特許第5726807号(P5726807)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5726807パターン形成方法、パターン形成装置、及びコンピュータ可読記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5726807
(24)【登録日】2015年4月10日
(45)【発行日】2015年6月3日
(54)【発明の名称】パターン形成方法、パターン形成装置、及びコンピュータ可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/40 20060101AFI20150514BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20150514BHJP
【FI】
   G03F7/40 511
   H01L21/30 502D
【請求項の数】8
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-99223(P2012-99223)
(22)【出願日】2012年4月24日
(65)【公開番号】特開2013-228492(P2013-228492A)
(43)【公開日】2013年11月7日
【審査請求日】2014年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】村松 誠
(72)【発明者】
【氏名】北野 高広
(72)【発明者】
【氏名】冨田 忠利
(72)【発明者】
【氏名】田内 啓士
【審査官】 外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−018778(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/111694(WO,A1)
【文献】 特開2004−235468(JP,A)
【文献】 R. Tiron et al.,Pattern density multiplication by direct self assembly of block copolymers: Towards 300nm CMOS requi,Proceedings of SPIE,英国,SPIE,2012年 2月12日,8323,83230O-1
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/40
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にフォトレジスト膜を形成するステップと、
前記フォトレジスト膜をパターンニングしてフォトレジストパターンを形成するステップと、
前記フォトレジストパターンの表面を平滑化するステップと、
前記フォトレジストパターンが平滑化された前記基板に、少なくとも2種類のポリマーを含むブロック共重合体を塗布し、ブロック共重合体による膜を形成するステップと、
前記膜が形成された前記基板を加熱するステップと、
前記少なくとも2種類のポリマーを選択的に除去するステップと
を含み、
前記平滑化するステップの後に、前記フォトレジストパターンに対して所定の表面処理を行うステップを更に含み、
前記表面処理が、前記フォトレジストパターンを親水化する親水化処理であり、
前記親水化処理が、大気雰囲気下において前記フォトレジストパターンに対して紫外光を照射するステップを含む、パターン形成方法。
【請求項2】
基板上にフォトレジスト膜を形成するステップと、
前記フォトレジスト膜をパターンニングしてフォトレジストパターンを形成するステップと、
前記フォトレジストパターンの表面を平滑化するステップと、
前記フォトレジストパターンが平滑化された前記基板に、少なくとも2種類のポリマーを含むブロック共重合体を塗布し、ブロック共重合体による膜を形成するステップと、
前記膜が形成された前記基板を加熱するステップと、
前記少なくとも2種類のポリマーを選択的に除去するステップと
を含み、
前記平滑化するステップの後に、前記フォトレジストパターンに対して所定の表面処理を行うステップを更に含み、
前記表面処理が、前記フォトレジストパターンを親水化する親水化処理であり、
前記親水化処理が、前記フォトレジストパターンに対してシランカップリング剤の溶液を供給するステップを含む、パターン形成方法。
【請求項3】
基板上にフォトレジスト膜を形成するステップと、
前記フォトレジスト膜をパターンニングしてフォトレジストパターンを形成するステップと、
前記フォトレジストパターンの表面を平滑化するステップと、
前記フォトレジストパターンが平滑化された前記基板に、少なくとも2種類のポリマーを含むブロック共重合体を塗布し、ブロック共重合体による膜を形成するステップと、
前記膜が形成された前記基板を加熱するステップと、
前記少なくとも2種類のポリマーを選択的に除去するステップと
を含み、
前記平滑化するステップが、
前記フォトレジストパターンに対する溶解性を有する溶剤を供給するステップと、
前記溶剤が供給された前記フォトレジストパターンを加熱するステップと
を含む、パターン形成方法。
【請求項4】
前記平滑化するステップが
前記フォトレジストパターンに対して酸性溶液を供給するステップと、
前記酸性溶液が供給された前記フォトレジストパターンを加熱することにより、前記フォトレジストパターンの表面に可溶層を形成するステップと、
前記可溶層を溶解するステップと
を含む、請求項1または2のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
【請求項5】
前記加熱するステップに引き続いて前記膜に対して紫外光を照射するステップを更に含み、
前記除去するステップにおいて、前記紫外光が照射された前記膜中の前記少なくとも2種類のポリマーが選択的に溶解される、請求項1から4のいずれか一項に記載のパターン形成方法。
【請求項6】
基板にフォトレジストを供給し、当該基板上にフォトレジスト膜を形成するフォトレジスト膜形成部と、
露光された前記フォトレジスト膜を現像してフォトレジストパターンを形成する現像部と、
前記フォトレジストパターンを平滑化するフォトレジスト処理部と、
前記フォトレジストパターンが平滑化された前記基板に、少なくとも2種類のポリマーを含むブロック共重合体を供給し、当該基板上に前記ブロック共重合体の膜を形成する膜形成部と、
前記膜を加熱する加熱部と、
加熱部により加熱された前記膜に対して紫外光を照射する紫外光照射部と、
紫外光が照射された前記膜に対して溶剤を供給して、前記少なくとも2種類のポリマーの一方を溶解させる溶剤供給部と、
前記フォトレジスト処理部により平滑化された前記フォトレジストパターンに対して紫外光を照射する紫外光光源と、を備えるパターン形成装置。
【請求項7】
前記紫外光光源が、前記フォトレジスト処理部に設けられる、請求項6に記載のパターン形成装置。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか一項に記載のパターン形成方法を、請求項6または7のいずれか一項に記載のパターン形成装置に実行させるコンピュータプログラムが格納されるコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己組織的(DSA)リソグラフィー技術に関し、この技術を利用するパターン形成方法、パターン形成装置、及びパターン形成装置にパターン形成方法を実施させるコンピュータプログラムを格納するコンピュータ可読記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロック共重合体が自己組織的に配列する性質を利用した自己組織的リソグラフィー技術の実用化が検討されている(例えば特許文献1及び2、並びに非特許文献1)。自己組織的リソグラフィー技術においては、まず、例えばAポリマー鎖とBポリマー鎖とを含むブロック共重合体の溶液が基板に塗布され、ブロック共重合体による薄膜が形成される。次に、基板を加熱すると、薄膜中で互いにランダムに固溶していたAポリマー鎖とBポリマー鎖とが相分離し、規則的に配列されるAポリマー領域とBポリマー領域とが形成される。
