特許第5717539号(P5717539)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5717539
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】受信機及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04H 20/59 20080101AFI20150423BHJP
   H04N 7/173 20110101ALI20150423BHJP
   H04H 60/13 20080101ALI20150423BHJP
【FI】
   H04H20/59
   H04N7/173 630
   H04H60/13
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2011-112771(P2011-112771)
(22)【出願日】2011年5月19日
(65)【公開番号】特開2012-244430(P2012-244430A)
(43)【公開日】2012年12月10日
【審査請求日】2014年4月15日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】武智 秀
(72)【発明者】
【氏名】三矢 茂明
(72)【発明者】
【氏名】松村 欣司
(72)【発明者】
【氏名】馬場 秋継
(72)【発明者】
【氏名】藤沢 寛
(72)【発明者】
【氏名】金次 保明
(72)【発明者】
【氏名】浜田 浩行
【審査官】 川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/027504(WO,A1)
【文献】 特開2011−061575(JP,A)
【文献】 特開2011−097563(JP,A)
【文献】 特開2009−038548(JP,A)
【文献】 特表2006−526909(JP,A)
【文献】 (1)アプリケーション記述子(Application descriptor),ARIB STD−B23,2009年 7月29日,1.2版,p.59−61
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04H 20/00 − 20/95
H04H 40/00 − 40/90
H04H 60/00 − 60/98
H04N 7/173
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してサーバに接続されると共に、放送局から放送された、番組コンテンツと共に複数の情報が多重化されて構成された放送信号を受信する受信機であって、
プリインストールされている第1アプリケーションを記憶する記憶手段と、
前記放送局から放送された前記放送信号に、実行優先度を含むアプリケーション管理情報が多重化されている場合、当該アプリケーション管理情報の内容を解析して、前記アプリケーション管理情報から前記実行優先度を取得する解析手段と、
前記解析手段により解析された前記アプリケーション管理情報に、前記実行優先度の高い前記第1アプリケーションの起動情報が含まれている場合、前記記憶手段に記憶される前記第1アプリケーションを起動させる制御を実行する起動制御手段と、
前記解析手段により解析された前記アプリケーション管理情報に、前記実行優先度の低いサーバアプリケーションの起動情報が含まれている場合、前記ネットワークを介して前記サーバから前記サーバアプリケーションを取得して、取得した前記サーバアプリケーションを起動して実行する起動実行手段と、
を備える受信機。
【請求項2】
前記記憶手段は、さらに、前記第1アプリケーションに対応付けられた第2アプリケーションを記憶しており、
前記起動制御手段は、前記第1アプリケーションの起動後に所定の条件が満たされた場合、前記第2アプリケーションを起動させる制御を実行する、
請求項1に記載の受信機。
【請求項3】
ネットワークを介してサーバに接続されると共に、放送局から放送された、番組コンテンツと共に複数の情報が多重化されて構成された放送信号を受信する機能を有し、プリインストールされている第1アプリケーションを記憶する記憶手段を備える受信機を制御するコンピュータに、
前記放送局から放送された前記放送信号に、実行優先度を含むアプリケーション管理情報が多重化されている場合、当該アプリケーション管理情報の内容を解析して、前記アプリケーション管理情報から前記実行優先度を取得する解析手段、
前記解析手段により解析された前記アプリケーション管理情報に、前記実行優先度の高い前記第1アプリケーションの起動情報が含まれている場合、前記記憶手段に記憶される前記第1アプリケーションを起動させる制御を実行する起動制御手段、
前記解析手段により解析された前記アプリケーション管理情報に、前記実行優先度の低いサーバアプリケーションの起動情報が含まれている場合、前記ネットワークを介して前記サーバから前記サーバアプリケーションを取得して、取得した前記サーバアプリケーションを起動して実行する起動実行手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送と通信の連携を図る機能を有する受信機及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送のデジタル化と通信のブロードバンド化の進展に伴い、放送通信連携サービスの実現に向けた研究開発が行われている。
【0003】
