(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1導電層の前記溝側の面の反対面は前記貫通孔の前記他端から露出し、前記反対面は前記基板本体の他方の面と略面一である請求項1乃至4の何れか一項記載の配線基板。
前記第4工程では、前記第1導電層の前記溝側の面が、前記溝の内底面に対して前記基板本体の他方の面側に窪んだ位置となるように第1導電層を形成する請求項8乃至10の何れか一項記載の配線基板の製造方法。
前記第6工程において、前記金属層、前記第1導電層、及び前記第2導電層に代えて、前記第2導電層のみを給電層とするめっき法により、前記第2導電層を被覆する第3導電層を形成する請求項15記載の配線基板の製造方法。
前記第4工程では、前記貫通孔の全部を充填する金属層を形成し、エッチング法により前記金属層の前記一方の面側を除去することで、前記貫通孔の一部を充填する第1導電層を形成する請求項15又は16記載の配線基板の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。なお、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
【0023】
〈第1の実施の形態〉
[第1の実施の形態に係る配線基板の構造]
始めに、第1の実施の形態に係る配線基板の構造について説明する。
図5は、第1の実施の形態に係る配線基板を例示する平面図である。
図6は、
図5のA−A線に沿う断面図である。なお、説明の便宜のため、
図5において、第2絶縁層16及び第1外部接続端子18は省略されている。
【0024】
図5及び
図6を参照するに、配線基板10は、基板本体11と、第1絶縁層12と、第1導電層13と、第2導電層14と、第3導電層15と、第2絶縁層16と、第3絶縁層17と、第1外部接続端子18と、第2外部接続端子19とを有する。
【0025】
配線基板10において、基板本体11は、第1導電層13等を形成する基体となる部分であり、溝11x(所謂トレンチ)及び貫通孔11yが形成されている。基板本体11の厚さは、例えば、200〜400μm程度とすることができる。基板本体11の材料としては、シリコン、ガラス、セラミック等を用いることができる。
【0026】
なお、配線基板10は、半導体チップを搭載することにより半導体パッケージとなり得る。その際、半導体チップはシリコン基板を有するものが多いため、熱膨張係数を整合させる観点からすると、基板本体11の材料としてシリコンやシリコンに熱膨張係数が近い硼珪酸ガラスを用いると好適である。硼珪酸ガラスは、硼酸(B
2O
3)と珪酸(SiO
2)を主成分として含むガラスであり、熱膨張係数は3ppm/℃程度である。又、加工性の観点からすると、基板本体11の材料としてシリコンを用いると好適である。
【0027】
基板本体11の熱膨張係数を半導体チップの熱膨張係数と整合させる理由は、高温環境下や低温環境下で動作する場合も含め、配線基板10と半導体チップとの接合部に生じる熱応力を低減するためである。以下、基板本体11がシリコンである場合を例にして説明する。
【0028】
溝11xは、基板本体11の一方の面11a側に開口する断面形状が略矩形の溝である。溝11xは、第3導電層15を含む配線パターンが形成される部分である。従って、配線パターンの形状に対応する位置に適宜形成される(
図5参照)。溝11xの幅は、例えば50〜70μm程度とすることができる。溝11xの深さは、例えば40〜60μm程度とすることができる。溝11xの配設ピッチは、例えば80〜100μm程度とすることができる。
【0029】
貫通孔11yは、一端が溝11xに連通し他端が基板本体11の他方の面11b側に開口する平面形状が略円形の孔(所謂TSV:through silicon via)である。貫通孔11yは、第1導電層13が形成される部分である。貫通孔11yの径は、例えば40〜60μm程度とすることができる。貫通孔11yの深さは、例えば140〜360μm程度とすることができる。このように、貫通孔11yは、比較的アスペクト比の高い孔である。なお、
図6において、貫通孔11yと連通するように描かれていない溝11xも、断面図に表れない部分において、貫通孔11yと連通している(
図5参照)。
【0030】
第1絶縁層12は、基板本体11の一方の面11a及び他方の面11b、溝11xの内底面及び内側面、並びに貫通孔11yの内側面に形成されている。第1絶縁層12は、基板本体11と第1導電層13、第2導電層14、及び第3導電層15との間を絶縁するための膜である。第1絶縁層12の材料としては、例えば、二酸化珪素(SiO
2)や窒化珪素(SiN)、ポリイミド(PI)等を用いることができる。第1絶縁層12の厚さは、例えば1〜2μm程度とすることができる。なお、本実施の形態では、基板本体11がシリコン(半導体材料)であるから第1絶縁層12を設けているが、基板本体11がガラス等の絶縁性材料である場合には、第1絶縁層12を設けなくても構わない。
【0031】
第1導電層13は、内側面が第1絶縁層12に被覆された貫通孔11yの少なくとも一部を充填するように形成されている。本実施の形態では、第1導電層13は、貫通孔11yの上部(溝11x側)を除く部分に充填されており、第1導電層13の上面(溝11x側の面)は、溝11xの内底面に対して基板本体11の他方の面11b側に窪んだ位置にある。つまり、第1導電層13の上面(溝11x側の面)と、貫通孔11yの内側面を被覆する第1絶縁層12とは凹部13xを形成している。
【0032】
なお、第1導電層13は、貫通孔11yの上部(溝11x側)も含めて、内側面が第1絶縁層12に被覆された貫通孔11yを完全に充填するように形成しても良い。その場合には、第1導電層13の上面(溝11x側の面)と溝11xの内底面を被覆する第1絶縁層12の上面とが略面一となり、凹部13xは形成されない。凹部13xの深さは、例えば0〜10μm程度とすることができる。
【0033】
但し、第1導電層13を、溝11xの内底面から突出するように形成することは好ましくない。第1導電層13が溝11xの内底面から突出すると、突出部を被覆する第2導電層14の被膜状態が悪化し、第2導電層14の剥離や断線等を引き起こす虞があるからである。本実施の形態では、このような問題の発生を回避するために、第1導電層13の上面(溝11x側の面)が溝11xの内底面に対して基板本体11の他方の面11b側に窪んだ位置に来る程度に第1導電層13を充填し、凹部13xを形成した場合を例にして説明する。
