【実施例】
【0046】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0047】
(製造例1)
−白蘭花の水抽出物の製造−
抽出原料として白蘭花の花部の粉砕物100gを、水1000mLに投入し、穏やかに攪拌しながら2時間、80℃に保った後、ろ過した。得られたろ液を40℃で減圧下に濃縮し、更に減圧乾燥機で乾燥して、抽出物(粉末状)を得た。得られた抽出物の収率を表1に示す。
【0048】
(製造例2)
−白蘭花の50質量%エタノール抽出物の製造−
抽出原料として白蘭花の花部の粉砕物100gを、50質量%エタノール(水とエタノールとの質量比1:1)1000mLに投入し、穏やかに攪拌しながら2時間、80℃に保った後、ろ過した。得られたろ液を40℃で減圧下に濃縮し、更に減圧乾燥機で乾燥して、抽出物(粉末状)を得た。得られた抽出物の収率を表1に示す。
【0049】
(製造例3)
−白蘭花のエタノール抽出物の製造−
抽出原料として白蘭花の花部の粉砕物100gを、エタノール1000mLに投入し、穏やかに攪拌しながら2時間、80℃に保った後、ろ過した。得られたろ液を40℃で減圧下に濃縮し、更に減圧乾燥機で乾燥して、抽出物(粉末状)を得た。得られた抽出物の収率を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
(実施例1)
−スーパーオキサイド消去試験(NBT法)−
製造例1〜3の各抽出物を試料として用い、下記の試験法によりスーパーオキサイド消去作用を試験した。
3mmol/Lのキサンチン、3mmol/LのEDTA、1.5mg/mLのウシ血清アルブミン(BSA)溶液、0.75mmol/Lのニトロブルーテトラゾリウム(NBT)各0.1mLと、0.05mol/LのNa
2CO
3緩衝液(pH10.2)2.4mLを試験管にとり、これに各試料溶液0.1mLを添加し、25℃で10分間放置した。次いで、キサンチンオキシダーゼ溶液を加えて素早く攪拌し、25℃で20分間静置した。その後、6mmol/Lの塩化銅0.1mLを加えて反応を停止させ、波長560nmにおける吸光度を測定した。このとき測定した吸光度を「試料溶液添加、酵素溶液添加時の吸光度」という。
また、同様の操作と吸光度の測定を、酵素溶液を添加せずに行った。このとき測定した吸光度を「試料溶液添加、酵素溶液無添加時の吸光度」という。
また、試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。このとき測定した吸光度を「試料溶液無添加、酵素溶液添加時の吸光度」という。
また、酵素溶液を添加せず、更に試料溶液を添加せずに蒸留水を添加した場合についても同様の測定を行った。このとき測定した吸光度を「試料溶液無添加、酵素溶液無添加時の吸光度」という。
測定した各吸光度より、下記数式1によりスーパーオキサイド消去率を求めた。
<数式1>
スーパーオキサイド消去率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
ただし、前記数式1中、Aは「試料溶液添加、酵素溶液添加時の吸光度」、Bは「試料溶液添加、酵素溶液無添加時の吸光度」、Cは「試料溶液無添加、酵素溶液添加時の吸光度」、Dは「試料溶液無添加、酵素溶液無添加時の吸光度」を表す。
【0052】
次に、試料濃度を段階的に減少させて上記スーパーオキサイド消去率の測定を行い、スーパーオキサイドの消去率が50%になる試料濃度(μg/mL)を内挿法により求めた。結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
表2の結果から、製造例1〜3の白蘭花の抽出物が、高いスーパーオキサイド消去作用を有することが確認できた。
【0054】
(実施例2)
−DPPHに対するラジカル消去試験−
製造例1〜3の各抽出物を試料として用い、下記の試験法により非常に安定なラジカルである1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl radical(DPPH)を使用してラジカル消去作用を試験した。
150μmol/LのDPPHエタノール溶液3mLに各試料溶液3mLを加え、直ちに容器を密栓して振り混ぜ、30分間静置した後、波長520nmの吸光を測定した。
コントロールとして、試料溶液の代わりに試料溶液を溶解した溶媒を用いて同様に操作し、波長520nmの吸光度を測定した。また、ブランクとして、エタノールに試料溶液3mLを加えたのち直ちに波長520nmの吸光度を測定した。
そして、測定した各吸光度より、下記数式2によりラジカル消去率(%)を算出した。
<数式2>
ラジカル消去率(%)={1−(B−C)/A}×100
ただし、前記数式2中、Aはコントロールの吸光度、Bは試料溶液を添加した場合の吸光度、Cはブランクの吸光度をそれぞれ表す。
【0055】
次に、試料濃度を段階的に減少させて上記ラジカル消去率の測定を行い、DPPHラジカルの消去率が50%になる試料濃度(μg/mL)を内挿法により求めた。結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
表3の結果から、製造例1〜3の白蘭花の抽出物が、高いDPPHに対するラジカル消去作用を有することが確認できた。
【0057】
(実施例3)
−一酸化窒素(NO)産生抑制作用試験−
製造例1〜3の各抽出物を試料として用い、下記の試験方法により一酸化窒素(NO)産生抑制作用を試験した。
マウスマクロファージ細胞(RAW264.7)を、10%の牛胎児血清(FBS)含有ダルベッコMEMを用いて培養した後、セルスクレーパーにより細胞を回収した。回収した細胞を3.0×10
