特許第5722310号(P5722310)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5722310窓なし研磨パッドおよび保護されたファイバを有する研磨システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5722310
(24)【登録日】2015年4月3日
(45)【発行日】2015年5月20日
(54)【発明の名称】窓なし研磨パッドおよび保護されたファイバを有する研磨システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20150430BHJP
   B24B 37/013 20120101ALI20150430BHJP
   B24B 37/12 20120101ALI20150430BHJP
【FI】
   H01L21/304 622S
   H01L21/304 622F
   B24B37/04 K
   B24B37/04 S
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-508601(P2012-508601)
(86)(22)【出願日】2010年4月27日
(65)【公表番号】特表2012-525714(P2012-525714A)
(43)【公表日】2012年10月22日
(86)【国際出願番号】US2010032607
(87)【国際公開番号】WO2010126901
(87)【国際公開日】20101104
【審査請求日】2013年4月11日
(31)【優先権主張番号】12/433,256
(32)【優先日】2009年4月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ジミン
(72)【発明者】
【氏名】デュブースト, アラン
(72)【発明者】
【氏名】ベネット, ドイル イー.
【審査官】 馬場 進吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−085611(JP,A)
【文献】 特表2003−501845(JP,A)
【文献】 特開2002−261059(JP,A)
【文献】 特開2003−197587(JP,A)
【文献】 特開2004−363201(JP,A)
【文献】 特開2009−060044(JP,A)
【文献】 特開2005−167200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B24B 37/013
B24B 37/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨パッドを支持するための上表面および前記上表面内にアパーチャを有するプラテンと、
前記プラテンの前記上表面内の前記アパーチャの内部に設置された光発生素子または光案内素子と、
前記研磨パッドの研磨表面からの液体の漏れから前記光発生素子または光案内素子を保護するために、前記光発生素子または光案内素子上の前記アパーチャ内に設置された光透過性膜であって、前記プラテンの側面に接触せずに前記アパーチャ内に収まり、及び、前記光発生素子または光案内素子に取り付けられる、光透過性膜と
を備えた、研磨システム。
【請求項2】
前記プラテン上に支持された前記研磨パッドをさらに備え、前記研磨パッドが前記研磨表面および底部表面を有し、前記研磨パッド内に形成された第2のアパーチャが、前記研磨表面から前記底部表面まで前記研磨パッドを貫通して延び、前記第2のアパーチャが、前記プラテンの前記上表面内の前記アパーチャと位置合わせされている、請求項1に記載の研磨システム。
【請求項3】
前記光透過性膜が、前記第2のアパーチャよりも小さい、請求項2に記載の研磨システム。
【請求項4】
前記光透過性膜が、前記アパーチャの全体を覆わない、請求項1に記載の研磨システム。
【請求項5】
前記光透過性膜の中心が、前記光発生素子または光案内素子に支持される、請求項1に記載の研磨システム。
【請求項6】
前記光発生素子または光案内素子が、白熱光素子、発光ダイオード、または光ファイバを備える、請求項1に記載の研磨システム。
【請求項7】
前記光ファイバが二分岐光ファイバを備え、前記光透過性膜が前記光ファイバの幹線部に固定される、請求項6に記載の研磨システム。
