特許第5725301号(P5725301)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5725301
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】マイクロレンズ用感光性樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
   G02B 1/04 20060101AFI20150507BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20150507BHJP
   G03F 7/023 20060101ALI20150507BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20150507BHJP
   C08F 22/40 20060101ALI20150507BHJP
【FI】
   G02B1/04
   G02B3/00 A
   G03F7/023
   G03F7/004 501
   C08F22/40
【請求項の数】4
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-528690(P2011-528690)
(86)(22)【出願日】2010年6月21日
(86)【国際出願番号】JP2010060476
(87)【国際公開番号】WO2011024545
(87)【国際公開日】20110303
【審査請求日】2013年6月21日
(31)【優先権主張番号】特願2009-193108(P2009-193108)
(32)【優先日】2009年8月24日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104385
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100163360
【弁理士】
【氏名又は名称】伴 知篤
(72)【発明者】
【氏名】岸岡 高広
(72)【発明者】
【氏名】坂口 崇洋
【審査官】 横川 美穂
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/116764(WO,A1)
【文献】 特開2009−179770(JP,A)
【文献】 特開2009−157038(JP,A)
【文献】 特開2002−341137(JP,A)
【文献】 特開昭61−264036(JP,A)
【文献】 特開昭61−016955(JP,A)
【文献】 特開昭60−135453(JP,A)
【文献】 特開平6−049302(JP,A)
【文献】 特開2005−114968(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 1/04
C08F 22/40
G02B 3/00
G03F 7/004
G03F 7/023
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有するマイクロレンズ用感光性樹脂組成物。
(A)成分:下記式(7)、式(8)、式(9)、式(10)、式(11)又は式(12)で表される構造単位を有する共重合体
(B)成分:架橋剤
(C)成分:感光剤
【化1】
【請求項2】
前記共重合体の重量平均分子量が1000乃至30000である、請求項1に記載のマイクロレンズ用感光性樹脂組成物。
【請求項3】
請求項1又は請求項に記載のマイクロレンズ用感光性樹脂組成物から得られる硬化膜。
【請求項4】
請求項1又は請求項に記載の感光性樹脂組成物から作製されるマイクロレンズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロレンズ用感光性樹脂組成物に関する。より詳しくは、透明性、耐熱性、耐熱変色性及び耐溶剤性を著しく改善することができるマイクロレンズ用感光性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、マイクロレンズの形成材料としてはポリヒドロキシスチレンが知られている。しかしながら、次のような問題があり、改良すべき余地があった。前記ポリヒドロキシスチレンをマイクロレンズの形成材料として用いた場合、高温での加熱により、マイクロレンズの半球形状が変化しやすく、安定した形状のマイクロレンズの形成が困難である。また、ポリヒドロキシスチレンは熱処理により着色しやすく、透明性が劣化する傾向があり、マイクロレンズの使用時に着色が認められる場合がある。
【0003】
ところで、マレイミド系共重合体を含有するフォトレジスト組成物、反射防止膜形成組成物、液浸リソグラフィー用レジスト保護膜形成用材料等が提案されている(特許文献1〜4)。
また、液晶ディスプレイ(LCD)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ装置等のディスプレイ装置の絶縁膜の開発を目的に、インデンとマレイミドとN−置換マレイミドからなるアルカリ可溶性共重合体、1,2−ナフトキノンジアジド化合物、架橋剤を含有する感放射線性樹脂組成物を用いることを特徴とするディスプレイ装置の絶縁膜形成方法が提案されている(特許文献5)。
