(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の映像信号送信装置から所定数のリンク信号を受信し、所定数の色信号コンポーネントからなる動画像の映像信号を復元する映像信号受信装置のコンピュータを、
前記映像信号を構成する所定数の色信号コンポーネントのそれぞれに対応して、色信号基本イメージを復元する基本イメージ復元部と、
ソースイメージを復元するソースイメージ復元部と、
基本ストリームを復元する基本ストリーム復元部と、して機能させ、
前記基本ストリーム復元部は、前記リンク信号のビット長単位を所定ビット長に復号し、1本の前記リンク信号から同一または異なる色信号コンポーネントにおける所定数の基本ストリームを復元し、
前記基本イメージ復元部は、前記基本ストリーム毎に、前記基本ストリーム復元部により復元された基本ストリームから前記映像信号のデータを抽出し、前記映像信号のデータを画素として所定の順序で配列し、色信号基本イメージを復元し、
前記ソースイメージ復元部は、前記基本イメージ復元部により復元された同一の色信号コンポーネントにおける所定数の色信号基本イメージの画素を所定の順序で多重化し、色信号コンポーネントのソースイメージを復元し、
前記復元した所定数の色信号コンポーネントのソースイメージを映像信号として出力するように機能させるプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。
〔伝送システム〕
まず、本発明の第1の実施形態による映像信号送信装置及び映像信号受信装置を含む伝送システム100について説明する。
図1は、伝送システム100の概略構成を示すブロック図である。この伝送システム100は、映像信号送信装置1及び映像信号受信装置2を備えて構成される。映像信号送信装置1は、例えば、カメラ等からの映像信号を入力してリンク信号を生成し、映像信号受信装置2は、リンク信号を入力して映像信号を復元し、ディスプレイ等に出力する。映像信号送信装置1と映像信号受信装置2とは伝送路3を介して接続される。
【0028】
映像信号送信装置1は、1以上の色信号コンポーネントからなる動画像の映像信号を入力し、映像信号を構成する1以上の色信号コンポーネントについて、色信号コンポーネント毎に、所定数のサブイメージ(色信号サブイメージ)、基本イメージ(色信号基本イメージ)、基本ストリームを生成する。そして、映像信号送信装置1は、基本ストリームから所定速度のリンク信号を生成し、映像信号を、所定伝送速度の所定数のリンク信号として映像信号受信装置2へ送信する。ここで、色信号コンポーネントとは、赤・緑・青の三原色信号RGB、輝度・色差信号YC
BC
R、アルファチャンネル信号A等の各信号コンポーネントをいう。
【0029】
映像信号受信装置2は、映像信号送信装置1から、映像信号を所定伝送速度の所定数のリンク信号として受信する。そして、映像信号受信装置2は、映像信号送信装置1に対して逆の処理を行い、映像信号を構成する複数の色信号コンポーネントについて、色信号コンポーネント毎に、所定数の基本ストリーム、基本イメージ、サブイメージ及びソースイメージを生成し、映像信号を復元する。
【0030】
〔映像信号送信装置〕
次に、
図1に示した映像信号送信装置1について詳細に説明する。
図2は、映像信号送信装置1の構成を示すブロック図であり、
図3は、映像信号送信装置1の処理を説明するフローチャートである。この映像信号送信装置1は、サブイメージ生成部11、基本イメージ生成部12、基本ストリーム生成部13及びリンク信号生成部14を備えている。
【0031】
映像信号送信装置1が1以上の色信号コンポーネントからなる動画像の映像信号を入力すると(ステップS301)、サブイメージ生成部11は、映像信号を構成する色信号コンポーネント毎に、1フレームのソースイメージを分割して複数のサブイメージを生成し、色信号コンポーネント毎に生成した複数のサブイメージを基本イメージ生成部12に出力する(ステップS302)。具体的には、サブイメージ生成部11は、色信号コンポーネントのソースイメージを構成する画素を2次元的に均等間隔で取り出し、取り出した画素が所定の配置になるように、2次元的に配列した複数のサブイメージを生成する。生成された複数のサブイメージは、色信号コンポーネントに対応したものとなり、以降、色信号コンポーネントのサブイメージ毎に処理が行われる。
【0032】
例えば、映像信号が4:4:4の信号形式であり、RGBの3つの色信号コンポーネントにより構成されている場合、サブイメージ生成部11は、Rの色信号コンポーネントのソースイメージを構成する画素を、2次元的に4画素毎に取り出し、4つのサブイメージを生成する。同様に、サブイメージ生成部11は、G,Bの色信号コンポーネントのソースイメージを構成する画素を、2次元的に4画素毎に取り出し、4つのサブイメージをそれぞれ生成する。これにより、3つのソースイメージから12のサブイメージが生成される。詳細については後述する。
【0033】
基本イメージ生成部12は、サブイメージ生成部11により生成された色信号コンポーネント毎の複数のサブイメージを入力し、サブイメージ毎に、当該サブイメージを分割して複数の基本イメージを生成し、生成した複数の基本イメージを基本ストリーム生成部13に出力する(ステップS303)。具体的には、基本イメージ生成部12は、サブイメージを構成する画素を所定位置から取り出し、取り出した画素が所定の配置になるように、2次元的に配列した複数の基本イメージを生成する。尚、基本イメージ生成部12は、フレーム周波数の倍速化処理を行う場合、生成した複数の基本イメージに倍速化処理を施して複数の倍速基本イメージを生成し、生成した複数の倍速基本イメージを基本ストリーム生成部13に出力する。
【0034】
基本ストリーム生成部13は、基本イメージ生成部12により生成された基本イメージ(または倍速基本イメージ)から画素のラインデータを順次取り出し、取り出した画素のラインデータに制御データを付加し、1ワードを所定ビット数とした1ラインあたり所定ワード長の基本ストリームを生成する(ステップS304)。
【0035】
リンク信号生成部14は、基本ストリーム生成部13により生成された基本ストリーム(2つの異なる基本イメージからそれぞれ生成された2本の異なる基本ストリーム)に対して多重化処理(合成処理)を施し、バイト化による整列処理及び8B/10B符号化処理を施し、所定伝送速度のリンク信号を生成する(ステップS305)。そして、映像信号送信装置1は、リンク信号生成部14により生成された所定伝送速度の所定数のリンク信号を出力する(ステップS306)。このように、映像信号送信装置1は、複数の色信号コンポーネントからなる動画像の映像信号を、所定伝送速度の所定数のリンク信号として送信する。
【0036】
〔ソースイメージからリンク信号へのマッピング手順〕
次に、
図2に示した映像信号送信装置1が映像信号のソースイメージからサブイメージを生成し、基本イメージ(または倍速基本イメージ)、基本ストリーム及びリンク信号をそれぞれ生成する際のマッピング手順について説明する。以下に説明するマッピング手順は、映像信号のソースイメージが120Hzまたは60Hzのフレーム周波数で動作する場合に、120Hzのフレーム周波数で動作する基本イメージを生成し、10.692Gbit/sのリンク信号を生成する手順を示している。
【0037】
図4は、映像信号のソースイメージが8k(水平画素数)×4k(垂直ライン数)の画素からなり、120Hzのフレーム周波数で動作する場合のマッピング手順を説明する図である。映像信号を構成する色信号コンポーネントC1,C2,C3において、その1フレームのソースイメージは、8k×4kの画素からなり、120Hz(毎秒120フレーム)のフレーム周波数で動作する場合を想定する。色信号コンポーネント(C1,C2,C3)は、(G,B,R)、(Y,C
B,C
R)、(α,−,−)のいずれかである。尚、
図4に示すNについては、後述する
図9にて詳細に説明する。
図5についても同様である。
【0038】
図4に示すように、ソースイメージから、サブイメージ生成部11におけるステップS302の処理により、N個のサブイメージが生成され、このサブイメージは、4k×2kの画素からなり、120Hzのフレーム周波数で動作する。そして、サブイメージから、基本イメージ生成部12におけるステップS303の処理により、4つの基本イメージが生成され、この基本イメージは、2k×1kの画素からなり、120Hzのフレーム周波数で動作する。つまり、N個のサブイメージから、合計4N個の基本イメージが生成される。
【0039】
基本イメージから、基本ストリーム生成部13によるステップS304の処理により、基本ストリームが生成される。つまり、4N個の基本イメージから、対応する4N個の基本ストリームが生成される。そして、2系統の基本ストリームから、リンク信号生成部14によるステップS305の処理により、1本のリンク信号が生成され、このリンク信号は、10.692Gbit/sの速度にて伝送される。つまり、4N系統の基本ストリームから2N本のリンク信号が生成される。
【0040】
図5は、映像信号のソースイメージが8k×4kの画素からなり、60Hzのフレーム周波数で動作する場合のマッピング手順を説明する図である。映像信号を構成する色信号コンポーネントC1,C2,C3において、その1フレームのソースイメージは、8k×4kの画素からなり、60Hz(毎秒60フレーム)のフレーム周波数で動作する場合を想定する。
【0041】
図5に示すように、ソースイメージから、サブイメージ生成部11におけるステップS302の処理により、N個のサブイメージが生成され、このサブイメージは、4k×2kの画素からなり、60Hzのフレーム周波数で動作する。そして、サブイメージから、基本イメージ生成部12におけるステップS303の処理により、2k×1kの画素からなり、60Hzのフレーム周波数で動作する4つの基本イメージが生成され、そして、60Hzのフレーム周波数で動作する2つの基本イメージから、2k×1kの画素からなり、120Hzのフレーム周波数で動作する1つの倍速基本イメージが生成される。この場合、60Hzのフレーム周波数で動作する2つの基本イメージは、120Hzのフレーム周波数で動作する1つの倍速基本イメージの連続する2つのフレームを構成するようにマッピングされる。つまり、60Hzのフレーム周波数で動作する4N個の基本イメージから、120Hzのフレーム周波数で動作する2N個の倍速基本イメージが生成される。詳細については、後述する
図14A〜
図16Cにて説明する。
【0042】
基本イメージから、基本ストリーム生成部13によるステップS304の処理により、基本ストリームが生成される。つまり、2N個の倍速基本イメージから、対応する2N個の基本ストリームが生成される。そして、2系統の基本ストリームから、リンク信号生成部14によるステップS305の処理により、1本のリンク信号が生成され、このリンク信号は、10.692Gbit/sの速度にて伝送される。つまり、2N系統の基本ストリームからN本のリンク信号が生成される。
【0043】
〔サブイメージ生成部〕
次に、
図2に示したサブイメージ生成部11について詳細に説明する。前述のとおり、サブイメージ生成部11は、映像信号を構成する色信号コンポーネント毎に、1フレームのソースイメージを分割して複数のサブイメージを生成する。すなわち、サブイメージ生成部11は、色信号コンポーネントのソースイメージを構成する画素を2次元的に均等間隔で取り出し、取り出した画素が所定の配置になるように、2次元的に配列した複数のサブイメージを生成する。以下の説明では、ソースイメージを構成する画素は、12ビットで構成されているものとする。
【0044】
図6は、サブイメージ生成部11の処理(
