特許第5734079号(P5734079)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5734079
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月10日
(54)【発明の名称】電子ビーム蒸着装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/30 20060101AFI20150521BHJP
【FI】
   C23C14/30 B
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-100644(P2011-100644)
(22)【出願日】2011年4月28日
(65)【公開番号】特開2012-233214(P2012-233214A)
(43)【公開日】2012年11月29日
【審査請求日】2014年2月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(72)【発明者】
【氏名】飯島 栄一
(72)【発明者】
【氏名】池田 裕人
(72)【発明者】
【氏名】織井 雄一
(72)【発明者】
【氏名】磯 佳樹
【審査官】 後藤 政博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−129311(JP,A)
【文献】 特開平10−176262(JP,A)
【文献】 特開2005−015869(JP,A)
【文献】 特開2002−365639(JP,A)
【文献】 特開昭59−020467(JP,A)
【文献】 特開平06−033228(JP,A)
【文献】 特開2010−085558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00〜14/58
H01L 21/203、21/363
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に蒸着材料を斜め方向から蒸着させる電子ビーム蒸着装置であって、
チャンバと、
前記チャンバの内部で前記基板を支持する支持部材と、前記支持部材を第1の方向に搬送する駆動部とを有する搬送機構と、
第1の蒸着材料を収容する第1の凹部を有し、前記チャンバの内部に配置され第1の容器と、
前記支持部材に支持された前記基板に対する前記第1の蒸着材料の成膜領域を規制する第1の開口部を有し、前記支持部材と前記第1の容器との間に配置され第1のマスクと、
前記チャンバに設置され第1の電子を出射する第1の電子銃を含み、前記第1の開口部側から前記第1の容器側へ向かい前記第1の凹部の深さ方向と鋭角をなす第2の方向より、前記第1の電子が前記第1の容器へ入射する第1のビームラインを形成し、かつ前記第2の方向の反対方向へ向かう前記第1の蒸着材料の蒸発粒子を出射させる第1の電子ビーム形成機構と
を具備する電子ビーム蒸着装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電子ビーム蒸着装置であって、
前記支持部材は、前記第1の方向に沿って配列された複数の基板支持部を有する
電子ビーム蒸着装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の電子ビーム蒸着装置であって、
第2の蒸着材料を収容する第2の凹部を有する第2の容器と、
前記支持部材に支持された前記基板に対する前記第2の蒸着材料の成膜領域を規制する第2の開口部を有し、前記第1のマスクよりも前記第1の方向の下流側に離間して配置され第2のマスクと、
前記チャンバに設置され第2の電子を出射する第2の電子銃を含み、前記第2の開口部側から前記第2の容器側へ向かい前記第2の凹部の深さ方向と鋭角をなす第3の方向より、前記第2の電子が前記第2の容器へ入射する第2のビームラインを形成し、かつ前記第3の方向の反対方向へ前記第2の蒸着材料の蒸発粒子を出射させる第2の電子ビーム形成機構と
をさらに具備する電子ビーム蒸着装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか1つに記載の電子ビーム蒸着装置であって、
前記第1の方向は、前記チャンバの縦方向である
電子ビーム蒸着装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3の何れか1つに記載の電子ビーム蒸着装置であって、
前記第1の方向は、前記チャンバの横方向である。
電子ビーム蒸着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に蒸着材料を斜め方向から蒸着させる電子ビーム蒸着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
