(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
保守監視対象物としてマンホール内の状態をマンホールの出入り口の蓋を開けずに、無線タグシステムを利用して把握できれば、マンホールを保守点検する作業が大幅に簡易になる。このような無線タグシステムを利用する際に、タグが送信する無線信号をリーダで受信する方法として2つの方法がある。
【0007】
第1の方法は、
図9に示すようなセンサ81の測定データを間欠送信するアクティブタグを用いるもので、以下「間欠送信モード」という。作業員が携帯リーダを所持してマンホールのある道路に並行する歩道上を進み、このマンホールから少し離れた場所において(歩道上にて)、アクティブタグから間欠送信される信号を受信する。なお、携帯リーダは軽量化のために、車載リーダのような要求信号を送信する機能がなく、タグの送信信号を受動的に受信する受信部のみを備えた構成である。
【0008】
第2の方法は、
図10の形態と同様に、車載リーダを搭載した車両が走行しながら要求信号を送信し、マンホールの上または近傍に差しかかったときにマンホール内のタグが要求信号を受信し、この要求信号に対して送信する応答信号を車載リーダで受信するもので、以下「要求/応答モード」という。
【0009】
ところで、マンホール内にセンサおよびタグを設置したままマンホールの蓋を開けることなく、車載リーダおよび携帯リーダの双方に対応するには、マンホール内のタグに対して外部から要求/応答モードと間欠送信モードの切り替えを可能にする必要がある。
【0010】
本発明は、要求/応答モードと間欠送信モードの切り替えが可能なタグを用い、車載リーダと携帯リーダの双方に対応可能な無線タグシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明は、保守監視対象物に設置され、保守監視対象物の状態を測定したセンサ情報を出力するセンサを有するタグと、
第1のリーダ
と、第2のリーダとにより構成され、
第1のリーダ
が要求信号を送信し、当該要求信号を受信したタグ
がセンサ情報を含む応答信号を送信し、当該応答信号を
第1のリーダが受信する無線タグシステムにおいて、タグは、センサ情報を含む間欠信号を所定の間欠送信間隔で送信する「間欠送信モード」
における間欠送信間隔を第1のリーダが送信する動作設定信号に応じて設定するとともに、要求信号を受信したときに応答信号を送信する「要求/応答モード」に移行し、応答信号の送信後に「間欠送信モード」に
移行する制御手段と、
動作設定信号および要求信号を受信するアンテナと
、応答信号
および間欠信号を送信するアンテナとを備え、
第1のリーダは、
動作設定信号および要求信号を送信するアンテナと、応答信号を受信するアンテナとを備え、
第2のリーダは、間欠信号を受信するアンテナを備え
、間欠信号を受信してセンサ情報を取得する構成である。
【0012】
第2の発明は、保守監視対象物に設置され、保守監視対象物の状態を測定したセンサ情報を出力するセンサを有するタグと、第1のリーダと、第2のリーダとにより構成され、第1のリーダが要求信号を送信し、当該要求信号を受信したタグがセンサ情報を含む応答信号を送信し、当該応答信号を第1のリーダが受信する無線タグシステムにおいて、タグは、
センサ情報を含む間欠信号を所定の間欠送信間隔で送信する「間欠送信モード」を定常状態とし、第1のリーダから送信された要求信号を受信したときに応答信号を送信する「要求/応答モード」に移行し、応答信号の送信後に「間欠送信モード」に復帰する制御手段と、要求信号を電磁誘導方式で受信する電磁誘導用アンテナと、要求信号の受信に応じた応答信号または間欠信号を電波方式で送信する電波用アンテナとを備え、
第1のリーダは、要求信号を電磁誘導方式で送信する電磁誘導用アンテナと、応答信号を電波方式で受信する電波用アンテナとを備え、
