【実施例】
【0045】
以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明の解釈はこれらに限定されるものではないことはもちろんである。
尚、実施例で用いた分析法は以下の通りである。
[1] [質量分析(MASS)]
機種:LX−1000(JEOL社製)、検出法:FAB法.
[2] [
1H NMR]
機種:Varian社製NMR System 400NB(400MHz),
測定溶媒:DMSO−d6
標準物質:tetramethylsilane(TMS).
[3] [融点(m.p.)]
機種:微量融点測定装置(MP−S3)(ヤナコ機器開発研究所社製)
【0046】
実施例1
500mLの四つ口反応フラスコに、硝酸(濃度69〜70重量%、密度1.42g/ml)90.0g(1mol)、発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)28.0g(0.4mol)及びEDC31.6gを仕込み、マグネチックスターラー攪拌下に、エキソ−エンド−TCDE/エンド−エンド−TCDE=83%/17%の混合物31.6g(0.2mol)をEDC31.6gに溶解した溶液を45〜50℃で45分かけて滴下した。続いて、50〜55℃で17時間攪拌した。
【0047】
次いで、更に発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)42.0g(0.6mol)を滴下し、55℃で25時間攪拌すると白色結晶が析出した。続いて、氷冷してからろ過後、EDCで洗浄し、減圧乾燥すると一次白色結晶16.0g(純度98%)(収率33.0%)が得られた。
【0048】
この結晶は、MASS及び
1H NMR分析結果より、エキソ−エンド−BOTCであることを確認した。
MASS ( ESI
−, m/z(%) ) : 285([M-H]
−, 100), 267(5)
1H NMR ( DMSO-d
6, δppm ) : 12.15 ( s, 4H ), 3.17-3.07 ( m, 2H ), 2.78-2.66 ( m, 2H ),2.54-2.42 ( m, 2H ), 2.21 ( dt, J=12.0, 6.0 Hz, 1H ), 1.83-1.72 ( m, 2H ), 1.58 ( dt, J=12.0, 12.0 Hz, 1H ).
【0049】
更に、ろ液とEDC洗液を混合してから、重量が108gまで濃縮してからアセトニトリル25gを加えた後、氷冷すると結晶が析出した。この結晶をろ過後、アセトニトリルで洗浄し、減圧乾燥するとエキソ−エンド−BOTCの二次結晶1.9g(純度90%)(収率4.0%)が得られた。
尚、一次結晶及び二次結晶の金属分析では、K及びMnのいずれも検出限界以下(<1ppm)であった。
なお、上記実施例における酸化反応は以下のとおりである。
【0050】
【化11】
【0051】
実施例2
500mLの四つ口反応フラスコに、硝酸(濃度69〜70重量%、密度1.42g/ml)18.0g(0.2mol)、発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)14.0g(0.2mol)及びEDC47.4gを仕込み、マグネチックスターラー攪拌下に、エキソ−エンド−TCDE/エンド−エンド−TCDE=88%/22%15.8g(0.1mol)の混合物をEDC15.8gに溶解した溶液を33〜40℃で1時間かけて滴下した。
【0052】
続いて、発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)42.0g(0.6mol)を30〜33℃で35分かけて滴下した。40℃で3時間攪拌後、発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)35.0g(0.5mol)を35℃で10分かけて滴下した。その後、40℃で48時間攪拌した。
続いて氷冷してから、ろ過し、ケーキをEDC30mLで2回洗浄し、減圧乾燥するとエキソ−エンド−BOTCの一次淡黄色結晶5.6g(純度98%)(収率22.0%)が得られた。
【0053】
実施例3
