特許第5730471号(P5730471)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5730471パターン形成キャップを用いるエアギャップ形成と一体化
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5730471
(24)【登録日】2015年4月17日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】パターン形成キャップを用いるエアギャップ形成と一体化
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/768 20060101AFI20150521BHJP
   H01L 23/532 20060101ALI20150521BHJP
【FI】
   H01L21/90 N
   H01L21/90 A
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2009-143128(P2009-143128)
(22)【出願日】2009年6月16日
(65)【公開番号】特開2009-302545(P2009-302545A)
(43)【公開日】2009年12月24日
【審査請求日】2012年6月15日
(31)【優先権主張番号】61/061,964
(32)【優先日】2008年6月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/336,884
(32)【優先日】2008年12月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】チェンチャン クイ
(72)【発明者】
【氏名】メフル ナイク
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ディー. ベンチャー
(72)【発明者】
【氏名】ケネス マックウィリアムズ
【審査官】 正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/008338(WO,A1)
【文献】 特開2006−019401(JP,A)
【文献】 特開平10−294316(JP,A)
【文献】 特表2009−543378(JP,A)
【文献】 特開2008−108788(JP,A)
【文献】 特開2007−081403(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/768
H01L 23/532
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜をパターン形成する方法であって:
基板の上にラインを画成するアモルファス炭素マスクを形成するステップであって、該基板が、金属間誘電体(IMD)と金属相互接続部を交互に含むダマシン層と、該ダマシン層の上のキャップ層とを備える形成するステップと
該アモルファス炭素マスクと該キャップ層の上にスペーサ層を堆積させるステップと;
該スペーサ層をエッチングして、スペーサを形成するとともに該アモルファス炭素マスクをさらすステップと;
該アモルファス炭素マスクを該スペーサに対して選択的に除去して、該キャップ層をさらすステップと;
該スペーサの周りギャップ充填層を堆積させて、該キャップ層を覆うが該スペーサをさらすステップと;
該スペーサを該ギャップ充填層に対して選択的に除去して、該基板の上にギャップ充填マスクを形成するステップと;
該ギャップ充填マスクのパターンを該基板に転写するステップと;
を含み、
該転写するステップが:
保護されていない該キャップ層の一部分を該ギャップ充填マスクを用いてエッチングすることにより該キャップ層をパターン形成するステップと;
該ダマシン層から該IMDの少なくとも一部を該パターン形成キャップ層に対して選択的にエッチングして、該パターン形成キャップ層の下を切り取るステップと;を更に含む、前記方法。
【請求項2】
該スペーサ層が、窒化シリコンを含み;
該ギャップ充填層が、二酸化シリコンを含み;
該キャップ層が、シリコン炭素窒化物を含み;
該IMDが、アモルファス炭素、炭素ドープ二酸化シリコン、又はポリマー誘電体の少なくとも一つを含む;
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該キャップ層は、該スペーサを該ギャップ充填層に対して選択的に除去するのに使用されたのと同じエッチングプロセスでエッチングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
該IMDをエッチングすると該ギャップ充填マスクも除去されて、該キャップ層をさらす、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
誘電体をコンフォーマルに堆積させて、該パターン形成キャップ層の開口を閉鎖するとともに該IMDを除去したエアギャップを封止するステップ、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
該パターン形成キャップ層が、シリコン炭素窒化物を含む層で封止される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
該エアギャップを封止する前に、該IMDの除去によってさらされる該金属相互接続部の側壁上に不動態層をコンフォーマルに堆積させるステップを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
該ダマシン層から該IMDの少なくとも一部をエッチングして、該パターン形成キャップ層の下を切り取るステップが:
該IMDを該ダマシン層の該金属相互接続部の側壁に隣接した誘電体ライナに対して選択的にエッチングするステップであって、該誘電体ライナが、シリコン炭素窒化物、窒化シリコン及び炭化シリコンからなる群より選ばれる少なくとも一つの材料を含む、前記ステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
該IMDをエッチングするステップが、H、NH又はフォーミングガスの少なくとも一つを使用するドライエッチングプロセスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
