特許第5746692号(P5746692)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5746692新規コンジュゲート、これらの調製およびこれらの治療用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5746692
(24)【登録日】2015年5月15日
(45)【発行日】2015年7月8日
(54)【発明の名称】新規コンジュゲート、これらの調製およびこれらの治療用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 413/06 20060101AFI20150618BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20150618BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20150618BHJP
   A61K 31/395 20060101ALI20150618BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20150618BHJP
   A61K 31/4025 20060101ALI20150618BHJP
   A61K 31/4192 20060101ALI20150618BHJP
   A61K 31/4427 20060101ALI20150618BHJP
【FI】
   C07D413/06CSP
   A61P35/00
   A61K31/496
   A61K31/395
   C07D413/14
   A61K31/4025
   A61K31/4192
   A61K31/4427
【請求項の数】29
【全頁数】160
(21)【出願番号】特願2012-518108(P2012-518108)
(86)(22)【出願日】2010年5月20日
(65)【公表番号】特表2012-531459(P2012-531459A)
(43)【公表日】2012年12月10日
(86)【国際出願番号】FR2010050986
(87)【国際公開番号】WO2011001052
(87)【国際公開日】20110106
【審査請求日】2013年3月19日
(31)【優先権主張番号】0903170
(32)【優先日】2009年6月29日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】0905651
(32)【優先日】2009年11月25日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】504456798
【氏名又は名称】サノフイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブシヤール,エルベ
(72)【発明者】
【氏名】ブラン,マリー−プリシーユ
(72)【発明者】
【氏名】コメルソン,アラン
(72)【発明者】
【氏名】ザン,ジードン
【審査官】 堀 洋樹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−514175(JP,A)
【文献】 特表2008−536485(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/116255(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/002993(WO,A1)
【文献】 特表2010−531363(JP,A)
【文献】 特表2008−523062(JP,A)
【文献】 特表2005−511627(JP,A)
【文献】 AL-AWAR RIMA S,A CONVERGENT APPROACH TO CRYPTOPHYCIN 52 ANALOGUES:SYNTHESIS AND BIOLOGICAL EVALUATION OF A NOVEL SERIES OF FRAGMENT A EPOXIDES AND CHLOROHYDRINS,JOURNAL OF MEDICINAL CHEMISTRY,米国,AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,2003年 7月 3日,V46 N14,P2985-3007
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II)のクリプトフィシン誘導体:
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、
は、ハロゲン原子を表し、およびRは、基−OH、アミノ酸AAに由来するアシル基、もしくは基(C−C)アルカノイルオキシを表し;
または代替的にRおよびRは、エポキシド単位を形成し;
AAは、天然または非天然アミノ酸を示し;
は、基(C−C)アルキルを表し;
およびRは、両方ともHを表し、または一緒にC13とC14の間の二重結合CH=CHを形成し;
およびRは、互いに独立して、Hまたは基(C−C)アルキルを表し;
およびRは、互いに独立して、Hまたは基(C−C)アルキルを表し;
10は、H、基OH、(C−C)アルコキシ、ハロゲン原子または基−NH、−NH(C−C)アルキルもしくは−N(C−C)アルキルから選択されるフェニル核の少なくとも1つの置換基を表し;
11は、Hおよび基(C−C)アルキルから選択されるフェニル核の少なくとも1つの置換基を表し;
Lは、
−G’X(CR1314(OCHCH(CR1516Q RCG1;
−G’X(CR1314(OCHCH−Y’−(CR1516Q RCG
−G’X(CR1314(CR17=CR18)(CR1516(OCHCHQ RCG1;
−G’X(CR1314(OCHCH(CR17=CR18)(CR1516Q RCG1;
−G’X(CR1314−フェニル−(CR1516Y’Q RCG1;−G’X(CR1314−フリル−(CR1516Y’Q RCG1;
−G’X(CR1314−オキサゾリル−(CR1516Y’Q RCG;−G’X(CR1314−チアゾリル−(CR1516Y’Q RCG;−G’X(CR1314−チエニル−(CR1516Y’Q RCG;−G’X(CR1314−イミダゾリル−(CR1516Y’Q RCG;−G’X(CR1314−ピペラジニル−CO(CR1516Y’Q RCG;−G’X(CR1314−ピペリジル−メチル−NR12−CO(CR1516Y’Q RCG;−G’X(CR1314−ピペリジル−(CR1516Y’Q RCG;−G’X(CR1314−ピペリジル−NR12−(CR1516Y’Q RCG;−G’X(CR1314−トリアゾリル−(CR1516Y’Q RCG;−G’X(CR1314−トリアゾリル−(CR1516Y’Q RCG1;
−G’X(CR1314−フェニル−(CR1516Q RCG;−G’X(CR1314−フリル−(CR1516Q RCG、−G’X(CR1314−オキサゾリル−(CR1516Q RCG;−G’X(CR1314−チアゾリル−(CR1516Q RCG;−G’X(CR1314−チエニル−(CR1516Q RCG;−G’X(CR1314−イミダゾリル−(CR1516Q RCG;−G’X(CR1314−ピペラジニル−(CR1516Q RCG;−G’X(CR1314−ピペリジル−(CR1516Q RCG;−G’X(CR1314−ピペリジル−メチル−NR12−(CR1516Q RCG1;−G’X(CR1314−ピペリジル−NR12−(CR1516Q RCG1;−G’X(CR1314−トリアゾリル−(CR1516Q RCG1;
または
−G”Y(CR1314(OCHCH(CR1516Q RCG
−G”Y(CR1314(OCHCH−Y’−(CR1516Q RCG
−G”Y(CR1314(CR17=CR18)(CR1516(OCHCHQ RCG
−G”Y(CR1314(OCHCH(CR17=CR18)(CR1516Q RCG
−G”Y(CR1314−フェニル−(CR1516Y’Q RCG;−G”Y(CR1314−フリル−(CR1516Y’Q RCG;−G”Y(CR1314−オキサゾリル−(CR1516Y’Q RCG;−G”Y(CR1314−チアゾリル−(CR1516Y’Q RCG;−G”Y(CR1314−チエニル−(CR1516Y’Q RCG;−G”Y(CR1314−イミダゾリル−(CR1516Y’Q RCG;−G”Y(CR1314−ピペラジニル−CO(CR1516Y’Q RCG;−G”Y(CR1314−ピペリジル−メチル−NR12−CO(CR1516Y’Q RCG;−G”Y(CR1314−ピペリジル−(CR1516Y’Q RCG;−G”Y(CR1314−ピペリジル−NR12−(CR1516Y’Q RCG;−G”Y(CR1314−トリアゾリル−(CR1516Y’Q RCG
−G”Y(CR1314−フェニル−(CR1516Q RCG;−G”Y(CR1314−フリル−(CR1516Q RCG
−G”Y(CR1314−オキサゾリル−(CR1516Q RCG;−G”Y(CR1314−チアゾリル−(CR1516Q RCG;−G”Y(CR1314−チエニル−(CR1516Q RCG;−G”Y(CR1314−イミダゾリル−(CR1516Q RCG;−G”Y(CR1314−ピペラジニル−(CR1516Q RCG;−G”Y(CR1314−ピペラジニル−(CR1516RCG;G”Y(CR1314−ピペリジル−(CR1516Q RCG;−G”Y(CR1314−ピペリジル−メチル−NR12−(CR1516Q RCG;−G”Y(CR1314−ピペリジル−NR12−(CR1516Q RCG;−G”Y(CR1314−トリアゾリル−(CR1516Q RCG1;
(これらの式中、
G’は、基−CH=CH−または−(CH−を表し;
G”は、基−(CH−を表し;
nは、1から6にわたる整数を表し;
Xは、単結合または基−CO−、−COO−もしくは−CONR12−を表し、前記基COは、G’に結合しており;
Yは、基−O−、−OCO−、−OCOO−、−OCONR12−、−NR12−、−NR12CO−、−NR12CONR’12−、−NR12COO−または−S(O)−を表し、前記原子Oおよび基NR12は、G”に結合しており;
qは、0、1または2であり得る整数を表し;
Y’は、基−O−、−OCO−、−OCOO−、−OCONR12−、−NR12−、−NR12CO−、−NR12CONR’12−、−NR12COO−、−S(O)−、−CO−、−COO−または−CONR12−を表し;
12、R’12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、互いに独立して、Hまたは基(C−C)アルキルを表し;
t、uおよびyは、0から20にわたり得る、およびt+u+yが1以上であるような、整数を表し;
式−G”Y(CR1314(OCHCH−Y’−(CR1516Q RCGのリンカーの場合、yが0でありおよびQが単結合を表すならば、uは0であることができず;
Qは、単結合、基(C−C10)アルキレンまたは基(OCHCHを表し、iは、1から20にわたる整数であり;
RCG1は、−SZ、−C(=O)−Z
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
または
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
を表し、この場合のR12は、Hもしくは(C−C)アルキルを表す。)
から選択される単位RCGを有するフェニル核のオルト(o)、メタ(m)またはパラ(p)位の、リンカーを表し;
またはLは;
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
−ALK−SZまたは−(CH−SZ
(これらの式中、
【化5】
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は、次の9つの基:
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
のうちの1つを表し;
nは、1から6にわたる整数を表し;
ALKは、基(C−C12)アルキレンを表し;
12およびR’12は、互いに独立して、Hまたは基(C−C)アルキルを表し;
iは、1から20にわたる整数を表す。)
から選択され;
または代替的に、Lは、式(IV)のリンカーである:
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
(この式中、
(AA)は、ペプチド結合によって互いに接続されているw個のアミノ酸AAの配列を表し;
wは、1から12にわたる整数を表し;
nは、1から6にわたる整数を表し;
Dは、次の単位:
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
のうちの1つを表し;
これらの式について、
12は、Hまたは基(C−C)アルキルを表し;
19、R20、R21およびR22は、互いに独立して、H、ハロゲン原子、−OH、−CNまたは基(C−C)アルキルを表し;
(CHに結合しているTは、NR12またはOを表し;
は、O、SまたはNR12を表し;
は、CR22またはNを表し;
、VおよびVは、互いに独立して、CR22およびNから選択され;
は、Hまたは基−SRを表し、Rは、基(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたは(C−C)ヘテロシクロアルキルを表し;
は、単結合、−O−または−NH−を表し、Rは、Hまたは基(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくは(C−C)ヘテロシクロアルキルを表す。)。]。
【請求項2】
10が、H、基OH、(C−C)アルコキシ、ハロゲン原子から選択されるフェニル核上の少なくとも1つの置換基を表す、請求項1に記載のクリプトフィシン誘導体。
【請求項3】
RCG1が、−SZまたはC(=O)−Zを表す、請求項1または2に記載のクリプトフィシン誘導体。
【請求項4】
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
が、次の7つの基:
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
のうちの1つを表す、請求項1から3に記載のクリプトフィシン誘導体。
【請求項5】
nが、1である、請求項1から4に記載のクリプトフィシン誘導体。
【請求項6】
Lが、
【化11】
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−CHSZ;−ALK−SZ
(R12およびR’12は、互いに独立して、Hまたは基(C−C)アルキルを表し;
iは、1から20にわたる整数を表し;
は、Hまたは基−SRを表し、Rは、基(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたは(C−C)ヘテロシクロアルキルを表し;
は、単結合、−O−または−NH−を表し、Rは、Hまたは基(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくは(C−C)ヘテロシクロアルキルを表す。)
から選択される、請求項1に記載のクリプトフィシン誘導体。
【請求項7】
Lが、
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
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(R12は、Hまたは基(C−C)アルキルを表す。)
から選択される、請求項1に記載のクリプトフィシン誘導体。
【請求項8】
12が、Hを表す、請求項7に記載のクリプトフィシン誘導体。
【請求項9】
12が、(C−C)アルキルを表す、請求項7に記載のクリプトフィシン誘導体。
【請求項10】
が、Hもしくは−S(C−C)アルキル、もしくは−S−ヘテロアリールを表し、またはZが、−O(C−C)アルキル、−OH、−OCH、−OCHCH=CH
【化14】
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もしくは
【化15】
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【化16】
[この文献は図面を表示できません]
もしくは基
【化17】
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(この式中のGIは、少なくとも1つの電気誘導性基を表す。)を表し、または代替的に−C(=O)Zが、
【化18】
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を表す、請求項1から9のうちの一項に記載のクリプトフィシン誘導体。
【請求項11】
下記の式のうちの1つによって定義される、請求項1から10のうちの一項に記載のクリプトフィシン誘導体:
【化19】
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【請求項12】
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
(Z、ZおよびRは、請求項1または10において定義したとおりである。)
から選択される、請求項1に記載のクリプトフィシン誘導体。
【請求項13】
式(III)のクリプトフィシン誘導体:
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、RからR11は、請求項1、11または12の場合と同じ意味を有し、およびGは、単位11を有するフェニル核上のオルト(o)、メタ(m)またはパラ(p)位にある基−(CHYを表し、nは、1から6にわたる整数であり、およびYは、−N;−NR12−CH−C≡CH(この場合のR12は、Hもしくは基(C−C)アルキルを表す。);−OMs;−OC(=O)−O−(4−ニトロフェニル)、
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
または
【化23】
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(R12は、Hもしくは(C−C)アルキルを表す。)を示す。]。
【請求項14】
Yが、−N;−NR12−CH−C≡CH(この場合のR12は、Hもしくは基(C−C)アルキルを表す。);−OMsまたは−OC(=O)−O−(4−ニトロフェニル)を表す、請求項13に記載のクリプトフィシン誘導体。
【請求項15】
コンジュゲートと呼ばれる、少なくとも1つのクリプトフィシン誘導体に結合している結合剤を調製するための方法であって、
(i)場合により緩衝された結合剤の水溶液と請求項1から14のうちの一項に記載のクリプトフィシン誘導体の溶液を接触させ、放置して反応させる工程;
(ii)ならびに次に、工程(i)において形成されたコンジュゲートを、クリプトフィシン誘導体および/または未反応結合剤および/または形成された任意の凝集体から場合により分離する工程
に存する方法。
【請求項16】
タイプ−SZの反応性化学基RCG1を含むクリプトフィシン誘導体が存在する場合には、結合剤が、
RCG1が−SHを表す場合、ジスルフィド化学基;
RCG1が、−SZ(この場合、Z≠H)を表す場合、チオール化学基;
RCG1が−SHを表す場合、マレイミドまたはヨードアセトアミド化学基
を含む;
タイプ−C(=O)−Zの反応性化学基RCG1を含むクリプトフィシン誘導体が存在する場合には、該クリプトフィシン誘導体が、結合剤のアミノ官能基と反応される;
G=−(CHYを有する式(III)のクリプトフィシン誘導体が存在する場合には、結合剤が、Y=−Clもしくは−マレイミドのときには基−SHを、Y=−Nのときには基−C≡CHを、またはY=−OHもしくは−NHのときにはカルボン酸基を含む;
マレイミドまたはハロアセトアミドタイプの反応性化学基RCG1を含むクリプトフィシン誘導体が存在する場合には、結合剤が、チオール化学基を含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
タイプ−SZの反応性化学基RCG1を含むクリプトフィシン誘導体が存在する場合には、結合剤が、式
【化24】
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の化合物(この式中、Rは、基(C−C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキルを表し、およびALKは、基(C−C)アルキレンを表す。);
【化25】
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式:
【化26】
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のPEG化類似体または式
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
のスルホン酸類似体(これらの式中、X、X、XおよびXは、Hまたは基(C−C)アルキルを表し、XおよびXは、−H、−CONX、−NOを表し、XおよびXは、Hまたは基(C−C)アルキルを表し、Xは、−SOもしくはHを表し、または代替的に第四級アンモニウム基を表し、ならびにaは、0から4にわたる整数を示し、およびbは、0から2000にわたる整数を示す。);
【化28】
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(この式中、
−Halは、ハロゲン原子を表し;
−X10は、ハロゲン原子もしくは基COOX14、ニトロ、非置換もしくはハロゲン化(C−C)アルキル、非置換もしくはハロゲン化(C−C)アルコキシ、非置換もしくはハロゲン化(C−C)アルケニル、非置換もしくはハロゲン化(C−C)アルキニル、非置換(C−C)シクロアルキル、非置換であるアリール、またはアミノ、ハロゲン原子、非置換もしくはハロゲン化(C−C)アルキル基、非置換もしくはハロゲン化(C−C)アルコキシから選択される1から3個の置換基で置換されているアリールを表し;
−X11、X12およびX13のそれぞれは、独立して、水素原子を表し、もしくはXを表すことがあり;
またはX10およびX11は、非置換であるもしくは1から5個の基(C−C)アルキルで置換されている環(C−C)アルキレンを一緒に形成し;
またはX10およびX11は、X12と一緒に、非置換であるもしくは1から5個の基(C−C)アルキルで置換されている環(C−C)アルキレンを形成し;
ならびにX14は、−Hまたは基(C−C)アルキルである。)
から選択される修飾剤で修飾される;
タイプ−SHの反応性化学基RCG1を含むクリプトフィシン誘導体が存在する場合には、結合剤が、スクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシラート;スクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシラート;
【化29】
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【化30】
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【化31】
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【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【化33】
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【化34】
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(ALKは、基(C−C12)アルキレンを示し、およびbは、0と2000の間の整数である。);
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
【化36】
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スクシンイミジル−N−ブロモアセタート;スクシンイミジル−3−(N−ブロモアセトアミド)プロピオナート;
【化37】
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(bは、0と2000の間の整数である。)から選択される修飾剤で修飾される、
請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
請求項15から17のうちの一項に記載の方法によって得ることができるコンジュゲート。
【請求項19】
請求項15から17のうちの一項に記載の方法によって得ることができる、または請求項18において定義したとおりのコンジュゲートを含む、コンジュゲート溶液。
【請求項20】
請求項1から13のうちの一項に記載のクリプトフィシン誘導体の、該クリプトフィシン誘導体の少なくとも1つに結合している結合剤の調製のための、使用。
【請求項21】
式(III):
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
Gは、単位CRを有するフェニル核上のオルト(o)、メタ(m)またはパラ(p)位にある、基−CH=CHまたは−(CHYを表し;
Yは、−OH;−Cl;−N;−NH;−SH;−COOH;−NR12−CH−C≡CH(この場合のR12は、Hまたは基(C−C)アルキルを表す。);−OLG(この場合のLGは、脱離基を表す。);−OC(=O)−O−(4−ニトロフェニル);マレイミド;
または式:
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
(基RからR11は、請求項1、11または12の場合と同じ意味を有し、およびnは、1から6にわたる整数である。)
を表す。)
のクリプトフィシン誘導体の、該クリプトフィシン誘導体の少なくとも1つに結合している結合剤の調製のための、使用。
【請求項22】
下記のもの:
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
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(Z、ZおよびRは、請求項1から10において定義したとおりである。)
のいずれかから選択されるクリプトフィシン誘導体の、少なくとも1つのクリプトフィシン誘導体に結合している結合剤の調製のための、使用。
【請求項23】
式:
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
(基RからR11は、請求項1、11または12の場合と同じ意味を有し、およびnは、1から6にわたる整数である。)
のクリプトフィシン誘導体。
【請求項24】
抗癌剤として使用するための、請求項1から14のうちの一項に記載のクリプトフィシン誘導体。
【請求項25】
抗癌剤として使用するための、請求項18に記載のコンジュゲート。
【請求項26】
抗癌剤として使用するための、請求項19に記載のコンジュゲート溶液。
【請求項27】
抗癌薬の調製のための、請求項1から14のうちの一項に記載のクリプトフィシン誘導体の使用。
【請求項28】
抗癌薬の調製のための、請求項18に記載のコンジュゲートの使用。
【請求項29】
抗癌薬の調製のための、請求項19に記載のコンジュゲート溶液の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリプトフィシンコンジュゲートに、これらを含有する組成物に、およびこれらの治療的用途、特に抗癌剤としての治療用途に関する。本発明は、これらの化合物を調製するための方法およびクリプトフィシン誘導体自体にも関する。
【背景技術】
【0002】
クリプトフィシンは、ノストック(Nostoc)属のシアノバクテリアによって生産されるデプシペプチド大環状分子のクラスに属する二次代謝産物である。これらの名は、クリプトコックス(Cryptococcus)属の酵母に対して高細胞傷害性であるという事実に関連している。分子のこのクラスの第一の代表、クリプトフィシン−1(C−1)は、1990年にシアノバクテリア・ノストック(Nostoc)種(ATCC 42789)から単離された(Eissler S.ら、「Synthesis」2006、22、3747−3789参照)。WO98/08505に記載のこれらの化合物の構造、一般式および炭素原子の番号付けを下記に再現する:
【0003】
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
【0004】
下記に図示するエポキシド官能基を特徴とするクリプトフィシンC−1およびC−52は、抗癌特性を有する。肺癌の第II相臨床試験がC−52(LY 355073)で行われた:Edelman M.J.ら、「Lung Cancer」2003、39、197−199;Sessa C.ら、「Eur.J.Cancer」2002、38、2388−96参照。C−52のプロドラッグである、クリプトフィシンC−55自体は、エポキシ官能基ではなくクロロヒドリン官能基を特徴とする(Bionpally R.R.ら、「Cancer Chemother Phrmacol」2003、52、25−33)。C−55は、非常に活性であることが立証されているが、溶解状態では安定でない。化合物C−55 Glyなどのクロロヒドリングリシナートタイプの誘導体は、安定性が増すとも記載されている(Liang J.ら、「Investigational New Drugs」2005、23、213−224)。
【0005】
【化2】
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[この文献は図面を表示できません]
【0006】
コンジュゲート化学は、長年にわたって公知であり、細胞傷害剤の幾つかのファミリー、例えば、メイタンシノイド(WO04/103272)、タキサン(WO06/061258)、トマイマイシン(WO09/016516)、レプトマイシン(WO07/144709)、CC−1065およびこれらの類似体(WO2007/102069)に応用されている;コンジュゲートに関しては、Monneret C.ら、「Bulletin du Cancer」2000、87(11)、829−38;Ricart A.D.ら、「Nature Clinical Practice Oncology」2007、4、245−255も参照のこと。しかし、抗体にまたは他の標的化剤にコンジュゲートさせたクリプトフィシン誘導体には応用されていない。
【0007】
本発明が解決を意図する技術的問題は、クリプトフィシン誘導体に基づく新規コンジュゲート、およびまたコンジュゲートさせることに適した新規クリプトフィシン誘導体を提案することである。
【0008】
EP0830136およびWO98/08505には、クリプトフィシン誘導体が記載されているが、クリプトフィシンコンジュゲートは記載されていない。WO98/08505には、式(A)のクリプトフィシン誘導体が記載されている:
【0009】
【化3】
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(式中、Arは、式:
【0010】
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
の基Ar’を表すことがあり、この式中、R54は、H、基(C−C)アルキル、(C−C)アルキル(R57,R57’,R57’’)、アリール、フェニル、ヘテロシクロアルキル、ハロゲン原子、COOR57、POH、SOH、SO58、NR5960、NHOR61、NHOR61’、CN、NO、OR62CHOR62CHNR9696(C−C)アルキルOR100
【0011】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
SR63を表し;R55およびR56は、H、基(C−C)アルキル、C(R57,R57’,R57’’)、アリール、フェニル、ヘテロシクロアルキル、ハロゲン原子、COOR57、POH、SOH、SO58NR5960、NHOR61、NHCHR61’、CN、NO、OR62CHOR62’、CHOCOR95CHNR9696(C−C)アルキルOR100(C−C)アルキルNR5960を表す。)。WO98/08505には、とりわけ以下の化合物:
【0012】
【化6】
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が記載されており、これらの化合物は、末端基−NHC(=O)Ot−Buを特徴とする。WO98/08505には、これらの化合物がコンジュゲートさせることに適しているまたはコンジュゲートさせることを意図したものであることは明記されていない。
【0013】
US2007/0213511には、カリケアマイシンイムノコンジュゲートが記載されている。これらの中に、AMLの治療に使用されるカリケアマイシンイムノコンジュゲート(抗CD33−カリケアマイシン)である、MYLOTARG(登録商標)(またはCMA−676)の名が挙げられている。コンジュゲートに関しては、WO2006/042240も参照のこと。
【0014】
Al−awar R.S.ら、「J.Med.Chem.」2003、46(14)、2985−3007およびAl−awar R.S.ら、「Mol.Cancer Ther.」2004、3(9)、1061−1067には、クリプトフィシン誘導体、およびまたこれらのインビボでの評価が記載されている。
【0015】
WO08/010101には、抗EphA2モノクローナル抗体、およびまた該モノクローナル抗体に結合している細胞傷害性化合物の1つ以上の分子を含む対応するコンジュゲートが記載されている。WO08/047242には、抗CD38モノクローナル抗体、およびまた該モノクローナル抗体に結合している細胞傷害性化合物の1つ以上の分子を含む対応するコンジュゲートが記載されている。前記細胞傷害性化合物は、メイタンシノイド、タキサン、トマイマイシン、レプトマイシンおよびCC−1065ならびにこれらの類似体から選択することができる。
【0016】
WO2009/126934には、抗CD70抗体、および細胞傷害性化合物とのこれらのコンジュゲートが記載されており、細胞傷害剤の中にクリプトフィシンの名が挙げられている。WO2009/134976には、必要量の細胞傷害剤を細胞に送達するために最適化された置換度を有するコンジュゲートが記載されており、細胞傷害剤の中にクリプトフィシンの名が挙げられている。
【0017】
WO2005/116255には、アプタマーのおよびクリプトフィシンである場合がある細胞傷害剤([0037]および表2参照)のコンジュゲートであって、リンカーがPEG鎖をことによると含む([0038])ものであるコンジュゲートが記載されている。より詳細には、クリプトフィシンCryp−NHが記載されており、
【0018】
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
【0019】
ならびに次のリンカー:NHS−PEG−エリトリトール、pNP−PEG−エリトリトール、NHS−PEG−オクタPEG、pNP−PEG−オクタPEGおよびPEG−combを伴うアプタマーのこのコンジュゲートも記載されている(表3および4)。フェニル環の配列(−CHO−C(=O)−CMe−CHNH−・・・)の種類が、本発明において想定しているものと異なる。WO2006/096754にも、アプタマーのおよびクリプトフィシンである場合もある細胞傷害剤のコンジュゲートが記載されている。
【0020】
WO2009/002993には、親水性リンカー、例えば式:
【0021】
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
のリンカーを含む、式B−L−Aの細胞傷害性コンジュゲートが記載されている。
【0022】
前記細胞傷害剤は、クリプトフィシンである場合がある(46頁)が、リンカーの結合点が明記されていない。コンジュゲートの一例は、EC0262:
【0023】
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
であり、このコンジュゲートのリンカーおよび結合点は、本発明において想定されるものと異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】国際公開第98/08505号
【特許文献2】国際公開第04/103272号
【特許文献3】国際公開第06/061258号
【特許文献4】国際公開第09/016516号
【特許文献5】国際公開第07/144709号
【特許文献6】国際公開第2007/102069号
【特許文献7】欧州特許第0830136号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2007/0213511号明細書
【特許文献9】国際公開第2006/042240号
【特許文献10】国際公開第08/010101号
【特許文献11】国際公開第08/047242号
【特許文献12】国際公開第2009/126934号
【特許文献13】国際公開第2009/134976号
【特許文献14】国際公開第2005/116255号
【特許文献15】国際公開第2006/096754号
【特許文献16】国際公開第2009/002993号
【非特許文献】
【0025】
【非特許文献1】Eissler S.ら、「Synthesis」2006、22、3747−3789
【非特許文献2】Edelman M.J.ら、「Lung Cancer」2003、39、197−199
【非特許文献3】Sessa C.ら、「Eur.J.Cancer」2002、38、2388−96
【非特許文献4】Bionpally R.R.ら、「Cancer Chemother Phrmacol」2003、52、25−33
【非特許文献5】Liang J.ら、「Investigational New Drugs」2005、23、213−224
【非特許文献6】Monneret C.ら、「Bulletin du Cancer」2000、87(11)、829−38
【非特許文献7】Ricart A.D.ら、「Nature Clinical Practice Oncology」2007、4、245−255
【非特許文献8】Al−awar R.S.ら、「J.Med.Chem.」2003、46(14)、2985−3007
【非特許文献9】Al−awar R.S.ら、「Mol.Cancer Ther.」2004、3(9)、1061−1067
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0026】
定義
以下の定義が適用される:
コンジュゲート:細胞傷害性化合物の少なくとも1つの分子に共有結合で結合している細胞結合剤;
細胞結合剤:生物学的標的に対して親和性を有する分子:例えば、リガンド、タンパク質、抗体、さらに特にモノクローナル抗体、タンパク質もしくは抗体フラグメント、ペプチド、オリゴヌクレオチドまたはオリゴ糖であり得る。結合剤の機能は、細胞傷害剤のような生物活性化合物を生物学的標的に向けることである。好ましくは、結合剤は、アプタマーではない;
生物学的標的:癌細胞またはこの腫瘍と関係づけられる間質細胞の表面に好ましくは位置する抗原(または抗原群);これらの抗原は、例えば、成長因子受容体、癌遺伝子産物または突然変異「腫瘍抑制」遺伝子産物、血管新生関連分子、接着分子であり得る;
リンカー:細胞傷害性化合物を結合剤に共有結合で結合させることができる原子団;
アルキル基:アルカンから水素原子を除去することによって得られる飽和した脂肪族の炭化水素に基づく基。アルキル基は、線状である場合もあり、または分岐している場合もある。言及することができる例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、2,2−ジメチルプロピルおよびヘキシル基が挙げられる;
シクロアルキル基:環状構造に携わる3個と8個の間の炭素原子を含む環状アルキル基。言及することができる例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基が挙げられる;
ヘテロシクロアルキル基:環に携わっているおよび環を構成する炭素原子に連結されている少なくとも1個のヘテロ原子(O、SまたはN)を含むシクロアルキル基;
アルコキシ基:基−O−アルキル(この場合のアルキル基は、上記で定義したとおりである。);
アルカノイルオキシ基:基−O−CO−アルキル(この場合のアルキル基は、上記で定義したとおりである。);
アルキレン基:アルカンから2個の水素原子を除去することによって得られる、実験式−C2n−の飽和した二価の基。言及することができる例としては、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、プロピレン(−CHCHCH−)、ブチレン(−CHCHCHCH−)およびヘキシレン(−CHCHCHCHCHCH−)基または次の分岐基;
【0027】
【化10】
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好ましくは、アルキレン基は、式−(CH−のものである(nは、整数を表す。);
値の範囲には限度値が含まれる(例えば、「1から6にわたるn」または「1と6の間」というタイプの範囲は、限度値1および6を含む。)
が挙げられる。
【0028】
用いる略語
EtOAc:酢酸エチル;ALK:(C−C12)アルキレン基、さらに特に(C−C)アルキレン、さらに特に−(CH−の形態のもの(nは、1から12および好ましくは1から6の整数である。);aq.:水性;TLC:薄層クロマトグラフィー;MSC:メタンスルホニルクロリド;cryptoは、式
【0029】
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
の単位を示し、cryptoは、とりわけ、後で説明するD−Dクリプトフィシン誘導体のうちの1つ即ち一例のクリプトフィシン誘導体を示す。Rf:保持係数;DAR:置換度(薬物−抗体比);DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン;DCC:N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド;DCM:ジクロロメタン;DEAD:アゾジカルボン酸ジエチル;DIC:N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド;DIPEA:N,N−ジイソプロピルエチルアミン;DMA:ジメチルアセトアミド;DMAP:4−ジメチルアミノピリジン;DME:ジメトキシエタン;DMF:ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;EEDQ:2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン;EDCI:N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド;EDTA:エチレンジアミン四酢酸;eq.:当量;Fmoc:フルオレニルメトキシカルボニル;HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;HEPES:4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸;mCPBA:m クロロ過安息香酸;NHS:N−ヒドロキシスクシンイミド;NMP:N−メチルピロリジノン;AP:大気圧;PABAC:「パラ−アミノベンジルアルコールカルボナート」;RP:減圧;SEC:立体排除クロマトグラフィー;SPE:固相抽出;RT:室温;TBDMS:tert−ブチルジメチルシリル;TCEP:トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン・塩酸塩;TEA:トリエチルアミン;TFA:トリフルオロ酢酸;TIPS:トリイソプロピルシリル;THF:テトラヒドロフラン;t:保持時間。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】SPDPでの結合剤のアミノ基の修飾を図示する。
図2】好ましいイミノチオランでの結合剤のアミノ基の修飾を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、式(I):
【0032】
【化12】
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(式中、
は、ハロゲン原子を表し、およびRは、基−OH、アミノ酸AAに由来するアシル基、もしくは基(C−C)アルカノイルオキシを表し;または代替的にRおよびRは、エポキシド単位を形成し;
AAは、天然または非天然アミノ酸を示し;
は、基(C−C)アルキルを表し;
およびRは、両方ともHを表し、または一緒にC13とC14の間の二重結合CH=CHを形成し;
およびRは、互いに独立して、Hまたは基(C−C)アルキルを表し;
およびRは、互いに独立して、Hまたは基(C−C)アルキルを表し;
10は、H、基−OH、(C−C)アルコキシ、ハロゲン原子または基−NH、−NH(C−C)アルキルもしくは−N(C−C)アルキルから選択される、フェニル核の少なくとも1つの置換基を表し;
11は、Hおよび基(C−C)アルキルから選択されるフェニル核の少なくとも1つの置換基を表す。)
の少なくとも1つのクリプトフィシン誘導体に結合している結合剤であって、該結合剤および該クリプトフィシン誘導体が共有結合で結合しており、該結合が、単位CRを有するフェニル核のオルト(o)、メタ(m)またはパラ(p)位に存在するものである結合剤に関する。
【0033】
オルト(o)、メタ(m)またはパラ(p)位:
【0034】
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
【0035】
は、ハロゲン原子、さらに特にClを表し、Rは、基(C−C)アルキル、さらに特にMeを表し、RおよびRは、互いに独立して、Hまたは基(C−C)アルキルを表し;さらに特に、これらは、互いに独立して、Hまたは基Meを表し、RおよびRは、互いに独立して、Hまたは基(C−C)アルキルを表し;さらに特に、Rは、Hを表し、およびRは、イソブチルを表す。
【0036】
10は、H、基OH、(C−C)アルコキシまたはハロゲン原子から選択される、フェニル核の少なくとも1つの置換基を表す。R10は、好ましくはフェニル核の3または4位における、基−NH、−NH(C−C)アルキルまたは−N(C−C)アルキル、例えば−NHまたは−NMeなどである場合もある。さらに特に、前記フェニル核は、該フェニル核の3および4位に2つの置換基を含む。好ましくは、この置換基は、3−Clおよび4−メトキシである。R11は、Hおよび基(C−C)アルキルから選択されるフェニル核の少なくとも1つの置換基;さらに特にHを表す。
【0037】
さらに特に、置換基RからR11のうちの1つは、例に記載するものから選択することができる。それぞれの置換基RからR11は、例に記載するような空間配置(例えば、RもしくはSまたは代替的にZもしくはE)のうちの1つをとることもある。
【0038】
AAは、天然または非天然アミノ酸を表す。AAは、α、βまたはγアミノ酸である場合がある。とりわけ次のアミノ酸の名を挙げることができる:アラニン(Ala)、β−アラニン、2−アミノ−2−シクロヘキシル酢酸、2−アミノ−2−フェニル酢酸、アルギニン(Arg)、アスパラギン酸(Asp)、システイン(Cys)、グルタミン(Gln)、グルタミン酸(Glu)、グリシン(Gly)、ヒスチジン(His)、イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、リシン(Lys)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)、バリン(Val)、γ−アミノ酪酸、α,α−ジメチル−γ−アミノ酪酸、β,β−ジメチル−γ−アミノ酪酸、オルチニン(Orn)、シトルリン(Cit)およびまた前記アミノ酸の保護形態(例えば、アセチル、ホルミル、トシル、ニトロ)。好ましくは、AAは、天然アミノ酸である。さらに特に、AAは、グリシンである。
【0039】
およびRは、一緒にエポキシド単位を形成することもある。
【0040】
クリプトフィシン誘導体と結合剤との結合は、単位CRを有するフェニル核のオルト(o)、メタ(m)またはパラ(p)位に位置するリンカーLによって生成され;従って、コンジュゲーションが可能なクリプトフィシン誘導体は、式(II)を有する:
【0041】
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
【0042】
