(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
回答者の特性を調べるための質問を示す質問情報と、前記特性を示す背景意図と前記回答者の回答に影響を及ぼすバイアスとの関係を表す背景情報とを記憶する質問記憶手段と、
出力画面を構成する要素であるGUIパーツと前記バイアスとの関係を表すGUI情報を記憶するGUI記憶手段と、
前記背景情報および前記GUI情報に基づいて、前記背景意図および前記GUIパーツの組合せによる前記バイアスの影響度を算出し、当該影響度が閾値以上のGUIパーツ情報を選定する選定手段と、
前記質問情報と前記選定手段が選定した前記GUIパーツ情報とに基づいて前記出力画面を生成して前記回答者に提示する提示手段と、
を備えることを特徴とするプロファイリングシステム。
【背景技術】
【0002】
個人のプロファイル、例えば、性格や性質といったプロファイル、若しくは何らかの外部刺激に対する反応を調べる方法として、心理学における質問紙法がある。これは人間の日々の行動(機械操作、人との付き合い方など)の傾向を分析・予測するためのものである。それゆえ、回答者から正確で細かい反応を抽出することが求められる。このような検査・調査に用いる質問紙は、一般に質問作成者が既存の質問紙もしくは新規に開発した質問紙を用いる。つまり、質問作成者は何を知りたいかがあらかじめ決まっている状況で、聞き出したいことを正確に聞きだせる質問文を作成する。
【0003】
同時に、質問作成者は質問実施において回答者がノイズにより回答精度を落とすことを避ける工夫を行う。たとえば、騒がしい部屋では周りの音が気になり、回答者の注意散漫につながり回答精度を下げてしまう可能性が高まる。気になる映像など視覚刺激が目に入るような環境でも同様である。これら外的な精度低下の要因を削除する工夫が検査・調査時には求められる。
【0004】
また、同じく回答時の精度が下がる要因として回答時のバイアスが存在する。たとえば、名前を見せると自分を意識して、少し良く見せようとする「社会性バイアス」と呼ばれる無意識の作用が働く。これにより自分を装い、社会的に良いと思われやすい回答を選びやすくなる。他にも、この検査・調査を面倒と思っているような場合に、残りの質問数などの情報を示すと、早く終わらせたいと思う「終端バイアス」がかかる。これらは個人差があるため強く影響される人も、あまり影響されない人もいる。逆にもう少しだけがんばろうというモチベーションにつながる人もいる。このような複雑な影響による回答の変化を排除することは検査・調査においては非常に重要であり、紙の質問紙では、被験者に何も見せないことで刺激による悪影響を排除する工夫が施されている。
【0005】
一方、最近では紙による質問紙に比べ、回答収集や集計の容易さといった手間・コスト面で優位であることからWebを中心に日常利用している各自のコンピュータ環境上で質問を実施するスタイルが急速に普及しつつある。
【0006】
特許文献1には、回答者の個人情報に応じて設問の回答候補となる複数の選択肢の組み合わせを変えて、回答者が回答しやすいアンケートページを作成するアンケートシステムが記載されている。特許文献1のアンケートシステムは、通信ネットワークを通じてアンケート調査を実施するアンケートシステムである。
【0007】
特許文献2には、アンケート形式の心理検査を実施して得られる回答者の数値回答または数値化した結果を、数値の大きさに応じた色に変換(カラー化)して色合い又は色の濃淡によって表現し且つ類似傾向のデータをグループ分けすることにより、心理検査の結果を可視化(ビジュアル化)する心理検査結果のデータ処理方法が記載されている。
【0008】
これらの工夫により低コストですばやく検査・調査が実施できるため、コンピュータ利用スタイルは今後、紙の質問紙に変わって一般化する可能性が高い。
【0009】
また、特許文献3は、アプリケーションプログラムのユーザインターフェースを、人間やコンピュータシステムの状態に応じて適応させるインターフェースシステムを開示している。
【0010】
特許文献4は、GUI(Graphical User Interface)設定アンケートを行い、その分析結果に基づいてユーザカテゴリを決定し、そのカテゴリに適したGUI表示を行うユーザインターフェース生成装置を開示している。
【0011】
特許文献5は、個人の興味領域と情報処理能力の客観的な評価を、興味領域のキーワード、評価者との心理距離、評価者が判断した評価値をそれぞれの軸とする直交三次元グラフで表現する興味領域の表現方法を開示している。特許文献5では、評価値に社会的バイアスを加えることが記載されている。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明で質問情報とは、質問作成者が作成した質問文を示す情報である。背景意図とは、質問で調べる目的の特性のことをいう。背景意図は多くの場合、質問には明示されていないが、質問に明示されている場合もありうる。背景意図情報は背景意図を示す情報である。質問背景情報とは、各質問情報が示す質問がどのような背景意図を有するかを示す情報である。なお、質問情報には当該質問情報を識別する識別情報が付与されている。バイアスとは、回答に影響を及ぼす回答者の心理的因子を特定の方向に偏らせる要因である。バイアス情報はバイアスを示す情報であって、因子と偏らせる方向の情報をもつ。背景情報とは、背景意図とバイアスの関係を表す情報である。背景意図には、スキル測定、情報取得、対人特性などがある。バイアスには、社会性バイアスや終端バイアスなどがある。
【0028】
