特許第5720153号(P5720153)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5720153
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】二次電池及び二次電池の電解液注入方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/36 20060101AFI20150430BHJP
   H01M 2/02 20060101ALI20150430BHJP
   H01M 2/06 20060101ALI20150430BHJP
【FI】
   H01M2/36 101D
   H01M2/02 K
   H01M2/06 K
【請求項の数】14
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2010-200070(P2010-200070)
(22)【出願日】2010年9月7日
(65)【公開番号】特開2011-253797(P2011-253797A)
(43)【公開日】2011年12月15日
【審査請求日】2010年9月7日
【審判番号】不服2014-597(P2014-597/J1)
【審判請求日】2014年1月14日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0052427
(32)【優先日】2010年6月3日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung SDI Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100159042
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 徹二
(72)【発明者】
【氏名】李 承 法
【合議体】
【審判長】 池渕 立
【審判官】 松嶋 秀忠
【審判官】 河本 充雄
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0070101(US,A1)
【文献】 特開平11−283611(JP,A)
【文献】 特開2003−007344(JP,A)
【文献】 特開2005−071673(JP,A)
【文献】 特開2010−015991(JP,A)
【文献】 特開2007−234579(JP,A)
【文献】 特開2004−103579(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0160393(US,A1)
【文献】 実開平04−105458(JP,U)
【文献】 特開2004−031239(JP,A)
【文献】 特開2002−151052(JP,A)
【文献】 特開平11−144691(JP,A)
【文献】 特開2004−164937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M2/00
H01M10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極、負極及び前記正極と前記負極との間に配置されるセパレータを含む電極組立体、
前記電極組立体を収容するケースでありパウチ型からなるケース、
前記パウチ型ケースの一側辺に位置して電解液注入口を形成する電解液注入部材、
前記電解液注入口を覆って密閉する密封部材、
前記正極と連結されて前記パウチ型ケースの外部に突出する正極タップ、及び
前記負極と連結されて前記パウチ型ケースの外部に突出する負極タップを含み、
電解液の補充または交換のための電解液注入部材は、前記正極タップ及び前記負極タップが形成される前記パウチ型ケースの一側辺とは異なる一側辺に形成され、
前記パウチ型ケースの一面には前記電極組立体を収容する収容部が設けられることを特徴とする、二次電池。
【請求項2】
前記密封部材は、前記電解液注入口の上部を覆う密封部、及び前記電解液注入口に挿入される挿入部を含むことを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記挿入部の外面及び前記電解液注入口の内面に、互いに噛み合うねじ山が各々形成されることを特徴とする、請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記密封部材は、前記電解液注入部材の外側を囲む縁部をさらに含むことを特徴とする、請求項2に記載の二次電池。
【請求項5】
前記挿入された密封部材の密封部上面は、前記ケースの一側辺と同じ高さであることを特徴とする、請求項2に記載の二次電池。
【請求項6】
前記電解液注入部材は、前記ケースの一側辺に突出して形成されることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項7】
