特許第5718035号(P5718035)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5718035
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】配管経路規制部材
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/30 20060101AFI20150423BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20150423BHJP
   F16B 2/10 20060101ALI20150423BHJP
   F16B 7/04 20060101ALI20150423BHJP
   B60R 16/02 20060101ALN20150423BHJP
【FI】
   H02G3/26 E
   H02G3/04 301C
   F16B2/10 D
   F16B7/04 301G
   !B60R16/02 623V
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-275827(P2010-275827)
(22)【出願日】2010年12月10日
(65)【公開番号】特開2012-125101(P2012-125101A)
(43)【公開日】2012年6月28日
【審査請求日】2013年11月5日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】丸橋 卓也
(72)【発明者】
【氏名】池本 浩平
【審査官】 和田 財太
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−210560(JP,A)
【文献】 特開2008−151172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/04
H02G 3/30
B60R 16/02
F16B 2/10
F16B 7/04
F16L 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部の電線を保護するための金属製の保護管を取り付ける保護管取付部を複数備え、
前記複数の保護管取付部のうち何れか1つの保護管取付部は丸孔状に形成されるとともに、その内径が、当該保護管取付部に取り付けられる丸管としての前記保護管の外径と略一致しており
他の保護管取付部の内周壁は、当該保護管取付部に取り付けられる保護管の外周面との間に隙間を形成する形状に形成されていることを特徴とする配管経路規制部材。
【請求項2】
請求項1に記載の配管経路規制部材であって、
前記保護管取付部は、前記保護管の外周面に対して弾性的に接触するスタビライザを備えることを特徴とする配管経路規制部材。
【請求項3】
請求項2に記載の配管経路規制部材であって、
当該配管経路規制部材の本体と前記スタビライザは別部材として構成されていることを特徴とする配管経路規制部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線を保護する金属管の配管経路を規制するための配管経路規制部材の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車における高圧電線は太いため、車体の外底面に配索されることが多い。ところが、このような電線が車体の底面に露出していると、車体走行中に飛散した石などによって破損する可能性がある。この点、従来から、配索された電線や配管を保護するためのプロテクタが各種提案されている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3)。上記特許文献に記載されているプロテクタは、電線(又は配管)の直線状の部分を保護するように構成されている。しかし、電気自動車において前記高圧電線は複雑な配索経路で張り巡らされるから、直線状の部分のみを保護するタイプのプロテクタでは電線全体を保護することができない。
【0003】
一方で従来から、コルゲート管や蛇腹管などの保護管に電線を内挿して、電線を保護する構成が知られている(例えば特許文献3、特許文献4)。コルゲート管等は容易に変形させることができるので、複雑な経路で配索された電線にも対応することができる。ところがコルゲート管は一般的に肉薄の合成樹脂製であるため、車体走行中に飛散する石などの衝撃に耐え得るものではない。
【0004】