また、この放送通信連携サービスにおいては、放送と通信という異なる伝送路を用いて複数のコンテンツを配信し、デジタルテレビ等の受信機において、配信された複数のコンテンツを統合して提示する形態が想定される。
【0004】
ところで、現在、データ放送では、XML(eXtensible Markup Language)をベースとした、マルチメディア符号化用に開発されたBML(Broadcast Markup Language)という放送サービスに必要な機能を拡張した言語を用いて、様々なコンテンツが提供されている(特許文献1を参照)。
【0005】
また、非特許文献1によれば、デジタル放送におけるアプリケーションプログラム(以下、アプリケーションと記載する)の実行環境を実現するにあたり、アプリケーションに関する全ての情報及びアプリケーションに要求された起動情報等が格納されるアプリケーション情報テーブル(Application Information Table:AIT)が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−60931号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「デジタル放送におけるアプリケーション実行環境 標準規格 ARIB STD−B23 1.2版」 第二部10.16,平成21年7月29日策定,社団法人 電波産業会
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、データ放送では、全ての情報を放送波に多重化させる必要があるため、放送波で送信可能なデータ容量に一定の制限がある。
【0009】
このような状況の下、送信可能なデータの容量に制限のない通信を、放送と連携させるシステムの実現が要求されている。
【0010】
特に、このようなシステムにおける受信機で実行されるアプリケーションは、サーバから通信の伝送路を経由してダウンロードされた後に起動されることが想定される。しかしながら、緊急地震速報を提示するアプリケーション等、起動までの時間が厳しく制約されるアプリケーションは、通信の状況やサーバの状態によって制約時間内に起動されないおそれがある。そこで、アプリケーションの高速起動が要求されている状況である。
【0011】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、放送と通信の連携を図るシステムにおいて、受信機でのアプリケーションの高速起動を可能にすることを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る受信機は、ネットワークを介してサーバに接続されると共に、放送局から放送された、番組コンテンツと共に複数の情報が多重化されて構成された放送信号を受信する受信機であって、プリインストールされている第1アプリケーションを記憶する記憶手段と、前記放送信号にアプリケーション管理情報が多重化されている場合、当該アプリケーション管理情報の内容を解析する解析手段と、前記解析手段により解析された前記アプリケーション管理情報に、前記第1アプリケーションの起動情報が含まれている場合、前記第1アプリケーションを起動させる制御を実行する起動制御手段と、を備える構成とした。
【0013】
かかる構成によれば、第1アプリケーションは、受信機にプリインストールされているので、受信機は、当該第1アプリケーションの起動を、サーバに存在するアプリケーションの起動の場合と比較して高速に行うことができる。
【0014】
また、受信機では、前記アプリケーション管理情報には、実行優先度が含まれており、前記解析手段は、前記アプリケーション管理情報から前記実行優先度を取得し、前記起動制御手段は、前記第1アプリケーションを起動させ、前記解析手段により取得された前記実行優先度に応じた実行の制御をするようにしてもよい。
【0015】
かかる構成によれば、起動された第1アプリケーションは、当該実行優先度に応じた実行がなされるので、第1アプリケーションに対して実行時間に制約が課されている場合であっても、制約時間内に適切に実行を開始させることができる。
【0016】
また受信機では、前記記憶手段は、さらに、前記第1アプリケーションに対応付けられた第2アプリケーションを記憶しており、前記起動制御手段は、前記第1アプリケーションの起動後に所定の条件が満たされた場合、前記第2アプリケーションを起動させる制御を実行するようにしてもよい。
【0017】
かかる構成によれば、第1アプリケーションの起動後に所定の条件が満たされると、第2アプリケーションが起動されるので、第1アプリケーションと第2アプリケーションとの組み合わせにより、各種処理や各種サービスの実現の可能性を高めることができる。
【0018】
本発明に係るプログラムは、ネットワークを介してサーバに接続されると共に、放送局から放送された、番組コンテンツと共に複数の情報が多重化されて構成された放送信号を受信する機能を有し、プリインストールされているアプリケーションを記憶する記憶手段を備える受信機を制御するコンピュータに、前記放送信号にアプリケーション管理情報が多重化されている場合、当該アプリケーション管理情報の内容を解析する解析手段、前記解析手段により解析された前記アプリケーション管理情報に、前記アプリケーションの起動情報が含まれている場合、前記アプリケーションを起動させる制御を実行する起動制御手段、として機能させることにした。
【0019】