6cells/mLの濃度になるように10%FBS含有フェノールレッド不含ダルベッコMEMで希釈した後、96穴マイクロプレートに1穴当たり100μLずつ播種し、4時間培養した。培養終了後、培地を抜き、終濃度2質量%のDMSOを含む10%のFBS含有フェノールレッド不含ダルベッコMEMで溶解した試料溶液を各穴に100μL添加し、終濃度1μg/mLで10%のFBS含有フェノールレッド不含ダルベッコMEMに溶解したリポポリサッカライド(LPS、E.coli 0111;B4、DIFCO社製)を100μL加え、48時間培養した。NO産生量は亜硝酸イオン(NO
2−)量を指標に測定した。培養終了後、各穴の培養液に、同量のグリス試薬(1質量%のスルファニルアミド、0.1質量%のN−1−naphthyl ethylendiamine dihydrochlpride in 5質量%のリン酸溶液)を添加し、10分間室温にて反応した。反応後、波長540nmにおける吸光度を測定した。コントロールの一酸化窒素(NO)産生量を基にして、下記数式3からNO産生抑制率を算出した。
【0058】
<数式3>
NO産生抑制率(%)={1−(A−B)/(C−D)}×100
ただし、前記数式3中、Aは試料添加、LPS刺激時の波長540nmにおける吸光度、Bは試料添加、LPS無刺激時の波長540nmにおける吸光度、CはコントロールのLPS刺激時の波長540nmにおける吸光度、DはコントロールのLPS無刺激時の波長540nmにおける吸光度、をそれぞれ表す。
【0059】
次に、製造例1〜3の各抽出物溶液の濃度を段階的に減少させて上記NO産生抑制率を測定し、NO産生抑制率が50%になる濃度IC
50を内挿法により求めた(このIC
50値が小さいほどNO産生抑制作用が強い)。結果を表4に示す。
【0060】
【表4】
表4の結果から、製造例1〜3の白蘭花の抽出物が、高い一酸化窒素(NO)産生抑制作用を有することが認められた。
【0061】
(実施例4)
−TNF−α産生抑制作用試験−
製造例1〜3の各抽出物を試料として用い、下記の試験法によりTNF−α産生抑制作用を試験した。
まず、マウスマクロファージ細胞(RAW264.7細胞、大日本製薬株式会社製)を、10%牛胎児血清(FBS)を添加したダルベッコMEM(日水製薬株式会社製)培地にて前培養後、セルスクレーパーより細胞を集め、1穴当たり1×10
5/cells/100μLの密度で96穴マイクロプレートに細胞を播種し、37℃、5%CO
2の条件下で4時間前培養した。
次に、96穴マイクロプレート中の培地を捨て、予め2質量%のDMSOを含む培養液で溶解した試料溶液を100μL添加した後、リポポリサッカライド(LPS、終濃度1μg/mL、E.coli 0111、B4、DIFCO Laboratories社製)を100μL添加し、細胞を刺激した。その後、37℃、5%CO
2の条件下で24時間の培養により産生したTNF−αの産生量を、下記サンドイッチELISA法を用いて測定した。
次に、一次抗体であるラット抗マウスTNF−αモノクローナル抗体(Endogen Inc.製)を50mmol/Lの炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.6)で2.5μg/mLとなるように溶解した。その溶液100μLを96ウェルマイクロプレートに加え、一夜、4℃でコーティングした。次いで、洗浄液(0.05質量%Tween20を含むリン酸緩衝液)で各ウェルを洗浄後、1質量%BSAを含むリン酸緩衝液でブロッキングを行った。
次に、洗浄液によって各ウェルを洗浄後、試験培地で培養上清を希釈し、その100μLを各ウェルに加え、37℃で60分間インキュベートした。各ウェルを洗浄した後、二次抗体として、0.3質量%のBSAを含むリン酸緩衝液に2.5μg/mLの濃度で溶解させたウサギ抗マウスTNF−αポリクローナル抗体(Endogen Inc.製)100μLを加え、37℃で60分間インキュベートしてから洗浄した。
【0062】
次いで、500倍に希釈したアルカリフォスファターゼ標識抗ウサギIgG抗体(CHEMICON Inc.製)を100μL加え、37℃で60分間インキュベートした。各ウェルを洗浄した後、発色用緩衝液(20mmol/Lの硫酸マグネシウム含有トリス塩酸緩衝液、pH8.0)100mLにp−ニトロフェニルリン酸50mgを溶解してなる基質溶液150μLをウェルに添加し、37℃で20分間〜30分間酵素反応を行って発色させ、405nmの吸光度を測定し、リコビナントマウスTNF−α(Endogen Inc.製)標準液より作成した標準曲線から、培養上清中のTNF−α量(pg/mL)を求めた。
そして、各試料溶液のTNF−α産生抑制率は、以下の数式4に基づいて算出した。試料濃度200μg/mLでのTNF−α産生抑制率を表5に示す。
<数式4>
TNF−α産生抑制率(%)={(B−A)/B}×100
ただし、前記数式4中、Aは試料溶液添加時のTNF−α量、Bは試料溶液無添加時のTNF−α量を表す。
【0063】
【表5】
表5の結果から、製造例1〜3の白蘭花の抽出物が、TNF−α産生抑制作用を有することが確認できた。
【0064】
(実施例6)
−ヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用試験−
製造例1〜3の各抽出物について、下記の試験方法によりヘキソサミニダーゼ遊離抑制作用を試験した。なお、細胞内のヒスタミンが遊離されると同時にヘキソサミニダーゼも遊離されることから、ヘキソサミニダーゼ遊離を指標にヒスタミン遊離抑制作用を評価することができる。
ラット好塩基球白血病細胞(RBL−2H3)を15%FBS添加S−MEMを用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を4.0×10
