特許第5730298号(P5730298)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5730298
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】粒子汚染物除去方法およびそのシステム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20150521BHJP
【FI】
   H01L21/304 643A
   H01L21/304 647A
【請求項の数】22
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-516103(P2012-516103)
(86)(22)【出願日】2010年5月28日
(65)【公表番号】特表2012-530379(P2012-530379A)
(43)【公表日】2012年11月29日
(86)【国際出願番号】US2010036754
(87)【国際公開番号】WO2010147752
(87)【国際公開日】20101223
【審査請求日】2013年5月28日
(31)【優先権主張番号】12/485,733
(32)【優先日】2009年6月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カワグチ・マーク
(72)【発明者】
【氏名】ムイ・デビッド
(72)【発明者】
【氏名】ウィルコックスソン・マーク
【審査官】 堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2004/088735(WO,A1)
【文献】 特表2009−522777(JP,A)
【文献】 特開2008−135557(JP,A)
【文献】 特開平10−156229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェーハの表面から粒子汚染物を除去する方法であって、
前記半導体ウェーハを支持し、
液体状の挙動を示し且つ前記半導体ウェーハの前記表面上に存在する時に前記粒子汚染物と少なくとも部分的に結合する粘弾性材料を、前記半導体ウェーハの前記表面に塗布し、
液体を、体積流量が前記液体の体積流量よりも実質的に大きい搬送ガス中に混合することにより、前記液体を所定の速度まで加速し、
前記加速された液体を前記塗布された粘弾性材料に付与することにより、前記塗布された粘弾性材料に、固体状の挙動をさせて、当該粘弾性材料が液体状の挙動を示す時に結合した前記粒子汚染物を、粘弾性材料と共に除去する
方法。
【請求項2】
前記所定の速度は、略1ないし1000メートル毎秒の範囲内である請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記粘弾性材料は、ポリマ化合物を含む請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記搬送ガスは、窒素又は他の不活性ガスを含む請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記液体は、脱イオン水を含む請求項4記載の方法。
【請求項6】
半導体ウェーハの表面から粒子汚染物を除去するシステムであって、
前記半導体ウェーハを保持するための回転支持部と、
液体状の挙動を示し且つ前記半導体ウェーハの前記表面上に存在する時に前記粒子汚染物と少なくとも部分的に結合する粘弾性材料を、前記半導体ウェーハの前記表面に塗布するためのアプリケータと、
液体を、体積流量が前記液体の体積流量よりも実質的に大きい搬送ガスを利用して所定速度まで加速し、前記液体を前記塗布された粘弾性材料に前記速度で付与するためのスプレ噴射部と
を備え、
前記塗布された粘弾性材料、液体の前記速度での付与の下で固体状の挙動をさせることにより、当該粘弾性材料が液体状の挙動を示す時に結合した前記粒子汚染物を、粘弾性材料と共に除去する
システム。
【請求項7】
前記高速は、略1ないし1000メートル毎秒の範囲内である請求項6記載のシステム。
【請求項8】
前記粘弾性材料は、ポリマ化合物を含む請求項6記載のシステム。
【請求項9】
前記搬送ガスは、窒素又は他の不活性ガスである請求項8記載のシステム。
【請求項10】
前記液体は、脱イオン水である請求項9記載のシステム。
【請求項11】
前記回転支持部は、前記粘弾性材料の塗布中は前記所定の速度未満の低速度で回転し、高速での前記液体の付与中には前記所定の速度である高速度で回転する請求項6記載のシステム。
【請求項12】
前記低速度は、略1ないし100回転毎分の範囲内であり、前記高速度は、略10ないし1000回転毎分の範囲内である請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記スプレ噴射部は、前記半導体ウェーハの中心に近接した位置から前記半導体ウェーハの縁部に近接した位置まで移動するように構成される請求項6記載のシステム。
【請求項14】
半導体ウェーハの表面から粒子汚染物を除去するシステムであって、
前記半導体ウェーハを保持するための、直線的に移動するように構成されたキャリヤと、
液体状の挙動を示し且つ前記半導体ウェーハの前記表面上に存在する時に前記粒子汚染物と少なくとも部分的に結合する粘弾性材料を、前記半導体ウェーハの直径以上の幅に渡って同時に塗布するように構成されたアプリケータノズルの直線配列を備える、前記粘弾性材料を前記半導体ウェーハの前記表面に塗布するためのアプリケータと、
液体を前記半導体ウェーハの直径以上の幅に渡って同時に付与するように構成されたスプレ噴射ノズルの直線配列を備えると共に、前記液体を、体積流量が前記液体の体積流量よりも実質的に大きい搬送ガスを利用して所定の速度まで加速し、前記液体を前記塗布された粘弾性材料に前記速度で付与するためのスプレ噴射部と
を備え、
前記塗布された粘弾性材料に、液体の前記所定の速度での付与の下で固体状の挙動をさせることにより、当該粘弾性材料が液体状の挙動を示す時に結合した前記粒子汚染物を、粘弾性材料と共に除去する
システム。
【請求項15】
前記高速は、略0.1ないし10メートル毎秒の範囲内である請求項14記載のシステム。
【請求項16】
前記粘弾性材料は、高分子化合物を含む請求項14記載のシステム。
【請求項17】
前記搬送ガスは、窒素である請求項16記載のシステム。
【請求項18】
前記液体は、脱イオン水である請求項17記載のシステム。
【請求項19】
前記粘弾性材料の塗布は、更に、
前記液体を、体積流量が前記粘弾性材料の体積流量よりも実質的に大きい搬送ガス中に混合することによる、前記粘弾性材料の所定の速度までの加速を含む請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記アプリケータは、更に、
