【実施例】
【0028】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、核磁気共鳴スペクトル(
1H−NMR)、液体クロマトグラフィー分析(LC)は、以下の機器および条件で測定した。
[1]
1H−NMR
機種:JNM−ECP300 (JEOL製、300MHz)
測定溶媒:CDCl
3,DMSO−d
6
[2]LC
(1)LC条件例1:ケタール保護反応の分析
LC:Agilent1100
Column:YMC Pack−Pro C18 RS 6×250mm 5μm
Oven Temp:50℃
Eluent:CH
3CN,H
2O
CH
3CN=40%(0min.)→40%(2min.)→60%(50min.)→90%(70min.)→90%(80min.)→50%(83min.)→40%(90min.)かっこ内のタイムプログラムは分析開始からの総時間を表す。
Flow rate:1.2mL/min.
Detector:UV195nm
(2)LC条件例2:Grignard反応の分析
LC:Agilent1100
Column:YMC Pack−Pro C18 RS 4.6×250mm 5μm
Oven Temp:50℃
Eluent:CH
3CN,H
2O
CH
3CN=50%(0min.)→50%(2min.)→69%(30min.)→90%(35min.)→90%(40min.)→50%(43min.)→50%(50min.)かっこ内のタイムプログラムは分析開始からの総時間を表す。
Flow rate:1.2mL/min.
Detector:UV195nm
(3)LC条件例3:還元反応の分析
LC:島津20A
Column:YMC Pack−Pro C18 RS 4.6×250mm 5μm
Oven Temp:40℃
Eluent:CH
3CN,H
2O
CH
3CN=35%(0min.)→35%(2min.)→70%(36min.)→90%(0.01min.)→90%(6min.)→35%(0.01min.)→35%(10min.)かっこ内のタイムプログラムは変化(または固定)にかかる時間を表す。
Flow rate:1.2mL/min.
Detector:UV195nm
(4)LC条件例4:オゾン酸化反応の分析
LC:島津10A
Column:L−column2 ODS 4.6×250mm 3μm
Oven Temp:45℃
Eluent:CH
3CN,H
2O
CH
3CN=35%(0min.)→35%(35min.)→95%(1min.)→95%(14min.)→35%(1min.)→35%(19min.)かっこ内のタイムプログラムは変化(または固定)にかかる時間を表す。
Flow rate:1.2mL/min.
Detector:UV195nm
【0029】
[参考例1](R)−(+)−(1)−フェニルエタンアミン−ボラン錯体の製造
ガラス製反応容器内を窒素置換したところに室温で(R)−(+)−(1)−フェニルエタンアミン10.5gを加え、n−ヘキサン21.0gに溶解させた。その後、0℃でジメチルスルフィド−ボラン6.58gを加え、室温で2時間撹拌した。その後、吸引ろ過、減圧乾燥により(R)−(+)−(1)−フェニルエタンアミン−ボラン錯体を白色固体として10.60g、収率90.7%で得た。
【0030】
[実施例1]
化合物(6)の合成
【化7】
【0031】
D−グロニック γ−ラクトン(D−Gulonic γ−Lactone)10g、およびシクロヘキサノン12.12gにトルエン100gを加えた。そこへ、室温でp−トルエンスルホン酸一水和物53mgを加えた。
Dean−Stark装置を取り付け、脱水条件下で8時間還流撹拌した。その後、40℃に冷却し、トルエン20g、および1.5質量%の炭酸水素ナトリウム水溶液60gを滴下し、10分間撹拌した後、分液した。分液して得られた有機層を水50gで洗浄後、この有機層から減圧下にてトルエン70gを留去し、テトラヒドロフラン50gを加えて化合物(9)のトルエン−テトラヒドロフラン溶液とした。この溶液中の化合物(9)の含量をLC分析にて求めたところ、得量17.4g、収率92%であった。
【0032】
次に、化合物(9)6.0gを含有するトルエン−テトラヒドロフラン溶液36.75gに、テトラヒドロフラン15mLを加えて−20℃に冷却し、濃度1.0Mのビニルマグネシウムブロマイド−テトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製)21mLおよびジメトキシエタン2.1mLの混合溶液を滴下し、そのままの温度で3時間反応させた。
この反応液を、ヘプタン60mLおよび塩化アンモニウム水溶液60mLの混合液の中に滴下し、分液後、有機層を水30gで2回洗浄した。有機層を減圧濃縮して化合物(6)を得た。化合物(6)の得量は5.1gであり、化合物(9)からの収率は78%であった。得られた化合物(6)のNMRデータを以下に示す。
【0033】
1H−NMR(300MHz,ppm,in CDCl
3)δ:1.25−1.75(m,20H),2.38(s,1H),3.71−3.76(dd,1H),4.11−4.15(dd,1H),4.22−4.27(dd,1H),4.35−4.21(m,1H),4.48−4.50(d,1H),4.73−4.76(dd,1H),5.34−5.38(dd,1H),5.54−5.60(dd,1H),6.08−6.17(dd,1H).