【0003】
このような規則的な配列は、親和力によってAポリマーどうしが集まり、Bポリマーどうしが集まる性質により実現される。しかしながら、そのような性質に依存するだけでは、Aポリマー領域とBポリマー領域とが安定的に配列されず、所望のパターンが得られない場合がある。そこで、Aポリマー及びBポリマーが所望のパターンに配列するのを補助又は促進するため、Aポリマー及びBポリマーをガイドするガイドパターンが利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−29779号公報
【特許文献2】特開2007−125699号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】K. W. Guarini, et al., "Optimization of Diblock Copolymer Thin Film Self Assembly", Advanced Materials, 2002, 14, No. 18, September 16, pp.1290-1294. (p. 1290, ll.31-51)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ガイドパターンとして、フォトリソグラフィ技術によりフォトレジストパターンが用いられる場合がある。ここで、フォトレジストパターンの側面に凹凸があると、ブロック共重合体のパターンにも凹凸が反映される場合がある。また、フォトレジストパターンの側面の凹凸があると、例えば2つのポリマーのうちのフォトレジストパターンの側面には吸着し難いはずのポリマーが、例えば凸部に吸着してしまい、Aポリマー領域とBポリマー領域との交互配列が妨げられることにもなり得る。
【0007】
また、ブロック共重合体によりホールを形成する場合には、まずホールを含むフォトレジストパターンがガイドパターンとして形成される。次に、そのホールをブロック共重合体で埋め込み、加熱すると、一方のポリマーにより、ホールの内面に沿ったシリンダ形状部が形成され、他方のポリマーにより、シリンダ形状部の中空部を埋めるピラー形状部が形成される。ピラー形状部を除去すると、シリンダ形状部を構成する一方のポリマーよるホールが形成される(いわゆるホールシュリンク)。ここで、フォトレジストパターンのホール内面に凹凸があると、ブロック共重合体が相分離せずに、シリンダ形状部とピラー形状部とが形成されない場合がある。
【0008】
本発明は、上記の事情に照らし、ブロック共重合体を構成する異なるポリマーが所望のパターンに配列するのを促すことが可能なパターン形成方法、パターン形成装置、及びコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、基板上にフォトレジスト膜を形成するステップと、前記フォトレジスト膜をパターンニングしてフォトレジストパターンを形成するステップと、前記フォトレジストパターンの表面を平滑化するステップと、前記フォトレジストパターンが平滑化された前記基板に、少なくとも2種類のポリマーを含むブロック共重合体を塗布し、ブロック共重合体による膜を形成するステップと、前記膜が形成された前記基板を加熱するステップと、前記少なくとも2種類のポリマーを選択的に除去するステップとを含み、前記平滑化するステップの後に、前記フォトレジストパターンに対して所定の表面処理を行うステップを更に含み、前記表面処理が、前記フォトレジストパターンを親水化する親水化処理であり、前記親水化処理が、大気雰囲気下において前記フォトレジストパターンに対して紫外光を照射するステップを含む、パターン形成方法が提供される。
【0010】
本発明の第2の態様によれば、基板にフォトレジストを供給し、当該基板上にフォトレジスト膜を形成するフォトレジスト膜形成部と、露光された前記フォトレジスト膜を現像してフォトレジストパターンを形成する現像部と、前記フォトレジストパターンを平滑化するフォトレジスト処理部と、前記フォトレジストパターンが平滑化された前記基板に、少なくとも2種類のポリマーを含むブロック共重合体を供給し、当該基板上に前記ブロック共重合体の膜を形成する膜形成部と、前記膜を加熱する加熱部と、加熱部により加熱された前記膜に対して紫外光を照射する紫外光照射部と、紫外光が照射された前記膜に対して溶剤を供給して、前記少なくとも2種類のポリマーの一方を溶解させる溶剤供給部と、前記フォトレジスト処理部により平滑化された前記フォトレジストパターンに対して紫外光を照射する紫外光光源と、を備えるパターン形成装置が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態によれば、ブロック共重合体を構成する異なるポリマーが所望のパターンに配列するのを促すことが可能なパターン形成方法、パターン形成装置、及びコンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態によるパターン形成方法を説明する説明図である。
図2図1に引き続いて、本発明の第1の実施形態によるパターン形成方法を説明する説明図である。
図3図2に引き続いて、本発明の第1の実施形態によるパターン形成方法を説明する説明図である。
図4】本発明の第2の実施形態によるパターン形成方法を説明する説明図である。
図5】本発明の第3の実施形態によるパターン形成方法を説明する説明図である。
図6】本発明の実施形態によるパターン形成方法を実施する際に好適に使用され得るフォトレジスト処理装置を示す概略側面図である。
図7図6に示すフォトレジスト処理装置を示す概略上面図である。
図8図6に示すフォトレジスト処理装置における溶剤供給ノズルを示す斜視図である。
図9】本発明の実施形態によるパターン形成方法を実施する際に好適に使用され得る液処理装置を示す概略側面図である。
図10】本発明の実施形態によるパターン形成方法を実施する際に好適に使用され得る紫外光照射装置を示す概略側面図である。
図11図6に示すフォトレジスト処理装置、図9に示す液処理装置、及び図10に示す紫外光照射装置が組み込まれるパターン形成装置を示す概略斜視図である。
図12図11に示すパターン形成装置の概略上面図である。
図13図11に示すパターン装置の処理ステーションを示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の限定的でない例示の実施形態について説明する。添付の全図面中、同一または対応する部材または部品については、同一または対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1を参照しながら、本発明の第1の実施形態によるパターン形成方法を説明する。図1(a)から図3(j)は、このパターン形成方法により処理される基板(例えば半導体ウエハ)の各ステップにおける一部断面図である。なお、図1(B)は、図1(b)に対応する上面図であり、図1(B)中のI−I線に沿った断面図が図1(b)に相当する。同様の関係は、図1(D)と図1(d)との間、図2(E)と図2(e)との間にもある。