かかる構成によれば、アプリケーションは、受信機にプリインストールされているので、コンピュータは、受信機における当該アプリケーションの起動の制御を、サーバに存在するアプリケーションの起動の場合と比較して高速に行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、放送と通信の連携を図るシステムにおいて、受信機でのアプリケーションの高速起動を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】放送通信連携システムの全体構成図である。
図2】デジタル放送に係る放送信号の伝送プロトコルのスタックを示す図である。
図3】受信機の機能構成を示すブロック図である。
図4】XML形式で記述されたAITの構造の一例を示す図である。
図5図3の受信機のアプリケーション実行制御手段の機能的構成を示す機能ブロック図である。
図6図5のアプリケーション実行制御手段によるアプリケーション起動実行処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る放送通信連携システム100の全体構成図である。放送通信連携システム100は、放送局1と、放送用アンテナ2と、サービスサーバ3と、受信機4とを含んで構成される。この放送通信連携システム100では、受信機4において、ISDB(Integrated Services Digital Broadcasting:統合デジタル放送サービス)方式によって放送局1から提供される放送サービスと、インターネット等により構成される通信ネットワークNを介してサービスサーバ3から提供される通信サービスとが連携される。これにより、放送通信連携サービスが、受信機4のユーザに提供する。
【0023】
放送局1は、番組編成設備と、番組送出設備と、送信設備とを含んで構成される一般的なデジタル放送用の放送設備(図示省略)を備える。
放送局1は、放送設備によって、コンテンツや、イベント情報(Event Information Table:EIT)や、AIT(以下、アプリケーション管理情報とも適宜呼ぶ)等を制作する。そして、放送局1は、放送設備によって、これらコンテンツ、イベント情報及びAIT等を多重化した放送信号を生成し、当該放送信号を放送波に変調して放送用アンテナ2から送信する。
【0024】
このような放送波に含まれるコンテンツとしては、放送スケジュールに従って放送される番組を構成する映像や音声の各データを含むコンテンツ(以下、番組コンテンツと呼ぶ)の他、番組コンテンツとは非同期に発生するコンテンツ、例えば緊急地震速報等を含むコンテンツ(以下、緊急コンテンツと呼ぶ)も存在する。
【0025】
イベント情報は、番組コンテンツの名称、番組コンテンツの放送日時、番組コンテンツの説明等、コンテンツに関するメタ情報を含む。以下、テーブル形式のイベント情報をEITと呼ぶ。
AIT(アプリケーション管理情報)は、受信機4で実行可能な1以上のアプリケーションを管理するための情報である。AITには、1以上のアプリケーションのそれぞれに対応し、当該1以上のアプリケーションのそれぞれを管理するための個別管理情報が含まれる。個別管理情報には、管理対象のアプリケーションを識別するアプリケーションID、当該アプリケーションのライフサイクルを制御するライフサイクル制御情報、当該アプリケーションの所在を示すロケーション情報等が含まれている(後述の図4参照)。
【0026】
アプリケーションが受信機4で提示するコンテンツには、番組コンテンツに連動するコンテンツ及び番組コンテンツに連動しないコンテンツが含まれる。以下、アプリケーションにより提供されるコンテンツをアプリ用コンテンツという。
【0027】
放送信号は、従来のデジタル放送の放送信号と同一であり、ARIB(登録商標)(Association of Radio Industries and Broadcast:社団法人電波産業会)標準規格で規定される。
【0028】
図2は、デジタル放送に係る放送信号の伝送プロトコルのスタックを示す図である。図2に示すように、デジタル放送によって提供される映像、音声等の各種データは、国際標準規格MPEG−2 Systemsで規定されるTSパケット(トランスポートストリームパケット)に格納されて、時分割で多重伝送される。
【0029】
TSパケットには、図2に示すように、セクション(Section)に対してPSI(Program Specific Information)/SI(Service Information)が規定されている。PSI/SIには、TSパケットに格納されているデータの種別を示す情報や、コンテンツの種別を示す情報が含まれている。上述のEITは、SIに含まれている。
【0030】
TSパケットによるデータ伝送は、セクションを用いてデータを伝送する方式とPES(Packetized Elementary Stream)パケットを用いてデータを伝送する方式(データストリーム伝送方式)とに分類される。
【0031】
セクションを用いてデータを伝送する方式には、データカルーセル伝送方式と、イベントメッセージ伝送方式が含まれる。
【0032】
データカルーセル伝送方式は、1以上のデータを一定周期で繰り返し伝送する伝送方式である。データカルーセル伝送方式によって伝送される個々のデータ(モジュール)には、それらを一意に識別するための識別情報が付されている。データカルーセル伝送方式は、受信機4側に個々のデータを任意のタイミングで取得させるために用いられる。
【0033】
イベントメッセージ伝送方式は、放送局1から受信機4に対して、トリガ信号を送るための方式である。イベントメッセージ伝送方式は、データ量が少ないメッセージを放送局1から受信機4に伝送する場合に用いられる。
