【課題を解決するための手段】
【0005】
これを発端として、驚くべきことに、式Iの化合物がナトリウム−水素交換体(NHE)、殊にサブタイプ3のナトリウム−水素交換体(NHE3)の優れた阻害剤に相当することが見出された。それ故、本発明は、式I:
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
〔式中、
Aは、
6〜10員のアリールラジカル又は5〜10員のヘテロアリールラジカル
{上記において、アリール及びヘテロアリールラジカルは、単環又は二環式であることができ、そしてヘテロアリールラジカルは、窒素、酸素及び硫黄の群より選択される一つ又はそれより多いヘテロ原子を含んでいてもよく;
上記において、前記単環又は二環式アリール又はヘテロアリールラジカルの一つ又はそれより多い水素原子は、互いに独立して、F、Cl、Br、I、(C
1−C
10)−アルキル−、(C
2−C
10)−アルケニル−、(C
2−C
10)−アルキニル−、(C
3−C
14)−シクロアルキル−、(C
4−C
20)−シクロアルキルアルキル−、(C
4−C
20)−シクロアルキルアルキルオキシ−、(C
1−C
10)−アルコキシ−、(C
1−C
10)−アルキルチオ−、(C
6−C
14)−アリール−、(C
2−C
13)−ヘテロアリール、−CN、−NR13R14、−C(O)R12、−SF
5、−S(O)
nR12、−C(O)OR12、−C(O)NR13R14、−S(O)
nNR13R14の群より選択される置換基R1によって置き換えられていてもよく;
上記において、二つの隣接するラジカルR1はまた、飽和又は一部不飽和の(C
5−C
10)−シクロアルキルラジカル又は飽和又は一部不飽和の(C
2−C
9)−シクロヘテロアルキルラジカル[このシクロヘテロアルキルラジカルは、1、2若しくは3個の窒素、1若しくは2個の酸素、1若しくは2個の硫黄、1若しくは2個の窒素及び1個の酸素若しくは1個の硫黄原子を含んでいてもよい]を形成してもよく;
上記において、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキルオキシ、シクロヘテロアルキル、アルコキシ、及びアルキルチオラジカルは、F、OH又は(C
1−C
10)−アルコキシによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよい}であり;
【0006】
Bは、
6〜10員のアリールラジカル、
5〜10員のヘテロアリールラジカル、
3〜10員のシクロアルキルラジカル、
9〜14員のシクロアルキルアリールラジカル、
8〜14員のシクロアルキルヘテロアリールラジカル、
3〜10員のシクロヘテロアルキルラジカル、
9〜14員のシクロヘテロアルキルアリールラジカル及び
8〜14員のシクロヘテロアルキルヘテロアリールラジカル
の群より選択される単環式又は縮合二環式ラジカルであり、
上記において、シクロアルキル又はシクロヘテロアルキルユニット(units)は、飽和であっても、又は一部不飽和であってもよく、そして
上記において、ヘテロ環式基は、窒素、酸素及び硫黄の群より選択される一つ又はそれより多いヘテロ原子を含んでいてもよく;
上記において、ラジカルB中の一つ又はそれより多い水素原子は、(C
1−C
10)−アルキルラジカル、(C
2−C
10)−アルケニルラジカル、(C
2−C
10)−アルキニルラジカル、(C
1−C
10)−アルコキシラジカル、(C
1−C
10)−アルキルチオラジカル、(C
3−C
14)−シクロアルキルラジカル、(C
4−C
20)−シクロアルキルアルキルラジカル、(C
4−C
20)−シクロアルキルアルキルオキシ、(C
2−C
19)−シクロヘテロアルキルラジカル、(C
3−C
19)−シクロヘテロアルキルアルキルラジカル、(C
3−C
11)−シクロアルキルオキシラジカル、(C
2−C
11)−シクロヘテロアルキルオキシラジカル、(C
6−C
10)−アリールラジカル、(C
1−C
9)−ヘテロアリールラジカル、(C
9−C
14)−シクロアルキルアリールラジカル、(C
5−C
13)−シクロアルキルヘテロアリールラジカル、(C
7−C
13)−シクロヘテロアルキルアリールラジカル、(C
4−C
12)−シクロヘテロアルキルヘテロアリールラジカルの群より、互いに独立して、選択される置換基R5によって置き換えられていてもよく、
上記において、シクロアルキル及びシクロヘテロアルキルユニットは、飽和であっても、又は一部不飽和であってもよく、
そして上記において、前記ラジカルR5中の一つ又はそれより多い水素原子は、R11ラジカルの群より、互いに独立して、選択されるラジカルによって、更に、置き換えられていてもよく、
【0007】
更に、R5は、OH、(=O)、NH
2、F、Cl、Br、I、CN、NO
2、−NR17R18、−NR16COR17、−NR16COOR17、−NR16CONR17R18、−NR16−S(O)
2−R17、−NR16−S(O)
2−NR17R18、−COOR16、−COR16;−CO(NR17R18)、S(O)
nR16、S(O)
2NR17R18の群より、互いに独立して、選択される一つ又はそれより多いラジカルであることが可能であり、
上記において、R16、R17及びR18は、H、(C
2−C
19)−シクロヘテロアルキル、(C
3−C
14)−シクロアルキル、(C
6−C
10)−アリール、(C
1−C
10)−アルキルラジカルの群より、互いに独立して、選択される、ラジカルであり(for a radical)、
これらはすべて、OH、(=O)、F、Cl、Br、I、CN、NO
2、−NR13R14、−NR13COR12、−NR13COOR12、−NR12CONR13R14、−NR13−S(O)
2−R12、−NR12−S(O)
2−R13R14、−COOR12、−COR12;−CO(NR13R14)、−S(O)
nR12、−S(O)
2NR13R14、(C
3−C
14)−シクロアルキル、(C
4−C
20)−シクロアルキルアルキル、(C
2−C
19)−シクロヘテロアルキル、(C
3−C
19)−シクロヘテロアルキルアルキル、(C
6−C
10)−アリール及び(C
1−C
9)−ヘテロアリールによって、互いに独立して、置換されていてもよく、
そして上記において、R17及びR18は、それらが結合している窒素と一緒になって、リスト−O−、−S(O)
n−、=N−及び−NR15−からの、一つ又はそれより多いヘテロ原子を更に含んでいてもよい1〜13個の炭素原子を有する4〜7員の、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環(heterocycle)を形成することができ、
上記において、形成されるヘテロ環は、F、OH、(=O)、NH
2、NH(C
1−C
4)アルキル、N((C
1−C
4)アルキル)
2、CN又は(C
1−C
10)−アルコキシ、(C
1−C
10)−アルキル、(C
2−C
10)−アルケニル、(C
2−C
10)−アルキニル、(C
3−C
14)−シクロアルキル、(C
4−C
20)−シクロアルキルアルキル、(C
2−C
20)−シクロヘテロアルキル、(C
3−C
19)−シクロヘテロアルキルアルキルによって、互いに独立して、一回又は複数回、置換されていてもよく、更にこれらのそれぞれは、互いに独立して、一つ又はそれより多いラジカル、F、OH、(=O)、NH
2、NH(C
1−C
4)アルキル、N((C
1−C
4)アルキル)
2、CN又は(C
1−C
10)−アルコキシを保有していてもよい;
【0008】
Lは、
共有結合、又はラジカル(C
1−C
10)−アルキル、(C
3−C
14)−シクロアルキル、(C
4−C
20)−シクロアルキルアルキルラジカル、−COR12、−CO(NR13R14)、S(O)
nR12、−S(O)
2NR13R14、(=O)及びF[上記において、アルキル、シクロアルキル及びシクロアルキルラジカルは、一回又は複数回、Fによって置換されていてもよい]の群からの一つ又はそれより多い置換基を、互いに独立して、保有していてもよい、1〜10炭素原子を有するアルキレンブリッジであり;
Xは、
基−N(R6)−、−O−、−S(O)
n−、又は1〜5個の炭素原子を有する、アルキレン{上記において、R6は、水素であってもよいし、又は(C
1−C
10)−アルキル、(C
3−C
14)−シクロアルキル、(C
4−C
20)−シクロアルキルアルキルラジカルであってもよく[これらは、すべて、Fによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよい]、又はR6は、−COR12;−CO(NR13R14)、S(O)
nR12、−S(O)
2NR13R14であってもよい}であり;
R2は、
存在しないか、又はF、(C
1−C
10)−アルキル及び(C
1−C
10)−アルコキシラジカル[上記において、アルキル及びアルコキシラジカルは、Fによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよい]の群より、独立して、選択することができる一つ又はそれより多い置換基であり;
【0009】
R3及びR4は、
互いに独立して、水素ラジカルであるか、又は(C
1−C
10)−アルキルラジカル、(C
2−C
10)−アルケニルラジカル、(C
2−C
10)−アルキニルラジカル、(C
3−C
14)−シクロアルキルラジカル、(C
4−C
20)−シクロアルキルアルキルラジカル、(C
2−C
19)−シクロヘテロアルキルラジカル、(C
3−C
19)−シクロヘテロアルキルアルキルラジカル、(C
6−C
10)−アリールラジカル、(C
7−C
20)−アリールアルキルラジカル、(C
1−C
9)−ヘテロアリールラジカル、(C
2−C
19)−ヘテロアリールアルキルラジカルの群より選択されるラジカル
[上記において、
ラジカルR3及びR4は、
OH、NH
2、(=O)、F、Cl、Br、I、CN、NO
2、−NR13R14、−NR13COR12、−NR13COOR12、−NR12CONR13R14、−NR13−S(O)
2−R12、−NR13−S(O)
2−NR13R14、−COOR12、−COR12;−CO(NR13R14)、S(O)
nR12、−S(O)
2R13R14の群からのラジカルによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよい]であるか、
又は
R3及びR4は、
それらが結合している窒素と一緒になって、4〜10員の、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環[このヘテロ環は、更に、リスト−O−、−S(O)
n−、=N−及び−NR8−からの一つ又はそれより多いヘテロ原子を含んでいてもよい]を形成し、
上記において、
このヘテロ環式ラジカルは、R7及びR9の群より選択されるラジカルによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく、
そして上記において、
このヘテロ環式ラジカルは、結合によって飽和若しくは不飽和の(C
1−C
10)−アルキル又は(C
1−C
9)−ヘテロアルキル鎖によって、又は−NR15−、−O−、−S−によって架橋されていてもよく、
そして上記において、
このアルキル及びヘテロアルキル鎖はまた、R3及びR4によって形成される環系とスピロ環状環系を形成していてもよく、上記において、このアルキル及びヘテロアルキル架橋は、R7及びR9の群より選択されるラジカルによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく、
そして上記において、
基NR8中のR8は、R3及びR4が形成することができる環と、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環を更に形成してもよく、このヘテロ環は、R7及びR9の群より選択されるラジカルによって一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく、そしてリスト−O−、−S(O)
n−、−N=及び−NR19−からの一つ又はそれより多いヘテロ原子を更に含んでいてもよく;
【0010】
R7は、
(C
1−C
10)−アルキルラジカル又は(C
1−C
14)−シクロアルキルラジカルであり、上記において、アルキルラジカルは、一回又は複数回、互いに独立して、R9によって置換されていてもよく;
R8は、H、(C
1−C
10)−アルキルラジカル又は(C
1−C
14)−シクロアルキルラジカル、COR12、−CO(NR13R14)、S(O)
nR12、−S(O)
2NR13R14であり、上記において、アルキルラジカルは、一回又は複数回、互いに独立して、R10によって置換されていてもよく;
R9は、
OH、(=O)、F、Cl、Br、I、CN、NO
2、−NR13R14、−NR13COR12、−NR13COOR12、−NR12CONR13R14、−NR13−S(O)
2−R12、−NR13−S(O)
2−NR13R14、−COOR12、−COR12、−CO(NR13R14)、S(O)
nR12、−S(O)
2NR13R14、(C
3−C
14)−シクロアルキル、(C
4−C
20)−シクロアルキルアルキル、(C
1−C
10)−アルコキシ、(C
2−C
19)−シクロヘテロアルキル、(C
3−C
19)−シクロヘテロアルキルアルキル、(C
6−C
10)−アリールラジカル、(C
1−C
9)−ヘテロアリールラジカルの群より選択されるラジカルであり;
R10は、
F、OH、CN、(C
1−C
10)−アルコキシ、(C
1−C
10)−アルキルチオ、NO
2、−NR13R14、−NR13COR12、−NR13COOR12、−NR13CONR13R14、−NR13−S(O)
2−R12、−NR12−S(O)
2−NR13R14、−COOR12、−COR12、−CO(NR13R14)、S(O)
nR12、−S(O)
2NR13R14の群より選択されるラジカルであり;
R11は、
(C
1−C
10)−アルキル、(C
2−C
10)−アルケニル、(C
2−C
10)−アルキニル、(C
1−C
10)−アルコキシ、(C
1−C
20)−アルキルチオ、(C
3−C
14)−シクロアルキル、(C
4−C
10)−シクロアルキルアルキル、(C
2−C
13)−シクロヘテロアルキル、(C
4−C
19)−シクロヘテロアルキルアルキル、(C
3−C
14)−シクロアルキルオキシ、(C
2−C
13)−シクロヘテロアルキルオキシ
[これらは、すべて、一回又は複数回、互いに独立して、R10によって置換されていてもよい]、
(=O)、Cl、Br、I及びR10の群より選択されるラジカルであり;
【0011】
R12、R13及びR14は、
互いに独立して、H、(C
1−C
10)−アルキル、(C
2−C
10)−アルケニル、(C
2−C
10)−アルキニル、(C
3−C
14)−シクロアルキル、(C
4−C
10)−シクロアルキルアルキル、(C
2−C
13)−シクロヘテロアルキル、(C
3−C
19)−シクロヘテロアルキルアルキル、(C
6−C
10)−アリールであることができ、これらのそれぞれは、F、OH、(=O)、NH
2、NH(C
1−C
4)アルキル、N((C
1−C
4)アルキル)
2、CN又は(C
1−C
10)−アルコキシによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく;
又は
上記において、R13及びR14は、それらが結合している窒素と一緒になって一つ又はそれより多いヘテロ原子を更に含んでいてもよい1〜13個の炭素原子を有する4〜7員の、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環[これは、リスト−O−、−S(O)
n−、=N−及び−NR15−からの一つ又はそれより多いヘテロ環を更に含んでいてもよい]を形成することができ、
上記において、形成されるヘテロ環は、F、OH、(=O)、NH
2、NH(C
1−C
4)アルキル、N((C
1−C
4)アルキル)
2、CN又は(C
1−C
10)−アルコキシ、(C
1−C
10)−アルキル、(C
2−C
10)−アルケニル、(C
2−C
10)−アルキニル、(C
3−C
14)−シクロアルキル、(C
4−C
20)−シクロアルキルアルキル、(C
2−C
20)−シクロヘテロアルキル、(C
3−C
19)−シクロヘテロアルキルアルキルによって、互い
に独立して、一回又は複数回、置換されていてもよく、更にこれらのそれぞれは、互いに独立して、一つ又はそれより多いラジカル、F、OH、(=O)、NH
2、NH(C
1−C
4)アルキル、N((C
1−C
4)アルキル)
2、CN又は(C
1−C
10)−アルコキシを保有していてもよい;
R15は、
H、(C
1−C
10)−アルキル、(C
2−C
10)−アルケニル、(C
2−C
10)−アルキニル、(C
3−C
14)−シクロアルキル、(C
4−C
20)−シクロアルキルアルキル、(C
2−C
13)−シクロヘテロアルキル、(C
3−C
19)−シクロヘテロアルキルアルキルの群より選択されるラジカルであり、これらのそれぞれは、F、OH、CN又は(C
1−C
10)−アルコキシによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく;
R19は、
H、(C
1−C
10)−アルキルラジカル又は(C
1−C
14)−シクロアルキルラジカル、COR12、−CO(NR13R14)、S(O)
nR12、−S(O)
2NR13R14であり、上記において、アルキルラジカルは、R10によって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく;
そして上記において、
nは、0、1又は2であり;
pは、1又は2であり、そして
qは、0又は1である〕
の化合物及びその製薬学的に許容される塩に関連するものであって、
【0012】
そして、上記において、
i)Aがフェニルであり、Bがフェニル又はベンゾジオキソラニルであり、Xが−O−又は−S−であり、Lが結合であり、そしてR3及びR4が、H、(C
1−C
10)−アルキル、(C
3−C
14)−シクロアルキル、(C
7−C
20)−アリールアルキルであるか、又はR3及びR4が、一緒になって、非置換のピロリジニル、モルホリニル、ピペリジニル又はピペラジニルラジカル又は4−メチルピペラジニルラジカルである場合は、(C
1−C
10)−アルキル、(C
1−C
10)−アルコキシ、OH、CF
3、F、Cl、Br又はIラジカルではない、少なくとも一つのR5ラジカルが存在する必要があり、
ii)Aがフェニルであり、Xが、−O−、−S−又は−NH−であり、そしてR3及びR4が、(C
1−C
10)−アルキル、(C
3−C
14)−シクロアルキル又は(C
4−C
20)−シクロアルキルアルキルラジカルである場合は、F、Cl、Br、I、(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
4)−アルコキシ、CF
3、OCF
3、CN、NO
2、NH
2、−NH((C
1−C
10)−アルキル)、−N((C
1−C
10)−アルキル)
2、非置換又は置換ベンゾイル又は非置換又は置換フェニル−(CH
2)
r−Y−(CH
2)
s−ラジカル{Yは結合又は酸素であり、そしてr及びsが0〜4[ここで、r+sは4より大きくない]である}ではない、少なくとも一つのR5ラジカルが存在する必要がある。
【0013】
一つの実施態様では、
Lが共有結合であり;
Xが基−O−であり;
そして
qが0である、式Iの化合物及びその製薬学的に許容される塩が好ましい。
【0014】
本発明の好ましい物質は、
式Ia:
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
{式中、
Aは、フェニル又は5〜6員のヘテロアリールラジカルであり、上記において、ヘテロアリールラジカルは、ヘテロ原子として、1、2若しくは3個の窒素原子、1個の酸素原子、1個の硫黄原子、1若しくは2個の窒素及び1個の酸素若しくは1個の硫黄原子を含むことができ、上記において、前記フェニル又はヘテロアリールラジカルの一つ又はそれより多い水素原子は、ラジカルR1によって、互いに独立して、置き換えられていてもよく、及び/又は
Bは、6〜10員の単環式又は縮合二環式アリール基、5〜10員の単環式又は縮合二環式ヘテロアリール基、9〜14員の縮合二環式シクロアルキルアリール基、8〜14員の縮合二環式シクロアルキルヘテロアリール基、9〜14員の縮合二環式シクロヘテロアルキルアリール基又は8〜14員の縮合二環式シクロヘテロアルキルヘテロアリール基であり、これらのそれぞれは、R5によって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく、
上記において、シクロアルキル及びシクロヘテロアルキルユニットは、飽和であっても、又は一部不飽和であってもよく、そして
上記において、シクロヘテロアルキルアリール基は、ヘテロ原子として、1若しくは2個の窒素原子、1若しくは2個の酸素原子、1若しくは2個の硫黄原子、1個の窒素原子及び1個の酸素若しくは1個の硫黄原子、又は1個の酸素及び1個の硫黄原子を含むことができ、
そして、
ヘテロアリール及びシクロアルキルヘテロアリール基は、1、2、3若しくは4個の窒素原子、1個の酸素原子、1個の硫黄原子、1若しくは2個の窒素原子及び1個の酸素若しくは硫黄原子、又は1個の酸素及び1個の硫黄原子を含むことができ、
そしてシクロヘテロアルキルヘテロアリール基は、ヘテロ原子として、1、2、3若しくは4個の窒素原子、1若しくは2個の酸素原子、1若しくは2個の硫黄原子、1、2若しくは3個の窒素原子及び1個の酸素若しくは1個の硫黄原子、又は1個の酸素及び1個の硫黄原子を含むことができ、及び/又は
Xは、基−N(R6)−、−O−又は−S(O)
n−[ここで、R6は、Hであるか、又は(C
1−C
5)−アルキルであり、そしてnは、1又は2である]であり、及び/又はR2は、存在しないか、又はF及び(C
1−C
6)−アルキルラジカル[ここで、アルキルラジカルは、Fによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよい]の群より、互いに独立して、選択されうる一つ又はそれより多い置換基であり、及び/又はLは共有結合、−C(O)−ブリッジ又はメチレンブリッジ[上記において、一つまたは二つの水素原子はFによって置き換えられていてもよい]であり;
上記において、ラジカルR1、R3、R4及びR5は、上記に言及した意味を有する}を有する化合物及びその製薬学的に許容される塩である。
【0015】
一つの実施態様では、
Lが共有結合であり;
そして
Xが基−O−である、
式Iaの化合物及びその製薬学的に許容される塩が好ましい。
【0016】
本発明の特に好ましい化合物は、式Ib:
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
〔式中、
Bは、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、インドリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾジヒドロチオフェニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾジヒドロフラニル基、イソベンゾジヒドロフラニル基、ベンゾピロリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサチオリル基、インドリニル基、ベンゾジオキソリル基、テトラヒドロイソキノリニル基、テトラヒドロキノリニル基でありえ、上記において、基B中の一つ、二つ、三つ又は四つの水素原子は、R5の群からのラジカルによって置き換えられていてもよく、
上記において、
R5ラジカルは、それぞれ、
(C
1−C
4)−アルキル[この(C
1−C
4)−アルキルは、全部又は一部がフッ素化されていてもよいし、又は、水素が、CN、NH
2、OH、NH(C
1−C
4)アルキル、N((C
1−C
4)アルキル)
2、(C
1−C
4)−アルコキシによって置き換えられていてもよい]、
(C
1−C
4)−アルコキシ[この(C
1−C
4)−アルコキシは、全部又は一部がフッ素化されていてもよい]、
(C
1−C
4)−アルキルチオ[この(C
1−C
4)−アルキルチオは、全部又は一部がフッ素化されていてもよい]、
(C
2−C
5)−シクロヘテロアルキル及び(C
2−C
5)−シクロヘテロアルキル−(C
1−C
4)−アルキル
[上記において、このシクロヘテロアルキル環は、飽和又は一部不飽和の単環式、二環式であってもよいし、そして1若しくは2個の窒素原子、1個の酸素原子、1個の窒素及び1個の硫黄原子、又は1個の窒素及び1個の酸素原子を含んでいてもよく、そして
上記において、このシクロヘテロアルキル環は、−F、−Cl、−Br、=O、−NH
2、NH(C
1−C
4)アルキル、N((C
1−C
4)アルキル)
2、(C
1−C
4)−アルコキシ、−CN、(C
1−C
4)−アルキル、(C
3−C
10)−シクロアルキルの群からの置換基を、更に保有していてもよい]、
【0017】
フェニル、ナフチル、
(C
1−C
6)−ヘテロアリール[上記において、このヘテロアリール環は、1、2、3若しくは4個の窒素原子、1個の酸素原子、1個の硫黄原子、1又は2個の窒素原子及び1個の酸素若しくは硫黄原子を含んでいてもよい、単環式又は縮合二環式環であってもよく、そして
上記において、このヘテロアリール環は、−F、−Cl、−Br、=O、−OH、−NH
2、NH(C
1−C
4)アルキル、N((C
1−C
4)アルキル)
2、(C
1−C
4)−アルコキシ、−CN、(C
1−C
4)−アルキル、(C
3−C
10)−シクロアルキル、−C(O)O−(C
1−C
4)−アルキルの群からの置換基を、更に保有していてもよい]、
H、OH、(=O)、F、Cl、Br、CN、NO
2、−NR17R18、−NR16COR17、−NR16COOR17、−NR16CONR17R18、−NR16−S(O)
2−R17、−NR16−S(O)
2−NR17R18、−COOR16、−COR16;−CO(NR17R18)、−S(O)
nR16(n=1又は2)、−S(O)
2NR17R18
{上記において、
R16、R17及びR18は、互いに独立して、水素ラジカル、又は非置換若しくは置換(C
1−C
4)−アルキルラジカルの群より選択されるラジカルであってもよく、
上記において、このアルキルラジカルの置換基は、F、OH、(=O)、NH
2、NH(C
1−C
4)アルキル、N((C
1−C
4)アルキル)
2、−CN又は(C
1−C
10)−アルコキシより選択され、
R17及びR18は、それらが結合している窒素と一緒になって、5〜6員の、1〜5個の炭素原子を有する、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環[このヘテロ環は、リスト−O−、−S(O)
n−(n=0、1又は2)、=N−、−NH−及び−N((C
1−C
4)アルキル)からの一つ又はそれより多いヘテロ原子を、更に含んでいてもよい]を形成していてもよく、
上記において、形成されたヘテロ環は、(C
1−C
10)−アルキル、(C
3−C
14)−シクロアルキル、(C
4−C
20)−シクロアルキルアルキル、(C
2−C
20)−シクロヘテロアルキル、(C
3−C
19)−シクロヘテロアルキルアルキルによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく、更にこれらのそれぞれは、一つ又はそれより多いラジカル、F、OH、(=O)又は(C
1−C
10)−アルコキシを、互いに独立して、保有していてもよい}
の群より、互いに独立して、選択され、
R1は、存在しないか、又はF、Cl、Br、I、(C
1−C
6)−アルキル、(C
1−C
6)−アルコキシの群より、互いに独立して、選択される、一つ、二つ又は三つのラジカル[上記において、このアルキル及びアルコキシラジカルは、Fによって、一回又は複数回、置換されていてもよい]であり、
及び/又は
【0018】
Lは、結合又は−CH
2−であり、及び/又は
R3及びR4は、H、(C
1−C
4)−アルキル−、(C
3−C
7)−シクロアルキル−、(C
3−C
6)−シクロヘテロアルキル、フェニル、フェニル−(C
1−C
4)−アルキル、(C
1−C
5)−ヘテロアリールの群より、互いに独立して、選択されるラジカル
{上記において、
ラジカルR3及びR4は、OH、(=O)、F、Cl、Br、CN、NO
2、−NR13R14、−NR13COR12、−NR13COOR12、−NR12CONR13R14、−NR13−S(O)
2−R12、−NR13−S(O)
2−NR13R14、−COOR12、−COR12;−CO(NR13R14)、S(O)
nR12、−S(O)
2NR13R14の群からのラジカルによって、一、二又は三回、互いに独立して、置換されていてもよい[上記において、R12、R13及びR14は、H又は(C
1−C
4)−アルキルである]}であるか、
又は
R3及びR4は、それらが結合している窒素と一緒になって、4〜8員の、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環[このヘテロ環は、リスト−O−、−S(O)
n−(n=0、1又は2)、=N−及び−NR8−からの一つ又はそれより多いヘテロ原子を、更に、含んでいてもよい]を形成し、
上記において、このヘテロ環式ラジカルは、R7及びR9の群より選択されるラジカルによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく、
上記において、このヘテロ環式ラジカルは、結合によって、(C
1−C
7)−アルキル、飽和若しくは不飽和(C
1−C
6)−ヘテロアルキル鎖によって、又は−NH−、−N(C
1−C