結合剤への結合は、前記リンカーLの他方の末端で、該結合剤上に存在する反応性基に対して起こる。従って、Lは、結合剤上に存在する反応性化学基(RCG2)に対して反応性である少なくとも1つの反応性化学基(RCG1)を含む。RCG1とRCG2の間の反応は、共有結合の形成により式(II)の化合物の結合剤への結合を確実にする。このようにして式(II)のクリプトフィシン誘導体を結合剤にコンジュゲートさせることができる。
【0043】
例示するものを含めて、本発明のクリプトフィシン誘導体は、とりわけ医薬的に許容される酸の、塩基または酸付加塩の形態で存在し得る。
【0044】
言及することができるRCG1の例としては、以下のものが挙げられる:
(i)反応性基−SZ(この基について、Zは、Hまたは基−SRを表し、Rは、基(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたは(C−C)ヘテロシクロアルキルを表す。);
(ii)反応性基−C(=O)−Z(この基について、Zは、単結合、−O−または−NH−、さらに特に−O−を表し、およびRは、Hまたは基(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールもしくは(C−C)ヘテロシクロアルキルを表す。);
(iii)基G=−(CHY[この場合、Y=−Cl、−N、−OH、−NH
マレイミド
【0045】
【化15】
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または
ハロアセトアミド
【0046】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
(この場合のR12は、Hまたは基(C−C)アルキル、さらに特にMeを表す。)]を含む式(III)の化合物:
【0047】
【化17】
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の場合、次の反応性基:−Cl、−N、−OH、−NH
【0048】
【化18】
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または
【0049】
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
反応性基(この場合のR12は、Hまたは基(C−C)アルキル、さらに特にMeを表す。)のいずれか;
(iv)反応性基マレイミド
【0050】
【化20】
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またはハロアセトアミド
【0051】
【化21】
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(この場合のR12は、Hまたは基(C−C)アルキル、さらに特にMeを表す。)。
【0052】
さらに特に、−SZは、−SHまたは−SS(C−C)アルキル、とりわけ−SSMeまたは−SS−ヘテロアリール、とりわけ
【0053】
【化22】
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もしくは
【0054】
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
(XおよびXは、本明細書において下記で定義する。)を表すことがある。さらに特に、−Zは、−OH、−OCH、−OCHCH=CH
【0055】
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
または
【0056】
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
または
【0057】
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
または基
【0058】
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
(この式中のGIは、少なくとも1つの電気誘導性基、例えば−NOまたは−Hal、とりわけ−Fを表す。)を表すことがある。これらは、例えば次の基であることがある:
【0059】
【化28】
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または
【0060】
【化29】
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もう1つのタイプの基−C(=O)Zは、次のものである:
【0061】
【化30】
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反応性基−SHおよび
【0062】
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
は、良好な反応性を示す。さらに特に、RCG1は、例に記載するもののいずれかから選択することができる。
【0063】
言及することができるRCG2の例としては、抗体の表面に存在するリシン残基の側鎖が持つリシンのε−アミノ基;ヒンジ領域の糖類基;または鎖内ジスルフィド結合を還元することによるシステインのチオールが挙げられる(Garnett M.C.ら、「Advanced Drug Delivery Reviews」2001、53、171−216)。さらに最近、他のアプローチ、例えば、突然変異によるシステインの導入(Junutula J.R.ら、Nature Biotechnology」2008、26、925−932;WO09/026274または他のタイプの化学作用を可能にする非天然アミノ酸の導入(de Graaf A.J.ら、「Bioconjugate Chem.」2009、公開日(ウェブ):2009年2月3日(総説);DOI:10.1021/bc800294a;WO2006/069246およびChin J.W.ら、「JACS」2002、124、9026−9027(technology ReCode(登録商標))による。)が考究されている。抗体に関して用いられるこれらの結合様式は、公知の結合剤すべてにこれらの構造の機能として適用できる。
【0064】
結合基を化学的に修飾して新規反応性化学基RCG2を導入することも可能である。従って、修飾剤を利用して抗体を修飾する方法は、当業者に周知である(とりわけWO2005/077090、14頁参照)。この修飾は、コンジュゲーション反応の改善および様々な基RCG1の使用を可能にする。
【0065】
ジスルフィド基を導入するための修飾剤
前記修飾剤は、式
【0066】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
の活性化エステルNHS(式中、Rは、基(C−C)アルキル、アリール、ヘテロアリール、(C−C)シクロアルキル、(C−C)ヘテロシクロアルキルを表し、およびALKは、基(C−C)アルキレンを表す。)であることがあり;例えば、N−スクシンイミジルピリジルジチオプロピオナート(SPDP)またはN−スクシンイミジルピリジルジチオブチラート(SPDB、即ち4−(2−ピリジルジチオ)酪酸のN−ヒドロキシスクシンイミジルエステル)を使用して、ジチオピリジル反応性基RCG2を導入することができ(Bourdon M.A.ら、「Biochem.J.」1978、173、723−737;US5208020参照)、この後、このRCG2を、クリプトフィシン誘導体のリンカー上に存在する−SHタイプの反応性化学基RCG1と反応させて、新規−S−S−結合を形成することができる(ジスルフィド結合とのコンジュゲートについては、Ex.9を参照のこと)。N−ヒドロキシスクシンイミド基は、抗体上に存在するアミノ基と優先的に反応してアミド結合を形成する。修飾剤の別の例は、WO2004/016801に式
【0067】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
のものが記載されており、またはWO2009/134976に記載されている式
【0068】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
のPEG化類似体、またはWO2009/134977に記載されている式
【0069】
【化35】
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のスルホン酸類似体であり、これらの式中、
−X、X、XおよびXは、Hまたは(C−C)アルキル基を表し、
−XおよびXは、−H、−CONX、−NOを表し、−Xおよび−Xは、Hまたは基(C−C)アルキルを表し、
−Xは、−SOもしくはH、または代替的に第四級アンモニウム基を表し、
−aは、0から4の整数を示し、およびbは、0から2000にわたるおよび好ましくは1と200の間の整数を表し;aおよびbは、それぞれ、0と4の間または0と2000の間のすべての値をとることができる。
【0070】
マレイミド基を導入するための修飾剤
修飾剤のもう1つの例は、スクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシラート(SMCC)、EP0306943に記載されている類似化合物、またはスルホ−SMCC(スルホスクシンイミジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシラート)である。言及することができる他の例としては、
【0071】
【化36】
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例えば、N−スクシンイミジル3−マレイミドプロパノアート;
【0072】
【化37】
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例えば、N−スクシンイミジル6−(3−マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノアート;
【0073】
【化38】
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[bは、0と2000の間、好ましくは1と200の間の整数である(bは、0と2000の間のすべての値をとることができる。)。]、例えば、N−スクシンイミジル3−(2−{2−[3−マレイミドプロピオニルアミド]エトキシ}エトキシ)プロパノアートもしくはSM(PEG)
【0074】
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
例えば、マレイミドエチルN−スクシンイミジルスクシナート;
【0075】
【化40】
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例えば、N−スクシンイミジル4−(4−マレイミドフェニル)ブタノアート、または
【0076】
【化41】
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例えば、N−スクシンイミジル3−マレイミドベンゾアートが挙げられる。
【0077】
チオール基を導入するための修飾剤
WO90/06774に記載されている修飾剤のもう1つの例は、式
【0078】
【化42】
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のものであり、この式中、
−Halは、ハロゲン原子を表し;
−X10は、ハロゲン原子または基COOX14、ニトロ、非置換もしくはハロゲン化(C−C)アルキル、非置換もしくはハロゲン化(C−C)アルコキシ、非置換もしくはハロゲン化(C−C)アルケニル、非置換もしくはハロゲン化(C−C)アルキニル、非置換(C−C)シクロアルキル、非置換であるアリール、またはアミノ、ハロゲン原子、非置換もしくはハロゲン化(C−C)アルキル基、非置換もしくはハロゲン化(C−C)アルコキシから選択される1から3個の置換基で置換されているアリールを表し;
−X11、X12およびX13のそれぞれは、独立して、水素原子を表し、もしくはXを表すことがあり;
またはX10およびX11は、非置換であるもしくは1から5個の基(C−C)アルキルで置換されている環(C−C)アルキレンを一緒に形成し;
またはX10およびX11は、X12と一緒に、非置換であるもしくは1から5個の基(C−C)アルキルで置換されている環(C−C)アルキレンを形成し;
およびX14は、−Hまたは基(C−C)アルキルである。
【0079】
好ましくは、Halは、塩素または臭素原子を表す。下の表は、X10−X13についての可能性を提示するものである:
【0080】
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【0081】
好ましいイミノチオランの例は、次のものである:
【0082】
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
【0083】
ハロアセトアミド基を導入するための修飾剤
修飾剤のもう1つの例は、スクシンイミジル−4−(N−ヨードアセチル)アミノベンゾアート(SIAB)
【0084】
【化44】
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または類似化合物であり、該類似化合物には、スクシンイミジル−N−ヨードアセタート(SIA)
【0085】
【化45】
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スクシンイミジル−N−ブロモアセタート(SBA)、またはWO2009/134976に記載されているスクシンイミジル−3−(N−ブロモアセトアミド)プロピオナート(SBAP)もしくは類似のPEG化化合物
【0086】
【化46】
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(bは、前に説明したとおりである。)などがある。図1および2は、SPDPでのまたは上記の好ましいイミノチオランでの結合剤のアミノ基の修飾を図示するものである。
【0087】
従って、RCG1が−SHを表す場合、ジスルフィド基RCG2(−SSR)、とりわけピリジルジスルフィドタイプのもの
【0088】
【化47】
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または
【0089】
【化48】
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を結合剤上に導入することが可能である。類似して、RCG1がジスルフィドを表す場合[即ち、RCG1=−SZ(この場合、Z≠H、例えば、Z
【0090】
【化49】
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)]、例えばイミノチオランで、チオール基RCG2(−SH)を結合剤上に導入することが可能である。両方の場合、RCG1とRCG2との反応によって形成する共有結合は、開裂可能なジスルフィド結合である。
【0091】
RCG1が−SHを表す場合、マレイミドタイプ(
【0092】
【化50】
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)またはハロアセトアミドタイプ(例えば、ブロモ−もしくはヨードアセトアミド
【0093】
【化51】
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)のRCG2基を結合剤の表面に導入することも可能である。相互的に、RCG1が
【0094】
【化52】
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または
【0095】
【化53】
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を表す場合、例えばイミノチオランで、チオール基RCG2(−SH)を結合剤上に導入することが可能である。この場合、RCG1とRCG2との反応によって形成する共有結合は、開裂不能なスルフィド結合である。
【0096】
【表2】
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【0097】
さらに特に、RCG1が上記のタイプ(iii)のものである場合、適切な修飾剤を使用して結合剤を化学修飾することが可能であり、または1つ以上の非天然アミノ酸を導入して適切な官能基RCG2を導入することが可能である。例えば:
−官能基−Nの場合:RCG2は、基−C≡CHであり得る;
−官能基−OHまたは−NHの場合:RCG2は、カルボン酸官能基であり得る;
−官能基−Clの場合:RCG2は、基−SHであり得る。
【0098】
RCG1がマレイミド
【0099】
【化54】
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またはハロアセトアミド
【0100】
【化55】
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反応性基(この場合のR12は、Hまたは(C−C)アルキル、さらに特にMeを表す。)を表す場合、このクリプトフィシン誘導体は、下記の式(IIa)または(IIb)によって表すことができる:
【0101】
【化56】
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(Lは、L=−L−マレイミドまたはL=−L−ハロアセトアミドのようなリンカーLのフラグメントを表す。)
クリプトフィシン誘導体は、C−52およびC−1系列の中の、次のD−Dのうちの1つ:
【0102】
【化57】
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または例の1つに記載する等価の単位である場合がある。
【0103】
さらに特に、Lは、単位RCのパラ位にある。
【0104】
クリプトフィシン誘導体を調製するための方法
式(III)のクリプトフィシン誘導体およびリンカー前駆体(LP)で出発して、スキーム1に従って式(II)の化合物を調製する:
【0105】
【化58】
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【0106】
Gは、基−CH=CH、−(CHYまたは−(C−C)アルキレン−Yを表し、この場合、nは、1から6にわたる整数であり、およびYは、−OH、−SH、−Cl、−OLG(この場合のLGは、脱離基、例えばメシラート(OMs)もしくはトシラート基を示す。)を表し、または代替的に、Yは、−N、−NH、−COOH、−NR12−CH−C≡CH(この場合のR12は、Hもしくは基(C−C)アルキル、さらに特にメチル基を表す。)を表す。前記リンカー前駆体LPは、基GとLP上に存在する化学官能基との反応後にリンカーLをクリプトフィシン誘導体に導入する機能を有する。
【0107】
Gは、下記の9つの基(R12およびR’12は、Hまたは基(C−C)アルキルを表す。)のいずれかから選択される基
【0108】
【化59】
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(即ち、Yは、基
【0109】
【化60】
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を表す。):
【0110】
【化61】
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または−(CH−SHを表すこともある。
【0111】
スキーム1において、クリプトフィシン誘導体(III)から出発してクリプトフィシン誘導体(II)に到達するために幾つかの工程および/または反応が必要であることがある。従って、例えば、Z=Hの場合、対応するリンカー前駆体を使用して、Z=S(C−C)アルキルのリンカーを導入し、この後、ジスルフィド官能基−SS(C−C)アルキルをチオール官能基−SHに還元することが好ましい。このことを行うために、例えばTCEPを用いることができる:この点に関しては、Burns J.A.ら、「J.Org.Chem.」1991、56(8)、2648−2650を参照のこと。この転化−SS(C−C)アルキル→−SHは、例えば、表IIのリンカーL1−4およびL21−23に適用することができる。
【0112】
同様に、Z
【0113】
【化62】
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の場合、対応するリンカー前駆体を使用してZ=−O−アリルのリンカーLを導入し、この後、官能基COOHを脱保護し、
【0114】
【化63】
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を導入することができる。脱保護は、「スカベンジャー」アミン、例えばモルホリンの存在下、パラジウム触媒、例えばPd(PPhでの処理によって行うことができ;活性化は、塩基、例えばDIPEAの存在下、N,N’−ジスクシンイミジルカルボナートを用いて、またはカップリング剤、例えばDCCの存在下、NHSを用いて行うことができる。基Zの別の基Zへ(例えば−O−アリル→
【0115】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
)のこの転化は、他の基Z、とりわけ上記で説明したものに適用することができる。
【0116】
がハロゲン原子を表し、およびRがアシル基を表す場合、Rが基−OHを表す式(II)の化合物を先ず調製し(リンカーを導入してしまったら)、この後、対応するアシル化化合物を使用してアシル基を導入することが好ましい。
【0117】
スキーム1’およびスキーム1’’は、マレイミドまたはハロアセトアミド基をそれぞれ含むリンカーを含むクリプトフィシン誘導体の調製を類似に図示するものである(L*は、L=−L*−マレイミドまたはL=−L*−ハロマレイミドのようなリンカーのフラグメントを表す。)。
【0118】
【化65】
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【0119】
これらの誘導体は、アミノまたはチオール基を含むリンカーL’を含むクリプトフィシン誘導体とマレイミドまたはハロアセトアミド基をそれぞれ導入するための修飾剤との反応によって得られる。
【0120】
基GとLP上に存在する化学官能基との反応の例
アミノ官能基−NH−(アミン塩が使用に適することもある。)を有するリンカー前駆体LPとG=−(CHClまたは−(CHOMsの間の求核置換(例えば、表II、LP1−4、LP7a、LP8−10、LP21−23参照):この反応は、極性非プロトン性溶媒中、塩基、例えばTEAまたはDIPEAの存在下で行うことができる。Ex.1、化合物7またはEx.15、化合物48参照。
【0121】
カルバモイルハリド官能基を有するリンカー前駆体LPとG=−(CHOHの間のアシル化(例えば、表II、LP参照):この反応は、極性非プロトン性溶媒中、アミン塩基、例えばTEAの存在下で行うことができる。
【0122】
1つの変形によると、下記のスキーム(R12=Hまたは(C−C)アルキル)に従って、アミン官能基−NH−を有するリンカー前駆体LPと、G=−(CHOHおよびクロロギ酸p−ニトロフェニル(カルボナートの形態でのアルコールの活性化)から得られるG=−(CHO−C(=O)−O−(4−ニトロフェニル)とを反応させることも可能である:
−NHR12+crypto−(CHO−C(=O)−O−(4−ニトロフェニル)→crypto−(CHO−C(=O)−NR12
下記のそれぞれのスキームに従って、カルボナートの形態でのアルコールの活性化を用いて、官能基−OHを有するリンカー前駆体とG=−(CHNHまたは−(CHOHとを反応させて、それぞれ、カルバマート官能基(−O−C(=O)−NH−)またはカルボナート(−O−C(=O)−O−)を得ることもできる:
−O−C(=O)−O−(4−ニトロフェニル)+crypto−(CHNH→crypto−(CHNH−C(=O)−O−
−OH+crypto−(CHO−C(=O)−O−(4−ニトロフェニル)→crypto−(CHO−C(=O)−O−
(例えば、表II、LP6a−6b、LP24−25参照)
酸官能基−COOHを有するリンカー前駆体LPとG=−(CHOHの間のエステル化(例えば、表II、LP14b参照):この反応は、極性非プロトン性溶媒中、アミン塩基、例えばDMAP、およびカップリング剤、例えばDCCの存在下で行うことができる;
酸官能基−COOHを有するリンカー前駆体LPとG=−(CHNHの間のアミド化(例えば、表II、LP14a参照):この反応は、極性非プロトン性溶媒中、カップリング剤、例えばEDCIまたはHOBtの存在下で行うことができる;
官能基−NHを有するリンカー前駆体LPとG=−(CHCOOHの間のアミド化(例えば、表II、LP7c参照):この反応は、極性非プロトン性溶媒中、カップリング剤、例えばEDCIまたはHOBtの存在下で行うことができる;
アルキン末端官能基を有するリンカー前駆体LPとG=−(CHの間のまたは代替的にアジド官能基を有するリンカー前駆体LPとG=−(CHNR12−CHC≡CHの間の1,3−双極付加環化(「クリック」ケミストリーとしても公知)(例えば、表II、LP15−18参照):この反応は、極性溶媒中、触媒としてのCu(I)の存在下で行うことができる(この反応に関しては、Huisgen cycloaddition:Rostovtsev V.V.ら、「Angew.Chem.Int.Ed.」2002、41、2596−2599;Tornoe C.W.ら、「J.Org.Chem.」2002、67、3057−3064参照);
エチレン末端官能基を有するリンカー前駆体LPとG=−CH=CHの間のメタセシス(表II、LP19、LP20参照):この反応は、極性非プロトン性溶媒中、第二世代グラブス触媒(CAS No.246047−72−3、この触媒に関しては、Poeylaut−Palena A.A.ら、「J.Org.Chem.」2008、73、2024−2027参照)の存在下で行うことができる。
【0123】
リンカーLに関して
リンカーLは、下記のもののいずれかから選択することができる:
−G’X(CR1314(OCHCH(CR1516Q RCG1;
−G’X(CR1314(OCHCH−Y’−(CR1516Q RCG
−G’X(CR1314(CR17=CR18)(CR1516(OCHCHQ RCG1;
G’X(CR1314(OCHCH(CR17=CR18)(CR1516Q RCG1;
−G’X(CR1314−フェニル(CR1516Y’Q RCG1;−G’X(CR1314−フリル−(CR1516Y’Q RCG1;
−G’X(CR1314−オキサゾリル−(CR1516Y’Q RCG;−G’X(CR1314−チアゾリル−(CR1516Y’Q RCG;−G’X(CR1314−チエニル−(CR1516Y’Q RCG;−G’X(CR1314−イミダゾリル−(CR1516Y’Q RCG;−G’X(CR1314−ピペラジニル−CO(CR1516Y’Q RCG1;−G’X(CR1314−ピペリジニル−メチル−NR12−CO(CR1516Y’Q RCG;−G’X(CR1314−ピペリジル−(CR1516Y’Q RCG1;−G’X(CR1314−ピペリジル−NR12−(CR1516Y’Q RCG1;−G’X(CR1314−トリアゾリル(CR1516Y’Q RCG1;−G’X(CR1314−トリアゾリル−(CR1516Y’Q RCG1;
−G’X(CR1314−フェニル−(CR1516Q RCG;−G’X(CR1314−フリル−(CR1516Q RCG、−G’X(CR1314−オキサゾリル−(CR1516Q RCG;−G’X(CR1314−チアゾリル−(CR1516Q RCG;−G’X(CR1314−チエニル−(CR1516Q RCG;−G’X(CR1314−イミダゾリル−(CR1516Q RCG;−G’X(CR1314−ピペラジニルl−(CR1516Q RCG;−G’X(CR1314−ピペリジル−(CR1516Q RCG1; −G’X(CR1314−ピペリジル−メチル−NR12−(CR1516Q RCG1;−G’X(CR1314−ピペリジル−NR12−(CR1516Q RCG1;−G’X(CR1314−トリアゾリル−(CR1516Q RCG1;
または
−G”Y(CR1314(OCHCH(CR1516Q RCG
−G”Y(CR1314(OCHCH−Y’−(CR1516Q RCG
−G”Y(CR1314(CR17=CR18)(CR1516(OCHCHQ RCG
−G”Y(CR1314(OCHCH(CR17=CR18)(CR1516Q RCG
−G”Y(CR1314−フェニル−(CR1516Y’Q RCG;−G”Y(CR1314−フリル(CR1516Y’Q RCG;−G”Y(CR1314−オキサゾリル−(CR1516Y’Q RCG;−G”Y(CR1314−チアゾリル−(CR1516Y’Q RCG;−G”Y(CR1314−チエニル−(CR1516Y’Q RCG;−G”Y(CR1314−イミダゾリル(CR1516Y’Q RCG;−G”Y(CR1314−ピペラジニル−CO(CR1516Y’Q RCG1;−G”Y(CR1314−ピペリジル−メチル−NR12−CO(CR1516Y’Q RCG;−G”Y(CR1314−ピペリジル−(CR1516Y’Q RCG1;−G”Y(CR1314−ピペリジル−NR12−(CR1516Y’Q RCG1;−G”Y(CR1314−トリアゾリル−(CR1516Y’Q RCG
−G”Y(CR1314−フェニル−(CR1516Q RCG;−G”Y(CR1314−フリル−(CR1516Q RCG、−G”Y(CR1314−オキサゾリル−(CR1516Q RCG;−G”Y(CR1314−チアゾリル−(CR1516Q RCG;−G”Y(CR1314−チエニル−(CR1516Q RCG;−G”Y(CR1314−イミダゾリル−(CR1516Q RCG;−G”Y(CR1314−ピペラジニル−(CR1516Q RCG1;−G”Y(CR1314−ピペラジニル−(CR1516Q RCG;G”Y(CR1314−ピペリジル−(CR1516Q RCG1;−G”Y(CR1314−ピペリジル−メチル−NR12−(CR1516Q RCG1;−G”Y(CR1314−ピペリジル−NR12−(CR1516Q RCG1;−G”Y(CR1314−トリアゾリル−(CR1516Q RCG1;
G’は、基−CH=CH−または−(CH−を表し;
G”は、基−(CH−を表し;
nは、1から6にわたる整数を表し;
Xは、単結合または基−CO−、−COO−もしくは−CONR12−を表し、前記基COは、G’に結合しており;
Yは、基−O−、−OCO−、−OCOO−、−OCONR12−、−NR12−、−NR12CO−、−NR12CONR’12−、−NR12COO−または−S(O)−を表し、前記原子Oまたは基NR12は、G”に結合しており;
Y’は、基−O−、−OCO−、−OCOO−、−OCONR12−、−NR12−、−NR12CO−、−NR12CONR’12−、−NR12COO−、−S(O)−、−CO−、−COO−または−CONR12−を表し;
12、R’12、R13、R14、R15およびR16、R17およびR18は、互いに独立して、Hまたは基(C−C)アルキルを表し;
t、uおよびyは、0(基不在の場合)から20にわたり得る、およびt+u+yが1以上であるような、整数を表し;
qは、0、1または2であり得る整数を表し;
Qは、単結合、基(C−C10)アルキレンまたは基(OCHCHを表し、iは、1から20、さらに特に1から10、さらにいっそう特に1から8または1から6、およびさらにいっそう特に2から5にわたる整数である。iは、これらの範囲の値のそれぞれをとることができ、とりわけ2、3、4または5であり得る。
【0124】
式−G”Y(CR1314(OCHCH)y−Y’−(CR1516)uQ RCGのリンカーの場合、yが0(PEG基なし)であるならば、およびQが単結合を表すならば、uは0であることができない。さらに特に、末端基−NR12−C(=O)−O−を含むリンカー(Y’=NR12;u=0;Q=単結合およびRCG=−C(=O)Z)は、除外される。
【0125】
yは、0から20、さらに特に1から20、さらにいっそう特に1から10、1から8または1から6、およびさらにいっそう特に2から5にわたる整数を表す。yは、これらの範囲の値のそれぞれをとることができ、とりわけ2、3、4または5であり得る。
【0126】
これらのリンカーの一部は、特許出願WO07/085930およびWO09/016516に記載されている。
【0127】
リンカーLは、式(IV)のものから選択することができる:
【0128】
【化66】
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(式中、
(AA)は、ペプチド結合によって互いに接続されているw個のアミノ酸AAの配列を表し;
wは、1から12および好ましくは1から6にわたる整数を表し;
nは、1から6にわたる整数を表し;
Dは、下記の単位:
【0129】
【化67】
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のうちの1つを表し、これらの式について、
12は、Hまたは基(C−C)アルキルを表し;
19、R20、R21およびR22は、互いに独立して、H、ハロゲン原子、−OH、−CNまたは基(C−C)アルキルを表し;
(CHに結合しているTは、NR12またはOを表し;
は、O、SまたはNR12を表し;
は、CR22またはNを表し;
、VおよびVは、互いに独立して、CR22およびNから選択される。)。
【0130】
D2の例は、次のとおりである:
【0131】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
【0132】
AAは、天然または非天然アミノ酸、さらに特にアラニン(Ala)、β−アラニン、2−アミノ−2−シクロヘキシル酢酸、2−アミノ−2−フェニル酢酸、アルギニン(Arg)、アスパラギン酸(Asp)、システイン(Cys)、グルタミン(Gln)、グルタミン酸(Glu)、グリシン(Gly)、ヒスチジン(His)、イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、リシン(Lys)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)、バリン(Val)、γ−アミノ酪酸、α,α−ジメチル−γ−アミノ酪酸、β,β−ジメチル−γ−アミノ酪酸、オルチニン(Orn)、シトルリン(Cit)から選択される天然または非天然アミノ酸を示す。
【0133】
配列(AA)は、式:
【0134】
【化69】
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(式中、R23は、上記に記載したアミノ酸のうちの1つの残基を表す。)を有する。配列の例は、次のとおりである:Gly−Gly、Phe−Lys、Val−Lys、Val−Cit、Phe−Phe−Lys、D−Phe−Phe−Lys、Gly−Phe−Lsy、Ala−Lys、Val−Cit、Phe−Cit、Leu−Cit、Ile−Cit、Trp−Cit、Phe−Ala、Ala−Phe、Gly−Gly−Gly、Gly−Ala−Phe、Gly−Val−Cit、Gly−Phe−Leu−Cit、Gly−Phe−Leu−Gly、Ala−Leu−Ala−Leu。
【0135】
リンカー前駆体は、対応する−OH単位を含むものである:
【0136】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
【0137】
WO2005/082023(とりわけ61−64頁参照)には、一定のリンカー前駆体を得る方法が記載されている。下記で説明するリンカー前駆体LP25およびLP26の調製を、別の配列(AA)を含む他の類似したリンカー前駆体を得るために用いることもできる。
【0138】
リンカーLは、表IIに記載するもののいずれかからまたは例示する化合物から選択することもできる。リンカーの式のすべてにおいて、NR12またはNR’12は、さらに特に、NHまたはNMeを表す。
【0139】
式(III)の化合物の調製
G=−(CHOHまたは−CH=CHの場合
【0140】
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
【0141】
は、特許出願WO98/08505、WO00/23429またはWO00/34252およびまた次の出版物:Rej R.ら、「J.Org.Chem.」1996、61、6289−6295;Salamonczyk G.M.ら、「J.Org.Chem.」1996、61、6893−6900または「J.Med.Chem.」1999、42(14)、2588−2603(参照により本明細書に援用されている。)の教示に従って調製される。「Anticancer agents from natural products」、Taylor&Francis、CRC press book、ISBN=0−8493−1863−7の第9章、「The isolation,characterization and development of a novel class of potent antimitotic macrocyclic depsipeptides:the cryptophycins」の158−159頁に、様々なクリプトフィシンフラグメント(A、B、CおよびD)を調製するためのおよびPを生成するための合成スキームが与えられている。Rej R.ら、「J.Org.Chem.」1996、61、6289−6295には、スキーム1−6に、図1のクリプトフィシン誘導体の1つに到達する経路が記載されているが、これらのスキームは、適する出発試薬を使用することによりPの調製に適用することができる。
【0142】
は、下記で詳述する工程を利用することによって他のクリプトフィシン誘導体の調製を可能にする:
工程(i):ジオール官能基を得るための酸媒体中でのPのエポキシド環の開環。例えば、濃過塩素酸を使用することができる;
工程(ii):例えば過ヨウ素酸ナトリウムを使用する、前記ジオールの酸化開裂;
工程(iii):適するハロゲン化ホスホニウム、例えば臭化物、および強塩基、例えばBuLiを使用するウィティッヒ(Wittig)反応;
工程(iv):塩基、例えばKOHの存在下でのキラルスルホニウム塩、例えばトリフラートが関与するコーリー・チャイコフスキー(Corey−Chaykovsky)エポキシ化反応;
工程(v):例えばテトラブチルアンモニウムフルオリド溶液を使用する、シリルエーテルの脱保護。
【0143】
4−(トリイソプロピルシロキシメチル)ベンジルトリフェニルホスホニウムブロミドは、1−(ブロモメチル)−4−(トリイソプロピルシロキシメチル)ベンゼン(CAS No.934667−38−6)から得られ、1,4−ベンゼンジメタノール(CAS No.589−29−7、市販製品)から出発するこの化合物の調製は、Potter R.G.ら、「Organic Letters」2007、9(7)、1187−1190により記載されている。R11が基(C−C)アルキルを表す化合物は、対応するジオールで出発して類似の手法で得られ、このジオールは、市販生成物であるか、1,4−ベンゼンジメタノールで出発するフリーデル・クラフツC−アルキル化によって得られる。
【0144】
1−(ブロモメチル)−4−(トリイソプロピルシロキシメチル)ベンゼン(CAS No.135408−73−0)(この化合物の調製は、EP0496548のスキーム4aに、またはNevill C.R.Jr.らによる論文、「Bioorganic & Med.Chem.Lett.」1991、1(1)、83−86の83頁に記載されている。)で出発して、対応するホスホニウムブロミドを得ることができる。R11が基(C−C)アルキルを表す化合物は、Nevill C.R.Jr.らによる報文、「Bioorganic & Med.Chem.Lett.」1991、1(1)、83−86の83頁に記載されている化合物1と等価の化合物(この化合物は、市販製品であるか、p−トリル酢酸で出発するフリーデル・クラフツC−アルキル化によって得られる。)から類似の手法で得られる。
【0145】
工程(iv)において用いるトリフルオロメタンスルホン酸(1R,4R,5R,6R)−4,7,7−トリメチル−6−(4−ビニルベンジル)−6−チオニア−ビシクロ[3.2.1]オクタンは、(1R,4R,5R)−イソチオシネオール(Aggarwal V.ら、「JACS」2010、132、1828−1830参照)から得られ、(R)−リモネン(CAS No.95327−98−3、市販製品)からのこの化合物の調製は、この同じ参考文献に記載されている。
【0146】
トリフェニル(p−ビニルベンジル)ホスホニウムブロミド(CAS No.118766−51−1)は、対応するブロモ誘導体(Drefahl G.ら、「Chem.Ber.」1961、94(8)、2002−2010参照)から得られ、4−ビニルベンジルアルコール(CAS No.1074−61−9、市販製品)で出発するこの化合物の調製は、Shimomura O.らによる論文、「Tetrahedron」2005、61、12160−12167に記載されている。
【0147】
G=−(CHOHの式(III)の化合物であるPおよびPで出発して、他の基Gを含有する式(III)の化合物を得ることができる。
【0148】
G=−(CHClまたは−(CHの場合
【0149】
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
【0150】
基G=−CHOHで出発して、基G=−CHClまたは−CHを得ることができる。
−−Clの導入をCMSの存在下で行うことができる:Ex.1、化合物2参照;
−アジ化を、ジフェニルホルホラジド(PhO)P(=O)Nおよび塩基、例えばDBUの存在下で行うことができる。スキーム3は、n=1の場合についてのこれらの反応を記載するものであるが、n>1についてのものにも適用することができる。
【0151】
G=−(CHCOOHの場合
【0152】
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
【0153】
基G=−(CHOHで出発して、酸化により基G=−CHCOOHを得ることができる。スキーム4は、二重酸化:デス・マーチン(Dess−Martin)試薬を使用する第一の酸化(「Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis」;Paquette L.A.編;Wiley:Chichester、UK、1995、第7巻、4982−4987またはBoeckman R.K.Jr.ら、J.J.「The Dess−Martin Periodinate」「Org.Synth.」2004、10、696−702参照)、続いての、2−メチル−2−ブテンの存在下でのピニック(Pinnick)タイプの第二の酸化(Pinnick H.W.、「Tetrahedron」1981、37、2091−2096参照)を記載するものである。スキーム4は、n=2の出発化合物の場合についてこれらの反応を記載するものであるが、n>2についてのものにも適用することができる。
【0154】
G=−(CHNHの場合
【0155】
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
【0156】
基G=−CH(この化合物の調製は、スキーム3に記載されている。)で出発して、TCEPなどのホスフィンを使用する還元反応を利用することによって、基G=−CHNHを得ることができる。この方法に関しては:Faucher A.−M.ら、「Synthetic Comm.」2003、33、3503−3511参照:
【0157】
【化75】
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【0158】
1つの変形によると、基G=−CHOHで出発して、トリフェニルホスフィンおよびDEADを使用する光延(Mitsunobu)反応を利用することによって、基G=−CHNHを得ることができる。この方法に関しては、Mitsunobu O.、「Synthesis」1981、1−28;Hughes D.L.、「Org.Reactions」1992、42、335−656;Hughes D.L.、「Org.Prep.」1996、28、127−164参照。スキーム5および5’は、n=1の場合を記載するものであるが、n>1についてのものにも適用することができる。
【0159】
G=−(CH−NR12−CHC≡CHの場合
基G=−(CHClで出発して、式NHR12−CH−C≡CHの化合物(R12=H:プロパルギルアミン;R12=(C−C)アルキル:Mock W.L.ら、「J.Org.Chem.」1989、54(22)、5302−8に従って調製したもの)を使用する求核置換を利用することによって、基G=−(CH−NR12−CH−C≡CHを得ることができる。
【0160】
G=−(CH−SHの場合
【0161】
【化76】
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【0162】
基G=−(CH)Clで出発して、Hu J.ら、「J.Org.Chem.」1999、64、4959−4961(Ex.8参照)に従ってテトラブチルアンモニウムフルオリドおよびヘキサメチルジシラチアンからインサイチューで調製したテトラブチルアンモニウムトリメチルシリルチオラートを利用することによって直接官能化により基G=−(CHSHを得ることができる。スキーム6は、n=1の場合についてこの反応を記載するものであるが、n>1についてのものにも適用することができる。この反応の過程で、下記の式を有する中間体ダイマーを形成することができる:
【0163】
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
【0164】
G=−ALK−SHの場合
【0165】
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
【0166】
スキーム7に従って、Pは、他のクリプトフィシン誘導体の調製を可能にする:
工程(i):適するハロゲン化ホスホニウム、例えば臭化物、および強塩基、例えばBuLiを使用するウィティッヒ反応;
工程(ii):パラジウムまたはニッケル触媒の存在下で適するグリニャール(Grignard)試薬、例えばシリルエーテル形態で保護されたアルコキシマグネシウムブロミドを使用する熊田(Kumada)カップリング(例えば、「Organic Letters」2009、11、5686−5689または「Synthesis」2009、141、2408−2412参照)。
【0167】
工程(iii)から(v)は、スキーム2に記載されており、および工程(vi)は、スキーム6に記載されている。
【0168】
(4−ブロモベンジル)トリフェニルホスホニウムブロミドは、市販製品(CAS No.51044−13−4)である。シリルエーテル形態で保護されたアルコキシマグネシウムブロミドは、対応するブロモアルコールから、適切なクロロシランでのアルコール官能基の保護、続いて、無水極性非プロトン性溶媒、例えばTHF中、マグネシウムの存在下での有機マグネシウム試薬の形成により調製することができる(例えば、「Organic Letters」2005、7、183−186参照)。1から6個の炭素原子を含有する線状または分岐ブロモアルコールは、市販されており[例えば3−ブロモ−1−プロパノール(CAS No.627−18−9)もしくは1−ブロモ−2−プロパノール(CAS No.19686−73−8]、または文献に記載されている方法に従って対応するブロモエステルもしくはブロモケトンから調製することができる。前記クロロシランは、例えば、tert−ブチルジメチルクロロシラン(CAS No.18162−48−6)またはトリイソプロピルクロロシラン(CAS No.13154−24−0)であり得る。
【0169】
G=−(CH−マレイミドの場合
【0170】
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
【0171】
マレイミド単位を含むクリプトフィシン誘導体を調製するための方法を記載するスキーム1’に加えて、基G=−CHOHで出発して、Matuszak N.ら、「J.Med.Chem.」2009、52、7410−7420に従って、トリフェニルホスフィンおよびDEADの存在下での光延反応により、基G=
【0172】
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
を得ることができる。スキーム8は、n=1の場合についてこの反応を記載するものであるが、n>1のものについても適用することができる。
【0173】
上記のスキーム1−8は、パラ位におけるリンカーについて与えたものであるが、オルトまたはメタ位のものについて同じく適用することができる。類似して、これらのスキームは、クリプトフィシン誘導体について与えたものであるが、式(II)の他の誘導体、とりわけD−Dの調製にも適用することができる。
【0174】