前記粘弾性材料を、体積流量が前記粘弾性材料の体積流量よりも実質的に大きい搬送ガスを利用して所定の速度まで加速し、前記粘弾性材料を前記速度で塗布するためのスプレ噴射部を備える請求項6記載のシステム。
【請求項21】
アプリケータノズルの前記直線配列は、更に、複数のスプレ噴射部を備え、
前記複数のスプレ噴射部の各スプレ噴射部は、前記粘弾性材料を、体積流量が前記粘弾性材料の体積流量よりも実質的に大きい搬送ガスを利用して所定の速度まで加速し、前記粘弾性材料を前記所定の速度で塗布するためのものである請求項14記載のシステム。
【請求項22】
更に、前記粘弾性材料の分子量分布を制御することによる、前記半導体ウェーハに対する損傷の回避を含む請求項19記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
集積回路、メモリセル等の半導体素子の製造においては、一連の製造工程を実行して、半導体ウェーハ(「ウェーハ」)上に特徴部を画成する。ウェーハ(又は基板)は、シリコン基板上に画成された多層構造の形態の集積回路素子を含む。基板レベルでは、拡散領域を備えたトランジスタ素子が形成される。後続のレベルでは、相互に接続される金属線をパターン形成し、トランジスタ素子と電気的に接続して、所望の集積回路素子を画成する。更に、パターン導電層は、誘電体により他の導電層から絶縁される。
【0002】
一連の製造工程中、ウェーハ表面は、様々な種類の汚染物に晒される。基本的には、製造工程中に存在する全ての材料は、汚染源となる可能性がある。例えば、汚染源は、特に、処理ガス、化学物質、堆積材料、及び液体を含み得る。様々な汚染物は、粒子の形態でウェーハ表面に堆積し得る。粒子汚染物が除去されない場合、汚染物近傍の素子は、動作不能となる可能性が高い。したがって、ウェーハ上に画成された特徴部に損傷を与えることなく、汚染物を実質的に完全にウェーハ表面から洗浄することが必要となる。しかしながら、粒子汚染物のサイズは、ウェーハ上に製造された特徴部の限界寸法サイズ程度になる場合が多い。ウェーハ上の特徴部に悪影響を与えずに、こうした小さな粒子汚染物を除去することは、非常に困難となる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のウェーハ洗浄方法は、ウェーハ表面から粒子汚染物を除去する上で、機械力に大きく依存してきた。特徴部のサイズの縮小が続き、脆弱性が増すにしたがって、ウェーハ表面に機械力を付与することにより特徴部が損傷する可能性は増加している。例えば、高アスペクト比を有する特徴部は、強い機械力を受けた時に倒壊又は破断しやすい。洗浄の問題を更に複雑にするのは、小さな特徴部サイズへの移行により、粒子汚染物のサイズも低下することである。十分に小さなサイズの粒子汚染物は、高アスペクト比の特徴部に囲まれたトレンチ内等、ウェーハ表面の到達が困難な領域へ入り込む場合がある。したがって、現代の半導体製造中の汚染物質の効率的且つ損傷の無い除去は、ウェーハ洗浄技術の継続的な進歩により達成すべき課題であり続けている。フラットパネルディスプレイの製造工程も、上述した集積回路の製造と同じ欠点を有することを理解されたい。
【0004】
上述したことに鑑みて、汚染物を除去する上で効果的であり且つパターンウェーハ上の特徴部に損傷を与えない、パターンウェーハを洗浄する装置及び方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一般的に、本発明は、半導体基板等の固体表面上の粘弾性材料の被覆に対して高速の液体を付与する洗浄機構を提供することにより、こうした必要性を満たす。本発明は、プロセス、装置、又はシステムを含む多数の形で実現可能であることを理解されたい。以下、本発明の幾つかの発明実施形態を説明する。
【0006】
一実施形態において、半導体基板等の固体表面から粒子汚染物を洗浄する方法を提供する。方法は、固体表面を被覆するように粘弾性材料を塗布するステップを含む。粘弾性材料は、塗布中に液体状の挙動を示し、固体表面上に存在する粒子汚染物と少なくとも部分的に結合する。脱イオン水等の液体を、粘弾性材料の被覆に高速で付与する。高速液体が粘弾性材料に衝突することにより、粘弾性材料は、固体状の特性を示し、粘弾性材料が固体表面から取り除かれる。粘弾性材料が固体表面から除去される際に、粘弾性材料に結合した粒子汚染物も除去される。
【0007】
他の実施形態において、基板の固体表面から粒子を除去するための粒子除去機構を提供する。粒子除去機構は、ボウル容器内において基板の受領、保持、及び回転を行う回転支持機構を含む。粘弾性材料アプリケータ機構は、粘弾性洗浄材料の層を塗布し、固体表面上に粘弾性材料の薄層を提供する。高速液体スプレを固体表面上の粘弾性材料に提供して、液体スプレの付与下で固体状の挙動を示す際に粘弾性材料を取り除くスプレ噴射機構が含まれる。基板の回転により生じる遠心力は、基板表面から、粘弾性材料及び粒子汚染物と共に、液体流出物を除去するのを促進する。結果的に生じた固体表面は、実質的に清浄となる一方、基板上に形成された特徴部は維持された状態となる。
【0008】
他の実施形態において、粒子汚染物について固体表面を洗浄するための粒子除去機構が提供される。粒子除去機構は、洗浄対象の固体表面を保持するキャリヤ機構と、分注アレイと、スプレ噴射アレイと、リンスアレイとを含む。キャリヤ機構は、固体表面を軸線に沿って受領、保持、及び輸送するように構成される。分注アレイは、粘弾性材料を固体表面に対して被覆として供給するように構成される。スプレ噴射アレイは、固体表面に塗布した粘弾性材料の被覆に対して高速液体スプレを供給するように構成される。粘弾性材料に対する液体スプレの付与により、粘弾性材料は固体状の挙動を示し、これにより固体表面からの分離が促進される。リンスアレイは、液体化学物質をリンスメニスカスとして提供すると共に、液体化学物質及びあらゆる粘弾性材料を固体表面から除去するように構成される。
【0009】
粘弾性材料の固体状の特性を利用することにより、粘弾性材料を容易に「剥ぎ取り」、実質的に清浄な固体表面を残すことができる。プロセスにより、粘弾性材料の完全な除去が可能となり、これにより、洗浄プロセス中に残留する汚染物の量が低減される。本発明の実施形態では、固体表面に塗布する時に粘弾性材料の液体状の特性を利用し、固体表面から除去する時には固体状の特性を利用する。液体状の特性が狭い面積へ到達する能力をもたらす一方、固体状の特性は、結合した汚染粒子と共に粘弾性材料を固体表面から容易且つ完全に除去することを可能にしており、このため、固体表面を洗浄する非常に単純で効果的且つ効率的な手法となっている。更に、固体状の特性を活用することにより粘弾性材料が十分に良好に除去されるため、残留汚染物又はシミの発生といった、液体化学物質に関する不完全又は低効率な除去に伴う問題が無くなり、より効果的な洗浄手法となる。