さらに、多官能(メタ)アクリレートとの相溶性に非常に優れ、また、アルカリ可溶性も良好であり、したがって、このような特徴が要求される各種用途に好適に用いることを目的に、無置換マレイミド由来の単量体構造単位、スチレン類由来の単量体構造単位、(メタ)アクリル酸由来の単量体構造を含有することを特徴とする、マレイミド系共重合体が提案されている(特許文献6)。
しかし、これら従来文献は、マイクロレンズ用感光性樹脂組成物としての用途の提供を目的とするものでなく、かつ、無置換マレイミド又は無置換マレイミド及びN−置換マレイミド単位構造を有する共重合体のマイクロレンズ用感光性樹脂組成物への適用について具体的な手段及び効果は示唆されていない。
【0004】
また、[A](a1)不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸無水物、(a2)エポキシ基含有不飽和化合物、(a3)マレイミド系モノマー及び(a4)その他のオレフィン系不飽和化合物の重合体、並びに、[B]1,2−キノンジアジド化合物が含有されていることを特徴とする、感放射線性樹脂組成物が報告されている(特許文献7)。しかし、この文献に報告された感放射線性樹脂組成物は、高い感放射線が得られ、耐溶剤性、耐熱性、透明性及び耐熱変色性に優れたパターン状薄膜を容易に形成できると説明しているが、当該組成物から形成されたパターン形状やその耐熱性までは示唆していない。また、マレイミド系モノマーとして、無置換マレイミドは記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,586,560(B1)号明細書
【特許文献2】特公平6−23842号公報
【特許文献3】特開2008−303315号公報
【特許文献4】特開2002−323771号公報
【特許文献5】特開2003−131375号公報
【特許文献6】特開2004−224894号公報
【特許文献7】特開2001−354822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、その解決しようとする課題は、透明性、耐熱性、耐熱変色性、耐溶剤性、及びパターニング性を著しく改善することができるマイクロレンズ用感光性樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、第1観点として、
(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有するマイクロレンズ用感光性樹脂組成物。
(A)成分:下記式(1)で表されるマレイミド構造単位に加えて、下記式(2)で表される少なくとも1種のN−置換マレイミド構造単位を有する重合体
(B)成分:架橋剤
(C)成分:感光剤
【化1】

(式中、Xは炭素原子数1乃至5のアルキル基、炭素原子数5又は6のシクロアルキル基、フェニル基又はベンジル基を表す。但し、該アルキル基、該シクロアルキル基、該フェニル基及び該ベンジル基は、水素原子の一部又は全てがハロゲン原子、カルボキシル基又はヒドロキシル基で置換されていても良い。)
【0008】
第2観点として、前記(A)成分が、さらに、下記式(3)、式(4)又は式(5)で表される少なくとも1種の構造単位を有する共重合体である、第観点に記載のマイクロレンズ用感光性樹脂組成物。
【化2】

(式中、Yはフェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、カルバゾール基又は炭素原子数1乃至8のアルコキシ基を表す。但し、該フェニル基、該ナフチル基、該ビフェニリル基及び該カルバゾール基は、水素原子の一部又は全てが炭素原子数1乃至10のアルキル基
又はハロゲン原子で置換されていても良い。)
【0009】
第3観点として、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分を含有するマイクロレンズ用感光性樹脂組成物。
(A)成分:下記式(1)で表されるマレイミド構造単位に加えて、下記式(3)で表される構造単位を有し、前記式(1)で表されるマレイミド構造単位と該式(3)で表される構造単位のモル比が20〜70:80〜30である共重合体
(B)成分:架橋剤
(C)成分:感光剤
【化3】

(式中、Yはフェニル基又はナフチル基を表す。但し、該フェニル基及び該ナフチル基は、水素原子の一部又は全てがtert−ブチル基で置換されていても良い。)
【0010】
第4観点として、前記重合体の重量平均分子量が1000乃至30000である、第1観点乃至第3観点のうちいずれかに記載のマイクロレンズ用感光性樹脂組成物。
第5観点として、第1観点乃至第4観点のうちいずれかに記載のマイクロレンズ用感光性樹脂組成物から得られる硬化膜。
第6観点として、第1観点乃至第4観点のうちいずれかに記載のマイクロレンズ用感光性樹脂組成物から作製されるマイクロレンズ。
【発明の効果】
【0011】
本発明のマイクロレンズ用感光性樹脂組成物から形成される膜は、優れた透明性、耐熱性、耐熱変色性及び耐溶剤性を有することが可能である。
また、本発明のマイクロレンズ用感光性樹脂組成物から形成されたパターンも優れた耐熱性を有することが可能である。
さらに本発明のマイクロレンズ用感光性樹脂組成物に含有されるN−置換マレイミドの種類を変えることで、当該組成物から屈折率が異なる様々なマイクロレンズを形成することができる。
