(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
供給ポンプをさらに備え、前記ディスペンスポンプは前記供給ポンプの下流側にありかつ前記供給ポンプからの流体を受け取り、前記供給ポンプは、供給チャンバおよびこの供給チャンバ内で動作する供給段階ダイアフラムと、前記供給段階ダイアフラムを動作させるためのピストンと、前記ピストンを駆動するための供給モータと、を有し、前記供給モータは前記ポンプコントローラによって制御されることを特徴とする請求項4に記載のポンピングシステム。
ディスペンスチャンバおよびこのディスペンスチャンバ内で動作するディスペンス段階ダイアフラムと、前記ディスペンス段階ダイアフラムを動作させるためのピストンと、前記ピストンを駆動するためのディスペンスモータと、を有するディスペンスポンプをさらに備え、前記ディスペンスモータは前記ポンプコントローラによって制御されることを特徴とする請求項6に記載のポンピングシステム。
前記ディスペンス動作に作用する前記一組の要因はさらに、誤差体積、ディスペンス速度、ディスペンス時間、パージ体積、サックバック体積、ベント体積、プレディスペンス速度、プレディスペンス体積、前記ポンプの有効レンジ、ユーザー規定体積、あるいはその組み合わせを含み、前記ポンプの前記有効レンジは、前記ダイアフラムが大きな負荷を経験しない前記ポンプの線形領域を規定することを特徴とする請求項1に記載のポンピングシステム。
前記ディスペンス動作に作用する前記一組の要因はさらに、前記ディスペンス体積を変位させるための複数のカウントを備え、各カウントは前記ダイアフラムの変位に対応することを特徴とする請求項1に記載のポンピングシステム。
前記ポンプは、ディスペンスサイクルの濾過セグメントの完了後に前記定位置まで前記チャンバ内で前記ダイアフラムを動作させるために、前記ポンプコントローラによって制御されることを特徴とする請求項1に記載のポンピングシステム。
前記ポンプはさらにモータを備え、かつ、前記ダイアフラムは前記モータによって駆動され、前記モータは前記ポンプコントローラによって制御されることを特徴とする請求項1に記載のポンピングシステム。
前記ポンプはさらに位置センサを備え、前記モータは、前記位置センサからの実時間フィードバックを利用する前記ポンプコントローラによって制御されることを特徴とする請求項11に記載のポンピングシステム。
前記ユーザー選択ホールドアップ容積は、前記ポンプの有効レンジの外にある前記ポンプの容積に対応し、前記ポンプの前記有効レンジは、前記ダイアフラムが大きな負荷を経験しない前記ポンプの線形領域を規定することを特徴とする請求項13に記載の方法。
前記ディスペンス動作に作用する前記一組の要因はさらに、誤差体積、ディスペンス速度、ディスペンス時間、パージ体積、サックバック体積、ベント体積、プレディスペンス速度、プレディスペンス体積、前記ポンプの有効レンジ、ユーザー規定体積、あるいはその組み合わせを含み、前記ポンプの前記有効レンジは、前記ダイアフラムが大きな負荷を経験しない前記ポンプの線形領域を規定することを特徴とする請求項13に記載の方法。
前記ディスペンス動作に作用する前記一組の要因はさらに、前記ディスペンス体積を変位させるための複数のカウントを備え、各カウントは前記ダイアフラムの変位に対応することを特徴とする請求項13に記載の方法。
前記ポンプは、ディスペンスサイクルの濾過セグメントの完了後に前記定位置まで前記チャンバ内で前記ダイアフラムを動作させるために、前記ポンプコントローラによって制御されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
前記ポンプはさらにモータおよび位置センサを備え、かつ、前記ダイアフラムは前記モータによって駆動され、前記モータは前記位置センサからの実時間フィードバックを利用する前記ポンプコントローラによって制御されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の好ましい実施形態は、図において説明され、同一の番号は、様々な図の同一および対応する部分を参照するために用いられる。
【0019】
本発明の実施形態は、ポンプの停滞容積を減らすシステムおよび方法を提供する。より詳しくは、本発明の実施形態は、ディスペンスポンプおよび/または供給ポンプの停滞容積を減らす定位置を決定するシステムおよび方法を提供する。ダイアフラムのための定位置は、ディスペンスポンプおよび/または供給ポンプにあるチャンバの体積が、ディスペンスサイクルの様々なステップを行うのに充分な流体を含み、一方で停滞容積を最小限に留めるように選択され得る。さらに、ダイアフラムの定位置は、現実的な置換の効果的範囲を最適化するために選択され得る。
【0020】
図1は、ポンピングシステム10の概略図である。ポンピングシステム10は、流体源15、ポンプコントローラ20、および多段(「マルチステージ」)ポンプ100を備え、それらは協同して動作して、ウェーハ25に流体をディスペンスする。多段ポンプ100の動作は、ポンプコントローラ20によって制御され、該コントローラは、多段ポンプ100に搭載され得るか、または、制御信号、データ、または他の情報を通信するための1つ以上の通信リンクを介して多段ポンプ100に接続され得る。ポンプコントローラ20は、多段ポンプ100の動作を制御するための一組の制御命令30を包含する、コンピュータ可読媒体27(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、光学的ディスク、磁気ドライブ、または他のコンピュータ可読媒体)を備え得る。プロセッサ35(例えば、CPU、ASIC、RISC、または他のプロセッサ)は、該命令を実行し得る。
