特許第5720105号(P5720105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5720105
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】透過性反応壁及び地下水浄化構造
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/28 20060101AFI20150430BHJP
   B01J 20/12 20060101ALI20150430BHJP
【FI】
   C02F1/28 L
   C02F1/28 B
   C02F1/28 J
   C02F1/28 K
   C02F1/28 Z
   B01J20/12 C
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2010-77339(P2010-77339)
(22)【出願日】2010年3月30日
(65)【公開番号】特開2011-206694(P2011-206694A)
(43)【公開日】2011年10月20日
【審査請求日】2013年2月15日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001063
【氏名又は名称】栗田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(72)【発明者】
【氏名】篠原 隆明
【審査官】 片山 真紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−203248(JP,A)
【文献】 特開平11−309448(JP,A)
【文献】 特開2004−255314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/00−78
B09B 1/00−5/00
B01J 20/00−34、39/00−49/02
Thomson Innovation
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アニオン汚染地下水の流れを遮るように帯水層に壁状に設けた透過性反応壁において、
硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第一鉄及び塩化第二鉄よりなる群から選ばれた少なくとも1種の鉄塩を火山灰土壌に添加して焼成した火山灰土壌焼成物からなる吸着材と、炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシウムを含む粒状体との混合物を含有し、
炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシウムが1〜50wt%存在することを特徴とする透過性反応壁。
【請求項2】
請求項1において、前記吸着材は、火山灰土壌にさらに水酸化カルシウムを添加して焼成したものであることを特徴とする透過性反応壁。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記アニオンはフッ素、ヒ素、シアン、六価クロム及びセレンよりなる群から選ばれた少なくとも1種又はそれを含む化合物のアニオンであることを特徴とする透過性反応壁。
【請求項4】
アニオン汚染地下水の流れを遮るように帯水層に壁状に設けられ、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第一鉄及び塩化第二鉄よりなる群から選ばれた少なくとも1種の鉄塩を火山灰土壌に添加して焼成した火山灰土壌焼成物からなる吸着材と、炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシウムを含む粒状体との混合物を含有する第1の透過性反応壁と、該第1の透過性反応壁の上流側に設けられた、鉄粉を含有する第2の透過性反応壁とを備えてなる地下水浄化構造。
【請求項5】
請求項4において、該第2の透過性反応壁は、さらに粒状の透水材を含有することを特徴とする地下水浄化構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素などで汚染された地下水を原位置で浄化するための透過性反応壁及び地下水浄化構造に係り、特に火山灰土壌の焼成物からなる吸着材を用いた透過性反応壁及び地下水浄化構造に関する。
【背景技術】
【0002】
湖水の富栄養化の原因になるリン酸や水系のヒ素やフッ素を吸着除去するための吸着材として、火山灰土壌に鉄塩を混合して焼成したものが特開平6−304472、特開平11−309448に記載されている。後者には、火山灰土壌に鉄塩と併せて酸又はアルカリを混合して焼成することも記載されている。
【0003】
フッ素などの重金属類や有機塩素化合物などで汚染された地下水を原位置で浄化する方法として、汚染地下水の流れを遮るように構築した透過性反応壁(PRB;Permeable Reactive Barrier)が知られている(特開2007−260525、特開2004−261738、特表平5−501520)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−304472