さらに特に、C−52の場合、下記の化合物を使用することができ、これらの調製は、Al−awar R.S.ら、「J.Med.Chem.」2003、46、2985−3007にまたはWO98/08505に記載されている:
【0175】
【化81】
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G=−CHOH:スキーム5の化合物31b
G=−CHCHOH:スキーム9の化合物49
G=−CHCOOH:スキーム9の化合物51またはWO98/08505のEx.81
G=−C(=O)H:WO98/08505のEx.80
さらに、G=−CHOHの化合物31bで出発して、G=−CHClまたは−CHの化合物を得ることが可能である:
G=−CHCl:実施例1、化合物2参照;
G=−CH:−CHOHの−CHへの転化は、極性非プロトン性溶媒中、ジフェニルホスホラジドおよび塩基、例えばDBUの存在下で行うことができる、実施例19、化合物60参照;
G=−CH−マレイミド:−CHOHの−CH−マレイミドへの転化は、極性非プロトン性溶媒中、マレイミド、トリフェニルホスフィンおよびDEADの存在下で行うことができる。
【0176】
「J.Med.Chem.」2003、46、2985−3007の教示を、他の置換基R−Rを含む他のクリプトフィシン誘導体に適用することができる。
【0177】
リンカー前駆体LPの調製
LPは、下記のものの1つであり得る:
LP
【0178】
【化82】
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は下記のスキームに従って調製される:
【0179】
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
【0180】
工程(i):NHSを使用する酸の活性化:この活性化は、無水非プロトン性溶媒、例えばDCMに溶解したカップリング剤、例えば1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド・塩酸塩の存在下、室温で行う。この手順は、実施例1、化合物4の条件に基づくものであり得る。
【0181】
工程(ii):ピペリジンN−Bocでのアミド化;このペプチドカップリングは、極性非プロトン性溶媒中、室温で、塩基の存在下で行い、該塩基は、第三級アミン、例えばTEAまたはDIPEAであり得る。前記溶媒は、DMFであり得る。この手順は、実施例1、化合物5の条件に基づくものであり得る。
【0182】
工程(iii):酸溶液、例えば塩酸(例えば、ジオキサン中の溶液としてのもの)を使用するアミンの脱保護。この手順は、実施例1、化合物6の条件に基づくものであり得る。
【0183】
出発酸、例えば4−メチル−4−(メチルジチオ)ペンタン酸は、市販されていることがあり、またはハロカルボン酸からチオ酢酸カリウムおよびメタンチオスルホナートタイプの誘導体での逐次的処理により調製することができる。US2719170も参照。
【0184】
LP
【0185】
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
は下記のスキームに従って調製される:
【0186】
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
【0187】
工程(i):アルデヒドでの還元アミノ化:この反応は、室温で、無水極性非プロトン性溶媒、例えばTHF中、二工程:チタンイソプロポキシドの存在下での中間複合体の形成、続いて、還元剤、例えばシアノ水素化ホウ素ナトリウムでのインサイチュー還元で行う。この手順は、実施例5、化合物17の条件に基づくものであり得る。
【0188】
工程(ii):酸溶液、例えば塩酸(例えば、ジオキサン中の溶液としてのもの)でのアミンの脱保護。この手順は、実施例5、化合物18の条件に基づくものであり得る。
【0189】
出発アルデヒド、例えば、2−メチル−2−(メチルジチオ)プロパナールは、市販されていることがあり、または適切に保護されたハロゲン化アルコール(例えば、シリルエーテル形態のもの)からチオ酢酸カリウムおよびメタンチオスルホナートタイプの誘導体での逐次的処理によって達成されるジスルフィド単位を有するアルコールの酸化によって調製することができる。
【0190】
LP
【化86】
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は下記のスキームに従って調製される:
【0191】
12=Hの場合
【0192】
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
【0193】
工程(i):オキシムの形成:前に説明したアルデヒドをエタノールなどの極性プロトン性溶媒に溶解し、この後、水酸化ナトリウムなどの塩基の存在下で還流させながらO−メチルヒドロキシルアミン・塩酸塩で処理する。この手順は、実施例3、化合物11の条件に基づくものであり得る。
【0194】
工程(ii):オキシムの還元;THFなどの無水極性非プロトン性溶媒中のボラン−ジメチルスルフィドの溶液で還流させながら処理することによりオキシムを還元する。この手順は、実施例3、化合物12の条件に基づくものであり得る。
【0195】
12≠Hの場合
【0196】
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
【0197】
工程(i):アルデヒドでの還元アミノ化;この反応は、室温で、THFなどの無水極性非プロトン性溶媒中、還元剤、例えばトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムの存在下で行う。
【0198】
LP
【0199】
【化89】
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は下記のスキームに従って調製される:
【0200】
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
このリンカーは、LPについて提示したものに類似した手法で調製する。
【0201】
工程(i):アルデヒドでの還元アミノ化:この反応は、室温で、無水極性非プロトン性溶媒、例えばTHF中、二工程:チタンイソプロポキシドの存在下での中間複合体の形成、続いて、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤でのインサイチュー還元で行う。この手順は、実施例5、化合物17の条件に基づくものであり得る。
【0202】
工程(ii):酸溶液、例えば塩酸(例えば、ジオキサン中の溶液でのもの)でのアミンの脱保護。この手順は、実施例5、化合物18の条件に基づくものであり得る。
【0203】
LP
【0204】
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
は下記のスキームに従って調製される:
【0205】
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
【0206】
工程(i):アミンの保護;この反応は、室温で、DCMなどの極性非プロトン性溶媒中で、塩基、例えばTEAの存在下、二炭酸ジ−tert−ブチルでのアミンの処理により行う。
【0207】
工程(ii):アルコールの臭化物への転化;この反応は、室温で、THFなどの極性非プロトン性溶媒中で、ホスフィン、例えばトリフェニルホスフィンの存在下、CBrでアルコール官能基を処理することによって行う;この反応に関しては、Appel R.、「Angew.Chem.Int.Ed.Engl.」1975、14、801−811またはDesmaris N.ら、「Tetrahedron Letters」2003、44(41)、7589−7591参照。
【0208】
工程(iii):チオ酢酸塩での臭化物の置換;この反応は、室温で、DMFなどの極性非プロトン性溶媒中で、チオ酢酸カリウムを求核試薬として使用して行う。
【0209】
工程(iv):ジスルフィド結合の形成;この反応は、メタノールなどの無水極性プロトン性溶媒中、塩基、例えばナトリウムメトキシド、およびピリジルジスルフィド単位を含む試薬の存在下で行う。
【0210】
1つの変形によると:
工程(v):メシラート形態でのアルコールの活性化;この反応は、DCMなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、塩基、例えばTEAの存在下、塩化メシルでの処理により行う。
【0211】
工程(vi):遊離チオールの形成;この反応は、エタノール/水混合物などの還流極性プロトン性溶媒中で、逐次的二工程:チオウレアでのメシラートの置換、続いて、NaOHなどの塩基の添加によるイソチオウロニウム塩のインサイチュー加水分解で行う。
【0212】
工程(vii):ピリジルジスルフィド形態でのチオールの活性化;この反応は、室温で、エタノールなどの極性プロトン性溶媒中で、酢酸などの酸の存在下、ピリジルジスルフィド単位を含む試薬での処理により行う。
【0213】
工程(viii):酸溶液、例えば塩酸(例えば、ジオキサン中の溶液でのもの)でのアミンの脱保護。
【0214】
工程(ix):塩化カルバモイルの形態でのアミンの活性化;この反応は、DCMなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、TEAなどの塩基の存在下、ジホスゲンでの処理により行う。
【0215】
LP
【0216】
【化93】
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は下記のスキームに従って調製される:
【0217】
ALK=CHCHの場合
経路A:
【0218】
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
【0219】
経路B:
【0220】
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
【0221】
工程(i):塩酸の溶液(例えば、ジオキサン中の溶液)またはトリフルオロ酢酸の溶液での脱保護。
【0222】
工程(ii):アリルエステル形態でのカルボン酸の保護;この反応は、室温で、DMFなどの極性非プロトン性溶媒中、臭化アリルの存在下および炭酸カリウムなどの塩基の存在下で行う。
【0223】
工程(iii):PEG鎖の伸長;この反応は、THFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、触媒量のナトリウムの作用により生成されたアルコキシドでのエステル形態で保護された不飽和酸の処理によって行う。
【0224】
ALK≠CHCHの場合
【0225】
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
【0226】
工程(iv):PEG鎖の伸長;この反応は、THFまたはDMFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、テトラヒドロピラン(THP)エーテル形態でモノ保護されたPEGジオールのアルコキシドでのハロゲン化エステルの処理によって行う。このタイプのモノ保護PEGジオールの調製は、文献に十分に記載されている:例えば、Richard A.ら、「Chem.Eur.J.」2005、11、7315−7321またはSakellariou E.G.ら、「Tetrahedron」2003、59、9083−9090参照。
【0227】
tert−ブチルエステル形態で保護された酸官能基を含むPEGアルコールは、市販されており(例えば、12−ヒドロキシ−4,7,10−トリオキサドデカン酸tert−ブチル)、またはアクリル酸tert−ブチルおよびPEGジオールから調製される。出発PEGジオールは、i=3から12のものについては、市販されている。
【0228】
LP 下記のスキームに従って調製されるRbZbOC−ALK−(OCHCH−NHR12

ALK=CHCHの場合
12=Hの場合
【0229】
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
【0230】
12≠Hの場合
【0231】
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
【0232】
ALK≠CHCHの場合
12=Hの場合
【0233】
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
【0234】
12≠Hの場合
【0235】
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
【0236】
工程(i):アリルエステル形態でのカルボン酸の保護;この反応は、室温で、DCMなどの極性非プロトン性溶媒中、アリルアルコール、EDCIなどのカップリング剤、およびDMAPなどの塩基の存在下で行う。この手順は、実施例14、化合物42の条件に基づくものであり得る。
【0237】
工程(ii):塩酸の溶液(例えば、ジオキサン中の溶液)またはトリフルオロ酢酸の溶液を使用する脱保護。この手順は、実施例14、化合物43の条件に基づくものであり得る。
【0238】
工程(iii):窒素原子のアルキル化;この反応は、THFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、ハロゲン化アルキルなどの離核性基を有する試薬の存在下、NaHなどの塩基での処理によって行う。この手順は、実施例15、化合物46の条件に基づくものであり得る。
【0239】
工程(iv):PEG鎖の伸長:この反応は、THFまたはDMFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、WO2007/127440に記載されているようなNaHまたはカリウムナフタレニドの作用により生成されるベンゾフェノン−イミン−PEG−アルコールのアルコキシドでのハロゲン化エステルの処理によって行う。
【0240】
工程(v):エステルの鹸化;この反応は、水の存在下でエステルと水酸化リチウムを反応させることによって行う。
【0241】
工程(vi):アミンの保護;この反応は、室温で、DCMなどの極性非プロトン性溶媒中で、塩基、例えばTEAの存在下、二炭酸ジ−tert−ブチルでのアミンの処理によって行う。
【0242】
前記アミノ−PEG−酸は、i=3、5、6、10のものについては市販されており、またはアクリル酸tert−ブチルおよび対応するアミノ−PEG−アルコールから調製することができる。
【0243】
前記アミノ−PEG−アルコールは、例えばi=3、4、7、8のものについては、市販されており、またはUS7230101に記載されている手順に従ってPEGジオール(i=3から12のものについては市販されている。)から調製することができる。ベンゾフェノンでのアミン官能基の保護は、BFエーテラートなどのルイス(Lewis)酸の存在下での共沸脱水によって行うことができる。
【0244】
LP
【0245】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
は下記のスキームに従って調製される:
【0246】
ALK=CHCHの場合
【0247】
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
【0248】
工程(i):塩酸の溶液(例えば、ジオキサン中の溶液)またはトリフルオロ酢酸の溶液を使用する出発化合物の脱保護。この手順は、実施例16、化合物50の条件に基づくものであり得る。
【0249】
工程(ii):アリルエステル形態でのカルボン酸官能基の保護;この反応は、室温で、DMFなどの極性非プロトン性溶媒中、臭化アリルの存在下および炭酸カリウムなどの塩基の存在下で行う。この手順は、実施例16、化合物51の条件に基づくものであり得る。
【0250】
工程(iii):メシラート形態でのアルコールの活性化;この反応は、DCMなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、TEAなどの塩基の存在下、塩化メシルでの処理により行う。
【0251】
工程(iv):メシラート官能基と化合物
【0252】
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
のアミン官能基との反応(アルキル化);この反応は、室温で、DCMなどの無水極性非プロトン性溶媒中、TEAなどの塩基の存在下で行う。この手順は、実施例16、化合物52の条件に基づくものであり得る。
【0253】
ALK≠CHCHの場合
【0254】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
【0255】
工程(v):PEG鎖の伸長;この反応は、THFまたはDMFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、テトラヒドロピラン(THP)エーテル形態でモノ保護されたPEGジオールのアルコキシドでのハロゲン化エステルの処理によって行う。このタイプのモノ保護PEGジオールの調製は、文献に十分に記載されている:例えば、Richard A.ら、「Chem.Eur.J.」2005、11、7315−7321またはSakellariou E.G.ら、「Tetrahedron」2003、59、9083−9090参照。
【0256】
tert−ブチルエステル形態で保護された酸官能基を含むPEGアルコールは、市販されており(例えば、12−ヒドロキシ−4,7,10−トリオキサドデカン酸tert−ブチル)、またはアクリル酸tert−ブチルおよびPEGジオールから調製される。出発PEGジオールは、i=3から12のものについては、市販されている。
【0257】
LP
【0258】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
は下記のスキームに従って調製される:
【0259】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
【0260】
工程(i):アミンのアルキル化;この反応は、アセトニトリルなどの無水極性非プロトン性溶媒中、塩基、例えばTEAの存在下、ハロアルキルカルボン酸アリル、例えばブロモ酢酸アリルを用いて行う。この手順は、実施例13、化合物38の条件に基づくものであり得る。
【0261】
工程(ii):酸溶液、例えば塩酸(例えば、ジオキサン中の溶液でのもの)を使用するアミンの脱保護。この手順は、実施例13、化合物39の条件に基づくものであり得る。
【0262】
前記ハロアルキルカルボン酸アリルは、アリルアルコールおよび対応するハロゲン化ハロアシルから得ることができ、ならびにALK=−(CH1−6−のもの(例えば、臭化ブロモアセチルまたは塩化4−ブタノイル)については市販されている。
【0263】
LP10
【0264】
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
は下記のスキームに従って調製される:
【0265】
ALK=CHCHの場合
【0266】
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
【0267】
ALK≠CHCHの場合
【0268】
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
【0269】
工程(i):環状無水物の開環;この反応は、室温で、DCMなどの無水極性非プロトン性溶媒中、TEAなどの塩基の存在下で行う。
【0270】
工程(ii):アリルエステル形態でのカルボン酸の保護;この反応は、室温で、DCMなどの極性非プロトン性溶媒中、アリルアルコール、EDCIなどのカップリング剤、およびDMAPなどの塩基の存在下で行う。
【0271】
工程(iii):塩酸の溶液(例えば、ジオキサン中の溶液)を使用する脱保護。
【0272】
工程(iv):ペプチドカップリング;室温で、DCMなどの極性非プロトン性溶媒中、DIC/HOBt系などのカップリング剤の存在下でカルボン酸とアミンとの反応を行う。
【0273】
工程(v):メチルエステルの鹸化;この反応は、室温で、THF/水混合物などの極性溶媒の混合物中、水酸化リチウムの存在下で行う。
【0274】
メチルエステル形態でモノ保護された二酸は、ALK=−(CH1−6−のもの(例えば、1,6−ヘキサン二酸のモノメチルエステル)については市販されている。
【0275】
LP11
【0276】
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
は下記のスキームに従って調製される:
【0277】
ALK=CHCHの場合
12=Hの場合
【0278】
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
【0279】
工程(i):アミドの形成および酸の活性化;DCMなどの極性非プロトン性溶媒中で二工程を逐次的に行う:アミン官能基とN−ヒドロキシスクシンイミジルハロアセタートとの反応、続いて、DICなどのカップリング剤のインサイチュー付加。この手順は、実施例17、化合物56の条件に基づくものであり得る。
【0280】
12≠Hの場合
【0281】
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
【0282】
工程(ii):メチルエステル形態でのカルボン酸の保護およびトリフルオロアセトアミド形態でのアミンの保護;この反応は、DCMなどの極性非プロトン性溶媒中で、逐次的二工程:メタノールの存在下でのトリメチルシリルジアゾメタンでの処理による酸の保護、続いて、トリフルオロ酢酸無水物の付加およびTEAなどの塩基の付加によるアミンの保護で行う。
【0283】
工程(iii):アミンのアルキル化およびエステルの鹸化;この反応は、THFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で逐次的二工程:離核性基を有する試薬、例えばハロゲン化アルキルR12Halの存在下、NaHなどの塩基での処理によるアミンのアルキル化、続いて、水酸リチウムおよび水の添加で行う。
【0284】
工程(i):工程(iii)の後、R12=Hの場合には工程(i)の反応を繰り返す。
【0285】
ALK≠CHCHの場合
12=Hの場合
【0286】
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
【0287】
12≠Hの場合
【0288】
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
【0289】
工程(iv):PEG鎖の伸長:この反応は、THFまたはDMFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、NaHまたはカリウムナフタレニドの作用により生成されたベンゾフェノン−イミン−PEG−アルコールのアルコキシドでのハロゲン化エステルの処理によって行う(WO2007/127440参照)。
【0290】
工程(v):炭担持パラジウムの存在下での水素化によるイミンの選択的開裂(Wessjohann,L.ら、「Synthesis」1989、5、359−63参照);
工程(vi):トリフルオロ酢酸無水物の付加およびTEAなどの塩基の付加によるアミンの保護。
【0291】
前記アミノ−PEG−酸は、i=3、5、6、10のものについては市販されており、またはアクリル酸tert−ブチルおよび対応するアミノ−PEG−アルコールから調製することができる。
【0292】
前記アミノ−PEG−アルコールは、例えばi=3、4、7、8のものについては、市販されており、またはUS7230101に記載されている手順に従ってPEGジオール(i=3から12のものについては市販されている。)から調製することができる。ベンゾフェノンでのアミン官能基の保護は、BFエーテラートなどのルイス(Lewis)酸の存在下での共沸脱水によって行うことができる。
【0293】
LP12
【0294】
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
は下記のスキームに従って調製される:
【0295】
ALK=CHCHの場合
経路A:
【0296】
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
【0297】
経路B:
【0298】
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
【0299】
ALK≠CHCHの場合
【0300】
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
【0301】
工程(i):メシラート形態でのアルコールの活性化;この反応は、DCMなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、TEAなどの塩基の存在下、塩化メシルでの処理により行う。
【0302】
工程(ii):メシラート/ハロゲン交換;この反応は、アセトンなどの還流極性非プロトン性溶媒中、ヨウ化ナトリウムなどのハロゲン化ナトリウムを用いて行う。
【0303】
工程(iii):塩酸の溶液(例えば、ジオキサン中の溶液)またはトリフルオロ酢酸の溶液を使用する脱保護。
【0304】
工程(iv):酸の活性化;この反応は、室温で、DCMなどの極性非プロトン性溶媒中で、DCCなどのカップリング剤の存在下、NHSでの処理によって行う。
【0305】
工程(v):PEG鎖の伸長;この反応は、THFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、触媒量のナトリウムの作用により生成されたアルコキシドでのエステル形態で保護された不飽和酸の処理によって行う。
【0306】
工程(vi):PEG鎖の伸長;この反応は、THFまたはDMFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、テトラヒドロピラン(THP)エーテルとしてモノ保護されたPEGジオールのアルコキシドでのハロゲン化エステルの処理によって行う。このタイプのモノ保護PEGジオールの調製は、文献に十分に記載されている:例えば、Richard A.ら、「Chem.Eur.J.」2005、11、7315−7321またはSakellariou E.G.ら、「Tetrahedron」2003、59、9083−9090参照。形成された中間体は、pH5で選択的にヒドロキシエステルに加水分解される。
【0307】
tert−ブチルエステル形態で保護された酸官能基を含むPEGアルコールは、市販されており(例えば、12−ヒドロキシ−4,7,10−トリオキサドデカン酸tert−ブチル)、またはアクリル酸tert−ブチルおよびPEGジオールから調製される。出発PEGジオールは、i=3から12のものについては、市販されている。
【0308】
LP13
【0309】
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
は下記のスキームに従って調製される:
【0310】
ALK=CHCHの場合
経路A:
【0311】
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
【0312】
経路B:
【0313】
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
【0314】
ALK≠CHCHの場合
【0315】
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
【0316】
工程(i):塩酸の溶液(例えば、ジオキサン中の溶液)またはトリフルオロ酢酸の溶液を使用する脱保護。後のほうの場合、ヒドロキシ官能基のトリフルオロ酢酸塩が形成されることがある。この形成物は、次の工程(ii)の間に開裂される。
【0317】
工程(ii):メチルエステル形態でのカルボン酸の保護;この反応は、室温で、メタノールなどの極性非プロトン性溶媒中で、トリメチルシリルジアゾメタンでの処理によって行う。
【0318】
工程(iii):メシラート形態でのアルコールの活性化;この反応は、DCMなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、TEAなどの塩基の存在下、塩化メシルでの処理により行う。
【0319】
工程(iv):遊離チオールの形成およびメチルエステルの鹸化;この反応は、エタノール/水混合物などの還流極性プロトン性溶媒中で、逐次的二工程:チオウレアでのメシラートの置換、続いて、水酸化ナトリウムなどの塩基の添加によるイソチオウロニウム塩のインサイチュー加水分解で行う。
【0320】
工程(v):PEG鎖の伸長;この反応は、THFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、触媒量のナトリウムの作用により生成されたアルコキシドでのエステル形態で保護された不飽和酸の処理によって行う。
【0321】
工程(vi):PEG鎖の伸長;この反応は、THFまたはDMFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、テトラヒドロピラン(THP)エーテルとしてモノ保護されたPEGジオールのアルコキシドでのハロゲン化エステルの処理によって行う。このタイプのモノ保護PEGジオールの調製は、文献にて十分に公知である:例えば、Richard A.ら、「Chem.Eur.J.」2005、11、7315−7321またはSakellariou E.G.ら、「Tetrahedron」2003、59、9083−9090参照。
【0322】
n=8の場合のリンカー(3−[2−メルカプトエトキシヘプタ(エチレンオキシ)]プロピオン酸)は、市販されている。tert−ブチルエステル形態で保護された酸官能基を含むPEGアルコールは、市販されており(例えば、12−ヒドロキシ−4,7,10−トリオキサドデカン酸tert−ブチル)、またはアクリル酸tert−ブチルおよびPEGジオールから調製される。出発PEGジオールは、i=3から12のものについては、市販されている。
【0323】
LP14
【0324】
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
は下記のスキームに従って調製される:
【0325】
ALK=CHCHの場合
【0326】
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
【0327】
ALK≠CHCHの場合
【0328】
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
【0329】
工程(i):PEG鎖の伸長;この反応は、THFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、触媒量のナトリウムの作用により生成されたアルコキシドでのエステル形態で保護された不飽和酸の処理によって行う。
【0330】
工程(ii):塩酸の溶液(例えば、ジオキサン中の溶液)またはトリフルオロ酢酸の溶液を使用する脱保護。後のほうの場合、この構造上に場合により存在するアルコール官能基のトリフルオロ酢酸塩が形成されることがある。このトリフルオロ酢酸塩は、次の工程(iii)の間に開裂される。
【0331】
工程(iii):メチルエステル形態でのカルボン酸の保護;この反応は、室温で、メタノールなどの極性非プロトン性溶媒中で、トリメチルシリルジアゾメタンでの処理によって行う。
【0332】
工程(iv):メチルエステルの鹸化;この反応は、室温で、THF/水混合物などの極性溶媒の混合物中、水酸化リチウムの存在下で行う。
【0333】
工程(v):アリルエステル形態でのカルボン酸の保護;この反応は、室温で、DCMなどの極性非プロトン性溶媒中、アリルアルコール、EDCIなどのカップリング剤、およびDMAPなどの塩基の存在下で行う。
【0334】
工程(vi):PEG鎖の伸長;この反応は、THFまたはDMFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、テトラヒドロピラン(THP)エーテルとしてモノ保護されたPEGジオールのアルコキシドでのハロゲン化エステルの処理によって行う。このタイプのモノ保護PEGジオールの調製は、文献に十分に記載されている:例えば、Richard A.ら、「Chem.Eur.J.」2005、11、7315−7321またはSakellariou E.G.ら、「Tetrahedron」2003、59、9083−9090参照。
【0335】
出発PEGジオールは、i=3から12のものについては、市販されている。
【0336】
LP15
【0337】
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
は下記のスキームに従って調製される:
【0338】
ALK=CHCHの場合
経路A:
【0339】
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
【0340】
経路B:
【0341】
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
【0342】
ALK≠CHCHの場合
【0343】
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
【0344】
工程(i):求核置換;この反応は、THFなどの無水極性非プロトン性溶媒中、NaHなどの塩基の存在下およびプロパルギルブロミドまたは4−ブロモ−1−ブチンなどのハロゲン化アルキンの存在下で行う。この手順は、実施例20、化合物63の条件に基づくものであり得る。
【0345】
工程(ii):塩酸の溶液(例えば、ジオキサン中の溶液)またはトリフルオロ酢酸の溶液を使用する脱保護。この手順は、実施例20、化合物65の条件に基づくものであり得る。
【0346】
工程(iii):NHSエステル形態でのカルボン酸の活性化;この反応は、室温で、DCMなどの極性非プロトン性溶媒中で、固定型DCCなどのカップリング剤の存在下、NHSでの処理によって行う。
【0347】
工程(iv):PEG鎖の伸長;この反応は、THFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、触媒量のナトリウムの作用により生成されたアルコキシドでのエステル形態で保護された不飽和酸の処理によって行う。この手順は、実施例20、化合物64の条件に基づくものであり得る。
【0348】
工程(v):PEG鎖の伸長;この反応は、THFまたはDMFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、テトラヒドロピラン(THP)エーテルとしてモノ保護されたPEGジオールのアルコキシドでのハロゲン化エステルの処理によって行う。このタイプのモノ保護PEGジオールの調製は、文献に十分に記載されている:例えば、Richard A.ら、「Chem.Eur.J.」2005、11、7315−7321またはSakellariou E.G.ら、「Tetrahedron」2003、59、9083−9090参照。
【0349】
tert−ブチルエステル形態で保護された酸官能基を含むPEGアルコールは、市販されており(例えば、12−ヒドロキシ−4,7,10−トリオキサドデカン酸tert−ブチル)、またはアクリル酸tert−ブチルおよびPEGジオールから調製される。出発PEGジオールは、i=3から12のものについては、市販されている。
【0350】
LP16
【0351】
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
は下記のスキームに従って調製される:
【0352】
ALK=CHCHの場合
【0353】
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
【0354】
ALK≠CHCHの場合
【0355】
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
【0356】
工程(i):PEG鎖の伸長;この反応は、THFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、触媒量のナトリウムの作用により生成されたアルコキシドでのエステル形態で保護された不飽和酸の処理によって行う。
【0357】
工程(ii):塩酸の溶液(例えば、ジオキサン中の溶液)またはトリフルオロ酢酸の溶液を使用する脱保護。
【0358】
工程(iii):NHSエステル形態でのカルボン酸の活性化;この反応は、室温で、DCMなどの極性非プロトン性溶媒中で、固定型DCCなどのカップリング剤の存在下、NHSでの処理によって行う。
【0359】
工程(iv):ヒドロキシアジドPEG鎖の伸長;この反応は、THFまたはDMFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、ヒドロキシアジドPEGのアルコキシドでのハロゲン化エステルの処理によって行う。
【0360】
前記アジドPEGアルコールは、市販されており、または対応するPEGアルコール(i=3から12のものについては市販されている。)から調製することができる。
【0361】
LP17
【0362】
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
は下記のスキームに従って調製される:
【0363】
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
【0364】
工程(i):NHSエステル形態でのカルボン酸の活性化;この反応は、室温で、DCMなどの極性非プロトン性溶媒中で、固定型DCCなどのカップリング剤の存在下、NHSでの処理によって行う。
【0365】
アセチレン基を有する酸は、ALK=−(CH−(この場合、m=1から10)のもの(例えば、3−ブチン酸)については、市販されている。
【0366】
LP18
【0367】
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
は下記のスキームに従って調製される:
【0368】
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
【0369】
工程(i):アジ化物によるハロゲン化物の求核置換;この反応は、アセトンなどの極性非プロトン性溶媒中、アジ化ナトリウムの存在下で行う。
【0370】
工程(ii):メチルエステルの鹸化;この反応は、室温で、THF/水混合物などの極性溶媒の混合物中、水酸化リチウムの存在下で行う。
【0371】
工程(iii):NHSエステル形態でのカルボン酸の活性化;この反応は、室温で、DCMなどの極性非プロトン性溶媒中で、固定型DCCなどのカップリング剤の存在下、NHSでの処理によって行う。
【0372】
ハロアルキル単位を有するメチルエステルは、ALK=−(CH−(この場合、m=1から6)のもの(例えば、ブロモ酢酸メチル)については、市販されている。
【0373】
LP19
【0374】
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
は下記のスキームに従って調製される:
【0375】
ALK=CHCHの場合
経路A:
【0376】
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
【0377】
経路B:
【0378】
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
【0379】
ALK≠CHCHの場合
【0380】
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
【0381】
工程(i):求核置換;この反応は、THFなどの無水極性非プロトン性溶媒中、NaHなどの塩基の存在下および臭化アリルまたは4−ブロモ−1−ブテンなどのハロゲン化アルケニルの存在下で行う。
【0382】
工程(ii):塩酸の溶液(例えば、ジオキサン中の溶液)またはトリフルオロ酢酸の溶液を使用する脱保護。
【0383】
工程(iii):NHSエステル形態でのカルボン酸の活性化;この反応は、室温で、DCMなどの極性非プロトン性溶媒中で、固定型DCCなどのカップリング剤の存在下、NHSでの処理によって行う。
【0384】
工程(iv):PEG鎖の伸長;この反応は、THFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、触媒量のナトリウムの作用により生成されたアルコキシドでのエステル形態で保護された不飽和酸の処理によって行う。
【0385】
工程(v):PEG鎖の伸長;この反応は、THFまたはDMFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、テトラヒドロピラン(THP)エーテルとしてモノ保護されたPEGジオールのアルコキシドでのハロゲン化エステルの処理によって行う。このタイプのモノ保護PEGジオールの調製は、文献に十分に記載されている:例えば、Richard A.ら、「Chem.Eur.J.」2005、11、7315−7321またはSakellariou E.G.ら、「Tetrahedron」2003、59、9083−9090参照。
【0386】
tert−ブチルエステル形態で保護された酸官能基を含むPEGアルコールは、市販されており(例えば、12−ヒドロキシ−4,7,10−トリオキサドデカン酸tert−ブチル)、またはアクリル酸tert−ブチルおよびPEGジオールから調製される。出発PEGジオールは、i=3から12のものについては、市販されている。
【0387】
LP20
【0388】
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
は下記のスキームに従って調製される:
【0389】
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
【0390】
工程(i):NHSエステル形態でのカルボン酸の活性化;この反応は、室温で、DCMなどの極性非プロトン性溶媒中で、固定型DCCなどのカップリング剤の存在下、NHSでの処理によって行う。
【0391】
エチレン基を有する酸は、ALK=−(CH−(この場合、m=1から10)のもの(例えば、3−ブテン酸)については、市販されている。
【0392】
LP21 下記のスキームに従って調製されるZaS−ALK−CH−NR12−(CHCHO)−CHCH−NHR’12
【0393】
12およびR’12=Hの場合
【0394】
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
【0395】
12≠HおよびR’12=Hの場合
【0396】
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
【0397】
12=HおよびR’12≠Hの場合
【0398】
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
【0399】
12およびR’12≠Hの場合
【0400】
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
【0401】
工程(i):トシラート形態でのアルコールの活性化;この反応は、DCMなどの極性非プロトン性溶媒中で、酸化銀およびヨウ化カリウムの存在下、塩化トシルでの処理によって行う。この手順は、実施例6、化合物23の条件に基づくものであり得る。
【0402】
工程(ii):トシラートの求核置換;この反応は、アセトニトリルなどの極性非プロトン性溶媒中、アジ化ナトリウムでの処理によって行う。この手順は、実施例6、化合物24の条件に基づくものであり得る。
【0403】
工程(iii):アジ化物の還元;この反応は、THF/水混合物などの極性溶媒中、トリフェニルホスフィンの存在下で行う。この手順は、実施例6、化合物26の条件に基づくものであり得る。
【0404】
工程(iv):アルデヒドでの還元アミノ化;この反応は、室温で、DCMなどの無水極性非プロトン性溶媒中、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤および、必要な場合には、触媒としての酢酸の存在下で行う。この手順は、実施例6、化合物27の条件に基づくものであり得る。
【0405】
工程(v):塩酸の溶液(例えば、ジオキサン中の溶液)またはトリフルオロ酢酸の溶液を使用する脱保護。この手順は、実施例6、化合物29の条件に基づくものであり得る。
【0406】
工程(vi):NHBoc官能基の保護;この反応は、THFまたはDMFなどの極性非プロトン性溶媒中で、1当量の塩基、例えば水素化ナトリウム、続いてハロゲン化ベンジル、例えば塩化ベンジルでの処理によって行う。
【0407】
工程(vii):ベンジル基の開裂およびアジド官能基の還元;この反応は、メタノールなどのプロトン性溶媒中、水酸化パラジウムなどの触媒の存在下で行う。
【0408】
工程(viii):アミンのアルキル化;この反応は、THFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、ハロゲン化アルキルなどの離核性基を有する試薬の存在下、水素化ナトリウムなどの塩基で処理することによって行う。この手順は、実施例6、化合物25の条件に基づくものであり得る。
【0409】
アミン官能基がBoc基で場合により保護されているアミノ−PEG−アルコールは、市販されており(例えば、N−Boc−アミノエトキシエトキシエタノールもしくは1−アミノ−3,6,9−トリオキサウンデカニル−11−オール)、またはUS7230101に記載されている手順に従ってPEGジオール(i=3から12のものについては市販されている。)から調製することができる。アルデヒドZaSS−ALK−CHO、例えば2−メチル−2−(メチルジチオ)プロパナールは、市販されており、または適切に保護されたハロゲン化アルコール(例えば、シリルエーテル形態のもの)からチオ酢酸カリウムおよびメタンチオスルホナートタイプの誘導体での逐次的処理によって達成されるジスルフィド単位を有するアルコールの酸化によって調製することができる。
【0410】
LP22
【0411】
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
は下記のスキームに従って調製される:
【0412】
12およびR’12=Hの場合
【0413】
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
【0414】
12≠HおよびR’12=Hの場合
【0415】
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
【0416】
12=HおよびR’12≠Hの場合
【0417】
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
【0418】
12およびR’12≠Hの場合
【0419】
【化151】
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【0420】
工程(i):トシラート形態でのアルコールの活性化;この反応は、DCMなどの極性非プロトン性溶媒中で、酸化銀およびヨウ化カリウムの存在下、塩化トシルでの処理によって行う。この工程は、実施例6、化合物23の条件に基づくものであり得る。
【0421】
工程(ii):トシラートの求核置換;この反応は、アセトニトリルなどの極性非プロトン性溶媒中、アジ化ナトリウムでの処理によって行う。この工程は、実施例6、化合物24の条件に基づくものであり得る。
【0422】
工程(iii):アジ化物の還元;この反応は、THF/水混合物などの極性溶媒中、トリフェニルホスフィンの存在下で行う。この手順は、実施例6、化合物26の条件に基づくものであり得る。
【0423】
工程(iv):ペプチドカップリング;この反応は、ジメチルホルムアミドなどの極性非プロトン性溶媒中、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド/1−ヒドロキシベンゾトリアゾール系などのカップリング剤の存在下およびTEAなどの塩基の存在下で行う。
【0424】
工程(v):塩酸の溶液(例えば、ジオキサン中の溶液)またはトリフルオロ酢酸の溶液を使用する脱保護。この手順は、実施例7、化合物32の条件に基づくものであり得る。
【0425】
工程(vi):官能基NHBocの保護;この反応は、THFまたはDMFなどの極性非プロトン性溶媒中で、1当量の塩基、例えば水素化ナトリウム、続いてハロゲン化ベンジル、例えば塩化ベンジルでの処理によって行う。
【0426】
工程(vii):ベンジル基の開裂およびアジド官能基の還元;この反応は、メタノールなどのプロトン性溶媒中、水酸化パラジウムなどの触媒の存在下での水素を用いて行う。
【0427】