5cells/mLの濃度に培地で希釈し、DNP−specific IgE(SIGMA社製)が終濃度0.5μg/mLとなるよう添加した後、96穴プレートに1穴当たり100μLずつ播種し、一晩培養した。培養終了後、培地を抜き、Siraganian緩衝液100μLにて洗浄を2回行った。次に、同緩衝液30μL及び同緩衝液にて調製した試料溶液10μLを加え、37℃にて10分静置した。その後、100ng/mLのDNP−BSA(LSL co.,Ltd製)溶液10μLを加え、37℃にて15分静置し、ヘキソサミニダーゼを遊離させた。その後、96穴プレートを氷上に静置することにより遊離を停止した。各穴の細胞上清10μL、及び1mmol/Lのp−NAG(p−nitrophenyl N−acetyl β−D−glucosaminide、SIGMA社製)溶液10μLを、新たな96穴プレートに添加し、37℃、1時間反応させた。反応終了後、各穴に0.1mol/LのNa
2CO
3/NaHCO
3を250μL加え、波長415nmにおける吸光度を測定した。また、空試験として、細胞上清10μL、及び0.1mol/LのNa
2CO
3/NaHCO
3を250μL混合液の波長415nmにおける吸光度を測定し、補正した。そして、下記数式5からヘキソサミニダーゼ遊離抑制率を算出した。試料濃度400μg/mLでのヘキソサミニダーゼ遊離抑制率(%)を表6に示す。
<数式5>
ヘキソサミニダーゼ遊離抑制率(%)={1−(B−C)/A}×100
ただし、前記数式5中、Aは、試料溶液無添加での波長415nmにおける吸光度を表す。Bは、試料溶液添加での波長415nmにおける吸光度を表す。Cは、試料溶液添加、p−NAG無添加での波長415nmにおける吸光度を表す。
【0065】
【表6】
表6の結果から、製造例1〜3の白蘭花の抽出物が、ヘキソサミニダーゼ遊離抑制(ヒスタミン遊離抑制)作用を有することが確認できた。
【0066】
(実施例7)
−血小板凝集抑制作用試験−
製造例1〜3の各抽出物を試料として用い、下記の試験法により血小板凝集抑制作用を試験した。
まず、ヘパリンナトリウム注射液(日本薬局方)を1/10量加えて採血したウサギの血液を遠心分離(180×g、10分、室温)して、血小板浮遊液(Platelet Rich Plasma;P.R.P.)を得た。
次に、血小板浮遊液(P.R.P.)223μLに200mmol/Lの塩化カルシウム溶液1μLを加え、37℃で1分間反応した。これに試料溶液1μLを加え、更に2分間反応し、撹拌子を入れて1分間撹拌した後、コラーゲン溶液を25μL添加して、37℃で10分間の血小板凝集率を測定した。別に、コントロールとして試料溶液の代わりに試料溶液の溶媒を添加した以外は、上記と同様に操作して血小板凝集率を測定した。
そして、これらの測定結果から、下記数式6により血小板凝集抑制率(%)を求めた。<数式6>
血小板凝集抑制率(%)=〔(A−B)/A〕×100
ただし、前記数式6中、Aは、コントロールの血小板凝集率、Bは、試料溶液添加時の血小板凝集率を表す。
【0067】
次に、各試料溶液の濃度を段階的に減少させて上記血小板凝集抑制率を測定し、抑制率が50%になる濃度IC
50(μg/mL)を内挿法により求めた(このIC
50値が小さいほど血小板凝集抑制作用が強い)。結果を表7に示す。
【0068】
【表7】
表7の結果から、製造例1〜3の白蘭花の抽出物が、血小板凝集抑制作用を有することが確認できた。
【0069】
(実施例8)
−エンドセリン−1(ET−1)mRNA発現上昇抑制作用試験−
製造例1〜3の各抽出物を試料として用い、以下のようにして、エンドセリン−1mRNA発現上昇抑制作用を試験した。
正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞(normal human epidermis keratinocyte;NHEK)を80cm
2フラスコで正常ヒト表皮角化細胞長期培養用増殖培地(EpiLife−KG2)において、37℃、5%CO
2下で前培養し、トリプシン処理により細胞を集めた。
次に、EpiLife−KG2を用いて35mmシャーレ(FALCON社製)に40×10
4cells/2mL/シャーレずつ播き、37℃、5%CO
2下で一晩培養した。24時間後に培養液を捨て、HEPES緩衝液1mLを加え、UV−B照射(50mJ/cm
2)を行い、その後、EpiLife−KG2で必要濃度に溶解した試料溶液を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃、5%CO
2下で24時間培養した。培養後、培養液を捨て、ISOGEN(Wako社製;Cat.No.311−02501)にてtotal RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるようにtotal RNAを調整した。
このtotal RNAを鋳型とし、エンドセリン−1(ET−1)、及び内部標準であるGAPDHのmRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置(Smart Cycler
(R)、Cepheid社製)を用いて、Takara SYBR ExScript RT−PCR Kit(Perfect Real Time)によるリアルタイム RT−PCR反応により行った。
ET−1の発現量は、「紫外線未照射、試料溶液無添加」、「紫外線照射、試料溶液無添加」、及び「紫外線照射、試料溶液添加」でそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求め、更に「紫外線未照射、試料溶液無添加」の補正値を100とした時の「紫外線照射、試料溶液無添加」、及び「紫外線照射、試料溶液添加」の補正値を算出した。
