法。
【請求項3】
滴下重合によるラジカル重合において、使用する重合開始剤の全量の20質量%〜80質量%を、重合開始から1時間以内に重合系内に供給することにより請求項1に記載の重合体(P)を得る工程と、当該得られた重合体(P)と、光酸発生剤とを混合する工程により、レジスト組成物を得る工程と、当該得られたレジスト組成物を被加工基板上に塗布し、レジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜に、250nm以下の波長の光を照射して潜像を形成する工程と、
前記潜像が形成されたレジスト膜を、現像液で現像処理する工程と
を有する、パターンが形成された基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合体、レジスト組成物、及びパターンが形成された基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体素子、液晶素子等の製造工程において形成されるレジストパターンは、リソグラフィー技術の進歩により急速に微細化が進んでいる。微細化の手法としては、照射光の短波長化がある。具体的には、従来のg線(波長:438nm)、i線(波長:365nm)に代表される紫外線から、より短波長のDUV(Deep Ultra Violet)へと照射光が短波長化してきている。
【0003】
最近では、KrFエキシマレーザー(波長:248nm)リソグラフィー技術が導入され、さらなる短波長化を図ったArFエキシマレーザー(波長:193nm)リソグラフィー技術及びEUVエキシマレーザー(波長:13nm)リソグラフィー技術が研究されている。さらに、これらの液浸リソグラフィー技術も研究されている。また、これらとは異なるタイプのリソグラフィー技術として、電子線リソグラフィー技術についても精力的に研究されている。
【0004】
該短波長の照射光または電子線を用いたレジストパターンの形成に用いられる高解像度のレジスト組成物として、光酸発生剤を含有する「化学増幅型レジスト組成物」が提唱され、現在、該化学増幅型レジスト組成物の改良及び開発が進められている。
例えば、ArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいて用いられる化学増幅型レジスト用重合体として、波長193nmの光に対して透明なアクリル系重合体が注目されている。該アクリル系重合体としては、例えば、エステル部にアダマンタン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとエステル部にラクトン骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルとの重合体が提案されている(特許文献1、2等)。
【0005】
しかしながら、これらの重合体は、レジスト組成物等の半導体装置製造のリソグラフィー工程に用いる組成物を調製する際の溶媒への溶解性が十分でない場合が多く、溶解に長時間を要したり、不溶分が発生することで製造工程数が増加したりする等、組成物の調製に支障を来たす場合がある。また、該組成物の保存中に該組成物に含まれる重合体が経時的に凝集して、マイクロゲルと呼ばれる不溶分が発生し、レジスト組成物の場合には、レジストパターンに抜けが発生することにより、回路の断線、欠陥等を生じることもある。
【0006】
また、ポリマー中に含まれる微量の高分子量成分(ハイポリマー)の生成を抑制することにより、レジスト溶媒やアルカリ現像液等の各種溶媒への溶解性を向上させることが提案されている(特許文献3)。しかしながら、レジスト溶媒等への溶解性等の要求性能を十分に満たす重合体の開発は未だ達成されていない。
【特許文献1】特開平10−319595号公報
【特許文献2】特開平10−274852号公報
【特許文献3】特開2004−269855号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、DUVエキシマレーザーリソグラフィー、電子線リソグラフィーに用いる重合体として用いた場合に、高感度なレジスト膜を形成でき、レジスト組成物等を調製する際の溶媒への溶解性に優れた重合体、該重合体を含有するレジスト組成物、及び、このレジスト組成物を用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の要旨は、滴下重合によるラジカル重合において、使用する重合開始剤の全量の20質量%〜80質量%を、重合開始から1時間以内に重合系内に供給することにより重合体(P)を得るレジスト材料の製造方法であって、該重合体をゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定した際に、下記式(1)を満足することを特徴とするレジスト材料の製造方法にある。
P[α]/P[α]≦0.7 …(1)
(式(1)において、P[α]は重合体(P)をGPCによって測定した際のポリマーピーク全面積に対するピークスタート分子量からピークトップ分子量までのピーク面積比を表し、P[α]は重合体(P)をGPCによって測定した際のポリマーピーク全面積に対するピークトップ分子量からピークエンド分子量までのピーク面積比を表す。)
【0009】
さらに、本発明の第二の要旨は、上記重合体(P)を含有するレジスト組成物にある。
【0010】
さらに、本発明の第三の要旨は、上記レジスト組成物を被加工基板上に塗布し、レジスト膜を形成する工程と、該レジスト膜に、250nm以下の波長の光を照射して潜像を形成する工程と、該潜像が形成されたレジスト膜を、現像液で現像処理する工程とを有る、パターンが形成された基板の製造方法にある。
【発明の効果】
【0011】
上記重合体(P)によれば、重合体中の高分子量成分と低分子量成分の割合を所定の範囲とすることにより、レジスト溶媒等への溶解性等を顕著に向上させることができる。
【0012】
上記レジスト組成物によれば、上述したようなレジスト溶媒等への溶解性等に優れる重合体を用いることにより、不溶解性成分を低減することができるので、感度に優れたレジスト膜を形成することができる。
【0013】
上記製造方法によれば、基板上に欠陥の少ない高精度の微細パターンが形成することができるため、生産性の向上等が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリロイルオキシ」は、アクリロイルオキシまたはメタクリロイルオキシを意味する。
【0015】
本明細書において、ピークスタート分子量とは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定の際、試料を試料注入した後、ポリマーの検出ピークの立ち上がり点であり、即ち、高分子量体側の検出ピークとベースラインとの接点を意味する。
本明細書において、ピークトップ分子量とは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定の際、検出される信号強度が最も大きいポリマーピークの位置を意味する。
本明細書において、ピークエンド分子量とは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)の際、ポリマーの検出ピークが終了する点であり、即ち、低分子量体側の検出ピークとベースラインとの接点を意味する。
【0016】
