【実施例】
【0127】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、本発明の実施例において特にことわりのない限り、各種測定、評価は下記によるものである。
【0128】
[金属微粒子の平均粒子径の測定]
金属微粒子の平均粒子径の測定は、試料の断面をミクロトーム(ライカ社製、ウルトラカットUTCウルトラミクロトーム)を用いて超薄切片を作製し、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子社製、JEM−2000EX)により観測した。尚、ガラス基板上に作製した試料を上記の方法で観測することは困難であるため、ポリイミドフィルム上に同条件で作製したものを用い観測した。また、金属微粒子の平均粒子径は面積平均径とした。
【0129】
[試料の吸収スペクトル測定]
作製した試料の吸収スペクトルは、紫外・可視・近赤外分光法(日本分光社製、UV−vis U−4000)により観測した。
【0130】
[光透過率の測定]
光透過率は、紫外・可視分光分析(日本分光社製、UV−vis V−550)を用いて測定した。
【0131】
[弾性率の測定]
レオメトリックス社製のRSA IIを用いて、昇温速度10℃/min、温度範囲40℃から450℃、周波数1Hz、歪み0.001の条件で、5×33mmのサイズにカットしたポリイミドフィルムについて動的粘弾性特性を測定し、各温度におけるポリイミドの弾性率を求めた。
【0132】
合成例1
1000mlのセパラブルフラスコ内において、425gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に、31.8gの2,2'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル(m−TB)及び4.9gの1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)を室温で30分撹拌した。その後、28.6gのピロメリット酸二無水物(PMDA)及び9.6gの3,4,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)を加え、窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、粘調なポリイミド前駆体樹脂溶液S
1を得た。得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
1の粘度は、E型粘度計(ブルックフィールド社製、DV−II +Pro CP型)により測定した結果、28,000センチポイズ(25℃)であった。
【0133】
得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
1を、ステンレス基材の上に塗布し、130℃で3分間乾燥し、15分かけて360℃まで昇温させてイミド化を完了させ、ステンレス基材に積層されたポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムをステンレス基材から剥離し、25μmの厚みのポリイミドフィルムP
1を得た。このフィルムの波長400nm、500nm及び600nmでの光透過率は、それぞれ0%、70.5%、及び82%であった。また、このフィルムについて、温度200℃、300℃、及び400℃における弾性率を測定した結果、それぞれ3GPa、2GPa、及び0.6GPaであった。
【0134】
合成例2
500mlのセパラブルフラスコ内において、撹拌しながら、15.24gの2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル(TFMB)47.6mmolを170gのDMAcに溶解させた。次に、その溶液に窒素気流下で14.76gの4,4’−オキシジフタル酸無水物(ODPA)47.6mmolを加え、室温で4時間攪拌を続けて重合反応を行い、無色の粘調なポリイミド前駆体樹脂溶液S
2を得た。得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
2の粘度は、E型粘度計(ブルックフィールド社製、DV−II +Pro CP型)により測定した結果、3251センチポイズ (25℃)であった。重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC;東ソー株式会社製、HLC−8220GPC)により測定し、Mw=163,900であった。
【0135】
得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
2を、ステンレス基材の上に塗布し、130℃で3分間乾燥し、15分かけて360℃まで昇温させてイミド化を完了させ、ステンレス基材に積層されたポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムをステンレス基材から剥離し、10μmの厚みのポリイミドフィルムP
2を得た。このフィルムの波長400nmでの光透過率は95%、可視光平均透過率は96%であった。また、このフィルムについて、温度200℃、300℃、及び400℃における弾性率を測定した結果、それぞれ0.2GPa、0.01GPa、及び0.001GPaであった。
【0136】
合成例3
1000mlのセパラブルフラスコ内において、425gのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)に、36.4gの1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(APB)を室温で30分撹拌した。その後、11.1gのピロメリット酸二無水物(PMDA)及び27.4gの3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)を加え、窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌を続けて重合反応を行い、粘調なポリイミド前駆体樹脂溶液S
3を得た。得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
3の粘度は、E型粘度計(ブルックフィールド社製、DV−II +Pro CP型)により測定した結果、2,500センチポイズ(25℃)であった。
【0137】
得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
3を、ステンレス基材の上に塗布し、130℃で3分間乾燥し、15分かけて360℃まで昇温させてイミド化を完了させ、ステンレス基材に積層されたポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルムをステンレス基材から剥離し、25μmの厚みのポリイミドフィルムP
3を得た。このフィルムの波長400nm、500nm及び600nmでの光透過率は、それぞれ0%、60%、及び72%であった。また、このフィルムについて、温度200℃、300℃、及び400℃における弾性率を測定した結果、それぞれ1GPa、0.08GPa、及び0.008GPaであった。
【0138】
作製例1
無アルカリガラス(旭硝子株式会社製、AN−100)の試験片10cm×10cm(厚み0.7mm)を50℃の5N水酸化ナトリウム水溶液により5分間処理した。次に、試験片のガラス基板を、純水で洗浄し、乾燥した後、1重量%の3−アミノプロピルトリメトキシシラン(以下、「γ−APS」と略す)水溶液に浸漬させた。このガラス基板を、γ−APS水溶液から取り出した後乾燥し、110℃で5分間加熱して、ガラス基板G1を作製した。
【0139】
[実施例1−1]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
18.00gに、8.00gのDMAcに溶解した0.191gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1380nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−1を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−1は、金の単位面積当たりの含有量が8.19μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−1を大気下において200℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−1(厚さ828nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−1中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;10.6nm、最大粒子径;18.0nm、最小粒子径;4.0nm、ナノコンポジットフィルム1−1における金の体積分率;0.5%、粒子間距離の平均値;39.4nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−1の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが560nm、半値幅が72nmの吸収ピークが観測された。
【0140】
[実施例1−2]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
18.00gに、8.00gのDMAcに溶解した0.191gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1473nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−2を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−2は、金の単位面積当たりの含有量が8.74μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−2を大気下において300℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−2(厚さ884nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−2中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;12.2nm、最大粒子径;29.0nm、最小粒子径;4.0nm、ナノコンポジットフィルム1−2における金の体積分率;0.5%、粒子間距離の平均値;45.3nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−2の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが564nm、半値幅が92nmの吸収ピークが観測された。
【0141】
[実施例1−3]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
18.00gに、8.00gのDMAcに溶解した0.191gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1440nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−3を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−3は、金の単位面積当たりの含有量が8.55μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−3を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−3(厚さ865nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−3中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;15.0nm、最大粒子径;29.0nm、最小粒子径;6.0nm、ナノコンポジットフィルム1−3における金の体積分率;0.5%、粒子間距離の平均値;55.7nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−3の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが570nm、半値幅が76nmの吸収ピークが観測された。
【0142】
[実施例1−4]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
28.00gに、8.00gのDMAcに溶解した0.191gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1370nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−4を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−4は、金の単位面積当たりの含有量が7.98μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−4を大気下において200℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−4(厚さ827nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−4中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;13.3nm、最大粒子径;22.0nm、最小粒子径;4.0nm、ナノコンポジットフィルム1−4における金の体積分率;0.5%、粒子間距離の平均値;49.4nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−4の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが560nm、半値幅が80nmの吸収ピークが観測された。
【0143】
[実施例1−5]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