500mLの四つ口反応フラスコに、硝酸(濃度69〜70重量%、密度1.42g/ml)18.0g(0.2mol)、発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)14.0g(0.2mol)及びEDC47.4gを仕込み、マグネチックスターラー攪拌下に、エキソ−エンド−TCDE/エンド−エンド−TCDE=88%/22%の混合物を15.8g(0.1mol)をEDC15.8gに溶解した溶液を45〜55℃で1時間かけて滴下した。続いて、発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)49.0g(0.6mol)を45〜50℃で30分かけて滴下した。更に、50〜65℃まで5時間かけて昇温し、後65℃で17時間攪拌した。
続いて氷冷してから、ろ過し、ケーキをEDC30mLで2回洗浄し、減圧乾燥するとエキソ−エンド−BOTCの一次淡黄色結晶5.3g(純度98%)(収率20.0%)が得られた。
【0054】
実施例4
500mLの四つ口反応フラスコに、硝酸(濃度69〜70重量%、密度1.42g/ml)18.0g(0.2mol)、発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)14.0g(0.2mol)及びEDC15.8gを仕込み、マグネチックスターラー攪拌下に、エキソ−エンド−TCDE/エンド−エンド−TCDE=88%/22%の混合物15.8g(0.1mol)をEDC15.8gに溶解した溶液を33〜38℃で1時間かけて滴下した。続いて、発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)42.0g(0.6mol)を32〜40℃で10分かけて滴下した。続いて、40℃〜50℃までを6時間かけて昇温してから、前半を50℃で16時間、更に50℃〜65℃までを3時間かけて昇温してから、後半を65℃で20時間攪拌した。
【0055】
続いて氷冷してからEDC30mLを添加し、攪拌後、ろ過し、ケーキをEDC30mLで2回洗浄し、減圧乾燥するとエキソ−エンド−BOTCの一次淡黄色結晶10.2g(純度98%)(収率40.0%)が得られた。
【0056】
更に、ろ液とEDC洗液を混合してから、重量が30gまで濃縮してからEDC30mLを加えた後、氷冷すると結晶が析出した。この結晶をろ過後、EDCで洗浄し、減圧乾燥するとエキソ−エンド−BOTCの二次結晶1.2g(純度90%)(収率4.0%)が得られた。
【0057】
次に、前記一次結晶10.2gにアセトニトリル40gを加え80℃で30分攪拌した。続いて、氷冷してからろ過、酢酸エチル30mLで2回洗浄後減圧乾燥すると白色結晶8.6gが得られた。この結晶は
1H NMR分析結果より、純度100%のエキソ−エンド−BOTCであることを確認した。
m.p.(℃):255〜260℃
【0058】
実施例5
攪拌羽付き500mLの四つ口反応フラスコに、硝酸(濃度69〜70重量%、密度1.42g/ml)18.0g(0.2mol)、発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)14.0g(0.2mol)及びEDC15.8gを仕込み、機械攪拌下に、エキソ−エンド−TCDE/エンド−エンド−TCDE=88%/22%の混合物15.8g(0.1mol)をEDC15.8gに溶解した溶液を30〜37℃で1時間かけて滴下した。続いて,発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)42.0g(0.6mol)を30〜33℃で20分かけて滴下した。続いて、33℃〜50℃までを5時間かけて昇温してから、前半を50℃で16時間、更に50℃〜65℃までを9時間かけて昇温してから、後半を65℃で20時間攪拌した。
【0059】
続いて氷冷してからEDC30mLを添加し、攪拌後、ろ過し、ケーキをEDC20mLで2回洗浄し、減圧乾燥するとエキソ−エンド−BOTC一次淡黄色結晶10.4g(純度98%)(収率40.0%)が得られた。
【0060】
次に、前記一次結晶10.0gに水200gを加え120℃油浴で加温攪拌して溶解を確認してから、活性炭2gを加えて120℃で1時間30分攪拌した。続いて、熱濾過して得られたろ液を85gまで濃縮してから氷冷し、析出した結晶をろ過、減圧乾燥すると白色結晶7.51gが得られた。この結晶は
1H NMR分析結果より、純度100%のエキソ−エンド−BOTCであることを確認した。
m.p.(℃):255〜260℃