そこで、コルゲート管や蛇腹管の代わりに、金属管によって電線を保護する構成が考えられている(例えば特許文献5、特許文献6)。金属管は、自由に曲げて配管でき、車体走行中に飛散する石などによって破損するおそれも少ない。また、金属管はシールド性を持たせることができるので、電気自動車の高圧電線に対して用いることが特に好適である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭61−182352号公報
【特許文献2】実開昭62−19459号公報
【特許文献3】特開2002−186131号公報
【特許文献4】特開2009−143326号公報
【特許文献5】特開2004−171952号公報
【特許文献6】特開2008−177115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の電線用のプロテクタは、配線経路を規制するための経路規制部材としての機能を有する場合がある。経路規制部材としてのプロテクタは、電線を車体に組み付ける前の工程において、電線の所定の位置に取り付けられる。このように予めプロテクタを電線に固定しておけば、車体への組み付け作業時において、プロテクタを車体の所定箇所に固定していくだけで、電線を所定の経路で配索していくことができる。特に、電線が複数本存在する場合は、当該複数本の電線をまとめてプロテクタに固定しておけば、当該電線がバラバラにならず、また複数本の電線の経路規制を一度に行うことができるため、電線を車体に組み付ける際の作業効率を大幅に向上させることができる。
【0007】
複数本の金属管を車体に組み付ける際にも、上記のようにプロテクタでまとめておけば、作業効率を大幅に向上させることができると考えられる。ところが、電線の場合とは異なり、複数本の金属管を1つのプロテクタにまとめて固定することは難しかった。これは以下のような理由による。
【0008】
即ち、金属管は電線のように柔軟性を有していないので、予め所定の形状に曲げ加工したうえで車体に組み付けられる。ところが金属管は車体長より長く、精度良く曲げるのは非常に困難である。また、曲げる最中に自重により曲がってしまったり、運搬時に変形する可能性もある。このように、金属管を曲げると寸法にバラツキが多く発生する。このため、1つのプロテクタに複数本の金属管を固定しようとした場合、ある金属管を固定すると、他の金属管の位置が合わなくなったりする。
【0009】
以上のように、複数本の金属管を1つのプロテクタにまとめて固定することができなかったため、車体への組み付け時には、金属管を1本ずつ組み付けるしかなかった。このため、金属管を車体に組み付ける作業性が極めて悪かったのである。
【0010】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、複数本の金属管をまとめて取り付けることができる配管経路規制部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0011】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0012】
本発明の観点によれば、以下の構成の配管経路規制部材が提供される。即ち、この配管経路規制部材は、内部の電線を保護するための金属製の保護管を取り付ける保護管取付部を複数備える。前記複数の保護管取付部のうち何れか1つの保護管取付部は丸孔状に形成されるとともに、その内径が、当該保護管取付部に取り付けられる丸管としての前記保護管の外径と略一致ている。一方、他の保護管取付部の内周壁は、当該保護管取付部に取り付けられる保護管の外周面との間に隙間を形成する形状に形成されている。
【0013】
このように、配管経路規制部材と保護管との間に隙間を形成しておくことで、保護管の寸法や形状にバラツキが存在していても、当該保護管に対して余裕をもって配管経路規制部材を取り付けることができる。従って、複数本の保護管に対して配管経路規制部材を取り付けることが容易になる。また、配管経路規制部材と保護管との間に隙間が形成されているので、車体組み付け時に配管経路規制部材と保護管との位置を調整することが容易である。更に、配管経路規制部材と保護管との間に隙間が形成されているので、保護管の寸法や形状が若干変更されても対応することができる。ただし、全ての保護管取付部で上記隙間が形成されていると、配管経路規制部材の位置が保護管の長手方向に大きく移動してしまう場合がある。そこで、上記のように、一箇所だけは保護管取付部と保護管との間に隙間が形成されないようにしておく。これにより、配管経路規制部材が大きくズレることを防止できる。