【0015】
(フォトレジストパターン形成工程)
始めに、図1(a)に示すように、半導体ウエハW(以下、ウエハWという)にフォトレジストが塗布され、フォトレジスト膜PRが形成される。次に、所定のパターンを有するフォトマスク(不図示)によりフォトレジスト膜PRが露光され、現像されると、図1(b)に示すように、フォトレジストパターンPが得られる。フォトレジストパターンPは、本実施形態においては、所定の方向に所定の間隔をあけてほぼ平行に延びる複数のラインLを有している。フォトレジストパターンPは、後述するブロック共重合体(以下、BCPと記す場合がある)によるパターンを形成する際のガイドパターンとして機能する。なお、ラインLの側面には、図1(B)に示すように起伏(凹凸)が生じる場合がある。このような起伏が生じる原因の一つとして、フォトレジスト膜PRを露光する際の露光光の干渉を挙げることができる。
【0016】
なお、フォトレジストパターンPの形成には、通常のスピンコータ、加熱装置、露光装置、及び現像装置を使用できる。
【0017】
(フォトレジストパターン平滑化工程)
次に、フォトレジストパターンPが形成されたウエハWに対して溶剤気体SVが供給され、ラインLが溶剤気体SVに晒される(図1(c))。溶剤気体に晒されると、ラインLの表面(側面、上面)に溶剤気体が取り込まれ、図1(d)に模式的に示すようにラインLの表面が溶解し膨潤することとなる。なお、液体溶剤は、所定の容器内に貯留される溶剤をキャリアガスによりバブリングすることによって得ることができる。溶剤としては、フォトレジストパターンPに対して溶解性を有する限りにおいて限定されることはなく、例えばアセトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、Nメチル2ピロリジノン(NMP)のいずれかであって良く、これらの混合液であっても良い。また、上述のキャリアガスとしては、ヘリウム(He)やアルゴン(Ar)などの希ガスや窒素ガスなどの不活性ガスを用いることができる。
【0018】
次に、図2(e)に示すように、例えば光Xの照射によりウエハWを加熱すると、ラインLの膨潤した表面から溶剤が蒸発し、その結果、表面が収縮し硬化する。ラインLの側面には上述のように起伏があるが、ラインLの表面が溶剤気体を吸収し膨潤すると、膨潤した部分に生じる表面張力により、起伏が平滑化される(図1(D)参照)。その後、ウエハWが加熱されると、膨潤した部分は平滑化されたまま硬化するため、フォトレジストパターンPの形成後に比べて、ラインLの側面は平滑化されている(図2(E)参照)。
【0019】
(DSAパターン形成工程)
フォトレジストパターンPが形成されたウエハWが室温(例えば約23℃)にまで冷却された後、例えばポリスチレン(PS)−ポリメチルメタクリレート(PMMA)ブロック共重合体(以下、PS−b−PMMA)を有機溶媒に溶解した溶液(塗布液とも言う)が、例えばスピン塗布法によりウエハW上に塗布される。これにより、図2(f)に示すように、PS−b−PMMAの膜21が形成される。この膜21においては、PSポリマーとPMMAポリマーとが互いにランダムに混ざり合っている。
【0020】
次いで、図2(g)に示すように、PS−b−PMMAの膜21が形成されたウエハWを例えばホットプレートHPにより所定の温度に加熱すると、PS−b−PMMAに相分離が生じる。このとき、フォトレジストパターンPのラインLの側面には、親水性を有するPMMAポリマーが優先的に吸着するため、ラインLから、PMMAポリマーからなるPMMAポリマー領域DMと、PSポリマーからなるPSポリマー領域DSとがこの順で交互に配列する。なお、ラインL間のスペースは、PMMAポリマー領域DMの幅とPSポリマー領域DSの幅との合計の整数倍(図示の例では2倍)と、PMMAポリマー領域DMの幅との和に等しくなるように予め決定されている。
【0021】
加熱終了後、アルゴン(Ar)やヘリウム(He)などの希ガスや、窒素ガスなどの不活性ガスの雰囲気下で、図2(h)に模式的に示すようにウエハW上のPS−b−PMMAの膜21に対して紫外光UVが照射される。紫外光UVは、紫外光領域に属する波長成分を有していれば、特に限定されることはないが、例えば200nm以下の波長成分を有していることが好ましい。また、紫外光が、PMMAに吸収され得る185nm以下の波長成分を含んでいることが更に好ましい。波長200nm以下の波長成分を有する紫外光を使用する場合、光源LSとして、波長172nmの紫外光を発するXeエキシマランプを好適に使用することができる。
【0022】
PS−b−PMMAの膜21に紫外光が照射されると、PSポリマーでは架橋反応が生じるため、PSポリマーが有機溶剤へ溶け難くなる一方、PMMAポリマーでは主鎖が切断されるため、PMMAポリマーが有機溶剤へ溶け易くなると考えられる。
【0023】
次に、図3(i)に示すように、PS−b−PMMAの膜21に対して有機溶剤OSが供給される。有機溶剤OSにより、膜21中のPMMAポリマー領域DMが熔解し、PSポリマー領域DSがウエハWの表面上に残る。ここで、有機溶剤OSとしては、例えばイソプロピルアルコール(IPA)を好適に使用することができる。
【0024】
所定の時間が経過した後、ウエハWの表面を乾燥させると、図3(j)に示すように、ウエハW上にPSポリマー領域DSによるパターンDPが得られる。
【0025】
以上のとおり、本実施形態によるパターン形成方法によれば、PS−b−PMMAによるパターンDPのガイドパターンとして機能するフォトレジストパターンPが溶剤気体OSに晒されて膨潤することにより、フォトレジストパターンPの側面の起伏(凹凸)が平滑化される。フォトレジストパターンPのラインLの側面に起伏があると、例えば突出した部分に、ラインLの側面には吸着し難いPSポリマーが吸着してしまい、PMMAポリマー領域DMがラインLの側面に吸着するのが妨げられるおそれがある。この場合には、PMMAポリマー領域DMとPSポリマー領域DSとの交互配列が妨げられる事態ともなり得る。しかし、本実施形態によるパターン形成方法によれば、ガイドパターンとしてのフォトレジストパターンPの側面が平滑化されるため、フォトレジストパターンPとの親和性が高いPMMAポリマーがフォトレジストパターンPの側面に一層優先的に吸着することとなり、したがってPMMAポリマー領域DMとPSポリマー領域DSとがより確実に交互に配列され得る。
【0026】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態によるパターン形成方法ついて説明する。
(フォトレジストパターン形成工程)
本実施形態のパターン形成方法においては、まず、第1の実施形態によるパターン形成方法におけるフォトレジストパターン形成工程が行われ、図4(a)に示すように、ラインLを有するフォトレジストパターンPがウエハW上に形成される。上述のとおり、ラインLの側面には起伏がある。
【0027】
(フォトレジストパターンスリミング工程)
図4(b)に示すように、フォトレジストパターンPが形成されたウエハWに対して、酸性溶液ASが供給される。酸性溶液ASの一例としては、反射防止膜形成用の溶液を挙げることができる。フォトレジストパターンPのラインLを所定の時間、酸性溶液ASに晒し、酸性溶液ASをラインL内に拡散させる。次に、ウエハW上の酸性溶液ASを除去した後、例えば約50℃から約120℃までの範囲の温度でウエハWを加熱すると、ラインLの表面には可溶層が形成される。なお、ここでのウエハWの加熱は、例えばホットプレートなどの加熱装置を用いて行っても良いし、光照射により行っても良い。