GUIとは、コンピュータグラフィックスとポインティングデバイスを用いて、直感的な操作を提供するユーザインターフェースであり、本発明では出力画面のことである。GUIパーツとは、出力画面を構成する要素である。GUIパーツ情報はGUIパーツを示す情報である。GUI情報とは、GUIパーツとバイアスの関係を表す情報である。GUIパーツには、回答者の氏名を示す氏名情報、質問情報を識別する識別情報、現在日時を示す日時情報、質問全体に対する現在の進捗状況を示す進捗情報などがある。
【0029】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一または相当する部分には同じ符号を付す。
【0030】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るプロファイリングシステムの構成例を示すブロック図である。プロファイリングシステム100は、プロファイリング装置1と、回答者端末6とから構成される。プロファイリング装置1と回答者端末6は、ネットワーク(図示せず)を介して相互に通信可能である。回答者端末6は代表して1台で図示するが、複数の回答者端末6がネットワークに接続される場合がある。また回答者端末6は、プロファイリング装置1の一部であるか、または、附属の装置の場合がある。
【0031】
プロファイリング装置1は、質問制御部11、質問・背景記憶部12、GUIパーツ選定部13、GUI記憶部14、ユーザ判断部15、出力画面生成部16、情報取得部17、回答判定部18および回答記憶部19を備える。質問・背景記憶部12、GUI記憶部14および回答記憶部19は、ネットワークを介してプロファイリング装置1に接続される別の装置の場合がある。回答者端末6は、入力部61および表示部62を備える。
【0032】
質問制御部11は、回答者に対して次に提示する質問情報の出力を制御する。質問制御部11は、質問・背景記憶部12が蓄積する質問情報および背景情報を呼び出し、出力する順番で質問情報を順次出力画面生成部16に送る。このとき、質問制御部11は、同時に当該質問情報に対応付けられた背景意図情報と同一の背景意図情報を含む背景情報をGUIパーツ選定部13に送る。質問制御部11は、回答者が回答者端末6の入力部61に入力した質問提示要求をプロファイリング装置1の情報取得部17が取得することをトリガとして質問情報を出力画面生成部16に送ることとしてもよいし、予め与えられたスケジュールに従って、質問情報を出力画面生成部16に送ることとしてもよい。
【0033】
質問・背景記憶部12は、質問情報および背景情報を記憶している。また、質問・背景記憶部12は、各質問情報が示す質問がどのような背景意図を有するかを示す質問背景情も記憶している。
【0034】
GUIパーツ選定部13は、質問制御部11から受け取った背景情報とGUI記憶部14から呼び出したGUI情報とに基づいて、背景意図情報とGUIパーツ情報との関係を示す背景・GUI関係情報を生成する。そして、GUIパーツ選定部13は、背景・GUI関係情報と、ユーザ判断部15から受け取った疲労度やストレス度などの値とに基づいて出力判定表を生成する。GUIパーツ選定部13は、出力判定表に基づいて、表示に用いるGUIパーツ情報を選定する。GUIパーツ選定部13は、選定したGUIパーツ情報を出力画面生成部16に送る。なお、背景・GUI関係情報および出力判定表は予め与えられていることとしてもよい。
【0035】
GUI記憶部14は、あらかじめGUIパーツ情報およびGUI情報を記憶する。
【0036】
ユーザ判断部15は、情報取得部17から受け取った入力情報に基づいて回答者の状況を判断する。また、ユーザ判断部15は、判断した回答者の状況を、疲労度やストレス度などの値にしてGUIパーツ選定部13に送る。
【0037】
出力画面生成部16は、GUIパーツ選定部13から受け取ったGUIパーツ情報と質問制御部11から受け取った質問情報とを用いて出力画面を生成し、回答者端末6に送信する。
【0038】
情報取得部17は、回答者端末6から受信した入力情報のうち、回答者の状況を判断するために必要な入力情報はユーザ判断部15に送り、回答結果を示す入力情報は回答判定部18に送る。
【0039】
回答判定部18は、入力情報に含まれる回答結果について、どの質問に対する回答かを判定し、質問情報に対応付けて回答記憶部19に記憶させる。なお、回答が不備である場合は、回答が不備であることを示す情報を質問制御部11に送り、質問制御部11は、当該質問情報を再度出力させるなどの処理を行ってもよい。
【0040】
回答記憶部19は、回答結果を質問情報に対応付けて記憶する。
【0041】
回答者端末6の入力部61は、回答者による回答を受け付け、入力情報をプロファイリング装置1に送信する。なお、入力部61は質問に対する回答の入力情報を取得するだけでなく、回答時の回答者の生体情報なども取得し、プロファイリング装置1に送信することとしてもよい。この場合、プロファイリング装置1のユーザ判断部15は、入力情報および/または生体情報に基づいて回答者の状況を判断する。入力部61は、マウスやキーボードでもよいし、音声入力装置やカメラでもよい。入力部61は、生体情報を取得する場合は、たとえば発汗センサや筋電位センサなどを用いる。表示部62は、プロファイリング装置1の出力画面生成部16から送られた出力画面を表示する。
【0042】
図2は、実施の形態1において質問・背景記憶部12が記憶する質問背景情報のデータ構造を説明する図である。質問・背景記憶部12は、質問背景情報として
図2に示すようなデータテーブルを格納する。質問背景情報は、質問情報と背景意図情報とで構成される。
【0043】
背景意図情報は、質問作成者が当該質問情報で取得したい特性を示す情報である。たとえば、回答者のスキル測定を行うための質問であれば「スキル測定」、パフォーマンスを行うための質問であれば「パフォーマンス測定」、過去のキャリアや事実を回答させるための質問であれば「情報取得」といった背景意図情報がある。また、個人の内面の心理特性を回答させるための質問であれば「個人内部」、対人行動の特性を回答させるための質問であれば「対人特性」、集団内や集団に対する行動の特性を回答させるための質問であれば「対集団特性」といった背景意図情報がある。さらに、ストレス時の反応を検査するための質問であれば「ストレス特性」、他者に対する接し方などを検査するための質問であれば「社会的外向性」といった背景意図情報がある。
