(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1又は2に記載された工程(A)の後に、前記一般式(2)で表されるアルキルホスホン酸又はアラルキルホスホン酸を精製することなく、アミンを添加する工程(B)を有することを特徴とするアルキルホスホン酸アミン塩又はアラルキルホスホン酸アミン塩の製造方法。
請求項1又は2に記載された工程(A)の後に、前記一般式(2)で表されるアルキルホスホン酸又はアラルキルホスホン酸を精製することなく、アルカリ金属水酸化物を添加する工程(C)を有することを特徴とする、アルキルホスホン酸アルカリ金属塩又はアラルキルホスホン酸アルカリ金属塩の製造方法。
請求項4に記載された工程(C)の後に、アルカリ金属以外の金属塩化物を添加して、塩交換反応させる工程(D)を有することを特徴とする、アルキルホスホン酸金属塩又はアラルキルホスホン酸金属塩の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下本発明について詳述する。
本発明のアルキルホスホン酸又はアラルキルホスホン酸の製造方法は、下記一般式(1)で表されるアルキルホスホン酸アルキルエステル又はアラルキルホスホン酸アルキルエステルを、
硫酸、ヘテロポリ酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸、ポリリン酸からなる群より選択される少なくとも1種の酸
触媒の存在下、120〜200℃の温度範囲に保持しながら、水を滴下して加水分解反応させる工程(A)により、下記一般式(2)で表されるアルキルホスホン酸又はアラルキルホスホン酸を生成させる。
【0011】
前記一般式(1)及び(2)中のR
1は、置換基を有する、又は非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基、若しくは置換基を有する、若しくは非置換の炭素原子数7〜20のアラルキル基である。
非置換の炭素原子数1〜20のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−アミル、1,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、1,3−ジメチルブチル、1−イソプロピルプロピル、1,2−ジメチルブチル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、1,4−ジメチルペンチル、tert−ヘプチル、2−メチル−1−イソプロピルプロピル、1−エチル−3−メチルブチル、n−オクチル、tert−オクチル、2−エチルヘキシル、2−メチルヘキシル、2−プロピルヘキシル、n−ノニル、イソノニル、n−デシル、イソデシル、n−ウンデシル、イソウンデシル、n−ドデシル、イソドデシル、n−トリデシル、イソトリデシル、n−テトラデシル、イソテトラデシル、n−ペンタデシル、イソペンタデシル、n−ヘキサデシル、イソヘキサデシル、n−ヘプタデシル、イソヘプタデシル、n−オクタデシル、イソオクタデシル、n−ノナデシル、イソノナデシル、n−イコシル、イソイコシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、4−メチルシクロヘキシル等が挙げられる。
これらのアルキル基が有する置換基としては、硫酸等の
本発明に使用する酸
触媒に対して反応不活性の基であることが好ましく、例えばアルコキシ基、ハロゲン原子、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホン基等が挙げられる。
【0012】
また、炭素原子数7〜20の非置換のアラルキル基(アリール基で置換されたアルキル基)の例としては、ベンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン−2−イル、スチリル、シンナミル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル等が挙げられる。
これらのアラルキル基が有する置換基としては、硫酸等の
本発明に使用する酸
触媒に対して反応不活性の基であることが好ましく、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、スルホン基等が挙げられる。
本発明においては、反応効率の観点から、R
1は炭素原子数1〜20のアルキル基であることが好ましく、特にメチル基であることが好ましい。
【0013】
一般式(1)における、R
2及びR
3は、各々独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基又は水素原子であって、少なくとも一方が前記炭素原子数1〜8のアルキル基である。