図1の実施形態において、コントローラ20は、通信リンク40および45を介して多段ポンプ100と通信する。通信リンク40および45は、ネットワーク(例えば、イーサネット(登録商標)、無線ネットワーク、グローバルエリアネットワーク、DeviceNetネットワーク、または当該技術分野で公知の、または開発された他のネットワーク)、バス(例えば、SCSIバス)、または他の通信リンクであり得る。ポンプコントローラ20は、適切なインターフェース(例えば、ネットワークインターフェース、I/Oインターフェース、AD変換機、および他のコンポーネント)を含み得、ポンプコントローラ20が多段ポンプ100と通信することを可能とする。ポンプコントローラ20は、プロセッサ、メモリ、インターフェース、ディスプレイデバイス、周辺機器、または他のコンピュータ成分を含む、当該技術分野で公知の様々なコンピュータコンポーネントを備えている。ポンプコントローラ20は、多段ポンプの様々なバルブおよびモータを制御し、多段ポンプに、低粘度流体(すなわち、5センチポイズ未満)または他の流体を含む流体を正確にディスペンスさせる。
図1が多段ポンプの例を用いるのに対して、ポンピングシステム10は、単段ポンプも用い得ることに留意されたい。
【0021】
図2は、多段ポンプ100の概略図である。多段ポンプ100は、供給段階部分105および別ディスペンス段階部分110を備える。流体の流れの点から見て、供給段階部分105とディスペンス段階部分110との間には、処理過程の流体から不純物を濾過するフィルタ120が配置されている。例えば、入口バルブ125、分離バルブ130、障壁バルブ135、パージバルブ140、排出バルブ145、および出口バルブ147を含むいくつものバルブは、多段ポンプ100を介する流体の流れを制御し得る。ディスペンス段階部分110は、さらにディスペンス段階110で流体の圧力を決定する圧力センサ112を備え得る。
【0022】
供給段階105およびディスペンス段階110は、多段ポンプ100に流体を汲み上げる回転ダイアフラムポンプを備え得る。供給段階ポンプ150(「供給ポンプ150」)は、例えば、流体を収集する供給チャンバ155、供給チャンバ155内を動き、流体を置換する供給段階ダイアフラム160、供給段階ダイアフラム160を動かすピストン165、導入スクリュー170、および供給モータ175を備える。導入スクリュー170は、ナット、ギア、またはモータから導入スクリュー170に動力を伝えるための他の機構を介して供給モータ175と結合する。一実施形態によれば、供給モータ175は、次に導入スクリュー170を回転させるナットを回転させ、ピストン165を動かす。ディスペンス段階ポンプ180(「ディスペンスポンプ180」)は、同様に、ディスペンスチャンバ185、ディスペンス段階ダイアフラム190、ピストン192、導入スクリュー195、およびディスペンスモータ200を備える。他の実施形態によれば、供給段階105およびディスペンス段階110は、それぞれ、空気式作動ポンプ、液圧ポンプ、または他のポンプを含む、様々な他のポンプを備え得る。供給段階のために空気式作動ポンプを用いる多段ポンプ、およびステッパモータ駆動式ディスペンスポンプの一例は、米国特許出願第11/051,576号に記述されており、その内容は本明細書中に参考として充分に援用される。
【0023】
供給モータ175およびディスペンスモータ200は、あらゆる適切なモータであり得る。一実施形態によれば、ディスペンスモータ200は、位置センサ203を伴う永久磁石同期モータ(「PMSM」)である。PMSMは、モータ200のフィールドオリエンテッド制御(「FOC」)、多段ポンプ100搭載のコントローラ、または分離式ポンプコントローラを利用して、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)によって制御され得る(例えば、
図1に表示)。位置センサ203は、モータ200の位置の実時間フィードバックのためのエンコーダ(例えば、ファインライン回転位置エンコーダ)であり得る。位置センサ203の使用は、ピストン192の位置の正確かつ反復可能な制御をもたらし、その結果として、ディスペンスチャンバ185の流体運動に対する正確かつ反復可能な制御につながる。例えば、2000ラインエンコーダを用いて、正確に.045度の回転を計測し、かつ制御することが可能である。さらに、PMSMは、微少または皆無の振動で、低速で運転し得る。供給モータ175は、PMSMまたはステッパモータでもあり得る。
【0024】
多段ポンプ100のバルブは、開閉され、多段ポンプ100の様々な部分への流体の流れを許可または制限する。一実施形態によれば、これらのバルブは、空気式作動(すなわち、気体駆動式)ダイアフラムバルブであり、圧力か、またはバキュームが加えられるかによって開閉する。しかし、本発明の他の実施形態において、あらゆる適切なバルブが用いられ得る。
【0025】
動作において、ディスペンスサイクル多段ポンプ100は、レディ(ready)セグメント、ディスペンスセグメント、充填セグメント、前濾過セグメント、濾過セグメント、排出セグメント、パージ(purge)セグメント、および静的パージセグメントを備える。追加のセグメントは、また、バルブ開閉の遅延を考慮するために含まれ得る。他の実施形態において、ディスペンスサイクル(すなわち、多段ポンプ100がウェーハにディスペンスする準備ができているときから、多段ポンプ100が前回のディスペンスの後に再びウェーハにディスペンスする準備ができているときまでの間の一連のセグメント)は、多少のセグメントを要求し得、また、様々なセグメントは、異なる順番で行われ得る。供給セグメントの間、入口バルブ125は開かれ、供給段階ポンプ150は供給段階ダイアフラム160を動かし(例えば、引き)、供給チャンバ155に流体を引き入れる。一度充分な量の流体が供給チャンバ155を満たすと、入口バルブ125は閉められる。濾過セグメントの間、供給段階ポンプ150は、供給段階ダイアフラム160を動かし、供給チャンバ155から流体を置換する。分離バルブ130および障壁バルブ135は開かれて、流体を、フィルタ120を介してディスペンスチャンバ185に流す。分離バルブ130は、一実施形態によれば、最初に(例えば、「前濾過セグメント」において)開かれ得、フィルタ120において圧力を高めさせ、その次に、障壁バルブ135は開かれて、流体をディスペンスチャンバ185に流し込ませる。さらに、ポンプ150は、ポンプ180が引っ込む前に、流体に圧力を加え得、これによっても、圧力が高められる。
【0026】