【0028】
次いで、図4(c)に示すように、ウエハW上のフォトレジストパターンPに対して例えばアルカリ性の溶剤(又はアルカリ性の溶剤の蒸気を含む気体)LSを噴霧することによって可溶層を除去する。これにより、ラインLは可溶層の分だけ細くなる。なお、ラインLの表面に酸性溶液ASが拡散し可溶層が形成される際、酸性溶液ASは、ラインLの側面の起伏を反映することなく拡散し得るため、可溶層が除去されたラインLの露出面では起伏が緩和されている。すなわち、スリミングによって、ラインLが細くなるだけでなく、ラインLの側面が平滑化される。
【0029】
(DSAパターン形成工程)
この後、第1の実施形態によるパターン形成方法におけるDSAパターン形成工程と同様の工程を行うと、図4(d)に示すようにウエハW上にPSポリマー領域DSによるパターンDPが形成される。
【0030】
本実施形態によるパターン形成方法によれば、酸性溶液を用いてラインLの表面に可溶層を形成し、アルカリ性の溶剤の噴霧により可溶層を除去することにより、ラインLがスリミングされる。スリミングによりラインLの側面が平滑化されるため、第1の実施形態において説明した効果と同様の効果が発揮される。
【0031】
なお、第2の実施形態においては、スリミングの後のラインL間のスペースが、PMMAポリマー領域DMの幅とPSポリマー領域DSの幅との合計の整数倍(図示の例では2倍)と、PMMAポリマー領域DMの幅との和に等しくなるように予め決定される。
【0032】
また、可溶層の厚さは、ラインLを酸性溶液に晒す時間や、酸性溶液の酸性度などの条件により調整することができるため、予備実験等を行って条件を決定しておくことが好ましい。
【0033】
また、フォトレジストパターンPのラインLのスリミングは、例えば第1の実施形態においてラインLに対して溶剤気体を供給して、ラインLの表面を膨潤させた後に、ウエハW上に有機溶剤を供給し、膨潤した部分を溶解させることによっても行うことができる。有機溶剤として剥離液等を使用することができる。剥離液等は、使用するレジストに対して溶解度を有する液体であれば良く、具体的には、コリン水溶液(トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液)やKOH溶液などであって良い。また、剥離液の代わりに現像液を用いても良い。
【0034】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態によるパターン形成方法について説明する。
【0035】
(フォトレジストパターン形成工程及びフォトレジストパターン平滑化工程)
まず、第1の実施形態におけるフォトレジストパターン形成工程と、フォトレジストパターン平滑化工程とが行われ、図5(a)に示すように、ラインLを有するフォトレジストパターンPがウエハW上に形成される。ここでは、フォトレジストパターン平滑化工程によりラインLの側面は平滑化されている。
【0036】
(フォトレジストパターンの親水化処理工程)
次に、大気雰囲気下で、フォトレジストパターンPが形成されたウエハWに対して紫外光が照射される(図5(b))。これにより、大気中の酸素が紫外光により活性化されて活性酸素が生成され、フォトレジストパターンPのラインLの表面が活性酸素により親水化される。
【0037】
(DSAパターン形成工程)
この後、第1の実施形態によるパターン形成方法におけるDSAパターン形成工程を行うと、図5(c)に示すようにウエハW上にPSポリマー領域DSによるパターンDPが形成される。
【0038】
フォトレジストパターンPのラインLの表面(側面)は、本質的に親水性を有しているが、それでも尚、疎水性の表面に吸着し易い(疎水性との親和性が高い)ポリマーが吸着してしまう場合もある。しかし、本実施形態によるパターン形成方法によれば、紫外光により生成された活性酸素により、ラインLの表面は確実に親水化され得る。このため、DSAパターン形成工程においてPS−b−PMMAの膜21を加熱する際に、膜21中のPMMAポリマーがラインLの側面に優先的に吸着される。すなわち、PMMAポリマー領域がラインLの側面に接して形成されることとなり、これに隣接してPSポリマー領域が形成される。したがって、PMMAポリマー領域とPSポリマー領域とが、より確実に交互に配列される。
【0039】
なお、フォトレジストパターンPの親水化は、大気雰囲気下での紫外光照射の代わりに、フォトレジストパターンPをシランカップリング剤の溶液(又はシランカップリング剤の蒸気を含む気体)に晒すことによっても行うことができる。シランカップリング剤の溶媒としては、1−プロパノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ペンタノール、β−メタリルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、1,2−ジメチル−2−プロペン−1−オールなどを用いることができる。
【0040】
また、フォトレジストパターンPの親水化は、ラインLの表面に酸化シリコン膜を堆積するか、ラインLの表面にPMMAポリマーを塗布することによって行ってもよい。なお、ラインLの上面と、ラインLの下地層(本実施形態においてはウエハW)の上面とに酸化シリコン膜が堆積されていても、ラインLの側面にPMMAポリマー領域が接することとなるため、PMMAポリマー領域とPSポリマー領域とが、より確実に交互に配列される。ただし、ラインLの上面と、ラインLの下地層(本実施形態においてはウエハW)の上面とにおける酸化シリコン膜を例えばCF系ガスプラズマを用いたドライエッチングにより除去し、ラインLの側面に酸化シリコン膜を残すことが好ましい。
【0041】
次に、第1の実施形態におけるフォトレジストパターン平滑化工程を行うに好適なフォトレジスト処理装置を図6から図8までを参照しながら説明する。
図6及び図7に示すように、フォトレジスト処理装置100は、筐体100a内のほぼ中央部に設けられるカップ70と、カップ70内に配置されるチャック60と、チャック60に保持されるウエハWの表面に剥離液等を供給するディスペンサ77と、当該ウエハW上のフォトレジスト膜に溶剤気体を供給する溶剤供給ノズル83とを有している。また、図7を参照すると、筐体100aには、ウエハWの搬入出のため、外部の搬送装置13によるウエハWの通過を許容する搬送口100bと、搬送口100bを開閉するシャッタ100cとが設けられている。
【0042】
カップ70は、図6に示すように、外カップ70a、内カップ70b、及びベース70cを有している。外カップ70aは、ウエハW上に供給され、ウエハWの回転により飛散する剥離液等やそのミストを受けてフォトレジスト処理装置100の外に排出する。内カップ70bは、外カップ70aで跳ね返る剥離液等やウエハWから流れ落ちる剥離液等を受ける。
【0043】
外カップ70aと内カップ70bは、ベース70cによってほぼ同心円状に配置される。ベース70cの底部には、ドレインポート75aと、排気ポート75bとが設けられている。ドレインポート75aは、剥離液等を排出するドレイン管(不図示)に接続され、外カップ70a及び内カップ70bから流れ落ちる剥離液等を外部へ排出する。排気ポート75b端は排気システム(不図示)に接続されており、これにより、カップ70内が排気される。
【0044】