【0061】
実施例6
500mLの四つ口反応フラスコに、硝酸(濃度69〜70重量%、密度1.42g/ml)18.0g(0.2mol)、発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)14.0g(0.2mol)及びEDC15.8gを仕込み、マグネチックスターラー攪拌下に、エキソ−エンド−TCDE/エンド−エンド−TCDE=88%/22%の混合物15.8g(0.1mol)をEDC15.8gに溶解した溶液を30〜40℃で1時間かけて滴下した。30〜25℃で20分攪拌した後、発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)42.0g(0.6mol)を33〜40℃で50分かけて滴下した。
【0062】
続いて、40℃〜50℃までを6時間かけて昇温してから、前半を50℃で16時間、更に50℃〜70℃までを4時間かけて昇温してから、後半を70℃で17時間攪拌した。
続いて氷冷してからろ過し、ケーキをEDC30mLで洗浄し、減圧乾燥するとエキソ−エンド−BOTCの一次淡黄色結晶12.2g(純度90%)(収率43.6%)が得られた。
【0063】
次に、前記一次結晶8.1gに水227g(28重量倍)を加え110℃油浴で加温攪拌して20分後溶解を確認してから、内温96℃で20分攪拌した。続いて、熱濾過した後微少の残渣を水32g(4重量倍)で水洗し、ろ液と洗液の混合液を氷冷し、析出した結晶をろ過、減圧乾燥すると白色結晶5.85gが得られた。この結晶は
1H NMR分析結果より、純度100%のエキソ−エンド−BOTCであることを確認した。
m.p.(℃):265〜267℃
【0064】
実施例7
攪拌羽付き500mLの四つ口反応フラスコに、硝酸(濃度69〜70重量%、密度1.42g/ml)18.0g(0.2mol)、発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)14.0g(0.2mol)及びEDC15.8gを仕込み、機械攪拌下に、エキソ−エンド−TCDE/エンド−エンド−TCDE=88%/22%の混合物15.8g(0.1mol)をEDC15.8gに溶解した溶液を30〜40℃で1時間かけて滴下した。30〜25℃で20分攪拌した後、発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)42.0g(0.6mol)を33〜40℃で1時間かけて滴下した。
【0065】
続いて、40℃〜50℃までを6時間かけて昇温してから、前半を50℃で15時間、更に50℃〜75℃までを7時間かけて昇温してから、後半を75℃で24時間攪拌した。
続いて氷冷してから酢酸エチル/n−ヘプタン=1/1の30mLを加えてスラリー化してからろ過し、ケーキを酢酸エチル/n−ヘプタン=1/1の30mLを加えて洗浄し、減圧乾燥するとエキソ−エンド−BOTCの一次淡黄色結晶12.0g(純度95%)(収率45.3%)が得られた。
【0066】
実施例8
攪拌羽付き500mLの四つ口反応フラスコに、硝酸(濃度69〜70重量%、密度1.42g/ml)18.0g(0.2mol)、発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)14.0g(0.2mol)及びEDC15.8gを仕込み、機械攪拌下に、エキソ−エンド−TCDE/エンド−エンド−TCDE=88%/22%の混合物15.8g(0.1mol)をEDC15.8gに溶解した溶液を25〜37℃で1時間20分かけて滴下した。30〜25℃で20分攪拌した後、発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)42.0g(0.6mol)を27〜30℃で1時間かけて滴下した。
【0067】
続いて、30℃〜50℃までを5時間30分かけて昇温してから、前半を50℃で16時間、更に50℃〜80℃までを8時間30分かけて昇温してから、後半を80℃で17時間攪拌した。
【0068】
続いて氷冷してから酢酸エチル/n−ヘプタン=1/1の30mLを加えてスラリー化してからろ過し、ケーキを酢酸エチル/n−ヘプタン=1/1の30mLを加えて洗浄し、減圧乾燥するとエキソ−エンド−BOTCの一次淡黄色結晶10.6g(純度95%)(収率40.1%)が得られた。
【0069】
実施例9
