特許第5717054号(P5717054)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5717054ガラス溶融炉、溶融ガラスの製造方法、ガラス製品の製造装置、及びガラス製品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5717054
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】ガラス溶融炉、溶融ガラスの製造方法、ガラス製品の製造装置、及びガラス製品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 3/02 20060101AFI20150423BHJP
   C03B 5/235 20060101ALI20150423BHJP
   C03B 5/04 20060101ALI20150423BHJP
【FI】
   C03B3/02
   C03B5/235
   C03B5/04
【請求項の数】13
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2011-521950(P2011-521950)
(86)(22)【出願日】2010年7月7日
(86)【国際出願番号】JP2010061561
(87)【国際公開番号】WO2011004851
(87)【国際公開日】20110113
【審査請求日】2013年3月6日
(31)【優先権主張番号】特願2009-161841(P2009-161841)
(32)【優先日】2009年7月8日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】旭硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】酒本 修
(72)【発明者】
【氏名】田中 千禾夫
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 誠司
(72)【発明者】
【氏名】大川 智
【審査官】 永田 史泰
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−116635(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/129509(WO,A1)
【文献】 特開平11−11954(JP,A)
【文献】 特開2007−153676(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 3/00−3/02
C03B 5/00−5/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス溶融炉内の気相雰囲気中でガラス原料粒子を液状ガラス粒子とし、該液状ガラス粒子をガラス溶融炉の底部に集積してガラス融液とし、該ガラス融液を排出するガラス溶融炉であって、
前記ガラス溶融炉の天井部に貫通して設けられた煙道、
平面視で前記煙道の周囲に配置された前記ガラス溶融炉内の上部の炉壁部に下向きに設置された複数のガラス原料粒子投入部、
前記複数のガラス原料粒子投入部毎に設けられた、ガラス原料粒子投入部の下方にガラス原料粒子を液状ガラス粒子とする気相部を形成するための加熱手段、
前記液状ガラス粒子を集積してガラス融液を形成する炉底部、および、
前記ガラス融液を排出する排出部、
を備えたことを特徴とするガラス溶融炉。
【請求項2】
前記ガラス溶融炉は、平面視で前記煙道を中心とする同心円上に沿って前記複数のガラス原料粒子投入部が配置されている請求項1に記載のガラス溶融炉。
【請求項3】
前記加熱手段は、酸素燃焼炎を発生させる酸素燃焼バーナ及び熱プラズマを発生させる一対以上の電極で構成される多相アークプラズマ発生装置のうち少なくとも一つである、請求項1又は2に記載のガラス溶融炉。
【請求項4】
前記ガラス溶融炉は鉛直方向を中心軸とする略円筒状に構成され、平面視でその略中央部に前記煙道が設けられている請求項1乃至3のうちいずれかに記載のガラス溶融炉。
【請求項5】
前記ガラス溶融炉は、該ガラス溶融炉の前記炉壁部に下向きに設置されるとともに前記複数のガラス原料粒子投入部の全体を包囲するように所定の間隔をもって設けられ、ガラスカレット片を投入する複数のガラスカレット片投入部を備える請求項1乃至4のいずれかに記載のガラス溶融炉。
【請求項6】
前記ガラス溶融炉は、平面視で前記煙道を中心とする同心円上に沿って前記複数のガラスカレット片投入部が配置されている請求項5に記載のガラス溶融炉。
【請求項7】
前記ガラスカレット片投入部は、前記ガラスカレット片の短径(a)が0.1mm<a<50mmであるガラスカレット片を投入するために設けられる請求項5又は6に記載のガラス溶融炉。
【請求項8】
前記短径(a)のガラスカレット片は、網目の目開き(Opening)の大きさが0.1mmの篩に残り、且つ、網目の目開き(Opening)の大きさが50mmの篩を通過するものである、請求項7に記載のガラス溶融炉。
【請求項9】
前記ガラス溶融炉は、前記ガラスカレット片投入部下方にガラスカレット片を少なくとも表面が液状化したガラス粒子とする気相部を形成するための加熱手段を備える請求項5乃至8のいずれかに記載のガラス溶融炉。
【請求項10】
前記煙道からの排ガスの一部を、前記ガラスカレット片投入部から投入される前のガラスカレット片に供給し予熱するためのガス供給部が設けられる請求項5乃至9のうちいずれかに記載のガラス溶融炉。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかに記載のガラス溶融炉を用いて溶融ガラスを製造することを特徴とする溶融ガラスの製造方法。
【請求項12】
請求項1乃至10のいずれかに記載のガラス溶融炉と、該ガラス溶融炉の前記排出部の下流側に設けられた溶融ガラスを成形する成形手段と、成形後のガラスを徐冷する徐冷手段とを備えたことを特徴とするガラス製品の製造装置。
【請求項13】
請求項11に記載の溶融ガラスの製造方法により溶融ガラスを製造する工程と、該溶融ガラスを成形する工程と、成形後のガラスを徐冷する工程とを含むことを特徴とするガラス製品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温の気相雰囲気中でガラス原料粒子から液状のガラス粒子を形成して溶融ガラスを製造するガラス溶融炉、当該ガラス溶融炉による溶融ガラスの製造方法、当該溶融炉を備えたガラス製品の製造装置、及び上記製造方法を用いたガラス製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、2には、高温の気相雰囲気中でガラス原料粒子を溶融し集積して溶融ガラスを製造するガラス溶融炉として、ガラス溶融炉の天井部にガラス原料粒子投入部とガラス原料粒子を溶融するための高温の気相雰囲気を形成する加熱手段とを備えたガラス溶融炉が開示されている。
