(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
好ましい本実施例の製造方法と利用に関して、下記に詳細に説明する。本発明は、種々様々な特定の状況において具体化が可能な、多くの応用可能な進歩性を、提供するものである。特に、本発明の手法は、窒化物スペーサを捕捉領域として使用するSONOSメモリセルのメモリアレイと関連して説明する。当業者であれば、ここに説明する本発明の特徴は、捕捉層として動作するゲート電極における、窒化物層を有するプレーナーSONOSメモリセルのような、他の種類の装置を形成するために、使用されることを認識するであろう。さらに、本発明の実施例は、単体のメモリデバイスや、他の集積回路と一体になったメモリデバイスなどとして使用可能である。従って、ここで検討する特定の実施例は、本発明を作成し使用するための特定の方法を説明しているに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。
【0015】
図2を参照すると、本発明の実施例に基づいて、メモリアレイ配置部200の平面図が示されている。メモリアレイ配置部200は、アクティブ領域210を備え、各アクティブ領域210のそれぞれは、ほぼ平行に配置された長手方向軸を有している。アクティブ領域210の対応する部分は、近接するアクティブ領域に向けて広がっており、例えばゲート220のようなトランジスタのゲートと交差する。ワード線222は、このワード線222の長手方向軸が、アクティブ領域210の長手方向軸とほぼ直交するように、メモリアレイ配置部200上に広がっている。ワード線接点224が、ワード線222とその下側にあるゲート220との間に形成されており、図では「X」を内部に含む四角により示されている。ビット線BL−1,BL−2,BL−3およびBL−4は、その下側にあるアクティブ領域210の長手方向軸とほぼ平行な長手方向軸を有している。ビット線接点228が、ビット線BL−1,BL−2,BL−3,BL−4とその下側にあるアクティブ領域210との間に形成され、図では「X」を内部に含む四角により示されている。
【0016】
この実施例では、各側のゲート220に、一つのビット情報を蓄積することができる。例えば、1ビットの情報が、ビット線BL‐1に沿った各ゲート220に蓄積され、もう一つの1ビットの情報が、ビット線BL−2に沿った各ゲート220に蓄積される。このようなメモリの配置は、上述した既存のメモリの配置よりも小さなアクティブ領域寸法を可能にし、所定のメモリに対してより小さなメモリアレイ寸法を可能にする。
【0017】
図3a〜
図3eと、
図4a〜
図4dと、
図5a〜
図5eは、本発明の実施例に基づく上述のメモリアレイ配置部を形成するために使用される3つの実施例を、説明するものである。
【0018】
図3a〜
図3eを参照すると、
図3aは、その上部にトランジスタ312が形成される基板310を示している。基板310は、ドープされたバルクシリコン,ドープされていないバルクシリコン,或いはシリコンオンインシュレータ(SOI)基板のアクティブ層で構成してもよい。通常、このSOIは、絶縁層上に形成されたシリコンなどの半導体材料の層からなる。当該絶縁層は、例えば埋め込まれた酸化物(BOX)層や酸化シリコン層とすることができる。この絶縁層は、一般にはシリコンまたはガラス基板のような基板上に設けられる。また、多層基板や傾斜(gradient)基板などの他の基板を使用してもよい。
【0019】
当技術分野では周知のように、基板310上にはゲート誘電体層314とゲート電極316が形成され、パターン化される。ゲート誘電体314は、酸化シリコン,シリコンオキシナイトライド,窒化シリコン,酸化物,窒素含有酸化物,またはこれらの合成物などのような、高誘電率(high-k)材料であるのが好ましい。こうした材料の別な例では、酸化アルミニウム,酸化ランタン,酸化ハフニウム,酸化ジルコニウム,ハフニウムオキシナイトライド、またはこれらの合成物を含むものである。
【0020】
好ましい実施例において、ゲート誘電体層314は酸化層から構成され、その場合のゲート誘電体層314は、酸化物,H