炭素原子数1〜8のアルキル基の例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、tert−アミル、シクロペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、シクロヘキシル、ビシクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、イソヘプチル、tert−ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、tert−オクチル、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
本発明においてR
2及びR
3はメチル基であることが好ましい。これは、副生したメタノールが水と共沸して容易に系外へ除去されて、反応の効率が良好となるからである。
【0014】
前記工程(A)では、一般式(1)で表されるアルキルホスホン酸アルキルエステル又はアラルキルホスホン酸アルキルエステルの加水分解反応
に、硫酸、ヘテロポリ酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸、ポリリン酸からなる群より選択される少なくとも1種の酸
触媒を使用する。
これらの酸は、加水分解中に反応系外に流出せず、反応系内に留まって、反応中に補充する必要がないので経済的に有効である。
【0015】
本発明においては、
前記酸触媒として、特に、硫酸又はヘテロポリ酸を使用することが好ましく、更に、反応時間を短縮するという観点からは、ヘテロポリ酸を使用することが好ましい。
【0016】
ヘテロポリ酸とは、無機酸と結合してできるポリ酸のうち、2種以上の金属によって生成される酸をいい、一般的には1種の金属(又はヘテロ原子)を中心として、それに酸素等を介して他の金属(ポリ原子)が配位して形成されたものの総称である。ここで、ヘテロ原子としては、ホウ素、アルミニウム、ケイ素、リン、チタン、ゲルマニウム、ヒ素、ジルコニウム、スズ、テルル等を例示することができる。また、ポリ原子としてはモリブデン、タングステン、パナジウム又はニオブ等を例示することができる。具体的には、モリブドリン酸、モリブドケイ酸、モリブドヒ酸、モリブドテルル酸、モリブドアルミン酸、タングストケイ酸、タングストリン酸、タングストホウ酸、タングストチタン酸、タングストスズ酸等であり、これらのなかでもモリブドリン酸、モリブドケイ酸、タングストリン酸、タングストケイ酸等が好ましく用いられる。
なお、これらのヘテロポリ酸は、水和物の形で用いてもよい。
【0017】
前記酸
触媒の使用量は、前記一般式(1)で表されるアルキルホスホン酸アルキルエステル又はアラルキルホスホン酸アルキルエステル100質量部に対して0.5〜10.0質量部であれば十分な触媒効果を奏することができ、1.0〜7.5質量部であることが好ましく、1.2〜5.0質量部あることがより好ましい。
酸触媒の使用量を10.0質量部以上としても、触媒効果は向上しないので、却ってコストが高くなる。
【0018】
工程(A)の加水分解反応は、水を滴下することにより行なう。反応温度を120〜200℃に保持することにより、加水分解反応が速やかに進行し、短時間で反応を完結させることができる。また、120〜200℃の温度範囲で保持された反応液中に水を滴下しても、突沸等が起こらずに、反応が進行する。
前記反応温度は130〜170℃であることが好ましく、140〜160℃であることがより好ましい。
前記工程(A)は、常圧、加圧下、減圧下のいずれでも行なうことができるが、簡易な設備で反応を行なうことができるという点から、常圧で行なうことが好ましい。
【0019】
滴下する水の温度は、簡易な滴下設備を利用できる液体状態であればよく、特に加温等の処理をする必要はなく、室温の水でよい。水の滴下速度は、反応液の温度範囲が120〜200℃、好ましくは130〜170℃、より好ましくは140〜160℃の間に保持できるような速度で滴下すればよい。水は加水分解反応が完了するまで滴下すればよい。
本発明の工程(A)における加水分解反応の時間は、反応温度、基質の種類や量により適宜設定する。
【0020】
また、加水分解反応の終点の確認は、一般式(1)で表されるアルキルホスホン酸アルキルエステル又はアラルキルホスホン酸アルキルエステルの消失を確認する方法、一般式(2)のアルキルホスホン酸又はアラルキルホスホン酸の生成量を確認する方法、及び、加水分解反応により生成するアルコールの量を確認する方法の何れでもよい。
工程(A)においては、加水分解反応を継続しながら、生成したアルコールを系外に排出して回収する。特に、副成したアルコールを、滴下した水と共沸させて系外に排出することができるので、加水分解工程とアルコールの回収工程とを分けて行なう必要がなく、工程数が少なくなるので工業的に有利である。
【0021】
本発明の工程(A)で得られた、前記一般式(2)のアルキルホスホン酸又はアラルキルホスホン酸は、反応終了後に再結晶、イオン交換樹脂や吸着剤等を使用した吸着処理等によって精製してもよいが、通常は、精製工程を経ずに、アルキルホスホン酸又はアラルキルホスホン酸のアミン塩及び金属塩を製造することができる。
【0022】
アルキルホスホン酸アミン塩又はアラルキルホスホン酸アミン塩の製造方法は、工程(A)の終了後に、反応容器中に目的とするアミン塩に対応するアミンを添加する工程(B)を有する。
