特許第5718193号(P5718193)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5718193
(24)【登録日】2015年3月27日
(45)【発行日】2015年5月13日
(54)【発明の名称】比較電極
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/30 20060101AFI20150423BHJP
【FI】
   G01N27/30 311Z
   G01N27/30 311D
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2011-191304(P2011-191304)
(22)【出願日】2011年9月2日
(65)【公開番号】特開2013-53891(P2013-53891A)
(43)【公開日】2013年3月21日
【審査請求日】2014年4月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000155023
【氏名又は名称】株式会社堀場製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100113468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】加藤 誠
【審査官】 谷垣 圭二
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭54−131994(JP,A)
【文献】 特開昭60−260840(JP,A)
【文献】 特開昭59−190648(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内管及び外管を有し、それらの間に密閉空間を形成する支持管と、
前記密閉空間内に充填された内部液と、
前記内部液に浸漬された内部電極と、
前記外管に設けられ、前記内部液及び測定試料を電気的に接続するイオン伝導部と、
前記内部液に少なくとも一部が浸漬されて、前記内部液の凍結に伴う当該内部液の体積膨張を吸収する体積膨張吸収機構とを備え
前記体積膨張吸収機構が、前記内部液の体積膨張に伴い弾性変形する弾性変形部及び当該弾性変形部に接触して設けられた気体層を有する中空体であり、
前記中空体が、前記内管及び前記外管の間の前記密閉空間に設けられている比較電極。
【請求項2】
前記中空体が、内部に気体を充填させてなる袋状弾性体である請求項記載の比較電極。
【請求項3】
前記袋状弾性体が、前記支持管における密閉空間の一端部から他端部に亘って設けられ、両端が閉塞された弾性チューブである請求項記載の比較電極。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の比較電極を用いたイオン濃度測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、比較電極に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の比較電極としては、特許文献1に示すように、液絡部及び通気孔が形成された容器と、当該容器内に充填された内部液と、当該内部液に浸漬された内部電極と、内部液及び通気孔の間に位置して圧力に応じて変形する圧力調整層とを有する比較電極が考えられている。
【0003】
この比較電極は、高温使用条件下において容器内の空気自身の熱膨張或いは内部液から気化した水蒸気により加圧状態になることを防止して液絡部からの内部液の漏出を防いでいる。またこの比較電極は、低温使用条件下において容器内の空気自身の熱収縮或いは水蒸気の液化により負圧状態になることを防止して外気が液絡部から容器内に入り込むことを防止している。
【0004】
しかしながら、上記構成は、使用温度条件下により生じる容器内の空気の膨張収縮に伴う問題を解決することができるものの、比較電極を低温保存する場合等に生じる内部液の凍結に伴う内部液の体積膨張による問題を解決することができない。つまり、内部液の凍結に伴う内部液の体積膨張により、液絡部又は液絡部及び容器の境界から内部液が漏れ出てしまうこと、液絡部が容器から取れてしまうこと或いは液絡部及び容器の境界等に亀裂が入ってしまうこと等の問題がある。特に、比較電極を起立した状態で保存する場合には、その内部液の濃度分布が下に行くほど濃くなっており、内部液が上面から徐々に凍結する。そうすると、体積膨張の影響が容器下部に行くほど大きくなり、その結果、液絡部又はその近傍の内圧が大きくなり、上記の問題が引き起こされ易い。
【0005】
