【実施例】
【0042】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例によって本発明の解釈が限定されるものではない。なお、実施例にて採用した分析装置及び分析条件は、下記のとおりである。
1H-NMR及び
13C-NMR;
装置: Varian NMR System 400 NB (400 MHz)
測定溶媒: CDCl
3, DMSO-d
6
基準物質: テトラメチルシラン(TMS) (TMSの
1Hのδ値を0.0 ppm とする。)
CDCl
3 (CDCl
3の
13Cのδ値を77.0 ppm とする。)
【0043】
実施例1(反応式(1)の例)
【0044】
【化13】
グリシンtert-ブチルエステル塩酸塩9 (10.0 g, 59.7 mmol)のトルエン(46.2 mL)懸濁液を60 ℃に保ち、トリエチルアミン(6.51 g, 64.3 mmol)を加え、0.5時間撹拌した。次に、二炭酸ジ-tert-ブチル(10.0 g, 45.9 mmol)のトルエン(11.6 mL)溶液を反応混合液に滴下し、6時間反応させた。
次いで、水(30 mL)を加えた後、有機層を分離した。その後、有機層から溶媒を留去し、n-ヘキサンで再結晶を行い、N-Boc-グリシン-tert-ブチルエステル10を得た(10.6 g, 45.9 mmol, 100%収率)。生成物の構造は、
1H-NMR分析にて確認した。
1H-NMR (CDCl
3): δ 4.98 (b-s, 1H, NH), 3.79 (d, 2H, J=5.6 Hz, NCH
2CO
2-tert-Bu), 1.52-1.40 (m, 18H, (tert-Bu) ×2).
【0045】
実施例2(反応式(1)の例)
【0046】
【化14】
グリシンtert-ブチルエステル塩酸塩9 (1.258 Kg, 7.505 mol)のトルエン(10 L)懸濁液を10 ℃に保ち、トリエチルアミン(0.9113 Kg, 9.006 mol)を加え、1時間撹拌した。次に、二炭酸ジ-tert-ブチル(1.474 Kg, 6.754 mol)を反応混合液に滴下し、3時間反応させた。
次いで、水(5 L)を加えて反応を停止させた後、有機層を分離した。その後、有機層から溶媒を留去させ、目的のN-Boc-グリシン-tert-ブチルエステル10 (1.551 Kg, 6.706 mol, 99%収率)を得た。得られたN-Boc-グリシン-tert-ブチルエステル10を
1H-NMR分析で確認したところ、上述の実施例1において得られたN-Boc-グリシン-tert-ブチルエステルの
1H-NMRと完全に一致した。
【0047】
実施例3(反応式(2)の例)
【0048】
【化15】
N-Boc-グリシンtert-ブチルエステル10 (150.0 g, 0.6485 mol)のトルエン(550 mL)溶液に、tert-ブトキシカリウム(80.05 g, 0.7134 mol)のTHF (550 mL)懸濁液を室温で滴下し、その混合液を10分間室温で撹拌した。次に、得られた反応混合液を氷冷し、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(7.186 g, 0.01946 mol)とプロパルギルブロミド(84.86 g, 0.7134 mol)のトルエン(200 mL)溶液を、この順番で反応混合液に加えた。
【0049】
得られた反応混合物を室温で3時間撹拌した後、8重量%の塩化アンモニウム水溶液(500 mL)を加えて反応を停止させ、有機層を分離した。その後、有機層から溶媒を留去して、目的の末端アセチレン化合物11を得た(153.4 g, 0.5695 mol, 88%収率)。
生成物である末端アセチレン化合物11の構造は、
1H-NMR分析にて確認した。
1H-NMR (CDCl
3): δ 4.20-4.10 (m, 2H, HC≡CCH
2N), 4.00-3.90 (m, 2H, NCH
2CO
2-tert -Bu), 2.23 (t, 1H, J=2.6 Hz, HC≡C), 1.50-1.40 (m, 18H, (tert-Bu) ×2).