以上より、本発明のマイクロレンズ用感光性樹脂組成物から形成される膜は、その形成工程、または配線等の周辺装置の形成工程において、高温での加熱処理が行われる場合にマイクロレンズが着色し、レンズ形状が変形する可能性を著しく減少できる。また、マイクロレンズ形成後に電極、配線形成工程が行われる場合には、有機溶剤によるマイクロレンズの変形、剥離といった問題も著しく減少できる。
したがって、本発明のマイクロレンズ用感光性樹脂組成物は、マイクロレンズ材料を形成する材料として好適である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、(A)成分のマレイミド構造単位を有する重合体と、(B)成分の架橋剤、及び(C)成分の感光剤を含有するマイクロレンズ用感光性樹脂組成物である。
以下、各成分の詳細を説明する。
本発明のマイクロレンズ用感光樹脂組成物から溶剤を除いた固形分は通常、1乃至50質量%である。
【0013】
<(A)成分>
本発明の(A)成分は、少なくとも下記式(1)で表されるマレイミド構造単位を有する重合体である。
【化4】
【0014】
また、本発明の(A)成分は、上記式(1)で表されるマレイミド構造単位以外の構造単位として、下記式(2)で表される1種又は2種以上のN−置換マレイミド構造単位を有する共重合体であってもよい。
【化5】
(式中、Xは炭素原子数1乃至5のアルキル基、炭素原子数5又は6のシクロアルキル基、フェニル基又はベンジル基を表す。但し、該アルキル基、該シクロアルキル基、該フェニル基及び該ベンジル基は、水素原子の一部又は全てがハロゲン原子、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基又はニトロ基で置換されていても良い。)
【0015】
さらに、本発明の(A)成分は、上記式(1)で表される構造単位以外の構造単位として、上記式(2)で表される構造単位に代えて、又は上記式(2)で表される構造単位と共に、下記式(3)、式(4)又は式(5)で表される1種又は2種以上の構造単位を有する共重合体であっても良い。
【化6】
(式中、Yはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、ビフェニリル基、カルバゾール基又は炭素原子数1乃至8のアルコキシ基を表す。但し、該フェニル基、該ナフチル基、該アントラセニル基、該ビフェニリル基及び該カルバゾール基は、水素原子の一部又は全てが炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数5又は6のシクロアルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基又はニトロ基で置換されていても良い。)
【0016】
ここで、前記(A)成分の重合体が、上記式(1)で表される重合体以外として、上記式(2)及び/又は上記式(3)で表される構造単位を有する共重合体の場合は、上記式(1)と上記式(2)及び/又は上記式(3)とのモル比は通常、10〜90:90〜10であり、好ましくは20〜70:80〜30である。この(A)成分の共重合体において、アルキル基は分枝アルキル基、直鎖アルキル基いずれでもよく、分枝アルキル基としては、例えばtert−ブチル基を挙げることができる。
【0017】
上記重合体の重量平均分子量は通常、1000乃至30000であり、好ましくは1500乃至20000である。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準試料としてポリスチレンを用いて得られる値である。
【0018】
また、本発明のマイクロレンズ用感光性樹脂組成物における(A)成分の含有量は、当該マイクロレンズ用感光性樹脂組成物の固形分中の含有量に基づいて通常、1乃至99質量%であり、好ましくは10乃至95質量%である。
【0019】
本発明において、上記式(1)で表されるマレイミド構造単位及び上記式(2)で表される1種又は2種以上のN−置換マレイミド構造単位を有する重合体、又は、上記式(1)で表されるマレイミド構造単位及び上記式(3)、式(4)又は式(5)で表される1種又は2種以上の構造単位を有する重合体を得る方法は特に限定されないが、一般的には、上述した重合体を得るために用いるモノマー種を含むモノマー混合物を重合溶媒中、通常50乃至110℃の温度下で重合反応させることにより得られる。
【0020】
<(B)成分>
本発明の(B)成分である架橋剤は、熱や酸の作用により、樹脂等の配合組成物や他の架橋剤分子との結合を形成する化合物である。当該架橋剤としては、例えば、多官能(メタ)アクリレート化合物、エポキシ化合物、ヒドロキシメチル基置換フェノール化合物、及びアルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物等を挙げることができる。
これらの架橋剤は、単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】
上記多官能(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレングルコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、及びビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0022】