工程(viii):アルデヒドでの還元アミノ化によるアミンのアルキル化;この反応は、室温で、DCMなどの無水極性非プロトン性溶媒中、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤および、必要な場合には、触媒としての酢酸の存在下で行う。
【0428】
工程(ix):NHBoc基のアルキル化;この反応は、THFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、ハロゲン化アルキルなどの離核性基を有する試薬の存在下、水素化ナトリウムなどの塩基での処理によって行う。この手順は、実施例6、化合物25の条件に基づくものであり得る。
【0429】
アミン官能基がBoc基で保護されているまたはそうでないアミノ−PEG−アルコールは、市販されており(例えば、N−Boc−アミノエトキシエトキシエタノールもしくは1−アミノ−3,6,9−トリオキサウンデカニル−11−オール)、またはUS7230101に記載されている手順に従ってPEGジオール(i=3から12のものについては市販されている。)から調製することができる。カルボン酸ZaS−ALK−COH、例えば4−メチル−4−(メチルジチオ)ペンタン酸は、市販されており、またはハロゲン化カルボン酸からチオ酢酸カリウムおよびメタンチオスルホナートタイプの誘導体での逐次的処理により調製することができる。
【0430】
LP23
【0431】
【化152】
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は下記のスキームに従って調製される:
【0432】
12=Hの場合
【0433】
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
【0434】
12≠Hの場合
【0435】
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
【0436】
工程(i):メシラート形態のアルコールの活性化;この反応は、DCMなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、TEAなどの塩基の存在下、塩化メシルでの処理により行う。
【0437】
工程(ii):遊離チオールの形成;この反応は、エタノール/水混合物などの還流極性プロトン性溶媒中で、逐次的二工程:チオウレアでのメシラートの置換、続いて、水酸化ナトリウムなどの塩基を添加することによるイソチオウロニウム塩のインサイチュー加水分解で行う。
【0438】
工程(iii):チオールの保護;この反応は、エタノール/水混合物などの極性溶媒の混合物中で、炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下、メタンチオスルホナート官能基、例えばメタンチオスルホン酸メチルを含む試薬を用いて行う。
【0439】
工程(iv):塩酸の溶液(例えば、ジオキサン中の溶液)またはトリフルオロ酢酸の溶液を使用する脱保護。
【0440】
工程(v):アミンのアルキル化;この反応は、THFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、ハロゲン化アルキルなどの離核性基を有する試薬の存在下、水素化ナトリウムなどの塩基での処理によって行う。
【0441】
アミン官能基がBoc基で保護されているまたは保護されていないアミノ−PEG−アルコールは、市販されており(例えば、N−Boc−アミノエトキシエトキシエタノールもしくは1−アミノ−3,6,9−トリオキサウンデカニル−11−オール)、またはUS7230101に記載されている手順に従ってPEGジオール(i=3から12のものについては市販されている。)から調製することができる。
LP24
【0442】
【化155】
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は下記のスキームに従って調製される:
【0443】
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
【0444】
工程(i):NHSエステルの形態でのFmoc−L−バリンの活性化;この反応は、THFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、DCCなどのカップリング剤の存在下、NHSでの処理によって行う。
【0445】
工程(ii):Fmoc−L−バリン−NHSとL−シトルリンとのペプチドカップリング;この反応は、ジメトキシエタン/THF/水混合物などの極性溶媒中、重炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下で行う。
【0446】
工程(iii):4−アミノベンジルアルコールとのペプチドカップリング;この反応は、DCM/メタノール混合物などの極性溶媒中、EEDQなどのカップリング剤の存在下で行う。
【0447】
工程(iv):アミンFmocの脱保護;この反応は、DCM/メタノール混合物などの極性溶媒中、ジエチルアミンなどの塩基の存在下で行う。
【0448】
工程(v):NHSエステル形態でのカルボン酸の活性化;この反応は、DCMなどの極性非プロトン性溶媒中で、EDCI塩酸塩などのカップリング剤の存在下、NHSでの処理によって行う。
【0449】
工程(vi):ジペプチドとNHSエステルとのペプチドカップリング;この反応は、室温で、DCM/アセトニトリル混合物などの極性非プロトン性溶媒中で行う。
【0450】
アリルエステル形態でモノ保護された二酸は、n=2のもの(コハク酸モノアリル)については市販されており、またはメチルもしくはt−ブチルモノエステル(n=2から6のものについては市販されている。)のエステル交換によって調製することができる。
【0451】
LP25
【0452】
【化157】
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は下記のスキームに従って調製される:
【0453】
【化158】
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【0454】
工程(i):NHSエステル形態でのFmoc−L−バリンの活性化;この反応は、THFなどの無水極性非プロトン性溶媒中で、DCCなどのカップリング剤の存在下、NHSでの処理によって行う。
【0455】
工程(ii):Fmoc−L−バリン−NHSとL−シトルリンとのペプチドカップリング;この反応は、DME/THF/水混合物などの極性溶媒中、重炭酸ナトリウムなどの塩基の存在下で行う。
【0456】
工程(iii):4−アミノベンジルアルコールとのペプチドカップリング;この反応は、DCM/メタノール混合物などの極性溶媒中、EEDQなどのカップリング剤の存在下で行う。
【0457】
工程(iv):アミンFmocの脱保護;この反応は、DCM/メタノール混合物などの極性溶媒中、ジエチルアミンなどの塩基の存在下で行う。
【0458】
工程(v):NHSエステル形態のカルボン酸の活性化;この反応は、室温で、DCMなどの極性非プロトン性溶媒中で、固定型DCCなどのカップリング剤の存在下、NHSでの処理によって行う。
【0459】
工程(vi):ジペプチドとNHSエステルとのペプチドカップリング;この反応は、室温で、DCM/アセトニトリル混合物などの極性非プロトン性溶媒中で行う。
【0460】
アリル形態でモノ保護されたPEG二酸は、リンカーL14の調製の説明に従って調製する。
【0461】
LP26
【0462】
【化159】
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【0463】
ブロモ酢酸およびヨード酢酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イルは、市販製品であり、これらのCAS番号は、それぞれ、42014−51−7および39028−27−8である。
【0464】
【表3】
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【0465】
コンジュゲートを調製するための方法
コンジュゲートは、
(i)結合剤の場合により緩衝された水溶液と式(II)のクリプトフィシン誘導体の溶液とを接触させ、放置して反応させる工程;
(ii)ならびにこの後、工程(i)において形成されたコンジュゲートをクリプトフィシン誘導体からおよび/または未反応結合剤からおよび/または形成された任意の凝集体から場合により分離する工程
に存する方法によって得られる。
【0466】
さらに特に、工程(ii)において、工程(i)からのコンジュゲートを未反応クリプトフィシン誘導体からおよび形成された任意の凝集体からのみ分離し、任意の未反応結合剤を溶液中に残す。
【0467】
接触させることの目的は、化学基RCG1と化学基RCG2を反応させて、共有結合の形成によりクリプトフィシン誘導体を結合剤に確実に結合させることであり;好ましくは
RCG1が−SZを表すとき:結合剤を、修飾剤で、該結合剤上に適する基RCG2、とりわけ表Iの第二列に記載したもの:
RCG1が−SHを表す場合、ジスルフィド化学基;
RCG1が、SZ(この場合、Z≠H)を表す場合、チオール化学基;
RCG1が−SHを表す場合、マレイミドまたはヨードアセトアミド化学基、
を導入するように修飾する。;
抗体(MAb)の場合のコンジュゲートの式は、表Iの第4列において見つけられる;
RCG1が、−C(=O)−Zを表すとき:前記反応は、好ましくは、結合剤のアミノ官能基、とりわけ抗体のリシン(Lys)残基の側鎖が持つε−アミノ基に対して起こる。抗体(MAb)の場合、次の式のコンジュゲートが、この場合、得られる:MAb−[NH−C(=O)−L*−Crypto](この場合、L*=(RCG1=−C=(=O)−Zを含み、およびL=−L*C(=O)−Zのような)リンカーLのフラグメント);
G=−(CHYの場合の式(III)のクリプトフィシン誘導体が存在する場合には、結合剤は、Y=−Clのとき基−SHを、Y=−Nのとき基−C≡CHを、またはY=−OHもしくは−NHのときカルボン酸基を含む;
マレイミドまたはハロアセトアミドタイプの反応性化学基RCG1を含むクリプトフィシン誘導体が存在する場合には、結合剤は、チオール化学基を含む。
【0468】
用語「凝集体」は、2つ以上結合剤の間で形成し得る会合体を意味し、前記結合剤は、コンジュゲーションによってことによると修飾されている。凝集体は、多種多様なパラメータ、例えば、溶液中の結合剤の高い濃度、溶液のpH、高い剪断力、グラフトされているダイマーの数およびこれらのダイマーの疎水性、温度の影響を受けて形成しやすい(「J.Membrane Sci.」2008、318、311−316の序論に引用されている参考文献を参照のこと)が、これらのパラメータのうちの幾つかの影響は、明確に解明されていない。タンパク質または抗体の場合、AAPS Journal、「Protein Aggregation and Bioprocessing」2006、8(3)、E572−E579を参照してもよい。凝集体含有量は、SECなどの公知の技術によって決定することができる(この技術に関しては、「Analytical Biochemistry」1993、212(2)、469−480参照)。
【0469】
結合剤の水溶液を、例えば、緩衝液、例えばリン酸カリウムもしくはN−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES緩衝液)、または緩衝液の混合物、例えば後で説明する緩衝液Aで緩衝することができる。緩衝液は、結合剤の性質に依存する。クリプトフィシン誘導体を極性有機溶媒、例えばDMSOまたはDMAに溶解する。
【0470】
反応を一般には20℃と40℃の間の温度で行う。反応時間は、1時間と24時間の間で様々であり得る。屈折率および/または紫外線検出器を伴うSECによって抗体とクリプトフィシン誘導体との反応をモニターして、この反応の進行度を決定することができる。置換度が不十分である場合、反応をより長く放置してもよく、および/またはクリプトフィシン誘導体を添加してもよい。特定の条件に関するさらなる詳細については実施例の節で与える一般法を参照することができる。特定の実施形態を実施例9、10、11、25、26および27において説明する。
【0471】
当業者は、工程(ii)の分離のために自由に使える様々なクロマトグラフ技術を有する:コンジュゲートを、例えば、立体排除クロマトグラフィー(SEC)により、吸着クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、IEC)により、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)により、アフィニティークロマトグラフィーにより、セラミックハイドロキシアパタイトなどの混合支持体を用いるクロマトグラフィーにより、またはHPLCにより、精製することができる。透析またはダイアフィルトレーションによる精製を用いることもできる。
【0472】
工程(i)または(ii)の後、コンジュゲートの溶液を限外濾過および/またはダイアフィルトレーション工程(iii)に付してもよい。このようにして、これらの工程の後、水溶液の状態のコンジュゲートが得られる。
【0473】
抗体
抗体(抗体に関しては、Janewayら、「Immunobiology」、第5版、2001,Garland Publishing、New York参照)は、とりわけWO04/043344、WO08/010101、WO08/047242、WO05/009369(抗CA6)またはWO2010/014812に記載されているものから選択することができる。場合により、抗体を、修飾剤で、クリプトフィシン誘導体の結合を促進するように修飾してもよい(上記参照)。抗体は、とりわけ、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体または多重特異性抗体であり得る。抗体フラグメントである場合もある。マウス、ヒト、ヒト化またはキメラ抗体である場合もある。
【0474】
コンジュゲート
コンジュゲートは、一般に、結合剤に共有結合で結合している約1から10のクリプトフィシン誘導体を含む(このことが、グラフト度、または「薬物対抗体比」即ち「DAR」である。)。この数は、結合剤のおよびクリプトフィシン誘導体の性質の関数として変化し、ならびにまた、コンジュゲーション工程で用いられる操作条件(例えば、結合剤に対するクリプトフィシン誘導体の当量数、反応時間、溶媒のおよび任意の補助溶媒の性質)の関数として変化する。結合剤とクリプトフィシン誘導体を接触させると、異なるDARにより互いに個々に区別される幾つかのコンジュゲート、場合により未反応結合剤、場合により凝集体を含む混合物となる。従って、最終溶液に関して決定するDARは、平均DARに相当する。
【0475】
結合剤が抗体である場合、UV分光法が、DARを決定するために用いられる方法であり得る。この方法は、Antony S.Dimitrov(編者)、LLC、2009、(「Therapeutic Antibodies and Protocols」、vol.525、445、Springer Scienceに提示されているものに基づく。この方法は、分離工程(ii)の後、コンジュゲートの溶液の吸光度を、λ1およびλ2と示す2つの波長で測定することに存する。コンジュゲーション前に測定した裸の抗体のおよびクリプトフィシン誘導体の下記のモル吸光係数を用いる。
【0476】
λ1およびλ2でのコンジュゲート溶液の吸光度(Aλ1)および(Aλ2)を、SECスペクトルの対応するピークを用いて(この方法により「DAR(SEC)」を計算することができる。)または標準的なUV分光光度計を使用することによって(この方法により「DAR(UV)」を計算することができる。)測定する。吸光度は、
λ1=(c×εDλ1)+(c×εAλ1))
λ2=(c×εDλ2)+(c×εAλ2
の形で表示することができ、これらの方程式について、
およびcは、それぞれ、クリプトフィシン誘導体に関するコンジュゲートの部分の溶液中の濃度、および抗体に関するコンジュゲートの部分の溶液中の濃度を示し;
εDλ1およびεDλ2は、それぞれ、コンジュゲーション前のクリプトフィシン誘導体についての2つの波長λ1およびλ2でのモル吸光係数を示し、これらの係数は、Z=−SMeの場合のタイプSZの式(II)の化合物およびZ=OMeまたはOCH−CH=CHの場合のタイプ−C(=O)−Zの式(II)の化合物に関して測定したものであり;
εAλ1およびεAλ2は、それぞれ、波長λ1およびλ2での裸の抗体のモル吸光係数を示す。
【0477】
用語「裸の抗体」は、クリプトフィシン誘導体に結合していない抗体、即ち、コンジュゲーション工程前の抗体を意味する。
【0478】
これら2つの方程式を解くと、
=[(εAλ1×Aλ2)−(εAλ2×Aλ1)]/[(εDλ2×εAλ1)−(εAλ2×εDλ1)]
=[Aλ1−(c×εDλ1)]/εAλ1
となる。
【0479】
従って、平均DARは、c/cに対応する。クリプトフィシン誘導体の場合、波長λ1=280nmを考えることができ、クリプトフィシン誘導体の性質に依存して、λ2は、特定波長範囲246nm−252nm内で選択される。DAR(UV)は、好ましくは0.5より大きく、さらに特に1と10の間、およびさらにいっそう特に2と7の間である。
【0480】
前記コンジュゲートを抗癌剤として使用することができる。結合剤の存在のため、前記コンジュゲートは、健常細胞ではなく腫瘍細胞に対して高選択的になる。このことにより、クリプトフィシン誘導体を腫瘍に似た環境に向けることまたは腫瘍に直接向けることが可能になる;(このことに関しては、癌治療におけるモノクローナル抗体コンジュゲートの使用を記載している以下の出版物を参照のこと:「Antibody−drug conjugates for cancer therapy」、Carter P.J.ら、Cancer J.2008、14、154−169;「Targeted cancer therapy:conferring specificity to cytotoxic drugs」、Chari R.、Acc.Chem.Res.2008,41,98−107)。固形癌または液状癌を治療することが可能である。前記コンジュゲートは、単独で使用することができ、または少なくとも1つの他の抗癌剤と併用することができる。
【0481】
前記コンジュゲートは、一般には1mg/mLと10mg/mLの間の濃度の、緩衝水溶液の形態で調合される。この溶液自体を潅流形態で注入することができ、またはこの溶液を再希釈して潅流溶液を作ることができる。
【0482】
(実施例)
用いる分析法
高圧液体クロマトグラフィー−質量分析法(LCMS)
方法A1
この分析は、Waters ZQマシンおよびXBridge C18 2.5μm(3×50mm)カラムにより、70℃で、0.9mL/分の流量、(A)水/0.1%ギ酸のおよび(B)アセトニトリル/0.1%ギ酸の溶出勾配(7分)(勾配:5.3分かけて5%から100%B;5.5分:100%B;6.3分:5%B)ならびにポジティブおよび/またはネガティブモードでのエレクトロスプレーイオン化を用いて行う。
【0483】
方法A2
この分析は、Waters UPLC−SQDマシンおよびAcquity BEH C18 1.7μm(2.1×50mm)カラムにより、50℃で、1mL/分の流量、(A)水/0.1%ギ酸のおよび(B)アセトニトリル/0.1%ギ酸の溶出勾配(2分)(勾配:0.8分かけて5%から50%B;1.2分:100%B;1.85分:100%B;1.95分:5%B)ならびにポジティブおよび/またはネガティブモードでのエレクトロスプレーイオン化を用いて行う。
【0484】
方法A3
この分析は、Waters UPLC−SQDマシンおよびAcquity BEH C18 1.7μm(2.1×50mm)カラムにより、70℃で、1mL/分の流量、(A)水/0.1%ギ酸のおよび(B)アセトニトリル/0.1%ギ酸の溶出勾配(2分)(勾配:1分かけて5%から50%B;1.3分:100%B;1.45分:100%B;1.75分:5%B)ならびにポジティブおよび/またはネガティブモードでのエレクトロスプレーイオン化を用いて行う。
【0485】
方法A4
この分析は、Waters ZQマシンおよびPhenomenex Kinetex C18 100A 2.6μm(3×50mm)カラムにより、45℃で、1mL/分の流量、(A)水/0.1%ギ酸のおよび(B)アセトニトリル/0.1%ギ酸の溶出勾配(6分)(勾配:6%B:0.8分;4.1分かけて6%から100%B;4.8分:100%B;5.0−6.0分:6%B)ならびにポジティブおよび/またはネガティブモードでのエレクトロスプレーイオン化を用いて行う。
【0486】
方法A5
この分析は、Waters ZQマシンおよびPhenomenex Kinetex C18 2.6μm(3×1000mm)カラムにより、50℃で、0.8mL/分の流量、(A)水/0.1%ギ酸のおよび(B)アセトニトリル/0.1%ギ酸の溶出勾配(8分)(勾配:4%B:0.15分;6.85分かけて4%から100%B;7.1分:100%B;7.4−8.2分:4%B)ならびにポジティブおよび/またはネガティブモードでのエレクトロスプレーイオン化を用いて行う。
【0487】
質量分析法(MS)
Waters GCTマシンへの直接導入(LCなしの直接導入)によりスペクトルを獲得した。
【0488】
立体排除クロマトグラフィー−高分解能質量分析法(SEC−HRMS)
この分析は、コンジュゲートの事前の脱グリコシル化工程を必要とすることがある。この工程は、コンジュゲート溶液に2容量%の酵素PNGase F溶液(N−グリカナーゼ酵素の凍結乾燥物100単位のフラスコをMilliQ水で100mLにすることによって調製したもの)を添加することによって行う。この溶液をボルテックスにより均質化し、37℃で19時間インキュベートする。脱グリコシル化サンプルのSEC−HRMSによる分析のための準備が整う。クロマトグラフ分析は、Agilent HP1100マシンおよびWaters Biosuite 250 HR SEC 4μm(4.6×300mm)カラムにより、30℃で、0.4mL/分の流量および(A)25mMギ酸アンモニウムpH=7/(B)アセトニトリル70/30の15分間の均一濃度溶離を用いて行う。質量分析法は、Waters QTOF IIマシンにより、ポジティブモードでのエレクトロスプレーイオン化を用いて行う。質量スペクトルをWaters MaxEnt1ソフトウェアでデコンボリューションする。
【0489】
立体排除クロマトグラフィー(SEC HPLC)
この分析は、L2455 DAD分光光度検出器を備えたMerck Lachrom Elite HPLCマシン、およびTosoh Bioscience TSKgel G3000 SWXL 5μm(7.8×300mm)カラムにより、0.5mL/分の流量、および0.2MのKClと0.052MのKHPOと20容量%のイソプロパノールとを含有するpH7緩衝液での30分の均一濃度溶離を用いて行う。
【0490】
H核磁気共鳴(NMR)
H NMRスペクトルは、モデルDRX−300、DRX−400、DRX−500またはDRX−600いずれかのBruker Avance分光計により獲得した。化学シフトをppmで与える。
【0491】
−SZを末端に有するリンカーLを含むクリプトフィシン誘導体の場合のコンジュゲートを調製するために使用する一般法
逐次的二工程での方法
第一工程
先ず、抗体を活性化NHSエステルで修飾して、抗体の表面にピリジルジスルフィド基を導入する。0.05Mのリン酸カリウムと0.05MのNaClとを含有する水性pH6.5緩衝液(緩衝液Aと呼ぶ)中の抗体hu2H11の溶液を、最終抗体濃度が5mg/mLと10mg/mLの間になるようにおよび該水性緩衝液中のDMAの百分率が5%になるようにDMAに溶解した5から10当量のNHS活性化エステルで処理する。反応を2時間、室温で継続する。この混合物を、0.05MのHEPESと0.05MのNaClと2mMのEDTAとを含有する水性pH8緩衝液中で前もって平衡させたゲル(Sephadex(商標)G25マトリックス、GE Healthcare)を用いる濾過カラムに入れる。修飾抗体をpH8 HEPES緩衝液で溶出させ、回収し、UV分光法によって検定して、サンプルの抗体濃度およびピリジルジスルフィド基の数を決定する。修飾抗体の試料をジチオトレイトールで処理してジスルフィド結合を還元し、放出されたピリジン−2−チオンを分光法によって検定する(吸光係数:ε343nm:8080M−1cm−1、ε280nm:ピリジン−2−チオンについては5100M−1cm−1、ε280nm:抗体については208380M−1cm−1)。平均で、1抗体分子あたり3から6のピリジルジスルフィド基がグラフトされる。
【0492】
第二工程
第一工程からの修飾抗体溶液を、上記で説明した水性pH8緩衝液で希釈し、この後、最終抗体濃度が3mg/mLになるようにおよび該水性緩衝液中のDMAの百分率が20%になるようにクリプトフィシン誘導体(5当量)の溶液で処理する;クリプトフィシン誘導体の当量数を、第一工程中に導入されたピリジルジスルフィド分子数に対して表示する。反応を一晩、30℃でまたは約2000rpmで攪拌しながら継続する。この混合物をSEC HPLCによって分析して、抗体へのクリプトフィシン誘導体のグラフト度を決定する。置換度が不十分である場合、前記混合物をDMA中1から5当量の追加のクリプトフィシン誘導体で、3時間、30℃でまたは約2000rpmで攪拌しながら処理する。混合物をMillex(登録商標)−SV 5μmフィルター(PVDF膜、Durapore、Millipore)によって濾過し、この後、0.01Mのリン酸塩と0.14MのNaClと10%から20%のNMPとを含有する水性pH6.5緩衝液で前もって平衡させたSuperdex 200pgマトリックス(HiLoad 16/60脱塩カラム、GE Healthcare)を使用するゲル濾過によって精製する。モノマー形態のコンジュゲート化抗体を含有する画分を回収し、プールし、Amicon Ultra−15(Ultracel 10kまたは50k膜、Millipore)で2mg/mLと5mg/mLの間の濃度に濃縮する。緩衝液の交換を最後に行って、コンジュゲート保存緩衝液から有機溶媒を除去する。組成およびpHがそれぞれのコンジュゲートに適している水性緩衝液で前もって平衡させたSephadex(商標)G25マトリックス(Nap−5、−10、PD−10、Hiprep 26/10脱塩カラム、GE Healthcare)から成るゲル濾過カラムに入れる。抗体および対応するクリプトフィシン誘導体について決定した吸光係数を用いてUV分光法により最終コンジュゲートを検定して、抗体濃度および1抗体あたりの平均細胞傷害性因子数(cytotoxic number)を判定する。コンジュゲートのSEC−HRMSスペクトルのデコンボリューションから置換度も計算することができる。
【0493】
「ワン・ポット」二工程法
先ず、抗体を活性化NHSエステルによって修飾して、抗体の表面にピリジルジスルフィド基を導入する。0.05Mのリン酸カリウムと0.05MのNaClとを含有する水性pH6.5緩衝液中の抗体hu2H11の溶液をpH6.5リン酸緩衝液およびHEPESの1N水溶液で、初期pH6.5リン酸緩衝液のおよびHEPESの最終比率が96/4になるように希釈して、pH≒7.5−8を得る。この抗体溶液を、最終抗体濃度が5mg/mLと10mg/mLの間になるようにおよび水性緩衝液中のDMAの百分率が5%になるようにDMAに溶解したNHS活性化エステル5から10当量で処理する。反応を2時間、室温で継続する。このように修飾した抗体溶液を、pH6.5リン酸緩衝液とHEPESの96/4混合物で直接希釈し、この後、最終抗体濃度が3mg/mLになるようにおよび前記水性緩衝液中のDMAの百分率が20%になるようにDMA中のクリプトフィシン誘導体(4当量)の溶液で処理する;クリプトフィシン誘導体の当量数を、第一工程中に導入されたNHS活性化エステルの当量数に対して表示する。反応を一晩、30℃でまたは約2000rpmで攪拌しながら継続する。この混合物をSEC HPLCによって分析して、抗体へのクリプトフィシン誘導体のグラフト度を決定する。置換度が不十分である場合、前記混合物をDMA中1から5当量のさらなるクリプトフィシン誘導体で、3時間、30℃でまたは約2000rpmで攪拌しながら処理する。混合物をMillex(登録商標)−SV 5μmフィルター(PVDF膜、Durapore、Millipore)によって濾過し、この後、0.01Mのリン酸塩と0.14MのNaClと10%から20%のNMPとを含有する水性pH6.5緩衝液で前もって平衡させたSuperdex 200pgマトリックス(HiLoad 16/60脱塩カラム、GE Healthcare)を使用するゲル濾過によって精製する。モノマー形態のコンジュゲート化抗体を含有する画分を回収し、プールし、Amicon Ultra−15(Ultracel 10kまたは50k膜、Millipore)で2mg/mLと5mg/mLの間の濃度に濃縮する。緩衝液の交換を最後に行って、コンジュゲート保存緩衝液から有機溶媒を除去する。組成およびpHがそれぞれのコンジュゲートに適している水性緩衝液で前もって平衡させたSephadex(商標)G25マトリックス(Nap−5、−10、PD−10、Hiprep 26/10脱塩カラム、GE Healthcare)から成るゲル濾過カラムに入れる。抗体および対応するクリプトフィシン誘導体について決定した吸光係数を用いてUV分光法により最終コンジュゲートを検定して、抗体濃度および1抗体あたりの平均細胞傷害性因子数を判定する。コンジュゲートのSEC−HRMSスペクトルのデコンボリューションから置換度も計算することができる。
【0494】
−C(=O)Zを末端に有するリンカーを含むクリプトフィシン誘導体の場合のコンジュゲートを調製するために使用する一般法
0.05MのHEPESと0.05MのNaClと2mMのEDTAとを含有する水性pH8緩衝液中のまたは0.05Mのリン酸カリウムと0.05MのNaClとを含有する水性pH6.5緩衝液/1N HEPESの96/4混合物から成る水性pH8緩衝液中の抗体hu2H11の溶液を、最終抗体濃度が3mg/mLになるようにおよび水性緩衝液中のDMAの百分率が20%になるようにDMA中の溶液(クリプトフィシン誘導体に対して過剰量)で処理する。反応を3時間、30℃でまたは約2000rpmで攪拌しながら継続する。この混合物をSEC HPLCによって分析して、モノマー抗体集団に関する細胞傷害剤のグラフト度を決定する。置換度が不十分である場合、前記混合物をDMA中1から5当量のさらなるクリプトフィシン誘導体で、3時間、30℃でまたは約2000rpmで攪拌しながら処理する。混合物をMillex(登録商標)−SV 5μmフィルター(PVDF膜、Durapore、Millipore)によって濾過し、この後、0.01Mのリン酸塩と0.14MのNaClと10%から20%のNMPとを含有する水性pH6.5緩衝液で前もって平衡させたSuperdex 200pgマトリックス(HiLoad 16/60脱塩カラム、GE Healthcare)を使用するゲル濾過によって精製する。モノマー形態のコンジュゲート化抗体を含有する画分を回収し、プールし、Amicon Ultra−15(Ultracel 10kまたは50k膜、Millipore)で2mg/mLと5mg/mLの間の濃度に濃縮する。緩衝液の交換を最後に行って、コンジュゲート保存緩衝液から有機溶媒を除去する。組成およびpHがそれぞれのコンジュゲートに適している水性緩衝液で前もって平衡させたSephadex(商標)G25マトリックス(Nap−5、−10、PD−10カラムまたはHiperp 26/10脱塩カラム、GE Healthcare)から成るゲル濾過カラムに入れる。抗体および対応するクリプトフィシン誘導体について決定した吸光係数を用いてUV分光法により最終コンジュゲートを検定して、抗体濃度およびグラフト度を測定する。コンジュゲートのSEC−HRMSスペクトルのデコンボリューションから置換度も計算することができる。
【0495】
抗体hu2H11の場合について説明した方法を他の抗体におよび他の結合剤にも同様に適用することができる。
【実施例1】
【0496】
(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−(4−メルカプト−4−メチルペンタノイル)ピペラジン−1−イルメチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0497】
【化160】
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【0498】
化合物2:(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−16−{(S)−1−[(R)−3−(4−クロロメチルフェニル)オキシラニル]エチル}−3−イソブチル−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザビシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0499】
【化161】
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【0500】
化合物1(30mg;42.9μmol、Al−awar R.S.ら、「J.Med.Chem.」2003、46、2985−3007に従って調製したもの)を無水DMF(2mL)に溶解し、この混合物を0℃に冷却し、この後、TEA(107μmol)および次いでCMS(64.6μmol)を添加する。15分後、浴を取り外し、攪拌を12時間、室温で継続する。混合物をEtOAc(2mL)の添加によって希釈し、有機相を水(2×1mL)で、NaHCO飽和水溶液(1mL)でおよびNaCl飽和水溶液(1mL)で洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、濾過および減圧下での溶媒の蒸発後、生成物2を、結晶化する無色の油の形態で得る(25mg;81%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.77−0.83(m,6H);1.02(s,3H);1.04−1.07(m,3H);1.14(s,3H);1.29−1.36(m,1H);1.54−1.63(m,2H);1.80−1.87(m,1H);2.24−2.33(m,1H);2.63−2.73(m,2H);2.96−3.06(m,3H);3.28−3.32(m,1H);3.83(s,3H);3.93(d,J=1.6Hz,1H);4.27(ddd,J=11.3,8.0,3.6Hz,1H);4.78(s,2H);4.93(dd,J=9.6,3.6Hz,1H);5.13(dd,J=10.8,5.1Hz,1H);5.81(d,J=14.8Hz,1H);6.49(ddd,J=15.0,11.2,3.7Hz,1H);7.07(d,J=8.5Hz,1H);7.18(dd,J=8.5,1.9Hz,1H);7.23(d,J=9.6Hz,1H);7.29(d,J=1.9Hz,1H);7.34(d,J=8.2Hz,2H);7.47(d,J=8.2Hz,2H);8.35(d,J=8.2Hz,1H)。LCMS(A1):ES m/z=713[M+H]+;m/z=715[M−H]−;=5.17分。
【0501】
化合物4:2,5−ジオキソピロリジン−1−イル4−メチル−4−メチルジスルファニルペンタノアート
【0502】
【化162】
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【0503】
DCM(30mL)中の化合物3(3.05g、15.7mmol、WO2007/085930に従って調製したもの)の、アルゴンでパージした溶液に、NHS(17.3mmol)およびEDCIクロリド(17.3mmol)を順次添加する。この混合物を3時間、室温で攪拌し、この後、pH6リン酸緩衝液(2×30mL)でおよび次いでNaCl飽和溶液(30mL)で洗浄し、MgSOで脱水し、濃縮乾固させる。結晶化する、得られた琥珀色の油を、75/25 ヘプタン/EtOAc混合物で洗浄し、焼結漏斗により濾過して化合物4を白色固体の形態で得る(2.08g、45%)。濾液を濃縮乾固させ、得られた粗生成物を、50/50から0/100のヘプタン/EtOAc混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。期待生成物を含有する画分を濃縮乾固させ、イソプロピルエーテル(5mL)に溶かす;沈殿を焼結漏斗によって濾過して、期待生成物4を得る(1g、22%)。H NMR(400MHz、DMSO−d6):1.29(s,6H);1.92 to 1.98(m,2H);2.41(s,3H);2.72 to 2.78(m,2H);2.81(s,4H)。LCMS(A4):EI m/z=291[M+H]
【0504】
化合物5:4−(4−メチル−4−メチルジスルファニルペンタノイル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【0505】
【化163】
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【0506】
化合物4(200mg、686μmol)、1−Boc−ピペラジン(686μmol)、TEA(755μmol)およびDMF(1.6mL)をWheattonチューブに入れる。この混合物を室温で一晩攪拌し、この後、EtOAc(5mL)で希釈し、水(2×5mL)で洗浄し、MgSOで脱水し、濃縮乾固させる。この粗生成物をイソプロピルエーテル(3mL)に溶かし;沈殿を焼結漏斗によって濾過して化合物5を得る(213g、86%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.27(s,6H);1.41(s,9H);1.73 to 1.87(m,2H);2.34 to 2.41(m,2H);2.40(s,3H);3.23 to 3.36(partially masked m,4H);3.39 to 3.45(m,4H)。LCMS(A2):ES m/z=363[M+H];m/z=307[M+H−C;t=108分。
【0507】
化合物6:4−メチル−4−メチルジスルファニル−1−ピペラジン−1−イルペンタン−1−オン・塩酸塩
【0508】
【化164】
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【0509】
ジオキサン(4.4mL)中の化合物5(213mg、588μmol)の溶液に、ジオキサン中のHClの4M溶液(4.4mL)を添加する。攪拌を4時間、室温で継続する。この混合物を焼結漏斗によって濾過し、得られた固体をジオキサン(2mL)および次いでイソプロピルエーテル(2mL)ですすいて、化合物6(132mg、75%)をクリーム色の固体の形態で得る。H NMR(500MHz、DMSO−d):1.27(s,6H);1.73 to 1.85(m,2H);2.37 to 2.45(m,2H);2.40(s,3H);2.98 to 3.15(m,4H);3.62 to 3.73(m,4H);9.39(broad m,2H)。LCMS(A1):ES m/z=263[M+H];t=2.40分。
【0510】
化合物7:(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−6,6−ジメチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−(4−メチル−4−メチルジスルファニルペンタノイル)ピペラジン−1−イルメチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0511】
【化165】
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【0512】
化合物1(20.3mg;29.0μmol)を無水DMF(0.77mL)およびTEA(72.6μmol)に溶解し、この後、CMS(43.6μmol)を添加する。室温で12時間後、形成された生成物2を単離せず、TEA(58.0μmol)および次いで4−メチル−4−メチルジスルファニル−1−ピペラジン−1−イルペンタン−1−オン・塩酸塩6(34.8μmol)を添加する。この混合物をさらに72時間、室温で攪拌し、この後、EtOAc(10mL)で希釈する。有機相を水(2×2mL)で、NaHCO飽和水溶液(2mL)でおよびNaCl飽和水溶液(2mL)で洗浄する。MgSOで脱水し、濾過した後、溶媒を減圧下で蒸発させる。この粗反応生成物を、99/1から98/2 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。白色固体、7を得る(5.7mg;21%)。TLC(DCM 90/MeOH 10):Rf=0.6;H NMR(400MHz、DMSO−d):0.75−0.81(m,6H);1.01(s,3H);1.05(d,J=6.8Hz,3H);1.12(s,3H);1.26(s,6H);1.28−1.33(m,1H);1.52−1.61(m,2H);1.76−1.83(m,2H);2.27−2.38(m,4H);2.39(s,3H);2.64−2.74(m,2H);2.95−3.05(m,2H);3.24−3.34(m,6H);3.44(br.s.,4H);3.49(s,2H);3.81(s,3H);3.88(d,J=1.7Hz,1H);4.22−4.29(m,1H);4.92(dd,J=9.9,3.5Hz,1H);5.08−5.15(m,1H);5.81(d,J=14.2Hz,1H);6.48(ddd,J=15.2,11.3,3.5Hz,1H);7.05(d,J=8.6Hz,1H);7.17(dd,J=8.4,2.3Hz,1H);7.22(d,J=9.3Hz,1H);7.25−7.34(m,5H);8.34(d,J=8.1Hz,1H);LCMS(A1):ES m/z=943[M+H];m/z=941[M−H];t=4.03分。
【0513】
実施例1:(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−6,6−ジメチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−(4−メルカプト−4−メチルペンタノイル)ピペラジン−1−イルメチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0514】
【化166】
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【0515】
生成物7(9.6mg;10.2μmol)をエタノール(1.2mL)/水(1mL)の混合物に溶解する。混合物が濁ってくる。この後、TCEP(25.4μmol)を添加し、混合物を5時間、室温で攪拌する。混合物をEtOAcの添加によって希釈し、有機相を、水およびNHCl飽和水溶液の1/1混合物(1mL)で洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、濾過し、減圧下で溶媒を蒸発させた後、最終生成物、Ex.1を白色固体の形態で得る(6.5mg;71%)。TLC(DCM 90/MeOH 10):Rf=0.56;H NMR(500MHz、DMSO−d):0.76−0.81(m,6H);1.01(s,3H);1.06(d,J=6.8Hz,3H);1.13(s,3H);1.24(s,6H);1.27−1.31(m,1H);1.56−1.64(m,2H);1.73−1.85(m,3H);2.26−2.33(m,3H);2.36−2.45(m,4H);2.63−2.75(m,2H);2.95−3.06(m,3H);3.34−3.36(m,1H);3.42−3.51(m,6H);3.82(s,3H);3.89(s,1H);4.22−4.29(m,1H);4.92(dd,J=9.8,3.4Hz,1H);5.12(dd,J=10.8,4.9Hz,1H);5.81(d,J=15.2Hz,1H);6.48(ddd,J=15.0,11.4,3.4Hz,1H);7.06(d,J=8.3Hz,1H);7.18(dd,J=8.3,1,5Hz,1H);7.24(d,J=9.8Hz,1H);7.26−7.36(m,5H);8.37(d,J=7.8Hz,1H);LCMS(A2):ES m/z=897[M+H];m/z=895[M−H];t=0.97分。
【実施例2】
【0516】
(E)−(3S,6R,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−(4−メルカプト−4−メチルペンタノイル)ピペラジン−1−イルメチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−6−メチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0517】
【化167】
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【0518】
化合物9:(E)−(3S,6R,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−16−{(S)−1−[(R)−3−(4−クロロメチルフェニル)オキシラニル]エチル}−3−イソブチル−6−メチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0519】
【化168】
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【0520】
化合物8(49mg;71.4μmol、この化合物は、Al−awar R.S.ら、「M.Med.Chem.」2003、46、2985−3007に従って調製することができる。)を無水DCM(5mL)に溶解し、この混合物を0℃に冷却し、この後、DIPEA(428μmol)および次いでCMS(214μmol)を添加する。混合物を放置して室温に戻し、40時間、室温で攪拌を継続する。この混合物を5mLの水で加水分解し、水性相をDCM(3×5mL)で抽出する。有機相を併せ、NaHCO飽和水溶液(10mL)でおよびNaCl飽和水溶液(10mL)で洗浄し、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で溶媒を蒸発させた後、粗生成物を、100/0から90/10 DCM/MeOH混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。化合物9を白色固体の形態で得る(37mg;79%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.78(d,J=6.6Hz,3H);0.80(d,J=6.6Hz,3H);1.01(d,J=6.9Hz,3H);1.05(d,J=6.9Hz,3H);1.30(m,1H);1.54(m,1H);1.60(m,1H);1.82(m,1H);2.27(m,1H);2.60 to 2.78(m,3H);2.97 to 3.05(m,2H);3.15(m,1H);3.41(m,1H);3.81(s,3H);3.92(d,J=1.6Hz,1H);4.26(ddd,J=3.8 and 8.2 and 11.5Hz,1H);4.77(s,2H);4.88(dd,J=3.8 and 9.6Hz,1H);5.12(ddd,J=1.5 and 5.3 and 11.2Hz,1H);5.80(dd,J=1.5 and 15.0Hz,1H);6.47(ddd,J=3.7 and 11.2 and 15.0Hz,1H);7.05(d,J=8.5Hz,1H);7.17(dd,J=2.2 and 8.5Hz,1H);7.23(dd,J=2.7 and 9.1Hz,1H);7.29(d,J=2.2Hz,1H);7.32(d,J=8.2Hz,2H);7.45(d,J=8.2Hz,2H);8.34(d,J=8.2Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=703[M+H]+;m/z=701[M−H]−;m/z=747[M−H+HCOH]ベースピーク;t=1.17分。
【0521】
化合物10:(E)−(3S,6R,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−6−メチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−(4−メチル−4−メチルジスルファニルペンタノイル)ピペラジン−1−イルメチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0522】
【化169】
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【0523】