【0003】
このガラス溶融炉は、ガラス原料粒子投入部から炉内に投入したガラス原料粒子を、加熱手段により加熱された高温の気相雰囲気中で溶融して液状ガラス粒子とし、液状ガラス粒子をガラス溶融炉底部に集積させてガラス融液を形成し、ガラス融液をガラス溶融炉底部に一時貯留して排出する装置である。また、このような溶融ガラスの製法はガラスの気中溶融法として知られている。この気中溶融法によれば、従来のシーメンス窯による溶融法と比較して、ガラス溶融工程の消費エネルギーを1/3程度まで低減することができるとともに短時間で溶融が可能になり、溶融炉の小型化、蓄熱室の省略、品質の向上、COの削減、ガラス品種の変更時間の短縮化を図ることができると言われている。このようなガラスの気中溶融法は、省エネルギー技術として注目されている。
【0004】
ところで、ガラス原料粒子投入部から投入されるガラス原料粒子は、粒径が1mm以下に造粒されたものが一般に使用される。ガラス溶融炉に投入されたガラス原料粒子は、高温の気相雰囲気中を下降(飛翔)する間にその一粒一粒が溶融されて液状ガラス粒子となり、液状ガラス粒子は下方に落下してガラス溶融炉底部に集積し、ガラス融液を形成する。このガラス原料粒子から生成する液状ガラス粒子は、ガラス液滴とも表現されるものである。高温の気相雰囲気中で短時間にガラス原料粒子から液状ガラス粒子を生成させるためには、ガラス原料粒子の粒径は上記のように小さなものである必要がある。また、通常の場合、個々のガラス原料粒子から生じる個々の液状ガラス粒子はほぼ同一のガラス組成を有する粒子である必要がある。
ガラス原料粒子が液状ガラス粒子となるときに発生する分解ガス成分は、ガラス原料粒子と液状ガラス粒子がともに小さな粒子であることより、生成する液状ガラス粒子の内部に閉じ込められることなくそのほとんどが液状ガラス粒子外部に放出される。このため、液状ガラス粒子が集積したガラス融液中に泡が生じるおそれは少ない。
一方、各ガラス原料粒子は、構成原料成分がほぼ均一な粒子であり、それから生じる各液状ガラス粒子のガラス組成も相互に均一である。液状ガラス粒子間のガラス組成の相違が少ないことより、多数の液状ガラス粒子が堆積して形成されるガラス融液内に、ガラス組成が異なる部分が生じるおそれは少ない。このため、従来のガラス溶融炉に必要とされていたガラス融液のガラス組成を均質化するための均質化手段が、気中溶融法ではほとんど必要とされない。たとえ少数の液状ガラス粒子が他の大部分の液状ガラス粒子とガラス組成が異なる場合が生じたとしても、液状ガラス粒子は粒径の小さな粒子であることより、ガラス組成が異なる少数の液状ガラス粒子から生じた、ガラス融液中のガラス組成の異質領域は小さく、この異質領域は短時間で容易に均質化して消失する。このように、気中溶融法ではガラス融液の均質化に必要とする熱エネルギーを低減し、均質化に要する時間を短くすることができる。
【0005】
特許文献1のガラス溶融炉は、高温の気相雰囲気を形成する加熱手段として、複数本のアーク電極や酸素燃焼ノズルを備えており、複数のアーク電極が形成する熱プラズマアークや酸素燃焼ノズルによる酸素燃焼炎(フレーム)によって炉内に約1600℃以上の高温気相雰囲気が形成されている。この高温気相雰囲気中にガラス原料粒子を投入することにより、高温気相雰囲気内でガラス原料粒子を液状ガラス粒子に変化させる。また、特許文献1において使用されているガラス原料粒子としては、短時間で液状ガラス粒子に変化させることができ発生ガスの放散が容易である観点から、粒径が0.5mm(重量平均)以下のものが使用されている。さらに、ガラス原料粒子の微粉化によるコスト上昇と、生成する液状ガラス粒子間のガラス組成変動の低減の観点から、粒径が0.01mm(重量平均)以上のものが使用されている。
【0006】
一方、特許文献2のガラス溶融炉は、加熱手段として、ガラス溶融炉の天井壁に下向きに取り付けられた酸素バーナを備えている。この酸素バーナには、酸素濃度90容量%以上の支燃ガスとガラス原料が供給されるように、ガス供給系と原料供給系とが接続されている。よって、このガラス溶融炉によれば、酸素バーナを燃焼させ下向きに火炎を形成するとともに、酸素バーナからガラス原料粒子をその火炎中に下向きで供給し、火炎中で液状ガラス粒子を生成させ、生成した液状ガラス粒子を火炎直下の炉底部に集積させてガラス融液を形成させている。この酸素バーナは、ガラス溶融炉の天井壁の上流側壁面に貫通して配置されている。また、特許文献2のガラス溶融炉には、ガラス原料の溶融の際に発生する排ガスを炉外に放出する排気口が設けられている。この排気口は、ガラス溶融炉の天井壁の下流側壁面に設置されるとともに吸引ファンに接続され、吸引ファンを駆動することにより、ガラス溶融炉内の排ガスが煙道に吸引されて排気される。
【0007】
特許文献1、2のガラス溶融炉によって製造された約1600℃の溶融ガラスは、ガラス溶融炉から温度調整槽又は清澄槽に供給され、ここで成形可能な温度(ソーダライムガラスでは約1000℃程度)まで冷却される。そして、この溶融ガラスは、フロートバス、フュージョン成形機、ロールアウト成形機、ブロー成形機、プレス成形機等のガラス製品の成形手段に供給され、ここで各種形状のガラス製品に成形される。そして、成形されたガラス製品は、徐冷手段によって略室温まで冷却され、その後、必要に応じて切断手段による切断工程、及び/又はその他の後工程を経た後、所望のガラス製品に製造される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−297239号公報
【特許文献2】特開2008−120609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、特許文献1、2に開示された気中溶融設備では、ガラス原料粒子や溶融したガラス粒子の一部がミスト状となって浮遊し、炉底のガラス融液に到達することなく排ガス気流に乗って浮上し、煙道に吸引されて外部に排気される。その際、炉内に浮遊する粒子は、全て煙道に吸引されて除去されるわけではなく、その一部の粒子は炉壁に付着していた。炉壁に付着した粒子は炉壁の炉材を侵食し、また該粒子と炉材との反応生成物が炉壁から剥離してガラス融液面に落下し、溶融ガラスの品質を低下させるという問題が生じていた。特に、特許文献2の設備では、酸素バーナによる原料溶融部から煙道までの距離が長いため、上記問題が多発するおそれがあった。
ガラス原料粒子が液状のガラス粒子となって炉底に集積する経路から外れて浮遊するに至った上記粒子としては、未溶融のガラス原料粒子、溶融した液状のガラス粒子やそれが固化した粒子、ガラス原料粒子が液状のガラス粒子となる途中の粒子(例えば、ガラス原料粒子中の原料の一部(炭酸塩など)が分解している粒子、表面が溶融した粒子やそれが固化した粒子、など)、これらの粒子の破砕物からなる粒子、などからなると考えられる。また、ガラス原料粒子以外にガラスカレットの粒子を併用して溶融ガラスを製造する場合は、溶融炉に投入されたガラスカレット粒子の一部もまたガラス融液面に到達することなく浮遊する粒子となることもある。例えば、微小なガラスカレット粒子、ガラスカレット粒子が溶融した粒子、いったん溶融したガラスカレット粒子が再度固化した粒子、これらの粒子の破砕物からなる粒子、などが浮遊する粒子となると考えられる。さらには、落下したガラスカレット粒子等がガラス融液に表面に衝突した際に生じる液状ガラスの飛沫やその固化物が浮遊する粒子となることもあると考えられる。