該IMDをエッチングするステップが、HF又はIPAを含むウェットエッチングプロセスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ダマシン構造においてエアギャップを形成する方法であって:
二つの金属相互接続ラインの間に金属間誘電体(IMD)を含むダマシン層を形成するステップであって、各々がライン幅より長いラインの長さを持つ、前記ステップと;
該ダマシン層の上にキャップ層を形成するステップと;
該キャップ層の上にラインを画成するアモルファス炭素マスクを形成するステップであって、該アモルファス炭素マスクラインの長さが、該アモルファス炭素マスクラインの幅よりも長く、かつ、長さ方向が二つの金属相互接続ラインの長さ方向と平行でない、前記ステップと;
該アモルファス炭素マスクラインの対向する側壁上にスペーサを形成するステップと;
該アモルファス炭素マスクラインを該スペーサに対して選択的に除去して、一組のスペーサを形成するステップであって、該一組のスペーサの各々は、長さが幅よりも長く、かつ、長さ方向が該二つの金属相互接続ラインの長さ方向と平行でない、前記ステップと;
該一組のスペーサの周りにギャップ充填層を堆積させて、該キャップ層を覆うが該スペーサをさらすステップと;
該一組のスペーサを該ギャップ充填層に対して選択的に除去して、長さがより長いを持つギャップ充填マスクを形成するステップであって、該の長さ基板の上に該二つの金属相互接続ラインに平行でない、前記ステップと;
を該キャップ層に転写して、該二つの金属相互接続ラインの間に該IMDをさらすステップと;
該二つの金属相互接続ラインの間から該IMDの少なくとも一部を除去し、該キャップ層の下を切り取って、該エアギャップを形成するステップと;
を含む、前記方法。
【請求項12】
該二つの金属相互接続ラインが、65nm以下の間隔だけ間隙を介して配置され、該が、この空間の長さにほぼ直交して該キャップ層に転写される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
該キャップ層が、5nm〜50nmの厚さを持つシリコン炭素窒化物を含み;
該スペーサ層が、10nm〜50nmの厚さを持ち、窒化シリコン、アモルファスシリコン又は多結晶シリコンの少なくとも一つを含み;
該ギャップ充填層が、二酸化シリコン、又は炭素ドープ酸化シリコンの少なくとも一つを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
1)分野
[0001]本発明の実施形態は、一般的には、超小型電子加工技術、より具体的には、膜をパターン形成する方法に関する。
【0002】
2)関連技術の説明
[0002]集積回路における特徴部縮小化は、より有能な電子デバイスを可能にする。より小さな特徴部への縮小化は、所定の形状因子の機能ユニットデバイスの密度を上げるだけでなくデバイス処理速度を増加させる。しかしながら、デバイス縮小化に問題がない訳ではない。例えば、より小さなデバイスの性能を最適化することはますます難しくなっている。これは、デバイスが32nm技術ノード以上に縮小するにつれて性能限界になる相互接続寄生の縮小化について特に言えることである。
【0003】
[0003]寄生容量は、相互接続技術の継続世代と共に低誘電率材料の採用によって昔から減少している。誘電率が約3.9の二酸化シリコンを発端に、フッ素ドープガラスが採用され、様々なスピンオン誘電体の後に炭素ドープシリコンガラスが続き、最後に大量生産において技術の現在の状態である多孔質炭素ドープシリコンガラスに到達した。しかしながら、もっとも進歩した多孔質でさえ、ドープガラスの誘電率は少なくとも2.3であり、相互接続寄生容量は未だ今日の回路の構造の多くにおいて性能を制限し、将来の構造においてはより性能を制限する見込みである。
【0004】
[0004]それに応じて、産業は、ライン間容量とクロストークを減少させて32nm以下の縮小化を可能にする方法として、エアギャップと呼ばれるマクロスケールボイド(いわゆる多孔質膜におけるボイドよりも著しく大きいもの)を形成することをますます考えている。相互接続層の中のエアギャップは長年にわたり実験されてきたが、これらは主流の相互接続技術へやがて採用されなければならない。これは、信頼性の問題に悩まされている一部の方法、また、低い再現性や歩留まりの問題に悩まされている他の方法によるものであり、更に他の方法は、単にコストが高い。
【0005】
[0005]ほとんどのいかなるエアギャップ相互接続技術も直面している問題の一つは、どのように犠牲金属間誘電体(IMD)を除去し封止されたボイドを形成するかである。本明細書に記載される方法の実施態様は、このようなために使用されることになる。
【概要】
【0006】
[0006]膜をパターン形成する方法及びこれらの得られた構造を本明細書に記載する。実施形態において、方法は、基板の上にアモルファス炭素マスクを形成するステップと;アモルファス炭素マスクの上にスペーサ層を堆積させるステップと;スペーサ層をエッチングして、スペーサを形成するとともにアモルファス炭素マスクをさらすステップと;アモルファス炭素マスクをスペーサに対して選択的に除去して、基板層をさらすステップと;スペーサの周りにギャップ充填層の堆積させて、基板層を覆うがスペーサをさらすステップと;スペーサをギャップ充填層に対して選択的に除去して、基板の上にギャップ充填マスクを形成するステップと;ギャップ充填マスクのパターンを基板へ転写するステップと;を含む。
【0007】
[0007]一実施形態において、この方法は、10nmほどの限界寸法を持つ基板膜内に開口を形成するように実施されてもよい。
【0008】
[0008]実施形態において、この方法は、基板が金属間誘電体(IMD)と金属相互接続部を交互に持つダマシン層の上の不動態層或いは“キャップ”層を含むエアギャップ相互接続構造を形成するように実施されてもよい。このような実施形態において、アモルファス炭素マスクは、キャップ層の上に形成される。ギャップ充填層のパターンは、キャップ層をギャップ充填マスクに対して選択的にエッチングし、その後、ダマシン層からパターン形成キャップ層に対して選択的にIMDの少なくとも一部をエッチングして、パターン形成キャップ層の下を切り取ることによって基板へ転写される。方法によって可能になる小さな形状は、その後、封止されてもよい。一実施形態において、キャップ層内の開口は、誘電体をコンフォーマル(conformally)に堆積させることによって閉鎖されて、IMDが除去されたボイドを封止する。更なる実施形態において、パターン形成キャップ層は、ケイ素炭素窒化物を含む層で封止される。