図2の例では、質問情報は各質問情報を識別するID(Q1、Q2、Q3・・・)で記載され、背景意図情報は各背景意図情報を識別するID(V1、V2、V3・・・)で記載されている。
【0044】
質問背景情報は、各質問情報が示す質問がどのような背景意図を有するかを示す情報である。
図2の例では、質問情報が示す質問が有する背景意図を示す背景意図情報の値は1で、関係のない背景意図情報の値は0が記載されている。たとえば、質問情報Q1の質問は、背景意図情報V1が示す背景意図を有するので、Q1・V1のボックスには1が入力されている。同様に、質問情報Q2の質問は背景意図情報V3が示す背景意図を有し、質問情報Q3の質問は背景意図情報V2が示す背景意図を有するので、それぞれQ2・V3およびQ3・V2のボックスには1が入力されている。なお、ボックスに入力する値は中間値を用いて重み付けを行ってもよい。質問・背景記憶部12は、あらかじめこのような質問背景情報を記憶している。なお、1つの質問情報に対応する背景意図情報は複数個でも構わない。
【0045】
図3は、実施の形態1において質問・背景記憶部12が記憶する背景情報のデータ構造を説明する図である。質問・背景記憶部12は、背景情報として
図2に示すようなデータテーブルを格納する。背景情報は、背景意図情報とバイアス情報とで構成される。
【0046】
背景情報は、各背景意図がどのようなバイアスに影響を受けるかを示す情報である。
図3に示すように、背景情報は、V1・B1のボックスの値はα11、V1・B2のボックスの値はα12といったように、行列αijで表現できる。αijは、背景意図情報Viを有する場合、バイアス情報Bjにどの程度の影響を受けるかを示す値であって、あらかじめ与えられていることとする。質問・背景記憶部12は、このような背景情報をあらかじめ記憶している。
図2の例では、バイアス情報は各バイアス情報を識別するID(B1、B2、B3・・・)で記載されている。
【0047】
図4は、実施の形態1においてGUI記憶部14が記憶するGUI情報のデータ構造を説明する図である。GUI記憶部14は、GUI情報として
図4に示すようなデータテーブルを格納する。GUI情報は、GUIパーツ情報とバイアス情報とで構成される。GUIパーツ情報は、たとえば、氏名情報、識別情報、日時情報、進捗情報のように、出力画面を構成するGUIパーツ情報を示す情報である。
図4の例では、GUIパーツ情報は各GUIパーツ情報を識別するID(G1、G2、G3・・・)で記載されている。
【0048】
GUI情報は、各GUIパーツがどのようなバイアスを生じさせるかを示す情報である。
図4に示すように、GUI情報は、B1・G1のボックスの値はβ11、B1・G2のボックスの値はβ12といったように、行列βjmで表現できる。βjmは、GUIパーツ情報Gmがどの程度バイアス情報Bjを生じさせるかを示す値であって、あらかじめ与えられていることとする。GUI記憶部14は、このようなGUI情報をあらかじめ記憶している。
【0049】
図5は、実施の形態1においてGUIパーツ選定部13が生成する背景・GUI関係情報のデータ構造を説明する図である。GUIパーツ選定部13は、質問制御部11から受け取った背景情報およびGUI記憶部14から呼び出したGUI情報に基づいて、背景・GUI関係情報を生成する。背景・GUI関係情報は、GUIパーツ情報がどの背景意図情報と関係あるのかを示し、GUIパーツ情報と背景意図情報との組合せにおいて、どの程度バイアスの影響を受けるのかを示す情報である。
図5に示すように、背景・GUI関係情報は、V1・G1のボックスの値はγ11、V1・G2のボックスの値はγ12といったように、行列γimで表現できる。γimはViとGmとを組み合わせた場合のバイアスの影響度を示す。
【0050】
具体的に、GUIパーツ選定部13は、質問制御部11から受け取った背景情報(行列αij)とGUI記憶部14から呼び出したGUI情報(行列βjm)に基づいて、
【数1】
を算出する。
【0051】
以下、ユーザ判断部15が判断する回答者の状況について説明する。たとえば、背景意図情報が「対人特性」である場合、自分の名前を見ることで社会性バイアスが強く影響し、自分を良く見せようとする、装いの回答をする可能性が高まる。つまり負の影響が出やすくなる。そこで、「対人特性」を測定する場合は「社会性バイアス」の影響力を持つ氏名情報のGUIパーツ情報は非表示にすることが好ましい。一方で、たとえば、回答者が疲労している状況などにおいて名前を見ると自分という意識が増すことで、疲労に伴ったいい加減な回答をしそうになる終端バイアスを抑制するなどの正の影響が期待できる場合もある。このような場合は当該GUIパーツ情報を表示することが望ましい。この疲労度などの回答者の状況は、ユーザ判断部15が判断し、値XnとしてGUIパーツ選定部13に送る。
【0052】
図6は、実施の形態1においてGUIパーツ選定部13が生成する出力判定表のデータ構造を説明する図である。GUIパーツ選定部13は、背景・GUI関係情報(行列γim)と、ユーザ判断部15が判断した回答者の状況を示す値Xnとに基づいて出力判定表を生成する。出力判定表は、背景意図情報ごとに生成され、GUIパーツ情報に対応付けられた「バイアス影響度」、「回答者状況C1」、「回答者状況C2」・・・および「出力フラグ」の項目で構成される。GUIパーツ選定部13は、
図5に示す背景・GUI関係情報を参照し、「バイアス影響度」の項目に背景意図情報とGUIパーツ情報とを組み合わせた場合のバイアスの影響度を入力する。
