特許第5726136号(P5726136)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東京エレクトロン株式会社の特許一覧

特許5726136熱処理装置、熱処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体
<>
  • 特許5726136-熱処理装置、熱処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 図000002
  • 特許5726136-熱処理装置、熱処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 図000003
  • 特許5726136-熱処理装置、熱処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 図000004
  • 特許5726136-熱処理装置、熱処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 図000005
  • 特許5726136-熱処理装置、熱処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 図000006
  • 特許5726136-熱処理装置、熱処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 図000007
  • 特許5726136-熱処理装置、熱処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 図000008
  • 特許5726136-熱処理装置、熱処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 図000009
  • 特許5726136-熱処理装置、熱処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 図000010
  • 特許5726136-熱処理装置、熱処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 図000011
  • 特許5726136-熱処理装置、熱処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5726136
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年5月27日
(54)【発明の名称】熱処理装置、熱処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20150507BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
【請求項の数】16
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-171923(P2012-171923)
(22)【出願日】2012年8月2日
(65)【公開番号】特開2014-33043(P2014-33043A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2014年7月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】諸 翔憲
【審査官】 杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−007795(JP,A)
【文献】 特開2011−003601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67 − 21/687
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を1の処理容器内で熱処理する熱処理装置であって、
基板を載置して冷却する冷却機構と、
基板を載置して熱処理する第1の熱処理機構と、
平面視において前記冷却機構を挟んで前記第1の熱処理機構の反対側に設けられた第2の熱処理機構と、
前記冷却機構を、前記各熱処理機構上方の受け渡し位置と、基板を冷却する冷却位置との間で移動させる移動機構と、を有し、
前記冷却機構、前記第1の熱処理機構、前記第2の熱処理機構及び前記移動機構は、前記1の処理容器の内部に配置され、
前記1の処理容器の側面における前記冷却機構の冷却位置と対向する位置には、当該1の処理容器の外部に設けられた基板搬送機構により前記冷却機構に対して基板の受け渡しを行う搬入出口が形成されていることを特徴とする、熱処理装置。
【請求項2】
前記冷却機構は、上下方向に複数設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の熱処理装置。
【請求項3】
前記各熱処理機構は上下方向に複数設けられ、且つ上下方向に複数配置された前記冷却機構を挟んで配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の熱処理装置。
【請求項4】
前記冷却機構を挟んで配置された前記各熱処理機構は、同一の高さに位置しないように互い違いに配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の熱処理装置。