【0014】
上記の配管経路規制部材において、前記保護管取付部は、前記保護管の外周面に対して弾性的に接触するスタビライザを備えることが好ましい。
【0015】
これにより、配管経路規制部材を保護管に取り付けた際のガタつきを防止できる。
【0016】
上記の配管経路規制部材において、当該配管経路規制部材の本体と前記スタビライザは別部材として構成されていることが好ましい。
【0017】
これにより、スタビライザの形状のみを変更することが容易となるので、設計変更等によって保護管の径が変更されても容易に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係るプロテクタを複数本の保護管に取り付けた様子を示す斜視図。
図2】プロテクタの外観斜視図。
図3】プロテクタの側面図。
図4】複数本の保護管にプロテクタを取り付ける様子を示す斜視図。
図5】プロテクタを複数本の保護管に取り付けた様子を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本実施形態に係る配管経路規制部材としてのプロテクタ20は、図1に示すように複数本の保護管10に対して取り付けられ、当該保護管10の経路規制を行うためのものである。
【0020】
保護管10は、電線(図略)を保護するため金属管である。即ち、電気自動車等においては、高圧電線が車体底面に配索されることが多いため、飛散する石などから前記電線を保護する必要がある。そこで、金属製の保護管の内部に電線を挿通させて、電線を保護する。なお、本実施形態では軽量化及び耐腐食性の観点から、アルミニウム(又はアルミニウム合金)製の保護管を採用している。
【0021】
この保護管10は、電線の配索経路に従って予め曲げ加工を施された後、車体の底面などに組み付けられる。しかしながら、このような保護管10が複数存在する場合、当該保護管10を1本ずつ車体に組み付けるようでは作業性が悪い。また、保護管10は複雑に曲げられているので、1本ずつ車体に組み付けていくと、保護管10同士が干渉してしまい組み付け作業を行うことが困難になる場合も考えられる。
【0022】
そこで、本実施形態のプロテクタ20によって予め複数本の保護管10をまとめておき、当該まとめた状態で車体に組み付けることで、保護管10の組み付け作業性を大幅に向上させることができる。本実施形態のプロテクタ20には、3つの保護管取付部21が形成されている。図2及び図3に示すように、3つの保護管取付部21は、丸管として構成された保護管10を取り付けることができるように、それぞれ丸孔状に形成されている。それぞれの保護管取付部21に保護管10を取り付けることにより、3本の保護管10を1つにまとめることができる。車体への組付作業時には、3本の保護管10に取り付けた状態のプロテクタ20を車体に対して固定することにより、前記3本の保護管10をまとめて固定することが可能となる。これにより、保護管10の車体への組み付け作業の作業性が大幅に向上する。
【0023】
ところが前述のように、金属管を正確に曲げ加工することは困難であるから、曲げられた保護管10には寸法や形状にバラツキがあり、必ずしも設計通りの形状であるとは限らない。このため、複数本の保護管10に対してプロテクタを緊密に固定してしまうと、他の箇所では保護管10が設計通りの位置からズレてしまい、別のプロテクタを固定することができなくなる場合がある。このような理由から、従来は、複数本の保護管10をまとめてプロテクタに取り付けるということは行われていなかった。
【0024】
そこで本実施形態においては、保護管10の寸法や形状にバラツキがあってもプロテクタ20を取り付けることができるように、保護管取付部21の形状に余裕を持たせている。以下、プロテクタ20の構成について詳細に説明する。
【0025】
プロテクタ20は、図3及び図4に示すように、上側カバー部22と下側カバー部23から構成されている。このプロテクタ20は樹脂製であり、上側カバー部22と下側カバー部23はヒンジ部24を介してつながっている。上側カバー部22には3つの上側取付部25,25,25が形成されており、下側カバー部23には3つの下側取付部26,26,26が形成されている。上側取付部25と下側取付部26は、それぞれ、保護管10の長手方向に直交する平面で切断したときの断面輪郭形状が、半円状の凹部となるように形成されている。
【0026】