本明細書において、ベースラインとは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定の際、試料を注入した後、測定時間に対する信号強度の変化率が変化した時の(重合体が検出される直前の)信号強度と、ピークトップ位置が出現した後、測定時間に対する信号強度の変化率が変化しなくなった時の(重合体が検出し終わった直後の)信号強度を結んで設定することができる。
本明細書において、P[α]とは、ポリマーピーク全面積に対する、上記ピークスタート分子量からピークトップ分子量までのピーク曲線と、上記ピークトップ分子量からベースラインまでの垂線と、上記二線と交差するベースラインとで囲まれる範囲のピーク面積比を意味する。
本明細書において、P[α]とは、ポリマーピーク全面積に対する、上記ピークトップ分子量からピークエンド分子量までのピーク曲線と、上記ピークトップ分子量からベースラインまでの垂線と、上記二線と交差するベースラインとで囲まれる範囲のピーク面積比を意味する。
本明細書において、ポリマーピークとは、重合体(P)について、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定を行った際に検出される主ピークであって、重合体中に含まれる残留モノマー等のピークは含まないことを意味する。
【0017】
(重合体)
本発明の重合体(P)は、下記式(1)を満足する重合体である。
P[α]/P[α]≦0.7 …(1)
P[α]/P[α]が0.7以下であることは、重合体(P)においては、GPCによって測定した際のポリマーピークを、ピークトップ分子量で高分子量成分と低分子量成分に分割した際、ピークトップから高分子量成分側のピーク面積(P[α])が、ピークトップから低分子量成分側のピーク面積(P[α])より狭いことを意味する。
【0018】
上記式(1)を満足する重合体は、低分子量成分の割合に対する高分子量成分の割合が所定の数値以下であり、即ち、高分子量成分の生成が抑制されており、マイクロゲル生成等を抑制することができるため、レジスト組成物に用いた場合、レジスト溶媒への溶解性に優れ、かつ、感度に優れたレジスト膜を形成できる。
また、上記上記式(1)を満足する重合体は、上述したように高分子量成分の生成が抑制されており、マイクロゲル生成等を抑制することができるため、反射防止膜形成用組成物に用いた場合には、薄膜形成用溶媒への溶解性に優れ、かつ、反射防止効果に優れた反射防止膜を形成できる。
上記重合体(P)において、P[α]/P[α]は0.7以下である。また、溶媒への溶解性に優れ、溶媒へ完全溶解させる時間が短いことから、P[α]/P[α]は0.69以下が好ましく、0.68以下がより好ましい。
【0019】
また、工業的に再現性良く重合体を製造できることから、上記重合体(P)において、P[α]/P[α]は0.4以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、0.6以上がさらに好ましい。
【0020】
(酸不安定基を有する構成単位)
本発明の重合体(P)は、レジスト用として用いる場合は、酸不安定基を有することが好ましい。「酸不安定基」とは、酸により開裂する結合を有する基であり、該結合の開裂により酸不安定基の一部または全部が重合体の主鎖から脱離する基である。
酸不安定基を有する構成単位を有する重合体は、レジスト用組成物として用いた場合、酸によってアルカリに可溶となり、レジストパターン形成を可能とする作用を奏する。
【0021】
酸不安定基を有する構成単位としては、酸不安定基を有する単量体に由来する構成単位が挙げられる。
上記酸不安定基を有する単量体としては、例えば、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有し、かつ酸の作用により脱離可能な基を有している(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。該脂環式炭化水素基は、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子と直接結合していてもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。
【0022】
上記(メタ)アクリル酸エステルには、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有するとともに、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子との結合部位に第3級炭素原子を有する(メタ)アクリル酸エステル、または、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有するとともに、該脂環式炭化水素基に−COOR基(Rは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、またはオキセパニル基を表す。)が直接または連結基を介して結合している(メタ)アクリル酸エステルが含まれる。
【0023】
上記酸不安定基を有する単量体としては、例えば、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、1−(1′−アダマンチル)−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロペンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記酸不安定基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を必要に応じて組み合わせて用いてもよい。
【0024】
上記酸不安定基を有する単量体の含有量は、特に限定されないが、全単量体の合計の仕込み量(100モル%)中、20モル%以上が好ましく、25モル%以上がより好ましい。また、上記含有量の上限値としては、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。上記含有量が、20モル%以上、好ましくは25モル%以上であれば、感度や解像度が向上する傾向にあり、また、この含有量が、60モル%以下、好ましくは55モル%以下、さらに好ましくは50モル%以下であれば、解像性が向上する傾向にある。
【0025】
(ラクトン骨格を有する構成単位)
本発明の重合体は、ラクトン骨格を有する構成単位をさらに有していてもよい。
ラクトン骨格としては、例えば、4〜20員環程度のラクトン骨格が挙げられる。ラクトン骨格は、ラクトン環のみの単環であってもよく、ラクトン環に脂肪族または芳香族の炭素環または複素環が縮合していてもよい。
【0026】
上記ラクトン骨格を有する構成単位としては、ラクトン骨格を有する単量体に由来する構成単位が挙げられる。
上記ラクトン骨格を有する単量体としては、基板等への密着性に優れる点から、置換あるいは無置換のδ−バレロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステル、置換あるいは無置換のγ−ブチロラクトン環を有する単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、無置換のγ−ブチロラクトン環を有する単量体が特に好ましい。
【0027】