【請求項5】
前記移動機構は、前記冷却機構を水平方向に移動させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の熱処理装置。
【請求項6】
前記移動機構と共に前記冷却機構を鉛直方向に移動させる駆動機構をさらに有することを特徴とする、請求項5に記載の熱処理装置。
【請求項7】
前記各熱処理板には、前記受け渡し位置において前記冷却機構と基板の受け渡しを行う昇降ピンが設けられ、
前記冷却機構には、前記昇降ピンを挿通させるためのスリットが形成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の熱処理装置。
【請求項8】
基板を1の処理容器内で熱処理する熱処理装置を用い熱処理方法であって、
前記熱処理装置は、
基板を載置して冷却する冷却機構と、基板を載置して熱処理する第1の熱処理機構と、平面視において前記冷却機構を挟んで前記第1の熱処理機構の反対側に設けられた第2の熱処理機構と、前記冷却機構を、前記各熱処理機構上方の受け渡し位置と、基板を冷却する冷却位置との間で移動させる移動機構と、を有し、
前記冷却機構、前記第1の熱処理機構、前記第2の熱処理機構及び前記移動機構は、前記1の処理容器の内部に配置され、
前記1の処理容器の側面における前記冷却機構の冷却位置と対向する位置には、当該1の処理容器の外部に設けられた基板搬送機構により前記冷却機構に対して基板の受け渡しを行う搬入出口が形成され、
前記熱処理方法は、
前記基板搬送機構により前記冷却機構上に載置された基板を、前記移動機構により第1の熱処理機構または第2の熱処理機構のいずれかの上方の受渡位置に移動させ、
前記第1の熱処理機構または第2の熱処理機構のいずれかによって基板を熱処理し、
前記熱処理後の基板を前記冷却機構上に載置し、
前記冷却機構上に載置された基板を、前記移動機構により前記冷却位置に移動させ、
前記冷却位置において、前記冷却機構により基板を冷却することを特徴とする、熱処理方法。
【請求項9】
前記冷却機構は、上下方向に複数設けられていることを特徴とする、請求項8に記載の熱処理方法。
【請求項10】
前記各熱処理機構は上下方向に複数設けられ、且つ上下方向に複数配置された前記冷却機構を挟んで配置されていることを特徴とする、請求項9に記載の熱処理方法。
【請求項11】
前記冷却機構を挟んで配置された前記各熱処理機構は、同一の高さに位置しないように互い違いに配置されていることを特徴とする、請求項10に記載の熱処理方法。
【請求項12】
前記移動機構は、前記冷却機構を水平方向に移動させることを特徴とする、請求項8〜11のいずれかに記載の熱処理方法。
【請求項13】
前記移動機構と共に前記冷却機構を鉛直方向に移動させる駆動機構をさらに有することを特徴とする、請求項12に記載の熱処理方法。
【請求項14】
前記各熱処理板には、前記受け渡し位置において前記冷却機構と基板の受け渡しを行う昇降ピンが設けられ、
前記冷却機構には、前記昇降ピンを挿通させるためのスリットが形成されていることを特徴とする、請求項8〜13のいずれかに記載の熱処理方法。
【請求項15】
請求項8〜14のいずれかに記載の熱処理方法を熱処理装置によって実行させるように、当該熱処理装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の熱処理装置、基板の熱処理方法、プログラム及びコンピュータ記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体デバイスの製造工程におけるフォトリソグラフィー工程では、半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という)上にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布処理、レジスト膜を所定のパターンに露光する露光処理、露光されたレジスト膜を現像する現像処理、レジスト塗布処理後や露光処理後、現像処理後に行われる熱処理などの一連の処理が例えば塗布現像処理システムにより順次行われ、ウェハ上に所定のレジストパターンが形成される。
【0003】
上述した熱処理は、例えば特許文献1に記載された熱処理装置で行われる。熱処理装置には、ウェハを載置して加熱する熱板と、ウェハを載置して冷却(温度調節)する冷却板とが隣接して設けられている。熱板には、例えばヒータが内蔵されている。冷却板には、例えばペルチェ素子が内蔵されている。そして、例えば熱板でウェハを所定の温度で加熱した後、冷却板でウェハを常温に高精度に冷却する。このように熱処理装置では、ウェハに対する加熱処理と冷却処理の両方を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−3601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで上述の熱処理装置では、例えば図11に示すように、複数の冷却板350と熱板351を設ける場合、処理容器360内に冷却板350と熱板351を一対一で設け、その処理容器360を水平方向に並べるのが通常である。そして、各処理容器360内へのウェハの搬入出は搬送アーム(図示せず)が、処理容器360に形成された搬入出口361からアクセスすることにより行なわれる。