【0009】
[0009]具体的な実施形態において、スペーサ層は、窒化シリコン、アモルファスシリコン又は多結晶シリコンであり、ギャップ充填層は、二酸化シリコン又は炭素ドープ酸化シリコンであり、キャップ層は、シリコン炭素窒化物であり、IMDはアモルファス炭素、炭素ドープ二酸化シリコン、又はポリマー誘電体である。
【0010】
[0010]具体的な実施形態において、キャップ層は、使用した実質的に同一のエッチングプロセスによってエッチングされて、スペーサをギャップ充填層に対して選択的に除去する。
【0011】
[0011]実施形態において、IMDをエッチングすることは、水素(H)、アンモニア(NH)又はフォーミングガス(H/N)のような還元ガス、四フッ化炭素(CF)のような水素化フッ化炭素、酸素(O)のような酸化剤のようなこれらに限定されないガスを使用するドライエッチングプロセスを含む。別の実施形態において、IMDをエッチングすることは、フッ化水素酸(HF)又はイソプロピルアルコール(IPA)のようなこれらに限定されない化学を使用するウエットエッチングプロセスを含む。
【0012】
[0012]一実施態様において、IMDを除去することは、ギャップ充填マスクを除去して、キャップ層をさらすことも含まれる。
【0013】
[0013]一実施態様において、ボイドを封止してエアギャップ相互接続構造を形成する前に、IMDを除去する際にさらされた金属相互接続部の側面上にキャップ層がコンフォーマルに堆積される。キャップ層は、シリコン炭素窒化物、窒化シリコン、炭化シリコン、窒化チタンのようなこれらに限定されない材料を含んでもよい。
【0014】
[0014]別の実施態様において、ダマシン層を形成する際に、金属相互接続部に窒化タンタル(TaN)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)のようなバリヤ層が堆積される前に、コンフォーマルな誘電性ライナ層がIMDの側壁上に堆積されて、その後、IMDが除去されてエアギャップを形成する際に、相互接続部に保護層を与える。保護誘電体は、シリコン炭素窒化物、窒化シリコン、炭化シリコン、窒化チタンのようなこれらに限定されない材料を含んでもよい。このような実施形態において、IMDの少なくとも一部がダマシン層から除去されて、パターン形成キャップ層の下を切り取り、IMDが不動態誘電体に対して選択的にエッチングされ、ダマシン層の金属相互接続部に隣接した保護側壁層を形成する。
【0015】
[0015]他の実施形態は、それぞれのラインの長さがライン幅より著しく長く且つ約65nm以下だけ間隙を介して配置された、二つの金属相互接続ライン間の金属間誘電体(IMD)を含むダマシン層内にエアギャップを形成する方法を提供する。ダマシン層の上にキャップ層を形成して金属相互接続ラインを不動態化した後、アモルファス炭素マスクがキャップ層の上に形成される。アモルファス炭素マスクは、ラインの長さが幅より著しく長く、かつ、二つの金属相互接続ラインの長さにほぼ直交する長さでラインを画成する。その後、スペーサは、アモルファス炭素マスクラインの対向する側面に形成される。アモルファス炭素マスクラインは、スペーサに対して選択的に除去されて、それぞれのスペーサの長さが幅より著しく長く、かつ、二つの金属相互接続ラインの長さにほぼ直交する長さを持つ、一組のスペーサを形成する。その後、ギャップ充填層が一組のスペーサの周りに堆積され、キャップ層を覆うがスペーサをさらし、一組のスペーサをギャップ充填層に対して選択的に除去し、長さがチャネル幅より著しく長いチャネル或いはトレンチを持つギャップ充填層マスクを形成する。基板の上の二つの金属相互接続ラインにほぼ直交しているチャネルの長さは、別の方法で必要とされる非常に強固なオーバーレイ許容量に頼らずにチャネルはIMDの上にチャネルが伸張することを確実にする。チャネルは、キャップ層内にエッチングされて、二つの相互接続ラインの間にIMDをさらし、二つの相互接続ラインの間からIMDの少なくとも一部を除去し、キャップ層の下を切り取るその後、チャネルはコンフォーマルな誘電体堆積で封止されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
[0016]次の図面の図において、本発明の実施形態を一例として限定せずに示す。
図1図1は、本発明の実施形態による、ダマシン構造を示す断面図である。
図2図2は、本発明の実施形態による、アモルファス炭素層がダマシン構造のキャップ層の上に堆積されている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。
図3A図3Aは、本発明の実施形態による、パターン形成フォトレジストマスクがアモルファス炭素層の上に形成されている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。
図3B図3Bは、本発明の実施形態による、パターン形成フォトレジストマスクがダマシン構造の金属相互接続ラインと重なるアモルファス炭素層の上にラインを与えることを示す平面図である。
図4図4は、本発明の実施形態による、パターン形成アモルファス炭素マスクが形成されている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。
図5図5は、本発明の実施形態による、スペーサがパターン形成アモルファス炭素マスクの側壁に隣接して形成されている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。
図6図6は、本発明の実施形態による、パターン形成アモルファス炭素マスクが除去されている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。
図7図7は、本発明の実施形態による、ギャップ充填誘電体がスペーサの周りに堆積されている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。
図8図8は、本発明の実施形態による、スペーサとキャップ層がエッチングされている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。