これらのガラス原料粒子やガラスカレット粒子などに由来する、炉底のガラス融液面に到達しない粒子を以下浮遊粒子という。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、浮遊粒子が炉壁に付着することに起因する溶融ガラスの品質低下を抑えることができるガラス溶融炉、溶融ガラスの製造方法、ガラス製品の製造装置、及びガラス製品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記目的を達成するために、ガラス溶融炉内の気相雰囲気中でガラス原料粒子を液状ガラス粒子とし、該液状ガラス粒子をガラス溶融炉の底部に集積してガラス融液とし、該ガラス融液を排出するガラス溶融炉であって、前記ガラス溶融炉の天井部に貫通して設けられた煙道、平面視で前記煙道の周囲に配置された前記ガラス溶融炉内の上部の炉壁部に下向きに設置された複数のガラス原料粒子投入部、前記複数のガラス原料粒子投入部毎に設けられた、ガラス原料粒子投入部の下方にガラス原料粒子を液状ガラス粒子とする気相部を形成するための加熱手段、前記液状ガラス粒子を集積してガラス融液を形成する炉底部、および、前記ガラス融液を排出する排出部、を備えたことを特徴とするガラス溶融炉を提供する。
【0012】
また、本発明は、前記目的を達成するために、本発明のガラス溶融炉を用いて溶融ガラスを製造することを特徴とする溶融ガラスの製造方法を提供する。
【0013】
本発明のガラス溶融炉及び溶融ガラスの製造方法によれば、ガラス溶融炉の天井部に煙道を配置し、この煙道の周囲にガラス原料粒子投入部を複数配置したので、ガラス原料粒子投入部下方の気相部中で生成した浮遊粒子やその気相部近傍で生成した浮遊粒子は、ガラス溶融炉の炉壁に向うことなく、煙道に効率的に吸引されて外部に排気除去される。これにより、炉壁に付着する浮遊粒子の付着量が激減するので、浮遊粒子が炉壁に付着することに起因する炉壁の損傷や溶融ガラスの品質低下を防止することができる。
前記気相部は、その中を通過するガラス原料粒子を液状ガラス粒子とすることができる、高温雰囲気状態にある気相部である。この気相部はガラス原料粒子投入部毎にその下方に形成される。このため、その気相部を形成するための加熱手段もまたガラス原料粒子投入部毎に設けられる。
【0014】
なお、ガラス原料粒子を気中溶融するにあたり、ガラス原料粒子投入部から投入されたガラス原料粒子を、ガラス原料粒子投入部下方に形成された気相部中を通過させて溶融する。溶融したガラス原料粒子は液状ガラス粒子になって下方に向って落下し、ガラス融液となって一時貯留され、下流側に供給される。ここでいうガラス溶融炉の上部の炉壁部とは、ガラス溶融炉の天井部及び天井部の内壁から1m以内の側壁の範囲をいう。
【0015】
また、本発明によれば、前記ガラス溶融炉は、平面視で前記煙道を中心とする同心円上に沿って前記複数のガラス原料粒子投入部が配置されていることが好ましい。
【0016】
本発明によれば、各々のガラス原料粒子投入部の下方の気相部で発生した前記浮遊粒子を、煙道によって均等に吸引除去することができる。
【0017】
また、本発明によれば、前記気相部を形成するための加熱手段は、酸素燃焼炎を発生させる酸素燃焼バーナ及び熱プラズマを発生させる一対以上の電極で構成される多相アークプラズマ発生装置のうち少なくとも一つであることが好ましい。
【0018】
本発明によれば、酸素燃焼バーナによる酸素燃焼炎の場合には約2000℃の高温雰囲気を形成でき、熱プラズマの場合には5000〜20000℃の高温雰囲気を形成できる。よって、降下するガラス原料粒子を短時間で液状ガラス粒子とすることができる。なお、酸素燃焼バーナ及び多相アークプラズマ発生装置は、単独で設置してもよく双方を併用してもよい。また、気相部を形成する加熱手段として使用される酸素燃焼バーナとしては、ガラス原料粒子投入部が一体となった形態のバーナを使用することができる。
【0019】
また、本発明によれば、前記ガラス溶融炉は鉛直方向を中心軸とする略円筒状に構成され、平面視でその略中央部に前記煙道が設けられていることが好ましい。
【0020】
本発明によれば、炉内の負圧が炉内全域において略均一になるので、炉内の浮遊粒子を、より安定して吸引除去することができる。
【0021】
また、本発明によれば、前記ガラス溶融炉は、該ガラス溶融炉の前記炉壁部に下向きに設置されるとともに前記複数のガラス原料粒子投入部の全体を包囲するように所定の間隔をもって設けられ、ガラスカレット片を投入する複数のガラスカレット片投入部を備えることが好ましい。
【0022】
本発明によれば、複数のガラスカレット片投入部からガラスカレット片を落下させ、このガラスカレット片の落下する流れで各ガラス原料粒子投入部下方の気相部全体を包囲し、高温の気相部と炉壁を仕切るとともに、高温の気相部中で発生して炉壁に向おうとする前記浮遊粒子を、投下中のガラスカレット片の表面に付着させて捕集し落下させる。これにより、浮遊粒子が炉壁に付着するのを確実に阻止することができる。また、本発明では、ガラスカレット片の予熱及び下降流による火炎の安定化が図れる。更に、前記ガラス溶融炉は、前記ガラスカレット片投入部下方にガラスカレット片を加熱する気相部(以下、第2の気相部ともいう)を形成するための加熱手段(以下、第2の加熱手段ともいう)を備えることが好ましい。ガラスカレット片投入部に隣接してこの第2の加熱手段を設けてもよい。これにより、降下中のガラスカレット片を加熱することができ、ガラスカレット片の溶融に寄与することができる。ガラスカレット片はこの第2の気相中で少なくとも表面が液状化したガラス粒子となって、ガラス融液面に到達することが好ましい。
【0023】
また、本発明によれば、前記ガラス溶融炉は、平面視で前記煙道を中心とする同心円上に沿って前記複数のガラスカレット片投入部が配置される。
【0024】
また、本発明の前記ガラスカレット片投入部は前記カレットの短径(a)が0.1mm<a<50mmであるガラスカレット片を投入するために設けられることが好ましい。
【0025】
本発明によれば、ガラスカレット片のサイズにおいては、ガラスカレット片自体がガラス溶融炉内の気流によって浮遊粒子となるおそれが少ないこと、及びガラスカレット片をガラス製品の製造工程内または市場から回収、貯蔵し、ガラスカレット片投入口まで搬送する取扱上の効率を考慮して、その短径を規定した。
本発明では、このような短径(a)のガラスカレット片を、ガラスカレット片投入部から炉内に投入し、降下中のガラスカレット片を第2の加熱手段によって形成された第2の気相中で加熱することが好ましい。
