(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の好ましい実施の形態におけるアンテナ及び一体化アンテナについて、図面を参照して詳細に説明する。同一機能を有する各構成部については、図示及び説明簡略化のため、同一符号を付して示す。
【0028】
以下では、まず、本発明のアンテナ及び一体化アンテナで用いる素子アンテナ、及び素子アンテナを2つ配列して形成されるモノパルス素子アンテナについて説明する。モノパルス素子アンテナは、方位角の測定機能を実現するのに必要最小限な構成を有している。
【0029】
本発明のアンテナ等に用いる素子アンテナを備えた従来のアンテナの一例を
図2に示す。
図2は、素子アンテナ10を備えた従来のアンテナの構成を示す構成図であり、同図(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ従来のアンテナの斜視図、平面図、及び断面図を示している。素子アンテナ10は、第1素子11aと第2素子11bの2つの素子からなる放射素子11と、第1ポール(スルーホール)12及び第2ポール(スルーホール)13を備えており、誘電体基板101の一方の面に配置されてプリント化ダイポールアンテナとなっている。誘電体基板101の他方の面には、地板102が設けられている。さらに、地板102を挟むように別の誘電体基板103が設けられ、別の誘電体基板103の地板102とは反対側の面に伝送線路104が設けられている。第1素子11aは、第1ポール(スルーホール)12で伝送線路104に接続されて給電され、第2素子11bは、第2ポール(スルーホール)13で地板102に接続されている。
【0030】
以下では、説明を容易とするために、
図2に示すような座標系を用いるものとする。ここで、誘電体基板101及び地板102に平行な方向でかつ相互に直交する2方向をそれぞれX方向、Y方向とし、誘電体基板101及び地板102に垂直な方向をZ方向とする。第1素子11aと第2素子11bは、送信波または受信波のEθ成分がXZ面上にあるように配列されている。素子アンテナ10を車載レーダに用いる場合には、XZ面が水平面となり、YZ面が垂直面となる。また、誘電体基板101のX方向の長さ(横幅)をAsubとし、Y方向の長さをBsubとする。
【0031】
素子アンテナ10はプリント化ダイポールアンテナを形成しており、
図2に示す座標系は、プリント化ダイポールアンテナとしての座標系を示している。ここで、地板102が無限地板のときには、プリント化ダイポールアンテナである素子アンテナ10のEθ成分が広覆域となる理由を以下に説明する。送信波及び受信波の自由空間波長をλ0とし、素子アンテナ10のX方向の幅2aが、2a≒λ0/2を満たすようにaの値を選定したとき、素子アンテナ10の略中央に位置する第1ポール12から素子アンテナ10に給電すると、第1素子11a及び第2素子11bには、
図3に示す電界E1に対応して矢印D1のように、磁流Imが放射源として同一方向に流れる。
【0032】
図3において、Eθ成分はφ=0°のときの成分であることから、θを−90°〜+90°スキャンしても、磁流Imは常に線として見えている。一方、φ=90°のときはEφ成分となるが、このときθを−90°〜+90°スキャンすると、磁流Imは線から点に変化して指向特性としてcosθがかかった形となり、その分指向特性は狭くなる。しかし、地板102が有限地板の場合には、指向特性の差は縮小する傾向を見せる。
【0033】
有限地板におけるEθ成分とEφ成分の振幅分布の比較を、
図4に示すような素子アンテナ10をX方向に2つ並べてEθ成分が水平となるように配列したモノパルス素子アンテナ20を用いて行う。モノパルス素子アンテナ20は、
図5(a)、(b)に示すように、X方向の長さ(横幅)Asub、Y方向の長さBsubの誘電体基板101上に、モノパルス差パターンの対称性を良くするために、2つの素子アンテナ10の中心から左右(X方向)を見たときの電波特性が対称となるように、中心軸L1に対し対称に放射素子11(11a、11b)を配置し、さらに両者に逆相給電する方式を採用している。
図4において、dxは2つの素子アンテナ10の給電点間の距離を表す。以下では、これを逆相給電型モノパルス素子アンテナと称することとする。
【0034】
図4に示すモノパルス素子アンテナ20を用いて、地板102が有限地板のときのEφ成分及びEθ成分をシミュレーション解析した一例を
図5に示す。ここでは、Eφ成分のシミュレーションを行う場合には、Eφ成分の方向の地板102の寸法Bsubを60mmとし、それに直交する方向の地板102の寸法Asubを20mm(
図5(a))として解析を行っている。また、Eθ成分のシミュレーションを行う場合には、Eθ成分の方向の地板102の寸法Asubを60mmとし、それに直交する方向の地板102の寸法Bsubを20mm(
図5(b))としている。なお、
図5(a)、(b)では、誘電体基板101の記載を省略している。
【0035】
