(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0020】
≪1.吸水性樹脂≫
本発明に係る吸水性樹脂は、以下に述べる性質を有する。
【0021】
すなわち、本発明に係る吸水性樹脂は、水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させ、かつ後架橋剤で後架橋することにより得られる吸水性樹脂であり、以下の性質を満たすことを特徴とする吸水性樹脂である。
(A)黄色度が5.0以下
(B)ゲル強度が1800Pa以下
【0022】
(A)黄色度
本発明に係る吸水性樹脂は、黄色度が5.0以下であることに特徴がある。ここで黄色度とは、標準用白板で測色色差計の三刺激値であるX、Y、Zを補正した色差計で測定するものであり、測定対象の吸水性樹脂のX,Y,Zから次式により黄色度(YI値)を算出することができる。なお、黄色度は0.0以上が好ましい。
黄色度=100(1.28X−1.06Z)/Y
【0023】
(B)ゲル強度
また、本発明に係る吸水性樹脂は、ゲル強度が1800Pa以下であることに特徴がある。ここで、ゲル強度とは、後述する実施例に記載の方法で測定されるものであり、50倍膨潤のゲルを恒温恒湿槽内で15時間保管した後、カードメーター(例えば、アイテクノエンジニアリング製カードメーター、品番:ME−600)を用いて測定した値である。ゲル強度は、1800Pa以下であり、1600Pa以下が好ましく、1500Pa以下がより好ましい。また、ゲル強度は、500Pa以上が好ましく、600Pa以上がより好ましく、800Pa以上がさらに好ましい。
【0024】
本発明に係る吸水性樹脂は、吸湿状態の流動性に優れるものである。吸水性樹脂の吸湿後の流動性は、後述する実施例に記載の「吸湿試験後の流動性」によって評価することが可能である。
【0025】
このような性質を有する本発明に係る吸水性樹脂によれば、これを用いて吸収性物品を製造するにあたり、吸湿状態の吸水性樹脂であっても、吸水性樹脂の一部あるいは全体における塊状化を抑制することができ、配管内のブロッキングや粉体ホッパー内でのブリッジ形成等の製造時におけるトラブルの発生を抑制することができる。また、吸水性樹脂が均一に分散された良質な吸収体を形成することができる。
【0026】
また、本発明に係る吸収性樹脂では、黄色度が低く、得られる吸収体及びその吸収体を含む吸収性物品の清潔感を高めて、使用者に、良い印象と購買意欲を与えることも可能である。
【0027】
(C)その他
本発明に係る吸水性樹脂は、中位粒子径が200〜600μmであることが好ましく、200〜550μmであることがより好ましく、300〜500μmであることがさらに好ましく、300〜450μmであることがよりさらに好ましい。
【0028】
また、本発明に係る吸水性樹脂は、全体の割合に占める150〜850μmの粒子の質量割合が85質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。さらに、全体の割合に占める300〜400μmの粒子の質量割合が20質量%以上であることが好ましく、25質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることがさらに好ましい。
【0029】
なお、吸水性樹脂の粒子は、各々が単一の粒子からなる形態のほかに、微細な粒子(一次粒子)が凝集した形態(二次粒子)であってもよい。一次粒子の形状としては、逆相懸濁重合によって製造される一次粒子である場合には、例えば、真球状、楕円球状等のような円滑な表面形状を有する略球状の単粒子形状が挙げられる。このような形状の一次粒子は、表面形状が円滑であることにより、粉体としての流動性が高くなるうえ、凝集した粒子が密に充填されやすいために衝撃を受けても破壊されにくく、粒子強度が高い吸水性樹脂となる。
【0030】
また、本発明に係る吸水性樹脂では、4.14kPa荷重下での生理食塩水吸水能が16ml/g以上であることが好ましく、18ml/g以上であることがより好ましく、20ml/g以上であることがさらに好ましい。なお、荷重下での生理食塩水吸水能は、好ましくは50ml/g以下、より好ましくは40ml/g以下である。
【0031】
なお、前述した吸水性樹脂の、黄色度、ゲル強度、4.14kPa荷重下での生理食塩水吸水能、中位粒子径(粒度分布)及び吸湿試験後の流動性は、いずれも、後述する実施例に記載の測定方法によって測定することができる。
【0032】
本発明に係る吸水性樹脂に、諸性能を付与するために、目的に応じた添加剤を配合することができる。このような添加剤としては、無機粉末、界面活性剤、酸化剤、還元剤、金属キレート剤、ラジカル連鎖禁止剤、酸化防止剤、抗菌剤、消臭剤等が挙げられる。例えば、吸水性樹脂100質量部に対し、無機粉末として0.05〜5質量部の非晶質シリカを添加することで、吸水性樹脂の流動性を向上させることができる。
【0033】
≪2.吸水性樹脂の製造方法≫
本発明に係る吸水性樹脂は、水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させることによって製造することができる。
【0034】
水溶性エチレン性不飽和単量体の重合方法は、代表的な重合法である水溶液重合法、乳化重合法、逆相懸濁重合法等が用いられる。水溶液重合法では、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液を、必要に応じて攪拌しながら、加熱することにより重合が行われる。また、逆相懸濁重合法では、水溶性エチレン性不飽和単量体を、炭化水素分散媒中、攪拌下で加熱することにより重合が行われる。本発明においては、精密な重合反応制御と広範な粒子径の制御が可能な観点から逆相懸濁重合法が好ましい。
【0035】
本発明に係る吸水性樹脂に関して、その製造方法の一例を、以下に説明する。
【0036】
吸水性樹脂の製造方法の具体例としては、水溶性エチレン性不飽和単量体を炭化水素分散媒中で逆相懸濁重合させて吸水性樹脂を製造する方法において、内部架橋剤の存在下、少なくともアゾ系化合物と過酸化物との存在下において重合を行う工程と、重合で得られた内部架橋構造を有する含水ゲル状物に後架橋剤で後架橋する工程とを有する製造方法が挙げられる。
【0037】
<重合工程>
[水溶性エチレン性不飽和単量体]