【0006】
ところで近年、ウェハの大径化が進み、従来の300mm径のウェハに代えて450mm径のウェハが主流となっている。ウェハの大径化に伴い、上述の熱板や冷却板そのものも大きくなるため、熱処理装置のフットプリントが増加してしまう。そのため、熱処理装置のフットプリントを小さくすることが求められている。
【0007】
その一方、ウェハ処理のスループットの観点からは、時間を要する工程である熱処理を効率よく行うために熱処理装置の設置台数は多いほうが好ましい。しかしながら、図11に示すような従来の熱処理装置では、例えば熱板351と冷却板350を2つずつ設けようとすると、最低でもウェハ4枚分のスペースが必要となっていた。そのため、フットプリントの低減と熱処理のスループット向上を両立させることが困難であった、
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、熱処理装置のフットプリントを低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するため、本発明は、基板を1の処理容器内で熱処理する熱処理装置であって、基板を載置して冷却する冷却機構と、基板を載置して熱処理する第1の熱処理機構と、平面視において前記冷却機構を挟んで前記第1の熱処理機構の反対側に設けられた第2の熱処理機構と、前記冷却機構を、前記各熱処理機構上方の受け渡し位置と、基板を冷却する冷却位置との間で移動させる移動機構と、を有し、前記冷却機構、前記第1の熱処理機構、前記第2の熱処理機構及び前記移動機構は、前記1の処理容器の内部に配置され、前記1の処理容器の側面における前記冷却機構の冷却位置と対向する位置には、当該1の処理容器の外部に設けられた基板搬送機構により前記冷却機構に対して基板の受け渡しを行う搬入出口が形成されていることを特徴としている。
【0010】
本発明によれば、冷却機構を挟んで第1の熱処理機構と第2の熱処理機構を配置している。また、冷却機構を各熱処理機構との間で移動させる移動機構を有している。かかる場合、2つの熱処理機構に対して1つの冷却機構で兼用できるので、冷却機構を従来のように更にもう1つ設ける必要がない。したがって、熱処理装置のフットプリントを低減することができる。
【0011】
記冷却機構は、上下方向に複数配置されていてもよい。
【0012】
前記各熱処理機構は上下方向に複数設けられ、且つ上下方向に複数配置された前記冷却機構を挟んで配置されていてもよい。
【0013】
前記冷却機構を挟んで配置された前記各熱処理機構は、同一の高さに位置しないように互い違いに配置されていてもよい。
【0014】
前記移動機構は、前記冷却機構を水平方向に移動させてもよい。
【0015】
前記移動機構と共に前記冷却機構を鉛直方向に移動させる駆動機構をさらに有していてもよい。
【0016】
別な観点による本発明は、基板を1の処理容器内で熱処理する熱処理装置を用い熱処理方法であって、前記熱処理装置は、基板を載置して冷却する冷却機構と、基板を載置して熱処理する第1の熱処理機構と、平面視において前記冷却機構を挟んで前記第1の熱処理機構の反対側に設けられた第2の熱処理機構と、前記冷却機構を、前記各熱処理機構上方の受け渡し位置と、基板を冷却する冷却位置との間で移動させる移動機構と、を有し、前記冷却機構、前記第1の熱処理機構、前記第2の熱処理機構及び前記移動機構は、前記1の処理容器の内部に配置され、前記1の処理容器の側面における前記冷却機構の冷却位置と対向する位置には、当該1の処理容器の外部に設けられた基板搬送機構により前記冷却機構に対して基板の受け渡しを行う搬入出口が形成され、前記熱処理方法は、前記基板搬送機構により前記冷却機構上に載置された基板を、前記移動機構により第1の熱処理機構または第2の熱処理機構のいずれかの上方の受渡位置に移動させ、前記第1の熱処理機構または第2の熱処理機構のいずれかによって基板を熱処理し、前記熱処理後の基板を前記冷却機構上に載置し、前記冷却機構上に載置された基板を、前記移動機構により前記冷却位置に移動させ、前記冷却位置において、前記冷却機構により基板を冷却することを特徴としている。
【0017】
前記冷却機構は、上下方向に複数配置されていてもよい。
【0018】
前記各熱処理機構は上下方向に複数設けられ、且つ上下方向に複数配置された前記冷却機構を挟んで配置されていてもよい。
【0019】
前記冷却機構を挟んで配置された前記各熱処理機構は、同一の高さに位置しないように互い違いに配置されていてもよい。
【0020】
前記移動機構は、前記冷却機構を水平方向に移動させてもよい。
【0021】
前記移動機構と共に前記冷却機構を鉛直方向に移動させる駆動機構をさらに有していてもよい。
【0022】
前記各熱処理板には、前記受け渡し位置において前記冷却機構と基板の受け渡しを行う昇降ピンが設けられ、前記冷却機構には、前記昇降ピンを挿通させるためのスリットが形成されていてもよい。
【0023】
また別な観点による本発明によれば、前記熱処理方法を熱処理装置によって実行させるように、当該熱処理装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムが提供される。
【0024】