図5(c)に示すEφ成分(符号S1で示す)とEθ成分(符号S2で示す)の比較では、Eφ成分S1が地板102の中央における値に比べて両端で−43dB程度低下するのに対し、Eθ成分S2はー23dB程度の低下にとどまり、地板102の両端でも相当大きな電界が存在している。これは、TMモードの表面波として作用して放射パターンにリップルを生じさせる要因となる。
【0036】
次に、モノパルス素子アンテナの構成として、2つの素子アンテナ10の好適な組み合わせ方法について説明する。モノパルス素子アンテナの異なる3種類の構成例を
図6に示す。同図(a)は、
図30に示した従来のアンテナ900と同様に、2つの素子アンテナ10が垂直偏波となるように配列した例であり、同図(b)及び(c)は、2つの素子アンテナ10が水平偏波となるように配列した例である。また、
図6(b)と(c)では、給電方法が異なっている。
【0037】
図6(a)に示す従来構成のモノパルス素子アンテナ91では、素子アンテナ10が垂直偏波となるように配置されているため、Eφ成分が水平になっている。すなわち、ビーム幅の狭いEφ成分が水平方向に配置されるため、測角可能な角度範囲も狭くなってしまう。
【0038】
図6(b)に示すモノパルス素子アンテナ92では、素子アンテナ10が水平偏波となるように配置されており、Eθ成分が水平になっている。また、位相比較モノパルス方式として、2つの素子アンテナ10に対して同相給電している。モノパルス素子アンテナ92は、Eθ成分が水平に配置されているので、Azの和パターンに広覆域な特性が得られるものの、左右(X方向)の対称性に問題があるため、対称性の良好な形状のモノパルス差パターンを実現するのが難しい。
【0039】
これに対し
図6(c)に示すモノパルス素子アンテナ20では、素子アンテナ10が水平偏波となるように配置され、さらに、位相比較モノパルス方式として、2つの素子アンテナ10に対して逆相給電している。モノパルス素子アンテナ20は、Eθ成分が水平に配置されているのでAzの和パターンに広覆域な特性が得られるとともに、左右(X方向)の対称性が良好で、なだらかに変化する形状のモノパルス差パターンを容易に実現できる。
【0040】
モノパルス素子アンテナ20の放射ビームの形状と、誘電体基板101のX方向(水平方向)の長さ(横幅Asub)との関係について、
図7を用いて以下に説明する。
図7は、誘電体基板101の横幅Asubを変化させたときの、シミュレーション結果の一例を示している。誘電体基板101の横幅Asubを、
図7(a)に一例を示すように、Asub=11mm(符号S11)、20mm(符号S12)、40mm(符号S13)、60mm(符号S14)と変化させたとき、モノパルス素子アンテナ20の振幅Azの和パターンの形状がどのように変化するかを
図7(b)に示している。
【0041】
図7(b)より、誘電体基板101の横幅Asubを変化させると、Z方向の振幅Azのモノパルス和パターンはさまざまに変化することがわかる。特に、横幅Asubが大きくなると、和パターンに前記TM表面波が重畳されてリップルが生じてくる。
図7(b)に示す解析結果では、横幅Asubが20mm(符号S12)程度のときに、広覆域にわたり比較的対称性が良好でなだらかに変化する和パターンが得られる。
【0042】
上記のとおり、プリント化ダイポールアンテナのような磁流素子を利用し、そのEθ成分を主偏波として水平方向に配置することで、振幅Azの和パターンに広覆域な特性が得られる。また、誘電体基板101の横幅Asubを略20mmとすることで、広覆域にわたり比較的対称性が良好でなだらかに変化する和パターンが得られる。しかし、横幅Asubを20mmから変化させると、このモノパルス和パターンの形状も変化してしまう。
【0043】
そこで、本発明のアンテナ及び一体化アンテナでは、放射パターンの整形や誘電体基板101上のTM表面波を抑制するために、X方向(水平方向)に配置された素子アンテナ10の近傍に金属板やEBG(Electromagnetic Band Gap)からなるリムを配置する。EBGには共平面型とマッシュルーム型の2種類があるが、それは状況により使い分けられる。本発明の一体化アンテナでは、いずれの型のEBGを用いても同じ機能を有することから、以下では簡便のために両者を特に区別しないで用いる。まず、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナを、
図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態のアンテナ100の構成を示す構成図であり、同図(a)、(b)、及び(c)には、それぞれアンテナ100の斜視図、平面図、及び断面図が示されている。
【0044】