【0010】
本発明の他の態様及び利点は、本発明の原理を一例として示す添付図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明は、添付図面と併せて、以下の詳細な説明により容易に理解されよう。説明を容易にするため、同様の参照符号は、同様の構造要素を示す
【0012】
図1】本発明の実施形態による、半導体ウェーハ表面から粒子汚染物を除去するシステムを示すシステム図である。
【0013】
図2】本発明の実施形態による、スプレ噴射部の側面図である。
【0014】
図3A】本発明の実施形態による、半導体ウェーハ表面から粒子汚染物を除去するシステムを示すシステム図である。
図3B】本発明の実施形態による、半導体ウェーハ表面から粒子汚染物を除去するシステムを示すシステム図である。
【0015】
図4】本発明の実施形態による、粘弾性材料により被覆された半導体基板表面の断面図である。
【0016】
図5】本発明の実施形態による、粘弾性材料被覆に対して液体を付与するスプレ噴射部を示す説明図である。
【0017】
図6】本発明の実施形態による、粒子除去効率対エネルギのグラフである。
【0018】
図7A】本発明の実施形態による、固体表面から粒子汚染物を除去するシステムの上面図である。
【0019】
図7B】本発明の実施形態による、固体表面から粒子汚染物を除去するシステムの上面図である。
【0020】
図7C】本発明の実施形態による、固体表面から粒子汚染物を除去するシステムの上面図である。
【0021】
図8】本発明の実施形態による、固体表面から粒子汚染物を除去するシステムの上面図である。
【0022】
図9A】本発明の実施形態による、固体表面から粒子汚染物を除去するシステムの斜視図である。
【0023】
図9B】本発明の実施形態による、固体表面から粒子汚染物を除去するシステムの上面図である。
【0024】
図10A】本発明の実施形態による、固体表面から粒子汚染物を除去するシステムの断面図である。
【0025】
図10B】本発明の実施形態による、固体表面から粒子汚染物を除去するシステムの断面図である。
【0026】
図11A】本発明の実施形態による、アプリケータアレイ及びスプレ噴射アレイの斜視図である。
図11B】本発明の実施形態による、アプリケータアレイ及びスプレ噴射アレイの斜視図である。
【0027】
図11C】本発明の実施形態による、スプレ噴射アレイの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、固体表面から粒子汚染物を効果的に除去するための幾つかの実施形態を説明する。しかしながら、こうした具体的な詳細の一部又は全部が無くとも、本発明を実現し得ることは、当業者には明らかであろう。また、周知の処理ステップについては、本発明を不必要に曖昧にしないために詳細な説明を省略する。
【0029】
本発明の実施形態は、粘弾性材料を使用すると共に、粘弾性材料に対して高速で液体を付与するスプレ噴射部を提供して、固体表面を洗浄するための粒子除去機構を提供する。粘弾性材料は、材料の化学構造により、固体表面から除去されるべき粒子汚染物との少なくとも部分的な結合又は相互作用が可能となるように選択される。粘弾性材料は、固体表面に対して液体として塗布されるが、しかしながら、高速液体により加わる力の継続時間は、粘弾性材料の固体状の特性を利用できるように、粘弾性材料に固有の緩和特性時間よりも短くする。これにより、粘弾性材料は、材料が依然として固体状の特性を示す間に、粒子と共に固体表面から速やかに除去され、実質的に清浄な表面が生じる。粘弾性材料の固体状の特性により、粒子汚染物の容易且つ完全な除去が可能となる。
【0030】
本発明の実施形態は、粘弾性洗浄媒体の固体状の特性を誘発及び活用することにより、半導体用シリコン基板、フラットパネルディスプレイ、太陽電池又は画像センサ用の表面といった固体表面から粒子を除去する効果的且つ効率的な機構を提供する。粘弾性材料の弾性又は固体状の挙動を利用することにより、特徴部に損傷を与えることなく、材料の容易な除去が可能となり、これにより、半導体基板等の固体表面上に形成された電子素子(例えば、半導体素子)の歩留まりが向上する。実施形態では、粘弾性材料の液体状の特性と固体状の特性とを両方とも利用する。液体状の特性により、粘弾性材料を容易に分注すると共に、粒子汚染物を含む恐れのある基板の到達困難領域へ到達することが可能になり、これにより、実質的に清浄な固体表面が確保される。固体状の特性により、材料の容易な除去が可能となり、結果として、実質に清浄な固体表面が生じる。基板上の汚染物の多くは、製造及び洗浄プロセスにおいて使用された化学物質により残されることは、当技術分野において周知である。しかしながら、粘弾性洗浄材料の固体状の特性を活用することにより、実施形態では、粘弾性材料の完全な除去を確保し、洗浄プロセス後に残された、粘弾性材料自体等の汚染物の量を著しく減少させる。したがって、実施形態は、効果的且つ効率的な洗浄プロセスを提供する。
【0031】
外力は、粘弾性材料分注プロセス中、粘弾性材料分注プロセスとリンスプロセスとの間、リンスプロセス中、又はこれらの組み合わせにおいて、急速に(例えば、スプレ噴射部を介して)付与し得ることに留意されたい。本実施形態の粒子除去の概念は、力の付与時間が材料の固有緩和特性時間より短い時に発生する粘弾性材料の弾性又は固体状の挙動としてもたらされる。力は十分に急速であるため、材料の緩和が妨げられ、したがって液体状の特性を示すことが妨げられる。代わりに、力は、粘弾性材料において弾性又は固定状の挙動を促進する。粘弾性材料において弾性挙動が優勢となる時、粘弾性材料から固体表面上の粒子汚染物に伝達される力は、粘性型の挙動が優勢となる場合に比べ実質的に大きくなる。結果として、粒子/表面間の付着力を克服して、粒子を固体表面から上手く分離するために必要な力が小さくなる。粒子/表面間の付着力の克服後、リンスプロセスにより、材料を粒子と一緒に固体表面から除去する。以上のように、粒子の除去は、粘弾性材料の分注後、リンスプロセスの完了までに常に発生し得る。
【0032】
粘弾性材料は、粘弾性材料に関連する化学構造により、粒子との少なくとも部分的な結合又は相互作用が可能となるように選択される。一部の実施形態において、粘弾性材料は、長鎖ポリマである。粘弾性材料に急速な力が加わると、長いポリマ鎖となったポリマ等の化合物は、固体状の特性を示す構造を形成するように再配置され、材料は、固体表面から容易に剥離させることが可能となる。粘弾性材料は、長鎖ポリマに限定されず、懸濁液、紐状ミセル、界面活性剤、磁気/電気流動溶液、及びゴム、ゲル、粘着剤といった他の粘弾性固体と、これら組み合わせたものとを含み得る。