さらに別な観点による本発明によれば、前記プログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体が提供される。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、熱処理装置のフットプリントを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本実施の形態にかかる熱処理装置を備えた塗布現像処理システムの内部構成の概略を示す平面図である。
図2】塗布現像処理システムの内部構成の概略を示す側面図である。
図3】塗布現像処理システムの内部構成の概略を示す側面図である。
図4】熱処理装置の構成の概略を示す縦断面図である。
図5】熱処理装置の構成の概略を示す横断面図である。
図6】冷却機構を受渡位置に移動させた状態を示す説明図である。
図7】他の実施の形態にかかる熱処理装置の構成の概略を示す平面視における説明図である。
図8】他の実施の形態にかかる熱処理装置の構成の概略を示す平面視における説明図である。
図9】他の実施の形態にかかる熱処理装置の構成の概略を示す側面視における説明図である。
図10】他の実施の形態にかかる熱処理装置の構成の概略を示す側面視における説明図である。
図11】従来の熱処理装置の構成の概略を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる熱処理装置を備えた塗布現像処理システム1の内部構成の概略を示す平面図である。図2及び図3は、塗布現像処理システム1の内部構成の概略を示す側面図である。
【0028】
塗布現像処理システム1は、図1に示すように例えば外部との間で複数枚のウェハWを収容したカセットCが搬入出されるカセットステーション2と、フォトリソグラフィー処理の中で枚葉式に所定の処理を施す複数の各種処理装置を備えた処理ステーション3と、処理ステーション3に隣接する露光装置4との間でウェハWの受け渡しを行うインターフェイスステーション5とを一体に接続した構成を有している。
【0029】
カセットステーション2には、カセット載置台10が設けられている。カセット載置台10には、複数、例えば4つのカセット載置板11が設けられている。カセット載置板11は、水平方向のX方向(図1中の上下方向)に一列に並べて設けられている。これらのカセット載置板11には、塗布現像処理システム1の外部に対してカセットCを搬入出する際に、カセットCを載置することができる。
【0030】
カセットステーション2には、図1に示すようにX方向に延びる搬送路20上を移動自在なウェハ搬送装置21が設けられている。ウェハ搬送装置21は、上下方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各カセット載置板11上のカセットCと、後述する処理ステーション3の第3のブロックG3の受け渡し装置との間でウェハWを搬送できる。
【0031】
処理ステーション3には、各種装置を備えた複数、例えば4つのブロックG1、G2、G3、G4が設けられている。例えば処理ステーション3の正面側(図1のX方向負方向側)には、第1のブロックG1が設けられ、処理ステーション3の背面側(図1のX方向正方向側)には、第2のブロックG2が設けられている。また、処理ステーション3のカセットステーション2側(図1のY方向負方向側)には、第3のブロックG3が設けられ、処理ステーション3のインターフェイスステーション5側(図1のY方向正方向側)には、第4のブロックG4が設けられている。
【0032】
例えば第1のブロックG1には、図3に示すように複数の液処理装置、例えばウェハWを現像処理する現像装置30、ウェハWのレジスト膜の下層に反射防止膜(以下、「下部反射防止膜」という)を形成する下部反射防止膜形成装置31、ウェハWにレジスト液を塗布して塗布膜としてのレジスト膜を形成するレジスト塗布装置32、ウェハWのレジスト膜の上層に反射防止膜(以下、「上部反射防止膜」という)を形成する上部反射防止膜形成装置33が下から順に4段に重ねられている。
【0033】
例えば第1のブロックG1の各装置30〜33は、処理時にウェハWを収容するカップFを水平方向に複数有し、複数のウェハWを並行して処理することができる。
【0034】
例えば第2のブロックG2には、図2に示すようにウェハWの熱処理を行う熱処理装置40や、ウェハWを疎水化処理するアドヒージョン装置41、ウェハWの外周部を露光する周辺露光装置42が上下方向と水平方向に並べて設けられている。なお、熱処理装置40、アドヒージョン装置41及び周辺露光装置42の数や配置は、任意に選択できる。また、熱処理装置40の詳細な構成については後述する。
【0035】
例えば第3のブロックG3には、複数の受け渡し装置50、51、52、53、54、55、56が下から順に設けられている。また、第4のブロックG4には、複数の受け渡し装置60、61、62が下から順に設けられている。
【0036】
図1に示すように第1のブロックG1〜第4のブロックG4に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域Dが形成されている。ウェハ搬送領域Dには、例えばウェハ搬送装置70が配置されている。
【0037】