攪拌羽付き500mLの四つ口反応フラスコに、硝酸(濃度69〜70重量%、密度1.42g/ml)18.0g(0.2mol)、発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)14.0g(0.2mol)及びEDC15.8gを仕込み、機械攪拌下に、エキソ−エンド−TCDE/エンド−エンド−TCDE=88%/22%の混合物15.8g(0.1mol)をEDC15.8gに溶解した溶液を25〜30℃で1時間35分かけて滴下した。30〜25℃で15分攪拌した後、発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)42.0g(0.6mol)を25〜30℃で25分かけて滴下した。
【0070】
続いて、30℃〜45℃までを6時間かけて昇温してから、前半を45℃で16時間30分、更に45℃〜70℃までを8時間30分かけて昇温してから、後半を70℃で15時間攪拌した後、更に75℃で8時間攪拌を続けた。
【0071】
続いて氷冷してから酢酸エチル/n−ヘプタン=1/1の30mLを加えてスラリー化してからろ過し、ケーキを酢酸エチル/n−ヘプタン=1/1の30mLを加えて洗浄し、減圧乾燥するとエキソ−エンド−BOTCの一次淡黄色結晶10.7g(純度95%)(収率40.4%)が得られた。
【0072】
比較例1(オゾン法)
20Lの反応槽にメタノール10.4Lを仕込み、−40℃に冷却した後、攪拌下にエキソ−エンド−TCDE/エンド−エンド−TCDE=83%/27%の混合物0.625kg(3.95mol)を滴下した。続いて、オゾン発生機からオゾンを含む酸素ガス(オゾン発生量:100g/hr)を25〜30NL/min.の流速で5時間送入した。この間の液温は−27〜−36℃(浴温:−40〜−50℃)であった。その後窒素でバブリングした後、一夜静置した。
【0073】
続いて、浴温35℃で1.33kPa(10mmHg)まで濃縮し、粘性油状物1.61kgが得られた。更に、浴温35℃で酢酸2Lを加えて攪拌溶解した後、氷水で冷却して一夜静置した。
【0074】
次に蟻酸2Lを5℃以下で滴下し、オゾニド/酢酸/蟻酸溶液を得た。
10L反応槽に35%過酸化水素水0.77L(8.95mol)、酢酸0.47L及び蟻酸0.47Lを仕込み、56℃に昇温したところに、オゾニド溶液0.41Lを液温が60℃以下に調節しながら注意深く滴下した。
【0075】
滴下発熱終了後1.5時間経過してから、再びオゾニド溶液1.73Lを液温が52〜62℃で1.5時間かけて滴下した。続いて35%過酸化水素水0.77L(8.95mol)を液温が59〜61℃で0.5時間かけて滴下した。
再びオゾニド溶液1.73Lを液温が59〜61℃で1時間かけて滴下した。続いて35%過酸化水素水0.77L(8.95mol)を液温が58〜59℃で滴下した。
再びオゾニド溶液1.73Lを液温が61〜63℃で0.5時間かけて滴下した。発熱反応が終了するまで攪拌を3.5時間(液温65℃以下に調整)続けた。その後4℃に冷却し、一夜静置した。
【0076】
次に4℃〜90℃に5時間かけて昇温(77℃付近で発熱あり)し、92〜94℃で2時間攪拌した後、放冷(徐々に室温に戻し)一夜攪拌した。
続いて、ろ過後100mLのアセトンで2回洗浄した後、減圧乾燥することにより白色結晶0.485kg(収率42.0%)が得られた。この結晶の異性対比を分析の結果、目的とするエキソ−エンド−BOTC純度は87%(収率36%)で、不純物であるエンド−エンド−BOTCは13%(収率6%)含有していることが判明した。尚、KびMnの金属分析結果は、1ppm以下であった。
【0077】
続いて、この結晶を用いて、次の脱水工程を検討した結果、得られた結晶中の目的とする2−エキソ−4−エキソ−6−エンド−8−エンド−BODA純度は83%で、再結晶化を繰り返しても重合評価用純度までには到達できなかった。
【0078】
比較例2(KMnO
4法)
攪拌羽付き2Lの四つ口反応フラスコに、エキソ−エンド−TCDE/エンド−エンド−TCDE=83%/17%の混合物10g(63mmol)と水1Lg仕込み、攪拌下に過マンガン酸カリウム(KMnO
4)53.8g(340mmol)(5.4モル倍)を25℃〜34℃間で2時間かけて添加した。続いて25℃で18時間攪拌を続け反応を停止させた。その後ろ過により固形分を除いた後、ろ液を60mLまで濃縮した。続いて、冷却しながら35%塩酸水35gを注意深く滴下し酸性にしてから、一夜静置した。