28.00gに、8.00gのDMAcに溶解した0.191gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1260nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−5を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−5は、金の単位面積当たりの含有量が7.29μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−5を大気下において300℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−5(厚さ755nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−5中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;17.4nm、最大粒子径;26.0nm、最小粒子径;7.0nm、ナノコンポジットフィルム1−5における金の体積分率;0.5%、粒子間距離の平均値;64.6nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−5の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが574nm、半値幅が69nmの吸収ピークが観測された。
【0144】
[実施例1−6]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
28.00gに、8.00gのDMAcに溶解した0.191gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1220nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−6を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−6は、金の単位面積当たりの含有量が7.06μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−6を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−6(厚さ730nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−6中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;19.8nm、最大粒子径;35.0nm、最小粒子径;10.0nm、ナノコンポジットフィルム1−6における金の体積分率;0.5%、粒子間距離の平均値;73.5nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−6の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが576nm、半値幅が72nmの吸収ピークが観測された。
【0145】
[実施例1−7]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
15.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.127gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約750nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−7を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−7は、金の単位面積当たりの含有量が4.45μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−7を大気下において200℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−7(厚さ450nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−7中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;8.5nm、最大粒子径;11.0nm、最小粒子径;4.0nm、ナノコンポジットフィルム1−7における金の体積分率;0.5%、粒子間距離の平均値;31.6nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−7の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが546nm、半値幅が83nmの吸収ピークが観測された。
【0146】
[実施例1−8]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
15.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.127gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約770nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−8を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−8は、金の単位面積当たりの含有量が4.55μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−8を大気下において300℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−8(厚さ460nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−8中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;9.6nm、最大粒子径;17.0nm、最小粒子径;5.0nm、ナノコンポジットフィルム1−8における金の体積分率;0.5%、粒子間距離の平均値;35.6nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−8の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが560nm、半値幅が77nmの吸収ピークが観測された。
【0147】
[実施例1−9]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
15.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.127gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約760nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−9を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−9は、金の単位面積当たりの含有量が4.53μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−9を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−9(厚さ458nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−9中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;9.8nm、最大粒子径;19.0nm、最小粒子径;5.0nm、ナノコンポジットフィルム1−9における金の体積分率;0.5%、粒子間距離の平均値;36.4nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−9の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが560nm、半値幅が69nmの吸収ピークが観測された。
【0148】
[実施例1−10]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
25.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.127gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約732nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−10を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−10は、金の単位面積当たりの含有量が4.24μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−10を大気下において200℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−10(厚さ439nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−10中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;9.1nm、最大粒子径;14.0nm、最小粒子径;7.0nm、ナノコンポジットフィルム1−10における金の体積分率;0.5%、粒子間距離の平均値;33.8nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−10の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが542nm、半値幅が71nmの吸収ピークが観測された。
【0149】
[実施例1−11]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
25.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.127gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約730nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−11を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−11は、金の単位面積当たりの含有量が4.23μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−11を大気下において300℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−11(厚さ438nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−11中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;12.3nm、最大粒子径;22.0nm、最小粒子径;6.0nm、ナノコンポジットフィルム1−11における金の体積分率;0.5%、粒子間距離の平均値;45.7nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−11の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが550nm、半値幅が65nmの吸収ピークが観測された。
【0150】
[実施例1−12]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
25.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.127gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約592nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−12を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−12は、金の単位面積当たりの含有量が3.43μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−12を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−12(厚さ355nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−12中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;12.4nm、最大粒子径;22.0nm、最小粒子径;8.0nm、ナノコンポジットフィルム1−12における金の体積分率;0.5%、粒子間距離の平均値;46.0nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−12の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが552nm、半値幅が69nmの吸収ピークが観測された。
【0151】
[実施例1−13]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
18.00gに、8.00gのDMAcに溶解した0.038gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1430nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−13を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−13は、金の単位面積当たりの含有量が1.69μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−13を大気下において200℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−13(厚さ857nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−13中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;ほぼ球状、平均粒子径;4.9nm、最大粒子径;8.0nm、最小粒子径;3.0nm、ナノコンポジットフィルム1−13における金の体積分率;0.1%、粒子間距離の平均値;34.6nm。