図1に示す本実施形態のアンテナ100は、素子アンテナ10を挟んで誘電体基板101のX方向の左右両端にそれぞれリム111、112を備える構成となっている。素子アンテナ10は、第1素子11aと第2素子11bの2つの素子からなる放射素子11と、第1ポール12及び第2ポール13を備えており、誘電体基板101の一方の面に配置されてプリント化ダイポールアンテナとなっている。誘電体基板101の他方の面には、地板102が設けられている。さらに、地板102を挟むように別の誘電体基板103が設けられ、別の誘電体基板103の地板102とは反対側の面に伝送線路104が設けられている。第1素子11aは、第1ポール(スルーホール)12で伝送線路104に接続されて給電され、第2素子11bは、第2ポール(スルーホール)13で地板102に接続されている。
【0045】
リム111、112は、素子アンテナ10に対し、X方向に対称、又は非対称に配置されている。リム111、112として、金属板あるいはEBGを用いることができる。このように、素子アンテナ10を挟んでその両側にリム111、112を設けることで、アンテナ100は、広覆域を実現するのに必要となる誘電体基板101の横幅を狭くすることが可能となる。その結果、他のRF回路を集積するためのスペースを大きく確保することができ、スペースファクターを改善することができる。
【0046】
次に、本発明の第2の実施の形態に係るアンテナを、
図8を用いて説明する。
図8は、本実施形態のアンテナ200a、200bの構成を示す平面図である。
図8(a)に示す本実施形態のアンテナ200aは、2つの素子アンテナ10を1×2に配列した位相比較モノパルス素子アンテナ20で構成されたアレーアンテナであり、これを挟んで誘電体基板101のX方向の左右両端にそれぞれリム201a、202aを設けている。また
図8(b)には、同じ寸法のモノパルス素子アンテナ20に異なる寸法のリム201b、202bを設けたアンテナ200bを示している。
【0047】
図8(a)に示すアンテナ200aでは、誘電体基板101の横幅(X方向の長さ)Asubを11mmとし、その左右に配置されたリム201a、202aの横幅をともに4.5mmとすることで、全体の横幅Aを20mmとしている。また、
図8(b)に示すアンテナ200bでは、誘電体基板101の横幅Asubを同じく11mmとし、その左右に配置されたリム201b、202bの横幅をともに24.5mmとすることで、全体の横幅Aを60mmとしている。Y方向の長さBsubは、アンテナ200a、200bとも20mmとしている。
【0048】
アンテナ200a、200bの位相比較モノパルス和パターンをシミュレーション解析により求めた一例(それぞれ符号S21、S22で示す)を
図9(a)に示す。また、比較のために、
図9(b)に示す誘電体基板101の横幅Asubが20mmでリムを有さないアンテナ93(B=20mm)についても、シミュレーション解析した結果(符号S23で示す)を併せて示す。
図9(a)に示すように、本実施形態のアンテナ200a、200bのモノパルス和パターンS21、S22は、誘電体基板101の横幅Asubをともに11mmとしているが、横幅Asubが20mmのアンテナ93のモノパルス和パターンS23と比べて、ほぼ同等の特性が得られている。また、アンテナ200bの解析結果に示すように、リム201b,202bの横幅を変えてアンテナ200bの全体の横幅Aを60mmまで変化させても、和パターンに大きな変化は見られない。
【0049】
本実施形態のアンテナ200a、200bによれば、モノパルス素子アンテナ20の左右両側にそれぞれリム201a、202a、及びリム201b,202bを配置することにより、広覆域な和パターンを実現するのに必要となる誘電体基板101の横幅Asubを20mmから11mmへと約55%に大幅に短縮することが可能となる。その結果、アンテナ200a、200bの表面あるいは裏面に別のRF回路素子を集積する場合に、そのスペースファクタを大幅に改善することができる。
【0050】
上記説明のように、リム201a、202a及びリム201b,202bを設けることで、広覆域化の実現に必要な誘電体基板101の横幅Asubを小さくでき、別のRF部品を集積するときのスペースファクタを改善することができるのに加えて、後述するように、アンテナ領域とRF領域との電気的な区分が必然的になされ、両領域間のアイソレーションを高めることが可能となって不必要な干渉を抑圧する効果が得られる。
【0051】
本発明の第3の実施の形態に係るアンテナを、
図10を用いて説明する。
図10は、本実施形態のアンテナ210の構成を示す平面図である。本実施形態のアンテナ210は、誘電体基板211上に4つの素子アンテナ10を1列(4×1の配列)に配置したリニアアレーアンテナに構成されており、その左右(X方向)両側にリム212、213を設けている。誘電体基板211の横幅Asubを8.5mmとし、リム212、213を含めた全体の横幅Aを34mmとしている。符号214は、アンテナ210の裏面に形成されて各素子アンテナ10に接続される伝送線路を示している。アンテナ210は、レーダ装置の送信用アンテナに用いられる。
【0052】
本実施形態のリニアアレーアンテナ210の放射パターンをシミュレーション解析した結果を、
図11に符号S31で示す。同図(a)は、水平方向(XZ方向)の放射パターンであるEθ成分のAzパターンを示し、同図(b)は、垂直方向(YZ方法)の放射パターンであるEφ成分のELパターンを示している。