【0034】
第1導電層13の材料としては、例えば銅(Cu)等を用いることができる。第1導電層13は、第3導電層15を含む配線パターンを第2導電層14を介して第1外部接続端子18と電気的に接続する電極を構成している。
【0035】
第2導電層14は、凹部13x内及び溝11x内の一部に形成されている。より詳しくは、第2導電層14は、凹部13xが形成されない場合(第1導電層13の上面(溝11x側の面)と溝11xの内底面に形成された第1絶縁層12とが略面一となる場合)も含め、第1導電層13の上面(溝11x側の面)を被覆し、溝11xの内底面を被覆する第1絶縁層12の一部(溝11xの内底面の外縁部を除く部分)に延在している。つまり、第2導電層14は、溝11xの内底面を被覆する第1絶縁層12の外縁部上には形成されてなく、溝11xの内側面を被覆する第1絶縁層12との間に数μm程度の略一定幅の隙間が形成されている。第2導電層14は、第1導電層13及び第3導電層15と電気的に接続されている。
【0036】
第2導電層14としては、例えばチタン(Ti)膜と銅(Cu)膜が第1導電層13又は第1絶縁層12上に、この順番で順次積層した導電層等を用いることができる。なお、チタン(Ti)膜は、第1絶縁層12の材料が二酸化珪素(SiO
2)や窒化珪素(SiN)である場合に、密着性が良好である。第2導電層14の厚さは、例えば1μm程度とすることができる。
【0037】
第3導電層15は、第2導電層14を被覆し、溝11xを充填するように形成されている。第3導電層15の上面は、基板本体11の一方の面11aを被覆する第1絶縁層12の上面と略面一とされている。第3導電層15の材料としては、例えば銅(Cu)等を用いることができる。第3導電層15は、配線パターンを構成している。第3導電層15の材料が銅(Cu)であり、第1絶縁層12の材料が二酸化珪素(SiO
2)や窒化珪素(SiN)である場合には、両者は密着しない。しかしながら、第3導電層15は、第2導電層14を介して第1絶縁層12又は第1導電層13と密着するため、密着強度的には問題とならない。
【0038】
なお、本実施の形態では、第1導電層13と第3導電層15との間には、必ず第2導電層14が介在する構造となっている。これは、後述する配線基板10の製造工程から生じるものである。後述する配線基板10の製造工程により、第1導電層13及び第3導電層15にシームやボイド等の欠陥が発生することを防止することが可能となる。
【0039】
第2絶縁層16は、基板本体11の一方の面11aを被覆する第1絶縁層12上、及び溝11xから露出する第3導電層15上に形成されている。第2絶縁層16は開口部16xを有し、開口部16xの底部には第3導電層15の一部が露出している。開口部16xの底部に露出する第3導電層15は、第1外部接続端子18を形成する電極パッドとして機能する。第2絶縁層16の材料としては、例えばベンゾシクロブテン(BCB)、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリイミド(PI)等の絶縁性樹脂を用いることができる。第2絶縁層16の材料として、エポキシ系樹脂やイミド系樹脂等を含む感光性樹脂組成物等を用いても構わない。第2絶縁層16の厚さは、例えば5〜30μm程度とすることができる。
【0040】
必要に応じ、開口部16xの底部に露出する第3導電層15上に、金属層を形成してもよい。金属層の例としては、Au層や、Ni/Au層(Ni層とAu層をこの順番で積層した金属層)、Ni/Pd/Au層(Ni層とPd層とAu層をこの順番で積層した金属層)等を挙げることができる。又、金属層の他の例としては、SnAgやSnAgCu等のはんだめっき等を挙げることができる。金属層を形成することにより、第3導電層15と第1外部接続端子18等との接続信頼性を向上できる。
【0041】
第3絶縁層17は、基板本体11の他方の面11bを被覆する第1絶縁層12上、及び貫通孔11yから露出する第1導電層13上に形成されている。第3絶縁層17は開口部17xを有し、開口部17xの底部には第1導電層13の一部が露出している。開口部17xの底部に露出する第1導電層13は、第2外部接続端子19を形成する電極パッドとして機能する。第3絶縁層17の材料や厚さは、第2絶縁層16と同様であるため、その説明は省略する。
【0042】
必要に応じ、開口部17xの底部に露出する第1導電層13上に、開口部16xの底部に露出する第3導電層15上に形成する金属層と同様な金属層を形成してもよい。金属層を形成することにより、第1導電層13と第2外部接続端子19等との接続信頼性を向上できる。
【0043】
第1外部接続端子18は、開口部16xの底部に露出する第3導電層15上に(開口部16xの底部に露出する第3導電層15上に金属層が形成されている場合には、金属層上に)形成されている。第2外部接続端子19は、開口部17xの底部に露出する第1導電層13上に(開口部17xの底部に露出する第1導電層13上に金属層が形成されている場合には、金属層上に)形成されている。
【0044】
第1外部接続端子18及び第2外部接続端子19は、配線基板10と半導体チップや他の配線基板等とを電気的に接続するための端子である。第1外部接続端子18及び第2外部接続端子19としては、例えば、はんだバンプ等を用いることができる。第1外部接続端子18及び第2外部接続端子19がはんだバンプである場合の材料としては、例えばPbを含む合金、SnとCuの合金、SnとAgの合金、SnとAgとCuの合金等を用いることができる。
【0045】
なお、第1外部接続端子18及び第2外部接続端子19は必ずしも設けなくても良く、開口部16xの底部に露出する第3導電層15や開口部17xの底部に露出する第1導電層13自体を外部接続端子としても良い。この場合には、配線基板10と接続される半導体チップや他の配線基板等に設けられたバンプやピン等が開口部16xの底部に露出する第3導電層15や開口部17xの底部に露出する第1導電層13と接続される。
【0046】
又、第2絶縁層16や第3絶縁層17上に、更に配線層と絶縁層とを交互に積層し、多層配線を形成しても構わない。
【0047】
[第1の実施の形態に係る配線基板の製造方法]
次に、第1の実施の形態に係る配線基板の製造方法について説明する。
図7〜
図20は、第1の実施の形態に係る配線基板の製造工程を例示する図である。
【0048】
始めに、
