【実施例】
【0041】
以下に、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されない。
【0042】
[実施例1]
ポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製の商品名:PEO−29、0.5質量%の水溶液粘度:825mPa・s)0.5gとラジカル発生剤(ラジカル開始剤)(ADVN:2,2'−アゾビス(2,4'−ジメチルバレロニトリル))0.0025gとをドライブレンドし、直径10mmの臼に入れ、5kNの圧力で打錠し錠剤形状の粘度制御剤(マトリックス型)を得た。この粘度制御剤1錠を、上記ポリエチレンオキシド2.5gを水497.5gで溶解して得た0.5質量%のポリエチレンオキシド水溶液中に添加し、フラクチャリング流体を得た。得られたフラクチャリング流体を40℃で一定期間(0〜7日間)保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表1(実測値)及び
図1,2(グラフ)に示す。なお、ポリエチレンオキシド水溶液中のポリエチレンオキシド量に対して、ラジカル発生剤(ラジカル開始剤)の量は1000ppmである。
【0043】
<粘度の測定方法>
実施例及び比較例において、粘度制御剤に用いたポリエチレンオキシドの粘度は以下のようにして測定した。1L容のビーカーにイオン交換水497.5gを入れ、幅80mm、縦25mmの平板で先端周速が1.0m/sの条件下で攪拌しながら試料2.5gを投入し、攪拌を3時間継続して水溶液を調製した。得られた水溶液を、25℃の恒温槽に30分以上浸し、B型回転粘度計(回転数12rpm、3分、25℃)により測定した。
また、実施例及び比較例で得られたフラクチャリング流体の粘度は、以下のようにして測定した。フラクチャリング流体を25℃の恒温槽に30分以上浸し、B型回転粘度計(回転数12rpm、3分、25℃)により測定した。
【0044】
<粘度保持率の測定方法>
実施例及び比較例において、粘度保持率(粘度低下率)は以下のようにして測定した。実施例及び比較例で得られたフラクチャリング流体の粘度(粘度Aとする)を0日目の粘度とした。また、40℃で保管後、所定の期間が経過したフラクチャリング流体の粘度を、それぞれ0日目と同様にして測定した(粘度Bとする)。粘度保持率は、粘度A及び粘度Bを用いて、以下の式により算出した。
粘度B/粘度A×100=粘度保持率(%)
【0045】
[実施例2]
ラジカル発生剤(ラジカル開始剤)を錠剤の中心部(コア部)に配置し、ポリエチレンオキシドをラジカル発生剤(ラジカル開始剤)の周り(シェル部)に配置した錠剤(コアシェル型)としたこと以外は、実施例1と同様にして、粘度制御剤を得た。次に、実施例1と同様にして、実施例2で得られたフラクチャリング流体を40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表1及び
図1に示す。
【0046】
[実施例3]
粘度制御剤の作製において、ポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製の商品名:PEO−18、0.5質量%の水溶液粘度:250mPa・s)0.5gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、粘度制御剤を得た。次に、実施例1と同様にして、実施例3で得られたフラクチャリング流体を40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表1及び
図1に示す。
【0047】
[実施例4]
ラジカル発生剤(ラジカル開始剤)を錠剤の中心部(コア部)に配置し、ポリエチレンオキシドをラジカル発生剤(ラジカル開始剤)の周り(シェル部)に配置した錠剤(コアシェル型)としたこと以外は、実施例3と同様にして、粘度制御剤を得た。次に、実施例1と同様にして、実施例4で得られたフラクチャリング流体を40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表1及び
図1に示す。
【0048】
[実施例5]
粘度制御剤の作製において、ラジカル発生剤(ラジカル開始剤)(ADVN:2,2'−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル))0.0025gを過硫酸アンモニウム0.0025gに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、粘度制御剤を得た。次に、実施例1と同様にして実施例5で得られたフラクチャリング流体を40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表1及び
図2に示す。
【0049】
[比較例1]
ポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製の商品名:PEO−29、0.5質量%の水溶液粘度:825mPa・s)2.5gを水497.5gで溶解して得た0.5質量%のポリエチレンオキシド水溶液をフラクチャリング流体とし、40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表1及び