そして、図4のように下側カバー部23の各下側取付部26,26,26に各保護管10,10,10を載せたうえで、ヒンジ部24を中心として上側カバー部22を回転させ、上側カバー部22と下側カバー部23とを合わせる(図1の状態)。これにより、上側取付部25,25,25と、これに対応する下側取付部26,26,26とによって、保護管10,10,10が外側から挟み込まれる構成である。このように、上側カバー部22と下側カバー部23を合わせるという簡単な作業で、複数本の保護管10に対してプロテクタ20を取り付けることができる。
【0027】
そして、上側取付部25と下側取付部26は断面半円状の凹部に形成されているので、両者を合わせることで丸孔状の保護管取付部21が構成される。ここで説明の便宜状、図3に示す3つの保護管取付部21を、左から順に、第1保護管取付部21a、第2保護管取付部21b、第3保護管取付部21cとする。図5に示すように、3つの保護管取付部21のうち、第2保護管取付部21b及び第3保護管取付部21cの内周壁は、そこに取り付ける保護管10b,10cの外周面との間に隙間を形成するように形成されている。より具体的に言うと、第2保護管取付部21b及び第3保護管取付部21cの内径は、そこに取り付けられる保護管10b,10cの外径よりも大きく形成されている。
【0028】
なお、本実施形態の場合は、保護管取付部21の内径は3つとも同じである。ただし、第2保護管取付部21b及び第3保護管取付部21cに取り付けられる保護管10b,10cの外径は、第1保護管取付部21aに取り付けられる保護管10aの外径よりも小さいので、結果的に、第2保護管取付部21b及び第3保護管取付部21cにおいて保護管10b,10cとの間に隙間が形成されているのである。しかし、必ずしもこのように3つの保護管取付部21の内径を同じにする必要はなく、各保護管取付部21の内径は、そこに取り付けられる保護管10の外径に応じて適宜設定することができる。
【0029】
上記のように、保護管取付部21の内周壁と、保護管10の外周面と、の間に隙間を形成しておくことにより、保護管10の位置がその長手方向に直交する平面内(図5で示す平面内)でズレてしまっていても、余裕をもってプロテクタ20を取り付けることができる。従って、本実施のプロテクタ20によって、寸法や形状のバラツキが発生し易い金属製の保護管10を複数本まとめることができる。
【0030】
また、第2保護管取付部21b及び第3保護管取付部21cに取り付けられた保護管10b,10cは、プロテクタ20に対して緊密に固定されている訳ではないので、その長手方向に簡単に移動させることができる。これにより、車体への組み付け時にプロテクタ20と保護管10との間で位置調整を行うことができるので、作業性を向上させることができる。
【0031】
また、第2保護管取付部21b及び第3保護管取付部21cは、保護管10の形状に対して余裕を持たせて形成されているので、保護管10の寸法や形状が若干変更されたとしても、プロテクタ20の形状を変更することなく対応できる。
【0032】
ただし、全ての保護管取付部21において上記のような隙間を形成してしまうと、プロテクタ20が3本の保護管10a,10b,10cに対して全く固定されていないことになるので、当該プロテクタ20が保護管10の長手方向で大きくズレてしまう場合がある。そこで、3つの保護管取付部21のうち、第1保護管取付部21aだけは、その内周壁を、そこに取り付ける保護管10aの外周面の形状に略一致させて形成している。より具体的に言うと、第1保護管取付部21aの内径は、そこに取り付けられる保護管10aの外径に略一致させて形成されている。
【0033】
このように、複数の保護管取付部21のうち一箇所だけは保護管10を緊密に取り付けることができるようにすることで、プロテクタ20が保護管10に対して固定され、当該プロテクタ20の位置が保護管10の長手方向で大きく移動してしまうことを防止できる。
【0034】
なお上記のように、本実施形態のプロテクタ20は、第2保護管取付部21b及び第3保護管取付部21cにおいて保護管10との間に隙間が形成されているので、そのままではプロテクタ20がガタついてしまうことが考えられる。そこで本実施形態のプロテクタ20は、図3から図5に示すように、各保護管取付部21にスタビライザ27を有している。このスタビライザ27は、上側取付部25に配置され、保護管取付部21の内側に突出する舌片として形成さている。スタビライザ27は樹脂製であり、保護管取付部21に取り付けられた保護管10の外周面に弾性的に接触することができる。
【0035】
