【実施例】
【0034】
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明する。
【0035】
(クエン酸三ナトリウムを含む清涼飲料水)
以下に示す実施例1〜3の清涼飲料水は、トマト搾汁液及びクエン酸三ナトリウム(電解質)を含む飲料水であり、実施例4〜21は、トマト搾汁液、クエン酸三ナトリウム及びブドウ種子抽出物を含む飲料水である。また、比較例1の清涼飲料水は、クエン酸三ナトリウム及びブドウ種子抽出物のみを含み、比較例2の清涼飲料水は、トマト搾汁液のみを含む飲料水である。
【0036】
[実施例1]
水100質量部に対して、トマト搾汁液13質量部(含有されるグルタミン酸0.02質量部)と、電解質としてクエン酸三ナトリウム0.22質量部とを混合し、全体として500mlの清涼飲料水とした。なお、添加物として、カルシウム2mgと、ビタミンCを20mg添加した。
【0037】
[実施例2]
トマト搾汁液19.5質量部(含有されるグルタミン酸0.03質量部)と、クエン酸三ナトリウム0.24質量部とを混合した以外は、実施例1と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0038】
[実施例3]
トマト搾汁液32.5質量部(含有されるグルタミン酸0.05質量部)を混合した以外は、実施例2と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0039】
[実施例4]
トマト搾汁液6.5質量部(含有されるグルタミン酸0.01質量部)と、クエン酸三ナトリウム0.08質量部と、ブドウ種子抽出物0.02質量部とを混合した以外は、実施例1と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0040】
[実施例5]
クエン酸三ナトリウム0.16質量部を混合した以外は、実施例4と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0041】
[実施例6]
クエン酸三ナトリウム0.26質量部を混合した以外は、実施例4と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0042】
[実施例7]
クエン酸三ナトリウム0.32質量部を混合した以外は、実施例4と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0043】
[実施例8]
トマト搾汁液13.0質量部(含有されるグルタミン酸0.02質量部)と、クエン酸三ナトリウム0.22質量部とを混合した以外は、実施例4と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0044】
[実施例9]
トマト搾汁液19.5質量部(含有されるグルタミン酸0.03質量部)と、クエン酸三ナトリウム0.24質量部とを混合した以外は、実施例4と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0045】
[実施例10]
トマト搾汁液32.5質量部(含有されるグルタミン酸0.05質量部)を混合した以外は、実施例4と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0046】
[実施例11]
クエン酸三ナトリウム0.16質量部を混合した以外は、実施例10と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0047】
[実施例12]
クエン酸三ナトリウム0.24質量部を混合した以外は、実施例10と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0048】
[実施例13]
クエン酸三ナトリウム0.32質量部を混合した以外は、実施例10と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0049】
[実施例14]
トマト搾汁液3.25質量部(含有されるグルタミン酸0.005質量部)と、クエン酸三ナトリウム0.24質量部とを混合した以外は、実施例4と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0050】
[実施例15]
トマト搾汁液52質量部(含有されるグルタミン酸0.08質量部)と、クエン酸三ナトリウム0.24質量部とを混合した以外は、実施例4と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0051】
[実施例16]
クエン酸三ナトリウム0.16質量部と、ブドウ種子抽出物0.03質量部とを混合した以外は、実施例4と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0052】
[実施例17]
クエン酸三ナトリウム0.26質量部を混合した以外は、実施例16と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0053】
[実施例18]
トマト搾汁液13質量部(含有されるグルタミン酸0.02質量部)と、クエン酸三ナトリウム0.22質量部とを混合した以外は、実施例16と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0054】