図7に示す工程では、基板本体11を準備し、基板本体11の一方の面11a側に開口する溝11xを形成する。溝11xは、第3導電層15を含む配線パターンが形成される部分となる。従って、配線パターンの形状に対応する位置に適宜形成される。基板本体11は、例えば6インチ(約150mm)、8インチ(約200mm)、12インチ(約300mm)等のシリコンウェハ等である。シリコンウェハの厚さは、例えば0.625mm(6インチの場合)、0.725mm(8インチの場合)、0.775mm(12インチの場合)等であるが、バックサイドグラインダー等で適宜薄型化することができる。
【0049】
溝11xは、例えば、基板本体11の一方の面11aに溝11xを形成する位置を開口するレジスト層を形成し、レジスト層をマスクとして基板本体11をエッチングすることにより形成できる。エッチングとしては、例えばSF
6(六フッ化硫黄)を用いた反応性イオンエッチング(DRIE:Deep Reactive Ion Etching)等の異方性エッチング法を用いると好適である。溝11xの幅は、例えば50〜70μm程度とすることができる。溝11xの深さは、例えば40〜60μm程度とすることができる。溝11xの配設ピッチは、例えば80〜100μm程度とすることができる。
【0050】
次いで、
図8に示す工程では、一端が基板本体11の一方の面11a側に形成された溝11xに連通し、他端が基板本体11の他方の面11b側に開口する貫通孔11yを形成する。貫通孔11yは、溝11xと同様にして形成できるため、形成方法の具体例の説明は省略する。貫通孔11yの平面形状は、例えば略円形とすることができる。貫通孔11yの径は、例えば40〜60μm程度とすることができる。貫通孔11yの深さは、例えば140〜360μm程度とすることができる。なお、
図7に示す工程と
図8に示す工程との間に、基板本体11の一方の面11a並びに溝11xの内底面及び内側面を被覆する熱酸化膜(SiO
2)を形成する工程を設けても良い。
【0051】
次いで、
図9に示す工程では、基板本体11の一方の面11a及び他方の面11b、溝11xの内底面及び内側面、並びに貫通孔11yの内側面に第1絶縁層12を形成する。第1絶縁層12としては、例えば熱酸化膜(SiO
2)を用いることができる。第1絶縁層12は、基板本体11の表面近傍の温度を例えば1000℃以上とするウェット熱酸化法により熱酸化することで形成できる。第1絶縁層12の厚さは、例えば1〜2μm程度とすることができる。なお、第1絶縁層12として、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等により、例えば二酸化珪素(SiO
2)や窒化珪素(SiN)、ポリイミド(PI)等の膜を形成しても構わない。なお、
図7に示す工程と
図8に示す工程との間に、前述の熱酸化膜(SiO
2)を形成する工程を設けた場合には、設けた熱酸化膜(SiO
2)を
図9に示す工程の前に一端除去してから、
図9に示す工程で改めて第1絶縁層12を形成する。
【0052】
次いで、
図10に示す工程では、基板本体11の他方の面11bを被覆する第1絶縁層12上に、接着層21を介して金属層22を配設する。そして、内側面が第1絶縁層12に被覆された貫通孔11yに対応する部分の接着層21をアッシング法等により除去し、開口部21xを形成する。これにより、内側面が第1絶縁層12に被覆された貫通孔11yの底部に金属層22の上面が露出する。金属層22は、電解めっき法により、第1導電層13等を形成する際の給電層となる部材である。金属層22としては、例えば銅(Cu)板や銅(Cu)箔等を用いることができる。以下、金属層22が銅(Cu)板である場合を例にして説明する。
【0053】
次いで、
図11に示す工程では、金属層22を給電層とする電解めっき法により、金属層22側から貫通孔11y内にめっき膜を析出成長させることで、貫通孔11yの少なくとも一部を充填する第1導電層13Sを形成する。なお、第1導電層13Sは、不要部分が除去されて、最終的には第1導電層13となる層である。第1導電層13Sの材料としては、例えば銅(Cu)等を用いることができる。第1導電層13Sは、貫通孔11yの上部(溝11x側)を除く部分を充填すれば十分である。この場合、第1導電層13Sの上面(溝11x側の面)と、貫通孔11yの内側面を被覆する第1絶縁層12とにより凹部13xが形成される。
【0054】
なお、前述のように、第1導電層13Sは、貫通孔11yの上部(溝11x側)も含めて、内側面が第1絶縁層12に被覆された貫通孔11yを完全に充填するよう(第1導電層13Sの上面(溝11x側の面)と溝11xの内底面に形成された第1絶縁層12とが略面一となるよう)に形成しても良いが、第1導電層13Sを溝11xの内底面から突出するように形成することは好ましくない。凹部13xの深さは、例えば0〜10μm程度とすることができる。
【0055】
貫通孔11yの内側面は第1絶縁層12に被覆されているため、金属層22側からのみ(一方向からのみ)めっき膜が成長して第1導電層13Sが形成される。これにより、第1導電層13Sに、従来の配線基板100のように二方向からめっき膜が成長することに起因してシームやボイド等の欠陥が発生することを防止できる。その結果、第1導電層13Sがシームやボイド等の欠陥の発生に起因して熱応力により断線したり、第2外部接続端子19との接続信頼性が低下したりする問題を回避できる。
【0056】
次いで、
図12に示す工程では、基板本体11の一方の面11aを被覆する第1絶縁層12上、溝11xの内底面及び内側面を被覆する第1絶縁層12上、並びに凹部13x内に、例えばスパッタ法等により第2導電層14Sを形成する。なお、第2導電層14Sは、不要部分が除去されて、最終的には第2導電層14となる層である。第2導電層14Sとしては、例えばチタン(Ti)膜と銅(Cu)膜が第1絶縁層12上又は第1導電層13上に、この順番で順次積層した導電層等を用いることができる。第2導電層14Sの厚さは、例えば1μm程度とすることができる。
【0057】
次いで、
図13に示す工程では、第2導電層14Sを被覆するレジスト層23Sを形成する。なお、レジスト層23Sは、不要部分が除去されて、最終的にはレジスト層23となる層である。具体的には、第2導電層14S上に、例えばエポキシ系樹脂やイミド系樹脂等を含む感光性樹脂組成物からなる液状又はペースト状のレジストを塗布する。或いは、第2導電層14S上に、例えばエポキシ系樹脂やイミド系樹脂等を含む感光性樹脂組成物からなるフィルム状のレジスト(例えば、ドライフィルムレジスト等)をラミネートする。レジスト層23Sの厚さは、例えば数μm程度とすることができる。なお、ここでは、レジスト層23Sがポジ型レジストである場合を例にして以下の説明を行うが、レジスト層23Sとしてネガ型レジストを用いても構わない。