ここで内部液中に凍結防止剤を添加して内部液の凍結を防止することが考えられるが、そうすると、凍結防止剤により液絡部により生じる液間電位差に悪影響が出てしまうだけでなく、内部液とともにサンプルに漏れ出た凍結防止剤によりサンプルが汚染されてしまうといった問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−77252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、凍結に伴う内部液の体積膨張により生じる内部液の漏出及び比較電極の破損を防ぐことをその主たる所期課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明に係る比較電極は、密閉空間を形成する容器と、前記容器内に充填された内部液と、前記内部液に浸漬された内部電極と、前記容器の壁に設けられ、前記内部液及び測定試料を電気的に接続するイオン伝導部と、前記内部液に少なくとも一部が浸漬されて、前記内部液の凍結に伴う当該内部液の体積膨張を吸収する体積膨張吸収機構とを備えることを特徴とする。
【0009】
このようなものであれば、内部液に少なくとも一部が浸漬された体積膨張吸収機構により、内部液の凍結に伴う内部液の体積膨張が吸収されるので、凍結により生じる内部液の漏出及び比較電極の破損を防ぐことができる。
【0010】
前記体積膨張吸収機構の具体的な実施の態様としては、前記内部液に少なくとも一部が浸漬されて設けられて前記内部液の体積膨張に伴い弾性変形する弾性変形部及び当該弾性変形部に接触して設けられた気体層を有する中空体であることが望ましい。これならば、弾性変形部が内部液に少なくとも一部が浸漬して設けられていることから、内部液が凍結により体積膨張した場合には、その体積膨張により弾性変形部が気体層側に押されて、その体積膨張分が気体層に吸収される。また、この中空体を容器とは別体として密閉容器内に配置する構成とすれば、前記容器に内部液とともに中空体を収容するだけで、体積膨張吸収機構のための特別な加工を施すこともない。
【0011】
中空体全体が内部液の凍結による体積膨張を吸収できるようにするためには、前記中空体が、内部に気体を充填させてなる袋状弾性体であることが望ましい。
【0012】
前記袋状弾性体が、前記容器における密閉空間の一端部から他端部に亘って設けられ、両端が閉塞された弾性チューブであることが望ましい。このように密閉容器の一端部から他端部に亘って弾性チューブが配置されており、段階的に凍結する内部液の各部に生じる体積膨張を吸収することができる。
【0013】
限られた密閉空間の中で内部液の凍結による体積膨張を好適に吸収するためには、前記弾性チューブが、前記密閉空間に複数本設けられていることが望ましい。
【0014】
本発明においては、前記イオン伝導部が、ゲル化したイオン液体から構成されることが望ましい。イオン液体を用いた場合には、内部液を外部に漏出させることなく電位的な安定を得ることができるため、高濃度(3.3M)のKCl溶液等を用いる必要が無く、内部液の濃度を低濃度にすることができる。ここで、低濃度(例えば0.01M〜3.0M等)の内部液を用いた場合には、内部液の凝固点が上昇して零度に近づくため、内部液が凍結し易い。このように内部液を低濃度化することができるイオン液体をイオン伝導部に用いた場合には、本発明の効果を一層顕著にすることができる。また、イオン伝導部にゲル化したイオン液体を用いていることから、試料溶液の汚染を最小限に止め、参照電極の内部液と試料溶液との液間電位差の変動をほぼ完全に除去することができる。また、内部液が減少したり濃度が薄くなったりしにくいので、内部液の補充や交換の頻度が少なくて済む。
【発明の効果】
【0015】
このように構成した本発明によれば、体積膨張吸収機構により内部液の凍結に伴う内部液の体積膨張が吸収されるので、凍結により生じる内部液の漏出及び比較電極の破損を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係るイオン濃度測定装置の全体構成を示す斜視図。
図2】同実施形態の複合電極の軸方向に沿った断面図。
図3】同実施形態の複合電極の先端部を示す拡大断面図。
図4】同実施形態の複合電極の軸方向に直交する断面図。
図5】本発明の複合電極に用いられる試料容器を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明の複合電極を用いたイオン濃度測定装置に係る一実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
本実施形態のイオン濃度測定装置100は、図1に示すように、装置本体2及びプローブ3を有するものであり、これらは信号ケーブルCによって着脱自在に構成されている。装置本体2は表示部21及び操作部22を備えており、接続されるプローブ3の種類に応じて種々のイオン濃度を測定して、その測定結果を表示部21に表示するものである。なお、図1においては、測定試料のpHを測定する場合を示しているが、その他のイオン濃度を測定するものであっても良い。
【0019】
プローブ3は、前記信号ケーブルCが外部に延出するプローブ本体4と、当該プローブ本体4に着脱可能に取り付けられる複合電極5とを有する。
【0020】