化合物9(36.6mg;52μmol)を無水アセトニトリル(3mL)に溶解し、この後、DIPEA(260μmol)および化合物6(156μmol)を順次添加する。反応媒体を20時間、室温で攪拌し、この後、4mLの水の添加により加水分解する。水性相をEtOAc(3×4mL)で抽出し、有機相を併せ、NaHCO飽和水溶液(5mL)でおよびNaCl飽和水溶液(5mL)で洗浄する。MgSOで脱水し、濾過した後、溶媒を減圧下で蒸発させる。この粗反応生成物を、100/0から95/5 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。化合物10を白色固体の形態で得る(39mg;80%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.78(d,J=6.6Hz,3H);0.80(d,J=6.6Hz,3H);1.01(d,J=6.9Hz,3H);1.05(d,J=6.9Hz,3H);1.26(s,6H);1.30(m,1H);1.53(m,1H);1.60(m,1H);1.75 to 1.84(m,3H);2.26 to 2.37(m,7H);2.39(s,3H);2.61 to 2.77(m,3H);2.96 to 3.05(m,2H);3.15(m,1H);3.38(partially masked m,1H);3.44(m,4H);3.48(s,2H);3.81(s,3H);3.88(d,J=1.6Hz,1H);4.27(ddd,J=4.0 and 8.1 and 11.5Hz,1H);4.88(dd,J=3.8 and 9.6Hz,1H);5.12(ddd,J=1.6 and 5.3 and 11.5Hz,1H);5.80(dd,J=1.6 and 15.1Hz,1H);6.47(ddd,J=3.6 and 11.5 and 15.1Hz,1H);7.05(d,J=8.5Hz,1H);7.17(dd,J=2.2 and 8.5Hz,1H);7.23(dd,J=2.6 and 9.2Hz,1H);7.27(d,J=8.4Hz,2H);7.29(d,J=2.2Hz,1H);7.32(d,J=8.4Hz,2H);8.35(d,J=8.1Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=929[M+H];m/z=927[M−H];m/z=973[M−H+HCOH]ベースピーク;t=0.99分。
【0524】
実施例2:(E)−(3S,6R,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−6−メチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−(4−メルカプト−4−メチルペンタノイル)ピペラジン−1−イルメチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0525】
【化170】
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【0526】
生成物10(34mg;36.6μmol)をエタノール(4.3mL)/水(3.6mL)の混合物に溶解する。混合物が濁る。この後、TCEP(146μmol)を添加し、混合物は無色になり、この混合物を2時間、室温で攪拌する。EtOAc(20mL)を添加することにより混合物を希釈し、有機相を水とNHCl飽和水溶液の1/1混合物(20mL)で洗浄する。水性相を2×20mLのEtOAcで抽出し、有機相を併せ、NaCl飽和溶液(20mL)で洗浄する。MgSOで脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた後、粗生成物を、98/2から90/10 DCM/MeOH混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。化合物Ex.2を白色固体の形態で得る(28.2mg;87%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.77(d,J=6.6Hz,3H);0.79(d,J=6.6Hz,3H);1.01(d,J=6.9Hz,3H);1.04(d,J=6.9Hz,3H);1.27(m,1H);1.31(s,6H);1.53(m,1H);1.59(m,1H);1.77(m,2H);1.82(m,1H);2.24 to 2.32(m,3H);2.34 to 2.44(m,4H);2.62 to 2.76(m,4H);2.98 to 3.04(m,2H);3.15(m,1H);3.41(m,1H);3.46(m,4H);3.48(s,2H);3.81(s,3H);3.88(d,J=2.0Hz,1H);4.26(ddd,J=3.4 and 8.3 and 11.5Hz,1H);4.88(dd,J=3.7 and 10.0Hz,1H);5.12(ddd,J=2.0 and 5.3 and 11.1Hz,1H);5.80(dd,J=2.0 and 15.0Hz,1H);6.47(ddd,J=3.7 and 11.1 and 15.0Hz,1H);7.05(d,J=8.3Hz,1H);7.17(dd,J=2.0 and 8.3Hz,1H);7.23(dd,J=2.9 and 9.3Hz,1H);7.27(d,J=8.5Hz,2H);7.29(d,J=2.0Hz,1H);7.32(d,J=8.5Hz,2H);8.35(d,J=8.3Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=883[M+H];m/z=881[M−H];t=0.92分。
【実施例3】
【0527】
(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[(2−メルカプト−2−メチルプロピルアミノ)メチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0528】
【化171】
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【0529】
化合物11:2−メチル−2−メチルジスルファニルプロピオンアルデヒドO−メチルオキシム
【0530】
【化172】
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【0531】
5g(33.3mmol)の2−(メチルジチオ)イソブチルアルデヒドを不活性雰囲気下で50mLのエタノールに溶解する。50mLのエタノール中の5.56g(66.54mmol)のO−メチルヒドロキシルアミンクロリドの懸濁液および次いで6.65mL(66.54mmol)のNaOHを順次添加する。この濁った白色混合物を一晩還流させる。室温に冷却した後、混合物を500mLの水に注入する。水性相をEtOAc(3×175mL)で抽出し、併せた有機相をNaCl飽和溶液(200mL)で洗浄し、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で濃縮した後、化合物11を無色の油の形態で得る(5.89g、32.9mmol)。
【0532】
化合物12:2−メチル−2−メチルジスルファニルプロピルアミン
【0533】
【化173】
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【0534】
アルゴンでパージした丸底フラスコに、室温で、1.78g(9.9mmol)のオキシムエーテル11、19mLの無水THF、およびTHF中のボラン−硫化メチルの2M溶液99.5mLを順次導入する。この混合物を16時間、還流させる。この後、反応を停止させ、混合物を放置して室温に冷却し、この後、100mLのMeOHを0℃で一滴ずつ注意深く添加し(この間に泡沫が形成する。)、次いで室温で一滴ずつ注意深く添加する。この混合物を減圧下で蒸発させて、約2.8gの黄色油を得、この油を、イソプロパノール中のHClの5から6N溶液30mLに溶かす。この混合物を1時間還流させ、この後、室温で一晩放置する。減圧下で蒸発させた後、得られた残留物を80mLの1N HClに溶かし、この後、ジエチルエーテル(3×20mL)で抽出する。水性相を30%アンモニア水で、12.5−13のpHが得られるまで、即ち12mLで処理し(淡紫色水性相)、この後、3×20mLのエーテルで再び抽出する。有機相を併せ、MgSOで脱水し、濾過し、減圧下で蒸発乾固させて、760mgの粗生成物を得る。この残留物を、100/0から90/10 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって最終精製する。化合物12を淡黄色の油の形態で得る(301mg、20%)。LCMS(A2):ES m/z=152[M+H];t=0.27分。
【0535】
化合物13:(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[(2−メチル−2−メチルジスルファニルプロピルアミノ)メチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0536】
【化174】
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【0537】
3.1mLの無水DMF中の25mg(35μmol)の化合物2の、アルゴンでパージした溶液に、室温で、9.8μL(70μmol)のTEAおよび6.3mg(42μmol)の化合物12を順次添加する。攪拌を40℃で継続する。72時間、反応させた後、一部の出発原料2が残存するので、さらなる9.8μL(70μmol)のTEAおよび6.3mg(42μmol)のアミン12を添加する。40℃でさらに72時間後、一部の化合物2が依然として残存する:6.3mg(42μmol)のアミン12を添加し、40℃で攪拌を継続する。1日後に反応が完了する。この混合物を10mLのEtOAcで希釈し、2×10mLの水で、10mLのNaHCO飽和溶液でおよび10mLのNaCl飽和溶液で洗浄する。有機相をMgSOで脱水した後、濾過し、この後、減圧下で蒸発させて、30mgの粗生成物を得る。この残留物を、98/2から93/7 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。化合物13を白色粉末の形態で得る(23.3mg、81%)。TLC(DCM 90/MeOH 10):Rf=0.55;H NMR(500MHz、DMSO−d):0.76 to 0.81(m,6H);1.02(s,3H);1.07(d,J=6.9Hz,3H);1.13(s,3H);1.27 to 1.33(m,7H);1.52 to 1.63(m,2H);1.82(sxt,J=6.8Hz,1H);2.06(broad s,1H);2.25 to 2.34(m,1H);2.37(s,3H);2.57(s,2H);2.66 to 2.76(m,2H);2.97 to 3.06(m,3H);3.33 to 3.38(m,1H);3.75(s,2H);3.83(s,3H);3.88(d,J=1.6Hz,1H);4.27(ddd,J=3.7 and 8.0 and 11.4Hz,1H);4.93(dd,J=3.7 and 9.7Hz,1H);5.12(dd,J=5.8 and 11.3Hz,1H);5.82(dd,J=1.5 and 15.2Hz,1H);6.49(ddd,J=3.8 and 11.3 and 15.2Hz,1H);7.07(d,J=8.5Hz,1H);7.18(dd,J=1.9 and 8.5Hz,1H);7.23(dd,J=2.6 and 9.5Hz,1H);7.26(d,J=8.2Hz,2H);7.30(d,J=1.9Hz,1H);7.35(d,J=8.2Hz,2H);8.35(d,J=8.0Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=832[M+H];m/z=830[M−H];t=0.96分。
【0538】
実施例3:(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[(2−メルカプト−2−メチルプロピルアミノ)メチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0539】
【化175】
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【0540】
生成物13(10.6mg;12.8μmol)をエタノール(1.5mL)/水(1.26mL)の混合物に溶解する。この後、TCEP(9.1mg、31.9μmol)を添加し、混合物を2時間30分、室温で攪拌する。この混合物を15mLのEtOAcで希釈し、有機相を、水とNHCl飽和水溶液の1/1混合物(5mL)で洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた後、得られた粗生成物を、98/2から92/8 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって最終精製する。化合物Ex.3を白色固体の形態で得る(6.4mg;63%)。TLC(DCM 90/MeOH 10):Rf=0.47;H NMR(500MHz、DMSO−d):0.80 to 0.86(m,6H);1.06(s,3H);1.11(d,J=6.9Hz,3H);1.18(s,3H);1.31 to 1.38(m,7H);1.57 to 1.67(m,2H);1.87(sxt,J=6.8Hz,1H);2.29 to 2.38(m,1H);2.56(s,2H);2.70 to 2.80(m,2H);3.00 to 3.11(m,3H);3.39 to 3.43(m,1H);3.82(s,2H);3.87(s,3H);3.92(d,J=1.9Hz,1H);4.31(ddd,J=3.6 and 8.0 and 11.5Hz,1H);4.97(dd,J=3.7 and 9.7Hz,1H);5.17(dd,J=5.8 and 11.3Hz,1H);5.86(dd,J=1.4 and 15.1Hz,1H);6.54(ddd,J=3.8 and 11.3 and 15.1Hz,1H);7.11(d,J=8.7Hz,1H);7.23(dd,J=1.9 and 8.7Hz,1H);7.27(dd,J=2.7 and 9.6Hz,1H);7.31(d,J=8.0Hz,2H);7.34(d,J=1.9Hz,1H);7.42(d,J=8.0Hz,2H);8.40(d,J=8.0Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=786[M+H];m/z=784[M−H];t=0.92分。
【実施例4】
【0541】
(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[({2−メルカプト−2−メチルプロピル}メチルアミノ)メチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0542】
【化176】
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【0543】
化合物14:メチル[2−メチル−2−メチルジスルファニルプロパ−(E)−イリデン]アミン
【0544】
【化177】
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【0545】
1g(6.66mmol)の2−(メチルジチオ)イソブチルアルデヒドを不活性雰囲気下で10mLの無水THFに溶解する。THF中のメチルアミンの2M溶液(33.3mL、66,6mmol)を添加し、この後、この混合物を5時間、室温で攪拌する。この混合物を50mLのEtOAcで希釈し、水(30mL)でおよびNaCl飽和溶液(30mL)で洗浄し、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で濃縮した後、化合物14を淡黄色の油の形態で得る(1.01g、93%)。H NMR(400MHz、クロロホルム−d):1.46(s,6H);2.36(s,3H);3.32(s,3H);7.52(s,1H)。
【0546】
化合物15:2−メチル−2−メチルジスルファニルプロピルアミン
【0547】
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
【0548】
30mLのTHF中の化合物14(1.01g、6.185mmol)の溶液をアルゴンでパージし、0℃に冷却し、この後、1.44g(6.80mmol)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを0℃で添加する。攪拌を15時間、室温で継続する:一部の出発イミンが残存する;1.44g(6.80mmol)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムおよび354μL(6.185mmol)の酢酸を0℃で添加し、この後、攪拌を3時間、室温で継続する。この混合物を50mLのEtOAcで希釈し、水(50mL)で洗浄する。14mLの1N水酸化ナトリウム水溶液の添加により水性相のpHを約12に調整し、この後、ジエチルエーテル(3×50mL)で抽出する。有機相を併せ、NaCl飽和溶液(50mL)で洗浄し、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で濃縮した後、化合物15を無色の油の形態で得る(695mg、68%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.25(s,6H);1.47(broad m,1H);2.31(s,3H);2.38(s,3H);2.53(m,2H)。LCMS(A2):ES m/z=166[M+H];t=0.28分。
【0549】
化合物16:(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−{(S)−1−[(2R,3R)−3−(4−{[(2−メチル−2−メチルジスルファニルプロピル)メチルアミノ]メチル}フェニル)オキシラニル)エチル]−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0550】
【化179】
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【0551】
化合物16は、化合物30の調製について説明した方法を適用することにより、アミン15での誘導体2のクロロ基の求核置換によって得ることができる。
【0552】
実施例4:(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−{(S)−1−[(2R,3R)−3−(4−{[(2−メルカプト−2−メチルプロピル)メチルアミノ]メチル}フェニル)オキシラニル)エチル]−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0553】
【化180】
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【0554】
実施例4は、実施例6の調製について説明した方法を化合物16に適用することによって得ることができる。
【実施例5】
【0555】
(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−(2−メルカプト−2−メチルプロピル)ピペラジン−1−イルメチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0556】
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
【0557】
化合物17:4−(2−メチル−2−メチルジスルファニルプロピル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【0558】
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
【0559】
無水THF(20mL)中の1−Boc−ピペラジン(1.0g、5.37mmol)の、アルゴンでパージした溶液に、2−(メチルジチオ)イソブチルアルデヒド(5.37mmol)およびチタン(IV)イソプロポキシド(6.71mmol)を添加する。この混合物を20分間、室温で攪拌し、2−(メチルジチオ)イソブチルアルデヒド(5.37mmol)およびチタン(IV)イソプロポキシド(6.71mmol)のさらなる添加を行う。攪拌を2時間継続し、この後、12mLのエタノールを添加し、攪拌を5分間継続する。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(5.37mmol)を添加し、この混合物を1時間攪拌し、この後、さらなる5.37mmolのシアノ水素化ホウ素ナトリウムを添加する。攪拌を1時間継続する。この混合物を濃縮乾固させ、この後、EtOAcに溶かす。水を添加して沈殿を形成させ、この沈殿を焼結漏斗で濾過し、EtOAcおよび水ですすぐ。得られた固体を1N HCl水溶液(50mL)に溶解し、この媒体を5N NaOH水溶液で中和し、この後、DCMで抽出する。有機相を併せ、NaCl飽和溶液で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮する。この粗生成物を、100/0から97/3 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。化合物17を淡黄色の油の形態で得る(650mg;40%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.26(s,6H);1.39(s,9H);2.39(s,3H);2.42(s,2H);2.44 to 2.48(m,4H);3.27(partially masked m,4H)。LCMS(A1):ES m/z=321[M+H]+;m/z=265ベースピーク;t=3.02分。
【0560】
化合物18:1−(2−メチル−2−メチルジスルファニルプロピル)ピペラジン・塩酸塩
【0561】
【化183】
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【0562】
ジオキサン(13mL)中の化合物17(322mg、1.01mmol)の溶液に、ジオキサン中のHClの4M溶液(5mL)を添加する。攪拌を16時間、室温で継続する。この混合物を焼結漏斗によって濾過し、得られた固体をジオキサンですすいで、化合物18(231mg、90%)を白色粉末の形態で得る。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.31(broad s,6H);2.42(s,3H);2.59 to 3.38(very broad m,10H);8.78(broad m,2H)。LCMS(A2):ES m/z=221[M+H];t=0.46分。
【0563】
化合物19:(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−6,6−ジメチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−(2−メチル−2−メチルジスルファニルプロピル)ピペラジン−1−イルメチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0564】
【化184】
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【0565】
無水DMF(0.9mL)中の化合物2(15.02mg、20.93μmol)の、アルゴンでパージした溶液に、DMF(1mL)中の化合物18(25.12μmol)およびTEA(52.3μmol)の溶液を添加する。この混合物を40℃、アルゴン下で攪拌する。24時間後、25.12μmolの化合物18および31.4μmolのTEAを添加する。40℃でさらに24時間後、反応が完了する。この混合物をEtOAc(6mL)で希釈し、水(2×6mL)で、NaHCO飽和溶液(6mL)でおよびNaCl飽和溶液(6mL)で洗浄する。有機相をMgSOで脱水した後、濾過し、この後、減圧下で蒸発させて、46mgの粗生成物を得る。この残留物を、100/0から95/5 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。化合物19を白色粉末の形態で得る(5.2mg、28%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.76(d,J=6.4Hz,3H);0.78(d,J=6.4Hz,3H);1.01(s,3H);1.06(d,J=6.8Hz,3H);1.13(s,3H);1.25(s,6H);1.27 to 1.33(m,1H);1.51 to 1.63(m,2H);1.76 to 1.85(m,1H);2.23 to 2.32(m,1H);2.37(m,4H);2.39(s,3H);2.41(s,2H);2.53 to 2.56(m,4H);2.63 to 2.76(m,2H);2.94 to 3.06(m,3H);3.34(partially masked m,1H);3.40 to 3.48(m,2H);3.82(s,3H);3.87(d,J=2.0Hz,1H);4.26(ddd,J=3.8 and 7.8 and 11.3Hz,1H);4.92(dd,J=3.8 and 9.8Hz,1H);5.07 to 5.14(m,1H);5.81(d,J=15.2Hz,1H);6.48(ddd,J=3.8 and 11.3 and 15.2Hz,1H);7.06(d,J=8.5Hz,1H);7.18(dd,J=2.2 and 8.5Hz,1H);7.21 to 7.32(m,6H);8.35(d,J=8.3Hz,1H)。LCMS(A1):ES m/z=901[M+H];m/z=451ベースピーク;t=4.33分。
【0566】
実施例5:(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−(2−メルカプト−2−メチルプロピル)ピペラジン−1−イルメチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0567】
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
【0568】
生成物19(5.7mg;6.3μmol)をエタノール(0.8mL)/水(0.5mL)の混合物に溶解する。この後、TCEP(4.54mg、15.83μmol)を添加し、混合物を1時間、室温で攪拌する。この混合物を7mLのEtOAcで希釈し、有機相を、水とNHCl飽和水溶液の1/1混合物(7mL)で洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させた後、得られた粗生成物を、99/1から95/5 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。化合物Ex.5を白色固体の形態で得る(2.95mg;55%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.77(d,J=6.3Hz,3H);0.78(d,J=6.3Hz,3H);1.02(s,3H);1.06(d,J=6.9Hz,3H);1.13(s,3H);1.27(s,6H);1.29 to 1.34(m,1H);1.52 to 1.63(m,2H);1.82(m,1H);2.29(m,1H);2.37(s,2H);2.39 to 2.41(m,4H);2.57 to 2.62(m,4H);2.65 to 2.76(m,2H);2.96 to 3.06(m,3H);3.34(partially masked m,1H);3.46(s,2H);3.83(s,3H);3.88(d,J=2.2Hz,1H);4.27(ddd,J=3.7 and 8.0 and 11.5Hz,1H);4.93(dd,J=3.7 and 9.7Hz,1H);5.12(m,1H);5.82(d,J=15.2Hz,1H);6.49(ddd,J=3.7 and 11.5 and 15.2Hz,1H);7.07(d,J=8.5Hz,1H);7.18(dd,J=2.2 and 8.5Hz,1H);7.21 to 7.33(m,6H);8.36(d,J=8.0Hz,1H)。LCMS(A1):ES m/z=855[M+H];m/z=428[M+2H]2+ベースピーク;t=4.13分。
【実施例6】
【0569】
(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−({2−[2−(2−{2−メチル[2−メルカプト−2−メチルプロピル]アミノエトキシ}エトキシ)エトキシ]エチル}メチルアミノ)メチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0570】
【化186】
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【0571】
化合物20:2−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル4−トルエンスルホナート
【0572】
【化187】
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【0573】
68.7mLのDCM中の5g(25.74mmol)のテトラエチレングリコールの、アルゴンでパージし、0℃に冷却した溶液に、8.95g(38.61mmol)の酸化銀および5.40g(28.31mmol)の塩化トシルを、適する攪拌を維持するように少しずつ、順次添加する。855mg(5.15mmol)のKIを、混合物の温度を5℃未満で維持するように、少しずつ添加する。5℃未満に温度を保持しながら、1時間、攪拌を継続する。室温に温めた後、この混合物をClarcelによって濾過し、残留物をDCMですすぎ、この後、濾液を減圧下で濃縮乾固させる。99/1から95/5 DCM/メタノール混合物を溶離剤として使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによってこの粗生成物を精製する。化合物20を無色の油の形態で得る(5.4g、60%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):2.43(s,3H);3.40(m,2H);3.44 to 3.52(m,10H);3.58(m,2H);4.11(m,2H);4.53(t,J=5.4Hz,1H);7.48(d,J=8.3Hz,2H);7.78(d,J=8.3Hz,2H)。LCMS(A2):ES m/z=349[M+H];m/z=371[M+Na];t=0.69分。
【0574】
化合物21:1−アジド−3,6−9−トリオキサウンデカン−11−オール
【0575】
【化188】
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【0576】
40.6mLの無水アセトニトリル中の5.4g(15.51mmol)の化合物20の溶液に、1.34g(20.63mmol)のNaNを添加し、この後、この混合物を6時間30分、還流させる。室温に冷却した後、混合物をClarcelによって濾過し、減圧下で濃縮する。一部の出発化合物20が残存する:この粗生成物を25mLの無水アセトニトリルに溶解し、230mg(3.5mmol)のNaNを添加する。この混合物を5時間、還流させる。室温に冷却した後、Clarcelによって濾過し、減圧下で濃縮乾固させて、化合物21を淡黄色の油の形態で得る(3.37g、99%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):3.37 to 3.43(m,4H);3.45 to 3.58(m,10H);3.60(m,2H);4.54(t,J=5.1Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=220[M+H];m/z=242[M+Na]ベースピーク;t=0.39分。
【0577】
化合物22:N−Boc−アミノエトキシエトキシエトキシエタノール
【0578】
【化189】
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【0579】
5mLのEtOAc中の320mgの炭素担持10%パラジウムの、アルゴン下で不活性にした溶液に、45mLのEtOAc中の3.25g(14.8mmol)の化合物21、6.46g(29.6mmol)の二炭酸tert−ブチルおよび4.13mL(29.6mmol)のTEAの溶液を添加する。反応を17時間、30℃で、2バールの水素圧のもとで行う。室温および大気圧に冷却した後、混合物をClarcelによって濾過し、減圧下で濃縮する。98/2から90/10 DCM/メタノール混合物を溶離剤として使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによってこの粗生成物を精製する。化合物22を無色の油の形態で得る(2.92g、67%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.37(s,9H);3.06(q,J=6.1Hz,2H);3.37(t,J=6.1Hz,2H);3.42(m,2H);3.46 to 3.53(m,10H);4.54(broad t,J=5.1Hz,1H);6.71(broad t,J=6.1Hz,1H)。LCMS(A1):ES m/z=316[M+Na];m/z=194ベースピーク;t=2.81分。
【0580】
化合物23:2−{2−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル4−トルエンスルホナート
【0581】
【化190】
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【0582】
20mLのDCM中の3.06g(10.42mmol)の化合物22の、アルゴンでパージした溶液に、2.53mL(31.26mmol)のピリジンを添加する。この混合物を0℃に冷却し、この後、10mLのDCM中の2.98g(15.63mmol)の塩化トシルの溶液を一滴ずつ添加する。攪拌を15時間、室温で継続する。混合物を20mLのDCMで希釈し、NaHCO飽和溶液(30mL)で、水(2×30mL)でおよびNaCl飽和溶液(30mL)で洗浄し、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で濃縮した後、100/0から90/10 DCM/メタノール混合物を溶離剤として使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによってこの粗生成物を精製する。化合物23を淡黄色の油の形態で得る(4.38g、94%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.37(s,9H);2.42(s,3H);3.05(q,J=6.1Hz,2H);3.36(t,J=6.1Hz,2H);3.46(m,8H);3.58(m,2H);4.10(m,2H);6,71(broad t,J=6.1Hz,1H);7.48(d,J=7.8Hz,2H);7.78(d,J=7.8Hz,2H)。LCMS(A2):ES m/z=448[M+H];m/z=470[M+Na];m/z=348ベースピーク;m/z=492[M−H+HCOH];t=1.00分。
【0583】
化合物24:(2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)カルバミン酸tert−ブチル
【0584】
【化191】
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【0585】
25mLのアセトニトリル中の4.38g(9.79mmol)の化合物23の溶液に、846mg(13.02mmol)のアジ化ナトリウムを添加し、この後、この混合物を6時間、還流させる。出発化合物の大部分が残存する:室温に冷却した後、1.7g(26.13mmol)をこの混合物に添加する。還流させながら24時間、攪拌を継続する。室温に冷却した後、混合物をClarcelによって濾過し、減圧下で濃縮する。98/2から90/10 DCM/メタノール混合物を溶離剤として使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによってこの粗生成物を精製する。化合物24を淡黄色の油の形態で得る(2.16g、69%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.37(s,9H);3.06(q,J=6.1Hz,2H);3.34 to 3.43(m,4H);3.46 to 3.58(m,8H);3.60(m,2H);6.70(broad t,J=6.1Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=341[M+Na];t=0.81分。
【0586】
化合物25:(2−{2−[2−(2−アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)メチルカルバミン酸tert−ブチル
【0587】
【化192】
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【0588】
25mLの無水THF中の2.06g(6.47mmol)の化合物24の、アルゴンでパージし、0℃に冷却した溶液に、854mg(21.35mmol)の60%NaH(鉱物油中の分散体として)(少しずつ)および886μL(14.23mmol)のヨウ化メチルを順次添加する。攪拌を1時間0℃で、およびこの後16時間、室温で継続する。この混合物をClarcelによって濾過し、THFで洗浄し、減圧下で濃縮する。99/1から90/10 DCM/メタノール混合物を溶離剤として使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによってこの粗生成物を精製する。化合物25を無色の油の形態で得る(1.67g、78%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.39(s,9H);2,80(broad s,3H);3.29(partially masked t,J=5.6Hz,2H);3.38(m,2H);3.46 to 3.56(m,10H);3.60(t,J=5.4Hz,2H)。
【0589】
化合物26:(2−{2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)メチルカルバミン酸tert−ブチル
【0590】
【化193】
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【0591】
20mLのTHF中の1.66g(4.99mmol)の化合物25の、アルゴンでパージした溶液に、1.31g(4.994mmol)のトリフェニルホスフィンおよび108μL(5.99mmol)の水を順次添加する。攪拌を25時間30分継続し、この後、この混合物を濃縮乾固させる。コンディショニングし、メタノールで洗浄し、およびこの後、メタノール中のアンモニア水の0.5N溶液で溶出させるSCXカートリッジ(Varian)でのSPE濾過によって、この混合物を精製する。化合物26を無色の油の形態で得る(1.23g、80%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.39(s,9H);2.65(t,J=5.9Hz,2H);2.80(broad s,3H);3.29(t,J=5.9Hz,2H);3.36(t,J=5.7Hz,2H);3.45 to 3.56(m,10H)。LCMS(A2):ES m/z=307[M+H];t=0.49分。
【0592】
化合物27:メチル[2−(2−{2−[2−(2−メチル−2−メチルジスルファニルプロピルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エチル]カルバミン酸tert−ブチル
【0593】
【化194】
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【0594】
3mLのDCM中の131mg(426μmol)の化合物26の、アルゴンでパージした溶液に、64mg(426μmol)の2−メチルジチオイソブチルアルデヒド、126mg(596μmol)のトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムおよび24.4μLの酢酸を添加する。攪拌を6時間、室温、アルゴン下で継続し、1mLの1N水酸化ナトリウム水溶液の添加により反応を停止させ、この後、この混合物を10mLのジエチルエーテルで抽出する。減圧下で濃縮した後、90/10 DCM/イソプロパノール混合物を溶離剤として使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによってこの粗生成物を精製する。この精製は、残留出発アミンからの期待生成物の分離を可能にしない。得られた生成物を、95/5から5/95 水/アセトニトリル混合物を溶離剤として使用するRP18逆相クロマトグラフィーによって再び精製する。化合物27を無色の油の形態で得る(67mg、36%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.25(s,6H);1.39(s,9H);1.58(broad m,1H);2.38(s,3H);2.59(s,2H);2.68(t,J=5.6Hz,2H);2.80(broad s,3H);3.46(t,J=5.6Hz,2H);3.48 to 3.54(m,12H)。LCMS(A1):ES m/z=441[M+H];t=3.29分。
【0595】
化合物28:メチル{2−[2−(2−{2−[メチル(2−メチル−2−メチルジスルファニルプロピル)アミノ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エチル}カルバミン酸tert−ブチル
【0596】
【化195】
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【0597】
1mLのDCM中の65mg(148μmol)の化合物27の、アルゴンでパージし、0℃に冷却した溶液に、19.5mg(487μmol)のNaH(鉱物油中の60%分散体として)および20μL(325μmol)のヨウ化メチルを順次添加する。攪拌を45分間0℃で、およびこの後72時間、室温で継続する。この混合物をClarcelによって濾過し、この後、減圧下で濃縮する。99/1から90/10 DCM/メタノール混合物を溶離剤として使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによってこの粗生成物を精製する。化合物28を無色の油の形態で得る(43mg、64%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.25(s,6H);1.39(s,9H);2.32(s,3H);2.39(s,3H);2.54(m,2H);2.61(t,J=6.1Hz,2H);2.80(broad s,3H);3.42 to 3.54(m,14H)。LCMS(A2):ES m/z=455[M+H];t=0.77分。
【0598】
化合物29:メチル(2−{2−[2−(2−メチルアミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)(2−メチル−2−メチルジスルファニルプロピル)アミン
【0599】
【化196】
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【0600】
1.5mLのDCM中の43mg(95μmol)の化合物28の溶液に、351μLのTFAを添加する。攪拌を5時間室温で継続し、この後、この混合物を濃縮乾固させる。コンディショニングし、メタノールで洗浄し、この後、メタノール中のアンモニア水の0.5N溶液で溶出させるSCXカートリッジ(Varian)でのSPE濾過によって、この粗生成物を精製する。化合物29を無色の油の形態で得る(25mg、75%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.25(s,6H);1.75(broad m,1H);2.27(s,3H);2.32(s,3H);2.39(s,3H);2.53(m,2H);2.57 to 2.64(m,4H);3.44(t,J=5.7Hz,2H);3.46 to 3.55(m,10H)。LCMS(A2):ES m/z=355[M+H];t=0.30分。
【0601】
化合物30:(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−({2−[2−(2−{2−メチル[2−メチル−2−メチルジスルファニルプロピル]アミノエトキシ}エトキシ)エトキシ]エチル}メチルアミノ)メチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0602】
【化197】
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【0603】
1mLの無水アセトニトリル中の15.3mg(21.3μmol)の、アルゴンでパージした溶液に、18.6μL(106.6μmol)のDIPEA、および1mLの無水アセトニトリル中の22.7mg(64μmol)の化合物29の溶液を順次添加する。攪拌を24時間、アルゴン下、40℃で継続する。室温に冷却した後、この混合物を7mLのEtOAcで希釈し、水(2×3mL)で、NaHCO飽和溶液(3mL)でおよびNaCl飽和溶液(3mL)で洗浄し、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で濃縮した後、90/10 DCM/メタノール混合物を溶離剤として使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによってこの粗生成物を精製する。化合物30を無色の固体の形態で得る(14.6mg、66%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.76(d,J=6.1Hz,3H);0.76(d,J=6.1Hz,3H);1.00(s,3H);1.04(d,J=6.8Hz,3H);1.12(s,3H);1.24(s,6H);1.29(m,1H);1.50 to 1.62(m,2H);1.81(m,1H);2.15(s,3H);2.27(m,1H);2.31(s,3H);2.38(s,3H);2.45 to 2.54(partially masked m,4H);2.60(t,J=6.1Hz,2H);2.63 to 2.75(m,2H);2.92 to 3.06(m,3H);3.25 to 3.35(partially masked m,1H);3.44 to 3.54(m,14H);3.81(s,3H);3.87(d,J=2.0Hz,1H);4.25(ddd,J=3.9 and 8.3 and 11.7Hz,1H);4.91(dd,J=3.4 and 9.8Hz,1H);5.11(ddd,J=1.5 and 5.7 and 11.5Hz,1H);5.80(dd,J=1.5 and 15.5Hz,1H);6.47(ddd,J=3.5 and 11.5 and 15.5Hz,1H);7.05(d,J=8.8Hz,1H);7.17(dd,J=2.0 and 8.8Hz,1H);7.20 to 7.26(m,3H);7.27 to 7.33(m,3H);8.35(d,J=8.3Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=1035[M+H];m/z=518[M+2H]2+ベースピーク;t=0.86分。
【0604】
実施例6:(E)(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−({2−[2−(2−{2−メチル[2−メルカプト−2−メチルプロピル]アミノエトキシ}エトキシ)エトキシ]エチル}メチルアミノ)メチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0605】
【化198】
[この文献は図面を表示できません]
【0606】