【0033】
上述した粘弾性洗浄材料の固体状の特性を利用するための急速な力の付与の一般的な理解の下、次に、様々な図面を参照して本発明の様々な実施形態を詳細に説明する。
【0034】
[実施例]
図1は、本発明の実施形態による、半導体ウェーハ表面から粒子汚染物を除去するシステムを示す。ボウル10は、ウェーハ30を受け入れるチャンバ12を画成する。ウェーハ30は、支持部20により固定状態で保持される。支持部20は、チャンバ12内へ延びる軸22と、軸22から延びる複数の腕部24とを含む。軸の回転は、電気モータ(図示せず)等、当技術分野で公知の機構により発生される。複数の腕部は、ウェーハを固定するために必要となる3本以上の腕部を含んでよい。パッド26は、腕部24の端部に取り付けられ、ウェーハ30の縁部と接触する掴み面を提供する。一実施形態において、パッド26は、静的ローラを備える。他の実施形態において、パッド26は、パッド26がウェーハ30を固定状態で把持する限り、様々な形態及び材料を含み得る。スプレ噴射部50は、ウェーハ30に対して高速で液体を付与するように構成される。スプレ噴射部50は、スプレ噴射部50をウェーハ30の表面全体で移動させるように構成された腕部40に取り付けられる。1実施形態において、腕部40は、スプレ噴射部を、ウェーハの中心に近接する位置からウェーハの縁部に近接する位置まで移動させるように構成される。スプレ噴射部がウェーハ30の表面に対して液体を付与する際には、ウェーハの回転により、液体はウェーハの縁部へ向かって移動し、最終的には、ウェーハからボウル10内へ流れ出る。その後、液体は、廃棄又は再利用のために流路に通し得る。本発明の1実施形態において、スプレ噴射部50は、液体スプレがウェーハ30の表面にほぼ垂直な角度で衝突するように、角度を付けて位置決めされる。本発明の他の実施形態において、スプレ噴射部50は、液体スプレがウェーハ30の表面に様々な入射角で衝突するように、様々な角度で構成される。1実施形態において、入射角は、液体スプレがウェーハ30の表面に向かう角度となるように配向され、これによりウェーハ30からの液体の除去を支援する。
【0035】
図2は、本発明の実施形態による、スプレ噴射部50の側面図である。スプレ噴射部50は、搬送ガスを受領するための搬送ガス入力部50と、液体を受領するための液体入力部54とを含む。液体は、搬送ガスと混合して、スプレ噴射ノズル56を介して噴出させ、液体スプレ58を形成する。搬送ガスの体積流量は、液体の体積流量よりも実質的に大きくして、液体を搬送ガス中へ導入することにより、比較的少量の液体を高速に加速し得るようにする。スプレ噴射部において液体と搬送ガスとを混合する具体的な機構は、当技術分野において公知である。搬送ガスは、任意の適切なガス、好ましくは、窒素等の不活性ガスにしてよく、液体は、脱イオン水等、洗浄に適した任意の液体にしてよい。これにより、スプレ噴射部50は、洗浄を目的とした高速液体スプレ58を生成する。ウェーハ30からのスプレ噴射部50の距離Dが増加すると、液体スプレ58の拡散が増加する。これは、液体スプレ58が同時にカバーする面積が増加して効率が高まるため、望ましい場合がある。しかしながら、拡散が大きくなると、表面に衝突する液体の密度の低下も生じるため、結果として、単位面積当たりの洗浄エネルギが低くなる。更に、距離Dの増加は、空中での減速による液体スプレ58の速度低下を引き起こす。しかしながら、低下した速度は、ウェーハ30の表面構造物に対する損傷の発生を回避するために、ある程度までは望ましい場合がある。これらを考慮すると、非網羅的な要素のリストとして、ノズルの種類、ノズルのサイズ、搬送ガスの流量、液体の流量、スプレ噴射部のウェーハからの距離、ウェーハに対する液体スプレの入射角を含め、幾つかの要素を微調整して、液体スプレ58の最適な洗浄特性を達成し得る。本発明の1実施形態において、スプレ噴射部50は、液体スプレ58が約10メートル毎秒(m/s)ないし100m/sの範囲の速度となるように調整される。本発明の他の実施形態において、液体スプレ58の速度は、100m/sより大きく、又は10m/sより小さくしてもよい。1実施形態において、液体の流量は、約300mL/分以下であり、本発明の他の実施形態において、液体の流量は、約300mL/分より大きくしてもよい。本発明の1実施形態において、搬送ガスの流量は、約50SLM以下であり、本発明の他の実施形態において、搬送ガスの流量は、約50SLMより大きくしてもよい。
【0036】
図3A及び3Bは、本発明の実施形態による、半導体ウェーハ表面から粒子汚染物を除去するシステムを示す。ボウル110は、様々なプロセス位置を画成する多数の環状フランジ112、114、及び116を含む。第1のプロセス位置は、環状フランジ112及び114により画成され、第2のプロセス位置は、環状フランジ114及び116により画成される。ウェーハ130は、支持部120により固定状態で保持される。支持部120は、ウェーハ130を様々なプロセス位置に位置決めするために、上下動するように構成されると共に、ウェーハ130を様々な速度で回転させるように構成される。図3Aにおいて、支持部120は、環状フランジ112及び114間にある第1のプロセス位置にウェーハ130を配置するように位置決めされている。分注ヘッド140は、腕部142に結合される。分注ヘッド140は、支持部120がウェーハ130を回転させる間に、粘弾性材料をウェーハ130上に分注する。本発明の1実施形態において、粘弾性材料は、ポリマ材料を含む。本発明の1実施形態において、支持部120は、約10rpmで回転し、他の実施形態において、支持部120は、10rpm超又は10rpm未満の速度で回転する。本発明の1実施形態において、粘弾性材料は、ウェーハの中心に分注され、遠心力により、粘弾性材料をウェーハ130の縁部へ向けて広げる。本発明の別の実施形態において、腕部142は、粘弾性材料をウェーハ130上へ分注する際に、分注ヘッド140をウェーハ130の表面全体に移動させるように構成される。これにより、粘弾性材料は、ウェーハ130上に層を形成する。粘弾性材料は、ウェーハ130の表面上の汚染粒子と少なくとも部分的に結合する。余分な粘弾性材料は、ウェーハ130の縁部から、環状フランジ112及び114間の空間へと落下する。この余分な材料は、当技術分野において公知のようにポンプ機構に接続し得る導管113を介してボウルから除去される。余分な粘弾性材料は、更に使用するために再循環させてよく、或いは廃棄してもよい。粘弾性材料の層をウェーハ130上に分注した後、支持部120は、図3Bに示したように、環状フランジ114及び116間に位置する第2のプロセス位置へ移動させる。この位置では、支持部120がウェーハ130を回転させる間に、腕部152に結合したスプレ噴射部150により、ウェーハ130に液体スプレを付与する。本発明の1実施形態において、支持部120は、約500rpmで回転する。本発明の他の実施形態において、支持部120は、500rpm未満又は500rpm超の速度で回転する。液体スプレは、粘弾性材料の被覆に衝突することにより、粘弾性材料を、結合した汚染粒子と共に取り除く。取り除かれた粘弾性材料は、遠心力により、液体スプレからの液体と一緒に、ウェーハ130の縁部へ向かって移動し、最終的には、環状フランジ114及び116間の空間へ落下し、導管115を介して廃棄のために収集される。粘弾性材料がウェーハ130から除去される際には、液体スプレを粘弾性材料へ向け続けるために、スプレ噴射部を移動させる。本発明の1実施形態において、腕部152は、スプレ噴射部150を、ウェーハの中心に近接する位置からウェーハ130の縁部に近接する位置まで移動させるように構成される。