カップ70内側には、ウエハWを保持し回転するチャック60が設けられている。チャック60は、ウエハWを保持するウエハ保持部60aと、ウエハ保持部60aを支持する支柱60bとを有している。ウエハ保持部60aは、ほぼ水平となるように支柱60bにより支持され、平坦な上面を有し、直径とほぼ同じ直径を有している。ウエハ保持部60aには上面に開口した複数の吸引口(不図示)が設けられており、これらの吸引口を通してウエハWを吸引することによりウエハWがウエハ保持部60aの上面に保持される。また、チャック60の支柱60bは、駆動部61に結合されている。駆動部61によりチャック60は回転することができ、上下に移動可能である。チャック60の上下動により、搬送装置13との間でウエハWが受け渡される。
【0045】
図6を参照すると、筐体100aの天井部におけるカップ70上方の位置には、チャック60に保持されるウエハWを加熱するランプ69Lと、ランプ69Lを収容し、下面に透過窓69Wを有するランプハウス69と、ランプハウス69内においてランプ69Lの上方に配置される反射板69Rとが設けられている。ランプ69Lとしては、例えばキセノンフラッシュランプを用いることができる。また、透過窓69Wは、キセノンフラッシュランプから発せられる光を透過する例えば石英ガラスから作製することが好ましい。
【0046】
キセノンフラッシュランプは、キセノンガスが封入され、両端に電極が設けられるガラス管と、両電極に対して並列に接続される放電コンデンサと、ガラス管及び放電コンデンサと並列に設けられるトリガ回路と、トリガ回路とトランスを介して接続され、ガラス管の外周面に近接して設けられるトリガ電極と(いずれも不図示)を有している。放電コンデンサを充電していくとともに、トランスにより数千ボルトに昇圧された電圧がトリガ電極に印加されると、ガラス管内で絶縁破壊が起こり、放電コンデンサから静電エネルギーが放出され、両電極間に瞬時に電流が流れる。このときのジュール熱によりキセノンガスが加熱され光が放出される。放電コンデンサからの静電エネルギーは、数ミリ秒で放出されるため、極めて短い時間に光が放出され、その光によりウエハWが加熱される。
【0047】
図7を参照すると、フォトレジスト処理装置100内において、カップ70の−X方向側には、Y方向に沿って延びるレール80が設けられている。レール80の一端はカップ70の−Y方向側に位置し、他端はカップ70の+Y方向側に位置している。レール80上には、例えばリニアモータを含む駆動部82が往復可能に配置されており、駆動部82にはアーム81が取り付けられている。アーム81の先端には、ウエハWに溶剤気体を吐出するノズルとしての溶剤供給ノズル83が取り付けられている。このような構成により、溶剤供給ノズル83は、駆動部82により駆動されて、チャック60上を通過するように移動できる。また、溶剤供給ノズル83の移動は、駆動部82の動作を制御する駆動制御部84により制御されており、この駆動制御部84によって、溶剤供給ノズル83をY方向に所定の速度で移動させることができる。
【0048】
溶剤供給ノズル83はX方向に延びる細長形状を有しており、溶剤供給ノズル83の一端(アーム81との取り付け部)は、チャック60のウエハ保持部60aの−X方向側に位置し、他端はウエハ保持部60aの+X方向側に位置している。また、図8に示すように、溶剤供給ノズル83の下面には、長手方向の一端から他端に亘って吐出部85が形成されている。吐出部85には、溶剤供給ノズル83の長手方向に沿って、吐出部85の下面に開口する複数の吐出口86が形成されている。これらの吐出口86は、溶剤供給ノズル83の内部の導管(不図示)に連通し、この導管は、溶剤供給ノズル83の上部に接続される溶剤供給管88(図6)と連通している。溶剤供給管88は、図6に示すように溶剤気体供給源87に接続されている。このような構成により、溶剤供給ノズル83は、溶剤気体供給源87からの溶剤気体を溶剤供給管88から導入し、導入した溶剤気体を下面の吐出口86から下方に向けて均等に吐出できる。
【0049】
図6に示すように、溶剤気体供給源87は、例えば溶剤供給管88に接続され液体溶剤が貯留された貯留タンク90と、貯留タンク90内にキャリアガスを供給するキャリアガス供給管91を備えている。キャリアガス供給管91から貯留タンク90の液体溶剤内にキャリアガスを供給すること(バブリングすること)によって溶剤の蒸気を含むキャリアガス(以下、溶剤気体という)を溶剤供給管88内に圧送することができる。これにより、溶剤気体が溶剤供給管88を通って溶剤供給ノズル83に供給される。
【0050】
また、溶剤供給管88には、溶剤気体の流量を検出する流量センサ92と、流量を調節するバルブ93が設けられている。流量センサ92で検出された検出結果は、流量制御部94に出力され、流量制御部94は、当該検出結果に基づいてバルブ93の開閉度を調整することにより、溶剤供給ノズル83へ供給する溶剤気体の流量を調整することができる。
【0051】
ディスペンサ77は、ウエハW上のパターン化されたフォトレジスト膜に剥離液等(第2の溶剤)を供給する。ディスペンサ77は、駆動部(不図示)により回動可能であり、図7に点線で示す待機位置と、実線で示す供給位置とに配置され得る。また、ディスペンサ77及び駆動部は、駆動部の下端からディスペンサ77の先端に至る2本の内部導管(不図示)を有しており、一の内部導管を通して剥離液等を吐出することができ、他の内部導管を通して洗浄用の純水や脱イオン水を吐出することができる。このような構成により、ディスペンサ77は、ウエハWに対して剥離液等と純水等を選択的に供給することができる。
【0052】
上記の構成を有するフォトレジスト処理装置100においては、以下の手順により、第1の実施形態におけるフォトレジストパターン平滑化工程が実施され得る。
まず、フォトレジストパターンP(図1(b)参照)が形成されたウエハWが搬送口100bを通して筐体100a内に搬入され、チャック60に保持される。次に、溶剤供給ノズル83が図7の矢印Aに示すように−Y方向に移動し始める。溶剤供給ノズル83がカップ70の外方からウエハ保持部60aの一端の上方に到達すると、例えばカップ70の排気が一旦停止され、溶剤供給ノズル83から一定流量の溶剤気体が吐出口86から吐出され始める。この後、溶剤供給ノズル83は、溶剤気体を吐出しながら、一定速度でウエハWの他端側(−Y方向)に移動し、これにより、ウエハW上のフォトレジストパターンPが溶剤気体に晒される。そして、溶剤供給ノズル83がウエハ保持部60aの−Y方向側の端の上方まで移動すると、折り返してウエハWの他端から一端に(+Y方向に)移動する。こうして、溶剤供給ノズル83がウエハW上を往復移動し、ウエハW上のフォトレジストパターンP(図1(c))の表面に溶剤気体が供給される。溶剤供給ノズル83が往復移動し終えると、溶剤気体の供給が停止され、カップ70の排気が再開される。
【0053】
溶剤供給ノズル83がカップ70の外方に退避した後、ランプ69LによりウエハWに光を照射すると、ウエハW及びフォトレジストパターンPが加熱される。
以上の手順により、フォトレジストパターンP(ラインL)の表面は、溶剤気体に晒されることにより膨潤し、ランプ69Lで加熱されて膨潤した表面から溶剤気体が蒸発するため硬化することとなる。膨潤した後に硬化するため、フォトレジストパターンPのラインLの側面が平滑化され得る。すなわち、フォトレジスト処理装置100によれば、第1の実施形態によるパターン形成方法により発揮される効果と同様の効果を発揮し得る。
【0054】
なお、フォトレジストパターンPを溶剤気体に晒した後に、ディスペンサ77からウエハW上に剥離液等を供給して、フォトレジストパターンPのラインL表面の膨潤した部分を溶解させることにより、ラインLをスリミングすることも可能である。