【0058】
次いで、
図14に示す工程では、遮光部24aを有するマスク24を介してレジスト層23Sを矢印方向から露光する。本実施の形態では、基板本体11の一方の面11a上に形成されたレジスト層23S、及び溝11xの内側面上に形成されたレジスト層23Sを露光するように、遮光部24aが形成されている。
【0059】
次いで、
図15に示す工程では、露光されたレジスト層23Sを現像し、基板本体11の一方の面11a上に形成されたレジスト層23S、及び溝11xの内側面上に形成されたレジスト層23Sを除去する。これにより、溝11xの内底面上の外縁部を除く部分にレジスト層23が形成される。つまり、レジスト層23の側面と、溝11xの内側面に第1絶縁層12を介して形成された第2導電層14Sとの間には、略一定幅の隙間が形成される。この隙間は、溝11xの内側面上に形成されたレジスト層23Sの厚さに対応し、数μm程度となる。
【0060】
次いで、
図16に示す工程では、レジスト層23をマスクとして
図15に示す第2導電層14Sをエッチングし、レジスト層23に被覆されていない第2導電層14Sを除去する。これにより、レジスト層23に被覆された第2導電層14が形成される。次いで、
図17に示す工程では、レジスト層23を除去する。
【0061】
次いで、
図18に示す工程では、金属層22、第1導電層13S、及び第2導電層14を給電層とする電解めっき法により、溝11x内に第2導電層14側からめっき膜を析出成長させることで、第3導電層15Sを形成する。なお、第3導電層15Sは、不要部分が除去されて、最終的には第3導電層15となる層である。第3導電層15Sの材料としては、例えば銅(Cu)等を用いることができる。第3導電層15Sは、基板本体11の一方の面11aを被覆する第1絶縁層12の上面から突出するように形成する。第3導電層15Sの第1絶縁層12の上面からの突出量は、例えば30〜40μm程度とすることができる。
【0062】
溝11xの内側面の全部及び内底面の外縁部は第1絶縁層12に被覆されているため、第2導電層14側からのみ(一方向からのみ)めっき膜が成長して第3導電層15Sが形成される。これにより、第3導電層15Sに、従来の配線基板100のように二方向からめっき膜が成長することに起因してシームやボイド等の欠陥が発生することを防止できる。その結果、第3導電層15Sがシームやボイド等の欠陥の発生に起因して熱応力により断線したり、第1外部接続端子18との接続信頼性が低下したりする問題を回避できる。
【0063】
次いで、
図19に示す工程では、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法等により、基板本体11の一方の面11a側から突出する第3導電層15S(
図18参照)を研磨し、第3導電層15を形成する。第3導電層15の上面は、基板本体11の一方の面11aを被覆する第1絶縁層12の上面と略面一となる。この工程により、第3導電層15を含んで構成される配線パターンが形成される。
【0064】
次いで、
図20に示す工程では、
図19に示す接着層21及び金属層22を除去し、更に、基板本体11の他方の面11b側から突出する第1導電層13S(
図19参照)を研磨し、第1導電層13を形成する。銅(Cu)板である金属層22は、例えば塩化第二鉄水溶液や塩化第二銅水溶液、過硫酸アンモニウム水溶液等を用いたウェットエッチングにより除去できる。但し、第3導電層15が銅(Cu)から構成されている場合には、第3導電層15の露出面が金属層22とともにエッチングされることを防止するため、第3導電層15の露出面をマスクする必要がある。接着層21は、アッシング法等により除去できる。第1導電層13Sは、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法等により研磨できる。第1導電層13の下面(溝11x側の面と反対の面)は、基板本体11の他方の面11bを被覆する第1絶縁層12の下面と略面一となる。
【0065】
次いで、
図20に示す工程の後、周知の方法により、開口部16xを有する第2絶縁層16、開口部17xを有する第3絶縁層17、第1外部接続端子18、及び第2外部接続端子19を形成することにより、
図5及び
図6に示す配線基板10が完成する。なお、前述のように、第1外部接続端子18及び第2外部接続端子19は、形成しなくても良い。
【0066】
このように、第1の実施の形態によれば、基板本体11の他方の面11bに接着層21を介して金属層22を配設する。そして、金属層22をめっき給電層に利用した電解めっき法により、内側面を第1絶縁層12で被覆した貫通孔11y内に一方向のみからめっき膜を成長させて第1導電層13を形成する。その結果、第1導電層13にシームやボイド等の欠陥が発生することを防止することが可能となり、第1導電層13がシームやボイド等の欠陥の発生に起因して熱応力により断線したり、第2外部接続端子19との接続信頼性が低下したりする問題を回避できる。
【0067】
又、第1導電層13の上面(溝11x側の面)を被覆し、溝11xの内底面を被覆する第1絶縁層12の一部(溝11xの内底面の外縁部を除く部分)に延在する第2導電層14を形成する。そして、金属層22、第1導電層13、及び第2導電層14をめっき給電層に利用した電解めっき法により、凹部13x内及び溝11x内に一方向のみからめっき膜を成長させて第3導電層15を形成する。その結果、第3導電層15にシームやボイド等の欠陥が発生することを防止することが可能となり、第3導電層15がシームやボイド等の欠陥の発生に起因して熱応力により断線したり、第1外部接続端子18との接続信頼性が低下したりする問題を回避できる。
【0068】
なお、本実施の形態では、前述の製造工程により配線基板を作製するため、第1導電層13と第3導電層15との間には、必ず第2導電層14が介在する構造となる(
図6等参照)。
【0069】
〈第1の実施の形態の変形例1〉