【0037】
図4は、本発明の実施形態による、粘弾性材料144の層を有するウェーハ130の断面図である。ウェーハ130の表面上に図示した様々な特徴部は、一定の縮尺で描かれておらず、例示のみの目的で提示している。当技術分野において公知であるように、半導体基板は、様々な物理的特徴部を含み得る。比較的低密度の特徴部131の領域、或いは高密度の特徴部132を有する領域が存在し得る。一部の領域は、高アスペクト比を有する特徴部133を含み得る。一部の特徴部は、パターンを有し、或いはランダムに分布した特徴部134も存在し得る。こうした特徴部の存在は、汚染粒子を保持しがちな輪郭をウェーハ130の表面上に形成する。更に、密な間隔の特徴部及び/又は高アスペクト比を有する特徴部は、こうした特徴部間に位置した汚染粒子への到達を難しくし、当然ながら除去を困難にする恐れがある。しかしながら、粘弾性洗浄材料は、こうした特徴部の間に入り込み、内部に保持された粒子汚染物と少なくとも部分的に結合することが可能である。通常の状況下では、こうした到達困難な場所から粒子汚染物を除去するために必要な洗浄エネルギーは、極めて高くなり、必要なエネルギー量は、プロセス中に特定の特徴部に損傷を与える可能性がある。しかしながら、粘弾性材料は、汚染粒子との結合が可能であるため、粒子を除去するために必要な洗浄エネルギーの量は、粘弾性材料を除去するために必要なエネルギーの量のみとなる。更に、粘弾性材料は、十分な速度で力を加えた時に固体としての挙動を示すことから、粘弾性材料の大部分は、比較的低いエネルギーレベルでウェーハの表面から取り除き得るため、ウェーハ表面に存在する特徴部への損傷が防止される。
【0038】
図5は、ウェーハ130上の粘弾性層144に対する液体スプレ158の付与を示す。スプレ噴射部150は、搬送ガス入力部154を介して搬送ガスを、液体入力部156を介して液体を受領するように構成される。本発明の1実施形態において、搬送ガスは窒素であり、液体は脱イオン水である。搬送ガスの流量は、液体の流量よりも実質的に大きくし、搬送ガスにより液体が高速に加速されるようにする。結果的に生じた液体スプレ158は、粘弾性層の中心向きの縁部に向けられ、これにより粘弾性層に直接衝突する。液体スプレの粘弾性層との衝突は、矢印160により示すように、粘弾性層に直接力を及ぼす。この力の付与により、粘弾性材料は固体状の性質を示し、比較的少量のエネルギーを利用しつつ、粘弾性材料の大部分の除去が可能となる。したがって、液体スプレ158は、特に粘弾性材料が局所的に除去された後には、ウェーハ130の表面特徴部に直接当たる場合があるが、エネルギーレベル及び暴露時間は、表面特徴部への損傷が最小となるような程度に限定される。加えて、ウェーハ130は回転しているため、液体と、ウェーハ130から分離された粘弾性材料の部分との両方を含む流出液159が、遠心力により、ウェーハ130の縁部へ向けて推進される。こうした遠心力により、流出液159は、粘弾性層144の最上部に作用する、矢印162により示す接線力を発生させる。更に、本発明の1実施形態において、スプレ噴射部150は、液体スプレ158をウェーハ130の縁部へ向け、入射角を成して送るように構成し得る。こうした実施形態において、液体スプレ158は、流出液159をウェーハ130の縁部へ向けて進めることを支援する付加的な接線力を提供する。
【0039】
本発明の一部の実施形態において、粘弾性材料は、スプレ噴射部150により付与されている液体に混和可能となる場合があると認識される。したがって、流出液159が生成されて粘弾性層144の上を通過する際には、両者の混合が生じる場合があり、こうした混合が発生した場所では、粘弾性層の厚さは事実上減少する。この効果は、ウェーハ130の縁部では、ウェーハ130の内側領域からの累積流出液を受ける領域であることから、更に顕著となる可能性がある(液体スプレ158をウェーハ130の中心から縁部へ付与するようにスプレ噴射部150を動作させることを前提とする)。結果として、スプレ噴射部150のパラメータの最適化にとって問題となる粘弾性層144の不均一性が生じる。スプレ噴射部150は、粘弾性層144に対して均一な形で液体スプレ158を付与し、単位面積に対して、粘弾性層を取り除く上で十分な速度で、十分な長さの時間に渡って、液体スプレ158を付与するように動作させることが望ましい。しかしながら、表面特徴部に対する損傷の可能性を最小化すると共に、プロセスの効率を高めるために、必要な時間の長さを最小にすることも望ましい。粘弾性材料の液体との混和性又は他の原因により、粘弾性層144が不均一性を示す場合には、粘弾性層144の様々な部分において、異なる液体速度及び/又は液体スプレ158への暴露継続時間が必要となる。こうした粘弾性層144の不均一性から生じる問題を回避するために、液体スプレ158をウェーハ130の全体に短い継続時間で付与することにより、粘弾性層の流出液との混合が発生可能となる時間量を低減するように、スプレ噴射部を動作させることが望ましい。本発明の別の実施形態では、スプレ噴射部を「外側から内側」へ動作させ、最初にウェーハの縁部に対して液体スプレを付与した後、中心に向けて内側へ徐々に移動させる。その間、ウェーハの回転により生じた遠心力により、流出液はウェーハの縁部へ向けて進み続ける。したがって、流出液は、液体スプレの付与を受けていない粘弾性層の部分に影響を与えない。
【0040】