1.24mLのエタノール中の10.9mg(10.5μmol)の化合物30の溶液に、1.04mLの水中の12.06mg(42.1μmol)のTCEPの溶液を添加する。攪拌を4時間、室温で継続する。この混合物を6mLのEtOAcで希釈し、水/NHCl飽和(6mL)の1/1混合物でおよびNaCl飽和溶液(6mL)で洗浄し、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で濃縮した後、99/1から90/10 DCM/メタノール混合物を使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによってこの粗生成物を精製する。化合物Ex.6を白色固体の形態で得る(7.36mg、71%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.76(d,J=5.9Hz,3H);0.78(d,J=5.9Hz,3H);1.00(s,3H);1.04(d,J=6.8Hz,3H);1.12(s,3H);1.25(s,6H);1.28(m,1H);1.51 to 1.62(m,2H);1.80(m,1H);2.15(s,3H);2.27(m,1H);2.34(s,3H);2.44(s,2H);2.51(t,J=6.4Hz,2H);2.60(s,1H);2.63(t,J=6.4Hz,2H);2.66 to 2.74(m,2H);2.93 to 3.04(m,3H);3.25 to 3.37(partially masked m,1H);3.45 to 3.55(m,14H);3.81(s,3H);3.87(d,J=1.5Hz,1H);4.25(ddd,J=3.7 and 8.0 and 11.5Hz,1H);4.91(dd,J=3.4 and 9.8Hz,1H);5.11(ddd,J=1.5 and 5.6 and 11.5Hz,1H);5.80(dd,J=1.5 and 15.2Hz,1H);6.47(ddd,J=3.9 and 11.5 and 15.2Hz,1H);7.05(d,J=8.8Hz,1H);7.17(dd,J=2.2 and 8.8Hz,1H);7.20 to 7.26(m,3H);7.27 to 7.32(m,3H);8.35(d,J=8.0Hz,1H)、LCMS(A1):ES m/z=989[M+H];m/z=495[M+2H]2+ベースピーク;t=3.24分。
【実施例7】
【0607】
(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−({2−[2−(2−{4−メチル−4−メチルジスルファニルペンタノイルアミノエトキシ}エトキシ)エトキシ]エチル}メチルアミノ)メチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0608】
【化199】
[この文献は図面を表示できません]
【0609】
化合物31:メチル[2−(2−{2−[2−(4−メチル−4−メチルジスルファニルペンタノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エチル]カルバミン酸tert−ブチル
【0610】
【化200】
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【0611】
270mg(649μmol)の化合物4、199mg(649μmol)の化合物26を1.5mLのDMFに溶解し、この後、100μL(714μmol)のTEAをこの混合物に添加する。攪拌を16時間、室温で継続する。混合物を10mLのEtOAcで希釈し、水(2×5mL)でおよびNaCl飽和溶液(5mL)で洗浄し、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で濃縮した後、98/2から90/10 DCM/メタノール混合物を溶離剤として使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによってこの粗生成物を精製する。化合物31を無色の油の形態で得る(251mg、80%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.24(s,6H);1.39(s,9H);1.79(m,2H);2.16(m,2H);2.40(s,3H);2,80(broad s,3H);3.18(q,J=5.9Hz,2H);3.39(t,J=5.9Hz,2H);3.45 to 3.54(m,12H);7.88(broad t,J=5.9Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=483[M+H];m/z=505[M+Na];m/z=527[M−H+HCOH];t=1.04分。
【0612】
化合物32:N−(2−{2−[2−(2−メチルアミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)−4−メチル−4−メチルジスルファニルペンタアミド
【0613】
【化201】
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【0614】
8mLのDCM中の251mg(520μmol)の化合物31の溶液に、1.93mL(26mmol)のTFAを添加する。攪拌を3時間室温で継続し、この後、この混合物を濃縮乾固させる。この粗生成物を最少量のDCMに溶解し、この後、トルエンを数回混入する。コンディショニングし、メタノールで洗浄し、この後、メタノール中のアンモニア水の0.5N溶液で溶出させるSCXカートリッジ(Varian)でのSPE濾過によって、この粗生成物を精製する。化合物32を無色の油の形態で得る(159mg、80%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.24(s,6H);1.79(m,2H);2.15(m,2H);2.27(s,3H);2.40(s,3H);2.58(t,J=5.7Hz,2H);3.18(q,J=5.7Hz,2H);3.39(t,J=5.7Hz,2H);3.44(t,J=5.7Hz,2H);3.47 to 3.54(m,8H);7.89(broad t,J=5.7Hz,1H)、LCMS(A1):ES m/z=383[M+H];t=2.68分。
【0615】
実施例7:(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−({2−[2−(2−{4−メチル−4−メチルジスルファニルペンタノイルアミノエトキシ}エトキシ)エトキシ]エチル}メチルアミノ)メチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0616】
【化202】
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【0617】
実施例7は、化合物30の調製について説明した方法を適用することによる誘導体2のクロロ基のアミン32での求核置換、続いて、実施例6の調製について説明した方法を適用することによるジスルフィドの還元によって得ることができる。
【実施例8】
【0618】
(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−{(S)−1−[(2R,3R)−3−(4−メルカプトメチルフェニル)オキシラニル]エチル}−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0619】
【化203】
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【0620】
化合物33:実施例8のダイマー
【0621】
【化204】
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【0622】
化合物2(24.5mg;34.1μmol)を無水THF(2.5mL)に溶解し、この混合物を−10℃に冷却し、この後、ヘキサメチルジシラチアン(44.3μmol)および次いでTHF中のテトラブチルアンモニウムフルオリドの1M溶液(40.9μmol)を添加する。この混合物を室温に冷却し攪拌を1時間30分継続する。EtOAc(5mL)を添加することにより混合物を希釈し、有機相をNHCl飽和水溶液(5mL)で洗浄する。水性相をEtOAc(2×5mL)で抽出する。有機相を併せ、NaCl飽和水溶液(5mL)で洗浄する。MgSOで脱水し、濾過した後、溶媒を減圧下で蒸発させる。この粗反応生成物を、100/0から97/3 DCM/メタノール混合物を溶離剤として用いて溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。白色固体、化合物33を得る(19mg;78%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):0.78(m,12H);1.00(s,6H);1.04(d,J=6.8Hz,6H);1.11(s,6H);1.30(m,2H);1.49−1.63(m,4H);1.82(m,2H);2.26(m,2H);2.63−2.72(m,4H);2.93−3.05(m,6H);3.25−3.37(partially masked m,2H);3.81(s,6H);3.82(s,4H);3.89(d,J=2.0Hz,2H);4.25(ddd,J=3.7,8.0 and 11.5Hz,2H);4.91(dd,J=3.7,9.6Hz,2H);5.10(ddd,J=1.3,5.3 and 10.8Hz,2H);5.79(dd,J=1.3,15.3Hz,2H);6.47(ddd,J=3.7,10.8 and 15.3Hz,2H);7.05(d,J=8.6Hz,2H);7.17(dd,J=2.0,8.6Hz,2H);7.22(dd,J=2.5,9.3Hz,2H);7.26−7.32(m,10H);8.34(d,J=8.0Hz,2H)、LCMS(A2):ES m/z=1427[M+H];t=1.31分。
【0623】
実施例8:(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−{(S)−1−[(2R,3R)−3−(4−メルカプトメチルフェニル)オキシラニル]エチル}−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0624】
【化205】
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【0625】
化合物33(11mg;7.7μmol)をメタノール(8.8mL)に溶解する。この後、2.2mLの水に溶解したTCEP(76.7μmol)を添加し、この混合物を2時間、室温で攪拌する。この混合物を20mLのEtOAcで希釈し、有機相を、水とNHCl飽和水溶液の1/1混合物(20mL)で洗浄する。水性相をEtOAc(2×15mL)で抽出する。有機相を併せ、NaCl飽和水溶液(15mL)で洗浄する。MgSOで脱水し、濾過した後、溶媒を減圧下で蒸発させる。この粗反応生成物を、100/0から95/5 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。白色固体、Ex.8を得る(4.7mg;31%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):0.79(d,J=6.4Hz,6H);1.00(s,3H);1.05(d,J=6.9Hz,3H);1.12(s,3H);1.30(m,1H);1.50−1.63(m,2H);1.80(m,1H);2.27(m,1H);2.62−2.75(m,2H);2.84(broad t,J=6.5Hz,1H);2.93−3.06(m,3H);3.34(partially masked m,1H);3.73(broad d,J=6.5Hz,2H);3.81(s.,3H);3.87(d,J=1.6Hz,1H);4.25(ddd,J=3.7,8.0 and 11.4Hz,1H);4.91(dd,J=3.6,9.6Hz,1H);5.11(ddd,J=1.3,5.3 and 11.4Hz,1H);5.79(dd,J=1.3,15.2Hz,1H);6.47(ddd,J=3.4,11.3 and 15.2Hz,1H);7.05(d,J=8.5Hz,1H);7.17(dd,J=1.9,8.5Hz,1H);7.22(dd,J=2.3,9.5Hz,1H);7.25(d,J=8.3Hz,2H);7.28(d,J=1.9Hz,2H);7.35(d,J=8.3Hz,2H);8.34(d,J=8.0Hz,2H)。LCMS(A2):ES m/z=715[M+H];m/z=713[M−H];t=1.18分。
【実施例9】
【0626】
hu2H11−SPDB−Ex1
【0627】
【化206】
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【0628】
一般二工程法に従って、8.86mg/mLの初期濃度を有する10.4mg(0.071μmol、1.174mL)の裸の抗体hu2H11を、混合物中の最終抗体濃度が8mg/mLになるように、34.2μLのDMAに溶解した7当量の4−(2−ピリジルジチオ)酪酸のN−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(0.16mg、0.496μmol)で処理する。精製後、1抗体あたり平均で4.68のピリジルジスルフィド分子を有する2.2mLの修飾抗体hu2H11を、4.28mg/mL(9.42mg、91%)の濃度で得る。1.68mL(7.2mg,0.049μmol)の修飾抗体hu2H11を、101.2μLのDMAに溶解した1.03mgの(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−(4−メルカプト−4−メチルペンタノイル)ピペラジン−1−イルメチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン(化合物Ex.1、1.148μmol)で処理する。10%NMPの存在下でのSuperdexでの精製およびAmicon Ultra−15での濃縮の後、0.01Mのリン酸塩と0.14MのNaClとを含有する水性pH6.5緩衝液において緩衝液の最終交換を行う。このようにして、1抗体あたり平均で3のクリプトフィシン誘導体(HRMS)および99.9%のモノマー純度を有する1.5mLのコンジュゲートEx.9を1.1mg/mLの濃度で得る。
【実施例10】
【0629】
hu2H11−SPDB−Ex2
【0630】
【化207】
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【0631】
一工程一般法に従って、10.24mg/mLの初期濃度で13.5mg(0.092μmol、1.318mL)の裸の抗体hu2H11を、混合物中の最終抗体濃度が9mg/mLになるように、38.4μLのDMAに溶解した6当量の4−(2−ピリジルジチオ)酪酸のN−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(0.18mg、0.551μmol)で処理する。2時間、約2000rpmで、室温で攪拌した後、修飾抗体hu2H11と1.760mLのpH7.5−8緩衝液と543μLのDMAとの混合物1.333mL(12.0mg、0.081μmol)、および次いで182μLのDMAに溶解した1.73mgの(E)−(3S,6R,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−(4−メルカプト−4−メチルペンタノイル)ピペラジン−1−イルメチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−6−メチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン(化合物Ex.2、1.958μmol)を順次添加する。20%NMPの存在下でのSuperdexでの精製およびAmicon Ultra−15での濃縮の後、0.01Mのヒスチジンと10%のスクロース(w/v)と5%のNMP(v/v)とを含有する水性pH6.5緩衝液において緩衝液の最終交換を行う。このようにして、1抗体あたり平均で3.7のクリプトフィシン誘導体および98.8%のモノマー純度を有する1.5mLのコンジュゲートEx.10を2.83mg/mLの濃度で得る。
【実施例11】
【0632】
hu2H11−SPDB−Ex5
【0633】
【化208】
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【0634】
一工程一般法に従って、10.24mg/mLの初期濃度で9.45mg(0.064μmol、0.923mL)の裸の抗体hu2H11を、混合物中の最終抗体濃度が9mg/mLになるように、26.88μLのDMAに溶解した6当量の4−(2−ピリジルジチオ)酪酸のN−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(0.13mg、0.398μmol)で処理する。2時間、約2000rpmで、室温で攪拌した後、修飾抗体hu2H11の反応媒体1.0mL(9.0mg,0.061μmol)、1.45mLのpH≒7.5−8緩衝液、265μLのDMAおよびこの後、285μLのDMAに溶解した1.26mgの(E)(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−(2−メルカプト−2−メチルプロピル)ピペラジン−1−イルメチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン(化合物Ex.5、1.472μmol)を順次添加する。20%NMPの存在下でのSuperdexでの精製およびAmicon Ultra−15での濃縮の後、0.01Mのヒスチジンと10%のスクロース(w/v)と5%のNMP(v/v)とを含有する水性pH6.5緩衝液において緩衝液の最終交換を構成する。このようにして、1抗体あたり平均で3.7/3.1のクリプトフィシン誘導体(UV/HRMS)および98.0%のモノマー純度を有する2.5mLのコンジュゲートEx.12を1.70mg/mLの濃度で得る。
【実施例12】
【0635】
hu2H11−SPDB−Ex6
【0636】
【化209】
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【0637】
一工程一般法に従って、10.24mg/mLの初期濃度で10.31mg(0.070μmol、1.006mL)の裸の抗体hu2H11を、混合物中の最終抗体濃度が9mg/mLになるように、29.32μLのDMAに溶解した6当量の4−(2−ピリジルジチオ)酪酸のN−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(0.14mg、0.429μmol)で処理する。2時間、約2000rpmで、室温で攪拌した後、1.595mLのpH≒7.5−8緩衝液、291μLのDMA、およびこの後、314μLのDMAに溶解した1.60mgの(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−({2−[2−(2−{2−メチル[2−メルカプト−2−メチルプロピル]アミノエトキシ}エトキシ)エトキシ]エチル}メチルアミノ)メチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン(化合物Ex.6、1.617μmol)を、修飾抗体hu2H11の混合物1.1mL(9.9mg,0.067μmol)に順次添加する。20%NMPの存在下でのSuperdexでの精製およびAmicon Ultra−15での濃縮の後、0.01Mのヒスチジンと10%のスクロース(w/v)と5%のNMP(v/v)とを含有する水性pH6.5緩衝液において緩衝液の最終交換を行う。このようにして、1抗体あたり平均で3.4のクリプトフィシン誘導体(HRMS)および99.8%のモノマー純度を有する3mLのコンジュゲートEx.12を1.97mg/mLの濃度で得る。
【実施例13】
【0638】
(4−{4−[(2R,3R)−3−((S)−1−{(E)−(3S,10R,16S)−10−[3−クロロ−4−メトキシベンジル]−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジル}ピペラジン−1−イル)酢酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル
【0639】
【化210】
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【0640】
化合物34:4−メトキシカルボニルメチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【0641】
【化211】
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【0642】
200mg(1.07mmol)のピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルを無水アセトニトリル(10mL)に溶解する。この後、TEA(1.07mmol)および次いでブロモ酢酸メチル(1.61mmol)を添加する。この白色懸濁液を48時間、室温で攪拌し、この後、NaHCO飽和水溶液(10mL)を添加する。水性相をDCM(3×10mL)で抽出し、有機相を併せ、NaCl飽和水溶液で洗浄し、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で溶媒を蒸発させた後、粗生成物を得る。この粗生成物を、98/2 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。このようにして期待生成物34、無色油を得る(174.8mg;63%)。TLC(DCM 90/MeOH 10):Rf=0.66;H NMR(300MHz、DMSO−d):1.39(s,9H);2.40 to 2.48(m,4H);3.25(s,2H);3.28 to 3.33(partially masked m,4H);3.61(s,3H)。
【0643】
化合物35:ピペラジン−1−イル酢酸メチル・塩酸塩
【0644】
【化212】
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【0645】
化合物34(174mg;0.67mmol)を無水ジオキサン(5mL)に溶解し、ジオキサン中のHClの4M溶液(0.02mmol)を添加する。この混合物を5時間、室温で攪拌し、この後、この懸濁液を焼結漏斗で濾過する。このようにして得た固体をジオキサン(2mL)でおよび次いでイソプロピルエーテル(2mL)で洗浄し、この後、真空下で乾燥させる。ベージュ色の固体、35を得る(131mg;100%)。H NMR(300MHz、DMSO−d):2.88 to 2.97(m,4H);3.09 to 3.19(m,4H);3.53 to 3.59(m,2H);3.65(s,3H);8.65 to 9.22(broad m,2H)。
【0646】
化合物36:(4−{4−[(2R,3R)−3−((S)−1−{(E)−(3S,10R,16S)−10−[3−クロロ−4−メトキシベンジル]−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジル}ピペラジン−1−イル)酢酸メチル
【0647】
【化213】
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【0648】
誘導体1(20mg;28.6μmol)を無水DCM(1mL)に溶解し、TEA(71.5μmol)および次いでCMS(45.8μmol)を添加する。室温で12時間後、形成した生成物2を単離しない。TEA(85.7μmol)および次いでピペラジン−1−イル酢酸メチル・塩酸塩35(42.8μmol)を添加する。この混合物をさらに72時間、室温で攪拌し、この後、無水DMF(1mL)およびNaI(30μmol)を添加する。この混合物を48時間、45℃で攪拌し、この後、EtOAc(5mL)で希釈する。有機相を水(2×2mL)で、NaHCO飽和水溶液(2mL)でおよびNaCl飽和水溶液(2mL)で洗浄する。MgSOで脱水し、濾過した後、溶媒を減圧下で蒸発させる。この粗反応生成物を、100/0から98/2 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。化合物36を白色固体の形態で得る(8.2mg;34%)。TLC(DCM 90/MeOH 10):Rf=0.45;H NMR(400MHz、DMSO−d):0.77(d,J=6.1Hz,3H);0.78(d,J=6.1Hz,3H);1.00(s,3H);1.05(d,J=7.1Hz,3H);1.12(s,3H);1.27 to 1.32(m,1H);1.50 to 1.60(m,2H);1.74 to 1.84(m,1H);2.21 to 2.30(m,1H);2.37(broad s,4H);2.64 to 2.74(m,2H);2.94 to 3.06(m,3H);3.18 to 3.52(partially masked m,9H);3.60(s,3H);3.81(s,3H);3.87(d,J=2.0Hz,1H);4.20 to 4.31(m,1H);4.91(dd,J=3.8 and 9.9Hz,1H);5.11(m,1H);5.80(d,J=15.2Hz,1H);6.48(ddd,J=3.8 and 11.2 and 15.2Hz,1H);7.05(d,J=8.3Hz,1H);7.17(dd,J=2.2 and 8.3Hz,1H);7.20 to 7.33(m,6H);8.34(d,J=8.1Hz,1H)。LCMS(A1):ES m/z=839[M+H];m/z=420[M+2H]2+(ベースピーク);m/z=837[M−H];m/z=883[M+HCO2H−H](ベースピーク);t=3.57分。
【0649】
化合物37:ブロモ酢酸アリル
【0650】
【化214】
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【0651】
288mg(4.95mmol)のアリルアルコールを25mLのDCMに溶解する。この溶液を0℃に冷却し、この後、760μL(5.45mmol)のTEAおよび3.03mg(24.8μmol)のDMAPを添加する。この混合物を0℃で攪拌し、この後、1.0g(4.95mmol)のブロモアセチルブロミドを添加する。反応を一晩、室温で継続する。混合物に水を添加し;水性相をDCMで洗浄する。有機画分を併せ、水でおよびNaCl飽和溶液で洗浄し、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で溶媒を蒸発させた後、生成物37を得る(747mg、84%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):4.18(s,2H);4.64(td,J=1.5 and 5.4Hz,2H);5.25(qd,J=1.5 and 10.5Hz,1H);5.35(qd,J=1.5 and 17.2Hz,1H);5.92(tdd,J=5.4 and 10.5 and 17.2Hz,1H)。
【0652】
化合物38:4−アリルオキシカルボニルメチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【0653】
【化215】
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【0654】
8mLのアセトニトリル中の200mg(1.07mmol)の1−Boc−ピペラジンの溶液に、150μL(1.07mmol)のTEAおよび250mg(1.40mmol)のブロモ酢酸アリル37を添加する。この混合物を室温で一晩攪拌する。NaHCO飽和溶液を添加することによって反応を停止させる。混合物をEtOAcで抽出し(3回);有機相を併せ、NaCl飽和溶液で洗浄し、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で溶媒を蒸発させた後、この粗生成物を、100/90から95/5 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。期待生成物38を黄色油の形態で得る(314mg;100%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.39(s,9H);2.45 to 2.48(m,4H);3.25 to 3.34(partially masked m,6H);4.57(td,J=1.5 and 5.6Hz,2H);5.22(qd,J=1.5 and 10.3Hz,1H);5.30(qd,J=1.5 and 17.1Hz,1H);5.83 to 5.98(m,1H)。LCMS(A2):ES m/z=285[M+H];m/z=229ベースピーク;t=0.51分。
【0655】
化合物39:ピペラジン−1−イル酢酸アリル・塩酸塩
【0656】
【化216】
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【0657】
314mg(1.10mmol)の化合物38を12.6mLのジオキサンに溶解し、この後、ジオキサン中のHClの4M溶液5.5mL(22.0mmol)を添加する。攪拌を一晩、室温で継続する。この混合物を濃縮乾固させて、期待化合物39を黄色油の形態で得る(260mg;100%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):2.79 to 2.88(m,4H);3.07 to 3.15(m,4H);3.48 to 3.51(m,2H);4.60(td,J=1.5 and 5.6Hz,2H);5.23(qd,J=1.5 and 10.3Hz,1H);5.32(qd,J=1.5 and 7.4Hz,1H);5.86 to 5.98(m,1H);8,74(broad s,2H)。LCMS(A2):ES m/z=185[M+H];t=0.19分。
【0658】
化合物40:(4−{4−[(2R,3R)−3−((S)−1−{(E)−(3S,10R,16S)−10−[3−クロロ−4−メトキシベンジル]−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジル}ピペラジン−1−イル)酢酸アリル
【0659】
【化217】
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【0660】
無水アセトニトリル(2.5mL)中の化合物2(28.3mg、39.5μmol)の、アルゴンでパージした溶液に、無水アセトニトリル(1mL)中の化合物39(118.5μmol)およびTEA(198μmol)の溶液を添加する。攪拌を24時間、40℃で継続する。この混合物をEtOAc(10mL)で希釈する。有機相を水(10mL)で、NaHCO飽和水溶液(10mL)およびNaCl飽和水溶液(10mL)で洗浄する。MgSOで脱水し、濾過した後、溶媒を減圧下で蒸発させる。この粗反応生成物を、98/2 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。化合物40を白色固体の形態で得る(19.2mg;56%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.75(d,J=6.3Hz,3H);0.77(d,J=6.3Hz,3H);1.00(s,3H);1.05(d,J=6.9Hz,3H);1.12(s,3H);1.25 to 1.33(m,1H);1.50 to 1.61(m,2H);1.74 to 1.84(m,1H);2.27(dt,J=11.3 and 14.2Hz,1H);2.32 to 2.42(m,4H);2.52(partially masked m,4H);2.64 to 2.74(m,2H);2.94 to 3.05(m,3H);3.25(s,2H);3.32 to 3.35(partially masked m,1H);3.40 to 3.48(m,2H);3.81(s,3H);3.87(d,J=1.6Hz,1H);4.25(ddd,J=3.7 and 8.0 and 11.6Hz,1H);4.56(td,J=1.5 and 5.5Hz,2H);4.91(dd,J=3.7 and 9.7Hz,1H);5.11(m,1H);5.21(qd,J=1.5 and 10.5Hz,1H);5.30(qd,J=1.5 and 17.3Hz,1H);5.80(d,J=16.2Hz,1H);5.86 to 5.95(m,1H);6.47(ddd,J=3.8 and 11.2 and 15.2Hz,1H);7.05(d,J=8.5Hz,1H);7.17(dd,J=2.2 and 8.5Hz,1H);7.19 to 7.32(m,6H);8.34(d,J=8.0Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=865[M+H];m/z=433.5[M+2H]2+(ベースピーク);m/z=863[M−H];m/z=909[M+HCOH−H];t=0.92分。
【0661】
化合物41:(4−{4−[(2R,3R)−3−((S)−1−{(E)−(3S,10R,16S)−10−[3−クロロ−4−メトキシベンジル]−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジル}ピペラジン−1−イル)酢酸
【0662】
【化218】
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【0663】
無水THF中の化合物40(12.8mg、14.8μmol)のアルゴン下の溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.48μmol)およびモルホリン(148μmol)を添加する。3時間反応させた後、この混合物を濃縮乾固させ、5mLのDCMに溶かす。有機相を3mLの水中の0.1N HCl溶液1mL(pH≒5)で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、蒸発させて化合物41を得る(6.7mg、55%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.76(d,J=6.0Hz,3H);0.78(d,J=6.0Hz,3H);1.00(s,3H);1.05(d,J=6.9Hz,3H);1.12(s,3H);1.28(m,1H);1.52 to 1.59(m,2H);1.76 to 1.84(m,1H);2.21 to 2.32(m,1H);2.42(d,J=6.6Hz,4H);2.58 to 2.76(m,6H);2.97 to 3.09(m,3H);3.14(broad s,2H);3.33(masked m,1H);3.46(broad s,2H);3.81(s,3H);3.87(d,J=1.8Hz,1H);4.20 to 4.29(m,1H);4.89 to 4.93(m,1H);5.06 to 5.14(m,1H);5.80(d,J=15.2Hz,1H);6.43 to 6.50(m,1H);7.05(d,J=8.5Hz,1H);7.17(dd,J=2.2 and 8.5Hz,1H);7.20 to 7.32(m,6H);8.34(d,J=8.0Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=825[M+H];m/z=413[M+2H]2+(ベースピーク);m/z=823[M−H];t=0.86分。
【0664】
実施例13:(4−{4−[(2R,3R)−3−((S)−1−{(E)−(3S,10R,16S)−10−[3−クロロ−4−メトキシベンジル]−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジル}ピペラジン−1−イル)酢酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル
【0665】
【化219】
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【0666】
実施例13は、実施例18について説明した方法に従って酸41を活性化することによって得ることができる。
【実施例14】
【0667】
(2−{2−[2−(2−{4−[(2R,3R)−3−((S)−1−{(E)−(3S,10R,16S)−10−[3−クロロ−4−メトキシベンジル]−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジルアミノ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル
【0668】
【化220】
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【0669】
化合物42:3−(2−{2−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸アリル
【0670】
【化221】
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【0671】
1.25mLのDCM中のBoc−15−アミノ−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン酸(50mg、137μmol)の溶液に、EDCI塩酸塩(164.2μmol)、DMAP(13.7μmol)およびアリルアルコール(164.2μmol)を順次添加する。この混合物を室温で16時間攪拌し、この後、蒸発乾固させる。この粗生成物を、100/0から95/5 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。化合物42を無色の油の形態で得る(37.5mg;67%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.37(s,9H);2.57(t,J=6.1Hz,2H);3.06(q,J=6.1Hz,2H);3.37(t,J=6.1Hz,2H);3.44 to 3.53(m,12H);3.64(t,J=6.1Hz,2H);4.55(td,J=1.6 and 5.4Hz,2H);5.20(qd,J=1.6 and 10.5Hz,1H);5.30(qd,J=1.6 and 17.3Hz,1H);5.90(tdd,J=5.4 and 10.5 and 17.3Hz,1H);6.70(broad t,J=6.1Hz,1H)。LCMS(A2)ES m/z=406[M+H];m/z=428[M+Na];m/z=306ベースピークt=0.91分。
【0672】
化合物43:3−(2−{2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸アリル・塩酸塩
【0673】
【化222】
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【0674】
2mLのジオキサン中の化合物42(37.5mg、92.5μmol)の溶液に、ジオキサン中の塩化水素の4M溶液460μL(1.85mmol)を添加する。攪拌を室温で一晩継続し、この後、反応媒体を蒸発乾固させて、化合物43を無色の油の形態で得る(31mg、定量的)。H NMR(400MHz、DMSO−d):2.58(t,J=6.1Hz,2H);2.96(t,J=5.4Hz,2H);3.48 to 3.53(m,8H);3.55 to 3.58(m,4H);3.60(t,J=5.4Hz,2H);3.65(t,J=6.1Hz,2H);4.56(td,J=1.6 and 5.4Hz,2H);5.21(qd,J=1.6 and 10.5Hz,1H);5.30(qd,J=1.6 and 17.3Hz,1H);5.91(tdd,J=5.4 and 10.5 and 17.3Hz,1H);7.91(broad m,3H)。LCMS(A2):ES m/z=306[M+H];t=0.42分。
【0675】
化合物44:(2−{2−[2−(2−{4−[(2R,3R)−3−((S)−1−{(E)−(3S,10R,16S)−10−[3−クロロ−4−メトキシベンジル]−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジルアミノ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸アリル
【0676】
【化223】
[この文献は図面を表示できません]
【0677】
1.48mLの無水アセトニトリル中の化合物2(12.7mg、17.7μmol)の、アルゴンでパージした溶液に、22.2μLのTEA(159μmol)および30.2mgの化合物43(88.4μmol)を順次添加する。攪拌を40℃で24時間、継続する。一部の出発化合物2が残存する;この混合物に22.2μLのTEA(159μmol)および30.2mgの化合物43(88.4μmol)を添加し、40℃でさらに48時間、攪拌を継続する。2mLの水を混合物に添加し、この後、2×2mLのEtOAcで抽出する。有機相を併せ、NaHCO飽和溶液(2mL)でおよび塩化ナトリウム飽和溶液(2mL)で洗浄し、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で濃縮した後、この粗反応生成物を、100/0から95/5 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。化合物44を白色固体の形態で得る(4.8mg;27%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.77(m,6H);1.00(s,3H);1.05(d,J=6.9Hz,3H);1.12(s,3H);1.29(m,1H);1.49 to 1.60(m,2H);1.81(m,1H);2.26(m,1H);2.56(t,J=6.1Hz,2H);2.61 to 2.73(m,4H);2.93 to 3.04(m,3H);3.28 to 3.38(partially masked m,1H);3.45 to 3.53(m,14H);3.63(t,J=6.1Hz,2H);3.72(s,2H);3.81(s,3H);3.86(broad s,1H);4.25(ddd,J=3.4 and 8.2 and 11.4Hz,1H);4.55(dm,J=5.4Hz,2H);4.90(dd,J=3.9 and 9.8Hz,1H);5.11(ddd,J=1.4 and 5.4 and 11.2Hz,1H);5.19(dm,J=10.8Hz,1H);5.29(dm,J=17.2Hz,1H);5.79(dd,J=1.4 and 15.2Hz,1H);5.90(m,1H);6.47(ddd,J=3.9 and 11.2 and 15.2Hz,1H);7.05(d,J=8.8Hz,1H);7.17(dd,J=2.0 and 8.8Hz,1H);7.21(m,1H);7.24(d,J=8.3Hz,2H);7.28(d,J=2.0Hz,1H);7.33(d,J=8.3Hz,2H);8.35(d,J=8.2Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=986[M+H];m/z=493.5[M+2H]2+ベースピーク;m/z=984[M−H];m/z=1030[M−H+HCOH]ベースピーク;t=0.95分。
【0678】
実施例14:2−{2−[2−(2−{4−[(2R,3R)−3−((S)−1−{(E)−(3S,10R,16S)−10−[3−クロロ−4−メトキシベンジル]−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジルアミノ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル
【0679】
【化224】
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【0680】
実施例14は、化合物41について説明した方法に従って化合物44を脱保護することによりおよび実施例18について説明した方法に従って得た酸を活性化することにより得ることができる。
【実施例15】
【0681】
(2−{2−[2−(2−{4−[(2R,3R)−3−((S)−1−{(E)−(3S,10R,16S)−10−[3−クロロ−4−メトキシベンジル]−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジルメチルアミノ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル
【0682】
【化225】
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【0683】
化合物45:3−[2−(2−{2−[2−(tert−ブトキシカルボニルメチルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロパン酸
【0684】
【化226】
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【0685】
520mg(1.423mmol)のBoc−15−アミノ−4,7,10,13−テトラオキサペンタデカン酸を14mLの無水THFに溶解し、この後、この混合物を0℃に冷却し、この後、85.4mg(2.135mmol)の水素化ナトリウムをスパチュラにより添加する。攪拌を10分間、0℃で継続し、この後、150.6μL(2.419mmol)のヨウ化メチルを0℃で添加する。放置して温度を室温に戻し、攪拌を2時間、継続する。8mLの水を混合物に添加し、酢酸の添加によりこの混合物のpHを酸性化してpH≒4を得る。混合物を3×10mLのEtOAcで抽出する。有機相を併せ、10mLのNaCl飽和溶液で洗浄し、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で濃縮乾固させた後、化合物45を無色の油の形態で得る(414mg、77%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.38(s,9H);2.43(t,J=6.4Hz,2H);2.80(broad s,3H);3.29(t,J=5.9Hz,2H);3.45 to 3.52(m,14H);3.60(t,J=6.4Hz,2H);12.01(broad m,1H)。LCMS(A2):ES m/z=402[M+Na];m/z=378[M−H];m/z=280ベースピーク;t=0.95分。
【0686】
化合物46:3−[2−(2−{2−[2−(tert−ブトキシカルボニルメチルアミノ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロパン酸アリル
【0687】
【化227】
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【0688】
15mLの無水DCM中の540mg(1.423mmol)の化合物45の溶液に、327mg(1.71mmol)のEDCI、17.4mg(142μmol)のDMAPおよび116μL(1.71mmol)のアリルアルコールを順次添加する。攪拌を15時間、室温で継続し、この後、混合物を濃縮乾固させる。得られた粗生成物を、100/0から90/10 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。化合物46を無色の油の形態で得る(337mg;56%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.38(s,9H);2.57(t,J=6.1Hz,2H);2.80(broad s,3H);3.22 to 3.33(partially masked m,2H);3.44 to 3.54(m,14H);3.64(t,J=6.1Hz,2H);4.55(broad d,J=4.9Hz,2H);5.20(broad d,J=10.3Hz,1H);5.30(broad d,J=17.1Hz,1H);5.90(m,1H)。LCMS(A2):ES m/z=442[M+Na];m/z=320ベースピーク;t=0.98分。
【0689】
化合物47:3−(2−{2−[2−(2−メチルアミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸アリル
【0690】
【化228】
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【0691】