第2のリーダは、間欠信号を電波方式で受信する電波用アンテナを備える。
【0014】
第3の発明は、保守監視対象物に設置され、保守監視対象物の状態を測定したセンサ情報を出力するセンサを有するタグと、第1のリーダと、第2のリーダとにより構成され、第1のリーダが要求信号を送信し、当該要求信号を受信したタグがセンサ情報を含む応答信号を送信し、当該応答信号を第1のリーダが受信する無線タグシステムにおいて、タグは、センサ情報を含む間欠信号を所定の間欠送信間隔で送信する「間欠送信モード」を定常状態とし、第1のリーダから送信された要求信号を受信したときに応答信号を送信する「要求/応答モード」に移行し、応答信号の送信後に「間欠送信モード」に復帰する制御手段と、要求信号を受信するアンテナと、要求信号の受信に応じた応答信号または間欠信号を送信するアンテナとを備え、第1のリーダは、要求信号を送信するアンテナと、応答信号を受信するアンテナとを備え、第2のリーダは、間欠信号を受信するアンテナを備え、第1のリーダは、間欠信号の間欠送信間隔と応答信号の送信間隔および送信回数を設定し、センサの動作に関わる各パラメータを設定する動作設定信号をタグに送信する手段を含み、タグは、受信する動作設定信号に応じて、間欠信号の間欠送信間隔と応答信号の送信間隔および送信回数を設定し、センサの動作に関わる各パラメータを設定する手段を含む。
【0015】
第4の発明は、保守監視対象物に設置され、保守監視対象物の状態を測定したセンサ情報を出力するセンサを有するタグと、保守監視対象物の近傍を通過する車両に搭載される第1のリーダと、第2のリーダとにより構成され、第1のリーダが要求信号を送信し、当該要求信号を受信したタグがセンサ情報を含む応答信号を送信し、当該応答信号を第1のリーダが受信する無線タグシステムにおいて、タグは、センサ情報を含む間欠信号を所定の間欠送信間隔で送信する「間欠送信モード」を定常状態とし、第1のリーダから送信された要求信号を受信したときに応答信号を送信する「要求/応答モード」に移行し、応答信号の送信後に「間欠送信モード」に復帰する制御手段と、要求信号を受信するアンテナと、要求信号の受信に応じた応答信号または間欠信号を送信するアンテナとを備え、第1のリーダは、要求信号を送信するアンテナと、応答信号を受信するアンテナとを備え、第2のリーダは、間欠信号を受信するアンテナを備え、第1のリーダは、車両の走行速度の情報を通知する動作設定信号をタグに送信する手段を含み、タグは、応答信号の送信間隔、送信回数、送信電力の規定値を有し、受信する車両の走行速度の情報に応じて、車両の走行速度が閾値以下であれば応答信号の送信間隔、送信回数、送信電力を規定値に設定し、車両の走行速度が閾値を超えれば応答信号の送信間隔を規定値より短く設定するか、または送信回数を規定値より多く設定するか、または送信電力を規定値より高く設定する手段を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明の無線タグシステムでは、1つのタグで要求/応答モードと間欠送信モードの切り替えが可能である。間欠送信モードでは、作業員が携行する携帯リーダを用いて間欠信号を受信することにより、センサ情報を取得することができる。さらに、車両に搭載される車載リーダから要求信号を送信して要求/応答モードに切り替え、車載リーダを用いて要求信号に対する応答信号を受信することにより、センサ情報を取得することができる。
【0017】
また、タグの動作モードとして間欠送信モードを定常状態とし、要求信号により要求/応答モードに切り替えた後に、応答信号の送信後に自動的に間欠送信モードに復帰することができる。これにより、間欠信号のみを受信する携帯リーダでもセンサ情報の収集が可能になる。
【0018】
また、間欠信号の間欠送信間隔と応答信号の送信間隔および送信回数を設定し、センサの動作に関わる各パラメータを設定する動作設定信号を送信することにより、柔軟に運用な可能な無線タグシステムを実現することができる。