図3に示したステップS302)を説明する図である。映像信号を構成するそれぞれの色信号コンポーネントのソースイメージにおいて、4画素からなる2次元の正方領域内の左上の画素に1が付番され、右上の画素に2が付番され、左下の画素に3が付番され、右下の画素に4が付番されている。サブイメージ生成部11は、色信号コンポーネントのソースイメージにおける4画素からなる2次元の正方領域毎に、番号1〜4の画素をそれぞれ取り出し、同じ番号の画素をそのままの配置で2次元的に配列し、4つのサブイメージを生成する。具体的には、サブイメージ生成部11は、ソースイメージの正方領域毎に番号1の画素を取り出し、サブイメージ1を生成する。同様に、サブイメージ生成部11は、ソースイメージの正方領域毎に番号2〜4の画素をそれぞれ取り出し、サブイメージ2〜4を生成する。すなわち、サブイメージ生成部11は、ソースイメージの偶数ライン(ライン0,2,・・・)上で隣り合うサンプル(番号1,2のサンプル)を、交互にサブイメージ1とサブイメージ2とにマッピングし、奇数ライン(ライン1,3,・・・)上で隣り合うサンプル(番号3,4)を、交互にサブイメージ3とサブイメージ4とにマッピングする。
【0045】
図7は、サブイメージ生成部11による色信号コンポーネント毎の処理(
図3のステップS302)を説明する図である。サブイメージ生成部11は、
図6に示した処理を、映像信号を構成する3つの色信号コンポーネントのソースイメージに対してそれぞれ行い、1つの色信号コンポーネントのソースイメージに対して4つのサブイメージを生成し、合計12のサブイメージを生成する。尚、
図6及び
図7では、1つのソースイメージから4つのサブイメージを生成する例を示したが、生成されるサブイメージの数は、色信号コンポーネントの種類と信号形式によって異なる。
【0046】
図8A〜
図8Cは、4:2:2形式の映像信号に対するサブイメージ生成部11の処理(
図3のステップS302)を説明する図である。4:2:2形式の映像信号は、輝度情報の色信号コンポーネントYと、B(青)の色差情報の色信号コンポーネントC
Bと、R(赤)の色差情報の色信号コンポーネントC
Rとの間の画素数比率が4:2:2の信号である。
【0047】
輝度情報の色信号コンポーネントYにおけるソースイメージは、
図6に示した番号1〜4の全ての画素位置にデータが存在する(
図8Aに示す輝度情報の色信号コンポーネントYにおけるソースイメージの斜線部分を参照)。したがって、
図8Aに示すように、輝度情報の色信号コンポーネントYにおけるソースイメージから、4つのサブイメージ1〜4(Y1〜Y4)が生成される。また、Bの色差情報の色信号コンポーネントC
Bにおけるソースイメージは、
図6に示した番号1〜4の画素位置のうち番号1,3の画素位置のみにデータが存在する(
図8Bに示すBの色差情報の色信号コンポーネントC
Bにおけるソースイメージの斜線部分を参照)。したがって、
図8Bに示すように、Bの色差情報の色信号コンポーネントC
Bにおけるソースイメージから、2つのサブイメージ1,3(C
B1,C
B3)が生成される。また、Rの色差情報の色信号コンポーネントC
Rにおけるソースイメージは、Bの色差情報の色信号コンポーネントC
Bにおけるソースイメージと同様に、
図6に示した番号1〜4の画素位置のうち番号1,3の画素位置のみにデータが存在する(
図8Cに示すRの色差情報の色信号コンポーネントC
Rにおけるソースイメージの斜線部分を参照)。したがって、
図8Cに示すように、Rの色差情報の色信号コンポーネントC
Rにおけるソースイメージから、2つのサブイメージ1,3(C
R1,C
R3)が生成される。
【0048】
このように、4:2:2形式の映像信号の場合、サブイメージ生成部11は、映像信号を構成する輝度情報の色信号コンポーネントYにおける1フレームのソースイメージから、4つのサブイメージを生成し、Bの色差情報の色信号コンポーネントC
Bにおけるソースイメージから、2つのサブイメージを生成し、Rの色差情報の色信号コンポーネントC
Rにおけるソースイメージから、2つのサブイメージを生成する。つまり、4:2:2形式の映像信号を構成する3種の色信号コンポーネントY,C
B,C
Rのソースイメージから、合計8つのサブイメージが生成される。
【0049】
図9は、色信号コンポーネントの種類と信号形式に応じた、8k×4kのソースイメージに対する4k×2kのサブイメージの数及び構成を示す図である。
図9において、サブイメージの数Nは、映像信号を構成する全ての色信号コンポーネントのソースイメージから生成されるサブイメージの合計数を示す。また、サブイメージの構成における「G」は緑の要素、「B」は青の要素、「R」は赤の要素をそれぞれ示し、「Y」は輝度、「C
B」は青の色差、「C
R」は赤の色差をそれぞれ示す。例えば、映像信号が4:4:4形式の場合、3種の色信号コンポーネントR,G,Bのソースイメージから、それぞれ4つのサブイメージが生成され、合計12のサブイメージが生成される。また、映像信号が4:2:0形式の場合、3種の色信号コンポーネントY,C
B,C
Rのソースイメージから、それぞれ4つ、1つ及び1つのサブイメージが生成され、合計6つのサブイメージが生成される。
【0050】
〔基本イメージ生成部〕
次に、
図2に示した基本イメージ生成部12について詳細に説明する。前述のとおり、基本イメージ生成部12は、サブイメージを分割して複数の基本イメージを生成する。すなわち、基本イメージ生成部12は、サブイメージを構成する画素を所定位置から取り出し、取り出した画素が所定の配置になるように、2次元的に配列した複数の基本イメージを生成する。
【0051】
図10は、基本イメージ生成部12による第1の処理(
図3に示したステップS303)を説明する図である。サブイメージにおいて、4画素からなる2次元の正方領域内の左上の画素に1が付番され、右上の画素に2が付番され、左下の画素に3が付番され、右下の画素に4が付番されている。基本イメージ生成部12は、第1の処理として、サブイメージにおける4画素からなる2次元の正方領域毎に、番号1〜4の画素をそれぞれ取り出し、同じ番号の画素をそのままの配置で2次元的に配列し、4つの基本イメージを生成する。具体的には、基本イメージ生成部12は、サブイメージの正方領域毎に番号1の画素を取り出し、基本イメージ1を生成する。同様に、基本イメージ生成部12は、サブイメージの正方領域毎に番号2〜4の画素をそれぞれ取り出し、基本イメージ2〜4をそれぞれ生成する。すなわち、基本イメージ生成部12は、サブイメージの偶数ライン(ライン0,2,・・・)上で隣り合うサンプル(番号1,2のサンプル)を、交互に基本イメージ1と基本イメージ2とにマッピングし、奇数ライン(ライン1,3,・・・)上で隣り合うサンプル(番号3,4)を、交互に基本イメージ3と基本イメージ4とにマッピングする。この第1の処理によれば、4画素からなる2次元の正方領域毎に画素を取り出すようにしたから、マッピング処理を簡易に実現することができ、マッピング処理の遅延時間を小さくすることができる。
【0052】
図11は、基本イメージ生成部12による第2の処理(
図3に示したステップS303)を説明する図である。サブイメージを、水平及び垂直方向にそれぞれ均等に4つの2次元の領域に分割した場合を想定し、左上の領域の画素群に1が付番され、右上の領域の画素群に2が付番され、左下の領域の画素群に3が付番され、右下の領域の画素群に4が付番されている。基本イメージ生成部12は、第2の処理として、サブイメージを番号1〜4の画素群の領域に分割し、それぞれの領域を取り出し、それぞれの領域を4つの基本イメージ1〜4として生成する。すなわち、基本イメージ生成部12は、サブイメージに対し、空間的に縦横方向(水平及び垂直方向)にそれぞれ2等分し、基本イメージ1〜4にマッピングする。この第2の処理によれば、高精細映像用の装置を、複数の低解像度映像用の装置の組み合わせにより構成する場合に都合が良い。つまり、高精細映像用の装置を用いることなく、複数の低解像度映像用の装置を用いて当該処理を実現することができる。
【0053】
図12は、基本イメージ生成部12による第3の処理(
図3に示したステップS303)を説明する図である。サブイメージを、水平方向に均等に4つの2次元の領域に分割した場合を想定し、左端の領域の画素群に1が付番され、中央左の領域の画素群に2が付番され、中央右の領域の画素群に3が付番され、右端の領域の画素群に4が付番されている。基本イメージ生成部12は、第3の処理として、サブイメージを番号1〜4の画素群の領域に分割し、それぞれの領域を取り出し、それぞれの領域について多重化処理を施し4つの基本イメージ1〜4を生成する。このとき、分割されたサブイメージの各領域の水平画素数が基本イメージの水平画素数の1/2倍、分割されたサブイメージの各領域の垂直ライン数が基本イメージの垂直ライン数の2倍になっているため、分割されたサブイメージの各領域の2ライン分を基本イメージの1ラインにマッピングする。この第3の処理によれば、高精細映像の信号処理を低速の並列処理によって行う場合に都合が良い。
【0054】
図13Aは、
図12に示した基本イメージ生成部12による第3の処理において、ライン毎の多重化処理を説明する図である。基本イメージ生成部12は、分割したサブイメージの各領域について、分割領域の第1ラインを基本イメージの第1ラインの左半分に、分割領域の第2ラインを基本イメージの第1ラインの右半分にマッピングする。
図13Bは、
図12に示した基本イメージ生成部12による第3の処理において、画素毎の多重化処理を説明する図である。基本イメージ生成部12は、分割したサブイメージの各領域について、分割領域の第1ラインと第2ラインの画素を交互に基本イメージの第1ラインにマッピングする。すなわち、基本イメージ生成部12は、サブイメージに対し、空間的に横方向(水平方向)に4等分し、基本イメージ1〜4にマッピングする。
【0055】
図14A〜
図14Cは、基本イメージ生成部12による第1の倍速化処理(
図3に示したステップS303)を説明する図である。尚、基本イメージ生成部12は、生成した基本イメージのフレーム周波数を倍速化しない場合には、以下に示す倍速化処理を行わず、
図10に示した第1の処理、
図11に示した第2の処理または
図12に示した第3の処理のみを行う。この倍速化処理は、例えば、ソースイメージのフレーム周波数が60Hzの場合、基本イメージ生成部12が生成したフレーム周波数60Hzの基本イメージを、フレーム周波数120Hzに倍速化する処理を示している。ソースイメージのフレーム周波数が60Hzである場合に、基本イメージ生成部12は、
図10に示した第1の処理、
図11に示した第2の処理または
図12に示した第3の処理により生成したフレーム周波数60Hzで動作する基本イメージ1及び基本イメージ2に対し、倍速化処理によってフレーム毎の多重化処理(合成処理)を行い、120Hzのフレーム周波数にて動作する倍速基本イメージを生成する。すなわち、基本イメージ1の第1フレームと基本イメージ2の第1フレームが、倍速基本イメージ1の第1フレームと第2フレームにそれぞれ多重化され、基本イメージ1の第2フレームと基本イメージ2の第2フレームが、倍速基本イメージ1の第3フレームと第4フレームにそれぞれ多重化されるように、2つの基本イメージ1,2のフレームが、1つの倍速基本イメージ1の連続する2つのフレームに多重化される。同様に、基本イメージ3のフレームと基本イメージ4のフレームが、倍速基本イメージ2の連続する2つのフレームに多重化される。
【0056】
すなわち、ソースイメージのフレーム周波数が60Hzの場合、基本イメージ生成部12は、
図10に示した第1の処理、
図11に示した第2の処理または
図12に示した第3の処理によってフレーム周波数60Hzの基本イメージ1,2,3,4を生成した後に、2つの基本イメージのフレームを、フレーム周波数120Hzで動作する倍速基本イメージのフレームに交互に多重化することで、当該映像信号送信装置1が入力した映像信号に対して2倍のフレーム周波数の倍速基本イメージとして扱う。例えば、当該映像信号送信装置1が入力した映像信号のフレーム周波数が60Hzの場合、基本イメージ生成部12は、フレーム周波数が120Hzの倍速基本イメージとして扱う。
【0057】
図15は、基本イメージ生成部12による第2の倍速化処理(
図3に示したステップS303)を説明する図であり、
図16A〜
図16Cは、その詳細を説明する図である。第2の倍速化処理は、