上記ラクトン骨格を有する単量体としては、例えば、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−δ−バレロラクトン、4,4−ジメチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−メタクリロイルオキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトン、α−メタクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、2−(1−メタクリロイルオキシ)エチル−4−ブタノリド、メタクリル酸パントイルラクトン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン、8−メタクリロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−3−オン、9−メタクリロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−3−オン等が挙げられる。また、類似構造を持つ単量体として、メタクリロイルオキシコハク酸無水物等も挙げられる。
上記ラクトン骨格を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を必要に応じて組み合わせて用いてもよい。
【0028】
上記ラクトン骨格を有する単量体の含有量は、特に限定されないが、全単量体の合計の仕込み量(100モル%)中、20モル%以上が好ましく、35モル%以上がより好ましい。また、上記含有量の上限値としては、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。上記ラクトン骨格を有する単量体の含有量が20モル%以上、好ましくは30モル%以上であれば、基板等との密着性が良好になる傾向があり、また、この含有量が60モル%以下、好ましくは55モル%以下、更に好ましくは50モル%以下であれば、感度や解像度が向上し、ディフェクトが少なくなる傾向がある。
【0029】
(親水性基を有する構成単位)
本発明の重合体は、親水性基を有する構成単位をさらに有していてもよい。「親水性基」としては、例えば、−C(CF−OH、ヒドロキシ基、シアノ基、メトキシ基、カルボキシ基及びアミノ基の少なくとも1種が挙げられる。
【0030】
上記親水性基を有する構成単位としては、親水性基を有する単量体に由来する構成単位が挙げられる。
上記親水性基を有する単量体としては、例えば、末端ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリ酸エステル、単量体の親水性基上にアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する誘導体、環式炭化水素基を有する単量体((メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンチル、(メタ)アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル等。)が置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基等の親水性基を有する単量体が挙げられる。環式炭化水素基を有する単量体は、ドライエッチング耐性に優れる傾向にあるため好ましい。
【0031】
上記親水性基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシアダマンチル、2−または3−シアノ−5−ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノメチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられ、基板等に対する密着性の点から、1−メタクリロイルオキシ−3−ヒドロキシアダマンタン、2−または3−シアノ−5−ノルボルニル(メタ)アクリレート等が好ましい。
上記親水性基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を必要に応じて組み合わせて用いてもよい。
【0032】
上記親水性基を有する単量体の含有量は、全単量体の合計の仕込み量(100モル%)中、5〜30モル%が好ましく、10〜25モル%がより好ましい。上記含有量が5モル%以上、好ましくは10モル%以上であれば、レジストパターン矩形性が良好となる傾向があり、上記含有量が20モル%以下、好ましくは25モル%以上であれば、マイクロゲル、ディフェクトが少ない傾向にある。
【0033】
(重合体の製造方法)
本発明の重合体(P)は、ラジカル重合法によって得ることができ、光線透過率を低下させないために、重合反応終了後に残存する単量体を除去する必要がある点、重合体の分子量を比較的低くする必要がある点から、溶液ラジカル重合法が好ましく、製造ロットの違いによる平均分子量、分子量分布等のばらつきが小さく、再現性のある重合体が簡便に得られる点から、滴下重合法が更に好ましい。
【0034】
上記滴下重合法においては、重合容器内を所定の重合温度まで加熱した後、単量体及び重合開始剤を、各々独立に、又は任意の組み合わせで、重合容器内に滴下することができる。単量体は、単量体のみで滴下してもよく、又は単量体を溶媒に溶解させた単量体溶液として滴下してもよい。溶媒を予め重合容器に仕込んでもよく、又は溶媒を予め重合容器に仕込まなくてもよい。溶媒を予め重合容器に仕込まない場合、単量体または重合開始剤は、溶媒がない状態で重合容器中に滴下される。
【0035】
上記重合開始剤は、単量体に直接に溶解させてもよく、又は単量体溶液に溶解させてもよく、又は溶媒のみに溶解させてもよい。単量体及び重合開始剤は、同じ貯槽内で混合した後、重合容器中に滴下してもよく、又は各々独立した貯槽から重合容器中に滴下してもよく、又は各々独立した貯槽から重合容器に供給する直前で混合し、重合容器中に滴下してもよい。上記単量体及び重合開始剤は、一方を先に滴下した後、遅れて他方を滴下してもよく、又は両方を同じタイミングで滴下してもよい。
なお、滴下速度は、滴下終了まで一定であってもよく、又は単量体や重合開始剤の消費速度に応じて、多段階に変化させてもよい。滴下は、連続的又は間欠的に行ってもよい。
【0036】
本発明の重合体(P)を得る方法として、上記溶液ラジカル重合による滴下重合法を用いる場合には、重合初期に重合開始剤の供給速度を上げて高分子量体の生成を抑制する方法等が挙げられる。
【0037】
上記重合初期に重合開始剤の供給量を上げる方法として、例えば使用する重合開始剤の全量の約20質量%〜80質量%、更に好ましくは約25質量%〜75質量%、特に好ましくは約30質量%〜70%質量を、重合初期(例えば、重合開始〜1時間以内)に重合系内に供給する方法が挙げられる。
【0038】
一般的に、滴下重合法の場合には、単量体と重合開始剤を同一滴下時間、かつ均一速度で滴下する場合、重合初期に高分子量体が生成する傾向がある。上記方法によれば、重合初期に開始剤を分解させて、ラジカルの生成や失活を定常的に発生させることにより、該ラジカル中に単量体を滴下することで、重合初期に発生する高分子量体の生成を抑制することができるため好ましい。
【0039】