なお、本発明では、前記短径(a)のガラスカレット片は、網目の目開き(Opening)の大きさが0.1mmの篩に残り、且つ、網目の目開き(Opening)の大きさが50mmの篩を通過するもので規定する。
【0026】
したがって、本発明に係るガラス溶融炉によれば、ガラス原料粒子とともにガラスカレット片自体の飛散が少ないガラスカレット片を、予備加熱することなくガラス溶融炉に投入し溶融することができる。これにより、数十トン/日以上、及び数百トン/日以上のガラス製品の生産に適した大規模溶融炉に好適となる。
【0027】
また、本発明の前記煙道からの排ガスの一部を、前記ガラスカレット片投入部から投入される前のガラスカレット片に供給し予熱するためのガス供給部を設けてもよい。
【0028】
本発明によれば、煙道から排出される高温のガスを利用して、ガラスカレット片投入部から投入されるガラスカレット片を予熱するので、ガラス溶融炉内を高温に維持でき、ガラスカレット片の溶融化を促進することができる。
【0029】
また、本発明は、前記目的を達成するために、本発明のガラス溶融炉と、該ガラス溶融炉の前記排出部の下流側に設けられた溶融ガラスを成形する成形手段と、成形後のガラスを徐冷する徐冷手段とを備えたことを特徴とするガラス製品の製造装置を提供する。
【0030】
さらに、本発明は、前記目的を達成するために、本発明の溶融ガラスの製造方法により溶融ガラスを製造する工程と、該溶融ガラスを成形する工程と、成形後のガラスを徐冷する工程とを含むことを特徴とするガラス製品の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように本発明のガラス溶融炉、及び溶融ガラスの製造方法によれば、浮遊粒子が炉壁に付着することに起因する炉壁や煙道の損傷及び溶融ガラスの品質低下を抑えることができ、よって、品質のよい溶融ガラスを長期にわたって製造できる。
【0032】
また、本発明のガラス製品の製造装置、及びガラス製品の製造方法によれば、本発明の溶融ガラスの製造装置及び製造方法により、品質のよい溶融ガラスを製造できるので、品質のよいガラス製品を長期にわたって生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明のガラス製品の製造装置を構成する第1の実施の形態のガラス溶融炉の縦断面図
図2図1に示したガラス溶融炉の要部平断面図
図3】本発明のガラス製品の製造装置を構成する第2の実施の形態のガラス溶融炉の縦断面図
図4図3に示したガラス溶融炉の要部平断面図
図5】実施の形態のガラス製品の製造方法の実施の形態を示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面に従って本発明に係るガラス溶融炉、溶融ガラスの製造方法、ガラス製品の製造装置、及びガラス製品の製造方法の好ましい実施の形態について説明する。
図示したガラス溶融炉において、ガラス原料粒子を液状ガラス粒子とする気相部(以下、第1の気相部ともいう)を形成する加熱手段(以下、第1の加熱手段ともいう)は酸素燃焼バーナからなる。
ガラス原料粒子を液状ガラス粒子とする、第1の気相部は、酸素燃焼バーナの火炎中及び火炎近傍の高温部から構成される。その気相部にガラス原料粒子を供給するためのガラス原料粒子投入部は酸素燃焼バーナと一体となり、酸素燃焼バーナ出口付近で燃焼ガスを供給する管と酸素を供給する管とガラス原料粒子を供給する管が同軸で構成されている。このガラス原料粒子投入部と酸素燃焼バーナとの組み合わせを、第1加熱ユニットという。ガラス原料粒子、それが溶融して生じる液状ガラス粒子、ガラス原料粒子から液状ガラス粒子となる途中の粒子(表面部分のみ液状ガラスとなっている粒子など)を以下の実施形態の図では粒子22で表わし、以下の説明ではガラス原料粒子等22という。
一方、ガラスカレット片を少なくとも表面が液状化したガラス粒子とする第2の気相部では、ガラスカレット片投入部と酸素燃焼バーナとは別体で、ガラスカレット片を第2の気相部に供給する管と酸素燃焼バーナとは上部の炉壁部に近接し配置されている。このガラスカレット片投入部と酸素燃焼バーナとの組み合わせを第2加熱ユニットという。
【0035】
図1は、本発明のガラス製品の製造装置を構成する第1の実施の形態のガラス溶融炉10の縦断面図、図2はガラス溶融炉10の天井部分を除いた要部平断面図である。なお、図2において、詳述する第1加熱ユニット18及び第2加熱ユニット20は、簡略的に○印で示している。
【0036】
ガラス溶融炉10は、溶融槽12とガラス融液Gの排出部としての出口(不図示)とを備えており、溶融槽12、出口は周知の耐火煉瓦によって構成されている。また、溶融槽12は、鉛直方向を中心軸とする略円筒状に構成され、その天井壁14には図2の平面視において、その略中央部に煙道16が天井壁14を貫通して鉛直方向に設けられている。この煙道16には、冷却装置17、集塵装置19を介して吸引ファン21が連結されており、吸引ファン21を駆動することにより、溶融槽12内の排ガスが煙道16により吸引される。この排ガスは、冷却装置17によって所定の温度に冷却された後、集塵装置19によって排ガス中の塵埃が除去され、この後に吸引ファン21によって外部に排気される。なお、煙道16は、天井壁14の略中央部に必ずしも配置する必要はないが、後述するように溶融槽12内の圧力(負圧)を溶融槽12全域において略均等とするためには、天井壁14の略中央部に配置することが好ましい。
【0037】
また、煙道16から排出される排ガスの一部を利用して、第2加熱ユニット20から投入される前のガラスカレット片26に供給し予熱するためのガス供給部23を設けてもよい。この場合、煙道16からの排ガスを冷却装置17に導く前に、図1の二点鎖線の如く排ガス系25を第2加熱ユニット20のガラスカレット片投入筒34に迂回させる。そして、ガラスカレット片投入筒34に供給されてガラスカレット片26の予熱に寄与した排ガスを、ガラスカレット片投入筒34から必要に応じて冷却装置17に導き、集塵装置19によって排ガス中の塵埃を除去し、この後に吸引ファン21によって外部に排気する。この方式によって、煙道16から排出される高温のガスを利用して、第2加熱ユニット20から投入されるガラスカレット片26を予熱することができるので、ガラス溶融炉10内の温度を高温に維持でき、ガラスカレット片26の溶融化を促進することができる。
【0038】
また、溶融槽12の上部の炉壁部である天井壁14には、8台の第1加熱ユニット18、18…及び8台の第2加熱ユニット20、20…が配置され、それらによって炉内気相雰囲気中にガラス原料粒子を液状ガラス粒子とする8つの第1の気相部及びガラスカレット片を溶融するための8つの第2の気相部が形成されている。各ユニットにおける酸素燃焼バーナは、それぞれ火炎が下向きになるように天井壁14を貫通して設けられている。
【0039】