図14A〜
図14Cに示した第1の倍速化処理と同様に、基本イメージのフレーム周波数を倍速化しない場合には、以下に示す倍速化処理を行わず、
図10に示した第1の処理、
図11に示した第2の処理または
図12に示した第3の処理のみが行われる。
図15及び
図16A〜
図16Cは、ソースイメージのフレーム周波数が60Hzの場合、基本イメージ生成部12が生成したフレーム周波数60Hzの基本イメージを、フレーム周波数120Hzに倍速化する処理を示している。ソースイメージのフレーム周波数が60Hzである場合に、基本イメージ生成部12は、
図10に示した第1の処理、
図11に示した第2の処理または
図12に示した第3の処理により生成したフレーム周波数60Hzで動作する2つの基本イメージに対し、倍速化処理によってライン毎の多重化処理(合成処理)を行い、120Hzのフレーム周波数にて動作する倍速基本イメージを生成する。
【0058】
基本イメージ生成部12の第1の処理、第2の処理または第3の処理により生成されたフレーム周波数60Hzの基本イメージ1において、偶数番(0,2,…,1078)のラインの画素に1が付番され、奇数番(1、3,…, 1079)のラインの画素に2が付番されており、基本イメージ2において、偶数番のラインの画素に3が付番され、奇数番のラインの画素に4が付番されている。基本イメージ生成部12は、第2の倍速化処理として、フレーム周波数60Hzの2つの基本イメージ1,2を垂直方向に均等の2領域(上半分の領域及び下半分の領域)に分割し、2つの基本イメージ1,2における上半分の領域をライン毎に多重化(合成)して倍速基本イメージ1の第1フレームを生成する。そして、基本イメージ生成部12は、2つの基本イメージ1,2における下半分の領域をライン毎に多重化して倍速基本イメージ1の第2フレームを生成する。同様に、基本イメージ生成部12は、2つの基本イメージ3,4を垂直方向に均等の2領域(上半分の領域及び下半分の領域)に分割し、2つの基本イメージ3,4における上半分の領域をライン毎に多重化して倍速基本イメージ2の第1フレームを生成する。そして、基本イメージ生成部12は、2つの基本イメージ3,4における下半分の領域をライン毎に多重化して倍速基本イメージ2の第2フレームを生成する。
【0059】
すなわち、ソースイメージのフレーム周波数が60Hzの場合、基本イメージ生成部12は、
図10に示した第1の処理、
図11に示した第2の処理または
図12に示した第3の処理によってフレーム周波数60Hzの基本イメージを生成した後に、2つの基本イメージのラインを交互に抽出して所定の配置に配列することで、フレーム周波数120Hzで動作する倍速基本イメージにマッピングすると共に、他の2つの基本イメージのラインを交互に抽出して所定の配置に配列することで、倍速基本イメージにマッピングし、倍速基本イメージを、当該映像信号送信装置1が入力した映像信号に対して2倍のフレーム周波数の信号として扱う。例えば、当該映像信号送信装置1が入力した映像信号のフレーム周波数が60Hzの場合、基本イメージ生成部12は、倍速基本イメージをそれぞれフレーム周波数が120Hzの信号として扱う。この場合、基本イメージ1,2のライン0〜1079がそれぞれ同時に1/60秒で走査されているから、基本イメージ1のライン0〜539及び基本イメージ2のライン0〜539は、それぞれ1/120秒で走査され、これらをライン毎に多重化した倍速基本イメージ1の第1フレームは、1/120秒の信号となる。同様に、基本イメージ1のライン540〜1079及び基本イメージ2のライン540〜1079をライン毎に多重化した倍速基本イメージ1の第2フレームは、倍速基本イメージ1の第1フレームに続く1/120秒の信号となる。基本イメージ3,4についても同様である。
【0060】
尚、基本イメージ生成部12は、基本イメージ1,2から倍速基本イメージ1を生成し、基本イメージ3,4から倍速基本イメージ2を生成するようにしたが、元の2つの基本イメージの組合せはこれに限定されるものではない。例えば、基本イメージ生成部12は、基本イメージ1,4から倍速基本イメージ1を生成し、基本イメージ2,3から倍速基本イメージ2を生成するようにしてもよい。
【0061】
このように、基本イメージ生成部12によれば、当該映像信号送信装置1が入力した映像信号のフレーム周波数が120Hzの場合、
図10に示した第1の処理、
図11に示した第2の処理または
図12に示した第3の処理を行うことで、120Hzのフレーム周波数で動作する基本イメージを生成することができる。また、基本イメージ生成部12によれば、当該映像信号送信装置1が入力した映像信号のフレーム周波数が60Hzの場合、
図10に示した第1の処理、
図11に示した第2の処理または
図12に示した第3の処理によって生成したフレーム周波数60Hzで動作する基本イメージに対し、
図14A〜
図14Cに示した第1の倍速化処理または
図15及び
図16A〜
図16Cに示した第2の倍速化処理を行うことで、120Hzのフレーム周波数で動作する倍速基本イメージを生成することができる。
【0062】
〔基本ストリーム生成部〕
次に、
図2に示した基本ストリーム生成部13について詳細に説明する。前述のとおり、基本ストリーム生成部13は、フレーム周波数120Hzで動作する2k×1kの基本イメージ(または倍速基本イメージ)から画素のラインデータを取り出し、ラインデータに制御データを付加し、1ワードをソースイメージの画素ビット数に等しい12ビットとした1ラインあたり所定ワード長の基本ストリームを生成する。
【0063】
図17A及び
図17Bは、基本ストリーム生成部13の処理(
図3に示したステップS304)を説明する図である。基本ストリーム生成部13は、2k×1kの画素からなる基本イメージ(または倍速基本イメージ)に対し、横方向(水平方向)のライン毎に2k(2048)の画素を取り出す。そして、基本ストリーム生成部13は、取り出した画素のデータD0000〜D2047に、タイミング基準信号等の制御データEAV(End of Active Video)、LN(Line Number)、PID(Payload ID)、CR(Cyclic Redundancy check code)、H−BLK(Horizontal Blanking)及びSAV(Start of Active Video)を付加し、1ワードを12ビットとして合計2200ワード長の基本ストリームをライン毎に構成する。ここで、映像信号のソースイメージを構成する画素は、前述のとおり、12ビットで構成されている。また、2200ワードは、1080/60HDTVシステムのHD−SDIのワード長に合わせたものである。
【0064】
〔リンク信号生成部〕
次に、
図2に示したリンク信号生成部14について詳細に説明する。前述のとおり、リンク信号生成部14は、2つの異なる基本イメージからそれぞれ生成された2本の異なる基本ストリームに対し多重化処理(合成処理)を施し、バイト化による整列処理及び8B/10B符号化処理を施し、10.692Gbit/sのリンク信号を生成する。10.692Gbit/sは、SMPTE435−1に規定されるインタフェース速度に等しいため、既存の送受信デバイスを活用することができる。
【0065】
図18は、リンク信号生成部14の処理(
図3に示したステップS305)を説明する図であり、
図19は、リンク信号生成部14の処理の詳細を説明する図である。リンク信号生成部14は、2つの異なる基本イメージに対応した2系統のCH−1及びCH−2の基本ストリームをそれぞれ入力する。そして、リンク信号生成部14は、CH−1の基本ストリームにおける1ワードのデータ及びCH−2の基本ストリームにおける1ワードのデータに対し、多重化処理を施す(ステップS1901)。多重化処理は、基本ストリームの最前部から最後部まで、1ワード毎に順番に行われる。
【0066】
リンク信号生成部14は、多重化した2ワードのデータに対しバイト化による整列処理を施し、1ワードを8ビットとした合計3ワードのデータを生成する(ステップS1902)。具体的には、
図19に示すように、リンク信号生成部14は、CH−1の基本ストリームにおける1ワード(D0:0−11)のデータのうちの下位8ビット(D0:0−7)と、CH−1の基本ストリームにおける1ワード(D0:1−11)のデータのうちの上位4ビット(D0:8−11)及びCH−2の基本ストリームにおける1ワード(D1:0−11)のデータのうちの下位4ビット(D1:0−3)の合計8ビット(D0:8−11,D1:0−3)と、CH−2の基本ストリームにおける1ワードのデータのうちの上位8ビット(D1:4−11)とを、1ワードを8ビットとした合計3ワードのデータとして生成する。
【0067】
リンク信号生成部14は、1ワードを8ビットとした合計3ワードのデータ毎に、8B/10B符号化処理を施し、1ワードを10ビットとした合計3ワードのデータを生成する(ステップS1903)。そして、リンク信号生成部14は、CH−1の基本ストリーム及びCH−2の基本ストリームの最前部から最後部まで、ステップS1901〜ステップS1903の処理を行い、1ワードを10ビットとして6600ワードのデータを生成し、これに1320ワードのスタッフデータ(Stuffing)を付加し、
図18に示すように、1ラインあたり7920ワードからなる10.692Gbit/sのリンク信号を生成する。リンク信号の速度が10.692Gbit/sとなるのは、1ラインあたりのビット数が7920ワード×10ビット=79200ビットであり、ライン数が1080+45(V−BLK(垂直ブランキング)のライン数)=1125ラインであり、フレーム周波数が120Hzであり、79200×1125×120=10.692Gbit/sとなるからである。
【0068】
尚、リンク信号生成部14は、2つの異なる基本イメージに対応した2系統のCH−1及びCH−2の基本ストリームを入力するようにしたが、CH−1の基本ストリーム及びCH−2の基本ストリームは、基本イメージのうちのいずれか2つの基本イメージに対応したものであればよく、2つの基本イメージがそれぞれ異なる色信号コンポーネントの異なるサブイメージから生成されたものであってもよい。どの基本ストリームを組み合わせてリンク信号を生成するかは、インタフェースを具備する映像信号送信装置1の製造上または運用上の要件から決定すればよく、前記PIDを用いることで、リンク信号を構成する基本ストリームの属性(色信号コンポーネント、ソースイメージ、サブイメージ、基本イメージ、分割法等)を識別することができる。
【0069】
図20は、8k×4kの入力映像信号の種々の形式に対するリンク信号の数を示す図である。10.692Gbit/sのリンク信号の数の欄において、120Hz及び60Hzは、当該映像信号送信装置1が入力する映像信号のフレーム周波数を示す。例えば、リンク信号の数は、映像信号が4:4:4形式の色信号コンポーネント(G,B,R)であってそのフレーム周波数が120Hzの場合、24本であり、同様にフレーム周波数が60Hzの場合、12本である。また、映像信号が4:2:0形式の色信号コンポーネント(Y,C
B,C
R)であってそのフレーム周波数が120Hzの場合、12本であり、同様にフレーム周波数が60Hzの場合、6本である。これらのリンク信号の数は、
図4及び
図5に示したように、サブイメージの数をNとして、映像信号のフレーム周波数が120Hzの場合に2N本であり、60Hzの場合にN本であることに対応している。
【0070】
〔映像信号の形式がDGの場合〕
次に、
図2に示した映像信号送信装置1の処理の具体例として、8k×4kの入力映像信号の形式がDG(Dual Green)の場合について説明する。DG形式の映像信号は、水平2画素×垂直2画素の4画素の領域に対して、G信号が斜めに配置された2画素、B信号とR信号が各1画素のRGBの色信号コンポーネントにより構成される。このため、