斜め蒸着法は、蒸発源にて蒸発した蒸着材料微粒子を基板表面に斜め方向から入射させる成膜方法をいい、例えば、液晶基板用の無機配向膜の形成に広く用いられている(例えば特許文献1〜4参照)。
【0003】
斜め蒸着法では、蒸発源に対して基板が斜めに配置された状態で成膜される。蒸発源としては、例えば電子ビームの照射により蒸着材料を蒸発させる電子ビーム蒸発源が広く用いられている。この場合、基板に入射する蒸着材料の入射角は、蒸発源から最も離れた位置と蒸発源に最も近い位置とで変化してしまい、これが原因で膜厚に分布が生じたり膜質が変動したりして、基板表面に均一な蒸着膜を形成することが困難であった。
【0004】
このような問題を解消するため、蒸発源と基板との間に、蒸着材料の入射角を制限する開口を有するスリットを配置し、当該スリットに対して基板を移動させることで、基板表面に蒸着材料を一定の入射角で入射させる方法が提案されている(例えば特許文献1,3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−330411号公報
【特許文献2】特開2010−33015号公報
【特許文献3】特開2010−85558号公報
【特許文献4】特開2010−181752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、基板サイズの大型化が進み、これに伴って蒸着膜の厚みの均一性だけでなく、蒸着材料の使用効率や処理効率の向上が求められている。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、蒸着膜を均一な厚み及び均一な膜質で成膜しつつ、蒸着材料の使用効率および処理効率を向上させることができる電子ビーム蒸着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る電子ビーム蒸着装置は、チャンバと、搬送機構と、第1の容器と、第1のマスクと、第1の電子ビーム形成機構とを具備する。
上記搬送機構は、上記チャンバの内部で上記基板を支持する支持部材と、上記支持部材を第1の方向に搬送する駆動源とを有する。
上記第1の容器は、上記チャンバの内部に配置され、第1の蒸着材料を収容する。
上記第1のマスクは、上記支持部材と上記第1の容器との間に配置され、上記支持部材に支持された上記基板に対する上記第1の蒸着材料の成膜領域を規制する。
上記第1の電子ビーム形成機構は、上記チャンバに設置され第1の電子を出射する第1の電子銃を含む。上記第1の電子ビーム形成機構は、上記第1のマスク側から上記第1の容器側へ向かう第2の方向より、上記第1の電子が上記第1の容器へ入射する第1のビームラインを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態に係る電子ビーム蒸着装置を示す概略断面図である。
図2】上記電子ビーム蒸着装置において、蒸着材料を収容する容器に対する電子ビームの入射方向と、蒸発粒子の出射方向(蒸気流密度の方向)との関係を示す概略図である。
図3】(A),(B)は、上記電子ビーム蒸着装置において電子ビームの入射エネルギーと蒸発粒子の拡散角(蒸発粒子の蒸気流密度)との関係を説明する模式図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る電子ビーム蒸着装置の一構成例を示す概略断面図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係る電子ビーム蒸着装置の他の構成例を示す概略断面図である。
図6】本発明の第3の実施形態に係る電子ビーム蒸着装置を示す概略断面図である。
図7】本発明の第4の実施形態に係る電子ビーム蒸着装置を示す概略断面図である。
図8】本発明の第5の実施形態に係る電子ビーム蒸着装置を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係る電子ビーム蒸着装置は、チャンバと、搬送機構と、第1の容器と、第1のマスクと、第1の電子ビーム形成機構とを具備する。
上記搬送機構は、上記チャンバの内部で上記基板を支持する支持部材と、上記支持部材を第1の方向に搬送する駆動源とを有する。
上記第1の容器は、上記チャンバの内部に配置され、第1の蒸着材料を収容する。
上記第1のマスクは、上記支持部材と上記第1の容器との間に配置され、上記支持部材に支持された上記基板に対する上記第1の蒸着材料の成膜領域を規制する。