[実施例19]
トマト搾汁液19.5質量部(含有されるグルタミン酸0.03質量部)と、クエン酸三ナトリウム0.24質量部とを混合した以外は、実施例16と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0055】
[実施例20]
トマト搾汁液32.5質量部(含有されるグルタミン酸0.05質量部)を混合した以外は、実施例16と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0056】
[実施例21]
クエン酸三ナトリウム0.24質量部を混合した以外は、実施例20と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0057】
[比較例1]
トマト搾汁液を混合せず、クエン酸三ナトリウム0.24質量部と、ブドウ種子抽出物0.03質量部とを混合した以外は、実施例1と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0058】
[比較例2]
トマト搾汁液19.5質量部(含有されるグルタミン酸0.03質量部)を混合し、クエン酸三ナトリウムを混合しない以外は、実施例1と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0059】
[試験例1]
実施例1〜21の清涼飲料水及び比較例1、2の清涼飲料水について、識別能力を有する専門パネラーによる官能検査を実施した。官能検査は、「清涼感」、「味のバランス」及び「美味しさ」の各項目について実施した。これらを総合的に評価した結果、清涼飲料水の品質が極めて良好である場合は◎、良好である場合は○、概ね良好である場合は△、良好でない場合は×とした。表1に、清涼飲料水成分の含有量と官能検査の総合評価を示す。また、
図1に、クエン酸三ナトリウムの含有量とトマト搾汁液に含有されるグルタミン酸の含有量との関係を示す。
【0060】
表1より、実施例1〜3の清涼飲料水は、トマト搾汁液(グルタミン酸)と電解質(クエン酸三ナトリウム)を含むものである。いずれも官能検査の総合評価で極めて良好◎と評価され、清涼感を有する美味しい清涼飲料水となった。この結果、実施例1〜3の清涼飲料水は、トマト搾汁液と電解質との配合のバランスがよく、且つ電解質として塩味を呈することがないクエン酸三ナトリウムを配合することにより、美味しさを向上できることがわかった。
【0061】
実施例4〜21の清涼飲料水は、トマト搾汁液(グルタミン酸)と電解質(クエン酸三ナトリウム)とブドウ種子抽出物とを含むものである。いずれも官能検査の総合評価で極めて良好◎、良好○又は概ね良好△と評価され、清涼感を有する美味しい清涼飲料水となった。これは、ブドウ種子抽出物由来の苦味でグルタミン酸由来の旨味が程よく調整され、さらに塩味を呈することのない電解質で清涼飲料水全体の味のバランスが程よく調和されたからである。
【0062】
一方、電解質とブドウ種子抽出物のみを含む清涼飲料水(比較例1)や、トマト搾汁液のみを含む清涼飲料水(比較例2)は、官能検査の総合評価で良好でない×と評価され、美味しさに欠ける清涼飲料水となった。
【0063】
また、
図1に示すように、トマト搾汁液に含有されるグルタミン酸の含有量が、水100質量部に対して0.01質量部〜0.05質量部の範囲で、且つクエン酸三ナトリウムの含有量が0.08質量部〜0.32質量部の範囲にある清涼飲料水は(実施例1〜13,16〜21)、ブドウ種子抽出物の有無及び含有量に関わらず、官能検査の総合評価において極めて良好◎、良好○又は概ね良好△となった。これらの中でも、クエン酸三ナトリウムの含有量が0.16質量部〜0.26質量部の範囲にある清涼飲料水は(実施例1〜3,5,6,8,9,11,12,16〜21)、官能検査の総合評価において極めて良好◎又は良好○となった。これにより、グルタミン酸及びクエン酸三ナトリウムの含有量を所定範囲にすることにより、清涼感が一層付与され、美味しさを向上できることがわかった。
【0064】
さらに、
図1の直線から、グルタミン酸の含有量と、クエン酸三ナトリウムの含有量との比を1:4.8〜1:16.0とすることにより、清涼飲料水の美味しさを一段と向上できることがわかった。
【0065】
【表1】
【0066】
(クエン酸三カリウムを含む清涼飲料水)
以下に示す実施例22〜24の清涼飲料水は、トマト搾汁液及びクエン酸三カリウム(電解質)を含む飲料水であり、実施例25〜36は、トマト搾汁液、クエン酸三カリウム及びブドウ種子抽出物を含む飲料水である。
【0067】
[実施例22]
水100質量部に対して、トマト搾汁液13質量部(含有されるグルタミン酸0.02質量部)と、電解質としてクエン酸三カリウム0.22質量部とを混合し、全体として500mlの清涼飲料水とした。なお、添加物として、カルシウム2mgと、ビタミンCを20mg添加した。
【0068】
[実施例23]
トマト搾汁液19.5質量部(含有されるグルタミン酸0.03質量部)と、クエン酸三カリウム0.24質量部とを混合した以外は、実施例22と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0069】