図9における信号形式DGのサブイメージの構成G1,G4,B3,R2を参照して、サブイメージ生成部11により、Rの色信号コンポーネントのソースイメージから1つのサブイメージが生成され、Gの色信号コンポーネントのソースイメージから2つのサブイメージが生成され、Bの色信号コンポーネントのソースイメージから1つのサブイメージが生成される。また、基本イメージ生成部12により、Rの色信号コンポーネントにおける1つのサブイメージ、Gの色信号コンポーネントにおける2つのサブイメージ、及びBの色信号コンポーネントにおける1つのサブイメージ毎に、それぞれ4つの基本イメージが生成される。フレーム周波数が60Hzの場合は、前述の倍速化処理によって120Hzの倍速基本イメージが生成される。
【0071】
画素が10ビットで構成される場合、12ビットの画素として扱うために、映像信号における画素の10ビットのデータをMSB側にマッピングし、0の値を残りのLSB側にマッピングする。これにより、映像信号送信装置1は、12ビットの画素と同様に扱うことができる。
【0072】
〔映像信号が4k×2kの場合〕
次に、入力映像信号が4k×2kの画素からなる場合について説明する。
図21は、映像信号を構成する1以上の色信号コンポーネントのうちの1つの色信号コンポーネントにおいて、その1フレームのソースイメージが4k(水平画素数)×2k(垂直ライン数)の画素からなり、120Hz(毎秒120フレーム)のフレーム周波数で動作する場合のマッピング手順を説明する図である。尚、
図21に示すMについては、後述する
図23にて詳細に説明する。
【0073】
この場合、4k×2kのソースイメージは、サブイメージ生成部11におけるステップS302の処理により、M個の2k×1kのサブイメージに分割される。2k×1kのサブイメージは基本イメージに相当するため、この処理は、
図10に示した基本イメージ生成部12による第1の処理(S303)に相当する。生成される基本イメージの数及び構成は、入力映像の信号形式に依存する。
【0074】
図23は、色信号コンポーネントの種類と信号形式に応じた、4k×2kのソースイメージに対する2k×1kの基本イメージの数及び構成を示す図である。
図23において、基本イメージの数Mは、映像信号を構成する全ての色信号コンポーネントのソースイメージから生成される基本イメージの合計数を示す。また、基本イメージの構成における「g」は緑の要素、「b」は青の要素、「r」は赤の要素をそれぞれ示し、「y」は輝度、「cb」は青の色差、「cr」は赤の色差をそれぞれ示す。例えば、映像信号が4:4:4形式の色信号コンポーネント(G,B,R)の場合、3種の色信号コンポーネントR,G,Bのソースイメージから、それぞれ4つの基本イメージが生成され、合計12の基本イメージが生成される。また、映像信号が4:2:0形式の色信号コンポーネント(Y,C
B,C
R)の場合、3種の色信号コンポーネントY,C
B,C
Rのソースイメージから、それぞれ4つ、1つ及び1つの基本イメージが生成され、合計6つの基本イメージが生成される。
【0075】
基本イメージから、基本ストリーム生成部13によるステップS304の処理により、基本ストリームが生成される。つまり、M個の基本イメージから、対応するM個の基本ストリームが生成される。そして、2系統の基本ストリームから、リンク信号生成部14によるステップS305の処理により、1本のリンク信号が生成され、このリンク信号は、10.692Gbit/sの速度にて伝送される。つまり、M系統の基本ストリームからM/2本のリンク信号が生成される。
【0076】
図22は、映像信号のソースイメージが4k×2kの画素からなり、60Hzのフレーム周波数で動作する場合のマッピング手順を説明する図である。4k×2kのソースイメージは、サブイメージ生成部11におけるステップS302の処理により、M個の2k×1kのサブイメージに分割される。2k×1kのサブイメージは基本イメージに相当するため、この処理は、
図10に示した基本イメージ生成部12による第1の処理(S303)に相当する。そして、基本イメージ生成部12により、フレーム周波数60Hzの基本イメージをフレーム周波数120Hzで扱うための第1または第2の倍速化処理にて、倍速基本イメージが生成される。
【0077】
倍速基本イメージから、基本ストリーム生成部13によるステップS304の処理により、基本ストリームが生成される。つまり、M個の基本イメージから、M/2個の倍速基本イメージが生成され、対応するM/2個の基本ストリームが生成される。そして、2系統の基本ストリームから、リンク信号生成部14によるステップS305の処理により、1本のリンク信号が生成され、このリンク信号は、10.692Gbit/sの速度にて伝送される。つまり、M/2系統の基本ストリームからL=M/4本のリンク信号が生成される。ただし、信号形式が4:2:0の場合(M=6)は、3個の基本ストリームが生成され、4個の基本ストリームが生成される4:2:2の場合(M=8)と同様に、合計リンク数は2となる。
【0078】
図24は、4k×2kの入力映像信号の種々の形式に対するリンク信号の数を示す図である。10.692Gbit/sのリンク信号の数の欄において、120Hz及び60Hzは、当該映像信号送信装置1が入力する映像信号のフレーム周波数を示す。例えば、リンク信号の数は、映像信号が4:4:4形式の色信号コンポーネント(G,B,R)であってそのフレーム周波数が120Hzの場合、6本であり、同様にフレーム周波数が60Hzの場合、3本である。また、映像信号が4:2:0形式の色信号コンポーネント(Y,C
B,C
R)であってそのフレーム周波数が120Hzの場合、3本であり、同様にフレーム周波数が60Hzの場合、2本である。
【0079】
以上のように、本発明の第1の実施形態による映像信号送信装置1によれば、映像信号を構成する1以上の色信号コンポーネントのそれぞれについて、映像信号の形式に応じた数のサブイメージ、基本イメージ及び基本ストリームを生成し、所定数のリンク信号を送信するようにした。すなわち、サブイメージ生成部11、基本イメージ生成部12及び基本ストリーム生成部13は、色信号コンポーネント毎に処理を行うようにした。これにより、複数の色信号コンポーネントのそれぞれを独立した映像ストリームとして扱うことができ、種々の形式の映像信号を柔軟に扱うことができる。また、映像信号の形式に応じた色信号コンポーネント間の画素・ビット単位でのマッピング処理を行う必要がない。具体的には、基本ストリーム生成部13は、色信号コンポーネント毎の所定数の基本イメージを、1ワードを12ビットとした基本ストリームとして生成する。したがって、色信号コンポーネント間の画素・ビット単位での多重化処理及び色信号コンポーネントの画素をビット毎に組み替える処理が不要になり、映像信号の形式に応じた処理も不要になるから、映像信号の形式に依存することなく共通した簡易な処理にて、1画素が12ビットにより構成される映像信号を、10.692Gbit/sの複数のリンク信号として送信することができる。
【0080】
また、本発明の第1の実施形態による映像信号送信装置1によれば、基本イメージ生成部12は、映像信号のフレーム周波数が120Hzの場合のみならず、映像信号のフレーム周波数が60Hzの場合であっても、120Hzのフレーム周波数で動作する基本イメージを生成するようにした。例えば、基本イメージ生成部12は、フレーム周波数が60Hzで動作するサブイメージに対し、基本イメージを120Hzのフレーム周波数で動作させるようにした。これにより、60Hzに加え120Hzの高フレーム周波数の映像信号も扱うことができると共に、基本イメージを生成した後の基本ストリーム生成部13及びリンク信号生成部14の処理を、映像信号のフレーム周波数が60Hz及び120Hzの場合に共通化することができる。したがって、フレーム周波数が120Hzの映像信号と60Hzの映像信号とが混在する場合であっても、共通の伝送クロックのインタフェースを使用することが可能となる。
【0081】
また、本発明の第1の実施形態による映像信号送信装置1によれば、サブイメージ生成部11、基本イメージ生成部12、基本ストリーム生成部13及びリンク信号生成部14は、映像信号の信号形式に応じた数のサブイメージ、基本イメージ、基本ストリーム及びリンク信号をそれぞれ生成するようにした。SMPTE2036−3の規格では、映像信号が総画素数の少ない4:2:0形式または4:2:2形式の場合であっても、4:4:4形式と同じ数の10.692Gbit/sのリンク信号が生成され、4:4:4形式と同じ伝送容量を必要とする。これに対し、本発明の第1の実施形態では、映像信号が総画素数の少ない4:2:0形式または4:2:2形式の場合に、4:4:4形式よりも少ない数の10.692Gbit/sのリンク信号が生成され、伝送容量を低減することができ、効率的な処理を実現することができる。
【0082】
また、本発明の第1の実施形態による映像信号送信装置1によれば、リンク信号生成部14は、基本ストリームに対し多重化処理を施し、バイト化による整列処理を施した後、8B/10B符号化処理を施すようにした。SMPTE2036−2の規格では、伝送容量の制約によって、スクランブル処理と8B/10B符号化処理とを併用し、どちらか一方の処理を行う。スクランブル処理のみを行う場合はパソロジカル条件に完全には対応できないため、SMPTE2036−2の規格ではパソロジカル条件に完全に対応できるとはいえない。これに対し、本発明の第1の実施形態では、8B/10B符号化処理を必ず行うようにしたから、パソロジカル条件に完全に対応することができる。
【0083】
〔映像信号受信装置〕
次に、
図1に示した映像信号受信装置2について詳細に説明する。
図25は、映像信号受信装置2の構成を示すブロック図であり、
図26は、映像信号受信装置2の処理を説明するフローチャートである。この映像信号受信装置2は、基本ストリーム復元部21、基本イメージ復元部22、サブイメージ復元部23及ソースイメージ復元部24を備えている。
【0084】
映像信号受信装置2が映像信号送信装置1から1以上の色信号コンポーネントからなる動画像の映像信号を10.692Gbit/sの所定数のリンク信号として受信すると、基本ストリーム復元部21は、そのリンク信号を入力する(ステップS2601)。そして、基本ストリーム復元部21は、
図2に示したリンク信号生成部14の逆の処理により、リンク信号に対し、復号処理(例えば8B/10B復号処理)、8ビットのバイトデータを12ビットのデータに変換する処理、及び分離処理を施し、基本ストリームを復元する(ステップS2602)。
【0085】
基本イメージ復元部22は、
図2に示した基本ストリーム生成部13の逆の処理により、基本ストリーム復元部21により復元された基本ストリームから、映像信号のデータである画素のラインデータを抽出し、抽出した画素のラインデータを所定の順序で配列して基本イメージを復元する(ステップS2603)。尚、基本イメージ復元部22は、前述の倍速化処理の逆の処理であるフレーム周波数の減速化処理(1/2倍速化処理)を行う場合、前述と同様の処理により、倍速基本イメージを復元する。そして、基本イメージ復元部22は、復元した倍速基本イメージに減速化処理を施し、基本イメージを生成する。減速化処理は、
図14A〜
図14Cに示した第1の倍速化処理、または
図15及び
図16A〜
図16Cに示した第2の倍速化処理に対する逆の処理をいい、倍速基本イメージから基本イメージが生成される。例えば、120Hzのフレーム周波数で動作する倍速基本イメージから60Hzのフレーム周波数で動作する基本イメージが生成される。
【0086】
サブイメージ復元部23は、
図2に示した基本イメージ生成部12の逆の処理により、基本イメージ復元部22により復元された複数の基本イメージを、所定の順序で多重化(合成)し、サブイメージを復元する(ステップS2604)。具体的には、サブイメージ復元部23は、複数の基本イメージを構成する全ての画素を用いて、所定の配置で2次元的に配列し、サブイメージを復元する。
【0087】
ソースイメージ復元部24は、