第1の実施の形態では、第1導電層13の上面(溝11x側の面)を被覆し、溝11xの内底面を被覆する第1絶縁層12の一部(溝11xの内底面の外縁部を除く部分)に延在する第2導電層14を形成し、形成した第2導電層14を電解めっき法の給電層の一部として用いる例を示した。第1の実施の形態の変形例1では、第1導電層13の上面(溝11x側の面)を被覆し、溝11xの内底面を被覆する第1絶縁層12の全部及び溝11xの内側面を被覆する第1絶縁層12の一部(溝11xの内底面側)に延在する第2導電層14Aを形成し、形成した第2導電層14Aを電解めっき法の給電層の一部として用いる例を示す。
【0070】
図21は、第1の実施の形態の変形例1に係る配線基板を例示する断面図である。
図21を参照するに、配線基板10Aにおいて、第2導電層14が第2導電層14Aに置換されている点が、配線基板10(
図5及び
図6参照)と相違する。
【0071】
第2導電層14Aは、凹部13x内及び溝11x内の一部に形成されている。より詳しくは、第2導電層14Aは、凹部13xが形成されない場合(第1導電層13の上面(溝11x側の面)と溝11xの内底面に形成された第1絶縁層12とが略面一となる場合)も含め、第1導電層13の上面(溝11x側の面)を被覆し、溝11xの内底面を被覆する第1絶縁層12の全部及び溝11xの内側面を被覆する第1絶縁層12の一部(溝11xの内底面側)に延在している。
【0072】
溝11xの内側面を被覆する第1絶縁層12に形成されている第2導電層14Aの幅(配線基板10Aの厚み方向)は、例えば、1〜5μm程度とすることができる。この程度の幅であれば、溝11xに第3導電層15を形成する際にめっき膜は実質的に一方向(溝11xの内底面側)のみから成長するため、第3導電層15にシームやボイド等の欠陥が発生することはない。
【0073】
第2導電層14Aとしては、例えばチタン(Ti)膜と銅(Cu)膜が第1絶縁層12上又は第1導電層13上に、この順番で順次積層した導電層等を用いることができる。第2導電層14Aの厚さは、例えば1μm程度とすることができる。
【0074】
第2導電層14Aを形成するには、第1の実施の形態の
図14に示す工程のみを変更すればよい。つまり、始めに、第1の実施の形態の
図7〜
図13と同様な工程を実行し、その後、第1の実施の形態の
図14と同様な工程により、レジスト層23Sを露光する。この際、マスクの遮光部の形状を変更し、基板本体11の一方の面11a上に形成されたレジスト層23Sのみを露光する。
【0075】
次いで、
図22に示す工程では、露光されたレジスト層23Sを現像し、基板本体11の一方の面11a上に形成されたレジスト層23Sを除去する。これにより、溝11xの内底面上及び内側面上にレジスト層23Aが形成される。次いで、第1の実施の形態の
図16と同様な工程により、レジスト層23Aをマスクとして
図22に示す第2導電層14Sをエッチングし、レジスト層23Aに被覆されていない第2導電層14Sを除去する。これにより、
図21に示す第2導電層14Aが形成される。この際、エッチング時間を調整することにより、溝11xの内側面を被覆する第1絶縁層12上に形成された第2導電層14Sの一部(一方の面11a側)を除去することができる。次いで、第1の実施の形態の
図17〜
図20と同様な工程を実行することで、
図21に示す配線基板10Aが製造される。
【0076】
このように、第1の実施の形態の変形例1によれば、第1の実施の形態と同様に、第1導電層13がシームやボイド等の欠陥の発生に起因して熱応力により断線したり、第2外部接続端子19との接続信頼性が低下したりする問題を回避できる。
【0077】
又、第1導電層13の上面(溝11x側の面)を被覆し、溝11xの内底面を被覆する第1絶縁層12の全部及び溝11xの内側面を被覆する第1絶縁層12の一部(溝11xの内底面側)に延在する第2導電層14Aを形成する。そして、金属層22、第1導電層13、及び第2導電層14Aをめっき給電層に利用した電解めっき法により、凹部13x内並びに溝11x内にめっき膜を成長させて第3導電層15を形成する。この際、めっき膜は溝11xの内側面を被覆する第1絶縁層12の一部(内底面側)に形成された第2導電層14Aからもわずかに成長するが、大部分は溝11xの内底面を被覆する第1絶縁層12の全部に形成された第2導電層14Aから成長する。つまり、ほぼ一方向のみからめっき膜を成長させることができる。その結果、第3導電層15にシームやボイド等の欠陥が発生することを防止することが可能となり、第3導電層15がシームやボイド等の欠陥の発生に起因して熱応力により断線したり、第1外部接続端子18との接続信頼性が低下したりする問題を回避できる。
【0078】
〈第1の実施の形態の変形例2〉
第1の実施の形態では、溝11xを基板本体11の一方の面11a側に開口する断面が略矩形状の溝としたが、溝の形状は断面が略矩形状には限定されない。第1の実施の形態の変形例2では、基板本体11に断面がテーパ形状の溝を形成する例を示す。
【0079】
図23は、第1の実施の形態の変形例2に係る配線基板を例示する断面図である。
図23を参照するに、配線基板10Bにおいて、溝11xが溝11zに置換されている点が、配線基板10(
図5及び
図6参照)と相違する。
【0080】
溝11zは、基板本体11の一方の面11a側に開口する断面がテーパ形状の溝である。溝11zは、第3導電層15を含む配線パターンが形成される部分である。従って、配線パターンの形状に対応する位置に適宜形成される。溝11zの内底面の幅は、例えば50〜70μm程度とすることができる。溝11zの基板本体11の一方の面11a側に開口する開口部の幅は内底面の幅(例えば50〜70μm程度)よりも広く、例えば100〜150μm程度とすることができる。溝11zの深さは、例えば40〜60μm程度とすることができる。溝11zの配設ピッチは、例えば80〜100μm程度とすることができる。なお、
図23において、貫通孔11yと連通するように描かれていない溝11zも、断面図に表れない部分において、貫通孔11yと連通している。
【0081】
溝11zは、例えば、基板本体11の一方の面11aに溝11zを形成する位置を開口するレジスト層を形成し、レジスト層をマスクとして基板本体11をエッチングすることにより形成できる。エッチングとしては、例えば等方性エッチング(例えば、ドライエッチング)や異方性エッチング(例えば、ウェットエッチング)を用いることができる。
【0082】