[実施例24]
トマト搾汁液32.5質量部(含有されるグルタミン酸0.05質量部)を混合した以外は、実施例23と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0070】
[実施例25]
トマト搾汁液6.5質量部(含有されるグルタミン酸0.01質量部)と、クエン酸三カリウム0.08質量部と、ブドウ種子抽出物0.02質量部とを混合した以外は、実施例22と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0071】
[実施例26]
クエン酸三カリウム0.16質量部を混合した以外は、実施例25と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0072】
[実施例27]
クエン酸三カリウム0.26質量部を混合した以外は、実施例25と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0073】
[実施例28]
クエン酸三カリウム0.32質量部を混合した以外は、実施例25と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0074】
[実施例29]
トマト搾汁液13.0質量部(含有されるグルタミン酸0.02質量部)と、クエン酸三カリウム0.22質量部とを混合した以外は、実施例25と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0075】
[実施例30]
トマト搾汁液19.5質量部(含有されるグルタミン酸0.03質量部)と、クエン酸三カリウム0.24質量部とを混合した以外は、実施例25と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0076】
[実施例31]
トマト搾汁液32.5質量部(含有されるグルタミン酸0.05質量部)を混合した以外は、実施例25と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0077】
[実施例32]
クエン酸三カリウム0.16質量部を混合した以外は、実施例31と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0078】
[実施例33]
クエン酸三カリウム0.24質量部を混合した以外は、実施例31と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0079】
[実施例34]
クエン酸三カリウム0.32質量部を混合した以外は、実施例31と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0080】
[実施例35]
トマト搾汁液3.25質量部(含有されるグルタミン酸0.005質量部)と、クエン酸三カリウム0.24質量部とを混合した以外は、実施例25と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0081】
[実施例36]
トマト搾汁液52質量部(含有されるグルタミン酸0.08質量部)と、クエン酸三カリウム0.24質量部とを混合した以外は、実施例25と同様にして、清涼飲料水を得た。
【0082】
[試験例2]
実施例22〜36の清涼飲料水について、試験例1と同様の官能検査を実施した。表2に、清涼飲料水成分の含有量と官能検査の総合評価を示す。また、
図2に、クエン酸三カリウムの含有量とトマト搾汁液に含有されるグルタミン酸の含有量との関係を示す。
【0083】
表2より、トマト搾汁液(グルタミン酸)と電解質(クエン酸三カリウム)を含む実施例22〜24の清涼飲料水は、いずれも官能検査の総合評価で極めて良好◎と評価され、清涼感を有する美味しい清涼飲料水となった。
【0084】
また、
図2に示すように、トマト搾汁液に含有されるグルタミン酸の含有量が、水100質量部に対して0.01質量部〜0.05質量部の範囲で、且つクエン酸三カリウムの含有量が0.08質量部〜0.32質量部の範囲にある清涼飲料水は(実施例22〜34)、ブドウ種子抽出物の有無及び含有量に関わらず、官能検査の総合評価において極めて良好◎、良好○又は概ね良好△となった。これらの中でも、クエン酸三カリウムの含有量が0.16質量部〜0.26質量部の範囲にある清涼飲料水は(実施例22〜24,26,27,29,30,32,33)、官能検査の総合評価において極めて良好◎又は良好○となった。これにより、グルタミン酸及びクエン酸三カリウムの含有量を所定範囲にすることにより、清涼飲料水の清涼感及び美味しさを向上できることがわかった。
【0085】
さらに、
図2の直線から、グルタミン酸の含有量と、クエン酸三カリウムの含有量との比を1:4.8〜1:16.0とすることにより、清涼飲料水の美味しさを一段と向上できることがわかった。
【0086】
以上の試験例1、2の結果から、トマト搾汁液と塩味を呈しない電解質(クエン酸三ナトリウム若しくはクエン酸三カリウム)、又はトマト搾汁液と塩味を呈しない電解質とブドウ種子抽出物とを配合することにより、清涼感に優れ、且つ電解質補給に優れた美味しい清涼飲料水を実現できることがわかった。
【0087】
【表2】