特許第5745764号(P5745764)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5745764分離されたスリットバルブドアシールコンパートメントを備えたロードロックチャンバ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5745764
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】分離されたスリットバルブドアシールコンパートメントを備えたロードロックチャンバ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/67 20060101AFI20150618BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20150618BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20150618BHJP
   H01L 31/18 20060101ALI20150618BHJP
【FI】
   H01L21/68
   H01L21/68 N
   G02F1/13 101
   H01L31/04 T
【請求項の数】11
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2009-523069(P2009-523069)
(86)(22)【出願日】2007年8月3日
(65)【公表番号】特表2010-500740(P2010-500740A)
(43)【公表日】2010年1月7日
(86)【国際出願番号】US2007075190
(87)【国際公開番号】WO2008019317
(87)【国際公開日】20080214
【審査請求日】2010年8月3日
【審判番号】不服2013-13561(P2013-13561/J1)
【審判請求日】2013年7月15日
(31)【優先権主張番号】60/821,487
(32)【優先日】2006年8月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】11/782,267
(32)【優先日】2007年7月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】リー ジャエ チュル
(72)【発明者】
【氏名】栗田 真一
(72)【発明者】
【氏名】アンワー シュハイル
【合議体】
【審判長】 栗田 雅弘
【審判官】 久保 克彦
【審判官】 石川 好文
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−68819(JP,A)
【文献】 特表2005−528786(JP,A)
【文献】 特開平10−242234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板搬送キャビティと2つの基板アクセスポートとを有するメインアセンブリであって、前記2つの基板アクセスポートは、前記メインアセンブリを貫通して形成されており、前記キャビティに接続されているメインアセンブリと、
前記メインアセンブリの前記アクセスポートのうちの1つの近傍に、前記アクセスポートのうちの1つに揃えられた孔を有し、前記メインアセンブリから分離されている第1のスリットバルブドアシールコンパートメントであって、前記第1のスリットバルブドアシールコンパートメントの外部のロボットが、前記孔を通して前記基板搬送キャビティへ及び前記基板搬送キャビティから基板を搬送することができる通路を提供する第1のスリットバルブドアシールコンパートメントと、
前記第1のスリットバルブドアシールコンパートメント内に配置され、前記メインアセンブリの前記アクセスポートをシールするように、前記孔を開閉するよう作用するスリットバルブドアと、
前記第1のスリットバルブドアシールコンパートメントを前記メインアセンブリに結合するシールアセンブリとを含むロードロックチャンバ。
【請求項2】
前記シールアセンブリは更に、
前記メインアセンブリに対してクランプされる第1の横方向のエッジと、前記第1のスリットバルブドアシールコンパートメントに対してクランプされる第2の横方向のエッジとを有するリボン形状のガスケットを含む請求項1記載のロードロックチャンバ。
【請求項3】
前記リボンは更に、
前記第1の横方向のエッジに沿って配列される第1の複数の孔と、
前記第2の横方向のエッジに沿って配置される第2の複数の孔とを含む請求項2記載のロードロックチャンバ。
【請求項4】
前記第1の複数の孔を貫通する締結具により、前記メインアセンブリに結合される、少なくとも1つの第1のクランプブロックと、
前記第2の複数の孔を貫通する締結具により、前記第1のスリットバルブドアシールコンパートメントに結合される、少なくとも1つの第2のクランプブロックとを更に含む請求項3記載のロードロックチャンバ。
【請求項5】
前記シールアセンブリは更に、
前記スリットバルブドアシールコンパートメントの孔をとり囲む実質的に方形のチューブを更に含む請求項1記載のロードロックチャンバ。
【請求項6】
前記リボンは更に、
前記第1の複数の孔の内側に前記リボンから盛り上がった第1の環状の突起部と、
前記第2の複数の孔の内側に前記リボンから盛り上がった第2の環状の突起部とを含む請求項4記載のロードロックチャンバ。
【請求項7】
前記リボンは更に、
前記第1及び第2の横方向のエッジの間の環状のウェーブ部分を含む請求項2記載のロードロックチャンバ。
【請求項8】
前記メインアセンブリ及び前記第1のスリットバルブドアシールコンパートメントは更に、
前記シールアセンブリにより結合される対向面を有し、前記対向面は共に階段状のへこみ部分を形成し、前記シールアセンブリは前記へこみ部分の上側部分に置かれ、前記へこみ部分の下側部分は前記シールアセンブリと、前記シールアセンブリに囲まれた前記基板アクセスポートとの間に位置する請求項1記載のロードロックチャンバ。
【請求項9】
前記シールアセンブリを前記メインアセンブリに固着する第1のクランプブロックであって、前記第1のスリットバルブドアシールコンパートメントに対向する前記第1のクランプブロックの下側の角は丸められている第1のクランプブロックと、
前記シールアセンブリを前記第1のスリットバルブドアシールコンパートメントに固着する第2のクランプブロックであって、前記メインアセンブリに対向する前記第2のクランプブロックの下側の角は丸められている第2のクランプブロックを含む請求項1記載のロードロックチャンバ。
【請求項10】
前記シールアセンブリを前記メインアセンブリに固着する複数の第1のクランプブロックと、
前記シールアセンブリを前記第1のスリットバルブドアシールコンパートメントに固着する複数の第2のクランプブロックとを更に含む請求項1記載のロードロックチャンバ。
【請求項11】
前記アクセスポートのうちの1つに隣接し、前記アクセスポートのうちの1つに揃えられた孔を有する第2のスリットバルブドアシールコンパートメントであって、前記第2のスリットバルブドアシールコンパートメントは前記メインアセンブリから分離されている第2のスリットバルブドアシールコンパートメントと、
前記第2のスリットバルブドアシールコンパートメントを前記メインアセンブリに結合する第2のシールアセンブリとを更に含む請求項1記載のロードロックチャンバ。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