図2に示したサブイメージ生成部11の逆の処理により、サブイメージ復元部23により復元された複数のサブイメージを、所定の順序で多重化(合成)し、ソースイメージを復元する(ステップS2605)。これにより、色信号コンポーネント毎のソースイメージが復元される。そして、ソースイメージ復元部24は、復元した色信号コンポーネント毎のソースイメージを、元の映像信号として出力する(ステップS2606)。このように、映像信号受信装置2は、10.692Gbit/sの所定数のリンク信号を受信し、複数の色信号コンポーネントからなる動画像の映像信号を復元する。
【0088】
以上のように、本発明の第1の実施形態による映像信号受信装置2によれば、基本ストリーム復元部21はリンク信号生成部14の逆の処理を行い、基本イメージ復元部22は基本ストリーム生成部13の逆の処理を行い、サブイメージ復元部23は基本イメージ生成部12の逆の処理を行い、ソースイメージ復元部24はサブイメージ生成部11の逆の処理を行うようにした。これにより、
図1及び
図2に示した映像信号送信装置1が入力した元の映像信号が復元される。したがって、映像信号送信装置1と同様に、複数の色信号コンポーネントのそれぞれを独立した映像ストリームとして扱うことができ、種々の形式の映像信号を柔軟に扱うことができ、映像信号の形式に応じた色信号コンポーネント間のデマッピング処理が不要となり、簡易な処理を実現することができる。
【0089】
また、本発明の第1の実施形態による映像信号受信装置2によれば、映像信号送信装置1と同様に、60Hzに加え120Hzの高フレーム周波数の映像信号も扱うことができ、フレーム周波数が120Hzの映像信号と60Hzの映像信号とが混在する場合であっても、共通の伝送クロックのインタフェースを使用することが可能となる。
【0090】
また、本発明の第1の実施形態による映像信号受信装置2によれば、映像信号送信装置1と同様に、映像信号が総画素数の少ない4:2:0形式または4:2:2形式の場合に、総画素数の多い4:4:4形式と同じ負荷の処理を行う必要がなく、処理負荷を低減することができ、効率的な処理を実現することができる。
【0091】
また、本発明の第1の実施形態による映像信号受信装置2によれば、映像信号送信装置1と同様に、パソロジカル条件に完全に対応することができる。
【0092】
〔第2の実施形態〕
前述した映像信号送信装置1において、基本イメージ生成部12が基本イメージに倍速化処理を施して倍速基本イメージを生成する場合、リンク信号生成部14は、
図5、
図18及び
図19に示したように、2本の基本ストリームに対し多重化処理等を施し、1本のリンク信号を生成する。これに対し、本発明の第2の実施形態による映像信号送信装置1では、基本イメージ生成部12が倍速基本イメージを生成せずに、基本ストリーム生成部13が1つの基本イメージから1本の基本ストリームを生成する。そして、リンク信号生成部14は、4本の基本ストリームに対し多重化処理等を施し、1本のリンク信号を生成する。
【0093】
第2の実施形態による映像信号送信装置1は、
図2に示した構成と同様に、サブイメージ生成部11、基本イメージ生成部12、基本ストリーム生成部13及びリンク信号生成部14を備えている。
【0094】
図27は、第2の実施形態による映像信号送信装置1の処理を示すフローチャートである。このステップS2701〜ステップS2704及びステップS2706の処理は、
図3に示したステップS301〜ステップS304,ステップS306の処理に相当するため、説明を省略する。サブイメージ生成部11及び基本ストリーム生成部13は、
図3に示した処理と同様の処理を行う。基本イメージ生成部12は、ステップS2703において倍速化処理を行わない。すなわち、基本イメージ生成部12は、サブイメージ生成部11により生成された色信号コンポーネント毎の複数のサブイメージを入力し、サブイメージ毎に、当該サブイメージを分割して複数の基本イメージを生成し、生成した複数の基本イメージを基本ストリーム生成部13に出力する。
【0095】
リンク信号生成部14は、ステップS2705において、基本ストリーム生成部13により生成された基本ストリーム(4つの異なる基本イメージからそれぞれ生成された4本の異なる基本ストリーム)に対して多重化処理(合成処理)を施し、バイト化による整列処理及び8B/10B符号化処理を施し、所定伝送速度のリンク信号を生成する。
【0096】
図28は、第2の実施形態において、映像信号のソースイメージが8k×4kの画素からなり、60Hzのフレーム周波数で動作する場合のマッピング手順を説明する図である。映像信号を構成する色信号コンポーネントC1,C2,C3において、その1フレームのソースイメージは、8k×4kの画素からなり、60Hz(毎秒60フレーム)のフレーム周波数で動作する場合を想定する。
【0097】
図28に示すように、ソースイメージから、サブイメージ生成部11におけるステップS2702の処理により、N個のサブイメージが生成され、このサブイメージは、4k×2kの画素からなり、60Hzのフレーム周波数で動作する。そして、サブイメージから、基本イメージ生成部12におけるステップS2703の処理により、4つの基本イメージが生成され、この基本イメージは、2k×1kの画素からなり、60Hzのフレーム周波数で動作する。つまり、N個のサブイメージから、合計4N個の基本イメージが生成される。
【0098】
基本イメージから、基本ストリーム生成部13によるステップS2704の処理により、基本ストリームが生成される。つまり、4N個の基本イメージから、対応する4N個の基本ストリームが生成される。そして、4系統の基本ストリームから、リンク信号生成部14によるステップS2705の処理により、1本のリンク信号が生成され、このリンク信号は、10.692Gbit/sの速度にて伝送される。つまり、4N系統の基本ストリームからN本のリンク信号が生成される。
【0099】
図29は、第2の実施形態におけるリンク信号生成部14の処理(
図27に示したステップS2705)を説明する図であり、
図30は、このリンク信号生成部14の処理の詳細を説明する図である。リンク信号生成部14は、4つの異なる基本イメージに対応した4系統のCH−1〜CH−4の基本ストリームをそれぞれ入力し、各基本ストリームの1ワードのデータに対して多重化処理を施す(ステップS3001)。多重化処理は、基本ストリームの最前部から最後部まで、1ワード毎に順番に行われる。
【0100】
リンク信号生成部14は、多重化した4ワードのデータに対しバイト化による整列処理を施し、1ワードを8ビットとした合計6ワードのデータを生成する(ステップS3002)。そして、リンク信号生成部14は、1ワードを8ビットとした合計6ワードのデータ毎に、8B/10B符号化処理を施し、1ワードを10ビットとした合計6ワードのデータを生成する(ステップS3003)。そして、リンク信号生成部14は、CH−1〜CH−4の基本ストリームの最前部から最後部まで、ステップS3001〜ステップS3003の処理を行い、1ワードを10ビットとして13200ワードのデータを生成し、これに2640ワードのスタッフデータ(Stuffing)を付加し、
図29に示すように、1ラインあたり15840ワードからなる10.692Gbit/sのリンク信号を生成する。
【0101】
図31は、第2の実施形態において、映像信号のソースイメージが4k×2kの画素からなり、60Hzのフレーム周波数で動作する場合のマッピング手順を説明する図である。4k×2kのソースイメージは、サブイメージ生成部11におけるステップS2702の処理により、M個の2k×1kのサブイメージに分割される。この2k×1kのサブイメージは基本イメージに相当する。基本イメージから、基本ストリーム生成部13によるステップS2704の処理により、基本ストリームが生成される。つまり、M個の基本イメージから、対応するM個の基本ストリームが生成される。そして、4系統の基本ストリームから、リンク信号生成部14によるステップS2705の処理により、1本のリンク信号が生成され、このリンク信号は、10.692Gbit/sの速度にて伝送される。つまり、M系統の基本ストリームからL=M/4本のリンク信号が生成される。
【0102】
以上のように、本発明の第2の実施形態による映像信号送信装置1によれば、前述した第1の実施形態の場合と同様に、1画素を複数のデータワードに再構成する必要がなく、総画素数が少ない形式(例えば4:2:2形式、4:2:0形式)の映像信号の場合に伝送容量を低減し、パソロジカル条件に対応することが可能となる。
【0103】
また、本発明の第2の実施形態による映像信号送信装置1によれば、基本イメージ生成部12が倍速化処理を行う代わりに、リンク信号生成部14は、4本の基本ストリームに対し多重化処理等を施し、1本のリンク信号を生成するようにした。これにより、基本イメージ生成部12の処理負荷を低減することができ、60Hzのフレーム周波数の映像信号も扱うことができる。
【0104】
次に、前述した第2の実施形態による映像信号送信装置1に対応する映像信号受信装置2について説明する。本発明の第2の実施形態による映像信号受信装置2は、
図25に示した構成と同様に、基本ストリーム復元部21、基本イメージ復元部22、サブイメージ復元部23及ソースイメージ復元部24を備えている。
【0105】
映像信号受信装置2は、映像信号送信装置1から1以上の色信号コンポーネントからなる動画像の映像信号を10.692Gbit/sの所定数のリンク信号として受信する。映像信号受信装置2の基本ストリーム復元部21は、そのリンク信号を入力し、
図29及び
図30に示した送信側におけるリンク信号生成部14の逆の処理により、1本のリンク信号に対し、復号処理(例えば8B/10B復号処理)、8ビットのバイトデータを12ビットのデータに変換する処理、及び分離処理を施し、4本の基本ストリームを復元する。
【0106】
基本イメージ復元部22は、送信側における基本ストリーム生成部13の逆の処理により、基本ストリーム復元部21により復元された基本ストリームから、映像信号のデータである画素のラインデータを抽出し、抽出した画素のラインデータを所定の順序で配列して基本イメージを復元する。この場合、基本イメージ復元部22は、送信側の基本イメージ生成部12が倍速化処理を行わないから、
図26に示したフローチャートのうちステップS2603における括弧内の処理(減速化処理(1/2倍速化処理))を行わない。
【0107】
サブイメージ復元部23は、送信側における基本イメージ生成部12の逆の処理により、基本イメージ復元部22により復元された複数の基本イメージを、所定の順序で多重化(合成)し、サブイメージを復元する。ソースイメージ復元部24は、送信側におけるサブイメージ生成部11の逆の処理により、サブイメージ復元部23により復元された複数のサブイメージを、所定の順序で多重化(合成)し、ソースイメージを復元する。
【0108】
これにより、色信号コンポーネント毎のソースイメージが復元される。そして、ソースイメージ復元部24は、復元した色信号コンポーネント毎のソースイメージを、元の映像信号として出力する。このように、第2の実施形態による映像信号受信装置2は、10.692Gbit/sの所定数のリンク信号を受信し、複数の色信号コンポーネントからなる動画像の映像信号を復元する。
【0109】
以上のように、本発明の第2の実施形態による映像信号受信装置2によれば、前述した第1の実施形態の場合と同様に、1画素を複数のデータワードに再構成する必要がなく、総画素数が少ない形式(例えば4:2:2形式、4:2:0形式)の映像信号の場合に伝送容量を低減し、パソロジカル条件に対応することが可能となる。
【0110】
また、本発明の第2の実施形態による映像信号受信装置2によれば、基本イメージ復元部22が減速化処理を行う代わりに、ソースイメージ復元部24は、1本のリンク信号に対し復号処理等を施し、4本の基本ストリームを復元するようにした。これにより、基本イメージ復元部22の処理負荷を低減することができ、60Hzのフレーム周波数の映像信号も扱うことができる。
【0111】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態において、上述した実施形態と同様の構成又は処理が用いられる部分については、それらの説明を省略する。