複合電極5は、例えば内部液無補充型のものであり、測定試料中の例えば水素イオン濃度等の所定イオン濃度を測定するための例えばpH電極等のイオン選択性電極、比較電極及び温度補償電極を一体に有するものである。この複合電極5は、図2に示すように、イオン選択性電極用内部電極51と、比較電極用内部電極52と、温度補償電極を構成するサーミスタ等の温度検出素子53と、それらを収容する密閉空間を形成する容器となる支持管54とを有する。なお温度検出素子53は、温度に応じた電気信号を出力するものである。
【0021】
支持管54の内部は、イオン選択性電極用内部電極51及び温度検出素子53を収容するイオン選択性電極収容部S1と、比較電極用内部電極52を収容する比較電極収容部S2とに区画されている。具体的に支持管54は、イオン選択性電極収容部S1を形成するガラス製の内管541と、当該内管541の側周壁との間で比較電極収容部S2を形成する外管542とを有する。ここで、内管541の先端部における半球ドーム形状部分がガラス応答膜541sである。
【0022】
また外管542は、前記内管541のガラス応答膜541sが外部に露出するように前記内管541の側周壁を包囲するものであり、その先端部は、比較電極収容部S2を密閉空間とするための封止部材543により閉塞されている。なお、内管541及び外管542の後端部も封止部材544により閉塞されている。これにより、内管541及び外管542の間に密閉空間が形成される。
【0023】
さらに外管542の先端部には、内部液と測定試料とを電気的に接続するためのイオン伝導部55が設けられている。本実施形態のイオン伝導部55は、図3に示すように、ゲル化したイオン液体からなる円環状のイオン液体部材であり、樹脂製の外管本体部542mと樹脂製の外管先端部542nとの間に挟持されている。なお、外管先端部542nの先端側には、内管541のガラス応答膜541sを外部との機械的接触から保護するための庇状の複数(例えば3つ)のカバー部542n1が形成されている。
【0024】
ここで、イオン液体としては、陽イオンが、4級アンモニウムカチオン、4級フォスフォニウムカチオン又は4級アルゾニウムカチオンの少なくとも1つ以上であり、陰イオンが、[RSONSO(R、Rはそれぞれ炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基)、フッ素を含むボレートイオン、ビス(2−エチルヘキシル)スルホサクシネイト、P(C2n+1、(CFSO、AsF、SbF、(C2n+1)SO、又は(C2n+1)COOの少なくとも1つ以上であるものを用いることができる。
【0025】
またイオン液体のゲル化は高分子化合物によりなされており、当該高分子化合物としては、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリブチルアクリレート、及び、その他の合成ゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることができる。
【0026】
このように構成されたイオン選択性電極収容部S1には、内部液として高濃度(3.3M)のKCl溶液(pH7)が充填されるとともに、当該内部液にイオン選択性電極用内部電極51及び温度検出素子53が浸漬するように設けられる。
【0027】
また、比較電極収容部S2には、内部液としてKCl溶液(pH7)が充填されるとともに、当該内部液に比較電極用内部電極52が浸漬するように設けられる。
【0028】
この電極部2においてイオン選択性電極用内部電極51、比較電極用内部電極52及び温度検出素子53には、それぞれリード線が接続してあり、それらリード線はケーブルCに接続されて、プローブ本体の軸方向他端から外部に延出し装置本体2に接続される。そして、このような構成の複合電極5を、pH等のイオン濃度を求めたい測定試料に浸漬又は接触させると、内部液と測定試料との間にpH等のイオン濃度の差に応じた起電力が生じ、その起電力が、イオン選択性電極用内部電極51と比較電極用内部電極52との電位差となって表れる。この起電力は温度によって変動するため、前記装置本体2は、その電位差に加えて、前記温度検出素子53の出力信号値をパラメータとして、サンプルのpH等のイオン濃度を補正演算して表示する。
【0029】
本実施形態の複合電極5において、比較電極収容部S2には、図2図4に示すように、内部液の体積膨張を吸収する体積膨張吸収機構6が設けられている。この体積膨張吸収機構6は、複合電極5を低温保存する場合等に起こる内部液の凍結に伴う当該内部液の体積膨張を吸収するためのものである。例えば、比較電極収容部S2内に収容された内部液が3.3Mよりも低濃度のKCl溶液である場合等において、内部液の凝固点が零度に近づき、内部液が凍結し易くなるため、かかる体積膨張吸収機構6が特に有用となる。
【0030】
この体積膨張吸収機構6は、内部液に少なくとも一部が浸漬されて設けられ、当該内部液の体積膨張に伴い弾性変形する弾性変形部及びこの弾性変形部に接触して設けられた空気層を有する中空体61である。本実施形態の中空体61は、内部に空気等の気体を充填させてなる袋状弾性体である。