ウェハ搬送装置70は、例えばY方向、X方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アーム71を有している。ウェハ搬送装置70は、ウェハ搬送領域D内を移動し、周囲の第1のブロックG1、第2のブロックG2、第3のブロックG3及び第4のブロックG4内の所定の装置にウェハWを搬送できる。
【0038】
ウェハ搬送装置70は、例えば図2に示すように上下に複数台配置され、例えば各ブロックG1〜G4の同程度の高さの所定の装置にウェハWを搬送できる。
【0039】
また、ウェハ搬送領域Dには、第3のブロックG3と第4のブロックG4との間で直線的にウェハWを搬送するシャトル搬送装置80が設けられている。
【0040】
シャトル搬送装置80は、例えばY方向に直線的に移動自在になっている。シャトル搬送装置80は、ウェハWを支持した状態でY方向に移動し、第3のブロックG3の受け渡し装置52と第4のブロックG4の受け渡し装置62との間でウェハWを搬送できる。
【0041】
図1に示すように第3のブロックG3のX方向正方向側の隣には、ウェハ搬送装置90が設けられている。ウェハ搬送装置90は、例えばX方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置90は、ウェハWを支持した状態で上下に移動して、第3のブロックG3内の各受け渡し装置にウェハWを搬送できる。
【0042】
インターフェイスステーション5には、ウェハ搬送装置100と受け渡し装置101が設けられている。ウェハ搬送装置100は、例えばY方向、θ方向及び上下方向に移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置100は、例えば搬送アームにウェハWを支持して、第4のブロックG4内の各受け渡し装置と受け渡し装置101にウェハWを搬送できる。
【0043】
次に、上述した熱処理装置40の構成について説明する。熱処理装置40は、図4及び図5に示すように内部を閉鎖可能な処理容器200を有している。処理容器200のウェハ搬送領域D側の側面には、ウェハWの搬入出口201が形成され、当該搬入出口201には開閉シャッタ(図示せず)が設けられている。
【0044】
処理容器200の内部には、ウェハWを加熱処理する熱処理機構としての第1の加熱部210及び第2の加熱部211と、ウェハWを冷却して温度調節する冷却部212が設けられている。第1の加熱部210、冷却部212及び第2の加熱部211はY方向に沿ってこの順に並んで配置されている。換言すれば、冷却部212は、平面視において第1の加熱部210と第2の加熱部211の間に挟まれた位置に配置されている。
【0045】
第1の加熱部210は、熱処理機構220を有している。熱処理機構220は、厚みのある略円盤形状を有し、ウェハWを載置して加熱することができる。また、熱処理機構220には、例えばヒータ221が内蔵されている。熱処理機構220の加熱温度は例えば制御部300により制御され、熱処理機構220上に載置されたウェハWが所定の温度に加熱される。
【0046】
熱処理機構220の周囲には、当該熱処理機構220を収容して熱処理機構220の外周部を保持する環状の保持部材222と、その保持部材222の外周を囲む略筒状のサポートリング223とが設けられている。
【0047】
熱処理機構220の上方には、上下動自在の蓋体230が設けられている。蓋体230は、下面が開口し、熱処理機構220、保持部材222及びサポートリング223と一体となって熱処理室Kを形成する。そして、熱処理室Kは、その内部を密閉可能に構成されている。
【0048】
熱処理機構220の上方であって蓋体230の天井面の中央部には、熱処理室Kの内部を排気する排気部231が設けられている。熱処理室K内の雰囲気は、排気部231から均一に排気される。
【0049】
熱処理機構220の下方には、ウェハWを下方から支持し昇降させるための昇降ピン232が例えば3本設けられている。昇降ピン232は、昇降駆動部233により鉛直方向に昇降できる。熱処理機構220の中央部付近には、当該熱処理機構220を厚み方向に貫通する貫通孔234が例えば3箇所に形成されている。そして、昇降ピン232は貫通孔234を挿通し、熱処理機構220の上面から突出可能になっている。
【0050】
なお、第2の加熱部211の構成は、熱処理機構220の高さが第1の加熱部210より低い点を除いては第1の加熱部210と同様であるので、説明を省略する。
【0051】
冷却部212は、第1の冷却機構240と第2の冷却機構241を有している。第1の冷却機構240と第2の冷却機構241は、上下方向に多段に配置されている。第1の冷却機構240は、ウェハWより径の小さな略円盤形状を有し、ウェハWを載置して冷却することができる。第1の冷却機構240の下面側には、加熱されたウェハWを粗冷却するために、例えば冷媒を通流させるための図示しない冷媒流路が設けられている。
【0052】
第1の冷却機構240は、図5に示すように、搬入出口201と反対側の端部であって第2の加熱部211よりの位置が支持部材250によって支持されている。支持部材250には移動機構251が取り付けられている。移動機構251は、Y方向に延伸するレール252に取り付けられている。レール252は、第1の加熱部210から第2の加熱部211まで延伸しており、第1の冷却機構240用と第2の冷却機構241用の2本が平行に設けられている。第1の冷却機構240は、レール252に沿って第1の加熱部210との間でウェハWの受け渡しを行う位置(受渡位置)と第1の加熱部210と第2の加熱部211の間の位置(冷却位置)と、の間を移動可能になっている。