【0055】
また、フォトレジスト処理装置100を、ディスペンサ77から酸性溶液を吐出でき、溶剤供給ノズル83からアルカリ性の溶剤を含む気体を噴霧できるように変形することも可能である。これによれば、チャック60に保持されるウエハWに対して、酸性溶液を吐出し、ランプ69LによりウエハWを加熱し、アルカリ性の溶剤を含む気体をウエハWに噴霧することができる。すなわち、フォトレジスト処理装置100において、第2の実施形態におけるフォトレジストパターンスリミング工程を行うことができる。
【0056】
次に、第1から第3の実施形態におけるDSAパターン形成工程を行うに好適なブロック共重合体(BCP)膜形成装置、BCP膜処理装置、及び紫外光照射装置を図9及び図10を参照しながら説明する。
【0057】
(BCP膜形成装置)
図9を参照すると、BCP膜形成装置310は、筐体310Cを有し、この筐体310C内に、ウエハWを回転可能に保持するスピンチャック2と、スピンチャック2に保持されたウエハWの表面に沿って移動可能で、ブロック共重合体の塗布液をウエハWに供給(吐出)する供給ノズル5と、スピンチャック2により保持されるウエハWの外周を取り囲み、供給ノズル5からウエハWの表面に供給され、ウエハWの回転により飛散する塗布液受けるカップ6と、を備えている。なお、筐体310Cの一側壁にはウエハWの搬入搬出口(不図示)が設けられており、この搬入搬出口はシャッタ(不図示)によって開閉可能である。
【0058】
カップ6は、例えば下面が閉鎖され上面が開口した円筒状に形成されている。カップ6の底部には、排気口6aと排液口6bが設けられている。排気口6aには排気ポンプ等の排気装置(不図示)に接続される排気管16が接続される。また、排液口6bには例えば工場の排液部(不図示)に接続される排出管170が接続されており、カップ6により回収した塗布液がBCP膜形成装置310の外部に排出される。
【0059】
スピンチャック2には例えばサーボモータ12が連結され、サーボモータ12によりスピンチャック2と、スピンチャック2に保持されるウエハWとが所定の回転速度で回転される。
【0060】
また、スピンチャック2を取り囲むように、ウエハWを支持して昇降させる例えば3つの支持ピン14が設けられている(図9には2つの支持ピン14を図示する)。支持ピン14は、例えばシリンダなどの昇降駆動機構15により、カップ6の底部に形成された貫通孔(不図示)を通して昇降自在である。支持ピン14は、昇降駆動機構15により、スピンチャック2の上面より高い位置まで突出することができ、スピンチャック2に対するウエハWの受け渡しを行うことができる。
【0061】
供給ノズル5は、図9に示すように、カップ6の外側に配置され水平回動及び昇降機能を有する移動機構20に連結される回動・昇降アーム210によって支持されている。移動機構20により、供給ノズル5は、カップ6の外側位置(点線で示す位置)と、ウエハWの中央上方の位置(実線で示す位置)との間で移動可能である。
また、供給ノズル5は、例えばPS−b−PMMAの溶液(塗布液)を貯留する供給源39に供給管39Lを介して接続されており、供給源39から塗布液をウエハWに対して供給することができる。
【0062】
以上のように構成されるBCP膜形成装置310によれば、スピンチャック2に保持されるウエハWに対して供給ノズル5から塗布液が供給され、ウエハWを所定の回転数で回転させることにより、ウエハW上にPS−b−PMMAの膜が形成される。この膜に対しては、後述する紫外光照射装置において加熱処理と紫外光の照射とが行われる。
【0063】
(BCP膜処理装置)
加熱処理と紫外光の照射とが行われたPS−b−PMMAの膜に対しては、有機溶剤が供給されてPMMAポリマー領域が溶解される。PMMAポリマー領域の溶解にはBCP膜処理装置を用いることができる。BCP膜処理装置は、BCP膜形成装置310における供給源39に例えばIPAなどの有機溶剤が貯留されており、供給ノズル5からウエハWに対して有機溶剤を供給できる点を除き、BCP膜形成装置310とほぼ同一の構成を有する。このため、重複する説明は省略する。
【0064】
なお、BCP膜処理装置においては、図9に示すようにカップ6の外側に、スピンチャック2に保持されたウエハWに向かってリンス液を供給するリンス液吐出ノズル800を設けても良い。また、リンス液吐出ノズル800は、供給ノズル5と同様に移動機構及び回動・昇降アーム(不図示)により、ウエハWの中央上方と待機部800aとの間で移動することができる。また、リンス液吐出ノズル800は、リンス液供給管(不図示)を介してリンス液供給源(不図示)に接続されている。このような構成によれば、リンス液供給源から供給されたリンス液により、ウエハW上に残る有機溶剤をリンスすることができる。
【0065】
(紫外光照射装置)
次に、図10を参照しながら紫外光照射装置400を説明する。図10に示すように、紫外光照射装置400は、ウエハWが収容されるウエハチャンバ510と、ウエハチャンバ510内に収容されたウエハWに対し紫外光を照射する光源チャンバ520とを有している。
【0066】
ウエハチャンバ510は、筐体53と、筐体53の天井部に設けられ紫外光が透過可能な透過窓54と、ウエハWが置かれるサセプタ57とを備える。透過窓54は、例えば石英ガラスにより形成されている。
【0067】
サセプタ57は、円板形状を有し内部にヒータ62を有している。ヒータ62は温度調整器63と接続され、これによりサセプタ57が所定の温度に維持される。また、サセプタ57の上面には、ウエハWを支持する複数の(例えば3個の)支持ピン58が設けられている。サセプタ57は、ウエハWと等しいか又は僅かに大きい直径を有しており、好ましくは、高い熱伝導率を有する熱伝導率、例えば炭化ケイ素(SiC)やアルミニウムにより形成される。
【0068】
複数の支持ピン58は、ウエハWが過度に加熱されるのを抑制し、加熱後のウエハWの冷却を促進する機能を有している。このため、支持ピン58は、例えば100W/(m・k)以上の高い熱伝導率を有する材料、例えば炭化ケイ素(SiC)で形成することが望ましい。なお、ウエハWからサセプタ57への熱伝導を促進するため、3個の支持ピン58に限らず、更に多数の支持ピン58を設けても良い。
【0069】
また、図10に示すように、ベースプレート55の内部には、冷却水の流水路55aが形成されている。そして、流水路55aには冷却水供給装置610から冷却水が供給され、ベースプレート55全体が所定の温度に冷却される。また、ベースプレート55上に設けられサセプタ57を支持する支柱56は、例えばアルミニウムで形成されることが好ましい。
【0070】
また、ウエハチャンバ510には、ベースプレート55及びサセプタ57を貫通して昇降動作することにより、ウエハWの搬入出の際にウエハWを下方から支持し昇降させる昇降ピン59と、昇降ピン59を昇降させる昇降機構600とが設けられている。
また、筐体53の一側壁には、ウエハWの搬入出口(不図示)が形成されており、これを通してウエハWがウエハチャンバ510内へ搬入され、ウエハチャンバ510から搬出される。搬入出口にはシャッタ(不図示)が設けられ、シャッタにより搬入出口が開閉される。シャッタは、搬入出口を気密に閉じることができると好ましい。
【0071】
さらに、筐体53の側壁には不活性ガス導入口51Aが設けられ、筐体53の底部には不活性ガス排気口51Bが設けられている。不活性ガス導入口51Aには、不活性ガスが貯留(充填)される不活性ガス供給源81が接続され、不活性ガス供給源81から不活性ガス導入口51Aを通してウエハチャンバ510の内部に不活性ガスが供給される。