図9図9は、本発明の実施形態による、金属間誘電体(IMD)がキャップ層に対して選択的にエッチングされている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。
図10A図10Aは、本発明の実施形態による、キャップ層が封止されている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。
図10B図10Bは、本発明の実施形態による、キャップ層が封止される前にIMDの除去によってさらされる金属相互接続部が不動態化されている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。
図11図11は、本発明の実施形態による、ダマシン金属相互接続部のバリヤ層が形成される前に誘電体ライナが堆積されている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。
図12図12は、本発明の実施形態による、誘電体ライナがダマシン金属相互接続部のバリヤ層に隣接してスペーサ側壁を形成している半導体構造の形成における操作を示す断面図である。
図13図13は、本発明の実施形態による、金属間誘電体(IMD)がキャップ層と保護側壁に対して選択的にエッチングされている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。
図14図14は、本発明の実施形態による、キャップ層が封止されている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。
【詳細な説明】
【0017】
[0033]以下の説明において、操作順序のような多くの個々の詳細が示されて、本発明の徹底した理解を与える。本発明がこれらの個々の詳細を含まずに実施されてもよいことは当業者に明らかである。他の場合には、個々の堆積とエッチング技術のような周知の特徴は、本発明を不必要に分かりにくくしないように詳細に記載しない。“実施形態”について本明細書全体に述べることは、実施形態と共に記載される具体的な特徴部、構造、材料、又は特性が本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体に様々な場所での“実施形態において”の語句が出てくることは、本発明の同一実施形態を必ずしも意味しない。更に、具体的な特徴部、構造、材料、又は特性は、一つ以上の実施形態において適切ないかなる方法においても組み合わせることができる。更に、図に示される様々な例示的実施形態が単に説明的な表現であり、必ずしも一定の比率で書かれたものではないことは理解されるべきである。
【0018】
[0034]本明細書に用いられる“の上に”、“下に”、“間に”、“上に”の用語は、一方の層の他の層に対する相対位置を意味する。そのようなものとして、例えば、他の層の上に又は下に堆積された或いは配置された一方の層は、直接その他の層と接触していてもよく、一つ以上の介入層を有してもよい。更に、層の間に堆積された或いは配置された一方の層は、層と直接接触していてもよく、一つ以上の介入層を有してもよい。対照的に、第二層“上の”第一層は、第二層と接触している。更に、一方の層の他の層に対する相対位置は、基板の絶対的向きを考慮せずに開始基板と相対して堆積、修飾、除去する操作を前提に示されている。
【0019】
[0035]図1は、本発明の実施形態による、ダマシン構造100を示す断面図である。ダマシン構造100は、当該技術において既知のいかなるダマシン構造であってもよく、このようなものは、ダマシン層を含み、そのダマシン層は、金属間誘電(IMD)と金属相互接続部を交互に含み、ここで、誘電体スタックが堆積され、続いてバイアとラインでパターン形成され、エッチングされてトレンチとバイアを形成し、金属相互接続バイアとワイヤ或いはラインで充填され、平坦化され、その後キャップ層で封止される。
【0020】
[0036]図示されるように、層間誘電体(ILD)105は、下層101の上に形成される。下層101は、下に横たわる半導体基板或いは下に横たわる相互接続層であってもよい。ILD105は、二酸化シリコン、アモルファス炭素、例えば、米国カリフォルニア州AppliedMaterials社から商標名Advanced Patterning FilmTM(APF)として市販されているがこれに限定されないもの、炭素ドープ酸化物、例えば、どちらもAppliedMaterialsから市販されているBlack Diamond IやBlackDiamond II、スピンオンポリマー誘電体、例えば、米国ミシガン州DowChemicalから市販されているSiLK(登録商標)のこれらに限定されないような従来のいかなる誘電体であってもよい。
【0021】
[0037]ILD105の上は金属間誘電体(IMD)110である。IMD110は、ILD105に記載したもののような従来のいかなる誘電体であってもよい。IMD110とILD105の間には、ダマシン構造100の形成に有用な一つ以上のエッチング停止層(図示せず)があってもよい。金属バイア115は、ILD105を通って伸長し、下層101に接触している。金属相互接続ライン120はIMD110を通って伸長し、ILD105(或いは間に置かれたエッチング停止層)上で停止する。
【0022】
[0038]金属相互接続ライン120と金属バイア115は共に、当該技術において既知であるように様々な材料を含んでもよい。示された例において、窒化タンタル(TaN)のようなバリヤ層121が充填金属123を囲んでいる。充填金属123は、銅のような当該技術において一般に使用されるものであってもよい。シード層のような他の様々な層がダマシン層に含まれてもよい。
【0023】
[0039]金属相互接続ライン120の最上部にさらされた充填金属123は、典型的には、キャップ層125で覆われて、金属相互接続部のエレクトロマイグレーションを改善する。具体的な実施形態において、キャップ層125は、シリコン炭素窒化物、例えば、AppliedMaterialsから市販されている商標名BLOk(登録商標)として入手できるものである。このような実施形態において、シリコン炭素窒化物キャップ層は、プラズマ増強型化学気相堆積(PECVD)によって約5nm〜約50nm、好ましくは約10nm〜約20nmの厚さに堆積されてもよい。別の実施形態において、キャップ層125は、ILD105に記載された材料のいずれでもよく、従来の方法によって約10nm〜約50nmの厚さまで堆積されてもよい。