20mLのDCM中の337mg(0.802mmol)の化合物46の溶液に、1.19mL(16.04mmol)のTFAを添加する。攪拌を3時間室温で継続し、この後、減圧下でこの混合物を濃縮乾固させる。コンディショニングし、メタノールで洗浄し、この後、メタノール中のアンモニア水の0.5N溶液で溶出させるSCXカートリッジ(Varian)でのSPE濾過によって、この粗生成物を精製する。化合物47を無色の油の形態で得る(208mg、81%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):2.27(s,3H);2.54 to 2,61(m,4H);3.44(t,J=5.6Hz,2H);3.47 to 3.52(m,12H);3.65(t,J=6.2Hz,2H);4.56(broad d,J=5.4Hz,2H);5.20(broad d,J=10.5Hz,1H);5.30(broad d,J=17.2Hz,1H);5.90(m,1H)。LCMS(A2):ES m/z=320[M+H];t=0.42分。
【0692】
化合物48:(2−{2−[2−(2−{4−[(2R,3R)−3−((S)−1−{(E)−(3S,10R,16S)−10−[3−クロロ−4−メトキシベンジル]−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジルアミノ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸アリル
【0693】
【化229】
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【0694】
5mLの無水アセトニトリル中の化合物2(40mg、55.7μmol)の、アルゴンでパージした溶液に、48.5μLのDIPEA(279μmol)および53mgの化合物47(167μmol)を順次添加する。攪拌を40℃で15時間継続する;5mLの水をこの混合物に添加し、この後、4×5mLのEtOAcで抽出する。有機相を併せ、NaHCO飽和溶液(5mL)でおよびNaCl飽和溶液(5mL)で洗浄し、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で濃縮した後、この粗反応生成物を、100/0から90/10 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。化合物48を無色の固体の形態で得る(45.3mg;80%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.76(d,J=5.9Hz,3H);0.78(d,J=5.9Hz,3H);1.00(s,3H);1.04(d,J=6.8Hz,3H);1.12(s,3H);1.29(m,1H);1.50 to 1.61(m,2H);1.80(m,1H);2.15(s,3H);2.28(m,1H);2.52(t,J=6.4Hz,2H);2.56(t,J=6.4Hz,2H);2.63 to 2.73(m,2H);2.94 to 3.06(m,3H);3.25 to 3.35(partially masked m,1H);3.48(s,2H);3.49 to 3.51(m,12H);3.52(t,J=6.4Hz,2H);3.63(t,J=6.4Hz,2H);3.81(s,3H);3.87(d,J=1.5Hz,1H);4.25(ddd,J=3.4 and 8.3 and 11.5Hz,1H);4.55(broad d,J=5.0Hz,2H);4.91(dd,J=3.7 and 9.5Hz,1H);5.11(ddd,J=1.5 and 5.7 and 11.5Hz,1H);5.19(dm,J=10.3Hz,1H);5.29(dm,J=17.6Hz,1H);5.80(dd,J=1.5 and 15.2Hz,1H);5.90(m,1H);6.47(ddd,J=3.7 and 11.5 and 15.2Hz,1H);7.05(d,J=8.5Hz,1H);7.17(dd,J=2.0 and 8.5Hz,1H);7.22(dd,J=2.9 and 9.8Hz,1H);7.25(d,J=8.3Hz,2H);7.28(d,J=2.0Hz,1H);7.30(d,J=8.3Hz,2H);8.35(d,J=8.3Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=1000[M+H];m/z=500.5[M+2H]2+;m/z=1044[M−H+HCOH];t=1.01分。
【0695】
化合物49:(2−{2−[2−(2−{4−[(2R,3R)−3−((S)−1−{(E)−(3S,10R,16S)−10−[3−クロロ−4−メトキシベンジル]−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジルアミノ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸
【0696】
【化230】
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【0697】
19mg(18.9μmol)の化合物48を3.8mLの無水THFに溶解し、アルゴンでパージする。6μL(18.9μmol)のジエチルアミンを混合物に添加し、この混合物を15分間室温で攪拌し、この後、4.45mg(19.8μmol)の酢酸パラジウム(II)および18.89mgの固定型トリフェニルホスフィンを添加する。攪拌を6日間、室温で継続する:一部の出発原料が残存するが、反応はもはや進行しない。この混合物を濾過し、濃縮乾固させ、2mLの無水THFに溶かし、10μL(31.5μmol)のジエチルアミンおよび10mgのテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムで1時間、処理する。混合物を2mLの2M硫酸水素ナトリウム水溶液で加水分解し、3×2mLのDCMで抽出する。有機相を併せ、NaCl飽和溶液(2mL)で洗浄し、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で濃縮した後、この粗生成物を、98/2から90/10 DCM/メタノール混合物で溶出させるジオールグラフト型シリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。化合物49を無色の固体の形態で得る(5.4mg;30%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.76(t,J=5.9Hz,3H);0.78(t,J=5.9Hz,3H);1.00(s,3H);1.04(d,J=6.8Hz,3H);1.12(s,3H);1.31(m,1H);1.51 to 1.62(m,2H);1.80(m,1H);2.15(s,3H);2.28(m,1H);2.42(t,J=6.4Hz,2H);2.52(t,J=6.4Hz,2H);2.64 to 2.73(m,2H);2.94 to 3.04(m,3H);3.25 to 3.44(partially masked m,3H);3.45 to 3.51(m,12H);3.53(t,J=6.4Hz,2H);3.59(t,J=6.4Hz,2H);3.81(s,3H);3.87(d,J=2.0Hz,1H);4.25(ddd,J=4.2 and 7.8 and 11.5Hz,1H);4.91(dd,J=3.4 and 9.8Hz,1H);5.11(dd,J=5.4 and 11.2Hz,1H);5.80(d,J=15.2Hz,1H);6.47(ddd,J=3.7 and 11.2 and 15.2Hz,1H);7.05(d,J=8.3Hz,1H);7.17(dd,J=2.0 and 8.3Hz,1H);7.21 to 7.27(m,3H);7.28 to 7.32(m,3H);8.38(broad d,J=7.8Hz,1H);11.22(very broad m,1H)。LCMS(A2):ES m/z=960[M+H];m/z=480.5[M+2H]2+ベースピーク;m/z=958[M−H];t=0.90分。
【0698】
実施例15:(2−{2−[2−(2−{4−[(2R,3R)−3−((S)−1−{(E)−(3S,10R,16S)−10−[3−クロロ−4−メトキシベンジル]−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジルメチルアミノ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル
【0699】
【化231】
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【0700】
実施例15は、実施例18について説明した方法に従って酸49を活性化することによって調製することができる。
【実施例16】
【0701】
(2−{2−[2−(4−{(2R,3R)−3−[(S)−1−((E)−(3S,10R,16S)−10−{3−クロロ−4−メトキシベンジル}−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル)エチル]オキシラニル}ベンジルピペラジン−1−イル)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル
【0702】
【化232】
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【0703】
化合物50:3−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}プロパン酸
【0704】
【化233】
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【0705】
6mLのDCM中の300mg(1.08mmol)の12−ヒドロキシ−4,7,10−トリオキサドデカン酸tert−ブチルの溶液に1.6mL(21.56mmol)のTFAを添加する。攪拌を室温で3時間、継続する。この混合物を濃縮乾固させ、最少量のDCMに溶かし、トルエンを数回混入し、化合物50を淡黄色油の形態で得る(240mg、定量的)。
【0706】
化合物51:3−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}プロパン酸アリル
【0707】
【化234】
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【0708】
3mLのDCM中の240mg(1.08mmol)の化合物50の溶液に、248mg(1.29mmol)のEDCI、13.2mg(1.29mmol)のDMAPおよび88μL(1.29mmol)のアリルアルコールを順次添加する。攪拌を室温で15時間継続し、この後、この混合物を減圧下で濃縮乾固させ、98/2から90/10 DMC/メタノール混合物を溶離剤として使用してシリカゲルでのクロマトグラフィーによってこの粗生成物を精製する。化合物51を無色の油の形態で得る(144mg、51%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):2.57(t,J=6.2Hz,2H);3.41(m,2H);3.46 to 3.52(m,10H);3,65(t,J=6.2Hz,2H);4.52(t,J=5.5Hz,1H);4.56(m,2H);5.20(dm,J=10.5Hz,1H);5,50(dm,J=17.4Hz,1H);5.90(m,1H)。
【0709】
化合物52:4−(2−{2−[2−(2−アリルオキシカルボニルエトキシ)エトキシ]エトキシ}エチル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【0710】
【化235】
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【0711】
3.7mLのDCM中の94mg(357μmol)の化合物51の、0℃に冷却した溶液に、125μL(893μmol)のTEAおよび30.4μL(393μmol)の塩化メシルを順次添加し、攪拌を室温で1時間継続する。この混合物を減圧下で濃縮乾固させ、この後、5mLのアセトニトリルに溶かす。249μL(1.785mmol)のTEAおよび200mg(1.071mmol)のBoc−ピペラジンを溶液に添加し、この混合物を15時間、40℃で攪拌および加熱する。室温に冷却した後、混合物を濃縮乾固させ、98/2から90/10 DCM/メタノール混合物を溶離剤として使用して、シリカゲルでのクロマトグラフィーにより精製する。化合物52を無色の油の形態で得る(69mg、45%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.39(s,9H);2.33(m,4H);2.46(t,J=5.9Hz,2H);2.57(t,J=6.2Hz,2H);3.28(partially masked m,4H);3.45 to 3.53(m,10H);3.64(t,J=6.2Hz,2H);4.55(m,2H);5.20(dm,J=10.5Hz,1H);5.30(dm,J=17.2Hz,1H);5.90(m,1H)。
【0712】
化合物53:3−{2−[2−(2−ピペラジン−1−イルエトキシ)エトキシ]エトキシ}プロパン酸アリル
【0713】
【化236】
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【0714】
10mLのDCM中の110mg(256μmol)の化合物52の溶液に、380μL(5.11mmol)のTFAを添加する。攪拌を24時間、室温で継続する。この混合物を濃縮乾固させ、最少量のDCMに溶かし、トルエンを数回混入する。コンディショニングし、メタノールで洗浄し、この後、メタノール中のアンモニア水の0.5N溶液で溶出させるSCXカートリッジ(Varian)でのSPE濾過によって、この粗生成物を精製する。化合物53を無色の油の形態で得る(47mg、55%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):2.58(t,J=6.2Hz,2H);3.10 to 3.36(broad m,6H);3.45 to 3.78(partially masked m,16H);4.56(m,2H);5.20(dm,J=10.5Hz,1H);5.30(dm,J=17.2Hz,1H);5.90(m,1H);9.00(broad m,1H)。
【0715】
化合物54:(2−{2−[2−(4−{(2R,3R)−3−[(S)−1−((E)−(3S,10R,16S)−10−{3−クロロ−4−メトキシベンジル}−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル)エチル]オキシラニル}ベンジルピペラジン−1−イル)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸アリル
【0716】
【化237】
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【0717】
化合物54は、化合物30の調製について説明した方法を適用することによるアミン53での誘導体2のクロロ基の求核置換によって得ることができる。
【0718】
化合物55:(2−{2−[2−(4−{(2R,3R)−3−[(S)−1−((E)−(3S,10R,16S)−10−{3−クロロ−4−メトキシベンジル}−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル)エチル]オキシラニル}ベンジルピペラジン−1−イル)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸
【0719】
【化238】
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【0720】
化合物55は、化合物41について説明した方法に従って得ることができる。
【0721】
実施例16:(2−{2−[2−(4−{(2R,3R)−3−[(S)−1−((E)−(3S,10R,16S)−10−{3−クロロ−4−メトキシベンジル}−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル)エチル]オキシラニル}ベンジルピペラジン−1−イル)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル
【0722】
【化239】
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【0723】
実施例16は、実施例18について説明した方法に従って得ることができる。
【実施例17】
【0724】
3−(2−{2−[2−(2−{2−[4−(4−{4−[(2R,3R)−3−((S)−1−{(E)−(10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジル}ピペラジン−1−イル)−1,1−ジメチル−4−オキソブチルスルファニル]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル
【0725】
【化240】
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【0726】
化合物56:3−(2−{2−[2−(2−{2−ブロモアセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル
【0727】
【化241】
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【0728】
DCM(10mL)中の3−(2−{2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロピオン酸(671mg、2.53mmol)の溶液に、4.7mLのDCM中のブロモ酢酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル(2.53mmol)の溶液を添加する。攪拌を15分間、室温で継続し、この後、DCCをこの混合物に添加する。4時間、反応させた後、混合物を焼結漏斗によって濾過し、この後、濾液を蒸発させ、99/1から94/6 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。得られた油(800mg)を、99/1 DCM/メタノール混合物で溶出させるシアノグラフト型シリカゲルでのクロマトグラフィーによって再び精製する。化合物56を無色の油の形態で得る(611mg;50%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):2.81(s,4H);2.92(t,J=5.9Hz,2H);3.23(q,J=5.9Hz,2H);3.43(t,J=5.9Hz,2H);3.48 to 3.55(m,12 H);3.72(t,J=5.9Hz,2H);3.85(s,2H);8.30(broad t,J=5.9Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=483[M+H];m/z=481[M−H];t=0.51分。
【0729】
化合物7:(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−6,6−ジメチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−(4−メチル−4−メチルジスルファニルペンタノイル)ピペラジン−1−イルメチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0730】
【化242】
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【0731】
無水アセトニトリル(2.5mL)中の化合物2(19.8mg、27.6μmol)の、アルゴンでパージした溶液に、TEA(138μmol)および4−メチル−4−メチルジスルファニル−1−ピペラジン−1−イルペンタン−1−オン・塩酸塩6(83μmol)を順次添加する。攪拌を40℃で24時間継続し、この後、混合物をEtOAc(10mL)で希釈する。有機相を水(2×10mL)で、NaHCO飽和水溶液(10mL)でおよびNaCl飽和水溶液(10mL)で洗浄する。MgSOで脱水し、濾過した後、溶媒を減圧下で蒸発させる。この粗反応生成物を、99/1から90/10 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。白色粉末、7を得る(19.4mg;75%)。TLC(DCM 90/MeOH 10):Rf=0.6;H NMR(400MHz、DMSO−d):0.75−0.81(m,6H);1.01(s,3H);1.05(d,J=6.8Hz,3H);1.12(s,3H);1.26(s,6H);1.28−1.33(m,1H);1.52−1.61(m,2H);1.76−1.83(m,2H);2.27−2.38(m,4H);2.39(s,3H);2.64−2.74(m,2H);2.95−3.05(m,2H);3.24−3.34(m,6H);3.44(br.s.,4H);3.49(s,2H);3.81(s,3H);3.88(d,J=1.7Hz,1H);4.22−4.29(m,1H);4.92(dd,J=9.9,3.5Hz,1H);5.08−5.15(m,1H);5.81(d,J=14.2Hz,1H);6.48(ddd,J=15.2,11.3,3.5Hz,1H);7.05(d,J=8.6Hz,1H);7.17(dd,J=8.4,2.3Hz,1H);7.22(d,J=9.3Hz,1H);7.25−7.34(m,5H);8.34(d,J=8.1Hz,1H)。LCMS(A1):ES m/z=943[M+H];m/z=941[M−H];t=4.03分。
【0732】
注記:化合物7は、G=OMsから調製することもできる(実施例1参照)。
化合物Ex.1:(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−6,6−ジメチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[4−(4−メルカプト−4−メチルペンタノイル)ピペラジン−1−イルメチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0733】
【化243】
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【0734】
化合物7(17.9mg;18.97μmol)をエタノール(2.2mL)/水(1.8mL)の混合物に溶解する。混合物が濁る。この後、TCEP(47.4μmol)を添加し、この混合物を3時間、室温で攪拌し、この後、EtOAc(20mL)を添加することにより希釈し、有機相を、水とNHCl飽和水溶液の1/1混合物(20mL)でおよび次いで20mLのNaCl飽和溶液で洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、濾過し、減圧下で溶媒を蒸発させた後、生成物Ex.1を白色固体の形態で得る(15.6mg;92%)。TLC(DCM 90/MeOH 10):Rf=0.56;H NMR(500MHz、DMSO−d):0.76−0.81(m,6H);1.01(s,3H);1.06(d,J=6.8Hz,3H);1.13(s,3H);1.24(s,6H);1.27−1.31(m,1H);1.56−1.64(m,2H);1.73−1.85(m,3H);2.26−2.33(m,3H);2.36−2.45(m,4H);2.63−2.75(m,2H);2.95−3.06(m,3H);3.34−3.36(m,1H);3.42−3.51(m,6H);3.82(s,3H);3.89(s,1H);4.22−4.29(m,1H);4.92(dd,J=9.8,3.4Hz,1H);5.12(dd,J=10.8,4.9Hz,1H);5.81(d,J=15.2Hz,1H);6.48(ddd,J=15.0,11.4,3.4Hz,1H);7.06(d,J=8.3Hz,1H);7.18(dd,J=8.3,1.5Hz,1H);7.24(d,J=9.8Hz,1H);7.26−7.36(m,5H);8.37(d,J=7.8Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=897[M+H];m/z=895[M−H];t=0.97分。
【0735】
実施例17:3−(2−{2−[2−(2−{2−[4−(4−{4−[(2R,3R)−3−((S)−1−{(E)−(10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジル}ピペラジン−1−イル)−1,1−ジメチル−4−オキソ−ブチルスルファニル]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル
【0736】
【化244】
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【0737】
無水アセトニトリル(1.0mL)中の化合物Ex.1(15.6mg、17.8μmol)の、アルゴンでパージした溶液に、DIPEA(19.12μmol)および化合物56(19.12μmol)を順次添加する。攪拌を室温で4時間継続し、この後、さらなる29.5μmolのDIPEAを添加し、攪拌を16時間継続する。翌日、さらなる29.5μmolの化合物56およびさらなる29.5μmolのDIPEAを添加し、この混合物を50℃に加熱する。さらに24時間反応させた後、22.6μmolの化合物56および29.5μmolのDIPEAを添加し、この混合物を60℃でさらに24時間加熱する。この後、加熱を停止し、室温で64時間、攪拌を継続する。混合物を10mLのEtOAcで希釈し、有機相を2×10mLの水および次いで10mLのNaCl飽和溶液で洗浄する。有機相をMgSOで脱水し、濾過し、減圧下で溶媒を蒸発させた後、この粗生成物を、99/1から90/10 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。生成物Ex.17を無色の固体の形態で得る(9.2mg;41%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.77 to 0.82(m,6H):1.02(s,3H):1.06(d,J=6.9Hz,3H):1.13(s,3H):1.23(s,6H):1.26 to 1.35(m,1H):1.52 to 1.64(m,2H):1.68 to 1.77(m,2H):1.78 to 1.86(m,1H):2.26 to 2.33(m,3H):2.35 to 2.41(m,4H):2.68 to 2.76(m,2H):2.82(s,4H):2.93(t,J=6.0Hz,2):2.96 to 3.07(m,4H):3.13(s,2H):3.20(q,J=5.8Hz,2H):3.33(m,1H):3.38 to 3.57(m,18H):3.73(t,J=5.8Hz,2H):3.83(s,3H):3.89(s,2H):4.27(m,1H):4.93(dd,J=3.8 and 10.0Hz,1H):5.13(m,1H):5.82(d,J=15.4Hz,1H):6.49(ddd,J=3.8 and 11.1 and 15.4Hz,1H):7.07(d,J=8.8Hz,1H):7.15 to 7.37(m,7H):8.01(t,J=5.8Hz,1H):8.35(d,J=8.0Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=1299[M+H]:m/z=650[M+2H]2+:m/z=1297[M−H]:t=0.92分。
【実施例18】
【0738】
3−(2−{2−[2−(2−{4−[(2S,3S)−3−((S)−1−{(E)−(3S,10R,16S)−10−[3−クロロ−4−メトキシベンジル]−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジルオキシカルボニルアミノ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル
【0739】
【化245】
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【0740】
実施例58:4−((2S,3S)−3−{(S)−1−[(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル]エチル}オキシラニル)ベンジルカルバミン酸4−ニトロフェニル
【0741】
【化246】
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【0742】
化合物57(20mg;28.6μmol、Al−awar R.S.ら、「J.Med.Chem.」2003、46、2985−3007に従って調製したもの)を無水DCM(0.3mL)に溶解し、この溶液をアルゴンでパージし、この後、TEA(40μmol)および次いでクロロギ酸4−ニトロフェニル(32.32μmol)を添加する。3時間30分、室温で攪拌した後、混合物を加水分解し、7mLのEtOAcで希釈する。有機相を水でおよび次いでNaCl飽和溶液で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、蒸発乾固させて、化合物58を白色固体の形態で得る(23mg、93%)。LCMS(A3):ES m/z=864[M+H];m/z=908[M+HCOH−H];t=1.43分。
【0743】
化合物59:3−(2−{2−[2−(2−{4−[(2S,3S)−3−((S)−1−{(E)−(3S,10R,16S)−10−[3−クロロ−4−メトキシベンジル]−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジルオキシカルボニルアミノ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸
【0744】
【化247】
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【0745】
無水アセトニトリル(1.6mL)中の化合物58(23mg、26.6μmol)の、アルゴンでパージした溶液に、3−(2−{2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロピオン酸(39.9μmol)およびTEA(53.2μmol)を順次添加する。24時間、室温で攪拌した後、この混合物を10mLのEtOAcで希釈する。250μLの0.1N HCl(pH≒4)を含有する10mLの水で有機相を洗浄する。水性相を10mLのEtOAcで抽出する(2×);有機相を併せ、10mLの水でおよび次いで10mLのNaCl飽和溶液で洗浄し、MgSOで脱水し、濾過し、蒸発乾固させて、化合物59を非常に淡い黄色の固体の形態で得る(18.5mg、70%)。LCMS(A3):ES m/z=990[M+H];m/z=988[M−H];t=1.32分。
【0746】
実施例18:3−(2−{2−[2−(2−{4−[(2S,3S)−3−((S)−1−{(E)−(3S,10R,16S)−10−[3−クロロ−4−メトキシベンジル]−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジルオキシカルボニルアミノ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル
【0747】
【化248】
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【0748】
THF(1.5mL)中の化合物59(18.5mg、18.6μmol)の、アルゴンでパージした溶液に、DIPEA(55.8μmol)およびN,N’−ジスクシンイミジルカルボナート(37.2μmol)を順次添加する。19時間、室温で攪拌した後、この混合物を10mLのEtOAcで希釈し、10mLの水(2回)でおよび次いで10mLのNaCl飽和溶液で洗浄し、MgSOで脱水し、蒸発乾固させる。この粗生成物を、100/0から0/100 ヘプタン/EtOAc混合物(10%イソプロパノール含有)で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。生成物Ex.17を白色固体の形態で得る(6.08mg;30%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.83 to 0.88(m,6H);0.97(d,J=7.1Hz,3H);1.02(s,3H);1.15(s,3H);1.47 to 1.56(m,1H);1.58 to 1.68(m,2H);1.82 to 1.90(m,1 );2.39 to 2.47(m,1H);2.60 to 2.66(m,1H);2.71(dd,J=11.5 and 14.4Hz,1H);2.80(s,4H);2.91(t,J=6.0Hz,2H);2.94 to 3.07(m,3H);3.14(q,J=6.0Hz,2H);3.37 to 3.56(partially masked m,15H);3.71(t,J=6.0Hz,2H);3.79(m,1H);3.81(s,3H);4.27(ddd,J=3.8 and 8.0 and 11.3Hz,1H);4.96 to 5.05(m,3H);5.11(m,1H);5.88(d,J=15.4Hz,1H);6.48(ddd,J=3.8 and 11.3 and 15.4Hz,1H);7.05(d,J=8.8Hz,1H);7.14 to 7.39(m,8H);8.40(d,J=8.0Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=1087[M+H];m/z=1085[M−H];t=1.09分。
【実施例19】
【0749】
(1−{4−[(2R,3R)−3−((S)−1−{(E)−(3S,10R,16S)−10−[3−クロロ−4−メトキシベンジル]−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジル}−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)酪酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル
【0750】
【化249】
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【0751】
化合物60:(E)−(3S,10R,16S)−16−{(S)−1−[(2R,3R)−3−(4−アジドメチルフェニル)オキシラニル]エチル}−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0752】
【化250】
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【0753】
9mLの無水THF中の60mg(85.8μmol)の化合物1の、アルゴンでパージした溶液に、25.9μL(120μmol)のジフェニルホスホラジドを添加する。この混合物を室温で10分間攪拌し、この後、0℃に冷却し、この後、18.0μL(120μmol)のDBUを添加する。室温で15時間、攪拌を継続する。反応は完了しない:25.9μL(120μmol)のジフェニルホスホラジドおよび18.0μL(120μmol)のDBUを添加し、攪拌を24時間継続する。一部の出発化合物1が残存する:25.9μL(120μmol)のジフェニルホルホラジドおよび18.0μL(120μmol)のDBUを添加し、攪拌を24時間継続する。この反応混合物を6mLの水の添加により加水分解し、この後、DCM(3×6mL)で抽出する。有機相を併せ、NaCl飽和溶液(8mL)で洗浄し、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で濃縮した後、100/0から90/10 DCM/メタノール混合物を溶離剤として使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによってこの粗生成物を精製する。化合物60を白色固体の形態で得る(46mg、74%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.76(d,J=6.3Hz,3H);0.78(d,J=6.3Hz,3H);1.00(s,3H);1.05(d,J=6.9Hz,3H);1.12(s,3H);1.30(m,1H);1.49 to 1.63(m,2H);1.82(m,1H);2.27(m,1H);2.63 to 2.74(m,2H);2.95 to 3.05(m,3H);3.25 to 3.38(partially masked m,1H);3.81(s,3H);3.92(d,J=1.9Hz,1H);4.25(ddd,J=3.6 and 8.0 and 11.5Hz,1H);4.46(s,2H);4.92(dd,J=3.6 and 9.6Hz,1H);5.11(ddd,J=1.5 and 5.7 and 11.3Hz,1H);5.80(dd,J=1.5 and 15.1Hz,1H);6.48(ddd,J=3.8 and 11.3 and 15.1Hz,1H);7.05(d,J=8.6Hz,1H);7.17(dd,J=2.2 and 8.6Hz,1H);7.22(dd,J=2.6 and 9.5Hz,1H);7.28(d,J=2.2Hz,1H);7.34(d,J=8.3Hz,2H);7.38(d,J=8.3Hz,2H);8.34(d,J=8.0Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=724[M+H];m/z=722[M−H];m/z=768[M−H+HCOH]ベースピーク;t=1.18分。
【0754】
化合物61:(1−{4−[(2R,3R)−3−((S)−1−{(E)−(3S,10R,16S)−10−[3−クロロ−4−メトキシベンジル]−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジル}−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)酪酸
【0755】
【化251】
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【0756】
500μLの水中の22mg(30.4μmol)の化合物60の懸濁液に、500μLのTHF中の6.8mg(60.8μmol)の5−ヘキシン酸の溶液を添加する。この後、122μL(12.2μmol)の0.1M硫酸銅水溶液および122μL(24.3μmol)の0.2Mアスコルビン酸ナトリウム水溶液を添加する。攪拌を2時間、室温で継続する。2mLの水を添加することにより混合物を加水分解し、この後、EtOAc(3×2mL)で抽出する。有機相を併せ、NaCl飽和溶液(3mL)で洗浄し、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で濃縮した後、98/2から90/10 DCM/メタノール混合物を溶離剤として使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによってこの粗生成物を精製する。化合物61を白色固体の形態で得る(19.4mg、76%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.73(d,J=6.4Hz,3H);0.75(d,J=6.4Hz,3H);1.00(s,3H);1.04(d,J=6.9Hz,3H);1.11(s,3H);1.29(m,1H);1.50 to 1.59(m,2H);1.76 to 1.85(m,3H);2.20 to 2.30(m,3H);2.62(t,J=7.7Hz,2H);2.65 to 2.72(m,2H);2.94 to 3.04(m,3H);3.28 to 3.38(partially masked m,1H);3.81(s,3H);3.89(d,J=1.6Hz,1H);4.25(ddd,J=3.6 and 8.0 and 11.5Hz,1H);4.90(dd,J=3.6 and 9.6Hz,1H);5.10(ddd,J=1.6 and 5.2 and 11.2Hz,1H);5.53(s,2H);5.78(dd,J=1.6 and 15.0Hz,1H);6.46(ddd,J=3.7 and 11.2 and 15.0Hz,1H);7.05(d,J=8.5Hz,1H);7.17(dd,J=1.9 and 8.5Hz,1H);7.22(dd,J=2.3 and 9.5Hz,1H);7.28(d,J=1.9Hz,1H);7.31(s,4H);7.92(s,1H);8.37(broad d,J=8.0Hz,1H);12.03(very broad m,1H)。LCMS(A2):ES m/z=836[M+H];m/z=418.5[M+2H]2+ベースピーク;m/z=834[M−H];t=1.04分。
【0757】
化合物62:(1−{4−[(2R,3R)−3−((S)−1−{(E)−(3S,10R,16S)−10−[3−クロロ−4−メトキシベンジル]−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジル}−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)酪酸メチル
【0758】
【化252】
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【0759】
500μLのDCMおよび200μLのメタノール中の5mg(6μmol)の化合物61の溶液に、ヘキサン中のトリメチルシリルジアゾメタンの2M溶液4.5μL(9.0μmol)を添加する。攪拌を30分間継続する。この混合物を減圧下で濃縮し、98/2 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでの濾過によって精製する。化合物62を白色固体の形態で得る(5mg、98%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.72(d,J=6.4Hz,3H);0.75(d,J=6.4Hz,3H);0.99(s,3H);1.04(d,J=6.8Hz,3H);1.11(s,3H);1.28(m,1H);1.50 to 1.59(m,2H);1.79(m,1H);1.83(m,2H);2.25(m,1H);2.35(t,J=7.6Hz,2H);2.62(t,J=7.6Hz,2H);2.65 to 2.72(m,2H);2.94 to 3.05(m,3H);3.25 to 3.38(partially masked m,1H);3.57(s,3H);3.81(s,3H);3.89(d,J=1.5Hz,1H);4.25(ddd,J=3.7 and 8.3 and 11.4Hz,1H);4.89(dd,J=3.4 and 9.8Hz,1H);5.09(ddd,J=1.5 and 5.4 and 11.4Hz,1H);5.53(s,2H);5.78(dd,J=1.5 and 15.2Hz,1H);6.46(ddd,J=3.4 and 11.4 and 15.2Hz,1H);7.05(d,J=8.8Hz,1H);7.17(dd,J=2.0 and 8.8Hz,1H);7.22(dd,J=2.5 and 9.8Hz,1H);7.28(d,J=2.0Hz,1H);7.31(s,4H);7.92(s,1H);8.34(d,J=8.3Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=850[M+H];m/z=425.5[M+2H]2+ベースピーク;m/z=848[M−H];m/z=894[M−H+HCOH]ベースピーク;t=1.11分。
【0760】
実施例19:(1−{4−[(2R,3R)−3−((S)−1−{(E)−(3S,10R,16S)−10−[3−クロロ−4−メトキシベンジル]−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル}エチル)オキシラニル]ベンジル}−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)酪酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル
【0761】
【化253】
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【0762】
1.2mLのTHF中の13.4mg(16μmol)の化合物61の、アルゴンでパージした溶液に、8.4μL(48.1μmol)のDIPEAおよび8.21mg(32.04μmol)のN,N−ジスクシンイミジルカルボナートを順次添加する。攪拌を室温で26時間継続する。2mLの水の添加によりこの混合物を加水分解し、この後、2×2mLのEtOAcで抽出する。有機相を併せ、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で濃縮した後、この粗生成物を、98/2 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでの濾過によって精製する。得られる生成物は、0.15molのNHSを含有する。この生成物を2mLのDCMに溶かし、水(2×3mL)で洗浄し、この後、MgSOで脱水する。濾過し、濃縮乾固させた後、化合物Ex.19を白色固体の形態で得る(12.56mg、84%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.73(d,J=6.3Hz,3H);0.75(d,J=6.6Hz,3H);1.00(s,3H);1.04(d,J=6.9Hz,3H);1.11(s,3H);1.30(m,1H);1.49 to 1.60(m,2H);1.79(m,1H);1.95(quin,J=7.5Hz,2H);2.26(m,1H);2.65 to 2.77(m,6H);2.81(broad s,4H);2.92 to 3.05(m,3H);3.34(partially masked m,1H);3.81(s,3H);3.89(d,J=1.9Hz,1H);4.25(ddd,J=3.7 and 8.1 and 11.5Hz,1H);4.90(dd,J=3.6 and 9.6Hz,1H);5.09(ddd,J=1.4 and 5.5 and 11.3Hz,1H);5.54(s,2H);5.79(dd,J=1.4 and 15.1Hz,1H);6.46(ddd,J=3.8 and 11.3 and 15.1Hz,1H);7.05(d,J=8.5Hz,1H);7.17(dd,J=2.2 and 8.5Hz,1H);7.21(dd,J=2.5 and 9.6Hz,1H);7.28(d,J=2.2Hz,1H);7.31(s,4H);7.95(s,1H);8.33(d,J=8.1Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=933[M+H];m/z=467[M+2H]2+ベースピーク;m/z=977[M−H+HCOH]ベースピーク;t=1.08分。
【実施例20】
【0763】
3−(2−{2−[2−(2−{1−[1−(4−{(2R,3R)−3−[(S)−1−((E)−(10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル)エチル]オキシラニル}ベンジル)−1,2,3−トリアゾール−1−イル]メトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸2,5−ジオキサピロリジン−1−イル
【0764】
【化254】
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【0765】
化合物63:2−{2−[2−(2−プロパ−2−イニルオキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}エタノール
【0766】
【化255】
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【0767】