(発明の分野)
本発明の実施形態は、主に真空処理システムのためのロードロックチャンバに関し、特に分離されたスリットバルブドアシールコンパートメントを有するロードロックチャンバに関する。
【0002】
(関連技術の説明)
2つの急速に進化する技術分野として薄膜トランジスタと光起電装置の分野が挙げられる。フラットパネル技術により形成される薄膜トランジスタ(TFT)はコンピュータ、テレビのモニター、携帯電話の表示部、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)及び数が増えつつある他のデバイスなどのアクティブマトリックスディスプレイのために主に共通に用いられる。一般に、フラットパネルは一層の液晶材料を挟む2つのガラス板を含む。このガラス板の少なくとも1つは電源に接続された1つの導電フィルムを含む。電源から導電フィルムへ供給される電力は液晶部材の配向を変化させ、パターン表示をもたらす。
【0003】
光起電装置(PV)又は太陽電池は太陽光を直流電流(DC)電力パワーに変換するデバイスである。PV若しくは太陽電池は、一般にはパネル上に形成された1つ以上のp‐nジャンクションを有する。各ジャンクションは一方の側はP型領域とされ、他方のサイドはN型領域とされる半導体材料内の2つの異なる領域を含む。PVセルのp‐nジャンクションは太陽光(光子からのエネルギーからなる)にさらされると、この太陽光はPV効果により直接電気に変換される。一般に、高品質なシリコンベースの材料は高効率のジャンクションデバイス(即ち、単位面積あたりの高電力出力)を生成するよう要望される。アモルファスシリコン(a‐Si)フィルムは従来の低温度プラズマエンハンスド化学蒸着(PECVD)プロセス内で製造するのにローコストで行われうるので、PV太陽電池内のシリコンベースのパネル材料として広く使われてきた。
【0004】
パネル技術が市場に受入れられるにつれ、及び、急騰するエネルギーコストを相殺するための、より高効率なPVデバイスが求められるにつれ、より大きなパネル、向上した生産効率、より低い製造コストへの需要がフラットパネディスプレイ及びPVデバイスの製作者のために、より大きいサイズの基板を収容する新しいシステムを開発するよう装置製造業者を駆り立てる。現在の基板処理装置は一般に約2m2より少し大きい基板を収容するよう構成されている。より大きい基板のサイズを収容するよう構成された処理装置が近い将来に考えられる。
【0005】
そのような大きい基板を作成する装置は製造者にとって、かなりの投資に相当する。従来のシステムは、大きく、かつ、高価なハードウエアを必要とする。ロードロックチャンバの動作の間に、生じる大きい圧力差により、ロードロックチャンバの壁は、たわみを最小化するために、とても厚いものでなければならない。チャンバのたわみは、多くの処理の問題の原因となり、および/又は,それらの問題を引き起こす。それらの問題のいくつかは、熱伝導の非均一性をもたらす、熱調整要素と基板との間の非均一な距離、および、ロボットによる引き渡しの問題、シール寿命の減少、及び、パーティクルの発生をもたらす、プロセスチャンバ内の基板支持体の動きを含む。しかしながら、それらの問題を解決する程度に必要な程度に壁の厚さを増すと、チャンバボディは受け入れ難く、重くかつ高価なものになってしまう。そこで、チャンバのたわみを制限及び/または隔絶する他の解決法がとても望まれる。
【0006】
このようにして、大きい面積の基板を効率的に搬送するためのロードロックチャンバが必要とされる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の実施形態は分離されたスリットバルブドアシールコンパートメントを有するロードロックチャンバを含む。一実施形態において、ロードロックチャンバはメインアセンブリと、第1のスリットバルブシールコンパートメントと、シールアセンブリを含む。このメインアセンブリはその中に形成された基板搬送キャビティを有する。2つの基板アクセスポートがメインアセンブリに形成され、キャビティに流動可能に結合される。第1のスリットバルブドアシールコンパートメントはアクセスポートのうちの1つに隣接して、及び、揃えられて設けられた孔を有する。第1のスリットバルブドアシールコンパートメントはメインアセンブリから分離されている。シールアセンブリはスリットバルブドアシールコンパートメントをメインアセンブリに結合する。
【0008】
他の実施形態において、ロードロックチャンバは、メインアセンブリと、第1のスリットバルブドアシールコンパートメントと、スリットバルブドアと、円環状の弾性シールとを含む。メインアセンブリは基板搬送キャビティを有する。2つの基板アクセスポートがメインアセンブリに形成されており、キャビティに流体可能に結合されている。第1のスリットバルブドアシールコンパートメントは基板搬送通路を有する。基板搬送通路はメインアセンブリのアクセスポートのうちの1つに揃えられた、隣接するポートを有する。第1のスリットバルブドアシールコンパートメントはメインアセンブリから分離されている。スリットバルブドアは基板搬送通路を選択的にシールするために、ドアシールコンパートメントのシーリング面を開閉する。円環状の弾性シールは第1のスリットバルブドアシールコンパートメントとメインアセンブリとの間のシールを形成する。
【0009】
さらに別の実施形態において、ロードロックチャンバは、メインアセンブリと、第1のスリットバルブドアシールコンパートメントと、スリットバルブドアと、円環状の弾性シールとを含む。メインアセンブリは基板搬送キャビティと2つの基板アクセスポートを有する。2つの基板アクセスポートはメインアセンブリ内のキャビティに流体可能に結合されている。第1のスリットバルブドアシールコンパートメントはスリットバルブドアが設けられている基板搬送通路を有する。スリットバルブドアは基板搬送通路を選択的にシールするためにドアシールコンパートメントのシーリング面を選択的に開閉するよう動作する。円環状の弾性シールは第1のスリットバルブドアシールコンパートメントとメインアセンブリとの間においてシールを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
上記に短く要約されたが、本発明の上述された構成が達成され詳細に理解されるように、本発明のより特定的な記述が添付図面に図説された実施形態を参照しながら説明される。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施形態のみを説明するものであり、したがって、本発明の範囲は、それに制限されるものではなく、本発明は他の同等に有効な実施形態をも含む。
【0011】
図1】本発明のロードロックチャンバの一実施形態を有する、説明のためのクラスターツールの平面図である。
図2図1の切断線2−2に添って切断されたロードロックチャンバの断面図である。
図3図1のロードロックチャンバの部分断面図である。
図4】ロードロックチャンバからファクトリーインターフェースをシールするのに用いられるスリットバルブドアの位置を説明するチャンバ本体アセンブリの単純化された断面図である。
図5】シールアセンブリの一実施形態の断面図である。
図6】シールリングの一実施形態の断面図である。
図7】シールリングの一実施形態の斜視図である。
図8A】〜
図8B】クランプブロックのセグメントの断面図及び上面図である。
図9A】〜
図9B】クランプブロックの別のセグメントの上面図及び断面図である。