8台の第1加熱ユニット18、18…は、図2の平面視において煙道16(中心軸O)を中心とする同心円上に等間隔で設置される。また、8台の第2加熱ユニット20、20…は、8台の第1加熱ユニット18、18を包囲するとともに、煙道16を中心とする同心円上に等間隔に設置されている。なお、第1加熱ユニット18及び第2加熱ユニット20が天井壁14ではなく、溶融槽12の上部の側壁にある場合も本発明の範囲である。第1加熱ユニット18及び第2加熱ユニット20が側壁に設けられる場合には、溶融槽12の天井壁14の内壁から鉛直方向に1mまでの高さの側壁に設けられる。これは、第1加熱ユニット18及び第2加熱ユニット20が、溶融槽12の天井壁14の内壁から鉛直方向に1mを超えるところに設けられた場合、第1加熱ユニット18においてガラス融液面との鉛直距離が小さくなりすぎるため水平方向となす角が小さくなり、対向壁面にガラス粒子を吹き付けることになってしまう結果、炉壁侵食とそれに伴うガラス汚染が生じるためであり、また第2加熱ユニット20においてガラスカレットが十分に予熱されないでガラス融液G上に落下するためである。第1加熱ユニット18及び第2加熱ユニット20は、溶融槽12の天井壁14の内壁から鉛直方向に90cmまでの高さに設けられることが好ましく、50cmまでの高さに設けられることがより好ましい。
【0040】
また、第1加熱ユニット18の台数は8台に限定されるものではなく、煙道16を包囲することができるのであれば、2台以上であればよい。同様に、第2加熱ユニット20の台数も8台に限定されるものではなく、後述する落下するガラスカレット片の流れによりガラス原料粒子の流れを包囲する形態を形成可能であれば、7台以下でもよく9台以上であってもよい。更に、第1加熱ユニット18の配置形態は前記同心円上に限定されるものではなく、煙道16を囲む形態、例えば三角形上、四角形上、楕円形上に沿って配置する形態でもよい。但し、各々の第1加熱ユニット18、18によるガラス原料粒子等22、22…に由来する浮遊粒子24、24…を、煙道16によって均等に吸引除去するには、前記同心円上の配置形態が好ましい。同様に、第2加熱ユニット20の配置形態も前記同心円上に限定されるものではなく、第1加熱ユニット18、18…を囲む形態、例えば三角形上、四角形上、楕円形上に沿って配置する形態でもよい。但し、第2加熱ユニット20、20…から投入されるガラスカレット片26、26…を、第1加熱ユニット18、18…の熱によって均等に加熱するには、前記同心円上の配置形態が好ましい。
【0041】
更に、この溶融槽12は、前述の如く略円筒状に構成されるとともに、平面視でその略中央部に煙道16が設けられているため、炉内の負圧が炉内全域において略均一になり、よって、炉内の浮遊粒子24、24…を安定して煙道16から吸引除去することができる。
【0042】
溶融槽12及び前記出口の各槽内には、ガラス融液Gが貯留されており、溶融槽12で製造されたガラス融液Gが前記出口を介して下流に流れるように構成されている。
【0043】
第1加熱ユニット18としては、ガラス原料粒子投入部が一体となった酸素燃焼バーナ28が適用されている。
【0044】
この酸素燃焼バーナ28は、無機粉体加熱用バーナとして公知な、原料、燃料、支燃ガス供給ノズルが適切に配置された酸素燃焼バーナである。酸素燃焼バーナ28の先端部のノズル30は、中心部から外周部に向って燃料供給ノズル、一次燃焼用支燃ガス供給ノズル、ガラス原料供給ノズル、及び二次燃焼用支燃ガス供給ノズルの順で全体として同心円状に配列されている。ノズル30から火炎32を下向きで噴射させて、この火炎32(すなわち、第1の気相部)中にガラス原料粒子を気体搬送又は機械搬送により前記ガラス原料供給ノズルから供給する。これにより、ガラス原料粒子を確実に且つ短時間で液状ガラス粒子とすることができる。なお、不図示であるが、この酸素燃焼バーナ28には、ガラス原料粒子をガラス原料供給ノズルに供給するガラス原料粒子供給系、燃料を燃料供給ノズルに供給する燃料供給系、及び支燃ガスを一次燃焼用支燃ガス供給ノズルと二次燃焼用支燃ガス供給ノズルに供給するガス供給系が接続されている。
【0045】
このように、ガラス原料粒子投入部が一体となった酸素燃焼バーナ28を適用した場合には、酸素燃焼バーナ28がガラス原料粒子投入部を兼ねているため、ガラス原料粒子投入部を別個で設ける必要はない。しかしながら、酸素燃焼バーナ28の火炎32に向けてガラス原料粒子を投入するガラス原料粒子投入部を酸素燃焼バーナ28に隣接して個別に設けてもよい。
【0046】
なお、第1の気相部を形成する第1の加熱手段としては酸素燃焼バーナ28に限定されるものではなく、熱プラズマを発生させる、一対以上の電極で構成される多相アークプラズマ発生装置を溶融槽12の壁面に設けてもよく、また、酸素燃焼バーナ28及び前記多相アークプラズマ発生装置の双方を溶融槽12に設けてもよい。更に、酸素燃焼バーナ28の火炎32、熱プラズマの温度は、ガラス原料粒子等22に含まれる気体成分を迅速にガス化散逸させ、ガラス化反応を進行させるために、珪砂の溶融温度以上である1600℃以上に設定することが好ましい。これにより、第1の気相部内のガラス原料粒子等22は、火炎32及び/又は熱プラズマによってガラス化し、ガラス原料粒子等22に含まれる気体成分は、迅速にガス化散逸されるとともに、ガラス原料粒子等22は高温で加熱されることにより液状ガラス粒子となって溶融槽12内のガラス融液Gの表面上に着地する。そして、液状ガラス粒子の集積により形成されたガラス融液は、火炎32及び/又は熱プラズマによって引き続き加熱されることからガラス化された形態が保持される。なお、火炎32の場合、その中心温度は酸素燃焼のケースで約2000℃であり、熱プラズマの場合は5000〜20000℃である。
ガラス原料粒子は、平均粒径が30〜1000μmが好ましく、50〜500μmがより好ましく、70〜300μmがさらに好ましい。ガラス原料粒子は、第1の気相部中で液状ガラス粒子になる際に、多くの場合当初の平均粒径が8割程に減少する。
【0047】
第2加熱ユニット20は、ガラスカレット片投入筒(ガラスカレット片投入部)34と第2の加熱手段である2本の酸素燃焼バーナ36、36から構成される。2本の酸素燃焼バーナ36、36より形成される2本の火炎42、42とその周辺の高温域が第2の気相部となる。
【0048】
ガラスカレット片投入筒34は天井壁14を貫通して鉛直方向に配置され、その下端に形成された投入口38からガラスカレット片26、26…が投下される。このガラスカレット片投入筒34には、ガラスカレット片26、26…を気体搬送または機械搬送により搬送するカレット搬送系(不図示)が接続されており、後述するサイズのガラスカレット片26、26…がガラスカレット片投入筒34に搬送される。また、ガラスカレット片投入筒34の材質は、水冷された金属又はセラミックスなどが例示できる。
【0049】