【0034】
データストリーム伝送方式は、伝送するデータをPESパケットに収容してストリームとして伝送する伝送方式である。データストリーム伝送方式は、映像、音声、字幕データ等のリアルタイム型のデータや、他のストリームとの同期を要するデータの伝送に用いられる。
【0035】
ここで、AITは、TSパケットを用いて様々な方法によって伝送可能である。
すなわち、AITは、セクションを用いるSIに含まれるEITに対して記述することによって伝送可能である。
【0036】
また、AITは、バイナリ表現又はXML(Extensible Markup Language)によるテキスト表現で記述して、セクションを用いてデータカルーセル伝送方式により伝送可能である。AITをデータカルーセル伝送方式により伝送する場合、受信機4側でAITであることを認識できるようにモジュールに対して識別情報が付される。
本実施形態では、AITの伝送方法は、上記の伝送方法の少なくともいずれかに予め規定されているものとする。
【0037】
なお、XMLをベースとした、マルチメディア符号化用に開発されたBMLは、W3C(登録商標)(World Wide Web Consortium)が定義したxHTMLを基礎とし、手続き型言語にはJavaScript(登録商標)を基礎としたECMAScriptを用いて国際標準との整合性を考慮して定義された規格である。
【0038】
サービスサーバ3は、図示は省略するが、放送済みの番組コンテンツや、アプリ用コンテンツを配信するコンテンツ配信サーバと、受信機4で動作する各種のアプリケーションを配信するアプリケーション配信サーバとを備える。
【0039】
サービスサーバ3は、放送局1の設備と通信可能に接続されており、番組コンテンツや、番組コンテンツのメタデータを放送局1から受信する。
サービスサーバ3は、受信機4から番組コンテンツの取得要求を受け付けたことに応じて、受信機4に対して番組コンテンツを送信する。
【0040】
また、サービスサーバ3は、受信機4からアプリケーションの取得要求を受け付けたことに応じて、受信機4に対してアプリケーションを送信する。さらに、サービスサーバ3は、受信機4においてアプリケーションが実行されている場合に、映像や音声等の各データを含むアプリ用コンテンツを受信機4に送信する。
【0041】
また、サービスサーバ3は、必要に応じて、番組コンテンツに対してAITを多重化させて受信機4に送信する。
【0042】
受信機4は、放送局1からの放送又はサービスサーバ3との通信を介して受信する番組コンテンツに対して所定の処理を行うことにより、番組コンテンツを構成する映像や音声を同期して出力する。また、受信機4は、AITに基づいて、アプリケーションを適宜取得し、取得したアプリケーションを起動して実行する。また例えば、受信機4は、実行されているアプリケーションによってサービスサーバ3からアプリ用コンテンツを取得し、番組コンテンツに連携させて出力することも可能である。なお、アプリ用コンテンツの出力は、必ずしも番組コンテンツに連携させる必要はない。
以下、このような受信機4の機能について詳述する。
【0043】
図3は、受信機4の機能構成を示すブロック図である。
受信機4は、放送波受信手段11と、第1分離手段12と、放送AIT取得手段13と、通信手段14と、第2分離手段15と、通信AIT取得手段16と、アプリケーション実行制御手段17と、音声制御手段18と、表示制御手段19と、音声出力手段20と、表示手段21と、保持手段22と、AIT記憶手段23と、アプリケーション記憶手段24とを備える。
【0044】
放送波受信手段11は、放送用アンテナ2を介して放送局1から送信されてくる放送波を受信する。
【0045】
第1分離手段12は、放送波受信手段11に受信された放送波を復調することによって、放送信号、すなわちTSパケットを抽出する。そして、第1分離手段12は、TSパケットのPSI/SIを参照して、TSパケットに含まれているデータの種別を判別し、映像、音声、EIT等の各種データを分離して抽出する。また、第1分離手段12は、予め規定されているAITの伝送方法に応じて、セクションやPESを参照してAITを分離して抽出する。
【0046】
続いて、第1分離手段12は、TSパケットのPESに含まれているデータが音声データである場合、この音声データを音声制御手段18に出力する。また、第1分離手段12は、TSパケットのPESに含まれているデータが映像データである場合、この映像データを表示制御手段19に出力する。
【0047】
また、第1分離手段12は、抽出したEITやその他の各種データを保持手段22に記憶させる。ここで、各種データの中には、緊急コンテンツに含まれる緊急地震速報等のデータも存在し得る。また、第1分離手段12は、AITを抽出した場合、抽出したAITを放送AIT取得手段13に出力する。
【0048】
放送AIT取得手段13は、第1分離手段12から出力されたAITを取得し、AIT記憶手段23に記憶させる。
【0049】
通信手段14は、通信ネットワークNを介するサービスサーバ3との間で各種情報を送受信したり、リモートコントローラR(以下、リモコンRと略記する)からの操作信号を受信する。
【0050】
第2分離手段15は、サービスサーバ3から通信ネットワークNを介して送信されてきて通信手段14に受信されたデータの種別を判別し、その判別結果に基づいてデータの出力先を分離する。例えば、第2分離手段15は、受信したデータがAITであると判別した場合、このAITを通信AIT取得手段16に出力する。また、第2分離手段15は、受信したデータがアプリケーションであると判別した場合、このアプリケーションをアプリケーション実行制御手段17に出力する。
