【実施例】
【0114】
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。
【0115】
実施例における収率は、モル収率である。
また、実施例で用いる略号は、それぞれ
dba:ジベンジリデンアセトン
PPh
3:トリフェニルホスフィン
PCy
3:トリシクロヘキシルホスフィン
である。
【0116】
実施例1
(1)グローブボックス中、ピストン・乳鉢スターラー(アズワン社製、MMPS−T1型)を用いて、市販のマグネシウム粉末をさらに充分に粉砕した。
(2)ここで得られたマグネシウム粉末(純度99.9%,粒径:212−600μm,4.9mg,0.2mmol)を20mLのガラス密閉容器に秤量し、さらに撹拌子を入れた。ここに1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI,2mL)を加えて、超音波を10分間照射した。
(3)再度この容器をグローブボックス中に入れ、不活性雰囲気下に、この溶液に塩化亜鉛(136mg,1mmol)を加えた。
(4)この反応容器を、グローブボックスから出して、脱気後、テトラフルオロエチレン(TFE)を1気圧まで導入した。
(5)ここで得られた反応溶液を、60℃で18時間撹拌した。
(6)冷後、残ったTFEを脱気し、ここに重ベンゼン(1mL)と内部標準(10μL)を加えた後にろ過し、得られた溶液の
1H,
19F−NMR測定を行った。
前記反応溶液の
19F−NMR測定結果により、塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛が52%の収率で生成していることを確認した。
【化29】
19F NMR (372 MHz, DMI/C
6D
6中, 室温, δ/ppm): −195.2 (s, br, 1F), -132.6 (dd, J
FF = 94.5, 104.1 Hz, 1F), -99.5 (s, br, 1F).
【0117】
実施例2
実施例1と同様にして、マグネシウム粉末(4.9mg,0.2mmol)と塩化亜鉛(136mg,1mmol)のDMI溶液にTFEを1気圧まで導入し、室温で26時間撹拌した。内部標準を用いた
19F−NMR測定により、塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛が9%の収率で生成していることを確認した。
【0118】
実施例3
実施例1と同様にして、マグネシウム粉末(12.2mg,0.5mmol)と塩化亜鉛(68mg,0.5mmol)のDMI溶液にTFEを1気圧まで導入し、60℃で18時間撹拌した。内部標準を用いた
19F−NMR測定により、塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛が24%、ビス(トリフルオロビニル)亜鉛が2%の収率で生成していることを確認した。
【0119】
実施例4
実施例1と同様にして、マグネシウム粉末(12.2mg,0.5mmol)と塩化亜鉛(136mg,1mmol)のDMI溶液にTFEを1気圧まで導入し、60℃で6時間撹拌した。内部標準を用いた
19F−NMR測定により、塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛が32%の収率で生成していることを確認した。
【0120】
実施例5
実施例1と同様にして、マグネシウム粉末(60.8mg,2.5mmol)と塩化亜鉛(68mg,0.5mmol)のDMI溶液にTFEを1気圧まで導入し、60℃で21時間撹拌した。内部標準を用いた
19F−NMR測定により、塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛が22%、ビス(トリフルオロビニル)亜鉛が4%の収率で生成していることを確認した。
【0121】
実施例6
グローブボックス中でオートクレーブ中に調製した、マグネシウム粉末(48.3mg,2.0mmol、購入品をそのまま使用した)と塩化亜鉛(548.6mg,4mmol)のDMI溶液(10mL)に、TFEを5気圧まで導入し、60℃で24時間撹拌した。内部標準を用いた
19F−NMR測定により、塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛が53%の収率で生成していることを確認した。
【0122】
実施例7
実施例6と同様にして調製した、マグネシウム粉末(48.6mg,2.0mmol)と塩化亜鉛(544mg,4mmol)のDMI溶液(10mL)を、先に超音波照射を3時間行った後に、TFEを5気圧まで導入し、60℃で24時間撹拌した。内部標準を用いた
19F−NMR測定により、塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛が62%の収率で生成していることを確認した。
【0123】
実施例8
グローブボックス中でオートクレーブ中に調製した、マグネシウム粉末(48.3mg,2.0mmol、購入品をそのまま使用した)、塩化亜鉛(548.6mg,4mmol)、及び1,2−ジブロモエタン(22.46mg,0.12mmol)のDMI溶液(10mL)に、TFEを5気圧まで導入し、60℃で24時間撹拌した。内部標準を用いた
19F−NMR測定により、塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛が53%の収率で生成していることを確認した。