水溶性エチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸(本明細書においては、「アクリ」及び「メタクリ」を合わせて「(メタ)アクリ」と表記する。以下同様)及びその塩;2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びその塩;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の非イオン性単量体;N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有不飽和単量体及びその4級化物等が挙げられる。これらの水溶性エチレン性不飽和単量体の中でも、工業的に入手が容易であること等の観点から、(メタ)アクリル酸又はその塩、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドが好ましく、(メタ)アクリル酸及びその塩がより好ましい。なお、これらの水溶性エチレン性不飽和単量体は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。
【0038】
これらの中でも、アクリル酸及びその塩が吸水性樹脂の原材料として広く用いられており、これらアクリル酸部分中和塩に、前述の他の水溶性エチレン性不飽和単量体を共重合させて用いる場合もある。この場合、アクリル酸部分中和塩は、主となる水溶性エチレン性不飽和単量体として、総水溶性エチレン性不飽和単量体に対して70〜100モル%用いられることが好ましい。
【0039】
水溶性エチレン性不飽和単量体は、水溶液の状態で炭化水素分散媒中に分散されて、逆相懸濁重合に供されるのが好ましい。水溶性エチレン性不飽和単量体は、水溶液とすることにより、炭化水素分散媒中での分散効率を上昇させることができる。この水溶液における水溶性エチレン性不飽和単量体の濃度としては、20質量%〜飽和濃度以下の範囲であることが好ましい。また、水溶性エチレン性不飽和単量体の濃度としては、55質量%以下であることがより好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましく、45質量%以下であることがよりさらに好ましい。一方、水溶性エチレン性不飽和単量体の濃度としては25質量%以上であることがより好ましく、28質量%以上であることがさらに好ましく、30質量%以上であることがよりさらに好ましい。
【0040】
水溶性エチレン性不飽和単量体が、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のように酸基を有する場合、必要に応じてその酸基が予めアルカリ性中和剤により中和されたものを用いてもよい。このようなアルカリ性中和剤としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属塩;アンモニア等が挙げられる。また、これらのアルカリ性中和剤は、中和操作を簡便にするために水溶液の状態にして用いてもよい。なお、前述したアルカリ性中和剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。
【0041】
アルカリ性中和剤による水溶性エチレン性不飽和単量体の中和度としては、水溶性エチレン性不飽和単量体が有する全ての酸基に対する中和度として、10〜100モル%であることが好ましく、30〜90モル%であることがより好ましく、40〜85モル%であることがさらに好ましく、50〜80モル%であることがよりさらに好ましい。
【0042】
[炭化水素分散媒]
炭化水素分散媒としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、3−エチルペンタン、n−オクタン等の炭素数6〜8の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、trans−1,2−ジメチルシクロペンタン、cis−1,3−ジメチルシクロペンタン、trans−1,3−ジメチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらの炭化水素分散媒の中でも、特に、工業的に入手が容易であり、品質が安定しており且つ安価である点で、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンが好適に用いられる。これらの炭化水素分散媒は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。なお、炭化水素分散媒の混合物の例としては、エクソールヘプタン(エクソンモービル社製:ヘプタン及びその異性体の炭化水素75〜85質量%含有)等の市販品を用いても好適な結果を得ることができる。
【0043】
炭化水素分散媒の使用量としては、水溶性エチレン性不飽和単量体を均一に分散し、重合温度の制御を容易にする観点から、第1段目の水溶性エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、100〜1500質量部であることが好ましく、200〜1400質量部であることがより好ましい。なお、後述するが、逆相懸濁重合は、1段(単段)もしくは2段以上の多段で行われ、前述した第1段目の重合とは、単段重合もしくは多段重合における1段目の重合反応を意味する(以下も同様)。
【0044】
[分散安定剤]
(界面活性剤)
逆相懸濁重合では、水溶性エチレン性不飽和単量体の炭化水素分散媒中での分散安定性を向上させるために、分散安定剤を用いることもできる。その分散安定剤としては、界面活性剤を用いることができる。
【0045】
界面活性剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピルアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、N−アルキルグルコンアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルのリン酸エステル等を用いることができる。これらの界面活性剤の中でも、特に、単量体の分散安定性の面から、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルを用いることが好ましい。これらの界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。
【0046】
界面活性剤の使用量としては、第1段目の水溶性エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、好ましくは0.1〜30質量部であることが好ましく、0.3〜20質量部であることがより好ましい。
【0047】
(高分子系分散剤)
また、逆相懸濁重合で用いられる分散安定剤としては、前述した界面活性剤と共に、高分子系分散剤を併せて用いてもよい。
【0048】