【0152】
[実施例1−14]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
18.00gに、8.00gのDMAcに溶解した0.038gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1455nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−14を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−14は、金の単位面積当たりの含有量が1.73μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−14を大気下において300℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−14(厚さ873nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−14中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;ほぼ球状、平均粒子径;6.1nm、最大粒子径;9.0nm、最小粒子径;3.0nm、ナノコンポジットフィルム1−14における金の体積分率;0.1%、粒子間距離の平均値;43.1nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−14の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが558nm、半値幅が60nmの吸収ピークが観測された。
【0153】
[実施例1−15]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
18.00gに、8.00gのDMAcに溶解した0.038gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1430nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−15を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−15は、金の単位面積当たりの含有量が1.69μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−15を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−15(厚さ857nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−15中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;ほぼ球状、平均粒子径;6.9nm、最大粒子径;9.0nm、最小粒子径;5.0nm、ナノコンポジットフィルム1−15における金の体積分率;0.1%、粒子間距離の平均値;48.7nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−15の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが552nm、半値幅が68nmの吸収ピークが観測された。
【0154】
[実施例1−16]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
15.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.025gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約780nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−16を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−16は、金の単位面積当たりの含有量が0.93μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−16を大気下において200℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−16(厚さ470nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−16中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;ほぼ球状、平均粒子径;4.8nm、最大粒子径;6.0nm、最小粒子径;3.0nm、ナノコンポジットフィルム1−16における金の体積分率;0.1%、粒子間距離の平均値;33.9nm。
【0155】
[実施例1−17]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
15.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.025gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約705nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−17を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−17は、金の単位面積当たりの含有量が0.84μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−17を大気下において300℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−17(厚さ423nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−17中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;ほぼ球状、平均粒子径;5.5nm、最大粒子径;7.0nm、最小粒子径;3.0nm、ナノコンポジットフィルム1−17における金の体積分率;0.1%、粒子間距離の平均値;38.8nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−17の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが544nm、半値幅が57nmの吸収ピークが観測された。
【0156】
[実施例1−18]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
15.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.025gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約690nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−18を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−18は、金の単位面積当たりの含有量が0.82μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−18を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−18(厚さ414nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−18中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;ほぼ球状、平均粒子径;6.6nm、最大粒子径;8.0nm、最小粒子径;4.0nm、ナノコンポジットフィルム1−18における金の体積分率;0.1%、粒子間距離の平均値;46.6nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−18の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが546nm、半値幅が63nmの吸収ピークが観測された。
【0157】
[実施例1−19]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
28.00gに、8.00gのDMAcに溶解した0.038gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1510nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−19を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−19は、金の単位面積当たりの含有量が1.75μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−19を大気下において200℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−19(厚さ905nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−19中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;ほぼ球状、平均粒子径;5.6nm、最大粒子径;7.0nm、最小粒子径;4.0nm、ナノコンポジットフィルム1−19における金の体積分率;0.1%、粒子間距離の平均値;39.5nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−19の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが544nm、半値幅が56nmの吸収ピークが観測された。
【0158】
[実施例1−20]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
28.00gに、8.00gのDMAcに溶解した0.038gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1180nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−20を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−20は、金の単位面積当たりの含有量が1.37μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−20を大気下において300℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−20(厚さ708nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−20中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;ほぼ球状、平均粒子径;6.2nm、最大粒子径;8.0nm、最小粒子径;4.0nm、ナノコンポジットフィルム1−20における金の体積分率;0.1%、粒子間距離の平均値;43.8nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−20の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが530nm、半値幅が72nmの吸収ピークが観測された。
【0159】
[実施例1−21]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
28.00gに、8.00gのDMAcに溶解した0.038gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1310nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−21を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂1−21は、金の単位面積当たりの含有量が1.52μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−21を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−21(厚さ788nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−21中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;ほぼ球状、平均粒子径;7.2nm、最大粒子径;10.0nm、最小粒子径;4.0nm、ナノコンポジットフィルム1−21における金の体積分率;0.1%、粒子間距離の平均値;50.8nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−21の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが538nm、半値幅が72nmの吸収ピークが観測された。
【0160】
[実施例1−22]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
