【実施例】
【0028】
〔食用油の耐冷性評価〕
表1に記載の配合にて食用油(試料)を製造し、それぞれについて、以下の手順で耐冷性の評価を行なった。評価結果を表1に示す。また、表2に記載の対照油についても同じ評価を行なった。評価結果を表2に示す。
【0029】
<耐冷性の評価手順>
(1)試料はビーカーの中であらかじめ120℃で5分間加熱した後、約30℃に放冷した。
(2)試料を試料瓶(100〜120ml、直径約50mm)の80〜90%程度まで入れて栓をした後、ポリエチレンシートで栓及び瓶の口部を覆い、ゴム輪で固く締めた。
(3)試料瓶を水槽に入れ、水槽に氷水を加え、試料瓶を0℃に保った。
(4)0℃に保ったままで3日間(72時間)経過した後に、試料瓶を取り出し、試料の状態を素早く観察した。計4名のパネルが目視で試料の外観を観察し、下記の6段階で評価した。透明容器に充填された食用油を棚に陳列し、一瞥した際に、透明に見える下記の4と5は問題がないため、平均4.0点以上を合格とした
5:清澄、4:結晶浮遊、3:くもり、2:白濁、1:沈殿、0:固化
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
表1及び表2に記載の原料は以下の表3の通りであり、いずれも日清オイリオグループ株式会社製である。
【0033】
【表3】
【0034】
なお、「エキストラバージンオリーブオイル65〜30質量%、高オレイン酸低リノレン酸菜種油35〜70質量%」では、上記手順と同様にして5日間(120時間)経過した後に観察した場合においても、それぞれ表1と同等の結果(平均4〜5点)が得られた。
【0035】
〔ドレッシングの耐冷性評価〕
表4に記載の配合にて製造した食用油を用いてドレッシング(試料)を製造し、それぞれについて、以下の手順で耐冷性の評価を行なった。評価結果を表4に示す。また、表5に記載の対照油を用いてドレッシング(試料)を製造し、これらについても同じ評価を行なった。評価結果を表5に示す。
【0036】
<耐冷性の評価手順>
(1)表4に記載の配合にて製造した食用油100g、食酢50g、食塩1.6g(事前に食酢に溶解)を試料瓶(200g、PETボトル)に入れ、栓をし、試料瓶を20回よく振り混ぜてドレッシング(試料)を製造した。
(2)試料瓶を0℃の恒温槽にて静置した。
(3)3日間(72時間)経過した後に、試料瓶を取り出し、試料の状態を素早く観察した。計4名のパネルが目視で試料の油層(上層)の外観を観察し、下記の6段階で評価した。ドレッシング使用時に混和することのできる平均5〜2点を合格とした。
5:清澄、4:結晶浮遊、3:くもり、2:白濁、1:沈殿、0:固化
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
表4及び表5に記載の原料は前記の表3の通りであり、いずれも日清オイリオグループ株式会社製である。
【0040】
〔食用油の風味の評価〕
表6及び表7に記載の配合にて食用油(試料)を製造し、それぞれについて、以下の手順で風味(生風味及び加熱後の風味)の評価を行なった。生風味の評価結果を表6に示し、加熱後の風味の評価結果を表7に示す。
【0041】
<生風味の評価手順>
(1)計4名のパネルが大さじ1杯の試料を口に含み、オリーブオイルのフルーティな風味、及び残部油脂に由来する雑臭又は劣化臭のそれぞれについて、下記の13段階で評価し、平均値を算出した。
6:極めて強い、5.5:5と6の中間、5:強い、4.5:4と5の中間
4:やや強い、3.5:3と4の中間、3:普通、2.5:2と3の中間
2:やや弱い、1.5:1と2の中間、1:弱い、0.5:0と1の中間
0:極めて弱い
(2)オリーブオイルの風味[A]は、点数が高いほど望ましく、残部油脂に由来する雑臭又は劣化臭[B]は点数が低いほど望ましい。[A]と[B]の差([A]−[B])が2.0点以上の場合、一般的なピュアオリーブオイル(エキストラバージンオリーブオイル30%、精製オリーブオイル70%)と同等以上の風味であり好ましい。一般的なピュアオリーブオイルが2.0点であり、これと同等以上であれば、良好なオリーブ風味であるため、2.0点以上を合格の目安とした。
【0042】
<加熱後の風味の評価手順>
(1)試料瓶(200ml、ビーカー)に試料を50ml入れ、これを180℃で3分間、加熱した。その後、室温で60分間、放冷した。
(2)計4名のパネルが大さじ1杯の試料を口に含み、オリーブオイルのフルーティな風味、及び残部油脂に由来する雑臭又は劣化臭のそれぞれについて、下記の13段階で評価し、平均値を算出した。
6:極めて強い、5.5:5と6の中間、5:強い、4.5:4と5の中間
4:やや強い、3.5:3と4の中間、3:普通、2.5:2と3の中間
2:やや弱い、1.5:1と2の中間、1:弱い、0.5:0と1の中間
0:極めて弱い
(3)オリーブオイルの風味[A]は、点数が高いほど望ましく、残部油脂に由来する雑臭又は劣化臭[B]は点数が低いほど望ましい。[A]と[B]の差([A]−[B])が0.0点以上の場合、一般的なピュアオリーブオイル(エキストラバージンオリーブオイル30%、精製オリーブオイル70%)と同等以上の風味であり好ましい。一般的なピュアオリーブオイルが0.0点であり、これと同等以上の風味を求めたため、0.0点以上を合格の目安とした。
【0043】
【表6】
【0044】
【表7】
【0045】
表6及び表7に記載の原料は前記の表3の通りであり、いずれも日清オイリオグループ株式会社製である。また、表中の「精製オリーブ」は、商品名ボスコ エキストラバージンオリーブオイルを精製することにより製造した精製オリーブオイルである。精製処理は、アルカリ脱酸処理、脱色処理(活性白土1%)、減圧脱臭処理(240℃、90分)を行った。
【0046】
〔食用油を含有する食品の風味の評価〕
表8、表9および表10に記載の配合にて食用油を含有する食品の風味を評価した。セパレートドレッシングの評価結果を表8に示し、マヨネーズの評価結果を表9に示し、揚げ物の評価結果を表10に示す。
【0047】
<セパレートドレッシングの評価手順>
(1)表8に記載の配合にて製造した食用油100g、食酢50g、食塩1.6g(事前に食酢に溶解)を試料瓶(200g、PETボトル)に入れ、栓をし、試料瓶を20回よく振り混ぜてドレッシング(試料)を製造した。
(2)計4名のパネルがドレッシングの風味を評価した。
【0048】
【表8】
【0049】
<マヨネーズの評価>
(1)表9に記載の配合にて製造した食用油180g、卵55g、食酢23g、食塩2g、マスタード1g、砂糖1gをフードプロセッサーを用いよく攪拌してマヨネーズを製造した。
(2)計4名のパネルがマヨネーズの風味を評価した。
【0050】
【表9】
【0051】
<揚げ物の評価手順>
(1)表10に記載の配合にて製造した食用油800gで揚げ物を行った。
(2)計4名のパネルが揚げ物の風味を評価した。
【0052】
【表10】
【0053】
表1,4,6,7,8,9,10より、エキストラバージンオリーブオイル45〜65質量%と高オレイン酸低リノレン酸菜種油55〜35質量%を配合して製造した食用油は、耐冷性に優れ、かつ風味も良好であることが分かる。また、当該食用油を含有するドレッシングの耐冷性も優れ、風味も良好であることが分かる。