【請求項8】
第1のアパーチャを有するプラテンと、
前記プラテン上に支持され、研磨表面および底部表面を有する研磨パッドであって、研磨パッド内に形成された第2のアパーチャが、前記研磨表面から前記底部表面まで研磨パッドを貫通して延びる、研磨パッドと、
前記第1のアパーチャの内部に設置された光発生素子または光案内素子と、
前記研磨表面からの液体の漏れから前記光発生素子または光案内素子を保護するために、前記光発生素子または光案内素子上に設置された光透過性膜であって、前記プラテンあるいは前記研磨パッドの側面と接触せずに前記第1のアパーチャまたは前記第2のアパーチャ内にそれぞれ収まり、及び、前記光発生素子または光案内素子に取り付けられる、光透過性膜と
を備えた、研磨システム。
【請求項9】
前記膜が、前記プラテンの前記側面と接触して前記第1のアパーチャ内に収まる、請求項8に記載の研磨システム。
【請求項10】
前記膜が、前記研磨パッドの前記側面と接触せずに前記第2のアパーチャ内に収まる、請求項8に記載の研磨システム。
【請求項11】
前記光透過性膜の中心が、前記光発生素子または光案内素子に支持される、請求項8に記載の研磨システム。
【請求項12】
前記光発生素子または光案内素子が、白熱光素子、発光ダイオード、または光ファイバを備える、請求項8に記載の研磨システム。
【請求項13】
前記光ファイバが、二分岐光ファイバを備え、前記光透過性膜が、前記光ファイバの幹線部に固定される、請求項12に記載の研磨システム。
【請求項14】
前記光透過性膜が、前記光透過性膜の中心のみにおいて支持される、請求項5に記載の研磨システム。
【請求項15】
前記光透過性膜が、前記光透過性膜の中心のみにおいて支持される、請求項11に記載の研磨システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本情報開示は、一般に、窓を具備する研磨パッド、かかる研磨パッドを含有するシステム、およびかかる研磨パッドを作成し使用するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
最近の半導体集積回路(IC)を製造するプロセスは、前に形成した層および構造の上方に様々な材料層および構造を形成することをしばしば必要とする。しかしながら、下にあるフィーチャが、インプロセス基板の上表面トポグラフィを、バンプ、不均一な高さの領域、くぼみ、トレンチ、および/または他の表面凹凸のある、非常に凹凸な状態にする場合がある。これらの凹凸は、フォトリソグラフィプロセスにおいて問題を引き起こす可能性がある。したがって、何らかのタイプの基板の平坦化を実行することが望ましい場合がある。
【0003】
半導体基板平坦化またはトポグラフィ除去を実現するための一方法が、化学機械研磨(CMP)である。従来の化学機械研磨(CMP)プロセスは、磨き剤スラリなどのスラリの存在下で回転している研磨パッドに対して基板を押し付けることを必要とする。
【0004】
一般的に、研磨を停止するかどうかを判定するために、所望の表面平坦性または層厚さにいつ達したか、および/または下にある層がいつ露出したかを検出することが、望ましい。CMPプロセス中に終点をその場検出するために、いくつかの技術が開発されてきている。例えば、層の研磨中に基板上の層の均一性をその場測定するための光学モニタリングシステムが、採用されてきている。光学モニタリングシステムは、研磨中に基板の方に光ビームを向ける光源と、基板から反射した光を測定する検出器と、検出器からの信号を解析し終点を検出したかどうかを計算するコンピュータとを含むことができる。あるCMPシステムでは、光源および/または検出器をスラリから保護するために、研磨パッド内の窓を通して基板の方に光ビームを向ける。
【発明の概要】
【0005】
一般に、一態様では、研磨システムは、研磨パッドと、プラテンと、光源とを含む。研磨パッドが、研磨表面と底部表面とを有し、研磨表面から底部表面まで研磨パッドを貫通して延びる第1のアパーチャが、研磨パッド内に形成される。プラテンが上表面を有し、プラテンの上表面が研磨パッドの底部表面の下方に設置される。光源が、プラテンの上表面内に形成された第2のアパーチャの内部に設置され、第1のアパーチャが第2のアパーチャと位置を合わせられる。光透過性膜が、研磨表面からの物質の漏れから光源を保護するために、光源上に設置される。