図6の例では、背景意図情報V1の出力判定表を示しており、G1、G2、G3・・・のGIUパーツ情報の「バイアス影響度」の項目には、それぞれ、背景意図情報V1とG1、G2、G3・・・のGIUパーツ情報とを組み合わせた場合のバイアス影響度γ11、γ12、γ13・・・が入力されている。
【0053】
「回答者状況C1」、「回答者状況C2」・・・の項目には、ユーザ判断部15から受け取る値Xnに掛ける係数が各ボックスにあらかじめ設定されている。この係数は、G1・C1のボックスの値はω11、G1・C2のボックスの値はω12といったように、行列ωmnで表現できる。GUIパーツ選定部13は、ユーザ判断部15から値Xnを受け取ると、各ボックスにωmn×Xnを入力する。GUIパーツ選定部13は、GUIパーツ情報Gmについて、「バイアス影響度」、「回答者状況C1」、「回答者状況C2」・・・の各項目に入っている値を合算した値(γm1+ωm1×X1+ωm2×X2・・・)が閾値(たとえば0)以上であれば、「出力フラグ」の項目に1を入れ、GUIパーツ情報Gmを出力することとする。一方、GUIパーツ選定部13は、閾値(たとえば0)未満であれば、「出力フラグ」の項目に0を入れ、GUIパーツ情報Gmを出力しないこととする。
【0054】
ωmnの値は、バイアスと回答者の状況とが相殺して、バイアスの影響が0と判断したときに、「バイアス影響度」、「回答者状況C1」、「回答者状況C2」・・・の各項目に入っている値を合算した値(γm1+ωm1×X1+ωm2×X2・・・)が0となるように、予め計算して設定しておく。
【0055】
なお、背景・GUI関係情報および出力判定表は予め与えられていることとしてもよい。この場合、GUIパーツ選定部13は、ユーザ判断部15から受け取った疲労度やストレス度などの値Xnに既定の係数ωmnをかけた値を、「回答者状況C1」、「回答者状況C2」・・・の各ボックスに入力し、GUIパーツ情報Gmの各項目に入っている値を合算した値が閾値以上であるか否かを判定するだけでGUIパーツの選定を行うことができる。
【0056】
図7は、実施の形態1において質問・背景記憶部12が記憶する背景情報の例を示す図である。
図7の例では、αijを0か1かの値に正規化することとする。すなわち、背景意図情報が影響を受けるバイアス情報の値は1が記載され、関係のないバイアス情報の値は0が記載されている。たとえば、背景意図情報V3「スキル測定」であれば、バイアス情報B2「終端バイアス」といった疲労から来るバイアスが回答結果に悪影響を与えるため、V3・B2のボックスには1が入力されている。このように、
図7の背景情報の図示されている部分は、背景意図情報V1はバイアス情報B1に影響を受け、背景意図情報V3はバイアス情報B2に影響を受けることを示している。
【0057】
図8は、実施の形態1においてGUI記憶部14が記憶するGUI情報の例を示す図である。
図8の例では、βjmを0か−1かの値に正規化することとする。すなわち、GUIパーツ情報が生じさせる可能性があるバイアス情報の値は−1が記載され、関係のないバイアス情報の値は0が記載されている。たとえば、氏名情報のGUIパーツ情報G1であれば、名前を見せると自分を意識して、少し良く見せようとするバイアス情報B1「社会性バイアス」を生じさせる可能性があるため、G1・B1のボックスには−1が入力されている。このように、
図8のGUI情報の図示されている部分は、GUIパーツ情報G1はバイアス情報B1およびB3を生じさせ、GUIパーツ情報G2はバイアス情報B2を生じさせ、GUIパーツ情報G3はバイアス情報B1およびB3を生じさせる可能性があることを示している。なお、GUIパーツ情報が生じさせる可能性があるバイアス情報の値を負の値として−1が設定されているが、バイアスには正の方向と負の方向があり、たとえば、自分を良く見せようとするのが「社会性バイアスの負の値」と定義するなら、自分を悪く見せようとするのは正の値である。このようなバイアスの方向を考慮して、βjmを設定することとしてもよい。
【0058】
図9は、実施の形態1においてGUIパーツ選定部13が生成する背景・GUI関係情報の例を示す図である。
図9の例では、γimを0か−1かの値に正規化することとする。すなわち、背景意図情報ViとGUIパーツ情報Gmとを組み合わせた場合のバイアスの影響がある場合は影響度−1が記載され、バイアスの影響がない場合は0が記載されている。このように、
図9の背景・GUI関係情報の図示されている部分は、背景意図情報V1とGUIパーツ情報G1との組合せと、背景意図情報V1とGUIパーツ情報G3との組合せと、背景意図情報V3とGUIパーツ情報G2との組合せにおいて、バイアスの影響度は−1であって、それ以外の組合せにおいて、バイアスの影響を受けないことを示している。
【0059】
図10は、実施の形態1においてGUIパーツ選定部13が生成する出力判定表の例を示す。
図10の例では、背景意図情報V1におけるGUIパーツ情報Gmの出力の可否を示す。背景意図情報V1について、GUIパーツ選定部13は、
図9に示す背景・GUI関係情報を参照し、出力判定表の「バイアス影響度」に値を入力する。また、GUIパーツ選定部13は、ユーザ判断部15から値Xnを受け取ると、ωmn×Xnを0か1かの値に正規化した値を各ボックスに入力することとする。
【0060】
次に、GUIパーツ選定部13は、GUIパーツ情報Gmについて、出力するか否かの選定を行う。GUIパーツ情報G1は、−1+1+1=1≧0であるので、「出力フラグ」の項目に1を入れる。GUIパーツ情報G2は、0+0+0=0≧0であるので、「出力フラグ」の項目に1を入れる。GUIパーツ情報G3は、−1+0+0=−1<0であるので、「出力フラグ」の項目に0を入れる。GUIパーツ選定部13は、このような処理を行って出力判定表を生成し、どのGUIパーツ情報を表示するかの選定を行う。