このようにスタビライザ27が保護管10に弾性接触することにより、第2保護管取付部21bと第3保護管取付部21cの少なくとも何れかにおいては、保護管取付部21の内周壁に対して保護管10が押し付けられる。これにより、保護管取付部21と保護管10との間に隙間が形成されている場合であっても、プロテクタ20がガタついてしまうことを防止できる。
【0036】
スタビライザ27が保護管取付部21の内側に突出する長さ、角度等を変更することにより、保護管10の径の変更に対応することができる。そこで、本実施形態のプロテクタ20において、スタビライザ27は、プロテクタ20の本体とは別部材として構成されている。そして、プロテクタ20の組み立て時に、スタビライザ27をプロテクタ20の本体に組み付ける構成である。これによれば、設計変更等によって保護管10の径が変更された場合であっても、スタビライザ27の形状のみを変更すればよく、プロテクタ20の本体の形状は変更する必要が無いので好適である。
【0037】
以上で説明したように、本実施形態のプロテクタ20は、内部の電線を保護するための金属製の保護管10を取り付ける保護管取付部21を3つ備える。3つの保護管取付部21のうち第1保護管取付部21aの内周壁は、当該第1保護管取付部21aに取り付けられる保護管10aの外周形状と略一致させて形成されている。一方、第2保護管取付部21b及び第3保護管取付部21cの内周壁は、当該保護管取付部21b,21cに取り付けられる保護管10b,10cの外周面との間に隙間を形成する形状に形成されている。
【0038】
このように、プロテクタ20と保護管10との間に隙間を形成しておくことで、保護管10の寸法や形状にバラツキが存在していても、当該保護管10に対して余裕をもってプロテクタ20を取り付けることができる。従って、複数本の保護管10に対してプロテクタ20を取り付けることが容易になる。また、プロテクタ20と保護管10との間に隙間が形成されているので、車体組み付け時にプロテクタ20と保護管10との位置を調整することが容易である。更に、プロテクタ20と保護管10との間に隙間が形成されているので、保護管10の寸法や形状が若干変更されても対応することができる。ただし、全ての保護管取付部21で上記隙間が形成されていると、プロテクタ20の位置が保護管10の長手方向に大きく移動してしまう場合がある。そこで、上記のように、第1保護管取付部21aと保護管10aとの間に隙間が形成されないようにしておく。これにより、プロテクタ20が大きくズレることを防止できる。
【0039】
また、本実施形態のプロテクタ20において、保護管取付部21は、保護管10の外周面に対して弾性的に接触するスタビライザ27を備えている。
【0040】
これにより、プロテクタ20を保護管10に取り付けた際のガタつきを防止できる。
【0041】
また、本実施形態のプロテクタ20において、当該プロテクタ20の本体とスタビライザ27は別部材として構成されている。
【0042】
これにより、スタビライザ27の形状のみを変更することが容易となるので、設計変更等によって保護管10の径が変更されても容易に対応することができる。
【0043】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0044】
上記実施形態では、プロテクタを電気自動車の車体に取り付けるとして説明したが、本発明の配管経路規制部材は電気自動車に限らず、金属製の保護管の配管経路を規制する用途に広く用いることができる。
【0045】
上記実施形態では、3本の保護管10に対して取り付けるプロテクタ20について説明したが、プロテクタ20を取り付ける保護管10の数は3本に限らず、複数本であれば良い。
【0046】
保護管取付部21の形状は丸孔としたが、これに限る訳ではない。例えば、プロテクタ20を扁平管に対して取り付ける場合には、保護管取付部21を長孔状に形成すれば良い。もっとも、本発明のプロテクタ20は保護管取付部21の形状に余裕を持たせているので、当該保護管取付部21の形状と、当該保護管取付部21に取り付ける保護管10の形状と、が必ずしも一致していなくて良い。例えば、丸孔として形成された保護管取付部21に、楕円管や扁平管を取り付けることもできる。この場合でも、保護管取付部21の内周と保護管10の外周との間に隙間が形成されていれば、本発明の効果を発揮することができる。
【0047】
スタビライザ27は省略することもできる。また、設計変更等に対応する必要がなければ、プロテクタ20の本体とスタビライザ27を一体形成しても良いことはもちろんである。
【符号の説明】
【0048】
10 保護管
20 プロテクタ(配管経路規制部材)
21 保護管取付部
27 スタビライザ
図1
図2
図3
図4
図5