図1,2に示す。
【0050】
[比較例2]
ポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製の商品名:PEO−29、0.5質量%の水溶液粘度:825mPa・s)2.5gを水497.5gで溶解して得た0.5質量%のポリエチレンオキシド水溶液に、ラジカル発生剤(ラジカル開始剤)(ADVN:2,2'−アゾビス(2,4'−ジメチルバレロニトリル))0.0025gを添加してフラクチャリング流体とし、40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表1及び
図1,2に示す。なお、ポリエチレンオキシド水溶液中のポリエチレンオキシド量に対して、ラジカル発生剤(ラジカル開始剤)の量は1000ppmである。
【0051】
[比較例3]
ポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製の商品名:PEO−29、0.5質量%の水溶液粘度:825mPa・s)2.5gを水497.5gで溶解して得た0.5質量%のポリエチレンオキシド水溶液に、過硫酸アンモニウム0.0025gを添加してフラクチャリング流体とし、40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表1及び
図2に示す。なお、ポリエチレンオキシド水溶液中のポリエチレンオキシド量に対して、過硫酸アンモニウムの量は1000ppmである。
【0052】
[比較例4]
ポリビニルアルコール(クラレ株式会社製の商品名:クラレポバールPVA−403)0.5gと過硫酸アンモニウム0.0025gとをドライブレンドし、直径10mmの臼に入れ、5kNの圧力で打錠し錠剤形状の粘度制御剤(マトリックス型)を得た。この粘度制御剤1錠を、上記ポリエチレンオキシド2.5gを水497.5gで溶解して得た0.5質量%のポリエチレンオキシド水溶液中に添加し、フラクチャリング流体を得た。得られたフラクチャリング流体を40℃で一定期間(0〜7日間)保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表1及び
図2に示す。なお、ポリエチレンオキシド水溶液中のポリエチレンオキシド量に対して、ラジカル発生剤(ラジカル開始剤)の量は1000ppmである。
【0053】
[実施例6]
ポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製の商品名:PEO−29、0.5質量%の水溶液粘度:825mPa・s)0.5gとラジカル発生剤(ラジカル開始剤)(ADVN:2,2'−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル))0.0025gとをドライブレンドし、直径10mmの臼に入れ、5kNの圧力で打錠し錠剤形状の粘度制御剤(マトリックス型)を得た。この粘度制御剤1錠を、グアーガム(和光純薬工業株式会社製)2.5gを水497.5gで溶解して得た0.5質量%のグアーガム水溶液中に添加し、フラクチャリング流体を得た。得られたフラクチャリング流体を40℃で一定期間(0〜7日間)保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表1及び
図3に示す。なお、グアーガム水溶液中のグアーガム量に対して、ラジカル発生剤(ラジカル開始剤)の量は1000ppmである。
【0054】
[実施例7]
粘度制御剤の作製において、ラジカル発生剤(ラジカル開始剤)(ADVN:2,2'−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル))0.0025gを過硫酸アンモニウム0.0025gに変更したこと以外は、実施例6と同様にして、粘度制御剤を得た。次に、実施例6と同様にして実施例7で得られたフラクチャリング流体を40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表1及び
図3に示す。なお、グアーガム水溶液中のグアーガム量に対して、過硫酸アンモニウムの量は1000ppmである。
【0055】
[実施例8]
粘度制御剤の作製において、過硫酸アンモニウム0.0025gを0.000625gに変更したこと以外は、実施例7と同様にして、粘度制御剤を得た。次に、実施例6と同様にして実施例8で得られたフラクチャリング流体を40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表1及び
図3,4に示す。なお、グアーガム水溶液中のグアーガム量に対して、過硫酸アンモニウムの量は250ppmである。
【0056】
[実施例9]
粘度制御剤の作製において、ポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製の商品名:PEO−29、0.5質量%の水溶液粘度:825mPa・s)0.25gと過硫酸アンモニウム0.000625gとをドライブレンドし、直径5mmの臼に入れ、5kNの圧力で打錠し錠剤形状の粘度制御剤(マトリックス型)を得た。次に、実施例6と同様にして実施例9で得られたフラクチャリング流体を40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表1及び