【0019】
また、車両の走行速度に応じて、タグから送信される応答信号の送信間隔、送信回数、送信電力の少なくとも1つを調整することにより、車両の走行速度が高速になっても車載リーダで応答信号の確実な受信が可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、本発明の無線タグシステムの動作設定時の構成例を示す。
図1(1) はシステム全体の構成例を示し、
図1(2) はリーダおよびタグの構成例を示す。
【0022】
図1(1) において、作業員が手押しする台車1に搭載されるリーダ10には、例えばLF帯の動作設定信号または要求信号の送信に用いる電磁誘導用アンテナ11と、例えばUHF帯の動作設定確認信号または間欠信号または要求信号に対する応答信号の受信に用いる電波用アンテナ12が接続される。台車1が移動する道路の下(地中)に保守監視対象物であるマンホール5があり、マンホール5内に設置されるタグ50には、例えばLF帯の動作設定信号または要求信号の受信に用いる電磁誘導用アンテナ51と、例えばUHF帯の動作設定確認信号または間欠信号または応答信号の送信に用いる電波用アンテナ52が接続される。
【0023】
リーダ10は、電磁誘導用アンテナ11から動作設定信号または要求信号を送信し、電磁誘導用アンテナ11とタグ50に接続される電磁誘導用アンテナ51が正対したときに、電磁誘導方式により動作設定信号または要求信号がリーダ10からタグ50に伝達される。タグ50は、定常状態で間欠信号を電波用アンテナ52から送信する間欠送信モードとなり、リーダ10から要求信号を受信したときにそれに対する応答信号を電波用アンテナ52から送信する要求/応答モードとなり、応答信号の送信後に間欠送信モードに戻る。当該間欠信号または応答信号は、リーダ10の電波用アンテナ12に受信される。ここで、タグ50は、受信する動作設定信号に応じて、タグ50の要求/応答モードまたは間欠送信モードに必要なパラメータが設定される。動作設定信号の詳細については後述する。
【0024】
図1(2) において、リーダ10は、動作設定信号または要求信号を生成して電磁誘導用アンテナ11から送信する送信部13と、電波用アンテナ12に受信する動作設定確認信号または間欠信号または応答信号の受信・復号処理を行い、間欠信号または応答信号に含まれるセンサ情報の表示、蓄積、読み出しを行う受信部14を備える。
【0025】
タグ50は、電磁誘導用アンテナ51に受信する動作設定信号または要求信号の復号処理を行う受信部53、制御部54、間欠信号処理部55、応答信号処理部56、センサ57、電波用アンテナ52に接続される送信部58を備える。制御部54は、動作設定信号に応じて間欠送信モードまたは要求/応答モードに必要なパラメータを間欠信号処理部55または応答信号処理部56に設定し、動作設定確認信号を送信部58に出力するとともに、間欠送信モードまたは要求/応答モードの切り替えを制御する。さらに、制御部54は、センサ57のセンサ情報を処理して間欠信号処理部55または応答信号処理部56に出力する。間欠信号処理部55は、制御部54の指示に応じて間欠送信モードで動作し、センサ情報を間欠信号として送信部58に出力する。応答信号処理部56は、制御部54の指示に応じて要求/応答モードで動作し、センサ情報を応答信号として送信部58に出力し、応答信号の送信終了とともにその動作を停止する。制御部54における間欠送信モードと要求/応答モードの状態遷移については後述する。送信部58は、動作設定確認信号または間欠信号または応答信号を電波用アンテナ52から送信する。
【0026】