高分子系分散剤としては、例えば、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性EPDM(エチレン・プロピレン・ジエン・ターポリマー)、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、無水マレイン酸・エチレン共重合体、無水マレイン酸・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・ブタジエン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、酸化型ポリエチレン、酸化型ポリプロピレン、酸化型エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。これらの高分子系分散剤の中でも、特に、単量体の分散安定性の面から、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン共重合体、無水マレイン酸・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン・プロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、酸化型ポリエチレン、酸化型ポリプロピレン、酸化型エチレン・プロピレン共重合体を用いることが好ましい。これらの高分子系分散剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。
【0049】
高分子系分散剤の使用量としては、第1段目の水溶性エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、0.3〜20質量部であることがより好ましい。
【0050】
[内部架橋剤]
内部架橋剤としては、使用する水溶性エチレン性不飽和単量体の重合体を架橋できるものが挙げられ、例えば、(ポリ)エチレングリコール〔「(ポリ)」とは「ポリ」の接頭語がある場合とない場合を意味する。以下同様〕、(ポリ)プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、(ポリ)グリセリン等のジオール、トリオール等のポリオール類と(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和酸とを反応させて得られる不飽和ポリエステル類;N,N−メチレンビスアクリルアミド等のビスアクリルアミド類;ポリエポキシドと(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸エステル類又はトリ(メタ)アクリル酸エステル類;トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のポリイソシアネートと(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとを反応させて得られるジ(メタ)アクリル酸カルバミルエステル類;アリル化澱粉、アリル化セルロース、ジアリルフタレート、N,N’,N’’−トリアリルイソシアネート、ジビニルベンゼン等の重合性不飽和基を2個以上有する化合物;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル等のジグリシジル化合物、トリグリシジル化合物等のポリグリシジル化合物;エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロルヒドリン等のエピハロヒドリン化合物;2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物;3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−エチル−3−オキセタンメタノール、3−ブチル−3−オキセタンメタノール、3−メチル−3−オキセタンエタノール、3−エチル−3−オキセタンエタノール、3−ブチル−3−オキセタンエタノール等のオキセタン化合物等の反応性官能基を2個以上有する化合物等が挙げられる。これらの内部架橋剤の中でも、ポリグリシジル化合物を用いることが好ましく、ジグリシジルエーテル化合物を用いることがより好ましく、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテルを用いることが特に好ましい。これらの内部架橋剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。
【0051】
内部架橋剤の使用量としては、水溶性エチレン性不飽和単量体1モルに対して、0.000001〜0.02モルであることが好ましく、0.00001〜0.01モルであることがより好ましく、0.00001〜0.005モルであることがさらに好ましく、0.00005〜0.002モルであることがよりさらに好ましい。
【0052】
[アゾ系化合物及び過酸化物]
吸水性樹脂の製造方法の一例では、水溶性エチレン性不飽和単量体に対して、アゾ系化合物と過酸化物との存在下において逆相懸濁重合を行う。
【0053】
当該重合工程において、「アゾ系化合物と過酸化物との存在下」とは、必ずしも重合反応開始時点において、アゾ系化合物と過酸化物とが共存している必要はなく、一方の化合物のラジカル開裂によるモノマー転化率が10%未満であるうちにもう一方の化合物が存在している状態を意味するが、重合反応の開始前にこれら両者が水溶性エチレン性不飽和単量体を含む水溶液中に共存していることが好ましい。また、アゾ系化合物と過酸化物とが、別々の流路で重合反応系に添加されてもよいし、同流路で順次重合反応系に添加されてもよい。なお、用いられるアゾ系化合物及び過酸化物の形態は、粉体であってもよいし、水溶液であってもよい。
【0054】
(アゾ系化合物)
アゾ系化合物としては、例えば、1−{(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ}ホルムアミド、2,2’−アゾビス[2−(N−フェニルアミジノ)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[N−(4−クロロフェニル)アミジノ]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[N−(4−ヒドロキシフェニル)アミジノ]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(N−ベンジルアミジノ)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(N−アリルアミジノ)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−ヒドロキシエチル)アミジノ]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)二塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノバレイン酸、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩二水和物、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]四水和物、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等のアゾ化合物が挙げられる。これらの中でも、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]四水和物が好ましい。これら化合物は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0055】