そして、得られた結果から、下記数式7によりET−1mRNA発現上昇抑制率を算出した。試料濃度10μg/mL及び1μg/mLでのET−1mRNA発現上昇抑制率を表8に示す。
<数式7>
エンドセリン−1(ET−1)mRNA発現上昇抑制率(%)
={(A−B)−(A−C)}/(A−B)×100
ただし、前記数式7中、Aは紫外線未照射、試料溶液無添加時の補正値、Bは紫外線照射、試料溶液無添加時の補正値、Cは紫外線照射、試料溶液添加時の補正値をそれぞれ表す。
【0070】
【表8】
表8の結果から、製造例1〜3の白蘭花の抽出物が、エンドセリン−1(ET−1)mRNA発現上昇抑制作用を有することが確認できた。
【0071】
(実施例9)
−SCFmRNA発現上昇抑制作用試験−
製造例1〜3の各抽出物を試料として用い、以下のようにして、SCFmRNA発現上昇抑制作用を試験した。
正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞(normal human epidermis keratinocyte;NHEK)を80cm
2フラスコで正常ヒト表皮角化細胞長期培養用増殖培地(EpiLife−KG2)において、37℃、5%CO
2下で前培養し、トリプシン処理により細胞を集めた。
次に、EpiLife−KG2を用いて35mmシャーレ(FALCON社製)に40×10
4cells/2mL/シャーレずつ播き、37℃、5%CO
2下で一晩培養した。24時間後に培養液を捨て、HEPES緩衝液1mLを加え、UV−B照射(50mJ/cm
2)を行い、その後、EpiLife−KG2で必要濃度に溶解した試料溶液を各シャーレに2mLずつ添加し、37℃、5%CO
2下で24時間培養した。培養後、培養液を捨て、ISOGEN(Wako社製;Cat.No.311−02501)にてtotal RNAを抽出し、それぞれのRNA量を分光光度計にて測定し、200ng/μLになるようにtotal RNAを調整した。
このtotal RNAを鋳型とし、SCF、及び内部標準であるGAPDHのmRNAの発現量を測定した。検出はリアルタイムPCR装置(Smart Cycler
(R)、Cepheid社製)によるリアルタイムRT−PCR反応により行った。
SCFの発現量は、「紫外線未照射、試料溶液無添加」、「紫外線照射、試料溶液無添加」、及び「紫外線照射、試料溶液添加」でそれぞれ培養した細胞から調製した総RNA標品を基にして、GAPDHの値で補正値を求め、更に「紫外線未照射、試料溶液無添加」の補正値を100とした時の「紫外線照射、試料溶液無添加」、及び「紫外線照射、試料溶液添加」の補正値を算出した。
そして、得られた結果から、下記数式8によりSCFmRNA発現上昇抑制率を算出した。試料濃度10μg/mL及び1μg/mLでのSCFmRNA発現上昇抑制率を表9に示す。
<数式8>
SCFmRNA発現上昇抑制率(%)
={(A−B)−(A−C)}/(A−B)×100
ただし、前記数式8中、Aは紫外線未照射、試料溶液無添加時の補正値、Bは紫外線照射、試料溶液無添加時の補正値、Cは紫外線照射、試料溶液添加時の補正値をそれぞれ表す。
【0072】
【表9】
表9の結果から、製造例1〜3の白蘭花の抽出物が、SCFmRNA発現上昇抑制作用を有することが確認できた。
【0073】
(実施例9)
−エラスターゼ活性阻害作用試験−
製造例1〜3の各抽出物を試料として用い、下記の試験法によりエラスターゼ活性阻害作用を試験した。
まず、96穴マイクロプレートにて、0.2mol/LのTris−HCL緩衝液(pH8.0)で調製した各試料溶液50μL、及び20μg/mLのエラスターゼ・タイプIII溶液50μLを混合した。その後、上記緩衝液にて調製した0.4514mg/mLのN−SUCCINYL−ALA−ALA−ALA−p−NITROANILIDEを100μL添加して、25℃にて15分間反応させた。反応終了後、波長415nmにおける吸光度を測定した。同様の方法で空試験を行い補正した。
そして、これらの結果から、下記数式9によりエラスターゼ活性阻害率を算出した。試料濃度400μg/mLでのエラスターゼ活性阻害率を表10に示す。
【0074】
<数式9>
エラスターゼ活性阻害率(%)=[1−(C−D)/(A−B)]×100
ただし、前記数式9中、Aは、試料溶液無添加、酵素添加での波長415nmにおける吸光度を表す。Bは、試料溶液無添加、酵素無添加での波長415nmにおける吸光度を表す。Cは、試料溶液添加、酵素添加での波長415nmにおける吸光度を表す。Dは、試料溶液添加、酵素無添加での波長415nmにおける吸光度を表す。
【0075】
【表10】
表10の結果から、製造例1〜3の白蘭花の抽出物が、エラスターゼ活性阻害作用を有することが確認できた。
【0076】
(実施例10)
−マトリックスメタロプロテアーゼ−1(MMP−1)活性阻害作用試験−
製造例1〜3の各抽出物を試料として用い、以下のようにして、マトリックスメタロプロテアーゼ−1(MMP−1)活性阻害作用を試験した。この試験方法は、Wunsch and Heidrich法を一部改変したものである。
蓋付試験管にて、20mmol/mLの塩化カルシウム含有0.1mol/LのTris−HCl緩衝液(pH7.1)に溶解した各試料溶液50μL、MMP−1溶液50μL、及びPz−peptide溶液400μLを混合し、37℃にて30分間反応させた後、25mmol/Lのクエン酸溶液1mLを加え反応を停止した。その後、酢酸エチル5mLを加え、激しく振とうした。これを遠心(1600×g、10分)し、酢酸エチル層の波長320nmにおける吸光度を測定した。同様の方法で空試験を行い補正した。
なお、MMP−1としては、COLLAGENASE Type IV from Clostridium histolyticum(シグマ社製)を使用した。