本実施例では、リーダ10が動作設定信号または要求信号を送信する電磁誘導用アンテナ11を台車1の下部に取り付け、動作設定信号または要求信号を真下方向に送信することで、台車1がタグ50のあるマンホール5の上を通過するときに、タグ50の電磁誘導用アンテナ51が動作設定信号または要求信号を受信する。
【0027】
通常の台車1は車高(地上から台車1の床下面まで)が10cm程度であり、またマンホールの深さは3m以内のものがほとんどである。また、日本では電磁誘導方式としてLF帯やHF帯が使用されており、アスファルトや土壌等による電波の損失はほとんどない場合が多い。したがって、自由空間において3m以上通信可能であれば、マンホール内に設置したタグ50の電磁誘導用アンテナ51と、台車1の下面に取り付けた電磁誘導用アンテナ11との間で通信が可能である。
【0028】
図2は、本発明の無線タグシステムの運用時の構成例を示す。
図2(1) は、走行車両に搭載の車載リーダを用いてセンサ情報収集を行う場合の構成例を示す。
図2(2) は、主に歩行作業者が携行する携帯リーダを用いてセンサ情報収集する場合の構成例を示す。
【0029】
図2(1) において、車両2に搭載される車載リーダ20には、例えばLF帯の要求信号の送信に用いる電磁誘導用アンテナ21と、例えばUHF帯の応答信号の受信に用いる電波用アンテナ22が接続される。車両2が走行する道路の下(地中)に保守監視対象物であるマンホール5があり、マンホール5内に設置されるタグ50には、要求信号の受信に用いる電磁誘導用アンテナ51と、応答信号の送信に用いる電波用アンテナ52が接続される。なお、マンホール5内の構成は、
図1(1) の動作設定時のものと同じである。
【0030】
車載リーダ20は、電磁誘導用アンテナ21から要求信号を送信し、電磁誘導用アンテナ21とタグ50に接続される電磁誘導用アンテナ51が正対したときに、電磁誘導方式により要求信号が車載リーダ20からタグ50に伝達される。タグ50は、定常状態で間欠信号を電波用アンテナ52から送信する間欠送信モードとなり、車載リーダ20から要求信号を受信したときにそれに対する応答信号を電波用アンテナ52から送信する要求/応答モードとなり、応答信号の送信後に間欠送信モードに戻る。当該間欠信号または応答信号が車載リーダ20の電波用アンテナ22に受信される。なお、車載リーダ20に接続される電磁誘導用アンテナ21および電波用アンテナ22は、
図1(1) に示すリーダ10に接続される電磁誘導用アンテナ11および電波用アンテナ12と同様のものであるが、電波用アンテナ22は車両2がマンホール5を通過してからも応答信号の受信が可能なように比較的高い位置に設置することが望ましい。
【0031】
図2(2) において、作業員が携行する携帯リーダ30には、間欠信号の受信に用いる電波用アンテナ31が接続される。作業員が歩行する歩道近傍の車道下(地中)に保守監視対象物であるマンホール5がある。間欠送信モードのタグ50は、センサ情報を間欠信号として送信し、当該間欠信号が携帯リーダ30の電波用アンテナ31に受信される。
【0032】
図3は、本発明の無線タグシステムの運用時の各部構成例を示す。
図3において、車載リーダ20は、要求信号を生成して電磁誘導用アンテナ21から送信する送信部23と、電波用アンテナ22に受信した応答信号の受信・復号処理を行い、応答信号に含まれるセンサ情報の表示、蓄積、読み出しを行う受信部24を備える。
【0033】
携帯リーダ30は、電波用アンテナ31に受信する間欠信号の受信・復号処理を行い、間欠信号に含まれるセンサ情報の表示、蓄積、読み出しを行う受信部32を備える。
【0034】
タグ50は、
図1(2) に示す構成と同じであり、電磁誘導用アンテナ51、電波用アンテナ52、受信部53、制御部54、間欠信号処理部55、応答信号処理部56、センサ57、送信部58を備える。
【0035】