図6は、粒子除去効率(PRE)対エネルギーを表すグラフを示している。曲線170は、スプレ噴射のみのPRE対エネルギーを示している。非常に低いエネルギーレベルでは、汚染粒子の大部分を除去するには不十分なエネルギーとなっている。エネルギーレベルが高まるにつれ、PREは増加し、その後、非常に高いエネルギーレベルにおいて、PREが最大PRE(全ての汚染粒子の完全な除去)に接近し始める。しかしながら、こうした高いエネルギーレベルには、損傷レベルをエネルギーの関数として表す曲線174により示したように、表面特徴部に対する損傷のレベルの増加が伴う。曲線172は、ウェーハ表面に塗布した粘弾性材料の層と併せて動作させたスプレ噴射部のPRE対エネルギーを示している。スプレ噴射部のみと比較すると、粘弾性材料の使用により、同等のエネルギーレベルにおいて、より高いPREが可能となる。一例を更に詳しく検討すると、エネルギーレベル176は、損傷閾値を表しており、エネルギーレベル176より大きなエネルギーレベルでは、ウェーハ表面上の特徴部に対する損傷が生じる。したがって、ウェーハに損傷を引き起こすことを回避したい場合、このエネルギーレベル176は、最大許容動作エネルギーレベルを表す。このエネルギーレベルにおいて、塗布した粘弾性洗浄材料と併せてスプレ噴射部を動作させた場合のPREは、単にスプレ噴射部のみを動作させた場合より高い。したがって、粘弾性洗浄材料と併せてスプレ噴射部を利用することにより、より清浄なウェーハ表面を達成する一方で、表面特徴部に対する望ましくない損傷を同時に最小化し、ウェーハ当たりのチップの歩留まりを高めることができる。
【0041】
図7Aは、図3Bを参照して説明した本発明の実施形態による、ウェーハ130から粒子汚染物を洗浄するシステムの上面図を示す。スプレ噴射部150は、ウェーハ130を回転させている間に、ウェーハ130上の粘弾性層182の縁部に液体スプレを付与する。粘弾性層が粘弾性材料に結合した粒子汚染物と一緒に除去されるにつれ、清浄な領域180が形成される。腕部152は、スプレ噴射部150をウェーハ130の中心に近接する位置からウェーハ130の縁部に近接する位置まで移動させるように構成される。ウェーハ130の一定の回転速度を想定すると、ウェーハ上の1点の線速度は、中心からの距離が増加するにしたがって増加する。そのため、粘弾性層182に対する液体スプレの十分な付与を確保するために、本発明の1実施形態において、腕部152は、スプレ噴射部150をウェーハ130の中心に近接する位置から縁部に近接する位置まで移動させるように構成され、ウェーハ130の中心から様々な半径に位置する粘弾性層の様々な部分が液体スプレに十分に晒されるような減少率で、スプレ噴射部150の移動を発生させる。
【0042】
図7Bは、本発明の実施形態による、ウェーハ190から汚染粒子を洗浄するシステムの上面図である。図示したウェーハ190は、粘弾性洗浄材料により被覆されており、粘弾性層196が形成されている。スプレ噴射アレイ192は、ウェーハ190を回転させている間に、粘弾性材料に対して、ウェーハ190の半径に渡って同時に高速で液体を付与する。本発明の1実施形態において、スプレ噴射アレイ192は、多数のスプレ噴射ノズルを備え、スプレ噴射ノズルは、ウェーハ190の半径に渡る液体スプレの同時付与を行うために、重複した到達範囲を提供する。粘弾性材料がウェーハ190から除去されるにつれ、清浄な領域194が形成される。本発明の1実施形態では、ウェーハ190から粘弾性層196を除去するために、ウェーハ190の回転は、1回のみ必要となる。本発明の他の実施形態では、ウェーハ190の複数回の回転が必要となる。
【0043】
図7Cは、本発明の実施形態による、ウェーハ200から汚染粒子を洗浄するシステムの上面図である。図示したウェーハ200は、粘弾性洗浄材料により被覆されており、粘弾性層206が形成されている。スプレ噴射アレイ202は、ウェーハ200を回転させている間に、粘弾性材料に対して、ウェーハ200の直径に渡って同時に高速で液体を付与する。本発明の1実施形態において、スプレ噴射アレイ202は、多数のスプレ噴射ノズルを備え、スプレ噴射ノズルは、ウェーハ200の直径に渡る液体スプレの同時付与を行うために、重複した到達範囲を提供する。粘弾性材料がウェーハ200から除去されるにつれ、清浄な領域204が形成される。本発明の1実施形態では、ウェーハ200から粘弾性層206を除去するために、ウェーハ200の回転は、1回のみ必要となる。本発明の他の実施形態では、ウェーハ200の複数回の回転が必要となる。
【0044】
図8は、本発明の実施形態による、固体表面から粒子汚染物を除去するシステムの上面図である。ウェーハ300等の固体表面は、キャリヤ310により支持される。キャリヤ310は、トラック320に沿って直線方向で移動するように構成される。トラック320は、当技術分野において公知であるように、キャリヤ310の直線移動をもたらすためにコンベヤ又は他の機構を備えてよい。キャリヤ310をトラック320に沿って移動させる際に、参照番号330、340、及び350により示した多数のプロセスアレイがウェーハ300に作用を及ぼす。更に具体的には、分注アレイ330は、ウェーハ300の表面上に粘弾性洗浄材料を分注するための分注ヘッドの直線配列を備える。分注アレイ330は、少なくともウェーハ300の直径である幅を有する同時到達範囲を提供する。粘弾性材料は、この分注プロセス中に液体状の挙動を示す。ウェーハ300が分注アレイ330を通過すると、ウェーハ300が粘弾性材料の層に被覆された領域332が形成される。粘弾性材料は、ウェーハ300の表面所の汚染粒子と少なくとも部分的に結合する。スプレ噴射アレイ340は、少なくともウェーハ300の直径である幅に渡って高速液体スプレを同時に付与するスプレ噴射部の直線配列を備える。高速の液体は、粘弾性材料の層に衝突し、これにより粘弾性材料は固体状の挙動を示し、ウェーハ300の表面から粘弾性材料が取り除かれる。粘弾性材料が取り除かれると、材料に結合した粒子汚染物は、ウェーハ300の表面から除去される。ウェーハ300がスプレ噴射アレイ340を通過すると、液体スプレからの流出液と共に、粘弾性材料の取り除かれた部分を任意の結合粒子汚染物と一緒に含む領域342が形成される。リンスアレイ350は、少なくともウェーハ300の直径である幅に渡って、リンスと、領域342の粘弾性材料及び液体流出物の除去とを同時に行うリンス及び真空機構の直線配列を備える。
【0045】
図9Aは、図8を参照して説明した本発明の実施形態による、プロセスユニット360の斜視図である。プロセスユニット360は、ウェーハ300をキャリヤ310に装着する装着ステージ362を含む。キャリヤ310は、トラック320に沿って移動させることにより、プロセスアレイ330、340、及び350の下を通過する。具体的に上述したように、分注アレイ330は、粘弾性洗浄材料の層をウェーハ300上に分注し、スプレ噴射アレイ340は、高速液体スプレを粘弾性材料の層に対して付与し、リンスアレイ350は、リンスと、粘弾性材料及び液体流出物のウェーハからの吸引とを行う。キャリヤ310及びウェーハ300が様々なプロセスアレイを完全に通過した後、取り外しステージ364において、ウェーハをプロセスユニット360から取り外す。