【0031】
この袋状弾性体61は、概略円筒形状の両端が閉塞された例えばポリイミドチューブ、熱収縮チューブ、シリコンチューブといったゴムチューブ等の弾性チューブである。この袋状弾性体61の中空部が空気層となる。
【0032】
具体的にこの弾性チューブ61は、前記比較電極収容部S2における密閉空間の一端部(先端部である下端部)から他端部(後端部である上端部)に亘って設けられており、複合電極5を起立させて弾性チューブ61が内部液中に浮き、当該弾性チューブ61の上端が密閉空間S2の上部に接触した状態であっても、当該弾性チューブ61の例えば3分の2程度といった一部(図2参照)が内部液内に浸漬される。なお、少なくともこの内部液内に浸漬された部分が弾性変形部となる。
【0033】
また、弾性チューブ61は、イオン伝導部であるイオン液体部材55と内部液との接触を妨げないように、その一端部はイオン液体部材55の内周側に位置しないように配置されている。つまり、本実施形態では、図3に示すように、比較電極収容部S2が、イオン液体部材55が内部液と接触する領域近傍である小径部S21と、当該小径部S21上部に形成されて比較電極用内部電極52が収容される大径部S22とからなり、当該大径部S22の軸方向略全体に亘って弾性チューブ61が配置されている。なお、本実施形態では、複数(3本)の弾性チューブ61を比較電極収容部S2内に配置した場合について図示しているが(図4参照)、この他の本数であっても良い。
【0034】
このように構成した体積膨張吸収機構6により、内部液が凍結により体積膨張した場合には、その体積膨張により弾性変形部が空気層側に押されて、その体積膨張分が気体層に吸収される。このとき気体層は圧縮された状態である。一方、内部液が融解した場合には、弾性変形部は、当該弾性変形部の弾性復帰力及び空気層から受ける内圧により、内部液凍結前の状態に戻る。
【0035】
このように構成した本実施形態に係るイオン濃度測定装置100によれば、体積膨張吸収機構6により内部液の凍結に伴う内部液の体積膨張が吸収されるので、凍結により生じる内部液の漏出及び複合電極5の破損を防ぐことができる。また、体積膨張吸収機構6を弾性チューブ61としているので、ガラス製支持管54に特に加工を施すことなく、比較電極収容部S2内に弾性チューブ61を挿入するだけで、体積膨張吸収機構6を構成することができる。
【0036】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。例えば前記実施形態では複合電極に説明したが、比較電極のみについても適用可能である。
【0037】
また、前記実施形態ではイオン伝導部がゲル化されたイオン液体であったが、ポリエチレン等の多孔質体からなる液絡部により構成しても良い。このような液絡部であっても比較電極収容部は密閉空間をみなすことができる。
【0038】
さらにイオン伝導部としてイオン液体を例示しているが、内部液の濃度に関わらず電位の安定性を得ることができる材料であれば、イオン液体外の材料を用いても良い。
【0039】
その上、体積膨張吸収機構としては、容器である支持管とは別部材をなす中空体により構成しているが、支持管(具体的には外管の内面又は内管の外面)に一体的に中空体を固定して設ける等により支持管に一体的に体積膨張吸収機構を設けても良い。
【0040】
加えて、前記実施形態の複合電極5とともに、図5に示すように、複合電極5の先端部のガラス応答膜541s及びカバー部542n1等からなる凹凸構造の隙間を埋めるように対応する凹凸構造を有する試料容器6を用いて測定試料を測定するようにしても良い。この試料容器7は、有底円筒形状をなすものであり、その内径が前記複合電極5の外径よりも若干大きく形成されている。そして、試料容器7は、その底部中央部に測定試料を貯留するための試料貯留部71を有している。この試料貯留部71は、前記ガラス応答膜541sに対応する形状を有しており、この中にガラス応答膜541sが浸漬される。また、試料貯留部71の側壁72はガラス応答膜541sの周囲に形成される空間を埋めるように構成されている。さらに試料貯留部71の側壁72に周囲には、カバー部542n1に対応する凹凸部73が形成されている。このような構成の試料容器7において試料貯留部71に測定試料を貯留した後に、複合電極5を挿入することで、試料貯留部71に貯留された測定試料はガラス応答膜541sにより貯留部71外に押し出されるとともに、複合電極5及び試料容器7の間の隙間を伝って上部に上昇する。この上昇により測定試料は複合電極5のイオン伝導部55まで到達する。これにより、測定試料の液量を少なくしながらも、確実に測定試料のイオン濃度を測定することができる。
【0041】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0042】
5・・・複合電極
52・・・比較電極用内部電極
54・・・支持管(容器)
55・・・イオン伝導部(イオン液体部材)
6・・・体積膨張吸収機構
61・・・弾性チューブ
図1
図2
図3
図4
図5