上記第1の電子ビーム形成機構は、上記チャンバに設置され第1の電子を出射する第1の電子銃を含む。上記第1の電子ビーム形成機構は、上記第1のマスク側から上記第1の容器側へ向かう第2の方向より、上記第1の電子が上記第1の容器へ入射する第1のビームラインを形成する。
【0011】
上記電子ビーム蒸着装置において、基板は搬送機構の支持部材に支持され、駆動部により第1の方向に搬送される。容器に収容された第1の蒸着材料は第1の電子ビームの照射を受けて蒸発し、第1のマスクを介して支持部材上の基板の表面に堆積する。第1のマスクは、基板に対する第1の蒸着材料の入射角を制限することで基板上の成膜領域を規制する。基板は搬送機構により搬送されるため、上記成膜領域はその搬送方向とは逆方向に移動する。これにより基板全面に第1の蒸着材料が均一な厚み及び均一な膜質で成膜される。ここで膜質とは、例えば、膜密度、膜の屈折率、膜の光学特性、膜のバリア性、膜の抵抗値、膜の結晶配向性などをいう。
【0012】
一方、第1の電子ビーム形成機構は、第2の方向から第1の電子が第1の容器へ入射する第1のビームラインを形成する。したがって第1の蒸着材料の蒸発粒子は、第1の電子ビームの照射ポイントから第1のマスク側へ向かう方向(第2の方向とは反対方向)に出射される。これにより容器から第1のマスクへ向かう蒸着材料の出射比率(蒸気流密度)が高まるため、蒸着材料の使用効率が高められる。
【0013】
以上のように上記電子ビーム蒸着装置によれば、蒸着膜を均一な厚み及び均一な膜質で成膜しつつ、蒸着材料の使用効率を向上させることができる。上記電子ビーム蒸着装置は、液晶基板用の配向膜を形成する工程のほか、基板表面に形成された三次元的な構造体の上面に蒸着材料を選択的に形成する工程等にも適用可能である。
【0014】
上記支持部材は、上記第1の方向に沿って配列された複数の基板支持部を有していてもよい。
これにより複数枚の基板に対して連続的な成膜処理が可能となり、処理量を向上させることができる。
【0015】
上記電子ビーム蒸着装置は、第2の容器と、第2のマスクと、第2の電子ビーム形成機構とをさらに具備してもよい。
上記第2の容器は、第2の蒸着材料を収容する。
上記第2のマスクは、上記第1のマスクよりも上記第1の方向の下流側に離間して配置され、上記支持部材に支持された上記基板に対する上記第2の蒸着材料の成膜領域を規制する。
上記第2の電子ビーム形成機構は、上記チャンバに設置され第2の電子を出射する第2の電子銃を含む。上記第2の電子ビーム形成機構は、上記第2のマスク側から上記第2の容器側へ向かう第3の方向より、上記第2の電子が上記第2の容器へ入射する第2のビームラインを形成する。
【0016】
第2の蒸着材料は、第1の蒸着材料と同種の材料でもよいし、異種の材料でもよい。第1の蒸着材料と第2の蒸着材料とが同種の材料で構成される場合、基板上に比較的厚みが厚く均一な膜質の蒸着膜を容易に形成することができる。一方、第1の蒸着材料と第2の蒸着材料とが異種の材料で構成される場合、基板上に異種の蒸着膜からなる多層膜を容易に形成することができる。
【0017】
第1のマスクの開口部と第2のマスクの開口部はそれぞれ同一でもよいし異なっていてもよい。例えば、基板表面に形成された三次元的な構造体の上面に蒸着材料を選択的に形成する工程において、上流側のマスク開口より下流側のマスク開口を広くすることで、上流側のマスクで形成された蒸着膜を、下流側のマスクで形成された蒸着膜でカバーすることができる。
【0018】
基板の搬送方向(第1の方向)は、特に限定されず、チャンバの縦方向でもよいし横方向でもよい。また基板の搬送方向は、基板表面に平行な方向でもよいし、基板表面に対して交差する方向であってもよい。
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0020】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電子ビーム蒸着装置を示す概略断面図である。図において、X軸及びY軸は相互に直交する水平方向を示し、Z軸は鉛直方向を示している。
【0021】
本実施形態の電子ビーム蒸着装置10は、チャンバ11と、搬送機構12と、電子ビーム形成機構15(第1の電子ビーム形成機構)と、容器17(第1の容器)と、マスク19(第1のマスク)とを有する。
【0022】
チャンバ11の内部は、真空ポンプ5によって所定圧力(例えば10−5〜10−2Pa)に減圧される。チャンバ11の内部には、基板Sを支持する支持部材13が設置されている。支持部材13は、チャンバ11の上部に設置された駆動部14によってZ軸方向(第1の方向)に移動可能に構成される。支持部材13および駆動部14により搬送機構12が構成される。
【0023】