酸素燃焼バーナ36は、酸素燃焼加熱用バーナとして公知な、燃料、支燃ガス供給ノズルが適切に配置された酸素燃焼バーナである。酸素燃焼バーナ36のノズル40から火炎42を斜め下向きに噴射させて、降下中のガラスカレット片26、26…に火炎42を吹き付ける。これにより、ガラスカレット片26、26…が確実に加熱される。火炎42によって加熱されたガラスカレット片26は、投入するガラスカレット片26の量等にもよるが、1000℃〜1800℃程度に加熱されてガラス融液Gに着地する。なお、不図示であるが、この酸素燃焼バーナ36には、燃料を燃料供給ノズルに供給する燃料供給系、及び支燃ガスを燃焼用支燃ガス供給ノズルに供給するガス供給系が接続されている。
なお、第2加熱ユニットが天井部ではなく、ガラス溶融炉の上部の側壁に設置される場合も本発明の範囲である。第2加熱ユニットが側壁に設けられる場合には、ガラス溶融炉の天井部の内壁から鉛直方向に1mまでの高さに設けられる。これは、第2加熱ユニットが、ガラス溶融炉の天井部の内壁から鉛直方向に1mを超えるところに設けられた場合、ガラス融液面との鉛直距離が小さくなりすぎるために水平方向となす角が小さくなり、対向壁面にガラスカレット片を吹き付けることになってしまい、炉壁損傷及び侵食とそれに伴うガラス汚染が生じるためである。第2加熱ユニットは、ガラス溶融炉の天井部の内壁から鉛直方向に80cmまでの高さに設けられることが好ましく、60cmまでの高さに設けられることがより好ましい。
なお、本発明において「ガラスカレット」とは、本発明において最終目的物であるガラス製品のガラスとほぼ同一のガラス組成からなるガラスカレットを意味する。このガラスカレットは、通常、本発明における、炉底部に形成されたガラス融液から最終目的物であるガラス製品を製造する工程で発生する。ただし、これに限られるものではなく、本発明の最終目的物であるガラス製品のガラスとほぼ同一のガラス組成からなる他のガラス製品の製造工程から発生するガラスカレット、本発明によって得られた最終目的物のガラス製品を使用する工程から生じるガラスカレット、などであってもよい。上記他のガラス製品の製造工程におけるガラス溶融炉は、気中溶融法を使用したガラス溶融炉に限られるものではない。
ガラスカレットのガラス組成がガラス原料粒子から形成されるガラスのガラス組成とほぼ同一であることより、ガラスカレット片が融解した液状ガラスとガラス原料粒子から形成された液状ガラスが混合したガラス融液のガラス組成は均一なものとなり、均質化に必要とする熱エネルギーが少なく、均質化に要する時間も短い。ガラスカレットのガラス組成とガラス原料粒子から形成される液状ガラス粒子のガラス組成は同一であることが好ましいが、溶融槽の炉底部に形成されたガラス融液がガラス製品となる間にガラス組成がわずかに変化することがあり(例えば、酸化ホウ素などの揮発性ガラス成分の気散など)、このようなガラス組成のわずかな相違は許容される。
なお、ガラスカレット片はすでにガラスとなっている物質からなることから、加熱されたガラスカレット片は単に融解して液状のガラス粒子となる。一方、ガラス原料粒子は、ガラス原料の熱分解(例えば、金属炭酸塩から金属酸化物への熱分解など)、ガラス化反応と呼ばれるガラスとなる成分の反応と溶融、などの化学反応により液状のガラス粒子となる。固体粒子が液状のガラス粒子となるメカニズムはガラス原料粒子とガラスカレット片とでは異なるが、生成する液状のガラス粒子はほぼ同一のガラス組成の液状のガラス粒子である。
【0050】
また、酸素燃焼バーナ36、36は、ガラスカレット片投入筒34を挟んで所定の間隔を持って配置される。すなわち、ガラスカレット片投入筒34の周囲に酸素燃焼バーナ36、36のノズル40、40が配置される。
【0051】
更に、酸素燃焼バーナ36、36は、ガラスカレット片投入筒34によるカレット片投入軸(O)に対して、その火炎方向(b)の角度(θ)が1°≦θ≦75°となるように傾斜して配置されている。このように酸素燃焼バーナ36は、鉛直軸であるカレット片投入軸(O)に向って火炎42を吹き付けるようにカレット片投入軸(O)に対し1°≦θ≦75°の角度をもって設置されているため、ガラスカレット片投入筒34からカレット片投入軸(O)に沿って落下中のガラスカレット片26、26…は、その火炎42中に効率よく通過する。ここで、酸素燃焼バーナ36の先端部のノズル40とガラスカレット片投入筒34の投入口38との水平距離は、落下中のガラスカレット片26、26…をその火炎42中に効率よく通過させるという目的と、酸素燃焼バーナ36の能力とに応じて適宜設定される。例えば、酸素燃焼バーナ36は、ガラスカレット片26の落下高さを1〜3mとすることができる場合には、カレット片投入軸(O)に対し10°≦θ≦30°の角度をもって設置されることがより好ましい。これによって、酸素燃焼バーナ36による火炎42をガラスカレット片26により長い時間当てることができるので、ガラスカレット片26のより大きい部分を溶融できる。
【0052】
なお、酸素燃焼バーナ28と同様に、酸素燃焼バーナ36に代えて熱プラズマを発生させる一対以上の電極で構成される多相アークプラズマ発生装置を溶融槽12の壁面に設けてもよい。また、酸素燃焼バーナ36及び前記多相アークプラズマ発生装置の双方を溶融槽12に設けてもよい。酸素燃焼バーナ36の火炎42の温度、及び熱プラズマの温度は前述した温度と同様である。
【0053】
また、ガラスカレット片投入筒34、34…から投下される多数のガラスカレット片26、26…の流れによって、煙道16を中心として第1の気相部を包囲する包囲形態が形成される。このガラスカレット片の流れは鉛直方向に中心軸を有する略筒状に形成され、浮遊粒子24、24…から溶融槽12の炉壁44を仕切る機能を有する。
【0054】
次に、前記の如く構成された溶融ガラスの製造装置の作用について説明する。
【0055】
実施の形態のガラス溶融炉は、ガラス原料粒子を溶融する溶融炉である。第1の気相部は第1の加熱手段である8台の酸素燃焼バーナ28、28…によって形成される火炎32、32…やその周囲に形成される高温域であり、ガラス原料粒子をこの第1の気相部中で液状ガラス粒子とする。すなわち、酸素燃焼バーナ28、28…からガラス原料粒子を炉内に投入し、火炎32、32…中を降下するガラス原料粒子等22を加熱溶融して液状ガラス粒子とする。ガラス原料粒子からガラス原料粒子等22、22…を経て形成された液状ガラス粒子は下方に向って落下し、炉底部60に集積してガラス融液Gとなり、ガラス融液Gは炉底部60に一時貯留される。
液状ガラス粒子は、個々の粒子として炉底部60ないしガラス融液G表面に達することは必須ではない。液状ガラス粒子は、気相中でその2つ以上が融着して炉底部60ないしガラス融液G表面に着地してもよい。
【0056】
このようなガラス原料粒子の加熱・溶融時において、ガラス原料粒子等22、22…の一部は浮遊粒子24、24…となり、この浮遊粒子24、24…は、従来の技術では、第1の気相部から散逸し炉内で浮遊する。
【0057】