Pz−peptideとしては、Pz−Pro−Leu−Gly−Pro−D−Arg−OH(BACHEM Fenichemikalien AG社製)を使用した。
そして、得られた結果から、下記数式10によりMMP−1活性阻害率を算出した。
<数式10>
MMP−1活性阻害率(%)={1−(C−D)/(A−B)}×100
ただし、前記数式10中、Aは試料溶液無添加、酵素添加での波長320nmにおける吸光度、Bは試料溶液無添加、酵素無添加での波長320nmにおける吸光度、Cは試料溶液添加、酵素添加での波長320nmにおける吸光度、Dは試料溶液添加、酵素無添加での波長320nmにおける吸光度を表す。
【0077】
次に、各試料溶液の濃度を段階的に減少させて上記MMP−1活性阻害率を測定し、阻害率が50%になる濃度IC
50(μg/mL)を近似曲線により求めた(このIC
50値が小さいほどMMP−1活性阻害作用が強い)。結果を表11に示す。
【0078】
【表11】
表11の結果から、製造例1〜3の白蘭花の抽出物が、MMP−1活性阻害作用を有することが確認できた。
【0079】
(実施例11)
−マトリックスメタロプロテアーゼ−14(MMP−14)活性阻害作用試験−
製造例1〜3の各抽出物を試料として用い、以下のようにして、マトリックスメタロプロテアーゼ−14(MMP−14)活性阻害作用を試験した。
96穴マイクロプレートにて、50mmol/LのHEPES、10mmol/LのCaCl
2、0.05質量%のBrij−35、1mmol/LのDTNB〔5,5’−dithiobis(2−nitoro−benzoic acid〕緩衝液(pH7.5)で調製したMMP−14溶液20μL、及び50mmol/LのHEPES、10mmol/LのCaCl
2、0.05質量%のBrij−35、1mmol/LのDTNB〔5,5’−dithiobis(2−nitoro−benzoic acid〕緩衝液で調製した各試料溶液20μLを混合した。37℃にて45分間反応させた後、10μLの基質溶液を添加し、反応を開始した。基質分解産物のメルカプト基と緩衝液中のDTNBとの反応生成物である2−nitoro−5−thiobenzoic acidの量を波長412nmで30分間の吸光度を測定し、1分間当たりの生成量に基づいて30分間の傾斜度の値を求めた。同様の方法で空試験を行い補正した。
MMP−14としては、Enzyme(Human,Recombinant) From:E.coli recombinant human MMP-14 catalytic domain(Biomol社製)を用いた。
基質としては、thiopeptide(Ac-PLG-[2-mercapto-4-methyl-pentanoyl]-LG-OC
2H
5)(Biomol社製)を用いた。
そして、得られた結果から、下記数式11により、MMP−14活性阻害率を算出した。試料濃度400μg/mLでのMMP−14活性阻害率を表12に示す。
<数式11>
MMP−14活性阻害率(%)=(A−B)/A×100
ただし、前記数式11中、Aは試料溶液無添加時の30分間における傾斜度の値、Bは試料溶液添加時の30分間における傾斜度の値を表す。
【0080】
【表12】
表12の結果から、製造例1〜3の白蘭花の抽出物が、MMP−14活性阻害作用を有することが確認できた。
【0081】
(実施例12)
−エストロゲン様作用試験−
製造例1〜3の各抽出物を試料として用い、下記の試験法によりエストロゲン様作用を試験した。
ヒト乳癌由来細胞(MCF−7)を10%の牛胎児血清(FBS)、1質量%のNEAA、及び1mmol/Lのピルビン酸ナトリウムを含有するMEMを用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を活性炭処理した10%のFBS、1質量%のNEAA、及び1mmol/Lのピルビン酸ナトリウムを含有するフェノールレッド不含MEM(T−MEM)を用いて3.0×10
4cells/mLの濃度に希釈した後、48穴マイクロプレートに1穴あたり450μLずつ播種し、細胞を定着させるため培養した。6時間後(0日目)にT−MEMで終濃度の10倍に調製した各試料溶液を各穴に50μLずつ添加し、培養を続けた。3日目に培地を抜き、T−MEMで終濃度に調製した試料溶液を各穴に500μL添加し、更に培養を続けた。
エストロゲン様作用は、MTTアッセイを用いて測定した。培養終了後、培地を抜き、1質量%のNEAA、1mmol/Lのピルビン酸ナトリウムを含有するMEMに終濃度0.4mg/mLで溶解したMTT〔3-(4,5-Dimethyl-2-thiazolyl)-2,5-diphenyl-2H-tetrazolium Bromide〕を各穴に200μLずつ添加した。2時間培養した後に、細胞内に生成したブルーホルマザンを2−プロパノール200μLで抽出した。抽出後、波長570nmにおける吸光度を測定した。同時に濁度として波長650nmにおける吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン生成量とした。ポジティブコントロールとして、10
−9mol/Lのエストラジオールを使用した。
そして、得られた測定結果から、エストロゲン様作用(エストロゲン依存性増殖作用)率を下記数式12から算出した。試料濃度50μg/mLでのエストロゲン様作用率(%)を表13に示す。
【0082】
<数式12>
エストロゲン様作用率(%)=(A/B)×100
ただし、前記数式12において、Aは、試料溶液添加の場合の吸光度を表す。Bは、試料溶液無添加の場合の吸光度を表す。
【0083】
【表13】
表13の結果から、製造例1〜3の白蘭花の抽出物が、エストロゲン様作用を有することが確認できた。
【0084】
(実施例13)
−表皮角化細胞増殖促進作用試験−
製造例1〜3の各抽出物を試料として用い、下記の試験法により表皮角化細胞増殖促進作用を試験した。