本発明では、車載リーダ20が要求信号を送信する電磁誘導用アンテナ21は車両2の下部に取り付け、要求信号を真下方向に送信することで、車両2がタグ50のあるマンホールの上の通過したときに、タグ50の電磁誘導用アンテナ51が要求信号を受信し、要求/応答モードになって対応する応答信号を送信し、応答信号の送信後に間欠送信モードになる。
【0036】
通常の車両2は車高(地上から車両2の床下面まで)が20cm程度であり、またマンホールの深さは3m以内のものがほとんどである。また、日本では電磁誘導方式としてLF帯やHF帯が使用されており、アスファルトや土壌等による電波の損失はほとんどない場合が多い。この場合には、自由空間において3m以上通信可能であれば、マンホール内に設置したタグ50の電磁誘導用アンテナ51と、車両2の下面に取り付けた電磁誘導用アンテナ21との間で通信が可能である。実際に、電磁誘導用アンテナのサイズが1m×1m程度で、通信距離が5mまで通信可能な市販製品も存在する。車両2の下面は、小型車や軽自動車でも長さ 1.7m以上、幅1m以上のサイズはあるため、1m×1m程度の電磁誘導用アンテナ21を取り付けることにより、タグ50の電磁誘導用アンテナ51との間で5m程度の通信は可能である。
【0037】
また、車載リーダ20とタグ50が要求信号の送受信可能な時間は、車載リーダ20の電磁誘導用アンテナ21がタグ50の電磁誘導用アンテナ51の上の通過する時間T
1 (s) と等しいが、この時間T
1 (s) は電磁誘導用アンテナ21の長さL(m) と車両の移動速度V(m/s) より、
T
1 =L/V
と決まる。例えば、電磁誘導用アンテナ21の長さLが 1.7m、車両2の移動速度Vが60km/h≒16.7m/s の場合、通信可能時間T
1 は約 0.1秒となる。
【0038】
次に、要求信号の送信間隔をI
1(s)、タグ50の受信回数をN
1 (回) とすると
I
1 =T
1 /N
1
となるので、車両2が通過する間にタグ50で要求信号を受信する回数N
1 を決めると要求信号の送信間隔I
1 が決定される。例えば、長さ 1.7mの電磁誘導用アンテナ21を搭載し、時速60kmで走行中の車両2から要求信号を2回受信したい場合は、要求信号の送信間隔I
1 を約0.05秒(=50msec) とする必要がある。なお、要求信号は電磁誘導方式で伝送されるので、例えば20msec程度が必要であるが、その送信間隔が50msecであれば十分に対応可能である。
【0039】
ところで、タグ50の電磁誘導用アンテナ51および受信部53に対して要求信号を送信する車載リーダ20の送信部23および電磁誘導用アンテナ21は、
図1に示す台車1に搭載のリーダ10の送信部13および電磁誘導用アンテナ11と同様の構成であり、車載リーダ20から要求信号の他に動作設定信号の送信も可能である。ただし、動作設定信号は、後述するように要求/応答モードおよび間欠送信モードに必要なパラメータを設定するものであり、複数の項目があり、それぞれの設定確認も必要である。一方、電磁誘導用アンテナ21,51間で行われるLF帯の通信は通信速度が遅い(通信容量が小さい)。そのため、対向する電磁誘導用アンテナ21,51間で、走行中の車両2からすべての項目の動作設定信号を1回に送信することが困難であれば、複数回に分けて、あるいは項目ごとに動作設定信号を送信する方法がある。この場合、上記の要求信号の送受信と同様に、車両速度に応じて動作設定信号の送信間隔および送信回数が決められる。また、
図1に示す台車1から動作設定信号を送信する場合でも、すべての項目を1回で送信する他に、複数回に分けて、あるいは項目ごとに動作設定信号を送信してもよい。
【0040】
図4は、間欠信号および応答信号を示す。
図4(1) における間欠信号は、
図1(2) および
図3に示すタグ50の間欠信号処理部55から出力される信号であり、ここでは間欠送信間隔として1分が設定された場合を示す。この間欠送信間隔は、リーダ10または車載リーダ20からの動作設定信号により、例えば1分、5分、15分、無限大に設定される。間欠送信間隔が無限大に設定された場合は間欠送信しないことであり、タグ50は実質的に待機状態となる。