【0072】
一方、ウエハチャンバ510の上方に配置される光源チャンバ520は、ウエハチャンバ510内のウエハWに対し紫外光を照射する光源LSと、光源LSに電力を供給する電源72とを備えている。光源LSは筐体73に収容されている。筐体73の底部には光源LSから放射される紫外光をウエハチャンバ510へ透過させるため、例えば石英ガラスにより形成される照射窓740が設けられている。光源LSからの紫外光が、照射窓740を介してウエハチャンバ510に向けて放射され、ウエハチャンバ510の透過窓54を透過した紫外光がウエハWに照射される。
【0073】
上記のように構成される紫外光照射装置400においては、BCP膜形成装置310にてウエハW上に形成されたPS−b−PMMAの膜が以下のように加熱され、露光される。すなわち、PS−b−PMMAの膜が形成されたウエハWがウエハチャンバ510に搬入され、昇降ピン59により受け取られ、サセプタ57上の支持ピン58に支持される。 シャッタが閉じてウエハチャンバ510内が外部環境から隔離された後、不活性ガス供給源81から例えば窒素ガスなどの不活性ガスをウエハチャンバ510内へ所定の時間供給すると、ウエハチャンバ510内に残留する空気がパージされる。これによりウエハチャンバ510内が不活性ガス雰囲気になる。
【0074】
ウエハチャンバ510内を不活性ガスによりパージしている間に、サセプタ57のヒータ62により、支持ピン58に支持されるウエハWが所定の温度に加熱される。所定の時間経過後、ヒータ62への電力の供給を停止すると、ウエハWの熱が、支持ピン58及びサセプタ57を通してベースプレート55へ伝わり、ウエハWが例えば室温(約23℃)程度まで冷却される。
【0075】
ウエハWが室温程度になった後、電源72から光源LSに電力が供給され、光源LSから紫外光が放射される。紫外光は、光源チャンバ520の照射窓740とウエハチャンバ510の透過窓54とを通して、不活性ガス雰囲気のもとでウエハWの表面に照射される。PS−b−PMMAの膜の露光に必要なドーズ量は「照度×照射時間」で決まるため、例えば予備実験などを通して紫外光の照度に応じた照射時間を決定することが好ましい。
【0076】
所定時間の紫外照射の後、ウエハWは、ウエハWの搬入時と逆の手順により、紫外光照射装置400から搬出される。その後、ウエハWは、BCP膜処理装置へ搬送され、ここでPS−b−PMMAの膜に対して有機溶剤(例えばIPA)が供給される。これにより、PMMAポリマー領域が溶解し、PSポリマー領域により構成されるパターンDP(図1から図3)が得られる。
次に、上述のフォトレジスト処理装置100、BCP膜形成装置310、BCP膜処理装置、及び紫外光照射装置400が組み込まれるパターン形成装置を図11から図13までを参照しながら説明する。
図11は、本実施形態によるパターン形成装置10を示す概略斜視図であり、図12は、パターン形成装置10を示す概略上面図である。図11及び図12を参照すると、パターン形成装置10は、カセットステーションS1、処理ステーションS2、及びインターフェイスステーションS3を有している。
【0077】
カセットステーションS1には、カセットステージ21と搬送アーム22(図12)とが設けられている。カセットステージ21には、複数枚(例えば25枚)のウエハWを収容可能な複数の(図示の例では4つの)カセットCが置かれる。以下の説明において、カセットCが並ぶ方向を、便宜上、X方向とし、これに直交する方向をY方向とする。
搬送アーム22は、カセットステージ21上のカセットCと処理ステーションS2との間でウエハWの受け渡しを行なうため、昇降可能、X方向に移動可能、Y方向に伸縮可能、鉛直軸まわりに回転可能に構成されている。
【0078】
処理ステーションS2は、カセットステーションS1に対して+Y方向側に結合されている。処理ステーションS2には、Y方向に沿って、ウエハW上にフォトレジストを塗布してフォトレジスト膜を形成する塗布ユニット32と、露光装置200において露光されたフォトレジスト膜を現像する現像ユニット320とが配置されている。また、塗布ユニット32の上にBCP膜形成装置310と紫外光照射装置400とがこの順に重ねて配置され、現像ユニット320の上にフォトレジスト処理装置100とBCP膜処理装置311とが配置されている(図11)。また、図12を参照すると、紫外光照射装置400に対して+X方向側に棚ユニットR1が配置され、BCP膜処理装置311に対して+X方向側に棚ユニットR2が配置されている。棚ユニットR1及びR2には、後述するようにウエハに対して行われる処理に対応した処理ユニットが積層されている。
【0079】
処理ステーションS2のほぼ中央には、主搬送機構MA(図12)が設けられており、主搬送機構MAはアーム71を有している。アーム71は、塗布ユニット32、現像ユニット320、BCP膜形成装置310、フォトレジスト処理装置100、紫外光照射装置400、BCP膜処理装置311、並びに棚ユニットR1及びR2の各処理ユニットに対してウエハWを搬入出するため、昇降可能、X方向及びY方向に移動可能、鉛直軸まわりに回転可能に構成されている。
【0080】
図13に示すように、棚ユニットR1には、ウエハWを加熱する加熱ユニット61と、ウエハWを冷却する冷却ユニット62と、ウエハ表面を疎水化する疎水化ユニット63と、ウエハWが一時的に置かれるステージを有するパスユニット64と、ウエハWの位置合わせを行うアライメントユニット65等とが縦方向に配列されている。また、棚ユニットR2には、ウエハWを加熱し、次いで冷却する複数のCHPユニット66と、ウエハWが一時的に置かれるステージを有するパスユニット67等とが縦方向に配列されている。なお、棚ユニットR1及びR2における各ユニットの種類及び配列は、図12に示すものに限らず、種々に変更して良い。
【0081】
また、図11及び図12を参照すると、処理ステーションS2の+Y方向側にはインターフェイスステーションS3が結合され、インターフェイスステーションS3の+Y方向側には露光装置200が結合されている。
【0082】
また、インターフェイスステーションS3には搬送機構76(図12)が配置されている。搬送機構76は、処理ステーションS2内の棚ユニットR2のパスユニット67(図13)と露光装置200との間でウエハWを搬入出するため、昇降可能、X方向に移動可能、Y方向に伸縮可能、鉛直軸まわりに回転可能に構成されている。
【0083】
また、パターン形成装置10には、図12に示すように、装置全体の動作の制御するための制御部101が設けられている。制御部101には、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等で形成されたプロセッサを備えパターン形成装置10の各部品又は部材を制御するプロセスコントローラ101aと、ユーザインターフェース部101bと、記憶部101cとが設けられる。
【0084】
ユーザインターフェース部101bは、工程管理者がパターン形成装置10を管理するためにコマンドの入力操作を行うキーボードや、パターン形成装置10の稼働状況を表示するディスプレイ等から構成される。
【0085】