4)−アルキル)−によって架橋されていてもよく、
そして上記において、
このアルキル及びヘテロアルキル鎖はまた、R3及びR4によって形成される環系とスピロ環状環系を形成していてもよく、
そして上記において、R8は、ラジカルR3及びR4が、形成することができる環と、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環[このヘテロ環は、リスト−O−、−S(O)
n−(n=0、1又は2)、=N−、−NH−及び−N((C
1−C
4)−アルキル)からの一つ又は二つのヘテロ原子を、更に、含んでいてもよい]を、更に形成していてもよく;ここで、R7、R8及びR9は、上記に表示されている意味を有する〕
のテトラヒドロナフタレン及びその製薬学的に許容される塩である。
【0019】
一つの実施態様では、Lが共有結合である、式Ibの化合物及びその製薬学的に許容される塩が好ましい。
【0020】
好ましい化合物の更なる群は、式Ic:
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
〔式中、
Bは、6〜10員の単環式又は縮合二環式アリール基、5〜10員の単環式又は縮合二環式ヘテロアリール基、9〜14員の縮合二環式シクロアルキルアリール基、8〜14員の縮合二環式シクロアルキルヘテロアリール基、縮合9〜14員の二環式シクロヘテロアルキルアリール基又は8〜14員の縮合二環式シクロヘテロアルキルヘテロアリール基であり、これらのそれぞれは、R5によって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく、
上記において、このシクロアルキル及びシクロヘテロアルキルユニットは、飽和又は一部不飽和であってもよく、そして
上記において、このシクロヘテロアルキルアリール基は、ヘテロ原子として、1若しくは2個の窒素原子、1若しくは2個の酸素原子、1若しくは2個の硫黄原子、1個の窒素原子及び1個の酸素若しくは1個の硫黄原子、又は1個の酸素及び1個の硫黄原子を含んでいてもよく、
そしてこのヘテロアリール及びシクロアルキルヘテロアリール基は、1、2、3若しくは4個の窒素原子、1個の酸素原子、1個の硫黄原子、1若しくは2個の窒素原子及び1個の酸素若しくは1個の硫黄原子、又は1個の酸素及び1個の硫黄原子を含んでいてもよく、
そしてこのシクロヘテロアルキルヘテロアリール基は、ヘテロ原子として、1、2、3若しくは4個の窒素原子、1若しくは2個の酸素原子、1若しくは2個の硫黄原子、1、2又は3個の窒素原子及び1個の酸素若しくは1個の硫黄原子、又は1個の酸素及び1個の硫黄原子を含んでいてもよく、
及び/又は
Xは、基−N(R6)−、−O−又は−S(O)
n−[上記において、R6は、H又は(C
1−C
5)−アルキルであり、そしてnは1又は2である]であり、
及び/又は
R2は、存在しないか、又はF及び(C
1−C
6)−アルキルラジカルの群より、互いに独立して、選択することができる、一つ又はそれより多い置換基[上記において、このアルキルラジカルは、Fによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよい]であり、
及び/又は
Lは、共有結合、−(C(O)−ブリッジ又はメチレンブリッジ[これは、Fによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよい]であり;
qは、0又は1であり;
上記において、ラジカルA、R1、R3、R4及びR5は、上記に言及した意味を有する〕
による構造及びその製薬学的に許容される塩である。
【0021】
特に好ましい化合物は、
Aは、フェニル又は5〜6員のヘテロアリールラジカル[上記において、このヘテロアリールラジカルは、ヘテロ原子として、1、2若しくは3個の窒素原子、1個の酸素原子、1個の硫黄原子、1若しくは2個の窒素及び1個の酸素若しくは1個の硫黄原子を含んでいてもよく、上記において、フェニル又はヘテロアリールラジカル中の一つ又はそれより多い水素原子は、ラジカルR1によって、互いに独立して、置き換えられていてもよい]であり、
及び/又は
Bは、6〜10員の単環式又は縮合二環式アリール基、5〜10員の単環式又は縮合二環式ヘテロアリール基、9〜14員の縮合二環式シクロアルキルアリール基、8〜14員の縮合二環式シクロアルキルヘテロアリール基、縮合した9〜14員の二環式シクロヘテロアルキルアリール基又は8〜14員の縮合二環式シクロヘテロアルキルヘテロアリール基であり、これらのそれぞれは、R5によって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく、
上記において、このシクロアルキル及びシクロヘテロアルキルユニットは、飽和であっても、又は一部不飽和であってもよく、そして
上記において、このシクロヘテロアルキルアリール基は、ヘテロ原子として、1個の窒素原子、1若しくは2個の酸素原子、1若しくは2個の硫黄原子、1個の窒素原子及び1個の酸素若しくは1個の硫黄原子、又は1個の酸素及び1個の硫黄原子を含んでいてもよく、
そしてこのヘテロアリール及びシクロアルキルヘテロアリール基は、1、2若しくは3個の窒素原子、1個の酸素原子、1個の硫黄原子、1個の窒素及び1個の酸素若しくは硫黄原子、又は1個の酸素及び1個の硫黄原子を含んでいてもよく、
そしてシクロヘテロアルキルヘテロアリール基は、ヘテロ原子として、1、2、3若しくは4個の窒素原子、1若しくは2個の酸素原子、1若しくは2個の硫黄原子、1若しくは2個の窒素原子及び1個の酸素若しくは1個の硫黄原子、又は1個の酸素及び1個の硫黄原子を含んでいてもよく、及び/又は
Xは、基−N(R6)−、−O−又は−S(O)
n−[上記において、R6は、H又は(C
1−C
5)−アルキルであり、そしてnは1又は2である]であり、
及び/又は
R2は、存在しないか、又はF及び(C
1−C
6)−アルキルラジカルの群より、互いに独立して、選択することができる、一つ又はそれより多い置換基[上記において、このアルキルラジカルは、Fによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよい]であり、
及び/又は
Lは、共有結合、−C(O)−ブリッジ又はメチレンブリッジ[これは、Fによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよい]であり;
qが、0又は1であり;
上記において、前記R1、R3、R4及びR5ラジカルは、上記に言及した意味を有する、
式Icによる構造及びその製薬学的に許容される塩である。
【0022】
一つの実施態様では、
Lが共有結合であり;
Xが基−O−であり;
そして
qが0である、
式Icの化合物及びその製薬学的に許容される塩が好ましい。
【0023】
式Id:
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
〔式中、
Bは、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、インドリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾジヒドロチオフェニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾジヒドロフラニル基、イソベンゾジヒドロフラニル基、ベンゾピロリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサチオリル基(benzoxathiolyl)、インドリニル基、ベンゾジオキソリル基、テトラヒドロイソキノリニル基、テトラヒドロキノリニル基[上記において、基B中の一つ、二つ、三つ又は四つの水素原子は、基R5からのラジカルによって置き換えられていてもよい]でありえ、
上記において、
R5ラジカルは、それぞれ、
(C
1−C
4)−アルキル[この(C
1−C
4)−アルキルは、全部又は一部がフッ素化されていてもよいし、又は、1個の水素が、CN、NH
2、OH、NH(C
1−C
4)アルキル、N((C
1−C
4)アルキル)
2、(C
1−C
4)−アルコキシによって置き換えられていてもよい]、
(C
1−C
4)−アルコキシ[この(C
1−C
4)−アルコキシは、全部又は一部がフッ素化されていてもよい]、
(C
1−C
4)−アルキルチオ[この(C
1−C
4)−アルキルチオは、全部又は一部がフッ素化されていてもよい]、
(C
2−C
5)−シクロヘテロアルキル及び(C
2−C
5)−シクロヘテロアルキル−(C
1−C
4)−アルキル
[上記において、このシクロヘテロアルキル環は、飽和又は一部不飽和であってもよいし、そして1若しくは2個の窒素原子、1個の酸素原子、1個の窒素及び1個の硫黄原子又は1個の窒素及び1個の酸素原子を含んでいてもよく、そして
上記において、このシクロヘテロアルキル環は、−F、−Cl、−Br、=O、−NH
2、−CN、(C
1−C
4)−アルキル、(C
3−C
10)−シクロアルキル、OH、NH(C
1−C
4)−アルキル、N((C
1−C
4)−アルキル)
2、(C
1−C
10)−アルコキシ、
の群からの置換基を、更に保有していてもよい]、
【0024】
フェニル、ナフチル、
(C
1−C
6)−ヘテロアリール[上記において、このヘテロアリール環は、1、2、3若しくは4個の窒素原子、1個の酸素原子、1個の硫黄原子、1又は2個の窒素原子及び1個の酸素若しくは硫黄原子を含んでいてもよい、単環式又は縮合二環式環であってもよく、そして
上記において、このヘテロアリール環は、−F、−Cl、−Br、=O、−NH
2、−CN、(C
1−C
4)−アルキル、(C
3−C
10)−シクロアルキル、OH、NH(C
1−C
4)−アルキル、N((C
1−C
4)−アルキル)
2、(C
1−C
10)−アルコキシ、−C(O)O−(C
1−C
4)−アルキルの群からの置換基を、更に保有していてもよい]、
H、OH、(=O)、F、Cl、Br、CN、NO
2、−NR17R18、−NR16COR17、−NR16COOR17、−NR16CONR17R18、−NR16−S(O)
2−R17、−NR16−S(O)
2−NR17R18、−COOR16、−COR16;−CO(NR17R18)、S(O)
nR16(n=1又は2)、−S(O)
2NR17R18
{上記において、
R16、R17及びR18は、互いに独立して、水素ラジカル、又は非置換若しくは置換(C
1−C
4)−アルキルラジカル[上記において、このアルキルラジカルの置換基は、F、OH、(=O)、NH
2、NH(C
1−C
4)アルキル、N((C
1−C
4)アルキル)
2、CN又は(C
1−C
10)−アルコキシより選択される]の群より選択されるラジカルであってもよく、
R17及びR18は、それらが結合している窒素と一緒になって、5〜6員の、1〜5個の炭素原子を有する、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環[このヘテロ環は、リスト−O−、−S(O)
n−(n=0、1又は2)、=N−、−NH−及びN((C
1−C
4)アルキル)−からの一つ又はそれより多いヘテロ原子を、更に含んでいてもよい]を形成していてもよく、
上記において、形成されたヘテロ環は、(C
1−C
10)−アルキル、(C
3−C
14)−シクロアルキル、(C
4−C
20)−シクロアルキルアルキル、(C
2−C
20)−シクロヘテロアルキル、(C
3−C
19)−シクロヘテロアルキルアルキルによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく、更にこれらのそれぞれは、一つ又はそれより多いラジカル、F、OH、(=O)、NH
2、NH(C
1−C
4)アルキル、N((C
1−C
4)アルキル)
2、CN又は(C
1−C
10)−アルコキシを、互いに独立して、保有していてもよい}
の群より、互いに独立して、選択され、
R1は、存在しないか、又はF、Cl、Br、I、(C
1−C
6)−アルキル、(C
1−C
6)−アルコキシの群より、互いに独立して、選択される、一つ、二つ又は三つのラジカル[上記において、このアルキル及びアルコキシラジカルは、Fによって、一回又は複数回、置換されていてもよい]であり、
及び/又は
【0025】
R3及びR4は、H、(C
1−C
4)−アルキル、(C
3−C
7)−シクロアルキル−、(C
3−C
7)−シクロアルキル−(C
1−C
4)−アルキル−、(C
3−C
6)−シクロヘテロアルキル−、フェニル−、フェニル−(C
1−C
4)−アルキル−、(C
1−C
5)−ヘテロアリールの群より、互いに独立して、選択されるラジカル
{上記において、
ラジカルR3及びR4は、OH、(=O)、F、Cl、Br、CN、NO
2、−NR13R14、−NR13COR12、−NR13COOR12、−NR12CONR13R14、−NR13−S(O)
2−R12、−NR13−S(O)
2−NR13R14、−COOR12、−COR12;−CO(NR13R14)、−S(O)
nR12、−S(O)
2NR13R14の群からのラジカルによって、一、二又は三回、互いに独立して、置換されていてもよい[上記において、R12、R13及びR14は、H又は(C
1−C
4)−アルキルである]}であるか、
又は
R3及びR4は、それらが結合している窒素と一緒になって、4〜8員の、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環[このヘテロ環は、リスト−O−、−S(O)
n−(n=0、1又は2)、=N−及び−NR8−からの一つ又はそれより多いヘテロ原子を、更に、含んでいてもよい]を形成し、
上記において、このヘテロ環式ラジカルは、ラジカルR7及びR9の群より選択されるラジカルによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく、
上記において、このヘテロ環式ラジカルは、結合によって、(C
1−C
7)−アルキル、(C
1−C
6)−飽和若しくは不飽和ヘテロアルキル鎖によって、又は−NH−、−N(C
1−C
4)−アルキル−によって架橋されていてもよく、
そして上記において、
このアルキル及びヘテロアルキル鎖はまた、R3及びR4によって形成される環系とスピロ環状環系を形成していてもよく、
そして上記において、基NR8中のR8は、ラジカルR3及びR4が形成することができる環と、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環{このヘテロ環は、リスト−O−、−S(O)
n−(n=0、1又は2)、=N−、及び−NR19−[R19は、H又は(C
1−C
4)−アルキルである]からの一つ又は二つのヘテロ原子を、更に、含んでいてもよい]}を、更に、形成していてもよく;
上記において、ラジカルR7、R8及びR9は、上記に言及した意味を有する〕
のアミノインダン及びその製薬学的に許容される塩が特に好ましい。
【0026】
好ましいアミノインダンは、
Bは、フェニル基、ナフチル基、ピリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、インドリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾジヒドロチオフェニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾジヒドロフラニル基、イソベンゾジヒドロフラニル基、ベンゾピロリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾピラゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサチオリル基、インドリニル基、ベンゾジオキソリル基、テトラヒドロイソキノリニル基、テトラヒドロキノリニル基[上記において、基B中の一つ、二つ、三つ又は四つの水素原子は、基R5からのラジカルによって置き換えられていてもよい]であり、
上記において、R5ラジカルの一つは、
(C
2−C
5)−シクロヘテロアルキル
[上記において、このシクロヘテロアルキル環は、飽和又は一部不飽和であってもよく、そして1若しくは2個の窒素原子、1個の酸素原子、1個の窒素及び1個の硫黄原子、又は1個の窒素及び1個の酸素原子を含んでいてもよく、
そして上記において、このシクロヘテロアルキル環は、−F、−Cl、−Br、=O、−NH
2−、−CN、(C
1−C
4)−アルキル、(C
3−C
10)−シクロアルキルの群からの置換基を、更に、保有していてもよい]、
【0027】
(C
1−C
6)−ヘテロアリール
[上記において、このヘテロアリール環は、1、2、3若しくは4個の窒素原子、1個の酸素原子、1個の硫黄原子、1若しくは2個の窒素原子及び1個の酸素若しく硫黄原子を含んでいてもよい、単環式又は縮合二環式環でありえ、
そして上記において、このヘテロアリール環は、−F、−Cl、−Br、=O、−NH
2、−CN、(C
1−C
4)−アルキル、(C
3−C
10)−シクロアルキル、−C(O)O−(C
1−C
4)−アルキルの群からの置換基を、更に、保有していてもよい]、
OH、(=O)、NH
2、NO
2、−NR17R18、−NR16COR17、−NR16COOR17、−NR16CONR17R18、−NR16−S(O)
2−R17、−NR16−S(O)
2−NR17R18、−COOR16、−COR16;−CO(NR17R18)、S(O)
2R16、−S(O)
2NR17R18、
{上記において、R16、R17及びR18は、互いに独立して、水素ラジカル、又は非置換若しくは置換(C
1−C
4)−アルキルラジカルの群から選択されるラジカル[上記において、このアルキルラジカルの置換基は、F、OH、(=O)、NH
2、NH(C
1−C
4)アルキル、N((C
1−C
4)アルキル)
2、CN又は(C
1−C
10)−アルコキシから選択される]でありえ、
R17及びR18は、それらが結合している窒素と一緒になって、5〜6員の、1〜5個の炭素原子を有する、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環[このヘテロ環は、リスト−O−、−S(O)
n−(n=0、1又は2)、=N−、−NH−及び−N((C
1−C
4)アルキル)−からの一つ又はそれより多いヘテロ原子を、更に含んでいてもよい]を形成していてもよく、
上記において、形成されたヘテロ環は、(C
1−C
10)−アルキル、(C
3−C
14)−シクロアルキル、(C
4−C
20)−シクロアルキルアルキル、(C
2−C
20)−シクロヘテロアルキル、(C
3−C
19)−シクロヘテロアルキルアルキルによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく、更にこれらのそれぞれは、一つ又はそれより多いラジカル、F、OH、(=O)、NH
2、NH(C
1−C
4)アルキル、N((C
1−C
4)アルキル)
2、CN又は(C
1−C
10)−アルコキシを、互いに独立して、保有していてもよい}
の群より選択され、
そして
【0028】
更に、ラジカルR5は、
(C
1−C
4)−アルキル[この(C
1−C
4)−アルキルは、全部又は一部がフッ素化されていてもよいし、又は水素は、CN、NH
2、OH、NH(C
1−C
4)アルキル、N((C
1−C
4)アルキル)
2、(C
1−C
4)−アルコキシによって置き換えられていてもよい]、
(C
1−C
4)−アルコキシ[この(C
1−C
4)−アルコキシは、全部又は一部がフッ素化されていてもよい]、
(C
1−C
4)−アルキルチオ[この(C
1−C
4)−アルキルチオは、全部又は一部がフッ素化されていてもよい]、
フェニル、
OH、(=O)、F、Cl、Br、CN、−NR17R18、NR16COR17、−COOR16、−COR16;−CO(NR17R18)
{上記において、R16、R17及びR18は、互いに独立して、水素ラジカルであってもよいし、又は非置換又は置換(C
1−C
4)−アルキルラジカルの群より選択されるラジカルであってもよく、
[上記において、アルキルラジカルの置換基は、F、OH、(=O)、NH
2、NH(C
1−C
4)アルキル、N((C
1−C
4)アルキル)
2、CN又は(C
1−C
10)−アルコキシ−から選択される]
R17及びR18は、それらが結合している窒素と一緒になって、1〜5個の炭素原子を有する、4〜7員の、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環[このヘテロ環は、リスト−O−、−S(O)
n−(n=0、1又は2)、=N−、−NH−及びN((C
1−C
4)アルキル)−からの一つ又はそれより多いヘテロ原子を、更に、含んでいてもよい]を形成していてもよく、
上記において、形成されたヘテロ環は、(C
1−C
10)−アルキル、(C
3−C
14)−シクロアルキル、(C
4−C
20)−シクロアルキルアルキル、(C
2−C
20)−シクロヘテロアルキル、(C
3−C
19)−シクロヘテロアルキルアルキルによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく、更にこれらのそれぞれは、一つ又はそれより多いラジカル、F、OH、(=O)、NH
2、NH(C
1−C
4)アルキル、N((C
1−C
4)アルキル)
2、CN又は(C
1−C
10)−アルコキシを、互いに独立して、保有していてもよい}
の群より、互いに独立して、選択され、
及び/又は
【0029】
R1は、存在しないか、又はF、Cl、Br、I、(C
1−C
6)−アルキル、(C
1−C
6)−アルコキシの群より、互いに独立して、選択される、一つ、二つ又は三つのラジカル[上記において、このアルキル及びアルコキシラジカルは、Fによって、一回又は複数回、置換されていてもよい]であり、
及び/又は
R3及びR4は、H、(C
1−C
5)−アルキル−、フェニル−(C
1−C
4)−アルキル−、NH
2−(C
1−C
4)−アルキル−、N((C
1−C
4)−アルキル)
2−(C
1−C
4)−アルキル−、(C
1−C
4)−アルコキシ−(C
1−C
4)−アルキル−、(C
3−C
7)−シクロアルキル−(C
1−C
4)−アルキル−及び(C
4−C
6)−シクロヘテロアルキル−[これは、−NH−、−O−又は−S−基を含む]の群より、互いに独立して、選択されるラジカルであり、
又は
R3及びR4は、それらが結合している窒素と一緒になって、4〜8員の、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環[このヘテロ環は、リスト−O−、−S(O)
n−(n=0、1又は2)、=N−及び−NR8−からの一つ又はそれより多いヘテロ原子を、更に、含んでいてもよい]を形成し、
上記において、このヘテロ環式ラジカルは、ラジカルR7及びR9の群より選択されるラジカルによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく、
上記において、このヘテロ環式ラジカルは、結合によって、(C
1−C
7)−アルキル、(C
1−C
6)−飽和若しくは不飽和ヘテロアルキル鎖によって、又は−NH−、N((C
1−C
4)アルキル)−によって架橋されていてもよく、そして上記において、このアルキル及びヘテロアルキル鎖はまた、R3及びR4によって形成される環系とスピロ環状環系を形成していてもよく、
そして上記において、R8は、ラジカルR3及びR4が形成する環と、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環[これは、リスト−O−、−S(O)
n−(n=0、1又は2)、−NH−及び−N((C
1−C
4)アルキル)−からの一つ又は二つのヘテロ原子を、更に、含んでいてもよい]を、更に形成していてもよく、
及び/又は
【0030】
R7は、H、(C
1−C
5)−アルキルラジカル又は(C
3−C
6)−シクロアルキルラジカル[上記において、このアルキルラジカルは、R9によって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよい]であり、
及び/又は
R8は、H、(C
1−C
5)−アルキルラジカル又は(C
1−C
6)−シクロアルキルラジカル[上記において、このアルキルラジカルは、F、OH、NH
2、CN、NO
2、(C
1−C
10)−アルコキシ、(C
1−C
10)−アルキルチオ、−NR13R14、−NR13COR12、−NR13COOR12、−NR13CONR13R14、−NR13−S(O)
2−R12、−NR12−S(O)
2−NR13R14、−COOR12、−COR12;−CO(NR13R14)、S(O)
nR12、−S(O)
2NR13R14、COR12、−CO(NR13R14)、S(O)
nR12、−S(O)
2NR13R14によって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよい]であり、
及び/又は
R9は、OH、NH
2、(=O)、F、Cl、Br、I、CN、−NR13R14、−NR13COR12、−NR13COOR12、−NR12CONR13R14、−NR13−S(O)
2−R12、−NR13−S(O)
2−NR13R14、−COOR12、−COR12;−CO(NR13R14)、S(O)
nR12、−S(O)
2NR13R14、(C
3−C
6)−シクロアルキル、(C
4−C
7)−シクロアルキルアルキル、(C
1−C
5)−アルコキシ、(C
2−C
6)−シクロヘテロアルキル、(C
3−C
10)−シクロヘテロアルキルアルキル、フェニル、(C
1−C
5)−ヘテロアリールラジカルの群より選択されるラジカルであり、
上記において、R12、R13及びR14は、互いに独立して、水素ラジカル又は非置換又は置換(C
1−C
4)−アルキルラジカルの群より選択されるラジカルであり、上記において、このアルキルラジカルの置換基は、F、OH、(=O)、NH
2、NH(C
1−C
4)アルキル、N((C
1−C
4)アルキル)
2、CN又は(C
1−C
10)−アルコキシから選択される、
式Idによる構造及びその製薬学的に許容される塩を有する。
【0031】
一つの実施態様では、
R3及びR4は、それらが結合している窒素と一緒になって、4〜10員の、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環[このヘテロ環は、更に、リスト−O−、−S(O)
n−、=N−及び−NR8−からの一つ又はそれより多いヘテロ原子を含んでいてもよい]を形成し、
上記において、
このヘテロ環式ラジカルは、R7及びR9の群より選択されるラジカルによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく、
そして上記において、
このR3及びR4によって形成されるヘテロ環式ラジカルは、結合によって、飽和若しくは不飽和の(C
1−C
10)−アルキル又は(C
1−C
9)−ヘテロアルキル鎖によって、あるいは−NR15−、−O−、若しくは−S−によって架橋されていてもよく、
そして上記において、
このアルキル及びヘテロアルキル鎖はまた、R3及びR4によって形成される環系とスピロ環状環系を形成してもよく、上記において、このアルキル及びヘテロアルキル架橋(bridges)は、R7及びR9の群より選択されるラジカルによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく、
そして上記において、
基−NR8−中のR8は、R3及びR4が形成しうる環と、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環を、更に、形成してもよく、このヘテロ環は、R7及びR9の群より選択されるラジカルによって一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく、そしてリスト−O−、−S(O)
n−、−N=及び−NR19−からの一つ又はそれより多いヘテロ原子を、更に、含んでいてもよく;
上記において、n、R7、R8、R9及びR19は、上記に表示された意味を有する、式I、Ia、Ib、Ic及びIdの化合物が好ましい。
【0032】
一つの実施態様では、
R3及びR4は、それらが結合している窒素と一緒になって、4〜8員の、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環[このヘテロ環は、更に、リスト−O−、−S(O)
n−(n=0、1又は2)、=N−及び−NR8−からの一つ又はそれより多いヘテロ原子を含んでいてもよい]を形成し、
上記において、ヘテロ環式ラジカルは、ラジカルR7及びR9の群より選択されるラジカルによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく、
上記において、このヘテロ環式ラジカルは、結合によって、(C
1−C
7)−アルキル、(C
1−C
6)−飽和若しくは不飽和ヘテロアルキル鎖によって、又は−NH−、N((C
1−C
4)アルキル)−によって架橋されていてもよく、そして上記においてこのアルキル及びヘテロアルキル鎖はまた、R3及びR4によって形成される環系とスピロ環状環系を形成していてもよく、
そして上記において、R8は、ラジカルR3及びR4が形成する環と、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環を更に形成してもよく、このヘテロ環は、リスト−O−、−S(O)
n−(n=0、1又は2)、−NH−及び−N((C
1−C
4)アルキル)−からの一つ又は二つのヘテロ原子を更に含んでいてもよく;
そして上記において、R7、R8及びR9は、上記に表示した意味を有する、
式I、Ia、Ib、Ic及びIdの化合物がより好ましい。
【0033】
別の実施態様では、
R3及びR4は、それらが結合している窒素と一緒になって、4〜8員の、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環[このヘテロ環は、更に、リスト−O−、−S(O)