前記電解液注入部材は、前記ケースの一側辺に凹んで形成されることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項8】
前記密封部材は隔膜で形成されることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項9】
前記密封部材は、熱融着によって前記電解液注入部材の外側端部に付着されることを特徴とする、請求項8に記載の二次電池。
【請求項10】
前記電解液注入部材は、ポリプロピレン(polypropylene、PP)及びポリエチレン(polyethylene、PE)のうちのいずれか一つで形成されることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項11】
前記電解液注入部材は、前記ケースと一体に形成されることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項12】
正極、負極及び前記正極と前記負極との間に配置されるセパレータを含む電極組立体、前記電極組立体を収容するケースでありパウチ型からなるケース、前記パウチ型ケースの一側辺に位置して電解液注入口を形成する電解液注入部材、及び前記電解液注入口を覆って密閉する密封部材を含む二次電池を用意する段階、
前記二次電池の密封部材を除去する段階、
電解液容器を前記二次電池の前記電解液注入部材と連結する段階、
前記二次電池及び前記電解液容器内の圧力差を利用して電解液を注入させる段階、及び
前記電解液容器及び前記二次電池の前記電解液注入部材の連結を解除する段階、
を含み、
前記二次電池はさらに前記正極と連結されて前記パウチ型ケースの外部に突出する正極タップ、及び
前記負極と連結されて前記パウチ型ケースの外部に突出する負極タップを含み、
電解液の補充または交換のための電解液注入部材は、前記正極タップ及び前記負極タップが形成される前記パウチ型ケースの一側辺とは異なる一側辺に形成され、
前記パウチ型ケースの一面には前記電極組立体を収容する収容部が設けられることを特徴とする、二次電池の電解液注入方法。
【請求項13】
前記密封部材は、前記電解液注入部材の上部を覆う密封部、及び前記電解液注入部材に挿入される挿入部を含み、
前記密封部材を除去する段階は、前記電解液注入部材に挿入された前記密封部材の挿入部を抜く方式で行われることを特徴とする、請求項12に記載の二次電池の電解液注入方法。
【請求項14】
前記密封部材は前記電解液注入部材の上部を覆う隔膜で形成され、
前記密封部材を除去する段階は、前記隔膜をグラインディング又は切断する方式で行われることを特徴とする、請求項12に記載の二次電池の電解液注入方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は二次電池に関し、より詳しくは、電池の外装ケースがパウチ型で構成される二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池(rechargeable battery)は充電が不可能な一次電池とは異なって充放電が可能な電池である。低容量の二次電池は携帯電話やノートパソコン及びカムコーダのように携帯が可能な小型電子機器に使われ、大容量の二次電池はハイブリッド自動車などのモータ駆動用電源及び電力貯蔵用電池などで幅広く使用されている。
【0003】
このような二次電池は、正極、負極及びセパレータで構成される電極組立体、及びこれを内蔵するケースを含むが、その形状により円型、角型、及びパウチ型などに区分される。
【0004】
この中、パウチ型二次電池は、電極組立体がパウチ形状のケースに内蔵されて密閉される構造を有する。従って、パウチ型二次電池の構造によって、電池製作時に電解液を注入した後の電解液の補充や交換が難しくなる。このため、パウチ型二次電池の使用中に電解液注液の不良が発生する場合にも再作業ができず、電解液の枯渇及びガス発生等によって電池の寿命が短縮する場合にも再生不能となる。このような構造的な限界は、パウチ型二次電池を大容量電池として使用する場合に特に問題となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前述した問題を解決するためのものであって、本発明の目的は、電解液の補充または交換等により再生が可能なパウチ型二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1実施形態に係る二次電池は、正極、負極及び前記正極と前記負極との間に配置されるセパレータを含む電極組立体、及び前記電極組立体を収容するケースを含む。また、前記ケースの一側辺に位置して電解液注入口を形成する電解液注入部材、及び前記電解液注入口を覆って密閉する密封部材を含む。
【0007】
前記ケースはパウチ型に形成されてもよい。
【0008】
前記密封部材は、前記電解液注入口の上部を覆う密封部、及び前記電解液注入口に挿入される挿入部を有してもよい。
【0009】