具体的な手法としては、二種以上の滴下液を調製し、各々の滴下液の供給速度を多段階に変化させる方法等が挙げられる。例えば、重合開始剤と溶媒等とを含んでなる混合物Aと、単量体と溶媒等とを含んでなる混合物Bとを別々に調製し、該混合物Aを重合開始〜1時間以内等の短時間で供給させると同時に、該混合物Bを1〜数時間以上かけて滴下する方法が挙げられる。
【0040】
また、重合開始剤の一部と溶媒等とを含んでなる混合物A’と、単量体と重合開始剤の残部と溶媒等とを含んでなる混合物B’とを別々に調製し、該混合物A’を重合開始〜1時間以内等の短時間で供給させると同時に、該混合物B’を1〜数時間以上かけて滴下する方法が挙げられる。
【0041】
また、本発明の重合体(P)の他の重合方法としては、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合方法を用いることができる。
【0042】
重合温度は、特に制限されないが、通常、50〜150℃の範囲で行うのが好ましい。また、重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。
【0043】
上記単量体や開始剤の溶媒としては、例えば、下記のものが挙げられる。
エーテル類:鎖状エーテル(ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、「PGME」と記す。)等。)、環状エーテル(テトラヒドロフラン(以下、「THF」と記す。)、1,4−ジオキサン等。)等。
エステル類:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と記す。)、γ−ブチロラクトン等。
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトン(以下、「MEK」と記す。)、メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」と記す。)、シクロヘキサノン等。
アミド類:N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等。
スルホキシド類:ジメチルスルホキシド等。
芳香族炭化水素:ベンゼン、トルエン、キシレン等。
脂肪族炭化水素:ヘキサン等。
脂環式炭化水素:シクロヘキサン等。
溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0044】
上記重合開始剤としては、熱により効率的にラジカルを発生するものが好ましい。該重合開始剤としては、例えば、アゾ化合物(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等。)、有機過酸化物(2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等。)等が挙げられる。
【0045】
溶液ラジカル重合法によって得られた重合体溶液を、必要に応じて、1,4−ジオキサン、アセトン、THF、MEK、MIBK、γ−ブチロラクトン、PGMEA、PGME等の良溶媒で適当な溶液粘度に希釈した後、メタノール、水、ヘキサン、ヘプタン等の多量の貧溶媒中に滴下し、重合体を析出させてもよい。該工程は、再沈殿と呼ばれ、重合体溶液中に残存する未反応の単量体、重合開始剤等を取り除くために非常に有効である。これら未反応物は、そのまま残存しているとレジスト膜の性能に悪影響を及ぼす可能性があるため、できるだけ取り除くことが好ましい。再沈殿工程は、場合により不要となることもある。
【0046】
その後、析出物を濾別し、十分に乾燥して上記重合体(P)を得ることができる。また、濾別した後、乾燥せずに湿粉のまま用いてもよい。
また、重合体溶液をそのままレジスト組成物として用いてもよく、重合体溶液を適当な溶媒で希釈してレジスト組成物として用いてもよく、重合体溶液を濃縮してレジスト組成物として用いてもよい。その際、保存安定剤等の添加剤を適宜添加してもよい。
【0047】
また、上記式(1)を満足しない重合体であっても、重合反応に用いることができる良溶媒に溶解させ、再沈殿工程で用いることが出来る貧溶媒を添加することで高分子量体を析出させ、高分子量体をろ別することで上記式(1)を満足する上記重合体(P)を得る事ができる。
【0048】
<レジスト組成物>
本発明のレジスト組成物は、本発明の重合体(P)を溶媒に溶解したものである。また、本発明のレジスト組成物を化学増幅型レジスト組成物として用いる場合は、さらに光酸発生剤を溶解したものである。
【0049】
(溶媒)
溶媒としては、上記重合体の製造に用いた溶媒と同様のものが挙げられる。溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を必要に応じて併用してもよい。
【0050】
(光酸発生剤)
光酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物の光酸発生剤として使用可能なものの中から任意に選択できる。光酸発生剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を必要に応じて併用してもよい。
【0051】
光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられる。
光酸発生剤の量は、重合体100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
【0052】
(含窒素化合物)
化学増幅型レジスト組成物は、含窒素化合物を含んでいてもよい。含窒素化合物を含むことにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等がさらに向上する。つまり、レジストパターンの断面形状が矩形により近くなり、また、レジスト膜に光を照射し、ついでベーク(PEB)した後、次の現像処理までの間に数時間放置されることが半導体素子の量産ラインではあるが、そのような放置(経時)したときにレジストパターン断面形状の劣化の発生がより抑制される。
【0053】
上記含窒素化合物としては、アミンが好ましく、第2級低級脂肪族アミン、第3級低級脂肪族アミンがより好ましい。
上記含窒素化合物の含有量は、重合体100質量部に対して、0.01〜2質量部が好ましい。
【0054】
(有機カルボン酸、リンのオキソ酸またはその誘導体)
化学増幅型レジスト組成物は、有機カルボン酸、リンのオキソ酸またはその誘導体(以下、これらをまとめて酸化合物と記す。)を含んでいてもよい。酸化合物を含むことにより、含窒素化合物の配合による感度劣化を抑えることができ、また、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等がさらに向上する。
【0055】
上記有機カルボン酸としては、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸等が挙げられる。
上記リンのオキソ酸またはその誘導体としては、リン酸またはその誘導体、ホスホン酸またはその誘導体、ホスフィン酸またはその誘導体等が挙げられる。
上記酸化合物の含有量は、重合体100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましい。
【0056】
(その他)