アミンは、反応系中のアルキルホスホン酸又はアラルキルホスホン酸のモル量に合わせて添加してもよく、過剰に加え、反応が終了した後に、残余分を除去してもよい。
また、アミンの添加量を調整することにより、アルキルホスホン酸アミン塩又はアラルキルホスホン酸アミン塩は、正塩としても、酸性塩としても得られる。
更に、アミンを加えた場合、使用された
酸触媒を失活させることができるだけでなく、塩となるため除去も容易となる。
【0023】
工程(B)で使用されるアミンとしては、アンモニア、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、アクリルグアナミン、2,4−ジアミノ−6−ノニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ハイドロキシ−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4,6−ジハイドロキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−エトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−プロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4,6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノメタン、エチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、ピロリン酸N,N−ジメチルエチレンジアミン、ピロリン酸N,N−ジエチルエチレンジアミン、ピロリン酸N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、ピロリン酸1,2−プロパンジアミン、ピロリン酸1,3−プロパンジアミン、ピロリン酸テトラメチレンジアミン、ピロリン酸ペンタメチレンジアミン、ピロリン酸ヘキサメチレンジアミン、ピロリン酸1、7−ジアミノへプタン、ピロリン酸1,8−ジアミノオクタン、ピロリン酸1,9ージアミノノナン、ピロリン酸1,10−ジアミノデカン、ピロリン酸ピペラジン、ピロリン酸trans−2,5−ジメチルピペラジン、ピロリン酸1,4−ビス(2−アミノエチル)ピペラジン、ピロリン酸1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン等が挙げられる。
本発明においては、特に、反応効率の観点から、メラミンを使用することが好ましい。
【0024】
アミンを添加するときの温度は特に限定されないが、添加するアミンの沸点以下の温度であることが好ましい。
アミン添加後、再結晶、溶媒抽出、吸着剤を使用した吸着処理等によって、得られたアルキルホスホン酸アミン塩又はアラルキルホスホン酸アミン塩を精製してもよい。
【0025】
本発明のアルキルホスホン酸アルカリ金属塩又はアラルキルホスホン酸アルカリ金属塩の製造方法では、前記工程(A)の終了後に、反応容器中に目的とするアルカリ金属塩に対応するアルカリ金属の水酸化物を添加する工程(C)を有する。
工程(C)で使用するアルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等が挙げられ、これらを使用した場合に、対応するアルキルホスホン酸アルカリ金属塩又はアラルキルホスホン酸アルカリ金属塩を得ることができる。
【0026】
アルカリ金属水酸化物は、反応系中のアルキルホスホン酸又はアラルキルホスホン酸のモル量に合わせて添加すればよく、過剰に加えて反応させた後、残余分を除去してもよい。
アルカリ金属水酸化物を添加する温度は、特に限定されず、適宜設定すればよい。
また、アルキルホスホン酸アルカリ金属塩又はアラルキルホスホン酸アルカリ金属塩は、アルカリ金属水酸化物の添加量を調整することにより、正塩及び酸性塩の何れとしても得ることができる。
【0027】
また、アルカリ金属水酸化物を加えた場合には
、使用していた
酸触媒を失活させることができるだけでなく、塩となるため除去も容易となる。
アルカリ金属水酸化物の添加後、再結晶、溶媒抽出、吸着剤を使用した吸着処理等によって、得られたアルキルホスホン酸アルカリ金属塩又はアラルキルホスホン酸アルカリ金属塩を精製してもよい。
【0028】
本発明のアルキルホスホン酸金属塩又はアラルキルホスホン酸金属塩の製造方法は、前記工程(C)の終了後に、アルカリ金属以外の金属塩化物を反応容器中に添加して、塩交換反応させる工程(D)を有する。上記金属塩化物は、工程(C)終了後に、添加してもよいし、工程(C)の終了後、得られたアルキルホスホン酸アルカリ金属塩又はアラルキルホスホン酸アルカリ金属塩を精製した後に添加してもよい。
工程(D)で使用されるアルキルホスホン酸アルカリ金属塩又はアラルキルホスホン酸アルカリ金属塩は、反応効率や原料の価格等の観点から、ナトリウム塩であることが好ましい。
【0029】