【0051】
また、第2分離手段15は、受信したデータがTSパケットであると判別した場合、映像、音声、AIT等の各種データをTSパケットから分離して抽出する。そして、第2分離手段15は、AITを抽出した場合、このAITを通信AIT取得手段16に出力し、AIT以外のデータ(アプリ用コンテンツを構成する映像や音声の各データ等)を抽出した場合、このデータをアプリケーション実行制御手段17に出力する。
【0052】
通信AIT取得手段16は、第2分離手段15から出力されたAITを取得し、AIT記憶手段23に記憶させる。
【0053】
アプリケーション実行制御手段17は、AITに基づいてアプリケーションを取得し、取得したアプリケーションの起動及び実行を制御する。
なお、アプリケーションの取得先は、本実施形態では、外部のサービスサーバ3と、内部のアプリケーション記憶手段24との2種類が存在するものとする。アプリケーション実行制御手段17は、アプリケーションの実行によってサービスサーバ3からアプリ用コンテンツが取得されると、当該アプリ用コンテンツから音声と映像の各データを分離して、音声のデータを音声制御手段18に、映像のデータを表示制御手段19に、それぞれ出力する。
【0054】
ここで、アプリケーション実行制御手段17により実行が制御されるアプリケーションの管理用のAITの構造の例を詳細に説明する。
図4は、XML形式で記述されたAITの構造の一例を示す図である。
上述したように、AITには、1以上のアプリケーションそれぞれに対応し、1以上のアプリケーションそれぞれを管理するための個別管理情報がそれぞれ含まれる。
具体的には、図4に示される<mhp:Application>タグから</mhp:Application>タグまでに記述されているコードは、一のアプリケーションを管理するための個別管理情報に対応している。AITには、</mhp:Application>タグの後に、他のアプリケーションの個別管理情報を新たに記述することによって、複数の個別管理情報を記述することができる。
【0055】
また、個別管理情報に対応するコードのうち、例えば、<mhp:appId>タグに対応するコードは、アプリケーションのID(識別情報)を示している。また、<mhp:controlCode mhp:type=“ARIB−J”>タグに対応するコードは、このアプリケーションのライフサイクル制御情報を示しており、図4に示す「AUTOSTART」は、受信機4によってアプリケーションを自動実行させるライフサイクル制御情報である。また、<mhp:location>タグに対応するコードは、このアプリケーションの所在を示すロケーション情報を示している。図4の例では、ロケーション情報には、アプリケーションの所在として、サービスサーバ3のアドレスが記述されている。
なお、ロケーション情報には、アプリケーションの所在として、受信機4を指定することもできる。この場合、本実施形態では、アプリケーション実行制御手段17は、後述するアプリケーション記憶手段24をアプリケーションの所在として認識し、当該アプリケーション記憶手段24からアプリケーションを取得する。
【0056】
アプリケーション実行制御手段17は、AIT記憶手段23を監視し、新たにAITが記憶された場合に、このAITに記述されているライフサイクルに係る制御情報を参照する。そして、アプリケーション実行制御手段17は、ライフサイクルに係る制御情報が「自動実行」を示すものである場合、AITに記述されているロケーション情報をアプリケーションの取得先として認識する。例えば取得先がサービスサーバ3であった場合には、アプリケーション実行制御部17は、通信手段14及び第2分離手段15を介してサービスサーバ3からアプリケーションを取得し、取得したアプリケーションを起動して実行する。この場合、アプリケーションは、受信機4のユーザから明示的な操作指示を受けることなく自動的に実行される。
【0057】
また、アプリケーション実行制御手段17は、受信機4のユーザからリモコンRを介してアプリケーションの実行指示を受け付ける。例えば、リモコンRには、Hybridcast(登録商標)ボタンが設けられており、アプリケーション実行制御手段17は、受信機4のユーザによってHybridcastボタンが押下されたことに応じて、実行するアプリケーションの選択を受け付けるためのメニュー画面の実行指示を受け付ける。アプリケーション実行制御手段17は、メニュー画面の実行指示を受け付けたことに応じて、AIT記憶手段23を参照し、実行可能なアプリケーションのAITを特定する。そして、アプリケーション実行制御手段17は、特定したAITに対応するアプリケーションを選択可能なメニューの画像データを生成して、当該画像データを表示制御手段19に出力することで、このメニューを表示手段21に表示させる。受信機4のユーザからリモコンRを介してアプリケーションの選択操作を受け付けた場合、アプリケーション実行制御手段17は、AITに記述された当該アプリケーションのロケーション情報を参照してアプリケーションを取得し、アプリケーションを起動して実行する。
【0058】