25.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.025gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約680nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−22を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂1−22は、金の単位面積当たりの含有量が0.79μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−22を大気下において200℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−22(厚さ410nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−22中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;ほぼ球状、平均粒子径;5.2nm、最大粒子径;7.0nm、最小粒子径;3.0nm、ナノコンポジットフィルム1−22における金の体積分率;0.1%、粒子間距離の平均値;36.7nm。
【0161】
[実施例1−23]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
25.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.025gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約680nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−23を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂1−23は、金の単位面積当たりの含有量が0.78μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−23を大気下において300℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−23(厚さ406nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−23中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;ほぼ球状、平均粒子径;5.8nm、最大粒子径;8.0nm、最小粒子径;4.0nm、ナノコンポジットフィルム1−23における金の体積分率;0.1%、粒子間距離の平均値;40.9nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−23の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが542nm、半値幅が77nmの吸収ピークが観測された。
【0162】
[実施例1−24]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
25.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.025gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約580nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−24を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂1−24は、金の単位面積当たりの含有量が0.68μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−24を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−24(厚さ350nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−24中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;ほぼ球状、平均粒子径;6.6nm、最大粒子径;9.0nm、最小粒子径;4.0nm、ナノコンポジットフィルム1−24における金の体積分率;0.1%、粒子間距離の平均値;46.6nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−24の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが538nm、半値幅が84nmの吸収ピークが観測された。
【0163】
[実施例1−25]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
26.67gに、13.33gのDMAcに溶解した0.118gの硝酸銀を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、銀錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた銀錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約667nmの銀錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−25を形成した。銀錯体含有ポリイミド前駆体樹脂1−25は、銀の単位面積当たりの含有量が3.78μg/cm
2であった。この銀錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−25を真空下において300℃、10分間加熱処理することによって黄色に呈色した金属銀微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−25(厚さ402nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−25中に形成した金属銀微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属銀微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属銀微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属銀微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;ほぼ球状、平均粒子径;7.9nm、最大粒子径;10.5nm、最小粒子径;5.2nm、ナノコンポジットフィルム1−25における銀の体積分率;0.9%、粒子間距離の平均値;18.8nm。
また、ナノコンポジットフィルム1−25の金属銀微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが442nm、半値幅が76nmの吸収ピークが観測された。
【0164】
[比較例1−1]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
17.50gに、7.50gのDMAcに溶解した0.489gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1275nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−25を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−25は、金の単位面積当たりの含有量が20.48μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−25を大気下において300℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−25(厚さ765nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−25中に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
1)ナノコンポジットフィルム1−25の表面側の面から0nm〜100nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約11.5nm、最小粒子径;約8.0nm、最大粒子径;約28.0nm。
2)ナノコンポジットフィルム1−25の表面側の面から100nm〜600nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状、平均粒子径;約23.0nm、最小粒子径;約8.0nm、最大粒子径;約84.0nm。
なお、ナノコンポジットフィルム1−25における金の体積分率は、1.35%であった。
また、ナノコンポジットフィルム1−25の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが576nmおよび690nm、半値幅が133nmの吸収ピークが観測された。
【0165】
[比較例1−2]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
17.50gに、7.50gのDMAcに溶解した0.489gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1260nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−26を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−26は、金の単位面積当たりの含有量が20.29μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−26を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−26(厚さ758nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−26中に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
1)ナノコンポジットフィルム1−26の表面側の面から0nm〜100nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約12.6nm、最小粒子径;約8.0nm、最大粒子径;約28.0nm。
2)ナノコンポジットフィルム1−26の表面側の面から100nm〜600nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状、平均粒子径;約25.5nm、最小粒子径;約8.0nm、最大粒子径;約85.0nm。
なお、ナノコンポジットフィルム1−26における金の体積分率は、1.35%であった。
また、ナノコンポジットフィルム1−26の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが580nmおよび682nm、半値幅が147nmの吸収ピークが観測された。
【0166】
[比較例1−3]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
27.50gに、7.50gのDMAcに溶解した0.489gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1137nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−27を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−27は、金の単位面積当たりの含有量が17.83μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−27を大気下において200℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−27(厚さ682nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−27中に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
1)ナノコンポジットフィルム1−27の表面側の面から0nm〜100nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約17.0nm、最小粒子径;約12.0nm、最大粒子径;約27.0nm。
2)ナノコンポジットフィルム1−27の表面側の面から100nm〜600nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状、平均粒子径;約66.8nm、最小粒子径;約49.0nm、最大粒子径;約83.0nm。
なお、ナノコンポジットフィルム1−27における金の体積分率は、1.35%であった。
また、ナノコンポジットフィルム1−27の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが572nmおよび688nm、半値幅が189nmの吸収ピークが観測された。
【0167】
[比較例1−4]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
27.50gに、7.50gのDMAcに溶解した0.489gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1150nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−28を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−28は、金の単位面積当たりの含有量が18.04μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−28を大気下において300℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−28(厚さ690nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−28中に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