【特許文献2】特開平11−309448
【特許文献3】特開2007−260525
【特許文献4】特開2004−261738
【特許文献5】特表平5−501520
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
火山灰土壌から製造した吸着材は、無機成分で構成される剤であるため微生物分解を受けることがなく、長期にわたり化学的に安定であるところから、透過性反応壁に好適であると考えられる。
【0006】
ところが、上記吸着材を透過性反応壁に適用しようと試みたところ、水浄化材として使用する際にはpH調整が不要であるとされていた吸着材であるにも拘わらず、透過性反応壁に適用すると、初期の段階で透過反応壁内を通過する地下水のpHが低下して処理性能が低くなるという予期しない問題が発生した。さらにはpH低下によりマンガンが溶出するという問題も併発した。
【0007】
この理由については、明確ではないが以下によるものと推定される。即ち、通常の水処理においては多量の水、大流量の水の存在下で吸着処理を行っているため、火山灰土壌焼成物から溶出した硫酸イオンや塩化物イオンが大量の水で希釈されることによりpH低下が無視できるレベルである。ところが、一般に地下水は流速が極めて遅く、1cm/日〜10m/日程度である。このように地下水の流量が小さいため上記吸着材を適用した透過性反応壁においては硫酸イオンや塩化物イオンの溶出により透過性反応壁内を通過する地下水のpHが低下し、特に溶出が多い初期に顕著にpHが低下してしまうものと考えられる。
【0008】
本発明は上記問題を解決するものであって、火山灰土壌に鉄塩を混合して焼成した吸着材を透過性反応壁に適用する際に透過性反応壁内を通過する地下水のpH低下による透過性反応壁の性能低下や透過性反応壁から地下水へのマンガン溶出を防止することができる透過性反応壁及び地下水浄化構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明(請求項1)の透過性反応壁は、アニオン汚染地下水の流れを遮るように帯水層に壁状に設けた透過性反応壁において、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第一鉄及び塩化第二鉄よりなる群から選ばれた少なくとも1種の鉄塩を火山灰土壌に添加して焼成した火山灰土壌焼成物からなる吸着材と、炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシウムを含む粒状体との混合物を含有し、炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシウムが1〜50wt%存在することを特徴とするものである。
【0010】
請求項2の透過性反応壁は、請求項1において、前記吸着材は、火山灰土壌にさらに水酸化カルシウムを添加して焼成したものであることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3の透過性反応壁は、請求項1又は2において、前記アニオンはフッ素、ヒ素、シアン、六価クロム及びセレンよりなる群から選ばれた少なくとも1種又はそれを含む化合物のアニオンであることを特徴とするものである。
【0012】
本発明(請求項4)の地下水浄化構造は、アニオン汚染地下水の流れを遮るように帯水層に壁状に設けられ、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第一鉄及び塩化第二鉄よりなる群から選ばれた少なくとも1種の鉄塩を火山灰土壌に添加して焼成した火山灰土壌焼成物からなる吸着材と、炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシウムを含む粒状体との混合物を含有する第1の透過性反応壁と、該第1の透過性反応壁の上流側に設けられた、鉄粉を含有する第2の透過性反応壁とを備えてなるものである。
【0013】
請求項5の地下水浄化構造は、請求項4において、該第2の透過性反応壁は、さらに粒状の透水材を含有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の透過性反応壁(第1の透過性反応壁)は、炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシウムの粒状体を含有しているので、硫酸イオンや塩化物イオンなどが地下水中に溶出しても、透過性反応壁内を通過する地下水のpHが中性域に維持される。このため、透過性反応壁の性能低下や透過性反応壁からのマンガンの溶出が防止される。
【0015】
炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシウムを含む粒状体を含有した本発明の透過性反応壁は、少なくとも処理開始初期において透過性反応壁内を通過する地下水をpH7〜9程度に維持することができるため、pH7〜9で安定して吸着されるアニオンであるフッ素、ヒ素、シアン、六価クロム、セレンを効率よく除去することができる。