【0006】
実装形態は、下記のフィーチャのうちの1つまたは複数を含むことができる。光透過性膜は、プラテン表面および研磨パッドの底部表面の両者よりも実質的に小さくてもよい。光透過性膜は、研磨パッドの底部表面とプラテン表面との間に配置することができる。光透過性膜は、第2のアパーチャの一部を覆うことができる。光透過性膜は、第2のアパーチャよりも小さくてもよい。光透過性膜は、例えば、感圧接着剤を使用して光源に取り付けることができる。研磨システムは、光検出器を含むことができる。光検出器は、研磨パッドを使用して研磨している基板の反射性の変化を検出することによって研磨動作をモニタリングすることができる。研磨パッドは、接着剤層を含むことができる。
【0007】
別の一態様では、研磨システムは、研磨パッドを支持するための上表面および上表面内にアパーチャを有するプラテンと、プラテンの上表面内のアパーチャの内部に設置された光発生素子または光案内素子と、研磨パッドの研磨表面からの液体の漏れから光発生素子または光案内素子を保護するために、光発生素子または光案内素子上のアパーチャ内に設置された光透過性膜であって、膜がプラテンの側面に接触せずにアパーチャ内に収まる、光透過性膜とを含む。
【0008】
実装形態は、下記のフィーチャのうちの1つまたは複数を含むことができる。研磨表面および底部表面を有する研磨パッドが、プラテン上に支持される場合があり、研磨表面から底部表面まで研磨パッドを貫通して延びる第2のアパーチャが、研磨パッド内に形成される場合があり、第2のアパーチャを、プラテンの上表面内のアパーチャと位置合わせすることができる。光透過性膜は、第2のアパーチャよりも小さくてもよい。光透過性膜は、アパーチャの一部を覆うことができる。光透過性膜は、光発生素子または光案内素子に、例えば、感圧接着剤を使用して取り付けることができる。光発生素子は、白熱光素子または発光ダイオードとすることができる。光案内素子は、光ファイバとすることができる。光ファイバは、二分岐光ファイバとすることができ、光透過性膜が、光ファイバの幹線部に固定されてもよい。
【0009】
別の一態様では、研磨システムは、第1のアパーチャを有するプラテンと、プラテン上に支持され、研磨表面および底部表面を有する研磨パッドであって、研磨パッド内に形成された第2のアパーチャが、研磨表面から底部表面まで研磨パッドを貫通して延びる、研磨パッドと、第1のアパーチャの内部に設置された光発生素子または光案内素子と、研磨表面からの液体の漏れから光発生素子または光案内素子を保護するために、光発生素子または光案内素子上に設置された光透過性膜であって、プラテンあるいは研磨パッドの側面と接触せずに第1のアパーチャまたは第2のアパーチャ内に収まる光透過性膜とを含む。
【0010】
実装形態は、下記のフィーチャのうちの1つまたは複数を含むことができる。膜は、プラテンの側面と接触して第1のアパーチャ内に収まることができる。膜は、研磨パッドの側面と接触せずに第2のアパーチャ内に収まることができる。光透過性膜は、光発生素子または光案内素子に、例えば、感圧接着剤を使用して取り付けることができる。光発生素子は、白熱光素子または発光ダイオードとすることができる。光案内素子は、光ファイバとすることができる。光ファイバは、二分岐光ファイバとすることができ、光透過性膜が、光ファイバの幹線部に固定されてもよい。
【0011】
本発明の実施形態の利点は、下記のうちの1つまたは複数を含むことができる。プラテン内の光学モニタリングシステムの要素、例えば、光ファイバまたは他の光源が、スラリから保護される場合がある。研磨パッド内の窓は、単純な開いたアパーチャとすることができ、典型的には製造コストの低下をもたらす場合がある。
【0012】
1つまたは複数の実装形態の詳細を、添付した図面および下記の説明中に明記している。他のフィーチャおよび利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】研磨パッドを含有する化学機械研磨装置の概略的な断面図である。
図2】穴を具備する研磨パッドの概略的な断面図である。
図3】研磨パッド内の穴の中へと突き出している光学モニタリングシステムの光ファイバの概略的な断面図である。
図4】支持層が研磨層内のアパーチャに跨る研磨パッドの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