【0024】
[0040]図2は、本発明の実施形態による、アモルファス炭素層230がダマシン構造100のキャップ層125の上に堆積されている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。本明細書に用いられるアモルファス炭素は、堆積されると、250℃を超える温度、好ましくは300℃を超える温度で安定なままである炭素が50原子%を超える材料である。高温に対する耐性は、続いてのキャップ層が少なくとも250℃の温度の有利な誘電体堆積温度でアモルファス炭素層230上に堆積されることを可能にし、以下に述べる。
【0025】
[0041]具体的な一実施形態において、アモルファス炭素層230は、熱プロセス或いはプラズマ増強型プロセス、即ち、PECVDによって形成されてもよい。一般に、CVD炭素材料は、熱分解炭素、黒鉛状炭素、ダイヤモンド状炭素の典型的なもののハイブリッドである膜特性を示すsp1、sp2、sp3の結合状態を有する炭素である。CVD炭素材料は、種々の割合で複数の結合状態を含有することができることから、長距離秩序に欠けるので、一般に“アモルファス炭素”と呼ばれる。
【0026】
[0042]アモルファス炭素層230は、続いてのパターンキャップ層125に用いられるプロセスと炭素材料の構造的完全性(アモルファス炭素層のアスペクト比を制限する)に対する材料の耐性に依存する厚さで形成される。一実施形態において、アモルファス炭素層は、5:1のアスペクト比の層に引き続きエッチングされる特徴部の臨界寸法より約5倍の厚さまでCVDによって堆積される。実施形態において、更に、CVD炭素層の厚さと特徴部寸法との比は1:1〜5:1である。このような比の範囲は、充分な構造的完全性を与えるので、パターン形成アモルファス炭素特徴部は続いての処理中に壊れない。このような一実施形態において、最小アモルファス炭素特徴部寸法が約50nmである場合、アモルファス炭素層230の厚さは、約100nm〜約500nmである。他の実施形態において、特徴部寸法が約25nmである場合、アモルファス炭素層の厚さは、炭化水素前駆物質、例えば、メタン(CH)、プロピレン(C)、プロピン(C)、プロパン(C)、ブタン(C10)、ブチレン(C)、ブタジエン(C)、アセチレン(C)、トルエン(C)及びこれらの混合物のこれらに限定されないものを用いてPECVDプロセスによって形成された約50nm〜約250nmである。CVD炭素材料は、また、窒素又は他の添加物を含んでもよい。
【0027】
[0043]別の実施形態において、従来の誘電体層、例えば、窒化シリコン、酸窒化シリコンのこれらに限定されないものは、アモルファス炭素層230の代わりにハードマスクとして使用される。
【0028】
[0044]図3Aは、本発明の実施形態による、パターン形成フォトレジストマスクがアモルファス炭素層230の上に形成されている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。レジストコートと露光と現像を含む従来のフォトリソグラフィープロセスが使用されてもよい。底面反射防止コーティング(BARC)もまた、コーティングプロセスの一部としてフォトレジストの前にアモルファス炭素層230に適用されてもよい。本発明の一実施形態によれば、フォトレジストは、パターン形成されて、リソグラフィー/現像プロセス、例えば、248nmリソグラフィー/現像、193nmリソグラフィー/現像、157nmリソグラフィー/現像、極紫外線(EUV)リソグラフィー/現像、直接描画リソグラフィー/現像のようなこれらに限定されないものによってフォトレジストマスク332を形成する。
【0029】
[0045]図3Bは、本発明の実施形態による、ダマシン構造100の金属相互接続ライン120に重なるアモルファス炭素層230の上にラインを与えるパターン形成フォトレジストマスク332を示す平面図である。線a−a’は、図3Aに示した断面図について述べたことを示している。図3Bに示した実施形態において、金属相互接続ライン120の幅Wは、線の長さよりかなり狭い。同様に、フォトレジストマスク332は、マスクラインの長さよりかなり狭い幅Wを持つラインを形成する。フォトレジストマスク332のラインの長さは、金属相互接続ライン120の長さにほぼ直交する。フォトレジストマスク332のラインと金属相互接続ライン120の間のこのような平行でない配置は、別の方法で必要とされる非常に小さなオーバーレイ許容量を必要とせずにフォトレジストラインの端部がアモルファス炭素層230の上に伸長することを確実にすることを援助することができる。例えば、このような平行でない実施形態は、金属相互接続ライン120がそれらの間の距離Sで近接して隔置される場合に有利である。空間S内にアモルファス炭素層230の上に端部333を与えるためにレジストマスク332を上に置くことは、レジストマスク332が金属相互接続ライン120の長さに平行でない長さを持つラインを含まない限り実際的でない場合がある。具体的な例において、隣接した金属相互接続ライン間の空間Sは、約65nm以下であり、レジストマスク332は、間隔Sより上のアモルファス炭素層230の上の端部を形成する。しかしながら、他の実施形態において、従来のいかなるポジティブ或いはネガティブトーンマスクも、ポスト或いは開口の中にレジストマスク332を形成するために使用することができる。
【0030】
[0046]図3Bに更に示されるように、領域334は、デバイス歩留まり或いは信頼性の低下を引き起こす場合があるアーチファクトの続いての形成を避けるためにフォトレジストマスク332を含まない。例えば、バイア不整合に感受性のある領域或いはダマシン層からIMDの一部が続いて除去される領域は、機械的故障を引き起こす場合がある。このような機械的故障は、金属相互接続ライン120を欠く大面積を持つ領域334に生じる場合がある。
【0031】