(過酸化物)
過酸化物としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類;メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシピバレート、過酸化水素等の過酸化物類が挙げられる。これらの過酸化物の中でも、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過酸化水素を用いることが好ましく、さらに、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムを用いることがより好ましい。これらの過酸化物は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0056】
(アゾ系化合物及び過酸化物の使用量、使用割合)
アゾ系化合物及び過酸化物の使用量としては、水溶性エチレン性不飽和単量体1モルに対して0.00005モル以上であることが好ましく、0.0001モル以上であることがより好ましい。また、水溶性エチレン性不飽和単量体1モルに対して0.005モル以下であることが好ましく、0.001モル以下であることがより好ましい。
【0057】
アゾ系化合物及び過酸化物の使用量割合としては、アゾ系化合物がアゾ系化合物及び過酸化物の使用量全量のうち40質量%以上である割合とすることが好ましく、50質量%以上である割合とすることがより好ましく、60質量%以上である割合とすることがさらに好ましく、70質量%以上である割合とすることがよりさらに好ましい。一方、アゾ系化合物がアゾ系化合物及び過酸化物の使用量全量のうち95質量%以下である割合とすることが好ましく、90質量%以下である割合とすることがより好ましく、85質量%以下である割合とすることがより好ましく、80質量%以下である割合とすることがよりさらに好ましい。また、質量比範囲(アゾ系化合物:過酸化物)としては、8:12〜19:1であることが好ましい。
【0058】
[その他の成分]
この吸水性樹脂の製造方法の一例では、所望によりその他の成分を、水溶性エチレン性不飽和単量体を含む水溶液に添加して逆相懸濁重合を行うようにしてもよい。その他の成分としては、増粘剤や連鎖移動剤等の各種の添加剤を添加することができる。
【0059】
(増粘剤)
一例として、水溶性エチレン性不飽和単量体を含む水溶液に対して増粘剤を添加して逆相懸濁重合を行うことができる。このように増粘剤を添加して水溶液粘度を調整することによって、逆相懸濁重合において得られる中位粒子径を制御することが可能である。
【0060】
増粘剤としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸(部分)中和物、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、デキストリン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド等を用いることができる。なお、重合時の攪拌速度が同じであれば、水溶性エチレン性不飽和単量体水溶液の粘度が高いほど得られる粒子の中位粒子径は大きくなる傾向にある。
【0061】
[逆相懸濁重合]
逆相懸濁重合を行うにあたっては、界面活性剤及び/又は高分子系分散剤の存在下に、水溶性エチレン性不飽和単量体を含む単量体水溶液を、炭化水素分散媒に分散させる。このとき、重合反応を開始する前であれば、界面活性剤や高分子系分散剤の添加時期は、単量体水溶液添加の前後どちらであってもよい。
【0062】
その中でも、得られる吸水性樹脂に残存する炭化水素分散媒量を低減しやすいという観点から、高分子系分散剤を分散させた炭化水素分散媒に、単量体水溶液を分散させた後に、さらに界面活性剤を分散させてから重合を行うことが好ましい。
【0063】
このような逆相懸濁重合を、1段もしくは2段以上の多段で行うことが可能である。また、生産性を高める観点から2〜3段で行うことが好ましい。
【0064】
2段以上の多段で逆相懸濁重合を行う場合には、1段目の逆相懸濁重合を行った後、1段目の重合反応で得られた反応混合物に水溶性エチレン性不飽和単量体を添加して混合し、1段目と同様の方法で2段目以降の逆相懸濁重合を行えばよい。2段目以降の各段における逆相懸濁重合では、水溶性エチレン性不飽和単量体の他に、前述したアゾ化合物と過酸化物や内部架橋剤を、2段目以降の各段における逆相懸濁重合の際に添加する水溶性エチレン性不飽和単量体の量を基準として、前述した水溶性エチレン性不飽和単量体に対する各成分のモル比の範囲内で添加して逆相懸濁重合を行うことが好ましい。
【0065】
重合反応の反応温度としては、重合を迅速に進行させ、重合時間を短くすることにより、経済性を高めるとともに、容易に重合熱を除去して円滑に反応を行わせる観点から、20〜110℃であることが好ましく、40〜90℃であることがより好ましい。また、反応時間としては、0.5〜4時間とすることが好ましい。
【0066】
<後架橋工程>
次に、本発明に係る吸水性樹脂においては、水溶性エチレン性不飽和単量体を重合して得られた含水ゲル状物に対して、後架橋剤で後架橋すること(後架橋反応)で得られる。この後架橋反応は、水溶性エチレン性不飽和単量体の重合後以降に後架橋剤の存在下に行うことが好ましい。このように、重合後以降に、含水ゲル状物に対して後架橋反応を施すことによって、吸水性樹脂の表面近傍の架橋密度を高めて、ゲル強度や荷重下での吸水能等の諸性能を高めたものが得られる。
【0067】
後架橋剤としては、反応性官能基を2個以上有する化合物を挙げることができる。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン等のポリオール類;(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル等のポリグリシジル化合物;エピクロルヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロルヒドリン等のハロエポキシ化合物;2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物;3−メチル−3−オキセタンメタノール、3−エチル−3−オキセタンメタノール、3−ブチル−3−オキセタンメタノール、3−メチル−3−オキセタンエタノール、3−エチル−3−オキセタンエタノール、3−ブチル−3−オキセタンエタノール等のオキセタン化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等のオキサゾリン化合物;エチレンカーボネート等のカーボネート化合物;ビス[N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)]アジプアミド等のヒドロキシアルキルアミド化合物が挙げられる。これらの後架橋剤の中でも、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリンジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル等のポリグリシジル化合物が特に好ましい。これらの後架橋剤は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせてもよい。