支持部材13は、例えば、チェーン、ワイヤ、ロープ等の単数又は複数の線状部材で構成される。駆動部14は、支持部材13を巻き取るドラム、当該ドラムを駆動するモータ等を含む。あるいは支持部材13は、チャンバ11の上部に設置された駆動プーリとチャンバ下部に設置された従動プーリとの間に架け渡された、無端ベルトであってもよい。この場合、駆動部14は、上記駆動プーリ、上記従動プーリ、上記駆動プーリを駆動するモータ等を含む。
【0024】
支持部材13は、基板Sを縦方向に支持する基板支持部13aを有している。これにより基板Sは、チャンバ11の高さ方向(Z軸方向)に搬送可能に支持部材13に支持される。
【0025】
本実施形態において基板Sは、Y軸方向に横方向、Z軸方向に縦方向を有する矩形のガラス基板が用いられる。基板Sの大きさは特に限定されず、例えば縦500mm以上、横400mm以上の大きさとされる。これ以外にも、基板Sとして半導体ウェーハ等が用いられてもよい。
【0026】
チャンバ11の内部には、容器17が設置されている。容器17は、蒸着材料Mを収容するための凹部が形成されたハースあるいはルツボで構成されている。蒸着材料Mとしては、金属、金属化合物、セラミックス等の無機材料、合成樹脂等の有機材料が挙げられ、電子ビームの照射によって蒸発可能なすべての材料が適用可能である。
【0027】
電子ビーム形成機構15は、電子ビームeを出射する電子銃16と、電子ビームeを偏向する偏向コイル18とを有する。
【0028】
電子銃16は、容器17に収容された蒸着材料Mへ電子ビームeを照射することで、蒸着材料Mの蒸発粒子MPを発生させる。電子銃16は、ピアス式電子銃で構成され、蒸発室R2を挟んでマスク19と対向するチャンバ11の側壁11aに設置される。ピアス式電子銃は、連続稼動時間が長いという利点を有する。また、ピアス式電子銃は、内部に電子ビームの集束機構を有するため、電子ビームの集束のための機構を別途設置する必要がない。
【0029】
さらに、ピアス式電子銃は電子ビームの密度が高く、電子ビームの輸送性に優れている。また、電子銃に差動排気系を設置できるため、蒸着に酸素を導入するケースや酸化物を蒸着するケースでもビーム発生部の雰囲気を安定に保つことができ、電子ビームが安定する。加えて、電子銃と蒸発室とを分離する仕切弁が設置されてもよい。この場合い、蒸発室を大気に開放しても電子銃の内部を真空に保持できるため、ビーム発生部の雰囲気を安定に保つことができる。
【0030】
なお電子銃は、ピアス式電子銃に限られず、トランスバース型電子銃であってもよい。この場合、電子銃は、例えば容器17に隣接するようにチャンバ11の底部に設置される。トランスバース型電子銃は、ピアス式電子銃に比べ連続稼動時間は短いが、安価であるといる利点を有する。
【0031】
偏向コイル18は、容器17の近傍に配置され、電子ビームeを偏向する磁場を形成する。偏向コイル18は、電子銃16から出射した電子ビームeを側壁11a側に折り返すように偏向させる。このように電子ビーム形成機構15は、マスク19側から容器17へ向かう方向(第2の方向)より、電子ビームeが蒸着材料Mの蒸発ポイントPへ入射するビームラインを形成する。
【0032】
なお、電子ビームeを偏向するための磁場は、容器17の近傍に設置された永久磁石により形成されてもよい。また、偏向コイル18や永久磁石は、容器17の近傍であれば、チャンバ11の外側に設置されてもよい。
【0033】
次に、マスク19は、支持部材13と容器17との間に配置される。マスク19は、YZ平面に平行な板部材で形成されており、チャンバ11の内部に、基板Sを搬送する搬送室R1と、容器17が設置される蒸発室R2とをそれぞれ形成する。
【0034】
マスク19は、蒸発室R2から搬送室R1への蒸発粒子MPの入射を制限する開口部19a(第1の開口部)を有している。開口部19aは、Y軸方向に幅方向、Z軸方向に長さ方向を有する矩形のスリット形状を有する。開口部19aは、搬送室R1において支持部材13に支持された基板Sの成膜領域を規定し、容器17から基板Sの表面へ入射する蒸発粒子MPの入射角を所定の角度範囲に制限する。開口部19aの形成位置は特に限定されないが、本実施形態では容器17よりも基板搬送方向の下流側に設けられる。
【0035】
開口部19aを通過する蒸発粒子MPの基板Sに対する入射角は、基板S上への成膜厚みの均一性が得られる角度範囲に適宜設定される。ここで、入射角とは、基板表面の垂線に対する蒸発粒子MPの入射角をいい、例えば60度以上、90度未満である。基板Sに対する蒸発粒子MPの入射角は、例えば、マスク19と容器17との間の対向距離、開口部19aと容器17との間の高さ、蒸着材料Mに対する電子ビームeの入射方向等によって定められる。
【0036】