13C−NMR(300MHz,ppm,in CDCl
3)δ:23.7,23.8,23.9,24.0,25.0,25.1,34.6,35.0,35.8,36.2,65.8,75.5,80.3,82.3,86.4,104.9,110.4,113.8,117.5,136.5.
【0034】
[実施例2]
化合物(7)の合成
【化8】
【0035】
ターシャリーブチルアミン−ボラン錯体7.12gおよび塩化メチレン150gの溶液中に、上記で得られた化合物(6)30gおよび塩化メチレン60gの溶液を滴下し、室温で20時間撹拌した。
この反応液中に、5質量%塩酸水溶液62.6gを滴下し、室温で2時間撹拌した後、分液した。分液して得られた有機層に、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液130gを加えて撹拌後、これを分液し、さらに有機層に水90gを加えて撹拌後、これを分液した。分液して得られた有機層を減圧濃縮して化合物(7)を得た。化合物(7)の得量は23.2gで、収率は77%であり、化合物(7)と立体異性体(7’)との生成比は7.9:1であった。得られた化合物(7)のNMRデータを以下に示す。
【0036】
1H−NMR(300MHz,ppm,in CDCl
3)δ:1.35−1.75(m,20H),3.02−3.04(d,1H),3.15−3.17(d,1H),3.81−3.86(dd,1H),3.98−4.09(m,4H),4.30−4.38(q,1H),4.47−4.53(m,1H),5.23−5.28(dt,1H),5.37−5.44(dt,1H),5.98−6.09(ddd,1H).
【0037】
[実施例3]
化合物(6)の還元反応
(1)(R)−(+)−(1)−フェニルエタンアミン−ボラン錯体を用いた還元反応
参考例で得られた(R)−(+)−(1)−フェニルエタンアミン−ボラン錯体0.45gおよび塩化メチレン5.95gの溶液中に、化合物(6)のトルエン溶液2.0204g(化合物(6)含量:1.00g)を滴下し、4℃で20時間撹拌した。反応液を一部取り逆相HPLCにより分析し、内部標準定量法により収率90.0%で対応する化合物(7)が生成していることを確認した。反応液中に化合物(7)の含量は0.90gで、化合物(7)と立体異性体(7’)との生成比は19.4:1であった。
【0038】
(2)系内アミンボラン発生法による還元反応
ガラス製反応容器内を窒素置換したところに室温で(R)−(+)−(1)−フェニルエタンアミン0.21gを加え、トルエン1.00gに溶解させた。その後0℃でジメチルスルフィド−ボラン0.16gを加え、室温で2時間撹拌した。その後、4℃に冷却し、塩化メチレン2.96g加え、化合物(6)のトルエン溶液1.02g(化合物(6)含量:0.51g)を滴下し、4℃で20時間撹拌した。反応液を一部取り逆相HPLCにより分析し、内部標準定量法により収率.86.4%で対応する化合物(7)が生成していることを確認した。反応液中に化合物(7)の含量は0.44gで、化合物(7)と立体異性体(7’)との生成比は15.7:1であった。
【0039】
上記(1)と同様に種々の還元剤にて化合物(6)の還元を実施した際の結果を下記表1,2にまとめて示す。但し、表中に示す略語tはターシャリー、Buはブチル、9−BBNは9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン、Cyはシクロヘキシル、Meはメチル、Etはエチル、Phはフェニル、2−MeCyは2−メチルシクロヘキシル基、1−CyEtは1−シクロヘキシルエチル基、1−PhEtは1−フェニルエチル基を意味する。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