n−(n=0、1又は2)、=N−及び−NR8−からの一つ又はそれより多いヘテロ原子を含んでいてもよい]を形成し、
上記において、このヘテロ環式ラジカルは、ラジカルR7及びR9の群より選択されるラジカルによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく、
そして上記において、R8は、ラジカルR3及びR4が形成しうる環と、隣接するC原子と一緒になって、縮合トリアゾール又はピロリジン環を形成していてもよく;
そして上記において、R7、R8及びR9は、上記に表示した意味を有する、
式I、Ia、Ib、Ic及びIdの化合物が特に好ましい。
【0034】
別の実施態様では、
R3及びR4は、互いに独立して、水素ラジカル、又は(C
1−C
10)−アルキルラジカルの、(C
2−C
10)−アルケニルラジカルの、(C
2−C
10)−アルキニルラジカルの、(C
3−C
14)−シクロアルキルラジカルの、(C
4−C
20)−シクロアルキルアルキルラジカルの、(C
2−C
19)−シクロヘテロアルキルラジカルの、(C
3−C
19)−シクロヘテロアルキルアルキルラジカルの、(C
6−C
10)−アリールラジカルの、(C
7−C
20)−アリールアルキルラジカル、(C
1−C
9)−ヘテロアリールラジカルの、(C
2−C
19)−ヘテロアリールアルキルラジカルの群より選択されるラジカルであり、上記において、ラジカルR3及びR4は、OH、NH
2、(=O)、F、Cl、Br、I、CN、NO
2、−NR13R14、−NR13COR12、−NR13COOR12、−NR12CONR13R14、−NR13−S(O)
2−R12、−NR13−S(O)
2−NR13R14、−COOR12、−COR12;−CO(NR13R14)、S(O)
nR12、−S(O)
2R13R14の群からのラジカルによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく;
そして上記においてR12、R13及びR14は、上記に表示した意味を有する、
式I、Ia、Ib、Ic及びIdの化合物がより好ましい。
【0035】
別の実施態様では、
R3及びR4は、H、(C
1−C
5)−アルキル−、フェニル−(C
1−C
4)−アルキル
−、NH
2−(C
1−C
4)−アルキル−、N((C
1−C
4)−アルキル)
2−(C
1−C
4)−アルキル−、(C
1−C
4)−アルコキシ−(C
1−C
4)−アルキル−、(C
3−C
7)−シクロアルキル−(C
1−C
4)−アルキル−及び(C
4−C
6)−シクロヘテロアルキル−[これは、−NH−、−O−又は−S−基を含む]の群より、互いに独立して、選択されるラジカルである、
式I、Ia、Ib、Ic及びIdの化合物が特に好ましい。
【0036】
この発明の文脈では、環の全メンバー(membership)は、それぞれの環系又は縮合環系を形成する環原子の数を意味する。
【0037】
環状ラジカルA及びBを表しうる6〜10員のアリールラジカルは、特にフェニル及びナフチルを意味する。
【0038】
環状のラジカルAを表しうる、好ましい5〜10員のヘテロアリールラジカルは、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、インダゾリル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル及びシンノリニルの群より選択される。特に好ましいヘテロアリールラジカルAは、チオフェニルである。
【0039】
本発明の一つの実施態様では、Aは、フェニル又は5若しくは6員のヘテロアリールラジカルであり、別の実施態様では、Aは、フェニル又はチオフェニルであり、別の実施態様では、Aはフェニルであり、別の実施態様では、Aはチオフェニルであり、これらは、すべて、指示されているように置換されうる。
【0040】
環状のラジカルBを表しうる、好ましい5〜10員のヘテロアリールラジカルは、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、イソベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、イソベンゾチアゾリルの群より選択される。
【0041】
環状のラジカルBを表しうる、好ましい3〜10員のシクロアルキルラジカルは、シクロプロパニル、シクロブタニル、シクロペンタニル、シクロヘキサニル、シクロへプタニル、シクロオクタニル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル及びノルボルネンの群より選択される。
【0042】
環状のラジカルBを表しうる、好ましい9〜14員のシクロアルキルアリールラジカルは、シクロアルキル環及びアリール環を有する縮合環系の基の群より選択される。特に好ましいシクロアルキルアリールラジカルは、インデニル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル及びインダニルである。
【0043】
環状のラジカルBを表しうる、好ましい8〜14員のシクロアルキルヘテロアリールラジカルは、シクロアルキル環及びヘテロアリール環を有する縮合環系の群より選択される。
【0044】
環状のラジカルBを表しうる、好ましい3〜10員のシクロヘテロアルキルラジカルは、オキシラニル、チイラニル、アジリジニル、オキセタニル、チエタニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロピラゾリル、テトラヒドロピラゾリル、オキソラニル、ジヒドロフラニル、ジオキソラニル、チオラニル、ジヒドロチオフェニル、オキサゾラニル、ジヒドロオキサゾリル、イソオキサゾラニル、ジヒドロイソオキサゾリル、チアゾリジニル、ジヒドロチアゾリル、イソチアゾリジニル、ジヒドロイソチアゾリル、オキサチオラニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、テトラヒドロピラニル、2H−チアピラニル、4H−チアピラニル、ジ−、テトラヒドロチアピラニル、ピペリジニル、ジ−、テトラヒドロピリジル、ピペラジニル、テトラヒドロピラジニル、ジ−、テトラ−、ヘキサヒドロピリダジニル、ジ−、テトラ−、ヘキサヒドロピリミジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジオキサニル、ジチアニル、アゼパニル、チエパニル及びオキセピニルの群より選択され、上記において、こうしたヘテロ環式環の二つはまた、飽和又は一部不飽和の縮合二環式環系を形成しうる。こうした二環式環系の例には、オクタヒドロピロロ[1,2−a]ピラジニル、オクタヒドロピロロ[3,4−b]ピロリル、ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロリル及びオクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロリルがある。
【0045】
環状のラジカルBを表しうる、好ましい9〜14員のシクロヘテロアルキルアリールラジカルは、シクロヘテロアルキル環及びアリール環を有する縮合環系の群より選択される。特に好ましいシクロヘテロアルキルアリールラジカルは、ベンゾジヒドロチオフェニル、ベンゾジヒドロフラニル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジヒドロイミダゾリル、ベンゾジヒドロピラゾリル(benzodihydroyrazolyl)、ベンゾジヒドロトリアゾリル、ベンゾピペラジニル、ベンゾジヒドロチアゾリル、ベンゾモルホリニル、ベンゾジヒドロピロリル、ベンゾジヒドロオキサゾリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、ベンゾオキサチオリル、イソベンゾオキサチオリル及びベンゾジオキソリルである。
【0046】
環状のラジカルBを表しうる好ましい8〜14員のシクロヘテロアルキルヘテロアリールラジカルは、シクロヘテロアルキル環及びヘテロアリール環を有する縮合環系の群より選択される。
【0047】
基Bを表しうる特に好ましい単環式又は二環式ラジカルは、フェニル、ナフチル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンゾジヒドロピロリル、ベンゾジヒドロイソピロリル(benzdihydroisopyrrolyl)、ベンゾチオフェニル、ベンゾジヒドロチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンゾジヒドロフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサチオラニル、ベンゾジオキソラニル、テトラヒドロイソキノリニル又はテトラヒドロキノリニルの群より選択される。これに関連して、ラジカルBは、基−LX−に、ピリド−2,3又は4−イル(pyrid-2,3 or 4-yl)、キノール(quinol)−1,2,3,4,5,6,7又は8−イル、イソキノール(isoquinol)−1,2,3,4,5,6,7又は8−イル、インドール−1,2,3,4,5,6又は7−イル、イソインドール−1,2,3,4,5,6,又は7−イル、ベンゾ[b]チオフェン−2,3,4,5,6又は7−イル、ベンゾ[c]チオフェン−1,3,4,5,6又は7−イル、ベンゾ[b]ジヒドロチオフェン−2,3,4,5,6又は7−イル、ベンゾ[c]ジヒドロチオフェン−1,3,4,5,6又は7−イル、ベンゾ[b]フラン−2,3,4,5,6,又は7−イル、ベンゾ[c]フラン−1,3,4,5,6,又は7−イル、ベンゾ[b]ジヒドロフラン−2,3,4,5,6,又は7−イル、ベンゾ[c]ジヒドロフラン−1,3,4,5,6,又は7−イル、ベンゾ[b]ピロリジン−1,2,3,4,5,6又は7−イル、ベンゾ[c]ピロリジン−1,2,3,4,5,6又は7−イル、ベンゾイミダゾール−1,2,3,4,5,6又は7−イル、ベンゾピラゾール−1,2,3,4,5,6又は7−イル、ベンゾトリアゾール−1,2,4,5,6又は7−イル、チアゾ(thiazo)−2,4又は5−イル、ベンゾチアゾール−2,3,4,5,6又は7−イル、ベンゾキサチオラン(benzoxathiolan)−2,4,5,6又は7−イル、ベンゾジオキソラン−2,4,5,6又は7−イル、テトラヒドロイソキノール(tetrahydroisoquinol)−1,2,3,4,5,6,7又は8−イル又はテトラヒドロキノール(tetrahydroquinol)−1,2,3,4,5,6,7又は8−イルとして結合することができる。
【0048】
基B中の一つ、二つ、三つ又は四つの水素原子は、好ましくは、R5の基から、互いに独立して、選択されるラジカルによって置き換えることができる。本発明の一つの実施態様では、一つ、二つ又は三つの水素原子、そして別の実施態様では、一つ又は二つの水素原子は、基R5から、互いに独立して、選択されるラジカルによって置き換えることができる。
【0049】
次の基が、Bの場合に特に好ましい:
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
[ここで、二環式環系B中の置換基R5は、双方の環上に位置することができる]。
【0050】
本発明の一つの実施態様では、Bは、フェニル、ナフチル、ピリジル、キノリニル又はイソキノリニルの群より、別の実施態様では、フェニル及びピリジルの群より選択され、そして別の実施態様では、Bはフェニルであり、別の実施態様では、ピリジルであり、これらは、すべて、指示されているように置換することができる。
【0051】
Lは、好ましくは、単共有結合(covalent single bond)、−C(O)−ブリッジ又はメチレンブリッジである。
【0052】
本発明の一つの実施態様では、Lは単共有結合であり、別の実施態様では、−C(O)−ブリッジ、別の実施態様ではメチレンブリッジである。
【0053】
Xは、好ましくは、基−N(R6)−、−O−又は−S(O)
n−である。
【0054】
本発明の一つの実施態様では、Xは基−N(R6)−であり、別の実施態様では−O−であり、別の実施態様では−S(O)
n−である。
【0055】
本発明の一つの実施態様では、Aを表しているアリール又はヘテロアリールラジカル中の、一つ、二つ又は三つのH原子、別の実施態様では、一つ又は二つのH原子は、置換基R1によって置き換えることができる。
【0056】
好ましいR1ラジカルは、F、Cl、Br、I、(C
1−C
6)−アルキル、(C
1−C
6)−アルコキシの群より選択され、上記において、アルキル及びアルコキシラジカルは、Fによって、一回又は複数回、置換されていてもよい。特に好ましいR1ラジカルは、F、Cl、メチル、エチル、プロピル、ブチル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、トリフルオロエチル、殊に−CH
2−CF
3、ジフルオロエチル、殊に−CH
2−CHF
2、モノフルオロエチル、殊に−CH
2−CH
2F、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメトキシ、ペンタフルオロエトキシ、トリフルオロエトキシ、殊に−O−CF
2−CF
3、ジフルオロエトキシ、殊に−O−CH
2−CHF
2、モノフルオロエトキシ、殊に−O−CH
2−CH
2Fの群より選択される
【0057】
好ましいR2ラジカルは、F、(C
1−C
6)−アルキルの群より選択され、上記において、アルキルラジカルは、Fによって、一回又は複数回、互いに独立して、置換されていてもよく、そして特に好ましいラジカルは、F、メチル、エチル、プロピル、ブチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、例えば、−CF
2−CF
3、−CH
2−CHF
2、−CH
2−CH
2Fである。
【0058】
好ましいR3及びR4ラジカルは、水素、(C
1−C
4)−アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、第三ブチルなど
{上記において、アルキルラジカルは、−N(C
1−C
4−アルキル)
2及び−O−(C
1−C
4−アルキル)の基からの一つ又は二つのラジカルによって[殊に−N(CH
3)
2、−N(C
2CH
5)
2によって]置換されていてもよく、その結果、例えば、−CH
2−N(CH
3)
2、−CH
2−CH
2−N(CH
3)
2、−CH
2−CH
2−CH
2−N(CH
3)
2、−CH
2−OCH
3、又は−CH
2−CH
2−OCH
3ラジカルになる}、
(C
3−C
7)−シクロアルキル、例えば、シクロプロパニル、シクロブタニル、シクロペンタニル、シクロヘキサニル又はシクロへプタニルなど、
(C
3−C
7)−シクロアルキル−(C
1−C
4)−アルキル、例えば、シクロプロパニルメチル、シクロプロパニルエチル、シクロブタニルメチル、シクロブタニルエチル、シクロペンタニルメチル、シクロペンタニルエチル、シクロヘキサニルメチル又はシクロヘキサニルエチルなど、
(C
3−C
6)−シクロヘテロアルキル、例えば、ピペリジニル、ピペラジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、ヘキサヒドロピリダゾリル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル又はテトラヒドロチオフェニルなど、
フェニル、フェニル−(C
1−C
4)−アルキル、例えば、フェニルメチル、フェニルエチル、フェニルプロピル又はフェニルブチルなど、
(C
1−C
5)−ヘテロアリール、例えば、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル又はピリダジニルなど
の群から、互いに独立して、選択される。
【0059】
このR3及びR4ラジカルは、好ましくは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、次の基を形成する:
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
【0060】
R3及びR4ラジカルは、特に好ましくは、4〜8員の、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環を形成する。4〜8員の、飽和、不飽和又は一部不飽和のヘテロ環は、リスト−O−、−S(O)
n−(n=0、1又は2)、=N−及び−NR8−より選択される、一つ又はそれより多いヘテロ原子基を、更に、含んでいてもよい。−NR8−は、隣接するC原子と共に、縮合トリアゾール又はピロリジン環、例えば、オクタヒドロピロロ[1,2−a]ピラジニル及びテトラヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a]ピラジニルを形成することができる。
【0061】
R3及びR4によって形成される好ましいヘテロ環は、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、オキソチオモルホリニル、ジオキソチオモルホリニル、アゼパニル、1,4−ジアゼパニル、ピロリル、ピラゾリル及びイミダゾリルの群より選択される。このヘテロ環式環は、共有結合、(C
1−C
7)−アルキレンブリッジ又は(C
1−C
6)−ヘテロアルキレンブリッジ又は−NH−ブリッジ又は−N(C
1−C
4)−アルキレンブリッジによって架橋されていてもよく、すなわち、縮合又は架橋二環式環系を形成する。(C
1−C
7)−アルキレンブリッジ又は(C
1−C
6)−ヘテロアルキレンブリッジはまた、R3及びR4によって形成された環系とスピロ環状環系を形成していてもよい。R3及びR4によって形成される、こうした縮合、架橋又はスピロ環状環系の例には、ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、殊に3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、ジアザビシクロ[2.2.1]へプタニル、殊に2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]へプタニル、オクタヒドロピロロ[3,4−b]ピロリル、ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロリル、オクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロリル及びジアザスピロノナニル、殊に2,7−ジアザスピロ[4.4]
ノナニルがある。
【0062】
本発明の一つの実施態様では、R3及びR4は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アゼパニル及び1,4−ジアゼパニルの群より選択されるヘテロ環式ラジカル、別の実施態様では、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル及びモルホリニルの群より選択されるヘテロ環式ラジカル、別の実施態様では、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニルの群より選択されるヘテロ環式ラジカル、別の実施態様ではアゼチジニルラジカル、別の実施態様ではピロリジニルラジカル、別の実施態様ではピペリジニルラジカル、別の実施態様ではモルホリニルラジカルが形成され、これらは、すべて、指示されている通りに置換されていてもよい。
【0063】
R3及びR4によって形成されるヘテロ環式基は、R7及びR9の群から選択される置換基を、互いに独立して、更に保有することができる。こうした群の好ましい置換基には、次のものがある。
F、Cl、Br、I、
(C
1−C
4)−アルキル[上記において、このアルキルラジカルは、Fによって、一回又は複数回、置換されていてもよい]、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、−CF
3、−CH
2−CF
3、−CH
2−CH
2−CF
3、−CH
2−CH
2−CH
2−CF
3、−CH
2F、−CH
2−CH
2F、−CH
2−CH
2−CH
2−CH
2Fなど、
(C
3−C
7)−シクロアルキル、例えば、シクロプロピル、シクロペンチルなど、
−OH、ヒドロキシ−(C
1−C
4)−アルキル、例えば、−CH
2−OH、−CH
2−CH
2−OH、−CH
2−CH
2−CH
2−OHなど、
(C
1−C
4)−アルキル−O−、例えば、−OCH
3など、
(C
1−C
4)−アルコキシ−(C
1−C
4)−アルキル、例えば、−CH
2−OCH
3、−CH
2−CH
2−OCH
3、−CH
2−CH
2−CH
2−OCH
3など、
−SO
2−(C
1−C
4)−アルキル、例えば、−SO
2−CH
3など、
−NH
2、N((C
1−C
4)−アルキル)
2−、例えば:−N(CH
3)
2、−N(C
2H
5)
2など、
NH
2(C
1−C
4)−アルキル−、N((C
1−C
4)−アルキル)
2−(C
1−C
4)−アルキル、例えば、−CH
2−NH
2、−CH
2−CH
2−NH
2、−CH
2−CH
2−CH
2−NH
2など、
−CN、NC−(C
1−C
4)−アルキル−、例えば、−CH
2−CN、−CH
2−CH
2−CN、−CH
2−CH
2−CH
2−CNなど、
−NH−(C
1−C
4)−アルキル[上記において、アルキル基は、Fによって、一回又は複数回、置換されていてもよい]、例えば、−NH−CH
2−F、−NH−CH
2−CH
2−F、−NH−CH
2−CF
3、−NH−CH
2−CH
2−CF
3など、
−NH−(C
1−C
4)−アルキル−OH、−NH−(C
1−C
4)−アルキル−O−(C
1−C
4)−アルキル、例えば、−NH−CH
2−OH、−NH−CH
2−CH
2−OHなど、
−NH−(C
1−C
4)−アルキル−CN、例えば、−NH−CH
2−CN、−NH−CH
2−CH
2−CNなど、
−NH−(C
1−C
4)−アルキル−O−(C
1−C
4)−アルキル−OH、例えば、−NH−CH
2−CH
2−O−CH
2−CH
2−OHなど、
−NH−C(O)−(C
1−C
4)−アルキル[上記において、アルキル基は、Fによって、一回又は複数回、置換されていてもよい]、例えば、−NH−C(O)−CH
3、−NH−C(O)−CF
3など、
ピロリジニル、ピロリジニル−(C
1−C
4)−アルキル、例えば、N−ピロリジニル−CH
2−など、
ピリミジニル、例えば、ピリミジン−2−イルなど。
【0064】
本発明の一つの実施態様では、R3及びR4によって、それらが結合している窒素原子と一緒になって形成されたヘテロ環式基は、メチル、エチル、CF
3、F、Cl、CN、NH
2、N(CH
3)
2、OH、OCH
3、SO
2CH
3の群より、互いに独立して、選択される置換基R7及びR9を、別の実施態様では、F、Cl、CN、NH
2、N(CH
3)
2、OH、OCH
3、SO
2CH
3の群より、互いに独立して、選択される置換基R9を保有していてもよい。本発明の一つの実施態様では、R3及びR4によって、それらが結合している窒素原子と一緒になって形成されたヘテロ環式基は、一つ、二つ又は三つの置換基R7及びR9を、別の実施態様では、一つ又は二つの置換基を、別の実施態様では、一つの置換基を保有していてもよい。
【0065】
R3及びR4ラジカルは、特に好ましくは、それらが結合している窒素と一緒になって、次のヘテロ環式環系の一つを形成する:
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
【0066】
好ましいR5ラジカルは、次のものの群から、互いに独立して、選択される:
F、Cl、Br、I、=O、−CN、−OH、−NH
2、−NO
2、
(C
1−C
4)−アルキル、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル[上記において、アルキルラジカルは、Fによって、一回又は複数回、置換されていてもよい(例えば、−CF
3、−CF
2Hなど)]など;
(C
1−C
4)−アルコキシ、例えば、−OCH
3、−OC
2H
5[上記において、アルキルラジカルは、Fによって、一回又は複数回、置換されていてもよい(例えば、−OCF
3、−OCHF
2、−OCH
2Fなど)]など、
−S−(C
1−C
4)−アルキル、例えば、−SCH
3[上記において、アルキルラジカルは、Fによって、一回又は複数回、置換されていてもよい(例えば、−SCF
3など)]など、
(C
1−C
4)−アルコキシ−(C
1−C
4)−アルキル、例えば、−CH
2−OCH
3、−CH
2−CH
2−OCH
3など、
NC−(C
1−C
4)−アルキル−、例えば、−CH
2−CNなど、
NH
2−(C
1−C
4)−アルキル−、例えば、−CH
2−NH
2など、
N((C
1−C
4)−アルキル)
2−(C
1−C
4)−アルキル−、例えば、−CH
2−N(CH
3)
2など、
(C
1−C
4)−アルキル−C(O)−NH−(C
1−C
4)−アルキル−、例えば、−CH
2−NH−C(O)CH
3など、
N((C
1−C
4)−アルキル)
2−C(O)−(C
1−C
4)−アルキル−、例えば、−CH
2−C(O)−N(CH
3)
2など、
−SO
2−(C
1−C
4)−アルキル、例えば、−SO
2CH
3[上記において、アルキル基は、Fによって、一回又は複数回、置換されていてもよい(例えば、−SO
2CF
3など)]など、
−SO
2NH
2、−SO
2N((C
1−C
4)−アルキル)
2、例えば、−SO
2N(CH
3)
2、−SO
2N(C
2H
5)
2など、
−SO
2−NH−(C
1−C
4)−アルキル、例えば、−SO
2−NH−CH
3、−SO
2−NH−CH
2−CH
3、−SO
2−NH−CH
2−CH
2−CH
3
[上記において、アルキルラジカルは、Fによって、一回又は複数回、置換されていてもよい(例えば、−SO
2−NH−CH
2−CF
3、−SO
2−NH−CH
2−CH
2−CF
3、など)]など、
【0067】
−NH−C(O)−(C
1−C
4)−アルキル、例えば、−NH−C(O)−CH
3など、
−NH−C(O)−NH
2、−NH−C(O)−N((C
1−C
4)−アルキル)
2、例えば、−NH−C(O)−N(CH
3)
2など、
−NH−C(O)−O−(C
1−C
4)−アルキルフェニル、例えば、−NH−C(O)−O−CH
2−C
6H
6など、
−NH−C(O)−O−(C
1−C
4)−アルキル−COOH、例えば、−NH−C(O)−O−CH
2−COOHなど、
−NH−C(O)−O−(C
1−C
4)−アルキル−COO(C
1−C
4)−アルキル、例えば、−NH−C(O)−O−CH
2−COOCH
3など、
−NH−SO
2−(C
1−C
4)−アルキル、例えば、−NH−SO
2CH
3など、
−N((C
1−C
4)−アルキル)−SO
2−(C
1−C
4)−アルキル、例えば、−N(CH
3)−SO
2CH
3など、
−C(O)−(C
1−C
4)−アルキル)、例えば、−C(O)−CH
3、−C(O)−CH
2−CH
3など、
−C(O)−NH
2、−C(O)−N((C
1−C
4)−アルキル)
2、例えば、−C(O)−N(CH
3)
2、−C(O)−N(C
2H
5)
2など、
−C(O)−O(C
1−C
4)−アルキル、例えば、−C(O)−OCH
3など、
−C(O)フェニル、
−O−フェニル、
−COOH、−COO(C
1−C
4)−アルキル、例えば、−COOCH
3、−COOC
2H
5など、
(C
1−C
4)−アルキル−(C
3−C
7)−シクロヘテロアルキル−C(O)−、例えば、(C
1−C
4)−アルキル−ピペラジニル−又は−ピリミジニル−又は−ピペリジニル−又は−テトラヒドロピリダジニル−C(O)−、特に、4−メチルピペラジン−1−イル−C(O)−など、
(C
3−C
7)−シクロヘテロアルキル−(C
1−C
4)−アルキル−、例えば、ピペリジニル−又はピペラジニル−又はピリミジニル−又はテトラヒドロピリダジニル−(C
1−C
4)−アルキル−、特に、ピペリジン−1−イル−メチル−など。
【0068】
好ましいアリールラジカルR5は、フェニルである。
【0069】
更に、好ましいR5ラジカルは、ヘテロアリールラジカルであり、殊にピロール−1,2,又は3−イル、ピラゾール−1,3,4又は5−イル、イミダゾール(imadazol)−1,2,4又は5−イル、1,2,3−トリアゾール−1,2,4又は5−イル、1,2,4−トリアゾール−1,3又は4−イル、テトラゾール−1,2又は5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−3又は4−イル、1,2−イソオキサゾール−2,3,4又は5−イル、オキサゾール−2,3,4又は5−イル、チアゾール−2,3,4又は5−イル、イソチアゾール−2,3,4又は5−イル、チアジアゾール−2,3,4又は5−イル、ピリド−2,3又は4−イル、ベンゾ[b]フラン−2,3,4,5,6又は7−イル、ベンゾ[b]チオフェン−2,3,4,5,6又は7−イル、インドール−1,2,3,4,5,6又は7−イル、イソインドール−1,2,3,4,5,6又は7−イル、ベンゾチアゾール−2,4,5,6又は7−イル、ベンゾイソチアゾール−3,4,5,6又は7−イル,ベンゾオキサゾール−2,4,5,6又は7−イル、ベンゾイソオキサゾール−3,4,5,6又は7−イル、ベンゾジアゾール−1,2,4,5,6又は7−イル及びベンゾイソジアゾール−1,2,3,4,5,6又は7−イルの群より選択されるものである。
【0070】