上記本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、界面活性剤、その他のクエンチャー、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。該添加剤は、当該分野で公知のものであればいずれも使用可能である。また、これら添加剤の量は、特に限定されず、適宜決めることができる。
【0057】
<パターンが形成された基板の製造方法>
次いで、本発明にかかるパターンが形成された基板の製造方法の一例について説明する。
まず、所望の微細パターンを形成しようとするシリコンウエハー等の被加工基板の表面に、本発明のレジスト組成物をスピンコート等により塗布する。そして、該レジスト組成物が塗布された被加工基板を、ベーキング処理(プリベーク)等で乾燥することにより、基板上にレジスト膜を形成する。
【0058】
ついで、レジスト膜に、フォトマスクを介して、250nm以下の波長の光を照射して潜像を形成する(露光)。照射光としては、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUVエキシマレーザーが好ましく、ArFエキシマレーザーが特に好ましい。また、電子線を照射してもよい。
【0059】
また、該レジスト膜と露光装置の最終レンズとの間に、純水、パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロトリアルキルアミン等の高屈折率液体を介在させた状態で光を照射する液浸露光を行ってもよい。
【0060】
露光後、適宜熱処理(露光後ベーク、PEB)し、レジスト膜にアルカリ現像液を接触させ、露光部分を現像液に溶解させ、除去する(現像)。アルカリ現像液としては、公知のものが挙げられる。
現像後、基板を純水等で適宜リンス処理する。このようにして被加工基板上にレジストパターンが形成される。
【0061】
レジストパターンが形成された基板は、適宜熱処理(ポストベーク)してレジストを強化し、レジストのない部分を選択的にエッチングする。
エッチング後、レジストを剥離剤によって除去することによって、微細パターンが形成された基板が得られる。
【0062】
以上説明した本発明の重合体(P)は、式(1)で表される分子量分布を有するため、レジスト組成物を調製する際の溶媒への溶解性に優れている。
また、本発明の重合体を用いたレジスト組成物は、高い感度のレジスト膜を形成でき、組成物中の不溶分が少ない。
また、本発明のレジスト組成物を用いることによって、欠陥の少ない高精度の微細なレジストパターンを安定して形成できる。
そのため、本発明の重合体及びレジスト組成物は、DUVエキシマレーザーリソグラフィーあるいは電子線リソグラフィー、特にArFエキシマレーザー(193nm)を使用するリソグラフィーに好適に用いることができる。
【実施例】
【0063】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、各実施例、比較例中「部」とあるのは、特に断りのない限り「質量部」を示す。
また、以下のようにして、重合体及びレジスト組成物を評価した。
【0064】
(重量平均分子量測定)
重合体の重量平均分子量(Mw)は、下記の条件(GPC条件)でゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算で求めた。
<GPC条件>
装置:東ソー社製、東ソー高速GPC装置 HLC−8220GPC(商品名)、
分離カラム:昭和電工社製、Shodex GPC K−805L(商品名)を3本直列に連結したもの、
測定温度:40℃、
溶離液:THF、
試料:重合体の約20mgを5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液、
流量:1mL/分、
注入量:0.1mL、
検出器:示差屈折計。
【0065】
検量線:標準ポリスチレンの約20mgを5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液を用いて、上記の条件で分離カラムに注入し、溶出時間と分子量の関係を求めた。標準ポリスチレンは、下記の東ソー社製の標準ポリスチレン(いずれも商品名)を用いた。
F−80(Mw=706,000)、
F−20(Mw=190,000)、
F−4(Mw=37,900)、
F−1(Mw=10,200)、
A−2500(Mw=2,630)、
A−500(Mw=682、578、474、370、260の混合物)。
さらに、上記GPC装置の計算プログラムを用いて、得られた各重合体のピークについて、ベースライン及びピークトップの線を引いて、ポリマーピーク全面積に対するピークトップから高分子量側のピーク面積比(P[α])及びポリマーピーク全面積に対するピークトップから低分子量側のピーク面積比(P[α])を求めた。
【0066】
(溶解性)
重合体の20部とPGMEAの80部とを混合し、25℃に保ちながら撹拌を行い、目視で判断した完全溶解するまでの時間を計測した。
【0067】
(感度)
<レジスト組成物の調製>
以下の組成となるように調製した。
重合体 : 100質量部(固形分換算)
光酸発生剤 : トリフェニルスルホニウムトリフレート2質量部
溶媒 : PGMEA (重合体の濃度が12.5質量%となる量。)
【0068】
<感度測定>
上記レジスト組成物を、6インチシリコンウエハー上に回転塗布し、ホットプレート上で120℃、60秒間プリベーク(PAB)して、厚さ300nmの薄膜を形成した。ArFエキシマレーザー露光装置(リソテックジャパン製VUVES−4500)を用い、露光量を変えて10mm×10mmの18ショットを露光した。次いで110℃、60秒間ポストベーク(PEB)した後、レジスト現像アナライザー(リソテックジャパン製RDA−800)を用い、23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で65秒間現像し、各露光量における現像中のレジスト膜厚の経時変化を測定した。
【0069】
<解析>
得られたデータを基に、露光量(mJ/cm)の対数と、初期膜厚に対する60秒間現像した時点での残存膜厚率(以下、残膜率という)(%)をプロットした曲線(以下、露光量−残膜率曲線という)を作成し、Eth(残膜率0%とするための必要露光量であり、感度を表す。)を以下の通り求めた。
Eth:露光量−残膜率曲線が残膜率0%と交わる露光量(mJ/cm
【0070】
〔実施例1〕
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗2個、及び温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、乳酸エチル243.6部を入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記混合物1を滴下漏斗より4時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持した。また、混合物1の滴下開始と同時に、下記混合物2を別の滴下漏斗より0.1時間かけてフラスコ内に滴下した。
【0071】
(混合物1)
下記式(m1)の単量体を95.20部、
下記式(m2)の単量体を131.04部、
下記式(m3)の単量体を66.08部、