[参考例2]
化合物(8)の合成
【化9】
【0043】
上記で得られた化合物(7)1.59gおよびメタノール15.9gの溶液を、0℃に冷却した後、オゾンガスを30分間吹き込んだ。その30分後に、ジメチルスルフィド0.80gを滴下して3時間撹拌した。その後、55〜58℃に昇温し、析出していた固体が溶解したことを確認した後、0℃まで冷却して固体を析出させた。得られた化合物(8)の結晶の得量は1.25g、収率は79%であった。
【0044】
[参考例3−1]
D−グロニック γ−ラクトンから化合物(8)の合成
D−グロニック γ−ラクトン50gおよびシクロヘキサノン56.50gにトルエン300gを加えた。そこへ、室温でp−トルエンスルホン酸ピリジン錯体2.12gを加えた。Dean−Stark装置を取り付け、脱水条件下で15時間還流撹拌した。50℃に冷却し、テトラヒドロフラン200gを加えた。溶液中の化合物(9)の含量をLC分析にて求めたところ、得量83.41gであり、収率88%であった。
得られた化合物(9)のトルエン−テトラヒドロフラン溶液に、テトラヒドロフランを408g加え、その内の222.53g(化合物(9)含量:18.60g)を採取し、−30℃に冷却した。この溶液に、ビニルマグネシウムクロライド−テトラヒドロフラン溶液(関東化学社製)46.87gを滴下し、LC分析にて反応転化率を確認した後、さらに同ビニルマグネシウムクロライド−テトラヒドロフラン溶液8.79gを滴下した。さらに反応転化率を確認した後、同ビニルマグネシウムクロライド−テトラヒドロフラン溶液1.78gを滴下した。反応転化率を確認した後、酢酸6.44gおよびテトラヒドロフラン6.44gの混合液を反応液に滴下し、0℃まで昇温した。ここに、水42.8gを加えて分液し、化合物(6)を含有する有機層を得た。LC分析による、化合物(6)の含量は19.60gであり、化合物(9)からの収率は97%であった。
【0045】
続いて、得られた化合物(6)の溶液253.7gを採取し、水31.28gで洗浄した。その溶液をエバポレーターで濃縮して溶液31.18gを得(化合物(6)含量14.33g、LC分析)、この溶液に塩化メチレン28.5gを添加した。
ターシャリーブチルアミン−ボラン錯体3.41gおよび塩化メチレン71.6gの溶液中に、上記の化合物(6)の塩化メチレン溶液を滴下し、20℃で16時間撹拌した。その後、ターシャリーブチルアミン−ボラン錯体0.34gを反応液に添加し、1時間撹拌した。反応液中に5質量%塩酸水溶液28.2gを滴下し、20℃で2時間撹拌した後、分液した。得られた有機層に5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液65.7gを加えて撹拌し、これを分液した後、さらに有機層に水43.0gを加えて撹拌し、これを分液し、化合物(7)を含有する有機層を得た。LC分析による、化合物(7)の含量は8.56gで、収率は59%であり、化合物(7)と立体異性体(7’)との生成比は6.2:1であった。
【0046】
得られた有機層を濃縮し、メタノール63.36gを添加した。このメタノール溶液を0℃に冷却し、オゾンガスを2時間15分間吹き込んだ(この際、原料消失および中間体オゾニド生成をLC分析により確認した。)。その1時間30分後にジメチルスルフィド4.45gを滴下し、1.5日間撹拌した(この際、オゾニドの消失をLC分析により確認した。)。その後、55〜60℃に昇温し、析出していた固体が溶解したことを確認した後、0℃まで冷却し、固体を析出させた。得られた化合物(8)の結晶の得量は6.41gであり、収率は85%であった。
【0047】
[参考例3−2]
D−グロニック γ−ラクトンから化合物(8)の合成