なお、マスク19は、開口部19aを開閉可能なシャッタ19bを有する。図示の例では、シャッタ19bは、マスク19の蒸発室R2側に設置されるが、搬送室R1側に設置されてもよい。
【0037】
また、本実施形態の電子ビーム蒸着装置10は、図示しない制御ユニットを有する。上記制御ユニットは、例えばコンピュータによって構成されており、搬送機構12の駆動部14、電子銃16、偏向コイル18、シャッタ19b、真空ポンプ5等の各動作を制御する。
【0038】
以上のように構成される電子ビーム蒸着装置10において、基板Sは被成膜面をマスク19側に向けて支持部材13の基板支持部13aに支持される。容器17には蒸着材料Mが収容される。そして、チャンバ11の内部が真空ポンプ5の駆動により所定の減圧雰囲気(例えば10−4Pa)に排気された後、基板Sに対する成膜処理が実行される。
【0039】
成膜処理では最初、マスク19の開口部19aがシャッタ19bによって閉塞される。電子ビーム形成機構15は、電子銃16から出射した電子ビームeを出射させ、偏向コイル18により電子ビームeを偏向させることで、マスク19側から容器17側へ向かう方向より電子ビームeを蒸着材料Mへ入射させるビームラインを形成する。これにより、蒸着材料Mの蒸発粒子MPが生成され、容器17から蒸発粒子MPが飛散する。
【0040】
図2は、容器17に対する電子ビームeの入射方向と、蒸発粒子MPの出射方向(蒸気流密度の方向)との関係を示す概略図である。電子ビームeが照射される蒸着材料Mの蒸発ポイントPでは、電子ビームeの入射方向に対応する主軸方向を有する窪みMaが形成される。一方、蒸着材料Mの蒸発粒子MPは、窪みMaの主軸方向に沿って飛散する。その結果、本実施形態では、電子ビーム形成機構15によって蒸発粒子MPはマスク19の開口部19a側に向かう指向性をもって飛来することになる。
【0041】
成膜処理では更に、搬送室R1において、駆動部14により基板Sが支持部材13とともにZ方向に搬送される。基板Sの搬送速度は特に限定されず、例えば、0.6〜2.6m/minである。基板Sの被成膜面がマスク19の開口部19aに接近すると、シャッタ19bが開放される。そして、容器17から飛散した蒸発粒子MPが開口部19aを介して基板Sの被成膜面へ入射し、堆積する。開口部19aは、基板Sに対する蒸発粒子MPの入射角を制限することで、基板S上の成膜領域を規制する。基板Sは搬送機構12により連続的に搬送され、これにより上記成膜領域は基板Sの搬送方向とは反対の方向へ移動する。基板Sが開口部19aを通過すると、開口部19aはシャッタ19bによって再び閉塞される。
【0042】
以上のようにして、基板Sの全面に蒸着材料Mが均一に成膜される。成膜された基板Sはチャンバ11から搬出されるとともに、成膜すべき新たな基板はチャンバ11へ搬入されて支持部材13の基板支持部13aに支持される。そして、上述と同様にして当該基板に対して成膜処理が実施される。
【0043】
また、マスク19は、搬送室R1の内壁面への蒸着材料Mの付着を防止する防着板としての機能をも有する。これにより、搬送室R1を搬送される基板上へのパーティクルの付着を抑制することができる。
【0044】
本実施形態の電子ビーム蒸着装置10においては、容器17に対して電子ビームeをマスク19側から入射させる電子ビーム形成機構15が設けられている。したがって蒸着材料Mの蒸発粒子MPは、電子ビームeの照射ポイントからマスク19側へ向かう方向(電子ビームeの入射方向とは反対方向)に出射される。これにより容器17からマスク19へ向かう蒸発粒子MPの出射比率(蒸気流密度)が高まるため、蒸着材料Mの使用効率が高められる。
【0045】
また、容器17に対する電子ビームeの入射方向は、マスク19の開口部19aから容器17に向かう方向であってもよく、このようなビームラインを電子ビーム形成機構15によって形成することで、蒸着材料Mの使用効率を更に高めることができる。
【0046】
さらに、電子ビームeのエネルギー(パワー密度)を調整することによって、蒸発ポイントPから飛散する蒸発粒子MPの拡散角(蒸発粒子の蒸気流密度)を調整することも可能である。図3(A),(B)は、電子ビームeの入射エネルギーと蒸発粒子MPの拡散角との関係を説明する模式図である。図3(A)は第1のエネルギーで電子ビームを垂直方向から蒸着材料Mへ入射させたときの例を示し、図3(B)は、第1のエネルギーよりも高い第2のエネルギーで電子ビームを垂直方向から蒸着材料Mへ入射させたときの例を示す。電子ビームの入射エネルギーが高いほど、蒸発粒子MPの拡散角を小さくすることができる。したがって電子ビームの入射エネルギーは、要求される成膜レート等によっても適宜設定される。
【0047】