排出セグメントの始まりにおいて、分離バルブ130は開いており、障壁バルブ135は閉じており、排出バルブ145は開いている。別の実施形態において、障壁バルブ135は、排出セグメントの間、開いたままであり得、排出セグメントの終わりにおいて、閉まり得る。供給段階ポンプ150は、排気孔に流体を押しやることによって流体に圧力を加え、フィルタ120から開いた排出バルブ145を介して気泡を取り除く。供給段階ポンプ150は、予め定義されたレートで排出を起こさせるように制御され得、より長い排出時間とより低い排出レートを可能とする。この結果として、排出廃棄物の量の、正確な制御を可能とする。
【0027】
パージセグメントの始まりにおいて、分離バルブ130は閉じており、障壁バルブ135は、排出セグメントで開いているのなら、閉じており、排出バルブ145は閉じており、パージバルブ140は開いている。ディスペンスポンプ180は、ディスペンスチャンバ185内の流体に圧力を加える。該流体は、多段ポンプ100の外を経由し得、あるいは、流体供給器または供給ポンプ150に戻り得る。静的パージセグメントの間、ディスペンスポンプ180は、停止されるが、パージバルブ140は開いたままで、パージセグメント間に高まった圧力を軽減する。パージセグメントまたは静的パージセグメント間に取り除かれたあらゆる過剰な流体は、多段ポンプ100の外を経由し得(例えば、流体源に戻ったり、廃棄される)、または供給段階ポンプ150にリサイクルされ得る。レディセグメントの間、全てのバルブは閉められ得る。
【0028】
ディスペンスセグメントの間、出口バルブ147は開き、ディスペンスポンプ180は、ディスペンスチャンバ185内の流体に圧力を加える。出口バルブ147は、ディスペンスポンプ180よりも遅く制御に反応し得るので、出口バルブ147は、最初に開かれ得、所定の期間の経過後、ディスペンスモータ200は始動され得る。これは、ディスペンスポンプ180が、部分的に開いた出口バルブ147から流体を押し出すことを防ぐ。他の実施形態において、該ポンプは、出口バルブ147が開かれる前に始動され得、または、出口バルブ147は開かれ得、ディスペンスポンプ180によって、同時にディスペンスは始められ得る。
【0029】
追加のサックバック(suckback)セグメントが、行われ得、流体を引き戻すことによって、ディスペンスノズル内の過剰な流体が取り除かれる。サックバックセグメントの間、出口バルブ147は、閉じ得、過剰な流体を出口ノズルから吸い出すために、2次的モータまたはバキュームが用いられ得る。あるいは、出口バルブ147は、開いたままで、ディスペンスモータ200は、ディスペンスチャンバに流体を吸い戻すために逆回転され得る。サックバックセグメントは、ウェーハ上に過剰な流体をドリップすることを防ぐのに役立つ。
【0030】
図3A〜
図3Gは、多段ポンプ100が停滞容積を補償しない、様々なセグメントの動作の間の多段ポンプ100の概略図を提供する。例の目的で、ディスペンスポンプ180および供給ポンプ150は、それぞれ、最大20mL利用可能な容積を有し、ディスペンス処理は、4mLの流体をディスペンスし、排出セグメントは.5mLの流体を排出し、パージセグメント(静的パージを含む)は、1mLの流体をパージし、サックバック体積は1mLである。レディセグメントの間(
図3A)、分離バルブ130および障壁バルブ135は開いており、一方で入口バルブ125、排出バルブ145、パージバルブ140、および出口バルブ147は閉じている。ディスペンスポンプ180は、その最大体積(例えば、19ml)(すなわち、前回のサイクルからパージされた1mLを最大体積から差し引いたもの)に近づき得る。ディスペンスセグメントの間(
図3B)、分離バルブ130、障壁バルブ135、パージバルブ140、排出バルブ145、および入口バルブ125は閉じており、出口バルブ147は開いている。ディスペンスポンプ180は、予め定義された量の流体(例えば、4mL)をディスペンスする。この例において、ディスペンスセグメントの終わりに、ディスペンスポンプ180は、15mLの体積を有し得る。
【0031】
サックバックセグメント(
図3C)の間、ディスペンスセグメントの間にディスペンスされた流体の幾分か(例えば、1mL)は、ディスペンスポンプ180に吸い戻され得、ディスペンスノズルをきれいにする。例えば、これは、ディスペンスモータを逆回転させることによってなされ得る。他の実施形態において、追加の1mLの流体は、バキュームまたは別のポンプによって、ディスペンスノズルから取り除かれ得る。1mLがディスペンスポンプ180に吸い戻される例を用いて、サックバックセグメントの後、ディスペンスポンプ180は、16mLの体積を有し得る。
【0032】
供給セグメント(
図3D)において、出口バルブ147は、閉められ、入口バルブ125は、開いている。供給ポンプ150は、従来のシステムにおいて、流体をその最大体積(例えば、20mL)まで満たす。濾過セグメントの間、入口バルブ125は閉められ、分離バルブ130および障壁バルブ135は開かれる。供給ポンプ150は、供給ポンプ150からフィルタ120を介して流体を押し出し、その結果として、流体をディスペンスポンプ180に入れる。従来のシステムにおいて、ディスペンスポンプ180は、このセグメントの間、その最大体積(例えば、20mL)まで満たされる。ディスペンスセグメントの間、および前の例から続けて、供給ポンプ150は、4mLの流体を置換し、ディスペンスポンプ180が16mL(サックバックセグメントの終わりの体積)から20mL(ディスペンスポンプ180の最大体積)に満たされる。これは、供給ポンプ150に16mLの体積を残す。
【0033】
排出セグメント(
図3F)の間、障壁バルブ135は、閉じ得、または開き得、かつ、排出バルブ145は、開いている。供給ポンプ150は、予め定義された量の流体(例えば、.5mL)を置換し、フィルタ120に集積された過剰な流体または気泡を排出バルブ145から押し出す。このようにして、排出セグメントの終わりには、この例において、供給ポンプ150は15.5mLである。
【0034】
ディスペンスポンプ180は、パージセグメント(
図3G)の間、開いたパージバルブ140を介して、少量の流体(例えば、1mL)をパージし得る。該流体は、排泄され得るか、またはリサイクルされ得る。パージセグメントの終わりには、多段ポンプ100は、レディセグメントに戻り、ディスペンスポンプは19mLとなる。