正常ヒト新生児包皮表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞長期培養用増殖培地(EpiLife−KG2)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を2.0×10
4cells/mLの濃度にEpiLife−KG2で希釈した後、コラーゲンコートした96穴マイクロプレートに1穴当たり100μLずつ播種し、一晩培養した。培養終了後、EpiLife−KG2で溶解した試料溶液を各穴に100μL添加し、3日間培養した。
次に、表皮角化細胞増殖促進作用は、MTTアッセイ法を用いて測定した。培養終了後、培地を抜き、終濃度0.4mg/mLでPBS(−)に溶解したMTT〔3-(4,5-Dimethyl-2-thiazolyl)-2,5-diphenyl-2H-tetrazolium Bromide〕を各穴に100μLずつ添加した。2時間培養した後に、細胞内に生成したブルーホルマザンを2−プロパノール100μLで抽出した。抽出後、波長570nmにおける吸光度を測定した。同時に濁度として波長650nmにおける吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン生成量とした。また、同様の方法で空試験を行い補正した。
そして、得られた測定結果から、下記数式13により表皮角化細胞増殖促進率を算出した。試料濃度3.12μg/mLでの表皮角化細胞増殖促進率を表14に示す。
<数式13>
表皮角化細胞増殖促進率(%)=(St/Ct)×100
ただし、前記数式13中、Stは試料溶液を添加した細胞での吸光度、Ctは試料溶液を添加しない細胞での吸光度を表す。
【0085】
【表14】
表14の結果から、製造例1〜3の白蘭花の抽出物が、表皮角化細胞増殖促進作用を有することが確認できた。
【0086】
(実施例14)
−テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用試験−
製造例1〜3の各抽出物を試料として用い、以下のようにして、テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用を試験した。
まず、秤量蓋付V底試験管にて、プロピレングリコールで調製した4.2mg/mLのテストステロン20μL、及び1mg/mLのNADPH含有5mmol/mLのTris−HCl緩衝液(pH7.13)825μLを混合した。これに、各試料溶液80μL、及びラット肝ホモジネート(S−9)75μLを加え、再び混合し、37℃にて30分間反応させた後、塩化メチレン1mLを加えて反応を停止した。これを遠心分離(1600×g、10分間)し、塩化メチレン層を下記の条件でガスクロマトグラフィー分析した。また、同様の方法で空試験を行った。
【0087】
−ガスクロマトグラフィー分析−
予め、3α−アンドロスタンジオール、ジヒドロテストステロン(DHT)、及びテストステロンの標準品の塩化メチレン溶液を同様にガスクロマトグラフィー分析し、これら3つの化合物の精秤量とピーク面積よりピーク面積あたりの化合物量を算出しておき、ラット肝ホモジネート(S−9)による反応後の3α−アンドロスタンジオール、ジヒドロテストステロン(DHT)、及びテストステロンのピーク面積あたりの濃度をそれぞれ求めた(下記数式14参照)。その後、下記数式15に従って、各試料溶液の変換率を求めた。得られた変換率に基づいて、下記数式16からテストステロン5α−リダクターゼ活性阻害率を求めた。試料濃度3000μg/mLの時の結果を表15に示す。
【0088】
<数式14>
濃度(%)=(試料溶液のピーク面積×標準品濃度)/標準品のピーク面積
【0089】
<数式15>
変換率(%)=(A+B)/(A+B+C)
ただし、前記数式15中、Aは、3α−アンドロスタンジオールの濃度を表す。Bは、ジヒドロテストステロン(DHT)の濃度を表す。Cは、テストステロンの濃度を表す。
【0090】
<数式16>
テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害率(%)=(1−E/D)×100
ただし、前記数式16中、Dは、空試験での変換率を表す。Eは、試料溶液添加での変換率を表す。
【0091】
〔ガスクロマトグラフィーの条件〕
・使用機器:Shimadzu GC−7A(株式会社島津製作所製)
・カラム:DB−1701(直径0.53mm×30m、膜厚:1.0μm)
・カラム温度/注入温度:240℃/300℃
・検出器:FID
・キャリアガス:窒素ガス
【0092】
【表15】
表15の結果から、製造例1〜3の白蘭花の抽出物が、テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用を有することが分かった。
【0093】
(実施例15)
−アンドロゲンレセプター拮抗作用試験−
製造例1〜3の各抽出物を試料として用い、下記の試験法によりアンドロゲンレセプター拮抗作用を試験した。
まず、マウス自然発生乳がん(シオノギ癌、SC115)よりクローニングされたSC−3細胞を2%のDCC−牛胎児血清(FBS)、及び10
−8mol/Lのテストステロン含有MEM(MEM/2)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1.0×10
5cells/mLの濃度に活性炭処理FBS含有MEM(MEM/2)で希釈し、96穴マイクロプレートに1穴当たり100μLずつ播種し、一晩培養した。培養終了後、培地を抜き、10