以上のように、本実施形態の電子ビーム蒸着装置10によれば、蒸着膜を均一な厚み及び均一な膜質で成膜しつつ、蒸着材料の使用効率を向上させることができる。また、本実施形態の電子ビーム蒸着装置10は、液晶基板用の配向膜のような斜め蒸着により形成される蒸着膜を形成する工程のほか、基板表面に形成された三次元的な構造体の上面に蒸着材料を選択的に形成する工程等にも適用可能である。
【0048】
<第2の実施形態>
図4及び図5は、本発明の第2の実施形態に係る電子ビーム蒸着装置を示す概略断面図である。以下、第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。
【0049】
本実施形態の電子ビーム蒸着装置20Aにおいては、基板Sを支持する支持部材13が複数の基板支持部13a,13bを有している。基板支持部13a,13bの各々は、搬送室R1における基板Sの搬送方向に沿って所定の間隔をおいて配列されている。本実施形態において支持部材13は、2つの基板支持部13a,13bを有するが、勿論これに限られず、3以上の基板支持部を有してもよい。
【0050】
本実施形態の電子ビーム蒸着装置20Aにおいても、上述の第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また本実施形態によれば、複数枚の基板Sに対して連続的な成膜処理が可能となるため、処理量を向上させることができる。この場合、基板Sの搬送方向に沿ってロード室およびアンロード室をチャンバ11に隣接させた、インライン式電子ビーム蒸着装置が構成されてもよい。
【0051】
図5は、上記インライン式電子ビーム蒸着装置の一構成例を示す概略断面図である。図示するインライン式電子ビーム蒸着装置20Bは、ロード室101と、アンロード室102とを有する。
【0052】
ロード室101は、基板Sを仕込むための室で、内部が大気圧と真空雰囲気との間で繰り返し切り替えられる。基板支持部13aへ基板Sをセットするとき、ロード室101内は大気圧とされる。その後、真空排気系131によりロード室101内が真空排気され、第1の仕切りバルブ121を介して、基板Sがチャンバ11内に搬送される。第1の仕切りバルブ121は、真空排気系132によってバルブ内部を真空排気できる第1の中間室111に設置される。これにより、第1の仕切りバルブ121の閉時に搬送機構12をシールするにあたり、ロード室101とチャンバ11の真空シール性を確実にすることができる。
【0053】
一方、アンロード室102は、基板Sを大気圧に取り出すための室で、内部が大気圧と真空雰囲気との間で繰り返し切り替えられる。基板Sの取り出し時、アンロード室102内は大気圧とされる。その後、真空排気系134によりアンロード室102内が真空排気され、第2の仕切りバルブ122を介して、基板Sがチャンバ11内からアンロード室102内に搬送される。第2の仕切りバルブ122は、真空排気系133によってバルブ内部を真空排気できる第2の中間室112に設置される。図5では、ロード室101側の第1の仕切りバルブ121は開状態であるときを示し、アンロード室102側の第2の仕切りバルブ122は閉状態であるときを示す。
【0054】
上記構成によれば、チャンバ11を常時真空に保持できるため、蒸着材料Mを大気に曝す必要がない。これにより、安定した蒸着が可能になる。
【0055】
<第3の実施形態>
図6は、本発明の第3の実施形態に係る電子ビーム蒸着装置を示す概略断面図である。以下、第1及び第2の実施形態と異なる構成について主に説明し、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。
【0056】
本実施形態の電子ビーム蒸着装置30は、チャンバ11と、搬送機構12と、第1の容器17と、第2の容器27と、第1のマスク19と、第2のマスク29と、第1の電子ビーム形成機構15と、第2の電子ビーム形成機構25とを有する。
【0057】
第1の電子ビーム形成機構15は、ピアス式の電子銃16と、偏向コイル18とを有する。電子銃16は、チャンバ11の側壁11aに設置され、マスク19側に向けて電子ビームe1を出射する。第1の容器17はチャンバ11の内部に配置され、第1の蒸着材料M1を収容する。偏向コイル18は、電子ビームe1がマスク19(例えば第1の開口部19a)側から第1の容器17側へ向かう方向より入射するように、電子ビームe1を偏向する。第1の蒸着材料M1に第1の電子ビームe1が照射されることで、蒸発粒子MP1が生成される。
【0058】