図11では、比較のために、
図30(a)に示した従来のリニアアレーアンテナ900a、及び
図31に示した従来のリニアアレーアンテナ910についても、それぞれの放射パターンの解析結果(それぞれS32、S33とする)を示している。
【0053】
図11(a)に示すAzパターンでは、本実施形態のリニアアレーアンテナ210の水平方向の覆域が、従来のリニアアレーアンテナ900a、910に比べて明らかに広覆域化されている。具体的には、±60°での利得低下量が、従来のリニアアレーアンテナ900aで−8dB、従来のリニアアレーアンテナ910でー13dBとなっているのに対し、本実施形態のリニアアレーアンテナ210では、ー3dB程度の低下量にとどまっており、広覆域な放射パターンが実現されている。
【0054】
次に、本実施形態のリニアアレーアンテナ210において、誘電体基板101の横幅の寸法AsubがAzパターンに与える影響を、
図12に示すAzパターンのシミュレーション結果を用いて説明する。ここでは、横幅の寸法Asubを、
図10に示した8.5mm(符号S31)の場合に加えて、7mm(符号S34)及び10mm(符号S35)に変化させたときの、周波数26.5GHzにおけるAzパターンを示している。また、従来のリニアアレーアンテナ900aのAzパターン(符号S32)も併せて示している。
図12より、横幅の寸法Aを7mmとしたとき(S34)は右肩下がりの対称性の低下したパターンとなるのに対し、横幅の寸法Aを10mmとしたとき(S35)は対称性の高い双峰性のパターンとなっている。ここでは、周波数26.5GHzにおける放射パターンを示したが、周波数がさらに高い28GHzになると、リップルがさらに増大する。
【0055】
図12に示す結果より、Azパターンの形状から許容できる誘電体基板211の横幅の寸法Asubの範囲は、
7.5mm<Asub<9.5mm (1)
となる。周波数が26.5GHzの時の自由空間波長λ0は11.312mmとなることから、この波長λ0で上式を規格化すると、
0.65<Asub/λ0<0.85 (2)
となる。誘電体基板211の横幅の寸法Aは、上式の範囲内に収まるように設定するのがよい。
【0056】
本発明の第4の実施の形態に係るアンテナを
図13に示す。
図13は、本実施形態のアンテナ220の構成を示す平面図である。本実施形態のアンテナ220は、誘電体基板221上に素子アンテナ10を4つずつ2列(4×2の配列)に配置したアレーアンテナに構成されており、その左右両側にリム222、223を設けている。リム222、223は、4×2の配列の素子アンテナ10に対し、X方向に対称、又は非対称に配置されている。リム222、223として、金属板あるいはEBGを用いることができる。符号224、225は、それぞれΣポート及びΔポートを示す。アンテナ220は、レーダ装置の受信用アンテナに用いられる。
【0057】
本実施形態のアンテナ220の放射特性を
図14に示す。同図(a)は、Σポート224から見たAz和パターンを示し、同図(b)は、Δポート225から見たAz差パターンを示している。符号S41〜S43は、
図13に示す素子間隔(給電点間の距離)dxをそれぞれ4.75mm、5.66mm、6.22mmに変化させたときのパターンを示している。また、符号S44は、
図30(b)示す従来のアレーアンテナ900bの特性を、比較のために表示したものである。さらに、
図14に示す和パターン及び差パターンからディスクリカーブを算出した結果を
図15に示す。
図15に示すディスクリカーブより、本実施形態のアレーアンテナ220は、従来のアレーアンテナ900bに比べて測角可能な範囲が明らかに広覆域であることがわかる。また、素子間隔dxを上記のように変化させても、測角可能な範囲に大きな影響を与えないことから、素子間隔dxを変えてビーム幅をある程度変化させることができる。
【0058】
一例として、
図14(a)に示す和パターンにおいて角度0°の利得と角度±60°の利得とを比較すると、従来のアレーアンテナ900bでは−15dB程度劣化しているのに対し、dx=5.66mmとしたときの本実施形態のアレーアンテナ220ではー5.5dB程度の劣化にとどまっており、広覆域化によりS/Nが改善されることになる。
【0059】
また、測角に必要な
図15に示すディスクリカーブに関して、従来のアレーアンテナ900bでは±60°を境に直線性が劣化し、それ以上の角度になると測角に曖昧性が生じている。これに対し、本実施形態のアレーアンテナ220のディスクリカーブは、±90°にわたって測角に用いることが可能であり、測角に対する広覆域化が実現されていることがわかる。
【0060】
上記では、素子間隔dxをある程度変化させても測角可能な範囲に大きな影響を与えないことを示したが、次に、誘電体基板221の横幅Asubとして調整可能な範囲を以下に説明する。
図13に示すように、給電点から隣接するリムまでの距離をSとするとき、誘電体基板221の横幅Asubは、
Asub=dx+S×2
で表される。
【0061】