【0053】
第1の冷却機構240には、2本のスリット260が形成されている。スリット260は、図5に示すように第1の冷却機構241の第1の加熱部210側の端面から第1の冷却機構240の中央部付近まで形成されている。このスリット260により、第1の冷却機構240が受け渡し位置に移動した際、当該第1の冷却機構240が第1の加熱部210の昇降ピン232と干渉することを防止することができる。
【0054】
なお、第2の冷却機構241は、第1の冷却機構240と左右対称に構成されている点を除いて第1の冷却機構240と同様の構成を有しているので説明は省略する。
【0055】
以上の塗布現像処理システム1には、図1に示すように制御部300が設けられている。制御部300は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、熱処理装置40におけるウェハWの熱処理を実行するプログラムが格納されている。これに加えて、プログラム格納部には、塗布現像処理システム1におけるウェハ処理を実行するプログラムも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体Hから制御部300にインストールされたものであってもよい。
【0056】
次に、以上のように構成された塗布現像処理システム1を用いて行われるウェハWの処理方法について説明する。
【0057】
先ず、複数枚のウェハWを収容したカセットCが、カセットステーション2の所定のカセット載置板11に載置される。その後、ウェハ搬送装置21によりカセットC内の各ウェハWが順次取り出され、処理ステーション3の第3のブロックG3の例えば受け渡し装置53に搬送される。
【0058】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第2のブロックG2の熱処理装置40に搬送され、温度調節される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第1のブロックG1の下部反射防止膜形成装置31に搬送され、ウェハW上に下部反射防止膜が形成される。その後ウェハWは、第2のブロックG2の熱処理装置40に搬送され、加熱され、温度調節され、その後第3のブロックG3の受け渡し装置53に戻される。なお、熱処理装置40におけるウェハWの熱処理の詳細については後述する。
【0059】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置90によって同じ第3のブロックG3の受け渡し装置54に搬送される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第2のブロックG2のアドヒージョン装置41に搬送され、アドヒージョン処理される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送され、温度調節される。
【0060】
その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によってレジスト塗布装置32に搬送され、回転中のウェハW上にレジスト液を塗布し、ウェハW上にレジスト膜が形成される。
【0061】
その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送されて、プリベーク処理される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡し装置55に搬送される。
【0062】
次にウェハWは、ウェハ搬送装置70によって上部反射防止膜形成装置33に搬送され、ウェハW上に上部反射防止膜が形成される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送されて、加熱され、温度調節される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって周辺露光装置42に搬送されて、ウェハW上のレジスト膜の周縁部に対して周辺露光処理が行わる。
【0063】
その後ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡し装置56に搬送される。その後ウェハWは、ウェハ搬送装置90によって受け渡し装置52に搬送され、シャトル搬送装置80によって第4のブロックG4の受け渡し装置62に搬送される。
【0064】
その後ウェハWは、インターフェイスステーション5のウェハ搬送装置100によって露光装置4に搬送され、露光処理される。
【0065】
次に、ウェハWは、ウェハ搬送装置100によって露光装置4から第4のブロックG4の受け渡し装置60に搬送される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送され、露光後ベーク処理される。その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって現像装置30に搬送され、現像される。現像終了後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって熱処理装置40に搬送され、ポストベーク処理される。