アプリケーション実行制御手段17は、必要に応じて、実行中のアプリケーションに関するアプリ用コンテンツをサービスサーバ3から取得する。そして、アプリケーション実行制御手段17は、アプリ用コンテンツのうち、音声のデータを音声制御手段18に、映像のデータを表示制御手段19に、それぞれ出力する。ここで、実行中のアプリケーションが、番組コンテンツに連動するアプリ用コンテンツを提示するアプリケーションである場合には、アプリ用コンテンツの映像データ及び音声データが番組コンテンツの映像データ及び音声データに連動して出力される。
【0059】
また、アプリケーション実行制御手段17は、AIT記憶手段23に記憶されたAITに基づいて、具体的には当該AITのうち個別管理情報に含まれるライフサイクル制御情報に基づいて、実行中のアプリケーションのライフサイクルを制御する。例えば、アプリケーション実行制御手段17は、アプリケーションのライフサイクル制御情報が「終了」を示すものであるとき、アプリケーションを終了させる。
【0060】
音声制御手段18は、第1分離手段12から出力された音声のデータを、表示制御手段19により表示が制御される映像のデータと同期をとりながら音声出力手段20に出力する。また、音声制御手段18は、アプリケーション実行制御手段17から出力された音声のデータが表示制御手段19により表示が制御される映像のデータと同期可能である場合、この映像のデータと同期をとりながら音声のデータを音声出力手段20に出力する。
【0061】
表示制御手段19は、第1分離手段12から出力されたデータに対応する映像を、音声制御手段18により出力制御される音声のデータと同期をとりながら表示手段21に表示させる。また、表示制御手段19は、アプリケーション実行制御手段17から出力された映像のデータが音声制御手段18により出力制御される音声のデータと同期可能である場合、この音声のデータと同期をとりながら当該映像を表示手段21に表示させる。
【0062】
音声出力手段20は、スピーカ等で構成され、音声制御手段18から出力されたデータに基づいて、当該データに対応する音声を出力する。表示手段21は、ディスプレイ等で構成され、表示制御手段19から出力されたデータに基づいて、当該データに対応する映像を表示する。
【0063】
保持手段22は、EIT等の番組コンテンツのメタ情報や、緊急コンテンツに含まれる緊急地震速報等、その他各種情報を記憶する。
AIT記憶手段23は、放送AIT取得手段13又は通信AIT取得手段16によって取得された各種AITを記憶する。
アプリケーション記憶手段24は、主にプリインストールされているアプリケーションを記憶する。
【0064】
このような機能的構成を有する受信機4のうち、アプリケーション実行制御手段17は、アプリケーション起動実行処理を実行することができる。
アプリケーション起動実行処理とは、AITに基づいて、アプリケーションを取得し、当該アプリケーションを起動して実行するまでの一連の処理をいう。
【0065】
ここで、アプリケーションの取得先は、一般的にはサービスサーバ3になる。アプリケーション実行制御手段17の視点から換言すると、受信機4の内部でのアプリケーションの取得先は、ネットワークNを介してサービスサーバ3と通信を行う通信手段14になる。即ち、一般的なアプリケーションは、サービスサーバ3からネットワークNを介して通信手段14に受信されて(ダウンロードされて)、起動される。
ところが、アプリケーション起動実行処理の対象となるアプリケーションとして、起動までの時間が厳しく制約されるものが存在する。例えば緊急コンテンツが受信機4に受信された場合には、受信機4は、当該緊急コンテンツに含まれる緊急地震速報を視聴者に即座に提示する必要がある。このため、緊急地震速報を提示するアプリケーションは、起動までの時間が厳しく制約されることになる。
このような起動時間に制約が課されているアプリケーションが、サービスサーバ3等の受信機4の外部に存在すると、外部から受信機4へのダウンロードが必要になる。その結果、通信手段14の通信状況やサービスサーバ3の状態によっては、当該アプリケーションは制約時間内に起動されないおそれがある。
そこで、このような起動時間に制約が課されているアプリケーション、即ち高速起動が必須なアプリケーションは、本実施形態では、受信機4のアプリケーション記憶手段24にプリインストール(例えば工場出荷時にプリインストール)されている。そして、放送波に多重化されたAITによって、当該アプリケーションがアプリケーション記憶手段24から取得されて起動される仕組みになっている。
【0066】
さらに、このような起動時間に制約が課されているアプリケーションは、緊急地震速報の提示処理等、各種処理の実行時間(実行開始から実行終了までの時間)についても厳しく制約されることが多い。このような実行時間に制約が課されているアプリケーションは、他のアプリケーションの処理の割り込みの発生等があると、制約時間内に終了できないおそれがある。
そこで、本実施形態では、このような起動時間に制約が課されているアプリケーションに対しては、例えば受信機4のCPU等の処理レートを一定以上占有できるような特権が与えられる。このような特権的なアプリケーションを起動させるか否か、また、起動させた場合にはCPU等の処理レートの占有率をどの程度にするのかといった制御は、本実施形態では実行優先度に基づいて行われる。
アプリケーションの実行優先度とは、他のアプリケーションとの相対的な優先度ではなく、CPU等の処理レートの占有率の指標となるような優先度をいう。本実施形態では、このような実行優先度は、図4には図示しないが、AITに記述されているものとする。そして、AITに記述された実行優先度が一定以上の場合、上述の特権的なアプリケーションが起動されて、実行優先度に応じた実行、例えばCPU等の処理レートが一定の占有率を確保した状態での実行がなされる。そこで、このような特権的なアプリケーションを、以下、高優先度アプリケーションと呼ぶ。例えば、上述の緊急地震情報を提示するアプリケーション等が、高優先度アプリケーションの一例である。図5の例では、高優先度アプリケーション61がアプリケーション記憶手段24にプリインストールされている。