【0046】
図9Bは、本発明の実施形態による、追加プロセスアレイ355、356、及び357を含むプロセスユニット360の上面図である。これらの追加プロセスアレイは、化学物質の付与、リンスプロセス等といった、追加プロセスを実行し得る。プロセスアレイ355、356、及び357は、当然のものとして、或いは、プロセスアレイ330、340、及び350により実行される洗浄手順と組み合わせてオプションのステップとして利用し得る。
【0047】
図10Aは、プロセスアレイ330、340、及び350の断面図である。ウェーハ300がプロセスアレイ330、340、及び350を通過する際に、本発明の実施形態による様々な動作が実施される。分注アレイ330は、ウェーハ300に対して粘弾性洗浄材料を塗布するために分注ヘッド331の直線配列を含む。分注ヘッド331は、当技術分野において公知の様々な種類の分注器を備え得る。分注ヘッドの直線配列の一例は、出典を明記することによりその開示内容を本願明細書の一部とした、米国特許出願第12/165,577号に開示されている。ウェーハ300上への粘弾性材料の分注により、ウェーハ300が粘弾性層に被覆された領域332が生じる。粘弾性材料は、液体状の挙動を示し、ウェーハ300の表面上の粒子汚染物と少なくとも部分的に結合する。ウェーハ300を移動させると、粘弾性層は、スプレ噴射アレイ340からの高速液体スプレに晒される。スプレ噴射アレイ340は、スプレ噴射部341Aの直線配列を含む。スプレ噴射部341Aは、搬送ガス(例えば、窒素)を利用して、液体(例えば、脱イオン水)を高速に加速させる。ガスの体積流量は、液体の体積流量よりも実質的に大きい。粘弾性層に作用する液体スプレの力により、粘弾性材料は、固体状の挙動を示し、ウェーハ300から取り除かれる。結果的に生じた領域342は、取り除かれた粘弾性材料を液体スプレからの流出液と共に含む。ウェーハを移動させると、この領域は、リンスアレイ350に晒される。リンスアレイ350では、リンス液と、隣接する同時真空吸引とを利用することで形成されたリンスメニスカス354を使用する。リンス液は、リンス液分注ヘッド351の直線配列により、ウェーハ300上へ分注される。同時に、先行真空ヘッド352の直線配列及び後続真空ヘッド353の直線配列により真空力を提供する。対向アレイ358AないしCは、プロセスアレイ330、340、及び350と拮抗する力を提供することにより、ウェーハ300が様々なプロセスステージを介して移動する際に支持及び安定化を支援する。図示した対向アレイ358AないしCは、リンスアレイ350に類似している。本発明の他の実施形態において、対向アレイ358AないしCは、ウェーハ300の反対側に同様の洗浄プロセスを提供するための分注アレイ及びスプレ噴射アレイを含め、他の種類のプロセスアレイを備え得る。
【0048】
図10Bは、図10Aを参照して説明したものと類似する本発明の他の実施形態による、プロセスアレイ330、340、及び350の断面図である。しかしながら、図示したスプレ噴射アレイ340は、粘弾性材料の層に向けて入射角を成して液体スプレを送るように構成された、スプレ噴射部341Bの直線配列を含む。
【0049】
図11A及び11Bは、対向アレイ358A及び358Bと組み合わせた、分注アレイ330及びスプレ噴射アレイ340の斜視図である。分注アレイ330は、入力管335を介して粘弾性洗浄材料を受領し、分注ヘッドノズル333を含む分注ヘッドの配列を利用して、粘弾性材料をウェーハの表面に塗布する。スプレ噴射アレイ340は、入力管345を介して搬送ガスを受領し、入力管346を介して液体を受領する。スプレ噴射アレイ340は、スプレ噴射ノズル343を含むスプレ噴射部の直線配列を含む。スプレ噴射部の直線配列は、搬送ガスと液体とを混合して、ノズル343から噴射する液体スプレを生成する。
【0050】
図11Cは、本発明の実施形態による、スプレ噴射アレイ340の前方断面図である。搬送ガスは、入力管345を介して受領され、液体は、入力管346を介して受領される。搬送ガスを利用して液体を高速に加速し、結果的に生じた液体スプレをノズル343から噴射する。各ノズルは、隣接するノズルと僅かに重複する到達範囲を提供するため、液体スプレの十分な到達範囲が確保される。
【0051】
本発明の他の実施形態では、スプレ噴射部(図2に示したスプレ噴射部50等)を利用して、ウェーハの表面に対して洗浄目的で粘弾性材料を塗布する。スプレ噴射部の使用により、粘弾性材料を相対的に高速に加速することが可能となるため、スプレ噴射部が生成したエアロゾル化粘弾性材料に対して運動エネルギーの源が提供される。エアロゾル化粘弾性材料の運動エネルギーは、一定レベルの洗浄エネルギーをもたらし、この洗浄エネルギーは、表面粒子との少なくとも部分的な結合又は相互作用を可能にする粘弾性材料に関連する化学構造により生じる内在的な粒子除去効率により強化される。粘弾性材料が運ぶ運動エネルギーは、粒子と基板との間の粘着力を克服することにより、粒子の除去に十分なエネルギーを直接的に提供することもできる。
【0052】
ウェーハ表面に対する材料の高速での直接塗布は、特定の種類の表面構造に損傷を与える恐れがあるため、スプレ噴射部が粘弾性材料を推進する速度を低減することが望ましい場合がある。そのため、様々な実施形態において、粘弾性材料の速度は、表面構造の損傷を回避するように調整される。1実施形態において、粘弾性材料は、約10ないし50m/sの範囲の速度でスプレ噴射部から噴射される。他の実施形態において、速度は、約1ないし200m/sの範囲となる。(例えば、DI水のみで同じ粒子除去効率を達成するために必要な速度と比較して)速度が低減される場合であっても、粘弾性材料の表面粒子との部分的結合及び/又は相互作用により粒子除去効率が改善されるため、粘弾性材料に与えられる運動エネルギーの減少が相殺される。
【0053】
加えて、繊細な特徴部に対する損傷は、ポリマ(粘弾性材料)の分子量分布を制御して、ポリマが運ぶ高い運動エネルギーにより基板が受けるエネルギーを更に正確に制御可能にすることで回避することができる。したがって、粘弾性材料が粒子除去に十分なエネルギーを提供する動作方式では、ポリマの分子量分布を厳密に制御することで、高エネルギーの尾部の存在が引き起こす損傷を回避することにより、損傷は回避できる。
【0054】
加えて、スプレ噴射部による高速への加速の結果として利用される粘弾性材料の固体状の特性により、粘弾性材料は、表面構造に損傷を引き起こしやすくなる恐れがある。しかしながら、上述したように、粘弾性材料を使用することで、粘弾性材料の表面粒子との結合及び相互作用により高い度合いの洗浄効率を維持しつつ、損傷を最小化するために必要に応じて速度を調整することができる。
【0055】