上記エポキシ化合物としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、及び脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0023】
上記ヒドロキシメチル基置換フェノール化合物としては、例えば、2−ヒドロキシメチル−4,6−ジメチルフェノール、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、及び3,5−ジヒドロキシメチル−4−メトキシトルエン[2,6−ビス(ヒドロキシメチル)−p−クレゾール]等を挙げることができる。
【0024】
上記アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物としては、例えば、(ポリ)メチロール化メラミン、(ポリ)メチロール化グリコールウリル、(ポリ)メチロール化ベンゾグアナミン、(ポリ)メチロール化ウレア等の、一分子内に複数個の活性メチロール基を有する含窒素化合物であって、そのメチロール基のヒドロキシル基の水素原子の少なくとも一つが、メチル基やブチル基等のアルキル基によって置換された化合物等を挙げることができる。
【0025】
アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物は、複数の置換化合物を混合した混合物であることがあり、一部自己縮合してなるオリゴマー成分を含むものも存在するが、それらも使用することができる。より具体的には、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン(日本サイテックインダストリーズ(株)製「CYMEL(登録商標)303」)、テトラブトキシメチルグリコールウリル(日本サイテックインダストリーズ(株)製「CYMEL(登録商標)1170」)、テトラメトキシメチルベンゾグアナミン(日本サイテックインダストリーズ(株)製「CYMEL(登録商標)1123」)等のサイメルシリーズの商品、メチル化メラミン樹脂((株)三和ケミカル製「ニカラック(登録商標)MW−30HM」、「ニカラック(登録商標)MW−390」、「ニカラック(登録商標)MW−100LM」、「ニカラック(登録商標)MX−750LM」)、メチル化尿素樹脂((株)三和ケミカル製「ニカラック(登録商標)MX−270」、「ニカラック(登録商標)MX−280」、「ニカラック(登録商標)MX−290」)等のニカラックシリーズの商品等を挙げることができる。
アルコキシアルキル化されたアミノ基を有する化合物のうち、下記式(6)で表されるヘキサメトキシメチルメラミンが好ましい。
【化7】
【0026】
本発明のマイクロレンズ用感光性樹脂組成物における(B)成分の含有量は、当該マイクロレンズ用感光性樹脂組成物の固形分中の含有量に基づいて通常、1乃至50質量%である。
【0027】
<(C)成分>
本発明の(C)成分である感光剤としては、感光成分として使用できる化合物であれば、特に限定されるものでないが、1,2−ナフトキノンジアジド化合物が好ましい。
前記1,2−ナフトキノンジアジド化合物としては、ヒドロキシル基を有する化合物であって、これらのヒドロキシル基のうち、10乃至100モル%、好ましくは20乃至95モル%が1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル化された化合物を用いることができる。
【0028】
前記ヒドロキシル基を有する化合物としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、ハイドロキノン、レゾルシノール、カテコール、ガリック酸メチル、ガリック酸エチル、1,3,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシフェニルスルホン、4,4−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェノール、4,4’,4’’―トリスヒドロキシフェニルエタン、1,1,1−トリスヒドロキシフェニルエタン、4,4’−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,5−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)メチルなどのフェノール化合物、エタノール、2−プロパノール、4−ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−メトキシプロパノール、2−ブトキシプロパノール、乳酸エチル、乳酸ブチルなどの脂肪族アルコール類を挙げることができる。
【0029】
また、これらの感光剤は、単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
本発明のマイクロレンズ用感光性樹脂組成物における(C)成分の含有量は、当該マイクロレンズ用感光性樹脂組成物の固形分中の含有量に基づいて通常、1乃至50質量%である。
【0031】
本発明のマイクロレンズ形成用組成物の調製方法は、特に限定されないが、例えば、(A)成分である重合体を溶剤に溶解し、この溶液に(B)成分である架橋剤及び(C)成分である感光剤を所定の割合で混合し、均一な溶液とする方法が挙げられる。さらに、この調製方法の適当な段階において、必要に応じて、その他の添加剤を更に添加して混合する方法が挙げられる。