25mLの無水THF中の1g(5.15mmol)のテトラエチレングリコールの、アルゴンでパージし、0℃に冷却した溶液に、144mg(36.0mmol)のNaHを鉱物油中の60%分散体として添加する。30分間、0℃で攪拌を継続し、この後、194μL(2.58mmol)のプロパルギルブロミドを添加する。室温で15時間、攪拌を継続する。混合物を減圧下で濃縮し、この後、98/2から90/10 DCM/メタノール混合物を溶離剤として使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによってこの粗生成物を精製する。化合物63を無色の油の形態で得る(789mg、65%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):3.40(t,J=2.4Hz,1H);3.42(t,J=5.5Hz,2H);3.48(q,J=5.5Hz,2H);3.51 to 3.58(m,12H);4.14(d,J=2.4Hz,2H);4.53(t,J=5.5Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=233[M+H];t=0.38分。
【0768】
化合物64:3−(2−{2−[2−(2−プロパ−2−イニルオキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸tert−ブチル
【0769】
【化256】
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【0770】
8.8mLの無水THF中の790mg(3.40mmol)の化合物63の、アルゴンでパージした溶液に、4.4mg(190μmol)のナトリウムを添加する。混合物を40℃で2時間加熱して、この混合物を十分に溶解する;室温に冷却した後、740μL(5.09mmol)のアクリル酸tert−ブチルを混合物に添加する。15時間、室温で攪拌を継続し、この後、この混合物を減圧下で濃縮し、98/2から90/10 DCM/メタノール混合物を溶離剤として使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによってこの粗生成物を精製する。化合物64を無色の油の形態で得る(944mg、77%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):1.44(s,9H);2.41(t,J=6.2Hz,2H);3.38(t,J=2.4Hz,1H);3.46 to 3.62(m,16H);3.59(t,J=6.2Hz,2H);4.14(d,J=2.4Hz,2H)。LCMS(A1):ESm/z=361[M+H];m/z=383[M+Na];t=3.79分。
【0771】
化合物65:3−(2−{2−[2−(2−プロパ−2−イニルオキシエトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸
【0772】
【化257】
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【0773】
944mg(2.62mmol)の化合物64の溶液に、2mL(52.4mmol)のTFAを添加する。この混合物を6時間、室温で攪拌し、この後、濃縮乾固させ、最少量のDCMに溶かし、トルエンを数回混入する。化合物65を無色の油の形態で得る(722mg、91%)。H NMR(400MHz、DMSO−d):2.44(t,J=6.4Hz,2H);3.39(t,J=2.4Hz,1H);3.46 to 3.56(m,16H);3.60(t,J=6.4Hz,2H);4.14(d,J=2.4Hz,2H);7.44 to 9.73(very broad m,1H)。LCMS(A2):ES m/z=305[M+H];m/z=303[M−H];t=0.48分。
【0774】
実施例20:3−(2−{2−[2−(2−{1−[1−(4−{(2R,3R)−3−[(S)−1−((E)−(10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル)エチル]オキシラニル}ベンジル)−1,2,3−トリアゾール−1−イル]メトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)プロパン酸2,5−ジオキサピロリジン−1−イル
【0775】
【化258】
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【0776】
実施例20は、化合物61について説明した方法に従って化合物60および65から得ることができ、この後、実施例19について説明した方法に従ってこの酸を活性化する。
【実施例21】
【0777】
(4−{1−[(4−{(2R,3R)−3−[(S)−1−((E)−(3S,10R,16S)−10−{3−クロロ−4−メトキシベンジル}−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル)エチル]オキシラニル}ベンジル)メチルアミノ]メチル}−1,2,3−トリアゾール−1−イル)酪酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル
【0778】
【化259】
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【0779】
化合物66:(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−6,6−ジメチル−16−[(S)−1−((2R,3R)−3−{4−[(メチルプロパ−2−イニルアミノ)メチル]フェニル}オキシラニル)エチル]−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0780】
【化260】
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【0781】
5mLの無水アセトニトリル中の40mg(55.7μmol)の化合物2の、アルゴンでパージした溶液に、48.5μL(279μmol)のDIPEAおよび13.9μL(167μmol)のN−メチルプロパルギルアミンを順次添加する。この混合物を40℃で15時間加熱する。一部の出発化合物2が残存する:さらなる48.5μL(279μmol)のDIPEAおよび13.9μL(167μmol)のN−メチルプロパルギルアミンを添加する。24時間、40℃で攪拌した後、この混合物を5mLのEtOAcで希釈し、この後、5mLの水で洗浄する。水性相を3×5mLのEtOAcで抽出し、有機相を併せ、NaHCO飽和溶液(10mL)でおよびNaCl飽和溶液(10mL)で洗浄し、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で濃縮した後、98/2から90/10 DCM/メタノール混合物を溶離剤として使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによってこの粗生成物を精製する。化合物66を白色固体の形態で得る(45mg、定量的)。H NMR(400MHz、DMSO−d):0.78(m,6H);1.00(s,3H);1.05(d,J=6.8Hz,3H);1.12(s,3H);1.30(m,1H);1.49 to 1.61(m,2H);1.81(m,1H);2.20(s,3H);2.28(m,1H);2.63 to 2.76(m,2H);2.92 to 3.07(m,3H);3.17(t,J=2.4Hz,1H);3.27(d,J=2.4Hz,2H);3.33(partially masked m,1H);3.50(s,2H);3.81(s,3H);3.88(d,J=1.7Hz,1H);4.25(ddd,J=3.4 and 7.8 and 11.4Hz,1H);4.92(dd,J=3.5 and 9.7Hz,1H);5.11(ddd,J=1.5 and 5.5 and 11.2Hz,1H);5.80(dd,J=1.5 and 15.0Hz,1H);6.47(ddd,J=3.9 and 11.2 and 15.0Hz,1H);7.05(d,J=8.6Hz,1H);7.17(dd,J=2.1 and 8.6Hz,1H);7.22(dd,J=2.1 and 9.4Hz,1H);7.25 to 7.33(m,5H);8.33(d,J=7.8Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=750[M+H];m/z=375.5[M+2H]2+ベースピーク;ES m/z=748[M−H];m/z=794[M−H+HCOH];t=0.91分。
【0782】
化合物67:4−アジド酪酸エチル
【0783】
【化261】
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【0784】
2.86mL(20mmol)の4−ブロモ酪酸エチルおよび2.6g(40mmol)のNaNを30mLの2/1 アセトン/水混合物に溶解する。この混合物を7時間還流させる。室温に冷却し、減圧下で濃縮した後、残留物を50mLの水に溶かす。水性相を3×30mLのDCMで抽出する。有機相を併せ、MgSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、化合物67を無色の油の形態で得る(3g、95%)。H NMR(400MHz、クロロホルム−d):1.27(t,J=7.2Hz,3H);1.92(m,2H);2.41(t,J=7.2Hz,2H);3.36(t,J=6.7Hz,2H);4.15(q,J=7.2Hz,2H)。
【0785】
化合物68:4−アジド酪酸
【0786】
【化262】
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【0787】
47mLのメタノールおよび37mLの水中の3g(19.9mmol)の化合物67の溶液に、5.58g(99.5mmol)の水酸化カリウムを少しずつ添加する。この混合物を室温で6時間攪拌し、この後、減圧下で約28mLに濃縮する。残留物を25mLの水で希釈し2×20mLのDCMで抽出する。濃HClを添加することによって水性相をpH≒1に酸性化し、この後、3×25mLのジエチルエーテルで抽出する。有機相を併せ、NaCl飽和溶液(15mL)で洗浄し、MgSOで脱水する。濾過し、減圧下で濃縮乾固させた後、化合物68を無色の油の形態で得る(2.05g、80%)。H NMR(400MHz、クロロホルム−d):1.93(m,2H);2.49(t,J=7.1Hz,2H);3.39(t,J=6.7Hz,2H);11.24(broad m,1H)。
【0788】
化合物69:(4−{1−[(4−{(2R,3R)−3−[(S)−1−((E)−(3S,10R,16S)−10−{3−クロロ−4−メトキシベンジル}−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル)エチル]オキシラニル}ベンジル)メチルアミノ]メチル}−1,2,3−トリアゾール−1−イル)酪酸
【0789】
【化263】
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【0790】
545μLのTHF中の24mg(32μmol)の化合物66の溶液に、8.3mg(13μmol)の化合物68、545μLの水、128μLの0.1M硫酸銅水溶液および128μLの0.2Mアスコルビン酸ナトリウム水溶液を順次添加する。この混合物を45分間、室温で攪拌し、この後、2mLの水で希釈する。水性相を3×2mLのEtOAcで抽出する。有機相を併せ、NaCl飽和溶液(2mL)で洗浄し、MgSOに通して濾過する。濾過し、減圧下で濃縮した後、98/2から90/10 DCM/メタノール混合物を溶離剤として使用して、ジオールグラフト型シリカゲルでのクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製する。化合物69を白色固体の形態で得る(22.6mg、80%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.76(d,J=6.6Hz,3H);0.78(d,J=6.6Hz,3H);1.00(s,3H);1.05(d,J=6.9Hz,3H);1.11(s,3H);1.30(m,1H);1.50 to 1.62(m,2H);1.81(m,1H);2.03(m,2H);2.10(s,3H);2.20(t,J=7.0Hz,2H);2.30(m,1H);2.64 to 2.74(m,2H);2.94 to 3.03(m,3H);3.35(partially masked m,1H);3.48(s,2H);3.61(s,2H);3.81(s,3H);3.87(d,J=1.6Hz,1H);4.25(ddd,J=3.7 and 7.7 and 11.5Hz,1H);4.37(t,J=7.0Hz,2H);4.91(dd,J=3.6 and 9.6Hz,1H);5.11(ddd,J=1.5 and 5.5 and 11.3Hz,1H);5.80(dd,J=1.5 and 15.1Hz,1H);6.47(ddd,J=3.7 and 11.3 and 15.1Hz,1H);7.05(d,J=8.5Hz,1H);7.17(dd,J=2.2 and 8.5Hz,1H);7.23(dd,J=2.5 and 9.8Hz,1H);7.26(d,J=8.5Hz,2H);7.28(d,J=2.2Hz,1H);7.34(d,J=8.5Hz,2H);8.02(s,1H);8.39(broad d,J=7.7Hz,1H);12.14(broad m,1H)。LCMS(A2):ES m/z=879[M+H];m/z=877[M−H];t=0.86分。
【0791】
化合物70:(4−{1−[(4−{(2R,3R)−3−[(S)−1−((E)−(3S,10R,16S)−10−{3−クロロ−4−メトキシベンジル}−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル)エチル]オキシラニル}ベンジル)メチルアミノ]メチル}−1,2,3−トリアゾール−1−イル)酪酸メチル
【0792】
【化264】
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【0793】
0.5mLのDCMおよび0.2mLのメタノール中の5.5mg(6.2μmol)の化合物69の、アルゴンでパージした溶液に、4.7μL(9.3μmol)のトリメチルシリルジアゾメタンを添加する。この混合物を45分間、室温で攪拌し、この後、濃縮乾固させる。98/2から95/5 DCM/メタノール混合物を溶離剤として使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーによってこの粗生成物を精製する。化合物70を白色固体の形態で得る(3.4mg、62%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.75(d,J=6.6Hz,3H);0.77(d,J=6.6Hz,3H);1.00(s,3H);1.05(d,J=6.9Hz,3H);1.11(s,3H);1.28(m,1H);1.49 to 1.61(m,2H);1.80(m,1H);2.07(m,2H);2.10(m,3H);2.26(m,1H);2.31(t,J=7.0Hz,2H);2.62 to 2.74(m,2H);2.93 to 3.04(m,3H);3.27 to 3.37(partially masked m,1H);3.48(s,2H);3.58(s,3H);3.61(s,2H);3.81(s,3H);3.87(d,J=2.0Hz,1H);4.25(ddd,J=3.7 and 8.2 and 11.6Hz,1H);4.38(t,J=7.0Hz,2H);4.91(dd,J=3.9 and 9.8Hz,1H);5.11(ddd,J=1.5 and 5.3 and 11.2Hz,1H);5.79(dd,J=1.5 and 15.2Hz,1H);6.47(ddd,J=3.9 and 11.2 and 15.2Hz,1H);7.05(d,J=8.6Hz,1H);7.16(dd,J=2.2 and 8.6Hz,1H);7.22(dd,J=2.4 and 9.8Hz,1H);7.26(d,J=8.6Hz,2H);7.28(d,J=2.2Hz,1H);7.33(d,J=8.6Hz,2H);8.03(s,1H);8.34(d,J=8.2Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=893[M+H];m/z=447[M+2H]2+ベースピーク;m/z=891[M−H];m/z=937[M−H+HCOH]ベースピーク;t=0.90分。
【0794】
実施例21:(4−{1−[(4−{(2R,3R)−3−[(S)−1−((E)−(3S,10R,16S)−10−{3−クロロ−4−メトキシベンジル}−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル)エチル]オキシラニル}ベンジル)メチルアミノ]メチル}−1,2,3−トリアゾール−1−イル)酪酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル
【0795】
【化265】
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【0796】
実施例21は、実施例19について説明した方法に従って酸69を活性化することによって得ることができる。
【実施例22】
【0797】
【化266】
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【0798】
化合物71:(E)−(3S,10R,16S)−16−{(S)−1−[(2S,3S)−3−(4−アジドメチルフェニル)オキシラニル]エチル}−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0799】
【化267】
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【0800】
化合物57(36mg;51.48μmol、Al−awar R.S.ら、「J.Med.Chem.」2003、46、2985−3007に従って調製したもの)を無水THF(2mL)に溶解する。この溶液をアルゴンでパージし、氷冷水浴で冷却し、この後、DPPA(74μmol)および次いでDBU(80μmol)を添加する。この混合物を放置して室温に温め、攪拌を一晩継続する。翌日、この溶液を再び氷冷水浴で冷却し、この後、さらなる74μmolのDPPAおよび80μmolのDBUを添加する。2時間、0℃でおよび2時間、室温で反応させた後、混合物を5mLの水で加水分解し、この後、DCMで3回抽出する。併せた有機相をNaSOで脱水し、濾過し、減圧下で蒸発させる。この後、この粗生成物を、100/0から95/5 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。化合物57を無色の固体の形態で得る(24mg;64%)。H NMR(500MHz、DMSO−d)δ(ppm):0.84(d,J=6.3Hz,3H);0.86(d,J=6.3Hz,3H);0.98(d,J=7.1Hz,3H);1.03(s,3H);1.15(s,3H);1.48 to 1.67(m,3H);1.88(m,1H);2.45(m,1H);2.63(m,1H);2.71(dd,J=11.5 and 14.0Hz,1H);2.97 to 3.08(m,3H);3.36(partially masked m,1H);3.82(broad s,4H);4.28(ddd,J=3.6 and 8.0 and 11.5Hz,1H);4.44(s,2H);4.99(dd,J=3.7 and 9.5Hz,1H);5.12(ddd,J=1.4 and 5.7 and 11.4Hz,1H);5.88(dd,J=1.4 and 15.2Hz,1H);6.49(ddd,J=3.8 and 11.4 and 15.2Hz,1H);7.05(d,J=8.5Hz,1H);7.18(dd,J=2.2 and 8.5Hz,1H);7.26 to 7.32(m,4H);7.36(d,J=8.5Hz,2H);8.40(d,J=8.0Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=722[M−H];m/z=724[M+H];m/z=768[M+HCOH−H];t=1.19分。
【0801】
化合物72:(E)−(3S,10R,16S)−16−{(S)−1−[(2S,3S)−3−(4−アミノメチルフェニル)オキシラニル]エチル}−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0802】
【化268】
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【0803】
化合物71(22mg、30.38μmol)を、メタノール(1mL)/水(0.2mL)の混合物に溶解し、この後、TCEP(34.89μmol)を添加する。得られた溶液を一晩、室温で攪拌し、この後、減圧下で濃縮する。この後、残留物をNaHCO飽和水溶液に溶かし、DCMで3回抽出する。併せた有機相をNaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮する。このようにして中間体72を無色の固体の形態で得(21mg、99%)、この中間体72を粗製形態で次の工程で使用する。LCMS(A5):ES m/z=696[M−H];m/z=698[M+H];m/z=742[M+HCOH−H];t=3.19分。
【0804】
化合物74:FmocVal−Cit−PABAC−α−アミノクリプトフィシン72
【0805】
【化269】
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【0806】
化合物72(21mg、30.08μmol)をアセトニトリル(2mL)/無水DMF(0.5mL)の混合物に溶解し、この後、アセトニトリル(2mL)中の化合物73(23mg、30.1μmol;WO2006/110476に従って調製したもの)の溶液を添加する。この混合物を22時間、室温で攪拌し、この後、減圧下で濃縮する。残留物をDCMに溶かし、NaHCO飽和水溶液で洗浄し、この後、NaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮する。この後、この粗生成物を、100/0から90/10 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。化合物74を白色固体の形態で得(22mg)、この化合物を粗製形態で次の工程において用いる。LCMS(A5):ES m/z=1325[M+H];m/z=1369[M+HCOH−H];t=4.30分。
【0807】
化合物75:Val−Cit−PABAC−α−アミノクリプトフィシン72
【0808】
【化270】
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【0809】
化合物74(22mg、16.59μmol)をDMF(3mL)に溶解し、この後、ピペリジン(150μL、1.51mmol)を添加し、この混合物を30分間、室温で攪拌する。混合物を減圧下で濃縮し;残留物を最少量のメタノールに溶解し、エーテルから沈殿させる。このようにして化合物75を白色固体の形態で得る(15mg、82%)。LCMS(A5):ES m/z=1103[M+H];m/z=1101[M−H];m/z=1148[M+HCOH−H];t=3.38分。
【0810】
化合物76:グルタル酸−Val−Cit−PABAC−α−アミノクリプトフィシン72
【0811】
【化271】
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【0812】
無水DMF(200μL)中のグルタル酸(8mg、70μmol)の溶液を、アルゴン下条件で化合物75(15mg、13.59μmol)に添加する。得られた溶液を一晩、室温で攪拌し、この後、NHCl飽和水溶液を添加し、DCMで3回抽出する。併せた有機相をNaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮する。得られた残留物をDCMに溶かし、エーテルで沈殿させる。焼結漏斗による濾過およびエーテルでの洗浄後、化合物76をベージュ色の固体の形態で得る(8mg、48%)。H NMR(500MHz、DMSO−d)δ(ppm):0.80 to 0.92(m,12H);0.96(d,J=7.1Hz,3H);1.02(s,3H);1.15(s,3H);1.30 to 1.72(m,9H);1.86(m,1H);2.00(m,1H);2.11 to 2.26(m,4H);2.42(m,1H);2.60 to 2.74(m,2H);2.91 to 3.11(m,5H);3.38(partially masked m,1H);3.76(d,J=1.8Hz,1H);3.81(s,3H);4.17(m,3H);4.27(m,1H);4.37(m,1H);4.90 to 5.04(m,3H);5.11(m,1H);5.50(broad m,2H);5.88(broad d,J=15.2Hz,1H);6.20(broad m,1H);6.48(m,1H);7.06(d,J=8.3Hz,1H);7.11 to 7.32(m,9H);7.60(m,2H);7.75(m,1H);7.89(m,1H);8.28(broad m,1H);8.41(d,J=7.8Hz,1H);9.92(broad s,1H);12.06(broad m,1H)。LCMS(A2):ES m/z=1217[M+H];m/z=1215[M−H];t=1.05分。
【0813】
実施例22
【0814】
【化272】
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【0815】
化合物76(6mg、4.93μmol)をDCM(0.5mL)とDMF(0.1mL)の混合物に溶解し、この後、N,N’−ジスクシンイミジルカルボナート(6mg、23.42μmol)およびDIPEA(4μL、22.96μmol)を順次添加する。3時間、室温で反応させた後、NHCl飽和水溶液を添加し、この混合物を3回、DCMで抽出する。併せた有機相をNaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮する。この粗生成物を、100/0から90/10 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。化合物Ex.22を白色固体の形態で得る(4mg;61%)。H NMR(500MHz,DMSO−d)δ(ppm):0.80 to 0.90(m,12H);0.96(d,J=7.3Hz,3H);1.03(s,3H);1.15(s,3H);1.32 to 1.76(m,7H);1.80 to 1.89(m,3H);1.97(m,1H);2.29(m,2H);2.44(m,1H);2.60 to 2.75(m,4H);2.81(s,4H);2.89 to 3.08(m,5H);3.41(partially masked m,1H);3.77(d,J=2.0Hz,1H);3.81(s,3H);4.14 to 4.24(m,3H);4.27(ddd,J=3.9 and 8.3 and 11.5Hz,1H);4.38(m,1H);4.93 to 5.03(m,3H);5.11(m,1H);5.39(broad s,2H);5.88(broad d,J=15.2Hz,1H);5.96(t,J=5.9Hz,1H);6.48(ddd,J=3.7 and 11.1 and 15.2Hz,1H);7.05(d,J=8.3Hz,1H);7.16 to 7.36(m,9H);7.59(d,J=7.8Hz,2H);7.76(t,J=6.1Hz,1H);7.88(d,J=8.8Hz,1H);8.10(d,J=7.3Hz,1H);8.41(d,J=8.3Hz,1H);9.97(broad s,1H)。LCMS(A2):ES m/z=1314[M+H];m/z=1358[M+HCOH−H];t=1.06分。
【実施例23】
【0816】
【化273】
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【0817】
化合物77:(E)−(3S,10R,16S)−16−{(S)−1−[(2R,3R)−3−(4−アミノメチルフェニル)オキシラニル]エチル}−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−6,6−ジメチル−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−2,5,9,12−テトラオン
【0818】
【化274】
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【0819】
化合物60(23mg、31.76μmol)をメタノール(1mL)と水(0.2mL)の混合物に溶解し、この後、TCEP(34.90μmol)およびDCM(前述のものを溶解するために十分な量)を添加する。得られた溶液を一晩、室温で攪拌し、この後、減圧下で濃縮する。この後、残留物をNaHCO飽和水溶液に溶かし、DCMで3回抽出する。併せた有機相をNaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮する。この粗生成物を、100/0から90/10 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって最終精製する。このようにして化合物77を白色固体の形態で得る(12mg、59%)。H NMR(500MHz、DMSO−d)δ(ppm):0.78(d,J=6.4Hz,6H);1.00(s,3H);1.05(d,J=6.9Hz,3H);1.12(s,3H);1.30(m,1H);1.47 to 1.62(m,2H);1.79(m,1H);2.22 to 2.32(m,3H);2.63 to 2.73(m,2H);2.92 to 3.05(m,3H);3.35(partially masked m,1H);3.71(s,2H);3.81(s,3H);3.86(d,J=1.6Hz,1H);4.25(ddd,J=3.6 and 8.0 and 11.3Hz,1H);4.90(dd,J=3.6 and 9.6Hz,1H);5.11(ddd,J=1.5 and 5.2 and 11.3Hz,1H);5.79(dd,J=1.5 and 15.0Hz,1H);6.47(ddd,J=3.6 and 11.3 and 15.0Hz,1H);7.05(d,J=8.5Hz,1H);7.17(dd,J=1.9 and 8.5Hz,1H);7.19 to 7.26(m,3H);7.28(d,J=1.9Hz,1H);7.34(d,J=8.0Hz,2H);8.34(d,J=8.0Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=698[M+H];m/z=696[M−H];m/z=742[M+HCOH−H];t=0.87分。
【0820】
化合物78:FmocVal−Cit−PABAC−α−アミノクリプトフィシン77
【0821】
【化275】
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【0822】
化合物77(10mg、14.32μmol)を無水DMF(0.1mL)に溶解し、この後、アセトニトリル(1mL)とDMF(0.1mL)の混合物中の中間体73(11mg、14.35μmol;WO2006/110476に従って調製したもの)の溶液を添加する。この混合物を3時間、室温で攪拌し、この後、減圧下で濃縮する。この後、残留物を、100/0から90/10 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。化合物78を白色固体の形態で得る(18mg、95%)。LCMS(A5):ES m/z=1325[M+H];m/z=1369[M+HCOH−H];t=4.32分。
【0823】
化合物79:Val−Cit−PABAC−α−アミノクリプトフィシン77
【0824】
【化276】
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【0825】
化合物78(42mg、31.68μmol)をDMF(5mL)に溶解し、この後、ピペリジン(150μL、1.51mmol)を添加し、この混合物を30分間、室温で攪拌する。混合物を減圧下で濃縮し、残留物を最少量のメタノールに溶解し、エーテルから沈殿させる。このようにして化合物79を白色固体の形態で得る(21mg、60%)。LCMS(A4):ES m/z=1103[M+H];m/z=1101[M−H];m/z=1147[M+HCOH−H];t=3.67分。
【0826】
化合物80:グルタル酸−Val−Cit−PABAC−α−アミノクリプトフィシン77
【0827】
【化277】
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【0828】
化合物79(20mg、18.12μmol)をDMF(100μL)と無水DCM(500μL)の混合物に溶解し、この後、グルタル酸無水物(4mg、35.06μmol)を添加する。得られた溶液を一晩、室温で攪拌し、この後、減圧下で濃縮する。残留物を最少量のDCMおよびメタノールに溶かし、エーテルとペンタンの混合物から沈殿させ、焼結漏斗で濾過する。このようにして化合物80を白色固体の形態で得(23mg、104%粗製)、この化合物を粗製形態で次の工程において用いる。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.78(d,J=6.3Hz,6H);0.84(d,J=6.6Hz,3H);0.86(d,J=6.6Hz,3H);1.00(s,3H);1.04(d,J=6.9Hz,3H);1.12(s,3H);1.22 to 1.47(m,3H);1.51 to 1.64(m,3H);1.72(m,3H);1.80(m,1H);1.99(m,1H);2.20(m,4H);2.28(m,1H);2.59 to 2.73(m,2H);2.90 to 3.07(m,5H);3.32(partially masked m,1H);3.81(s,3H);3.87(broad s,1H);4.19(m,3H);4.24(m,1H);4.38(m,1H);4.91(dd,J=3.3 and 9.6Hz,1H);4.97(broad s,2H);5.10(dd,J=4.4 and 10.7Hz,1H);5.40(broad s,2H);5.79(broad d,J=15.1Hz,1H);5.99(broad m,1H);6.47(ddd,J=3.6 and 11.3 and 15.1Hz,1H);7.05(d,J=8.5Hz,1H);7.17(broad d,J=8.5Hz,1H);7.20 to 7.34(m,8H);7.60(broad d,J=8.2Hz,2H);7.76(broad t,J=5.4Hz,1H);7.83(d,J=8.5Hz,1H);8.09(broad d,J=7.1Hz,1H);8.34(d,J=8.0Hz,1H);9.95(broad s,1H);11.98(broad m,1H)。LCMS(A2):ES m/z=1217[M+H];m/z=1215[M−H];t=1.03分。
【0829】
実施例23
【0830】
【化278】
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【0831】
実施例23は、実施例22について説明した方法に従って酸80を活性化することによって得ることができる。
【実施例24】
【0832】
4−((2S,3S)−3−{(S)−1−[(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル]エチル}オキシラニル)ベンジル[2−メチル−2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)プロピル]メチルカルバマート
【0833】
【化279】
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化合物81:メチル[2−メチル−2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)プロピル]アミン
【0834】
【化280】
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【0835】
MeOH(35mL)中のアミン15(478mg、2.90mmol)の溶液にTCEP(831mg、2.9mmol)を添加する。2時間、室温で反応させた後、得られた溶液をエタノール(70mL)中の2,2’−ジピリジルジスルフィド(960mg、4.36mmol)の溶液にアルゴン雰囲気下で一滴ずつ添加する。さらに2時間、室温で反応させた後、この混合物を減圧下で濃縮する。残留物をDCMに溶かし、NaHCO飽和水溶液で洗浄する。有機相を分離し、この後、水性相をDCMでさらに2回抽出する。併せた有機相をNaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮する。この粗生成物を、98/2から85/15 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。化合物81を淡黄色の油の形態で得る(587mg、89%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):1.25(s,6H);1.80(broad m,1H);2.19(s,3H);2.45(s,2H);7.22(ddd,J=1.5 and 5.0 and 7.0Hz,1H);7.74 to 7.85(m,2H);8.42(ddd,J=1.1 and 1.5 and 5.0Hz,1H)。
【0836】
実施例24:4−((2S,3S)−3−{(S)−1−[(E)−(3S,10R,16S)−10−(3−クロロ−4−メトキシベンジル)−3−イソブチル−6,6−ジメチル−2,5,9,12−テトラオキソ−1,4−ジオキサ−8,11−ジアザシクロヘキサデカ−13−エン−16−イル]エチル}オキシラニル)ベンジル[2−メチル−2−(ピリジン−2−イルジスルファニル)プロピル]メチルカルバマート
【0837】
【化281】
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【0838】
無水DCM中の中間体58(21mg、24.3μmol)の溶液に、アミン81(10mg、43.79μmol)およびDIPEA(8μL、45.43μmol)を添加する。室温で24時間後、NaHCO飽和水溶液を添加し、この混合物をDCMで3回抽出する。併せた有機相をNaSOで脱水し、濾過し、減圧下で濃縮する。この粗生成物を、100/0から95/5 DCM/メタノール混合物で溶出させるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって精製する。このようにして化合物Ex.24を無色の固体の形態で得る(7mg、30%)。H NMR(500MHz、DMSO−d):0.82(d,J=6.0Hz,3H);0.84(d,J=6.0Hz,3H);0.97(d,J=6.8Hz,3H);1.03(s,3H);1.14(s,3H);1.25(broad s,6H);1.45 to 1.68(m,3H);1.88(m,1H);2.42(partially masked m,1H);2.58 to 2.75(m,2H);2.83 to 3.09(m,6H);3.34(partially masked m,1H);3.46(broad s,2H);3.81(broad s,4H);4.28(m,1H);4.91 to 5.17(m,4H);5.88(broad d,J=15.2Hz,1H);6.49(m,1H);7.05(d,J=8.6Hz,1H);7.15 to 7.38(m,8H);7.80(broad m,2H);8.39(d,J=7.8Hz,1H);8.43(broad d,J=4.6Hz,1H)。LCMS(A2):ES m/z=953[M+H];m/z=477[M+2H]2+;m/z=997[M+HCOH−H];t=1.23分。
【実施例25】
【0839】
hu2H11−Ex17
【0840】
【化282】
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【0841】
一般法に従って、5.66mg/mLの濃度で8.31mg(0.057μmol、1.486mL)の裸の抗体hu2H11を、最終抗体濃度が混合物中3mg/mLになるように、37.3μLのDMAに溶解した5当量の化合物Ex.17(0.442mg、0.340μmol)で処理する。Superdex 200pgで精製し、Amicon Ultra−15(Ultracel 50k膜、Millipore)で濃縮した後、1抗体あたり平均で2.2の細胞傷害性単位、および0.01Mのリン酸塩と0.14MのNaClと20容量%のNMPとを含有する水性pH6.5緩衝液中99.7%のモノマー純度を有する2.15mLのコンジュゲートを2.48mg/mLの濃度で得る。1mLのコンジュゲートに対して0.01Mのリン酸塩と0.14MのNaClとを含有する水性pH6.5緩衝液中で最終緩衝液交換を行う。このようにして、1抗体あたり(UVによって判定して)平均で2.8のクリプトフィシン誘導体および99.7%のモノマー純度を有する1.5mLのコンジュゲートEx.25の溶液を1.06mg/mLの濃度で得る。
【実施例26】
【0842】
hu2H11−Ex18
【0843】
【化283】
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【0844】
一般法に従って、5.35mg/mLの濃度で7.8mg(0.053μmol、1.458mL)の裸の抗体hu2H11を、最終抗体濃度が混合物中3mg/mLになるように、272μLのDMAに溶解した6当量の化合物Ex.18(0.578mg、0.531μmol、純度60%)で処理する。Superdex 200pgで精製し、Amicon Ultra−15(Ultracel 50k膜、Millipore)で濃縮した後、1抗体あたり平均で2.5のクリプトフィシン誘導体および0.01Mのリン酸塩と0.14MのNaClと20容量%のNMPとを含有する水性pH6.5緩衝液中100%のモノマー純度を有する2.35mLのコンジュゲートを2.49mg/mLの濃度で得る。1mLのコンジュゲートに対して0.01Mのリン酸塩と0.14Mの塩化ナトリウムとを含有する水性pH6.5緩衝液中で最終緩衝液交換を行う。このようにして、1抗体あたり(UVによって判定して)平均で2.22のクリプトフィシン誘導体および99.9%のモノマー純度を有する1.5mLのコンジュゲートEx.26の溶液を0.84mg/mLの濃度で得る。
【実施例27】
【0845】
hu2H11−Ex19
【0846】
【化284】
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【0847】
一般法に従って、10.24mg/mLの濃度で12mg(81.7μmol、1.172mL)の裸の抗体hu2H11を、最終抗体濃度がこの反応媒体中3mg/mLになるように、44.3μLのDMAに溶解した2×5当量の化合物Ex.19(0.382mg、0.41μmol)で処理する。20%NMPの存在下、Superdex 200pgで精製し、Amicon Ultra−15(Ultracel 50k膜、Millipore)で濃縮した後、0.01Mのリン酸塩と0.14MのNaClと20容量%のNMPとを含有する水性pH6.5緩衝液中の1.04mLのコンジュゲートを得る。0.01Mのヒスチジンと10%のスクロース(w/v)と5%のNMP(v/v)とを含有する水性pH6.5緩衝液中で最終緩衝液交換を行う。このようにして、1抗体あたり平均で1.4のクリプトフィシン誘導体(HRMS)および99.8%のモノマー純度を有する1.5mLのコンジュゲートEx.27の溶液を2.66mg/mLの濃度で得る。
【0848】
上に与えた実施例は、特定のクリプトフィシン誘導体(多くの場合、誘導体D)を用いて調製したが、群D−Dの別の誘導体にまたは一般式(II)のクリプトフィシン誘導体に適用することができる。類似して、実施例10、11、12、25、26および27におけるコンジュゲートの実施例をhu2H11以外の抗体に適用することができる。
【0849】
注記:前記実施例において、−Lys−は、結合が抗体のリシンのε−アミノ基上で起こることを意味する。
【実施例28】
【0850】
細胞傷害剤によるMDA−MB−231、MDA−A1およびHCT116細胞系の増殖の阻害の評価、タイプSZ(この場合、Z=SMe)またはタイプ−C(=O)−Z(この場合、Z=OMeまたはOCH−CH=CH)の式(II)の化合物で行った研究
指数増殖期のMDA−MB−231、MDA−A1またはHCT116細胞をトリプシン処理し、これらのそれぞれの培養基(MDA細胞についてはDMEM/F12 Gibco #21331、10%FCS Gibco #10500−056、2nM グルタミン Gibco #25030;HCT116細胞についてはDMEM Gibco #11960、10%FCS Gibco #10500−056、2mM グルタミン Gibco #25030)に再び浮遊させる。細胞浮遊液をCytostar 96ウエル培養プレート(GE Healthcare Europe、#RPNQ0163)における血清を含有する全培地に5000細胞/ウエルの密度で接種する(MDA−MB−231、DMA−A1、HCT116)。4時間のインキュベーション後、クリプトフィシン誘導体の系列希釈物をこれらのウエルに10−7から10−12Mの漸減濃度で(各濃度について三重反復で)添加する。3日間、37℃で、5%COを含有する雰囲気下、細胞傷害剤の存在下で細胞を培養する。第4日に、各ウエルに10μLの14C−チミジン溶液(0.1μCi/ウエル、Perkin Elmer #NEC56825000)を添加する。実験開始の96時間後、マイクロベータ放射能カウンター(Perkin Elmer)を使用して14C−チミジンの取り込みを測定する。細胞傷害剤で処理した細胞で得られた低減されたカウントと(培養基のみで処理した)対照ウエルの細胞で得たカウントとの比を決定することにより、生存率の形でデータを表示する。
【0851】
【表4】
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【実施例29】
【0852】
抗体−細胞傷害剤コンジュゲートによるMDA−MB−231、MDA−A1およびHCT116細胞系の増殖の阻害の評価
指数増殖期のMDA−MB−231、MDA−A1またはHCT116細胞をトリプシン処理し、これらのそれぞれの培養基(MDA細胞についてはDMEM/F12 Gibco #21331、10%FCS Gibco #10500−056、2nM グルタミン Gibco #25030;HCT116細胞についてはDMEM Gibco #11960、10%FCS Gibco #10500−056、2mM グルタミン Gibco #25030)に再び浮遊させる。細胞浮遊液をCytostar 96ウエル培養プレート(GE Healthcare Europe、#RPNQ0163)における血清を含有する全培地に5000細胞/ウエルの密度で接種する(MDA−MB−231、DMA−A1、HCT116)。4時間のインキュベーション後、クリプトフィシン誘導体の系列希釈物をこれらのウエルに10−7から10−12Mの漸減濃度で(各濃度について三重反復で)添加する。37℃、5%COを含有する雰囲気で、抗体−細胞傷害剤イムノコンジュゲートの存在下、3日間、細胞を培養する。第4日に、10μLの14C−チミジン溶液(0.1μCi/ウエル、Perkin Elmer #NEC56825000)を各ウエルに添加する。実験開始の96時間後、マイクロベータ放射能カウンター(Perkin Elmer)を用いて14C−チミジンの取り込みを測定する。イムノコンジュゲートで処理した細胞で得られた低減されたカウントと(培養基のみで処理した)対照ウエルの細胞で得たカウントとの比を決定することにより、生存率の形でデータを表示する。一定の実験では、裸の抗体hu2H11を実験開始時に1μMの濃度でウエルに添加し、前に説明したように増殖の阻害を測定した。
【0853】
【表5】
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図1
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図2
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