2O,NO,またはこれらの合成物から成る雰囲気中の湿式熱酸化または乾式熱酸化のように、任意の酸化処理によって、或いは、テトラ・エチル・オルソ・シリケート(TEOS)および酸素を、前駆体として使用する化学気相堆積法(CVD)技術によって形成される。
【0021】
ゲート電極316は、金属(例えば、タンタル,チタン,モリブデン,タングステン,プラチナ,アルミニウム,ハフニウム,ルテニウム)や、金属シリサイド(例えば、チタンシリサイド,コバルトシリサイド,ニッケルシリサイド,タンタルシリサイド)や、窒化金属(例えば、窒化チタン,窒化タンタル)や、ドープされた多結晶シリコンや、その他の導電材料や、これらの合成物のような、導電材料から構成するのが好ましい。一例では、アモルファスシリコンを堆積し、再結晶することで、多結晶シリコン(ポリシリコン)を生成する。
【0022】
硬質マスク317は、エッチング処理中にその下側にあるゲート電極316を保護するものであるが、窒化シリコン(Si
3N
4)層のような窒素含有層から構成できる。このSi
3N
4層は、シランとアンモニアを前駆体として使用する化学気相堆積(CVD)技術を用いて、形成することができる。オキシ窒化シリコンSiO
xN
y,シリコンオキシム(silicon oxime)SiO
xN
y:H
2,またはこれらの合成物のように、その他の材料を同様に硬質マスク317を形成するのに使用してもよい。
【0023】
ゲート誘電体314,ゲート電極316,硬質マスク317は、この技術分野で周知のフォトリソグラフィによりパターン化される。通常、フォトリソグラフィは、フォトレジスト材料を堆積することが必要であり、このフォトレジスト材料は、その後でマスクで覆われて、露光され、現像される。フォトレジストマスクがパターン化された後、エッチング処理が行われ、ゲート誘電体とゲート電極材料の不要な部分が除去され、
図3aに示すように、ゲート誘電体314とゲート電極316が形成される。ゲート電極材料が多結晶シリコンであり、ゲート誘電体が酸化物である好ましい実施例においては、エッチング処理は、湿式(ウェット)または乾式(ドライ)の等方性または異方性エッチングプロセスで行われるが、異方性ドライエッチング処理が好ましい。
【0024】
ライナー318とスペーサ320は、ゲート電極316と平行して形成される。好ましくは、酸化物,H
2O,NO,またはこれらの合成物から成る雰囲気中の湿式熱酸化または乾式熱酸化のように、任意の酸化処理によって、或いは、テトラ・エチル・オルソ・シリケート(TEOS)および酸素を、前駆体として使用する化学気相堆積(CVD)技術によって、ライナー318が形成される。スペーサ320は、窒化シリコン(Si
3N
4)から構成するか、さもなければ、Si
xN
y,オキシ窒化シリコンSiO
xN
y,シリコンオキシムSiO
xN
y:H
2,またはこれらの合成物のように、窒化シリコンSi
3N
4以外の層を含む窒素から構成するのが好ましい。好ましい実施例において、スペーサ320は、窒化シリコンSi
3N
4から成る層で形成され、この窒化シリコンSi
3N
4は、シランとアンモニアを前駆体として使用する化学気相堆積法(CVD)技術を用いて形成される。
【0025】
ソース/ドレイン領域322は、イオン注入法により形成される。ソース/ドレイン領域322には、NMOSデバイスを製作するために、リン,窒素,砒素,アンチモン等のn型ドーパントを注入し、或いはPMOSデバイスを製作するために、ボロン,アルミニウム,インジウム等のp型ドーパントを注入する。状況に応じて、NMOSデバイスは、PMOSデバイスのように同一チップ上に製作することもある。この状況に応じた実施例において、当該技術分野では周知のように、n型および/またはp型のイオンを特定の領域のみに注入するような複数のマスキングとイオン注入ステップを、利用する必要がある。
【0026】