図10】ロードロックチャンバから搬送チャンバをシールするのに用いられるスリットバルブドアの位置を説明するチャンバ本体アセンブリの単純化された断面図である。
図11A図1のロードロックチャンバの他の部分断面図である。
図11B】ロードロックチャンバの内部の他の実施形態の部分斜視図である。
図11C】ロードロックチャンバの内部の他の実施形態の部分断面図である。
図12図1のロードロックチャンバの他の部分断面図である。
図13】ランプアセンブリの一実施形態を説明する図1のロードロックチャンバの部分断面図である。
図14】〜
図15】ロードロックチャンバ内に支持されるランプアセンブリの収束端の部分断面図である。
【0012】
理解を容易にするために、可能な範囲で、図面中に共通な要素を示すために同じ参照番号がふられている。一実施形態の要素は更なる引用なしに他の実施形態において効果的に用いることができる。
【詳細な説明】
【0013】
大きい面積の基板の効率的な搬送に適した分離されたスリットバルブドアシールコンパートメントを有するロードロックチャンバが提供される。スリットバルブドアシールコンパートメントは、ロードロックチャンバのメインチャンバ本体アセンブリに比べ、より少ない表面面積を有しているので、熱膨張、圧力若しくは他の力によるたわみなど、チャンバ本体アセンブリの部品に加えられる力は、スリットバルブドアシールコンパートメントから分離、隔絶され、したがって、シールコンパートメントに、変動、若しくは、たわみをあまり伝わらない。これより、分離したという用語は、チャンバの真空精度を妥協することなく、シーリングに関し、変動する、若しくは、たわむチャンバ本体アセンブリの能力と定義する。これにより、シールコンパートメントに形成されたスリットバルブドアのシーリング表面は動作誤差内に効果的に維持され、動作の間のパーティクルの発生を低減せしめ、スリットバルブドアシールの寿命を延ばす。主な実施形態はロードロックチャンバにおける実施形態として記載されるが、例えば、基板搬送、化学蒸着、物理蒸着、サーマル処理、エッチ、イオンインプラント、または他の真空チャンバなどの他の真空チャンバも、本明細書に記述される分離されたシールコンパートメントの構成を用いて構成されうる。さらに、カリフォルニア州サンタクララ市のアプライドマテリアルズインクから市販されているロードロックチャンバの構成を以下に参照して、分離されたシールコンパートメントを有するチャンバの特定の実施形態について説明されるが、本発明の特徴は他の製造業者からのものを含む他のロードロック、サーマル、及び/または真空処理チャンバにおいても用いられうる。
【0014】
図1は本発明のロードロックチャンバ104の一実施形態を有するクラスターツール100の説明のための平面図である。クラスターツール100は、ロードロックチャンバ104により、搬送チャンバ106へと結合されたファクトリーインターフェース102を含む。ファクトリーインターフェース102は概ね、複数の基板保持カセット114及び大気圧下で動作するロボット112を含む。大気下で動作するロボット112はカセット114とロードロックチャンバ104との間で基板116の搬送を行う。複数の基板処理チャンバ108は搬送チャンバ106に結合されている。真空ロボット110は、搬送チャンバ106内に設けられ、ロードロックチャンバ104と処理チャンバ108との間で基板116の搬送を行う。
【0015】
ロードロックチャンバ104は、概ね、その中に区分けられた基板保持スロットを有する環境的に隔絶可能な、少なくとも1つのキャビティを含む。いくつかの実施形態において、複数の環境的に隔絶可能なキャビティが設けられ、各々はその中に区分けられた1つ以上の基板保持スロットを有する。ロードロックチャンバ104はファクトリーインターフェース102の周囲環境若しくは大気圧環境と、搬送チャンバ106内に維持された真空環境との間で基板116の搬送を行うよう動作する。
【0016】
図1の破線で示されるような複数のランプアセンブリ120が、ロードロックチャンバ102を介して、ファクトリーインターフェース102と搬送チャンバ106との間を通過する基板の搬送方向に、ほぼ垂直に、ロードロックチャンバ104を横切って延びる。ランプアセンブリ120は、電源122に接続され、ロードロックチャンバ120内に載置された基板は選択的に加熱される。五つのランプアセンブリ120が図1に示された実施形態において示されているが、ロードロックチャンバ102は加熱条件及び形状的な制限に適合するよう選択されて、より多くの、若しくは、より少ないランプアセンブリ120を含むよう構成されるかもしれない。ランプアセンブリ120に替えて、若しくは、ランプアセンブリ120に加えて他のタイプのヒーターが用いられるかもしれない。
【0017】
ロードロックチャンバ104は、概ね、メインアセンブリ140を有する本体アセンブリ160と少なくとも1つの分離されたスリットバルブシールコンパートメントを含む。スリットバルブドアシールコンパートメントは、スリットバルブドアがロードロックチャンバ104の内部を環境的に隔絶するために、それに対してシールするところの表面を含む。図1に示される実施形態において、第1のスリットバルブドアシールコンパートメント142はメインアセンブリ140とファクトリーインターフェース102との間に設けられ、第2のスリットバルブドアシールコンパートメント144はメインアセンブリ140と搬送チャンバ106との間に設けられる。
【0018】
さらに、図2図1のロードロックチャンバの詳細を示す。ロードロックチャンバ104が複数の基板搬送キャビティを有し、それらのうちの1つがその中に設けられたランプアセンブリ120を有するよう示されているが、ランプアセンブリ120は、1つのキャビティあたりに一枚の基板より大きい容量を有するロードロックチャンバを含む、基板搬送のために用いられる少なくとも1つのキャビティを有する、いかなるロードロックチャンバにも用いられうる。
【0019】
本体アセンブリ160は、概ね、ステンレススチール、アルミニウム、若しくは他の適宜な材料などの剛体材料から作成される。本体アセンブリ160は、リークのない構造となるように、部品を組合わせて製造されるかもしれない。メインアセンブリ140は単一若しくはサブコンポーネンツの組み合わせからなっているかもしれない。本発明の恩恵を受けるような、1つの適宜な本体アセンブリは、2006年1月13日に出願された、出願番号11/332,781の米国特許出願に記載されている。本発明の恩恵を受けるような他のロックチャンバは、2004年4月26日に出願された出願番号10/832,795の米国特許出願、2000年9月15日に出願された出願番号09/663,862の米国特許出願、2004年5月10日に出願された出願番号10/842,079の米国特許出願、2006年6月2日に出願された出願番号11/421,793の米国特許出願などを含む。前記の米国特許出願のすべては、それらの全体を本明細書において参照し組みこまれる。
【0020】
一実施形態において、メインアセンブリ140は、複数のリング形状の本体248を挟む、トッププレート204及びボトムプレート206を含む。内部プレート298は本体248の間に設けられる。プレート204、206、298は、本体248のそれぞれの内部で定義される内部空間220を囲む。図2に示される実施形態において、上側及び下側の内部空間220は基板搬送キャビティ208、210として構成され、中間体248に区分けられた内部空間220は加熱キャビティ212として構成される。
【0021】