前記挿入部の外面及び前記電解液注入口の内面に、互いに噛み合うねじ山が各々形成されてもよく、前記密封部材は前記電解液注入部材の外側を囲む縁部をさらに含んでもよい。また、前記挿入された密封部材の密封部の上面は、前記パウチの一側辺と同じ高さをなしてもよい。
【0010】
前記電解液注入部材は前記ケースの一側辺に突出して形成されてもよく、前記電解液注入部材は前記ケースの一側辺に凹んで形成されてもよい。
【0011】
前記密封部材は隔膜で形成されてもよく、この時、前記密封部材は熱融着によって前記電解液注入部材の外側端部に付着されてもよい。
【0012】
前記電解液注入部材は、ポリプロピレン(polypropylene、PP)またはポリエチレン(polyethylene、PE)のうちのいずれか一つで形成されてもよく、前記電解液注入部材は前記ケースと一体に形成されてもよい。
【0013】
前記正極と連結されて前記パウチ外部に突出する正極タップ、及び前記負極と連結されて前記パウチ外部に突出する負極タップを含んでもよい。この時、前記電解液注入部材は、前記正極タップ及び前記負極タップが形成されるケースの一側辺とは異なる他一側辺に形成されてもよい。
【0014】
本発明の第1実施形態に係る二次電池の電解液注入方法は、電極組立体、前記電極組立体を収容するケース、前記ケースの一側辺に位置する電解液注入部材、及び前記電解液注入部材を密閉する密封部材を含む二次電池を用意する段階と、前記二次電池の密封部材を除去する段階と、電解液容器を前記二次電池の前記電解液注入部材と連結する段階と、前記二次電池及び前記電解液容器内の圧力差を利用して電解液を注入する段階と、前記電解液容器及び前記二次電池の前記電解液注入部材の連結を解除する段階を含む。
【0015】
前記密封部材は、前記電解液注入部材の上部を覆う密封部、及び前記電解液注入部材に挿入される挿入部を含んでもよく、前記密封部材を除去する段階は、前記電解液注入部材に挿入された前記密封部材の挿入部を抜く方式で行われてもよい。
【0016】
前記密封部材は前記電解液注入部材の上部を覆う隔膜で形成されてもよく、前記密封部材を除去する段階は、前記隔膜をグラインディング(grinding)したり切断する方式で行われてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、電解液注入部材によって電解液の補充、交換、及びガス排出が可能となって、パウチ型二次電池の再生作業を行うことができる。
【0018】
また、パウチ型二次電池を大容量電池に使用する場合にも再生できるため、コストダウンにつながる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態に係るパウチ型二次電池の斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係るパウチ型二次電池の分解斜視図である。
図3】本発明の図1のIII−III線に沿って切断し、第1実施形態に係るパウチ型二次電池の電解液注入部材を拡大して示した断面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係るパウチ型二次電池の再生工程を説明するために示した図である。
図5】本発明の第2実施形態に係るパウチ型二次電池の電解液注入部材を拡大して示した断面図である。
図6】本発明の第3実施形態に係るパウチ型二次電池の電解液注入部材を拡大して示した断面図である。
図7】本発明の第4実施形態に係るパウチ型二次電池の電解液注入部材を拡大して示した断面図である。
図8】本発明の第5実施形態に係るパウチ型二次電池の電解液注入部材を拡大して示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本明細書及び図面において同一する符号は同一する構成要素を示し、図面に示した各構成の大きさ等は説明の便宜のために任意に示したため、本発明が必ずしも示されたとおりであるとは限られない。
【0021】
図1及び図2は各々本発明の第1実施形態に係るパウチ型二次電池を示した斜視図及び分解斜視図である。
【0022】
これらを参照すると、本実施形態に係るパウチ型二次電池100は、充電と放電を行う電極組立体20と、電極組立体20が内蔵されるケース10を含む。
【0023】
ケース10はパウチ型二次電池100の全体的な外形を形成し、一つ以上のポリマー膜からなるパウチ型で形成され、その内部に電極組立体20を内蔵する空間を提供する。具体的に、ケース10は、前面部11、後面部12、及び前面部11と後面部12とを折畳できるように連結する折畳部13を含み、前面部11には電極組立体20を内蔵できる収容部15が形成される。しかし、本発明は前記ケースの構造に限定されず、他の形態で組立てられるパウチ型ケースを含む。
【0024】
電極組立体20は、正極21、負極22、及び正極21と負極22との間に配置されるセパレータ23を含む。具体的に、電極組立体20は帯状で構成された正極21と負極22がセパレータ23を間に置いて配置され、これらを巻き取ったゼリーロール状(jelly−roll)で形成される。
【0025】