ここでは、シリサイデーション処理が実施されることが注目される。シリサイデーション処理は、ソース/ドレイン領域322における接触抵抗を低減すると共に、導電ゲート電極316の導電度を改善するために使用される。シリサイドは、プラズマ気相堆積(PVD)法により、チタン,ニッケル,タングステン,またはコバルトのような金属層を堆積することで形成してもよい。焼きなまし(アニール)処理により、金属層を、導電性ゲート電極316とソース/ドレイン領域322とに反応させて、金属シリサイドを形成する。絶縁スペーサ320の上に在る金属層の部分は、反応しないでそのまま残る。金属層の非反応部は、例えばウエットエッチング手段により、選択的な除去を行なってもよい。シリサイド領域の相を変更したい場合は、さらに、アニールサイクルを行なうことで、シリサイド領域の抵抗が下がる結果をもたらす。
【0027】
上記の説明は、本発明の実施例で使用するトランジスタ312の一例に過ぎないことに注目されたい。その他のトランジスタおよび半導体デバイスも、同様に利用することができる。例えば、このトランジスタは、隆起したソース/ドレインを有してもよく、またトランジスタは、スプリットゲート型のトランジスタや、フィンFET設計としてもよく、異なった材料と厚さを使用してもよいし、複数のライナーやスペーサなどを使用してもよい。
【0028】
図3bは、本発明の実施例に基づく、トランジスタ312の全体を覆う誘電体層330の形成を説明している。本実施例において、誘電体層330は、酸化物,H
2O,NO,またはこれらの合成物から成る雰囲気中の湿式熱酸化または乾式熱酸化のように、任意の酸化処理によって、或いは、テトラ・エチル・オルソ・シリケート(TEOS)および酸素を、前駆体として使用する化学気相堆積(CVD)技術によって、形成される酸化物である。好ましくは、誘電体層330は、ゲート電極316と硬質マスク317の高さと少なくとも同程度の寸法の厚さに形成される。
【0029】
図3cにおいて、本発明の実施例に基づき、化学的機械研磨(CMP)処理のような平坦化処理が行われる。平坦化処理は、硬質マスク317上で停止させるのが好ましく、ほぼ平坦な表面を生成する。
【0030】
図3dは、本発明の実施例に基づく硬質マスク317の除去を説明している。硬質マスク317が窒化シリコンにより形成される実施例では、リン酸(H
2PO
4)溶液中にウエット・ディップすることにより、硬質マスク317が除去される。
図3dに示すように、硬質マスク317を除去することで、ゲート電極316が露出する。
【0031】
その後、
図3eにおいて、本発明の実施例に基づき導電層340が形成され、パターン化される。導電層340は、ドープされた多結晶シリコンからなることが好ましい。この導電層340は、本技術分野では周知のフォトリソグラフィによりパターン化され、
図2におけるワード線222が形成される。
【0032】
その後、層間誘電体(ILDs)と金属層が、本技術分野では周知のように形成してもよい。金属層の内の1つが、
図2のビット線BL−1,BL−2,BL−3,BL−4を形成する。さらに、ビアやその他の配線構造が形成され、製作が終了する。
【0033】
図4a〜
図4dは、本発明の第2実施例を示している。先ず、
図4aを参照すると、
図3aと同じ要素に対して同じ参照番号を引用したトランジスタが示されている。
図4aに示す実施例において、硬質マスク317を必要としないことを除いては、
図4aが
図3aと概ね同じになっている。以下に説明するように、
図4a〜
図4dで説明する実施例は、エッチング停止層として前記硬質マスク317を利用しない。
【0034】
図4bを参照すると、本発明の実施例に基づき、誘電体層430がトランジスタ312の上部を覆って形成される。1つの実施例において、
図3bにおける誘電体層330の厚さが、好ましくはゲート電極316の高さよりも少なくとも大きな寸法であるのに対して、
図4bの誘電体層430はそれよりも厚さが薄いことを除いては、誘電体層430は、
図3bにおける誘電体層330と同じ酸化物である。誘電体層430は、約300Å(1オングストローム=10−10m)〜約500Åの間の厚さを有していることが好ましい。
図3aにおいては、誘電体層330が平坦化されているが、本実施例では誘電体層430が非平坦な表面を有することに注目すべきである。
【0035】
図4cにおいては、本発明の実施例に基づき、ゲート電極316上を覆う誘電体層430に、ビア432が形成される。ビア432は、ゲート電極316の一部分を露出させ、次の各ステップで形成されるワード線用の接触点を形成する。1つの実施例において、ビア432は、本技術分野では周知のフォトリソグラフィ技術により形成される。