1)ナノコンポジットフィルム1−28の表面側の面から0nm〜100nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約20.2nm、最小粒子径;約13.0nm、最大粒子径;約29.0nm。
2)ナノコンポジットフィルム1−28の表面側の面から100nm〜600nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状、平均粒子径;約65.1nm、最小粒子径;約50.0nm、最大粒子径;約87.0nm。
なお、ナノコンポジットフィルム1−28における金の体積分率は、1.35%であった。
また、ナノコンポジットフィルム1−28の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが620nmおよび698nm、半値幅が216nmの吸収ピークが観測された。
【0168】
[比較例1−5]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
27.50gに、7.50gのDMAcに溶解した0.489gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1117nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−29を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−29は、金の単位面積当たりの含有量が17.52μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−29を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−29(厚さ670nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−29中に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
1)ナノコンポジットフィルム1−29の表面側の面から0nm〜100nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約23.0nm、最小粒子径;約15.0nm、最大粒子径;約30.0nm。
2)ナノコンポジットフィルム1−29の表面側の面から100nm〜600nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状、平均粒子径;約70.0nm、最小粒子径;約52.0nm、最大粒子径;約90.0nm。
なお、ナノコンポジットフィルム1−29における金の体積分率は、1.35%であった。
また、ナノコンポジットフィルム1−29の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが630nmおよび698nm、半値幅が200nmの吸収ピークが観測された。
【0169】
[比較例1−6]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
15.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.348gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約750nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−30を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−30は、金の単位面積当たりの含有量が12.05μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−30を大気下において300℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−30(厚さ450nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−30中に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
1)ナノコンポジットフィルム1−30の表面側の面から0nm〜100nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約7.1nm、最小粒子径;約4.0nm、最大粒子径;約13.0nm。
2)ナノコンポジットフィルム1−30の表面側の面から100nm〜600nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状、平均粒子径;約17.6nm、最小粒子径;約4.0nm、最大粒子径;約36.0nm。
なお、ナノコンポジットフィルム1−30における金の体積分率は、1.35%であった。
また、ナノコンポジットフィルム1−30の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが592nmおよび650nm、半値幅が120nmの吸収ピークが観測された。
【0170】
[比較例1−7]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
15.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.348gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約640nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−31を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−31は、金の単位面積当たりの含有量が10.28μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−31を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−31(厚さ384nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−31中に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
1)ナノコンポジットフィルム1−31の表面側の面から0nm〜100nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約10.0nm、最小粒子径;約5.0nm、最大粒子径;約16.0nm。
2)ナノコンポジットフィルム1−31の表面側の面から100nm〜600nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状、平均粒子径;約20.8nm、最小粒子径;約5.0nm、最大粒子径;約48.0nm。
なお、ナノコンポジットフィルム1−31における金の体積分率は、1.35%であった。
また、ナノコンポジットフィルム1−31の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが590nmおよび650nm、半値幅が102nmの吸収ピークが観測された。
【0171】
[比較例1−8]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
25.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.348gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約798nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−32を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−32は、金の単位面積当たりの含有量が12.52μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−32を大気下において200℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−32(厚さ479nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−32に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
1)ナノコンポジットフィルム1−32の表面側の面から0nm〜100nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約9.0nm、最小粒子径;約7.0nm、最大粒子径;約12.0nm。
2)ナノコンポジットフィルム1−32の表面側の面から100nm〜600nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状、平均粒子径;約26.0nm、最小粒子径;約12.0nm、最大粒子径;約39.0nm。
なお、ナノコンポジットフィルム1−32における金の体積分率は、1.35%であった。
また、ナノコンポジットフィルム1−32の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが574nmおよび642nm、半値幅が102nmの吸収ピークが観測された。
【0172】
[比較例1−9]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
25.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.348gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約675nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−33を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−33は、金の単位面積当たりの含有量が10.59μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−33を大気下において300℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−33(厚さ405nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−33中に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
1)ナノコンポジットフィルム1−33の表面側の面から0nm〜100nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約13.6nm、最小粒子径;約10.0nm、最大粒子径;約21.0nm。
2)ナノコンポジットフィルム1−33の表面側の面から100nm〜600nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状、平均粒子径;約34.6nm、最小粒子径;約25.0nm、最大粒子径;約50.0nm。
なお、ナノコンポジットフィルム1−33における金の体積分率は、1.35%であった。
また、ナノコンポジットフィルム1−33の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが588nmおよび652nm、半値幅が107nmの吸収ピークが観測された。
【0173】
[比較例1−10]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
25.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.348gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約650nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−34を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−34は、金の単位面積当たりの含有量が10.20μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜1−34を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム1−34(厚さ390nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム1−34中に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
1)ナノコンポジットフィルム1−34の表面側の面から0nm〜100nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約16.4nm、最小粒子径;約14.0nm、最大粒子径;約26.0nm。
2)ナノコンポジットフィルム1−34の表面側の面から100nm〜600nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状、平均粒子径;約41.1nm、最小粒子径;約35.0nm、最大粒子径;約47.6nm。
なお、ナノコンポジットフィルム1−34における金の体積分率は、1.35%であった。
また、ナノコンポジットフィルム1−34の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが592nmおよび654nm、半値幅が134nmの吸収ピークが観測された。
【0174】
[実施例2−1]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