そこで、実施の形態の溶融槽12は、天井壁14の略中央部に煙道16を配置し、この煙道16の周囲に8台の第1加熱ユニット18、18…を配置している。このため、炉内の浮遊粒子24、24…は、周囲の炉壁44に向うことなく、煙道16の吸引力により吸引されて炉外に排気除去される。
【0058】
これにより、この溶融槽12によれば、炉壁44に付着する浮遊粒子24、24…の付着量が激減するので、浮遊粒子24、24…が炉壁44に付着することに起因する炉壁損傷とガラス融液Gの品質低下を防止することができる。
【0059】
また、この溶融槽12では、ガラス原料粒子を投入するとともに8本のガラスカレット片投入筒34、34…からガラスカレット片26、26…を投下し、煙道16を中心とする略円筒状のガラスカレット片の流れによる包囲形態を炉内に形成している。すなわち、浮遊粒子24、24…を包囲するように、8本のガラスカレット片投入筒34、34…からガラスカレット片26、26…を落下させ、浮遊粒子24、24…から炉壁44を仕切っている。そして、炉壁44に向おうとする浮遊粒子24、24…の一部を、落下中のガラスカレット片26、26…の表面に付着させて捕集し、溶融槽12のガラス融液Gに落下させている。
【0060】
これにより、この溶融槽12によれば、この包囲形態によって浮遊粒子24、24…の炉壁44への飛散を抑えることができるため、炉壁44に浮遊粒子24、24が付着するのを確実に阻止することができる。
【0061】
一方、ガラスカレット片投入筒34、34…から投入されるガラスカレット片においては、カレット片自体が飛散することが少ないこと、及びガラスカレット片をガラス製造工程中または市場から回収、貯蔵し、ガラスカレット片投入口まで搬送する観点における取扱上の効率を考慮して、ガラスカレット片投入筒34、34…に投入するために、その粒径を規定することが好ましい。ガラスカレット片の粒径としては、その短径(a)が0.1mm<a<50mmであることが好ましい。この短径(a)のガラスカレット片は、網目の目開き(Opening)の大きさが0.1mmの篩に残り、かつ、網目の目開き(Opening)の大きさが50mmの篩を通過するものであることが好ましい。ガラスカレット片の短径(a)は、5mm<a<20mmであることが、ガラスカレット片の飛散防止や上記取扱いの観点からさらに好ましい。また、ガラスカレット片投入部はこの大きさのガラスカレット片を投入するための構造(投入筒の内径など)を有することが好ましい。なお、短径(a)が50mm以上となっても、投下中のガラスカレット片の表面に浮遊粒子を付着させて捕集する効果に変わりはない。
【0062】
実施の形態では、このような短径(a)のガラスカレット片を、ガラスカレット片投入筒34、34…から炉内に投入し、降下中のガラスカレット片26、26…を酸素燃焼バーナ36、36の火炎42、42によって加熱する。加熱されたガラスカレット片26、26…は下方に向って落下する。
ガラスカレット片が第2加熱ユニットによって、少なくとも表面が液状化したガラス粒子は、ガラス融液Gの表面に達する前にその2つ以上が融着し、融着した液状ガラス粒子がガラス融液Gに着地してもよい。この少なくとも表面が液状化したガラス粒子が比較的大きい粒子であることより、落下中の液状化したガラス粒子は相互に接触しやすく、複数の液状化したガラス粒子が接触した場合には融着してさらに大きな液状化したガラス粒子や塊状物となることがある。さらには多数の液状化したガラス粒子が一体化した液体の流れとなってガラス融液Gに達することもある。1つのガラスカレット片投入筒34、34…から投入される単位時間あたりのガラスカレット片の量が多くなると、このような液状化したガラス粒子の融着が起こりやすい。
【0063】
なお、酸素燃焼バーナ36によってガラスカレット片26をその降下中に完全に溶融できればよいが、ガラスカレット片26は微粒子状のガラス原料粒子と比較してサイズがはるかに大きいため、完全に溶融することは難しい。よって、未溶融のガラスカレット片26、26…が炉内のガラス融液Gの表面上に着地するが、この場合、未溶融のガラスカレット片26、26…は、酸素燃焼バーナ28、36による熱、及び炉体からの輻射熱によって加熱されて溶融し、ガラス融液Gとなるので問題はない。
【0064】
また、酸素燃焼バーナ36は、ガラスカレット片26のみを単独に予熱するものではなく、ガラス原料粒子等22及び溶融槽12内のガラス融液Gも加熱することから、炉外に設置されたガラスカレット片の予熱装置とは機能が全く異なる。
前述の如くガラスカレット片26を第2加熱ユニットによる第2の気相中で完全に液状化する必要はないが、このように複数の酸素燃焼バーナ36、36…を配置することによりガラスカレット片26の溶融率が向上するので、ガラス融液の均質化に必要な二次加熱に要する熱量を削減することができる。更に、酸素燃焼バーナ36の本数を増加させることにより、ガラスカレット片26、26…を均等に加熱することができるので、溶融率が更に向上する。なお、酸素燃焼バーナ36を、酸素燃焼バーナ36の使用本数が増えるに従って小能力型のものに変更することもできる。これにより、酸素燃焼バーナ36に使用する燃料を節約することができる。
【0065】
よって、この溶融槽12によれば、ガラス原料粒子とともにガラスカレット片を、溶融槽12に投入し溶融することができるため、数十トン/日以上、及び数百トン/日以上のガラス製品生産に適した大規模溶融炉に好適となる。
【0066】
図3は、本発明のガラス製品の製造装置を構成する第2の実施の形態のガラス溶融炉50の縦断面図、図4はガラス溶融炉50の天井部を除いた要部平断面図であり、図1図2に示したガラス溶融炉10と同一又は類似の部材については同一の符号を付して説明する。
【0067】
ガラス溶融炉50の溶融槽52は、直方体形状に構成され、上部の炉壁部である天井壁54に、1本の煙道16、8台の第1加熱ユニット18、18…、及び8台の第2加熱ユニット20、20…がそれぞれ下向きに天井壁54を貫通して設けられている。これらの煙道16、第1加熱ユニット18、18…、及び第2加熱ユニット20、20…の配置形態は図1図2に示した形態と同一である。
【0068】
この溶融槽52は直方体形状であるが、煙道16の周囲に第1加熱ユニット18、18…を配置したこと、及び第1加熱ユニット18、18…を包囲するように第2加熱ユニット20、20…を配置したことにより、図1図2に示したガラス溶融炉10と同様の効果を得ることができる。
【0069】
なお、図3図4の符号56は出口であり、溶融槽52で溶融されたガラス融液Gは、出口56を介して下流側に供給される。よって、煙道16、第1加熱ユニット18、18…、及び第2加熱ユニット20、20…からなる溶融ユニットは、溶融槽52においてガラス融液Gの上流側に配置されているが、配置位置はこれに限定されるものではなく、中流側、下流側、及び全域に配置してもよい。また、複数の溶融ユニットを天井壁54に並設してもよい。
【0070】
また、実施の形態では、第2加熱ユニット20を備えたガラス溶融炉10、50を例示したが、ガラスカレット片投入筒34のみで、気相を形成する加熱手段としての酸素バーナを備えていないガラス溶融炉においても本発明を適用することができる。