【0035】
図3A〜
図3Gの例において、ディスペンスポンプ180は5mLの流体のみを用い、4mLは、ディスペンスセグメント(1mLはサックバックで回収される)で用いられ、1mLは、パージセグメントで用いられる。同様に、供給ポンプ150は、4mLのみを用いて濾過セグメントのディスペンスポンプ180を再び満たし(ディスペンスセグメントの間に再び満たす4mLから、サックバックの間に取り戻された1mLを引き、パージセグメントの間に再び満たす1mLを加えたもの)、排出セグメントにおいて.5mLを用いる。供給ポンプ150とディスペンスポンプ180とは両方とも、最大有効容積(例えば、それぞれ20mL)まで満たされるので、比較的大きな停滞容積がある。例えば、供給ポンプ150は、15.5mLの停滞容積を有し、ディスペンスポンプ180は、15mLの停滞容積を有し、合わせた停滞容積は30.5mLとなる。
【0036】
停滞容積は、流体がサックバックセグメントの間にディスペンスポンプに吸い戻されない場合、僅かに減らされる。この場合、ディスペンスポンプ180は、それでも5mLの流体を用い、4mLをディスペンスセグメントで、1mLをパージセグメントで用いる。しかし、上記の例を用いて、供給ポンプ150は、サックバックの間は取り戻されない1mLの流体を再び満たさなくてはならない。結果として、供給ポンプ150は、濾過セグメントの間、5mLの流体をディスペンスポンプ180に再び満たさなくてはならない。この場合、供給ポンプ150は、14.5mLの停滞容積を有し得、ディスペンスポンプ180は15mLの停滞容積を有し得る。
【0037】
本発明の実施形態は、停滞容積を減らすことによって、無駄になる流体を減らす。本発明の実施形態によれば、供給およびディスペンスポンプ定位置は、定義され得、その結果として、ディスペンスポンプの流体容積は、所定の「レシピ」(すなわち、ディスペンス動作に作用する一組の要因で、例えば、ディスペンスレート、ディスペンス時間、パージ体積、排出体積、または、ディスペンス動作に作用する他の要因を含む)、所定の最大レシピ、または所定の一連のレシピを取り扱うには充分となる。ポンプの定位置は、所定のサイクルに最大の有効容積を有するポンプの位置である。例えば、定位置は、ディスペンスサイクルの間、最大に許容できる体積を与えるダイアフラム位置であり得る。ポンプの定位置に対応する有効容積は、通常、ポンプに対する最大有効容積より少なくなり得る。
【0038】
上記の例を用いて、ディスペンスセグメントは4mL、パージセグメントは1mL、排出セグメントは.5mLの流体を用い、サックバックセグメントは1mLの流体を取り戻すと仮定すると、ディスペンスポンプによって要求される最大体積は:
V
DMax=V
D+V
P+e
1 [方程式1]
V
DMax=ディスペンスポンプに要求される最大体積
V
D=ディスペンスセグメントの間にディスペンスされた体積
V
P=パージセグメントの間にパージされた体積
e
1=ディスペンスポンプに加えられる誤差体積
供給ポンプ150に要求される最大体積は:
V
FMax=V
D+V
P+V
V−V
suckback+e
2 [方程式2]
V
FMax=ディスペンスポンプに要求される最大体積
V
D=ディスペンスセグメントの間にディスペンスされる体積
V
P=パージセグメントの間にパージされる体積
V
V=排出セグメントの間に排出される体積
V
suckback=サックバックの間に取り戻される体積
e
2=供給ポンプに加えられる誤差体積
誤差体積は、なにも加えられないと仮定し、上記の例を用いると、V
Dmax=4+1=5mLであり、V
FMax=4+1+.5−1=4.5mLである。ディスペンスポンプ180が、サックバックの間、流体を取り戻さない場合、V
suckback項は0に設定され得るか落とされ得る。e
1およびe
2はゼロ、予め定義された体積(例えば、1mL)、計算された体積、または他の誤差要因であり得る。e
1およびe
2は同一の値、または異なる値(前の例においてはゼロと仮定された)を有し得る。
【0039】
図3A〜
図3Gに戻りV
Dmax=5mLおよびV
FMax=4.5mLの例を用いると、レディセグメントの間(
図3A)、ディスペンスポンプ180は、4mLの体積を有し得、供給ポンプ150は、0mLの体積を有し得る。ディスペンスポンプ180は、ディスペンスセグメントの間(
図3B)、4mLの流体をディスペンスし、かつ、サックバックセグメントの間(
図3C)、1mLを取り戻す。供給セグメントの間(
図3D)、供給ポンプ150は、4.5mLまで再補給する。濾過セグメントの間(
図3E)、供給ポンプ150は、4mLの流体を置換し、ディスペンスポンプ180に5mLの流体を満たす。さらに、排出セグメントの間、供給ポンプ150は、.5mLの流体を排出し得る(
図3F)。ディスペンスポンプ180は、パースセグメントの間(
図3G)、1mLの流体をパージし得、該流体をレディセグメントに戻す。この例において、供給セグメントおよびディスペンスセグメントの流体は全て動かされるので、停滞容積は、なにもない。
【0040】
いくつかの異なるディスペンスレシピに用いられるポンプにとって、ディスペンスポンプおよび供給ポンプの定位置は、最大のレシピを取り扱い得る定位置として選択され得る。下記の表1は多段ポンプに対するサンプルレシピを提供する。
【0041】
【表1】
上記の例において、サックバックの間、流体はなにも取り戻されないと仮定される。少量の流体がディスペンスチャンバからディスペンスされる、予めのディスペンスサイクルがある、とも仮定される。例えば、予めのディスペンスサイクルは、ディスペンスノズルを介して流体を押し出し、ノズルをきれいにするのに用いられ得る。一実施形態によれば、ディスペンスポンプは、プレディスペンスとメインディスペンスとの間は再補給されない。この場合:
V
D=V
DPre+V
DMain
[方程式3]
V
DPre=プレディスペンスにおけるディスペンスの量
V
DMain=メインディスペンスの量
結果的に、ディスペンスダイアフラムの定位置は、4.5mL(3+1+5)の体積に対して設定され得、供給ポンプの定位置は、4.75mL(3+1+.5+.25)と設定され得る。これらの定位置により、ディスペンスポンプ180および供給ポンプ150は、レシピ1またはレシピ2に対して充分な容積を有し得る。