好ましいシクロヘテロアルキルラジカルR5は、ピペリジン−1,2,3又は4−イル、ピペラジン−1,2又は3−イル、ピリミジン−1,2,4又は5−イル、テトラヒドロピリダジン−1,3又は4−イル、2H−ピリジン−1,2,3,4,5又は6−イル、4H−ピリジン−1,2,3又は4−イル、モルホリン−2,3又は4−イル、チオモルホリン−2,3又は4−イル、ピロリジン−1,2又は3−イル、ジヒドロピロリジン−1,2又は3−イル、イミダゾリジン−1,2又は4−イル、ジヒドロイミダゾール−1,2又は4−イル、チアゾリジン−2,3,4又は5−イル、イソチアゾリジン−2,3,4又は5−イル及びオキサゾラン−2,3,4又は5−イルの群より選択される。
【0071】
好ましいシクロヘテロアルキルアリールラジカルR5は、ベンゾ[b]ジヒドロフラン−2,3,4,5,6又は7−イル、ベンゾ[c]ジヒドロフラン−1,3,4,5,6又は7−イル、ベンゾ[b]ジヒドロフラン−2,3,4,5,6又は7−イル、ベンゾ[c]ジヒドロチオフェン−1,3,4,5,6又は7−イル、ベンゾ[b]ジヒドロチオフェン−1,2,3,4,5,6又は7−イル、ベンゾ[c]ジヒドロピロール−1,2,3,4,5,6又は7−イル、ベンゾジオキソラン−2,4,5,6又は7−イル及びベンゾオキサチオラン(benzoxathiolan)−2,4,5,6又は7−イル、テトラヒドロキノール−2,3,4,5,6,7又は8−イル及びイソキノール−1,3,4,5,6,7又は8−イルの群より選択される。
【0072】
好ましいアリール、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアリール及びシクロヘテロアルキルヘテロアリールラジカルは、R11ラジカルの群より、互いに独立して、選択される、一つ又はそれより多い、好ましくは一つ、二つ、三つ又は四つの置換基を、更に保有していてもよい。特に好ましいR11ラジカルは、次の群より選択される:
F、Cl、Br、I、−CN、NH
2、OH、=O、
(C
1−C
4)−アルキル−、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチルなど、
及び
(C
1−C
4)−アルキルオキシ−、例えば、−OCH
3、−OC
2H
5など
[上記において、アルキル及びアルコキシラジカルは、Fによって、一回又は複数回、置換されていてもよい]
−SO
2CH
3、−SO
2NH
2、−NH−C(O)−CH
3、−C(O)−NH
2及び−NH−C(O)−NH
2、−COOCH
3、COOC
2H
5。
【0073】
特に好ましいアリール、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルキルアリール及びシクロヘテロアルキルヘテロアリールラジカルR5は次のものである:
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
【0074】
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
【0075】
本発明の一つの実施態様では、このR5ラジカルは、F、Cl、Br、CN、メチル、エチル、プロピル、第三ブチル、NH
2、OCH
3、SO
2CH
3、SO
2NH
2、C(O)NH
2、−NH−C(O)−CH
3、ピラゾール−1,2又は3−イル、イミダゾール−1,
2又は3−イル、1,2,3−トリアゾール−1又は2−イル、1,2,4−トリアゾール−1、3又は4−イル、テトラゾール−1,2又は5−イル、チアゾール−2,3又は4−イル、1,3,4−オキサジアゾール−3又は4−イル、オキサゾール−2又は3−イル、イソオキサゾール−2,又は3−イル、トリアゾール−1又は2−イル、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、オキサゾリジン−3−イル、イソオキサゾリジン−2−イル、テトラヒドロイミダゾール−1−イル、ジヒドロイミダゾール−1−イル、イソチアゾール−1−イル及びモルホリン−4−イルの群より、互いに独立して、選択することができ、上記において、環状のラジカルR5は、置換基R11を、更に保有していてもよい。別の実施態様では、R5ラジカルの一つは、F、Cl、CN、メチル、エチル、第三ブチル、OCH
3、SO
2CH
3、SO
2NH
2、C(O)NH
2及び−NH−C(O)−CH
3の群より選択される。別の実施態様では、R5ラジカルの一つは、ピラゾール−1、2又は3−イル、イミダゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−1又は2−イル、1,2,4−トリアゾール−1,3又は4−イル、チアゾール−2又は4−イル、オキサゾール−2又は3−イル、イソオキサゾール−2,又は3−イル、トリアゾール−1又は2−イル、テトラゾール−1−イル[これらは、すべて、メチル、エチル、シクロプロピル、メトキシ、CN、OH、NH
2、N(CH
3)
2の群からの置換基を、更に保有していてもよい]より選択されるか、又はピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、オキサゾリジン−3−イル、イソオキサゾリジン−2−イル、テトラヒドロイミダゾール−1−イル[これらは、すべて、メチル、エチル、シクロプロピル、メトキシ、CN、(=O)、OH、NH
2及びN(CH
3)
2の群より選択される、置換基R11を更に保有していてもよい]の群より選択される。
【0076】
本発明の一つの実施態様では、R5ラジカルの一つは、F、Cl、Br、CN、メチル、エチル、プロピル、第三ブチル、NH
2、OCH
3、SO
2CH
3、SO
2NH
2、C(O)NH
2、−NH−C(O)−CH
3の群より選択され、そしてR5ラジカルの一つは、ピラゾール−1,2又は3−イル、イミダゾール−1,2又は3−イル、1,2,3−トリアゾール−1又は2−イル、1,2,4−トリアゾール−1,3又は4−イル、チアゾール−2,3又は4−イル、1,3,4−オキサジアゾール−3又は4−イル、オキサゾール−2又は3−イル、イソオキサゾール−2,又は3−イル、トリアゾール−1又は2−イル、テトラゾール−1−イルの群[これらは、すべて、メチル、エチル、シクロプロピル、メトキシ、CN、OH、NH
2、N(CH
3)
2の群より選択される置換基R11を保有していてもよい]より選択されるか、又はピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、オキサゾリジン−3−イル、イソオキサゾリジン−2−イル、テトラヒドロイミダゾール−1−イル、ジヒドロイミダゾール−1−イル、イソチアゾール−1−イル及びモルホリン−4−イルの群[これらは、すべて、メチル、エチル、シクロプロピル、メトキシ、CN、(=O)、OH、NH
2及びN(CH
3)
2の群よりより選択される置換基R11を保有していてもよい]より選択される。
【0077】
本発明の一つの実施態様では、置換基R11は、メチル、エチル、シクロプロピル、メトキシ、CN、(=O)、OH、NH
2、N(CH
3)
2、SO
2Me及びCO
2Meの群より選択される。
【0078】
この発明の文脈中で、(C
1−C
10)−アルキルラジカルは、直鎖であってもよいし、又は分岐した鎖であってもよい。これはまた、それらが、置換基を保有するか、又は他のラジカルの置換基として出現する場合に適用される[例えば、フルオロアルキルラジカル又はアルコキシラジカル]。アルキルラジカルの例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル(=1−メチルエチル)、n−ブチル、イソブチル(=2−メチルプロピル)、sec−ブチル(=1−メチルプロピル)、tert−ブチル(=1,1−ジメチルエチル)、n−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、ネオペンチル及びヘキシルがある。好ましいアルキルラジカルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル及びtert−ブチルである。
【0079】
この発明の文脈中で、(C
2−C
10)−アルケニルラジカルは、同様に直鎖であってもよいし、又は分岐した鎖であってもよい。これはまた、それらが、置換基を保有するか、又は他のラジカルの置換基として出現する場合に適用される。アルケニルラジカルの例には、エテニル、プロペニル及びブテニルがある。
【0080】
この発明の文脈中で、(C
2−C
10)−アルキニルラジカルは、同様に直鎖であってもよいし、又は分岐した鎖であってもよい。これはまた、それらが、置換基を保有するか、又は他のラジカルの置換基として出現する場合に適用される。アルキニルラジカルの例には、エチニル、プロピニル及びブチニルがある。
【0081】
(C
3−C
14)−シクロアルキルラジカル
としては
、3、4、5、6、7又は8個の炭素原子を有するシクロアルキルラジカルが好ましい。シクロアルキルラジカルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルがある。
【0082】
この発明の文脈中で、(C
2−C
19)−シクロヘテロアルキルラジカルは、飽和であってもよいし、又は一部不飽和であってもよい。これはまた、それらが、置換基を保有するか、又は他のラジカルの置換基として出現する場合に適用される。このシクロへテロアルキルラジカルは、好ましくは、窒素、酸素及び硫黄の群から選択されるヘテロ原子を有する。2、3、4、5、6、7、8又は9個の炭素原子を有するシクロヘテロアルキルラジカルが好ましく、この場合は、1若しくは2個の窒素原子、1若しくは2個の酸素原子、1若しくは2個の硫黄原子、1個の窒素及び1個の酸素原子若しくは1個の硫黄原子、又は1個の酸素及び1個の硫黄原子がヘテロ原子として存在する可能性がある。このシクロヘテロアルキルラジカルは、任意の位置で結合することができる。こうしたヘテロ環の例は、オキシラニル、チイラニル、アジリジニル、オキセタニル、チエタニル、アゼチジニル、ジアゼチジニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロピラゾリル、テトラヒドロピラゾリル、オキソラニル、ジヒドロフラニル、ジオキソラニル、チオラニル、ジヒドロチオフェニル、オキサゾラニル、ジヒドロオキサゾリル、イソオキサゾラニル、ジヒドロイソオキサゾリル、チアゾリジニル、ジヒドロチアゾリル、イソチアゾリジニル、ジヒドロイソチアゾリル、オキサチオリジニル(oxathiolidinyl)、2H−ピラニル、4H−ピラニル、テトラヒドロピラニル、2H−チオピラニル、4H−チアピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、ジ−、テトラヒドロピリジル、ピペラジニル、ジ−、テトラヒドロピラジニル、ジ−、テトラ−、ヘキサヒドロピリダジニル、ジ−、テトラ−、ヘキサヒドロピリミジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、アゼパニル、チエパニル及びオキセピニルの群より選択され、この場合もまた、こうしたヘテロ環式環の二つが飽和又は一部不飽和の縮合二環式環系を形成することが可能である。こうした二環式環系の例には、オクタヒドロピロロ[1,2a]ピラジニル、オクタヒドロピロロ[3,4b]ピロリル、ヘキサヒドロピロロ[3,4−c]ピロリル−及びオクタヒドロピロロ[3,4−c]ピロリルがある。
【0083】
好ましい(C
6−C
10)−アリールラジカルの例は、フェニル及びナフチルである。これは、それらが、置換基を保有するか、又は他のラジカルの置換基として出現する場合にも適用される。
【0084】
(C
1−C
9)−ヘテロアリールラジカルは、一つ又はそれより多い環原子が、酸素原子、硫黄原子若しくは窒素原子[例えば、1、2若しくは3個の窒素原子、1若しくは2個の酸素原子、1若しくは2個の硫黄原子、又は種々のヘテロ原子の組み合わせ]である芳香族式環化合物である。これは、それらが、置換基を保有するか、又は他のラジカルの置換基として出現する場合にも適用される。このヘテロアリールラジカルは、あらゆる位置で結合しうる。ヘテロアリールは、例えば、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、インドリル、インダゾリル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル及びシンノリニルを意味する。
【0085】
特に好ましいヘテロアリールラジカルは、2−又は3−チオフェニル、2−又は3−フリル、1−,2−又は3−ピロリル、1−,2−,4−又は5−イミダゾリル、1−,3−,4−又は5−ピラゾリル、1,2,3−トリアゾール−1−,−4−又は−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−,−3−又は−5−イル、1−又は5−テトラゾリル、2−,4−又は5−オキサゾリル、3−,4−又は5−イソオキサゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−又は−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−又は−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル又は−5−イル、2−,4−又は5−チアゾリル、3−,4−又は5−イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾール−2−又は−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−又は−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−又は−5−イル、2−,3−又は4−ピリジル、2−,4−,5−又は6−ピリミジニル、3−又は4−ピリダジニル、ピラジニル、1−,2−,3−,4−,5−,6−又は7−インドリル、1−,2−,4−又は5−ベンゾイミダゾリル、1−,3−,4−,5−,6−又は7−インダゾリル、2−,3−,4−,5−,6−,7−又は8−キノリル、1−,3−,4−,5−,6−,7−又は8−イソキノリル、2−,4−,5−,6−,7−又は8−キナゾリニル、3−,4−,5−,6−,7−又は8−シンノリニル、2−,3−,5−,6−,7−又は8−キノキサリニル、1−,4−,5−,6−,7−又は8−フタラジニルである。
【0086】
(C
9−C
14)−シクロアルキルアリールラジカルは、好ましくは、シクロアルキル環及びアリール環[特に、フェニル環]を有する縮合環系の群より選択される。特に好ましいシクロアルキルアリールラジカルは、インデニル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル及びインダニルである。
【0087】
(C
5−C
13)−シクロアルキルヘテロアリールラジカルは、好ましくは、シクロアルキル環及びヘテロアリール環を有する縮合環系の群より選択される。
【0088】
(C
7−C
13)−シクロヘテロアルキルアリールラジカルは、好ましくは、シクロヘテロアルキル環及びアリール環[特に、フェニル環]を有する縮合環系である。特に好ましいシクロヘテロアルキルアリールラジカルは、ベンゾジヒドロチオフェニル、ベンゾチオラニル、ベンゾジヒドロフラニル、ベンゾオキソラニル、ベンゾジオキソラニル、ベンゾジヒドロピロリル、ベンゾジヒドロイミダゾリル、ベンゾジヒドロピラゾリル、ベンゾジヒドロトリアゾリル、ベンゾピペラジニル、ベンゾジヒドロチアゾリル、ベンゾモルホリニルベンゾジヒドロオキサゾリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル及びテトラヒドロキノリニルである。
【0089】
(C
4−C
12)−シクロヘテロアルキルヘテロアリールラジカルは、好ましくは、シクロヘテロアルキル環及びヘテロアリール環を有する縮合環系の群より選択される。
【0090】
本発明の一つの実施態様では、pは1であり、そして別の実施態様では、pは2である。本発明の一つの実施態様では、qは0であり、そして別の実施態様では、qは1である。
【0091】
式Iの化合物が、一つ又はそれより多い不斉中心を含む場合には、これらの化合物は、互いに独立して、S又はRの立体配置のどちらかを有しうる。こうした化合物は、光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体又はそのあらゆる割合の混合物の形態で存在しうる。式Iの化合物は、更に回転異性体の形態で存在しうる。
【0092】
1位で結合したラジカルXLBR5は下方に向けられ、そして2位で結合したラジカル−(CH
2)
qNR3R4は上方に向けられている式Iの立体異性体が特別に優先されており、この方向性は、1、2及び3位の三つの炭素原子が伸展している(spanned)平面から出発して定義され、そして分子は次の配向(orientation)を想定している(式Ie):
【化11】
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【0093】
1及び2位でトランス−1S,2Sの立体配置を有している式Iの化合物が好ましい。
【0094】
この発明は、式Iの化合物の可能性のある互変異性体形態をすべて含む。
【0095】
式Iの特に好ましい化合物は、次の群、及びその製薬学的に許容される塩から選択される。
【0096】
【表1】
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【0097】
【表2】
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【0098】
【表3】
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【0099】
【表4】
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【0100】
【表5】
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【0101】
【表6】
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【0102】
【表7】
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【0103】
【表8】
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【0104】
【表9】
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【0105】
【表10】
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【0106】
【表11】
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【0107】
【表12】
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【0108】
【表13】
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【0109】
【表14】
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【0110】
【表15】
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【0111】
【表16】
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【0112】
【表17】
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【0113】
【表18】
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【0114】
【表19】
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【0115】
【表20】
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【0116】
【表21】
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【0117】
【表22】
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【0118】
【表23】
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【0119】
【表24】
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【0120】
【表25】
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【0121】
【表26】
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【0122】
【表27】
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【0123】
【表28】
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【0124】
【表29】
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【0125】
【表30】
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【0126】
【表31】
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【0127】
【表32】
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【0128】
【表33】
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【0129】
【表34】
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【0130】
【表35】
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【0131】
【表36】
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【0132】
【表37】
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【0133】
【表38】
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【0134】
【表39】
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【0135】
【表40】
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【0136】
【表41】
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【0137】
【表42】
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【0138】
【表43】
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【0139】
【表44】
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【0140】
【表45】
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【0141】
【表46】
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【0142】
【表47】
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【0143】
【表48】
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【0144】
【表49】
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【0145】
【表50】
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【0146】
【表51】
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【0147】
【表52】
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【0148】
【表53】
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【0149】
【表54】
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【0150】
【表55】
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【0151】
【表56】
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【0152】
【表57】
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【0153】
【表58】
[この文献は図面を表示できません]
【0154】
【表59】
[この文献は図面を表示できません]
【0155】
【表60】
[この文献は図面を表示できません]
【0156】
【表61】
[この文献は図面を表示できません]
【0157】
【表62】
[この文献は図面を表示できません]
【0158】
【表63】
[この文献は図面を表示できません]
【0159】
【表64】
[この文献は図面を表示できません]
【0160】
【表65】
[この文献は図面を表示できません]
【0161】
【表66】
[この文献は図面を表示できません]
【0162】
【表67】
[この文献は図面を表示できません]
【0163】
【表68】
[この文献は図面を表示できません]
【0164】
【表69】
[この文献は図面を表示できません]
【0165】
【表70】
[この文献は図面を表示できません]
【0166】
こうしたNHE阻害特性によって、式Iの化合物は、NHEの活性化によって、又は活性化されたNHEによって引き起こされる疾患、そしてNHE関連損傷によって二次的に引き起こされる疾患の予防及び処置に適切である。式Iの化合物はまた、例えば、低投与量の使用による、NHEが一部分においてのみ阻害される疾患の処置及び予防に使用することができる。式Iの化合物又は本発明の化合物の言及がこの後になされる場合は、たとえ、このことが明確に言及されていない場合であっても、その製薬学的に許容される塩が常に含まれる。
【0167】
それ故、この発明は、更に獣医学及び人間医学における急性又は慢性疾患の予防及び処置のための、式Iの化合物の使用に関する。
【0168】
こうした薬理学的作用の結果として、式Iの化合物は、特に呼吸ドライブ(駆動)(respriratory drive)の改善をもたらすのに適している。それ故、それらは、例えば、次の臨床的状態及び疾患において起こりうる状態のような呼吸障害状態の処置に使用することができる:中枢性呼吸ドライブ障害(impaired central respiratory drive)(例えば、中枢性睡眠時無呼吸、乳幼児突然死、術後低酸素血症)、筋肉関連呼吸障害(muscle-related respiratory impairments)、長期間換気後の呼吸障害(respiratory impairments following long-term ventilation)、高高度順応に関連する呼吸障害(respiratory impairments associated with adaptation to high altitude)、閉鎖性及び混合型睡眠時無呼吸(obstructive and mixed form of sleep apneas)、睡眠関連呼吸障害、(sleep-related respiratory impairments)、睡眠低換気症候群(sleep hypoventilation syndrome)、上気道抵抗症候群、低酸素血症及び高二酸化炭素血症を伴う急性及び慢性肺疾患(acute and chronic pulmonary diseases with hypoxia and hypercapnia)。
【0169】
加えて、この化合物は、上気道筋の緊張(tone)を増加させ、その結果、いびきを抑制する。それ故、前記化合物は、特に、睡眠時無呼吸の、上気道抵抗症候群の、筋肉関連呼吸障害の予防及び処置に使用され、そしていびきの予防及び処置に使用される。
【0170】
式IのNHE阻害剤と炭酸脱水酵素阻害剤(例えば、アセタゾラミド)の組み合わせは又、この関連では有利であり、後者は代謝性アシドーシスをもたらし、従って、それ自体、呼吸活性を増加させ、その結果作用の増強及び活性成分の使用の減少が達成されうる。
【0171】
本発明化合物は、毒性及び病原性事象の間に急減に使い果たされ、すなわち、細胞損傷又は細胞死をも招くことなる、細胞エネルギーの蓄えをそのNHE3阻害作用の結果として保護する。この関連で、NHE3阻害剤の影響を受けて、近位尿細管でのエネルギー損失の大きいATPを消費するナトリウム吸収が一時的になくなり、従って細胞は、急性の病原性、虚血性または毒性状態の中を生き延びることができる。それ故、この化合物は、例えば、虚血性状態、殊に虚血性病毒、例えば、急性腎不全の処置のための医薬として適している。