【0124】
実施例9
グローブボックス中でオートクレーブ中に調製した、マグネシウム(削り状、48.3mg,2.0mmol、購入品をそのまま使用した)と塩化亜鉛(548.6mg,4mmol)のDMI溶液(10mL)に、TFEを5気圧まで導入し、60℃で24時間撹拌した。内部標準を用いた
19F−NMR測定により、塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛が58%の収率で生成していることを確認した。
【0125】
実施例10
グローブボックス中でオートクレーブ中に調製した、マグネシウム(削り状、48.3mg,2.0mmol、購入品をそのまま使用した)と塩化亜鉛(548.6mg,4mmol)のDMI溶液(10mL)に、TFEを5気圧まで導入し、60℃で6時間撹拌した。内部標準を用いた
19F−NMR測定により、塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛が70%の収率で生成していることを確認した。
【0126】
実施例11
グローブボックス中でオートクレーブ中に調製した、マグネシウム(削り状、48.3mg,2.0mmol、購入品をそのまま使用した)と塩化亜鉛(548.6mg,4mmol)のDMI溶液(10mL)に、TFEを5気圧まで導入し、室温で6時間撹拌した。内部標準を用いた
19F−NMR測定により、塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛が50%の収率で生成していることを確認した。
【0127】
実施例12
グローブボックス中でオートクレーブ中に調製した、マグネシウム(削り状、48.3mg,2.0mmol、購入品をそのまま使用した)と塩化亜鉛(548.6mg,4mmol)のDMA(ジメチルアセトアミド)溶液(10mL)に、TFEを5気圧まで導入し、60℃で24時間撹拌した。内部標準を用いた
19F−NMR測定により、塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛が1%の収率で生成していることを確認した。
【0128】
実施例13
グローブボックス中でオートクレーブ中に調製した、マグネシウム(削り状、48.3mg,2.0mmol、購入品をそのまま使用した)と塩化亜鉛(548.6mg,4mmol)のNMP(N−メチルピロリドン)溶液(10mL)に、TFEを5気圧まで導入し、60℃で24時間撹拌した。内部標準を用いた
19F−NMR測定により、塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛が11%の収率で生成していることを確認した。
【0129】
実施例14
実施例1で得られた塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛のDMI溶液(ビニル亜鉛を0.02mmol含有する)を、予めPd
2(dba)
3(1mg,0.001mmol)、PPh
3(2.1mg,0.008mmol)、LiI(6.4mg,0.048mmol)、C
6D
6(0.2mL)、およびα,α,α−トリフルオロトルエン(
19F−NMR測定の内部標準,10μL,0.08mmol)を入れた耐圧NMRチューブ(容量2mL)に導入し、40℃で5日間放置した。この反応液を、
19F−NMR測定により追跡し、ヘキサフルオロブタジエンが45%の収率で生成していることを確認した。
【0130】
実施例15
実施例14と同様にして、塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛のDMI溶液(ビニル亜鉛を0.08mmol含有する)を、予めPd
2(dba)
3(4mg,0.004mmol)、PPh
3(8.4mg,0.032mmol)、LiI(25.68mg,0.19mmol)、C
6D
6(0.2mL)、およびα,α,α−トリフルオロトルエン(10μL,0.08mmol)を入れた耐圧NMRチューブ(容量2mL)に導入し、60℃で20時間放置した。この反応液を、
19F−NMR測定により追跡し、ヘキサフルオロブタジエンが22%の収率で生成していることを確認した。
【0131】
実施例16
実施例14と同様にして、塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛のDMI溶液(ビニル亜鉛を0.08mmol含有する)を、予めPd
2(dba)
3(4mg,0.004mmol)、PCy
3(4.5mg,0.016mmol)、LiI(25.68mg,0.19mmol)、C
6D
6(0.2mL)、およびα,α,α−トリフルオロトルエン(10μL,0.08mmol)を入れた耐圧NMRチューブ(容量2mL)に導入し、60℃で20時間放置した。この反応液を、
19F−NMR測定により追跡し、ヘキサフルオロブタジエンが21%の収率で生成していることを確認した。
【0132】
実施例17
実施例1と同様にして、マグネシウム粉末(49mg,2mmol)と塩化亜鉛(544mg,4mmol)のDMI溶液(10mL)をオートクレーブ中で2時間撹拌した。これに、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)を5気圧まで導入し、室温で6時間撹拌した。内部標準を用いた
19F−NMR測定により、塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛が55%の収率で生成していることを確認した。