【0042】
別の実施形態によれば、ディスペンスポンプまたは供給ポンプの定位置は、アクティブなレシピまたはユーザー定義の位置に基づいて変わり得る。ユーザーがレシピを調整して、ポンプによって要求される最大体積を変えるか、または、ポンプが、ディスペンス動作において新しいアクティブなレシピを調整する場合、例えばレシピ2は4mLの流体を要求されるように変えることによって、ディスペンスポンプ(または供給ポンプ)は、手動または自動的に調整され得る。例えば、ディスペンスポンプダイアフラム位置は、ディスペンスポンプの容積を3mLから4mLに変えるように移動し得、また、特別な1mLの流体は、ディスペンスポンプに加えられ得る。ユーザーが低体積レシピを指定する場合、例えばレシピ2は2.5mLの流体のみを要求するように変えられる場合、ディスペンスポンプは、ディスペンスが実行されるまで待機し得、低く要求される新容積まで再補充し得る。
【0043】
供給ポンプまたはディスペンスポンプの定位置も、特定のポンプの効果的範囲を最適化することのような他の問題を補償するために調整され得る。特定のポンプダイアフラム(例えば、回転エッジダイアフラム、フラットダイアフラム、または当該技術分野で公知の他のダイアフラム)のための最大および最小範囲は、置換容体積、またはダイアフラムを駆動するための力に対して非線形になり得、なぜなら、ダイアフラムが、例えば伸びるか、または縮み始め得るからである。ポンプの定位置は、大きな流体容積のためには、応力が加わった位置に設定され得、大きな流体容積が要求されない場合は、低い応力位置に設定され得る。応力の問題について言及すると、ダイアフラムの定位置は、ダイアフラムを効果的範囲内に位置付けるように調節され得る。
【0044】
例として、10mLの容積を有するディスペンスポンプ180は、2mLから8mLの間に効果的範囲を有し得る。効果的範囲は、ダイアフラムが大きな負荷を経験しないディスペンスポンプの線形領域として定義され得る。
図4A〜
図4Cは、2mLから8mLの間に6mLの効果的範囲を有する10mLポンプに対する、ディスペンスダイアフラム(例えば、
図2のディスペンスダイアフラム190)の定位置を設定する3例の概略図を提供する。これらの例において、0mLは、ディスペンスポンプに10mLの利用可能な容積を有させ、かつ、10mL位置は、ディスペンスポンプに0mL容積を有させるダイアフラム位置を示すということに留意されたい。言い換えると、該0mL〜10mLスケールは置換された体積を指す。
【0045】
図4Aは、応力を受けていない6mLの効果的範囲(例えば、8mlから2mlの間)を有するポンプに対して、V
Dmax=3mLの最大体積とV
Dmax=1.5mLの最大体積を有するレシピを実行するポンプに対する定位置の概略図を提供する。この例において、ディスペンスポンプのダイアフラムは、ディスペンスポンプの体積が5mL(205において表示)になるように設定され得る。これは、応力を引き起こす0mLから2mLまたは8mLから10mLの使用を必要とすることなく、3mLのディスペンス処理に対する充分な体積を提供する。この例において、低体積で低効果の領域(すなわち、ポンプが、低い有効容積を有する低効果の領域)の2mL体積は、ポンプの最大V
Dmaxに加えられ、その結果、定位置は3mL+2mL=5mLとなる。このようにして、定位置は、ポンプの応力を受けていない効果的領域を占め得る。
【0046】
図4Bは、第2の例の概略図を提供する。この第2の例において、ディスペンスポンプは、8mLの最大体積ディスペンス処理および3mLの最大体積ディスペンス処理を実行する。この場合、低効果の領域のいくつかが使用されなくてはならない。従って、ダイアフラムの定位置は、両方の処理のために8mLの最大許容体積(210において表示)を提供するように設定され得る(すなわち、8mLの流体を許容する位置に設定され得る)。この場合、より少ない体積ディスペンス処理が、効果的範囲内全体で生ずる。
【0047】
図4Bの例において、定位置は、低体積で低効果の領域(すなわち、ポンプが空に近いときに起こる低効果の領域)を利用するために選択される。他の実施形態において、定位置は、高体積で低効果の領域内にあり得る。しかし、これは、低体積ディスペンスの一部が低効果の領域で起こり得、
図4Bの例では、いくらかの停滞容積があり得るということを意味する。
【0048】
図4Cの第3の例において、ディスペンスポンプは、9mLの最大体積ディスペンス処理および4mLの最大体積ディスペンス処理を実行する。再び、該処理の一部は、低効果の範囲で起こり得る。この例において、ディスペンスダイアフラムは、9mLの最大許容体積(例えば、215において表示)を提供する定位置に設定され得る。上述されるように、それぞれのレシピに対して同一の定位置が用いられた場合、4mLのディスペンス処理の一部は、低効果の範囲で起こり得る。他の実施形態によれば、定位置は、効果的領域への小さなディスペンス処理のためにリセットし得る。
【0049】
上記の例において、ポンプ内の低効果の領域の使用を防ぐため、小さな体積のディスペンス処理に対していくらかの停滞容積がある。ポンプは、該ポンプが、流れの精度がより重要ではない大きな体積のディスペンス処理のために、低効果の領域のみを用いるようにセットアップされ得る。これらの特徴は、(i)高精度を伴う低体積と、(ii)低精度を伴う高体積の組み合わせを最適化することを可能にする。効果的範囲は、その次に、所望される停滞容積とつり合いがとられ得る。
【0050】
図2に関連して論議されるように、ディスペンスポンプ180は、位置センサ203(例えば、回転エンコーダ)を伴うディスペンスモータ200を含み得る。位置センサ203は、導入スクリュー195の位置のフィードバックを提供し得、従って、導入スクリュー195の位置は、導入スクリューがダイアフラムを置換する、ディスペンスチャンバ185内の特定の有効容積に対応し得る。結果的に、ポンプコントローラは、導入スクリューのための位置を選択し得、その結果として、ディスペンスチャンバ内の体積は、少なくともV
DMaxになる。