工程(D)で添加する金属塩化物の例としては、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ジルコニウム等が挙げられ、これらを用いることにより、対応するアルキルホスホン酸金属塩又はアラルキルホスホン酸金属塩を得ることができる。
本発明における金属塩化物を添加する温度は、特に限定されず、適宜設定することができる。
金属塩化物を添加し、副生したアルカリ金属塩の除去を行なった後、更に再結晶、溶媒抽出、吸着剤を使用した吸着処理等によって、得られたアルキルホスホン酸金属塩又はアラルキルホスホン酸金属塩を精製してもよい。
【0030】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【実施例1】
【0031】
〔メチルホスホン酸の製造〕
メチルホスホン酸ジメチルエステル254.14g(2.05mol)及び硫酸4.11gを、分水器とジムロート冷却器の付いた三つ口フラスコ中に入れ、窒素雰囲気下で撹拌しながら、150℃に昇温した。
昇温後、145〜155℃の温度範囲を維持しながら、25℃の水を滴下し、加水分解反応を行なった。
加水分解反応の終点は、反応液をサンプリングし、
1H−NMR測定(溶媒DMSO−d6)を行い、そのピークから、原料のメチルホスホン酸ジメチルエステルの消失と目的物のメチルホスホン酸の生成を確認することによって決定した。原料及び反応液の
1H−NMR測定結果を、それぞれ
図1及び
図2に示す。反応開始後10時間でメチルホスホン酸ジメチルエステル固有のピークが消失したことにより、反応率が100%であることを確認し、メチルホスホン酸を得た。
【実施例2】
【0032】
〔メチルホスホン酸メラミン塩の製造〕
実施例1の加水分解反応を完了させた後、フラスコ内を撹拌しながら、25℃で、メラミン273.88g(2.17mol)を添加した。添加後、80℃で4時間攪拌し、生成した白色固体を濾過した後、蒸留水で洗浄して精製し、白色固体のメチルホスホン酸メラミン塩289.43gを得た。
【実施例3】
【0033】
〔メチルホスホン酸ナトリウム塩の製造〕
実施例1の加水分解反応を完了させた後、フラスコ内を撹拌しながら、25℃で水酸化ナトリウム165.02g(4.13mol)を添加し、メチルホスホン酸ナトリウム塩を製造した。
【実施例4】
【0034】
〔メチルホスホン酸亜鉛塩の製造〕
実施例3の工程が終了した後、フラスコ内を撹拌しながら、25℃で塩化亜鉛279.51g(2.05mol)を添加した。添加後、生成した白色固体を濾過した後、蒸留水で洗浄して精製し、白色固体のメチルホスホン酸亜鉛塩320.00gを得た。
【実施例5】
【0035】
〔メチルホスホン酸アルミニウム塩の製造〕
実施例3の工程が終了した後、フラスコ内を撹拌しながら、25℃で塩化アルミニウム273.35g(2.05mol)を添加した。添加後、生成した白色固体を濾過した後、蒸留水で洗浄して精製し、白色固体のメチルホスホン酸アルミニウム塩130gを得た。
【実施例6】
【0036】
〔メチルホスホン酸の製造〕
メチルホスホン酸ジメチルエステル247.94g(2.00mol)及びタングストケイ酸3.72g(メチルホスホン酸ジメチルの1.5質量%)を、分水器とジムロート冷却器の付いた三つ口フラスコ中に入れ、窒素雰囲気下で撹拌しながら、150℃に昇温した。
昇温後、145〜155℃の温度範囲を維持しながら、加水分解反応が完結するまで25℃の水を滴下した。
加水分解反応の終点は、実施例1と同様に、反応液をサンプリングし、
1H−NMR測定(溶媒DMSO−d6)を行い、そのピークから、原料のメチルホスホン酸ジメチルエステルの消失と目的物のメチルホスホン酸の生成を確認することによって決定した。反応開始後9時間でメチルホスホン酸ジメチルエステル固有のピークが消失したことにより、反応率が100%であることを確認し、メチルホスホン酸を得た。
【実施例7】
【0037】
〔メチルホスホン酸メラミン塩の製造〕
実施例6の加水分解反応が完了した後、フラスコ内を撹拌しながら、25℃で、メラミン273.88g(2.17mol)を添加し、80℃で4時間攪拌した。生成した白色固体を濾過した後、蒸留水で洗浄して精製し、白色固体のメチルホスホン酸メラミン塩295.44gを得た。
【実施例8】
【0038】
〔メチルホスホン酸ナトリウム塩の製造〕
実施例6の加水分解反応が完了した後、フラスコ内を撹拌しながら、25℃で、水酸化ナトリウム160.08g(4.02mol)を添加し、メチルホスホン酸ナトリウム塩を得た。
【実施例9】
【0039】
〔メチルホスホン酸亜鉛塩の製造〕
実施例8の工程後、フラスコ内を撹拌しながら、25℃で塩化亜鉛280.82g(2.06mol)を添加した。生成した白色固体を濾過した後、蒸留水で洗浄して精製し、白色固体のメチルホスホン酸亜鉛塩320.72gを得た。
【0040】
[比較例1]
メチルホスホン酸ジメチルエステル254.14g(2.05mol)及び35%の塩酸4.28gを、ジムロート冷却器の付いた三つ口フラスコ中に入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら80℃で反応させた。しかしながら、15時間還流させても反応が完結しなかった。