第2の電子ビーム形成機構25は、第1の電子ビーム形成機構15と同一の構成を有しており、ピアス式の電子銃26と、偏向コイル28とを有する。電子銃26は、チャンバ11の側壁11aに設置され、マスク19側に向けて電子ビームe2を出射する。第2の容器27は、チャンバ11の内部において第1の容器17よりも上方に配置され、第2の蒸着材料M2を収容する。偏向コイル28は、電子ビームe2がマスク29(例えば第2の開口部29a)側から第2の容器27側へ向かう方向より入射するように、電子ビームe2を偏向する。第2の蒸着材料M2に第2の電子ビームe2が照射されることで、蒸発粒子MP2が生成される。
【0059】
第1のマスク19及び第2のマスク29はそれぞれ、第1の開口部19a及び第2の開口部19bを有する。第1のマスク19及び第2のマスク29は、Z軸方向に整列して配列されることで、チャンバ11の内部を搬送室R1と蒸発室R2とに区画する。
【0060】
第1の開口部19aは、Y軸方向に幅方向、Z軸方向に長さ方向を有する矩形のスリット形状を有する。第1の開口部19aは、搬送室R1において支持部材13に支持された基板Sの成膜領域を規定し、第1の容器17から基板Sの表面へ入射する蒸発粒子MP1の入射角を所定の角度範囲に制限する。第1の開口部19aの形成位置は特に限定されないが、本実施形態では第1の容器17よりも基板搬送方向の下流側に設けられる。
【0061】
第2の開口部29aも同様に、Y軸方向に幅方向、Z軸方向に長さ方向を有する矩形のスリット形状を有する。第2の開口部29aは、搬送室R1において支持部材13に支持された基板Sの成膜領域を規定し、第2の容器27から基板Sの表面へ入射する蒸発粒子MP2の入射角を所定の角度範囲に制限する。第2の開口部19aの形成位置は特に限定されないが、本実施形態では第2の容器27よりも基板搬送方向の下流側に設けられる。また、第1の開口部19aと第2の開口部29aの幅方向の寸法及び長さ方向の寸法は、蒸着材料の種類によってそれぞれ最適化される。
【0062】
なお第1のマスク19及び第2のマスク29は、一体的に構成されていてもよい。また、第1のマスク19及び第2のマスク29は、第1の開口部19a及び第2の開口部29aを開閉可能なシャッタをそれぞれ有してもよい。また、第1の蒸着材料M1の蒸発粒子MP1が第2の開口部29aへ到達することを防止するために、第1のマスク19と第2のマスク29との間に仕切り板31が設置されてもよい。
【0063】
第1の蒸着材料M1及び第2の蒸着材料M2は、それぞれ同種の材料でもよいし、異種の材料でもよい。第1の蒸着材料M1と第2の蒸着材料M2とが同種の材料で構成される場合、基板S上に比較的厚みの大きな蒸着膜を容易に形成することができる。一方、第1の蒸着材料M1と第2の蒸着材料M2とが異種の材料で構成される場合、基板S上に異種の蒸着膜からなる多層膜を容易に形成することができる。
【0064】
本実施形態の電子ビーム蒸着装置30によれば、基板Sの搬送過程において、第1の蒸着材料M1による成膜処理と第2の蒸着材料M2による成膜処理とを連続して行うことができる。また、図示するように支持部材13に複数の基板支持部13a,13bを設けることで、処理量を高めることができる。これにより、生産性の向上を図ることが可能となる。
【0065】
なお、前述のように本実施形態において電子銃はトランスバース式の電子銃を使用してもよい。具体的には、第1の蒸着材料M1に低融点金属ないしは昇華性の材料を使用する場合、第1の蒸着材料M1の蒸着にトランスバース式電子銃を使用してもよい。あるいは、第2の蒸着材料M2に低融点金属ないしは昇華性の材料を使用する場合、第2の蒸着材料M2の蒸着にトランスバース式電子銃を使用してもよい。
【0066】
本実施形態において、蒸着材料Mは、2つの蒸着材料M1,M2としたが、勿論これに限定されず、3以上の蒸着材料と容器、マスク、電子ビーム形成機構を具備してもよい。また、本実施形態において第2の実施形態で述べたようにロード室及びアンロード室をチャンバ11に隣接させたインライン式電子ビーム蒸着装置が構成されてもよい。
【0067】
<第4の実施形態>
図7は、本発明の第4の実施形態に係る電子ビーム蒸着装置を示す概略断面図である。以下、第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。
【0068】
本実施形態の電子ビーム蒸着装置40は、基板Sをチャンバ11の横方向に搬送しながら基板S上に蒸着材料Mを成膜する。チャンバ11の内部には、搬送室R1と蒸発室R2とを区画するマスク39が水平に配置されている。
【0069】
基板Sは、搬送室R1においてガイドレール43上を走行するトレイ44により支持される。トレイ44は、底部が開口された枠体であり、基板Sの周縁部を支持した状態で、図示しない駆動部によってガイドレール43上をX軸方向に搬送される。駆動部には、ベルトコンベヤやチェーンコンベア等が用いられてもよい。また、トレイ44は、ガイドレール43上に基板Sの搬送方向に沿って複数配置されてもよい。