【0051】
別の実施形態において、定位置は、ユーザー選択のもの、またはユーザーがプログラムしたものであり得る。例えば、グラフィカルユーザーインターフェースまたは他のインターフェースを用いて、ユーザーは、多段ポンプによって様々なディスペンス処理、またはアクティブディスペンス処理を実行するのに充分な、ユーザー選択の体積をプログラムし得る。一実施形態において、ユーザー選択の体積がV
dispense+V
purge未満の場合、誤差が戻され得る。ポンプコントローラ(例えば、ポンプコントローラ20)は、ユーザー特定の体積に、誤差体積を加え得る。例えば、ユーザーが、ユーザー特定の体積に5ccを選択する場合、ポンプコントローラ20は、誤差を考慮するために1ccを加え得る。このようにして、ポンプコントローラは、6ccの対応する有効容積を有するディスペンスポンプに対する定位置を選択し得る。
【0052】
これは、ポンプコントローラ20または搭載コントローラに格納され得る、対応する導入スクリューの位置に変換され得る。位置センサ203からのフィードバックを用いて、ディスペンスポンプ180は、正確に制御され、その結果として、濾過サイクルの終わりには、ディスペンスポンプ180は、その定位置に位置するようになる(すなわち、該ポンプ位置は、ディスペンスサイクルのための最大の有効容積を有する)。供給ポンプ150は、位置センサを用いて、同じようなやり方で制御され得るということに留意されたい。
【0053】
別の実施形態によれば、ディスペンスポンプ180および/または供給ポンプ150は、位置センサを伴わないステッパモータによって駆動され得る。ステッパモータの各ステップまたはカウントは、ダイアフラムの特定の置換に対応し得る。
図2の例を用いて、ディスペンスモータ200の各カウントは、ディスペンスダイアフラム190を特定の量に置換し得、従って、ディスペンスチャンバ185から特定量の流体を置換し得る。C
fullstrokeDが、ディスペンスチャンバ185が最大体積(例えば、20mL)を有する位置から0mLに、ディスペンスダイアフラムを置換するカウント(すなわち、運動の最大範囲を介して、ディスペンスダイアフラム190を動かすカウント数)である場合、C
Pは、V
Pを置換するカウント数であり、C
DはV
Dを置換するカウント数であり、そして、ステッパモータ200の定位置は、以下となり得る:
C
HomeD=C
fullstrokeD−(C
P+C
D+C
e1) [方程式3]
C
e1は、誤差体積に対応するカウント数である。
【0054】
同様に、C
fullstrokeFが、ディスペンスチャンバ155が最大体積(例えば、20mL)を有する位置から0mLに、供給ダイアフラム160を置換するカウント(すなわち、運動の最大範囲を介して、ディスペンスダイアフラム160を動かすカウント数)である場合、C
Sは、ディスペンスポンプ180で取り戻されたV
suckbackに対応する供給モータ175でのカウント数であり、C
Vは、V
Vを置換するための供給モータ175でのカウント数であり、供給モータ175の定位置は以下となり得る:
C
HomeF=C
fullstrokeF−(C
P+C
DーC
S+C
e2) [方程式4]
C
e2は、誤差体積に対応するカウント数である。
【0055】
図5A〜
図5Kは、本発明の別の実施形態による、多段ポンプ500に対する様々なセグメントの概略図を提供する。一実施形態によれば、多段ポンプ500は、供給段階ポンプ501(「供給ポンプ501」)、ディスペンス段階ポンプ502(「ディスペンスポンプ502」)、フィルタ504、入口バルブ506、および出口バルブ508を備える。入口バルブ506および出口バルブ508は、3方向バルブであり得る。以下に記述されるように、これは、入口バルブ506が、入口バルブと分離バルブの両方として用いられ、出口バルブ508が、出口バルブとパージバルブとして用いられることを可能とする。
【0056】
供給ポンプ501およびディスペンスポンプ502は、モータ駆動式ポンプ(例えば、ステッパモータ、ブラシレスDCモータ、または他のモータ)であり得る。510および512に示されるものは、それぞれ、供給ポンプ501およびディスペンスポンプ502のモータ位置である。モータ位置は、それぞれのポンプの供給チャンバまたはディスペンスチャンバで利用可能な対応する流体量によって示される。
図5A〜
図5Kの例において、各ポンプは、20ccの最大有効容積を有する。各セグメントに関して、流体の動きは、矢印によって図示される。
【0057】
図5Aは、レディセグメントでの多段ポンプ500の概略図である。この例において、供給ポンプ501は、7ccの有効容積を供給するモータ位置を有し、ディスペンスポンプ502は、6ccの有効容積を供給するモータ位置を有する。ディスペンスセグメントの間(
図5Bに図示)、ディスペンスポンプ502のモータは、出口バルブ508を介して5.5ccの流体を置換するために動く。ディスペンスポンプは、サックバックセグメント(
図5Cに図示)の間、.5ccの流体を取り戻す。パージセグメントの間(
図5Dに図示)、ディスペンスポンプ502は、出口バルブ508を介して1ccの流体を置換する。パージセグメントの間、ディスペンスポンプ502のモータは、ハードストップまで駆動され得る(すなわち、有効容積の0ccまで)。これは、モータが、その後のセグメントでの適切なステップ数に後退されることを保証する。
【0058】
排出セグメントにおいて(
図5Eに表示)、供給ポンプ501は、フィルタ502を介して少量の流体を押し得る。ディスペンスポンプ遅延セグメント(
図5Fに表示)、供給ポンプ501は、ディスペンスポンプ502が再び満たされる前に、ディスペンスポンプ502に流体を押し始め得る。これは、ディスペンスポンプ502を満たすのに役立つように僅かに流体の加圧を行い、フィルタ504内の負圧を防ぐ。過剰な流体は、出口バルブ508を介してパージされ得る。
【0059】
濾過セグメントの間(
図5Gに表示)、出口バルブ508は、閉じており、流体はディスペンスポンプ502を満たす。表示される例において、6ccの流体は、供給ポンプ501によってディスペンスポンプ502に動かされる。供給ポンプ501は、ディスペンスモータが停止した後、流体への加圧を保持し続け得る(例えば、