図4に示す。なお、グアーガム水溶液中のグアーガム量に対して、過硫酸アンモニウムの量は250ppmである。
【0057】
[実施例10]
粘度制御剤の作製において、ポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製の商品名:PEO−29、0.5質量%の水溶液粘度:825mPa・s)1.0gと過硫酸アンモニウム0.000625gとをドライブレンドし、直径10mmの臼に入れ、5kNの圧力で打錠し錠剤形状の粘度制御剤(マトリックス型)を得た。次に、実施例6と同様にして実施例10で得られたフラクチャリング流体を40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表1及び
図4に示す。なお、グアーガム水溶液中のグアーガム量に対して、過硫酸アンモニウムの量は250ppmである。
[実施例11]
粘度制御剤の作製において、ポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製の商品名:PEO−29、0.5質量%の水溶液粘度:825mPa・s)0.125gと過硫酸アンモニウム0.000625gとをドライブレンドし、直径5mmの臼に入れ、5kNの圧力で打錠し錠剤形状の粘度制御剤(マトリックス型)を得た。次に、実施例6と同様にして実施例11で得られたフラクチャリング流体を40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表1及び
図4に示す。なお、グアーガム水溶液中のグアーガム量に対して、過硫酸アンモニウムの量は250ppmである。
【0058】
[比較例5]
グアーガム(和光純薬工業株式会社製)2.5gを水497.5gで溶解して得た0.5質量%のグアーガム水溶液をフラクチャリング流体とし、40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表2及び
図3に示す。
【0059】
[比較例6]
グアーガム(和光純薬工業株式会社製)2.5gを水497.5gで溶解して得た0.5質量%のグアーガム水溶液に、ラジカル発生剤(ラジカル開始剤)(ADVN:2,2'−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル))0.0025gを添加してフラクチャリング流体とし、40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表2及び
図3に示す。なお、グアーガム水溶液中のグアーガム量に対して、ラジカル発生剤(ラジカル開始剤)の量は1000ppmである。
【0060】
[比較例7]
グアーガム(和光純薬工業株式会社製)2.5gを水497.5gで溶解して得た0.5質量%のグアーガム水溶液に、過硫酸アンモニウム0.0025gを添加してフラクチャリング流体とし、40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表2及び
図3に示す。なお、グアーガム水溶液中のグアーガム量に対して、過硫酸アンモニウムの量は1000ppmである。
【0061】
[比較例8]
ポリビニルアルコール(クラレ株式会社製の商品名:クラレポバールPVA−403)0.5gとラジカル発生剤(ラジカル開始剤)(ADVN:2,2'−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル))0.0025gとをドライブレンドし、直径10mmの臼に入れ、5kNの圧力で打錠し錠剤形状の粘度制御剤(マトリックス型)を得た。この粘度制御剤1錠を、グアーガム(和光純薬工業株式会社製)2.5gを水497.5gで溶解して得た0.5質量%のグアーガム水溶液中に添加し、フラクチャリング流体を得た。得られたフラクチャリング流体を40℃で一定期間(0〜7日間)保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表2及び
図3に示す。なお、グアーガム水溶液中のグアーガム量に対して、ラジカル発生剤(ラジカル開始剤)の量は1000ppmである。
【0062】
[比較例9]
ポリビニルアルコール(クラレ株式会社製の商品名:クラレポバールPVA−403)0.5gと過硫酸アンモニウム0.0025gとをドライブレンドし、直径10mmの臼に入れ、5kNの圧力で打錠し錠剤形状の粘度制御剤(マトリックス型)を得た。この粘度制御剤1錠を、グアーガム(和光純薬工業株式会社製)2.5gを水497.5gで溶解して得た0.5質量%のグアーガム水溶液中に添加し、フラクチャリング流体を得た。得られたフラクチャリング流体を40℃で一定期間(0〜7日間)保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表2及び
図3に示す。なお、グアーガム水溶液中のグアーガム量に対して、過硫酸アンモニウムの量は1000ppmである。
【0063】
[実施例12]
ポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製の商品名:PEO−29、0.5質量%の水溶液粘度:825mPa・s)0.5gとラジカル発生剤(ラジカル開始剤)(ADVN:2,2'−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル))0.0025gとをドライブレンドし、直径10mmの臼に入れ、5kNの圧力で打錠し錠剤形状の粘度制御剤(マトリックス型)を得た。この粘度制御剤1錠を、グアーガム(和光純薬工業株式会社製)2.5gと四ほう酸ナトリウム(無水)(和光純薬工業株式会社製)0.25gとを水497.5gで溶解して得たグアーガムゲル中に添加し、フラクチャリング流体を得た。得られたフラクチャリング流体を40℃で一定期間(0〜7日間)保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表2及び
図5に示す。なお、グアーガムゲル中のグアーガム量に対して、ラジカル発生剤(ラジカル開始剤)の量は1000ppmである。
【0064】
[実施例13]
粘度制御剤の作製において、ラジカル発生剤(ラジカル開始剤)(ADVN:2,2'−アゾビス(2,4’−ジメチルバレロニトリル))0.0025gを過硫酸アンモニウム0.0025gに変更したこと以外は、実施例12と同様にして、粘度制御剤を得た。次に、実施例12と同様にして実施例13で得られたフラクチャリング流体を40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表2及び
図5に示す。なお、グアーガムゲル中のグアーガム量に対して、過硫酸アンモニウムの量は1000ppmである。
【0065】
[実施例14]
粘度制御剤の作製において、過硫酸アンモニウム0.0025gを0.000625gに変更したこと以外は、実施例12と同様にして、粘度制御剤を得た。次に、実施例12と同様にして実施例14で得られたフラクチャリング流体を40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表2及び
図5に示す。なお、アーガムゲル中のグアーガム量に対して、過硫酸アンモニウムの量は250ppmである。
【0066】
[実施例15]
粘度制御剤の作製において、過硫酸アンモニウムを0.00025gに変更したこと以外は、実施例13と同様にして、粘度制御剤を得た。次に、実施例13と同様にして実施例17で得られたフラクチャリング流体を40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表2及び
図5に示す。なお、アーガムゲル中のグアーガム量に対して、過硫酸アンモニウムの量は100ppmである。
【0067】
[比較例10]
グアーガム(和光純薬工業株式会社製)2.5gと四ほう酸ナトリウム(無水)(和光純薬工業株式会社製)0.25gとを水497.5gで溶解して得た0.5質量%のグアーガムゲルをフラクチャリング流体とし、40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表2及び
図5に示す。
【0068】
[比較例11]
グアーガム(和光純薬工業株式会社製)2.5gと四ほう酸ナトリウム(無水)(和光純薬工業株式会社製)0.25gとを水497.5gで溶解して得た0.5質量%のグアーガムゲルに、過硫酸アンモニウム0.0025gを添加してフラクチャリング流体とし、40℃で一定期間保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表2及び
図5に示す。なお、グアーガムゲル中のグアーガム量に対して、ラジカル発生剤(ラジカル開始剤)の量は1000ppmである。
【0069】
[比較例12]
ポリビニルアルコール(クラレ株式会社製の商品名:クラレポバールPVA−403)0.5gと過硫酸アンモニウム0.0025gとをドライブレンドし、直径10mmの臼に入れ、5kNの圧力で打錠し錠剤形状の粘度制御剤(マトリックス型)を得た。この粘度制御剤1錠を、グアーガム(和光純薬工業株式会社製)2.5gと四ほう酸ナトリウム(無水)(和光純薬工業株式会社製)0.25gとを水497.5gで溶解して得た0.5質量%のグアーガムゲルに添加し、フラクチャリング流体を得た。得られたフラクチャリング流体を40℃で一定期間(0〜7日間)保管した際の粘度及び粘度保持率の推移を確認した。結果を表2及び
図5に示す。なお、グアーガムゲル中のグアーガム量に対して、過硫酸アンモニウムの量は1000ppmである。
【0070】
【表1】
【表2】
【0071】
表1及び