【0066】
その後、ウェハWは、ウェハ搬送装置70によって第3のブロックG3の受け渡し装置50に搬送され、その後カセットステーション2のウェハ搬送装置21によって所定のカセット載置板11のカセットCに搬送される。こうして、一連のフォトリソグラフィー工程が終了する。
【0067】
次に、上述した熱処理装置40におけるウェハWの熱処理について説明する。熱処理装置40では、プリベーク処理、露光後ベーク処理、ポストベーク処理、下部反射防止膜又は上部反射防止膜を形成後の熱処理など、種々の熱処理が行われるが、これらの熱処理方法は同じである。
【0068】
先ず、ウェハ搬送装置70によってウェハWが熱処理装置40に搬送される。このとき、各冷却機構240、241は冷却位置で待機している。熱処理装置40内に搬入されたウェハWは、ウェハ搬送装置70の搬送アーム71が下降して第1の冷却機構240に受け渡される。
【0069】
その後、第1の冷却機構240は移動機構251により第1の加熱部210方向に移動し、第1の加熱部210の上方の受渡位置まで移動する。そして、ウェハWは予め上昇して待機していた昇降ピン232に受け渡され、第1の冷却機構240は冷却位置に移動する。このとき、第1の冷却機構240に形成されたスリット260によって、第1の冷却機構240は昇降ピン232と干渉することがない。続いて昇降ピン232が下降して、ウェハWが熱処理機構220上に載置される
【0070】
その後、蓋体230を閉じて内部が密閉された熱処理室Kを形成する。そして、熱処理機構220によってウェハWが所定の温度に加熱される。
【0071】
一方、第1の冷却機構240が受渡位置へ移動することにより、図6に示すように、ウェハ搬送装置70が第2の冷却機構241へアクセス可能となる。したがって、第1の冷却機構240の受渡位置への移動している間に、ウェハ搬送装置70により他のウェハWが第2の冷却機構241に受け渡される。その後、第2の冷却機構241は移動機構251により第2の加熱部211方向に移動し、第2の加熱部211の上方の受渡位置まで移動する。そして、この他のウェハWも第2の加熱部211の昇降ピン232に受け渡され、第1の冷却機構240の場合と同様にして、ウェハWが第2の加熱部211の熱処理機構220上に載置され加熱処理される。
【0072】
熱処理機構220によりウェハWの加熱処理が終了すると、当該ウェハWは昇降ピン232によって上昇して待機している。その後、第1の冷却機構240が熱処理機構220の上方の受渡位置まで移動する。そして、昇降ピン232が下降して、ウェハWが第1の冷却機構240上に載置される。
【0073】
その後、ウェハWを載置した第1の冷却機構240は冷却位置まで移動する。この移動中、ウェハWは第1の冷却機構240によって冷却される。また、ウェハWは冷却位置においても引き続き冷却される。
【0074】
所定の温度に冷却されたウェハWは、第1の冷却機構240からウェハ搬送装置70によって熱処理装置40から搬出され熱処理が終了する。続いて、ウェハ搬送装置70により第1の冷却機構240に新たなウェハWが載置され、第1の冷却機構240が第1の加熱部210の上方の受渡位置まで移動する。これにより、ウェハ搬送装置70が第2の冷却機構241へアクセス可能となり、第2の冷却機構241上のウェハWがウェハ搬送装置70により熱処理装置40から搬出される。そして、再び新たなウェハWがウェハ搬送装置70により第2の冷却機構241に受け渡され、熱処理装置40における一連のウェハWの熱処理が繰り返し行われる。
【0075】
以上の実施の形態によれば、冷却部212を挟んで第1の加熱部210と第2の加熱部211を配置している。また、冷却機構240、241は上下方向に並んで設けられ、当該冷却機構240、241を各加熱部210、211との間で移動させる移動機構を有している。したがって、例えば2つの加熱部210、211を設ける際に、従来のように冷却機構を平面的に2つ設置する必要がない。したがって、熱処理装置40のフットプリントを低減することができる。
【0076】
また、例えば図5において、ウェハ搬送装置70のアクセスは、処理容器200の移動機構251が設けられているウェハ搬送領域Dの反対側のみ制限され、搬送領域D側の側面、第1の加熱部210側の側面及び第2の加熱部211側の側面からのアクセスは制限されない。そのため、熱処理装置40に対するウェハ搬送装置70の配置の自由度が向上する。その結果、熱処理装置40周辺の機器レイアウトを最適化しフットプリントの増加を最小限とすることができる。
【0077】
また、第1の冷却機構240と第2の冷却機構241用にそれぞれレール252と移動機構251が設けられているので、それぞれの移動機構251、251が互いに干渉することなく移動できる。
【0078】
なお、以上の実施の形態では、第1の加熱部210と第2の加熱部211の間に、冷却部212として第1の冷却機構240と第2の冷却機構241を設けていたが、第1の加熱部210と第2の加熱部211に共通して、第1の冷却機構240のみを設けるようにしてもよい。かかる場合、一本のレール252が、第1の加熱部210から第2の加熱部211まで延伸して設けられる。この場合においても、第1の冷却機構240が第1の加熱部210から第2の加熱部211までを自由に移動できるので、1の冷却機構により、2つの熱処理機構220に対するウェハWの搬送及び当該ウェハWの冷却をまかなうことができる。