乳酸エチル430.5部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))2.14部。
(混合物2)
乳酸エチル8.0部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))4.30部。
各単量体の仕込み割合(モル%)を表1に示す。
【0072】
【化1】
【0073】
得られた反応溶液を約10倍量のメタノール及び水の混合溶媒(メタノール/水=80/20容量比)に撹拌しながら滴下し、白色の析出物(重合体P1)の沈殿を得た。沈殿を濾別し、再度、前記と同じ量のメタノール及び水の混合溶媒(メタノール/水=90/10容量比)へ投入し、撹拌しながら沈殿の洗浄を行った。そして、洗浄後の沈殿を濾別し、重合体湿粉を得た、重合体湿粉のうち10gを減圧下40℃で約40時間乾燥した。得られた重合体P1の重量平均分子量(Mw)は9,300、分子量分布(Mw/Mn)は1.63、P[α]は40.10、P[α]は59.90、P[α]/P[α]は0.669であった。
【0074】
残りの重合体湿粉をPGMEAの88000部へ投入し、完全に溶解させた後、孔径0.04μmのナイロン製フィルター(日本ポール社製、P−NYLON N66FILTER0.04M(商品名))へ通液して、重合体溶液を濾過した。
重合体溶液を減圧下で加熱してメタノール及び水を留去し、さらにPGMEAを留去し、重合体の濃度が25質量%の重合体P1溶液を得た。この際、最高到達真空度は0.7kPa、最高溶液温度は65℃、留去時間は8時間であった。
【0075】
重合体溶液の400部と、光酸発生剤であるトリフェニルスルホニウムトリフレートの2部と、溶媒であるPGMEAとを、重合体濃度が12.5質量%になるように混合して均一溶液とした後、孔径0.1μmのメンブレンフィルターで濾過し、レジスト組成物を得た。得られたレジスト組成物について、溶解性及び感度を評価した。評価結果を表2に示す。
【0076】
〔実施例2〕
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗2個、及び温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、乳酸エチル250.1部を入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記混合物3を滴下漏斗より4時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持した。また、混合物3の滴下開始と同時に、下記混合物4を別の滴下漏斗より0.1時間かけてフラスコ内に滴下した。
【0077】
(混合物3)
下記式(m1)の単量体を95.20部、
下記式(m4)の単量体を109.76部、
下記式(m3)の単量体を66.08部、
乳酸エチル442.2部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))2.14部。
(混合物4)
乳酸エチル8.0部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))4.30部。
各単量体の仕込み割合(モル%)を表1に示す。
【0078】
【化2】
【0079】
得られた反応溶液について実施例1と同様の操作を行い、重合体P2を得た。
得られた重合体P2の重量平均分子量(Mw)は9,300、分子量分布(Mw/Mn)は1.62、P[α]は40.48、P[α]は59.52、P[α]/P[α]は0.680であった。
また、重合体P2を用いて実施例1と同様の操作を行い、重合体P2溶液を得た。
また、重合体P2溶液を用いて実施例1と同様の操作を行い、レジスト組成物を得た。得られたレジスト組成物について、溶解性及び感度を評価した。結果を表2に示す。
【0080】
〔実施例3〕
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗2個、及び温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、乳酸エチル133.9部、γ−ブチロラクトン133.9部を入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記混合物5を滴下漏斗より4時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持した。また、混合物5の滴下開始と同時に、下記混合物6を別の滴下漏斗より0.1時間かけてフラスコ内に滴下した。
【0081】
(混合物5)
下記式(m5)の単量体を124.32部、
下記式(m2)の単量体を131.04部、
下記式(m3)の単量体を66.08部、
乳酸エチル235.1部、
γ−ブチロラクトン235.1部
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))3.22部。
【0082】
(混合物6)
乳酸エチル6.0部、
γ−ブチロラクトン6.0部
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))6.44部。 各単量体の仕込み割合(モル%)を表1に示す。
【0083】
【化3】
【0084】
得られた反応溶液について実施例1と同様の操作を行い、重合体P3を得た。
得られた重合体P3の重量平均分子量(Mw)は9,400、分子量分布(Mw/Mn)は1.76、P[α]は40.62、P[α]は59.38、及びP[α]/P[α]は0.684であった。
また、重合体P3を用いて実施例1と同様の操作を行い、重合体P3溶液を得た。
また、重合体P3溶液を用いて実施例1と同様の操作を行い、レジスト組成物を得た。得られたレジスト組成物について、溶解性及び感度を評価した。評価結果を表2に示す。
【0085】
〔実施例4〕
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗2個、及び温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、乳酸エチル104.5部、PGMEA69.7部を入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記混合物7を滴下漏斗より4時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持した。また、混合物7の滴下開始と同時に、下記混合物8を別の滴下漏斗より0.1時間かけてフラスコ内に滴下した。
【0086】
(混合物7)
下記式(m6)の単量体を94.40部、
下記式(m7)の単量体を91.00部、
下記式(m3)の単量体を23.60部、
乳酸エチル146.7部、
PGMEA125.4部
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))4.600部。
【0087】
(混合物8)
乳酸エチル41.4部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))4.600部。
各単量体の仕込み割合(モル%)を表1に示す。
【0088】
【化4】
【0089】
得られた反応溶液について実施例1と同様の操作を行い、重合体P4を得た。