【0067】
以上まとめると、本実施形態のアプリケーション起動実行処理におけるアプリケーションの取得先としては、受信機4の外部のサービスサーバ3と、受信機4の内部のアプリケーション記憶手段24との2種類が存在する。後者のアプリケーション記憶手段24には、高優先度アプリケーション61が記憶されている。
即ち、高優先度アプリケーション61は、起動時間に制約が課されていることが多いため、高速起動が可能となるようにアプリケーション記憶手段24にプリインストールされている。さらに、高優先度アプリケーション61は、実行時間に制約が課されていることが多いため、当該制約時間内に実行が終了するように、AITに記述された実行優先度が一定以上の場合に実行優先度に応じた実行、例えばCPU等の処理レートが一定の占有率を確保した状態での実行がなされる。
【0068】
なお、本実施形態のアプリケーション起動実行処理では、高優先度アプリケーション61が起動された後、所定の時間が経過する等の所定条件が満たされると、対応付アプリケーション62が起動される。
対応付アプリケーション62とは、高優先度アプリケーション61の起動に起因して自己も起動されるように、高優先度アプリケーション61に対応付けられたアプリケーションをいう。換言すると、対応付アプリケーション62は、CPU等の処理レートの占有率を一定以上確保することが必要になる特権的なアプリケーションでないため、即ち高優先度アプリケーシでないため、AITにより即座に起動されずに、高優先度アプリケーション61の実行後に所定の条件を満たした場合に起動される。
例えば、高優先度アプリケーション61が緊急地震速報の提示機能を有する場合、緊急コンテンツが保持手段22に保持されると、当該緊急コンテンツに含まれる震源地の情報等をパラメータとして用いて、当該震源地のライブ映像を通信経由で取得して提示する機能を有するアプリケーションを、対応付アプリケーション62として採用することができる。また例えば、緊急コンテンツが保持手段22に保持されたこと等をトリガとして、視聴者が欲するライブ映像(例えば現在位置の最寄り駅の映像)や交通情報(例えば現在位置の近辺の渋滞情報や鉄道運行情報)を通信経由で取得して提示する機能を有するアプリケーションを、対応付アプリケーション62として採用することができる。
このように、高優先度アプリケーション61の起動後に所定の条件が満たされると、対応付アプリケーション62が起動されるので、高優先度アプリケーション61と対応付アプリケーション62との組み合わせにより、各種処理や各種サービスの実現の可能性を高めることができる。
ただし、対応付アプリケーション62は、起動タイミングが高優先度アプリケーション61に対応付けられていれば足り、高優先度アプリケーション61と関連する機能や内容を有する必要は特にない。
【0069】
図5は、このようなアプリケーション起動実行処理の実行機能を実現するための、アプリケーション実行制御手段17の機能的構成を示す機能ブロック図である。
アプリケーション実行制御手段17は、AIT解析手段51と、優先度判定手段52と、サーバアプリ起動実行手段53と、プリインストールアプリ起動実行手段54とを備える。
【0070】
AIT解析手段51は、AIT記憶手段23を監視し、新たにAITが記憶された場合に、このAITの記述内容を解析し、その解析結果を優先度判定手段52に供給する。
【0071】
優先度判定手段52は、AIT解析手段51から通知された解析結果に基づいて、アプリケーションの実行優先度が高いのか又は低いのかを判定する。
優先度判定手段52は、アプリケーションの実行優先度が低いと判定した場合、その旨を、AIT解析手段51の解析結果と共に、サーバアプリ起動実行手段53に少なくとも通知する。
これに対して、優先度判定手段52は、アプリケーションの実行優先度が高いと判定した場合、その旨を、AIT解析手段51の解析結果と共に、プリインストールアプリ起動実行手段54に少なくとも通知する。
【0072】
サーバアプリ起動実行手段53は、アプリケーションの実行優先度が低い旨が優先度判定手段52から通知されると、AIT解析手段51の解析結果に基づいて、サービスサーバ3からアプリケーションを取得して、当該アプリケーションを起動して実行する。
具体的には、サーバアプリ起動実行手段53は、AIT解析手段51の解析結果、例えばアプリケーションの起動情報に基づいて、アプリケーションの取得要求を通信手段14を介してサービスサーバ3に送信する。なお、アプリケーションの起動情報としては、例えば、サービスサーバ3を取得先として示すロケーション情報等が存在する。
そして、サーバアプリ起動実行手段53は、サービスサーバ3から供給されたアプリケーションを通信手段14及び第2分離手段15を介して取得して、AIT解析手段51の解析結果に基づいて、当該アプリケーションを起動して実行する。
【0073】
プリインストールアプリ起動実行手段54は、アプリケーションの実行優先度が高い旨が優先度判定手段52から通知されると、AIT解析手段51の解析結果、例えばアプリケーションの起動情報に基づいて、高優先度アプリケーション61をアプリケーション記憶手段24から起動して実行する。なお、高優先度アプリケーション61の起動情報としては、例えば、受信機4内を取得先として示すロケーション情報や、即時起動及び実行の指示情報等が存在する。