正極21は正極活物質が塗布された正極活物質層、及び正極活物質が塗布されていない正極無地部を含み、負極22は負極活物質が塗布された負極活物質層、及び負極活物質が塗布されていない負極無地部を含む。正極無地部及び負極無地部には各々正極タップ24及び負極タップ25が形成され、この正極タップ24及び負極タップ25は各々電極組立体20が巻き取られる方向の垂直方向に電極組立体20から突出するように形成される。しかし、本発明は前記電極組立体の構造に限定されず、他の形態で構成される電極組立体、例えば、スタック状電極組立体等を含む。
【0026】
図1を参照すると、電極組立体20がケース10内の収容部15に内蔵されて密封される時、正極タップ24と負極タップ25はケース10の一側に突出する。この時、ケース10と各々の電極タップ24、25が接触する部位における絶縁のために、絶縁層26、27が追加で形成されてもよい。絶縁層26、27は各々の電極タップ24、25を囲むように形成されて、電極タップ24、25とケース10の直接的な接触を遮断する。絶縁層26、27は短絡を防止する役割の他に、接触部位におけるシーリングにも役に立つ。一方、ケース10の内面を形成するポリマー膜と各々の電極タップ24、25または絶縁層26、27の間の接着を強化するために、ポリマー膜の表面に接着性が強い成分を含有させてもよい。
【0027】
本実施形態に係るパウチ型二次電池100は、電極タップ24、25が突出してない他側辺に形成された電解液注入部材30を含む。電解液注入部材30の中央部には注入口32が形成されて、これを介して電解液を注入したり排出できるようになる。電解液注入部材30は密封部材40で覆われていて、注入口32を介した電解液の漏洩を防止する。
【0028】
図3図1のIII−III線に沿って切断し、第1実施形態に係るパウチ型二次電池の電解液注入部材の部分を拡大して示した断面図であり、下記ではこれを参照して、本実施形態における電解液注入部材30と密封部材40について具体的に説明する。
【0029】
電解液注入部材30はケース10とは別に形成されて、ケース10の前面部11及び後面部12によって密閉される構造からなる。電解液注入部材30は中心部に前記ケース10の内部と外部を連通させる注入口32を形成し、注入口32は電極組立体20が内蔵されたケース10の収容部15と連結される。注入口32はその中心軸に対して垂直に切断した横断面の形状が円形で形成されるが、これに限定されず、多様な断面形状で形成されてもよい。
【0030】
本実施形態において、電解液注入部材30は変性ポリマーで形成される。例えば、電解液注入部材30は、ポリプロピレン(polypropylene、PP)またはポリエチレン(polyethylene、PE)で形成される。電解液注入部材30はケース10とは別に形成されることを示しているが、ポリマー膜で構成されたケース10の形状を変形することによって、ケース10と一体に形成してもよい。
【0031】
本実施形態において、密封部材40は密封部41及び挿入部43を含むキャップ構造で形成される。密封部41は電解液注入部材30の上面を覆うように形成され、挿入部43は密封部41の一面から突出して電解液注入部材30の注入口32に挿入されるように形成される。挿入部43は電解液注入部材30を介して電解液が漏れないように注入口32と同一断面形状を有し、その外径が注入口32の内径と一致するように形成されてもよい。また、密封部材40は、電解液注入部材30と同様にポリプロピレンまたはポリエチレンなどの変性ポリマーで形成されてもよい。
【0032】
図4は第1実施形態に係るパウチ型二次電池の再生工程を説明するために示した図面であり、これを参照して、パウチ型二次電池100に電解液を補充したり交換する過程を説明する。
【0033】
電解液の補充のために、電解液が貯蔵されている電解液容器50の連結部51を密封部材40が除去されたパウチ型二次電池100の電解液注入部材30と連結する。この時、電解液容器50内の電解液は、パウチ型二次電池100内の電解液より相対的に高い圧力で貯蔵されている。このような圧力の差によって、電解液注入部材30の注入口32を介して電解液容器50からパウチ型二次電池100内部に電解液が移動する。
【0034】
電解液の補充過程と同様に、電解液の交換のためにパウチ型二次電池100内において電解液を除去する過程においても、電解液容器50の連結部51をパウチ型二次電池100の電解液注入部材30と連結する。但し、電解液容器50内の電解液は、パウチ型二次電池100内の電解液より相対的に低い圧力で貯蔵されことになる。または、電解液容器50内の電解液を除去して真空状態を維持したままでパウチ型二次電池100と連結してもよい。これによる圧力の差によって、電解液注入部材30の注入口を介してパウチ型二次電池100の内部から電解液容器50に電解液が移動する。このような電解液除去過程と前述した電解液補充過程を連続的に行うことによって電解液を交換できる。
【0035】