得られた重合体P4の重量平均分子量(Mw)は9,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.65、P[α]は40.96、P[α]は59.04、及びP[α]/P[α]は0.694であった。
また、重合体P4を用いて実施例1と同様の操作を行い、重合体P4溶液を得た。
また、重合体P4溶液を用いて実施例1と同様の操作を行い、レジスト組成物を得た。得られたレジスト組成物について、溶解性及び感度を評価した。評価結果を表2に示す。
【0090】
〔実施例5〕
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗2個、及び温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA164.2部を入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記混合物9を滴下漏斗より4時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持した。また、混合物9の滴下開始と同時に、下記混合物10を別の滴下漏斗より0.3時間かけてフラスコ内に滴下した。
【0091】
(混合物9)
下記式(m8)の単量体を62.40部、
下記式(m2)の単量体を93.60部、
下記式(m9)の単量体を41.00部、
PGMEA289.1部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))8.050部。
【0092】
(混合物10)
PGMEA32.2部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))8.050部。
各単量体の仕込み割合(モル%)を表1に示す。
【0093】
【化5】
【0094】
得られた反応溶液について実施例1と同様の操作を行い、重合体P5を得た。
得られた重合体P5の重量平均分子量(Mw)は9,200、分子量分布(Mw/Mn)は1.73、P[α]は40.38、P[α]は59.62、及びP[α]/P[α]は0.677であった。
また、重合体P5を用いて実施例1と同様の操作を行い、重合体P5溶液を得た。
また、重合体P5溶液を用いて実施例1と同様の操作を行い、レジスト組成物を得た。
得られたレジスト組成物について、溶解性及び感度を評価した。評価結果を表2に示す。
【0095】
〔実施例6〕
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗2個、及び温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA175.7部を入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記混合物11を滴下漏斗より4時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持した。また、混合物11の滴下開始と同時に、下記混合物12を別の滴下漏斗より0.2時間かけてフラスコ内に滴下した。
【0096】
(混合物11)
下記式(m1)の単量体を85.00部、
下記式(m10)の単量体を78.60部、
下記式(m3)の単量体を47.20部、
PGMEA309.2部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))8.740部。
【0097】
(混合物12)
PGMEA35.0部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))8.740部。
各単量体の仕込み割合(モル%)を表1に示す。
【0098】
【化6】
【0099】
得られた反応溶液について実施例1と同様の操作を行い、重合体P6を得た。
得られた重合体P6の重量平均分子量(Mw)は8,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.55、P[α]は41.11、P[α]は58.89、及びP[α]/P[α]は0.698であった。
また、重合体P6を用いて実施例1と同様の操作を行い、重合体P6溶液を得た。
また、重合体P6溶液を用いて実施例1と同様の操作を行い、レジスト組成物を得た。
得られたレジスト組成物について、溶解性及び感度を評価した。評価結果を表2に示す。
【0100】
〔比較例1〕
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗1個、及び温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、乳酸エチル243.6部を入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記混合物1’を滴下漏斗より、4時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持した。
(混合物1’)
下記式(m1)の単量体を95.20部、
下記式(m2)の単量体を131.04部、
下記式(m3)の単量体を66.08部、
乳酸エチル438.5部、
ジメチル-2,2’-アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))8.69部。
各単量体の仕込み割合(モル%)を表1に示す。
【0101】
【化1】
【0102】
得られた反応溶液について実施例1と同様の操作を行い、重合体P’1を得た。
得られた重合体P1’の重量平均分子量(Mw)は9,900、分子量分布(Mw/Mn)は1.67、P[α]は41.87、P[α]は58.13、及びP[α]/P[α]は0.720であった。
また、重合体P’1を用いて実施例1と同様の操作を行い、重合体P’1溶液を得た。
また、重合体P’1溶液を用いて実施例1と同様の操作を行い、レジスト組成物を得た。
得られたレジスト組成物について、溶解性及び感度を評価した。評価結果を表2に示す。
【0103】
〔比較例2〕
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗1個、及び温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、乳酸エチル250.1部を入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記混合物3’を滴下漏斗より4時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持した。
(混合物3’)
下記式(m1)の単量体を95.20部、
下記式(m4)の単量体を109.76部、
下記式(m3)の単量体を66.08部、
乳酸エチル450.2部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))8.69部。
各単量体の仕込み割合(モル%)を表1に示す。
【0104】
【化2】
【0105】
得られた反応溶液について実施例1と同様の操作を行い、重合体P’2を得た。
得られた重合体P2’の重量平均分子量(Mw)は9,700、分子量分布(Mw/Mn)は1.64、P[α]は42.18、P[α]は57.82、及びP[α]/P[α]は0.730であった。
また、重合体P’2を用いて実施例1と同様の操作を行い、重合体P’2溶液を得た。