【0041】
図4(2) における応答信号は、
図1(2) および
図3に示すタグ50の応答信号処理部56から出力される信号であり、ここでは送信間隔として50ミリ秒、送信回数として4回が設定された場合を示す。リーダ10または車載リーダ20からの動作設定信号により、送信間隔は例えば50ミリ秒、 500ミリ秒などが設定され、送信回数は例えば1回、4回、8回などが設定される。なお、送信回数が1回に設定される場合は、送信間隔の設定は無意味になる。
【0042】
ここで、間欠信号の間欠送信間隔および応答信号の送信間隔は、厳密に一定とするのではなく、それぞれの送信間隔に例えば10〜50%程度のランダムなゆらぎをもたせることが望ましい。これにより、複数のマンホールが近接し、それぞれのタグから送信される間欠信号または応答信号のタイミングをずらすことができ、数回の送信を繰り返す内に衝突せずに確実に受信させることができる。
【0043】
次に、
図1(2) および
図3に示すセンサ57のパラメータを設定する動作設定信号について説明する。例えば、マンホール5の振動回数を計測する加速度センサに設定するパラメータとしては、加速度の計測値をサンプリングするサンプリング周波数、計測する加速度の最大値である加速度フルスケール、カウントする衝撃の強さの閾値である衝撃検知閾値、1回の衝撃を1回としてカウントするために加速度が閾値を2回以上超えてもカウントしない衝撃検知マスク時間がある。サンプリング周波数は例えば10Hz、25Hz、100Hz などが設定される。100Hz では1秒間に 100回、10ミリ秒ごとにセンサデータが検出される。加速度フルスケールは、例えば±0.5 G、±1Gなどが設定される。衝撃検知閾値は、例えば±0.2 G、±0.4 Gなどが設定される。衝撃検知マスク時間は、例えば0、 200ミリ秒、 400ミリ秒などが設定される。0の場合は、加速度が閾値を超える値をすべてカウントすることになる。
【0044】
例えばそれぞれのパラメータとして、100Hz 、±0.5 G、±0.2 G、 200ミリ秒が設定された場合、加速度センサがサンプリング速度100Hz で加速度をサンプリングし、衝撃検知閾値±0.2 Gを超えたときに振動回数を1回としてカウントする。以後、衝撃検知マスク時間 200ミリ秒の間は、衝撃検知閾値±0.2 Gを超えてもカウントせず、衝撃検知マスク時間 200ミリ秒の以降に衝撃検知閾値±0.2 Gを超えた場合にカウントアップして再度衝撃検知マスク時間 200ミリ秒を設定する動作となる。
【0045】
図5は、タグの状態遷移例を示す状態遷移図である。
図6は、タグの動作例を示すタイムチャートである。
【0046】
ここでは、タグの動作設定を2回に分けて行う例を示す。例えば、動作設定1では間欠信号の間欠送信間隔、応答信号の送信間隔および送信回数の設定を行い、動作設定2ではセンサのサンプリング周波数、加速度フルスケール、衝撃検知閾値、衝撃検知マスク時間の設定を行う。あるいは、衝撃検知マスク時間の設定を動作設定1で行ってもよく、その組み合わせは任意である。
【0047】
図5および
図6において、タグは、動作設定1、動作設定2、間欠送信モード、要求/応答モードに対する状態S10〜S16を遷移するが、その状態遷移は
図1(2) および
図3に示すタグ50の制御部54において制御される。
【0048】
タグをマンホールに設置する前、例えばタグの製造組立段階において、電池を挿入すると各パラメータが予め決めた初期値にリセットされ、間欠送信モードになって間欠信号処理部55が起動する(S10、t10)。ここでは、間欠信号の間欠送信間隔、応答信号の送信間隔および送信回数、センサのサンプリング周波数、加速度フルスケール、衝撃検知閾値、衝撃検知マスク時間がそれぞれ初期値に設定される。