あるCMPシステムでは、研磨パッドは、非常に薄く柔軟であり、そのため、研磨パッド内に窓を形成することが難しい。その上に、研磨パッド内に窓を設けることは、通常、研磨パッドの製造からコストが増加する。それゆえ、1つの技術は、光学モニタリングシステムの要素を研磨表面からのスラリの漏れから保護するために、プラテン内にある光学モニタリングシステムのある種の要素、例えば、光ファイバ、の上方に位置する光透過性膜を置くことである。
【0015】
図1に示したように、化学機械研磨装置100は、基板140(例えば、任意選択で、1つまたは複数の誘電体層、導電性層、または半導電性層でコーティングされた半導体ウェーハ)を保持するための研磨ヘッド114を含む。
【0016】
それに加えて、研磨装置100は、プラテン110上に配置された研磨パッド150を含む。光学モニタリングシステム120は、光源122(例えば、白色光源、または赤色レーザ、青色レーザ、もしくは赤外レーザなどのレーザ、または赤色発光ダイオード、青色発光ダイオード、もしくは赤外発光ダイオードなどの発光ダイオード)およびプラテン110中の凹部126内に収容された光検出器124(例えば、フォトディテクタ)を含む。光学モニタリングシステム120は、プラテン内のアパーチャ192と位置合わせされている研磨パッド150内のアパーチャ190を通して基板140の研磨をモニタリングする。
【0017】
光源122からアパーチャ190、192への光、およびアパーチャ190、192から光検出器124へ戻る光を伝達するために、二分岐光学ケーブル130を使用することができる。二分岐光学ケーブル130は、アパーチャ190、192に隣接して位置する「幹線部」132およびそれぞれ光源122および光検出器124に接続された2つの「枝線部」134、136を含むことができる。
【0018】
一般に、CMPプロセスにおいて装置100の使用中には、化学研磨溶液(例えば、1つまたは複数の化学薬剤および任意選択で磨き剤粒子を含有するスラリ)を、研磨パッド150のカバー層160の研磨表面162へ与える。プラテン110、研磨パッド150、プラテン110中の光学モニタリングシステム120の要素が軸112の周りを回転するときに、化学研磨溶液を研磨表面162に与える。基板140の表面142がスラリ/研磨表面162と接触するように、研磨ヘッド114を下げ、研磨ヘッド114および基板140が、軸132の周りを回転し、研磨パッドの全域にわたり横方向に移動する。光源122が、表面142のところへ光ビーム123を向け、光検出器124が、基板140から(例えば、表面142および/または基板140内の1つまたは複数の下にある層の表面から)反射する光ビーム125を測定する。
【0019】
光透過性膜127は、光学モニタリングシステム120の光学構成要素がスラリと接触することから保護する。例えば、スラリがファイバ130の端部と接触することを防止するために、光透過性膜127を、例えば、光ファイバの上表面に平行な面内で、光ファイバ130の幹線端部上に設置することができる。
【0020】
ビーム123および/または125内の光の(1つまたは複数の)波長は、検出される特性に応じて変わることがある。一例として、注目の(1つまたは複数の)波長が、(例えば、約400nmから約800nmまでの)可視スペクトルに広がることがある。別の一例として、注目の(1つまたは複数の)波長が、(例えば、約400nmから約450nmまで、約650nmから約800nmまで)可視スペクトルのある一定部分の範囲内であることがある。追加の一例として、注目の(1つまたは複数の)波長が、(例えば、(約300nmから約400nmまでなどの)紫外線または(約800nmから約1550nmまでなどの)赤外線の)スペクトルの可視部外であることがある。
【0021】
研磨終点に達したかどうかを判定するために、検出器124によって集められた情報を処理する。例えば、コンピュータは、検出器124から測定した光強度を受け取り、(例えば、新たな層の露出を指示する基板140の反射率の急な変化を検出することによって
、干渉原理を使用して基板140の(透明酸化物層などの)外側層から除去した厚さを計算することによって、および/または所定の終点基準についての信号をモニタリングすることによって)研磨終点を判定するためにこの光強度を使用することができる。
【0022】