【0032】
上記溶剤としては、(A)成分乃至(C)成分を溶解するものであれば特に限定されない。
そのような溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。
【0033】
これらの溶剤は、単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0034】
これらの溶剤の中でも、塗膜のレベリング性の向上の観点より、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−ヘプタノン、乳酸エチル、乳酸ブチル及びシクロヘキサノンが好ましい。
【0035】
また、本発明のマイクロレンズ形成用組成物は、塗布性を向上させる目的で、界面活性剤を含有することもできる。
当該界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップ(登録商標)EF301、EF303、EF352(三菱マテリアル電子化成株式会社(旧(株)ジェムコ)製)、メガファック(登録商標)F171、F173、R30(DIC株式会社(旧大日本インキ化学工業(株))製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガード(登録商標)AG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。
【0036】
上記界面活性剤は、単独又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0037】
また、上記界面活性剤が使用される場合、本発明のマイクロレンズ形成用組成物における含有量は、当該マイクロレンズ形成用組成物の固形分中の含有量に基づいて、3質量%以下であり、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下である。
【0038】
また、本発明のマイクロレンズ用樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、硬化助剤、紫外線吸収剤、増感剤、可塑剤、酸化防止剤、密着助剤等の添加剤を含むことができる。
【0039】
以下、本発明のマイクロレンズ用感光性樹脂組成物の使用について説明する。
【0040】
基板{例えば、酸化珪素膜で被膜されたシリコン等の半導体基板、窒化珪素膜又は酸化窒化珪素膜で被膜されたシリコン等の半導体基板、窒化珪素基板、石英基板、ガラス基板(無アルカリガラス、低アルカリガラス、結晶化ガラスを含む)、ITO膜が形成されたガラス基板等}上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法により本発明のマイクロレンズ用感光性樹脂組成物が塗布され、その後、ホットプレート等の加熱手段を用いてプリベークすることにより、塗膜が形成される。
【0041】
プリベーク条件としては、ベーク温度80乃至250℃、ベーク時間0.3乃至60分間の中から適宜選択され、好ましくは、ベーク温度80乃至150℃、ベーク時間0.5乃至5分間である。
【0042】
また、本発明のマイクロレンズ形成用組成物から形成される膜の膜厚としては、0.005乃至3.0μmであり、好ましくは0.01乃至1.0μmである。
【0043】
次に、上記で得られた膜上に、所定のパターンを形成するためのマスク(レチクル)を通して露光が行われる。露光には、g線及びi線等の紫外線、KrFエキシマレーザー等の遠赤外線を使用することができる。露光後、必要に応じて露光後加熱(Post Exposure Bake)が行われる。露光後加熱の条件としては、加熱温度80乃至150℃、加熱時間0.3乃至60分間の中から適宜選択される。そして、アルカリ現像液で現像される。
【0044】
上記アルカリ性現像液としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、コリン等の水酸化四級アンモニウムの水溶液、エタノールアミン、プロピルアミン、エチレンジアミン等のアミン水溶液等のアルカリ性水溶液等が挙げることができる。
さらに、これらの現像液に界面活性剤等を加えることもできる。
【0045】
現像の条件としては、現像温度5乃至50℃、現像時間10乃至300秒から適宜選択される。本発明のマイクロレンズ形成用組成物から形成される膜は、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて、室温で容易に現像を行うことができる。現像後、超純水等を用いてリンスを行う。
【0046】
さらに、g線及びi線等の紫外線、KrFエキシマレーザー等を用い、基板を全面露光する。その後、ホットプレート等の加熱手段を用いてポストベークする。ポストベーク条件としては、ベーク温度100乃至250℃、ベーク時間0.5乃至60分間の中から適宜選択される。
【実施例】
【0047】
以下に実施例及び比較例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでない。
[下記合成例で得られたポリマーの重量平均分子量の測定]
装置:日本分光(株)製GPCシステム
カラム:Shodex〔登録商標〕KL−804L及び803L