【0049】
間欠送信モードでは、初期値の間欠送信間隔で間欠信号を送信し、試験用のリーダで受信確認が可能になる。次に、試験用のリーダから間欠信号の間欠送信間隔を設定する動作設定1の要求を送信する(S11、t11)。ここでは、間欠信号の間欠送信間隔として無限大を設定し、タグ50がLF帯の動作設定信号または要求信号を受信できる待機状態とする(S12、t12)。この待機状態のタグ50を現場のマンホール5に持ち込み、設置作業を行う。
【0050】
間欠送信モードかつ待機状態のタグ50をマンホール5に設置すると、
図1に示す台車1をマンホール5の上に移動し、電磁誘導用アンテナ11,51間でLF帯の動作設定信号の送受信を行う。まず、間欠信号の間欠送信間隔、応答信号の送信間隔および送信回数を設定する動作設定1の要求を受信し(S11、t13)、制御部54が間欠信号処理部55および応答信号処理部56に対してそれぞれのパラメータに応じた設定を行い、当該設定が完了すると再び間欠送信モードに戻り、間欠信号処理部55は設定された間欠送信間隔で間欠信号の送信を開始する(S12、t14)。続いて、センサ57の各パラメータを設定する動作設定2の要求を受信し(S13、t15)、制御部54が間欠信号処理部55および応答信号処理部56に対してそれぞれのパラメータに応じた設定を行い、当該設定が完了すると再び間欠送信モードに戻り、間欠信号処理部55は設定されたパラメータで測定されるセンサ情報を含む間欠信号の送信を開始する(S14、t16)。この状態では、
図1に示すリーダ10、あるいは
図2および
図3に示す携帯リーダ30で当該間欠信号の受信が可能になり、当該タグの運用開始となる。
【0051】
次に、車載リーダ20を搭載した車両2がマンホールを通過し、その間に電磁誘導用アンテナ21,51間でLF帯の要求信号の送受信を行い、当該要求信号を受信した制御部54は要求/応答モードに移行して応答信号処理部56を起動する(S15、t17)。応答信号処理部56は、要求信号の受信をトリガとしてセンサ情報を含む応答信号を生成し、動作設定1で設定された送信間隔および送信回数で送信し、その送信が終了すると動作を停止し、制御部54の制御によって間欠送信モードになって間欠信号処理部55が起動する(S16、t18)。
【0052】
このように、タグ50は応答信号の送信を終了すると要求/応答モードから間欠送信モードに移行するので、それ以降に携帯リーダ30を携行した作業者がマンホールにやってきても、センサ情報を含む間欠信号の受信が可能になる。
【0053】
また、タグ50の運用中に、走行する車両2から動作設定信号(動作設定1の要求または動作設定2の要求)を送信し、タグ50の各パラメータを設定しなおすことも可能である。例えば、応答信号の送信間隔および送信回数を車両速度に合せて調整することにより、応答信号の受信をより確実に行うことも可能である。また、センサ情報の解析によりセンサ57の各パラメータの調整を行い、より適切なセンサ情報の収集を行うことも可能である。
【0054】
ここで、走行する車両2がタグ50からの応答信号を確実に受信するために、車両2の走行速度に応じて応答信号の送信間隔、送信回数、送信電力の1つあるいはそれらを組み合わせて適宜設定変更する例について説明する。車載リーダ20は、要求信号とともに送信する動作設定信号として、応答信号の送信間隔、送信回数、送信電力の規定値と、車両2の走行速度の情報を送信する。なお、応答信号の送信間隔、送信回数、送信電力の規定値は、予め台車1のリーダ10から設定されたものであってもよい。制御部54は、要求信号に応じて応答信号処理部56を起動するとともに、車両2の走行速度が閾値以下であれば、応答信号の送信間隔、送信回数、送信電力を規定値のままとする。一方、車両2の走行速度が閾値より高い場合には、応答信号の送信間隔を規定値より短くすることにより、短時間でも一定回数の応答信号の受信が期待できる。あるいは、走行速度が閾値より高い場合には、応答信号の送信回数を規定値より多くすることにより、受信環境が良好でない場合であっても、時間ダイバーシチ効果により受信しやすくする。あるいは、走行速度が閾値より高い場合には、応答信号の送信電力を規定値より高くすることにより受信電力を改善し、受信しやすくする。