研磨パッド150は、シリコン基板またはシリコン−オン−インシュレータ(「SOI」)基板を研磨するために適していることがある。研磨パッド150は、圧縮性の、または「柔らかい」研磨層を含むことができる。
【0023】
図2に示したように、研磨パッド150は、研磨層160、支持層170、接着剤層180を含む。研磨層160は、ポリマー発泡体などの圧縮性材料を含むことができ、研磨表面162を有する。開口部190が、研磨パッド150を貫通して延び、したがって、研磨パッド150がプラテン110上に配置されるときに、研磨パッド内の開口部190が凹部126へのプラテン内の開口部192と重なる。
【0024】
研磨層160を、感圧接着剤(「PSA」)の層などの接着剤層によって、支持層170へ取り付けることができる。代替として、PSA層を支持層170と研磨層160との間に必要としないように、研磨層160を支持層170上に作ることができる。例えば、研磨層160を形成するために、ポリマー層を支持層170上に作ることができる。
【0025】
光透過性膜127を、光学モニタリングシステム120の光発生光学部品または光案内光学部品の上面上に配置して、スラリとの接触を防止する。光発生光学部品の例は、白熱電球、蛍光灯、発光ダイオードを含む。光案内光学部品の例は、光ファイバおよび長方形導波管を含む。例えば、光透過性膜を、光ファイバの端部上に支持することができる。膜127は、すべての側面上に光学部品を張り出させることができ、例えば、膜は、光ファイバの幹線部132の対応する寸法よりも大きな(研磨パッド表面に平行な)横方向寸法を有することができ、光ファイバ130は、膜127のほぼ中心で膜127と接触することができる。膜127を、PSAなどの接着剤によって光学部品に固定することができる。
【0026】
図1および図3に示したように、光学モニタリングシステム120の光学部品、例えば、光ファイバ130は、プラテンの上表面の上方に突出し、研磨パッド150内の穴190の中へと一部が突き出す。したがって、膜127を、研磨パッド150内の穴190の中に設置することができる。あるいは、光ファイバ130の上面を、プラテンの上表面の下方で終わらせることができ、したがって、膜127を、プラテン中のアパーチャ192内で研磨パッド150の完全に下方に設置することができる。膜127を、研磨パッド150またはプラテンの側面に接触させずに、穴190またはアパーチャ192内にはめ込むことができる、例えば、膜は、膜がその中に置かれる穴190またはアパーチャ192の対応する寸法よりも小さな横方向寸法を有することがある。
【0027】
膜127を、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)またはマイラー(登録商標)、ポリウレタンまたはハロゲン化ポリマー(例えば、ポリクロロトリフロロエチレン(PCTFE)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、またはポリテトラ−フルオロエチレン(PTFE))などの1つまたは複数のポリマー材料から形成することができる。
【0028】
ある種の実装形態では、膜127が作られる材料は、CMPプロセス中に膜が曝される条件に対して比較的耐性がある。膜127が作られる材料が、スラリ材料および基板材料に対して比較的化学的に不活性であることがある。それに加えて、窓は、スラリ(例えば、1つまたは複数の化学薬剤および任意選択で磨き剤粒子を含む)、基板、またはパッドコンディショナによって引き起こされるスクラッチ形成および/または研磨に対して比較的耐性があることがある。
【0029】
ある実装形態では、膜127が作られる材料は、注目の(1つまたは複数の)波長の範囲内のエネルギーに対して実質的に透過性である。
【0030】
ある種の実装形態では、膜127が作られる材料は、比較的低い屈折率を有する。例えば、膜127が作られる材料は、約1.48以下(例えば、約1.45以下、約1.4以下、約1.35以下、水の屈折率とほぼ同じ)の屈折率を有することができる。理論に縛られることを望まないが、比較的低い屈折率を有する材料を使用すると、膜127の表面からの反射(例えば、空気、水(スラリ)、膜127の干渉)を減少させることができ、注目の(1つまたは複数の)波長を有するエネルギーの透過を向上させることができることが考えられており、これがCMPプロセス中に集められるデータの信号対雑音比を改善すると考えられている。