【0071】
図5は、実施の形態のガラス製品の製造方法の実施の形態を示したフローチャートである。図5では、ガラス製品の製造方法の構成要素である溶融ガラス製造工程(S1)、及び成形手段による成形工程(S2)、並びに徐冷手段による徐冷工程(S3)に加えて、さらに必要に応じて用いる切断工程、その他後工程(S4)が示されている。
【0072】
図1図4の溶融槽12、52で溶融されたガラス融液Gは、出口及び不図示の導管構造を経て成形手段へと送られ成形される(成形工程)。成形後のガラスは、成形後に固化したガラスの内部に残留応力が残らないように徐冷手段によって徐冷され(徐冷工程)、さらに必要に応じて切断され(切断工程)、その他後工程を経て、ガラス製品となる。
【0073】
例えば、板ガラスの場合には、ガラス融液Gを成形手段によってガラスリボンに成形し、それを徐冷手段によって徐冷した後、所望の大きさに切断し、必要に応じてガラス端部を研磨するなどの後加工をして板ガラスが得られる。
【0074】
本発明の溶融ガラス製造方法によって製造される溶融ガラスは、気中加熱溶融法により製造される溶融ガラスである限り、組成的には制約はない。したがって、ソーダライムガラスや、ホウケイ酸ガラスであってもよい。また、製造されるガラス製品の用途は、建築用や車両用に限定されず、フラットパネルディスプレイ用、その他の各種用途が挙げられる。
【0075】
建築用または車両用の板ガラスに使用されるソーダライムガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:65〜75%、Al23:0〜3%、CaO:5〜15%、MgO:0〜15%、Na2O:10〜20%、K2O:0〜3%、Li2O:0〜5%、Fe23:0〜3%、TiO2:0〜5%、CeO2:0〜3%、BaO:0〜5%、SrO:0〜5%、B23:0〜5%、ZnO:0〜5%、ZrO2:0〜5%、SnO2:0〜3%、SO3:0〜0.5%、という組成を有することが好ましい。
【0076】
液晶ディスプレイ用又は有機ELディスプレイ用の基板に使用される無アルカリガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:39〜70%、Al23:3〜25%、B2:1〜20%、MgO:0〜10%、CaO:0〜17%、SrO:0〜20%、BaO:0〜30%、という組成を有することが好ましい。
【0077】
プラズマディスプレイ用の基板に使用される混合アルカリ系ガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:50〜75%、Al23:0〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO:6〜24%、Na2O+K2O:6〜24%、という組成を有することが好ましい。
【0078】
その他の用途として、耐熱容器または理化学用器具等に使用されるホウケイ酸ガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2:60〜85%、Al23:0〜5%、B2:5〜20%、Na2O+K2O:2〜10%、という組成を有することが好ましい。
【0079】
本実施形態では、第1加熱ユニット及びガラスカレット片投入筒は、鉛直方向下向きに設置されていることとして説明したが、これに限らず、下向きであれば傾斜して設置されていることとしても構わない。
【0080】
本実施形態では、第1加熱ユニット及びガラスカレット片投入筒の両者は、ガラス溶融炉の天井部に設置されていることとして説明したが、これに限らず、両者がガラス溶融炉の上部にあればよいので、例えば第1加熱ユニットがガラス溶融炉の天井部に設置され、ガラスカレット片投入筒がガラス溶融炉の側壁に設置されることとしても構わない。
【0081】
本実施形態では、煙道が1本設置されていることとして説明したが、これに限らず、1本の煙道が設置される位置に複数の煙道が設置され、それらが1本の煙道と同様の排煙効果を奏するように設置されれば構わない。
【0082】
本実施形態では、ガラス溶融炉の天井面は、フラットな形状であるとして説明したが、これに限らず、アーチ形状、ドーム形状、などであるとしても構わない。
さらに、本実施形態では、ガラスカレット片をガラス原料粒子と併用して溶融ガラスを製造する例を説明したが、ガラスカレット片の併用は必須ではなく、ガラス原料粒子のみから溶融ガラスを製造してもよい。さらに、ガラスカレット片を併用する場合、本実施形態では、投入されたガラスカレット片を加熱するための第2の加熱手段を用いる例を説明したが、第2の加熱手段の使用(およびそれにより形成される第2の気相部の形成)は必須ではない。即ち、炉内に投入され気相中を落下するガラスカレット片を加熱するための特別な構成を採用することなく、ガラス原料粒子から生成するガラス融液中にガラスカレット片を投入して溶融させることができる。この際、ガラス融液の温度が低下するなどの不都合があれば、ガラス融液を加熱する手段などを採用して熱エネルギーの不足を解消することができる。
【0083】
また、本実施形態では、煙道と複数の第1加熱ユニットと任意に第2加熱ユニットとからなる組み合わせをガラス溶融炉に1つ有するガラス溶融炉について説明したが、このような組み合わせはガラス溶融炉中に複数設けてもよい。例えば、図3および図4にはガラス溶融炉50に、煙道16と複数の第1加熱ユニット18、18・・と第2加熱ユニット20、20・・とからなる組み合わせを1つ有するが、ガラス溶融炉にこのような組み合わせを2つ以上設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明により製造された溶融ガラスは、フロートバス、フュージョン成形機、ロールアウト成形機、ブロー成形機、プレス成形機等の成形手段で各種形状のガラス製品に成形される。

なお、2009年7月8日に出願された日本特許出願2009−161841号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
【符号の説明】
【0085】
10…ガラス溶融炉、12…溶融槽、14…天井壁、16…煙道、17…冷却装置、18…第1加熱ユニット(ガラス原料粒子投入部及び第1の気相部を形成する加熱手段)、19…集塵装置、20…第2加熱ユニット(ガラスカレット片投入部及び第2の気相を形成する加熱手段)、21…吸引ファン、22…第1の気相部中のガラス原料粒子等、23…ガス供給部、24…浮遊粒子、25…排ガス系、26…第2の気相部中のガラスカレット片、28…酸素燃焼バーナ、30…ノズル、32…火炎、34…ガラスカレット片投入筒、36…酸素燃焼バーナ、38…投入口、40…ノズル、42…火炎、44…炉壁、50…ガラス溶融炉、52…溶融槽、54…天井壁、56…出口、60…炉底部
図1
図2
図3
図4
図5