18.00gに、8.00gのDMAcに溶解した0.522gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1270nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜2−1を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜2−1は、金の単位面積当たりの含有量が20.40μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜2−1を大気下において200℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム2−1(厚さ762nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム2−1中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
1)ナノコンポジットフィルム2−1の表面側の面から0nm〜100nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約10.2nm、最小粒子径;約4.0nm、最大粒子径;約38.0nm。
2)ナノコンポジットフィルム2−1の表面側の面から100nm〜600nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約20.7nm、最小粒子径;約4.0nm、最大粒子径;約51.0nm。
なお、ナノコンポジットフィルム2−1における金の体積分率は、1.35%であった。
また、ナノコンポジットフィルム2−1の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが570nm、半値幅が115nmの吸収ピークが観測された。
【0175】
[実施例2−2]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
18.00gに、8.00gのDMAcに溶解した0.522gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約725nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜2−2を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜2−2は、金の単位面積当たりの含有量が11.64μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜2−2を大気下において200℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム2−2(厚さ435nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム2−2中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
1)ナノコンポジットフィルム2−2の表面側の面から0nm〜100nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約6.5nm、最小粒子径;約3.0nm、最大粒子径;約12.0nm。
2)ナノコンポジットフィルム2−2の表面側の面から100nm〜600nmの厚さ範囲内の領域(ただし、厚さが600nm未満の場合は、膜厚を上限とする):
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約11.6nm、最小粒子径;約4.0nm、最大粒子径;約25.0nm。
なお、ナノコンポジットフィルム2−2における金の体積分率は、1.35%であった。
また、ナノコンポジットフィルム2−2の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが568nm、半値幅が89nmの吸収ピークが観測された。
【0176】
[比較例2−1]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
17.50gに、7.50gのDMAcに溶解した0.489gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1275nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜2−3を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜2−3は、金の単位面積当たりの含有量が20.48μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜2−3を大気下において300℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム2−3(厚さ765nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム2−3中に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
1)ナノコンポジットフィルム2−3の表面側の面から0nm〜100nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約11.5nm、最小粒子径;約8.0nm、最大粒子径;約28.0nm。
2)ナノコンポジットフィルム2−3の表面側の面から100nm〜600nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状、平均粒子径;約23.0nm、最小粒子径;約8.0nm、最大粒子径;約84.0nm。
なお、ナノコンポジットフィルム2−3における金の体積分率は、1.35%であった。
また、ナノコンポジットフィルム2−3の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが576nmおよび690nm、半値幅が133nmの吸収ピークが観測された。
【0177】
[比較例2−2]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
17.50gに、7.50gのDMAcに溶解した0.489gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約1260nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜2−4を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜2−4は、金の単位面積当たりの含有量が20.29μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜2−4を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム2−4(厚さ758nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム2−4中に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
1)ナノコンポジットフィルム2−4の表面側の面から0nm〜100nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約12.6nm、最小粒子径;約8.0nm、最大粒子径;約28.0nm。
2)ナノコンポジットフィルム2−4の表面側の面から100nm〜600nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状、平均粒子径;約25.5nm、最小粒子径;約8.0nm、最大粒子径;約85.0nm。
なお、ナノコンポジットフィルム2−4における金の体積分率は、1.35%であった。
また、ナノコンポジットフィルム2−4の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが580nmおよび682nm、半値幅が147nmの吸収ピークが観測された。
【0178】
[比較例2−3]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
15.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.348gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約750nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜2−5を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜2−5は、金の単位面積当たりの含有量が12.05μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜2−5を大気下において300℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム2−5(厚さ450nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム2−5中に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
1)ナノコンポジットフィルム2−5の表面側の面から0nm〜100nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約7.1nm、最小粒子径;約4.0nm、最大粒子径;約13.0nm。
2)ナノコンポジットフィルム2−5の表面側の面から100nm〜600nmの厚さ範囲内の領域(ただし、厚さが600nm未満の場合は、膜厚を上限とする):
形状;多面体状、平均粒子径;約17.6nm、最小粒子径;約4.0nm、最大粒子径;約36.0nm。
なお、ナノコンポジットフィルム2−5における金の体積分率は、1.35%であった。
また、ナノコンポジットフィルム2−5の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが592nmおよび650nm、半値幅が120nmの吸収ピークが観測された。
【0179】
[比較例2−4]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
15.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.348gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約640nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜2−6を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜2−6は、金の単位面積当たりの含有量が10.28μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜2−6を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム2−6(厚さ384nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム2−6中に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
1)ナノコンポジットフィルム2−6の表面側の面から0nm〜100nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約10.0nm、最小粒子径;約5.0nm、最大粒子径;約16.0nm。
2)ナノコンポジットフィルム2−6の表面側の面から100nm〜600nmの厚さ範囲内の領域(ただし、厚さが600nm未満の場合は、膜厚を上限とする):
形状;多面体状、平均粒子径;約20.8nm、最小粒子径;約5.0nm、最大粒子径;約48.0nm。
なお、ナノコンポジットフィルム2−6における金の体積分率は、1.35%であった。
また、ナノコンポジットフィルム2−6の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが590nmおよび650nm、半値幅が102nmの吸収ピークが観測された。
【0180】
[実施例3−1]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
18.00gに、16.00gのDMAcに溶解した0.522gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約377nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−1を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−1は、金の単位面積当たりの含有量が6.05μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−1を大気下において200℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム3−1(厚さ226nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム3−1中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;8.7nm、最大粒子径;20.0nm、最小粒子径;4.0nm、ナノコンポジットフィルム3−1における金の体積分率;1.35%、粒子間距離の平均値;20.8nm。
また、ナノコンポジットフィルム3−1の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが550nm、半値幅が80nmの吸収ピークが観測された。
【0181】
[実施例3−2]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