【0050】
実施例4(反応式(2)の例)
【0051】
【化16】
水素化ナトリウム(55重量%ミネラルオイル分散、0.8490 g, 19.46 mmol, 使用前に10 mLのヘキサンで洗浄し、ミネラルオイルを除去した。)のDMF (6 mL)懸濁液を氷冷し、この溶液にN-Boc-グリシンtert-ブチルエステル10 (3.000 g, 12.97 mmol)のDMF (12 mL)溶液をゆっくり滴下した。
【0052】
得られた反応混合液を室温で1時間撹拌した後、同温度にてプロパルギルブロミド(1.697 g, 14.27 mmol)のDMF (12 mL)溶液を反応混合液に加えた。反応混合液を室温に保ち、18時間反応させた後、氷冷下で水(60 mL)を加え反応を停止させた。次いで、ヘキサン(50 mL)を加え、分液して有機層を分離し、水層はヘキサン(50 mL)で2回抽出した。得られた有機層をまとめて飽和食塩水(50 mL)で洗浄し、有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ取し、得られた有機層から溶媒を留去すると、目的の化合物11が得られた(2.605 g, 9.672 mmol, 75%収率)。
得られた化合物の構造を
1H-NMR分析で確認したところ、上記の実施例3において、t-BuOKを使用して得られた化合物11の
1H-NMRと完全に一致した。
【0053】
実施例5(反応式(3)の例)
【0054】
【化17】
2-ヨード-4-ニトロアニリン12 (111.7 g, 0.4231 mol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム ジクロリド(2.970 g, 0.004231 mol)及びヨウ化銅(I) (1.611 g, 0.008461 mol)の THF(500 mL)懸濁液に、室温でジエチルアミン(37.13 g, 0.5077 mol)と末端アセチレン11 (152.9 g, 0.5680 mol)の THF(370 mL)溶液を、この順番で添加した。次いで、この反応混合液を40 ℃に昇温して24時間撹拌した。反応を停止させるため、反応混合液を水(3850 mL)に注ぐと目的物は結晶化したが、さらにそのまま3時間撹拌した。
【0055】
得られた反応混合液から目的物をろ取し、乾燥させ粗物を得た。得られた粗物はトルエンを使って再結晶を行い、目的とするニトロ体13を得た(144.6 g, 0.3566 mol, 84%収率)。ニトロ化合物13の構造は
1H-NMR分析にて確認した。
1H-NMR (CDCl
3): δ 8.16 (d, 1H, J=2.4 Hz, Ar-H), 7.99 (dd, 1H, J=9.2, 2.4 Hz, Ar-H), 6.62 (d, 1H, J=9.2 Hz, Ar-H), 5.15 (s, 2H, NH
2), 4.45-4.32 (m. 2H, C≡CCH
2N), 4.04-3.88 (m, 2H, NCH
2CO
2tert-Bu), 1.55-1.40 (m, 18H, (tert-Bu) ×2).