図2に示される実施形態において、ランプアセンブリ120は加熱キャビティ212内に設けられるよう示されている。しかしながら、ランプアセンブリは選択的に、他の搬送キャビティ208、210のうちの1つ、若しくは、キャビティ208、210,212のいかなる組み合わせの中に設けられてもよい。
【0022】
トッププレート及びボトムプレート204、206は、トッププレート及びボトムプレート204、206のうちの少なくとも1つと本体248との相対的な動きを許容するように、複数の締結具により本体248に密封可能に結合されている。例えば、少なくともトッププレート及びボトムプレート204、206のうちの少なくとも1つは溶接なしで本体248に結合されている。プレート204,206から側壁への加えられる力があまり問題にはならない実施形態においては、トッププレート及びボトムプレート204、206及び本体248は溶接により結合されるかもしれない。
【0023】
さらに、図3に示される本体アセンブリ160の部分断面図を参照すると、少なくとも1つのスペーサ316が、トッププレート204の下側表面302と本体248の上側表面304の間に設けられている。スペーサ316はギャップ306がその間に定義されるように、トッププレート204とチャンバ本体248を分離する。一実施形態において、スペーサ316はチャンバ本体248の上側表面304の平面面積よりずっと小さい平面面積を有する部材である。例えば、複数のスペーサ316がチャンバ本体248の一方の側に沿って上側表面304の上に設けられるかもしれない。
【0024】
ガスケット若しくはOリング386がプレートと本体との間で真空シールを維持するよう適切に圧縮され、トッププレート204が真空若しくは他の圧力状況下でチャンバ本体248に接触するのを防ぐように、スペーサ316の厚さは選択される。同様に、ギャップ306が維持されるように、1つ以上のスペーサ316がボトムプレート206とチャンバ本体248との間に設けられる。
【0025】
図3に示される実施形態において、第1のスペーサ312、第2のスペーサ314は、トッププレート204とチャンバ本体248との間に設けられるよう示されている。スペーサ312、314は,スペーサとチャンバ本体248及び/若しくはトッププレート204との間の摩擦係数より,それらの間の摩擦係数(すなわち,スペーサ314に対するスペーサ312の摩擦係数)のほうが低い材料から形成されている。このように、真空排気により、熱により、若しくは、他の力により、チャンバ本体248及びトッププレート204が相対的に動くと、トッププレート204及び第1のスペーサ312は、第2のスペーサ314(及び本体248)に対して、横方向に自由にずり動くと共に、トッププレート204及び本体248が接触するのを防ぐ。
【0026】
一実施形態において、スペーサ312、314はディスクである。このディスクは組み立ての容易のために本体アセンブリ160を締結するために用いられるボルト282の周りに設けられたワッシャーであるかもしれない。摺動部品、例えば(スペーサ312,314)が本体248の上側表面304に対して、小さい接触面積を有するので、動き出すのに必要な力は、より小さくなる。さらに、スペーサ312、314の接触表面はガスケット286の外側にあるので、スペーサ312、314の摺動の間に発生するパーティクルは効果的にロックチャンバ104の内部空間220に入るのを防ぐことができる。スペーサ316は、ギャップを維持するのにプレートと本体との間に延びる、リブ若しくは他の要素の形状のものであるかもしれない。また、スペーサはプレート若しくは本体に組み込まれるかもしれない。スペーサ316はギャップを維持するのにプレートと本体との間にのびるリブ若しくは他のフィーチャーの形状のものであるかもしれない。また、スペーサはプレート若しくは本体のいずれかに組み込まれるかもしれない(すなわち一体成型されている)。
【0027】
図3に示される実施形態において、へこみ部分308が第2のスペーサ314の位置決めをするために本体248の上側表面304に形成される。選択的に、へこみ部分(図示せず)は、第1のスペーサ312の位置決めをするためにトッププレート204内に形成されるかもしれない。第1のスペーサ312が本体248に対して自由に横方向にずれ動くことができるようにするために、スペーサ314が上側表面304を超えて伸び出るように、へこみ部分(図示せず)308は、選択された深さを有する。
【0028】
選択的に、ロードロックチャンバ104のトッププレート(および他の水平方向のプレート)に与えられる力の影響をさらに最小限にするために、少なくとも1つのスロット(図示せず)がその中に形成されるかもしれない。このスロットはトッププレート204の中央領域が動き、たわみ、および/または、拡張するのを許容し、トッププレートの端の部分での動きによる影響を最小化する。スロット内に設けられたシールアセンブリはロードロックチャンバ104の内部空間へのリークを防ぐ。たわみを解決するためのスロットを有するロードロックチャンバは2006年1月13日に出願された出願番号11/332,781の米国特許出願に記載されており、その全体が本明細書の中で参照され組み込まれる。
【0029】
図2に戻ると、2つの基板アクセスポート216は、基板搬送キャビティ208、210の内部空間220から基板の出し入れを行うために、本体248の対抗する側壁に形成されている。ポート216のうちのひとつのみが図2において示されている。加熱キャビティ212は、搬送チャンバ106に結合されている本体248の一方の側に設けられた、少なくとも1つの基板アクセスポート216を含み、搬送キャビティ212の内部空間220は(図1に示されている)真空ロボット112によりアクセスされうる。選択的に、加熱キャビティ212は、第2の基板アクセスポート(図2には図示せず)を有し、加熱キャビティ212とファクトリーインターフェース102との間で基板の搬送を行わしめる。このロードロックアセンブリの構成において、基板アクセスポートは主にキャビティのメンテナンスのために用いられるので、第2の基板アクセスポートは選択的にスリットバルブドアによりシールされ、または、選択的にブランクプレートにより封印される。
【0030】
図4はロードロックチャンバ104のファクトリーインターフェースの側の基板アクセスポート216をシールするのに用いられるスリットバルブドア400の位置を説明するチャンバ本体アセンブリ106の単純化された断面図である。ロードロックチャンバ104の搬送チャンバの側のスリットバルブドア400の位置決めについては、さらに図10を参照して以下に説明される。スリットバルブドア400はスリットバルブドアシールコンパートメント142、144内に収容される。スリットバルブドア400は圧力バリアを提供し、本体メインアセンブリのキャビティを選択的に隔絶するために用いられる。閉じた位置において、スリットバルブドア400はポート216からのガス及び基板の動きを防ぐ。開いた位置において、スリットバルブドア400は本技術分野においてよく知られているように、基板アクセスポートからの流れを防ぐ。本発明から恩恵を受けるであろう1つのスリットバルブドアはタナセによる2004年6月14日に出願された、曲面スリットバルブドアと題する出願番号10/867、100の米国特許出願に記載されており、その全体が本明細書において参照され組込まれる。
【0031】