一方、電解液容器50の連結部51は、電解液注入部材30と連結される部分の形状が密封部材40と類似して形成されてもよい。即ち、連結部51は、その一側端部に密封部(図示せず)及び挿入部(図示せず)を含んでもよい。密封部は電解液の注入過程において電解液注入部材30の上面を覆う役割を果たし、挿入部は電解液注入口に挿入されて電解液の通路の役割を果たす。このような構造によって、電解液を補充したり除去する過程における電解液の漏れを防止することができる。
【0036】
また、連結部51の一側端部に形成される密封部と電解液注入部材30の上面は、ガスケット(図示せず)を間において接触してもよい。ガスケットは連結部51の密封部と電解液注入部材30の間の密封のためのものであって、ガスケットを追加することによって電解液を補充したり除去する過程における電解液の漏れを確実に防止することができる。
【0037】
このように、本実施形態において、パウチ型二次電池100にキャップ構造の電解液注入部材30を追加で形成することによって、電解液の補充及び交換が可能となる。また、電解液の排出過程と類似する方法でパウチ型二次電池100内のガスも排出できる。これにより、パウチ型二次電池100を大容量電池として使用する場合においても、再生を通して寿命を延長することができる。
【0038】
以下、図5乃至図8を参照して、本発明の他の実施形態に係るパウチ型二次電池について説明する。この時、他の実施形態において、第1実施形態と同一する構成については簡略に説明したり説明を省略する。
【0039】
図5は本発明の第2実施形態に係るパウチ型二次電池の電解液注入部材の部分を拡大して示した断面図である。
【0040】
図5を参照すると、本実施形態における電解液注入部材130は、中心部に注入口132を含み、注入口132が電極組立体が内蔵されたケース10の収容部と連結される構造を有する。この時、電解液注入部材130はケース10とは別に形成されるが、ケース10の形状を変更して、ケース10自体に電解液注入口が形成される構造であってもよい。また、注入口132の断面形状は円形等の多様な形状で形成されてもよい。
【0041】
本実施形態に係る密封部材140は、密封部141及び挿入部143を含むキャップ構造で形成される。密封部141は電解液注入部材130の上面を覆うように形成され、挿入部143は密封部141の一面から突出して電解液注入部材130の注入口132に挿入されるように形成される。挿入部143は、電解液注入部材130を介して電解液が漏れないように注入口132と同一断面形状を有し、その外径が注入口132の内径と一致するように形成されてもよい。
【0042】
一方、本実施形態では、互いに接触する電解液注入部材130の注入口132の内面と密封部材140の挿入部143の外面に、互いに噛み合うようにねじ山が形成されている。これによって、密封部材140はねじ締結方式で電解液注入部材130の注入口132に挿入されて、密封性をさらに向上して、電解液の補充または交換をより容易に行えるようになる。
【0043】
図6は本発明の第3実施形態に係るパウチ型二次電池の電解液注入部材の部分を拡大して示した断面図である。
【0044】
図6を参照すると、本実施形態における電解液注入部材230は、中心部に注入口232を含み、注入口232が電極組立体が内蔵されたケース10の収容部と連結される構造を有する。この時、電解液注入部材230はケース10とは別に形成されるが、ケース10の形状を変更して、ケース10自体に電解液注入口が形成される構造であってもよい。また、注入口232の断面形状は円形などの多様な形状で形成されてもよい。
【0045】
本実施形態における密封部材240は、密封部241、挿入部243、及び縁部245を含むキャップ構造で形成される。密封部241は電解液注入部材230の上面を覆うように形成され、挿入部243は密封部241の一面の中心部から突出して電解液注入部材230の注入口232に挿入されるように形成される。また、縁部245は密封部241の一面の周縁で挿入部243と同一方向に突出して、挿入部243が電解液注入部材230の注入口232に挿入される時、電解液注入部材230の周囲を囲むように形成される。この時、挿入部243は、電解液注入部材230を介して電解液が漏洩しないように注入口232と同一断面形状を有し、その外径が注入口232の内径と一致するように形成されてもよい。また、縁部245は、その内径が電解液注入部材230の外径と一致するように形成されてもよい。
【0046】
このように、密封部材240が縁部245を含むことによって、電解液注入部材230の注入口232を介して電解液が漏洩することをより確実に防止できるようになる。
【0047】
図7は本発明の第4実施形態に係るパウチ型二次電池の電解液注入部材の部分を拡大して示した断面図である。
【0048】
図7を参照すると、本実施形態においては、電解液注入部材330がケース10の外部に突出しないように形成される。具体的に、電解液注入部材330の一端部がケース10の一面と一致するように配置された後、ケース10の前面部及び後面部によって密閉される構造で形成される。
【0049】