【0016】
請求項2のように、火山灰土壌に対し鉄塩と炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシウムに併せてさらに水酸化カルシウムを混合して焼成した吸着材は、アニオン吸着効果に優れる。
【0017】
ところで、透過性反応壁として鉄粉を含有するものが従来より用いられており、上記本発明の透過性反応壁(第1の透過性反応壁)とこの鉄粉含有透過性反応壁(第2の透過性反応壁)とを併用してもよい。この場合、第1の透過性反応壁からは炭酸塩が溶出するので、炭酸塩が鉄粉に作用しないようにするために、第2の透過性反応壁を第1の透過性反応壁の地下水流れ方向の上流側に設ける。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】透過性反応壁を示す断面図である。
図2】実験結果を示すグラフである。
図3】実験結果を示すグラフである。
図4】実験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態に係る透過性反応壁による地下水浄化構造を詳細に説明する。第1図は、本発明の透過性反応壁の断面図である。
【0020】
第1図の通り、地表1から所定深さに不透水層3あるいは難透水層が存在し、その上側に帯水層2が存在する。4は地下水位である。地下水の流れW、Wを横断するように透過性反応壁5を設けると共に、この透過性反応壁5の両端に連なるようにして遮水壁(図示略)を設け、上流側からの地下水が確実に透過性反応壁5を通過するようにする。
【0021】
透過性反応壁5の施工手順の一例は以下の通りである。ボウリングして浄化材を含む充填材で埋め戻すことにより柱状の第1の浄化体を作成し、次いでこの柱状の第1の浄化体と部分的に重なるようにボウリングして同様に浄化材を含む充填材で埋め戻すことにより柱状の第2の浄化体を作成する、という作業を繰り返して柱状の浄化体を並列して作成することによって壁状の浄化体よりなる透過性反応壁を作成する。必要に応じ、この透過性反応壁5の両端に隣接するようにH型鋼と鉄矢板等を打ち込んで遮水壁を構築する。
【0022】
<透過性反応壁5の材料>
透過性反応壁5は、火山灰土壌焼成物からなるアニオン吸着材と、炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシウム含有粒状体とを含む。
【0023】
アニオン吸着材としては火山灰土壌に鉄塩と必要に応じ水酸化カルシウムを添加し、混合し、好ましくは造粒して焼成したものが用いられる。
【0024】
火山灰土壌としては、噴出源より遠く離れた非火山地域をも広く覆い、細粒の火山灰が褐色に風化したいわゆるローム層を母材とするアンドソルが例示される。火山灰土壌はフッ素などのアニオンの吸着・不溶化作用を有する。この吸着・不溶化は、例えば次式のように火山灰粒子表面の反応活性部位で起こる。
R−Fe−O−H+F→R−Fe−O−H
R−Al−O−H+F→R−Al−O−HF(R:火山灰を構成する鉱物成分(例えばアルミノシリケート)の基本骨格)
【0025】
鉄塩としては、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄の1種又は2種以上を用いる。
【0026】
火山灰土壌に混合する鉄塩の添加量は、火山灰土壌100重量部に対し好ましくは5〜40重量部、より好ましくは10〜30重量部である。また、鉄塩と共にさらに水酸化カルシウムを添加する場合、水酸化カルシウムの添加量は火山灰土壌100重量部に対し1〜10重量部であることが好ましい。
【0027】
火山灰土壌と鉄塩さらに水酸化カルシウムを混合するには、まず乾式で混合してから水を添加して造粒し、これを乾燥してから焼成するのが好ましい。造粒方法としては、ブリケットマシン、転動造粒法など各種手法を用いることができる。焼成条件は300〜700℃特に400〜600℃で5〜60分間程度とするのが好ましい。このようにして得られる粒子の粒径は、透水性を考慮して0.01〜5mm特に0.1〜3mm程度が好ましい。
【0028】
この吸着材は、透過性反応壁中において10〜100wt%特に20〜100wt%程度存在することが好ましい。
【0029】
この透過性反応壁には、さらに炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシウムを含む粒状体を含有させる。炭酸カルシウムとしては石灰石、寒水石などの炭酸カルシウム系鉱物を用いるのが好ましい。炭酸マグネシウムとしては苦灰石、菱苦土石などを用いることができる。
【0030】
この粒状体は、炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシウムの鉱物の破砕物のみからなってもよく、これらの破砕物や粉砕物に必要に応じ砂などを添加して造粒したものであってもよいが、前者の方が低コストである。
【0031】
炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシウムを含む粒状体は、透過性反応壁中において炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシウムが1〜50wt%特に1〜20wt%存在するのが好ましい。
【0032】
透過性反応壁は、上記の吸着材と、この炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシウム含有粒状体のみからなってもよく、さらに他の材料、例えば透過性反応壁の透水性を高めるために砂利などの粒状体を含んでもよい。
【0033】
本発明では、この透過性反応壁のみを地中に設けてもよく、さらに他の浄化材により構成される透過性反応壁を並設してもよい。このような並設される透過性反応壁として鉄粉含有透過性反応壁(第2の透過性反応壁)が挙げられる。
【0034】
鉄粉としては、炭素を0.29重量%〜5重量%含有し、平均粒径0.1mm以上(例えば0.1〜5mm)かつ比表面積1m/g以上(例えば0.5〜5m/g)である鉄粉を用いるのが好ましい。この鉄粉は、トリクロロエチレン(TCE)、テトラクロロエチレンなどの有機塩素化合物を分解する機能を有する。鉄粉によるTCEの分解反応は次式で示される。
3Fe+CHCl+3HO→C+3Fe3++3Cl+3OH
【0035】
この鉄粉含有透過性反応壁としては、鉄粉や、必要に応じ活性炭、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの浄化成分を混合したものが用いられる。鉄粉は透過性反応壁中において10〜100wt%特に20〜100wt%程度存在することが好ましい。鉄粉を含有した第2の透過性反応壁は、前述の通り、第1の透過性反応壁の地下水流れ方向の上流側に設けられる。
【0036】
本発明のように火山灰土壌に鉄塩を添加して焼成した吸着材と共に炭酸カルシウム及び/又は炭酸マグネシウムをさらに併用した場合の効果を示す実験例を次に示す。
【0037】
[実験例No.1〜3]
<実験条件>
脱塩素水道水にフッ化ナトリウムを添加して、フッ素濃度を10mg/Lとした溶液に、表1に示す種々の吸着材を10g/Lの濃度で添加して、No.3,5,6については、併用材として寒水石(炭酸カルシウムを含む鉱石)を添加して24時間振盪後に濾過し、フッ素濃度の変化を測定した。試験結果を表1に示す。なお、以下の実験例No.2〜7において、鉄塩含有火山灰土壌焼成物としてクレアテラ社製の吸着材「ピーキャッチ(登録商標)」(酸化鉄(Fe)として約20wt%含有。平均粒径0.8mm)を用いた。
【0038】
【表1】
【0039】
No.1の未焼成火山灰土壌による吸着材では、処理水pHの低下は起こらないものの十分なフッ素の吸着能力を得られなかった。
【0040】
No.2のように鉄塩含有火山灰土壌焼成物による吸着材を単独で用いると、フッ素を地下水基準に適合可能な吸着能力が得られたが、吸着材に含まれる酸性成分の影響により処理水のpHが24時間以内に低下してしまった。
【0041】
No.3のように鉄塩含有火山灰土壌焼成物からなる吸着材に対し寒水石を火山灰土壌焼成物の10wt%添加した場合は、処理水のpHを低下させることなく十分な吸着能力を得ることができた。
【0042】
[実験No.4,5(吸着等温線による効果確認)]
<実験条件>
脱塩素水道水にフッ化ナトリウムを添加してフッ素濃度50mg/Lにした水溶液を調製し、鉄塩含有火山灰土壌焼成物による吸着材単独の場合(No.4)、および、鉄塩含有火山灰土壌焼成物からなる吸着材に寒水石を火山灰土壌焼成物の10wt%添加した場合(No.5)について吸着等温線による評価をおこなった。結果を第2図に示す。
【0043】
<結果考察>
No.5のように鉄塩含有火山灰土壌焼成物からなる吸着材に寒水石を併用することにより、No.4の鉄塩含有火山灰土壌焼成物からなる吸着材単独よりも高い吸着能力を得ることができた。これは寒水石を併用することで吸着に適したpHに維持できたからであると考えられる。
【0044】
[実験No.6,7(カラム通水試験)]
<実験条件>
充填カラムを用いた比較を実施した。鉄塩含有火山灰土壌焼成物からなる吸着材と寒水石との併用系(No.6)を充填材として充填した充填カラムと、鉄塩含有火山灰土壌焼成物からなる吸着材単独(No.7)を充填材として充填した充填カラムを用いた評価は、実際の使用条件を想定した評価方法である。内径30mm、充填長300mmのアクリル製カラムに、180cmの充填材を充填した。また、No.6では、火山灰土壌焼成物の10wt%の寒水石を混合して充填材とした。
【0045】
フッ素濃度50mg/Lの脱塩素水道水を調製し、カラムに0.05mL/minで通水した。充填カラム出口のフッ素濃度およびpHを測定した。その結果を第3図及び第4図に示す。
【0046】
<結果考察>
第3図のように鉄塩含有火山灰土壌焼成物からなる吸着材を寒水石と併用する(No.6)ことによりフッ素の吸着能力が向上した。また、第4図に示す様に、寒水石を併用する(No.6)ことにより充填層出口でのpHを中性付近に維持することができた。
【符号の説明】
【0047】
2 帯水層
3 不透水層
5 透過性反応壁
図1
図2
図3
図4