【0133】
実施例18
実施例17で得られた塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛のDMI溶液(0.4mL)を、予めPd(PPh
3)
4(トリフルオロビニル亜鉛に対して,5mol%)、C
6D
6(0.2mL)、およびα,α,α−トリフルオロトルエン(
19F−NMR測定の内部標準,10μL)を入れた耐圧NMRチューブ(容量2mL)に導入し、80℃で24時間放置した。この反応液を、
19F−NMR測定により追跡し、ヘキサフルオロブタジエンが6%の収率で生成していることを確認した。
【0134】
実施例19
実施例17で得られた塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛のDMI溶液(0.4mL)を、予めPd(PCy
3)
2(トリフルオロビニル亜鉛に対して,5mol%)、C
6D
6(0.2mL)、およびα,α,α−トリフルオロトルエン(
19F−NMR測定の内部標準,10μL)を入れた耐圧NMRチューブ(容量2mL)に導入し、80℃で24時間放置した。この反応液を、
19F−NMR測定により追跡し、ヘキサフルオロブタジエンが9%の収率で生成していることを確認した。
【0135】
実施例20
グローブボックス中で、実施例9と同様にして調製した塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛のDMI溶液(1.6mL)を、セライトで濾過したのち、耐圧NMRチューブに移し、さらにこれに当量の2−ブロモナフタレンおよび10mol%のPd(PPh
3)
4を加え、80℃で30分間放置した。
19F−NMRによってカップリング生成物を確認および定量した(収率97%)。
【化30】
19F NMR (372 MHz, DMI/C
6D
6中, 室温, δ/ppm): −178.3 (dd, J
FF = 30.6, 109.1 Hz, 1F), -117.9 (dd, J
FF = 72.2, 109.1 Hz, 1F), -103.4 (dd, J
FF = 30.6, 72.2 Hz, 1F).
【0136】
実施例21
実施例9と同様にして調製した塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛と2−ブロモナフタレンのカップリング反応を1mol%のPd(PPh
3)
4の存在下に、80℃で2時間実施した。
19F−NMRによってカップリング生成物を確認および定量した(収率94%)。
【0137】
実施例22
実施例9と同様にして調製した塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛と2−ブロモナフタレンのカップリング反応を10mol%のPd(PCy
3)
2の存在下に、80℃で30分間実施した。
19F−NMRによってカップリング生成物を確認および定量した(収率83%)。
【0138】
実施例23
実施例9と同様にして調製した塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛と2−ブロモ−6−メトキシカルボニルナフタレンのカップリング反応を1mol%のPd(PPh
3)
4の存在下に、80℃で30分間実施した。
19F−NMRによってカップリング生成物を確認および定量した(収率99%)。
【化31】
19F NMR (372 MHz, DMI/C
6D
6中, 室温, δ/ppm): −179.0 (dd, J
FF = 31.2, 108.6 Hz, 1F), -116.0 (dd, J
FF = 67.7, 108.6 Hz, 1F), -101.8 (dd, J
FF = 31.2, 67.7 Hz, 1F).
【0139】
実施例24
実施例9と同様にして調製した塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛と2−ブロモ−6−メトキシナフタレンのカップリング反応を1mol%のPd(PPh
3)
4の存在下に、80℃で30分間実施した。
19F−NMRによってカップリング生成物を確認および定量した(収率82%)。
【化32】
19F NMR (372 MHz, DMI/C
6D
6中, 室温, δ/ppm): −177.8 (dd, J
FF = 30.3, 109.7 Hz, 1F), -119.2 (dd, J
FF = 74.9, 109.7 Hz, 1F), -104.6 (dd, J
FF = 30.3, 74.9 Hz, 1F).
【0140】
実施例25
実施例9と同様にして調製した塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛と1−ブロモナフタレンのカップリング反応を1mol%のPd(PPh
3)
4の存在下に、150℃で30分間実施した。
19F−NMRによってカップリング生成物を確認および定量した(収率76%)。
【化33】
19F NMR (372 MHz, DMI/C
6D
6中, 室温, δ/ppm): −162.3 (dd, J
FF = 27.6, 117.5 Hz, 1F), -120.8 (dd, J
FF = 75.8, 117.5 Hz, 1F), -105.3 (dd, J
FF = 27.6, 75.8 Hz, 1F).