D−グロニック γ−ラクトン90gおよびシクロヘキサノン101.70gにトルエン540gを加えた。そこへ、室温でp−トルエンスルホン酸ピリジン錯体3.81gを加えた。Dean−Stark装置を取り付け、脱水条件下で22時間還流撹拌した。40℃に冷却し、テトラヒドロフラン360gを加えた。溶液中の化合物(9)の含量を求めたところ、得量162.21gであり、収率95%であった。
得られた化合物(9)のトルエン−テトラヒドロフラン溶液1051.11g(化合物(9)含量:164.36g)を採取し、テトラヒドロフラン824gを加え、−40℃に冷却した。この溶液に、ビニルマグネシウムクロライド−テトラヒドロフラン溶液(関東化学社製)176.33gを滴下し、反応転化率を確認した後、さらに同ビニルマグネシウムクロライド−テトラヒドロフラン溶液198.68gを滴下した。さらに反応転化率を確認した後、同ビニルマグネシウムクロライド−テトラヒドロフラン溶液24.86gを滴下した。反応転化率を確認した後、酢酸46.08gおよびトルエン46.08gの混合液を反応液に滴下し、25℃まで昇温した。ここに、水379.31gを加えて分液し、化合物(6)を含有する有機層を得た。この有機層に10質量%酢酸水溶液460.77gを加えて分液し、得られた有機層に10質量%水酸化ナトリウム水溶液307.18gを加えて分液した。さらに有機層に水494.76gを加えて分液し、化合物(6)を含有する有機層を得た。この有機層をエバポレーターにて濃縮し、さらにトルエン824.60g加えて濃縮して溶液363.30gを得た(化合物(6)含量156.82g)。化合物(9)からの収率は91%であった。
【0048】
ターシャリーブチルアミン−ボラン錯体41.62gおよび塩化メチレン730.63gの溶液中に、化合物(6)のトルエン溶液350.00g(化合物(6)含量:146.13g)を滴下し、4℃で23時間撹拌した。反応液中に3質量%塩酸水溶液581.55gを滴下し、30℃で70分間撹拌した後、水146.13gを添加して撹拌し、分液した。得られた有機層に3質量%炭酸水素ナトリウム水溶液446.66gを加えて撹拌し、これを分液した後、さらに有機層に水438.38gを加えて撹拌し、これを分液し、化合物(7)を含有する有機層を得た。この有機層をエバポレーターにて濃縮し、さらにメタノール438.38gを加えて濃縮、またメタノールを438.38g加えて濃縮し、メタノール438.38gを加えて溶液687.51gを得た。化合物(7)の含量は130.40gで、収率は82.80%であり、化合物(7)と立体異性体(7’)との生成比は10.2:1であった。
【0049】
化合物(7)のメタノール溶液674.75g(化合物(7)含量:128.00g)を採取し、メタノール1001.80gを加え、−45℃に冷却した。このメタノール溶液にオゾンガスを3時間40分間吹き込んだ。反応転化を確認後にジメチルスルフィド28.10gを滴下した後室温まで昇温し、16時間撹拌した。その後3質量%炭酸水素ナトリウム水溶液46.13gを加えて55〜63℃に昇温し、析出していた固体が溶解したことを確認した後、0℃まで冷却し、固体を析出させた。得られた化合物(8)の結晶の得量は103.12gであり、収率は80%であった。
【0050】
[参考例3−3]
D−グロニック γ−ラクトンから化合物(8)の合成
D−グロニック γ−ラクトン60.06gおよびシクロヘキサノン67.83gにトルエン360.42gを加えた。そこへ、室温でp−トルエンスルホン酸ピリジン錯体2.57gを加えた。Dean−Stark装置を取り付け、脱水条件下で22時間還流撹拌した。40℃に冷却し、テトラヒドロフラン240.91gを加えた。溶液中の化合物(9)の含量を求めたところ、得量110.08gであり、収率96.4%であった。