【0061】
図11は、実施の形態1に係る回答者端末6の表示部62に出力される出力画面におけるGUIパーツ情報の配置の一例を説明する図である。
図11の例では、出力画面301の上段に氏名情報、識別情報、日時情報および進捗情報のGUIパーツ情報が配置されている。氏名情報表示エリア311には回答者の氏名が表示される。識別情報表示エリア312には質問情報を識別する識別情報が表示される。日時情報表示エリア313には現在日時が表示される。進捗情報表示エリア314には質問全体に対する現在の進捗状況が表示される。出力画面301の中段には質問情報表示エリア302が配置され、下段には回答表示エリア303が配置されている。質問情報表示エリア302には質問情報の内容が表示される。回答表示エリア303には、たとえば回答を入力するためのボタンなどのGUIパーツ情報が表示される。
【0062】
図12は、実施の形態1に係る出力画面の一例を説明する図である。出力画面生成部16は、GUIパーツ選定部13が生成した出力判定表によって選定されたGUIパーツ情報と、質問制御部11から受け取った質問情報とに基づいて出力画面を生成する。
図12の例では、氏名情報の出力フラグは0、識別情報の出力フラグは1、日時情報の出力フラグは1、進捗情報の出力フラグは0である。これにより、氏名情報表示エリア311および進捗情報表示エリア314には、氏名情報および進捗情報が表示されておらず、識別情報表示エリア312および日時情報表示エリア313には、識別情報「BigFive」および日時情報「2009/10/27 19:00」が表示されている。質問情報表示エリア302には質問情報の内容「あなた自身にあてはまるかどうかを答えてください。」および「3 独創的である」が表示されている。なお、質問情報の内容の「3」は、質問番号である。質問番号は、質問制御部11が出力する順番に質問情報に付与することとする。これにより、回答終了した質問と未回答の質問とを区別することができ、質問する順番が判別できる。また、たとえば50問で構成されるアンケートの回答状況として、質問番号により現在3問目と分かればあと47問残っていることが分かり、進捗情報を算出することができる。回答表示エリア303には、回答を入力するための「あてはまる」、「ややあてはまる」、「どちらともいえない」、「ややあてはまらない」、「あてはまらない」の5つのボタンが表示されている。
【0063】
図13は、実施の形態1に係るプロファイリング装置1におけるプロファイリングの動作の一例を示すフローチャートである。質問制御部11は、回答者に対して出力する質問情報および背景情報を質問・背景記憶部12から呼び出し(ステップS11)、呼び出した質問情報の中から出力させる質問情報を出力画面生成部16に送る(ステップS12)。また、質問制御部11は、出力させる質問情報に対応する背景情報をGUIパーツ選定部13に送る(ステップS13)。一方、ユーザ判断部15は、情報取得部17が取得した入力情報に基づいて回答者の状況を判断し(ステップS14)、GUIパーツ選定部13に回答者の状況として疲労度やストレス度などの値Xnを送る(ステップS15)。GUIパーツ選定部13は、質問制御部11から受け取った背景情報とユーザ判断部15から受け取った値Xnに基づいてGUIパーツ選定処理を実行する(ステップS16)。
【0064】
出力画面生成部16は、GUIパーツ選定部13がGUIパーツ選定処理で選定したGUIパーツ情報と、質問制御部11から受け取った質問情報とに基づいて出力画面301を生成し(ステップS17)、出力画面301を回答者端末6に送信する(ステップS18)。回答者は回答者端末6の表示部62に表示された出力画面301を見て入力部61に入力情報を入力する。情報取得部17は、回答者端末6から入力情報を取得し(ステップS19)、回答記憶部19は、入力情報の中で回答結果を示す入力情報を記憶する(ステップS20)。なお、情報取得部17は、入力情報の中で回答者の状況を判断するために必要な入力情報はユーザ判断部15に送る。ステップS20の後、質問制御部11は、次の質問があるか否かを判定する(ステップS21)。次の質問情報がある場合(ステップS21;YES)、プロファイリングの動作の処理はステップS12に戻り、ステップS12〜ステップS21の処理を繰り返す。次の質問情報がない場合(ステップS21;YES)、プロファイリングの動作は処理を終了する。
【0065】
図14は、実施の形態1に係るGUIパーツ選定部13による
図13のステップS16のGUIパーツ選定処理の動作の一例を示すフローチャートである。まず、GUIパーツ選定部13は、GUI情報をGUI記憶部14から呼び出す(ステップS31)。次に、GUIパーツ選定部13は、質問制御部11から受け取った背景情報とGUI記憶部14から呼び出したGUI情報とに基づいて、背景・GUI関係情報を生成する(ステップS32)。そして、GUIパーツ選定部13は、背景・GUI関係情報と、ユーザ判断部15が判定した回答者の状況とに基づいて出力判定表を生成し(ステップS33)、各GUIパーツ情報について、出力するか否かを判定する(ステップS34)。当該GUIパーツ情報を出力しないと判定した場合(ステップS34;NO)、GUIパーツ選定部13は、次のGUIパーツ情報があるか否かを判定する(ステップS36)。次のGUIパーツ情報がある場合(ステップS36;YES)、GUIパーツ選定部13は、ステップS34に戻り、ステップS34〜ステップS36を繰り返す。次のGUIパーツ情報がない場合(ステップS36;NO)、GUIパーツ選定部13は、処理を終了する。
【0066】