【0036】
その後、
図4dにおいては、本発明の実施例に基づいて、導電層440が形成され、パターン化される。導電層440は、ドープされた多結晶シリコンからなることが好ましい。
図2におけるワード線222を形成するために、本技術分野では周知のフォトリソグラフィ技術により、導電層440をパターン化してもよい。本実施例において、ワード線222(例えば、
図4dの導電層440)は非平坦な表面を有している。
【0037】
図5a〜
図5eは、本発明の第3実施例を示している。先ず、
図5aを参照すると、
図3aおよび
図4aと同じ要素に対して同じ参照番号を引用したトランジスタが示されている。
【0038】
図5bを参照すると、本発明の実施例に基づき、誘電体層530がトランジスタ312上を覆って形成される。1つの実施例において、誘電体層530は、
図3bにおける誘電体層330と同様な酸化物であり、ゲート電極316よりも上方にあって、約2000Åより大きな厚さを有している。
【0039】
化学的機械研磨法(CMP)処理のような平坦化処理が、ほぼ平坦な平面を生成するために実施される。しかしながら、平坦化処理が完了した後、ゲート電極の上方に位置する処理後の残りの誘電体層530は、約1000Åより大きな厚さを有することが好ましい。
【0040】
図5cにおいて、本発明の実施例に基づき、ゲート電極316上を覆う誘電体層530に、ビア532が形成される。ビア532は、ゲート電極316の一部分を露出させ、次の各ステップで形成されるワード線用の接触点を形成する。1つの実施例において、ビア532は、本技術分野では周知のフォトリソグラフィ技術により形成される。
【0041】
その後、
図5dにおいては、本発明の実施例に基づいて、ビア532が導電材料538によって充填される。1つの実施例において、ビア532は、ドープされた多結晶シリコンを堆積し、ほぼ平坦な表面を生成するための平坦化処理(例えば、CMP)を実施することで充填される。
【0042】
図5eは、本発明の実施例に基づいて、導電層540の形成とパターン化を示している。導電層540は、ドープされた多結晶シリコンからなることが好ましい。
図2のワード線222を形成するために、本技術分野では周知のフォトリソグラフィ技術により、導電層540をパターン化してもよい。この実施例において、ワード線222(例えば、
図5eの導電層540)がほぼ平坦な表面を有していることに注目すべきである。
【0043】
当業者ならば理解するとおり、蓄積トランジスタを、長手方向のアクティブ領域間に設置することにより、このアクティブ領域のピッチとメモリセルの寸法を小さくすることができる。この結果、従来の技術と比較して、メモリアレイのさらなる縮尺が可能になる。
【0044】
本発明の実施例は、種々の処理法を利用する。例えばワード線222は、金属(例えば、タンタル,チタン,モリブデン,タングステン,プラチナ,アルミニウム,ハフニウム,ルテニウム,銅)や、金属シリサイド(例えば、チタンシリサイド,コバルトシリサイド,ニッケルシリサイド,タンタルシリサイド)や、窒化金属(例えば、窒化チタン,窒化タンタル)などの、多結晶シリコン以外の導電材料から形成してもよい。これらのいくつかの実施例においては、各ワード線を金属1の層に形成し、ビット線を金属2の層に形成するのが好ましい。
【0045】
本発明とその利点について、詳細な説明を行ってきたが、添付の請求項により規定されるごとく、種々の変更,置換,代替が、本発明の精神と範囲を逸脱せずに実行可能であることを、理解すべきである。さらに、本明細書の範囲を、本明細書に記述されたプロセスや、機械や、製造や、物質,手段,方法,またはステップの複合に対して、限定する意図は無い。当業者ならば、ここで述べた本発明の開示内容から容易に理解するであろうが、ここで説明した実施例に対応するものとして、ほぼ同一の機能を実行しほぼ同一の結果を達成する、現存し、或いは、これ以後に開発されるであろうプロセスや、機械や、製造や、物質,手段,方法,またはステップの複合が、本発明に従って利用可能であろう。従って、添付の請求項は、このような、機械や、製造や、物質,手段,方法,またはステップの複合を、発明の範囲内で包含するように意図されている。