【0141】
実施例26
実施例9と同様にして調製した塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛と1−ブロモ−4−フルオロナフタレンのカップリング反応を1mol%のPd(PPh
3)
4の存在下に、150℃で30分間実施した。
19F−NMRによってカップリング生成物を確認および定量した(収率69%)。
【化34】
19F NMR (372 MHz, DMI/C
6D
6中, 室温, δ/ppm): −161.8 (dd, J
FF = 26.0, 118.1 Hz, 1F), -121.0 (m, 1F), -120.5 (dd, J
FF = 75.0, 118.1 Hz, 1F), -104.8 (dd, J
FF = 26.0, 75.0 Hz, 1F).
【0142】
実施例27
実施例9と同様にして調製した塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛と1−ブロモ−2−メチルナフタレンのカップリング反応を1mol%のPd(PPh
3)
4の存在下に、150℃で30分間実施した。
19F−NMRによってカップリング生成物を確認および定量した(収率74%)。
【化35】
19F NMR (372 MHz, DMI/C
6D
6中, 室温, δ/ppm): −161.5 (dd, J
FF = 27.3, 118.8 Hz, 1F), -120.7 (dd, J
FF = 76.5, 118.8 Hz, 1F), -105.8 (dd, J
FF = 27.3, 76.5 Hz, 1F).
【0143】
実施例28
実施例9と同様にして調製した塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛と9−ブロモアントラセンのカップリング反応を1mol%のPd(PPh
3)
4の存在下に、150℃で30分間実施した。
19F−NMRによってカップリング生成物を確認および定量した(収率89%)。
【化36】
19F NMR (372 MHz, DMI/C
6D
6中, 室温, δ/ppm): −159.1 (dd, J
FF = 26.3, 119.4 Hz, 1F), -119.7 (dd, J
FF = 74.5, 119.4 Hz, 1F), -103.8 (dd, J
FF = 26.3, 74.5 Hz, 1F).
【0144】
実施例29
実施例9と同様にして調製した塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛と3−ブロモキノリンのカップリング反応を1mol%のPd(PPh
3)
4の存在下に、80℃で12時間実施した。
19F−NMRによってカップリング生成物を確認および定量した(収率99%)。
【化37】
19F NMR (372 MHz, DMI/C
6D
6中, 室温, δ/ppm): −181.6 (dd, J
FF = 31.1, 109.2 Hz, 1F), -115.7 (dd, J
FF = 67.5, 109.2 Hz, 1F), -101.0 (dd, J
FF = 31.1, 67.5 Hz, 1F).
【0145】
実施例30
実施例9と同様にして調製した塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛と1−ブロモ−5,6,7,8−テトラフルオロナフタレンのカップリング反応を1mol%のPd(PPh
3)
4の存在下に、150℃で30分間実施した。
19F−NMRによってカップリング生成物を確認および定量した(収率69%)。
【化38】
19F NMR (372 MHz, DMI/C
6D
6中, 室温, δ/ppm): −161.4 (m, 1F), -160.3 (m, 1F), -157.9 (ddd, J
FF = 27.9, 32.8, 118.6 Hz, 1F), -145.7 (m, 1F), -121.6 (dd, J
FF = 77.5, 118.6 Hz, 1F), -105.7 (dd, J
FF = 27.9, 77.5 Hz, 1F).
【0146】
実施例31
実施例9と同様にして調製した塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛と9−ブロモフェナントレンのカップリング反応を1mol%のPd(PPh
3)
4の存在下に、150℃で30分間実施した。
19F−NMRによってカップリング生成物を確認および定量した(収率91%)。
【化39】
19F NMR (372 MHz, DMI/C
6D
6中, 室温, δ/ppm): −162.6 (dd, J
FF = 27.0, 117.8 Hz, 1F), -120.5 (dd, J
FF = 75.7, 117.8 Hz, 1F), -105.0 (dd, J
FF = 27.0, 75.7 Hz, 1F).