図5Hの供給遅延セグメントに示されるように)。
図5Hの例において、約.5ccの流体が供給ポンプ501に残っている。一実施形態によれば、供給ポンプ501は、
図5Iに示されるように、(例えば、0ccの有効容積を伴う)ハードストップまで駆動され得る。供給セグメントの間(
図5Jに図示)、供給ポンプ501は流体で再び満たされ、多段ポンプ500は、レディセグメントに戻る(
図5Kおよび
図5Aに表示)。
【0060】
図5A〜
図5Kの例において、パージセグメントは、
図2の実施形態における排出セグメントの後よりもむしろ、ディスペンスポンプ502をハードストップに持っていくサックバックセグメントの後に直ちに起こる。ディスペンス体積は5.5ccであり、サックバック体積は.5cc、また、パージ体積は1ccである。セグメントの順序に基づいて、ディスペンスポンプ502によって要求される最大体積は以下となる:
V
DMax=V
Dispense+V
Purge−V
Suckback+e
1 [方程式5]
ディスペンスポンプ502がステッパモータを利用する場合、特定のカウント数は、V
DMaxの置換という結果になり得る。ハードストップの位置(例えば0カウント)からV
DMaxに対応するカウント数までモータを戻すことによって、ディスペンスポンプは、V
DMaxの有効容積を有し得る。
【0061】
供給ポンプ501にとって、V
Ventは.5ccであり、供給ポンプ501をハードストップに持っていく.5ccの追加の誤差体積がある。方程式2によると:
V
FMax=5.5+1+.5−.5+.5
この例において、V
FMaxは7ccである。供給ポンプ501がステッパモータを用いる場合、ステッパモータは、再補給セグメントにおいて、7ccに対応するカウント数までハードストップの位置から戻され得る。この例において、供給ポンプ501は、最大20ccのうちの7ccを利用し、ディスペンスポンプ502は、最大20ccのうちの6ccを利用し、その結果として、27ccの停滞容積を省いた。
【0062】
図6は、ユーザー定義の体積を入力するためのユーザーインターフェース600を説明する概略図である。
図6の例において、フィールド602にいるユーザーは、ユーザー定義の体積を入力し得、ここでは10.000mLとなっている。誤差体積は、これに追加され得(例えば、1mL)、その結果として、ディスペンスポンプの定位置は、11mLの対応する有効容積を有するようになる。
図6は、ディスペンスポンプに対してユーザー選択の体積を設定することのみを図示しているが、他の実施形態においては、ユーザーは、供給ポンプに対しても体積を選択し得る。
【0063】
図7は、停滞容積を減らすようにポンプを制御する方法の、一実施形態の概略図である。本発明の実施形態は、例えば、供給ポンプおよびディスペンスポンプを制御するためのコンピュータプロセッサによって実行可能な、ソフトウェアプログラミングとして実装され得る。
【0064】
ステップ702にて、ユーザーは、ディスペンス動作のための1つ以上のパラメータを入力し、該パラメータは、多重ディスペンスサイクルを含み得、例えば、ディスペンス体積、パージ体積、排出体積、ディスペンスポンプ体積および/または供給ポンプに対するユーザー特定の体積、および他のパラメータを含む。パラメータは、異なるディスペンスサイクルに対する様々なレシピのためのパラメータを含み得る。ポンプコントローラ(例えば、
図1のポンプコントローラ)は、ユーザー特定の体積、ディスペンス体積、パージ体積、またはディスペンスサイクルと関係する他のパラメータを基にして、ディスペンスポンプの定位置を決定し得る。さらに、定位置の選択は、ディスペンスダイアフラムの運動の効果的範囲に基づき得る。同様に、ポンプコントローラは、供給ポンプの定位置を決定し得る。
【0065】
供給セグメントの間、供給ポンプは、プロセス流体を満たすように制御され得る。一実施形態によれば、供給ポンプは、その最大容積まで満たされ得る。別の実施形態によれば、供給ポンプは、供給ポンプの定位置まで満たされ得る(ステップ704)。排出セグメントの間、供給ポンプは、さらに、排出体積を有する流体を排出するように制御され得る(ステップ706)。
【0066】
濾過セグメントの間、供給ポンプは、ディスペンスポンプがその定位置に達するまで、プロセス流体への圧力を保持することにより、ディスペンスポンプを満たすよう制御される。ディスペンスポンプが定位置に達してディスペンスポンプを部分的に満たすまで、ディスペンスポンプ内のディスペンスダイアフラムは、動かされる(すなわち、ディスペンスポンプの最大有効容積未満の有効容積までディスペンスポンプを満たすこと)(ステップ708)。ディスペンスポンプがステッパモータを用いる場合、ディスペンスダイアフラムは、最初に、ハードストップまで持って行かれ得、ステッパモータは、ディスペンスポンプの定位置に対応するカウント数まで戻され得る。ディスペンスポンプが位置センサ(例えば、回転エンコーダ)を用いる場合、ダイアフラムの位置は、位置センサからのフィードバックを用いて制御され得る。
【0067】
ディスペンスポンプは、その次に少量の流体をパージするように命令され得る(ステップ710)。ディスペンスポンプは、さらに予め定義された量(例えば、ディスペンス体積)の流体をディスペンスするように制御され得る(ステップ712)。ディスペンスポンプは、さらに少量の流体をサックバックするように制御され得、または、流体は、別のポンプか、バキュームか、他の適切な機構によってディスペンスノズルから取り除かれ得る。
図7のステップは、異なる順序に前もって決められ得、また、必要に応じて、または所望されるように繰り返され得るということに留意されたい。
【0068】
多段ポンプの点から主に論議されたが、本発明の実施形態は、また、単段ポンプにも利用され得る。
図8は、単段ポンプ800の一実施形態の概略図である。単段ポンプ800は、ディスペンスポンプ802と、ディスペンスポンプ802とディスペンスノズル804との間のフィルタ820とを備え、プロセス流体から不純物を濾過する。いくつかのバルブは、単段ポンプ800を介して流体の流れを制御し得、例えば、パージバルブ840および出口バルブ847を含む。
【0069】