【0068】
後架橋剤の使用量としては、重合に使用した水溶性エチレン性不飽和単量体の総量1モルに対して、0.00001〜0.01モルであることが好ましく、0.00005〜0.005モルであることがより好ましく、0.0001〜0.002モルであることが特に好ましい。
【0069】
後架橋剤の添加方法としては、後架橋剤をそのまま添加しても、水溶液として添加してもよいが、必要に応じて、溶媒として親水性有機溶媒を用いた溶液として添加してもよい。親水性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。これら親水性有機溶媒は、単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて、又は水との混合溶媒として用いてもよい。
【0070】
後架橋剤の添加時期としては、水溶性エチレン性不飽和単量体の重合反応がほぼすべて終了した後であればよく、水溶性エチレン性不飽和単量体100質量部に対して、1〜400質量部の範囲の水分存在下に添加することが好ましく、5〜200質量部の範囲の水分存在下に添加することがより好ましく、10〜100質量部の範囲の水分存在下に添加することがさらに好ましく、20〜60質量部の範囲の水分存在下に添加することがよりさらに好ましい。なお、水分の量は、重合反応系に含まれる水分と後架橋剤を添加する際に必要に応じて用いられる水分との合計量を意味する。
【0071】
後架橋反応における反応温度としては、50〜250℃であることが好ましく、60〜180℃であることがより好ましく、60〜140℃であることがさらに好ましく、70〜120℃であることがよりさらに好ましい。また、後架橋の反応時間としては、1〜300分間が好ましく、5〜200分間がより好ましい。
【0072】
<乾燥工程>
前述した逆相懸濁重合を行った後、熱等のエネルギーを外部から加えることで、水、炭化水素分散媒等を蒸留により除去する乾燥工程を行うことが好ましい。逆相懸濁重合後の含水ゲルから脱水を行う場合、炭化水素分散媒中に含水ゲルが分散している系を加熱することで、水と炭化水素分散媒を共沸蒸留により系外に一旦留去する。このとき、留去した炭化水素分散媒のみを系内へ返送すると、連続的な共沸蒸留が可能である。その場合、乾燥中の系内の温度が、炭化水素分散媒の共沸温度以下に維持されるため、樹脂が劣化しにくい等の観点から好ましい。引き続き、水及び炭化水素分散媒を留去することにより、吸水性樹脂の粒子が得られる。この重合後における乾燥工程の処理条件を制御して脱水量を調整することにより、得られる吸水性樹脂の諸性能を制御することが可能である。
【0073】
乾燥工程では、蒸留による乾燥処理を常圧下で行ってもよく、減圧下で行ってもよい。また、乾燥効率を高める観点から、窒素等の気流下で行ってもよい。乾燥処理を常圧下で行う場合においては、乾燥温度としては、70〜250℃であることが好ましく、80〜180℃であることがより好ましく、80〜140℃であることがさらに好ましく、90〜130℃であることが特に好ましい。また、乾燥処理を減圧下で行う場合においては、乾燥温度としては、60〜110℃であることが好ましく、70〜100℃であることがより好ましい。
【0074】
なお、前述したように逆相懸濁重合により水溶性エチレン性不飽和単量体の重合を行った後に後架橋剤による後架橋工程を行った場合には、その後架橋工程の後に、前述した蒸留による乾燥工程を行うようにする。または、後架橋工程と乾燥工程とを同時に行うようにしてもよい。
【0075】
また、必要に応じて、吸水性樹脂に対し、重合後、乾燥中又は乾燥後に、キレート剤、還元剤、酸化剤、抗菌剤、消臭剤のような種々の添加剤を添加してもよい。
【0076】
≪3.吸収体、吸収性物品≫
本発明に係る吸水性樹脂は、生理用品、紙おむつ等の衛生材料に用いられる吸収体を構成するものであり、その吸収体を含む吸収性物品に好適に用いられる。
【0077】
ここで、吸水性樹脂を用いた吸収体は、例えば、吸水性樹脂と親水性繊維より構成される。吸収体の構成としては、吸水性樹脂と親水性繊維とを均一な組成となるように混合することによって得られた混合分散体、層状の親水性繊維の間に吸水性樹脂が挟まれたサンドイッチ構造体、吸水性樹脂と親水性繊維とをティッシュで包んだ構造体等が挙げられる。なお、吸収体には、他の成分、例えば、吸収体の形態保持性を高めるための熱融着性合成繊維、ホットメルト接着剤、接着性エマルジョン等の接着性バインダーが配合されていてもよい。
【0078】
吸収体における吸水性樹脂の含有量としては、5〜95質量%であることが好ましく、20〜90質量%であることがより好ましく、30〜80質量%であることがさらに好ましい。吸水性樹脂の含有量が5質量%未満であると、吸収体の吸収容量が低くなり、液モレ及び逆戻りを生じさせる可能性がある。一方で、吸水性樹脂の含有量が95質量%を超えると、吸収体がコスト高になり、さらに吸収体の感触が硬くなる。
【0079】
親水性繊維としては、木材から得られる綿状パルプ、メカニカルパルプ、ケミカルパルプ、セミケミカルパルプ等のセルロース繊維、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維、親水化処理されたポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン等の合成樹脂からなる繊維等が挙げられる。
【0080】
また、吸水性樹脂を用いた吸収体を、液体が通過し得る液体透過性シート(トップシート)と、液体が通過し得ない液体不透過性シート(バックシート)との間に保持することによって、吸収性物品とすることができる。液体透過性シートは、身体と接触する側に配され、液体不透過性シートは、身体と接する反対側に配される。
【0081】
液体透過性シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の繊維からなる、エアスルー型、スパンボンド型、ケミカルボンド型、ニードルパンチ型等の不織布及び多孔質の合成樹脂シート等が挙げられる。また、液体不透過性シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の樹脂からなる合成樹脂フィルム等が挙げられる。