[0047]図4は、本発明の実施形態による、アモルファス炭素層230がアモルファス炭素マスク435の中にパターン形成されている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。アモルファス炭素マスク435を異方性エッチングで画成して、上に横たわるフォトレジストマスク332のパターンを高い忠実性で複製することができる。具体的な実施形態は、OやN、他の窒素酸化物やCHのようなこれらに限定されないガスを使用するプラズマエッチングプロセスを示す。このような一実施形態において、アモルファス炭素マスク435を形成するアモルファス炭素層230のエッチングは、フォトレジストマスク332を同時に除去する。このような一実施形態において、アモルファス炭素層230の厚さは、アモルファス炭素マスク435の形成中に堆積されたままの厚さの少なくとも15%だけ減少する。例えば、約200nm厚アモルファス炭素層230が堆積される実施形態において、Oベースのプラズマエッチングは、フォトレジストマスク332を通ってアモルファス炭素層230の中に少なくとも30nmだけエッチングして、キャップ層125の上に約170nmの厚さでアモルファス炭素マスク435を与えつつアモルファス炭素マスク435を形成する。
【0032】
[0048]図5は、本発明の実施形態による、スペーサ540がパターン形成アモルファス炭素マスク435の側壁に隣接して形成されている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。最初に、スペーサ材料層(図示せず)は、アモルファス炭素マスク435の上にコンフォーマルに堆積される。スペーサ形成材料は、アモルファス炭素マスク435とキャップ層125双方が許容しうる選択性で除去することができるいかなる材料であってもよい。選択性の必要量は、アモルファス炭素マスク435の厚さとキャップ層125の厚さに依存する。一般に、アモルファス炭素マスク435が厚いほど、スペーサ540は高くなる可能性があり、キャップ層125とスペーサ540の間の選択性要求が減少する。アモルファス炭素マスク435は、酸化環境において容易に除去されることから、従来のほとんどのいずれのスペーサ層材料、例えば、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、多結晶シリコンゲルマニウム、二酸化シリコン、シリコン炭素窒化物、窒化シリコンのこれらに限定されないものが用いられてもよい。スペーサ層は、約300℃を超える温度で従来のCVD或いはPECVDによって堆積されて、かなりの速度で高度にコンフォーマルで一様な堆積を達成することができる。
【0033】
[0049]スペーサ層堆積の厚さは、アモルファス炭素マスク435の側壁上に形成されるスペーサ540の側面の厚さを最終的に決定し、この厚さは、スペーサ540の能力によって制限され、アモルファス炭素マスク435を引き続き除去する際に自由である。自由であるための能力は、材料の機械的強度と膜のストレスに依存する。実施形態において、アモルファス炭素マスク435の厚さとスペーサ層堆積の厚さとの比は、10:1未満である。具体的な実施形態において、窒化シリコンを含むスペーサ層は、厚さが100nm〜500nmであるアモルファス炭素マスク435の上に10nm〜50nmの厚さまで堆積される。
【0034】
[0050]スペーサ層が形成された後、異方性エッチングされて、図5に示されるスペーサ540を形成する。選ばれるスペーサ材料に依存する化学によって従来のプラズマドライエッチングプロセスを使用してもよい。ある実施形態において、C、CH、CHFのようなこれらに限定されないガスによるドライエッチングプロセスを用いることができる。
【0035】
[0051]図6は、本発明の実施形態による、アモルファス炭素マスク435がスペーサ540から除去されてキャップ層125をさらしている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。アモルファス炭素マスク435は、炭素マスク層をパターン形成するために以前に記載したドライエッチングプロセスで、例えば、酸化剤及び/又は還元剤を含むプラズマエッチングプロセスで有利に除去してもよい。追加のマスク除去操作を必要としないことから、従来のハードマスクプロセスに相対してプロセスの複雑性が減少する。また、スペーサ540の機械的脆弱性のために、ドライエッチングプロセスの実施形態がスペーサ540の形成に続く高表面張力ウエット処理を避けることは有利なことである。
【0036】
[0052]図7は、本発明の実施形態による、ギャップ充填層750がスペーサ540の周りに堆積されている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。キャップ層125の上とスペーサ540の周りに材料を堆積するために従来のいかなるギャップ充填堆積プロセスも使用することができる。このようなプロセスは、典型的には、堆積プロセスがギャップを充填するとともにマイクロ長スケールトポグラフィをスパッタする傾向があるように調節された堆積とスパッタ速度を持つ高密度プラズマ(HDP)を用いる。材料のHDPプロセスは、スペーサ540のトポグラフィを平坦化し、そうする際にスペーサをさらす傾向がある。スペーサ540をスパッタしてギャップ充填層750で平坦化する前に堆積プロセスが中断する限り、ギャップ充填層750はスペーサ540の周りに形成され、上には形成されない。ギャップ充填層750には、その後のスペーサ540とキャップ層125のエッチングに耐え得る従来のいかなる誘電材料が含まれてもよい。従って、スペーサ540とキャップ層125の組成によっては、ギャップ充填層750は、二酸化シリコン、窒化シリコン、シリコン炭素窒化物、ポリシリコン、アモルファスシリコン又は低k誘電体を含んでもよい。窒化シリコンスペーサ540とシリコン炭素窒化物キャップ層125を使用する具体的な実施態様において、ギャップ充填層750は、二酸化シリコンである。窒化シリコンスペーサ540とシリコン炭素窒化物キャップ層125が二酸化シリコンギャップ充填層750に対して選択的にエッチングされてもよいことからと二酸化シリコンのHDPプロセスがよく確認されていることからの双方から二酸化シリコンが有利である。
【0037】
[0053]別の実施態様において、非ギャップ充填堆積(例えば、HDPでない)又はギャップ充填堆積は、ダマシン相互接続部に使用された従来の平坦化プロセスのような化学機械的研磨(CMP)操作と組み合わせる。ギャップ充填プロセスを補足或いは置換するために研磨操作を用いて、スペーサ540をさらしつつギャップ充填層750の形成を形成してもよい。しかしながら、このような研磨プロセスは、コストを上げることからHDPギャップ充填技術のみを使用する実施形態よりも有利でないことになる。
【0038】