本発明の第3の実施形態による映像信号送信装置1では、基本イメージ生成部12が倍速基本イメージを生成せずに、基本ストリーム生成部13が1つの基本イメージから1本の基本ストリームを生成する。そして、リンク信号生成部14は、4本の基本ストリームに対し多重化処理等を施し、1本のリンク信号を生成する。
【0112】
第3の実施形態による映像信号送信装置1は、
図2に示した構成と同様に、サブイメージ生成部11、基本イメージ生成部12、基本ストリーム生成部13及びリンク信号生成部14を備えている。
【0113】
第3の実施形態による映像信号送信装置1の処理は、第2の実施形態による映像信号送信装置1の処理を示すフローチャート(
図27)の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0114】
図32は、第3の実施形態において、映像信号のソースイメージが8k×4kの画素からなり、50Hzのフレーム周波数で動作する場合のマッピング手順を説明する図である。映像信号を構成する色信号コンポーネントC1,C2,C3において、その1フレームのソースイメージは、8k×4kの画素からなり、50Hz(毎秒50フレーム)のフレーム周波数で動作する場合を想定する。
【0115】
図32に示すように、ソースイメージから、サブイメージ生成部11におけるステップS3702(
図27のステップS2702の処理に相当)の処理により、N個のサブイメージが生成され、このサブイメージは、4k×2kの画素からなり、50Hzのフレーム周波数で動作する。そして、サブイメージから、基本イメージ生成部12におけるステップS3703(
図27のステップS2703の処理に相当)の処理により、4つの基本イメージが生成され、この基本イメージは、2k×1kの画素からなり、50Hzのフレーム周波数で動作する。つまり、N個のサブイメージから、合計4N個の基本イメージが生成される。
【0116】
基本イメージから、基本ストリーム生成部13によるステップS3704(
図27のステップS2704の処理に相当)の処理により、基本ストリームが生成される。つまり、4N個の基本イメージから、対応する4N個の基本ストリームが生成される。そして、4系統の基本ストリームから、リンク信号生成部14によるステップS3705(
図27のステップS2705の処理に相当)の処理により、1本のリンク信号が生成され、このリンク信号は、10.692Gbit/sの速度にて伝送される。つまり、4N系統の基本ストリームからN本のリンク信号が生成される。
【0117】
図33は、本発明の第3の実施形態による基本ストリーム生成部13の処理(
図3に示したステップS304に相当)を説明する図である。基本ストリーム生成部13は、2k×1kの画素からなる基本イメージに対し、横方向(水平方向)のライン毎に画素を取り出す。そして、基本ストリーム生成部13は、取り出した画素のデータに、タイミング基準信号等の制御データEAV(End of Active Video)、補助データ及びSAV(Start of Active Video)などを付加し、合計2640ワード長の基本ストリームをライン毎に構成する。
なお、
図33に示す基本ストリームでは、1〜41行目において、1920〜1923列目にはEAVが配置され、1924〜2635列目には補助データが配置され、2636〜2639列目にはSAVが配置され、0〜1919列目には補助データが配置される。
また、
図33に示す基本ストリームでは、42〜1121行目において、1920〜1923列目にはEAVが配置され、1924〜2635列目には補助データが配置され、2636〜2639列目にはSAVが配置され、0〜1919列目には基本イメージが配置される。
また、
図33に示す基本ストリームでは、1122〜1125行目において、1920〜1923列目にはEAVが配置され、1924〜2635列目には補助データが配置され、2636〜2639列目にはSAVが配置され、0〜1919列目には補助データが配置される。
【0118】
図34は、本発明の第3の実施形態におけるリンク信号生成部14の処理(
図32に示したステップS3705)を説明する図である。リンク信号生成部14は、4つの異なる基本イメージに対応した4系統のCH−1〜CH−4の基本ストリームをそれぞれ入力し、各基本ストリームの1ワードのデータに対して多重化処理を施す(
図30のステップS3001に相当)。多重化処理は、基本ストリームの最前部から最後部まで、1ワード毎に順番に行われる。
なお、
図34では、4系統のCH−1〜CH−4の基本ストリームのいずれにおいても、「EAV」、「LN、PID、CRC、H−BLK」、「SAV」、「ビデオデータ(Video Data)」の順にデータが含まれる。
【0119】
リンク信号生成部14は、多重化した4ワードのデータに対しバイト化による整列処理を施し、1ワードを8ビットとした合計6ワードのデータを生成する(
図30のステップS3002に相当)。そして、リンク信号生成部14は、1ワードを8ビットとした合計6ワードのデータ毎に、8B/10B符号化処理を施し、1ワードを10ビットとした合計6ワードのデータを生成する(
図30のステップS3003に相当)。そして、リンク信号生成部14は、CH−1〜CH−4の基本ストリームの最前部から最後部まで、
図30のステップS3001〜ステップS3003に相当する処理を行い、1ワードを10ビットとして15840ワード(=2640×4×3/2)のデータを生成し、これに3168ワードのスタッフデータ(Stuffing)を付加し、
図34に示すように、1ラインあたり19008ワードからなる10.692Gbit/s(=19008ワード×10ビット×1125行×50Hz)のリンク信号を生成する。
なお、
図34では、リンク信号に、「EAV」、「LN、PID、CRC、H−BLK」、「SAV」、「ビデオデータ(Video Data)」の順にデータが含まれる。
【0120】
以上のように、本発明の第3の実施形態による映像信号送信装置1によれば、前述した第1の実施形態の場合と同様に、1画素を複数のデータワードに再構成する必要がなく、総画素数が少ない形式(例えば4:2:2形式、4:2:0形式)の映像信号の場合に伝送容量を低減し、パソロジカル条件に対応することが可能となる。
【0121】
また、本発明の第3の実施形態による映像信号送信装置1によれば、基本イメージ生成部12が倍速化処理を行う代わりに、リンク信号生成部14は、4本の基本ストリームに対し多重化処理等を施し、1本のリンク信号を生成するようにした。これにより、基本イメージ生成部12の処理負荷を低減することができ、50Hzのフレーム周波数の映像信号も扱うことができる。
【0122】
次に、前述した第3の実施形態による映像信号送信装置1に対応する映像信号受信装置2について説明する。本発明の第3の実施形態による映像信号受信装置2は、
図25に示した構成と同様に、基本ストリーム復元部21、基本イメージ復元部22、サブイメージ復元部23及ソースイメージ復元部24を備えている。
【0123】
第3の実施形態による映像信号受信装置2は、第3の実施形態による映像信号送信装置1から1以上の色信号コンポーネントからなる動画像の映像信号を10.692Gbit/sの所定数のリンク信号として受信する。第3の実施形態による映像信号受信装置2の基本ストリーム復元部21は、そのリンク信号を入力し、
図34に示した送信側におけるリンク信号生成部14の逆の処理により、1本のリンク信号に対し、復号処理(例えば8B/10B復号処理)、8ビットのバイトデータを12ビットのデータに変換する処理、及び分離処理を施し、4本の基本ストリームを復元する。
【0124】
基本イメージ復元部22は、送信側における基本ストリーム生成部13の逆の処理により、基本ストリーム復元部21により復元された基本ストリームから、映像信号のデータである画素のラインデータを抽出し、抽出した画素のラインデータを所定の順序で配列して基本イメージを復元する。この場合、基本イメージ復元部22は、送信側の基本イメージ生成部12が倍速化処理を行わないから、
図26に示したフローチャートのうちステップS2603における括弧内の処理(減速化処理(1/2倍速化処理))を行わない。
【0125】
サブイメージ復元部23は、送信側における基本イメージ生成部12の逆の処理により、基本イメージ復元部22により復元された複数の基本イメージを、所定の順序で多重化(合成)し、サブイメージを復元する。ソースイメージ復元部24は、送信側におけるサブイメージ生成部11の逆の処理により、サブイメージ復元部23により復元された複数のサブイメージを、所定の順序で多重化(合成)し、ソースイメージを復元する。
【0126】
これにより、色信号コンポーネント毎のソースイメージが復元される。そして、ソースイメージ復元部24は、復元した色信号コンポーネント毎のソースイメージを、元の映像信号として出力する。このように、第3の実施形態による映像信号受信装置2は、10.692Gbit/sの所定数のリンク信号を受信し、複数の色信号コンポーネントからなる動画像の映像信号を復元する。
【0127】
以上のように、本発明の第3の実施形態による映像信号受信装置2によれば、前述した第1の実施形態の場合と同様に、1画素を複数のデータワードに再構成する必要がなく、総画素数が少ない形式(例えば4:2:2形式、4:2:0形式)の映像信号の場合に伝送容量を低減し、パソロジカル条件に対応することが可能となる。
【0128】
また、本発明の第3の実施形態による映像信号受信装置2によれば、基本イメージ復元部22が減速化処理を行う代わりに、ソースイメージ復元部24は、1本のリンク信号に対し復号処理等を施し、4本の基本ストリームを復元するようにした。これにより、基本イメージ復元部22の処理負荷を低減することができ、50Hzのフレーム周波数の映像信号も扱うことができる。
【0129】
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態において、上述した実施形態と同様の構成又は処理が用いられる部分については、それらの説明を省略する。
本発明の第4の実施形態による映像信号送信装置1では、基本イメージ生成部12が倍速基本イメージを生成せずに、基本ストリーム生成部13が1つの基本イメージから1本の基本ストリームを生成する。そして、リンク信号生成部14は、8本の基本ストリームに対し多重化処理等を施し、1本のリンク信号を生成する。
【0130】
第4の実施形態による映像信号送信装置1は、
図2に示した構成と同様に、サブイメージ生成部11、基本イメージ生成部12、基本ストリーム生成部13及びリンク信号生成部14を備えている。
【0131】
第4の実施形態による映像信号送信装置1の処理は、第2の実施形態による映像信号送信装置1の処理を示すフローチャート(
図27)の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0132】
図35は、第4の実施形態において、映像信号のソースイメージが8k×4kの画素からなり、30Hzのフレーム周波数で動作する場合のマッピング手順を説明する図である。映像信号を構成する色信号コンポーネントC1,C2,C3において、その1フレームのソースイメージは、8k×4kの画素からなり、30Hz(毎秒30フレーム)のフレーム周波数で動作する場合を想定する。
【0133】
図35に示すように、ソースイメージから、サブイメージ生成部11におけるステップS4702(
図27のステップS2702の処理に相当)の処理により、N個のサブイメージが生成され、このサブイメージは、4k×2kの画素からなり、30Hzのフレーム周波数で動作する。そして、サブイメージから、基本イメージ生成部12におけるステップS4703(
図27のステップS2703の処理に相当)の処理により、4つの基本イメージが生成され、この基本イメージは、2k×1kの画素からなり、30Hzのフレーム周波数で動作する。つまり、N個のサブイメージから、合計4N個の基本イメージが生成される。
【0134】
基本イメージから、基本ストリーム生成部13によるステップS4704(