さらに、プリインストールアプリ起動実行手段54は、所定時間が経過した等の所定条件が満たされると、対応付アプリケーション62をアプリケーション記憶手段24から起動して実行する。
【0074】
次に、本実施形態における受信機4のアプリケーション起動実行処理の流れについて説明する。
図6は、アプリケーション起動実行処理の流れを説明するフローチャートである。
アプリケーション起動実行処理は、放送波に多重化されていた新たなAIT(以下、特に放送AITと呼ぶ)がAIT記憶手段23に記憶されたことを契機に開始する。
【0075】
ステップS1において、AIT解析手段51は、AIT記憶手段23から放送AITを取得し、解析する。AIT解析手段51の解析結果が優先度判定手段52に通知されると、処理はステップS2に進む。
【0076】
ステップS2において、優先度判定手段52は、実行優先度が高いか否かを判定する。
【0077】
実行優先度が低い場合には、ステップS2においてNOであると判定されて、その旨、及びAIT解析手段51の解析結果がサーバアプリ起動実行手段53に通知されて、処理はステップS3に進む。
ステップS3において、サーバアプリ起動実行手段53は、サービスサーバ3からアプリケーションを取得する。ステップS4において、サーバアプリ起動実行手段53は、当該アプリケーションを起動して実行する。これにより、アプリケーション起動実行処理は終了する。
【0078】
これに対して、実行優先度が高い場合には、ステップS2においてYESであると判定されて、その旨、及びAIT解析手段51の解析結果がプリインストールアプリ起動実行手段54に通知されて、処理はステップS5に進む。
ステップS5において、プリインストールアプリ起動実行手段54は、アプリケーション記憶手段24にプリインストールされている高優先度アプリケーション61を起動して実行する。
【0079】
ステップS6において、プリインストールアプリ起動実行手段54は、所定条件が成立したか否かを判定する。
所定条件が成立していない場合には、ステップS6においてNOであると判定されて処理は再びステップS6に戻される。即ち、所定条件が成立するまでの間、ステップS6の判定処理が繰り返されて、アプリケーション起動実行処理は待機状態になる。ただし、既に起動済みの高優先度アプリケーション61は、その処理が予定通り終了するまでの間、実行が継続される。
その後、所定条件が成立すると、ステップS6においてYESであると判定されて、処理はステップS7に進む。
ステップS7において、プリインストールアプリ起動実行手段54は、アプリケーション記憶手段24にプリインストールされている対応付アプリケーション62を起動して実行する。
これにより、アプリケーション起動実行処理は終了する。
【0080】
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)高優先度アプリケーション61は、受信機4にプリインストールされているので、受信機4は、高優先度アプリケーション61の起動を、サービスサーバ3に存在するアプリケーションの起動の場合と比較して高速に行うことができる。
【0081】
(2)高優先度アプリケーション61は、実行優先度に応じた実行がなされるので、高優先度アプリケーション61に対して実行時間に制約が課されている場合であっても、制約時間内に適切に実行を開始させることができる。
【0082】
(3)高優先度アプリケーション61の起動後に所定の条件が満たされると、対応付アプリケーション62が起動されるので、高優先度アプリケーション61と対応付アプリケーション62との組み合わせにより、各種処理や各種サービスの実現の可能性を高めることができる。
【0083】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0084】
例えば、実行優先度が高い場合に起動される高優先度アプリケーション61については、AITに記述されている実行優先度に応じて実行される内容が予め決定されていてもよい。例えば実行優先度が第1の値の場合には、メイン画面を縮小せずにピクチャインピクチャで、高優先度アプリケーション61によって生成等される画像を表示させ、実行優先度が第2の値の場合には、メイン画面を縮小して、その結果得られる余白の表示領域に、高優先度アプリケーション61によって生成等される画像を表示させる、といったことが予め決定されていてもよい。
【0085】
また例えば、受信機4は、APIに記述された実行優先度が高い場合、アプリケーション記憶手段24にプリインストールされているアプリケーションのうち、当該APIで指定された署名があるアプリケーションのみを、高優先度アプリケーション61として起動するようにしてもよい。これにより、実行優先度が高いからといって、起動時間や実行時間に特段の制約がないアプリケーションまで起動してしまう、といった不要なアプリケーションの起動の乱発を防止することができる。
【符号の説明】
【0086】
1 放送局
2 放送用アンテナ
3 サービスサーバ
4 受信機
14 通信手段
15 第2分離手段
17 アプリケーション実行制御手段
22 保持手段
24 アプリケーション記憶手段
51 AIT解析手段
52 優先度判定手段
53 サーバアプリ起動実行手段
54 プリインストールアプリ起動実行手段
61 高優先度アプリケーション
62 対応付アプリケーション
図1
図2
図3
図4
図5
図6