一方、当該GUIパーツ情報を出力すると判定した場合(ステップS34;YES)、GUIパーツ選定部13は、出力判定表の当該GUIパーツ情報に出力フラグを付与する(ステップS35)。そして、GUIパーツ選定部13は、次のGUIパーツ情報があるか否かを判定する(ステップS36)。次のGUIパーツ情報がある場合(ステップS36;YES)、GUIパーツ選定部13は、ステップS34に戻り、ステップS34〜ステップS36を繰り返す。次のGUIパーツ情報がない場合(ステップS36;NO)、GUIパーツ選定部13は、処理を終了する。
【0067】
以上説明したように実施の形態1のプロファイリングシステム100によれば、回答者端末に回答者が日常利用するPCを適用でき、出力画面に表示されたGUIパーツ情報による回答者のバイアスを軽減する出力画面を回答者に提示することができる。これにより、回答者の回答時におけるバイアスによる回答精度の低下を防止することが期待できる。また、疲労などの回答者の回答時の状況に応じて、出力画面に表示されたGUIパーツ情報による刺激を考慮することにより、高精度で、かつ無駄の少ない回答結果を取得できる効果が期待できる。
【0068】
(実施の形態2)
図15は、本発明の実施の形態2に係るプロファイリングシステムの構成例を示すブロック図である。プロファイリングシステム200は、実施の形態1に係るプロファイリングシステム100のプロファイリング装置1にシステム判定部20が追加されている。実施の形態2では、システム判定部20は、GUIパーツ情報に間違いがないかを確認する指示(以下、確認指示とよぶ)をGUIパーツ選定部13に送る。たとえば回答者の氏名、現在日時、出力中の質問情報の識別情報などのGUIパーツ情報が間違いのまま、回答者が入力した情報が回答記憶部19に記憶されると、回答データとして使えなくなる可能性がある。このため、GUIパーツ情報が正確であることが望まれる。そこで、システム判定部20は、GUIパーツ情報に間違いがないかを確認する指示をGUIパーツ選定部13に送り、システム情報が間違ったまま質問を進めるような無駄を排除するように働く。GUIパーツ情報に間違いがなければプロファイリングシステム200は、プロファイリングシステム100のように機能する。
【0069】
図16は、実施の形態2においてGUIパーツ選定部13が生成する出力判定表のデータ構造を説明する図である。実施の形態2における出力判定表は、実施の形態1における出力判定表(
図10参照)に加え「システム要請」の項目が追加されている。GUIパーツ選定部13は、システム判定部20から確認指示を受け取ると、出力判定表の「システム要請」の項目に1を入力する。GUIパーツ選定部13は、GUIパーツ情報の選定を行う際、「システム要請」の項目に1が入っている場合は、必ず「出力フラグ」の項目に1を入力し、当該GUIパーツ情報を強制表示させる。回答者は当該GUIパーツ情報が間違っているか否かを確認し、間違っていなければその旨を入力し、間違っていれば正しい情報を入力する。
【0070】
図17は、実施の形態2に係る出力画面の一例を説明する図である。たとえば質問開始時に、システム判定部20が、GUIパーツ選定部13が選定したすべてのGUIパーツ情報についての確認指示をGUIパーツ選定部13に送ると、GUIパーツ選定部13は、すべてのGUIパーツ情報の「システム要請」の項目に1を入力し、出力画面生成部16は、
図17のようにすべてのGUIパーツ情報を表示させた出力画面301を回答者に提示する。
図17のようにすべてのGUIパーツ情報を表示させた出力画面301を回答者に提示することで、回答者は、各GUIパーツ情報について、回答者氏名、現在出力中の質問情報の識別情報やシステムの日時が合っているかを確認できる。なお、回答者がGUIパーツ情報が間違っていない旨を入力すると、回答者端末6の入力部61はプロファイリング装置1の情報取得部17に送信する。これにより、システム判定部20がGUIパーツ情報に間違いがないことを示す情報をGUIパーツ選定部13に送り、GUIパーツ選定部13は、出力判定表の「システム要請」の項目の値を0に変更する。一方、提示されたGUIパーツ情報が間違っていると判断した回答者が正しいGUIパーツ情報を入力すると、回答者端末6の入力部はプロファイリング装置1の情報取得部17に送信する。システム判定部20はこれをGUIパーツ選定部13に送り、GUIパーツ選定部13は、GUIパーツ情報を修正し、出力判定表の「システム要請」の項目の値を0に変更する。
【0071】
なお、システム判定部20は、質問開始時だけでなく、定期的に、確認指示をGUIパーツ選定部13に送ることとしてもよい。また、システム判定部20は、GUIパーツ情報ごとに確認指示を送ることとしてもよい。たとえば、システム判定部20は、GUIパーツ選定部13が選定したGUIパーツ情報についてのみ定期的に確認指示を送ることとしてもよいし、ユーザが容易に確認できる氏名情報および日時情報のみ確認指示を送ることとしてもよい。
【0072】
図18は、実施の形態2に係るGUIパーツ選定部13のGUIパーツ選定処理の動作の一例を示すフローチャートである。まず、GUIパーツ選定部13は、GUI情報をGUI記憶部14から呼び出す(ステップS41)。次に、GUIパーツ選定部13は、質問制御部11から受け取った背景情報とGUI記憶部14から呼び出したGUI情報とに基づいて、背景・GUI関係情報を生成する(ステップS42)。そして、GUIパーツ選定部13は、背景・GUI関係情報と、ユーザ判断部15が判定した回答者の状況とに基づいて出力判定表を生成する(ステップS43)。次に、GUIパーツ選定部13は、出力判定表の各GUIパーツ情報について、「システム要請」の項目を参照し、システムの要請があるか否かを判定する(ステップS44)。システムの要請がある場合(ステップS44;YES)、GUIパーツ選定部13は、当該GUIパーツ情報に出力フラグを付与する(ステップS46)。そして、GUIパーツ選定部13は、次のGUIパーツ情報があるか否かを判定する(ステップS47)。次のGUIパーツがある場合(ステップS47;YES)、GUIパーツ選定部13は、ステップS44に戻り、ステップS44〜ステップS47を繰り返す。次のGUIパーツがない場合(ステップS47;NO)、GUIパーツ選定部13は、処理を終了する。