図27のステップS2704の処理に相当)の処理により、基本ストリームが生成される。つまり、4N個の基本イメージから、対応する4N個の基本ストリームが生成される。そして、8系統の基本ストリームから、リンク信号生成部14によるステップS4705(
図27のステップS2705の処理に相当)の処理により、1本のリンク信号が生成され、このリンク信号は、10.692Gbit/sの速度にて伝送される。つまり、4N系統の基本ストリームからN/2本のリンク信号が生成される。
【0135】
図36は、本発明の第4の実施形態による基本ストリーム生成部13の処理(
図3に示したステップS304に相当)を説明する図である。基本ストリーム生成部13は、2k×1kの画素からなる基本イメージに対し、横方向(水平方向)のライン毎に画素を取り出す。そして、基本ストリーム生成部13は、取り出した画素のデータに、タイミング基準信号等の制御データEAV(End of Active Video)、補助データ及びSAV(Start of Active Video)などを付加し、合計2200ワード長の基本ストリームをライン毎に構成する。
なお、
図36に示す基本ストリームでは、1〜41行目において、1920〜1923列目にはEAVが配置され、1924〜2195列目には補助データが配置され、2196〜2199列目にはSAVが配置され、0〜1919列目には補助データが配置される。
また、
図36に示す基本ストリームでは、42〜1121行目において、1920〜1923列目にはEAVが配置され、1924〜2195列目には補助データが配置され、2196〜2199列目にはSAVが配置され、0〜1919列目には基本イメージが配置される。
また、
図36に示す基本ストリームでは、1122〜1125行目において、1920〜1923列目にはEAVが配置され、1924〜2195列目には補助データが配置され、2196〜2199列目にはSAVが配置され、0〜1919列目には補助データが配置される。
【0136】
図37は、本発明の第4の実施形態におけるリンク信号生成部14の処理(
図35に示したステップS4705)を説明する図である。リンク信号生成部14は、8つの異なる基本イメージに対応した8系統のCH−1〜CH−8の基本ストリームをそれぞれ入力し、各基本ストリームの1ワードのデータに対して多重化処理を施す(
図30のステップS3001に相当)。多重化処理は、基本ストリームの最前部から最後部まで、1ワード毎に順番に行われる。
なお、
図37では、8系統のCH−1〜CH−8の基本ストリームのいずれにおいても、「EAV」、「LN、PID、CRC、H−BLK」、「SAV」、「ビデオデータ(Video Data)」の順にデータが含まれる。
【0137】
リンク信号生成部14は、多重化した8ワードのデータに対しバイト化による整列処理を施し、1ワードを8ビットとした合計12ワードのデータを生成する(
図30のステップS3002に相当)。そして、リンク信号生成部14は、1ワードを8ビットとした合計12ワードのデータ毎に、8B/10B符号化処理を施し、1ワードを10ビットとした合計12ワードのデータを生成する(
図30のステップS3003に相当)。そして、リンク信号生成部14は、CH−1〜CH−8の基本ストリームの最前部から最後部まで、
図30のステップS3001〜ステップS3003に相当する処理を行い、1ワードを10ビットとして26400ワード(=2200×8×3/2)のデータを生成し、これに5280ワードのスタッフデータ(Stuffing)を付加し、
図37に示すように、1ラインあたり31680ワードからなる10.692Gbit/s(=31680ワード×10ビット×1125行×30Hz)のリンク信号を生成する。
なお、
図37では、リンク信号に、「EAV」、「LN、PID、CRC、H−BLK」、「SAV」、「ビデオデータ(Video Data)」の順にデータが含まれる。
【0138】
以上のように、本発明の第4の実施形態による映像信号送信装置1によれば、前述した第1の実施形態の場合と同様に、1画素を複数のデータワードに再構成する必要がなく、総画素数が少ない形式(例えば4:2:2形式、4:2:0形式)の映像信号の場合に伝送容量を低減し、パソロジカル条件に対応することが可能となる。
【0139】
また、本発明の第4の実施形態による映像信号送信装置1によれば、基本イメージ生成部12が倍速化処理を行う代わりに、リンク信号生成部14は、8本の基本ストリームに対し多重化処理等を施し、1本のリンク信号を生成するようにした。これにより、基本イメージ生成部12の処理負荷を低減することができ、30Hzのフレーム周波数の映像信号も扱うことができる。
【0140】
次に、前述した第4の実施形態による映像信号送信装置1に対応する映像信号受信装置2について説明する。本発明の第4の実施形態による映像信号受信装置2は、
図25に示した構成と同様に、基本ストリーム復元部21、基本イメージ復元部22、サブイメージ復元部23及ソースイメージ復元部24を備えている。
【0141】
第4の実施形態による映像信号受信装置2は、第4の実施形態による映像信号送信装置1から1以上の色信号コンポーネントからなる動画像の映像信号を10.692Gbit/sの所定数のリンク信号として受信する。第4の実施形態による映像信号受信装置2の基本ストリーム復元部21は、そのリンク信号を入力し、
図37に示した送信側におけるリンク信号生成部14の逆の処理により、1本のリンク信号に対し、復号処理(例えば8B/10B復号処理)、8ビットのバイトデータを12ビットのデータに変換する処理、及び分離処理を施し、8本の基本ストリームを復元する。
【0142】
基本イメージ復元部22は、送信側における基本ストリーム生成部13の逆の処理により、基本ストリーム復元部21により復元された基本ストリームから、映像信号のデータである画素のラインデータを抽出し、抽出した画素のラインデータを所定の順序で配列して基本イメージを復元する。この場合、基本イメージ復元部22は、送信側の基本イメージ生成部12が倍速化処理を行わないから、
図26に示したフローチャートのうちステップS2603における括弧内の処理(減速化処理(1/2倍速化処理))を行わない。
【0143】
サブイメージ復元部23は、送信側における基本イメージ生成部12の逆の処理により、基本イメージ復元部22により復元された複数の基本イメージを、所定の順序で多重化(合成)し、サブイメージを復元する。ソースイメージ復元部24は、送信側におけるサブイメージ生成部11の逆の処理により、サブイメージ復元部23により復元された複数のサブイメージを、所定の順序で多重化(合成)し、ソースイメージを復元する。
【0144】
これにより、色信号コンポーネント毎のソースイメージが復元される。そして、ソースイメージ復元部24は、復元した色信号コンポーネント毎のソースイメージを、元の映像信号として出力する。このように、第4の実施形態による映像信号受信装置2は、10.692Gbit/sの所定数のリンク信号を受信し、複数の色信号コンポーネントからなる動画像の映像信号を復元する。
【0145】
以上のように、本発明の第4の実施形態による映像信号受信装置2によれば、前述した第1の実施形態の場合と同様に、1画素を複数のデータワードに再構成する必要がなく、総画素数が少ない形式(例えば4:2:2形式、4:2:0形式)の映像信号の場合に伝送容量を低減し、パソロジカル条件に対応することが可能となる。
【0146】
また、本発明の第4の実施形態による映像信号受信装置2によれば、基本イメージ復元部22が減速化処理を行う代わりに、ソースイメージ復元部24は、1本のリンク信号に対し復号処理等を施し、8本の基本ストリームを復元するようにした。これにより、基本イメージ復元部22の処理負荷を低減することができ、30Hzのフレーム周波数の映像信号も扱うことができる。
【0147】
なお、本発明の第4の実施形態では、映像信号のソースイメージが8k×4kの画素からなり、30Hzのフレーム周波数で動作する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、映像信号のソースイメージが8k×4kの画素からなり、25Hzのフレーム周波数で動作するようにしてもよい。また、映像信号のソースイメージが8k×4kの画素からなり、24Hzのフレーム周波数で動作するようにしてもよい。
【0148】
映像信号のソースイメージが8k×4kの画素からなり、25Hzのフレーム周波数で動作させる場合を、第4の実施形態の第1の変形例として説明する。第4の実施形態の第1の変形例では、
図36で説明する処理に代えて、
図38で説明する処理を用いる。また、第4の実施形態の第1の変形例では、
図37に示す信号に代えて、
図39に示す信号を用いる。
【0149】
図38は、本発明の第4の実施形態の第1の変形例による基本ストリーム生成部13の処理(
図3に示したステップS304に相当)を説明する図である。基本ストリーム生成部13は、2k×1kの画素からなる基本イメージに対し、横方向(水平方向)のライン毎に画素を取り出す。そして、基本ストリーム生成部13は、取り出した画素のデータに、タイミング基準信号等の制御データEAV(End of Active Video)、補助データ及びSAV(Start of Active Video)などを付加し、合計2640ワード長の基本ストリームをライン毎に構成する。
なお、
図38に示す基本ストリームでは、1〜41行目において、1920〜1923列目にはEAVが配置され、1924〜2635列目には補助データが配置され、2636〜2639列目にはSAVが配置され、0〜1919列目には補助データが配置される。
また、
図38に示す基本ストリームでは、42〜1121行目において、1920〜1923列目にはEAVが配置され、1924〜2635列目には補助データが配置され、2636〜2639列目にはSAVが配置され、0〜1919列目には基本イメージが配置される。
また、
図38に示す基本ストリームでは、1122〜1125行目において、1920〜1923列目にはEAVが配置され、1924〜2635列目には補助データが配置され、2636〜2639列目にはSAVが配置され、0〜1919列目には補助データが配置される。
【0150】
図39は、本発明の第4の実施形態の第1の変形例におけるリンク信号生成部14の処理(
図35に示したステップS4705)を説明する図である。リンク信号生成部14は、8つの異なる基本イメージに対応した8系統のCH−1〜CH−8の基本ストリームをそれぞれ入力し、各基本ストリームの1ワードのデータに対して多重化処理を施す(
図30のステップS3001に相当)。多重化処理は、基本ストリームの最前部から最後部まで、1ワード毎に順番に行われる。第4の実施形態の第1の変形例における基本ストリームのワード長は、2640である。
なお、
図39では、8系統のCH−1〜CH−8の基本ストリームのいずれにおいても、「EAV」、「LN、PID、CRC、H−BLK」、「SAV」、「ビデオデータ(Video Data)」の順にデータが含まれる。
【0151】
リンク信号生成部14は、多重化した8ワードのデータに対しバイト化による整列処理を施し、1ワードを8ビットとした合計12ワードのデータを生成する(
図30のステップS3002に相当)。そして、リンク信号生成部14は、1ワードを8ビットとした合計12ワードのデータ毎に、8B/10B符号化処理を施し、1ワードを10ビットとした合計12ワードのデータを生成する(
図30のステップS3003に相当)。そして、リンク信号生成部14は、CH−1〜CH−8の基本ストリームの最前部から最後部まで、
図30のステップS3001〜ステップS3003に相当する処理を行い、1ワードを10ビットとして31680ワード(=2640×8×3/2)のデータを生成し、これに6336ワードのスタッフデータ(Stuffing)を付加し、
図39に示すように、1ラインあたり38016ワードからなる10.692Gbit/s(=38016ワード×10ビット×1125行×25Hz)のリンク信号を生成する。
