【0014】
本発明では、
図2(a)のような純粋リンス後に、
図2(b)に示すように、上記リンスしたシリコンウェーハ1を、純水で満たされた洗浄槽2からシリコンウェーハスタンド9を用いて取り出した後、
図2(c)に示すように、開口部3及び排気口4を有する石英製の乾燥容器5内の載置台6に配置し、乾燥させる。尚、シリコンウェーハ1を洗浄槽2から取り出す際、洗浄槽2内の純水がオーバーフローしている状態から、シリコンウェーハ1を取り出しても良いし、純水を洗浄槽2内から排出した後、シリコンウェーハ1を洗浄槽2から取り出しても良い。また、洗浄槽2内の純水は常温であることが好ましい。
【実施例】
【0022】
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
最初に直径が300mmの両面を鏡面で仕上げた清浄なシリコン単結晶のシリコンウェーハを準備した。このシリコンウェーハは、
図1に示すようにアンモニア・過酸化水素水洗浄を行った後、連続して、純水リンス、塩酸・過水洗浄、純水リンスを行い、最後に乾燥を行った。
【0023】
このとき、洗浄条件は、表1に示すように、アンモニア・過水洗浄の薬液組成(混合比率)はアンモニア:過水:純水=1:1:10、洗浄液温度は80℃、塩酸・過水洗浄の薬液組成(混合比率)は塩酸:過水:純水=1:1:10、洗浄液温度は80℃とし、各洗浄液による洗浄時間はそれぞれ5minとした。
【0024】
【表1】
【0025】
図1の工程4において、
図2(a)に示すような純水リンスをした後には、
図2(b)に示すように、洗浄槽2に取り付けられた可動式のシリコンウェーハスタンド9が、5mm/secの速度で上昇することによってシリコンウェーハ1を室温の純水中から取り出し、続けて
図2(c)に示すように、シリコンウェーハ1を載置台6に配置し、ヒーター8で加熱しつつ、ブロワーで排気しながら乾燥を行った。このとき、シリコンウェーハ1表面における排気風速は、0.2m/secで行った。ヒーター8は波長が2〜3.5ミクロンの中波長赤外線ヒーター1.2KWを2個使用した。尚、排気される空気には、薬品は含まれていないので、乾燥容器5が配置されたクリーンルーム内に戻すことも可能であった。
【0026】
(実施例2)
シリコンウェーハ表面における排気風速を、0.4m/secとした以外は、実施例1と同様にシリコンウェーハの洗浄、乾燥を行った。
【0027】
(実施例3)
シリコンウェーハ表面における排気風速を、0.5m/secとした以外は、実施例1と同様にシリコンウェーハの洗浄、乾燥を行った。
【0028】
(比較例1)
実施例1と同様にアンモニア・過水洗浄、純水リンス、塩酸・過水洗浄、純水リンスを連続して行い、
図3(a)に示す純水リンス後に、
図3(b)に示すように温純水乾燥を行った。温純水乾燥では、洗浄槽12の温純水温度は50℃、流量は5L/min、洗浄槽12に取り付けられた可動式のシリコンウェーハスタンド19の上昇速度は2mm/secで行った。この後、
図3(c)に示すように、乾燥用の載置台16にシリコンウェーハ11を載置し、温純水乾燥による余熱を利用して、シリコンウェーハ11の乾燥を行った。
【0029】
(比較例2)
シリコンウェーハ表面における排気風速を、0.1m/secとした以外は、実施例1と同様にシリコンウェーハの洗浄、乾燥を行った。
【0030】
(比較例3)
シリコンウェーハ表面における排気風速を、0.8m/secとした以外は、実施例1と同様にシリコンウェーハの洗浄、乾燥を行った。
【0031】
以下、実施例及び比較例における乾燥後のシリコンウェーハのパーティクルレベル(平均値)と乾き残りの結果について表2にまとめた。
【0032】
【表2】
【0033】
表2に示すように、比較例1では、乾き残りは生じなかったが、パーティクルレベルは若干悪く、また温純水乾燥における引き上げと、その後の乾燥に時間がかかるため、生産性が悪かった。また、比較例2では、シリコンウェーハ表面の排気速度が小さいため、乾き残りが発生した。更に、比較例3では、シリコンウェーハ表面の排気速度が大きいため、空間設備のコストアップを招き、更にパーティクルレベルも悪かった。
【0034】
一方、実施例1〜3では、シリコンウェーハを生産性良く乾燥することができ、パーティクルレベルの悪化や、乾き残りも生じなかった。
【0035】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。