[0054]図8は、本発明の実施形態による、スペーサ540が除去され、キャップ層125をエッチングしてIMD110をさらし、ギャップ充填層750がエッチングマスクである、半導体構造の形成における操作を示す断面図である。スペーサ540が金属相互接続ライン120に平行でない長さを持つラインを形成するこのような実施形態において、キャップ層125をエッチングすると、IMD110がチャネル851の下にさらされたキャップ層125内にチャネル85が形成される。それ故、チャネル851は、ある実施形態においても金属相互接続ライン120に平行でない。スペーサ540の除去は、スペーサ540をギャップ充填層750に対して選択的にエッチングすることによって行われてもよい。スペーサ540、キャップ層125、ギャップ充填層750の材料の適切な選択によって、スペーサ540とキャップ層125のいずれも、スペーサ540の下のキャップ層125を洗浄した後にギャップ充填層750厚さの少なくとも一部が残るギャップ充填層750に対して選択的に充分にエッチングすることができる。具体的な実施形態において、連続製法ステップでスペーサ540とキャップ層125をエッチングするためにドライエッチングプロセスが使用される。キャップ層125が炭化シリコンを含み、スペーサ540が窒化シリコンを含む、このような一実施形態において、C、CH、CHFのようなこれらに限定されないガスによるドライエッチングプロセスが用いられてもよい。実施形態によっては、キャップ層125のエッチングのエッチング停止としてIMD110が働いても働かなくてもよい。
【0039】
[0055]IMD110は、紫外線(UV)又は電子ビーム処理を必要とする場合がある。ある実施形態において、IMD110のこれらの処理は、キャップ層125をエッチングする前に行われる。他の実施形態において、このような処理は、キャップ層125がエッチングされた後に行われてもよい。
【0040】
[0056]図9は、本発明の実施形態による、IMD110の一部がキャップ層125に対して選択的にエッチングされている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。IMD110の一部の除去は、金属相互接続ライン120の間にエアギャップ955を形成し、IMD110からボイドが引き続き封止される場合に達成される真空レベルまで誘電率の低下を可能にする。具体的な実施形態において、IMD110を等方的に除去して、キャップ層125の下を切り取る
【0041】
[0057]具体的な実施形態において、IMD110の一部は、IMD110の具体的な材料組成の等方性エッチングに従来使用されたいかなるガス化学も含むドライプラズマエッチングによって除去される。IMDが炭素ドープ二酸化シリコン(SiCOH)、アモルファス炭素、又はスピンオンポリマー誘電体を含む例示的実施態様において、ガス化学はO、H、NH、又はフォーミングガス(H/N)を含んでもよいが、これらに限定されない。他のプラズマエッチングの実施形態は、従来の水素化ハロゲンガスを使用してもよい。更に他の実施形態において、IMD110の一部を除去して、エアギャップ955を形成するために、ウエット化学エッチングプロセスが使用されてもよい。ウエット化学は、フッ化水素酸(HF)ベースのエッチング化学、フッ化アンモニウム(NHOH)ベースの化学、又はイソプロピルアルコール(IPA)やアセトン或いはN-メチルピロリドン(NMP)のような溶媒化学を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0042】
[0058]図9に示される例示的実施態様において、ギャップ充填層750もまた、IMD110の一部をエッチングするプロセスによって除去される。このような実施形態において、ギャップ充填層は、犠牲マスキング層としてのみ働き、IMD110のエッチングは、キャップ層125によってのみマスクされる。ギャップ充填層750とIMD110との除去は、ギャップ充填層750が望ましくない高誘電率を持つ場合には有利である。ギャップ充填層750が二酸化シリコンであり、IMD110が炭素ドープ二酸化シリコンである、具体的な実施態様において、ギャップ充填層750とIMD110の一部の双方をシリコン炭素窒化物キャップ層125に対して選択的に除去するために、フッ化炭素ベースのドライプラズマエッチングがOのような酸化剤を含み或いは含まずに使用される。この実施態様において、キャップ層125の上面はさらされ、キャップ層125の下面も切り取られる
【0043】
[0059]図9に示される具体的な実施形態において、IMD110の除去は、ILD105に対して選択的か或いはIMD110とLID105の間の停止層に対して選択的である。例えば、窒化シリコン或いはシリコン炭素窒化物の停止層を用いて、ドープされた酸化シリコンIMD110のエッチングを停止させることができる。IMD110がILD105に対して選択的にエッチングされる実施形態は、バイア115が不整合であるか又は下層101がプロセスエッチングILD105に感受性である場合には有利である。図9に示されるように、金属相互接続ライン120の間のIMD110をILD105に対して選択的に除去することは、ラインの長さがバイア115によって進行する垂直距離より非常に長いことから、容量と相互接続部のクロストークを大幅に減少させることができる。しかしながら、別の実施において、ILD105の少なくとも一部は、ILD105に対して選択的でないエッチングプロセスによってIMD110と共にエッチングされる場合がある。更なる実施形態において、スペーサ540とギャップ充填層750とIMD110のエッチングは、単一チャンバ内のエッチング法(recipe)の連続ステップ或いは単一エッチングプラットフォームにおけるチャンバシーケンスとして、その場で(in-situ)行われる。
【0044】
[0060]図10Aは、本発明の実施形態による、キャップ層125内の開口或いはチャネルが封止されている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。一般に、封止キャップ層1060をコンフォーマルに堆積させて、チャネル1061のような金属相互接続ライン120の上のキャップ層開口にボイドを形成する可能性を減少させなければならない。さらされた金属相互接続ライン120は、キャップ層125が金属相互接続ライン120の他の表面を保護すると同時に封止キャップ層1060によって保護されなければならない。これを目的として、封止キャップ層1060の堆積方法は、更に、洗浄ステップを含み、それによって、チャネル1061によってさらされた金属相互接続ライン120上のいかなる酸化等も除去される。封止キャップ層1060は、キャップ層125、IMD110又はILD105に以前に記載したような従来のいかなる誘電材料を含んでもよい。キャップ層125がシリコン炭素窒化物を含む具体的な一実施形態において、シリコン炭素窒化物封止キャップ層1060を堆積させて、ダマシン層の上に伸長し、金属相互接続ライン120を保護し、且つIMD110が除去されるキャップ層125内の開口を封止する連続キャップ層を改善する。