ここで、dx=5.66mmとしてSの大きさを変化させたときのモノパルス差パターン及びディスクリカーブを、それぞれ
図16(a)及び(b)に示す。ここでは、Sを2.5mm(符号S45)、3.5mm(符号S46)、4.5mm(符号S47)、5mm(符号S48)としたときのシミュレーション結果を示している。S=2.5mmのときは、ディスクリカーブの対称性が損なわれて適切な角度特性が得られなくなる。また、S=4.5mm以上のときは、モノパルス差パターンのナル点が0°からずれてしまうことがわかる。これより、許容できるAsub/λ0の範囲は
0.95<Asub/λ0<1.3 (3)
で与えられる。
【0062】
次に、送信アンテナと受信アンテナとを同一の誘電体基板上に配置した一体化アンテナについて、以下に説明する。まず、本発明による改善前の一体化アンテナの一例を、
図17を用いて以下に説明する。
図17は、改善前の一体化アンテナ920の構成を示す平面図である。一体化アンテナ920は、誘電体基板921の左側(−X方向)に送信アンテナ922が配置され、誘電体基板921の右側(+X方向)には受信アンテナ923が配置されている。また、送信アンテナ922のさらに左側、送信アンテナ922と受信アンテナ923との間、及び受信アンテナ923のさらに右側、のそれぞれに金属板924、925、及び926が配置されている。
【0063】
送信アンテナ922は、Eθ成分が水平となるように配列した素子アンテナ10を、垂直方向(Y方向)に6組配置した6×1の配列を有している。また、受信アンテナ923は、素子アンテナ10を水平方向に2つ配置したモノパルス素子アンテナ20を、垂直方向に6組配置した6×2の配列を有している。
【0064】
Eθ成分が水平となるように配列した素子アンテナ10で構成された送信アンテナ922及び受信アンテナ923を誘電体基板921の水平方向に配置した改善前の一体化アンテナ920では、放射素子11(11a、11b)の導体面に垂直な電界を持つTM表面波が伝播する。その結果、受信アンテナ923のモノパルス和差パターンには、
図18(a)、(b)に符号S51で例示するように細かなリップルが重畳している。また、
図18(c)に例示するように、方位測定に用いるディスクリカーブにもその影響が現れ、測角する角度に曖昧性を生じさせる。なお、
図18では、比較のために
図30に示す従来の垂直偏波のアレーアンテナ900bのパターンを、符号S44で示している。
【0065】
さらに、送信アンテナ922と受信アンテナ923との間のアイソレーションを、モノパルス和パターンとモノパルス差パターンのそれぞれについて
図19(a)、(b)に示す。同図には、送信アンテナ922と受信アンテナ923との間のアイソレーションとして不十分な−30dB程度が示されているが、このようなアイソレーション特性の悪さがリップルを増大させている。
【0066】
そこで、送信アンテナと受信アンテナとの間の相互結合量を抑制する(アイソレーションを高める)方法として、送信アンテナと受信アンテナとの間にEBGを配置する方法が知られている(参考文献:岡垣他、”EBG装荷MSAに関する一検討”信学技報、IEICE Technical Report A,p2005−127(2005.12))。EBGは、電磁波の波長より小さい周期構造で形成されると、周波数に応じて電磁波がその構造の中に存在できなくなり、電磁波を遮断することが可能となる。大きな反射板の上に装荷された誘電体基板上に生じやすいTM表面波も、上記のEBGを用いることで低減することができ、これにより不要な放射を抑制することができる。
【0067】
しかし、方位測角を行うために和/差のパターンを必要とするモノパルスアレーアンテナを備える一体化アンテナでは、送信アンテナ及び受信アンテナの周辺に単にEBGを配置しただけでは、和差パターンを構成する素子パターンの対称性に問題が生じ、測角に必要なナル深度、ナルシフト等の特性が劣化してしまう。
【0068】
図17に示す改善前の一体化アンテナ920の送信アンテナ922と受信アンテナ923との間に、EBG931を配置した一体化アンテナ930の一例を、
図20の平面図に示す。また、一体化アンテナ930の受信アンテナ923について、モノパルス和パターン、モノパルス差パターン、及びディスクリカーブをシミュレーション解析した結果をそれぞれ
図21(a)、(b)及び(c)に示す。同図では、周波数25GHz、26.5GHz、28GHzでのパターンを、それぞれ符号S53、S54、S55で示している。
【0069】
図21に示すように、送信アンテナ922と受信アンテナ923との間にEBG931を配置することで、表面波によるリップルが比較的低減されている。しかし、測角に必要な
図21(b)に示す差パターンは周波数特性が大きく、またナル深度が深く取れず、かつナルシフトを起こしている。その結果、同図(c)に示すように、方位角の決定に用いるディスクリカーブもリニアリティが確保できておらず、かつ角度0°で最小値にならずにバイアス誤差が生じている。このようなディスクリカーブを用いると、方位角の測定に誤差が生じてしまう。EBG931を備えた一体化アンテナ930では、差パターンの特性改善が必要となる。