18.00gに、16.00gのDMAcに溶解した0.522gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約315nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−2を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−2は、金の単位面積当たりの含有量が5.06μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−2を大気下において300℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム3−2(厚さ189nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム3−2中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;10.2nm、最大粒子径;21.0nm、最小粒子径;4.0nm、ナノコンポジットフィルム3−2における金の体積分率;1.35%、粒子間距離の平均値;24.3nm。
また、ナノコンポジットフィルム3−2の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが564nm、半値幅が76nmの吸収ピークが観測された。
【0182】
[実施例3−3]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
18.00gに、16.00gのDMAcに溶解した0.522gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約367nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−3を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−3は、金の単位面積当たりの含有量が5.89μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−3を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム3−3(厚さ220nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム3−3中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;13.8nm、最大粒子径;21.0nm、最小粒子径;4.0nm、ナノコンポジットフィルム3−3における金の体積分率;1.35%、粒子間距離の平均値;32.8nm。
また、ナノコンポジットフィルム3−3の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが564nm、半値幅が87nmの吸収ピークが観測された。
【0183】
[実施例3−4]
合成例3で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
38.00gに、16.00gのDMAcに溶解した0.522gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約338nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−4を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−4は、金の単位面積当たりの含有量が5.33μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−4を大気下において200℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム3−4(厚さ203nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム3−4中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;12.4nm、最大粒子径;30.0nm、最小粒子径;5.0nm、ナノコンポジットフィルム3−4における金の体積分率;1.35%、粒子間距離の平均値;29.6nm。
また、ナノコンポジットフィルム3−4の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが556nm、半値幅が112nmの吸収ピークが観測された。
【0184】
[実施例3−5]
合成例3で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
38.00gに、16.00gのDMAcに溶解した0.522gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約332nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−5を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−5は、金の単位面積当たりの含有量が5.22μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−5を大気下において300℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム3−5(厚さ199nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム3−5中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;14.2nm、最大粒子径;30.0nm、最小粒子径;6.0nm、ナノコンポジットフィルム3−5における金の体積分率;1.35%、粒子間距離の平均値;33.8nm。
また、ナノコンポジットフィルム3−5の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが564nm、半値幅が111nmの吸収ピークが観測された。
【0185】
[実施例3−6]
合成例3で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
38.00gに、16.00gのDMAcに溶解した0.522gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約413nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−6を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−6は、金の単位面積当たりの含有量が6.51μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−6を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム3−6(厚さ248nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム3−6中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;19.4nm、最大粒子径;49.0nm、最小粒子径;6.0nm、ナノコンポジットフィルム3−6における金の体積分率;1.35%、粒子間距離の平均値;46.2nm。
また、ナノコンポジットフィルム3−6の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが570nm、半値幅が94nmの吸収ピークが観測された。
【0186】
[実施例3−7]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
28.00gに、16.00gのDMAcに溶解した0.522gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約337nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−7を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−7は、金の単位面積当たりの含有量が5.28μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−7を大気下において200℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム3−7(厚さ202nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム3−7中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;12.3nm、最大粒子径;16.0nm、最小粒子径;7.0nm、ナノコンポジットフィルム3−7における金の体積分率;1.35%、粒子間距離の平均値;29.2nm。
また、ナノコンポジットフィルム3−7の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが548nm、半値幅が78nmの吸収ピークが観測された。
【0187】
[実施例3−8]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
28.00gに、16.00gのDMAcに溶解した0.522gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約348nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−8を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−8は、金の単位面積当たりの含有量が5.46μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−8を大気下において300℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム3−8(厚さ209nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム3−8中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;16.5nm、最大粒子径;23.0nm、最小粒子径;11.0nm、ナノコンポジットフィルム3−8における金の体積分率;1.35%、粒子間距離の平均値;39.4nm。
また、ナノコンポジットフィルム3−8の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが562nm、半値幅が76nmの吸収ピークが観測された。
【0188】
[比較例3−1]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
15.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.348gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約750nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−9を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−9は、金の単位面積当たりの含有量が12.05μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−9を大気下において300℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム3−9(厚さ450nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム3−9中に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
1)ナノコンポジットフィルム3−9の表面側の面から0nm〜100nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約7.1nm、最小粒子径;約4.0nm、最大粒子径;約13.0nm。
2)ナノコンポジットフィルム3−9の表面側の面から100nm〜600nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状、平均粒子径;約17.6nm、最小粒子径;約4.0nm、最大粒子径;約36.0nm。
なお、ナノコンポジットフィルム3−9における金の体積分率は、1.35%であった。
また、ナノコンポジットフィルム3−9の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが592nmおよび650nm、半値幅が120nmの吸収ピークが観測された。
【0189】
[比較例3−2]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
15.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.348gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約640nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−10を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−10は、金の単位面積当たりの含有量が10.28μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−10を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム3−10(厚さ384nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム3−10中に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
1)ナノコンポジットフィルム3−10の表面側の面から0nm〜100nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;約10.0nm、最小粒子径;約5.0nm、最大粒子径;約16.0nm。
2)ナノコンポジットフィルム3−10の表面側の面から100nm〜600nmの厚さ範囲内の領域:
形状;多面体状、平均粒子径;約20.8nm、最小粒子径;約5.0nm、最大粒子径;約48.0nm。