図1に示されるように、実施例1においては、1日目までは粘度制御剤を用いなかった比較例1と較べて有意差は無く粘度は安定しており、3日目から急激に粘度が低下しはじめ、5日目で粘度保持率が約10%にまで低下した。また、実施例2においては、2日目までは比較例1と較べて有意差は無く粘度は安定しており、3日目から粘度が低下しはじめ、7日目で粘度保持率が約30%にまで低下した。実施例3においては、1日目までは比較例1と較べて有意差は無く粘度は安定しており、2日目から急激に粘度が低下しはじめ、4日目で粘度保持率が約7%にまで低下した。実施例4においては、1日目までは比較例1と較べて有意差は無く粘度は安定しており、2日目から急激に粘度が低下しはじめ、4日目で粘度保持率が約11%にまで低下した。比較例1では、7日目においても、粘度保持率が約80%と高い粘度を保持していた。比較例2では、1日目で粘度保持率が約35%まで低下し、2日目には粘度保持率が約10%にまで低下した。実施例及び比較例の結果から、ポリエチレンオキシドとラジカル発生剤(ラジカル開始剤)とを含む粘度制御剤を用いた実施例1〜4のフラクチャリング流体では、一定期間は高粘度を保ち、一定期間経過後には、粘度を急激に低下させられることが明らかとなった。一方、粘度制御剤を用いなかった比較例1のフラクチャリング流体では、粘度が高いまま維持されること、ポリエチレンオキシドを用いなかった比較例2のフラクチャリング流体では、粘度が早期に低下してしまうことが明らかとなった。
【0072】
図1において、実施例1と実施例2との比較から、錠剤におけるラジカル発生剤(ラジカル開始剤)の配置を変更することで、粘度制御が可能となることが分かる。また、実施例1と実施例3、実施例2と実施例4との比較から、粘度制御剤に用いるポリエチレンオキシドの粘度を調整することによって、フラクチャリング流体の粘度変化を制御できることが分かる。
【0073】
図2に示される実施例5の結果から、粘度低下剤としてモノ過硫酸のアンモニウム塩を用いた場合にも粘度制御が可能となることが分かる。
【0074】
図1の比較例1のように、粘度低下剤(ラジカル発生剤)を用いない場合は、粘度低下が緩やかとなり、フラクチャリング流体は、長期間に亘って高い粘度を保持することが分かる。一方、
図2の比較例2,3のように、粘度低下剤としてのラジカル発生剤またはモノ過硫酸のアンモニウム塩を錠剤の形態とせずに、フラクチャリング流体に直接添加すると、フラクチャリング流体の粘度が急激に低下することが分かる。
【0075】
図2に示されるように、ポリエチレンオキシドの代わりにポリビニルアルコールを粘度制御剤に用いた比較例4では、フラクチャリング流体の粘度が直ぐに低下し始め、実施例1〜5のように一定期間は高粘度を保ち、一定期間後に粘度を低下させることはできないことが分かる。
【0076】
図3に示されるように、フラクチャリング流体の組成として、0.5%ポリエチレンオキシド水溶液の代わりに、ポリサッカライドであるグアーガム水溶液(0.5%)を用いた実施例6,7においても、フラクチャリング流体の粘度調整が可能であることが分かる。また、実施例7,8の結果から、粘度低下剤の添加量を制御することによって、フラクチャリング流体の粘度調整を行うことができることも分かる。
【0077】
図4に示される実施例8〜11の結果から、粘度制御剤として使用する錠剤の質量(大きさ)を変更することによって、フラクチャリング流体の粘度調整を行えることが分かる。
【0078】
図3の比較例5のように、フラクチャリング流体の組成として、0.5%ポリエチレンオキシド水溶液の代わりに、ポリサッカライドであるグアーガム水溶液(0.5%)を用いたに場合おいても、粘度低下剤(ラジカル発生剤)を用いない場合は、粘度低下が緩やかとなり、フラクチャリング流体は、長期間に亘って高い粘度を保持することが分かる。一方、
図3の比較例6,7のように、粘度低下剤としてのラジカル発生剤またはモノ過硫酸のアンモニウム塩を錠剤の形態とせずに、フラクチャリング流体に直接添加すると、フラクチャリング流体の粘度が急激に低下することが分かる。
【0079】
図3の比較例8,9のように、フラクチャリング流体の組成として、0.5%ポリエチレンオキシド水溶液の代わりに、ポリサッカライドであるグアーガムの水溶液(0.5%)を用いた場合においても、ポリエチレンオキシドの代わりにポリビニルアルコールを粘度制御剤に用いると、フラクチャリング流体の粘度が直ぐに低下し始め、
図3または
図4の実施例6〜11のように一定期間は高粘度を保ち、一定期間後に粘度を低下させることはできないことが分かる。
【0080】
図5に示されるように、フラクチャリング流体として、四ほう酸ナトリウム(0.05%)とグアーガム(0.5%)水溶液を用いた実施例12においても、フラクチャリング流体の粘度を調整することができる。また、実施例12〜15から、フラクチャリング流体として、四ほう酸ナトリウム(0.05%)とグアーガム(0.5%)水溶液を用いた場合にも、粘度低下剤の種類、粘度低下剤の濃度などを調整することにより、フラクチャリング流体の粘度を調整することができることが分かる。
【0081】
図5の比較例10のように、フラクチャリング流体として、四ほう酸ナトリウム(0.05%)とグアーガム(0.5%)水溶液を用いた場合においても、粘度低下剤(ラジカル発生剤)を用いない場合は、粘度低下が緩やかとなり、フラクチャリング流体は、長期間に亘って高い粘度を保持することが分かる。一方、
図5の比較例11のように、粘度低下剤としてのラジカル発生剤を錠剤の形態とせずに、フラクチャリング流体に直接添加すると、フラクチャリング流体の粘度が急激に低下することが分かる。また、ポリエチレンオキシドの代わりにポリビニルアルコールを粘度制御剤に用いた比較例12では、フラクチャリング流体の粘度が直ぐに低下し始め、実施例12〜15のように一定期間は高粘度を保ち、一定期間後に粘度を低下させることはできないことが分かる。