【実施例】
【0082】
≪4.実施例≫
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例等により何ら限定されるものではない。
【0083】
<4−1.評価試験方法について>
下記の実施例及び比較例にて得られる吸水性樹脂について、下記に示す各種の試験に供して評価した。以下、各評価試験方法について説明する。
【0084】
(1)黄色度
吸水性樹脂2.0gを、内径3cmのガラス製測定容器に入れ、その吸水性樹脂の黄色度を、標準用白板で測色色差計の三刺激値である、X、Y、Zを補正した色差計(Color Meter ZE2000,日本電色工業株式会社製)で測定し、得られた吸水性樹脂のX,Y,Z(三刺激値)から、下記式により黄色度を算出した。
黄色度=100(1.28X−1.06Z)/Y
【0085】
(2)ゲル強度
100mL容のビーカーに、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)49.0gを量り取り、マグネチックスターラーバー(8mmφ×30mmのリング無し)を投入し、マグネチックスターラー(iuchi社製:HS−30D)の上に配置した。引き続き、マグネチックスターラーバーを600回転/分で回転するように調整した。
【0086】
次に、吸水性樹脂1.0gを攪拌中のビーカー内に投入し、回転渦が消えて液面が水平になるまで攪拌を続け、ゲルを調製した。このゲルを、恒温恒湿槽にて40℃、60%RHの条件下で15時間保管し、測定試料とした。
【0087】
この測定試料のゲル弾性率を、カードメーター(株式会社アイテクノエンジニアリング社製:カードメーター・ミニME−600)を用いて測定した。なお、カードメーターの条件は以下の通りである。
・感圧軸:16mmφ
・スプリング:400g用
・荷重:400g
・上昇速度:1inch/21sec
・試験モード:粘調
【0088】
(3)4.14kPa荷重下での生理食塩水吸水能
図1に概略構成を示した測定装置Xを用いて、吸水性樹脂の4.14kPa荷重下での生理食塩水吸水能を測定した。
【0089】
図1に示した測定装置Xは、ビュレット部1、導管2、測定台3、測定台3上に置かれた測定部4からなっている。ビュレット部1は、ビュレット10の上部にゴム栓14、下部に空気導入管11とコック12が連結されており、さらに、空気導入管11の上部はコック13が取り付けられている。ビュレット部1から測定台3までは、導管2が取り付けられており、導管2の直径は6mmである。測定台3の中央部には、直径2mmの穴が開いており、導管2が連結されている。測定部4は、円筒40と、この円筒40の底部に貼着されたナイロンメッシュ41と、重り42とを備えている。円筒40の内径は、2.0cmである。ナイロンメッシュ41は、200メッシュ(目開き75μm)に形成されている。そして、ナイロンメッシュ41上に所定量の吸水性樹脂5が均一に散布されるようになっている。重り42は、直径1.9cm、質量119.6gである。この重り42は、吸水性樹脂5上に置かれ、吸水性樹脂5に対して4.14kPaの荷重を均一に加えることができるようになっている。
【0090】
このような構成の測定装置Xを用いて、先ず、ビュレット部1のコック12とコック13を閉め、25℃に調節された生理食塩水をビュレット10上部から入れ、ゴム栓14でビュレット上部の栓をした後、ビュレット部1のコック12、コック13を開けた。次に、測定台3中心部における導管2の先端と空気導入管11の空気導入口とが同じ高さになるように測定台3の高さの調整を行った。
【0091】
一方、円筒40のナイロンメッシュ41上に0.10gの吸水性樹脂5を均一に散布して、この吸水性樹脂5上に重り42を置いた。測定部4は、その中心部が測定台3の中心部の導管口に一致するようにして置いた。
【0092】
吸水性樹脂5が吸水し始めた時点から継続的に、ビュレット10内の生理食塩水の減少量(吸水性樹脂5が吸水した生理食塩水量)Wa(mL)を読み取った。吸水開始から、60分間経過後における吸水性樹脂の4.14kPa荷重下での生理食塩水吸水能を、次式により求めた。
【0093】
4.14kPa荷重下での生理食塩水吸水能(mL/g)=Wa÷0.10(g)
【0094】
(4)中位粒子径(粒度分布)
吸水性樹脂50gに、滑剤として、0.25gの非晶質シリカ(エボニックデグサジャパン株式会社製、カープレックス#80)を混合した。
【0095】
JIS標準篩を上から、目開き850μmの篩、目開き600μmの篩、目開き500μmの篩、目開き400μmの篩、目開き300μmの篩、目開き250μmの篩、目開き150μmの篩、及び受け皿の順に組み合わせた。
【0096】
組み合わせた最上の篩に、吸水性樹脂を入れ、ロータップ式振とう器を用いて20分間振とうさせて分級した。分級後、各篩上に残った吸水性樹脂の質量を全量に対する質量百分率として算出し、粒度分布を求めた。この粒度分布に関して粒子径の大きい方から順に篩上を積算することにより、篩の目開きと篩上に残った吸水性樹脂の質量百分率の積算値との関係を対数確率紙にプロットした。確率紙上のプロットを直線で結ぶことにより、積算質量百分率50質量%に相当する粒子径を中位粒子径とした。
【0097】
なお、吸水性樹脂全体の割合に占める300〜400μmの粒子の質量割合は、前述の測定において、全体に対する300μm目開きの篩上に残った吸水性樹脂の質量割合である。同様に、吸水性樹脂全体の割合に占める150〜850μmの粒子の質量割合は、150μm、250μm、300μm、400μm、500μm、600μmの各目開きの篩上に残った吸水性樹脂の質量割合を合算したものである。
【0098】
(5)吸湿試験後の流動性
吸水性樹脂10gに、滑剤として、0.03gの非晶質シリカ(エボニックデグサジャパン株式会社製、カープレックス#80)を混合した。
【0099】
この混合物を、直径10cmのステンレスシャーレに均一に入れ、40℃、相対湿度90%RHの恒温恒湿槽中で1時間静置した。1時間静置後の吸湿したサンプルの質量(Wb)を測定した。
【0100】
吸湿後のサンプルを、受け皿を敷いた12メッシュ(JIS標準篩)に注意深く移し、篩を手のひらで軽く5回叩いた。次いで、篩を円周方向にて90度回転させた後、さらに軽く5回叩いた。12メッシュを通過して受け皿に残った吸湿後サンプルの質量(Wc)を測定し、次式により吸湿試験後の流動性(%)を求めた。
【0101】
吸湿試験後の流動性(%)=Wc/Wb×100
【0102】
[吸水性樹脂を使用した吸収体の評価試験]
(1)吸収体の作製
気流型混合装置(株式会社オーテック社製、パッドフォーマー)を用いて、吸水性樹脂80質量部と解砕パルプ(レオニア社製、レイフロック)20質量部を混合し、この混合物を坪量約500g/m