【0073】
一方、システムの要請がない場合(ステップS44;NO)、GUIパーツ選定部13は、当該GUIパーツ情報について、出力するか否かを判定する(ステップS45)。当該GUIパーツ情報を出力しないと判定した場合(ステップS45;NO)、GUIパーツ選定部13は、次のGUIパーツ情報があるか否かを判定する(ステップS47)。次のGUIパーツ情報がある場合(ステップS47;YES)、GUIパーツ選定部13は、ステップS44に戻り、ステップS44〜ステップS47を繰り返す。次のGUIパーツがない場合(ステップS47;NO)、GUIパーツ選定部13は、処理を終了する。当該GUIパーツ情報を出力すると判定した場合(ステップS44;YES)、GUIパーツ選定部13は、当該GUIパーツ情報に出力フラグを付与する(ステップS46)。そして、GUIパーツ選定部13は、次のGUIパーツ情報があるか否かを判定する(ステップS47)。次のGUIパーツ情報がある場合(ステップS47;YES)、GUIパーツ選定部13は、ステップS44に戻り、ステップS44〜ステップS47を繰り返す。次のGUIパーツがない場合(ステップS47;NO)、GUIパーツ選定部13は、処理を終了する。
【0074】
以上説明したように実施の形態2のプロファイリングシステムによれば、GUIパーツ情報が間違ったまま運用する無駄を減らすことができ、再度回答させるなどの回答者の負担を軽減することができる。
【0075】
図19は、本発明の実施の形態に係るプロファイリング装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。プロファイリング装置1は、
図19に示すように、制御部21、主記憶部22、外部記憶部23、操作部24、表示部25、入出力部26および送受信部27を備える。主記憶部22、外部記憶部23、操作部24、表示部25、入出力部26および送受信部27はいずれも内部バス28を介して制御部21に接続されている。
【0076】
制御部21はCPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶部23に記憶されている制御プログラム30に従って、プロファイリング装置1の質問制御部11、GUIパーツ選定部13、ユーザ判断部15、出力画面生成部16、情報取得部17、回答判定部18およびシステム判定部20の各処理を実行する。
【0077】
主記憶部22はRAM(Random-Access Memory)等から構成され、外部記憶部23に記憶されている制御プログラム30をロードし、制御部21の作業領域として用いられる。
【0078】
外部記憶部23は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、プロファイリング装置1の処理を制御部21に行わせるためのプログラムをあらかじめ記憶し、また、制御部21の指示に従って、このプログラムが記憶するデータを制御部21に供給し、制御部21から供給されたデータを記憶する。プロファイリング装置1の質問・背景記憶部12、GUI記憶部14および回答記憶部19は、外部記憶部23で構成される。
【0079】
操作部24はキーボードおよびマウスなどのポインティングデバイス等と、キーボードおよびポインティングデバイス等を内部バス28に接続するインターフェース装置から構成されている。質問作成者が質問文を入力する場合や、GUIパーツ選定の閾値を設定する場合などは、操作部24を介して、指示が制御部21に供給される。
図1または15の回答者端末6がプロファイリング装置1に含まれる構成では、操作部24が入力部61の場合がある。
【0080】
表示部25は、CRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)などから構成され、質問作成者が質問文を入力する場合や、GUIパーツ選定の閾値を設定する場合などは、操作画面を表示する。
図1または15の回答者端末6がプロファイリング装置1に含まれる構成では、表示部25が表示部62の場合がある。
【0081】
入出力部26は、シリアルインターフェースまたはパラレルインターフェースから構成されている。入出力部26は、回答者端末6が附属する装置の場合は、それと接続する。
【0082】
送受信部27は、ネットワークに接続する網終端装置または無線通信装置、およびそれらと接続するシリアルインターフェースまたはLAN(Local Area Network)インターフェースから構成されている。送受信部27は、ネットワークを介して、回答者端末6に接続する。
【0083】
図1または15に示すプロファイリング装置1の質問制御部11、GUIパーツ選定部13、ユーザ判断部15、出力画面生成部16、情報取得部17、回答判定部18およびシステム判定部20の処理は、制御プログラム30が、制御部21、主記憶部22、外部記憶部23、操作部24、表示部25、入出力部26および送受信部27などを資源として用いて処理することによって実行する。
【0084】
その他、前記のハードウェア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。
【0085】
質問制御部11、GUIパーツ選定部13、ユーザ判断部15、出力画面生成部16、情報取得部17、回答判定部18およびシステム判定部20などから構成されるプロファイリング処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行するプロファイリングシステム100および200を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することでプロファイリングシステム100および200を構成してもよい。