図4に示される実施形態において、シールコンパートメント142は、概ね、ロードロックチャンバ104とファクトリーインターフェース102との間で基板が搬送される搬送通路402を含む。搬送通路402は基板搬送ポート406及びドアキャビティ404を有する。シールコンパートメント142の第1の側420で、シールコンパートメント142からの出口が形成されており、基板搬送ポート406は、メインアセンブリ140の基板アクセスポート216とほぼ揃えて配置される。シールコンパートメント142の第2の側420でシールコンパートメント142からの出口が形成されており、ドアキャビティ404は、その所でファクトリーインターフェース102に対し、開いた状態となる。基板(及びロボット)がそこを通って運ばれるのに、十分な空間をもたらす、ドア400の開いた位置と、搬送通路402を効果的にシールする(図示されるような)、ドア400の閉じた位置との間で、ドア400が回転するに十分な大きさをドアキャビティ404は有している。
【0032】
シール面408は、ドアキャビティ404と搬送ポート406との間の搬送通路402内において、決められる。図4において、シール面408は垂直方向に図示されているが、ドア400を作動するアクチュエータ(図示せず)の動きを少なくするために、垂直方向から、一定の傾斜角度を有するように決められるかもしれない。
【0033】
シールアセンブリ410は、シールコンパートメント142とメインアセンブリ140との間に設けられている。シールアセンブリ410はシールコンパートメント142とメインアセンブリ140との間に真空の気密シールをもたらし、ポート216、406をとり囲む。
【0034】
図5はシールアセンブリの一実施形態の断面図である。シールアセンブリ410は、概ね、本体アセンブリ140及びシールコンパートメント142の端のところで形成されたへこみ部分504に、はまり込むシールリング500及び複数のクランプブロック502を含む。シールリング500は、真空環境下で用いるのに効果的なVITONなどのポリマー若しくは他のガスケット材料から作成されるかも知れない。選択的にシールリング500は金属加工されたベローズであるかもしれない。
【0035】
クランプブロック502は2つの離間した環状リング内に配置され、各クランプブロックリングはシールリング500の反対の端をシールする。クランプブロック500には、ほぼ金属、セラミック、ポリマーなどの主に硬い材料から作られている。主に、クランプブロック502の材料は、以下に説明されるように、リング500を圧迫するのに十分な硬さとなるように選択される。
【0036】
締結具514はクランプブロック502及びシールリング500を通って形成された貫通孔516、518を貫き、シールコンパートメント142及びメインアセンブリ142にそれぞれ形成されたスレッドホール520に係合する。締結具514がかたく締められるにつれ、各クランプブロック502はそれぞれシールコンパートメント142及びメインアセンブリ140に対してシールリング500の反対側の端を押しつけ、その間に気密状態を形成する。シールコンパートメント142及びメインアセンブリ140は離れた状態にあるので、すなわち、その間にギャップがあるので、本体アセンブリの動き、および/または、たわみはシールリング500の柔軟性のためにシールコンパートメント142に伝達されない。このように、シールアセンブリ410は、メインアセンブリル140をシールコンパートメント142に締結する他の硬い締結具若しくは他の硬い要素なしに、メインアセンブリ140の動き、および/または、たわみを実質的に許容するので、メインアセンブリ140の動き、および/または、たわみはシールコンパートメントから断絶、分離される。これにより、堅牢な、そして信頼性のあるシールのためのドアアセンブリ400及びシールフェイス408の方向を堅持することができ、シールの長寿命化、及び、パーティクルの発生の低減のために、ドアに対しシール面が横ずれする動きを実質的に除去することができる。
【0037】
さらに図6図7を参照すると、シールリング500は、概ね、ポート216、406を形成する壁に対して、はまり込むよう形成された環状のリングである。図7に示された実施形態において、シールリング500は概ね、方形の形をしているが、ポートを囲むに適当な他の形状のものが用いられるかもしれない。シールリング500は、内部の第1のサイド702と外部の第2のサイド704を有し、チューブ形状のフラットリボンを形成する。シールリング500は第2のサイド704から張り出たウェーブ510を含む。へこみ部分504は、メインアセンブリ140及びプレート142の部分において形成されるが、リング500が機密に圧迫されるボトム506を含む。谷間部508は、ウェーブ510を収容するために、へこみ部分504のボトム506に形成される。谷間部508の側壁とボトム506との間の中間部分512は、リング500への衝撃を防ぐために丸められているかもしれない。同様に、クランプブロック502の内側の底の角も、真空に晒されたとき鋭角の角であるが故にシールリング500が引っ張られるのを防ぐために、丸められている。リング500の第1のサイド420が真空下に持ってこられると、ウエーブ510はシールを維持するためにクランプブロック502に対して平らになるかもしれない。シールリング500の孔518は真空環境にさらされているので、真空精度の維持を向上させるために、リング500と、クランプブロック502の対応する表面と、へこみ部分500のボトム506との間の接触圧力を集中させるように、ホール518より内側に、突起部706が、リング500の第1及び第2のサイド420、422上に設けられる。
【0038】
クランプブロック502は金属若しくは他の適宜な材料から作成されるかも知れない。クランプブロック502はリング510によるクランピングを可能ならしめるよう少し柔軟性のある環状の形状のものであるかもしれない。他の実施形態において、クランプブロック502は、組み立てを容易にするために複数のクランプセグメントから作成されるかも知れない。
【0039】
例えば、図8A‐Bおよび図9A‐Bに示される実施形態において、一のクランプブロックはクランプセグメントを含むかもしれない。クランプセグメントは図示されるように一対に若しくは千鳥状に配置されるかもしれない。クランプセグメントはリング500の内側の第1のサイド702をほぼカバーするために相互に近接して締結される。クランプセグメントは、リングの内側の第1のサイド702をほぼカバーするように配置されるかも知れない、いかなるサイズおよび形状のセグメントをも含む。図8A‐Bおよび図9A‐Bに示される実施形態において、クランプブロック502は複数のコーナーセグメント500(A)および複数の直線状のセグメント500(B)を含む。図8Aの断面図および図8Bの上面図に示されるように、コーナーセグメント500(A)は、へこみ部分504がポート216、406の周辺を沿って湾曲し、若しくは、曲がるにつれ、へこみ部分504のコーナーにほぼ合致する曲がり部分802を有する。図9Aの断面図および図9Bの上面図に示されるように、線形状のセグメント500(B)は、単一の扇形のセグメント500(B)、若しくは、複数の隣接する線形のセグメント500(B)のいずれかとして、へこみ部分504の直線状若しくは線形の部分に沿ってリング500をカバーするようなサイズのものである。クランプブロック500には他の構成を有するかもしれない。
【0040】