【0172】
本化合物は、更に、タンパク質排泄の増加の結果として、慢性腎不全をもたらす慢性腎臓障害及び腎炎の類型の処置にも適している。それ故、式Iの化合物は、タンパク質/アルブミン排泄の増加に伴う、糖尿病に起源する後発性障害、糖尿病性腎症、及び慢性腎障害、特にすべての腎臓炎症(腎炎)の処置のための医薬の製造に適している。
【0173】
本発明の化合物は、グルコース吸収への作用を阻害し、そして遅延させ、その結果、血糖を減少させ、そしてトリグリセリドなどの更なる代謝パラメーターに有益な影響を及ぼすことことができるというが明らかとなった。こうした作用のために、本発明の化合物は、メタボリックシンドローム、糖尿病及び高脂血症の予防及び治療に有利に使用することができる。
【0174】
本発明化合物は、軽度の緩下効果を有し、それ故、緩下剤として又は便秘のリスクがある場合、便秘の予防及び処置に有利に使用することができることが明らかとなった
【0175】
更に、本発明の化合物は、例えば腸部位の虚血性状態によって及び/又はそれに引き続く再灌流によって又は炎症性状態及び事象によって誘発される腸管の急性及び慢性障害の予防及び治療に有利に使用することができる。こうした合併症は、例えば腸の不十分な蠕動運動の結果生じることがあり、これは、例えば外科的介入後、便秘又は腸活動の極度の減少に伴って頻繁に観察されうる。
【0176】
本発明の化合物には、胆石形成を防止する可能性がある。
【0177】
一般に、本明細書中に述べられているNHE阻害剤は、細胞内pHを同様に調節する他の化合物と有利に組み合わせることができ、こうした場合、組み合わせパートナーとして好適なものは、炭酸脱水酵素の酵素群の阻害剤、重炭酸イオンを輸送する系、例えば重炭酸ナトリウム共輸送体(NBC)又はナトリウム依存性塩素−重炭酸交換体(NCBE)の阻害剤であり、そしてまた、他のNHEサブタイプに阻害作用を及ぼす他のNHE阻害剤と有利に組み合わせることができ、その理由は、それらが本明細書中に述べられているNHE阻害剤の薬理学的に関連するpH調節作用を高めるか又は調節することができるからである。
【0178】
ナトリウムイオン/プロトン交換は、本態性高血圧において有意に上昇するので、式Iの化合物は、高血圧及び心臓血管障害の処置に適している。この関連で、高血圧の処置及び心臓血管障害の予防及び処置の場合、それらは、単独または適切な組み合わせパートナーと一緒に使用することができる。すなわち、例えば、チアジド様作用を有している1つ又はそれより多い利尿薬、ループ利尿薬、アルドステロン及び偽性アルドステロン拮抗剤、例えば、ヒドロクロロチアジド、インダパミド、ポリチアジド、フロセミド、ピレタニド、トラセミド、ブメタニド、アミロリド、トリアムテレン、スピロノラクトン又はエプレロン(eplerone)は、式Iの化合物と組み合わせることができる。更に、この発明のNHE阻害剤は、ベラパミル、ジルチアゼム、アムロジピン又はニフェジピンなどのカルシウム拮抗剤と、及び、例えばラミプリル、エナラプリル、リシノプリル、フォシノプリル又はカプトプリルなどのACE阻害剤と組み合わせて使用することができる。更に有利な組み合わせパートナーにはまた、例えば、メトプロロール、アルブテロールなどのβブロッカー、ロサルタン、イルベサルタン、バルサルタン、オマパトリラート、ゲルノパトリラート(gernopatrilat)などのアンギオテンシン受容体及びその受容体サブタイプの拮抗剤、エンドセリン拮抗剤、レニン阻害剤、アデノシン受容体作動剤、カリウムチャネルの阻害剤及び活性化剤、例えば、グリベンクラミド、グリメピリド、ジアゾキシド、クロマカリム(cromokalim)、ミノキシジル及びそれらの誘導体、ミトコンドリアATP感受性のカリウムチャネル(mitoK(ATP)チャネル)の活性化剤、更にKv1.5などのカリウムチャネル阻害剤などがある。
【0179】
更に、NHE阻害剤は、非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)の処置に適しており、この場合、例えばインスリン耐性は抑制される。これに関連して、本発明の化合物を、メトホルミンなどのビグアニドと、グリブリド、グリメピリド、トルブタミドなどの抗糖尿病性スルホニル尿素と、グルコシダーゼ阻害剤と、例えば、ロシグリタゾン、ピオグリタゾンなどのPPAR作動薬と、異なる投与形態のインスリン生成物と、DB4阻害剤と、インスリン増感剤と又はメグリチニドと組み合わせることによって本発明の化合物の抗糖尿病の有効性及び効果の質を高めることが有利でありうる。
【0180】
それ故、前記化合物は、呼吸ドライブ障害、呼吸障害、睡眠関連呼吸障害、睡眠時無呼吸、いびき、急性および慢性腎障害、急性腎不全及び慢性腎不全、腸機能障害、高血圧、本態性高血圧の処置または予防のための医薬の製造のために、単独又は他の医薬又は活性成分と組み合わせて有利に使用される。
【0181】
本発明の化合物は、更に、嚢胞性線維症(mucoviscidosis)を処置するのに適している。嚢胞性線維症におけるCFTRタンパク質の欠如のために、腸(消化管(gut)、胆系、すい臓)、精液、上気道及び肺における塩及び水の過剰な吸収をもたらすNHE3が活
性化されることが示されてきた。これによって、糞便(便秘)の乾燥、腸分泌物、及び頻繁に、気道感染、そして最終的には死の重要な原因である肺機能の低下を引き起こす肺内の粘弾性粘液の帰結を伴う肺液の乾燥をもたらす。NHE3の過剰な活性化によって、腸内の環境がより酸性になり、消化が悪化し(消化不良)、そして肺液のpHがより酸性となり、細菌感染(特に、緑膿菌感染)を助長する。この化合物群は、全身的に(経口的、筋肉内、静脈内、皮下)投与するか、又は気道及び肺症状の処置のために吸入として与えることができる。
【0182】
この化合物群は、上気道及び肺内において塩及び水の吸収を抑制することによって、急性及び慢性気道疾患並びに感染症において、粘液の液体化を生じさせる粘液溶解薬としての可能性を有している。この作用は、上気道及び肺の急性及び慢性ウイルス、細菌及び真菌感染症、そして喘息及びCOPDなどの慢性炎症性肺疾患において治療的に有用である。
【0183】
本発明は、更に、医薬として使用するための式Iの化合物及びその製薬学的に許容される塩の使用、並びに式Iの化合物及びその製薬学的に許容される塩を含んでなる医薬に関する。
【0184】
本発明は、更に、NHE3によるNa
+/H
+交換を完全に又は部分的に阻害することによって、疾患を処置又は予防するための、こうした化合物又はその製薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0185】
それ故、本発明の更なる局面は、請求項1〜15の一つ又は複数に請求されている式Iの化合物及び/又はその製薬学的に許容される塩の、呼吸ドライブ障害、呼吸器障害、睡眠関連の呼吸器障害、睡眠時無呼吸、いびき、嚢胞性線維症、内臓粘液に関連する上及び下気道疾患、急性及び慢性腎臓障害、急性腎不全及び慢性腎不全、腸機能障害、便秘、高血圧、 本態性高血圧、心臓血管障害、中枢性神経系障害、CNS過剰興奮に起因する障害(disorders resulting from CNS overexcitability)、癲癇及び中枢性誘発痙攣(centrally induced spasms)又は不安状態、うつ病及び精神障害、末梢性又は中枢性神経系の虚血状態の又は脳卒中、変性CNS障害、記憶能力低下(reduced memory capacity)、認知症及びアルツハイマー病、及び虚血又は再灌流事象によって引き起こされる末梢器官又は四肢の急性及び慢性損傷並びに障害、アテローム性動脈硬化症、脂肪代謝障害、高脂血症、血栓症、糖尿病(diabetis mellitus)、胆道機能障害(impairments of biliary function)、外部寄生虫による侵襲、内皮細胞機能不全によって生じる障害、原生症、マラリア、ショック状態又は糖尿病性のショック状態及び糖尿病に起源する後発性障害、又は細胞増殖が一次的又は二次的原因(states of shock or of diabetes and late damage from diabetes or of diseases in which cell proliferation represents a primary or secondary casuse)を構成する疾患を処置若しくは予防する、外科的処置のための移植片の保存及び保管(the preservation and storage of tansplants for surgical procedures)する、外科手術及び臓器移植に使用する、並びに健康を維持して寿命を延ばす、医薬を製造のための、単独で又は他の医薬若しくは活性成分と組み合わせた使用である。
【0186】
本発明はまた、有効な量の式Iの化合物及び/又はその製薬学的に許容される塩を含んでなるヒト使用、獣医学的使用又は植物防疫(phytoprotective)使用のための薬剤、並びに有効な量の式Iの化合物及び/又はその製薬学的に許容される塩を単独で又は一つ又はそれより多い他の薬理学的に活性な成分又は薬剤と組み合わせて含んでなるヒト使用、獣医学的使用又は植物防疫使用のための薬剤に関する。
【0187】
式Iの化合物又はその製薬学的に許容される塩を含んでなる薬剤は、例えば経口的に、非経口的に、筋内に、静脈内に、直腸的に、鼻内に、咽頭に、吸入によって、皮下に又は適切な経皮投与形態によって投与することができ、好ましい投与は、それぞれの症状に左右される。その上、式Iの化合物は、具体的には獣医学及びヒト医学の双方、並びに作物保護において、単独又は医薬用賦形剤と一緒に使用することができる。この医薬は、式Iの活性成分及び/又はそれらの製薬学的に許容される塩を、一般に投薬単位当たり0.01mg〜1gの量で含む。
【0188】
当業者であれば、専門知識に基づいて、所望の医薬製剤に適切な賦形剤に精通している。溶媒、ゲル形成剤、坐剤基剤、錠剤賦形剤及び他の活性成分担体に加えて、例えば抗酸化剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、香味剤、保存剤、可溶化剤又は着色剤を使用することが可能である。
【0189】
経口投与の形態の場合には、この活性化合物は、この目的に適した、担体、安定剤又は不活性希釈剤などの添加剤と混合し、そして一般に行なわれている方法によって、錠剤、被覆錠、ハードゼラチンカプセル、水溶性、アルコール性又は油性の液剤などの適切な剤形に変換する。使用することができる不活性担体の例には、アラビアゴム、マグネシア、炭酸マグネシウム、リン酸カリウム、ラクトース、グルコース又はデンプン、殊にコーンスターチがある。更に、製剤は、乾式及び湿式顆粒剤の双方として行なうことが可能である。適切な油性担体又は溶媒の例には、ひまわり油又は魚肝油などの植物油又は動物油がある。
【0190】
皮下、経皮的又は静脈内投与の場合には、使用される活性化合物は、所望により、可溶化剤、乳化剤又は更なる賦形剤などのこの目的に通常使用されている物質を加えて、液剤、懸濁剤又は乳剤に変換する。適切な可溶化剤の例には次のものがある:水、生理食塩水若しくはアルコール、例えばエタノール、プロパノール、グリセロール、並びにグルコース若しくはマンニトール溶液などの糖溶液、又は更に言及されている種々の溶媒の混合物。
【0191】
特に、エタノール若しくは水、又はこうした溶媒の混合物などの製薬学的に許容される溶媒中の式Iの活性成分の、例えば、液剤、懸濁液又は乳剤が、エアロゾル又はスプレー形態の投与用の医薬製剤として適切である。必要ならば、製剤はまた、界面活性剤、乳化剤及び安定剤、そしてまた、推進剤ガスなどの他の医薬用賦形剤を含むこともできる。こうした製剤は、通例、約0.1〜10、特に約0.3〜3重量%の濃度で活性成分を含む。
【0192】
投与する式Iの活性成分の投与量及び投与頻度は、使用する化合物の作用の効力及び持続時間;更にまた、処置する疾患の性質及び重症度、そしてまた、処置する哺乳類の性別、年齢、体重及び個々の応答に左右される。
【0193】
平均して、体重約75kgの患者の場合、式Iの化合物の一日用量は、少なくとも0.001mg/kg、好ましくは0.1mg/kg、最高30mg/kgまで、好ましくは1mg/kg(体重)である。急性状態では、例えば高高度で無呼吸状態に罹患した直後には、より高い投与量が更に必要でありうる。特に静脈内投与の場合、例えば集中治療中の梗塞患者では、1日当たり300mg/kgまでが必要でありうる。一日用量は、一回又は複数回、例えば4回までの一回量に分割することができる。
【0194】
式Iの化合物が一つ若しくはそれより多い酸性又は塩基性基、あるいは一つ若しくはそれより多い塩基性ヘテロ環を含む場合には、その対応する生理学的又は毒性学的に許容される塩が、本発明、殊に製薬学的に許容される塩に更に含まれる。すなわち、式Iの化合物は、酸性基で脱プロトン化し、そして例えば、アルカリ金属塩、好ましくはナトリウムまたはカリウム塩、又はアンモニウム塩、例えば、アンモニアまたは有機アミン又はアミノ酸との塩として使用することができる。少なくとも一つの塩基性基を含む式Iの化合物はまた、その生理学的に許容される酸付加塩、例えば、次の酸との酸付加塩の形態で調製することができる:塩酸、硫酸若しくはリン酸などの無機酸から、又は酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、マロン酸、メタンスルホン酸、フマル酸などの有機酸から。これに関連して、適切な酸付加塩には、全ての製薬学的に許容される酸の塩、例えばハロゲン化物、特に塩酸塩、乳酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、リン酸塩、メチルスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、アジピン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロールリン酸塩、マレイン酸塩及びパモ酸塩(この基はまた、生理学的に許容されるアニオンに相当する);更にトリフルオロ酢酸塩がある。
【0195】
この発明は更に、式Iの化合物の誘導体、例えば、水和物などの溶媒和物及びアルコール付加物、エステル、プロドラッグ及び他の生理学的に許容される式Iの化合物の誘導体及び式Iの化合物の活性代謝物を含んでなる。本発明は同様に、式Iの化合物の結晶変形をすべて含む。
【0196】
式Iの化合物の製造方法:
一般式Iの化合物を製造する適切な一般的方法が下記に述べられている。この関連で、式Iの化合物は、種々の化学的方法によって製造することができる。次の方法中で言及されている基およびラジカルA、B、L、X、R1、R2、R3、R4及びR5並びに示数pは、別途明確に定義されない限り、上記に言及した意味を有する。
【0197】
略語:
HPLC 高性能液体クロマトグラフィー
LC 液体クロマトグラフィー
R
t 保持時間
THF テトラヒドロフラン
TFA トリフルオロ酢酸
FA ギ酸
DMSO ジメチルスルホキシド
abs. 無水
DMF ジメチルホルムアミド
AcN アセトニトリル
rt 室温
min. 分
h 時間
CI 化学イオン化
ES=ESI エレクトロスプレーイオン化
dba ジベンジリデンアセトン
【0198】
方法A:
例えば、スキームAに示されているように、式IIのエポキシドから出発し、式HNR3R4のアミンを加えて、エポキシド環を開環すると、まず対応する式IIIの1−アミノ 2−オール中間体が得られ、次にこれをR5によって一回又は複数回、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリール化合物 B−OHを加えて光延反応に処する。この反応では、フェノールを使用することが好ましい。あるいはまた、対応する−S−又は−CO
2H−によってブリッジされている誘導体を得るために、R5によって一回又は複数回、置換されていてもよいアリール若しくはヘテロアリールチオール B−SH、又はアリール若しくはヘテロアリールカルボン酸 B−CO
2Hを用いることも可能である。光延反応は、知られているように、アセトニトリル、CH
2Cl
2又はテトラヒドロフランなどの不活性溶媒中で、例えば、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン及び例えば、ジイソプロピルアゾジカルボキン酸エステルなどのアゾジカルボキシラートの存在下で行われる。式IIIの1−アミノ−2−オールの場合では、これにはアミン残基NR3R4が基本構造の2の位置に移動することを伴う(J. Org. Chem. 1991, 56, 670-672)。
【0199】
スキームA:光延反転による式Iの化合物の合成
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
【0200】
上記の式において、Lは、共有結合、−C(=O)−であり、そしてXは、Oであるか、又はLは共有結合であり、そしてXはSである。
【0201】
このようにして、多数の化合物I、好ましくは、二つの置換基が互いに対してトランスの立体配置にある化合物を製造することが可能である。アミン置換基のラジカルR3及びR4の一つが、例えば、ヒドロキシ基又はアミノ基などの更なる官能基によって置き換えられなければならない場合は、光延反応の間、こうした基を適宜保護するように留意することが必要である。このことは、例えば、OH基の場合のトリアルキル又はトリアリールシリル基によって、又はアミノ基の場合のBOC保護基によって起こりうる。光延反応後、その後この保護基は、例えば、塩酸又はトリフルオロ酢酸で処理することによって再度除去され、式Iの化合物が得られる。脱保護後、こうした官能基は、更なる化合物Iを得るために、適宜、アルキル化剤を用いるアルキル化により、又はアシル化により、そしてその後還元することにより更に改変することができる。
【0202】
式IIのエポキシド、アミンNHR3R4、そしてヒドロキシアリール又はヒドロキシヘテロアリール又はそのチオール誘導体などのスキームA中で使用される出発物質は、商業上利用可能であり、文献から知られているか、又は文献から知られている化合物に準じて容易に合成することができる。こうした出発物質のための2、3の適切な合成スキームは、実験部分中の実施例によって再現される。
【0203】
方法B:
式Iの化合物を製造する更なる方法を、スキームBに示す。
【0204】
スキームB:芳香族求核置換による化合物Iの合成
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
【0205】
このプロセスでは、式IVの化合物2−ブロモ−1−オンを、式R3−NH−R4のアミンと反応させると、対応するアミノケトンVが得られる。次いで、このケト基を還元して1−ヒドロキシ基にすると、その結果、式VIの中間体になる。この関連で、中心1及び2に関してシス及びトランスの立体配置の双方を有している生成物VIが生成されることが可能である。次いでこの結果生じる式VIの中間体を、DMSOなどの不活性溶媒中で、例えば、水素化ナトリウム又は粉末NaOHなどの強塩基を用いて、アリール又はヘテロアリール化合物B−Y[ここで、Bは、R5によって一回又は複数回置換されていてもよい]上で、芳香族求核置換によってアリール化する。この関連で、Yは、例えば、フッ素、塩素又はトリフルオロメシルオキシなどの適切な脱離基である。ラジカルR3及びR4が、例えば、アミノ又はヒドロキシ基によって置換されている場合は、こうした基は、例えば、アルキル−又はアリール−置換シリル基などの塩基に対して安定な保護基によって、適宜保護されるべきである。
【0206】
このプロセスで、こうしたものはまた、かなりの程度まで公知であるか、又は商業上入手可能なブロモケトンIVを利用することが可能であるか、あるいは、例えば、しかるべきケトンから標準的な条件のもとでブロム化によって容易に得ることができる。
【0207】
方法C:
更なるプロセスは、一般式Iにおいてqが1である、アミン基NR3R4が炭素を含んでいるブリッジを介して位置2に結合している式Iのそうした化合物に関連する。
【0208】
スキームC:マンニッヒ様生成物を介する式Iの化合物の合成
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
【0209】
この場合は、式VIIIの対応するジメチルアミノメチレン化合物を得るために、式VIIのケトンをホルムアミドアセタール、好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールと反応させる。このジメチルアミノ基は、次のステージにおいて他のアミノ基によって置き換えられ、式IXのアミノメチレン化合物が得られる。これは、例えば、過剰なアミンHNR3R4の存在下で、DMF中、式VIIIの化合物を過熱することによって行なうことができる。その後の、例えば、メタノール中、水素化ホウ素ナトリウムによる還元によって、通例、式Xの立体異性のアミンアルコールの混合物が得られ、これを適宜、個々の成分に分離した後、スキームB中の図解に準じてアリール化すると、本発明の化合物Iが得られる。
【0210】
方法D
式Iの化合物を製造する更なる方法は、スキームDに示されている。1−アミノ−2−インダノール III及びそのアナログを、光延反応の条件下で、例えば、THFなどの不活性溶媒中、例えば、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)などの適切なアジド源の存在下で反応させる。この場合もまた、アミン残基は、スキームA中に述べられている1位から2位へ移動する。トランス立体配置を有する1−アジド−2−インダンアミンが優先的に形成され、これを、例えば、直接、LiAlH
4などの適切な還元剤を添加した後、インサイチュで反応させると、トランス立体配置を有する一般式XIのジアミンが得られる。式Iの化合物を得るには、式XIの化合物を、例えば、文献(J. Am. Chem. Soc. 1997, 8451-8458)から知られているブッフバルト(Buchwald)の条件下で、パラジウム触媒作用を用いてアリール化する。
【0211】
スキームD:光延反転による化合物Iの合成及びそれに引き続くアリール化
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
【0212】
方法E
式Iの化合物を製造する更なる方法がスキームEに示されている。スキームA中と同様に合成される安息香酸エステルIを公知の方法で加水分解すると、一般式VIの化合物が得られる。これは、例えば、アセトン/水混合物などの溶媒中で、そして水酸化ナトリウムなどの適切な塩基を用いて行なわれる。次いで式VIの化合物を、例えば、THFなどの溶媒中、水素化ナトリウムなどの適切な塩基の存在下で、例えば、臭化ベンジルなどの適切なアルキル化剤と反応させる。このようにして得られた化合物Iは、適宜更なる操作のために利用可能である。
【0213】
スキームE:アルキル化による化合物Iの合成
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
【0214】
式中、Lはアルキレンブリッジである。
【0215】
化合物Iが、例えば、アルコール又はアミンなどの官能基を更に含んでいる場合には、こうしたものはスキームF中と同様な知られている方法で更に反応させることができる。適切な例には、アシル化、アルキル化又は一連のアシル化/還元がある。この手順は、例示的な実施態様によって実験部分中に述べられている。
【0216】
スキームF:化合物Iの任意の更なる反応
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【0217】
方法G:
更なるプロセスは、アミン基NR3R4での一つ又は二つの置換基R3又はR4が水素である、すなわち、一般式Iにおいて、R3=H又はR3=R4=Hであるこうした式Iの化合物に関連する。
【0218】
スキームG:アリルアミンのPd触媒による脱保護による式Iの化合物の合成
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
【0219】
このプロセスでは、例えば、方法Aに従って合成することができるアリルアミンXIは、CH
2Cl
2又はTHFなどの不活性溶媒中、例えば、チオサリチル酸又はジメチルバルビツール酸などの求核試薬を用いて脱保護する。この反応は、Pdによって触媒される。適切なPd源は、配位子安定化のためのビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンなどの存在下で、例えば、Pd(PPh
3)
4又はPd(dba)
2がある。ビスアリルアミン(R3=R4=アリル)の場合には、双方のアリル基は、少なくとも2当量の適切な求核試薬を用い、そして反応時間を延長して開裂することができる。方法Gに従って合成される一般式Iの化合物は、例えば、アシル化又はアルキル化である更なる操作に利用可能である。
【0220】
例示的実施態様:
次の手順における当量の言及は、別途明確に言及されない限り、物質の量の表示を意味する。
【0221】
次のLC方法は、例示的な実施態様を分析するのに用いられた。
【0222】
【表71】
[この文献は図面を表示できません]
【0223】
【表72】
[この文献は図面を表示できません]
【0224】
【表73】
[この文献は図面を表示できません]
【0225】
スキーム1:インダンオキシドの場合の一般的合成スキーム
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
【0226】
一般的合成方法
工程1/2:桂皮酸(1当量)及びPtO
2(2.2モル%)を、エタノール(EtOH)(8ml/mmol(桂皮酸))に懸濁し、そしてH
2雰囲気(1バール)下で、反応混合物がもはやH
2を吸収しなくなるまで激しく撹拌した。懸濁液をろ過しそして残留物をEtOHで洗浄した。ろ液の溶媒を真空で除去し、そしてこの結果生じたプロピオン酸とプロピオン酸エステルの粗混合物は、更に精製することなく次の反応に使用した。
【0227】
反応工程1からの混合物を、EtOHに溶解し(2ml/mmol(工程1からの中間体))、そしてNaOH水溶液(工程1からの中間体に基づいて2.5当量)を加えた。溶液を16時間撹拌し、そして混合物の容量を真空を適用することにより減少させた。この結果生じた溶液を水で希釈し、そして2N HCl水溶液を用いて酸性にした。懸濁液をろ過し、そして残留物を水で洗浄した。所望のプロピオン酸が固体として生じた。
【0228】
工程3/4:塩化オキサリル(3.40当量)を、CH
2Cl
2(1.4ml/mmol(プロピオン酸))及びDMF(0.01ml/mmol(プロピオン酸))中のプロピオン酸(1当量)の溶液に注意深く加えて、溶液を、泡立てた。この結果生じた透明な溶液を更に6時間撹拌し、次いで揮発性成分を真空で除去した。適切な酸クロリドを、更に後処理することなく次の反応工程に使用した。
【0229】
CH
2Cl
2(1.2ml/mmol(工程3からのプロピオン酸))中の酸クロリドの溶液を、0℃でCH
2Cl
2(0.75ml/mmol AlCl
3)中のAlCl
3(1.30当量)の溶液に滴下して加えた。添加が完結した後、氷浴を取り外し、更に3時間還流下で加熱した。混合物を氷水に注ぎ、そして水相をCH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、そしてろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。閉環が位置選択的に行なわれなかった場合には、位置異性体(regioisomer)をカラムクロマトグラフィーによって分離した。
【0230】
工程5:NaBH
4(1mmol/mmol(インダノン))を、10℃でEtOH(4ml/mmol(インダノン))中のインダノン(1当量)の溶液に少しずつ注意深く加えた。添加が完結した後、溶液を室温(rt)で3〜16時間撹拌し、次いでこの反応液の容量を真空で減少させた。懸濁液を氷水に加え、そして水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムマトグラフィーによって精製した。
【0231】
工程6:ダウエックス(Dowex)
(R)(Marathon
(R)MSC(H)イオン交換樹脂;0.02g/mmol(インダノール))をトルエン(3ml/mmol(インダノール))中のインダノール(1当量)溶液に加え、そして懸濁液を、ウォータートラップ(water trap)を用いて1時間加熱・還流した。冷却した懸濁液をろ過し、残留物をトルエンで洗浄し、そして合わせた有機相の溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0232】
あるいは、工程6では、トルエン(4ml/mmol(インダノール))中のインダノール(1当量)及びp−トルエンスルホン酸・一水和物(0.1当量)の溶液を、ウォータートラップを用いて1〜2時間還流下で加熱した。溶液を室温(rt)に冷却し、そして飽和NaHCO
3水溶液で洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0233】
工程7:4−(3−フェニルプロピル)ピリジン N−オキシド(0.04当量)を、CH
2Cl
2(1.2ml/mmol(インデン))中のインデン(1当量)及び(S,S)−(+)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガン(III)クロリド(0.01当量)の溶液に加えた。反応溶液を、10分間撹拌し、そして−2℃に冷却した。K
2CO
3半飽和水溶液(0.5ml/mmol(インデン))を加え、そして懸濁液を激しく撹拌しながら、NaOCl水溶液(1.25ml/mmol(インデン);13%遊離塩素)をゆっくり滴下して加えた。その後直ちに、0.1M リン酸緩衝液(pH=7.5)を用いてpHをpH 11〜12に調整した。2相系を4時間激しく撹拌し、その間温度は、5℃にゆっくり上昇した。相を分離し、そして水相をCH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機相を飽和Na