【0086】
また、プロファイリングシステム100および200の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記憶媒体や記憶装置に格納してもよい。
【0087】
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS, Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0088】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。さらに、本発明は、上記実施形態及び下記の付記に記載された内容に限定されるものではない。本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、上記の実施形態に記載した内容に基づいて当業者が容易に想到することができる種々の他の実施形態及び応用例についても、本発明に含まれるものである。
【0089】
(付記1)
回答者の特性を調べるための質問を示す質問情報と、前記特性を示す背景意図と前記回答者の回答に影響を及ぼすバイアスとの関係を表す背景情報とを記憶する質問記憶手段と、
出力画面を構成する要素であるGUIパーツと前記バイアスとの関係を表すGUI情報を記憶するGUI記憶手段と、
前記背景情報および前記GUI情報に基づいて、前記背景意図および前記GUIパーツの組合せによる前記バイアスの影響度を算出し、当該影響度が閾値以上のGUIパーツ情報を選定する選定手段と、
前記質問情報と前記選定手段が選定した前記GUIパーツ情報とに基づいて前記出力画面を生成して前記回答者に提示する提示手段と、
を備えることを特徴とするプロファイリングシステム。
【0090】
(付記2)
前記回答者が入力した入力情報を取得する情報取得手段と、
前記入力情報に基づいて、所定の基準で前記回答者の状況を表す値に変換する判断手段と、をさらに備え、
前記選定手段は、前記バイアスの影響度と前記回答者の状況を表す値を合算した値が前記閾値以上のGUIパーツ情報を選定することを特徴とする付記1に記載のプロファイリングシステム。
【0091】
(付記3)
前記情報取得手段は、さらに前記回答者の生体情報を取得し、
前記判断手段は、前記入力情報および/または前記生体情報に基づいて、所定の基準で前記回答者の状況を表す値に変換することを特徴とする付記2に記載のプロファイリングシステム。
【0092】
(付記4)
前記GUIパーツ情報に間違いがないかを確認する確認指示を出力する指示手段をさらに備え、
前記指示手段が前記確認指示を出力した場合、前記選定手段は、当該GUIパーツ情報を強制的に選定することを特徴とする付記1ないし3のいずれか1つに記載のプロファイリングシステム。
【0093】
(付記5)
質問を回答者に提示するプロファイリングシステムが行うプロファイリング方法であって、
質問記憶手段が記憶する質問が調べる回答者の特性を示す背景意図と前記回答者の回答に影響を及ぼすバイアスとの関係を表す背景情報とGUI記憶手段が記憶する出力画面を構成する要素であるGUIパーツと前記バイアスとの関係を表すGUI情報とに基づいて、前記背景意図および前記GUIパーツの組合せによる前記バイアスの影響度を算出し、当該影響度が閾値以上のGUIパーツ情報を選定する選定ステップと、
前記質問を示す質問情報と前記選定ステップで選定した前記GUIパーツ情報とに基づいて前記出力画面を生成して前記回答者に提示する提示ステップと、
を備えることを特徴とするプロファイリング方法。
【0094】
(付記6)
前記回答者が入力した入力情報を取得する情報取得ステップと、
前記入力情報に基づいて、所定の基準で前記回答者の状況を表す値に変換する判断ステップと、をさらに備え、
前記選定ステップは、前記バイアスの影響度と前記回答者の状況を表す値を合算した値が前記閾値以上のGUIパーツ情報を選定することを特徴とする付記5に記載のプロファイリング方法。
【0095】
(付記7)
前記情報取得ステップは、さらに前記回答者の生体情報を取得し、
前記判断ステップは、前記入力情報および/または前記生体情報に基づいて、所定の基準で前記回答者の状況を表す値に変換することを特徴とする付記6に記載のプロファイリング方法。
【0096】
(付記8)
前記GUIパーツ情報に間違いがないかを確認する確認指示を出力する指示ステップをさらに備え、
前記指示ステップで前記確認指示を出力した場合、前記選定ステップは、当該GUIパーツ情報を強制的に選定することを特徴とする付記5ないし7のいずれか1つに記載のプロファイリング方法。
【0097】
(付記9)
コンピュータに、
質問記憶手段が記憶する質問が調べる回答者の特性を示す背景意図と前記回答者の回答に影響を及ぼすバイアスとの関係を表す背景情報とGUI記憶手段が記憶する出力画面を構成する要素であるGUIパーツと前記バイアスとの関係を表すGUI情報とに基づいて、前記背景意図および前記GUIパーツの組合せによる前記バイアスの影響度を算出し、当該影響度が閾値以上のGUIパーツ情報を選定する選定ステップと、
前記質問を示す質問情報と前記選定ステップで選定した前記GUIパーツ情報とに基づいて前記出力画面を生成して前記回答者に提示する提示ステップと、
を実行させるプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0098】
本発明は、2010年3月12日に日本国に出願された特許出願2010−055978号に基づく。本明細書中に日本国特許出願2010−055978号の明細書、特許請求の範囲、図面全体を参照として取り込むものとする。