2となるように散布した。得られたものを、40cm×12cmの大きさのシート状に切断し、吸収体コアを作製した。次に、吸収体コアの上下を、吸収体コアと同じ大きさで、坪量16g/m
2の2枚のティッシュッペーパーで挟んだ状態で、全体に196kPaの荷重を30秒間加えてプレスすることにより、吸収体Aを作製した。
【0103】
また、40℃、相対湿度90%RHの恒温恒湿槽中で1時間静置した吸水性樹脂80質量部と解砕パルプ(レオニア社製、レイフロック)20質量部を用いたこと以外は、前述と同様の方法で吸収体Bを作成した。
【0104】
≪吸収体の外観評価≫
吸収体Aの外観は、以下の方法によって評価した。すなわち、10名のパネラーを選出し、得られた吸収体の外観(清潔感)を以下基準によって3段階評価してもらい、パネラーの評価値を平均することで、吸収体の外観を評価した。
段階A:白くて清潔感がある(評価値:5)。
段階B:やや黄色がかって見える(評価値:3)。
段階C:黄色がかって見える(評価値:1)
【0105】
≪吸収体製造時における作業性≫
前述した製造例に記載の製造プロセスに従って、吸収体Bを10回連続で製造した。
【0106】
製造後における、吸水性樹脂、吸収体B、及びその吸収体製造機械の状態を、作業者3名に、下記表1に示す基準によって3段階評価してもらい、各項目の評価値を平均することで、吸収体製造時における作業性を評価した。
【0107】
【表1】
【0108】
<4−2.実施例及び比較例について>
[実施例1]
還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管、並びに、攪拌機として、翼径50mmの4枚傾斜パドル翼を2段で有する攪拌翼を備えた内径110mm、2L容の丸底円筒型セパラブルフラスコを準備した。このフラスコに、炭化水素分散媒としてn−ヘプタン300gをとり、界面活性剤としてHLB3のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ株式会社、リョートーシュガーエステルS−370)0.74g、高分子系分散剤として無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学株式会社、ハイワックス1105A)0.74gを添加し、攪拌しつつ80℃まで昇温して界面活性剤を溶解した後、50℃まで冷却した。
【0109】
一方、500mL容の三角フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液92g(1.02モル)をとり、外部より冷却しつつ、30質量%の水酸化ナトリウム水溶液102.2gを滴下して75モル%の中和を行った後、増粘剤としてヒドロキシルエチルセルロース0.092g(住友精化株式会社、HEC AW−15F)、アゾ系化合物として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.092g(0.339ミリモル)、過酸化物として過硫酸カリウム0.037g(0.137ミリモル)、内部架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル0.020g(0.116ミリモル)とイオン交換水43.8gを加えて溶解し、モノマー水溶液を調製した。
【0110】
そして、前述のように調製したモノマー水溶液をセパラブルフラスコに添加して、系内を窒素で十分に置換した後、フラスコを70℃の水浴に浸漬して昇温し、重合を60分間行うことで第1段目の重合スラリー液を得た。
【0111】
一方、別の500mL容の三角フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液128.8g(1.43モル)をとり、外部より冷却しつつ、30質量%の水酸化ナトリウム水溶液143.1gを滴下して75モル%の中和を行った後、アゾ系化合物として2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩0.129g(0.475ミリモル)、過酸化物として過硫酸カリウム0.052g(0.191ミリモル)、内部架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル0.012g(0.067ミリモル)とイオン交換水15.9gを加えて溶解し、第2段目のモノマー水溶液を調製した。
【0112】
前述のセパラブルフラスコ系内を25℃に冷却した後、第2段目のモノマー水溶液の全量を、第1段目の重合スラリー液に添加して、系内を窒素で十分に置換した後、再度、フラスコを70℃の水浴に浸漬して昇温し、第2段目の重合を30分間行った。
【0113】
第2段目の重合後、125℃の油浴で反応液を昇温し、n−ヘプタンと水との共沸蒸留によりn−ヘプタンを還流しながら252gの水を系外へ抜き出した後、後架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテルの2質量%水溶液4.42g(0.51ミリモル)を添加し、80℃で2時間保持した。その後、n−ヘプタンを蒸発させて乾燥することによって、乾燥品を得た。この乾燥品を目開き1000μmのふるいを通過させて、球状粒子が凝集した形態の吸水性樹脂231.2gを得た。このようにして得られた吸水性樹脂を、前述の各種試験方法に従い評価した。
【0114】
なお、得られた吸水性樹脂は、その全体の割合に占める150〜850μmの粒子の質量割合が95質量%、300〜400μmの粒子の質量割合が33質量%であり、中位粒子径が370μmであった。
【0115】
[実施例2]
実施例2では、第2段目の重合後、n−ヘプタンと水との共沸蒸留によりn−ヘプタンを還流しながら255gの水を系外へ抜き出したこと以外は、実施例1と同様とした。これにより、実施例1にて得られた吸水性樹脂とは吸水能が異なる吸水性樹脂232.1gを得た。このようにして得られた吸水性樹脂を、前述の各種試験方法に従って評価した。
【0116】
なお、得られた吸水性樹脂は、その全体の割合に占める150〜850μmの粒子の質量割合が95質量%、300〜400μmの粒子の質量割合が33質量%であり、中位粒子径が375μmであった。
【0117】
[実施例3]
実施例3では、1段目モノマー水溶液に溶解させる過酸化物を過硫酸ナトリウム0.033g(0.137ミリモル)とし、2段目モノマー水溶液に溶解させる過酸化物を過硫酸ナトリウム0.045g(0.189ミリモル)としたこと以外は、実施例1と同様とした。これにより、実施例3にて得られた吸水性樹脂とは重合に用いる過酸化物の種類が異なる吸水性樹脂231.8gを得た。このようにして得られた吸水性樹脂を、前述の各種試験方法に従って評価した。
【0118】
なお、得られた吸水性樹脂は、その全体の割合に占める150〜850μmの粒子の質量割合が94質量%、300〜400μmの粒子の質量割合が33質量%であり、中位粒子径が360μmであった。