カラムオーブン:40℃
流量:1ml/分
溶離液:テトラヒドロフラン
【0048】
[ポリマーの合成]
<合成例1>
マレイミド9.6g、N−シクロヘキシルマレイミド20g、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル1.8gを2−ブタノン47.1gに溶解させた後、この溶液を2−ブタノン78.5gが加熱還流されているフラスコ中に4時間かけて滴下した。滴下終了後、4時間反応させた。この反応溶液を室温に冷却後、ヘキサン/ジエチルエーテル混合溶媒に投入してポリマーを再沈殿させ、減圧乾燥して、下記式(7)で表される構造単位を有するポリマー(共重合体)を得た。
得られたポリマーの重量平均分子量Mwは10,400(ポリスチレン換算)であった。
【化9】
【0049】
<合成例2>
マレイミド7.5g、N−フェニルマレイミド15g、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル1.4gを2−ブタノン35.7gに溶解させた後、この溶液を2−ブタノン59.5gが加熱還流されているフラスコ中に2時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間反応させた。この反応溶液を室温に冷却後、ヘキサン/ジエチルエーテル混合溶媒に投入してポリマーを再沈殿させ、減圧乾燥して、下記式(8)で表される構造単位を有するポリマー(共重合体)を得た。
得られたポリマーの重量平均分子量Mwは8,200(ポリスチレン換算)であった。
【化10】
【0050】
<合成例3>
マレイミド4.7g、N−2,4,6−トリクロロフェニルマレイミド15g、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル1.2gを2−ブタノン31.3gに溶解させた後、この溶液を2−ブタノン52.1gが加熱還流されているフラスコ中に2時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間反応させた。この反応溶液を室温に冷却後、ヘキサン/ジエチルエーテル混合溶媒に投入してポリマーを再沈殿させ、減圧乾燥して、下記式(9)で表される構造単位を有するポリマー(共重合体)を得た。
得られたポリマーの重量平均分子量Mwは3,000(ポリスチレン換算)であった。
【化11】
【0051】
<合成例4>
マレイミド6.9g、N−ベンジルマレイミド15g、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル1.3gを2−ブタノン34.8gに溶解させた後、この溶液を2−ブタノン58.0gが加熱還流されているフラスコ中に2時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間反応させた。この反応溶液を室温に冷却後、ヘキサン/ジエチルエーテル混合溶媒に投入してポリマーを再沈殿させ、減圧乾燥して、下記式(10)で表される構造単位を有するポリマー(共重合体)を得た。
得られたポリマーの重量平均分子量Mwは5,600(ポリスチレン換算)であった。
【化12】
【0052】
<合成例5>
マレイミド9g、N−シクロヘキシルマレイミド10g、n−ブチルビニルエーテル3.7g、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル1.4gを2−ブタノン36.2gに溶解させた後、この溶液を2−ブタノン60.3gが加熱還流されているフラスコ中に2時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間反応させた。この反応溶液を室温に冷却後、ヘキサン/ジエチルエーテル混合溶媒に投入してポリマーを再沈殿させ、減圧乾燥して、下記式(11)で表される構造単位を有するポリマー(共重合体)を得た。
得られたポリマーの重量平均分子量Mwは5,800(ポリスチレン換算)であった。
【化13】
【0053】
<合成例6>
マレイミド17g、2−ビニルナフタレン27g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2.2gをプロピレングリコールモノメチルエーテル108gに溶解し、窒素雰囲気下加熱して80℃に保ったプロピレングリコールモノメチルエーテル30gに2時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃で20時間反応させた。この反応溶液を室温に冷却後、メタノールに投入してポリマーを再沈殿させ、減圧乾燥して、下記式(12)で表される構造単位を有するポリマー(共重合体)を得た。
得られたポリマーの重量平均分子量Mwは7,300(ポリスチレン換算)であった。
【化14】
【0054】
[感光性樹脂組成物溶液の調製]
<実施例1〜5>
合成例1〜5で得られた(A)成分であるポリマー9g、(B)成分である架橋剤としてCYMEL(登録商標)303(日本サイテックインダストリーズ(株))2.7g、(C)成分である感光剤としてP−150(東洋合成工業(株)製)2.7g、界面活性剤としてメガファック(登録商標)R−30(DIC(株)製)0.04gをプロピレングリコールモノメチルエーテル32.9g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート32.9gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して感光性樹脂組成物溶液を調製した。