2S
2O
3水溶液及び水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。この結果生じた生成物を、更にヘプタンから再結晶した。
【0234】
工程8:NBS(2当量)を、25℃でDMSO(1ml/mmol(インデン))及び水(0.025ml/mmol(インデン))中のインデン(1当量)の溶液に、温度が35℃より上昇しないように少しずつ加えた。溶液を室温(rt)で2時間撹拌し、そして氷上に注いだ。水相を酢酸エチルで抽出し、そして合わせた有機相を塩水で洗浄し、そしてNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0235】
工程9:粉末NaOH(6.6当量)を、THF(7ml/mmol(ブロモヒドリン))中のブロモヒドリン(1当量)の溶液に加えた。懸濁液を、前駆物質が完全に反応するまで室温(rt)で撹拌し、そして反応を薄層クロマトグラフィー(TLC)によってモニタリングした。懸濁液をろ過し、残留物を酢酸エチルで洗浄した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、そして再度ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。この粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0236】
工程10:mCPBA(1.1当量)を、CH
2Cl
2(2.5ml/mmol(インデン))中のインデン(1当量)の溶液に少しずつ加えた。懸濁液を2日間激しく撹拌し、次いでろ過した。残留物をCH
2Cl
2で洗浄し、そして合わせた有機相を飽和Na
2SO
3水溶液及び飽和NaHCO
3水溶液で順に洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0237】
スキーム2:インダンオキシドアナログの合成
【化20】
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【0238】
一般的合成方法
工程1:CH
2Cl
2(0.75ml/mmol(チオフェン))中の2,5−ジクロロチオフェン(1.0当量)の溶液を、CH
2Cl
2(1.00ml/mmol AlCl
3)中のAlCl
3(1.25当量)及び無水コハク酸(1.0当量)の懸濁液に0℃でゆっくり滴下して加えた。添加が完結した後、氷浴を取り外し、そして室温(rt)で更に4時間撹拌した。混合物を氷水に注ぎ、そして水相をCH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機相を2N NaOH水溶液で抽出し、次いで合わせた水相を濃HClで酸性にした。酸性の水溶液をCH
2Cl
2で抽出し、そして合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。この結果生じた粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0239】
工程2:THF(0.80ml/mmol(前駆物質))中の前駆物質(1.0当量)及びN(C
2H
5)
3(1.10当量)の溶液を、0℃でTHF(1.70ml/mmolClSi(CH
3)
3)中のClSi(CH
3)
3(1.10当量)の溶液にゆっくり滴下して加えた。添加が完結した後、撹拌を0℃で15分間継続し、そしてこの結果生じた懸濁液をろ過した。ろ液の溶媒を真空で除去し、そして残留物をCH
2Cl
2(2.00ml/mmol(前駆物質))に溶解した。HSi(C
2H
5)
3(3.0当量)及びTiCl
4(3.0当量,1M(CH
2Cl
2中))を室温(rt)で溶液に加えた。この溶液を室温(rt)で20時間撹拌し、次いで氷水に注いだ。水相をCH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機相を飽和NaHCO
3水溶液で抽出し、次いで合わせた水相を濃HClで注意深く酸性にした。酸性水溶液を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0240】
工程3:カルボン酸(1.00当量)を、0℃で濃H
2SO
4(6.30ml/mmol(カルボン酸))に溶解し、次いで室温(rt)で4時間撹拌した。溶液を氷水に注ぎ、そして水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。この粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0241】
エポキシドを得るための更なる反応を、スキーム1/ルートBと同様に行なった。
【0242】
スキーム3:テトラヒドロナフタレンオキシドの合成(ルートD)
【化21】
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【0243】
一般的合成方法:
工程1:0℃で、1,2−ジヒドロナフタレン(1.00当量)及び1,1,1−トリフルオロアセトン(0.15当量)を、炭酸カリウム水溶液1.5M(4×10
-4M(EDTA中)、1.55ml/mmol(1,2−ジヒドロナフタレン))及びアセトニトリル(1.55ml/mmol(1,2−ジヒドロナフタレン))に加え、5分間撹拌した。この後、30%濃度過酸化水素(4.00当量)を注意深く添加した。反応混合物を0℃で4.5時間撹拌し(反応は、TLCによってモニタリングした)、次いで酢酸エチルを加えた。相分離した後、水相を酢酸エチルで2回抽出し、合わせた有機相を飽和NaCl水溶液で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0244】
スキーム4:インダンオキシド中間体の合成:
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
【0245】
一般的合成方法:
工程1:mCPBA(メタ−クロロ過安息香酸,2.2当量)を、室温(rt)でCH
2Cl
2(4.0ml/mmol(インダノン))中のインダノン(1当量)の溶液に少しずつ加えた。懸濁液を、終夜激しく撹拌し、次いで0℃で、Na
2S
2O
5水溶液を加えた。二相混合物を10分間撹拌し、ろ過し、相を分離し、そして水相をCH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機相を飽和NaHCO
3水溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0246】
次のインダンオキシド類及びアナログを説明した方法によって合成した:
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
【0247】
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
【0248】
フェノール類の一般的合成:
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
【0249】
一般的合成方法:
工程1/2:−10℃で、BBr
3(1M溶液(CH
2Cl
2中);2.5当量)を、CH
2Cl
2(7ml/mmol エーテル)中のメチルエーテル(1当量)の溶液に滴下して加え、そして冷却浴を取り外した。懸濁液をTLCモニタリングによって反応の進行をチェックしながら、合計4時間撹拌し、反応が完結した後、懸濁液を氷水に加えた。この結果生じた水性懸濁液をNaHCO
3で中和し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0250】
−78℃で、BCl
3(1M溶液(ヘキサン中);2.0当量)を、CH
2Cl
2(6ml/mmol エーテル)中のイソプロピルエーテル(1当量)の溶液に滴下して加え、そして冷却浴を取り外した。懸濁液を合計3時間撹拌し(TLCモニタリング)、そして氷水に加えた。この結果生じた水性懸濁液をNaHCO
3で中和し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0251】
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
【0252】
一般的合成方法:
工程1:SnCl
2 2H
2O(5当量)を酢酸エチル(6ml/mmol(前駆物質))中のニトロフェノール(1当量)の溶液に少しずつ加えた。懸濁液を還流下で1〜6時間(TLCモニタリング)加熱した。反応を水で停止させ、そして2N NaOH水溶液で塩基性化した。この結果生じた懸濁液を、ろ過し、ろ液を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0253】
工程2/3:0℃で、CH
2Cl
2(1.3ml/mmol(アニリン))中の適切なアニリン(1.0当量)及びヒューニッヒ塩基(1.1当量)の溶液を、CH
2Cl
2(0.4ml/mmol(ホルマート))中のクロロギ酸4−ニトロフェニル(1.5当量)の溶液に温度が5℃を超えて上昇しないようにして滴下して加えた。溶液を室温(rt)で更に2時間撹拌し、次いで0℃に冷却した。適切なアミノアセタール(2.3当量)を加え、そして懸濁液を室温(rt)で更に4時間撹拌した。反応液をCH
2Cl
2で希釈し、そして水、2N NaOH水溶液そして飽和NH
4Cl水溶液で順に洗浄した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物は、更に精製することなく次の反応工程に使用した。
【0254】
前述の工程からの粗生成物(1当量)を、0℃でギ酸(1.5ml/mmol(前駆物質))に溶解し、そして室温(rt)で2〜16時間撹拌した(TLCでモニタリングしながら)。反応溶液の容量を、真空で2分の1だけに減少させ、そしてこの結果生じた溶液を水で希釈した。水相を酢酸エチルで抽出し、そして合わせた有機相を飽和NaHCO
3水溶液で注意深く洗浄した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0255】
工程4:PtO
2(5mol%)を、EtOH/酢酸エチル混合物(1:15ml/mmol(前駆物質))中の前駆物質(1当量)の溶液に加えた。懸濁液をH
2雰囲気(1.5バール)下で5時間(TLCモニタリングしながら)激しく撹拌した。懸濁液をろ過し、残留物をEtOHで洗浄した。有機相の溶媒を真空で除去し、この結果生じた粗生成物は、次の反応工程で使用した。
【0256】
工程5/6:0℃で、CH
2Cl
2(1.3ml/mmol(アニリン))中の適切なアニリン(1.0当量)及びヒューニッヒ塩基(3.5当量)の溶液を、CH
2Cl
2(0.4ml/mmol(ホルマート))中の4−ニトロフェニルクロロホルマート(1.5当量)の溶液に、温度が5℃を超えて上昇しないように滴下して加えた。溶液を室温(rt)で更に2時間撹拌し、次いで0℃に冷却した。適切なアミノ酸(1.6当量)のアンモニウム塩を加え、そして懸濁液を室温(rt)で更に16時間撹拌した。反応混合物をCH
2Cl
2で希釈し、そして水、2N NaOH水溶液、そして飽和NH
4Cl水溶液で順に洗浄した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物を更に精製することなく次の反応工程に使用した。
【0257】
前述の工程からの粗生成物(1当量)を、10%濃度HCl水溶液(3.0ml/mmol(前駆物質))に0℃で懸濁し、そして還流下で2〜16時間(TLCモニタリングしながら)加熱した。溶液のpHを2N NaOH水溶液でpH8に調整し、そして酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。このようにして得られたフェノールエーテル類は、スキーム5の記載と同様に開裂した。
【0258】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
【0259】
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
【0260】
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
【0261】
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
【0262】
一般的合成方法:
工程1:適切なアニリン(1当量)及びコハク酸(1当量)の完全に混和した混合物を180℃で2時間撹拌し、その間に溶融物が形成した。溶融物を室温(rt)に冷却し(溶融物の固化)、そしてEtOHに溶解した。この結果生じた溶液を、活性炭と混合し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。残留物を酢酸エチルに溶解し、そして飽和NaHCO
3水溶液で洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥し、再度ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0263】
工程2:適切なアニリン(1当量)及びガンマ−ブチロラクトン(1当量)の完全に混和した混合物を180℃で2時間撹拌し、その間に溶融物が形成した。溶融物を室温(rt)に冷却し(溶融物の固化)、そしてEtOHに溶解した。この結果生じた溶液を、活性炭と混合し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0264】
このようにして得られたフェノールエーテル類をスキーム5の記載と同様に開裂した。
【0265】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【0266】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【0267】
一般的合成方法:
工程1:ボロン酸(1当量)、アリールヨージド(1当量)及びNa
2CO
3(3.0当量)を、水/DME混合物((1:1;3ml/mmol(ボロン酸))に懸濁した。PdCl
2(PPh
3)
2(2モル%)を加え、そして懸濁液を80℃で20時間(TLCモニタリングしながら)撹拌した。次いで懸濁液を、酢酸エチル及び水で希釈して、相を分離し、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0268】
このようにして得られたフェノールエーテルを、スキーム5の記載と同様に開裂した。
【0269】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【0270】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
【0271】
一般的合成方法:
工程1:アリールブロミド(1当量)、オキサゾリドン(1当量)、K
2CO
3(2.0当量)、trans−ジアミノシクロヘキサン(10モル%)及びCuI(5モル%)を、ジオキサン(0.5ml/mmol(アリールブロミド))に懸濁した。懸濁液を、還流下で16時間(TLCモニタリングしながら)加熱し、そして酢酸エチルで希釈し、少量のセライトでろ過した。有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0272】
このようにして得られたフェノールエーテル類を、スキーム5の記載と同様に開裂した。
【0273】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
【0274】
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
【0275】
一般的合成方法:
工程1:アリールブロミド(1当量)、ボロン酸(1当量)、K
2CO
3(2.0当量)、及びPd(PPh
3)
4(10モル%)を、DME(1.0ml/mmol(アリールブロミド))に懸濁した。懸濁液を、48時間加熱・還流し、そして反応はTLCでモニタリングした。反応混合物を酢酸エチルと水で希釈し、相を分離し、そして水相を酢酸エチルで抽出した。有機相を集めこれを、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0276】
このようにして得られたフェノールエーテル類を、スキーム5の記載と同様に開裂した。
【0277】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
【0278】
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
【0279】
一般的合成方法:
工程1/2:適切なヒドロキシエステル(2当量)を、トルエン(1.0ml/mmol(イソシアネート))中のイソシアネート(1当量)の溶液に加えた。溶液を110℃で4時間、密閉容器中で加熱し、そして反応は、TLCでモニタリングした。溶媒を真空で除去し、そして粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。先の反応からの生成物を溶媒なしで、180℃で4時間加熱した。反応溶液を室温(rt)に冷却した後、粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0280】
このようにして得られたフェノールエーテル類を、スキーム5の記載と同様に開裂した。
【0281】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
【0282】
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
【0283】
一般的合成方法:
工程1:0℃で、適切なアンモニウムヒドロクロリド(3当量)を、酢酸エチル(2ml/mmol)及びピリジン(6当量)中のスルホニルクロリド(1当量)の溶液に加えた。この懸濁液を室温(rt)で16時間撹拌し、そして反応はTLCでモニタリングした。反応混合物を酢酸エチル及び水で希釈し、相を分離し、そして水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相を飽和NH
4Cl水溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0284】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
【0285】
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
【0286】
一般的合成方法:
工程1:CH
3CN(3ml/mmol(過ヨウ素酸))中の過ヨウ素酸(2.1当量)の懸濁液を室温(rt)で、透明な溶液が形成されるまで(約50分)撹拌した。三酸化クロム(硫化物に対して10モル%)を加え、そして更に10分間撹拌した。橙色の溶液を−35℃で酢酸エチル(10ml/mmol(硫化物))中の適切な硫化物(1当量)の溶液にゆっくり加えた。この間、温度は、−35℃を超えて上昇しなかった。形成された懸濁液をこの温度で更に60分間撹拌し、そして5mlの飽和Na
2SO
3水溶液を加えて停止させた。懸濁液を、ろ過し、そして残留物を酢酸エチルで洗浄した。ろ液を飽和Na
2SO
3水溶液で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0287】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
【0288】
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
【0289】
一般的合成方法:
工程0(場合により):SnCl
2 4.5当量を、濃塩酸水溶液(0.36ml/mmol(前駆物質))中のアニリンF(1当量)の溶液に加え、そして溶液を60℃に加熱した。終夜撹拌後、混合物を氷上に注ぎ、10M KOHを加えてpH>10に調整し、ジクロロメタンで4回抽出し、そして集めた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、そしてNa
2SO
4上で乾燥した。溶媒を真空で除去した。
【0290】
工程1:1.1当量のジメチルアミドジメチルアセタール又はオルトエステルCを、アセトニトリル(6ml/mmol(前駆物質))中のヒドラジドB(1.1当量)の溶液に加え、溶液を50℃で30分間撹拌した。アセトニトリル(3ml/mmol(前駆物質))及び酢酸(9ml/mmol(前駆物質))中のアニリン(A)の溶液を添加後、混合物を120℃で16時間、オープンフラスコ(open flask)内で加熱した。溶媒を真空で除去した。粗生成物を、溶離のためにジクロロメタン/メタノール グラジエントを用いてカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0291】
このようにして得られたフェノールエーテル類を、スキーム5の記載と同様に開裂した。
【0292】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
【0293】
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
【0294】
一般的合成方法:
工程1:アルゴンを、水/DME 1/1(3ml/mmol(前駆物質))中のホウ酸A(1当量)、ヘテロアリールヨージド/ブロミドB(1当量)の混合物に15分間通した。パラジウムジクロロビストリフェニルホスフィン(0.02当量)及びNa
2CO
3(3.0当量)を添加後、この混合物を、アルゴン下で、80℃で加熱した(20時間)。反応(LC−MSモニタリングしながら)が完結した後、混合物を酢酸エチル及び飽和NaHCO
3水溶液と混合し、そして酢酸エチルで2回抽出した。集めた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、そしてNa
2SO
4上で乾燥した。溶媒を真空で除去した。粗生成物を溶離のためにヘプタン/酢酸エチル グラジエントを用いてカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0295】
変法A:1時間撹拌後、この結果生じた混合物をジクロロメタンで3回抽出し、そして集めた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、そしてNa
2SO
4上で乾燥した。溶媒を真空で除去した。
【0296】
変法B:1時間撹拌後、この結果生じた混合物をNaOHで中和し、そしてこの生成物を吸引ろ別するか、又はジクロロメタンで3回抽出し、そして集めた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、そしてNa
2SO
4上で乾燥した。溶媒を真空で除去した。
【0297】
このようにして得られたフェノールエーテル類を、スキーム5の記載と同様に開裂した。
【0298】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
【0299】
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
【0300】
一般的合成法:
工程1:トリエチルアミン(2当量)及び3−クロロプロパンスルホニルクロリド(1.3当量)を、ジクロロメタン(1.5ml/mmol(前駆物質))中のアニリンA(1当量)の溶液に順に滴下して加え、そして混合物を室温で16時間撹拌した。ジクロロメタン(1ml/mmol(前駆物質))を添加後、混合物を1N HCl水溶液及び飽和NaHCO
3溶液で順に洗浄した。溶媒を真空で除去した。生成物を、DMF(1.3ml/mmol(前駆物質))に溶解し、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)(1.1当量)を加えた。25℃で3時間撹拌後、そして酢酸エチル/ヘプタン2/1を添加後、有機相を0.1N HClで2回洗浄し、そして有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を真空で除去した。
【0301】
このようにして得られたフェノールエーテル類を、スキーム5の記載と同様に開裂した。
【0302】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
【0303】
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
【0304】
一般的合成方法:
工程1:DMF(6ml/mmol(前駆物質))中のブロミドA(1当量)、N−メチルメタンスルホンアミド(1.2当量)、ヨウ化銅(I)(0.2当量)、サルコシン(0.2当量)、K
3PO
4(2.5当量)の混合物を、150℃で24時間撹拌した。溶媒を、真空で除去した。ジクロロメタンを添加後、有機相を飽和NaHCO
3溶液で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥した。溶媒を真空で除去した。粗生成物を、溶離のためのジクロロメタン/メタノール グラジエントを用いる、シリカゲル・フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0305】
このようにして得られたフェノールエーテル類を、スキーム5の記載と同様に開裂した。
【0306】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
【0307】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
【0308】
一般的合成法:
工程1:2N HCl水溶液中のアミン(1当量)、2,6−ジメチル−γ−ピロン(2.5当量)の混合物を、マイクロ波中、160℃で30分間加熱した。ジクロロメタンの添加後、有機相を飽和NaHCO
3溶液で洗浄し、そしてNa
2SO
4上で乾燥した。溶媒を真空で除去した。粗生成物を溶離のためにジクロロメタン/メタノール グラジエントを用いるシリカゲル・フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0309】
このようにして得られたフェノールエーテル類を、スキーム5の記載と同様に開裂した。
【0310】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
【0311】
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
【0312】
一般的合成法:
工程1:アミン(1当量)とジグリコール酸無水物(2当量)の混合物を160℃で48時間加熱した。ジクロロメタンを添加後、有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、NaSO
4上で乾燥し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物を、溶離のためのジクロロメタン/メタノール グラジエントを用いてシリカゲル・フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0313】
このようにして得られたフェノールエーテル類を、スキーム5の記載と同様に開裂した。
【0314】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
【0315】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
【0316】
一般的合成法:
AgNO
3(2.1当量)を、THF及びピリジン(4:3;1ml/mmol(アミノアルコール))の溶液混合物中の適切なアミノアルコール・塩酸塩(1当量)及びtert−ブチルジフェニルシリルクロリド(1.2当量)の懸濁液に加えた(温度のわずかな上昇が起こった)。懸濁液を室温(rt)で16時間撹拌し、ろ過し、そして残留物を酢酸エチルで洗浄した。ろ液を酢酸エチルで希釈し、そして飽和Na
2HCO
3水溶液で洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0317】
次のシリルエーテル類を説明した方法によって合成した:
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
【0318】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0319】
一般的合成法:
工程1:NMP(2ml/mmolブロミド)中のブロミド(1当量)、イミダゾール(1.25当量)、CuCl(0.06当量)及びK
2CO
3(1当量)の懸濁液を210℃で10時間加熱した。混合物を室温(rt)に冷却し、水で希釈した。水層を酢酸エチルで抽出し、そして集めた有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物を、溶離のための酢酸エチル/MeOH グラジエントを用いてシリカゲル・フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0320】
このようにして得られたフェノールエーテル類を、スキーム5の記載と同様に開裂した。
【0321】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
【0322】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
【0323】
一般的合成法:
工程1:0℃で、対応するニトリル(1当量)中のアニリン(1当量)の懸濁液に、AlCl
3(1当量)を少しずつ加えた。混合物を1時間100℃に加熱すると、この間に溶液が形成された。反応混合物を0℃に冷却し、そして注意深く水でクエンチした。水性懸濁液を、2N NaOH水溶液を用いてpH10に調整した。水層を酢酸エチルで抽出し、集めた有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物を、溶離のために酢酸エチル/ヘプタン/MeOH/NH
3を用いて、シリカゲル・フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0324】
工程2:ジオキサン(2ml/mmol アミジン)中のアミジン(1当量)及びNaHCO
3(3当量)の懸濁液に、α−クロロ−ケトン(1.1当量)を加え、そして100℃で1時間加熱した。混合物を室温(rt)に冷却し、水で希釈し、そして水層を酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物を、溶離のために酢酸エチル/MeOHを用いて、シリカゲル・フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0325】
このようにして得られたフェノールエーテル類を、スキーム5の記載と同様に開裂した。
【0326】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【0327】
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
【0328】
一般的合成法:
工程1:−78℃で、THF(5ml/mmol イミダゾール)中のイミダゾール(1当量)の溶液に、nBuLi(1.1当量、1M(ヘキサン中))を滴下して加えた。溶液を、30分の時間をかけて−30℃に到達せしめた。溶液を−50℃に冷却し、ジアルキルジスルフィド(1.1当量)を加えた。冷却浴を取り外し、撹拌を90分間継続し、そしてこの間に懸濁液は室温(rt)に達した。水を加え、そして水層を酢酸エチルで抽出し、集めた有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物を、溶離のための酢酸エチル/ヘプタン グラジエントを用いて、シリカゲル・フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0329】
工程2:0℃で、CH
2Cl
2(12ml/mmol スルフィド)中のアルキルスルフィド(1当量)の溶液に、ペルオキシ安息香酸(peroxybenzoic acid)(3当量)を少しずつ加えた。濁った溶液を激しく14時間撹拌した。溶液を、CH
2Cl
2で希釈し、そしてNa
2CO
3水溶液で3回洗浄した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物を、溶離のための酢酸エチル/MeOH グラジエントを用いて、シリカゲル・フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0330】
このようにして得られたフェノールエーテル類を、スキーム5の記載と同様に開裂した。
【0331】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
【0332】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
【0333】
一般的合成法:
工程1:−78℃で、THF(5ml/mmol イミダゾール)中のイミダゾール(1当量)の溶液に、nBuLiを滴下して加えた。30分以内に溶液を−30℃に到達せしめた。溶液を−78℃に冷却し、そしてトリメチルクロロシラン(1.1当量)を滴下して加えた。氷浴を取り外し、60分以内に溶液は室温に到達した。再度この溶液を−78℃に冷却し直し、クロロギ酸エステル(クロロホルミエート:chloroformiate)(1.1当量)を加え、そしてこの氷浴を取り外した。2時間後、反応混合物を水に注ぎ、そして酢酸エチルで抽出し、飽和NaCl溶液で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物を、溶離のための酢酸エチル/MeOH グラジエントを用いてシリカゲル・フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0334】
工程2:カルボン酸エステル(1当量)を、対応するアミン(10当量)の2MMeOH溶液に溶解し、そして60℃で12時間撹拌した。溶媒を取り除き、そして粗生成物を溶離のための酢酸エチル/メタノール グラジエントを用いてシリカゲル・フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0335】
このようにして得られたフェノールエーテル類を、スキーム5の記載と同様に開裂した。
【0336】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化65】
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【0337】
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
【0338】
一般的合成法:
工程1:0℃で、CH
2Cl
2(2ml/mmol スルホニルクロリド)中のスルホニルクロリド(1当量)の溶液に、アミン(4当量)を滴下して加えた。懸濁液を室温(rt)で3時間撹拌した。水を加え、そして水層をCH
2Cl
2で抽出した。集めた有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥しそして溶媒を真空で除去した。粗生成物を、溶離のための酢酸エチル/メタノール グラジエントを用いてシリカゲル・フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0339】
このようにして得られたフェノールエーテル類を、スキーム5の記載と同様に開裂した。
【0340】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
【0341】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
【0342】
一般的合成法:
工程1:0℃で、トルエン(3ml/mmol アシルヒドラジン)中のアシルヒドラジン(1当量)の溶液に、トリホスゲン(0.33当量)を少しずつ加えた。懸濁液を2時間加熱・還流すると、この間に溶液が形成された。溶液を室温(rt)に冷却し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物を、溶離のための酢酸エチル/ヘプタン グラジエントを用いて、シリカゲル・フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0343】
このようにして得られたフェノールエーテル類を、スキーム5の記載と同様に開裂した。
【0344】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
【0345】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
【0346】
一般的合成法:
工程1:室温(rt)で、CH
2Cl
2(1.5ml/mmol アシルヒドラジン)中のアシルヒドラジン(1当量)の溶液に、イソシアネート(12当量)を加えた。溶液を密封バイアル中で55℃に加熱した。溶液を室温(rt)に冷却し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物を、溶離のため酢酸エチル/ヘプタン/MeOHを用いて、シリカゲル・フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0347】
工程2:NaOH(1.25当量)をMeOH(3ml/mmol NaOH)に溶解し、そしてジアシルヒドラジン(1当量)を加えた。溶液を室温(rt)で16時間撹拌した。混合物を、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥しそして溶媒を真空で除去した。粗生成物を、溶離のための酢酸エチル/MeOH グラジエントを用いてシリカゲル・フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0348】
このようにして得られたフェノールエーテル類を、スキーム5の記載と同様に開裂した。
【0349】
次のフェノール類を説明した方法によって合成した:
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
【0350】
スキームA/方法Aに対応する具体的な合成方法:光延反転を経由する化合物Iの合成:
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
【0351】
合成方法:
工程1:アセトニトリル(1ml/mmol(エポキシド))中のエポキシド(1当量)及び適切な第2級アミン(1.05当量)の溶液を80℃で1〜6時間、TLCによってモニタリングしながら加熱した。溶媒を真空で除去し、そして粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0352】
工程2:THF中のDIAD(ジイソプロピルアゾジカルボキシラート,1.15当量)の1M溶液を、THF(3ml/mmol(アミノアルコール))中のアミノアルコール(1当量)、PPh
3(1.15当量)及び適切なフェノール(1.15当量)の溶液/懸濁液に滴下して加えた。溶液を、TLCによって反応をモニタリングしながら、室温(rt)で1〜16時間撹拌し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0353】
工程3(場合により):tert−ブチルジフェニルシリルエーテルを、TBAF(テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド)又はHF/ピリジン錯体のどちらかで開裂した。N−Boc保護基をジオキサン中の4N HCl溶液又はTFA/CH
2Cl
2 1/1で除去した。
【0354】
スキームB/方法Bに対応する具体的な合成方法:求核性芳香族置換(1)を経由する化合物Iの合成
【化73】
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【0355】
合成方法:
1当量の2−ブロモ−1−インダノンを、ジメチルホルムアミドに溶解し、そして好ましくは氷浴温度で、アミンR−NH−Rを遊離塩基としてか、又はDMF溶液としての純粋な形態で、できるだけ速やかに加えた。比較的短い反応時間(30秒〜1時間)の後、この反応を、反応混合物がpH1〜5を有するように十分に希釈した塩酸を加えることによって停止させた。この懸濁液を酢酸、酢酸エチル(acetic acid ethyl acetate)で数回抽出し、そして2〜10当量の水素化ホウ素ナトリウムを、中間体であるケトンを含んでいる残留水溶液に少しずつ加えた。室温で数時間撹拌し、引き続いて濃縮し、そしてこの反応混合物に水を加え、濃重炭酸ナトリウム溶液で弱アルカリ性にした。この生成物は、酢酸、酢酸エチルで抽出することによって、最初にシス/トランス異性体の混合物として得られ、これは大抵の場合クロマトグラフィーに付し、いくつかの場合には、異性体をこのようして分離することも可能であった。しかしながら、シス/トランス混合物は、次のアリール化のために使用される場合が多く、その後になって初めて異性体の分離が行なわれた。
【0356】
次の1−インダノール類を記載の方法によって合成した:
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
【0357】
スキームB/方法Bに対応する具体的合成方法:求核性芳香族置換(2)を経由する化合物Iの合成
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
【0358】
合成方法:
一般式VI又はX(純粋な立体異性体として、又はシス/トランス異性体の混合物として)の1当量のインダノールを、5〜10倍量の無水ジメチルスルホキシドに溶解し、そして室温で撹拌しながら、1.2〜2当量の適切なアリールハライド、好ましくはアリールフルオリド又はアリールクロリドを加え、1.2〜5当量の新たな粉末水酸化ナトリウムをこの溶液に加え、そして混合物を室温で約1時間、又は別の方法では60〜80℃で数時間撹拌した(アリールハライドの性質に左右される)。後処理のために、混合物を水で希釈し、この結果生じた懸濁液を数回酢酸、酢酸エチルで抽出し、そして集めた抽出物を水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、そしてロータリーエバポレーターで濃縮し、次いでシリカゲルクロマトグラフィーに付した。
【0359】
スキームC/方法Cに対応する具体的な合成方法:マンニッヒ様生成物(1)の合成
【化76】
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【0360】
合成方法:
工程1:1当量のインダン−2−オンを、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド又はアセトニトリルなどの不活性溶媒に溶解し、2〜3当量のジメチルホルムアミドジメチルアセタールを加え、そして混合物を、還流下で数時間沸騰させるか、又はDMFの場合は、約3〜5時間撹拌しながら80〜最高120℃で撹拌した。代わりの可能性としては、完全に溶媒なしで済ますこともあり、この場合には、前駆物質を、十分な量のジメチルホルムアミドジメチルアセタールに溶解し、その後、変換が完結するまで120℃で撹拌した。冷却後、通例、結晶化生成物は直接吸引ろ別し、更にクロマトグラフィー又は再結晶によって精製することができる。
【0361】
工程2:このようにして得られる2−ジメチルアミノメチレン−1−インダノンの1当量をジメチルホルムアミドに溶解し、そして少なくとも2当量の第2級アミンNHR3R4を遊離塩基としてか、又は塩酸塩として加えた。混合物を60°〜120°の温度で数時間撹拌した。冷却後、溶液を水で希釈し、そして生成物を吸引ろ過又は酢酸エチルを加えて抽出することによって単離した。
【0362】
工程3:このようにして得られる2−アミノメチレン−1−インダノンの1当量をメタノールに溶解し、室温で撹拌しながら、15〜30分間隔で10〜20当量を、10〜20部分に分割し、加えた。前駆物質が、ほとんど完全に消失した後、溶媒を真空で除去し、残留物に水を加えた。粗生成物は、酢酸、酢酸エチルで抽出することによって得られ、最初はシス/トランス異性体の混合物として得られ、これは大抵の場合クロマトグラフィーに付し、いくつかの場合には、異性体をこのようして分離することも可能であった。しかしながら、シス/トランス混合物は、次のアリール化のために使用される場合が多く、その後になって初めて異性体の分離が行なわれた。
【0363】
次の2−アミノメチル−1−インダノール類を、記載の方法によって合成した:
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
【0364】
スキームC/方法Cに対応する具体的な合成方法:マンニッヒ様生成物(2)の合成
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
【0365】
合成方法:
一般式VI又はX(純粋な立体異性体として、又はシス/トランス異性体の混合物として)の1当量のインダノールを、5〜10倍量の無水ジメチルスルホキシドに溶解し、そして、1.2〜2当量の適切なアリールハライド、好ましくはアリールフルオリド又はアリールクロリドを加えた。1.2〜5当量の新たな粉末水酸化ナトリウムを室温で撹拌しながら溶液に加え、そして混合物を室温で約1時間、又は別の方法では60〜80℃で数時間撹拌した(アリールハライドの性質に左右される)。後処理のために、混合物を水で希釈し、この結果生じた懸濁液を数回酢酸、酢酸エチルで抽出し、そして集めた抽出物を水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、そしてロータリーエバポレーターで濃縮し、次いでシリカゲルクロマトグラフィーに付した。
【0366】
スキームD/方法Dに対応する具体的な合成方法:トランス立体配置を有するジアミン類の合成及びその後のブッフバルト(Buchwald)アリール化
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
【0367】
合成方法:
工程1:0℃で、THF中のDIAD(1.10当量)の1M溶液を、THF(7ml/mmol(アミノアルコール))中のアミノアルコール(1当量)、PPh
3(1.10当量)及びDPPA(1.10当量)の溶液に滴下して加えた。この溶液/懸濁液を、0℃で60分間(LC/MSモニタリングしながら)撹拌し、そして−10℃に冷却した。この温度で、LiAlH
4(2.00当量、使用されたアミノアルコールを基準して)を注意深く一回で加え、そして混合物を氷冷しながら更に60分間撹拌した。懸濁液を氷水上に注ぎ、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0368】
工程2:アリールブロミド(0.95当量)を、トルエン(12ml/mmol(ジアミン))中のジアミン(1当量)、Pd
2(dba)
3(0.04当量)、rac−BINAP(0.08当量)、NaO
tBu(1.40当量)の溶液に加え、そして混合物を70℃で10〜18時間(TLCモニタリングしながら)加熱した。反応液を酢酸エチルで希釈し、そして水で洗浄した。水相を酢酸エチルで抽出し、そして合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、そしてろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0369】
スキームE/方法Eに対応する具体的な合成方法:アルキル化を経由する化合物Iの合成:
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
【0370】
合成方法:
工程1:室温で、2N NaOH水溶液(1.10当量)を、アセトン(20ml/mmol(安息香酸エステル))中の安息香酸エステル(1当量)の溶液に加え、混合物を室温で数時間、前駆物質の反応が完結するまで(TLCモニタリングしながら)撹拌した。溶媒を真空で除去し、残留物を水と混合した。水相を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0371】
工程2:0℃で、NaH(1.30当量 80%(鉱油中))を、THF(7ml/mmol(アミノアルコール))中のアミノアルコール(1当量)の溶液に加え、氷浴を取り外し、そして混合物を1時間かけて室温(rt)に温めるにまかせた。アルキル化試薬(1.10当量)を加え、そして反応液を室温(rt)で、反応が更なる変換を示さなくなるまで撹拌(TLCモニタリングしながら)した。混合物を飽和NaHCO
3水溶液上に注ぎ、水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0372】
スキームFに対応する具体的な合成方法:化合物Iの所望の更なる反応
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
【0373】
合成方法:
工程1:I−WH(1当量)、ブロミド RBr(1.6〜6当量)とK
2CO
3(1〜2当量)の混合物を、アセトニトリル(5ml/mmol)中、80℃(16〜48時間)で撹拌した。ジクロロメタン及び飽和NaHCO
3溶液の添加、引き続いてジクロロメタンで3回抽出を行なった。集めた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、そして乾燥した(Na
2SO
4)。溶媒を真空で除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0374】
工程2:(R=CF
3) I−WH(1当量)及びトリフルオロ酢酸エチル(1.3当量)の溶液をメタノール中で終夜撹拌した。溶媒を真空で除去した。ジクロロメタン及び飽和NaHCO
3溶液の添加、引き続いてジクロロメタンで3回抽出を行なった。集めた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、そして乾燥した(Na
2SO
4)。溶媒を真空で除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
又は:
(R=CH
3) アミンA(1当量)の溶液を無水酢酸/ピリジン 1/2(9ml/mmol(前駆物質))中で撹拌した。溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0375】
工程3:0℃で、THF(2〜9当量)中のボラン−THF錯体の1M溶液を、THF(5ml/mmol(前駆物質))中のアミド(1当量)の溶液に滴下して加えた。還流下で加熱した後、0℃で、濃塩酸を、混合物に注意深く加え、そして混合物をNaOHで塩基性にし、そしてジクロロメタンで3回抽出した。集めた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、そして乾燥した(Na
2SO
4)。溶媒を真空で除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0376】
スキームG/方法Gに対応する具体的な合成方法:アリルアミンのPd触媒脱保護を経由する式Iの化合物の合成
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
【0377】
合成方法:
工程1:アルゴン雰囲気下、室温で、CH
2Cl
2(1.0ml/mmol バルビツール酸)中の1,3−ジメチルバルビツール酸(2〜6当量)及びPd(PPh
3)
4(0.05〜0.10当量)の懸濁液に、CH
2Cl
2(2.0ml/mmol アリルアミン)中のアリルアミン(1当量)の溶液を加えた。溶液を遊離体(educt)が完全に変換するまで(TLC管理)加熱・還流した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈した。有機層を飽和Na
2CO
3水溶液で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をシリカゲル・フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
【0378】
方法Aによる具体的な実施例(実施例226)の合成:
【化83】
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【0379】
工程1:アセトニトリル(2.5ml)中の4,6−ジクロロエポキシド(500mg,1当量)及び適切な第2級アミン(486mg,1.05当量)の懸濁液を、80℃で、6時間加熱した。溶媒を真空で除去し、粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した(CH
2Cl
2/MeOH)。875mgの無色泡状物が得られた。
【0380】
工程2:THF中のDIAD(1.87ml,1.15当量)の1M溶液を、THF(3ml)中のアミノアルコール(630mg,1当量)、PPh
3(490mg,1.15当量)及び4−メチルスルホニルフェノール(310mg,1.15当量)の懸濁液に滴下して加えた。溶液を室温(rt)で5時間撹拌し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した(酢酸エチル/ヘプタン/メタノール)。生成物は、依然として微量のOPPh
3(930mg)を含む、無色泡状物として得られた。
【0381】
工程3(場合により):0℃で、ジオキサン(5ml)中の4M HCl溶液を、ジオキサン(5ml)中のBoc保護前駆物質(930mg)の溶液に加え、そしてこの混合物を室温(rt)で3.5時間撹拌した。この結果生じた懸濁液を、ジエチルエーテルで希釈し、ろ過し、そしてジエチルエーテルで洗浄した。白色固形物を飽和NaHCO
3水溶液に懸濁し、そして水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。所望の生成物を淡黄色固形物として得た(600mg)。
【0382】
工程4(場合により):室温(rt)で、1−ブロモ−2−フルオロエタン(164mg,3当量)を、アセトニトリル(4ml)中の脱保護3−アミノピロリジン(190mg,1当量)及びK
2CO
3(60mg,1当量)の懸濁液に加え、そして混合物を還流下で6時間加熱した。溶媒を真空で除去し、残留物を水に懸濁し、この水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した(CH
2Cl
2/MeOH)。所望の生成物を淡黄色油状物として得た(120mg)。
【0383】
次の実施例を実施例226に準じて合成した:
【0384】
【表74】
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【0385】
【表75】
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【0386】
【表76】
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【0387】
【表77】
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【0388】
【表78】
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【0389】
【表79】
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【0390】
【表80】
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【0391】
【表81】
[この文献は図面を表示できません]
【0392】
【表82】
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【0393】
【表83】
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【0394】
【表84】
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【0395】
【表85】
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【0396】
【表86】
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【0397】
【表87】
[この文献は図面を表示できません]
【0398】
【表88】
[この文献は図面を表示できません]
【0399】
【表89】
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【0400】
【表90】
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【0401】
【表91】
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【0402】
【表92】
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【0403】
【表93】
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【0404】
【表94】
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【0405】
【表95】
[この文献は図面を表示できません]
【0406】
【表96】
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【0407】
【表97】
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【0408】
【表98】
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【0409】
【表99】
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【0410】
【表100】
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【0411】
【表101】
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【0412】
【表102】
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【0413】
【表103】
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【0414】
【表104】
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【0415】
【表105】
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【0416】
【表106】