なお、ナノコンポジットフィルム3−10における金の体積分率は、1.35%であった。
また、ナノコンポジットフィルム3−10の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが590nmおよび650nm、半値幅が102nmの吸収ピークが観測された。
【0190】
[比較例3−3]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
28.00gに、16.00gのDMAcに溶解した1.566gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約362nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−11を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−11は、金の単位面積当たりの含有量が16.58μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−11を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム3−11(厚さ217nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム3−11中に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;41.7nm、最大粒子径;68.0nm、最小粒子径;22.0nm。なお、ナノコンポジットフィルム3−11における金の体積分率は、3.96%であった。
また、ナノコンポジットフィルム3−11の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが570nmおよび640nm、半値幅が171nmの吸収ピークが観測された。
【0191】
[比較例3−4]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
28.00gに、16.00gのDMAcに溶解した0.522gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約328nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−12を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−12は、金の単位面積当たりの含有量が5.15μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−12を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム3−12(厚さ197nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム3−12中に形成した金属金微粒子は、ごく僅かな部分で凝集している箇所が確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;23.5nm、最大粒子径;34.0nm、最小粒子径;16.0nm。なお、ナノコンポジットフィルム3−12における金の体積分率は、1.35%であった。
また、ナノコンポジットフィルム3−12の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが574nmおよび620nm、半値幅が92nmの吸収ピークが観測された。
【0192】
[比較例3−5]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
28.00gに、52.00gのDMAcに溶解した1.566gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約118nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−13を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−13は、金の単位面積当たりの含有量が5.42μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜3−13を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム3−13(厚さ71nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム3−13中に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;32.0nm、最大粒子径;56.0nm、最小粒子径;12.0nm。なお、ナノコンポジットフィルム3−13における金の体積分率は、3.96%であった。
また、ナノコンポジットフィルム3−13の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが554nmおよび640nm、半値幅が158nmの吸収ピークが観測された。
【0193】
[実施例4−1]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
12.67gに、7.33gのDMAcに溶解した0.726gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約298nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜4−1を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜4−1は、金の単位面積当たりの含有量が19.15μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜4−1を大気下において200℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム4−1(厚さ179nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム4−1中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;17.0nm、最大粒子径;54.0nm、最小粒子径;5.0nm、ナノコンポジットフィルム4−1における金の体積分率;5.54%、粒子間距離の平均値;18.9nm。
また、ナノコンポジットフィルム4−1の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが572nm、半値幅が103nmの吸収ピークが観測された。
【0194】
[実施例4−2]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
12.67gに、7.33gのDMAcに溶解した0.726gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約337nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜4−2を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜4−2は、金の単位面積当たりの含有量が21.61μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜4−2を大気下において300℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム4−2(厚さ202nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム4−2中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;22.4nm、最大粒子径;68.0nm、最小粒子径;5.0nm、ナノコンポジットフィルム4−2における金の体積分率;5.54%、粒子間距離の平均値;24.9nm。
また、ナノコンポジットフィルム4−2の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが570nm、半値幅が103nmの吸収ピークが観測された。
【0195】
[実施例4−3]
合成例1で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
12.67gに、7.33gのDMAcに溶解した0.726gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約282nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜4−3を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜4−3は、金の単位面積当たりの含有量が18.01μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜4−3を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって赤色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム4−3(厚さ169nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム4−3中に形成した金属金微粒子は、各々が完全に独立し、隣り合う金属金微粒子における大きい方の粒子径以上の間隔で分散していた。また、金属金微粒子はマトリックス樹脂の表層部から存在していた。
また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;24.5nm、最大粒子径;71.0nm、最小粒子径;5.0nm、ナノコンポジットフィルム4−3における金の体積分率;5.54%、粒子間距離の平均値;27.3nm。
また、ナノコンポジットフィルム4−3の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが576nm、半値幅が101nmの吸収ピークが観測された。
【0196】
[比較例4−1]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
25.33gに、10.67gのDMAcに溶解した0.696gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約325nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜4−4を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜4−4は、金の単位面積当たりの含有量が10.07μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜4−4を大気下において200℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム4−4(厚さ195nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム4−4中に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;19.8nm、最大粒子径;30.0nm、最小粒子径;11.0nm。なお、ナノコンポジットフィルム4−4における金の体積分率は、2.67%であった。
また、ナノコンポジットフィルム4−4の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが554nmおよび622nm、半値幅が109nmの吸収ピークが観測された。
【0197】
[比較例4−2]
合成例2で得られたポリイミド前駆体樹脂溶液S
28.00gに、16.00gのDMAcに溶解した1.566gの塩化金酸・四水和物を加え、窒素雰囲気下、室温で15分間攪拌することにより、金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液を調製した。得られた金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂溶液をスピンコーター(ミカサ株式会社製、SPINCOATER 1H−DX2)を用いて、作製例1のガラス基板G1の上に塗布した後、70℃で3分間及び130℃で10分間乾燥して、ガラス基板G1上に、膜厚が約362nmの金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜4−5を形成した。金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜4−5は、金の単位面積当たりの含有量が16.58μg/cm
2であった。この金錯体含有ポリイミド前駆体樹脂膜4−5を大気下において400℃、10分間加熱処理することによって紫色に呈色した金属金微粒子分散ナノコンポジットフィルム4−5(厚さ217nm)を作製した。ナノコンポジットフィルム4−5中に形成した金属金微粒子は、部分的に凝集していることが確認された。また、該フィルム中に形成した金属金微粒子の特徴は、次のとおりであった。
形状;多面体状および球状粒子が混在、平均粒子径;41.7nm、最大粒子径;68.0nm、最小粒子径;22.0nm。なお、ナノコンポジットフィルム4−5における金の体積分率は、3.96%であった。
また、ナノコンポジットフィルム4−5の金属金微粒子による局在型表面プラズモン共鳴の吸収スペクトルは、ピークトップが570nmおよび640nm、半値幅が171nmの吸収ピークが観測された。
【0198】
以上、本発明の実施の形態を例示の目的で詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に制約されることはなく、種々の変形が可能である。なお、本国際出願は、2010年8月9日に出願された日本国特許出願2010−178634号、並びに、2010年9月28日に出願された日本国特許出願2010−217173号、同2010−217174号及び同2010−217175号、に基づく優先権を主張するものであり、その全内容をここに援用する。