【0031】
膜127が作られる材料を、親水性または疎水性とすることができる。親水性材料は、基板と窓との間にスラリまたは水の層があることを確実にするために役立つことがある。スラリまたは水の層の存在は、著しい信号歪を引き起こすことがある界面の形成を防止する。あるポリマー材料がどちらかといえば疎水性であるが、粗面化またはエッチングなどの表面処理を使用して、これらのポリマー材料を疎水性から親水性へと変えることができる。しかしながら、ある種の応用例に対しては、比較的疎水性の窓から形成することが、膜127にとって有用であり得る。例えば、研磨される基板が、疎水性層(多結晶シリコン、単結晶シリコン、等)の上面上に親水性層(SiO、Si、等)を有する場合には、親水性層が研磨して除去されるにつれて、水をはじく基板の性質が増加するであろう。この遷移は、検出器からの信号強度をモニタリングすることによって検出可能とすることができる。
【0032】
図2に示したように、アパーチャ190が、研磨パッド150のすべての層を貫通して延び、光学モニタリングシステムが基板をモニタリングすることを可能にする。しかしながら、図4に示したように、ある研磨パッドでは、支持層170が開口部のないままである。支持層170を、透明材料から作って、その材料を通して研磨の進行をモニタリングすることを可能にする。したがって、化学研磨溶液は、開口部を通り光学モニタリングシステム120上へと漏れる可能性がないであろう。支持層材料170が開口部のないままであるケースでは、スラリから光源122を保護するために、膜127を付けることが必要ないことがある。
【0033】
支持部材170を、非圧縮性で流体不浸透性ポリマーから形成することができる。例えば、支持材料170を、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)またはマイラー(登録商標)から形成することができる。
【0034】
接着剤層180を、PSAから形成することができる。アパーチャ190が研磨パッド150のすべての層を貫通して延びるケースでは、研磨パッドを形成する際に使用するPSAを、黄色い色であるPSAなどの透明でない材料とすることができる。典型的な黄色PSAは、光を散乱し吸収する。例えば、670nmのビームに対して、初期強度(「I」)の約10%が接着剤層180を通過することができるが、405nmビームに対しては、Iの2%未満が接着剤層180を通過することができる。光学モニタリングシステムからのビーム123、125が接着剤層180を2回通過する必要があるので、光検出器124によって観察される結果としての強度は、670nmビームに対して1%I未満であり、405nmビームに対して0.04%未満であることがある。したがって、検出器中へと接着剤層180から散乱して戻る強度が、基板からの信号125よりも大きくなることがある。
【0035】
様々な実装形態を説明してきた。それにもかかわらず、様々な変形を本開示の精神および範囲から乖離せずに行うことができることが、理解されるであろう。一例では、研磨ヘッド114および半導体基板140を、装置100の動作中に移動させることができる。一般に、ヘッド114の移動する位置とは無関係に、プラテン110の回転の一部の間に光源122および光検出器124が基板140を見るように、光源122および光検出器124を設置する。さらなる一例として、光学モニタリングシステム120を、プラテン110の下方に置かれた静止システムとすることができる。光ファイバを使用せずに光を基板上へと向けるために、光源、例えば、LEDを、凹部126内に設置することができ、膜127を光源に取り付けることができる。
【0036】
別の一例として、研磨層を、耐久性のあるマイクロポーラスポリウレタン層、繊維質層、固定砥粒層、またはある別の種類の層とすることができる。追加の一例として、支持層170がアパーチャ190に広がるが、全体の研磨パッド幅の全域にわたって広がらないように、支持層170を置くことができる。さらに別の一例として、支持層170を、アパーチャ190に広がる部分だけを光透過性とすることができ、支持層170の残りの部分を、光透過性でない異なる材料とすることができる。
【0037】
したがって、他の実装形態は、別記の特許請求の範囲の範囲内である。
図1
図2
図3
図4