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【0417】
【表107】
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【0418】
【表108】
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【0419】
【表109】
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【0420】
【表110】
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【0421】
【表111】
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【0422】
【表112】
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【0423】
【表113】
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【0424】
【表114】
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【0425】
【表115】
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【0426】
【表116】
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【0427】
【表117】
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【0428】
【表118】
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【0429】
【表119】
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【0430】
【表120】
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【0431】
【表121】
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【0432】
【表122】
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【0433】
【表123】
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【0434】
【表124】
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【0435】
【表125】
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【0436】
【表126】
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【0437】
【表127】
[この文献は図面を表示できません]
【0438】
【表128】
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【表140】
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【表146】
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【0460】
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【表151】
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【0462】
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【0463】
【表153】
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【0464】
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【0465】
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【0466】
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【0470】
【表160】
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【0471】
【表161】
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【0472】
【表162】
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【0473】
【表163】
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【0474】
【表164】
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【0475】
【表165】
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【0476】
【表166】
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【0477】
【表167】
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【0478】
【表168】
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【0479】
【表169】
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【0480】
【表170】
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【0481】
【表171】
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【0482】
【表172】
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【0483】
【表173】
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【0484】
【表174】
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【0485】
【表175】
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【0486】
【表176】
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【0487】
【表177】
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【0488】
【表178】
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【0489】
【表179】
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【0490】
【表180】
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【0491】
【表181】
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【0492】
【表182】
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【0493】
【表183】
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【0494】
【表184】
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【0495】
【表185】
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【0496】
【表186】
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【0497】
【表187】
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【0498】
【表188】
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【0499】
【表189】
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【0500】
【表190】
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【0501】
【表191】
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【0502】
【表192】
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【0503】
【表193】
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【0504】
【表194】
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【0505】
【表195】
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【0506】
【表196】
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【0507】
【表197】
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【0508】
【表198】
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【0509】
【表199】
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【0510】
【表200】
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【0511】
【表201】
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【0512】
【表202】
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【0513】
【表203】
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【0514】
【表204】
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【0515】
【表205】
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【0516】
【表206】
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【0517】
【表207】
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【0518】
【表208】
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【0519】
【表209】
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【0520】
【表210】
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【0521】
【表211】
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【0522】
【表212】
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【0523】
【表213】
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【0524】
【表214】
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【0525】
方法Bによる特定の実施例(実施例623)の合成
【化84】
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【0526】
工程1:1.055gの2−ブロモインダノン(5mmol)を、氷浴冷却して撹拌しながら、7.5mlのジメチルホルムアミドに溶解し、0.98mlのシクロペンチルアミンを60秒間かけて加えた。氷浴温度で更に25分間経過後、7.5mlの2N塩酸と15mlの水を加え、そして混合物を十分撹拌した。これを各回15mlの酢酸エチルで3回抽出した。生成物、2−シクロペンチルアミノインダノンを水溶性の塩酸相中の溶液として得た。
【0527】
工程2:工程1で得られたpH3の水溶液(約20ml)中の2−シクロペンチルアミノインダノンに、0.5gの水素化ホウ素ナトリウムを、4回に分け約1時間にわたって撹拌しながら加えた。室温で約3〜4時間更に撹拌した後、白色沈殿物が分離した。吸引ろ過、そして空気乾燥した後、n−ヘプタンを加えて撹拌した。320mgのtrans−2−シクロペンチルアミノ−1−ヒドロキシインダンを得た。
【0528】
工程3:300mg(1.38mmol)のtrans−2−シクロペンチルアミノ−1−ヒドロキシインダンを、3.5mlのDMSOに溶解し、そして481mg(2.76mmol)の4−フルオロフェニルメチルスルホン及び300mgの粉末水酸化ナトリウムを加えた。混合物を成分が完全に溶解するまで撹拌し、そして終夜室温で放置した。5mlの水の添加、それに引き続いて酢酸、酢酸エチルで数回抽出を行い、そして集めた酢酸エチル相を少量の水で手短に中性になるまで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで乾燥し、そして溶媒を真空で取り除いた。残存している残留物を20gがプレパッケージされているシリカゲルカラム・フラッシュクロマトグラフィーに付した。生成物は、純粋な酢酸エチルで溶離した。
【0529】
次の実施例を、実施例623に準じて合成した:
【表215】
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【0530】
【表216】
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【0531】
【表217】
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【0532】
【表218】
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【0533】
【表219】
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【0534】
【表220】
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【0535】
方法Cによる特定の実施例(実施例280)の合成
【化85】
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【0536】
工程1:202mg(1mmol)の4,6−ジクロロインダン−1−オンを、2mlのテトラヒドロフランに溶解し、そして263mgのジメチルホルムアミドジメチルアセタール(2.2mmol)を加えた。溶液を83℃で3時間撹拌し、そして真空で濃縮した。残留物をジエチルエーテルでトリチュレートし、そして吸引ろ別した。216mgの黄色結晶である4,6−ジクロロ−2−[1−ジメチルアミノメチリデン]−1−オンを得た。
【0537】
工程2:255mg(1mmol)の4,6−ジクロロ−2−[1−ジメチルアミノメチリデン]インダン−1−オンを、2.5mlのジメチルホルムアミドに溶解し、そして140mgのピロリジン添加後、70℃で4.5時間撹拌した。反応混合物を、撹拌し熱湯に入れ、そして室温で1日放置して結晶化させた。吸引ろ過すると、270mgの黄色結晶が得られた。
【0538】
工程3:ステージ2で得られた生成物、4,6−ジクロロ−2−ピロリジン−1−イルメチルインダン−1−オンを5mlのメタノールに溶解し、そして7時間にかけて、総量700mgのNaBH
4(18.5当量)を少しずつ加えた。混合物を真空で濃縮し、残留物を50mlの水中に加えた。毎回10mlの酢酸エチルを用いて4回の抽出、引き続いて硫酸マグネシウムでの乾燥、そして溶媒の除去を行なった。残留物をメタノール及び酢酸エチル(溶離剤として3:10の比率)を用いてシリカゲルでクロマトグラフィー処理をした。生成物はシス/トランス異性体の混合物として得られた。
【0539】
工程4:工程3で得られた4,6−ジクロロ−2−ピロリジニルメチルインダノール(84mg)のシス/トランス混合物を、1mlのDMSOに溶解し、そして100mgの4−フルオロフェニルメチルスルホン及び100mgの粉末水酸化ナトリウムを加えた。混合物を、室温で最高で40分まで撹拌した。5mlの水の添加、引き続いて酢酸、酢酸エチルでの数回の抽出を行い、そして集めた酢酸エチル相を手短に少量の水で、中性になるまで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして溶媒を真空で除去した。残存している残留物を20gがプリパケージされているシリカゲルカラム上でフラッシュクロマトグラフィーに付した。まず純粋な酢酸エチルで溶離すると、64mgのtrans−4,6−ジクロロ−1−(4−メチルスルホニルフェニルオキシ)−2−ピロリジニルメチルインダンが生じ、次に酢酸エチル/メタノール 9:1で溶離すると、9mgの対応するシス異性体が生じた。
【0540】
次の実施例を実施例280に準じて合成した:
【表221】
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【0541】
【表222】
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【0542】
【表223】
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【0543】
【表224】
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【0544】
方法Dによる特定の実施例(実施例26)の合成:
【化86】
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【0545】
工程1:アルゴン雰囲気下、0℃で、THF中のDIAD(0.84ml,1.10当量)の1Mの溶液を、無水THF(5ml)中のシリル保護アミノアルコール(400mg,1当量)、PPh
3(220mg,1.10当量)及びDPPA(0.23ml,1.10当量)に滴下して加えた。懸濁液を、0℃で60分間撹拌し(LC/MSによってモニタリングしながら)、そして−10℃に冷却した。この温度で、LiAlH
4(57mg,2mol当量)の溶液を注意深く1回で加え、そして混合物を氷中で冷却しながら更に60分間撹拌した。懸濁液を氷水上に注ぎ、そして水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した(酢酸エチル/メタノール)。生成物を無色油状物として得た(90mg)。
【0546】
工程2:4−ブロモフェニルメチルスルホン(38.2mg,0.95当量)を、トルエン(2ml)中のジアミン(90mg,1.当量)、Pd
2(dba)
3(6.3mg,0.04当量)、rac−BINAP(8.5mg,0.08当量)、NaOtBu(23.0mg,1.40当量)の溶液に加え、そして混合物を70℃で10時間加熱した(TLCによってモニタリングしながら)。反応液を酢酸エチルで希釈し、そして水で洗浄した。水相を酢酸エチルで抽出し、そして合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した(酢酸エチル/MeOH)。生成物を無色油状物として得た(75mg)。
【0547】
工程3:室温で、HF/ピリジン(100μl,65−70%純度)を、THF(2ml)中のシリル保護ジアミン(75mg,1当量)の溶液に加え、そして混合物を室温(rt)で6時間撹拌した。これを飽和NaHCO
3水溶液中に注ぎ、そして水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した(酢酸エチル/MeOH)。所望の生成物を淡黄色油状物として得た(20mg)。
【0548】
次の実施例を実施例26に準じて合成した:
【表225】
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【0549】
方法Eによる特定の実施例(実施例482)の合成:
【化87】
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【0550】
工程1:室温で、2N NaOH水溶液(3.59ml,1.10当量)を、アセトン(125ml)中の安息香酸エステル(4.41g,1当量)の溶液に加え、そして混合物を室温(rt)で5時間、前駆物質が完全に反応するまで撹拌した(TLCモニタリングしながら)。アセトンを真空で除去し、残留物を水と混合した。水相を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した(酢酸エチル/n−ヘプタン)。生成物を淡黄色油状物として得た(3.20g)。
【0551】
工程2:0℃で、NaH(24mg,1.30当量,80%(鉱油中))を、THF(4ml)中のアミノアルコール(300mg,1当量)の溶液に加え、そして氷浴を取り外し、混合物を1時間かけて室温に温まるにまかせた。4−シアノ−2−フルオロベンジルブロミド(134mg,1.10当量)を加え、この反応液を室温(rt)で3時間撹拌した(TLCでチェック)。混合物を飽和NaHCO
3水溶液中に注ぎ、そして水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した(CH
2Cl
2/MeOH)。生成物を無色油状物として得た(227mg)。
【0552】
工程3:室温で、THF(0.52ml,1.5当量)中の1MのTBAF溶液を、THF(2ml)中のシリル保護アミノベンジルオキシアルコール(227mg,1当量)の溶液に加え、そして混合物を室温(rt)で2時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO
3水溶液中に注ぎ、そして水相を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥し、ろ過し、そして溶媒を真空で除去した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製した(CH
2Cl
2/MeOH)。所望の生成物を淡黄色油状物として得た(68mg)。
【0553】
次の実施例を、実施例482に準じて合成した:
【表226】
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【0554】
方法Gによる特定の実施例(実施例755)の合成:
【化88】
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【0555】
工程1:アルゴン雰囲気下、室温で、CH
2Cl
2(2.0ml)中の1,3−ジメチルバルビツール酸(364mg,2当量)及びPd(PPh
3)
4(67mg,0.05当量)の懸濁液に、CH
2Cl
2(2.0ml/mmol アリルアミン)中のアリルアミン(583mg,1当量)の溶液を加えた。溶液を1時間加熱・還流した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈した。有機層を飽和Na
2CO
3水溶液で洗浄し、NaSO
4上で乾燥し、溶媒を真空で除去した。粗生成物を、溶離のために酢酸エチル/ヘプタン/MeOH(5:10:1)を用いてシリカゲル・フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。生成物を無色油状物として得た(211mg)。
【0556】
次の実施例を、実施例755に準じて合成した:
【表227】
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【0557】
【表228】
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【0558】
【表229】
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【0559】
薬理学的活性を判定するアッセイ方法:
このアッセイでは、サブタイプ3(NHE3)のナトリウム−プロトン交換体を安定に発現するLAP1細胞の酸性化後の細胞内pH(pH
i)の回復を判定した。回復は、重炭酸塩を含まない条件下でさえも、機能しうるNHE3によって起こる。この目的のために、pH感受性の蛍光色素BCECF(Molecular Probes, Eugene, OR, USA, 前駆体BCECF−AMを使用(employing the precursors BCECF-AM))を用いてpHiを決定した。まず、細胞をNH
4Cl緩衝液(NH
4Cl緩衝液:115mM 塩化コリン(cholineCl),20mM NH
4Cl,5mM KCl,1mM CaCl
2,1mM MgCl
2,20mM ヘペス(Hepes),5mM グルコース,1M KOHを用いてpH7.4に調整した)中のBCECF(5μM BCECF−AM)でインキュベートした。NH
4Cl緩衝液中でインキュベートした細胞を、NH
4Clを含まない緩衝液(133.8mM 塩化コリン,4.7mM KCl,1.25mM CaCl
2,1.25mM MgCl
2,0.97mM K
2HPO
4,0.23mM KH
2PO
4,5mM ヘペス,5mM グルコース,1M KOHを用いてpH7.4に調整した)で洗浄することによって細胞内酸性化を誘導した。洗浄工程の後、NH
4Clを含まない90μlの緩衝液を細胞上に残した。測定器(FLIPR,“蛍光測定画像解析用プレート・リーダー(Fluorometric Imaging Plate Reader)”,Molecular Devices, Sunnyvale, Ca., USA)中に、90μlのNa
+を含む緩衝液(133.8mM NaCl,4.7mM KCl,1.25mM CaCl
2,1.25mM MgCl
2,0.97mM Na
2HPO
4,0.23mM NaH
2PO
4,10mM ヘペス,5mM グルコース,1M NaOHを用いてpH7.4に調整した)を加えることによってpHの回復を開始した。BCECF蛍光を498nmの励起波長及びFLIPR発光フィルタ1(510〜570nmのバンドパス)で決定した。pH回復の尺度として蛍光のその後の変化を2分間記録した。被験物質のNHE3阻害能力を算出するために、まず、完全なpH回復が起こるか、又は絶対にpH回復が起きない緩衝液中で細胞を検討した。完全なpH回復(100%)の場合には、細胞はNa
+を含む緩衝液(上記に参照)中でインキュベートし、そして0%値を決定するために、Na
+を含まない緩衝液(上記に参照)中でインキュベートした。被験すべき物質はNa
+を含む緩衝液中で調製した。物質の各試験濃度での細胞内pHの回復は、最大回復のパーセントとして表わした。それぞれの物質のNHE3に対するIC
50を、プログラムXLFit(idbs, Surrey, UK)を用いるpH回復パーセンテージから算出した。
【0560】
NHE3に対する阻害作用を、三つの活性範囲に分けて次の表で詳述する:
上記において、その意味は下記の通りである:
活性範囲1:20〜50%阻害(10μM)
活性範囲2:IC
50 1−10μM
活性範囲3:IC
50 <1μM
【0561】
【表230】
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【0562】
【表231】
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【0563】
【表232】
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【0564】
【表233】
[この文献は図面を表示できません]
【0565】
【表234】
[この文献は図面を表示できません]
【0566】
【表235】
[この文献は図面を表示できません]
【0567】
【表236】
[この文献は図面を表示できません]
【0568】
【表237】
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【0569】
【表238】
[この文献は図面を表示できません]
【0570】
【表239】
[この文献は図面を表示できません]
【0571】
【表240】
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【0572】
【表241】
[この文献は図面を表示できません]