また、重合体P’2溶液を用いて実施例1と同様の操作を行い、レジスト組成物を得た。
得られたレジスト組成物について、溶解性及び感度を評価した。評価結果を表2に示す。
【0106】
〔比較例3〕
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗1個、及び温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、乳酸エチル133.9部、γ−ブチロラクトン133.9部を入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記混合物5’を滴下漏斗より4時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持した。
(混合物5’)
下記式(m5)の単量体を124.32部、
下記式(m2)の単量体を131.04部、
下記式(m3)の単量体を66.08部、
乳酸エチル241.1部、
γ−ブチロラクトン241.1部
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))14.81部。
各単量体の仕込み割合(モル%)を表1に示す。
【0107】
【化3】
【0108】
得られた反応溶液について実施例1と同様の操作を行い、重合体P’3を得た。得られた重合体P’3の重量平均分子量(Mw)は9,500、分子量分布(Mw/Mn)は1.73、P[α]は43.27、P[α]は56.73、及びP[α]/P[α]は0.763であった。
また、重合体P’3を用いて実施例1と同様の操作を行い、重合体P’3溶液を得た。
また、重合体P’3溶液を用いて実施例1と同様の操作を行い、レジスト組成物を得た。
得られたレジスト組成物について、溶解性及び感度を評価した。評価結果を表2に示す。
【0109】
〔比較例4〕
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗1個、及び温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、乳酸エチル104.5部、PGMEA69.7部を入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記混合物7’を滴下漏斗より4時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持した。
(混合物7’)
下記式(m6)の単量体を94.40部、
下記式(m7)の単量体を91.00部、
下記式(m3)の単量体を23.60部、
乳酸エチル188.1部、
PGMEA125.4部
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))9.200部。
各単量体の仕込み割合(モル%)を表1に示す。
【0110】
【化4】
【0111】
得られた反応溶液について実施例1と同様の操作を行い、重合体P’4を得た。
得られた重合体P’4の重量平均分子量(Mw)は10,100、分子量分布(Mw/Mn)は1.67、P[αA]は42.08、P[αB]は57.92、及びP[αA]/P[αB]は0.727であった。
また、重合体P’4を用いて実施例1と同様の操作を行い、重合体P’4溶液を得た。
また、重合体P’4溶液を用いて実施例1と同様の操作を行い、レジスト組成物を得た。
得られたレジスト組成物について、溶解性及び感度を評価した。評価結果を表2に示す。
【0112】
〔比較例5〕
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗1個、及び温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA164.2部を入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記混合物9’を滴下漏斗より4時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持した。
(混合物9’)
下記式(m8)の単量体を62.40部、
下記式(m2)の単量体を93.60部、
下記式(m9)の単量体を41.00部、
PGMEA295.5部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))20.470部。
各単量体の仕込み割合(モル%)を表1に示す。
【0113】
【化5】
【0114】
得られた反応溶液について実施例1と同様の操作を行い、重合体P’5を得た。
得られた重合体P’5の重量平均分子量(Mw)は9,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.83、P[α]は43.83、P[α]は56.17、及びP[α]/P[α]は0.780であった。
また、重合体P’5を用いて実施例1と同様の操作を行い、重合体P’5溶液を得た。
また、重合体P’5溶液を用いて実施例1と同様の操作を行い、レジスト組成物を得た。
得られたレジスト組成物について、溶解性及び感度を評価した。評価結果を表2に示す。
【0115】
〔比較例6〕
窒素導入口、攪拌機、コンデンサー、滴下漏斗1個、及び温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA175.7部を入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記混合物11’を滴下漏斗より4時間かけてフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持した。
(混合物11’)
下記式(m1)の単量体を85.00部、
下記式(m10)の単量体を78.60部、
下記式(m3)の単量体を47.20部、
PGMEA316.2部
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名))22.770部。
各単量体の仕込み割合(モル%)を表1に示す。
【0116】
【化6】
【0117】
得られた反応溶液について実施例1と同様の操作を行い、重合体P’6を得た。
得られた重合体P’6の重量平均分子量(Mw)は9,400、分子量分布(Mw/Mn)は1.68、P[α]は47.76、P[α]は52.24、及びP[α]/P[α]は0.914であった。
また、重合体P’6を用いて実施例1と同様の操作を行い、重合体P’6溶液を得た。
また、重合体P’6溶液を用いて実施例1と同様の操作を行い、レジスト組成物を得た。
得られたレジスト組成物について、溶解性及び感度を評価した。評価結果を表2に示す。
【0118】
【表1】
【0119】
【表2】
【0120】
(評価結果)
P[α]/P[α]が0.7以下の重合体(実施例1〜6)を用いた場合には、溶媒への溶解性に優れ、高感度なレジスト組成物が得られることが確認された。一方、上記実施例1〜6と、各々同じ単量体組成の材料を用いて重合した場合(比較例1〜6)であっても、得られた重合体のP[α]/P[α]が0.7を超える場合は、溶媒へ完全に溶解するまでの時間が約二倍以上かかり、溶媒への溶解性が低下することが確認された。さらに、これらの重合体を含有するレジスト組成物の感度も低下することが確認された。