電解液注入部材330は中心部に注入口332を含み、注入口332は電極組立体が内蔵されたケース10の収容部と連結される構造を有する。また、電解液注入部材330は、注入口332に密封部材340が挿入された後に支持されるように、段差が形成される支持部334をさらに含む。
【0050】
本実施形態において、電解液注入部材330はケース10とは別に形成されるが、ケース10の形状を変更して、ケース10自体に電解液注入口が形成される構造で構成されてもよい。一方、注入口332の断面形状は円形等の多様な形状で形成されてもよい。
【0051】
本実施形態における密封部材340は、密封部341及び挿入部343を含むキャップ構造で形成される。密封部341は電解液注入部材330の支持部334の上面を覆うように形成され、挿入部343は密封部341の一面の中心部から突出して電解液注入部材330の注入口332に挿入されるように形成される。この時、挿入部343は、電解液注入部材330を介して電解液が漏洩しないように注入口332と同一断面形状を有し、その外径が注入口332の内径と一致するように形成されてもよい。また、密封部341は支持部334の上面と同一断面形状を有し、挿入部343が注入口332に挿入される時、密封部材340がケース10の外部に突出しない程度の厚さを有してもよい。
【0052】
このような密封部材340の構成により、電解液注入部材330の注入口332を介した電解液の漏れをより確実に防止することができる。これと同時に、電解液注入部材330がケース10の外部に突出しないため、パウチ型二次電池の外形が簡潔となる。
【0053】
図8は本発明の第5実施形態に係るパウチ型二次電池の電解液注入部材の部分を拡大して示した断面図である。
【0054】
図8を参照すると、本実施形態における電解液注入部材430は、中心部に注入口432を含み、注入口432は電極組立体が内蔵されたケース10の収容部と連結される構造からなる。電解液注入部材430はケース10とは別に形成されるが、ケース10の形状を変更して、ケース10自体に電解液注入口が形成される構造からなってもよい。一方、注入口432の断面形状は円形などの多様な形状で形成されてもよい。
【0055】
本実施形態は前述した実施形態とは異なって、密封部材440がキャップ構造ではない隔膜で形成されている。即ち、電解液注入部材430の注入口432に挿入される別の挿入部が存在せず、隔膜が電解液注入部材430の上面を覆う構造を有する。隔膜で形成された密封部材440は電解液注入部材430の上面に脱着できないように接着されて、電解液が電解液注入部材430の注入口432を介して漏れることを防止する。隔膜が脱着できないように電解液注入部材430の上面に接着させるため、接触表面に熱と圧力を加えて接着させる熱融着等の方法を使用することができる。
【0056】
密封部材440が隔膜で形成されて脱着ができないように接着される構造を有するため、パウチ型二次電池に電解液を補充したり交換が必要な場合には、隔膜または電解液注入部材430の上面をグラインダーを利用してグラインディングしたり切断する方法を利用する。隔膜または電解液注入部材430の上面をグラインディングしたり切断した後、図4で示したように電解液を注入または排出させ、電解液の補充または交換が完了した後には熱融着などの方法で隔膜を電解液注入部材430の上面に接着させる。
【0057】
前記電解液の補充または交換過程は繰り返して行われなければならないが、電解液注入部材430はパウチ型二次電池の寿命及び再生頻度等を考慮して、十分な長さを有するように形成しなければならない。即ち、電解液注入部材430のケース10の外部に突出する長さが一回の電解液補充または交換過程で短くなる長さと再生回数をかけた値より大きく形成しなければならない。
【0058】
本実施形態の密封部材440の形状により、外圧または衝撃によって密封部材が脱落する危険を防止して、電解液の漏れを防止することができる。
【0059】
以上、本発明を望ましい実施形態によって説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。つまり、電解液注入部材と密封部材は前述した実施形態の他に多様な形状で形成され、これらの形成位置等も前述した実施形態及び図面に示した通りとは限らない。このように、本発明の範囲は特許請求の範囲の記載によって決定され、特許請求の範囲の概念と範囲を逸脱しない限り多様な修正及び変形が可能であることを本発明が属する技術分野の当業者は簡単に理解できるであろう。
【符号の説明】
【0060】
100 二次電池
10 ケース
11 前面部
12 後面部
13 折畳部
15 収容部
20 電極組立体
21 正極
22 負極
23 セパレータ
24 正極タップ
25 負極タップ
26、27 絶縁層
30、130、230、330、430 電解液注入部材
40、140、240、340、440 密封部材
50 電解液容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8