【0055】
<実施例6>
合成例6で得られた(A)成分であるポリマー9g、(B)成分である架橋剤としてCYMEL(登録商標)303(日本サイテックインダストリーズ(株))2.7g、(C)成分である感光剤としてP−200(東洋合成工業(株)製)2.7g、界面活性剤としてメガファック(登録商標)R−30(DIC(株)製)0.03gをプロピレングリコールモノメチルエーテル46.0g及び乳酸エチル19.7gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して感光性樹脂組成物溶液を調製した。
【0056】
<比較例1>
下記式(13)で表されるポリ(4−ビニルフェノール)(シグマアルドリッチジャパン(株)製、重量平均分子量Mw20,000)9g、感光剤としてP−200(東洋合成工業(株)製)2.7g、架橋剤としてCYMEL(登録商標)303(日本サイテックインダストリーズ(株))2.7g、界面活性剤としてメガファック(登録商標)R−30(DIC(株)製)0.03gをプロピレングリコールモノメチルエーテル46.0g及び乳酸エチル19.7gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いて濾過して感光性樹脂組成物溶液を調製した。
【化15】
【0057】
[透過率測定]
実施例1〜6及び比較例1で調製した感光性樹脂組成物溶液を、石英基板上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレート上において100℃で2分間プリベークした。次いで、紫外線照射装置PLA−501(F)(キャノン(株)製)により、365nmにおける照射量が500mJ/cm2の紫外線を全面照射した(フォトブリーチング)。次いで、ホットプレート上において200℃で5分間ポストベークを行い、膜厚1μmの膜を形成した。この膜を紫外線可視分光光度計UV−2550((株)島津製作所製)を用いて波長400nmの透過率を測定した。さらにこの膜を260℃で3分間加熱した後、波長400nmの透過率を測定した。評価の結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
表1の結果から、本発明の感光性樹脂組成物から形成された膜は、耐熱性が高く、260℃で加熱した後でもほとんど着色しないものであった。一方、比較例1については、200℃で5分間ポストベークの後、膜の透過率は95%であったが、さらに260℃で3分間加熱すると、膜の透過率は78%に低下した。
【0060】
[パターニング試験]
実施例1〜6及び比較例1で調製した感光性樹脂組成物溶液を、シリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレート上において100℃で2分間プリベークして、膜厚1μmの感光性樹脂膜を形成した。次いで、i線ステッパーNSR−2205i12D(NA=0.63)((株)ニコン製)を用いて、マスクを介して露光した。次いで、ホットプレート上において、100℃で2分間、露光後ベーク(PEB)し、TMAH水溶液(実施例1〜5は0.2質量%、実施例6及び比較例1は1.0質量%)で60秒間現像し、超純水で20秒間リンス、乾燥して2μm×2μmのドットパターンを形成した。さらに、前記i線ステッパーを用いて、500mJ/cm2のi線を全面照射し(フォトブリーチング)、ホットプレート上において200℃で5分間ポストベークを行った。さらに、この膜を260℃で3分間加熱した。走査型電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、現像・リンス・乾燥後、200℃ポストベーク後、及び260℃加熱後のパターンの観察を行った。評価の結果を表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】
表2において、200℃ポストベーク後及び260℃加熱後のパターンが、現像・リンス・乾燥後のパターン形状を維持している場合を「○」、リフローしてパターン形状を維持していない場合を「×」として評価した。
【0063】
表2の結果から、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成したパターンは、耐熱性が高く、200℃及び260℃のいずれの条件でもパターンがリフローしないものであった。
【0064】
[フォトレジスト溶剤への溶出試験]
実施例1〜6及び比較例1で調製した感光性樹脂組成物溶液をそれぞれ、シリコンウェハー上にスピンコーターを用いて塗布し、ホットプレート上において100℃で2分間プリベークした。次いで、紫外線照射装置PLA−501(F)(キャノン(株)製)により、365nmにおける照射量が500mJ/cm2の紫外線を全面照射した(フォトブリーチング)。次いで、ホットプレート上において200℃で5分間ポストベークを行い、膜厚1μmの膜を形成した。これらの膜を、アセトン、N−メチルピロリドン、2−プロパノール、及び2−ヘプタノンに、それぞれ23℃にて10分間浸漬した。いずれも、浸漬前後での膜厚変化が5%以下であることを確認した。