【0056】
実施例6(反応式(3)の例)
【0057】
【化18】
2-ヨード-4-ニトロアニリン12 (7.50 g, 28.4 mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム ジクロリド(99.6 mg, 0.142 mmol)及びヨウ化銅(I) (54.1 mg, 0.284 mmol)の 酢酸エチル(49.9 mL)の懸濁液に、室温でジエチルアミン(10.4 g, 142 mmol)と末端アセチレン11 (11.5 g, 42.6 mmol)のトルエン(28.9 mL)溶液を、この順番で添加した。次いで、この反応混合液を50 ℃に昇温して6時間撹拌した。
得られた反応混合液に活性炭(0.750 g)を加え、50 ℃で活性炭と反応残渣をろ過除去し、ろ液に水(22.5 mL)を加え、有機相を分離した。次に、有機相の溶媒を減圧留去し、得られた粗物にトルエン(46.2 mL)、活性炭(1.15 g)を加え、80℃を超えない温度で活性炭をろ過除去し、ろ液から目的物を再結晶してニトロ体13を得た(10.3 g, 25.2 mmol, 89%収率)。ニトロ化合物13の構造は
1H-NMR分析にて確認したところ、上述の実施例5において得られたニトロ化合物13の
1H-NMRと完全に一致した。
【0058】
実施例7(反応式(3)の例)
【0059】
【化19】
2-ヨード-4-ニトロアニリン12 (8.03 g, 30.4 mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム ジクロリド(213 mg, 0.304mmol)及びヨウ化銅(I) (116 mg, 0.608 mmol)のトルエン(10.3 mL)の懸濁液に、室温でジエチルアミン(11.1 g, 152 mmol)と末端アセチレン11 (12.3 g, 45.6 mmol)のトルエン(34.2 mL)溶液を、この順番で添加した。次いで、この反応混合液を40 ℃に昇温して1時間撹拌した。
得られた反応混合液に酢酸エチル(53.4 mL)及び活性炭(0.803 g)を加え、50 ℃で活性炭と反応残渣をろ過除去し、ろ液に水(24.1 mL)を加え、有機相を分離した。次に、有機相の溶媒を減圧留去し、得られた粗物にトルエン(35.6 mL)、活性炭(1.23 g)を加え、100 ℃で活性炭をろ過除去し、ろ液から目的物を再結晶してニトロ体13を得た(10.2 g, 25.2 mmol, 83%収率)。ニトロ化合物13の構造は
1H-NMR分析にて確認したところ、上述の実施例5において得られたニトロ化合物13の
1H-NMRと完全に一致した。
【0060】
実施例8(反応式(3)の例)
【0061】
【化20】
2-ヨード-4-ニトロアニリン12 (5.00 g, 18.9 mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム ジクロリド(133 mg, 0.189 mmol)及びヨウ化銅(I) (72.0 mg, 0.378 mmol)の トルエン(7.6 mL)懸濁液に、室温でジ(n-ブチル)アミン(2.93 g, 22.7 mmol)と末端アセチレン11 (7.65 g, 28.4 mmol)のトルエン(21.2 mL)溶液を、この順番で添加した。次いで、この反応混合液を40 ℃に昇温して27時間撹拌した。
得られた反応混合液に酢酸エチル(33.3 mL)及び活性炭(0.500 g)を加え、50 ℃で活性炭と反応残渣をろ過除去し、ろ液に水(15.0 mL)を加え、有機相を分離した。次に、有機相の溶媒を減圧留去し、得られた粗物にトルエン(20.8 mL)、活性炭(0.766 g)を加え、100 ℃で活性炭をろ過除去し、ろ液から目的物を再結晶してニトロ体13を得た(5.48 g, 13.5 mmol, 72%収率)。ニトロ化合物13の構造は
1H-NMR分析にて確認したところ、上述の実施例5において得られたニトロ化合物13の
1H-NMRと完全に一致した。
【0062】
実施例9(反応式(1〜3)の例)