【0070】
マスク39は、開口部39aを有する。開口部39aは、X軸方向に長さ方向、Y軸方向に幅方向を有する矩形のスリット形状を有する。開口部39aは、搬送室R1においてトレイ44に支持された基板Sの成膜領域を規定し、容器17から基板Sの表面へ入射する蒸発粒子MPの入射角を所定の角度範囲に制限する。開口部39aの形成位置は特に限定されないが、本実施形態では容器17よりも基板搬送方向の下流側に設けられる。
【0071】
本実施形態の電子ビーム形成機構35は、ピアス式の電子銃36と、偏向コイル38とを有する。電子銃36は、基板搬送方向下流側に位置するチャンバ11の側壁11bに設置され、電子ビームeを出射する。容器17はチャンバ11の内部に配置され、蒸着材料Mを収容する。偏向コイル38は、電子ビームeがマスク39(例えば開口部39a)側から容器17側へ向かう方向より入射するように、電子ビームeを偏向する。蒸着材料Mに電子ビームeが照射されることで、蒸発粒子MPが生成される。
【0072】
以上のように構成される本実施形態の電子ビーム蒸着装置40においても、上述の各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0073】
<第5の実施形態>
図8は、本発明の第5の実施形態に係る電子ビーム蒸着装置を示す概略断面図である。以下、第1及び第2の実施形態と異なる構成について主に説明し、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。
【0074】
本実施形態の電子ビーム蒸着装置50において、基板Sは、搬送室R1において、水平面に対して所定角度(例えば60度以上90度以下)に配置され、その表面に平行な方向に沿って上方へ搬送される。基板Sを支持する支持部材13は、複数の基板支持部13a,13bを有し、上記所定角度を維持して基板Sを搬送可能に構成されている。
【0075】
マスク49は、天面に開口部49aを有する。開口部49aは、Y軸方向に幅方向、Z軸方向に長さ方向を有する矩形のスリット形状を有する。開口部49aは、搬送室R1において支持部材13に支持された基板Sの成膜領域を規定し、容器17から基板Sの表面へ入射する蒸発粒子MPの入射角を所定の角度範囲に制限する。開口部49aの形成位置は特に限定されないが、本実施形態では容器17の直上に設けられる。マスク49は、開口部49aを開閉可能なシャッタ49bを有する。
【0076】
本実施形態の電子ビーム形成機構45は、ピアス式の電子銃46と、偏向コイル48とを有する。電子銃46は、チャンバ11の側壁11aに設置され、電子ビームeを出射する。容器17はチャンバ11の内部に配置され、蒸着材料Mを収容する。偏向コイル48は、電子ビームeがマスク49(例えば開口部49a)側から容器17側へ向かう方向より入射するように、電子ビームeを偏向する。蒸着材料Mに電子ビームeが照射されることで、蒸発粒子MPが生成される。
【0077】
以上のように構成される本実施形態の電子ビーム蒸着装置50においても、上述の各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0078】
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
【0079】
例えば以上の実施形態では、電子銃をマスクと対向する側のチャンバの側壁に設置したが、電子銃の設置場所は特に限定されず、マスク側から容器(蒸着材料)側へ入射する電子ビームのビームラインが形成できればどの位置に設置されてもよい。
【0080】
また以上の実施形態では、蒸着材料を収容する容器から見て、マスクの開口部を基板搬送方向の下流側に設置したが、これに代えて、マスクの開口部が基板搬送方向の上流側になるよう搬送してもよい。すなわち、例えば図8の構成において、基板搬送方向が図中の矢印方向になるように駆動部14を順方向に駆動させて基板Sに1回成膜したのち駆動部14を逆方向に駆動させながら再度基板Sに成膜するというように、駆動部を往復動させることで1枚の基板に複数回成膜できるように搬送してもよい。
【符号の説明】
【0081】
10,20,30,40,50…電子ビーム蒸着装置
11…チャンバ
12…搬送機構
13…支持部材
13a,13b…基板支持部
14…駆動部
15,25,35,45…電子ビーム形成機構
16,26,36,46…電子銃
17,27…容器
19,29,39,49…マスク
19a,29a,39a,49a…開口部
M,M1,M2…蒸着材料
MP,MP1,MP2…蒸発粒子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8