【0055】
また、
図1において、タグ50に送信するLF帯の動作設定信号として、センサ57の動作をオンオフする制御信号を送信するようにしてもよい。例えば、
図6に示すように、タグ50の各パラメータを初期値にリセットして間欠送信モードになるタイミングでセンサ57をオンとし(S10、t10)、動作設定1に移行するタイミングでセンサをオフとし(S11、t11)、間欠送信間隔を無限大に設定して待機状態に入る。さらに、リーダ10を搭載した台車1がマンホール5の上に移動し、LF帯の動作設定信号を送信し、当該動作設定信号を受信したタグ50が動作設定2を行うタイミングでセンサ57をオンとし(S13、t15)、それ以降、センサ57がオン状態を維持する。また、マンホール5の上を走行する車両2の車載リーダ20から、タグ50に対してセンサ57のオンオフを制御するLF帯の動作設定信号を送信するようにしてもよい。
【0056】
以上の説明では、タグ50はマンホール5に設置され、その上を通過する車両2に搭載された車載リーダ20または歩行作業者が携行する携帯リーダ30を用いてセンサ情報を収集する例を示した。しかし、センサを含むタグ50の設置場所はマンホール5に限られるわけではなく、例えば
図7に示す電柱7や、電柱7に架設される電線やケーブルに装着されるクロージャ6に設置してもよい。この場合には、車両2(あるいは台車1)に搭載される電磁誘導用アンテナ21は車両2(あるいは台車1)の天井部分に設置し、LF帯の要求信号や動作設定信号を上方に向けて送信してもよい。このとき、タグ50から送信されるUHF帯の応答信号は、車両2(あるいは台車1)に搭載の電波用アンテナ22で受信する。タグ50に設置されるセンサは、例えば電柱の傾斜を計測する傾斜センサ、クロージャ6の歪みや温度を計測する歪みセンサや温度センサである。
【0057】
また、以上の説明では、タグ50の電磁誘導用アンテナ51と電波用アンテナ52は互いに分離しており、それぞれ異なる無線方式(例えばLF帯の電磁誘導方式、例えばUHF帯の電波方式)を用いて信号を送受信する例を示した。しかし、
図8に示すように、これらは同じ無線方式により同一のアンテナで送受信を行っても構わない。
【0058】
図8に示す構成例では、
図3に示す車載リーダ20の送信部23と受信部24、タグ50の受信部53と送信部58は、それぞれ1つの送受信部25および送受信部59となり、それぞれ1つの電波用アンテナ22,52を介して送受信が行われる。要求信号は、車載リーダ20の送受信部25から電波用アンテナ22を介して送信され、タグ50の電波用アンテナ52を介して送受信部59で受信され、制御部54に入力する。そして、制御部54の制御により間欠信号処理部55から出力される間欠信号または応答信号処理部56から出力される応答信号は、送受信部59から電波用アンテナ52を介して送信される。間欠信号は携帯リーダ30の電波用アンテナ31を介して受信部32に受信され、応答信号は車載リーダ20の電波用アンテナ22を介して送受信部25に受信される。ここで、タグ50の制御部54、間欠信号処理部55および応答信号処理部56は、
図3に示すタグ50と全く同じ動作をする。
【0059】
また、
図1(2) に示すLF帯の動作設定信号、UHF帯の動作設定確認信号についても、同様にリーダ10の送信部13と受信部14を1つの送受信部として1つの電波用アンテナ12を用い、
図8に示すタグ50の送受信部59および電波用アンテナ52を用いて送受信可能である。