【0070】
上記のような差パターンの特性劣化は、受信アンテナ923を構成する各モノパルス素子アンテナ20において、EBG931や誘電体基板921の端面効果により、左右の素子アンテナ10の間で放射パターンに差異が発生するためと考えられる。直接的な要因は、それぞれの対をなす素子アンテナ10の位置から左右(X方向)を見た電気的境界条件に、EBG931や誘電体基板921の端面効果による大きな差異が生じることにある。
【0071】
そこで、本発明の第5の実施の形態に係る一体化アンテナでは、EBGの配置を好適に決定している。本実施形態の一体化アンテナの平面図を
図22に示す。
図22(a)に示す本実施形態の一体化アンテナ300aは、誘電体基板301の左側(−X方向)に送信アンテナ303を配置し、誘電体基板301の右側(+X方向)には受信アンテナ304を配置している。送信アンテナ303は、Eθ成分が水平となるように配列した素子アンテナ10を、垂直方向(Y方向)に6組配置した6×1の配列を有している。また、受信アンテナ304は、素子アンテナ10を水平方向に2つ配置したモノパルス素子アンテナ20を、垂直方向に6組配置した6×2の配列を有している。
【0072】
本実施形態の一体化アンテナ300aでは、送信アンテナ303と受信アンテナ304との間にEBG311が配置されており、さらに、送信アンテナ303の左側と受信アンテナ304の右側の誘電体基板301の両端面に、それぞれEBG312及び313が配置されている。これにより、受信アンテナ304の左右両側に、それぞれEBG311とEBG313が配置される構成となる。送信アンテナ303の基板幅Asub−1となるEBG312とEBG311との間隔は、式(2)を満たすように設定されている。また、受信アンテナ304の基板幅Asub−2となるEBG313とEBG311との間隔は、式(3)を満たすように設定されている。
【0073】
また、
図22(b)に示す本実施形態の一体化アンテナ300bでは、
図22(a)に示す本実施形態の一体化アンテナ300aと比較して、さらにEBG315、318及びリム314、316、317、319が配置されている。具体的には、リム314、319が誘電体基板301の両端面とEBG312、313との間にそれぞれ配置され、EBG315とリム316が送信アンテナ303とEBG311との間に配置され、リム317とEBG318がEBG311と受信アンテナ304との間に配置されている。送信アンテナ303の基板幅Asub−1となるEBG312とEBG315との間隔は、式(2)を満たすように設定されている。また、受信アンテナ304の基板幅Asub−2となるEBG313とEBG318との間隔は、式(3)を満たすように設定されている。
【0074】
上記のような配置により、送信アンテナ303を中心としてその左側にリム314及びEBG312、右側にEBG315及びリム316が相互に対称となるように配置された構成となっている。同様に、受信アンテナ304を中心としてその左側にリム317及びEBG318、右側にEBG313及びリム319が相互に対称となるように配置された構成となっている。送信アンテナ303及び受信アンテナ304のそれぞれが、左右が対称となる位置に配置されることにより、本実施形態の一体化アンテナ300bでは、電波的対称性を確保したものとなっている。すなわち、送信アンテナ303及び受信アンテナ304を構成する例えば
図4に示すそれぞれの素子アンテナ10から左右を見た電波的条件を近づけることが可能となる。その結果、差パターンの対称性の改善が期待できる。
【0075】
また、本発明の第6の実施の形態に係る一体化アンテナ320を、
図23に示す。
図23は、本実施形態の一体化アンテナ320の構成を示す平面図である。本実施形態の一体化アンテナ320では、送信アンテナ303及び受信アンテナ304を挟むように、それぞれリム322と323、及びリム324と325が配置されている。そして、送信アンテナ303側のリム323と受信アンテナ304側のリム324との間に、ECB321が配置される構成となっている。リム322〜325は、いずれも金属板で形成されている。本実施形態でも、送信アンテナ303の基板幅Asub−1となるリム322と323との間隔は、式(2)を満たすように設定されている。また、受信アンテナ304の基板幅Asub−2となるリム324と325との間隔は、式(3)を満たすように設定されている。
【0076】
さらに、本発明の第7の実施の形態に係る一体化アンテナ330を、
図24に示す。
図24は、本実施形態の一体化アンテナ330の構成を示す平面図である。本実施形態の一体化アンテナ330では、送信アンテナ303と受信アンテナ304との間にEBG331が配置され、送信アンテナ303の左側と受信アンテナ304の右側の誘電体基板301の両端面に、それぞれリム332と333が配置されている。リム332、333は、いずれも金属板で形成されている。本実施形態でも、受信アンテナ304の基板幅AsubとなるEBG331とリム333との間隔は、式(3)を満たすように設定されている。