−9mol/Lのジヒドロテストステロン(DHT)を含む0.5質量%のBSA含有Ham F12+MEM(HMB)に溶解した試料溶液を100μL添加し、48時間培養した。その後、終濃度0.4g/mLで活性炭処理FBS含有MEM/2に溶解したMTTを各穴に100μL添加した。2時間培養した後に、細胞内に生成したブルーホルマザンを2−プロパノール200μLで抽出した。抽出後、波長570nmにおける吸光度を測定した。同時に濁度として波長650nmにおける吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン生成量とした。空試験として、HMBのみで培養した細胞を、陽性対照として10
−9mol/LのDHTのみを含有したHMBで培養した細胞を用い、同様の方法で試験を行って補正した。
そして、これらの結果から、下記数式17により、アンドロゲンレセプター拮抗率を算出した。
<数式17>
アンドロゲンレセプター拮抗率(%)=[1−(C−D)/(A−B)]×100
ただし、前記数式17中、Aは、DHT添加、試料溶液無添加での570nm〜650nmにおける吸光度を表す。Bは、DHT無添加、試料溶液無添加での570nm〜650nmにおける吸光度を表す。Cは、DHT添加、試料溶液添加での570nm〜650nmにおける吸光度を表す。Dは、DHT無添加、試料溶液添加での570nm〜650nmにおける吸光度を表す。
【0094】
次に、各試料溶液の濃度を段階的に減少させて上記アンドロゲンレセプター拮抗率の測定を行い、各濃度におけるアンドロゲンの結合阻害率(%)を求め、その結果から内挿法により、アンドロゲンの結合を50%拮抗する試料濃度IC
50(μg/mL)を求めた。結果を表16に示す。
【0095】
【表16】
表16の結果から、製造例1〜3の白蘭花の抽出物が、アンドロゲンレセプター拮抗作用を有することが確認できた。
【0096】
(実施例16)
−サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用試験−
製造例1〜3の各抽出物を試料として用い、以下のようにして、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を試験した。
まず、5mmol/Lの塩化マグネシウム含有50mmol/LのTris−HCl緩衝液(pH7.5)0.2mLに、2.5mg/mLのウシ血清アルブミン(BSA)溶液0.1mL、及び0.1mg/mLのホスホジエステラーゼ溶液0.1mL、各試料溶液0.05mLを加え、37℃で5分間予備反応した。これに0.5mg/mLのcAMP溶液0.05mLを加え、37℃で60分間反応した。3分間沸騰水浴上で煮沸することにより反応を停止した。これを遠心分離(2260×g、10分間、4℃)し、上清を試料反応液として、下記の条件でHPLC分析した。また同様の方法で空試験を行い補正した。
〔HPLC条件〕
・カラム:Wakosil C
18−ODS 5μm
・移動相:1mmol/LのTBAP in 25mmol/LのKH
2PO
4:CH
3CN=90:10
・流速:1.0mL/min
・検出:UV、260nm
【0097】
次に、サイクリックAMP標準品のピーク面積(A)とサイクリックAMP標準品とホスホジエステラーゼ反応した上清のピーク面積(B1)とサイクリックAMP標準品と被験試料とホスホジエステラーゼ反応した上清のピーク面積(B2)を下記数式18に基ついて標準品の分解率(C)と被験試料の分解率(D)を求めた。
<数式18>
分解率(%)=(A−B)/A×100
ただし、式中のBはB1又はB2のいずれかを表す。
【0098】
その後、数式18から求めた分解率に従い、ホスホジエステラーゼ活性阻害率を下記数式19に基づいて算出した。
<数式19>
ホスホジエステラーゼ活性阻害率(%)=(C−D)/C×100
【0099】
次に、試料溶液の試料濃度を段階的に減少させて上記サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害率の測定を行い、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性を50%阻害する試料濃度(μg/mL)を内挿法により求めた。結果を表17に示す。
【0100】
【表17】
表17の結果から、製造例1〜3の白蘭花の抽出物が、サイクリックAMPホスホジエステラーゼ活性阻害作用を有することが確認された。
【0101】
(配合実施例1)
−乳液−
下記組成から乳液を常法により製造した。
・製造例1の白蘭花の水抽出物・・・0.10g
・ホホバオイル・・・4.00g
・1,3−ブチレングリコール・・・3.00g
・ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.)・・・2.50g
・オリーブオイル・・・2.00g
・スクワラン・・・2.00g
・セタノール・・・2.00g
・モノステアリン酸グリセリル・・・2.00g
・オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)・・・2.00g
・パラオキシ安息香酸メチル・・・0.15g
・黄杞エキス・・・0.10g
・グリチルリチン酸ジカリウム・・・0.10g
・イチョウ葉エキス・・・0.10g
・コンキオリン・・・0.10g
・オウバクエキス・・・0.10g
・カツミレエキス・・・0.10g
・香料・・・0.05g
・精製水・・・残部(合計100.00g)
【0102】
(配合実施例2)
−化粧水−
下記組成から化粧水を常法により製造した。
・製造例2の白蘭花の50質量%エタノール抽出物・・・0.10g
・グリセリン・・・3.00g
・1,3−ブチレングリコール・・・3.00g
・オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)・・・2.00g
・パラオキシ安息香酸メチル・・・0.15g