このように、第1の実施の形態の変形例2によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏するが、更に以下の効果を奏する。すなわち、基板本体11に断面がテーパ形状の溝11zを形成することにより、断面が矩形状の溝11xを形成する場合に比べて、第3導電層15に対する応力を低減することができる。
【0083】
〈第2の実施の形態〉
第1の実施の形態では、第1導電層13の上面(溝11x側の面)を被覆し、溝11xの内底面を被覆する第1絶縁層12の一部(溝11xの内底面の外縁部を除く部分)に延在する第2導電層14を形成し、形成した第2導電層14を電解めっき法の給電層の一部として用いる例を示した。第2の実施の形態では、第1導電層13の上面(溝11x側の面)を被覆し、溝11xの内底面を被覆する第1絶縁層12の全部及び溝11xの内側面を被覆する第1絶縁層12の全部に延在する第2導電層14Bを形成し、形成した第2導電層14Bを電解めっき法の給電層の一部として用いる例を示す。
【0084】
[第2の実施の形態に係る配線基板の構造]
始めに、第2の実施の形態に係る配線基板の構造について説明する。
図24は、第2の実施の形態に係る配線基板を例示する断面図である。
図24を参照するに、配線基板10Cにおいて、第2導電層14が第2導電層14Bに置換されている点が、配線基板10(
図5及び
図6参照)と相違する。
【0085】
第2導電層14Bは、凹部13x内及び溝11x内に形成されている。より詳しくは、第2導電層14Bは、凹部13xが形成されない場合(第1導電層13の上面(溝11x側の面)と溝11xの内底面に形成された第1絶縁層12とが略面一となる場合)も含め、第1導電層13の上面(溝11x側の面)を被覆し、溝11xの内底面を被覆する第1絶縁層12の全部及び溝11xの内側面を被覆する第1絶縁層12の全部に延在している。第2導電層14Bとしては、例えばチタン(Ti)膜と銅(Cu)膜が第1絶縁層12上又は第1導電層13上に、この順番で順次積層した導電層等を用いることができる。第2導電層14Bの厚さは、例えば1μm程度とすることができる。
【0086】
[第2の実施の形態に係る配線基板の製造方法]
次に、第2の実施の形態に係る配線基板の製造方法について説明する。
図25〜
図27は、第2の実施の形態に係る配線基板の製造工程を例示する図である。 始めに、第1の実施の形態の
図7〜
図12と同様な工程を実行し、その後、
図25に示す工程では、金属層22、第1導電層13S、及び第2導電層14Sを給電層とする電解めっき法により、凹部13x内及び溝11x内並びに一方の面11a上にめっき膜を析出成長させることで、第3導電層15Tを形成する。なお、第3導電層15Tは、不要部分が除去されて、最終的には第3導電層15となる層である。第3導電層15Tの材料としては、例えば銅(Cu)等を用いることができる。一方の面11a上に形成された第3導電層15Tの厚さは、例えば30〜40μm程度とすることができる。
【0087】
なお、凹部13x内並びに溝11xの内底面及び内側面には第2導電層14Sが形成されているので、めっき膜は、溝11xの内底面方向及び内側面方向の二方向から成長する。そのため、従来の配線基板100のようなシームやボイド等の欠陥が発生する虞がある。しかしながら、溝11xのアスペクト比が低い場合にはシームやボイド等の欠陥が発生し難いため、このような場合には、本実施の形態に係る製造方法を用いても問題にならない。つまり、本実施の形態に係る製造方法は、溝11xのアスペクト比が小さく、シームやボイド等の欠陥が発生し難い配線基板に好適である。
【0088】
次いで、
図26に示す工程では、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法等により、基板本体11の一方の面11a上に形成された第3導電層15T(
図25参照)を研磨し、第3導電層15を形成する。次いで、
図27に示す工程では、エッチングにより、基板本体11の一方の面11aを被覆する第1絶縁層12上に形成された第2導電層14S(
図26参照)を除去する。これにより、第2導電層14が形成される。第3導電層15の上面は、基板本体11の一方の面11aを被覆する第1絶縁層12の上面と略面一となる。
【0089】
次いで、第1の実施の形態の
図20に示す工程と同様にして、接着層21及び金属層22を除去し、更に、基板本体11の他方の面11b側から突出する第1導電層13Sを研磨し、第1導電層13を形成する。更に、周知の方法により、開口部16xを有する第2絶縁層16、開口部17xを有する第3絶縁層17、第1外部接続端子18、及び第2外部接続端子19を形成することにより、
図24に示す配線基板10Cが完成する。なお、前述のように、第1外部接続端子18及び第2外部接続端子19は、形成しなくても良い。
【0090】
このように、第2の実施の形態によれば、基板本体11の他方の面11bに接着層21を介して金属層22を配設する。そして、金属層22をめっき給電層に利用した電解めっき法により、内側面を第1絶縁層12で被覆した貫通孔11y内に一方向のみからめっき膜を成長させて第1導電層13を形成する。その結果、第1導電層13にシームやボイド等の欠陥が発生することを防止することが可能となり、第1導電層13がシームやボイド等の欠陥の発生に起因して熱応力により断線したり、第2外部接続端子19との接続信頼性が低下したりする問題を回避できる。
【0091】
又、第1導電層13の上面(溝11x側の面)を被覆し、溝11xの内底面を被覆する第1絶縁層12の全部及び溝11xの内側面を被覆する第1絶縁層12の全部に延在する第2導電層14Bを形成する。そして、金属層22、第1導電層13、及び第2導電層14Bをめっき給電層に利用した電解めっき法により、凹部13x内及び溝11x内にめっき膜を成長させて第3導電層15を形成する。この際、めっき膜は、溝11xの内底面方向及び内側面方向の二方向から成長するが、溝11xのアスペクト比が低い場合にはシームやボイド等の欠陥が発生し難いため問題とはならない。
【0092】
つまり、第2の実施の形態では、アスペクト比が高くシームやボイド等の欠陥が発生し易い貫通孔11yに対しては、一方向のみからめっき膜を成長させてシームやボイド等の欠陥の発生を防止する。そして、アスペクト比が低くシームやボイド等の欠陥が発生し難い溝11xに対しては、従来と同様に二方向からめっき膜を成長させる。結果として、溝11x及び貫通孔11yに、シームやボイド等の欠陥の存在しないめっき膜を形成できる。
【0093】
〈第3の実施の形態〉