ディスペンスポンプ802は、例えば、流体を収集するディスペンスチャンバ855、ディスペンスチャンバ855内を動き、流体を置換するダイアフラム860、ディスペンス段階ダイアフラム860を動かすピストン865、導入スクリュー870、およびディスペンスモータ875を備え得る。導入スクリュー870は、ナット、ギア、またはモータから導入スクリュー870に動力を伝えるための他の機構を介してモータ875と結合する。一実施形態によれば、供給モータ875は、次に導入スクリュー870を回転させるナットを回転させ、ピストン865を動かす。他の実施形態によれば、ディスペンスポンプ802は、空気式作動ポンプ、液圧ポンプ、または他のポンプを含む、様々な他のポンプを備え得る。
【0070】
ディスペンスモータ875は、あらゆる適切なモータであり得る。一実施形態によれば、ディスペンスモータ875は、位置センサ880を伴うPMSMである。PMSMは、モータ875のDSP FOC、ポンプ搭載のコントローラ800、または分離式ポンプコントローラによって制御され得る(例えば、
図1に示すように)。位置センサ880は、モータ875の位置の実時間フィードバックのためのエンコーダ(例えば、ファインライン回転位置エンコーダ)であり得る。位置センサ880の使用は、ディスペンスポンプ802の位置の正確かつ反復可能な制御をもたらす。
【0071】
単段ポンプ800のバルブは、開閉され、単段ポンプ800の様々な部分への流体の流れを許可または制限する。一実施形態によれば、これらのバルブは、空気式作動(すなわち、気体駆動式)ダイアフラムバルブであり、加圧されるか、または減圧されるかによって開閉する。しかし、本発明の他の実施形態において、あらゆる適切なバルブが用いられ得る。
【0072】
動作において、単段ポンプ800のディスペンスサイクルは、レディセグメント、濾過/ディスペンスセグメント、排出/パージセグメント、および静的パージセグメントを含む。追加のセグメントは、また、バルブ開閉の遅延を考慮するために含まれ得る。他の実施形態において、ディスペンスサイクル(すなわち、単段ポンプ800がウェーハにディスペンスする準備ができているときから、単段ポンプ800が前回のディスペンスの後に再びウェーハにディスペンスする準備ができているときまでの間の一連のセグメント)は、より多くのまたはより少ないセグメントを要求し得、また、様々なセグメントは、異なる順番で行われ得る。
【0073】
供給セグメントの間、入口バルブ825は、開かれ、ディスペンスポンプ802はダイアフラム860を動かし(例えば、引き)、供給チャンバ855に流体を引き入れる。一度充分な量の流体が供給チャンバ855を満たすと、入口バルブ825は閉められる。ディスペンス/濾過セグメントの間、ポンプ802は、ダイアフラム860を動かし、供給チャンバ855から流体を置換する。出口バルブ847は、流体がフィルタ820を介してノズル804から流れ出ることを可能にするために開かれる。出口バルブ847は、ポンプ802がディスペンスを始める前か、後か、または同時に開かれ得る。
【0074】
パージ/排出セグメントの始まりにおいて、パージバルブ840は、開かれ、出口バルブ847は閉められている。ディスペンスポンプ802は、流体に圧力を加え、開いたパージバルブ840を介して流体を動かす。該流体は、単段ポンプ800の外を経由し得、あるいは、流体供給器またはディスペンスポンプ802に戻り得る。静的パージセグメントの間、ディスペンスポンプ802は、停止されるが、しかしパージバルブ140は開いたままで、パージセグメントの間に高まった圧力を軽減する。
【0075】
追加のサックバックセグメントが、行われ得、流体を引き戻すことによって、ディスペンスノズル内の過剰な流体が取り除かれる。サックバックセグメントの間、出口バルブ847は、閉じ得、過剰な流体を出口ノズル804から吸い出すために2次的モータまたはバキュームが用いられ得る。あるいは、出口バルブ847は、開いたままで、ディスペンスモータ875は、逆回転され得、ディスペンスチャンバに流体を吸い戻す。サックバックセグメントは、ウェーハ上に過剰な流体をドリップさせることを防ぐのに役立つ。
【0076】
ディスペンスサイクルの他のセグメントも行われ得、単段ポンプは、上述の順序で上述のセグメントを行うことに限定されないということに留意されたい。例えば、ディスペンスモータ875がステッパモータである場合、1つのセグメントが、供給セグメントの前に、モータをハードストップに持っていくために加えられ得る。さらに、結合したセグメント(例えば、パージ/排出)は、個別のセグメントとして行われ得る。他の実施形態によれば、ポンプは、サックバックセグメントを行い得ない。さらに、単段ポンプは、異なる構成を有し得る。例えば、単段ポンプは、フィルタを含み得ないか、または、パージバルブを有するよりむしろ、出口バルブ147の代わりにチェックバルブを有し得る。
【0077】
本発明の一実施形態によれば、充填セグメントの間、ディスペンスポンプ802は、定位置まで満たされ得、その結果として、ディスペンスチャンバ855は、ディスペンスサイクルのセグメントのそれぞれを行うのに充分な体積を有する。上記に挙げられる例において、定位置に対応する有効容積は、少なくとも、ディスペンス体積にパージ体積を加えたものとなる(すなわち、パージ/排出セグメントおよび静的パージセグメントの間に放出された体積)。ディスペンスチャンバ855に取り戻されたあらゆるサックバック体積は、ディスペンス体積およびパージ体積から減じられ得る。多段ステップのときと同様に、定位置は、1つ以上のレシピ、またはユーザー特定の体積に基づいて決定され得る。ディスペンスポンプの定位置に対応する有効容積は、ディスペンスポンプの最大有効容積より少なく、かつディスペンスサイクルにおけるディスペンスポンプの最大有効容積である。
【0078】
本発明が、特定の実施形態を参照して記述されてきたが、実施形態は実例になるものであり、本発明の範囲はこれらの実施形態に限定されないということを理解されたい。上述の実施形態に対する多くの変形、修正、追加、および改良が、可能である。これらの変形、修正、追加、および改良は、特許請求の範囲に詳述されるような、本発明の範囲に含まれるということに熟慮されたい。