記憶部101cには、パターン形成装置10で実行される各種処理をプロセスコントローラ101aの制御にて実現するための制御プログラム(ソフトウェア)や処理条件データ等が記憶されたレシピが格納される。そして、必要に応じて、ユーザインターフェース部101bからの指示等により任意のレシピを記憶部101cから呼び出してプロセスコントローラ101aに実行させることにより、プロセスコントローラ101aの制御下で、パターン形成装置10に所望の機能を実行させて所望の処理を行わせる。つまり、プログラムは、例えば前述の本発明の実施形態によるパターン形成方法を実行する手段としてパターン形成装置10を機能させるようにコンピュータを制御する。また、プログラム(及び処理条件データ等のレシピ)は、コンピュータで読み取り可能なプログラム記録媒体101d(例えば、ハードディスク、コンパクトディスク、光磁気ディスク、メモリカード、フレキシブルディスク等)に格納されており、所定の入出力(I/O)装置(不図示)を通して記憶部101cにインストールされる。或いは、例えばサーバ装置などの他の装置から、例えば専用回線を介して記憶部101cにインストールしても良い。
【0086】
以上のように構成されるパターン形成装置10によれば、第1から第3の実施形態によるパターン形成方法が制御部101の制御の下で実行される。したがって、第1から第3の実施形態の各々において発揮される効果と同様の効果が、パターン形成装置10により発揮される。
【0087】
以上、本発明の好ましい実施形態を参照しながら本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、添付の特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々に変形し、変更することができる。
【0088】
例えば、第3の実施形態においては、第1の実施形態におけるフォトレジストパターン平滑化工程を行った後に、フォトレジストパターンPのラインLを親水化する親水化処理を行ったが、第2の実施形態におけるフォトレジストパターンスリミング工程に引き続いて親水化処理を行ってもよい。
【0089】
また、フォトレジストパターン形成工程において、フォトレジスト膜PR(図1(a))を形成する前にウエハW上に反射防止膜を形成し、その上にフォトレジスト膜PRを形成してもよい。
【0090】
また、ガイドパターンとして、ラインLを有するフォトレジストパターンP(すなわち、ライン・アンド・スペース・パターン)を例にとり第1から第3の実施形態を説明したが、ホールを含むフォトレジストパターンをガイドパターンとして用いる場合であっても、そのホールの内面が平滑化かつ/又は親水化されるので、PS−b−PMMAによるパターン形成が促進され得ることは明らかである。
【0091】
また、第3の実施形態において、フォトレジストパターンPのラインLの表面の親水化を説明したが、ラインLの表面を疎水化しても良い。疎水化は、例えばシリル化剤などの疎水化剤の溶液(又はその蒸気を含む気体)にラインLを晒すことにより行われ得る。シリル化剤としては、例えばトリメチルシリルジメチルアミン(TMSDMA)、ジメチルシリルジメチルアミン(DMSDMA)、トリメチルシリルジエチルアミン(TMSDEA)、ヘキサメチルジンラザン(HMDS)、トリメチルジンラザン(TMDS)を用いることができる。ラインLの表面(側面)を疎水化すれば、疎水化面との親和性が高いポリマー(PS−b−PMMAにおいてはPSポリマー)が優先的にラインLに吸着することとなる。このため、PSポリマー領域及びPMMAポリマー領域は、この順にラインLの側面から交互に配列される。また、ホールを含むフォトレジストパターンをガイドパターンとして用いる場合には、PSポリマーにより、ホールの内面に沿ってシリンダ形状部が形成され、PMMAポリマーにより、シリンダ形状部の中空部を埋めるピラー形状部が形成される。IPAなどの有機溶剤によりPSポリマー(シリンダ形状部)を除去すると、ピラー形状部が残る。このようなピラー形状部は、3次元メモリや3次元トランジスタの形成に好適に利用され得る。
【0092】
また、上述の実施形態においては、ブロック共重合体としてPS−b−PMMAを例示したが、これに限定されることなく、例えばポリブタジエン−ポリジメチルシロキサン、ポリブタジエン−4−ビニルピリジン、ポリブタジエン−メチルメタクリレート、ポリブタジエン−ポリ−t−ブチルメタクリレート、ポリブタジエン−t−ブチルアクリレート、ポリ−t−ブチルメタクリレート−ポリ−4−ビニルピリジン、ポリエチレン−ポリメチルメタクリレート、ポリ−t−ブチルメタクリレート−ポリ−2−ビニルピリジン、ポリエチレン−ポリ−2−ビニルピリジン、ポリエチレン−ポリ−4−ビニルピリジン、ポリイソプレンーポリー2−ビニルピリジン、ポリメチルメタクリレート−ポリスチレン、ポリ−t−ブチルメタクリレート−ポリスチレン、ポリメチルアクリレート−ポリスチレン、ポリブタジエンーポリスチレン、ポリイソプレン−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリ−2−ビニルピリジン、ポリスチレン−ポリ−4−ビニルピリジン、ポリスチレン−ポリジメチルシロキサン、ポリスチレン−ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド、ポリブタジエン−ポリアクリル酸ナトリウム、ポリブタジエン−ポリエチレンオキシド、ポリ−t−ブチルメタクリレート−ポリエチレンオキシド、ポリスチレン−ポリアクリル酸、ポリスチレン−ポリメタクリル酸等がある。
【0093】
また、PS−b−PMMAの膜中のPMMAポリマー領域を溶解させる有機溶剤としては、IPAに限らず、例えばIPAとメチルイソブチルケトン(MIBK)との混合液、又は酢酸を用いてもよい。なお、フォトレジストパターンをガイドパターンとして用いる場合には、有機溶剤としてIPAを使用することが好ましい。フォトレジストがIPAに溶解し難いためである。
【0094】
また、PS−b−PMMAの膜中のPMMAポリマー領域を有機溶剤で溶解させる場合、使用する有機溶剤に応じて有機溶剤を昇温しても良い。IPAの場合であれば、例えば例えば40℃から60℃までの温度に昇温することが好ましい。昇温により、PMMAポリマー領域の有機溶剤への溶解度を高くすることができる。
【0095】
また、PS−b−PMMAの膜中のPMMAポリマー領域は、有機溶剤による溶解に限らず、例えば酸素プラズマを用いたドライエッチングにより除去しても良い。
【0096】
上述の実施形態において、紫外光の光源LSとして波長172nmの紫外光を発するXeエキシマランプを例示したが、例えば、波長185nmと波長254nmに強いピークを有する紫外光を発する低圧紫外ランプ(低圧水銀灯)や、波長222nmの単一波長光を発するKrClエキシマランプを使用しても良い。また、例えば遠紫外領域から真空紫外領域にかけて比較的ブロードな発光スペクトルを有するランプと、例えば約230nmの波長より長い波長を遮蔽する波長カットフィルターとにより光源LSを構成しても構わない。
【符号の説明】
【0097】
100・・・フォトレジスト処理装置、69・・・ランプハウス、69L・・・ランプ、83・・・溶剤供給ノズル、87・・・溶剤気体供給源、310・・・BCP膜形成装置、5・・・供給ノズル5、39・・・供給源、400・・・紫外光照射装置、510・・・ウエハチャンバ、520・・・光源チャンバ、57・・・サセプタ、58・・・支持ピン、L・・・光源、72・・・電源、10・・・パターン形成装置、S1・・・カセットステーション、S2・・・処理ステーション、S3・・・インターフェイスステーションS3、32・・・塗布ユニット、320・・・現像ユニット、200・・・露光装置、101・・・制御部、101d・・・プログラム記録媒体101d。
図1
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