【0079】
析出した結晶を水洗後、減圧乾燥することにより白色結晶6.85g(収率38%)が得られた。この結晶の異性対比を分析の結果、目的とするエキソ−エンド−BOTC純度は94%で、不純物であるエンド−エンド−BOTCは6%含有していることが判明した。K及びMnの金属分析結果は、Kは0.11%含有し、Mnは1ppm以下であった。
【0080】
次にここで得られたBOTCに10モル倍の無水酢酸を加えて、160℃で4時間脱水反応させた後濃縮してから、1,4−ジオキサンで再結晶させて得率54%で得られた結晶の分析結果は、2−エキソ−4−エキソ−6−エンド−8−エンド−BODA純度が96%であったが、金属分析の結果は、Kは0.28%含有して居り、次の重合反応に使用することができなかった。
【0081】
比較例3 (順滴下法:EDC溶媒)
500mL四つ口反応フラスコに、エキソ−エンド−TCDE/エンド−エンド−TCDE=88%/22%の混合物15.8g(0.1mol)とEDC15.8gを仕込んだ。これに対し27℃で硝酸(濃度69〜70重量%、密度1.42g/ml)4.5g(0.05mol)、続いて発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)3.5g(0.05mol)を滴下した。次に、46℃で硝酸(濃度69〜70重量%、密度1.42g/ml)13.5g(0.25mol)を30分かけて滴下した。
【0082】
続いて50〜55℃で発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)38.5g(0.55mol)を30分かけて滴下した。更に、52℃で23時間攪拌した。
再び、発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)14g(0.2mol)を52℃で5分かけて滴下してから、52℃で32時間攪拌した。
【0083】
続いて氷冷してからEDC30mlを添加し、攪拌後、ろ過し、ケーキをEDC30mlで2回洗浄し、減圧乾燥するとエキソ−エンド−BOTC一次白色結晶5.3gが得られた。この結晶は
1H NMR分析結果より、目的とするエキソ−エンド−BOTC純度は40%であった。
【0084】
比較例4 (順滴下法:無溶媒)
500mLの四つ口反応フラスコにエキソ−エンド−TCDE/エンド−エンド−TCDE=88%/22%の混合物15.8g(0.1mol)を仕込んだ。これに対し、40℃で硝酸(濃度69〜70重量%、密度1.42g/ml)36g(0.4mol)を30分かけて滴下した後、続いて発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)7g(0.1mol)を滴下した。次に、40℃で発煙硝酸(濃度90〜94重量%、密度1.50g/ml)7g(0.1mol)を10分で滴下し、更に、硝酸(濃度69〜70重量%、密度1.42g/ml)36g(0.4mol)を10分かけて滴下した。続いて50℃で22時間攪拌した。更に、52〜57℃で24時間攪拌した。
【0085】
続いて氷冷してからEDC30mlを添加し、攪拌後、ろ過し、ケーキをEDC30mlで2回洗浄し、減圧乾燥すると白色結晶14.5gが得られた。この結晶は
1H NMR分析結果より、目的とするエキソ−エンド−BOTC純度は20%であった。即ち、順滴下法は、生成結晶中の目的物純度が低く、精製が困難であった。
【0086】
参考例1:BODA合成
100mlの四つ口反応フラスコに実施例5で得られたBOTC一次晶を水から再結晶した白色結晶5.2g(18.1mmol)と無水酢酸37.0gを仕込み、マグネチックスターラー攪拌下に、昇温し120℃油浴で20分反応させると、スラリー液は均一透明液になった。更に10分間攪拌を続けた後反応を停止した後、重量16gまで濃縮してからスラリー液を氷冷した。この結晶をろ過した後、トルエンで2回洗浄してから、減圧乾燥すると白色結晶4.2g(16.8mmol)(収率92.8%)が得られた。
【0087】
この結晶は、MASS及び
1H NMR分析結果より、2−エキソ−4−エキソ−6−エンド−8−エンド−BODAであることを確認した。mp.231〜233℃
尚、この結晶の金属分析の結果、Kは、1ppm以下であった。
【0088】
【化12】