【0063】
【化21】
グリシンtert-ブチルエステル塩酸塩9 (10.02 g, 59.77 mmol)のトルエン(46.2 mL)懸濁液を20 ℃に保ち、トリエチルアミン(6.680 g, 66.01 mmol)を加え、1時間撹拌した。次に、二炭酸ジ-tert-ブチル(10.01 g, 45.86 mmol)のトルエン(11.6 mL)溶液を反応混合液に滴下し、5時間反応させた。反応終了を確認し、水(40 mL)を加えた後、有機層を分離した。その後、有機層から溶媒を一部留去させ、目的のN-Boc-グリシン-tert-ブチルエステル10 を含むトルエン溶液(43.47 g)を得た。
次に、上記で得られたN-Boc-グリシンtert-ブチルエステル10のトルエン溶液に、tert-ブトキシカリウム(5.490 g, 48.93 mol)のテトラヒドロフラン(26.7 mL)懸濁液を室温で滴下し、その混合液を10分間室温で撹拌した。この反応混合液を氷冷し、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(0.4864 g, 13.17 mmol)とプロパルギルブロミド(5.820 g, 48.95 mmol)のトルエン(10.0 mL)溶液を、この順番で反応混合液に加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した後、13重量%の塩化アンモニウム水溶液(23.7 mL)を加えて反応を停止させ、有機層を分離した。その後、有機層から溶媒を一部留去して、目的の末端アセチレン化合物11を含むトルエン溶液を得た(32.71 g)。
2-ヨード-4-ニトロアニリン12 (6.84 g, 25.9 mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム ジクロリド(90.0 mg, 0.130 mmol)及びヨウ化銅(I) (49.3 mg, 0.25.9 mmol)の酢酸エチル(45.5 mL)の懸濁液に、室温でジエチルアミン(9.47 g, 129 mmol)と上記で得られた末端アセチレン11のトルエン溶液を、この順番で添加した。次いで、この反応混合液を50 ℃に昇温して6時間撹拌した。この反応混合液に活性炭(0.68 g)を加え、50 ℃で活性炭と反応残渣をろ過除去し、ろ液に水(20.5 mL)を加え、有機相を分離した。有機相の溶媒を減圧留去し、得られた粗製物にトルエン(42.5 mL)、活性炭(1.05 g)を加え、80℃を超えない温度で活性炭をろ過除去し、ろ液から目的物を再結晶してニトロ体13を得た(7.86 g, 19.4 mmol, 75%収率)。ニトロ化合物13の構造は
1H-NMR分析にて確認したところ、上述の実施例5において得られたニトロ化合物13の
1H-NMRと完全に一致した。
【0064】
実施例10(反応式(4)の例):
【0065】
【化22】
ニトロ化合物13 (144.0 g, 0.3552 mol)のトルエン(1.500 L)懸濁液に5%パラジウム−活性炭(14.40 g)を加えた。この反応混合液を水素雰囲気にした後、50 ℃で48時間反応させた。反応終了後、反応混合液中の触媒をろ過除去し、得られたろ液から溶媒を留去させ、粗物を得た。
【0066】
得られた粗物をTHF(0.7400 L)に溶解させ、活性炭(13.09 g)を加え室温で1時間撹拌した。その後、活性炭をろ過除去し、ろ液から溶媒を留去してジアミン14の精製品を得た(129.8 g, 0.3420 mol, 96%収率)。ジアミン14の構造は
1H-NMRにより確認した。
1H-NMR (DMSO-d
6): δ 6.54-6.42 (m, 3H, Ar-H), 3.51-3.45 (m, 2H, NCH
2CO
2tert-Bu), 3.38-3.30 (m, 2H, CH
2CH
2N), 2.51-2.44 (m, 2H, ArCH
2), 1.84-1.76 (m, 2H, CH
2CH
2CH
2), 1.48-1.44 (m, 18H, (tert-Bu) ×2).