・クエン酸・・・0.10g
・クエン酸ソーダ・・・0.10g
・油溶性甘草エキス・・・0.10g
・海藻エキス・・・0.10g
・クジンエキス・・・0.10g
・キシロビオースミクスチャー・・・0.05g
・香料・・・0.05g
・精製水・・・残部(合計:100.00g)
【0103】
(配合実施例3)
−クリーム−
下記組成からクリームを常法により製造した。
・製造例3の白蘭花のエタノール抽出物・・・0.10g
・スクワラン・・・10.00g
・1,3−ブチレングリコール・・・6.00g
・流動パラフィン・・・5.00g
・サラシミツロウ・・・4.00g
・セタノール・・・3.00g
・モノステアリン酸グリセリル・・・3.00g
・ラノリン・・・2.00g
・オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.)・・・1.50g
・パラオキシ安息香酸メチル・・・1.50g
・ステアリン酸・・・1.00g
・酵母抽出液・・・0.10g
・シソ抽出液・・・0.10g
・シナノキ抽出液・・・0.10g
・ジユ抽出液・・・0.10g
・香料・・・0.10g
・精製水・・・残部(合計:100.00g)
【0104】
(配合実施例4)
−パック−
下記組成からパックを常法により製造した。
・製造例1の白蘭花の水抽出物・・・0.20g
・ポリビニルアルコール・・・15.00g
・エタノール・・・10.00g
・プロピレングリコール・・・7.00g
・ポリエチレングリコール・・・3.00g
・セージ抽出液・・・0.10g
・トウキ抽出液・・・0.10g
・ニンジン抽出液・・・0.10g
・パラオキシ安息香酸エチル・・・0.05g
・香料・・・0.05g
・精製水・・・残部(合計:100.00g)
【0105】
(配合実施例5)
−ヘアトニック−
下記組成の育毛作用を有するヘアトニックを、常法により製造した。
・塩酸ピリドキシン・・・0.1g
・レゾルシン・・・0.01g
・D−パントテニルアルコール・・・0.1g
・グリチルリチン酸ジカリウム・・・0.1g
・l−メントール・・・0.05g
・1,3−ブチレングリコール・・・4.0g
・ニンジンエキス・・・0.5g
・エタノール・・・25.0g
・製造例2の白蘭花の50質量%エタノール抽出物・・・0.2g
・香料・・・適量
・精製水・・・残部(全量を100.0gとする)
【0106】
(配合実施例6)
−シャンプー−
下記組成の育毛作用を有するシャンプー(クリームシャンプー)を、常法により製造した。
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム・・・30.0g
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム・・・20.0g
・ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン・・・6.0g
・ヤシ油脂肪酸モジエタノールアミド・・・4.0g
・ジステアリン酸エチレングリコール・・・2.0g
・防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル)・・・0.15g
・製造例1の白蘭花の水抽出物・・・0.2g
・ムクロジエキス・・・0.2g
・黄杞エキス・・・0.5g
・オウバクエキス・・・0.3g
・ローズマリーエキス・・・0.5g
・香料・・・0.01g
・1,3−ブチレングリコール・・・3.0g
・精製水・・・残部(全量を100.0gとする)
【0107】
(配合実施例7)
−リンス−
下記組成の育毛作用を有するリンスを、常法により製造した。
・塩化ステアリルトリメチルアンモニウム・・・1.5g
・ポリオキシエチレンセチルエーテル・・・1.0g
・セチルアルコール・・・2.0g
・オクチルドデカノール・・・1.0g
・カチオン化セルロース・・・0.5g
・プロピレングリコール・・・5.0g
・製造例1の白蘭花の水抽出物・・・0.2g
・ムクロジエキス・・・0.2g
・黄杞エキス・・・0.5g
・オウバクエキス・・・0.3g
・ローズマリーエキス・・・0.5g
・香料・・・3.0g
・精製水・・・残部(全量を100.0gとする)
【0108】
(配合実施例8)
−リンス−
下記組成の育毛作用を有するリンスを、常法により製造した。
・塩化ステアリルトリメチルアンモニウム・・・1.5g
・ポリオキシエチレンセチルエーテル・・・1.0g
・セチルアルコール・・・2.0g
・オクチルドデカノール・・・1.0g
・カチオン化セルロース・・・0.5g
・プロピレングリコール・・・5.0g
・製造例3の白蘭花のエタノール抽出物・・・0.2g
・ムクロジエキス・・・0.2g
・黄杞エキス・・・0.5g
・オウバクエキス・・・0.3g
・ローズマリーエキス・・・0.5g
・香料・・・3.0g
・精製水・・・残部(全量を100.0gとする)
【0109】
(配合実施例9)
−錠剤状栄養補助食品−
下記の混合物を打錠して、錠剤状栄養補助食品を製造した。
・製造例1の白蘭花の水抽出物・・・30g
・粉糖(ショ糖)・・・178g
・ソルビット・・・10g
・グリセリン脂肪酸エステル・・・12g
【0110】
(配合実施例10)
−顆粒状栄養補助食品−
下記の混合物を顆粒状に形成して、栄養補助食品を製造した。
・製造例2の白蘭花の50質量%エタノール抽出物・・・20g
・ビートオリゴ糖・・・1000g
・ビタミンC・・・167g
・ステビア抽出物・・・10g
【0111】
(配合実施例11)
−顆粒状栄養補助食品−
下記の混合物を顆粒状に形成して、栄養補助食品を製造した。
・製造例3の白蘭花のエタノール抽出物・・・20g
・ビートオリゴ糖・・・1000g
・ビタミンC・・・167g
・ステビア抽出物・・・10g