第1の実施の形態及びその変形例、並びに第2の実施の形態では、基板本体11の一方の面11a側に開口する溝11xと、一端が溝11xの内底面に連通し、他端が基板本体11の他方の面11b側に開口する貫通孔11yと、を有する配線基板10、10A、10B、10Cを例示した。第3の実施の形態では、基板本体11の一方の面11a側から他方の面11b側に貫通する貫通孔11tを有し、溝11xを有さない配線基板10Dを例示する。
【0094】
[第3の実施の形態に係る配線基板の構造]
始めに、第3の実施の形態に係る配線基板の構造について説明する。
図28は、第3の実施の形態に係る配線基板を例示する断面図である。
図28を参照するに、配線基板10Dにおいて、溝11xが形成されてなく、第3導電層15Aが基板本体11の一方の面11aから突出している点が、配線基板10(
図5及び
図6参照)等との主な相違点である。
【0095】
貫通孔11tは、基板本体11の一方の面11a側から他方の面11b側に貫通する平面形状が略円形の孔である。貫通孔11tの径は、例えば40〜60μm程度とすることができる。貫通孔11tの深さ(基板本体11の厚さ)は、例えば、200〜400μm程度とすることができる。このように、貫通孔11tは、比較的アスペクト比の高い孔である。
【0096】
第1導電層13は、内側面が第1絶縁層12に被覆された貫通孔11tの一部を充填するように形成されている。本実施の形態では、第1導電層13は、貫通孔11tの上部(基板本体11の一方の面11a側)を除く部分に充填されており、第1導電層13の上面(基板本体11の一方の面11a側の端面)は、基板本体11の一方の面11aに対して他方の面11b側に窪んだ位置にある。つまり、第1導電層13の上面と、貫通孔11tの内側面を被覆する第1絶縁層12とは凹部13xを形成している。凹部13xの深さは、例えば、50μm程度とすることができる。凹部13xの深さが50μm程度であり、貫通孔11tの径が40〜60μm程度であれば、凹部13xのアスペクト比は比較的低いといえる。
【0097】
第2導電層14Cは、凹部13x内及び基板本体11の一方の面11aの一部に形成されている。より詳しくは、第2導電層14Cは、第1導電層13の上面及び貫通孔11tの内側面を被覆する第1絶縁層12を被覆し、基板本体11の一方の面11aの一部に延在している。第2導電層14Cは、所定の平面形状にパターニングされている。第2導電層14Cとしては、例えばチタン(Ti)膜と銅(Cu)膜が第1絶縁層12上又は第1導電層13上に、この順番で順次積層した導電層等を用いることができる。第2導電層14Cの厚さは、例えば1μm程度とすることができる。
【0098】
第3導電層15Aは、第2導電層14Cを被覆し、凹部13xを充填するように形成されている。第3導電層15Aは、配線基板10等の第3導電層15とは異なり、基板本体11の一方の面11aから突出している。第3導電層15Aの材料としては、例えば銅(Cu)等を用いることができる。第3導電層15Aは、第2導電層14Cとともに配線パターンを形成している。
【0099】
第2導電層14Cの最下層にチタン(Ti)膜を用いると、第1絶縁層12の材料が二酸化珪素(SiO
2)や窒化珪素(SiN)である場合に密着性が良好となる。従って、第3導電層15Aが第1絶縁層12に直接接している場合のように、密着性が悪く両者の間に隙間が形成されるようなことはなく、第3導電層15Aは第2導電層14Cを介して第1絶縁層12と密着している。
【0100】
[第3の実施の形態に係る配線基板の製造方法]
次に、第3の実施の形態に係る配線基板の製造方法について説明する。
図29〜
図33は、第3の実施の形態に係る配線基板の製造工程を例示する図である。 始めに、第1の実施の形態の
図8〜
図10と同様な工程を実行し、その後、
図29に示す工程では、金属層22を給電層とする電解めっき法により、金属層22側から貫通孔11t内にめっき膜を析出成長させることで、貫通孔11tを充填する第1導電層13Tを形成する。第1導電層13Tは、例えば、上面側(金属層22の反対側)が基板本体11の一方の面11aを被覆する第1絶縁層12の上面から突出するように形成することができる。第3導電層15Tの第1絶縁層12の上面からの突出量は、例えば30〜40μm程度とすることができる。
【0101】
第1導電層13Tの材料としては、例えば銅(Cu)等を用いることができる。貫通孔11tの内側面は第1絶縁層12に被覆されているため、金属層22側からのみ(一方向からのみ)めっき膜が成長して第1導電層13Tが形成される。これにより、第1導電層13Tに、従来の配線基板100のように二方向からめっき膜が成長することに起因してシームやボイド等の欠陥が発生することを防止できる。その結果、第1導電層13Tがシームやボイド等の欠陥の発生に起因して熱応力により断線したり、第2外部接続端子19との接続信頼性が低下したりする問題を回避できる。
【0102】
次いで、
図30に示す工程では、
図29に示す第1導電層13Tの基板本体11の一方の面11a側を除去し、第1導電層13Sを形成する。具体的には、まず、第1導電層13Tの基板本体11の一方の面11aから突出する部分をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法等により研磨して平坦化し、第1導電層13Tの上面が基板本体11の一方の面11aを被覆する第1絶縁層12の上面と略面一となるようにする。その後、ウェットエッチング法又はドライエッチング法等により、貫通孔11tを充填する第1導電層13Tの基板本体11の一方の面11a側を除去して第1導電層13Sを形成する。これにより、第1導電層13Sの上面(基板本体11の一方の面11a側の面)と、貫通孔11tの内側面を被覆する第1絶縁層12とにより凹部13xが形成される。凹部13xの深さは、例えば、50μm程度とすることができる。なお、第1導電層13Tの上面を平坦化してからウェットエッチング法又はドライエッチング法等を実行することにより、第1導電層13Sの上面(凹部13xの内底面)を平坦にすることができる。
【0103】
次いで、
図31に示す工程では、基板本体11の一方の面11aを被覆する第1絶縁層12上及び凹部13x内に、例えばスパッタ法等により第2導電層14Sを形成する。なお、第2導電層14Sは、不要部分が除去されて、最終的には第2導電層14Cとなる層である。第2導電層14Sとしては、例えばチタン(Ti)膜と銅(Cu)膜が第1絶縁層12上又は第1導電層13S上に、この順番で順次積層した導電層等を用いることができる。第2導電層14Sの厚さは、例えば1μm程度とすることができる。