【0079】
以上の実施の形態では、第1の冷却機構240と第2の冷却機構241のみを上下方向に多段に配置したが、第1の加熱部210及び第2の加熱部211も上下方向に多段に配置してもよい。複数の第1の加熱部210、第2の加熱部211及び冷却部212を多段に配置する場合の例としては、複数の冷却機構240、241を例えば図7に示すように同一の鉛直線状に多段に配置し、これらの冷却機構240、241を挟んで複数の熱処理機構220を多段に配置することが提案できる。かかる場合、冷却機構240、241を挟んで配置する熱処理機構220の高さ方向の位置を、左側と右側とで互いに同じとする必要はなく、図7に示すように千鳥状となるようにしてもよい。第1の加熱部210、第2の加熱部211及び冷却部212を多段に配置することで、熱処理機構220や冷却機構240、241の設置数を増やしても熱処理装置40のフットプリントが増加することがない。また、熱処理機構220を千鳥状に配置することで、各冷却機構240、241の上下方向の間隔を狭めることができるので、熱処理装置40の高さも低減できる。
【0080】
なお、第1の冷却機構240と第2の冷却機構241は必ずしも上下方向に配置する必要はなく、例えば図8に示すように、平面視において互いに隣り合うように配置してもよい。冷却機構240、241を隣り合って配置する際に、各熱処理機構220を上下方向に多段に配置する場合は、例えば図9に示すように、各冷却機構240、241を挟んで配置された各熱処理機構220及び蓋体230の高さが同じになるように配置してもよい。なお、図9では、第1の冷却機構240を上下方向に複数配置し、第2の冷却機構241を、第1の冷却機構240と隣り合う位置に、上下方向に複数配置した場合の例について描図している。
【0081】
また、平面視においては最上段に配置される熱処理機構220及び冷却機構240、241を図8のように配置した場合であっても、例えば図10に示すように、下段に設ける熱処理機構220及び冷却機構240、241を、平面視において交互に互い違いとなるように千鳥状に配置してもよい。加熱部210、211は、熱処理機構220と蓋体230とにより構成されるため、配置には所定の高さが必要となる一方、冷却機構240、241は、当該冷却機構240、241の厚みと移動機構251の高さが加熱部210、211と比較して低いため、加熱部210、211よりも設置高さが低い。そのため、図9のように熱処理機構220と冷却機構240、241を高さ方向に交互に設けることで、熱処理装置40全体の高さを低減することができる。
【0082】
なお、熱処理装置40との間でウェハWの搬入出を行うウェハ搬送装置70は、当該ウェハ搬送装置70を昇降動作させるための機構を収容するスペースの関係上、塗布現像処理システム1の上端から下端まで移動することができない。そのため、熱処理装置40において熱処理機構220及び冷却機構240、241を上下方向に多段に配置した場合、ウェハ搬送装置70は、最下段に配置した冷却機構240、241や、最上段に配置した冷却機構240、241との間でウェハWの受け渡しを行うことができない場合がある。かかる場合、冷却機構240、241を熱処理装置40の処理容器200内で鉛直方向に移動させる駆動機構を設けてもよい。
【0083】
具体的には、例えばレール252と移動機構251を支持板の上面に配置し、当該支持板を昇降動させる駆動機構を処理容器200内に別途設ける。そうすることで、冷却機構240、241を上昇または下降させて、塗布現像処理システム1の下限位置または上限位置にあるウェハ搬送機構70との間でウェハWを受け渡すことができる。その結果、塗布現像処理システム1の上下方向のスペースを有効に使いきることができるので、例えば単位面積当たりに設置できる熱処理機構220の数を最大化できる。
【0084】
また、ウェハ搬送装置70とのウェハWの受け渡しを行う冷却機構240、241のみを昇降動させるので、駆動機構を最小限のものとすることができる。
【0085】
なお、冷却機構240、241を昇降可能に構成する場合、冷却機構240、241は例えばメンテナンス時等に手動で昇降操作できるようにすることが好ましい。そうすることで、ウェハ搬送装置70ではアクセスできない冷却機構240、241に、メンテナンス時もアクセスすることができる。
【0086】
あるいは、メンテナンス時には、ウェハ搬送装置70ではアクセスできない位置にある冷却機構240、241を、自動的にウェハ搬送装置70でアクセス可能な位置まで昇降動するようにしてもよい。
【0087】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、例えば半導体ウェハ等の基板を熱処理する際に有用である。
【符号の説明】
【0089】
1 塗布現像処理システム
40 熱処理装置
70 ウェハ搬送装置
71 搬送アーム
71a 保持部
210 第1の加熱部
211 第2の加熱部
212 冷却部
220 熱処理機構
221 ヒータ
240 第1の冷却機構
241 第2の冷却機構
250 支持部材
251 移動機構
260 スリット
300 制御部
W ウェハ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11