【0077】
上記の第5〜7実施形態の一体化アンテナ300a、300b、320、330のいずれにおいても、送信アンテナ303及び受信アンテナ304のそれぞれの左右両側に、EBGまたは金属板のリムが配置されている。第5の実施形態の一体化アンテナ300aと比較して、第6の実施形態の一体化アンテナ320では、誘電体基板301の左右両端に、EBG312、313に代えてリム322、325が配置され、さらに、送信アンテナ303とEBG321の間、及び受信アンテナ304とEBG321の間に、それぞれリム323、324が配置されるといった点で相違している。また、第7の実施形態の一体化アンテナ330では、誘電体基板301の左右両端に、EBG312、313に代えてリム332、333が配置されるといった点で相違している。
【0078】
図22(a)、23、24に示す一体化アンテナ300a、320、330について、受信アンテナ304の和パターン、差パターン、及びディスクリカーブをシミュレーション解析して比較した結果を、それぞれ
図25(a)、(b)、及び(c)に示す。ここで、符号S61、S62、S63は、それぞれ一体化アンテナ300a、320、330の解析結果を示している。また、比較のために従来のアレーアンテナ900bのパターンを、符号S44で示している。同図に示すように、本発明の第5〜7の実施形態の一体化アンテナ300a、320、330のいずれの構成でも、和パターン、差パターン、及びディスクリカーブの特性が良好であり、それぞれの構成で大きな差は見られない。
【0079】
また、
図18(b)、(c)に示したEBGを用いない本発明による改善前の一体化アンテナ920の差パターン及びディスクリカーブに比べて、一体化アンテナ300a、320、330では、差パターンのリップルやディスクリカーブの直線性が大幅に改善されていることが、
図25(b)、(c)より明らかである。さらに、
図25(b)より、差パターンのナル深度やナルシフトも大幅に改善されていることがわかる。
図25には、従来の垂直偏波のアレーアンテナ900bを用いたときの各パターン(S44)を併せて示しているが、これに比べて±90°方向での利得が向上し、方位測定をする為に必要なディスクリカーブの角度に対する曖昧性も無くなっている。第5〜7実施形態の一体化アンテナ300a、320、330によれば、広覆域にわたって測角が可能な受信アンテナ304が実現できる。
【0080】
送信アンテナ303及び受信アンテナ304が搭載されている誘電体基板301の反対側の面には、それぞれのアンテナ給電回路が搭載されているが、送信アンテナ303と受信アンテナ304との間に位置する基板の裏面にも送受信用マイクロ波集積回路(MIC)を搭載する場合には、アンテナ給電回路とMICとの間の干渉を低減させる必要がある。このような干渉を低減させるには、第5の実施形態の一体化アンテナ300a及び第7の実施形態の一体化アンテナ330に比べて、第6の実施形態の一体化アンテナ320や第5の実施形態の一体化アンテナ300bの構成がより好ましい。その理由を、代表として第6の実施形態を用いて説明する。
【0081】
第6の実施形態の一体化アンテナ320の断面図を
図26に示す。ここでは、送信アンテナ303及びその左右に配置されたリム322、323のみを表示しているが、以下の説明は、受信アンテナ304及びその左右に配置されたリム324、325についても同様である。誘電体基板301の送信アンテナ303が搭載されている面とは反対側の面に地板302が形成され、地板302を挟んでMIC用基板(RF回路基板)326(326a、326b)が配置されている。さらに、MIC用基板326を保護する金属筺体327が設けられ、金属筺体327の内面に吸収体328が配置されている。
【0082】
図26では、MIC用基板326の素子アンテナ10の下部に位置する領域を符号326aで示し、EBG321の下部に位置する領域を符号326bで示している。MIC用基板326の領域326aには、アンテナ給電回路が搭載される。第6実施形態の一体化アンテナ320では、第2ポール13及びリム322〜325は、誘電体基板301を貫通して地板302に接続されている。
【0083】
一体化アンテナ320を一体化基板で製作する場合には、ポール12、13、及びリム322〜325は、実際にはスルーホールで構成される。その際、
図27に示すように、第1ポール12だけでなく、第2ポール13及びリム322、323、324(リム324は図示せず)もMIC用基板326を貫通するように形成するのが、製作上容易である。以下では、MIC用基板326を貫通させた第2ポール13及びリム323を、それぞれ貫通ポール13’、貫通リム323’と称する。シミュレーション解析によれば、MIC用基板326を貫通する貫通ポール13’及び貫通リム323’が放射特性に与える影響は少ない。
【0084】
一体化アンテナ320を上記のような構成にすることにより、貫通リム323’でMIC用基板326を領域326aと領域326bとに電気的に切り離すことが可能となる。これにより、領域326bに送受信用MICを集積させたとき、送信アンテナ302と送受信用MICとの間の干渉を低減させることが可能となる。