【0104】
次いで、
図32に示す工程では、第2導電層14S上に配線パターンとなる部分を露出する開口部を有するレジスト層23Tを形成する。そして、金属層22、第1導電層13S、及び第2導電層14Sを給電層とする電解めっき法又は無電解めっき法により、レジスト層23Tの開口部内に露出する第2導電層14S上にめっき膜を析出成長させることで、第3導電層15Aを形成する。第3導電層15Aの材料としては、例えば銅(Cu)等を用いることができる。基板本体11aの一方の面11a上に形成される第3導電層15Aの厚さは、例えば10〜30μm程度とすることができる。
【0105】
次いで、
図33に示す工程では、
図32に示すレジスト層23Tを除去した後、第3導電層15Aをマスクにして、第3導電層15Aに覆われていない部分の第2導電層14S(
図32参照)をエッチングにより除去することにより、第2導電層14C上に第3導電層15Aが積層された配線パターンを形成する。
【0106】
図33に示す工程の後(図示せず)、第1の実施の形態の
図20に示す工程と同様にして、接着層21及び金属層22を除去し、更に、基板本体11の他方の面11b側から突出する第1導電層13Sを研磨し、第1導電層13を形成する。更に、周知の方法により、開口部16xを有する第2絶縁層16、開口部17xを有する第3絶縁層17、第1外部接続端子18、及び第2外部接続端子19を形成することにより、
図28に示す配線基板10Dが完成する。なお、前述のように、第1外部接続端子18及び第2外部接続端子19は、形成しなくても良い。
【0107】
なお、
図29に示す工程を省略し(第1導電層13Tは形成せずに)、
図30に示す工程において、金属層22を給電層とする電解めっき法により、金属層22側から貫通孔11t内の途中まで(貫通孔11tの上部50μm程度を残して)めっき膜を析出成長させることで、貫通孔11tの一部を充填する第1導電層13Sを形成しても構わない。
【0108】
又、
図32に示す工程において、第2導電層14Sを給電層とする電解めっき法により、レジスト層23Tの開口部内に露出する第2導電層14S上にめっき膜を析出成長させることで、第3導電層15Aを形成しても構わない。この場合には、第3導電層15Aを形成する前に、接着層21及び金属層22を除去しても構わない。
【0109】
このように、第3の実施の形態によれば、基板本体11の他方の面11bに接着層21を介して金属層22を配設する。そして、金属層22をめっき給電層に利用した電解めっき法により、内側面を第1絶縁層12で被覆した貫通孔11t内に一方向のみからめっき膜を成長させて第1導電層13を形成する。その結果、第1導電層13にシームやボイド等の欠陥が発生することを防止することが可能となり、第1導電層13がシームやボイド等の欠陥の発生に起因して熱応力により断線したり、第2外部接続端子19との接続信頼性が低下したりする問題を回避できる。
【0110】
又、基板本体11の一方の面11aを被覆する第1絶縁層12上及び凹部13x内に、例えばスパッタ法等により第2導電層14Sを形成する。そして、金属層22、第1導電層13S、及び第2導電層14S(又は、第2導電層14Sのみ)をめっき給電層に利用した電解めっき法又は無電解めっき法により、凹部13x内及び基板本体11の一方の面11aの一部にめっき膜を成長させて第3導電層15Aを形成する。この際、めっき膜は、凹部13xの内底面方向及び内側面方向の二方向から成長するが、凹部13xのアスペクト比が低い場合にはシームやボイド等の欠陥が発生し難いため問題とはならない。
【0111】
つまり、第3の実施の形態では、アスペクト比が高くシームやボイド等の欠陥が発生し易い貫通孔11tの大部分に対しては、一方向のみからめっき膜を成長させてシームやボイド等の欠陥の発生を防止する。そして、アスペクト比が低くシームやボイド等の欠陥が発生し難い凹部13xに対しては、従来と同様に二方向からめっき膜を成長させる。結果として、凹部13x及び貫通孔11tに、シームやボイド等の欠陥の存在しないめっき膜を形成できる。
【0112】
更に、第2導電層14C(第2導電層14S)としてチタン(Ti)膜を用いると、第1絶縁層12の材料が二酸化珪素(SiO
2)や窒化珪素(SiN)である場合に密着性が良好となるため、第3導電層15Aが第1絶縁層12に直接接している場合のように、密着性が悪く両者の間に隙間が形成されるようなことはなく、第3導電層15Aは第2導電層14Cを介して第1絶縁層12と密着する。特に、配線基板10Dをセンサー等の真空気密やガス気密等を要する部品に使用する場合に信頼性(気密性)を向上可能である。
【0113】
なお、第3の実施の形態において、配線パターンは、基板本体11の一方の面11a側に形成せず他方の面11b側に形成してもよい。又、配線パターンは、基板本体11の一方の面11a側及び他方の面11b側の両方に形成してもよい。更に、基板本体11の一方の面11a側及び他方の面11b側の何れか一方又は双方に多層の配線パターンを形成してもよい。又、配線パターンは、基板本体11の一方の面11a側及び他方の面11b側の何れにも形成しなくてもよい。この場合には、基板本体11には第1導電層13、第2導電層14C、及び第3導電層15Aを含む貫通配線が形成され、例えば、2つの基板間に介在し両者を電気的に接続する中継基板等に用いることができる。
【0114】
なお、基板本体11の一方の面11a側に配線パターンが形成されない場合には、第2導電層14C及び第3導電層15Aを貫通孔11t内のみに形成すればよい。この際、第2導電層14Cの端面及び第3導電層15Aの上面は、基板本体11の一方の面11aを被覆する第1絶縁層12の上面と略面一としてもよい(
図27の場合と同様)。
【0115】
以上、好ましい実施の形態及びその変形例について詳説したが、上述した実施の形態及びその変形例に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態及びその変形例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0116】
例えば、第1の実施の形態の変形例1及び第2の実施の形態において、第1の実施の形態の変形例2のように、基板本体に断面がテーパ形状の溝を形成しても構わない。