スプレ噴射部による粘弾性材料の噴霧滴の適切な形成を促進するために、粘弾性材料の濃度及び/又は粘度を調節してよい。例えば、スプレ噴射部による高速塗布用の粘弾性材料の濃度及び粘度は、低速度での塗布に適したものと比較して、一般に減少させることが必要となる場合がある。
【0056】
粘弾性材料を高速で塗布するため、後続のリンスステップでは、残存する粘弾性材料及び汚染物の除去に必要なエネルギーが少なくなる。例えば、図3A及び3Bに示したようなスピンボウルシステムの一部として使用する場合、スプレ噴射部による粘弾性材料の高速での塗布は、ウェーハ130上の表面汚染物の除去を促進する。したがって、ウェーハ130を高い回転速度で回転させ、粘弾性材料と、その中で結合した汚染物とを、遠心力によりウェーハ130外へ移動させ得る。この時点でウェーハ300は非常に清浄となるため、図3Bを参照して上述したような追加のリンスステップでは、必要なエネルギーは低くなり、即ち、DI水を表面に付与するスプレ噴射部150は、非常に低い速度で動作させ得る。
【0057】
加えて、スプレ噴射部による粘弾性材料の高速塗布は、図8を参照して上述したような線形処理システムの一部として利用し得る。こうした実施形態では、スプレ噴射部の直線配列を利用して、粘弾性材料をウェーハの表面に対して高速で塗布する。後続のリンス及び真空処理機構では、粘弾性材料が大きな運動エネルギーで塗布されていることから、粘弾性材料及び結合汚染物の除去に必要なエネルギーは小さくなる。
【0058】
以上、幾つかの好適な実施形態により本発明を説明してきたが、上記明細書を読み、図面を検討することで、当業者が様々な変形、追加、置換、及び等価物を認識し得ることは理解されよう。したがって、本発明は、本発明の本来の趣旨及び範囲内に含まれる全ての変形、追加、置換、及び等価物を包含するものである。
例えば、本発明は、以下の適用例として実施することができる。
(1)半導体ウェーハの表面から粒子汚染物を除去する方法であって、
前記半導体ウェーハを支持し、
液体状の挙動を示し且つ前記半導体ウェーハの前記表面上に存在する時に前記粒子汚染物と少なくとも部分的に結合する粘弾性材料を、前記半導体ウェーハの前記表面に塗布し、
液体を、体積流量が前記液体の体積流量よりも実質的に大きい搬送ガス中に混合することにより、前記液体を所定の速度まで加速し、
前記加速された液体を前記塗布された粘弾性材料に付与し、
前記塗布された粘弾性材料は、前記所定の速度での前記液体の付与により、固体状の挙動を示す
方法。
(2)前記所定の速度は、略1ないし1000メートル毎秒の範囲内である適用例1記載の方法。
(3)前記粘弾性材料は、ポリマ化合物を含む適用例1記載の方法。
(4)前記搬送ガスは、窒素又は他の不活性ガスを含む適用例3記載の方法。
(5)前記液体は、脱イオン水を含む適用例4記載の方法。
(6)半導体ウェーハの表面から粒子汚染物を除去するシステムであって、
前記半導体ウェーハを保持するための回転支持部と、
液体状の挙動を示し且つ前記半導体ウェーハの前記表面上に存在する時に前記粒子汚染物と少なくとも部分的に結合する粘弾性材料を、前記半導体ウェーハの前記表面に塗布するためのアプリケータと、
液体を、体積流量が前記液体の体積流量よりも実質的に大きい搬送ガスを利用して所定速度まで加速し、前記液体を前記塗布された粘弾性材料に前記速度で付与するためのスプレ噴射部と
を備え、
前記塗布された粘弾性材料は、液体の前記速度での付与の下で固体状の挙動を示すシステム。
(7)前記高速は、略1ないし1000メートル毎秒の範囲内である適用例6記載のシステム。
(8)前記粘弾性材料は、ポリマ化合物を含む適用例6記載のシステム。
(9)前記搬送ガスは、窒素又は他の不活性ガスである適用例8記載のシステム。
(10)前記液体は、脱イオン水である適用例9記載のシステム。
(11)前記回転支持部は、前記粘弾性材料の塗布中は前記所定の速度未満の低速度で回転し、高速での前記液体の付与中には前記所定の速度である高速度で回転する適用例6記載のシステム。
(12)前記低速度は、略1ないし100回転毎分の範囲内であり、前記高速度は、略10ないし1000回転毎分の範囲内である適用例11記載のシステム。
(13)前記スプレ噴射部は、前記半導体ウェーハの中心に近接した位置から前記半導体ウェーハの縁部に近接した位置まで移動するように構成される適用例6記載のシステム。
(14)半導体ウェーハの表面から粒子汚染物を除去するシステムであって、
前記半導体ウェーハを保持するための、直線的に移動するように構成されたキャリヤと、
液体状の挙動を示し且つ前記半導体ウェーハの前記表面上に存在する時に前記粒子汚染物と少なくとも部分的に結合する粘弾性材料を、前記半導体ウェーハの直径以上の幅に渡って同時に塗布するように構成されたアプリケータノズルの直線配列を備える、前記粘弾性材料を前記半導体の前記表面に塗布するためのアプリケータと、
液体を前記半導体ウェーハの直径以上の幅に渡って同時に付与するように構成されたスプレ噴射ノズルの直線配列を備えると共に、前記液体を、体積流量が前記液体の体積流量よりも実質的に大きい搬送ガスを利用して所定の速度まで加速し、前記液体を前記塗布された粘弾性材料に前記速度で付与するためのスプレ噴射部と
を備え、
前記塗布された粘弾性材料は、液体の前記所定の速度での付与の下で固体状の挙動を示す
システム。
(15)前記高速は、略0.1ないし10メートル毎秒の範囲内である適用例14記載のシステム。
(16)前記粘弾性材料は、高分子化合物を含む適用例14記載のシステム。
(17)前記搬送ガスは、窒素である適用例16記載のシステム。
(18)前記液体は、脱イオン水である適用例17記載のシステム。
(19)前記粘弾性材料の塗布は、更に、
前記液体を、体積流量が前記粘弾性材料の体積流量よりも実質的に大きい搬送ガス中に混合することによる、前記粘弾性材料の所定の速度までの加速を含む適用例1記載の方法。
(20)前記アプリケータは、更に、
前記粘弾性材料を、体積流量が前記粘弾性材料の体積流量よりも実質的に大きい搬送ガスを利用して所定の速度まで加速し、前記粘弾性材料を前記速度で塗布するためのスプレ噴射部を備える適用例6記載のシステム。
(21)アプリケータノズルの前記直線配列は、更に、複数のスプレ噴射部を備え、
前記複数のスプレ噴射部の各スプレ噴射部は、前記粘弾性材料を、体積流量が前記粘弾性材料の体積流量よりも実質的に大きい搬送ガスを利用して所定の速度まで加速し、前記粘弾性材料を前記所定の速度で塗布するためのものである適用例14記載のシステム。
(22)更に、前記粘弾性材料の分子量分布を制御することによる、前記半導体ウェーハに対する損傷の回避を含む適用例19記載の方法。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C