【0085】
以上の理由により、送信アンテナ303と受信アンテナ304を一体化した一体化アンテナでは、第5実施形態及び第7実施形態の一体化アンテナ300a及び330に比べて、第6実施形態の一体化アンテナ320あるいは第5実施形態の一体化アンテナ300bがより好ましい。しかしながら、送信アンテナ303及び受信アンテナ304を単体で構成する場合には、リム323、324、314、315、317、319を設けない第5実施形態の一体化アンテナ300aあるいは第7実施形態の一体化アンテナ330が、簡易な構成で製作が容易になるといった特徴がある。
【0086】
上記の本発明の各実施形態では、素子アンテナ10がプリント化ダイポールアンテナとなっている場合を中心に説明したが、これに限定されず、磁流を波源とする素子アンテナを用いる場合には、本発明のアンテナ及び一体化アンテナを適用することが可能となる。一例として、パッチアンテナの励振方法はプリント化ダイポールアンテナとは異なるが、励振後の電磁界分布は
図3に示したプリント化ダイポールと基本的には同じ作用をしている。パッチアンテナでは、マイクロストリップ線路による共平面給電方式や同軸給電方式、あるいは電磁結合給電方式などが含まれることは言うまでもない。一例として、電磁結合によるパッチアンテナの本発明の実施例を
図28、
図29に示した。
【0087】
図1に示したプリント化ダイポールの素子アンテナ10は放射素子11(11a、11b)と伝送線路104がポール12で接続されていたが、
図28に示すアンテナ340a及び
図29に示すアンテナ340bでは、素子アンテナ341と伝送線路345は地板343に設けた電磁結合孔346を通じ、電磁界の相互誘導作用を利用して接続されている。そのために、電磁結合型のパッチアンテナと呼称している。
【0088】
図28では、同図(a)にアンテナ340aの平面図を示し、同図(b)に断面図を示している。アンテナ340aは、誘電体基板342上に形成された素子アンテナ341を挟んで、金属板のリム347が左右対称に配置されている。2つのリム347は、ともに地板343に電気的に接続されている。地板343を挟んで誘電体基板342とは反対側の面に別の誘電体基板344が配置されており、別の誘電体基板344にはマイクロ波線路である伝送線路345が配置されている。素子アンテナ341と伝送線路345は、上記説明のように、地板343に設けた電磁結合孔346を通じて電磁界の相互誘導作用を利用して接続されている。
【0089】
また、
図29では、同図(a)にアンテナ340bの平面図を示し、同図(b)に断面図を示している。アンテナ340bは、リム347に代えてEBG348が、素子アンテナ341を挟んで左右対称に配置されている。EBG348は、誘電体基板342の上面に配置されている。その他の構造は、アンテナ340aと同じである。
【0090】
図3は、プリント化ダイポールアンテナやパッチアンテナの電磁界分布を示した図である。同図からも分るように、パッチアンテナの寸法2aは、誘電体基板342の実効比誘電率をεeff,自由空間波長をλ0とすると、通常次式(4)を満たすように設定される。
=(1/2)(λg) (4)
【0091】
即ち、2aは実効比誘電率を考慮した実効波長λgの半波長となるように決定される。
図3に示したパッチの電界分布からもわかるように、中心y軸上の電界は零であるのでパッチの寸法2aを半分の大きさaにしてもアンテナとして動作する。パッチアンテナを小型化したい場合に使う手法で、別名1/4波長長方形パッチとも呼ばれる。
図28、
図29にその実施例を示している。
【0092】
その場合、アンテナの長さaは
で決定される。このような小型化をはかったパッチアンテナを素子アンテナとして、
図13に示すような位相比較モノパルスアンテナとして使用する場合、理想的な差パターンを得るには前記式(3)を修正する必要がある。
【0093】
通常のパッチアンテナから小型化を図った場合に、位相比較モノパルスアンテナが小さくなる寸法Qは次式(6)により求めることができる。
Q=2*(2a−a)=2a (6)
従って,Qをλ0で規格化すると次式(7)を得る。
【0094】
従って、小型化をはかった1/4波長長方形パッチアンテナ用として適した位相比較モノパルスアンテナのAsubは、式(3)から式(7)を考慮した値にする必要がある。
即ち、1/4波長長方形パッチアンテナを位相比較モノパルスアンテナとして使用する場合、理想的な差パターンを得るには次式(8)を満たすようにAsubを決定する必要がある。
0.95−Q/λ0<Asub/λ0<1.3−Q/λ0 (8)
【0095】
なお、本実施の形態における記述は、本発明に係るアンテナ及び一体化アンテナの一例を示すものであり、これに限定されるものではない。本実施の形態におけるアンテナ等の細部構成及び詳細な動作等に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。