【0147】
実施例32
実施例9と同様にして調製した塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛と5−ブロモベンゾチオフェンのカップリング反応を1mol%のPd(PPh
3)
4の存在下に、150℃で30分間実施した。
19F−NMRによって、以下の構造式のカップリング生成物を確認および定量した(収率83%)。
【化40】
19F NMR (372 MHz, DMI/C
6D
6中, 室温, δ/ppm): −177.0 (dd, J
FF = 30.9, 109.8 Hz, 1F), -119.0 (dd, J
FF = 74.5, 109.8 Hz, 1F), -104.6 (dd, J
FF = 30.9, 74.5 Hz, 1F).
【0148】
実施例33
実施例9と同様にして調製した塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛と6−トリフルオロメタンスルホニル−2−ブロモナフタレンのカップリング反応を1mol%のPd(PPh
3)
4の存在下に、80℃で30分間実施した。
19F−NMRによって、以下の構造式のカップリング生成物を確認および定量した(収率85%)。
【化41】
19F NMR (372 MHz, DMI/C
6D
6中, 室温, δ/ppm): −178.7 (dd, J
FF = 30.9, 109.0 Hz, 1F), -117.1 (dd, J
FF = 69.7, 109.0 Hz, 1F), -102.7 (dd, J
FF = 30.9, 69.7 Hz, 1F).
【0149】
実施例34
実施例33で得られた生成物と塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛とのカップリング反応を、1mol%のPd(PPh
3)
4の存在下に、80℃で30分間実施した。
19F−NMRによって、以下の構造式のカップリング生成物を確認および定量した(収率94%)。
【化42】
19F NMR (372 MHz, DMI/C
6D
6中, 室温, δ/ppm): −178.9 (dd, J
FF = 30.8, 108.8 Hz, 1F), -116.7 (dd, J
FF = 69.5, 108.8 Hz, 1F), -102.5 (dd, J
FF = 30.8, 69.5 Hz, 1F).
【0150】
実施例35
グローブボックス中でオートクレーブ中に調製した、マグネシウム(削り状、48.3mg,2.0mmol)と塩化亜鉛(548.6mg,4mmol)のDMI溶液(10mL)に、クロロトリフルオロエチレンを5気圧まで導入し、60℃で24時間撹拌した。内部標準を用いた
19F−NMR測定により、塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛が50%の収率で生成していることを確認した。
【0151】
実施例36
グローブボックス中でオートクレーブ中に調製した、マグネシウム(削り状、48.3mg,2.0mmol)と塩化亜鉛(548.6mg,4mmol)のDMI溶液(10mL)に、クロロトリフルオロエチレンを5気圧まで導入し、室温で6時間撹拌した。内部標準を用いた
19F−NMR測定により、塩化1,1,2−トリフルオロビニル亜鉛が55%の収率で生成していることを確認した。
【0152】
実施例37
グローブボックス中でオートクレーブ中に調製した、マグネシウム(削り状、48.3mg,2.0mmol)と塩化亜鉛(548.6mg,4mmol)のDMI溶液(10mL)に、パーフルオロシクロペンテン(212.0mg,1.0mmol)を加え、80℃で14時間撹拌した。内部標準を用いた
19F−NMR測定により、塩化(1−パーフルオロシクロペンテン−1−イル)亜鉛が25%の収率で生成していることを確認した。
【化43】
塩化(1−パーフルオロシクロペンテン−1−イル)亜鉛
19F NMR (372 MHz, DMI/C
6D
6中, 室温, δ/ppm): -131.7 (s, br, 2F), -128.6 (d, J
FF = 11.2, 1F), -120.9 (s, br, 2F), -101.5 (s, br, 2F).
【0153】
実施例38
実施例37で調製した塩化(1−パーフルオロシクロペンテン−1−イル)亜鉛(内部標準を用いた
19F−NMR測定結果により、溶液中の含量を0.25mmolと算出した)のDMI溶液(10mL)に、実施例20と同様の濾過操作後、Pd
2(dba)
3(25mg,0.025mmol)、PPh
3(52.5mg,0.2mmol)、および2−ブロモナフタレン(47.1mg、0.23mmol)を加えた。この溶液を80℃で4時間撹拌した。内部標準を用いた
19F−NMRによって、以下の構造式のカップリング生成物を確認および定量した(収率83%)。
【化44】
19F NMR (372 MHz, DMI/C
6D
6中, 室温, δ/ppm): -133.0 (s, br, 2F), -128.7 (d, J
FF = 11.2 Hz, 1F), -120.7 (d, br, J
FF = 18.6 Hz, 2F), -110.5 (d, br, J
FF = 11.2 Hz, 2F).