【0067】
実施例11(反応式(4)の例)
【0068】
【化23】
ニトロ化合物13 (2.002 g, 4.938 mmol)のトルエン(18.5 mL)懸濁液に活性炭(0.2006 g)、5%パラジウム−活性炭(0.2000 g)を加えた。この反応混合液を0.5 MPaの水素雰囲気にした後、50 ℃で10分反応させた。反応終了後、反応混合液中の活性炭、触媒をろ過除去し、得られたろ液から溶媒を留去させ、ジアミン14を得た(1.790 g, 4.717 mol, 97%収率)。得られたジアミン化合物の構造を
1H-NMR分析で確認したところ、上述の実施例10において得られたジアミン化合物14の
1H-NMRと完全に一致した。
【0069】
実施例12(反応式(2)の例):
【0070】
【化24】
tert-ブトキシカリウム(31.53 g, 281.0 mmol)のトルエン(100 mL)懸濁液に室温でN-Boc-グリシンtert-ブチルエステル10 (50.00 g, 216.2 mmol)のトルエン(200 mL)溶液を滴下し、30分間撹拌した。次いで、反応混合液にヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(7.985 g, 21.62 mmol)とアリルブロミド(28.77 g, 237.8 mmol)のトルエン(200 mL)溶液を、この順番で加えた。
【0071】
得られた反応混合液を室温で2時間撹拌した後、水(300 mL)を加えて反応を停止させ、トルエン(100 mL)と水(200 mL)を更に加えて分液した。分離した水層はトルエン(200 mL)で抽出し、有機層をまとめ、飽和食塩水(200 mL)で洗浄し、有機層を分離後、硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、硫酸マグネシウムをろ取した後、得られた有機層の溶媒を留去して、目的物15を得た(57.62 g, 212.3 mmol, 98%収率)。目的物15の構造は
1H-NMRにより確認した。
1H-NMR (CDCl
3): δ 5.84-5.73 (m, 1H, -CH=CH
2), 5.20-5.08 (m, 2H, -CH=CH
2), 3.95-3.71 (m, 4H, -NCH
2CO
2tert-Bu及び-NCH
2CH=), 1.55-1.38 (m, 18H, (tert-Bu) ×2).
【0072】
実施例13(反応式(3)の例)
【0073】
【化25】
末端オレフィン化合物15 (5.000 g, 18.43 mmol)と2-ヨード-4-ニトロアニリン12 (3.243 g, 12.28 mmol)のN, N-ジメチルアセタミドDMAc (41 mL)の混合溶液に、室温で酢酸ナトリウム(2.015 g, 24.57 mmol)と酢酸パラジウム(0.02758 g, 0.1228 mmol)を加え、110 ℃で3時間反応させた(ヘック反応)。
【0074】
得られた反応混合液はセライトを用いてろ過し、得られたろ液に酢酸エチル(60 mL)と水(60 mL)を加えて分液した。分離した水層は、さらに酢酸エチル(60 mL)で抽出し、有機層をまとめ、水(60 mL)で洗浄し、その後、有機層を分離した。次いで、有機層の溶媒を留去し、粗物を得た。得られた粗物はトルエンで再結晶を行い、目的のニトロ化合物16を得た(3.093 g, 7.591 mmol, 62%収率)。ニトロ化合物16の構造は
1H-NMR分析にて確認した。
1H-NMR (CDCl
3): δ 8.10 (d, 1H, J=2.4 Hz, Ar-H), 7.96 (dd, 1H, J=8.8, 2.4 Hz, Ar-H), 6.61 (d, 1H, J=8.8 Hz, Ar-H), 6.53 (d, 1H, J=15.6 Hz, Ar-CH=C), 6.18 (dt, 1H, J=15.6, 6.0 Hz, C=CH-CH
2-), 4.72-4.60 (m, 2H, NH
2), 4.12-4.02 (m, 2H, C=CHCH
2N), 3.94-3.88 (m, 2H, NCH
2CO
2tert-Bu ), 1.55-1.39 (m, 18H,( tert-Bu) ×2).