【0119】
[比較例1]
比較例1では、還流冷却器、滴下ロート、窒素ガス導入管、並びに、攪拌機として、翼径50mmの4枚傾斜パドル翼を2段で有する攪拌翼を備えた内径110mm、2L容の丸底円筒型セパラブルフラスコを準備し、このフラスコに、炭化水素分散媒としてn−ヘプタン300gをとり、界面活性剤としてHLB3のショ糖ステアリン酸エステル(三菱化学フーズ株式会社、リョートーシュガーエステルS−370)0.74g、高分子系分散剤として無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(三井化学株式会社、ハイワックス1105A)0.74gを添加し、攪拌しつつ80℃まで昇温して界面活性剤を溶解した後、50℃まで冷却した。
【0120】
一方、500mL容の三角フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液92g(1.02モル)をとり、外部より冷却しつつ、30質量%の水酸化ナトリウム水溶液102.2gを滴下して75モル%の中和を行った後、増粘剤としてヒドロキシルエチルセルロース0.092g(住友精化株式会社、HEC AW−15F)、過酸化物として過硫酸カリウム0.074g(0.274ミリモル)、内部架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル0.010g(0.058ミリモル)とイオン交換水43.8gを加えて溶解し、モノマー水溶液を調製した。
【0121】
そして、前述のように調製したモノマー水溶液をセパラブルフラスコに添加して、系内を窒素で十分に置換した後、フラスコを70℃の水浴に浸漬して昇温し、重合を60分間行うことで第1段目の重合スラリー液を得た。
【0122】
一方、別の500mL容の三角フラスコに80質量%のアクリル酸水溶液128.8g(1.43モル)をとり、外部より冷却しつつ、30質量%の水酸化ナトリウム水溶液143.1gを滴下して75モル%の中和を行った後、過酸化物として過硫酸カリウム0.104g(0.382ミリモル)、内部架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテル0.012g(0.067ミリモル)とイオン交換水15.9gを加えて溶解し、第2段目のモノマー水溶液を調製した。
【0123】
前述のセパラブルフラスコ系内を25℃に冷却した後、第2段目の単量体水溶液の全量を、第1段目の重合スラリー液に添加して、系内を窒素で十分に置換した後、再度、フラスコを70℃の水浴に浸漬して昇温し、第2段目の重合を30分間行った。
【0124】
第2段目の重合後、125℃の油浴で反応液を昇温し、n−ヘプタンと水との共沸蒸留によりn−ヘプタンを還流しながら257gの水を系外へ抜き出した後、後架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテルの2質量%水溶液4.42g(0.51ミリモル)を添加し、80℃で2時間保持した。その後、n−ヘプタンを蒸発させて乾燥することによって、乾燥品を得た。この乾燥品を目開き1000μmの篩を通過させて、球状粒子が凝集した形態の吸水性樹脂228.2gを得た。このようにして得られた吸水性樹脂を、前述の各種試験方法に従い評価した。
【0125】
なお、得られた吸水性樹脂は、その全体の割合に占める150〜850μmの粒子の質量割合が95質量%、300〜400μmの粒子の質量割合が31質量%であり、中位粒子径が350μmであった。
【0126】
[比較例2]
比較例2では、1段目モノマー水溶液に溶解させる内部架橋剤エチレングリコールジグリシジルエーテルの添加量を0.016g(0.090ミリモル)とし、2段目モノマー水溶液に溶解させる内部架橋剤エチレングリコールジグリシジルエーテルの添加量を0.014g(0.074ミリモル)とし、第2段目の重合後、n−ヘプタンと水との共沸蒸留によりn−ヘプタンを還流しながら257gの水を系外へ抜き出した後、後架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテルの2質量%水溶液6.64g(0.77ミリモル)を添加したこと以外は、比較例1と同様とし、吸水性樹脂230.4gを得た。このようにして得られた吸水性樹脂を、前述の各種試験方法に従って評価した。
【0127】
なお、得られた吸水性樹脂は、その全体の割合に占める150〜850μmの粒子の質量割合が95質量%、300〜400μmの粒子の質量割合が33質量%であり、中位粒子径が375μmであった。
【0128】
[比較例3]
比較例3では、1段目モノマー水溶液に溶解させる内部架橋剤エチレングリコールジグリシジルエーテルの添加量を0.011g(0.063ミリモル)とし、2段目モノマー水溶液に溶解させる内部架橋剤エチレングリコールジグリシジルエーテルの添加量を0.014g(0.074ミリモル)とし、第2段目の重合後、n−ヘプタンと水との共沸蒸留によりn−ヘプタンを還流しながら263gの水を系外へ抜き出した後、後架橋剤としてエチレングリコールジグリシジルエーテルの2質量%水溶液3.32g(0.39ミリモル)を添加したこと以外は、比較例1と同様とし、吸水性樹脂229.6gを得た。このようにして得られた吸水性樹脂を、前述の各種試験方法に従って評価した。
【0129】
なお、得られた吸水性樹脂は、その全体の割合に占める150〜850μmの粒子の質量割合が92質量%、300〜400μmの粒子の質量割合が30質量%であり、中位粒子径360μmであった。
【0130】
<4−3.評価結果について>
[吸水性樹脂の評価]
下記表2に、実施例1〜3、及び、比較例1〜3にて得られた吸水性樹脂の評価結果を示す。
【0131】
【表2】
【0132】
表2に示すように、黄色度とゲル強度が特定の数値範囲にある実施例にて得られた吸水性樹脂は、比較例の吸水性樹脂に比べ、吸湿試験後の流動性に優れていた。
【0133】
[吸収体の評価、吸収体製造時の作業性評価]
下記表3に、実施例1〜3、及び、比較例1〜3にて得られた吸水性樹脂を用いて製造した吸収体の評価、並びにその吸収体製造時における作業性評価の結果を示す。
【0134】
【表3】
【0135】
表3に示すように、実施例の吸水性樹脂が用いられた吸収体は、比較例の吸水性樹脂が用いられた場合と比べて、外観(清潔感)に優れ、さらに、吸収体の製造プロセスにおいて、製造時における作業性に優れ、吸水性樹脂の分散性に優れるという評価であった。
【課題】吸収性物品を構成する吸収体の形成にあたり、吸湿状態でも分散性が良く、かつ吸収性物品の製造時のトラブルの発生を防いで効率的に製造することを可能にする吸水性樹脂及びその吸収性樹脂を含む吸収体を用いた吸収性物品を提供する。
【解決手段】本発明に係る吸水性樹脂は、水溶性エチレン性不飽和単量体を重合させ、かつ後架橋剤で後架橋することにより得られる吸水性樹脂であって、以下の要件を満たすことを特徴とする吸水性樹脂である。