得られた化合物(9)のトルエン−テトラヒドロフラン溶液230.39g(化合物(9)含量:36.24g)を採取し、テトラヒドロフラン181.41gを加え、−40℃に冷却した。この溶液に、ビニルマグネシウムクロライド−テトラヒドロフラン溶液(Chemetall社製)50.49gを滴下し、反応転化率を確認した後、さらに同ビニルマグネシウムクロライド−テトラヒドロフラン溶液19.25gを滴下した。さらに反応転化率を確認した後、同ビニルマグネシウムクロライド−テトラヒドロフラン溶液2.21gを滴下した。反応転化率を確認した後、酢酸11.47gおよびトルエン11.47gの混合液を反応液に滴下し、25℃まで昇温した。ここに、水83.11gを加えて分液し、化合物(6)を含有する有機層を得た。この有機層に10質量%酢酸水溶液110.01gを加えて分液し、得られた有機層に10質量%水酸化ナトリウム水溶液73.35gを加えて分液した。さらに有機層に水110.08gを加えて分液し、化合物(6)を含有する有機層を得た。この有機層にトルエン181.20gを加えて濃縮して溶液488.70gを得た(化合物(6)含量37.21g)。化合物(9)からの収率は94.8%であった。
【0051】
ターシャリーブチルアミン−ボラン錯体24.61gおよび塩化メチレン432.14gの溶液中に、化合物(6)のトルエン溶液170.00g(化合物(6)含量:86.43g)を滴下し、4℃で23時間撹拌した。反応液中に5質量%塩酸水溶液206.38gを滴下し、30℃で2時間撹拌した後、水210.07gを添加して撹拌し、分液した。この有機層をエバポレーターにて濃縮し、さらにメタノール259.29gを加えて濃縮し、メタノール259.29gを加えて溶液432.15gを得た。化合物(7)の含量は74.67gで、収率は76.5%であり、化合物(7)と立体異性体(7’)のと生成比は10.2:1であった。
【0052】
化合物(7)のメタノール溶液12.76g(化合物(7)含量:2.00g)を採取し、メタノール9.45gと酢酸ナトリウム0.11gを加え、−45℃に冷却した。このメタノール溶液にオゾンガスを40分間吹き込んだ。反応転化を確認後にジメチルスルフィド0.37gを滴下した後室温まで昇温し、16時間撹拌した。その後中間体の消失を確認した後、メタノール4gを添加した。その後55〜63℃に昇温し、析出していた固体が溶解したことを確認した後、0℃まで冷却し、固体を析出させた。得られた化合物(8)の結晶の得量は1.78gであり、収率は78%であった。
【0053】
[比較例1]
化合物(9)から化合物(7)の合成(非特許文献1の方法)
【化10】
【0054】
まず、国際公開第2005/118565号記載の方法で化合物(9)を還元して化合物(10)を得た。
次に、ジシクロヘキシルアミン0.48gおよびヘプタン3mLの溶液に、65℃にて濃度1.0Mのジ−n−ブチルマグネシウム−ヘプタン溶液(Aldrich社製)1.32mLを滴下し、その温度にて30分間撹拌した。白色固体の析出を確認し、室温まで冷却した後、白色の固体を残して溶媒のヘプタンを抜き出した。残った固体にテトラヒドロフラン6.0mLを加えて−60℃まで冷却した。ここに、化合物(10)300mgおよびテトラヒドロフラン3mLの溶液を−60℃で滴下して1時間撹拌した。さらに、ビニルマグネシウムブロマイド−テトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製)4.4mLを−60℃で滴下し、17℃まで昇温させながら24時間撹拌した。
反応液を、ヘキサン15mLおよび塩化アンモニウム水溶液15mLにてクエンチした。分液操作後、有機層を減圧濃縮して化合物(7)を得た。化合物(7)の得量は148mgで、収率は44%であり、立体異性体(7’)の収率は16%であった。