【0075】
実施例14(反応式(4)の例)
【0076】
【化26】
ニトロ化合物16 (3.767 g, 9.245 mmol)のトルエン(37 mL)懸濁液に5%パラジウム−活性炭(0.3767 g)を加えた。この反応混合液を水素雰囲気にした後、50 ℃で7時間反応させた。反応終了後、反応混合液中の触媒はセライトを用いてろ過除去し、得られたろ液から溶媒を留去させ、粗物を得た。
【0077】
得られた粗物をTHF(36 mL)に溶解させ、活性炭(0.35 g)を加え室温で30分間撹拌した。次いで、活性炭をろ過除去し、ろ液から溶媒を留去して、ジアミン化合物14の精製物を得た(3.477 g, 9.162 mmol, 99%収率)。得られたジアミン化合物の構造を
1H-NMR分析で確認したところ、上述の実施例10において得られたジアミン化合物14の
1H-NMRと完全に一致した。
【0078】
実施例15(反応式(1)の例)
【0079】
【化27】
ベンジルアミン17 (107.0 g, 0.9986 mol)のトルエン(780 mL)溶液に室温で二炭酸ジ-tert-ブチル(217.9 g, 0.9986 mol)を滴下し、1時間反応させた。その後、水(300 mL)を加えて反応を停止させた後、トルエン(60 mL)をさらに加えて有機層を分離し、溶媒を留去させて目的物の粗製物を得た。
【0080】
次いで、得られた粗製物をヘキサンで再結晶を行い、目的のN-Boc-ベンジルアミン18 (183.0 g, 0.8829 mol, 88%収率)を得た。化合物18の構造は
1H-NMR分析にて確認した。
1H-NMR (CDCl
3): δ 7.35-7.23 (m, 5H, -Ph), 4.88 (b-s, 1H, NH), 4.31 (d, 2H, J=5.6 Hz, NCH
2Ph), 1.46 (s, 9H, tert-Bu).
【0081】
実施例16(反応式(2)の例)
【0082】
【化28】
tert-ブトキシカリウム(14.50 g, 129.2 mmol)のトルエン(80 mL)懸濁液に、室温でN-Boc-ベンジルアミン18 (20.60 g, 99.39 mmol)のトルエン(40 mL)溶液を滴下し、60 ℃に昇温後に2時間撹拌した。次いで、反応混合液を氷浴につけて冷却し、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(1.836 g, 4.969 mmol)とプロパルギルブロミド(13.01 g, 109.3 mmol)のトルエン(80 mL)溶液を、この順番で反応混合液に加えた。
【0083】
その後、室温で4時間撹拌させ、水(100 mL)を加えて反応を停止した。その後、有機層と水層とを分離し、水層は酢酸エチル(50 mL)でさらに抽出して分離し、有機層をまとめ、飽和食塩水(30 mL)で洗浄後に有機層を分離した。溶媒を留去して目的物19を得た(22.86 g, 93.18 mmol, 94%収率)。目的物19の構造は
1H-NMR分析にて確認した。
1H-NMR (CDCl
3): δ 7.35-7.23 (m, 5H, -Ph), 4.56 (s, 2H, CH
2), 4.10-3.82 (b-m, 2H, CH
2), 2.21 (b-s, 1H, H-C≡C), 1.58-1.39 (b-m, 9H, tert-Bu).
【0084】
実施例17(反応式(3)の例)
【0085】
【化29】
2-ヨード-4-ニトロアニリン12 (1.499 g, 5.678 mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム ジクロリド(0.03985 g, 0.05678 mmol)及びヨウ化銅(I) (0.02163 g, 0.1135 mmol)のTHF(7 mL)懸濁液に、室温でジエチルアミン(0.4983 g, 6.813 mmol)と末端アセチレン化合物19 (2.089 g, 8.516 mmol)のTHF (2 mL)溶液をこの順番で添加した。その後、40 ℃に昇温して6時間撹拌した。
【0086】
得られた反応混合液に水(10 mL)と酢酸エチル(10 mL)を加えて反応を停止させた。次いで、その反応混合液は、セライトを用いてろ過した。得られたろ液から有機層を分離し、溶媒を留去して粗物を得た。次いで、粗物はトルエンとヘキサンを使って再結晶を行い、目的物20を得た(1.807 g, 4.737 mmol, 83%収率)。目的物20の構造は
1H-NMR分析にて確認した。
1H-NMR (CDCl
3): δ 8.11 (d, 1H, J=2.4 Hz, Ar-H), 8.00 (dd, 1H, J=9.2, 2.4 Hz, Ar-H), 7.40-7.23 (m, 5H, NCH
2Ph), 6.63 (d, 1H, J=9.2 Hz, Ar-H), 5.10-4.67 (b-m, 2H, NH
2), 4.59 (s, 2H, CH
2), 4.25 (b-s, 2H, CH
2), 1.51 (s, 9H, tert-Bu).