図10は、シールコンパートメント144内に収容され、ロードロックチャンバ104の搬送チャンバ側上の基板アクセスポート216をシールするのに用いられるスリットバルブドア400の位置を説明するチャンバ本体アセンブリ106の簡略化された断面図である。シールコンパートメント144は、概ね、基板がロードロックチャンバ104と搬送チャンバ106との間を搬送されるための搬送通路1002を含む。搬送通路1002は、基板搬送ポート1006、基板搬送孔1010と、ドアキャビティ1004とを有する。基板搬送孔1010は、シールコンパートメント144の第1のサイド1020上に、シールコンパートメント144からの出口を有し、メインアセンブリ144の基板アクセスポート216に、ほぼ揃えて配置されている。基板搬送ポート1006は、シールコンパートメント144の第2のサイド1022上に、シールコンパートメント144からの出口を有し、搬送チャンバ106に対し、ほぼ開いた状態になる。ドアキャビティ1004はポート1006と孔1010との間に形成される。ドアキャビティ1004は、基板(およびロボット)がそれを介して運ばれることができる空間を有する開いた位置と、効果的に搬送通路1002をシールする閉じた位置(図示せず)との間で、回転ドア1000が回動するに十分な大きさを概ね、有する。
【0041】
シール表面1008はドアキャビティ1004と搬送ポート1006との間の搬送通路1002において形成される。図10において、シール面1008は、垂直方向に示されているが、ドア1000を動作させるアクチュエータ(図示せず)の動きを少なくするために、垂直方向から少し傾いているかもしれない。リップ1012が、ドア400の単位面積あたりの負荷を増加するために、シール面1008の周囲から延び出るかもしれない。
【0042】
シールアセンブリ410はシールコンパートメント144とメインアセンブリ140との間に設けられる。シールアセンブリ410は、シールコンパートメント144とメインアセンブリ140との間の真空の気密なシールをもたらし、ポート216、1006をとり囲み、上述の図5−9を参照して説明されるように構成される。シールアセンブリ410は、シールコンパートメントをメインアセンブリ140に結合する柔軟性のある部材を有する。従って、金属性の締結手段、締結具、溶接などの剛性部材がシールコンパートメント144をメインアセンブリ142に直接、結合していないので、メインアセンブリ142の動き、およびい/または、力はシールコンパートメント144から隔絶される。これにより、シールの摩耗/くたびれによるパーティクルの発生が低減されるとともに、シールの寿命及び信頼性が改善される。
【0043】
図2に戻ると、プレート204、プレート206、298のうちの少なくとも1つは温度調整プレートとして構成されるかもしれない。1つ以上の通路224は、プレート204、206、298に形成され、流体源228に結合される。流体源228は、プレート204、206、298の温度、最終的には、基板116の温度を調整(すなわち、加熱及び/又は冷却)する通路224を介して巡回される熱伝導液体を提供する。プレート204、206、298を冷却することにより、処理から戻ってきた熱い基板は、キャビティ208、210内に設けられる別個の周知の冷却プレートを用いることなく効果的に冷却される。
【0044】
加熱キャビティ212は、選択的に基板116を加熱するのに用いられる内部空間220を通って設けられた1つ以上のランプアセンブリ120を含む。図2に示された断面図において、1つのランプアセンブリ220が本体アセンブリ160の側壁の間を延びるように示されている。
【0045】
内部空間120内に設けられた各ランプアセンブリは独立に制御され得、これにより、例えば、均一に加熱することにより、及び/又は、第2の領域より早く基板の第1の領域を加熱することにより、基板116の温度プロファイルを所望に形成することができるように、各ランプアセンブリ120は電源122に結合されるかもしれない。一実施形態にいて、ランプアセンブリ120は、基板116の中央が基板の周辺部とは異なる割合で加熱されるようにランプアセンブリ120は配置され、及び/又は、制御される。
【0046】
図2及び図11A−Bを参照すると、基板支持構造218は搬送キャビティ208、210の内部空間220内に設けられる。基板支持構造218は、概ね、2つの基板を積み重ねる方向に支持するよう構成されている。また、支持構造218の高さは、ポート216を介して基板の交換が行われるように制御されるかもしれない。一実施形態において、各基板支持体218は1つ以上のアクチュエータ294に結合され、各キャビティ内の基板支持体218の高さが独立に制御されるように結合される。他の基板支持構造が選択的に用いられるかもしれない。又、基板支持構造の高さは、1つ以上のアクチュエータを用いて、キャビティの間で同期して動作するかもしれない。
【0047】
一実施形態において、基板支持構造218はアクチュエータ294に接続された1つのプレート若しくは複数のバー296を含む。バー296はアクチュエータ294へのバーの結合を行わしめるために、基板支持体の間の距離を調整するように構成される。
【0048】
1つ以上のピン226が、その上で基板116を支持するバー296の各々から伸び出るかもしれない。基板116を支持するピン226の端は、基板116の底の表面とピン226との間の動的な摩擦を低減するために、および、基板のひっかきを防ぐために、丸まっているか、及び/又は、ボールを含む。図2に示された実施形態では、各ピン226の先端の端にボールが設けられている。ボールによりもたらされる低減された摩擦によって、基板を引っ掻くこともなく、基板はピン226上に支持されながら、容易に膨張したり、縮小することが可能となる。他の適宜な基板支持体は2003年3月5日に出願された米国特許6,528,767、2001年10月27日に出願された出願番号09/982,406の米国特許出願、2003年2月27日に出願された出願番号60/376,857の米国特許出願に記載されており、それらの全てはその全体が本明細書において参照され組み込まれる。ピン226は、概ねロボットによるエンドエフェクタを用いて基板の交換が行われるよう配置される。ピン226は基板を支持するために、加熱キャビティ212の床を構成する内部プレート298に更に結合される。
【0049】
基板とチャンバ本体248との熱伝導を向上するために、基板支持体218は搬送キャビティ208、210の床(若しくは天井)の近傍で、支持した基板を動かすかもしれない。基板と搬送キャビティの床/天井との間の距離は基板の温度に基づいて調整されるかもしれない。例えば、処理から戻ってきた熱い基板は240℃を超える温度を有しているかもしれない。凝縮、及び/又は、熱応力が形成されるのを防ぐために、熱い基板は搬送キャビティの床/天井から大きく離れた距離に維持されるかもしれない。熱い基板が、例えば約140℃までに、十分に冷却されると、より冷たい基板は熱伝導効率を増すために搬送キャビティの床/天井により近くに動かされ、より速い割合でより冷却された基板温度が達成され、またそれが基板処理のスループットを向上せしめる。
【0050】
基板と搬送キャビティ208、210の床/天井との間の熱伝導をさらに向上させるために、基板支持体218は搬送キャビティの床/天井にぴったりとフィットするよう構成されるかもしれない。これにより、基板とチャンバ本体アセンブリ160との間の距離は最小化され、幾つかの実施形態においては、通路224を通る熱伝導液体による熱交換を最大限に利用するために、チャンバ本体アセンブリ160に接触して基板を載置することが可能となる。
【0051】