なお、
図39では、リンク信号に、「EAV」、「LN、PID、CRC、H−BLK」、「SAV」、「ビデオデータ(Video Data)」の順にデータが含まれる。
【0152】
映像信号のソースイメージが8k×4kの画素からなり、24Hzのフレーム周波数で動作させる場合を、第4の実施形態の第2の変形例として説明する。第4の実施形態の第2の変形例では、
図36で説明した処理に代えて、
図40で説明した処理が行われる。また、第4の実施形態の第2の変形例では、
図37で説明した処理に代えて、
図41で説明する処理が行われる。
【0153】
図40は、本発明の第4の実施形態の第2の変形例による基本ストリーム生成部13の処理(
図3に示したステップS304に相当)を説明する図である。基本ストリーム生成部13は、2k×1kの画素からなる基本イメージに対し、横方向(水平方向)のライン毎に画素を取り出す。そして、基本ストリーム生成部13は、取り出した画素のデータに、タイミング基準信号等の制御データEAV(End of Active Video)、補助データ及びSAV(Start of Active Video)などを付加し、合計2750ワード長の基本ストリームをライン毎に構成する。
なお、
図40に示す基本ストリームでは、1〜41行目において、1920〜1923列目にはEAVが配置され、1924〜2745列目には補助データが配置され、2746〜2749列目にはSAVが配置され、0〜1919列目には補助データが配置される。
また、
図40に示す基本ストリームでは、42〜1121行目において、1920〜1923列目にはEAVが配置され、1924〜2745列目には補助データが配置され、2746〜2749列目にはSAVが配置され、0〜1919列目には基本イメージが配置される。
また、
図40に示す基本ストリームでは、1122〜1125行目において、1920〜1923列目にはEAVが配置され、1924〜2745列目には補助データが配置され、2746〜2749列目にはSAVが配置され、0〜1919列目には補助データが配置される。
【0154】
図41は、本発明の第4の実施形態の第2の変形例におけるリンク信号生成部14の処理(
図35に示したステップS4705)を説明する図である。リンク信号生成部14は、8つの異なる基本イメージに対応した8系統のCH−1〜CH−8の基本ストリームをそれぞれ入力し、各基本ストリームの1ワードのデータに対して多重化処理を施す(
図30のステップS3001に相当)。多重化処理は、基本ストリームの最前部から最後部まで、1ワード毎に順番に行われる。第4の実施形態の第2の変形例における基本ストリームのワード長は、2750である。
なお、
図41では、8系統のCH−1〜CH−8の基本ストリームのいずれにおいても、「EAV」、「LN、PID、CRC、H−BLK」、「SAV」、「ビデオデータ(Video Data)」の順にデータが含まれる。
【0155】
リンク信号生成部14は、多重化した8ワードのデータに対しバイト化による整列処理を施し、1ワードを8ビットとした合計12ワードのデータを生成する(
図30のステップS3002に相当)。そして、リンク信号生成部14は、1ワードを8ビットとした合計12ワードのデータ毎に、8B/10B符号化処理を施し、1ワードを10ビットとした合計12ワードのデータを生成する(
図30のステップS3003に相当)。そして、リンク信号生成部14は、CH−1〜CH−8の基本ストリームの最前部から最後部まで、
図30のステップS3001〜ステップS3003に相当する処理を行い、1ワードを10ビットとして33000ワード(=2750×8×3/2)のデータを生成し、これに6600ワードのスタッフデータ(Stuffing)を付加し、
図41に示すように、1ラインあたり39600ワードからなる10.692Gbit/s(=39600ワード×10ビット×1125行×24Hz)のリンク信号を生成する。
なお、
図41では、リンク信号に、「EAV」、「LN、PID、CRC、H−BLK」、「SAV」、「ビデオデータ(Video Data)」の順にデータが含まれる。
【0156】
第4の実施形態の第1及び第2の変形例においても、第4の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0157】
〔第5の実施形態〕
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態において、上述した実施形態と同様の構成又は処理が用いられる部分については、それらの説明を省略する。
第5の実施形態では、
図31と同様のマッピング手順を用いるため、図示を省略し、処理が異なる箇所について説明する。
【0158】
第5の実施形態では、映像信号のソースイメージが4k×2kの画素からなり、50Hzのフレーム周波数で動作させる場合について説明する。4k×2kのソースイメージは、サブイメージ生成部11におけるステップS2702の処理により、M個の2k×1kのサブイメージに分割される。この2k×1kのサブイメージは基本イメージに相当する。基本イメージから、基本ストリーム生成部13によるステップS2704の処理により、基本ストリームが生成される。つまり、M個の基本イメージから、対応するM個の基本ストリームが生成される。そして、4系統の基本ストリームから、リンク信号生成部14によるステップS2705の処理により、1本のリンク信号が生成され、このリンク信号は、10.692Gbit/sの速度にて伝送される。つまり、M系統の基本ストリームからL=M/4本のリンク信号が生成される。
第5の実施形態においても、第2の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0159】
〔第6の実施形態〕
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。第6の実施形態において、上述した実施形態と同様の構成又は処理が用いられる部分については、それらの説明を省略する。
第6の実施形態では、第2の実施形態の
図31のマッピング手順に代えて、
図42に示すマッピング手順を用いる。
【0160】
図42は、第6の実施形態において、映像信号のソースイメージが4k×2kの画素からなり、30Hzのフレーム周波数で動作する場合のマッピング手順を説明する図である。映像信号を構成する色信号コンポーネントC1,C2,C3において、その1フレームのソースイメージは、8k×4kの画素からなり、30Hz(毎秒30フレーム)のフレーム周波数で動作する場合を想定する。
【0161】
図42に示すように、ソースイメージから、サブイメージ生成部11におけるステップS5702(
図27のステップS2702の処理に相当)の処理により、M個のサブイメージが生成され、このサブイメージは、4k×2kの画素からなり、30Hzのフレーム周波数で動作する。第6の実施形態のサブイメージは、基本イメージと同じものである。そして、サブイメージから、基本ストリーム生成部13によるステップS5704(
図27のステップS2704の処理に相当)の処理により、基本ストリームが生成される。つまり、M個のサブイメージから、対応するM個の基本ストリームが生成される。そして、8系統の基本ストリームから、リンク信号生成部14によるステップS5705(
図27のステップS2705の処理に相当)の処理により、1本のリンク信号が生成され、このリンク信号は、10.692Gbit/sの速度にて伝送される。つまり、M系統の基本ストリームからL(=M/8)本のリンク信号が生成される。
【0162】
第6の実施形態においても、第4の実施形態等と同様の効果を得ることができる。
なお、第6の実施形態では、映像信号のソースイメージが4k×2kの画素からなり、30Hzのフレーム周波数で動作する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、映像信号のソースイメージが4k×2kの画素からなり、25Hzのフレーム周波数で動作するようにしてもよい。また、映像信号のソースイメージが4k×2kの画素からなり、24Hzのフレーム周波数で動作するようにしてもよい。このような変形を加えた場合であっても、第6の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0163】
尚、本発明の第1〜第6の実施形態では、動画像の映像信号のフレーム周波数として、24Hz、25Hz、30Hz、50Hz、60Hz、120Hzのいずれかを用いる場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、動画像の映像信号のフレーム周波数として、24Hzに代えて、24×(1000/1001)Hzを用いてもよく、30Hzに代えて、30×(1000/1001)Hzを用いてもよく、60Hzに代えて、60×(1000/1001)Hzを用いてもよく、120Hzに代えて、120×(1000/1001)Hzを用いてもよい。
尚、本発明の第1〜第6の実施形態による映像信号送信装置1及び映像信号受信装置2のハードウェア構成としては、通常のコンピュータを使用することができる。映像信号送信装置1及び映像信号受信装置2は、CPU、RAM等の揮発性の記憶媒体、ROM等の不揮発性の記憶媒体、及びインタフェース等を備えたコンピュータによって構成される。映像信号送信装置1に備えたサブイメージ生成部11、基本イメージ生成部12、基本ストリーム生成部13及びリンク信号生成部14の各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。また、映像信号受信装置2に備えた基本ストリーム復元部21、基本イメージ復元部22、サブイメージ復元部23及びソースイメージ復元部24の各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。また、これらのプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもでき、ネットワークを介して送受信することもできる。
【0164】
以上、第1〜第6の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記第1〜第6の実施形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、前記実施形態では、映像信号送信装置1のサブイメージ生成部11と基本イメージ生成部12とを別々の構成部とし、サブイメージ生成部11がソースイメージからサブイメージを生成し、基本イメージ生成部12がサブイメージから基本イメージを生成するようにした。これに対し、サブイメージ生成部11と基本イメージ生成部12とを1つの構成部(基本イメージ生成部)とし、当該構成部が、ソースイメージから基本イメージを直接生成するようにしてもよい。
【0165】
また、前記第1の実施形態では、ソースイメージの画素数を8k×4k、サブイメージの画素数を4k×2k、基本イメージの画素数を2k×1kと表現し、それぞれのイメージの水平画素数が2のべき乗の8192,4096,2048の場合を記載したが、本発明は、この値に限定されるものではない。例えば、それぞれのイメージの水平画素数が7680,3840,1920の場合は、水平ブランキング期間の長さを調整すればよい。
【0166】
また、前記第1の実施形態では、映像信号を構成する複数の色信号コンポーネントのそれぞれの画素を12ビットとし、基本ストリーム生成部13が、12ビットの画素からなる基本イメージから、12ビットを1ワードとする基本ストリームを生成するようにした。これに対し、映像信号を構成する複数の色信号コンポーネントのそれぞれの画素を16ビットとし、基本ストリーム生成部13が、16ビットの画素からなる基本イメージから、16ビットを1ワードとする基本ストリームを生成するようにしてもよい。この場合、リンク信号生成部14は、
図18に示した10.692Gbit/sのリンク信号の速度を超えないように、8B/10B符号化処理の代わりに、64B/66B符号化処理を行う。