【0045】
[0061]図10Bは、本発明の実施形態による、IMD110を除去する際にさらされた金属相互接続ライン120がキャップ層125が封止される前に不動態化されている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。示されるように、金属相互接続ライン120は、IMD110が除去された(図9に示す)後にさらされたバリヤ層1070を持つ。実施形態において、さらされたバリヤ層1070は、従来の材料、例えば、TaN、又はルテニウム(Ru)、コバルト(Co)等に基づく金属間化合物を含んでもよい。このようなバリヤ層1070は、相互接続不動態層1075から恩恵を受ける場合がある。一実施形態において、相互接続不動態層1075は、キャップ層125を封止する前にバリヤ層1070の上に形成される。このような一実施形態において、相互接続不動態層1075は、原子層堆積(ALD)又はCVDのようなコンフォーマルな堆積によって堆積される。相互接続不動態層1075は、キャップ層125、IMD110又はILD105のために以前に記載した材料のいずれも含んでもよい。具体的な一実施形態において、相互接続不動態層1075は、シリコン炭素窒化物を含み、厚さが5nm〜20nmである。
【0046】
[0062]別の実施形態において、IMD110を除去した後に相互接続ラインを不動態化するのではなく、金属相互接続ライン120の形成前にライナ層が形成され、IMD110の除去はこのキャップ層に対して選択的である図11は、本方法が組み込まれてもよいダマシン層を形成する別の方法である。例えば、図11は、本発明の実施形態による、保護誘電体ラインがダマシン金属相互接続部のバリヤ層が形成される前に堆積されている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。ライナ層1180は、ダマシン層のトレンチやバイア開口部が形成された後にMD110の上に堆積される。ライナ層1180は、キャップ層125、相互接続不動態層1075、IMD110又はILD105のために記載したこれらの材料のいずれから構成されてもよい。
【0047】
[0063]ライナ層1180が堆積された後、異方性エッチングは、ドライプラズマエッチングで行われて、ライナスペーサ1185を形成することができる。ドライエッチングは、ライナスペーサ1185をIMD110に対して選択的に形成させることができる。例えば、シリコン炭素窒化物ライナスペーサ1180による実施形態において、スペーサ540を形成するために記載したもののようなエッチングプロセスが使用されてもよい。形成されたライナスペーサ1185によって、図12に示されるようにダマシン層は完了してもよい。バリヤ層121と充填金属123は、ライナスペーサ1185に隣接して形成されて、金属相互接続ライン120を完成させ、図1に示された別のダマシン構造を形成する。図2図9を参照して記載した操作を適用すると、図13に示されるようにエアギャップ構造が形成される。
【0048】
[0064]図13は、本発明の実施形態による、IMD110がキャップ層125とライナスペーサ1185に対して選択的にエッチングされて、エアギャップ1390を形成している、半導体構造の形成における操作を示す断面図である。ダマシン相互接続部の一部として形成されるライナスペーサ1185は、その後、IMD110の除去中にエッチング停止として働く。具体的な実施形態において、ライナスペーサ1185とキャップ層125の双方が同一材料を含み、金属相互接続ライン120の三つの側面を封入する。実施形態において、更に、IMD110とILD105(図示せず)の間のエッチング停止層は、ライナスペーサ1185とキャップ層125と同一材料を含み、金属相互接続ライン120の四つの側面を封入する。このような一実施形態において、IMD110とILD105の間のエッチング停止層、キャップ層125、ライナスペーサ1185は、全てシリコン炭素窒化物を含む。
【0049】
[0065]ダマシン相互接続プロセスの一部として保護誘電体ライナを組み込んでいる別の実施形態は、その後、キャップ層125内に形成されるチャネルの封止することによって完了する。図14は、本発明の実施形態による、キャップ層125が不動態封止層1495で封止されている半導体構造の形成における操作を示す断面図である。図10Aを参照して記載したプロセス或いは材料のいずれも使用してもよい。
【0050】
[0066]図10A図14は、パターン形成膜のある例示的相互接続エアギャップ実施形態の完成を示す図である。これらの示された構造は、その後、当該技術において既知のように、更に処理にかけられてもよい。
【0051】
[0067]本発明は、構造的特徴及び/又は方法論的な動作に特有の言語で記載してきたが、添付の特許請求の範囲において定義される本発明が記載した個々の特徴或いは動作に必ずしも限定されないことは理解されるべきである。開示した個々の特徴と動作は、本発明を限定するよりむしろ具体的に説明するために請求の範囲に記載されている発明の特に率直な実施態様として理解されるべきである。
【符号の説明】
【0052】
100…ダマシン構造、101…下層、105…層間誘電体、110…金属間誘電体、115…バイア、120…金属相互接続ライン、123…充填金属、125…キャップ層、230…アモルファス炭素層、332…フォトレジストマスク、333…端部、334…領域、435…アモルファス炭素マスク、540…スペーサ、750…ギャップ充填層、955…エアギャップ、1060…封止キャップ層、1061…チャネル、1070…バリヤ層、1075…相互接続不動態層、1180…ライナ層、1185…ライナスペーサ、1390…エアギャップ、1495…不動態封止層。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14