図12は基板支持体218にぴったりとはまり込むよう構成された内部プレート298の一実施形態の断面図を図示する。プレート298は基板支持体218のバー296がその中に移動できるよう構成されたスロット1202(図2において1つは示されている)を含む。一実施形態において、バー296がスロット1202の床へと動くにつれ、基板がプレート298によりピン226から持ち上げられるように、スロット1202の深さは、選択されるかもしれない。選択的に、スロット1202、若しくは、バー296の動きは、基板が通路224を巡回する液体によって効果的に冷却されるように、プレートのより近傍の所で、ピン226上で支持されるよう構成されるかもしれない。第2の搬送キャビティ210も同様に、内部プレート298の境界部分のより低い部分に形成されたスロット1202を備えて構成される。
【0052】
図11Cはロードロックチャンバの他の実施形態の部分等角図である。図11Cに示される実施形態において、第1のアクチュエータ1104は、下側の基板支持体1144の高さを制御し、第2のアクチュエータ1102は上側の基板支持体1142の高さを制御し、これにより単一のキャビティ内の別個の基板の高さを独立して制御することが可能となる。第1のアクチュエータ104は、下側の基板支持体1142内に形成された特徴部分1140を通過し、これにより、アクチュエータ1102、1106を揃えることが可能となる。このように、基板支持体1142、1144は、ロードロックチャンバの内部空間内で、同じ投影表面面積(例えば、設置面積)となるように構成され、これにより、ロードロックチャンバ本体の壁を基板支持体1142、1144の近くに設けることができるので、ロードロックチャンバの内部空間を効果的に小さくし、排気および吸気のための時間を短くすることができる。本実施形態において、特徴部分1140は、上側の基板支持体1142を貫通して形成された孔であるかもしれない。特徴部分1140は、上側の基板支持体1142が障害となることなく、下側の基板支持体1144の高さを制御するアクチュエータ1140を下側の基板支持体1144に結合せしめる、上側の基板支持体1142と下側の基板支持体1144との間に設けられた、ノッチ、溝、スロット、切り欠き、または、他の形状的なずれであるかもしれない。又、アクチュエータ1102,1104の一対は、図11Cに示されるように、上側のアクチュエータ1102のロッド1162を通って伸びる下側のアクチュエイションロッド1164及び上側の基板支持体1142の特徴部分1140と同軸上に揃えられるかもしれない。
【0053】
図2に再び戻ると、圧力制御システム250は、本体アセンブリ160の内部空間220内の圧力を制御するために、ロードロックチャンバ104に接続される。圧力制御システム250は、概ね、ガス源252及び排気システム254を含む。ガス源252はチャンバ本体アセンブリ160に形成された少なくとも1つの入口ポート260に接続される。ガス源252はチャンバ本体アセンブリ160の内部空間220内の圧力を上げるか及び/又は、調整するために用いられるベントガスを提供する。例えば、ガス源252は真空環境から周囲環境へ基板116を搬送するトランスファースキャビティ208、210の内部空間220にベントガスを流入せしめるかもしれない。一実施形態において、排気用ガスは、窒素、ヘリウム、空気、若しくは他の適宜なガスのうちの少なくとも1つを含む。選択的に、一実施形態において、キャビティ212は動作真空圧力に一定に維持されるかもしれないので、加熱キャビティ212は入力ポートを含まないかもしれない。
【0054】
入力制御バルブ256は、本体アセンブリ160の内部空間220に排気用ガスの流れを選択的に制御するために、ガス源252と入力ポート260との間に設けられる。入力制御バルブ256は真空環境下で実質的に漏れのない気密シールを提供することができる。一実施形態において、ガス源252は、排気用ガスの流量、温度、及び/又は、湿度などの排気用ガスの属性を制御するよう構成される。
【0055】
図2に示された実施形態において、入口ポート260はベント通路238により1つ以上のディフューザ240に結合される。ディフューザ240は内部空間220に流れるガスが基板116の上面方向に方向付けられるように、トッププレート204(若しくは他のプレート)の内側の面に形成される。この構成により、基板116が処理された後、基板116は効果的に冷却され、ロードロックチャンバ104は排気される。
【0056】
一実施形態において、ディフューザ240はプレート204、298のボトム表面内に定義されたへこみ部分232内に形成される。キャップ244はプレート内にプレナム242を形成する、へこみ部分232を覆う。接続孔236はプレナム242をベント通路238に結合する。複数の孔276が、矢印234に示されるように、排気用ガスがガス源252からプレナム242を通り内部空間220に流れることができるように、キャップ244に形成される。ディフューザ240は主にロードロックチャンバ104内への排気用ガスの方向づけをするためのものであるが、ディフューザ240はチャンバ104の内部空間220を排気するためにも用いられるかもしれない。
【0057】
排気システム254は、概ね、チャンバ本体アセンブリ160に形成された少なくとも1つの排気ポート262に結合される。排気システム254はロードロックチャンバ104の内部空間220からガスを取り除くよう構成されている。排気システム254は、1つ以上の真空ポンプ(図示せず)を含み、最終的には、設備排気システム(これも図示せず)に結合される。例えば、排気システムは周囲環境から真空環境への基板116の搬送を行うために、内部空間220からガスを排気するかもしれない。
【0058】
排気制御バルブ258は排気システム254と排気ポート262との間に設けられ、選択的に、本体アセンブリ160の内部空間220から出てくるガスの流れを選択的に制御する。排気制御バルブ258は、典型的には入口制御バルブ256に類似のものであり、真空環境下実質的にリークのない気密なシールをもたらすことができる。
【0059】
コントローラ280は動作を制御するためにロードロックチャンバ104に結合されている。コントローラ280は中央処理ユニット(CPU)282、サポート回路286及びメモリ284を含む。CPU282は様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するための工業的な設定に用いられ得るコンピュータプロセッサの形態のもののうちの1つのものであるかもしれない。サポート回路286は周知の態様によりプロセッサをサポートするためCPU282に結合されている。これらの回路はキャッシュ、電源供給、クロック回路、入主力回路、サブシステム等を含む。メモリ284はCPU112に接続されている。メモリ284、若しくは、コンピュータにより読取可能なメディアは、ローカル制御されるか、リモート制御されるかは問わず、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM),フロッピー(商標名)ディスク、ハードディスク、デジタル信号により保持記録がされる形態のものなどの容易に入手可能なメモリのうちの1つであってもよい。
【0060】
図13はランプアセンブリ120の一実施形態を説明するためのロードロックチャンバ104の部分断面図である。ランプアセンブリ120は、概ね、ランプ104を収容するチューブ1302を含む。ランプ104は内部空間220内に設けられた基板を放射加熱するためのカーボンIRランプ若しくは他のランプであるかもしれない。
【0061】
ランプ1304、及び/又は、チューブ1302の上側表面は、反射材料によりコーティングされており、ランプ1304により発生されたエネルギーは基板の方向の下側に向かい、加熱効率を向上せしめる。一実施形態において、コーティングは金を含む。
【0062】
チューブ1302は、ランプ1304により発生された放射熱が、本体アセンブリ160の内部空間220内に設けられた基板116を効果的に加熱することができるに好適な透過性材料から作成されている。一実施形態において、チューブ1302は石英から作られる。チューブ1302の直径及び厚さは、概ね、チューブ1302が真空環境に囲まれたときに、圧力差により崩壊を防ぐよう選択される。
【0063】
チューブ1302は、概ね、解放端1306及び収束端1308を含む。チューブ1302は本体248の側壁1314を介して形成された孔1312を介して設けられる。チューブ1302は解放端1306のところで形成されるフレアードフランジ1310を含む。収束端1308は本体アセンブリ160内に形成される内部空間202内へと延びる。
【0064】
チューブ1302はマウンティングアセンブリ1316により本体アセンブリ160に結合されている。マウンティングアセンブリ1318は概ね、マウンティンブロック1318、リテイナ1320、及びキャップ1322を含む。マウンティングアセンブリ1316は、概ね、チューブ1302の収束端1308がそれを通って延伸する孔1332を含む。
【0065】
リテイナ1320は、ほぼ円環状の形をしており、複数の締結具1324によりマウンティンブロック1318に結合されている。リテイナ1320の内側の直径はチューブ1302のフランジ1310の外側直径より小さい。これによりチューブ1320の解放端1306が孔1332を通って、本体アセンブリ160の内部空間220の中に入ってしまうのを防ぐ。
【0066】
キャップ1322は複数の締結具1326によりマウンティングブロック1318に結合される。キャップ1322はリテイナ1320に対してチューブ206のフランジ1310を捕捉する。第1のシール1328はキャップ1322とマウンティンブロック1318との間に設けられる。第2のシール1330はキャップ1322とチューブ1302のフランジ1310との間に設けられる。第3のシールはマウンティングブロック1318と本体248との間に設けられる。締結具1326はキャップ1322をマウンティングブロック1318へ、マウンティングブロック1318を本体248に圧縮するので、シール1328、1330、1340は、真空シールをもたらすよう圧縮され、これにより本体アセンブリ160の外部から内部空間220を隔絶する。更に、チューブ1302とマウンティングアセンブリ1316との間に設けられた第2のシール1330はチューブ1302の内部を、本体アセンブリ160の内部空間から流動可能に隔絶する。
【0067】
ランプアセンブリ120は主に、上面または底面より、より小さい面積を有する本体アセンブリ160の壁から支えられているので、圧力の変化及び/又は本体のたわみに起因するランプアセンブリ120の動きは最小化される。更に、基板とランプアセンブリ120との間の間隔は実質的に均一の距離に維持される。
【0068】
チューブ1302の解放端206は、チャンバ本体202の外側の周囲に露出され、これによりランプ204はロードロックチャンバの内部空間220を周囲環境に露出することなくチューブ1302から挿入され及び/又は置き換えられることが可能となる。更に、ランプ1304は、内部空間220の外側(例えば、大気圧下)において、コネクタ1336及びワイヤ1342により接続され得るリード1334を含み、これにより、アーキング及び関連するパーティクルの発生の可能性をなくする。更に、ランプ、若しくは、ランプの電気接続に関連するパーティクルは基板から隔絶され、これにより、これらのソースからのパーティクルの汚染の機会を取り除く。
【0069】
ワイヤ1342は、チャンバ本体202の外側に設けられた、シャーシ1338又は他のワイヤ導管を介して配線されるかもしれない。シャーシ1338により、内部空間220へと伸びる複数のランプアセンブリ120は単一の部位からもたらされ得る。
【0070】
図14−15はチャンバ本体202内に支持されたランプアセンブリ120の収束端1308の部分断面図である。図14−15に示された実施形態において、ランプアセンブリ120の複数の対は列状に配置される。一対を形成する各ランプアセンブリ120はロードロックチャンバ104の対抗する側壁1314を通って形成される孔(612)を介して延伸する。各対のランプアセンブリ120は、ガイド1400により支持される収束端1308を有する。図15において破線に示されるように、ガイド1400は単一のバー1500の形態であるかもしれない。対抗するランプアセンブリの構成は、チューブ1302内で用いられる短いランプ1304により、チャンバ本体の内部空間をカバーする。短いランプ1340(すなわち、内部チャンバの幅より短い)はランプ交換の間、より少ないクリアランス空間のみを必要とする。この短いランプの特徴は、図1に示されるように、ロードロックチャンバ104の側壁の近くにプロセッシングスチャンバ108があるので、より効果的である。
【0071】
図14に示される実施形態において、チューブ1302の収束端1308はガイド1400により支持される。ガイド1400はチューブ1302の収束端1308を受け入れる孔1402を含む。ガイドは各チューブ1302に対して用いられるかもしれない。一実施形態において、ホール402は、ランプアセンブリ120が、側壁から片持ち支持されるように、チューブ1302内に十分なクリアランス空間を有し、これによりランプと基板との間の間隔の均一性を向上せしめることができる。
【0072】
ガイド1400は内部空間220の天井1404に取り付けられる。ガイド1400は天井1404から少し離れてランプアセンブリ120を保持する。図14に示される実施形態において、天井1404は内部プレート298の下側である。他の実施形態において、ガイドはトッププレート204、ボトムプレート206、若しくは、他の本体アセンブリ160の部分の底面に取り付けられるかもしれない。
【0073】
このように加熱されるロードロックチャンバが提供される。一端で支持されたランプアセンブリにより、真空状況下においてチャンバ本体の上面にもたらされるたわみから、ランプの位置が影響されなくなり、これにより、吸気及び真空排気サイクルの間でも、ランプと基板との間の距離における変化を最小化することができる。更に、ランプの接続は真空環境の外側に位置するので、真空環境内でのアーキングの問題はなくなる。更に、チューブが対向するよう設計しているので、隣接するチャンバが、ロードロックチャンバの近傍に設けられている場合でも、真空を破ることなく、ランプの交換が可能である。
【0074】
本発明のより好ましい実施形態について上述されてきたが、本発明の他のあるいは更なる実施形態は本発明の基本範囲を逸脱することなく創作することができる。本発明の範囲は以下の特許請求の範囲に基づいて定められる。
図1
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図8A
図8B
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図9B
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図11B
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